2/15阿波羅新聞網<中美谈判 习近平不让步?官方新政策出炉迎战美国 中国进口大豆暴增藏猫腻=米中交渉 習近平は譲歩しない? 公表した新政策は米国に応戦と明らかに 中国の大豆輸入は激増したが隠蔽>ブルームバーグの最新の報道では「WHのクドローは以前貿易交渉で合意するのを楽観視していたが、進展はわずか。中共は米国に“国有企業の補助金と会社経営の改善要求”を取消すよう求めている。米国は譲歩しなかった」と。中共の公式統計に依れば、中国の大豆輸入は12月と比べ大幅に増えているが、どこから入って来たのかの説明はない。米国の関心のある問題に正面切って応えるのは望んでいない。
トランプの関税策は成功している。米国は第一四半期に関税90億$の収入があった。中共農業部は大豆や油生産できる作物の生産を求めているが、媒体によればこれが対米応戦の新政策とのこと。
https://www.aboluowang.com/2019/0215/1246684.html
2/16大紀元時報<駐華大使私設鴻門宴 瑞典外交部長「憤怒」=スウェーデン駐華大使は私的に鴻門の会(項羽と劉邦が鴻門で会い、劉邦を亡き者にしようとしたが果たせなかった)を開く スウェーデン外相は激怒>
カナダ駐華大使マッカラム(図)が中国を助ける話をして免官になったのに続き、先日はスウェーデン駐華大使も中国を助けることをした。外部の人間は彼らが中共から買収されたと疑っている。
スウェーデン駐華大使のAnna Lindstedtはストックホルムで桂民海(香港・銅鑼湾書店の関係者でスウェーデン国籍であるが、長く中国に拘束されている)の娘Angela Guiと2名の自称中国商人(多分国家安全部員)とを引き合わせた。二人は娘に対して「公開でいろいろ発言は止めろ」、「永久に父親には会えなくなるぞ」と脅し、大使は「中国はスウェーデンを罰することができる」と言って、彼女に協力を要請。また「このような考えをするのは残念」とも彼女に言った。2/15 Margot Wallstrom外相はインタビューで「非常に怒っている」と。外務省は何も聞いておらず、2/13Angela Guiがネットで伝えたため分かった。駐華大使を呼び寄せ調査している。今は中国に代理の大使を置いている。
まあ、どこの国(民主主義国でも)もハニーか賄賂に引っかかる奴がいるという事です。米国内でトランプの風当たりが強いのは、彼は金を取ってないからです。取っているメデイア、政治家、官僚は中共の支援をせざるを得ません。騙されないことです。そもそもで言ったら人権弾圧する専制国家の言うことを何故支持するのですか?おかしいと思わないと。
https://hk.epochtimes.com/news/2019-02-16/73842388
2/17阿波羅新聞網<大外宣诡异曝光习近平神秘隐身 江派两常委中办大秘被贬 王沪宁强推习思想遭反弹=海外宣伝メデイアの“多維”は習近平が姿を現さないのはおかしいと暴露 江沢民派の両常務委(張徳江と劉雲山)の前秘書は閑職に 王沪寧は習思想を押し付けるも反撃に遭う>2/3習は新年の挨拶を話してから、2/15対米交渉団と話すまで姿を見せなかった。12日もどこに行っていたのか?“多維”は「中国の伝統の新年を祝うために個人休暇を取った。不要な憶測を避けるため、党のメデイアは毎日1面で習について書いていた」と報じた。制度上、主席と雖も休みは取れるが、今までこのような情報を公開したことはない。12日間もいないと。江沢民派の媒体だからか。
2012年9月、習が胡錦濤から引き継ぐときも12日間いなくなった。ヒラリーやリーシェンロン、デンマーク首相、ロシア代表団と会う約束を総てキャンセルした。周永康、郭伯雄、徐才厚等が習を暗殺しようとしたためと言われる。
王沪寧の作ったアプリ「学習強国」は党員にダウンロードさせ、毎日使うように指示。(デジタル毛語録)。使用が少ないとすぐに通報される。iPhoneアプリストア上では一つ星の評価。“誰もが自分で望んだものをダウンロードする。強制するな”とか“強国になるのを勉強しろと、うっとおしい” とかの不満のメッセージ。百度の評価は5段階で2.7。アリババのアプリは電話、e-mail、インスタ、スケジュール管理があるが、スナップチャット式の「読んだら燃やせ」機能もついている。多くのネチズンは「学習強国」は「読んだら燃やせ」の密令かと連想した。
https://www.aboluowang.com/2019/0217/1247314.html
2/17阿波羅新聞網<中领馆暗线指挥留学生?加国大学校方调查=中国領事館は裏で留学生を指揮?カナダの大学は調査>
チベット族の末裔がトロント大学のスカボロ分校の学生会長に当選したらSNS上で中国語・英語で罵っているのが分かった。マクマスター大学にも類似の事件が発生した。
2/11の晩、大学でウイグル族支援の講座を開催したのは「反中講座」と中国人留学生(5つの連絡組織ができている)は思っている。彼らは12日にトロントの領事館に通報した。大学側は学生がコントロールされるのを心配している。目下この件で調査中」と表明した。
下は、学生のスマホでの遣り取り。
講演会で講演したカナダウイグル人大会前主席のRukiye Turdush女史。英語です。
如何に大学にも中共の手が伸びているかです。日本の大学は相当危ない。自由の為に戦う学問の徒がいるとは思えませんので。中共の言いなりになっているのでは。下にも書きましたけど、地方大学の受入拡大策を展開するようではアホかとしか言いようがありません。
https://www.aboluowang.com/2019/0217/1247252.html
2/16日経朝刊<アイヌ新法案を閣議決定 「先住民族」初明記>、<在留資格、優遇大学を拡大 外国人材の地方分散促す>、2/17日経朝刊<首相が推薦状 関係者認める 「トランプ氏 ノーベル賞候補に」>を見て、安倍内閣はおかしくなっているのではと感じます。アイヌを先住民とした法律を認めれば次は沖縄もとなるのは必定。沖縄とアイヌに金が落ちる仕組みができ、かつ独立を主張しやすくする後押しをしたのでは。在留資格、優遇大学を拡大というのは、高度人材ポイント制で高度専門職の在留資格のポイントがアップする旧帝大・早慶等13校以外に、地方の大学にも適用枠を広げると言うもの。地方にも敵国人をばら撒くつもりかと言いたい。少なくとも反日国からの受入は拒否してからやらなくては。トランプにノーベル平和賞推薦は賛成ですが、結果が出てからでしょう。オバマのように受賞後は力の行使を躊躇い、中国とロシアの侵略を招くようにならんとも限りません。金正恩が交渉して来たのは米軍の攻撃の本気度を感じたからです。非核化も米軍の圧力なしでは進まないでしょうし、拉致被害者の帰国も軍事的圧力がない限り、小中華の朝鮮人がするはずがありません。如何に代わりがいないからと言っても、左翼・リベラル派の為すが儘では安心して国は任せられません。愚かなことは止めて戴きたい。まあ、トランプとオバマは違うと判断してのことかも知れませんが。
下の写真は昨日本ブログで紹介しましたコカ・コーラ社から機密を盗んで逮捕された游暁蓉(米国籍華人)の写真です。
贈賄・窃盗の記事が相次ぐ中、これでも中国人は徳があると思える人はいますか?まあ、平気で嘘を垂れ流す朝日新聞の読者だったら信じるかもしれませんが。
2/17日経朝刊<中国企業、ドル調達に苦戦 社債金利1年で2%上昇 不履行多発、業績悪化懸念で
中国企業がドルの調達に苦戦している。ドル建て社債の発行金利は直近3カ月の平均で7.8%と、1年前(5.6%)に比べ2%も上昇した。満期までの期間も0.7年ほど短くなり、調達環境の悪化が鮮明だ。国内で多発する債務不履行や、景気減速に伴う業績低迷が金利高につながっている。調達コストの上昇が続けば業績や資金繰りを圧迫し、中国経済の新たな重荷になりかねない。
中国の不動産開発業者による資金調達が難しくなっている(北京)=ロイター
2016年以降、中国に本社を置く企業が発行したドル債約400本を集計した。銀行が発行した債券は除いた。
3カ月ごとの利率の平均をみると16、17年は5~6%台だったが、18年に入り7%を超え始めた。満期までの平均期間は18年12月~19年2月で2.6年と前年同期(3.3年)より短くなった。企業にとっては、高い金利を支払っても以前より短期間の資金手当てしかできないことになる。
利率が10%を超す事例も増えている。不動産開発に携わる企業で目立ち、当代置業が1月に発行した期間1.5年の社債では15.5%に達した。期間2年の米国債の利回りは2%台半ばで、十数%の上乗せ金利が必要になった計算だ。
緑地控股集団や、中国恒大集団など大手不動産も8~9%台でドル債を発行している。資金繰りの悪化が表面化した複合企業、海航集団(HNAグループ)が18年10月末に発行した社債の利回りは12%だった。
社債の発行金利が上昇している要因は2つある。まず挙げられるのが中国国内で多発している社債の債務不履行だ。元建て債の不履行額は18年に1200億元(約2兆円)超に達し、19年も2月中旬までで100億元を超えた。
中国の社債は銀行が買い手となっていることが多く、投資家にはまだ大きな影響は出ていない。海外投資家の保有が多いドル債の不履行件数も1桁にとどまっている。だが中国企業には「銀行の支援を前提に、半ば意図的に元利払いを遅らせる企業が存在する」(外国銀行)とされ、投資家の警戒は強まりつつある。
景気減速や米中摩擦を背景にした企業業績の悪化懸念も金利を押し上げている。上海、深圳市場に上場する3600社のうち、18年12月期の最終損益が前の期を下回る企業は約1100社にのぼる。うち400社が最終赤字に陥ったもようだ。
業績見込みを開示した2600社強の集計では3%の最終減益になった。習近平(シー・ジンピン)指導部は景気底割れを回避しようと公共投資や減税の積み増しに動いている。だが対策の効果が現れるのは19年後半になってからとの声が多く、企業の収益力や資金繰り改善は遅れている。
企業が稼ぐ力を取り戻すのに時間がかかるなか、過去に発行した社債が相次ぎ償還期を迎えている点も負担だ。野村国際の推計では、20年末にかけ四半期ごとに平均で330億ドル(約3兆6千億円)超のドル債が満期を迎える。
社債の出し手の3分の2は不動産など事業会社が占める。借り換え時に2%の金利上昇があったと仮定すると、利払いは年十数億ドル規模で増える。「資金繰りや企業収益を圧迫しかねない」。野村国際の王立升エコノミストは警鐘を鳴らす。
国際決済銀行(BIS)によると中国は18年9月末時点で5千億ドルを超すドル建ての債務を抱えている。コントロールが及ばないドル金利の上昇は、中国が抱える最も大きなリスクの一つだ。
債券の発行より償還の方が多ければ、中国からドルが流出することにもつながる。習指導部は債券投資の規制緩和などで海外資金を呼びこもうと必死だ。企業のドル債発行が滞れば施策の効果が弱まり、中国の資本市場への海外投資家の評価も損なう。
米連邦準備理事会(FRB)が金融引き締め路線を見直す方針を打ち出したことで、金融市場は落ち着きを取り戻しつつある。だが中国企業を取り巻く環境は改善しないまま。高金利やドルの調達難が債務不履行の多発につながれば混乱要因になりかねない。
外債の出し手には「融資平台」と呼ばれる地方政府系の投資会社も多く名を連ねる。不動産会社や融資平台の外貨調達を支援すれば過剰債務など構造問題の温存につながり、淘汰を容認すれば思わぬ景気減速や資金流出を招く懸念が高まる。習指導部は難しい選択を迫られている。(上海=張勇祥)>(以上)
2/17宮崎正弘氏メルマガ<「海亀組」はもう要らない。大学新卒834万人、まともな就職先がないゾ 313万の海外留学のうち85%が帰国したが、お先真っ暗、展望拓けず>
http://melma.com/backnumber_45206_6789849/
中国の景気が本格的に悪くなってきたのでしょう。日本企業の中国進出の旗振り役を担ってきた日経が事実を報道するようになってきましたので。庇い切れないほど悪いという事です。中国への投資は回収しておくことです。
福島氏の記事は、中国人は奴隷になれているとしか思えません。阿Qが現代にも沢山生きているという事でしょう。「共産党が地球を救う」?最悪のギャグとしか思えません。片一方で人権派弁護士を逮捕拘留、ウイグル人の収容所送りを平気でやれるシステムで世界を支配するようになると、星との衝突が避けられても、それ以上の苦難が人々には待ち受けています。“苛政(中共)は虎(衝突)よりも猛なり”と。
記事
宇宙を舞台にした中国映画が大ヒットしている(写真はイメージ)
中国で総製作費3.2億元の国産本格SFアドベンチャー映画「流浪地球(さまよえる地球)」(英語タイトル:The Wondering Earth)が2月5日に封切られ、10日までに劇場チケット売り上げ20億元を突破した。これは春節映画全体の売り上げの約半分を占める快挙。米国紙「ニューヨーク・タイムズ」までが「中国映画界の新時代の曙」「中国映画も宇宙競争に参入」とかなり持ち上げた記事を書いている。
映画「流浪地球」のポスター 確かに、面白そうだ。なにせ、原作は、ヒューゴー賞を受賞した中国SF小説『三体』(早川書房から邦訳が2019年に出版予定)の著者、劉慈欣の同名小説。主演は中国版ランボーともいえる戦争活劇「戦狼」のヒーロー、冷峰役を演じた愛国演技派俳優、呉京(ウー・ジン)。監督は15歳のときにジェームズ・キャメロン監督の「ターミネーター2」を見てSF映画監督を目指したという80后(1980年生まれ)の郭帆(グオ・ファン)。
郭帆は3作目にしてこの大作に挑んだわけだが、中国のSNS「微博」でジェームズ・キャメロンの公式アカウントから「ワンダリング・アースにグッドラック、中国SF映画の航海にグッドラック」とコメントをもらっている。キャメロンのお眼鏡にもかなっているのか? だが、この映画も娯楽性と出来映えとはまた別に、相当政治性が絡んでいるともいえそうだ。
「地球を救うのは共産党だけ」
映画のストーリーははるか未来、太陽がいよいよ寿命がつき赤色巨星となって地球を飲み込まんとする時代が舞台。人類は巨大な推進機を使って地球を太陽系から脱出させて新しい太陽系のもとへ移動させる計画を実行する。だが、木星のそばを通るとき、絶体絶命の危機に襲われて・・・。ハリウッド映画では地球を救うのはたいてい米国人だったのが、この映画のヒーローは数人の中国人。何度も銀幕に翻る五星紅旗。なるほど、プロパガンダ臭がしないでもない。主役が愛国プロパガンダ軍事映画の「戦狼」の呉京なので、余計にそう感じるところもある。
実際、淘票票(アリババの映画チケット購入ショップ)で購入された一部チケットに「地球を救うのは共産党だけ」と印刷されていたことがネットで揶揄されていた。これは、一部購入者がチケット印刷時に好きな言葉を書き込めるサービスを利用しただけで、別に当局サイドがそのような宣伝を強要しているわけではないらしい。だが、習近平のスローガンである「人類運命共同体」の思想を最もよく体現している、と共産党のお墨付きをもらっているのは本当のようだ。
ラジオ・フリーアジアによれば、1月中旬、この映画のメーン製作会社である中国電影集団公司(中影集団)内で、「映画館に対して封切り1週間の間、上映率を30%より低くしてはならないと要求する」という通達を出しているという。党からは、ネットやメディア上での映画評欄でこの映画を大宣伝すべし、という指示も出ているという匿名のメディア関係者のコメントもあった。同時に批判評が削除されている、という話も。行政単位や組織、企業、工場、学校などでは職員、従業員 生徒に対し映画館への動員令も出ていると、微信で暴露する人もいる。
映画「流浪地球」予告編のワンシーン
途中で出資を引き揚げた万達電影
この映画の出資者は23社。中影集団と北京文化が製作・配給会社となって出資者を募った。もともと、中国映画界最大手の中影が、国際社会でもファンの多い中国SFの大御所・劉慈欣の小説の映画化を狙っていた。2014年に発表された中影の24の映画プロジェクト中には、劉慈欣SF作品が3部含まれている。その中に「流浪地球」があった。2014年に青春映画「同桌的你(同じテーブルで)」で頭角を現した監督の郭帆に白羽の矢を立て、意見を聞いたところ「流浪地球」に反応したという。2016年に国家新聞出版広電総局の認可を得た。ここに、郭帆の「同桌的你」に出資した縁のある北京文化が乗ってきた。北京文化は「戦狼」や「我不是薬神」とヒット作を飛ばし株価うなぎのぼり勢いがある映画会社で、1億元を投資。2017年4月に出資者を公募したところ、阿里影業、騰訊影業など23社が出資に参加した。
実はもう1社、出資会社があったのだが、途中で出資を引き揚げた。それが王健林率いる不動産系コングロマリット万達集団傘下の映画館運営会社・万達電影だ。
2018年6月に公表した報告書によれば、このときはまだ「流浪地球」への出資が事業計画に記載されていた。だから出資を引き揚げたのはごく最近だ。2017年5月26日に青島でクランクインしていたのだから、いくらなんでも出資撤回のタイミングとしては奇妙だ。
しかも万達電影が出資している別の映画「情聖2」の主演の呉秀波(ウー・ショウポー)は昨年(2018年)秋から不倫スキャンダルに見舞われ、中国芸能界から完全に締め出されてしまった。「情聖2」の公開日は未定。
ちょっと脱線して、芸能ゴシップを解説すると、中国で一番かっこいいおじさん俳優といわれる呉秀波と不倫関係にあったのは25歳の若手女優・陳昱霖(チェン・ユーリン)。呉秀波は彼女に1年半にわたって強請(ゆす)られていた、と主張しており、陳昱霖は恐喝で逮捕されている。だが彼女の両親は、呉秀波がコネを使って公安に逮捕させたのであって、冤罪だと主張。両親によれば、呉秀波と陳昱霖はスキャンダル発覚後、2018年10月に弁護士を挟んで関係を整理し、陳昱霖は海外に世論が鎮まるまで避難、時が来たら呼び戻すと約束。11月に呉秀波が彼女を呼び戻したところ、空港で公安に逮捕されたのだった。真相はどうであれ、娘ほどの年の差の女優に7年も身の回りの世話をさせ尽くさせていたことを思えば、彼女が金銭を要求しても当然ではないか、と世論は呉秀波バッシングに動いている。
万達が引き揚げた資金の穴埋めをしたのは呉京自身で、彼の個人会社が6000万元を出資。呉秀波の没落と呉京の俳優としての株の上昇は対照的だ。
習近平にお灸を据えられた王健林
万達はまさか「流浪地球」がこれほどヒットするとは思わなかっただろう。万達の“大損”は、単に経営判断のミスや不幸な事件に巻き込まれたせいなのか?
やはり政治が影を落としている気がする。
振り返れば、2016年まで、映画業界を牛耳っていたのは万達だった。創業者の王健林は解放軍出身の実業家で、不動産会社の万達を起業したあと、不動産業バブルに乗って、2013年にはフォーブスの長者番付で中国一の大富豪となった。
不動産業で巨額の富を築いた万達集団は2012年から映画業界に乗り出し、中国全土で映画館の買収、映画製作への出資を開始。また北米で2番目の映画館チェーン・AMCシアターズやハリウッドの映画製作会社・レジェンダリーピクチャーズ、カーマイクシネマズなどを次々と買収。世界最大の映画館運営会社となって、“ハリウッドを買い取る”とまで豪語していた時期もあった。
また青島に東方ハリウッドともいうべき映画スタジオテーマパーク・東方影都を建設。ヨーロッパや清朝時代の街並みセットや20の映画スタジオ、3000人を収容する映画館、ホテルやショッピングモールを備え、ここでハリウッドをしのぐ国内外の映画製作を行い、また青島国際映画祭を開いてアカデミー賞を越える映画界の権威となるという壮大な夢を広げていた。
万達の勢いに対しては米映画界も実際、危機感をもっていたようで、米国メディアも、中国に映画産業をコントロールされることへの警鐘を込めた記事を結構報じていた。なにせ、中国は言論・表現の不自由な国であり、暴力や性表現、政治的表現については非常に厳しい検閲が行われているからだ。同時に映画のプロパガンダ性、洗脳性の強さは米国自身が身をもって証明しているところ。ハリウッド映画が米国の自由と正義のイメージを作り上げたといっても過言ではない。中国が世界の映画産業を牛耳るようになれば、中国が道徳と正義の象徴の国になる、ということもあり得るわけだ。
ところが2017年、王健林と万達集団の勢いは突如、失墜する。これは、習近平の直命で、銀行からの融資制限を受けたからだ。融資されなくなったらすぐに資金繰りにいき詰まり、5月には国内に保有するホテル、不動産、テーマパークなどの9割近くの投げ売りを余儀なくされたのだった。これは習近平政権が、2015年ごろからキャピタルフライトを警戒して、中国の民営企業に対し海外資産の“爆買い”を控えるように通達を出していたにもかかわらず、万達側がいうことを聞かなかったから。
王健林は、習近平ファミリーの資産の洗浄などを手伝ったこともある「ホワイト・グローブ(共産党官僚のために資金洗浄や資金移動を行う企業家を差す隠語、汚職に汚れた手を見せないように白手袋をはめているという意味)」。だから自分たちが特別扱いを当然受けられると思っていたのかもしれない。こうした態度が習近平の逆鱗に触れた。同じころ、習近平の逆鱗に触れた民営企業には安邦保険集団や海南航空集団などがある。
習近平にお灸を据えられた王健林は、今後は国内投資に重点を置くと宣言、万達集団の経営立て直し・再編計画を出して生まれ変わることをアピール中だ。万達の資産も王健林の資産もずいぶん減ったが、他の民営企業、安邦保険集団や海南航空集団のようにトップが逮捕されたり、謎の事故死にあったりしなかった分、運がいいのかもしれない。
こういう政治的躓きがやはり尾をひいて、「流浪地球」への出資を継続しきれなかったのか。あるいはもっと、核心的な理由がそのうちわかるかもしれない。
どんどん厳しくなる検閲と指導
万達問題のほか、人気女優・范冰冰(ファン・ビンビン)の脱税で、長期拘束を行った上に見せしめ的な巨額罰金を科した事件や、俳優や監督への報酬上限を共産党が指導する昨今の状況も含め、この数年、中国の映画産業、娯楽業界は政治に振り回され続けている。呉秀波の不倫スキャンダルも、ひと昔前なら、よくある男と女の芸能ゴシップとして扱われていただろう。女優が逮捕され、映画の公開がストップすることもなかったのではないか。
コンテンツに対する検閲と指導もこの数年どんどん厳しくなった。文革時代を舞台にした「ワン・セカンド(一秒鐘)」(張芸謀監督)や香港・中国合作の「ベター・デイズ(少年的你)」(デレク・ツァン=曽国祥)が今年のベルリン国際映画祭のコンペティション部門に出品予定だったのにポスプロ(仕上がり)がいまいち、という意味不明の理由で取り下げられた。中国政府が政治的理由でストップをかけたのではないか、とみられている。
今の中国映画・娯楽業界は、政治の風向きに戦々兢々(せんせんきょうきょう)している。息苦しく、不景気もあって金の流れも悪くなってきている。春節映画全体の動員数は前年より10%以上も低かった。
政治が産業を委縮させている。さて、そんな状態で中国映画はハリウッドを超えられるのだろうか。方向性を失ってさまよっているのは中国映画なのか、中国政治なのか。
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