中国関係の直近のニュースを上げて見ます。
8/18「希望の声」TV局記事から<“元老”是失勢還是潛伏?今年這裡據說真的沒有“會”=長老たちは勢いを失ったのか潜伏しているのか?今年は以下の情報のように本当に(北戴河で)会議は行われなかった>北戴河に来た長老は、純粋にリゾートとして楽しんだだけで、人事等の会議は行われなかったとのこと。“有人已經掌握全局,老人政治業已消散,今年海邊沒有開會。=習が既に全権力を握り、長老たちは政治に関与できなくなり、今年は北戴河で会議は行われなかった”と。7/26・27北京で政治局員の候補者の投票が既に行われたとも。別な報道では王岐山、栗戰書、王滬寧、丁薛祥等習派の大勝とのこと。この記事が本当であれば、習が独裁権力を一手に持ち、戦争できる体制となります。バノンの言ったことは正しい。「アメリカは中国と経済戦争の最中で、北朝鮮問題は余興にすぎない。アメリカは中国と経済戦争の最中だ。このままでは25年から30年後に中国が覇権を握るだろう」と。
8/19アポロネット記事<廣東逾百村民遊行抗議低價強征土地=広東省で100人を超える村人が安く土地を強制収用されようとしているため抗議デモ>中国には結社の自由はありませんから、デモは共産党が認めたデモ以外は当然違法となります。土地収用の件は共産党がやっているので認める訳がありません。潮州市の村ですから広東料理の一番おいしい地域です。既に収用は始まり、村全体でデモは数カ月に及んでいるとのこと。その内流血の惨事になるでしょう。共産党や地方政府が土地活用で賄賂を取ることを狙っていますので、必然です。
8/19Facebook記事から(実名記載ですが、名は伏せます)<バヌアツに運び込まれるはずだった、有害物質を含んだ砂利は、アフリカに行く事に。。
アフリカはそれでいいのだろうか?
こんな事、政府の役人が数十万、数百万円掴まされれば問題なく通る話だ。
今回バヌアツ政府が禁止したこと自体がニュースであると思う。
この記事で映画「トランスポーター3」を思い出しました。ある国の環境大臣に汚染物質を運んだ船を受け入れさせようと、その娘を誘拐して脅すと言うものです。映画以上にひどいことが行われようとしています。アフリカは中国の鉱物資源掘削で環境汚染されていると言うのに。
http://news.livedoor.com/article/detail/11028823/
8/20日経電子版<中国「1兆円支援」でブータン接近 インドと国境対峙
【ニューデリー=黒沼勇史】ヒマラヤ山脈でインド軍と2カ月対峙する中国が、第三の当事国ブータンを自陣営に引き込もうと外交攻勢をかけている。中国は100億ドル(約1兆900億円)に上る経済支援をブータンに提示したとみられ、インドと共闘してきたブータンの対中姿勢は軟化する。中印は相手軍の越境を非難し合うが、ブータンを取り込めば国際社会に正当性を訴えやすくなるだけに綱引きが激しさを増している。
「インド軍の侵入場所はブータン領ではないと、ブータンが明確に伝えてきた」。中国の外交官は今月上旬、インド人記者団にこう主張した。“侵入場所”とは、ブータンと中国が領有権を争うドクラム地方ドラム高原で、インド陸軍と中国人民解放軍が6月から対峙する。この外交官発言が事実なら、ブータンとインドの対中共闘関係のほころびを意味する。
ブータン政府関係者はインドメディアに即座に否定したが、インド側は疑心暗鬼に陥る。インド政府筋は今月上旬、日本経済新聞の取材に「100億ドルの投融資を中国が提案し、ブータンが中国になびき始めたとの情報を入手した」と明らかにした。100億ドルは低利融資、無償援助、直接投資のパッケージという。インド側も巻き返しに動く。スワラジ印外相は11日、地域経済連携の会合で訪れたネパールでブータンのドルジ外相と会談。中国に「だまされないように」とクギを刺し関係維持を迫った。
だがドルジ氏は会談後「ドクラム情勢の平和的、友好的な解決を望む」と述べ、中国を刺激する発言は控えた。ブータン外務省は6月、中国軍の「ブータン領内での道路建設は(現状維持を決めた中国とブータンの)合意に反する」と中国を非難していたがトーンダウン。中国共産党系の環球時報は社説でドルジ発言に触れ「ブータンが中立を保ちたいのは明らか」とインドをけん制した。
中国がブータンに接近するのは、自国の正当性を確保するためだ。インドは長年防衛協力するブータンによる「自国領内で道路建設された」という主張を根拠に、自軍をドラムに動かした。ブータンがドラムにおける領有権の主張を撤回すれば、インド軍は進軍の正当性を失い、中国領に侵犯した結果だけが残る。インド政府関係者によると、中印は7月、「両軍は同時・段階的に兵力を減らし、降雪期の9~10月か年末までに完全撤収する」と非公式に合意した。
2期目入りをめざす中国の習近平国家主席も、モディ印首相も、自国民からの弱腰批判は避けたく「自軍が先に引いたと見なされない合意」(関係者)を交わした。
だがカシミール地方で中印両軍が投石し合うなどいまだ緊張は解けていない。
インド政府筋によると、ドクラム地方で直接対峙するインド軍は約320人、中国軍は500人弱と当初より減ったが、ブータンとの国境にはインドが1万2千人、中国が1万6千人集結する。戦闘になれば小競り合いでは済まないとの見方が強まっている。
▼中印両軍の対峙 中国とブータンが領有権を争うドクラム地方ドラム高原で中国人民解放軍が道路建設しているのを6月16日、ブータンが確認し、隣接するインド北東部シッキム州からインド軍も制止に乗り出し中印対峙が始まった。
中国はインド軍の越境を非難し、インドは3カ国の国境が接する同地方での中国による現状変更を批判する。
インド北部カシミール州や同北東部アルナチャルプラデシュ州に人民解放軍が越境し両軍が短期間にらみ合うことはあったが、対峙が長期に及ぶのは珍しい。>(以上)
中国は世界規模で侵略を実行しているというのに国際社会は何もしません。日本人の好きな国連組織が如何に無能で無力か現実を見れば分かるでしょう。特に米国はロシアを制裁するなら、中国も制裁しないと。中国は金と軍事力を使い、領土を拡張しようとしています。米軍が北朝鮮を攻撃すれば、国際社会の目がそちらに行くため、尖閣で日本と戦争を起こし、またインドとも戦争するかも知れないとも言われています。中国人の発想としては、人民解放軍は人が多いので、合理化できず、戦争を起こして、人減らしすると考えるのでは。クシュナーがトランプの11月APECに合わせて年内訪中するため、その露払いで9月に訪中とのことですが、金に転ばないことを祈ります。
8/20NHKニュース4:11<台湾でユニバーシアード開会式 抗議デモで選手入場できず
台湾で19日夜、学生のオリンピックと言われるユニバーシアードの開会式が行われましたが、会場の近くで年金改革に抗議するデモ隊と警察がもみ合いになり、日本を含む大半の選手団が一時、入場できない騒ぎとなりました。
ユニバーシアードの夏の大会の開会式は、19日夜、台北のアリーナで行われ、蔡英文総統も出席しました。しかし、選手団が利用する入り口付近で、蔡英文政権が進める年金改革に抗議するデモ隊と警察がもみ合うなどしたため、安全が確保できないとして、日本を含む大半の選手団を一時、会場に入れない措置が取られました。 この影響で、開会式の冒頭に行われた140を超える国と地域の選手団の入場行進は、途中から旗だけが入場する異様な光景が続きました。その後、抗議活動はおさまったため、日本など選手団などが一斉に入場すると、観客が総立ちになって大きな歓声で選手団を迎えていました。 蔡総統が公約に掲げる年金改革をめぐっては頻繁に抗議デモが行われていて、開会式には警察官延べ6000人が動員されるなど警備が強化されていましたが、今回の騒ぎを防ぐことができなかったことを受け、態勢の見直しを迫られそうです。>(以上)
これは民進党・蔡英文総統に対する国民党・中国人の嫌がらせでしょう。恥を書かせるつもりで邪魔したのだと思われます。年金と言っても、軍や公務員、教師等=国民党・中国人の利権の一つです。8/18には<台湾の総統府に暴漢 旧日本軍の軍刀で切りつける>という事件も起こりました。蒋介石が台湾に連れて来た中国人の末裔でしょう。やはり、中国人と言うのは朝鮮半島人同様、どこにいても精神異常者としか思えません。
http://hakkou-ichiu.com/post-8561/
九寨溝には飛行場が建設されてから行きました。2004年だったと思います。その前年、車を雇い、九寨溝に向かいましたが、衝突事故で断念しました。九寨溝は、綺麗は綺麗です。元々チベットの土地ですから。漢民族が侵略して、自分のものとしたため、自然そのものの美しさと言うより、観光客を誘致するため、人工的に手を大分加えているという印象でした。
中国人の寄付金なんて「盗んでくれ」と言って渡しているようなものでしょう。普通の経済活動でも、横領・賄賂が当り前の国ですから。中国に進出している企業は寄付を社会的に強制されます。寄付すればTVや新聞で報道されますので、寄付を煽る訳です。少なければバッシングです。中国で利益を上げているのだから還元しろという事でしょう。でも中国人が海外に出て地元に還元している話は聞かず、悪評だけです。如何に自己中かという事です。トランプ並びに欧州は中国を経済的に封じ込めしてほしい。勿論、日本もですが。
記事
九寨溝を襲った大地震で道路も崩壊、世界自然遺産の美しさは取り戻せるか(写真:AP/アフロ)
“美不勝収(美しい物が多すぎて見切れない), 人間仙境(この世の別天地), 世外桃源(俗世を離れたユートピア)”、春は“山花爛漫(山の花爛漫と咲き乱れ)”、夏は“蒼碧欲滴(深緑滴らんと欲し)”、秋は“五彩斑斕(五彩綾なして美しく)”、冬は“詩情画意(詩歌や絵画の境地)”
観光客500万人超、観光収入8.05億元
これはユネスコの世界自然遺産に登録されている九寨溝を中国の成語で形容したものであり、言葉に尽くせぬほど美しい九寨溝の風景を物語っている。九寨溝の名は“溝(川筋)”に9か所のチベット族の“寨(村)”があったことに由来するという。九寨溝は何分にも辺境の地にあり、清の“康熙帝(在位:1661~1722年)”時代にようやく清の管轄下に組み入れられたが、清の兵士が立ち入ることもなく放置され、人々に知られることはなかった。
中華人民共和国が成立した1949年以降も九寨溝は外界と隔絶されたまま時を刻んだが、1960年代に中央政府管轄の“旅游区(観光区)”となり、1980年代になってようやく観光地として一般へ開放されたのである。世界自然遺産に登録された1992年以降は中国国民の富裕化と相まって九寨溝を訪れる観光客は年々増大し続けて今日に至っている。2016年に九寨溝を訪れた中国内外の観光客は500万人を突破し、観光収入は8.05億元(約129億円)に達した。
九寨溝へ観光客を引き寄せるのはこの世の物とは思えないほど美しい景色である。九寨溝は多数の湖と滝で構成されているが、そこを流れる水は石灰分(炭酸カルシウム)を含み、種々の条件により九寨溝特有の“翠緑色(エメラルドグリーン)”を呈し、人々をえも言われぬ陶酔の世界へと誘い込む。それは桃源郷であり、ユートピアであり、世俗の塵埃を逃れた境地に浸ることができる別世界である。九寨溝は“日則溝”、“樹正溝”、“則査洼溝”と呼ばれる3つの川筋に分かれており、各川筋に合計6つの景勝地区が点在する。九寨溝はどこを見ても美しいが、人気が高い“珍珠灘瀑布”、“諾日朗瀑布”、“火花海”、“五彩池”、“鏡池”、“長池”、“五花梅”などの景色は人々を魅了して止まない。
“九寨溝(きゅうさいこう)”は、四川省北部の“阿壩藏族羌族自治州(アバ・チベット族チャン族自治州)”に属する“九寨溝県”の“漳扎鎮(しょうさつちん)”にある。漳扎鎮は九寨溝県の“県城(県庁所在地)”から西へ46kmの距離にある。海抜は県城が1400mなのに対して漳扎鎮は2089mであり、九寨溝は2000m以上の高地にある。
四川省の省都“成都市”から九寨溝までの距離は約410km、自動車で行けば約6~7時間を要する。2003年9月に隣接する“松潘県”に「九寨黄龍空港」が開港したことにより九寨溝への所要時間は大幅に短縮されたが、同空港からから九寨溝までは88kmあり、バスで1.5時間の道程である。また、九寨溝はその面積が広いことから、車道と遊歩道が整備されている。外部車両の乗り入れは禁止されており、観光客は天然ガスを燃料とする“緑色環保観光車(グリーン環境保護観光バス)”での移動が必要となる。
さて、2017年8月8日21時19分、九寨溝が所在する九寨溝県漳扎鎮を震源地とする大地震が発生した。同地震の規模は“中国地震局”の発表ではマグニチュード(M)7.0、震源の深さは20kmであり、米国地質調査所(USGS)の発表ではマグニチュード6.5、震源の深さは36kmであった。本震後の余震は9分後の21時28分から始まり、8月10日10時までに1741回に及んだ。震源地が九寨溝の所在地であることから、同地震は“2017年九寨溝地震”と命名された。
死亡25人、負傷者493人、行方不明者5人
8月13日までに判明した九寨溝地震による死傷者数は、死亡25人、重傷者45人を含む負傷者493人、行方不明者5人であった。なお、死者の内訳は、旅行客12人、地元民12人、身元不明1人。行方不明者の内訳は、地元民4人、旅行客1人。また、8月11日までに6万1500人の旅行客(含外国人126人)と出稼ぎ労働者が九寨溝から退去し、2万3477人が一時避難を完了した。
8日の地震発生時、九寨溝に滞在していた観光客は約3万8000人であった。彼らは九寨溝周辺のホテルに分散して宿泊していたが、そのホテルの中で被害が甚大だったのは“九寨天堂洲際大飯店(InterContinental Resort Jiuzhai Paradise)”(以下「天堂ホテル」)だった。天堂ホテルは九寨溝の入り口から20kmの場所にある4つ星ホテルで、地震発生時には宿泊客および従業員を合わせて2000人以上がホテル内にいた。天堂ホテルはモダンな総ガラス張りの巨大ドーム2つと小型の丸型ドーム1つを持つことで知られていたが、地震によってホテルのロビーとして使われていた巨大ドームのガラスが完全に破壊された。このため、天井や壁面から崩落するガラスの破片によって死者3人(宿泊客1人とホテル従業員2人)、負傷者18人を出した。
地震発生が21時19分であったため、宿泊客がホテル内にいたことで人的被害は少なくて済んだが、これがもし昼間だったら、九寨溝を散策する観光客に多くの死傷者を出したことは間違いなく、不幸中の幸いであった。しかし、地震は九寨溝の名勝に多大な被害をもたらした。各所で湖の決壊が起こり、水が流出した湖は無残な惨状を呈したし、山崩れによって水の通路を塞がれた滝は干上がった。また、山崩れによって土砂や樹木が湖に流れ込んだことにより、湖水は白く濁り、従前のエメラルドグリーンを想像することすら出来ない状態になった。人気の高い火花海は堤防が決壊して干上がり、石灰石を堆積した白い湖底を露呈した。諾日朗瀑布は水流が途絶えて干上がった。九寨溝が以前の美しい風景を取り戻すことは極めて困難な状況にある。
ところで、九寨溝地震の発生から2時間後に、中国の俳優で歌手の“黄暁明”(1977年11月生まれの39歳)は自分が設立した慈善団体“明天愛心基金会”を通じて九寨溝地震被災地の救済と再建を支援する目的で50万元(約800万円)を寄付する旨をインターネット上で表明して、人々からの寄付を募った。黄暁明は2008年5月12日に発生した“汶川大地震(四川大地震)”(以下「四川大地震」)の時にも自ら救援活動に参加したし、2013年4月20日に四川省“雅安市”で発生したM7.0の“雅安地震”でも救援活動に参加して、負傷した子供を救助したことがあった。
莫大な寄付金を誰が管理するのか
こうした経験を持つことで知られる黄暁明が、九寨溝地震の被災地に対して支援金として50万元を寄付する旨を表明して大衆からの寄付を募ったことに対し、多くのネットユーザーから“熱心(心が温かい)”、“太美麗了(何とすばらしい)”、“大災面前見仁義(大きな災害を前にして仁義を見た)”などという賛辞が殺到した。しかし、こうした賛辞とは裏腹に多数のネットユーザーから寄付金の行方に対する懸念が表明されたのだった。それは、“海量捐款誰来監察(莫大な寄付金を誰が管理するのか)”、“能保証没被耗子偸吃?(ネズミ<=汚職役人>に食べられないと保証できるのか)”、“又要譲貪官有発財機会(またもや汚職役人に金儲けの機会を与えるのか)”などという内容だった。
黄暁明の寄付表明はネットユーザーの間に「寄付すべきか、寄付すべきでないか」という論争を改めて引き起こした。この論争が始まったのは、2011年6月20日にネット上で“中国紅十字会(中国赤十字会)”の略称である“紅会”を肩書として、ブランド品に囲まれた優雅な生活をひけらかし、“郭美美baby”の愛称を用いて一夜で有名になった“郭美美”(本名:“郭美玲”)<注>によるものだった。その後の調査で判明したところでは、郭美美が肩書として名乗っていた“紅会”とは、“中国紅十字商業”という民間企業を指し、彼女はそこの“総経理(社長)”であり、中国紅十字会とは何らの関係も持たないものだった。
<注>郭美玲は2014年7月に賭博の容疑で逮捕され、2015年9月に賭場開設罪により懲役5年、罰金5万元(約80万円)の判決を受け、湖南省の女子刑務所で服役中。
その後、郭美美が優雅な生活を享受できていたのは、“王軍”という人物から援助を受け入れていたからであることが確認された。しかし、郭美美が中国紅十字会と無関係であるか否かにかかわらず、この事件を契機として中国国民の視線は中国紅十字会のカネの流れに向けられることになったのである。それは下記する事情によるものだった。
四川大地震の寄付金、用途公表は約23%だけ
【1】2009年に“清華大学”の“鄧国勝”教授をリーダーとするグループが発表した『四川大地震寄付金の流れに関する研究報告』によれば、2008年5月の四川大地震発生から半年後の11月末までに、被災地支援の名目で全国から集められた寄付の総額は762億元(約1兆2192億円)で、寄付金だけで652億元(約1兆432億円)あった。これは史上最高の寄付金額で、1996年から2007年までの12年間に全国で受け入れた寄付の総額557億元(約8912億円)を上回った。なお、その内訳は寄付金が420億元(約6720億円)、物品が137億元(約2192億円)であった。
【2】寄付金652億元は以下の3つに分類される。 (1)政府が直接受け取ったもの:379億元(58%) (2)各地の紅十字会、慈善団体および公募基金会:199億元(31%) (3)中国紅十字会、“中国慈善総会”および16の全国規模の公募基金会:74億元(11%)
【3】しかし、これら寄付金に関する情報は公表されておらず、600億元以上の寄付金に関する流れや用途が不明のままとなっていた。四川大地震から1年後の時点で、寄付金の流れを知っていた寄付者は4.7%に過ぎす、66.7%の寄付者たちは寄付金の流れを知らなかった。
【4】鄧国勝教授のグループが上記3分類の寄付金に関してその流れと用途を追跡調査した結果を総合すると、四川大地震で集まった652億元の寄付金のうちで、用途の明細が公表されたのは約23%の151億元(約2416億円)だけで、約77%を占める残りの501億元(約8016億円)について明確なことは何も把握できなかった。
【5】四川大地震は中国国民の温かい心を揺り動かすと同時に寄付ブームを巻き起こしたが、管理能力に欠けた少数の独占的地位を持つ募金機構が膨大な資金や物資を取り扱ったことにより、被災地の救済過程で少なからぬ管理上の手抜かりが発生した。募金機構が集めるカネが多くなればなるほど、人々の懸念は大きくなり、寄付金の流れや用途に対する社会的な追及は厳しいものとなる。この結果、募金機構が直面する資金の使用リスクと社会的圧力はより高いものとなる。
『四川大地震寄付金の流れに関する研究報告』は公式の文書であることから、個々の事項について具体的な内容を記述せず、判明した使途不明金の額も敢えて記載しなかったし、寄付金を食べるネズミ(汚職役人)に関する具体的な指摘も行わなかった。用途の明細が不明確な501億元がどれだけネズミに食われたかは分からないが、四川大地震を好機と捉えて私腹を肥やしたネズミが大手を振るって闊歩していることは間違いのない事実である。
2016年5月15日付のブログ「渝州見聞」は、「四川大地震の巨額寄付金をどんぶり勘定にしてはならない」と題する文章を発表して、上述の『四川大地震寄付金の流れに関する研究報告』に言及したが、その文末で次のように述べた。すなわち、「全ての寄付は3つの公開原則に基づいて運行すべきである。個々の寄付について収支を明確にして、その流れを明らかにし、寄付者には安心を、そして、困窮する弱者にはやすらぎを与え、絶対にどんぶり勘定を許してはならない」。
中国進出企業の寄付金は大丈夫か
ネット上では九寨溝地震の被災地に対する黄暁明の寄付金50万元を巡ってネットユーザーが賛否両論を熱く戦わせているが、九寨溝地震の被災地に対する寄付を表明する企業は次々と名乗りを上げている。8月15日までに公表された主な寄付者は以下の通り。 A)米国アップル:700万元(約1億1200万円) B)“中国三星(中国サムソン)”:1000万元(約1億6000万円) C)ポータルサイト“騰訊(QQ.com)”の騰訊基金会:1000万元 D)コングロマリットの“大連万達集団”:1000万元
これら大手企業にとって被災地への寄付は中国で順調にビジネスを展開する上で必要不可欠な要素であり、避けて通れない関門と言える。但し、かれらの寄付金がネズミに食われることなく、被災地の救済と再建に100%投入される保証はないのが実情である。
それはさておき、四川省では2000年以降、大規模地震が多発している。2001年2月の“雅江地震(M6.0、雅江県)、2008年5月の汶川大地震(M8.2、汶川県)、2008年8月の攀枝花地震(M6.1、攀枝花市)、2013年4月の雅安地震(M7.0、雅安市)、そして2017年8月の九寨溝地震(M7.0、九寨溝県)と続いている。昔から四川省は大規模地震の発生が多いと言われて来たが、上述の通り2000年以降は発生の頻度が増え、その間隔が狭まっている。世界最大のダムである“三峡大壩(三峡ダム)”は1995年に着工して、2006年5月に竣工した。同ダムの蓄水容量は100億m3以上と巨大であり、その蓄水の重量がダム底や周囲の地盤に与える圧力は計り知れないものがある。一部の専門家は近年の大規模地震の頻発は三峡ダムの影響によるものではないかと警鐘を鳴らしているが、中国政府はそうした声を完全に無視している。
四川省では2017年6月24日に、九寨溝県から南西に直線距離で140km離れた同じくアバ・チベット族チャン族自治州に属する“茂県”で大規模な山崩れが発生し、10人が死亡し、73人が行方不明になった。この山崩れも三峡ダムの影響によるものかは定かでないが、汶川大地震が発生した際にも、三峡ダムの影響は盛んに論議された。今後も四川省では大規模地震が頻発する可能性は高い。人災によって桃源郷の九寨溝が破壊されたのであれば悲しい限りである。頻発する大地震は天が身勝手な自然の破壊者を罰しているのかもしれない。
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