『不可解極まりない「時代遅れのAAV-7」大量購入 日本技術の発展にも米海兵隊にもデメリットをもたらす』(6/8JBプレス 北村淳)について

防衛に関する最近のニュースを集めて見ました。

まず、6/8 江崎道朗氏のfacebookの記事から。

トランプ政権が呆れているのは、韓国政府に対してだけではない。

ついに島田先生も書いてしまった。

防衛費も増やさず、在韓邦人や拉致被害者の救出まで、アメリカに依存しようとする日本の姿勢に、トランプ政権がいらだちを持ち始めていることを。

私がしつこく、せめて防衛費を倍増して、対馬海峡と南西諸島の二方面で同時に対応できるよう、自衛隊の量を増やすべきだと主張してきたことを、これで安倍政権の周辺も理解してくれるようになるといいのだが。

《トランプ政権発足前後から続いた日米の“蜜月期間”は終わったのか。  5月26日、先進7カ国(G7)首脳会議直前に行われた日米首脳会談の場で、北朝鮮と中国の関係に話題が及ぶや、トランプ大統領が態度を一変させた。関係者の話を総合するとこうなる。  中国はよくやっていると語るトランプ氏に対し、安倍晋三首相はその不十分である旨を説いた。正しい指摘である。ところがトランプ氏は、いらだちもあらわに、居丈高に言い放つ。  では、日本は一体何ができるのか。もし北朝鮮と軍事衝突になった場合、アメリカを前面に立たせて後ろにいるつもりか。ミサイル防衛に力を入れると言うが、自分を守るだけの話じゃないか。  こうした趣旨の言葉がトランプ氏の口から矢継ぎ早に飛び出した。国際場裡(じょうり)では先輩格の安倍氏にアドバイスを求めるといった春先までの態度はすでに、もうなかった。》

http://www.sankei.com/column/news/170607/clm1706070005-n1.html >(以上)

トランプの言う通りです。戦後、日本は自国の安全を他国に委ねて過ごして来ました。平和を安逸に貪り続け、懶惰な生活を送ってきました。今、脅威が眼前に現れて慌てふためいている所でしょう。日教組やマスメデイアが悪いのは言を俟ちませんが、国民も安全につき何も考えて来なかった落ち度があります。“better late than never”でこれからは真剣に考えませんと。

6/9日経朝刊敵基地能力 陸上迎撃システム 自民、防衛力強化へ提言

防衛力の強化に向けて自民党の安全保障調査会(会長•今津寛衆院議員)がまとめた政府への提言案の全容が分かった。北朝鮮が核.弾道ミサイル開発を進めるなか、国外の敵基地を攻撃する能力を日本も保有すべきだと提案。ミサイル防衛網の拡大や、サイバー攻撃能力を持つ部隊の創設も明記した。6月中に安倍晋三首相に提出する。

月内に首相に提出

党調査会は今回の提言を、今年後半にも政府が検討作業を始める201 9年度から5年間の中期防衛力整備計画(中期防)に反映するよう求める。現在の中期防は18年度までの計画を定めている。

提言案は敵基地攻撃能力に関し、抑止力や対処力を高めるため「ただちに検討を開始」と明記。 その手段として巡航ミサイルの導入を例示した。歴代政権は敵基地攻撃能力の保有は憲法上、許されるとの解釈を示してきた。安倍首相は2月の国会審議で「検討は常に行っていくべきだ」と答弁している。

北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射を受け、サイパー攻撃能力の保有も掲げた。北朝鮮からの ミサイル第1撃は迎撃ミサイルでたたき、第2撃を防ぐために相手のネットワークに侵入しサイパ ―攻撃をしかける。巡航ミサイルと連動させ効果を高める運用を想定しており、新たなサイバー部 隊の創設も明記した。

防衛省には100人規模の自衛隊の専門部隊「サイパー防衛隊」がいる。役割の拡大に伴い、民間の人材を登用するために官民交流を進める制度の検討を求めた。

弾道ミサイル防衛を巡っては、新たな陸上配備型の迎撃システム「イージス•アショア」と「地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)」 の導入を検討するよう求めた。政府はイージス•アショアを導入する方向。防衛省は18年度予算で調査費などを要求する方針だ。

自衛隊の装備に関しては、最新鋭ステルス戦闘機「F35A」の機数を増やすよう明記した。政府はF35Aを来年度中から配備し、42機を導人する計画だ。追加配備の具体的な目標には触れなかっ た。

提言の実現には課題も多い。敵基地攻撃能力の保有は、現在の日米同盟の前提を見直す議論にもつながりかねない。米国が攻撃力を駆使する 「矛」、日本が後方支援などをする「盾」の関係 だが、米国内には日本の「軍事的自立」や周辺国との摩擦を懸念する声が根強い。

予算の確保にメドがついているわけでもない。提言は国内総生産(GD P)1%以下に抑えている防衛予算の上乗せを暗に求めている。北大西洋条約機構(NATO)が加盟国の国防費をGDP比2%に増やす目標を設けていることを「参考」に「十分な規模を確保する」と明記したが、党内で十分な財源論議は経ていない。

安保調査会の今津会長らは8日、安倍首相に提言のうち朝鮮半島有事の際の邦人退避策を提出した。約6万人いる在韓邦人保護のため、民間の航空会社との連携強化などを求めた。首相は「在留邦人の安全確保のためしっかり対応したい」と述ベた。>(以上)

止力として敵基地攻撃だけでなく、ニュークリアシエアリングやレールガン、レーザーの研究開発についても触れてほしかったですが、一歩前進としましょう。

在韓邦人の退避については江崎道朗氏も6/7SPAに寄稿しています。<在韓邦人に「警告」を発した駐韓日本大使館の切迫度とは?【評論家・江崎道朗】>。企業経営者は早く在韓邦人について家族を含めて早期に帰国させるべきです。日本人に対しガスマスクの配給など韓国がしてくれるはずもありません。まあ、危険が予測されているのに、何もしないでいて犠牲に遭われたとしたら、遺族は会社に対し訴訟を起こすべきです。「予見可能性」の問題となるでしょうけど。でも、今の日本の経営者は従業員を大切にしていません。非正規労働者を増やし、自分達の報酬を増やしてきているのですから。規模は違いますが、アメリカナイズの弊害でしょう。『公益資本主義』を良く読んだ方が良い。

https://nikkan-spa.jp/1343459

6/7渡邉哲也氏のビジネスジャーナルの記事には<在韓米軍、撤退の可能性…韓国、米国の庇護終了で北朝鮮の脅威強まる>ともあります。

http://biz-journal.jp/2017/06/post_19361.html

日経の鈴置高史氏や小坪慎也行橋市議も早くから在韓米軍の撤退について言及してきています。そうなれば日本が自由主義国のアジアの砦となり、中国の脅威の最前線となります。

本記事で、防衛省がアムフイビアンの最新鋭兵器の開発を止めて、犠牲の予想される米軍の旧式兵器を購入するとは信じられないです。人命を大事に考えれば、このまま開発を続け、米軍にも当然売却するようにすれば、喜ばれるでしょうに。本記事が事実かどうかは分かりませんが、もし真実なら、防衛省の上は何を考えているのかとなります。稲田大臣はシビリアンコントロールをキチンと果たしてほしい。

記事

上陸したアメリカ海兵隊AAV-7(写真:筆者)

6月12~14日に幕張メッセで開催される「MAST Asia 2017」に、日本防衛当局の武器調達姿勢を評価する上で興味深い展示がなされる。それは、三菱重工業が社内研究として開発を進めてきた水陸両用車「MAV(Mitsubishi Amphibious Vehicle)」である。

今後高まる水陸両用車の需要

MAVの研究開発は、長らくアメリカ海兵隊が使用してきた水陸両用車「AAV-7(水陸両用強襲車-7型)」の後継車両「EFV(遠征戦闘車)」の開発にアメリカ技術陣が失敗したため、「EFVに取って代わる車両を開発できないものか?」といった理由がスタートラインになったと筆者は推察している。

この方向性は、軍事情勢に鑑みると極めて正しい。というのも、中国による海洋拡張戦略の伸展に伴って、日本からインドにかけての、中国周辺諸国ならびに“海のシルクロード”沿岸諸国では水陸両用作戦遂行能力の必要性が高まっている。そのため、国際的に様々な水陸両用作戦に有用な「水陸両用車」への関心が高まっており、今後はアジア太平洋地域を中心に水陸両用車の需要が高まることになるからだ(なお、本コラムでの「水陸両用車」とは、軽装甲が施され武装が可能な軍用の海上を航走できる車両を意味する)。

新型水陸両用車の開発に失敗したアメリカ

現在、主に西側諸国の海兵隊ならびに海兵隊的組織が使用している水陸両用車は、アメリカ海兵隊が半世紀近くにわたって主要装備として使い続けてきた「AAV-7」である。AAV-7は1960年代に開発が始まり、1971年にアメリカ海兵隊に採用され(採用時には「LVTP7」と命名されていた)、以後、若干の改修は施されたものの今日に至るまで使用されている。

ただし、AAV-7の基本コンセプトは、第2次世界大戦中に太平洋の島々でアメリカ海兵隊が日本軍との死闘を繰り広げた際に投入された水陸両用車と大差ない。すでに1980年代からアメリカ海兵隊では、各種ミサイルが発達した現代戦にはそぐわないものと考えられ始めていた。

現代の水陸両用戦では、ミサイルやロケット砲を擁する敵が待ち構えている海岸線にAAV-7を連ねて突入する(強襲)ことはない。AAV-7の投入形態としては、敵の防御が希薄な地点に急接近する(襲撃)作戦が現実的である。だが、水上での最高速度が7ノットのAAV-7では敵に発見されて撃破されてしまう危険が極めて大きく「実際の戦闘状況では使い物にならない」とアメリカ海兵隊は考えた。

そこで、1980年代後半に、高速で水上を航走できる新型の水陸両用車(「AAAV」:先進水陸両用強襲車)の研究にアメリカ海兵隊が着手した。その後、莫大な予算が投入され、「より早く、より遠くへ」という海兵隊のコンセプトを盛り込んだ「EFV」(遠征戦闘車)が開発された。開発したのはアメリカの重機械メーカー、ジェネラル・ダイナミクスである。

海上航行テスト中のEFV試作車(写真:米海兵隊)

しかし、ユーザーであるアメリカ海兵隊によると問題山積の車両であり(“アメリカの恥になるため”公式には問題点は公表していないが)、かつ調達価格も考えられないくらい高額であるため、莫大な予算をかけたEFVプログラムはオバマ政権によって打ち切られた。

結局、アメリカ海兵隊は、「時代遅れのAAV-7」に取って代わる21世紀の戦場に対応できる新型水陸両用車を手にすることができなくなってしまった。

ただし、新型車両の調達を完全に中止してしまうと、新型車両開発予算そのものが将来にわたって消滅しかねない。そのため、とりあえずの“繋ぎ”として「ACV-1.1」(水陸両用戦闘車-1.1型)と呼ばれる新型水陸両用車を調達することにしている。だが、ACV-1.1はAAV-7の後継車両とみなすことはできず、「EFV開発以上の予算の無駄遣いになる」と多くの海兵隊関係者たちが危惧している代物である。

打ち砕かれた“海兵隊の期待”

こうして、アメリカ海兵隊はEFVプログラムがキャンセルされ、“化石”のようになりつつある「時代遅れのAAV-7」を今後も(計画では2030年代まで)使い続けなければならない状況に陥った。そのため、なんとかして現代戦に適する「高速かつ長距離の水上航走可能な」かつ「EFVのような超高額でない」新型水陸両用車を手に入れたいと常々考えていた。

そのような状況に苦しんでいた海兵隊関係者たちが、三菱重工業が社内研究していたMAVの情報に接し、極めて大きな関心を寄せたのは無理からぬところである。なぜならば、「MAVが完成した暁には、EFV以上の高速水上航走能力を持ち、EFVにはなかった諸性能をも実現させることが可能な、まさにアメリカ海兵隊が求める新型水陸両用車である」と海兵隊関係者たちの眼には写ったからである。

ところが、それら海兵隊関係者たちの“希望の星”を破砕する“ミサイル”が日本側から発射された。すなわち、日本国防当局による50両以上にのぼる「時代遅れのAAV-7」の調達である(2015~2016年度に調達、参考「自衛隊の『AAV-7』大量調達は世紀の無駄遣いだ」)。

各種水陸両用作戦(強襲を除く)に有用な水陸両用車の初期訓練のために、とりあえず実車が現存するAAV-7を手に入れることは自然であるし、必要である。実際に、日本が水陸両用能力を持つことに喜んだ海兵隊関係者たちの間には、自衛隊が当面の育成期間(水陸両用戦のドクトリンや組織などを構築するのに要する数年間)に必要な20両程度の訓練用AAV-7を海兵隊手持ちの1330両の中から供与するアイデアもあった。

ところが、日本側は「中古では嫌だ」と言ってきたという。そこで、アメリカ海兵隊が「なんとかして新型に交代させなければ」と考えている「時代遅れのAAV-7」の“新車”を製造して日本に売却することになった。

だが、とうの昔にAAV-7の製造ラインは閉じられている。製造ラインそのものを再開させなければならないため、1両あたりの調達価格は7億円という途方もない値段になってしまった。

この調達に対し、筆者の周辺では「海兵隊から中古AAV-7を手に入れれば“タダ”だったのに」「BAE(日本向けAAV-7は全車両をBAE Systemsが製造輸出する)は笑いが止まらない」といった驚愕の声が聞こえてきたものだ。

海兵隊関係者たちの驚きは、「時代遅れのAAV-7」が1両7億円という価格に留まらなかった。なんと自衛隊は訓練用のAAV-7だけではなく、部隊編成用に52両(実際には車両評価用6両と配備用52両の合計58両)もAAV-7を調達するというのである。水陸両用戦のエキスパートたちからは「なぜ、日本はあわてて52両ものAAV-7を手にしたがっているのか?」「水陸両用戦に関するドクトリンも誕生させていないのに、いったいAAV-7をどのように使おうとしているのか?」といった疑問がわき上がった。

海兵隊関係者がショックを受ける理由

そして、MAVの情報を知っている海兵隊関係者たちは、次のようにショックを隠せない。

「50両以上ものAAV-7を自衛隊が手にしてしまうと、おそらくそれで水陸両用車の調達は当面ストップとなるだろう。いくら陸自が水陸両用能力を手にしようとしているといっても、水陸両用車を100両、200両あるいはそれ以上保有するような大規模な海兵隊化を目指している動きはない。とすると、MAVの開発はどうなってしまうのだろうか? 日本政府主導の開発プロジェクトが進まなければ、われわれ(アメリカ海兵隊)も、使い物にならないACV-1.1ではない『MAV』という真の新型水陸両用車候補が存在すると主張して、この窮地を乗り切ることができなくなる」

この点こそ、まさに日本国防当局の問題点である。

日本国内メーカーが、独自の技術を投入して新型水陸両用車の研究を進め、そのMAVに対して、水陸両用車に関しては突出した経験とノウハウを有するアメリカ海兵隊関係者たちが大いなる期待を寄せている。そのような状況下で、日本国防当局自身がアメリカ海兵隊が捨て去りたがっている「時代遅れのAAV-7」を、実戦配備用としてまとめ買いしてしまったのでは、海兵隊関係者たちがペンタゴンやトランプ政権に対して「日本には、海兵隊にとってぜひとも手に入れたい新型水陸両用車技術がある」と説得することなどできなくなってしまう。

もしも日本政府、そして国会が、このような自国に横たわる技術の発展を阻害するような異常な兵器調達を是正して、日本製新型水陸両用車(あるいはその技術)をアメリカ海兵隊が採用するに至ったならば、少なくとも西側諸国の水陸両用車のスタンダードは日本技術ということになる。

現代の水陸両用車は、日本政府や国会が忌み嫌う“攻撃型武器”ではなく、主として海上から海岸線への(またはその逆)の兵員輸送に用いられる軽装甲輸送車である。現在、水陸両用車の活躍が最も期待される戦闘シナリオは、混乱地域から民間人を救出し海岸線から水上の艦船へと避難させる非戦闘員待避作戦である。そして実際には、戦闘よりも大規模災害救援作戦に投入され獅子奮迅の働きをするのが水陸両用車である。したがって、軍事的見地からは噴飯物の“攻撃型兵器”を根拠に兵器の輸出に反対する勢力にとっても、国産水陸両用車(あるいはその技術)の輸出に反対する理由は見当たらない。

日本政府は、国益を大きく損なうような、かつ正当化理由が見出しにくい「時代遅れのAAV-7」の大量輸入は、高額の違約金を支払ってでも即刻中断し、アメリカ海兵隊関係者たちも絶賛している日本技術を発展させるべきである。

(本コラムの見解は三菱重工業の見解とも、またアメリカ海兵隊の見解とも無関係であり、筆者個人の意見である。)

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『中国サイバーセキュリティ法が狙うネット主権 「中国式社会管理」をネット世界に適用する野望露わに』(6/7日経ビジネスオンライン 福島香織)について

6/7 facebookの「観察中国」より、 Shing Chi Kwok(香港在住)氏の記事です。本記事は文革時代の物で、98年に報告したものと思われます。中国の食人文化は古代からあり、20世紀の時にもあったという事です。広東省では今でも嬰児を食べているとの話です。

http://sound.jp/sodaigomi/ch/taijisyoku/taiji.htm

【滅絕人性】(人間性喪失) 《北京文學》1998年9期:廣西武宣縣:被吃者一百多人。其中被吃肉後砍頭的一人,挖心肝的56人,割生殖器13人,全部吃光的18人(連腳底板都被吃光),活割生剖的7人。武宣中學的大批學生鬥完老師、校長之後,在校園內就地架起簡易爐灶,將他們剖腹臠割、煮熟分食。

《北京文学》1998年9期:広西省武宣県:食人されたのは百人以上。その内、肉を食べられた後、頭を割られたのが一人。心臓や肝臓を抉り取られたのが56人。生殖器を割られたのが13人。全部食べられたのが18人。(足裏まで食べられてしまった)。生きたまま解剖されたのが7人。武宣中学の多くの学生や先生、校長をも校舎内で簡易ストーブを作り、細かく切り刻み、良く煮て分けて食べた。 視頻: 文革广西武宣县红卫兵吃人肉事件 http://www.youtube.com/watch?v=0EDTfHRU_jI 相關資料: 廣西文革人吃人事件 http://blog.sina.com.cn/s/blog_6a562fba0102ekqy.html 文革广西大屠杀吃人者:30多年后仍理直气壮 无一忏悔 http://news.ifeng.com/history/zhongguoxiandaishi/detail_2013_02/21/22341989_0.shtml 广西文革灭绝人性的人吃人事件 http://www.china-review.com/LiShiPinDaoA.asp?id=27841>(以上)

今、福島香織氏の『孔子を捨てた国 現代中国残酷物語』(平成29年2月25日発刊)を読んでいますが、ここにも国家による「強制堕胎」、「障害児差別」、「拷問」、「臓器移植ビジネス」等日本人には信じられない事例がたくさん出てきます。小生は8年間中国に駐在していましたので、全部頷ける話です。是非お買い求めを。小生が中国駐在から帰国して来たときに、中国の実態を話したら、中国をなんとしてもやり遂げたい最高実力者から「国粋主義者」やら「人種差別主義者」と言われた話は、何度も本ブログでして来ました。福島氏の本や記事、その他情報を取れば実態が分かるのに。『バカの壁』というやつです。中国人と日本人社員どちらを信じたらよいかは言わずもがなでしょう。力を持った年寄り程始末に負えないものはありません。今の日本を悪くしているのは真っ当な判断ができない老人たちです。

6/7 facebookの三浦小太郎氏の記事もありましたので紹介します。

<6月1日、参議院議員会館で行われた記者会見の資料が、クリルタイ(世界南モンゴル会議)ホームページにて公開されています。一部を引用しますので、全文を読みたい方はクリックしてみてください。

記者会見資料1  南モンゴル文化大革命期の モンゴル人ジェノサイドのユネスコ登録

1966 年から72 年の文化大革命を、現在の中国政府は一応誤った政策であり、中国人(漢人)をはじめ諸民族において無実の犠牲者が出たことも認めています。しかし南モンゴル(内モンゴル自治区)においては、文化大革命に反対する勢力が迫害されただけではなく、モンゴル人であること自体が迫害(拷問、処刑)の対象になる民族ジェノサイドが行われました。このことを、私たちクリルタイ(世界南モンゴル会議)はユネスコの記憶遺産に申請、登録することを目指します。

文化大革命時代、内モンゴル大学の教授郝維民が編纂した『内蒙古自治区史』(1991)は、モンゴル人27,900 人が殺害されたとしています。しかし、研究者の中には約500,000 人のモンゴル人が逮捕され、殺害されたモンゴル人の数は100,000 人に達するという説もあります。また、直接殺害されたのではなく、ひどい拷問の末に釈放されましたが、そのまますぐに亡くなった人を入れれば、犠牲者は30 万に及ぶという説すらあります。未だこの虐殺の全体像は明らかではありませんが、下記の様に、拷問、虐殺を実行した中国人側の記録からもその残酷さは明瞭です。

1、モンゴル人であることそれ自体が虐殺の原因となったことを示す証言

当時の共産党の記録においても、以下のような発言が残されています。 人民解放軍の趙徳栄司令官「おれはモンゴル人を見ただけで気分が悪くなる。シリンゴル盟の全モンゴル人たちをえぐり出して粛清しても、全国から見れば、ごく僅かだ。」 「内モンゴルの解放軍部隊にいるモンゴル人兵士たちのなかには悪いやつが多い。政府機関にもろくなやつは一人もいない。文化大革命を利用して、モンゴル人たちをしっかりとやっつけよう。」

「モンゴル人たちを百パーセント内モンゴル人民革命党員として粛清しても間違いではない。やつらが死んでもびっくりすることは何もない。大したことではない。モンゴル人たちが一人ずつ死んでいけば、我々は大変助かる。」

劉という漢人の小隊長 「モンゴル人たちが全員死んでも大した問題はない。我が国の南方にはたくさん人間がいる。モンゴル人たちの生皮を剥ごう。」 行われた残虐行為には次のようなものがあります。これは政敵への攻撃というより、まさに民族憎悪に導く残酷な拷問です。

(1)棍棒を燃やして真赤にしてから女性の陰部や腹部を焼いた。被害にあった女性は陰部が破壊されて男性か女性かの区別もつかなくなった。腹部が破られてなかの腸も見えるように大きな怪我を負わせた。 (2) 牛皮で作った鞭の先に鉄線を付けて人を殴る。打たれる度に皮膚が破れ、血が噴き出るが、少しも治療をさせない。そのように打たれた人は結局放置されて亡くなった。打たれて壁中に散った血の匂いは長く消えなかった。また、怪我した人間の傷口に塩を撒いたり、熱湯をかけたりして、殺害した事例もある。 (3)太い鉄線で人間の頭部を巻いて、ペンチで徐々にきつくしていき、頭部を破裂させた事例もある。 (4)「反革命的な犯人」とされるモンゴル人を燃えるストーブのすぐ傍に押さえて、長時間にわたって焼いた。真赤に焼いた鉄のショベルを人間の頭の上において焼き殺した実例がある。 (5)両手を後ろ手に縛ってから梁の上から吊るして脱臼させた。また、吊るし上げた紐をナイフで切って、地面に叩き落されて死亡させた例がある。 (6)モンゴル人女性を丸裸にして立たせ、牛の毛で作った太い縄を跨がせてから両側から繰り返し引っ張りあった。その結果、女性の陰部はひどく破壊された。 (7)人民解放軍の兵士たちはモンゴル人の男を殺害して、その妻を繰り返しレイプした。 モンゴル人少女を強姦した事例もある。 (以上「中国共産党イケ・ジョー盟委員会政策実施委員会(落實政策弁公室)」が一九七八年八月五日に出した『簡報』内の報告より。これは当時の中国共産党が認めた事実です)

以上の資料は、中国共産党によるモンゴル人ジェノサイド実録 アルタンデレヘイ 原著楊 海英 編訳より(以下略)

痛ましい胸が悪くなるような話ですが、続きをクリックして読んでみてください。 http://southmongolia.org/archives/149 >(以上)

如何に中国が残酷・悪逆か分かるでしょう。

中国人は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観で動いています。日本人に対し「歴史を鑑として」と何時も言いますが、それをそっくり返したい。

習近平は2015年9月オバマと会った時に「南シナ海を軍事拠点化することはない」と約束しましたが、6/8宮崎正弘氏ノメルマガに依れば、「米国防省報告の中に、中国は南シナ海島嶼に滑走路敷設、地対空ミサイルの配備及び尖閣上陸急襲部隊の育成をしている」とありました。

http://melma.com/backnumber_45206_6539880/

習は日本人だったら嘘を言ってしまったと“丢脸=面目を失う”処でしょうが、中国人の習にとってはオバマをも騙しおおせて“值得被称为聪明=聡明と呼ばれるのに相応しい”と思うのでは。

本記事は「サイバーセキュリテイ法」について書かれていますが、自由を侵害し続ける共産党ですから何をしようとも驚きません。中共の目的は共産党の延命だけですので。共産党内の高官だけがうまい汁が吸えれば良くて人民(中国以外に住む外国人も含む)がどうなろうと知ったことはないというのが彼らの考え方です。大体自由の国アメリカが金盾工程の開発・運用に手を貸したというのですからお笑いです。両国とも拝金教に犯されていますので。中国を支援し続けて来た国務省、ピルズベリー達が気付くのが遅く、米国は今や飼い犬に手を噛まれる状態になっています。余りにも愚かすぎます。

https://matome.naver.jp/odai/2143244323355581101

日本でも日本共産党、反日民進党、社民党、生活の党が政権を取ればこうなると言った姿を描いています。くれぐれも選挙の時には彼らには投票しないように。

記事

6月1日から中国のサイバーセキュリティ法が施行された。ちょうど、天安門事件28周年記念の6月4日前ということもあって、一気にネット規制が強まったことは多くの人が実感したことだろう。具体的には、これまで何とかつながっていたVPNがつながらなくなったとか、中国のツイッター型SNS・微博に外国のIPアドレスから写真や文章を投稿しようとしたら、投稿できない、とか。天安門事件の季節が過ぎれば緩むのか、あるいは秋の党大会を過ぎれば緩むのか、それとも当面、このような状態が続くのか、わからない。私自身、6月末から若干の仕事を抱えたまま中国旅行にいく予定があるので、中国のネット環境の不自由さがこれから、どうなっていくのか、ものすごく気になるのである。いったい、このサイバーセキュリティ法によって、中国ネットはどのように変わるのか。

処罰対象は「党以外」、密告も奨励

まず、この法律がどのようなものか、概要を説明しよう。

全部で7章79条。公民の個人情報を侵害する罪に対して罰金や拘留の基準を示したほか、ネットの実名登録制、ネット詐欺への懲罰、ネットを使っての社会主義制度や国家政権転覆の煽動、国家の名誉を傷つけるような言論の規制も盛り込まれた。さらにネット運営者の守秘義務、不作為による情報漏洩に対する具体的罰金、拘留規定なども盛り込まれた。ただし、中国においては、法律はすべからく共産党の指導に基づくものであるから、党が企業や個人情報を侵害することについては、なんら法に触れることはない。

この法律で、公民の個人情報を攻撃する“敵”として“外国組織”や“個人”が挙げられており、外国からのサイバー攻撃に対する防衛力を高めることも目的とされる。また急激に増えているネット詐欺など新型ネット犯罪活動を厳しく取り締まる根拠ともなる。さらに、違法サイトやネット安全を損なうサイトやネット企業に対する公民の密告通報も奨励されている。

具体的内容を紹介すると、まず、サイバー攻撃を受けてサイトを改ざんされたりしたネット運営企業側も、そのリスク設計に穴があったとか、セキュリティシステムに問題があったとされれば、ネット安全保護義務を怠ったとして、1万元以上10万元以下、直接の責任者・管理者に対しては5000元以上5万元以下の罰金が科される。これはサイバー攻撃を受けてサイトを改ざんされた本来被害者のサイト運営サイドにも罰金刑がかされるということ。おそらくは、外国のサイバー攻撃などに対する危機感を高める狙いもあるのだろう。

「国家安全に影響」を理由にサーバ検査可能に

外国企業にとって、気になるのは、「重要なネットインフラ企業やEC企業が中国国内で事業、サービスを行う場合、ユーザーデータほか重要なデータを国内サーバに蓄積すること」「重要なネットインフラ企業はEC企業の事業、サービスが“中国の国家安全”に影響を与える場合、ネット情報管理当局および国務院の関連機関からの安全審査を受けること」「安全リスクのアセスメントを年に一度は、中国ネット情報管理当局から受けること」という部分で、これに違反すると10万元以上100万元以下の罰金、直接責任者に対しても1万元以上10万元以下の罰金という規定があることだろう。

この“国家安全に影響する”という言い方は非常にいやらしく、勝手な理由をでっちあげて安全審査と称して、外国企業のサーバ内への立ち入り検査をすることも可能だとみられている。企業にとっては企業情報・技術、顧客情報の中国サイドへの漏洩が心配されるわけで、こういう法律を設けられると、海外のIT企業、EC企業は中国に進出しづらくなり、世界最大のネット市場は中国企業の独壇場ということになる。

ロイター通信によれば、事前に一部外国企業団体と中国ネット情報管理当局が非公開の場で話し合いをしたとか。18カ月の移行期間の間に外国企業のデータを国内サーバに移転するようにいわれたとか。ちなみに中国ネット情報管理当局側は、そのような移行期間を設けてはいないし、また新法は国際貿易の障壁になるものでもなければ、国境を越えたデータ移転を制限するものでもないとしている。実際のところは、どのように同法が運営されるか見てみなければ、その影響もわからないようだが、海外企業にしてみれば、かなり悩ましいことだろう。

海外の人権団体が懸念しているように、この法律によってネット言論の自由が大幅に規制されることも間違いない。実名登録制を遵守しなかったサイト運営者に対してもサイト閉鎖、営業許可証の取り消しほか、5万元~50万元の罰金が科される。サイトやチャットグループを設立して、違法行為や犯罪を呼び掛けたり情報を流したりした場合、それが犯罪を構成しなかった場合、5日以下の拘留、10万元以下の罰金。悪質な場合15日以下の拘留、50万元以下の罰金となる。

詳細な罰則規定で“デマ”を取り締まる

この場合の“違法行為や犯罪”というのは、国家指導者や共産党の批判を含む“国家の名誉の棄損”言論や、“社会秩序や経済を擾乱するデマ情報拡散”なども含まれている。だが、中国当局の隠ぺい体質では、何がデマで何が真実かもはっきりしない。デマだと中国当局が言い張っていたことが真実であったことなどあまたある。つまり、政治の錯誤を批判したり、情報封鎖によって不安に思った人たちが口コミを伝え合ったりしても“ネット犯罪”扱いになりかねない。ネット運営者、企業が行政法規で発表や伝達・転載が禁止されている情報を、転載したり削除しなかった場合、公安部門や国家安全部門から技術提供や協力を要請されて、これを拒んだ場合なども50万元以下の罰金、直接管理者に対しては10万元以下の罰金となる。

また海外に対する警戒も強く、中国の主要ネットインフラ施設に対し、海外の機関、組織、個人が攻撃、侵入、妨害、破壊などの行為を行った場合、国務院、公安部門および関連部門によって、当該機関、組織、個人に対して財産凍結や必要な制裁措置をとることも規定されている。

この法律は個人情報保護の部分もかなり重視している。違法に他人のネットやサーバに侵入し、その運営を妨害したり、情報やデータを窃取したりするハッキング行為やハッキング行為のためのツールを提供、宣伝することに関しては、いかなる個人、組織であっても禁止され、犯罪を構成することにならなくても5万~50万元の罰金、5日以下の拘留が科される。状況が深刻な場合、15日以下の拘留、100万元以下の罰金だ。

これがIT企業や機関の人間が関わっていた場合、刑事罰が科され、以後ネット業務に従事することが禁止される。ネット運営者による個人情報の違法売買や提供、誤った利用については、それによって得た違法所得の最高10倍の罰金、企業の場合、業務停止やサイトの閉鎖、営業許可書の取り消しなどの処罰が科される。違法な個人情報の窃取、売買、提供をおこなった個人や組織に対しては、それが犯罪を構成しない場合、違法収入があればその10倍、収入がなければ100万元以下の罰金となる。

個人情報保護については、最高人民法院と最高人民検察院の名義でわざわざ刑事事件に発展した場合の解釈を出しており、それによると、違法に窃取したり、あるいは売買、提供したりして、罰せられる“個人の敏感情報”が、およそ50ほど規定されている。それが犯罪を構成することになれば、3年以下の懲役刑や強制労働処分を課されることもあるとか。具体的に“個人の敏感情報”とは、IPアドレスや、通信内容、信用調査情報、財産情報などが挙げられる。

権力腐敗に迫る「人肉捜索」に刑事罰

この解釈によって、はじめて、「人肉捜索」と呼ばれるネットユーザーらによる“身元調査”に対しても、刑事罰が科されることも明確にされた。特に本人が同意しないまま、その身分や写真、本名、生活の仔細などが大衆にさらされた場合、懲役3年以下の懲役刑および強制労働に課される。

ネットユーザーによる「人肉捜索」というのは、プライバシーの侵害であり確かに褒められたことではないのだが、ターゲットになるのは、たいてい腐敗役人であったり、傲慢な金持ちたちであったり、「五毛」と呼ばれる政府や党組織に雇われたオンラインコメンテーターであったりする。大勢のユーザーたちの怒りを買う“非常識”な行動を起こし、それをネットで自慢げに公表するような特定の人物に対し、大勢のユーザーたちがIPアドレスを追及したり、SNSに投稿された内容を精査して、実際の住所や職業を特定したりして、ネット上でさらして世論を喚起して、圧力と社会制裁を加える行動といえばよいだろうか。ネット上の集団リンチともいえるが、同時に、その特定の人物が、それなりの権力背景をもっていて、現実の司法による裁きを受けることがないことも多々ある。

代表的な「人肉捜索」事件として思い出されるのは、2010年の「俺のおやじは李鋼」事件だ。河北大学構内で農村出身の女子学生が、公安副局長のドラ息子が飲酒運転する乗用車に、はねられ死亡した。このとき、ドラ息子は「訴えらえるものならやってみろ、俺のおやじは李鋼だ!」と開き直った。このドラ息子の発言や、事件の詳細、“李鋼”の経歴などの個人情報が、「人肉捜索」によってネット上で拡散され世論に火をつけなければ、このドラ息子は裁かれることはなかっただろう、といわれている。

また、郭美美事件では、郭美美という自称ネットアイドルのセレブ生活の背後にある中国赤十字の腐敗や権力との癒着に、ネットユーザーらの人肉捜索はかなり迫った。(だが結局、郭美美が別件逮捕されただけで、中国赤十字の腐敗、権力癒着問題はうやむやになってしまったが)人肉捜索が厳しい刑罰の対象になるとすると、これも庶民の利益というよりは、喜ぶのはやはり腐敗官僚や権力サイドではないか、という気もする。

このサイバーセキュリティ法と時同じくして「ネットニュース情報サービス許可管理実施ガイドライン」「ネット情報内容管理行政執法プロセス規定」なども施行された。これは微博や微信を使ったニューメディアに対する規制管理強化であり、微信などでメディアアカウントが当局の許可を得ずに、ニュース情報を提供してはならない、ということを規定している。2017年1月に出されたVPN規制の通達とセットとなって、ネットユーザー、公民がアクセスする情報のコントロール強化に拍車がかかる。

ネットの未来を中国に任していいのか?

2020年にはネット人口9億人が予測されている世界最大の中国ネット市場。中国がかくも、インターネット規制・コントロールに力を入れているのは「ネット主権」という概念を打ち出しているからだ。つまり、海洋や領土、領空の主権のように、ネットでも中国の主権を主張する、ということなのだ。だから、中国でネットを使いたかったら、中国の法律、ルール、価値観に従え、ということである。領域を広げ、主権を主張することが、覇権につながる。それは海洋、宇宙、海底、通貨への覇権拡大の発想とも共通しているだろう。

そして恐ろしいことには、この中国のネット主権の考え方に、中東諸国など結構賛同する国もあったりする。米国が生み出し米国が支配していたネット世界だが、中国が世界最大規模の市場を武器に主権を唱え始めたことで、ネット世界全体の形が変わろうとしているのだ。

民主と自由を建前にする米国が生み出したネット世界は、本音はどうであれ、国境のない自由な世界という建前を打ち出していた。だが、中国はこれを真向から否定してネットをむしろ社会のコントロール、管理のためのツールであるとし、実際に信じられないような厳格なネットコントロールを実施している。これに対し、グーグルなど米国ネット企業までが、批判するどころか、中国のネットルールに従ってもいいからその巨大市場に進出したいという態度を隠さなくなってきた。

そう考えると、このサイバーセキュリティ法は、単に中国の不自由なネット環境が一層不自由になった、という意味以上の影響力がある。中国が世界のネット覇権をとるや否や。そういうネットの未来を左右する動きの一つととらえるべきではないだろうか。

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『北朝鮮の次なる核実験がうながす韓国の核武装論 「対話」という平和的手段がもたらす結果』(6/6日経ビジネスオンライン 森 英輔)について

6/5藤岡信勝氏のfacebookより転載。朝日新聞が所謂従軍慰安婦の元凶であることは国民に広く知られる処となりましたが、まだまだ読者がいます。残紙訴訟で経営が立ち行かなくなるまで追い込む必要があります。購読者は「安全な日本と言う国に住んでいながら、それを破壊しようとする組織に手を貸している」という自覚が欲しいです。中国に住んでみれば良いでしょう。左翼の憧れの地が如何に人権弾圧してきたかが自分の目で確認できます。勿論、人質になり、処刑される覚悟が必要となりますが。藤岡氏のように地道な取り組みが中韓のプロパガンダに汚染された米国人の頭を変えて行くと思います。“court historian”が多い米国ですので、FDRを絶対視し、異論は“revisionist”として排斥されます。自由の国の寛大さはどこに行ってしまったのか?

日本の多数の国民は無関心なのでしょうけど、100年後の日本を考えて行動すべきです。藤岡氏や保守派の団体に寄付する等して、日本の国益を守り、子々孫々の不名誉を雪いで、繁栄を約束する力となれるようご支援戴きたい。

<6月1日、カリフォルニア大学の学生23人に、「慰安婦問題」の講義をしました。指導教授から依頼を受けたのが2週間前で、準備の時間がなく、教材の準備に着手したのは実際は講義の24時間前でした。

私は次の7つの質問を骨格とした講義案を考えました。講義のタイトルは、「Seven Questions about “Comfort Women”」とします。これらの質問について議論したり説明したりする中で、「今まで言われていることは少しおかしかったのではないか」という感覚と、日本軍慰安婦について、ある程度の正確なイメージを持つこと、を目標として設定しました。

講義プランの概要は次のとおりです。

Q1: デモの女性は何を要求しているのだろうか?

What demands are the momen shouting in the demonstration ?

★アメリカの雑誌「タイム」に掲載された、韓国の慰安婦が売春宿を撤去する再開発計画に反対して決行した大規模なデモの写真2枚を提示して質問する。

Q2: この新聞広告から軍慰安婦のリクルート制度を復元してみよう。

How was a comfort woman recruited ?

★戦前の韓国で発行された日本語新聞の慰安婦募集広告2点とその英訳を提示する。英訳を読み込んで、慰安婦の調達システムを読み取って復元してみよう、というのが課題。ここで、indentured prostitute (年季奉公の娼婦)の概念を教える。

Q3: 慰安婦問題のタネを撒いた吉田清治は真実を書いたか?

Did Yoshida, who started “comfort momen” issue, write a “true” story ?

★6分間の動画に英語の字幕をつけたものを視聴する。済州島の島民は、強制連行事件を否定。そのあと、昨年、彼の息子が「父は済州島に行ったことはない。地図を見て原稿を書いていた」と証言したこと、さらに父が韓国に建てた謝罪の碑を撤去したいと語ったことを紹介する。

Q4: マグロウヒル社の世界史教科書によれば、日本兵は1日何回慰安所に行ったこと

になるか?

How many times on average per day did a Japanese soldier go to brothel according to

McGraw-Hill’s World History textbook ?

★マルロウヒル社の世界史教科書に掲載された「comfort momen」という記事を紹介し、その中にある数字のデータをもとに、設問について計算させる。(答は、4~6回)

Q5: 韓国の新聞が日本糾弾の材料として掲載したこの写真で、この慰安婦たちの客は本当は何国人だと思うか?

What nationality do you think were the customers of the Korean prostitutes in this photograph which was used by a Korean newspaper in accusing Japan of “comfort women” problem ?

★その写真には、「off limits」などの英語表記があることに着目。朝鮮戦争期のものであろう。

Q6: 慰安婦は「性奴隷」だったか?

Was a comfort moman a “sex slave” ?

★クマラスワミ報告の「性奴隷」規定の一節を提示し、その上で、上記の設問をする。

素材は社会科学的な「奴隷」の定義。ただし、実際は、アメリカの代表的な辞書の記述を集めるだけで十分。「unpaid, forced laborer」など。古森氏出演のアメリカのテレビ番組のエピソードを紹介。

「奴隷」と「労働者」を区別することを強調したマルクス「資本論」を紹介。

さらに奴隷条約の「所有」規定を材料にする。同じことを言っていることがわかる。

そして、日本軍慰安婦が「奴隷」でなかったことのダメ押しの検証のため、米陸軍心理作戦斑の1944年10月の報告書を用いる。「売春婦に過ぎない」というのは、奴隷ではないという意味だ。

Q7: どちらがより適切に「本当の」日本人を表していると思うか?

Which do you think is a more suitable portrayal of “real” Japanese ? (open question)

★東日本大地震時の日本人の行動を賞賛したニューヨーク・タイムスの記事と、2007年の米下院議会の慰安婦対日非難決議を並べて、批評させる。ただし、当然ながら、答は決まらないopen question である。

Additional Question: ソウル及びグレンデールの慰安婦像のとなりの空席に座るのは誰だと思うか?

Who do you imagine might take seat next to the statue girl ?

★ある人は、「最初の質問で出て来たデモの女性は、70年後には、あの席に座って、『日本軍の慰安婦制度の犠牲者』となっているかもしれない」とコメントしたことを紹介する。

マグロウヒル社の世界史教科書で習った人に挙手してもらいました。3分の1強の学生が挙手したのは、さすがカリフォルニア、と思いました。

講義計画のすべてを実施する時間がありませんでしたが、それでも大筋は消化しました。学生は非常に真面目に受け止めてくれて、90分のレクチャーのあとの質問が30分以上も続きました。資料の信憑性を疑うことの必要、実証的・学問的に問題を考えなければならないのだと思った、などの感想は、講義の意図を正確に受け止めてくれた発言でした。

わずか24時間で、6分の動画に英語の字幕をつけ、19コマのパワーポイント教材と、8ページの文字資料を準備するのは奇跡に近いことでしたが、慰安婦問題および教科書問題に取り組む人々のネットワークの助けをいただいて間に合わせることができました。ご協力いただいた皆様に改めて感謝します。

このように、直接話す機会があれば、アメリカ人でも少しずつ変わっていく希望をもってよいのではないかと思いました。>(以上)

またfacebookからですが、江崎道朗氏の「トランプ時代に東京裁判史観の見直しをした方が良い」という“youtube”がありましたので紹介したいと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=EDivinct5VA&feature=share

6/7の日経朝刊では「米空母2隻が日本海を離れた。北朝鮮の部隊を疲れさすことができたので。ロナルドレーガンは今後沖縄で自衛隊と共に訓練する」とのことです。

6/6朝鮮日報は文在寅大統領が北に派遣しようとした民間団体の入国を拒否しました。慰安婦問題同様、韓国お得意の政府と民間の使い分け、二枚舌外交ですが、北にあっさり断られました。日本の孤立を韓国人はずっと言って来ましたが、気が付けば、米国は不信、中国は恫喝、日本は嫌韓、北朝鮮は超然と誰も韓国を相手にしていません。それはそうでしょう。裏切りの連続ですから、誰が韓国を信じますか?

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2017/06/06/2017060600566.html

本記事を読みますと、国家の矜持を持ち、独立と生存を賭けて米国と戦っている北朝鮮の方が正統性を持つ気がします。韓国は事大主義で、人の足を引っ張ることしかできない人の集団です。大局観もなければ歴史観もなく、捏造・歪曲した情報の中で、妄想に生きる民族としか言いようがありません。世界に韓国人を助ける国はなく、多分滅びるでしょう。北も日本の脅威である限り、排除しなければなりません。

記事

北極星2号発射のニュースをパブリックスクリーンで見る平壌の市民(写真:AP/アフロ)

北朝鮮がひっきりなしにミサイル実験を繰り返している。米韓軍事演習の最中にミサイル実験を繰り返すのは毎年の恒例行事なっているが、今年は、同演習が終了した後もミサイル実験が続く。その背景には何があるのか。次なる核実験を含む今後の展開はいかに。朝鮮半島問題に詳しい、宮本悟・聖学院大学教授 に聞いた。

(聞き手 森 永輔)

—北朝鮮がミサイル実験の頻度を高めている印象があります。この背景に何があるのでしょう。

宮本悟(以下、宮本):3月から4月の米韓軍事演習期間におけるミサイル実験の頻度は実は2016年の方が高かったのですよ。

—え、そうなんですか。まったく逆の印象があります。

宮本:日数では、2016年の3月は4回、4月も4回でした。発射したミサイルは合計21発です。ただ、5月は1回だけでした。いっぽう2017年は3月が2回、4月が3回です。発射したミサイルは合計9発です。5月に限っては、地対空ミサイルを含む4回で、昨年を上回っています。

3月と4月に多いのは、米韓軍事演習があったからです。この演習を非難してミサイル実験に及ぶのは最近では毎年のことですね。

中国の方針転換に反発


 

宮本悟(みやもと・さとる) 聖学院大学 政治経済学部 教授 1970年生まれ。同志社大学法学部卒。ソウル大学政治学 科修士課程修了〔政治学修士号〕。神戸大学法学研究科博士後期課程修了〔博士号(政治学)〕。日本国際問題研究所研究員、聖学院大学総合研究所准教授を経て、現在、聖学院大学政治経済学部教授。専攻は国際政治学、政軍関係論、比較政治学、朝鮮半島研究。著書に『北朝鮮ではなぜ軍事クーデターが起きないのか?:政軍関係論で読み解く軍隊統制と対外軍事支援』(潮書房光人社)など。

宮本:一つには、米韓軍事演習終了後も米国が空母を朝鮮半島近海に増派していること。加えて、4月6日 に実施された米中首脳会談後に中国が北朝鮮を非難していることに対抗してのことだと思います。これを機に中国が、北朝鮮に対する制裁を強化する意向を示しました。北朝鮮は中国を「米国に譲歩している」と非難しています。

中国が実際に制裁を強めているかはまだ分かりません。強めていたとしても、まだ効果が上がる時期ではないでしょう。それでも、中国の方針転換は北朝鮮にとって逆風です。敵が増えるわけですから、実験回数を増やし、ミサイル開発にさらに力を入れるのは自然なことだと思います。

—米国が4月6日に、巡航ミサイルでシリアを攻撃しました。北朝鮮への警告との意味もあったとされています 。シリア攻撃も北朝鮮の態度を硬化させる要素だったのでしょうか。

宮本:あったかもしれません。北朝鮮もシリア攻撃を非難しています。しかし、やはり中国の方針転換がいちばん大きい要素だと思います。

北の核開発は自主国防のため

宮本:北朝鮮は、ミサイルや核で周囲の国を脅し援助を得ようとしている、という見方があります。私はこれには与しません。北朝鮮は、米国から攻撃されないように抑止力として核とミサイルを開発しているのです。ですから、ただ対話しても、制裁を続けても、北朝鮮は核とミサイルを放棄しないでしょう。

—それはソ連(当時)や中国が90年代前半に相次いで韓国と国交を回復したからですか。

宮本:そうです。北朝鮮に核の傘を提供していたソ連が、90年に韓国と国交を回復、91年に崩壊 してしまいました。その後ロシアは、ソ連と北朝鮮との協定をそのままでは継承せず、新協定は軍事的な性格を持ちません。北朝鮮としては安全保障上の後ろ盾を失ってしまったわけです。

中国との軍事同盟は継続していますが、北朝鮮はこれを信用していません。中国も92年 に韓国と国交を正常化しており、これを北朝鮮は中国の裏切りと見なしているのです。

—北朝鮮の立場に立って見ると周囲は敵だらけ。核で自衛する必要があるというわけですね。

宮本:その通りです。もともと他国に対する警戒心が強く、自主国防力を高めることを強調してきた国ですからね。

中国には頼らない

—金正恩委員長と中国の関係は、同氏が政権に就いた時からよくないですね。同委員長はいまだに中国を訪問していません。

宮本:「金正恩氏が2013年12月に張成沢氏を粛清して以降、関係が悪化した」という人がいますが、その前から関係は良くなかったですね。むしろ、関係がよくなかったから張氏を粛清できたという方が、説明がつくかもしれません。

さらにさかのぼれば、金正恩氏の父・金正日総書記の時代から中朝関係はそれほどよくなかったと言ってよいかもしれません。金正日総書記と中国の胡錦濤・国家主席の関係は首脳外交としては悪くなかったようですが、現場ではそれほどではなかったのです。たとえば、中国側が遼寧省丹東周辺を新たに開発して、交流を進めようとしたにもかかわらず、現場にいる北朝鮮側の反応は非常に冷たいものでした。

一般的に北朝鮮の人々は「利益を中国に持っていかれる」という不信感がありました。北朝鮮には中国人を信用できないという人たちが数多くいます。金正恩委員長はこうした一般の声にも影響を受けているのでしょう。

北朝鮮は毎年1月1日に政治方針を発表します。それを読むと、中国だけでなく様々な国と関係を強化するとうたっています。北朝鮮は、中国一国に頼ることなく、外交の水平線を広げることを目的としています。安全保障面でも経済面でも中国からは独立した立場なのです。核とミサイルの開発は、中国に頼らなくても独立を維持するためという考えからきているものです。経済面では、1970年代からそうでしたが、中東やアフリカ諸国など第三世界との交易関係を強めています。「北朝鮮は中国に頼っている」「中国は北朝鮮のパトロン」といった表現は、北朝鮮の政策を反映していません。

—北朝鮮は中朝貿易がなくても経済的にやっていけるのでしょうか?

宮本:北朝鮮の経済データが整っていないので、よく分かりません。しかし、北朝鮮はもともと貿易をしないで済むように経済政策を立ててきた国でした。だから、先進諸国が推進してきた自由貿易を前提に、北朝鮮の貿易を考えれば大きな誤解が生まれます。今でも、可能であれば貿易しなくても経済的にやっていけるように北朝鮮当局が望んでいることには変わりないと思います。

だから、中国が北朝鮮のパトロンになっているとの見方は当たっていないと思います。確かに国際価格よりもそうとう安い価格で中国が北朝鮮に提供している物資はあります。しかし、その逆もあるのです。

独立はカネに代えられない

—米中首脳会談後の米中に反発してミサイル実験の頻度を増した。北朝鮮はこのコストに耐えられるのでしょうか。北朝鮮の資金を枯渇させるべく、米国が挑発して北朝鮮に実験をさせているとの見方もあります。

宮本:外貨が必要にならない限り、資金的な問題はないと見ています。確かにコストはかかっているでしょうが、国内で賄える範囲なら大丈夫でしょう。北朝鮮は、鉄をはじめとする鉱物資源は豊富です。石油も少しは産出します。ミサイル実験に回すくらいの燃料はあるでしょう。人とその労力は問題なく国内で調達できます。

外貨が必要な部分もあるかもしれませんが、そもそも「国の独立・存亡がかかっている」と考えているのですから、財政に大きな負担となっても核兵器とミサイルの開発を続けるでしょう。

ただ、北朝鮮に対する対話や制裁が不要と言っているのではありません。対話で解決の糸口を探ることは、北朝鮮の緊張を下げることに役立つでしょう。また、制裁を受けることで北朝鮮にとって経済的な負担が大きくなるのは間違いありません。ですから、北朝鮮の軍事力を削ぐためにも制裁はますます必要なのです。

米本土に届かないミサイルを実戦配備する意味

—度重なるミサイル実験を振り返って、開発面や技術面で注目すべきことはありますか。

宮本:米国本土まで射程が届かない「北極星」を実戦配備すると明言したことです。

北朝鮮は今、2種類のミサイルを別々のチームが担当し、競い合うように開発しています。一つは「火星」、もう一つは「北極星」です。火星は現在は液体燃料を使用。発射台から直接発射する「ホットローンチ」方式を採用しています。液体燃料なので実戦使用では少々難があるのですが、推力に優れています。

これに対して北極星は固形燃料と「コールドローンチ」を採用するものです。コールドローンチは潜水艦発射型ミサイルでよく使用される方式。圧縮ガスを使い、ミサイルをいったん空中に押し上げた後、ロケットエンジンに点火します。こちらは固形燃料なので実戦での使用は容易。ですが、推力では劣る。北極星2型の現在の射程はハワイやアラスカにとどまると北朝鮮は公表しています。

それでも金正恩委員長はこれを大量生産し地上に実戦配備することを明らかにしました。この意図に私は注目しています。「北極星2型でも抑止力になる」と判断したか、抑止力としては不十分でも「当面の処置」として配備すると判断した、のいずれかと考えられるからです。

北極星2型はニューヨークやワシントンには届きません。したがって米国が北極星2型を脅威とは見なすとは限りません。中心部を守るために地方を切り捨てる--歴史を振り返れば、国家がこうした冷酷さは示す例をいくつも発見することができます。米国が脅威と認識しない核ミサイルは抑止力になりません。抑止力が成立するかは米国の認識しだいです。

—北極星を潜水艦に搭載することはありませんか。米国に気付かれないように太平洋に出て行く。そうすれば、射程距離の短さを補うことができます。

宮本:北朝鮮は核を搭載して潜行作戦を展開できる潜水艦を持っていません。これには燃料の補給がいらず、水面に浮上する必要がほとんどない原子力潜水艦が必要です。水上に出る回数が多いと米国側に場所を探知されてしまいます。

—中国が原子力潜水艦を北朝鮮に提供することはありませんか。

宮本:それはないでしょう。

—ハワイに寄港する米原子力空母を北極星で狙うことはあり得ないでしょうか。原子力空母が破壊されれば、巨大な原子力発電所が爆発し放射能漏れを起こすのと同様の被害が生じかねません。こうした脅威を作るだけでも、抑止力となる。

宮本:ハワイに停泊する原子力空母を弾道ミサイルで狙うのは、目をつぶって針の穴に糸を通すような行為です。そうとうに困難なのではないでしょうか。

それに、すでに核兵器を保有しているならば、原子力空母だけを狙うのはあまり意味がありません。核兵器は、ほとんど瞬時に、一つ以上の都市を壊滅させて、何十、何百万という犠牲者を出すことができる大量破壊兵器なのです。核兵器の脅威は、放射能よりも、その驚異的な熱と爆風などによる破壊力なのです。そのような兵器を原子力空母の攻撃のために使うのは無駄なことです。

韓国では「4月危機説」が流布していた

—北朝鮮のミサイル開発は日本にとってはどの程度の脅威に成長しているのでしょう。4月29日 にミサイル実験があった時、東京の地下鉄が止まりました。一方、ソウルの地下鉄は通常通り運転していた。日本は考えすぎだ、という意見があります。

宮本:北朝鮮のミサイルは日本にとって、すでに十分な脅威です。

東京の地下鉄を止めたのは、北朝鮮の核攻撃を想定した練習だった--と考えるとそれほどおかしなことではないと思います。核の爆発が起こると、その後、非常に強い電磁波が生じて、電子機器が急に使用できなくなることが想定されます。地下シェルターとしての地下鉄の役割を考えれば、2次災害を防ぐために地下鉄を止めておくことは必要です。もちろん、実際に、地下鉄を止めたのは、そこまで考えてのことかは分かりません。

—そうだとすると、韓国はなぜ落ち着いていたのでしょう。

宮本:韓国政府が「4月危機」を否定していたことが要因の一つと考えられます。米国のレックス・ティラーソン国務長官が3月17日 に、オバマ政権が取ってきた「戦略的忍耐は終わった」と明言しました。「あらゆる選択肢を検討している」 とも発言し、先制攻撃を排除しない意向であることも示唆しました。これに伴い米国が北朝鮮を攻撃する可能性が一挙に高まりました。そして、「4月に米国が北朝鮮を攻撃する」という懸念が韓国のネットでも流布しました。それを韓国政府は、「根拠がない」といって、打ち消しにかかっていました。

—韓国の国民は政府をかなり信用しているわけですね。

信用しているかどうかは分かりませんが、たいていの人は、安心できる情報があればそれに飛びつくほど弱いものです。そして、何もしなくていいための言い訳とするのです。

北朝鮮の核・ミサイル保有がうながす韓国の核武装論

—次の核実験がいつ行なわれるか、不安が高まっています。

宮本:いつかは行なわれるでしょうね。でも、いつかは分かりません。何かしらの記念日に合わせて実施するという見方がありますが、実例は過去に1度しかありません。2016年9月9日 の建国記念日に5回目の核実験をした時だけです。

そもそも、核実験と政治的意図を結びつけて考える必要はないのです。「核の開発に成功した=抑止力を保有した」ことさえ示せば十分なのですから。したがって2006年に最初の核実験に成功して以降の実験は、技術力を高めることと、実戦で使用できる核兵器があることを内外に示すことに意味があると思います。記念日に合わせる必要はありません。

—次の核実験が行なわれたら、米中をはじめとする周辺国はどのように反応するでしょう。

宮本:中国の制裁に効果がないと米国は認識すると思います。

—そうなると、米国が単独で行動することになる。

宮本:その時、対話の道を取るのか、軍事行動を選択するのか、それは分かりません。

仮に対話の道を選ぶと、北朝鮮が少なくとも当分の間、核兵器を保有することを前提として、その条件を話し合うことになります。日本や韓国にとっては最悪です。受け入れることはできないでしょう。

—北朝鮮はかつて、「朝鮮戦争を終結させる米朝平和条約に米国が同意するならば、核兵器を放棄する」と言っていました。これに沿った合意はもうあり得ないわけですか。

宮本:北朝鮮では、その案をすでに言わなくなっています。北朝鮮では、金正日総書記が死亡して以降、「核大国」となることをスローガンとし、「核保有国」であることを憲法に明記しました。金正日総書記の死去は、むしろ核問題の解決を困難にすることになりました。

さらに、2013年に3回目の核実験を実施すると、「核を取り引きの道具にしてはならない」と方針を改めています。核兵器の放棄を条件に、北朝鮮が平和条約や不可侵条約を締結する可能性は、もうほとんどないといえます。

—そうなると、どのような対話が行われる可能性があるでしょう。

宮本:北朝鮮側の目的としては、米国を標的としないことを条件に、北朝鮮の核保有を認めさせる。在韓米軍は撤退させる。というところでしょうか。もし、在韓米軍が撤退すれば、THAAD (地上配備型ミサイル迎撃システム)も当然撤去することになります。これは、米国が韓国を見捨てるということです。

同様に、日本も実質的に見捨てられることになりかねません。北朝鮮が日本を攻撃の標的としているのに、米国が北朝鮮と戦わないのであれば、日米同盟の破綻ということになる可能性もあるのです。

—そうなると、日本と韓国で核武装論が盛り上がることにつながりませんか。

宮本:当然、そうなるでしょう。それが自然だと思います。

韓国のある世論調査では、核武装に「賛成」との回答が60%以上に達しています。ただし実現するのは難しい。核実験をする場所も非常に限られてきます。

日本でも議論が起こるでしょう。何もしないで力の空白を作れば、それこそ北朝鮮からの攻撃を誘発して、戦争が起こる可能性を高めることになります。ただ、日本の場合には、在日米軍が駐屯する限り、独自の核抑止力よりも日米同盟の再構築で乗り切ることになると思います。

韓国は自主防衛力を強化へ

—文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮にどのような方針で望むでしょう。

宮本:北朝鮮の核・ミサイル開発を脅威と認識している点は、保守の朴槿恵政権と変わりません。

加えて、安全保障面では、自主国防力を強化する方向に向かうと思います。韓国の進歩派は民族主義が強く、反米もしくは離米の考えが強いので、米韓同盟に不信感を抱く傾向が強いのです。このため、自主国防を望みます。金大中、盧武鉉の進歩派政権はいずれも国防費を増額しました。

仮に核武装という案が出た場合、保守派よりも、進歩派である文政権の方が積極的になることが考えられます。

ただし、文政権は北朝鮮との交流も進めていくと思います。民族主義が強い韓国の進歩派にとって、自主国防力を高めることと、同じ民族である北朝鮮との交流を進めることは矛盾しません。北朝鮮も同じく民族主義が強いので、核兵器を開発して自主国防力を高めることと、同じ民族である韓国と交流することは矛盾しないのです。

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『「第2次朝鮮戦争」を前に日米を裏切る韓国 文在寅政権は早くも北朝鮮に引きずり回され始めた』(6/5日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/6日経朝刊に依れば、「安倍首相は日経主催の<アジアの未来>の中で、『一帯一路に協力姿勢 公正さ条件 日本企業の参画、妨げず』」と表明したようです。これに対し政治部次長の吉野直也氏は次のようにコメント。日中関係改善へメッセージ 首相、アジア投資銀は慎重 

安倍晋三首相が中国主導の広域経済圏構想「一帯一路」について協力姿勢に転じたのは、停滞する日中関係改善へのメッセージにほかならない。北朝鮮問題やトランプ米政権の誕生に伴う北東アジア情勢の変化が背景にあるが、同構想を無原則に認めるわけではない。「一帯一路」構想を資金面から支えるアジアインフラ投資銀行(AIIB)加盟にはなお慎重だ。

晩さん会で演説する安倍首相(5日、東京都千代田区)

今回の首相発言の要諦は「一帯一路」構想を入り口から否定するわけではないという点だ。これまで安倍政権は構想に否定的と受け止められていた。少なくとも中国側はそう思っていた。日本側が構想への条件や注文に傾斜していたためだ。今回、まず構想を前向きに評価、そのうえで条件や注文をつけた。中国側の印象は変わった。

首相の演説を聞いた中国政府高官は「基本的に前向きなメッセージだったと理解し、歓迎する」と述べた。

この時期の首相発言は来年の政治日程からの逆算に基づく。今年と来年は日中にとって節目の年。今年は日中国交正常化45周年、来年は日中平和友好条約締結40周年に当たる。来年はとりわけ重要だ。

日本政府は7月に開く20カ国・地域(G20)首脳会議を利用して首相と中国の習近平国家主席が会談、その後、中断している日中韓首脳会談の早期開催を描く。

この日中関係改善のシナリオを円滑に進めるための布石として「一帯一路」構想の協力姿勢を持ち出した。日中関係改善は北東アジアの安全保障環境とも連動する。核・ミサイル開発を続ける北朝鮮問題だ。

日米韓で圧力強化を申し合わせ、国連の声明で非難したところで、北朝鮮が蛮行を改める兆しはない。北朝鮮が貿易のほとんどを依存する中国が本気で説得しない限り、北朝鮮には響かない。

もう一つは米国だ。環太平洋経済連携協定(TPP)を推進したオバマ前政権は「一帯一路」構想をTPPに対抗する枠組みととらえ、敵視した。安倍政権もオバマ前政権と足並みをそろえたが、その歯止めはなくなった。

むしろ「米国第一」主義を掲げるトランプ大統領が安全保障の原則などを無視して突然、中国との危うい「取引」に出かねないとの懸念がある。日本が中国と距離を詰めるのは米中間に埋没しないための「保険」の意味合いもある。

中国側にも首相の協力姿勢は、関係改善に踏み出しやすい環境をつくる。秋の共産党大会で習主席は2期目の人事を決める。この人事で政権基盤をさらに強固にしたい。その前に日米などとの大きな摩擦でエネルギーを費やす事態は避けたいのが本音だ。

習主席には首相とトランプ氏の蜜月関係が一種の「圧力」にも映っている。日中関係改善は、中国を標的にした日米同盟関係の深化という大義を形骸化させることにもつながる。ただし、日中がこのまま一直線に改善に向かうわけではない。

首相が「一帯一路」構想に協力姿勢を示したといっても、日本政府にその具体策があるわけではない。AIIB加盟に慎重なのは、その一例だ。譲れない一線もある。中国による沖縄県・尖閣諸島付近の挑発は看過できない。南シナ海で領有権を主張し、人工島を造成している行為も容認できない。

北朝鮮問題にしても中国が動かず、北朝鮮が核実験やミサイル発射をやめなければ、日米と中朝、これにロシアが加わり、にらみ合う展開となる。日中関係改善への道は平たんではない。>

まあ、リップサービスの部分もあると思いますが。日本企業が「一帯一路」にどれだけ魅力を感じるかでしょうけど。$の海外流出規制をし、日本人人質を取り、先日は7人目を処刑したような国に投資するかどうかです。それを見据えて発言したのかも。勿論米国とは擦り合わせ済でしょう。AIIBに参加しないのは賛成です。6/5宮崎正弘氏のメルマガに依れば、「一帯一路」は閑古鳥が鳴いているそうです。魅力は少ないでしょう。

http://melma.com/backnumber_45206_6538623/

本記事に依れば、鈴置氏は「早ければ6月末、遅くとも8月末までに北朝鮮への攻撃を開始するとの観測が高まっています。」と述べています。在韓米軍は文在寅政権が裏切ることが予想されるため当初は使わず、空母や日本、グアム、米本土からの攻撃になるという見立てです。米国は中露には相談すると反対されるため、相談せず一気に攻撃すると思います。日本にはロジの問題があるので、連絡を取り合っていると思いますが、韓国は聾桟敷に置かれている状態でしょう。

朝鮮半島では、中国の皇帝の使いを迎えるために、1536年(李氏朝鮮時代)に迎恩門を造りました。日本が日清戦争に勝利して、やっと中国の属国の立場から独立でき、1897年に独立門が立てられました。捏造された歴史しか教わらない韓国人は独立門を「日本からの独立」と勘違いしているそうで、哀れとしか言いようがありません。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%8E%E6%81%A9%E9%96%80

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E9%96%80

日本は『非韓六原則=助けない、教えない、関わらない、観ない、行かない、買わない』で行くべきです。6/6NHK朝7時のニュースで韓国デビューした日本人若手芸能人を採り上げていました。母親が関西弁でしたので、韓国に親和性があるのかもしれませんが、延々と続けて報道する姿勢に疑問を感じました。そんなに長時間使って報道する価値があるのかと。まあ、韓国が孤立しているので、日本人の嫌韓感情を和らげようと左翼・リベラルが判断したのでしょうけど、こんな番組を見せられれば見せられるほど嫌韓は進んでいくでしょう。NHKに対する信頼も薄れて行くというのが分かっていません。左翼・リベラルはアナクロ、ガラパゴスという自分の立ち位置が分かっていません。長い目で見れば滅びるだけです。反日、二重基準、ご都合主義が見えてきていますので。

記事

カール・ビンソン、ロナルド・レーガンに続き、「北朝鮮包囲」に加わる原子力空母ニミッツ。米国による北朝鮮攻撃が実行される時、文在寅政権はどう動くのか(写真は2013年、米韓合同演習に参加した時のもの。写真:AP/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮が文在寅(ムン・ジェイン)政権をたぐり寄せ始めた。

突然「西側」から抜けた

—「文在寅の韓国」はどこに行くのでしょう。米国との同盟を続けるのか、中国を頼るのか、あるいは北朝鮮と組むつもりなのか……。

鈴置:「つもり」だけで言うなら、北朝鮮との関係を一気に改善し、「民族和合」を基に周辺国家に堂々と対することができる国を作る「つもり」でしょう。

これは多くの韓国人の描く国の理想像でもあります。ただ現実には、韓国は周辺国家にますます引きずり回される国となりました。まず、北朝鮮に頭が上がらなくなったのです。

国連安全保障理事会は5月22日、前日の北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し「強く非難する」との報道声明を発表しました。

日本、米国、英国、フランスなど西側各国はそれに加えて「さらなる対北制裁を実行すべきだ」と表明しました。ところが韓国は沈黙を貫きました。これまでは各国と足並みをそろえていたのに、突然、変身したのです。

韓国各紙は「裏切り」に懸念を表明しました。中央日報のシム・ジェウNY特派員は「駐国連韓国代表部の沈黙」(5月26日、日本語版)で以下にように書きました。

  • 北朝鮮の挑発の度に韓国は米日大使とともに記者会見を行い、強力な追加制裁を要求してきた。しかし、この日(5月23日)の韓国代表部は突然姿を見せずに沈黙を貫いた。
  • 一部では制裁より対話に比重を置いている新政府が立ち上がってから顔色を伺っているのではないかという指摘が出た。

朝鮮日報も「安保理、対北制裁に声を強めるのに……韓国は沈黙」(5月24日、韓国語版)で「突然の沈黙」に疑念を呈しました。

人権決議不参加も文在寅

—韓国にとっても北朝鮮の核・ミサイルは脅威です。なぜ、日本や米国を裏切るのでしょうか。

鈴置:韓国が北朝鮮に「NO」が言えない国になったからです。文在寅政権は北朝鮮との関係改善を公約に掲げ誕生しました。

北朝鮮はこれに付け込み「言うことを聞かないと、対話してやらないぞ」と脅せるようになったのです。

対北制裁に関して言えば、韓国は安保理決議以上の厳しい制裁には言及できなくなったということです。いずれ、安保理による対北制裁決議に加わらなくなる可能性もあります。

2007年、日本を含む西側が主導した国連の北朝鮮人権決議案への投票で、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権(2003-2008年)は棄権しました。その棄権を推進した1人が当時、同政権で秘書室長などの要職を務めていた文在寅氏です。

対話を哀願する左派政権

文在寅大統領も「NOと言えない」のが明らかになったのは政権が発足して4日後の5月14日でした。この日、北朝鮮は大統領の就任後、初めてとなる弾道ミサイルを撃ちました。

文在寅大統領は「強く糾弾する」と北朝鮮を非難しながらも「対話路線は変えない」と語りました。そのうえ「ミサイル発射をする限り対話しない」つまり「ミサイル発射を辞めたら対話する」とも表明してしまいました。(「北朝鮮のミサイル発射が増幅する米韓の不協和音」参照)。

こんなことを言えば「よほど対話してほしいのだな」と北朝鮮から足元を見られてしまいます。さらには「俺を怒らせるなよ。対話してやらないぞ」と脅されてしまいます。

南北関係の改善が始まらないと、文在寅政権は一部の国民から「公約は空手形だった」と批判されるでしょう。保守派からも「ほら見ろ。関係改善など理想論じゃないか」と馬鹿にされてしまう……。一方、北朝鮮は対話などしなくても困らない。

北朝鮮にとって文在寅政権の登場は干天の慈雨でした。世界中から「核を捨てろ」と圧迫される時に「対話を哀願してくる」ありがたい政権が南に発足したのです。

中国にも譲歩を開始

—「文在寅の韓国」を米国が警戒するわけですね。

鈴置:朴槿恵(パク・クネ)政権の米中二股外交に米国は手を焼きました。その「離米従中」に今度は「親北」も加わったのです。米国は北朝鮮だけではなく、韓国も潜在的な仮想敵と見なしていると思われます。

—文在寅政権は中国にも「NO」と言いません。

鈴置:5月19日に大統領特使として習近平主席と会った李海瓚(イ・ヘチャン)元首相は大きく譲歩しました。

朴槿恵政権が「中国に害を与えるものではない」と主張していたTHAAD(地上配備型ミサイル防衛システム)について「中国の憂慮を理解する」と述べたうえ、配備見直しに関する協議まで申し出たのです(「文在寅政権は『五面楚歌』から脱出できるか」参照)。

—なぜ中国に対し、そんなに弱腰なのでしょうか。

鈴置:文在寅政権は反米政権です。米国の神経を逆なでする数多くの公約を掲げて当選しました。米国と敵対する以上、中国に傾かざるを得ないのです。

  • 米国が神経を尖らす文在寅の「離米従中親北」公約 ・早期の南北首脳会談 ・在韓米軍へのTHAAD配備の見直し ・開城工業団地と金剛山観光の再開 ・戦時作戦統制権の返還 ・日韓慰安婦合意の破棄または再交渉

「香港扱い」された韓国

—でも、普通の韓国人までもが「従中」し、例えばTHAAD撤去に賛成するでしょうか。

鈴置:普通の人こそが「従中」なのです。李海瓚・元首相の訪中時に「香港並み事件」が起きました。

特使は大統領の名代ですから、普通は習近平主席と同じ大きさの椅子に小机を挟んで向き合って座ります。実際、過去の特使にはそうした席が用意されました。

ところが今回、李海瓚特使に与えられたのは「対等の席」ではなく、習近平主席とは離れた場所の「下座」でした。

朝鮮日報の「中国、特使団に香港行政長官級の低い待遇 首脳会談も確答せず」(5月20日、韓国語版)の写真を見ると、それを確認できます。

—「中国の一部」に扱われて、韓国人は怒ったでしょうね。

鈴置:話はここからが興味深いのです。確かに「香港扱い」に各紙は怒りました。でも「そんな中国の言うことをついつい聞いてしまう自分たち」であることを認めもしたのです。

中央日報の社説「国益と自尊を優先する堂々とした対中外交を展開せよ」(5月25日、韓国語版)には、以下のようなくだりがありました。

  • 中国の態度に懸念を覚える。習近平主席が上席に座り、我が大統領の特使は下座に座らせるという儀典に対する疑念を抱く我々としては、韓国を馴致(じゅんち)しようとの意図が中国にあるのではないかとの思いを禁じ得ないのだ。

蘇る冊封体制

—韓国人が「馴致」――飼いならされなければいいだけの話でしょう。

鈴置:そこがポイントです。中国がどう出てこようと「馴致」されなければいいと日本人は思います。でも中国人に上から目線で接せられると、韓国人はごく自然に「馴致」されてしまう。だから「馴致しないで」と社説で中国に頼む、奇妙な光景が出現するのです。

宗主国と朝貢国の関係――文明の中心地たる中国が周辺の遅れた国々を「馴致」するという世界観――から、中国も韓国も脱していないことがよく分かります。

中国は韓国人の心情をよく見抜いていて命令する時は、昔の宗属関係を思い出させたうえで言い渡すのです。すると韓国人も自分たちの生命がかかったTHAADの問題でさえ、中国の顔色を見てしまう。

なお、中央日報の日本語版では、「馴致」は宗属関係を感じさせない「懐柔」という単語に訳されています。

米国も対韓威嚇に本腰

—では「文在寅の韓国」は中国と北朝鮮に引きずられ、米国からどんどん離れていくのですか。

鈴置:米国も韓国を威嚇し始めました。米国の武器は「同盟打ち切り」です。米国の朝鮮半島専門家、スナイダー(Scott Snyder)外交問題評議会(CFR)シニア・フェローがNIKKEI Asian Reviewに「Trump-Moon friction points to watch out for」(5月18日)を書きました。

見出しの「トランプと文の摩擦は警戒を要する」が示す通り、今後予想される米韓の葛藤を分析した記事です。

スナイダー・フェローは「文政権は(トランプ政権が反対する)早期の南北交渉に乗り出し(北朝鮮へのドル送金パイプとなっている)開城工業団地を再開しそうだ」と書いた後、次のように記しました。

  • A coordinated strategy will be essential: Conflict here would strain the alliance and drain American congressional and public support for South Korea.

訳せば以下です。

  • 戦略的な協調が重要だ。米韓の対立は同盟を脅かし、米国の議会と世論による韓国への支持に冷や水を浴びせるであろう。

「韓国は中国の一部だ」

—「同盟を打ち切るぞ」ですね。

鈴置:米議会の重鎮もはっきりと韓国に申し渡しました。中央日報が「『THAADは米韓同盟による、同盟のための決定だ』と米議員らは韓民求(ハン・ミング)国防長官に語った」(5月29日、韓国語版)でそう報じました。

「米議員」とは訪韓した上院外交委員会・アジア太平洋小委員会のガードナー(Cory Gardner)委員長です。

5月29日、韓民求・国防長官に「THAADは米韓同盟による、同盟のための決定だ」と語りました。THAADは同盟の象徴だ。その配備を文在寅政権が見直すというなら同盟を打ち切るぞ、とクギを刺したのです。

トランプ(Donald Trump)大統領自身が「韓国は歴史的に中国の一部だった」と公然と語り、韓国を切り捨て中国に譲り渡してもよいと言い出しています(「『韓国は中国の一部だった』と言うトランプ」参照)。

米朝は「第2次朝鮮戦争」の瀬戸際にあります。開戦となれば北朝鮮は韓国、日本、米国をミサイルなどで攻撃します。北朝鮮は核弾頭を搭載したミサイルも使うと宣言しています。

そんな非常時に、文在寅政権はTHAAD配備を見直すとの公約を掲げたまま。米国が「同盟を打ち切る」と言い出すのは当然です。

米韓同盟はいつまで持つのか分からない、という認識が米国の専門家の間に次第に広がっています。米国の「同盟打ち切り」は脅しではなく本気なのです。

詭弁で誤魔化す

—文在寅政権はどう対応するのでしょう?

鈴置:問題を先送りするつもりでしょう。5月31日、米上院・民主党院内幹事のダービン(Dick Durbin)議員から「THAADに関する立場」を聞かれた文在寅大統領は以下のように応えています。

中央日報の「文大統領、『THAAD真相調査の支持は完全に国内的措置』」(5月31日、韓国語版)から、発言を引用します。

手続き上の正統性を踏まなければならない。まず(導入に関する)環境影響評価を経ねばならず、議会でも十分な議論がなされる必要がある。これは米国でも全く同じである。

過去の政権の決定ではこの2つのプロセスが十分ではなかった。時間がもう少しかかるだろうが、米国が理解してくれると考える。

「配備見直し」の公約は取り下げたくない。しかし、見直しに踏み切れば米国から見捨てられてしまう。そこで環境影響評価で時間を稼げばよいと考えたのでしょう。

—「米国も同じ。だから理解してくれる」のでしょうか。

鈴置:全くの詭弁です。北朝鮮の核ミサイルが降ってくるかもしれない時に、環境影響評価に時間をかけ、議会に諮ってから防衛兵器を導入するなどということを米国はしません。現に、アラスカやカリフォルニアに実戦配備する迎撃ミサイルの数を一気に増やしました。

文在寅政権としては、へ理屈をこね、その間に状況が変わるのを待つしかないのです。米国側も大統領の詭弁を聞いて唖然としたと思います。が「今すぐにTHAADを撤去せよ」と言われなければ「同盟を打ち切る」とは言い出さない。

巡航ミサイルは600発

—「状況が変わる」なんてことがありますか?

鈴置:北朝鮮の核問題が解決すれば、韓国は米国に対し「THAADを撤去してほしい」と言いやすくなります。対北用ということで緊急配備されたのですから。

トランプ政権は米国の軍事的圧力と中国の経済的な圧力で北朝鮮に核を放棄させるつもりです。が、いつまでも待つつもりはありません。早ければ6月末、遅くとも8月末までに北朝鮮への攻撃を開始するとの観測が高まっています。

対北攻撃は航空母艦を3-4隻、ことによれば5-6隻使い、空軍や海兵隊の爆撃機も可能な限り出撃する見込みです。朝鮮半島周辺海域から600発の巡航ミサイルを撃ち、米本土からも大陸間弾道弾(ICBM)を発射する構えです。

「第2次朝鮮戦争」が始まれば、北朝鮮の軍事施設はほぼ完ぺきに破壊されます。結果的に韓国もTHAADで米中板挟みに悩む必要はなくなります。

先制攻撃なら北に言いつける

—「第2次朝鮮戦争」が起きたら、韓国はどうするのでしょうか。

鈴置:文在寅大統領は「米朝の間に立って止める」と宣言しています。選挙戦の最中に「米国が軍事行動を実施しかけたら、大統領としてどう動くか」との質問に、こう答えています(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。

  • まず、米国の大統領に電話し、我々との同意がない米国の一方的な先制攻撃は認めないことを知らせ、留保させる。次に、全軍に非常命令を下し、国家非常体制を稼働する。
  • ホットラインを初めとする複数のチャネルを通じ、北朝鮮に対し米国の先制打撃の口実となるような挑発を即刻中断するように要請する。その過程では中国とも協調する。

—「先制攻撃されるぞと、北に言いつけるつもりか」と問題になった発言ですね。

鈴置:そうです。米国はそんな韓国に攻撃を事前には教えないと専門家は口をそろえます。朴槿恵政権(2013―2017年)当時も「事前通告はない」と見られていました。その頃は、北朝鮮ではなく中国にたれ込む、との懸念からでしたが。

—米国は北朝鮮を攻撃する際、韓国の基地は使わないのですか?

鈴置:少なくとも初めの一撃には使用しない模様です。韓国に情報が漏れますから。日本やグアムの基地よりも、烏山(オサン)など在韓米空軍基地を使った方が敵地に近い分だけ効率はいいのですが。

「中立化」を宣言?

—結局、「誰にもNOを言えない韓国」は戦争を止められないということですね。

鈴置:もちろんです。第2次朝鮮戦争は「米国・日本と北朝鮮の戦い」なのです。韓国には北朝鮮の核武装を止めるために戦争する覚悟はないのです。

保守派の黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領代行を務めていた時でさえ、米国の先制攻撃を支持しなかったではありませんか、日本とは対照的に(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。

とは言え、戦争になれば韓国も巻き込まれます。米国は地上戦はしないと言っていますが、北朝鮮はミサイルや長距離砲、ロケットで日本や韓国を攻撃します。

文在寅政権はこれを防ぐため「中立化」を宣言するかもしれません。北朝鮮に対し「韓国は参戦しないし在韓米軍基地も使わせない。その代わりに韓国への攻撃はしないでほしい」と持ちかけるわけです。

中国の歓心を買う文在寅

米国は「第2次朝鮮戦争」が終結するまでは少なくとも、韓国の裏切りを許しません。6月1日、訪韓中のダービン議員が以下のように語りました。聯合ニュースの「『韓国がTHAADを望まないなら他で使う』と大統領に伝えた」(6月1日、韓国語版)から引用します。

  • 「米国は困難な予算状況に直面し、多くの事業を削減している。韓国がTHAADを望まないなら、9億2300万ドル(THAAD配置・運用費用)は他の場所で使う」と文大統領に伝えた。
  • (韓国)政府の一部の人が「THAADは主に在韓米軍を保護するもの」との主張を繰り広げていることに懸念する。この2万8500人の米軍兵士は韓国の安全のために命をかけている。すべての韓国民と同様に彼らも守られなければならない。

「THAAD配備見直し」の公約を降ろさない文在寅政権への“最後通牒”です。ダービン議員の“最後通牒”を青瓦台(大統領府)は明らかにしていませんでした。米韓関係が際どい状況にあると国民に知られたくなかったのでしょう。

6月2日には朝鮮日報が「『文在寅政権の裏切り』に米国が怒る」と報じました。朝鮮日報の見出しは「米CNBC『THAAD調査は中国の歓心を買う文大大統領の試み』」(韓国語版)です。

大統領選挙中、米軍がTHAADの部材を追加して韓国に搬入しました。韓国メディアもそれを報じていたのですが、5月30日になって突然、文在寅大統領は報告が上がっていなかったと激怒、経緯を調査するよう命じました。

「文在寅政権は未報告を問題化することでTHAAD配備を拒否するつもりだ」と米国側は疑い始めたのです。「これから米国のムチが降ってくる」と韓国人は身をすくめています。

(次回に続く)

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『米国留学中国人「自由礼賛」卒業スピーチの波紋 「中国批判」と批判され、ネットで「忠誠と謝罪」表明へ』(6/2日経ビジネスオンライン 北村豊)について

6/4は天安門事件の28周年記念日でした。相変わらず、中国は報道を統制し、昨日は朝6時台のNHKニュースでは「中国でのNHKのニュースの中で天安門事件を報道した2分間、画面が真っ黒になり、何も見えず、音も出ない状態になった」とのこと。中国人はもっと共産党政府の嘘に怒るべきでしょう。貧しい時代だったらいざ知らず、「走出去」や海外旅行で傍若無人の振る舞いにより顰蹙を買うぐらい外国と接することが多くなっているので、共産党政権のやり方がおかしいとすぐ気づくはずです。でもそれを発言すれば、北村氏の記事のように「物言えば唇寒し」のようになります。こんな社会が理想とは思えません。でも中国人の本性は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」ですから、中共政府を賢いと思っているのかも。

「南京事件」も「従軍慰安婦」も中共が仕掛けた歴史戦の嘘です。やっと、日本人も「従軍慰安婦」は嘘だったというのに気付いてきましたが、「南京事件」はまだまだです。「事件」と言われるほどの殺戮があったかというと、通常の戦闘行為でそれ以上でもそれ以下でもないと言ったところが正解でしょう。中国は国民党のように平気で「黄河決壊事件」を起こし平気で数十万人も人民を殺すことをしましたし、毛沢東は大躍進や文革で少なくとも2000万人以上を殺したと言われています。政党が変わっても為政者は平気で人民を殺せる国です。共産主義の特質ではなく、中国・漢民族の特質です。

デービッド・ケイ国連特別報告者(個人の立場)の「日本の報道の自由の危機」というのも左翼の手が伸びているためです。まあ、彼にとって事実はどうでも良く金が稼げれば良いと言ったところでしょう。デービッド・ケイだけでなく、ケナタッチ国連特別報告者について「特別報告者は国連とは別の個人の資格で活動しており、その主張は必ずしも国連の総意を反映するものではない」とグテーレス事務総長が明言したことで分かります。左翼・リベラルが裏で金を渡してやっているだけです。国民も国連と名前がついたのを有難がるのは一種の舶来病と思った方が良い。杉田水脈氏のHPやツイッターにも載っています。

http://www.sankei.com/politics/news/170602/plt1706020053-n1.html

http://blog.livedoor.jp/sugitamio/archives/8882295.html

https://twitter.com/miosugita

話は変わり、北のミサイルについて国民の避難訓練の記事が6/5日経朝刊に出ました。日経も大部分の記事にロックがかかり、URLだけでは全文が見れないため、朝刊の記事を貼り付けます。未知の脅威 手探りの試み ミサイル避難訓練相次ぐ 住民の理解促進課題に

北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることを受け、攻撃を想定した住民避難訓練をする自治体が出始めた。ミサイルは発射から7~8分程度で日本に届くとされ、避難に与えられた時間はさらに短い。地震や津波といった自然災害と異なる「前例のない脅威」への対処でもあるだけに、自治体は戸惑いつつも手探りで訓練に取り組んでいる。

3月17日朝、秋田県男鹿市北浦地区で「ブウォー」という聞き慣れないサイレン音が響いた。武力攻撃など有事の際に国民に警戒・避難を呼びかける「国民保護サイレン」だ。この日実施された日本初の弾道ミサイル攻撃時の避難訓練の開始を告げるもので、小学生や住民らは指定された建物内への避難を2分程度で完了した。

米軍基地も標的

北朝鮮は昨年、20発以上の弾道ミサイルを撃ったほか、今年は既に9回計12発を発射。一部は秋田県沖合の日本海の排他的経済水域(EEZ)内に着弾した。実際に半島有事になれば米軍の拠点である在日米軍基地にミサイルを撃ち込む構えも示している。

こうした動きに危機感を強めた国が、秋田県と男鹿市に協力を求めて実現したのが男鹿での訓練だった。ミサイル攻撃時には、爆風や破片などから身を守るため、いかに素早く建物や地下に身を隠せるかがカギになる。小規模でも実動訓練を実際にやってみることで課題を洗い出し、さらに報道などを通し攻撃時にとるべき行動を国民に知ってもらうのが国の狙いだった。

4月21日、内閣官房と総務省消防庁は都道府県向けにミサイル脅威に関する説明会を都内で開催。具体的な避難方法を住民に周知するとともに、各自治体でも訓練をするよう要請した。

最初に動いたのは自衛隊の重要施設のある青森県むつ市だった。「避難方法に関する文書を市のホームページに載せるだけでは市民に十分伝わらないのではないか」――。宮下宗一郎市長の一声で、国の説明会から約3週間後の5月11日、住民約40人を公共施設の窓のない場所に誘導する訓練をスピード実施した。同市はその後、参加者が頭部を守りつつ身をかがめた訓練の写真をホームページ上で公開した。

続く6月4日には、山口県と同県阿武町が国と共同で、福岡県大野城市も市単独でそれぞれ訓練を実施した。大野城市はもともと同日に総合防災訓練を計画しており、国からの要請を踏まえ「急きょ訓練メニューにミサイル避難を組み込んだ」(危機管理課)。

月内には山形県酒田市、新潟県燕市が国・県と共同訓練を実施する。福岡県の吉富町は町全体に国民保護サイレンを鳴らし、中学生や教職員、一部の住民ら約400人の大規模な避難を試す訓練を県と共催する。このほか、長崎県が7~8月ごろに検討中で、長野県軽井沢町は「訓練をしたいという意思を県に伝達済み」(消防課)という。

内閣官房でミサイル攻撃時の国民保護を担当する伊藤敬・内閣参事官は「複数の都道府県から相談がきており、今後も共同訓練を実施していく」と語る。訓練の動きは今後も広がりそうだ。

ミサイルを想定した訓練は初めての試みだが、「警報を聞いて避難行動に移るという点では、自然災害と基本は同じ」(山口県防災危機管理課)という。それよりも一部の県が苦心しているのは「訓練実施について市町村や住民の理解をどう得るか」だという。

秋田県で日本初のミサイル避難訓練が実現できたのは、佐竹敬久知事が防衛問題への関心が強いうえ、男鹿市が1983年の日本海中部地震の津波被害をきっかけに防災意識の高い自治体になっていたことが役立った。

迎撃は不可能に

自治体の防災意識は、地震発生や台風来襲の多寡など地域の環境によって濃淡がある。さらに、「弾道ミサイル攻撃」という未体験の人為的災害ともなると、住民の理解はなかなか及ばない。「現在、市町村に訓練実施の意向の有無を確認中だが、ピンときていないところもあるようだ」(ある県の担当者)

北朝鮮が5月14日に発射したミサイルは高度2000キロメートルまで上昇し、推定マッハ15かそれ以上の速度で着弾。自衛隊のミサイル防衛網では迎撃がほぼ不可能なレベルに達したようだ。国民の命を守るミサイル避難訓練を着実に広げるには、国、自治体、国民が目の前の脅威について共通の認識をつくれるかどうかにかかっている。>

遅れに遅れた訓練 大都市部の対応焦点

北朝鮮が日本に届く中距離弾道ミサイルの発射実験を初めてしたのは1993年だった。ただ、日本では「自衛隊のミサイル防衛(MD)網があるから迎撃できる」といった建前論が支配的で、ミサイル避難訓練の実現は遅れに遅れた。

流れが変わったのは昨年夏。複数のミサイルを同時発射する北朝鮮の「MDすり抜け」の意図に危機感を強めた内閣官房と総務省消防庁が、ついに「ミサイル避難訓練」実現へ動き始めた。

「津波のときは高台へ逃げるように、ミサイルが来るときは建物や地下室に退避すればいいのだな」「建物や地下がない場合は、伏せるだけでも立派な避難行動になる」――。いち早く訓練を計画・実施した自治体の職員たちは今、対処法を急速に学びつつある。山口県が早々と訓練を実施することにしたのは「1回目を早めに済ませれば、それを踏まえて他の市や町にも迅速に広げていくことができる」(防災危機管理課)と考えたからだった。未体験の脅威への「段階的アプローチ」である。

訓練実施は、日本海沿岸や朝鮮半島に近い九州北西部が先行している。今のところ、人口の集中する大都市部で訓練を実施する動きは表面化していない。

北朝鮮の相次ぐミサイル発射が示す通り、脅威はそこに現実にある。もはやタブー扱いが許されなくなった「ミサイル避難訓練」の実施は、自治体の首長や職員が住民をより確実に守ろうとする意思と方策を持っているか否かを知る目安になってきたようだ。

(編集委員 高坂哲郎)>(以上)

確かに高坂編集委員の述べた通り、九州西北部が先行しているというのは、4/6に小坪慎也行橋市議がブログに載せてからのことで、政府もそれに動かされて、自治体に住民への「国民保護ポータルサイト」の広報につき協力要請しましたのではと思っています。ま、国民一般のレベルでは正常性バイアスがかかり、「起きる筈がない」と言う人が大半です。

https://samurai20.jp/2017/04/j-alert/

https://w-kohei.com/2017/04/26/%E5%8C%97%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E3%83%9F%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%AB%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E5%9C%B0%E6%96%B9%E8%87%AA%E6%B2%BB%E4%BD%93%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%B0%91%E4%BF%9D/

「ミサイル避難訓練」の報道自体も少ないです。国民の生命及び財産を守るのが政府の第一番目の使命です。避難訓練もしない、ガスマスクの配布もしないのでは、国民の命を軽視しているとしか言えません。でも東京メトロが運転を休止した時に、「ミサイル避難訓練は騒ぎ過ぎ」とか言って、水を差す輩が居る訳です。自分が勝手に死ぬのは良いですが、多くの国民を巻き込むのは止めてほしいし、国民もこんな声に騙されてはいけないと思います。危機管理の要諦は「最悪を想定し、準備する」、「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」です。企業も声を上げないのはおかしいです。BCP(Business Continuity Plan)で多くのセミナーを開いてやっているのに、ミサイル避難訓練をしているなんて聞いたことがありません。まあ、左翼・リベラル・在日からクレームが入るのを恐れて発表しないだけかもしれませんが。経団連が音頭を取り、「自社の人材保護の観点から避難訓練を」と誘導すれば良いのに。もし、核や生物化学兵器が飛来すれば、少子化問題どころでなく、忽ちに人口大幅減となることが予想されます。GDPを云々する経済評論家はもっと騒いで良いのでは。なお、7/1には「士気の集い」主催で国民保護についてのセミナーを開きます。詳しくは本HPの「トップページ」をご覧ください。

http://jp.reuters.com/article/idJP2017060401001211?il=0

http://www.news24.jp/articles/2017/06/04/07363346.html

6/2二階堂ドットコムの記事に<海上自衛隊が合同作戦並びに攻撃作戦を立案中

残ってしまうので文書での明示や公式の命令はされてないようだが、情報5省庁(内調・防衛・外務・公調・警察庁)+2庁(海保・総務省消防庁)の安全保障会議出席省庁は、「有事の際に」ということでそれぞれの機関が行う「戦時特別体制」の立案が極秘になされている。それこそ「忖度」の世界で、政府は一切、そのような命令を出していないし、公式の記録にもない。あっても特定機密となる。

ミサイル防衛など、日本の矢面に立つのは海上自衛隊。上陸作戦をやることがあるとすれば特別警備隊であろうが、そこまでは人数が少ないので無理だろう。陸上作戦は米軍に任せることになるだろうね。

陸上イージスシステムを設置するという案もあるが予算と国会的な問題で先に進まないようだ。

外務省は北朝鮮の動向を探るならスイスとフランス、まぁ広義で言えばヨーロッパが重要ということを知っているようだが情報が取れないだろうね。そりゃぁ、普段の仕事もあるし仕方ない。でも、いつまでもトランプの直電とか、米軍に頼ってるようじゃしょうがないだろう。もっと情報収集を強化しないと。日本の場合は法律によって活動が抑制されるから、民間に投げるしかないのかもしれない。でもそうすると民間人は守ってもらえないし当該国でスパイの疑いをかけられ逮捕される場合もある。

いやはや、我が国はいつになったらまともに海外情報収集ができるようになるのかねぇ。>というのもありました。真偽の程は分かりませんが。自衛隊は敵と戦うため、国民は自分で自分の身を守るしかありません。それは戦争になれば、どの国でもそうならざるを得ないからです。平和憲法で脳内お花畑になり、他人が守ってくれると70年間も思ってきたため、脳が麻痺してしまっているのでしょう。現実は違うという事を肝に銘じなければ。

北村氏の記事を読んで、自由の貴さに気付いた楊舒平に「南京虐殺」と「従軍慰安婦」について意見を求めたいと思いました。「言論の自由」の本質は「政府を批判できる自由」だからです。共産党政府の言っていることをそのまま信じるだけでは楊舒平の気付いたという自由の味も半ばなりけりでは。良く調べてから発言してほしいと思います。何故アイリスチャンが自殺したか?戦勝国である米国と中国は日本を悪者にするという点では利害が一致しています。

でも、中共のやり方は本末転倒で、本来「汚染された空気」をなくすよう努力すべきでしょう。それを、一介の女子学生がユーモアを交えて紹介したからと言って、目くじらを立てるようなレベルではないと思います。所詮独裁国家の限界なのでしょうけど。本来、彼女を非難するのでなく、国民に「言論の自由」を与えるべきでしょう。またすぐ中共にご注進する他の留学生のレベルも推して知るべしです。中共の国民総動員法や反スパイ法の影響かもしれませんが。

共産主義の理念が崩壊したため、経済発展と愛国主義しか中共を支える論理がなくなってしまったわけです。日本の左翼は「愛国」というとすぐに目くじらを立てますが、中国の「愛国」にも注文を付けなければ。日本の左翼・リベラルはご都合主義で論理破綻しているのが国民にもやっと分かってきたと思います。外国への内政干渉と言うなら、靖国や教科書問題で中韓がうるさく言って来るのもそうでしょう。左翼・リベラルは中韓を排撃してください。

記事

中国外交部報道官の陸慷氏は「中国国民は態度表明に責任を負わねばならない」と語った。写真は2015年のもの。(写真:ロイター/アフロ)

5月21日、米国メリーランド州のカレッジパーク(College Park)にあるメリーランド大学カレッジパーク校(University of Maryland, College Park)で卒業式が開催された。同校の卒業式では式の始めに教職員と学生によって選ばれた卒業生の代表がスピーチを行うことが毎年の慣例となっている。今年の卒業式が始まるとメリーランド大学学長の“Wallace D. Loh(陸道奎)”がステージに上がり、「今年、卒業生の代表として選出されたのは“Shuping Yang(楊舒平)”です」と紹介し、彼女に登壇を促した。

楊舒平がステージに上ると、学長は彼女の肩を抱きながら、会場に向かって「ご両親はどこにおられますか。差支えなければ、お立ちください」と呼びかけた。すると、これに応じて、楊舒平の母親が立ち上がり、手にした花束を高く掲げて会場から沸き上がる拍手に答えた。学長は母親に向かって、「貴女は娘さんを誇りに思っているでしょう。私たちも同様の気持ちです」と述べた。続けて、学長は楊舒平に専攻は何だったかと尋ね、楊舒平が「心理学と演劇で、第二外国語はドイツ語です」と答えると、学長は大きくうなずき、微笑みながら、楊舒平にスピーチを始めるよう促した。そして、楊舒平は演台に立ち、はっきりした口調でスピーチを始めた。

楊舒平が行った卒業スピーチの全文は以下の通り。

さわやかで新鮮で、すがすがしく自由な空気

【1】教職員の皆さん、学友の皆さん、父母の皆さん、友人たち、今日は。私はメリーランド大学の2017年度卒業式でスピーチできることを大変光栄に思います。人々はしょっちゅう私に「貴女はどうしてメリーランド大学へ来たの」と尋ねます。私はいつも決まって「さわやかで新鮮な空気」と答えます。5年前、中国から留学に来た時、私は5枚のマスクを準備していました。飛行機から降りて、ダラス空港ターミナルから離れる時、私はマスクを装着する準備をしつつ、米国で最初の空気を吸い込みましたが、マスクはすぐに仕舞いました。ここの空気はとってもさわやかで甘く、すごく贅沢なものに思えました。私には意外でした。私は中国のある都市で生まれ育ちましたが、小さい時から外出には常にマスクを装着していました。マスクを着けなければ、病気になります。しかし、ダラス空港でここの空気を吸ったその時、私は自由を感じたのです。

【2】私の目には霧も見えないばかりか、呼吸困難になることもなく、息苦しさも覚えなかった。毎回呼吸するたびに喜びを感じたのです。今日、私はここに立っていても、未だにあの自由の感覚を思い出さずにはいれません。メリーランド大学では、もう一つのすがすがしい空気が私を感動させてなりませんでした。それは自由という空気です。米国へ来る前、私は歴史の授業で独立宣言を学びましたが、「生命、自由、幸福の追求」といった言葉は私にとって何の意味もありませんでした。私はただただこれらの言葉を暗記して試験に臨み、好成績を収めました。メリーランド大学へ来るまでは、私にはこれらの言葉がそれほど奇怪で、抽象的で、異質なものに思えました。

【3】私はついに、自由が米国ではそれほどまでに神聖なものだということが分かったのです。メリーランド大学での日々、私はいつもディスカッションの授業で自分の観点を表明するよう励まされました。私は指導教官の観点に疑問を呈することができ、ネット上では教授たちを採点することまでできました。しかし、私を最も驚かせたのは、メリーランド大学が創作した劇『“Twilight Los Angeles(たそがれのロサンゼルス)”』を観た時に受けたカルチャーショックでした。『たそがれのロサンゼルス』は、Anna Deavere Smithが演出した、1992年のロサンゼルス暴動に関する劇です。黒人のRodney King(ロドニー・キング)を逮捕して暴行を加えたのをビデオに撮られた4人のロサンゼルス警官が、裁判で無罪となったことから、暴動が始まりました。丸6日間、人々は街に群れ、都市は混乱に陥りました。

ここでは自由に発言してよいのだ

【4】『たそがれのロサンゼルス』の中で、学生の演者たちは公然と人種差別主義や性差別、政治問題を論じていました。私は驚きました。私は今までこのような話題を堂々と討論できるとは思っていませんでした。あの劇は私が今まで見たこともない政治的な話であり、観衆に批判的に考えさせるものでした。私はずっとこのような話について語りたい強い願望を持っていました。但し、このような話ができるのは権力部門で、権力部門だけが真実を確定することができるのだと固く信じていました。しかし、メリーランド大学で様々な集団の中に溶け込む機会を得て、私は多くの異なった角度から真実を見ることができるようになりました。それから間もなくして、私はここでは自由に発言してよいのだということを理解したのです。私の発言が重要であり、貴方の発言も重要であり、私たちの発言も重要なのです。

【5】市民参加は政治家だけの任務ではありません。私は、学友たちがワシントンD.C.の通りを行進し、大統領選挙に投票し、各種事業のために募金を行ったのを見ました。私は誰もが参加と変革を支持する権利を持っていることを見て来ました。私は今まで一個人が市民参加しても改革はできないと思っていました。しかし、ここにいる私たちが一致団結すればできないことはありません。手を携えれば、私たちは社会をもっと開放的で平和なものにできます。

【6】2017年度卒業生の皆さん、私たちは批判的な思考を育み、人間性を気遣い、感知する教養教育を取り入れた大学を卒業します。私たちは各種分野の知識を身に付け、社会の挑戦に立ち向かう準備ができています。ある者は大学院へ進み、ある者は職業に就き、ある者は探検の旅を始めるかもしれません。しかし、私たちが何をしようとも、自由と民主主義は与えられるものではないことを忘れないでください。自由と民主主義は勝ち取る価値がある新鮮な空気なのです。自由は酸素であり、自由は激情であり、自由は愛です。フランスの哲学者ジャン・ポール・サルトルがかつて述べたように、自由は一種の選択であり、私たちの未来は今日や明日に私たちが行う選択によって決まるのです。私たちは皆が人生の次章を書く劇作家なのです。一緒に人類の歴史を書こうではありませんか。友人の皆さん、新鮮な空気を享受し、決して放してはなりません。ありがとうございました。

さて、楊舒平がスピーチを終えると、会場の聴衆は割れんばかりの拍手を楊舒平に送り、彼女がメリーランド大学での学生生活を通じて習得した「新鮮な空気」の重要性について賛意を表明したのだった。上述した楊舒平のスピーチは極めてまっとうな内容であり、誰が考えても問題はなさそうに思える。しかし、彼女が中国からの留学生であることが災いし、そのスピーチの内容が大きな問題に発展したのである。

中国を真っ向から批判し、辱めた

楊舒平がメリーランド大学の卒業式で行ったスピーチの内容は、卒業式に出席していた中国人留学生にとっては祖国の中国を辱めるものと言えた。スピーチの内容に不満を持ち、反発した中国人留学生の誰が、どのようなルートで「楊舒平のスピーチ」の動画を中国国内に伝えたかは定かではないが、中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」の国際版である「環球時報」およびそのネットサイトである「環球網(ネット)」は5月22日付で、前者は記事として、後者は動画そのものを報じたのであった。

環球時報は、楊舒平がメリーランド大学の卒業式で行ったスピーチは、中国の学生や全米各地の留学生の不満を誘発し、動画が中国国内に伝わった後はインターネット上における質疑を引き起こしたと報じた。環球網は当初はスピーチ全体の動画を英語と中国語の字幕付きで配信していたが、その後にこれを転載した“網易視頻(網視動画)”などはスピーチの冒頭と結語だけに編集して、肝心な内容を割愛した動画を配信した。これは恐らくスピーチの内容に危機感を覚えた当局が各プロバイダーに対し、そうするように指示を出したものと思われる。とにかく、楊舒平が米国で行ったスピーチの内容は間もなく中国国内に伝わり、ネット上に立てられたこの件に関するスレッドは、賛否両論が激しく対立して炎上した。

要するに、楊舒平はスピーチの中で、中国の環境と自由度を何度も非難したのである。空気の汚い中国では常にマスクを常用する生活を送っていたから、米国も同様だろうと考えてマスクを5枚も持参したのに、実際に吸った米国の空気は新鮮で驚いた。また、中国では種々の敏感な問題について真実を確定するのは権力部門に限定されていたが、自由と民主主義を標榜する米国では誰もが自由に思ったことを発言することが許されている。我々、卒業生はこの「新鮮な空気」を享受する権利を決して手放してはならない。楊舒平はそう述べたのだが、それは国土の大部分を深刻な大気汚染の脅威にさらされ、中国共産党の専制下にあり言論の自由を封じられている祖国の中国を真っ向から批判し、辱めたものであった。

5月24日、中国政府“外交部(外務省)”が開催した定例記者会見の席上で、外交部報道官の“陸慷”に対して外国人記者から中国人留学生の楊舒平がメリーランド大学の卒業式で行ったスピーチに関する質問が出された。それは、「中国国内では楊舒平のスピーチ内容に対し憤慨するムードが盛り上がっているが、中国人留学生、特に米国への留学生は責任を負う形で中国に関する発言を表明する義務があると、中国政府は考えているのか。中国駐米国大使館はこのことに介入するのかどうか。中国政府は中国人留学生に対し言って良い事、悪い事の手引書を発行しているのか」という質問だった。

この質問に対して、陸慷報道官は以下のように答えた。

中国国民は態度表明に責任を負わねばならない

(1)いかなる中国国民も何かについて態度を表明する時はその責任を負わねばならない。それは中国に関する問題だけでなく、いかなる問題に関しても同様である。また、中国駐米国大使館が今回の件に介入したとか、中国政府が留学生に手引書を発行しているとかいう話は、今まで聞いたことがない。

(2)事実上、貴方が提起した問題は外交問題ではないので、答える必要はないのだが、貴方が質問をしたし、ネット上でも多くの評論が展開されているので、私は敢えて二言だけ述べる。すなわち、多くのネットユーザーは、いかなる国家も誇れる一面を持ち、同時にどの国家も発展過程の中に多かれ少なかれ発展中の問題があると考えていると思う。ある国民が自分の国家を評論する時には、それがどのような場合で、どのような方式で評論するかを考えるものである。そして、誰もが彼あるいは彼女が祖国に対してどのような感情を持っているかを、その評論の中から感じ取ることは難しいことではない。

(3)貴方が言及した当該学生は卒業式後に公開で態度表明を行ったが、それをある者は遺憾を表明したと述べた。彼女は自分が祖国を愛しており、学業を成就したら帰国し、祖国のために貢献したいと述べた。もし、これが事実なら、私はこう言いたい。目下、中国は国外に非常に多くの留学生がいる。中国から出国した後は、彼ら若者たちのある事柄に対する見方や認識は一つの発展や変化の過程を経ることになるだろう。但し、彼らが最終的には心の底から自分の祖国を愛し、祖国に貢献することを願うのであれば、中国政府は彼らを励まし、支持し、歓迎すると私は信じている。

陸慷報道官が言及したように、中国国内で自分のスピーチが波紋を巻き起こしたことを知った楊舒平は、中国最大のソーシャルメディアである“微博(Weibo)”を通じて弁明を行った。その内容は以下の通り。

「今回のスピーチがもたらした反響は私の予想を大きく超えて、不安を感じています。ここに以下の通り事態を説明すると共に謝罪する次第です。私は自分の祖国と故郷を深く愛していますし、国家の繁栄発展を深く誇りとしています。また、今後自分が国外で学んだ事を活かして中国文化を発揚し、国家のために積極的に貢献したいと考えています。スピーチは、自分の留学体験を卒業生の仲間と分かち合う目的だけのもので、国家および故郷を否定し、貶める積りは全くありませんでした。ここに深く謝罪すると同時に衷心より皆さまのご理解を賜りたく。今後は今回の件から学んだ教訓を活かす所存です。また、私のスピーチのさらなる分析、ひいては人身攻撃を止めていただくよう希望します。ありがとうございます」

楊舒平は米国留学を通じて、彼女が米国という国と社会に対して感じた素直な気持ちを卒業スピーチで述べたのだった。しかし、彼女が中国という一党独裁の専制国家の国民である以上は、自由と民主主義で構成された新鮮な空気に言及することはタブーであり、越えてはならないレッドゾーンであったのだ。

亡命した学長はスピーチを称賛

彼女が学んだメリーランド大学は、「米国の軍系大学(Militarized Universities in America)」の第1位に位置づけられ、CIAなどの米国情報機関と緊密な関係にあると言われている。一方、メリーランド大学と中国との関係は1979年から始まり、同大学に設立されたOffice of China Affairs(中国事務弁公室)を通じて、累計で1万人以上の中国政府の官僚や大学管理者が研修を受けているという。但し、これを裏側から見れば、中国事務弁公室を通じて、米国が中国における情報活動を強化していることにつながるのである。

文頭で、メリーランド大学学長の“Wallace D. Loh(陸道奎)”と述べた。Loh学長は1945年に中国・上海市生まれで、世が世なら「上海のDonald Trump」と呼ばれたであろう上海の大地主の息子であった。1949年10月に中華人民共和国が成立したことで、Loh学長の一家はペルーへ政治亡命を果たし、ペルーでの悲惨な生活を経て米国へ移り住んだのである。そうした経歴を持つLoh氏がメリーランド大学の学長であり、今回のスピーチ事件がLoh学長が主導する卒業式の中で発生したことは何か関連があるのだろうか。

なお、メリーランド大学は楊舒平のスピーチについて声明を発表したが、その要点は下記の通り。

楊舒平は我が校の優等生であり、委員会が5月21日の卒業式でスピーチを行う卒業生として選出した。彼女はメリーランド大学で学べたことの喜びを表明する機会を得て、自身の経験に基づいて留学を通じて感じたことを卒業生たちと分かち合ったのである。メリーランド大学は、楊舒平が彼女の観点と独自の見解を分かち合う権利を持つことを支持するのを誇りとすると同時に、彼女が卒業式で行ったスピーチを称賛するものである。

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『「一帯一路」に対抗する日・インドの戦略構想』(6/2日経ビジネスオンライン 長尾賢)について

6/3宮崎正弘氏メルマガにもスリランカの記事がありました。<習近平の夢「一帯一路」、スリランカでまた挫折。前途多難 現地では反中国暴動が頻発、「反中」の筈のシリセナ政権も困惑>

http://melma.com/backnumber_45206_6537502/

小生のブログでもカンボジア・スリランカの中国からの負債の罠について触れたことがあります。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=6097

中国は遅れて来た「帝国主義国」です。それを世界が「新しい現実」と認めてしまえば、どうなるでしょうか?力による領土争奪の戦争が起きることは必定です。宥和政策を採ればより大きな戦争が起きることは歴史が証明しています。マテイス米国防長官がシンガポールで北朝鮮のみならず中国をも非難したのは、アジアの国々にとっては朗報です。「アジアの安全を確保するため同盟国と協働」、「同盟国やパートナー国を交渉の切り札には使わない」と明言しました。6/4日経朝刊には<米、アジアへの積極関与強調 中国寄り懸念の払拭狙う マティス米国防長官、安全保障会議で講演>の記事の中で、『トランプ氏は北朝鮮の核問題の解決を優先し、「もし中国が北朝鮮問題を解決するなら、貿易問題で米国と遙かに良い取引ができると習近平国家主席に説明した」と明言。中国の為替操作国の指定を見送るなど融和姿勢への傾斜が目立つ』とありました。トランプはFONOP(航行の自由作戦)を軍から要請されても却下してきて、5月24日になってやっと認めたという話もあります。でも、オバマのやってきたことを全否定するなら、最大のターゲットは中国であることを忘れないでほしい。

http://jp.reuters.com/article/asia-security-us-idJPKBN18U044

https://www.cnn.co.jp/world/35100731.html

長尾氏の記事を読みますと、中国の金利は6.3%と法外に高く、サラ金と同じです。日本でも在日企業がパチンコとサラ金を経営し、取り立てを苦にして自殺する人が多かったと言われ、2006年新貸金業規制法ができるまでは、毎年自殺者が3万人を超えていました。その後、なだらかに減り、2万に近い所まで下がって来ています。中国は暴力団国家なので同じ発想をするでしょう。金が返せなければ、資産・領土を奪い、それでも足りなければ奴隷としてただ働きさせるでしょう。ロシアが北朝鮮の債務を9割カットしてやったようなことは望むべくもないです。何せ中国はハニトラと賄賂の名人なので、スリランカの前大統領ラジャパクサは賄賂を受け取ったと睨んでいます。日印で中国の融資額と同額を融資し、返済させないと債務は雪だるま式に増えます。ただ契約上、中国に返すのがどうなっているのかと、建設工事等の付帯条件が付いているのか等調べなければなりませんが。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E8%87%AA%E6%AE%BA

パキスタンの記事の中にバルチスタン州が出てきますが、パキスタンが侵略してスレマン国王は亡命したとのこと。4/22アジア自由民主連帯協議会の講演で紹介があったようです。(西村幸祐氏ツイッターより)

https://twitter.com/i/web/status/856769910009061376

中国を封じ込めるために日印が協力することに大賛成です。政府も長尾氏の意見を参考にして政策を実現していってほしい。

記事

スリランカのインフラ開発において、ハンバントタ港の開発は罠となる(写真:ロイター/アフロ)

中国が5月中旬、「一帯一路」サミットを北京で開催した。「シルクロード」を再構築する大規模な試みだ。ロシアやインドネシアなどの大統領も集まり、大きなイベントとなった。

このサミットに、明確に反旗を翻した国がある。インドだ。インドは招待されたにもかかわらず代表を送らなかったばかりか、「一帯一路」構想の問題点を指摘する公式声明を出した(注1)。

そのインドのナレンドラ・モディ首相は5月24日、「アジア・アフリカ成長回廊」という構想を明らかにした。これは日本とインドが協力する構想である。

インドは中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)や、BRICS首脳会議などの主要メンバー。経済面では、日本や米国だけでなく、中国やロシアとも付き合ってきた国だ。そのインドが、今、中国と対決する姿勢を明確に見せている。

どうして明確な立場を示したのか。インドが「一帯一路」構想に反対した背景、インドが日本と進めているインド洋周辺の対抗策、日本としてどうするべきなのか。本稿はこの課題を分析する。

(注1)Ministry of Foregin Affairs Government of India, ”Official Spokesperson’s response to a query on participation of India in OBOR/BRI Forum”, May 13, 2017

借金漬けにして中国の影響下に

インド外務省のホームページに、「一帯一路」構想を取り上げたページがある。ここには、本来あるべき経済協力の姿と、「一帯一路」構想がその理想からかけ離れていることが書かれている。どうやら、インドは2つのことを気にしているようだ。

1つ目は、返済できないような多額のローンを中国が高い金利で貸している点だ。諸国を借金漬けにして中国の影響下に置こうとする、悪意に満ちた計画ととらえているのである。

例えば、中国がスリランカに建設したハンバントタ港の建設がその例として挙げている。スリランカ政府は、ハンバントタという場所に、中国の協力を得て港と空港を建設した。その際、中国から借り入れを受けた。金利は6.3%。

ローンは返さなければならない。だがスリランカは80億ドルに及ぶローンを返却するめどが立っておらず(注2)、中国に今後99年にわたって運営権を渡す契約に合意することになりそうだ。さらには、同港の敷地内において治安や警備の権限まで中国に認めることになりかねない。

もし治安や警備の権限を認めた場合、スリランカ政府は、ハンバントタ港の中で何が行われているか把握できない状態に陥る。同港は中国の、中国による、中国のための港になってしまう。

世界銀行や、日本が主導するアジア開発銀行から国が借り入れをする場合、利率は0.25~3%である。中国の6.3%というのは非常に高い(注3)。インドはこれを見て、帝国主義時代に欧米列強が植民地を作ったやり方と同様だと考え始めている。インドの歴史を振り返ると、英国は、税金を払えない農民の土地を差し押さえることで、インド人を、英国人の支配下においていった(注4)。

(注2)スリランカが返却しなければならない金額は膨大で、スリランカの財務相がNHKのインタビューに応えて語ったところによると、返済に400年かかるので現実的な話ではない、との見方をしている(「国際報道2017」(NHK、BS1、2017年5月19日放送)。スリランカ全体では返却しなければならないローンは640億米ドルになり、それは国家の年収の約95%になる(Yogita Limaye, “Sri Lanka: A country trapped in debt”, BBC, 26 May 2017 )

(注3)Dipanjan Roy Chaudhury, “China may put South Asia on road to debt trap”, Economic Times, May 2 2017

(注4)スリランカでも中国のやり方に反発が強まっている。スリランカは中国との経済関係を維持する一方で、この5月、中国潜水艦の寄港を拒否した。インドのモディ首相がスリランカを訪問する時期に近かったこともあるが、それ以上に、中国のインフラ開発支援が軍事色を帯びてきている(後述)ことへの警戒感があるものとみられる。 Shihar Aneez and Ranga Sirilal, “Sri Lanka rejects Chinese request for submarine visit: sources”, Economic Times May 11 2017

“インドの領土”で中国軍が道路建設

インドが反対したもう1つの理由は、インドの領土問題にかかわるからだ。「一帯一路」構想には、「中国・パキスタン経済回廊」が含まれる。中東産の石油をパキスタンで陸揚げし、パキスタン国内を北上して中国へ運ぶルートを指す。

このルートは、パキスタンが管理するカシミール地域を通過する。この部分の道路を、中国軍が駐留して建設している。インドが自国の領土と主張しているところに中国軍が駐留して道路を建設して使用するというのは、インドにとって譲れない一線だ。

こうした理由から、インドは「一帯一路」構想との対決を決めたのである。

しかし、なぜ今、対決を決めたのであろうか。何か代替案をみつけたのであろうか。実は、注目すべき経済構想が実際に動いている。中国ではなく、日本と連携する構想だ。どんなものがあるのか(図参照)。

筆者作成

インドと東南アジアを陸路でつなぐ

まず注目されるのは、インド北東部の道路建設プロジェクトだ。このプロジェクトの趣旨は、インドと東南アジアを陸路でつないで物流を活発化させ、経済を活性化させることにある。ただし、経済的な目的の裏に、安全保障を含めたより戦略的な思惑もある。

中国が南シナ海で強引な行動を取っている原因の一つとして、東南アジア諸国の態度がはっきりしないことがある。安全保障に不安を覚えつつも、経済面で中国に強く依存していることが一因だ。この中国依存を緩和するのに、インドとの貿易拡大が貢献する。

さらに、インド北東部には、インドと中国の双方が領有権を主張しているアルナチャル・プラデシュ州(中国名:南チベット)がある。インドは防衛力の増強を進めているが、インフラがないために軍を素早く移動させることができない。もし道路が整備されれば、それがたとえ民生用の道路だったとしても、インド軍の展開を助ける結果になるだろう(関連記事「インドが日本に示した奥の手」)。

中国に対抗し、スリランカに新港を建設

次に注目されるのはスリランカのトリンコマリー港の開発だ。日本とインドが協力して同港を建設する計画である。その戦略的背景は何か。

前述のように、スリランカでは中国がハンバントタ港を建設している。日印は、中国がスリランカで影響力を強め、最終的に中国海軍の拠点を構築することを懸念している。

そこで日印は、スリランカに中国製よりも優れた港を作り、中国の港の存在意義を低下させて、日印の影響力を維持しようとしているのである。優れた港とは、実際にスリランカの経済に資する拠点となるものだ。そこでトリンコマリー港が候補になった。

同港は、スリランカ北東部に位置する。天然の良港で、地形上、台風や津波などから守られている。深さは25mもあり、商船も軍艦(例えば空母や大型の原子力潜水艦まで)も利用できる。だから大英帝国時代にはここが海軍の拠点であった。第二次世界大戦のときに、日本の空母機動部隊が爆撃したのもこの港である。しかし、英国が去って以降、スリランカ政府はあまり利用してこなかった。

そこで日印の計画が浮上した。今年4月、スリランカのラニル・ウィクラマシンハ首相が来日したとき、日本とスリランカの両国は共同声明を発表し、トリンコマリー港の設備整備のために日本が10億円を無償提供することに言及した。

実は今月、インドのモディ首相がスリランカを訪問した際にも、トリンコマリー港の石油タンクをインドとスリランカが共同管理することで合意している。石油タンクを管理すれば、寄港した船がどの程度燃料を受け取ったかわかる。行先や目的などが推測できるから、とても重要な合意だ。

このトリンコマリー港と、中国が開発しているハンバントタ港とを比べると、トリンコマリー港のほうが不利な要素がある。ハンバントタ港がスリランカ南部を通るシーレーンのすぐ横にあるのに対して、トリンコマリー港は少し離れている。つまり、多くの船はハンバントタのすぐ目の前は通るが、トリンコマリー港の周辺には船があまり通らない。

一方、利点もある。ハンバントタ港の失敗を見てから、トリンコマリー港の開発をスタートしている点だ。実はハンバントタ港は、港と飛行場が完成しているにもかかわらず、経済的利益を生み出していない。最も大きな原因は、港と空港が都市とつながっていないことだ。ハンバントタは田舎で、スリランカの大都市は首都のコロンボである。だから、船に積んだものを売りたければコロンボ港に寄港したほうがいい。

そこで別の使い道を考える。インド、バングラデシュ、ミャンマー、インドネシア向けの荷を他の船に積み替えるハブ港として活用するならば、ハンバントタ港は役立つのではないか。しかし、これも期待薄だ。船員は、寄港したときぐらい町へ行きたい。町がない港はつまらない。結局みんな、ハンバントタ港ではなく、コロンボ港へ行ってしまう。

トリンコマリー港も大都市コロンボとはつながっていない点では同じだ。しかし、日印はハンバントタ港の失敗を見て、大都市コロンボとつなぐことを考えている。コロンボ=トリンコマリー経済回廊構想だ。距離は直線距離で255㎞、東京=大阪間の約半分だ。現在はクルマで6時間、鉄道で8時間かかる。この時間を短くする。

イランにも新港、グワダル港をけん制

日本とインドが進める3つ目のインフラ開発は、イランのチャーバハール港である。元々はインドが、イランのチャーバハールにある港の近代化を進めていた。これに日本が参加し、資金や技術面で協力する。日本がかかわる戦略的な背景は何か。やはり、中国の存在がある。

中国は今、「中国・パキスタン経済回廊」の計画を進めている。中国軍がカシミールのパキスタン側に駐留して道路を建設しているのは前述の通りだ。この道路は、中国からカシミールを通ってパキスタン国内を南下、バルチスタン州のグワダルにたどり着く。そのグワダルで中国は港湾建設を進めている。

「中国・パキスタン経済回廊」は、実は多分に軍事的な色彩を持っている。カシミールで中国軍が道路を建設しているだけでなく、グワダル港を警備するために中国軍は海兵隊1個旅団を派遣する用意をしている。また、パキスタン軍に警備艇をはじめとする武器を提供してグワダル港の警備を強化する。

中国がパキスタンに輸出する潜水艦8隻についても関係している。これらの潜水艦は、グワダル港を封鎖する可能性のあるインド海軍の接近を阻止するのに役立つだろう。

パキスタン軍の動きも顕著だ。「中国・パキスタン経済回廊」の道路を守るために、2016年、パキスタンは1万5000人(9000人の軍人と6000人の治安部隊要員で構成)からなるセキュリティ師団を創設している。今後、セキュリティ師団をさらに増設する計画だ。

チャーバハール港は中央アジア戦略でもある

しかも、この「中国・パキスタン経済回廊」構想は単に中国とパキスタンだけでなく、中央アジアへの影響力も持っている。例えば中央アジア諸国が天然資源を輸出するとしたらどこを通るだろう。

陸続きのルートはあるが、やはり海に出ないと不便だ。そこで、インド洋への出口を探すことになる。アフガニスタンを通ってパキスタンに出て、「中国・パキスタン経済回廊」の道路をたどればインド洋に出ることができる。これは、中央アジアの国々の重要な貿易ルートを、中国が管理することを意味する。

そこで、日本とインドとしては、まず、中国がインド洋へ進出するのを阻止するために、グワダル港のプロジェクトを無力化したい。方法は2つある。1つは、「中国・パキスタン経済回廊」の信頼性を低下させること。もう1つは、中央アジアからインド洋につながる別のルートを開拓することである。

1つ目の方法、信頼を低下させるにはどうしたらいいか。「中国・パキスタン経済回廊」にはもともと脆弱性がある。そのことを強調すれば、信頼が低下する。例えば、パキスタンのグワダル港があるバルチスタン州では、独立を求める反乱がある。この地域の反乱軍 は2004年に中国人技術者を殺害している。2017年に入ってからは、道路の建設現場を襲撃したり、中国人を誘拐したりする事件も起こしている。パキスタンは、これらをインドが支援したとして非難している。

インドが実際に支援している証拠はない。ただ、バルチスタンの反乱軍がおかれた状況に同情はしているようだ。インドのモディ首相は2016年8月、パキスタン政府がバルチスタンで行っている人権侵害(反乱軍を鎮圧する苛烈な作戦)について公式演説の中で初めて非難した。2016年9月には、バルチスタン反乱軍の指導者がインドに入国し、亡命を申請している。

バルチスタンにおける反乱軍の活動によってこの地域の治安情勢が不安定との情報が強調されれば「中国・パキスタン経済回廊」の信頼性が低下することが予想される

もう1つの方法、中央アジア諸国がインド洋へ出るための別の貿易ルートを開拓するのは、日印による協力事業だ。ここにイランのチャーバハール港が登場する。

この港はグワダル港にほど近いイラン側にある。つまり、中東からインドに向かうシーレーンは、先にチャーバハール港に着く。さらに、海底にガスパイプラインを敷設する。そうすると、モノも資源も、パキスタンをすっ飛ばして、イランからインドに直接つくルートを開発することができる。

チャーバハールは既に中央アジアと道路でつながっている。鉄道を建設計画もある。治安も比較的いい。だから、中央アジアの国々が「中国・パキスタン経済回廊」を通らずに、インド洋に出ることができるようになる。

今がチャンスの日本外交

このほかにも日本とインドが共同で進めている計画がある。インドが進めるチェンナイ=バンガロール産業回廊の構想は、チェンナイ港を通じて海洋の情勢にかかわるものだ。また、アンダマン・ニコバル諸島とラクシュイープ諸島では、発電所やレーダーの整備に取り組んでいる。アンダマン・ニコバル諸島はマラッカ海峡近くの戦略的重要地、ラクシュイープ諸島はインド南部に位置しておりシーレーン防衛上重要な役割を果たす。さらには、日印に加えて米国も巻き込んだ計画がアフリカ地域で進められている。

これらを総合して考えると、日印関係は新時代を迎えているといっていい。日本はインドと共同で、アフリカを含むインド洋周辺から東南アジア、そして日本につながる一大経済圏の整備を目指している。そして、この地域の安全保障の確保にも深く関わり始めている。このような緊密な日印連携があるからこそ、インドは「一帯一路」構想との対決という決断に至ったのであろう。日本としてはこのチャンスを積極的に生かし、インドと世界規模の長期的な関係を築いていくべきといえよう。

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『[FT]責任欠くメルケル氏発言 米欧の亀裂、恒久化も』(6/1日経朝刊)、『パリ協定離脱で米欧の亀裂深刻 杉浦正章』(6/2渡部亮次郎メルマガ)、『信念なき発言で、もはや誰からも信頼をされないトランプ大統領』(6/2 大前研一メルマガ)について

6/3日経朝刊には<メルケル氏、計算ずくの「脱米国宣言」 欧州結束・国内選挙も意識>という記事が載り、「独は貿易、仏は温暖化対策、伊は難民支援。EUの主要3ケ国と米国との亀裂が明白になった。・・・メルケル氏の狙いは3つ。第一は対米けん制。第二は欧州結束の引締め。第三が国内選挙対策」とありました。国際協調は戦争を回避する手段として必要と考えますが、ご都合主義に堕していないかどうか。何時も言っていますように、何故クリミア侵攻したロシアにだけ経済制裁を課し、南シナ海に侵攻している中国に経済制裁しないのか。米国も欧州も中国との貿易で儲けたいなら、ロシアとの貿易で儲けたいと思っても良いはず。中国には資源がなく、人口の多さが売りで、逆にロシアは、人口は日本と左程変わらない1.4億人で、資源は逆に豊富です。やはり、馬渕睦夫氏の言う「ウイーン会議時に、ロシア皇帝がユダヤ人の「中央銀行を民間に」の提案を断った怨み」が今も残っているのでしょうか?また中国は第二次大戦までは米国のクーリー(苦力)貿易、東南アジアの華僑の抗日等白人の僕としてうまく立ち回って来たため、白人からは「愛い奴」と思われているためでしょうか?まあ、ユダヤ人も中国人も拝金教という意味で似た種族と思っていますが。ただ、日本にとっての脅威は中国であって、ロシアではありません。それを米国だけでなく、欧州にもっと理解してもらわねば。

FT記事にありますように、「ドイツのメルケル氏こそが西側世界の真の指導者だと主張する者さえいる。だが、その称号をメルケル氏に与えるのは早すぎたようだ。」というのは正しいでしょう。GDPでみても米国:EU=18569B$:16408B$で米国の方が多い。米国1ケ国に対し、EUは28ケ国にも亘り意見調整が難しいです。勿論、米国にも州の自治はありますが。世界をリードするのは、経済指標だけでなく、軍事力、人類への理念が揃っているかです。軍事力ではEUも米国に水をあけられています。だからNATOがある訳です。人類への理念も今の国連を見ていると戦勝国の特権の維持と後進国の支援要請、特定国のプロパガンダに堕しています。腐敗官僚も多くいるとのこと、潘基文を見ていれば分かる通りです。日本の「以和為貴」が世界に実現するのが理想ですが、国連憲章に「敵国条項」が残っているのを見ても、実現は難しいと言えます。日本も削除の努力をしてきたとは思えませんが。

http://ecodb.net/ranking/imf_ngdpd.html

http://ecodb.net/ranking/group/XD/imf_ngdpd.html

https://news.yahoo.co.jp/byline/kodamakatsuya/20170512-00070880/

杉浦氏の記事に対し、全面的に賛成です。日本のメデイアはWSJの記事を伝えていません。結局、米国のリベラル紙の尻馬に乗ってトランプを叩いているだけです。そうすれば、我が身が一番安全だからでしょう。トランプは今ユダヤ国際金融資本と戦っています。娘婿のクシュナーもユダヤ人ですがバッシングに遭っています。自分達の権益を守ろうというユダヤ人は、同じ民族が虐殺されても痛痒を感じなかったのと同様で、ハンナ・アーレントが言った通りです。

大前氏の記事は何時も感じることですが、経済の側面からのアプローチや欧米メデイアの受け売りだけで、米軍がどう思っているかについては触れられません。軍事を知らないエリートは片端です。日本にはそういう知識人と称される人が多すぎと感じています。

FT記事

トランプ米大統領の初めての訪欧は、なかなかきまずいものだった。その後遺症はかなりやっかいだ。

イタリア南部で開かれた主要国首脳会議(タオルミナ・サミット)を終えてトランプ氏が帰国した直後の5月28日、ドイツのメルケル首相はミュンヘンで行った選挙演説で、西側同盟はもはや終わったともとれる発言をした。

イラスト Daniel Pudles/Financial Times

「ほかの国々を全面的に当てにできる時代は過ぎ去りつつある。そのことをこの数日間、痛感した。我々欧州人は、自分たちの運命を自分たちで切り開いていかなければならないということだ。もちろん米国とも、英国とも、そしてロシアを含む近隣諸国とも友好的な関係を保つ必要はある。しかし、我々は自分たちの将来のために自ら戦う必要がある」と同氏は訴えた。

メルケル氏の発言は、即座に様々なところで大きく報じられた。米外交問題評議会のトップを務め、米外交政策の第一人者の一人とされるリチャード・ハース氏は、ツイッターで「メルケル氏の欧州はもはや他国を頼りにはできない、従って事態を自ら掌握する必要があるという発言は(欧州外交の)転換点と言える。それは、米国が第2次世界大戦以降、まさに避けようとしてきたことだ」と発信した。

この事態を招いたトランプ氏を非難することは容易だし、当然とも言える。しかしメルケル氏の発言も、慎重な言葉遣いだったとはいえ、責任に欠ける。それは、米国と欧州の関係に既に広がる危険な亀裂をさらに拡大し、恒久的な断絶に向かわせかねないものだからだ。

トランプ氏を非難するのは簡単だ。確かに彼の欧州訪問中の振る舞いは、ひどいものだった。5月25日の北大西洋条約機構(NATO)での演説では、加盟国の集団的自衛権を保障した条約第5条の順守を確約しなかった。たまたま言い忘れたのではない。欧州に何かあれば米国が防衛するのは当然ともはや考えてはならない、という明確なメッセージだった。こうなると、ロシアにNATOの防衛体制を試そうとする機会を与える危険性が浮上する。

今回の首脳会議で、トランプ氏だけが温暖化対策のパリ協定を支持しなかった。またドイツが米国でクルマを売りすぎているとして、「悪い、非常に悪い」と評したことも広く報じられた。

欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国に加えて、米国のこうした姿勢を目の当たりにして、メルケル氏としては、同盟国である米国と英国はもはや当てにできないという明白なことを述べただけかもしれない。それでも、彼女の発言は、少なくとも5つの理由から大間違いだと言わざるを得ない。

■欧米関係疑うのはまだ早い

第1に、大統領に就任して4カ月のトランプ氏の言動から、欧州の平和を70年間維持してきた欧米の同盟関係に疑いの目を向けるのは間違っている。実際に欧米関係を疑う時はくるかもしれない。だが、むしろトランプ氏が大統領に就任したのは例外的なことで、遠からずその職を失う可能性もある。

第2に、欧州加盟国の大半がNATOが定める軍事費負担の目標(編集注、国内総生産の2%)を達成していないのは問題だとするトランプ氏の指摘はもっともだ。確かに同氏の欧州での行動は、彼が物事をあまりに知らないことを浮き彫りにした。しかし、米国がNATOの防衛費の75%近くを拠出し続けることはできないという主張は正しい。これは、オバマ前政権のゲーツ国防長官も指摘していた。

ドイツが米国の防衛支出にタダ乗りしてきたことを考えると、ドイツが米国を同盟国として頼りにできないと非難するのは、少々おこがましい。

第3に、メルケル氏が西側諸国の同盟に亀裂が入りつつあると示唆したことで、トランプ氏がNATO条約第5条への支持を表明しなかったという事態を一層深刻にしてしまった。両氏のいずれの行為も、ロシア政府に西側同盟の分裂を狙う機会を与えることになる。そのことは、欧州の安全保障が一層危険な状況に陥ることを意味する。

第4に、メルケル氏が英国とトランプ氏の米国とをひとくくりにした点は、賢明でも公正でもなかった。気候変動問題では、英国は、米国側ではなくEU側に立っている。同様に、英国のメイ政権はNATOが定める軍資支出の達成が重要だと懸命に強調している。

しかし、メルケル政権が英国の離脱交渉で、現在のような対決的な姿勢を続けるなら――貿易協定の交渉入りすらしていない段階で、英国に巨額の離脱清算金の前払いを約束するよう求めている――それは、欧州の同盟関係に亀裂が入りつつあると自ら指摘したことで、実際に亀裂の拡大を加速させるようなものだ。そして英国とEUの対立を永続させる危険さえある。

離脱交渉では敵対する国々が、NATOとの関係では同盟国となるという状況を英国がどう判断するのか。それを見通すことは難しい。英国が本当に「ハードな(強硬な)」離脱を選んだ場合、NATOに対する英国の関与の仕方にも当然、疑問が生じることになる。ましてや米国も西側諸国の同盟から距離を置こうとしているとなれば、なおさらだ。

■歴史から謙虚に学ぶべき

メルケル氏の発言の最後の問題点は、いつになく彼女が歴史の声に耳を傾けていないように見える点だ。現代のドイツから深く感銘を受けるのは、どんな国と比べても、この国は歴史が残してきた教訓について真剣に考え、徹底的かつ謙虚にその教訓から学んできたという点だ。

それだけにドイツの指導者がミュンヘンのビアホールで英国や米国との決別を語り、しかもその2カ国とロシアを同列に論じる姿は、歴史が繰り返される(編集注、第2次大戦では米英ロが共に戦った)ようで、背筋が寒くなる。

だからといって、メルケル氏は道徳的、政治的にトランプ氏と同じレベルだ、と言うつもりは全くない。トランプ氏は西洋社会の核となる価値観をないがしろにする態度を何度も繰り返し見せてきた。報道の自由から拷問の禁止、世界中の民主主義体制を支援することなどだ。

トランプ氏がこうした姿勢を見せてきたために、今ではドイツのメルケル氏こそが西側世界の真の指導者だと主張する者さえいる。だが、その称号をメルケル氏に与えるのは早すぎたようだ。悲しいことに、同氏には西側諸国の同盟を救うために戦う気はなさそうだ。

By Gideon Rachman(2017年5月30日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2017. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

杉浦記事

「トランプVsメルケル紛争」の現状  日本は双方の過剰反応を戒めよ

トランプ対メルケルの対立で、ただでさえ離反が目立った米欧関係に、「米パリ協定から離脱」という報道の追い打ちである。もはや亀裂は決定的なものとなりつつある。

「アメリカ第一」を掲げるトランプの唯我独尊姿勢は、イギリスの欧州連合(EU)離脱でメルケルが牽引しているEUとの関係悪化を増幅し、抜き差しならぬ段階にまで至った。幸い対ロシア軍事同盟である北大西洋条約機構 (NATO)にひびが入る気配はないが、防衛費分担をめぐってギクシャクし始めたことは否めない。

米欧の内輪もめにプーチンが小躍りしている事は確かだろう。日米関係はかつてなく良好だが、首相・安倍晋三はサミットでも果たしたように米欧離反への接着剤として、双方の「過剰反応」を戒める必要があろう。

「トランプVsメルケル紛争」は根が深い。3月の米独首脳会談でもトランプはメルケルに視線も向けず、そっぽを向き握手すらしなかった。トランプの欧州訪問とこれに続くG7サミットでも激しく対立した。とりわけメルケルは、オバマが任期最終年に署名したパリ協定をトランプが受け入れな かったことに腹を立てたようだ。メルケルは「気候変動に関しては、非常に満足のいかないものだった。サミットでもパリ協定支持、不支持は6対1 で、EUを加えるなら7対1の状況だった」とトランプへの不満を述べている。

このメルケルの不満が爆発したのが28日、ミュンヘンで開催されたパーティー形式の選挙集会での演説だ。ビール片手にメルケルは演説のボルテージを上げ、「私はこの数日で、ヨーロッパが他国に完全に頼れる時代はある程度終わったと感じた」と述べ、米国への不満を表明した。そのうえで、メルケルは、アメリカとの友好関係の重要性を指摘しつつも、 「ヨーロッパは、自分たちの運命を自分たちで切り開いていくしかない」 と述べ、ヨーロッパが地球温暖化対策などを主導していく必要性を訴えた。

発言について米国のNATO大使であったイボ・ダールダーはニューヨークタ イムズ紙に「米国が導き欧州はついてきた時代の終末が来たようだ。米国は主要イシューで欧州と反対方向に向かっていて、メルケルの発言はこうした現実認識から出たもの」と論評した。さらにニューヨークタイムズ紙はG7サミットを論評して「過去ドイツおよび欧州は、自動的に米国に依存してきたが、もはやトランプは信頼すべきパートナーではないと結論づけた」と言い切っている。

またワシントンポスト紙は「メルケル首相が米欧関係に新たなページが開かれたことを宣言した」と分析している。

一方米欧双方にトランプが、トルーマン以来歴代大統領が言及してきたNATO条約第5条への言及がなかったことへの懸念が生じている。5条は「NATO同盟の一つの国への攻撃を同盟全体への攻撃と見なし、集団的に防衛する」とし条約の要である。

懸念の発信源はハーバード大学教授のニコラス・バーンズのようだ。バーンズは「歴代の米大統領は全て第5条への支持を表明した。米国は欧州を防衛するということだ。トランプ氏は、NATOでそうしなかった。これは大きな間違いだ」と指摘した。これにメディアが乗った結果大きな問題となった。しかしウオールストリートジャーナル紙は社説で、トランプはNATO本部で開かれた「第5条とベルリンの壁」に関する記念式典で、 「この式典は記憶と決意のためにある。われわれは2001年9月11日にテロリストによって残忍な方法で殺害された約3000人の罪なき人々をしのび、追悼する。われわれNATO加盟国は歴史上初めて第5条の集団防衛条項を発動し、迅速かつ断固たる態度で対応した」と述べた点を指摘している。直接的ではないが間接的には5条を支持したというのだ。さすがのトランプもNATOを全面否定すればどうなるか位のことは分かっているものとみられる。

メルケルは1次、2次世界大戦の敗戦国としてドイツがあえて米国に異論を唱えることのなかった長い間の慣習を打ち破り、米国の“独善”に勇気を持って発言したことになる。国内はこれを歓迎する空気が濃厚だが、ドイツが直ちに欧州の平和にとっての脅威として登場することはあるまい。しかし、長期的にみれば、大きな曲がり角と見るべきだろう。

背景には9月の総選挙で4回連続で首相の座を狙うメルケルが、トランプに批判的な国内世論に訴えようとする意図もないとは言えない。ドイツの野党は「メルケルがトランプに寛容すぎる」と批判しており、トランプ批判は国内の政情に対応するメッセージでもあった。

こうした中で日米関係は安倍が昨年12月にトランプタワーで就任前のトランプといち早く会談したことが効を奏して、極めて良好である。とりわけ北朝鮮の「核・ミサイル亡者」が暴発している現状において、日米同盟の結束は不可欠だ。トランプにとっても欧州との亀裂が極東にまで及んでは 米国の完全孤立になり、日米関係の堅持は基本戦略だろう。

一方、欧州も安倍がサミットでパリ協定の順守と、保護主義否定に回ったことで一目置いている。安倍は機会を捉えて双方に過剰反応を戒めるべきだろう。トランプも選挙戦のときのような「NATOは時代遅れだ」といった発言は控え、G7の首脳宣言に「保護主義と闘う」との文言を盛り込むこと にも同意した。

メルケルも基本的には親米的である。トランプが数日以内にパリ協定脱退を宣言すれば、当面の米欧関係はこじれにこじれるだろうが、次回G20サ ミットが7月7日から8日にかけて、ハンブルグで開催される予定であり、 こうした場を活用して米欧双方をなだめることも必要だろう。

大前記事

主要国首脳会議が、先月26日、27日、イタリア南部シチリア島のタオルミナで開催されました。

会議では英国マンチェスターで起きた自爆テロを受けて、国際社会が協力することで一致する一方、初参加のトランプ米大統領が各国の貿易障壁を批判し、公平な条件を求めるなど貿易面では摩擦が鮮明になりました。

メルケル首相によると、「7カ国協議ではなく、1対6だった」と言わせるほど、トランプ大統領が孤立していたとのことです。欧州の報道を見ると、トランプ大統領の態度があまりに下品に過ぎてフィットしていない、と伝えていました。

トランプ大統領にとっては外交デビューであり期待されていましたが、関税障壁のことなどすべて自分を中心に前に出ていくだけで、米国の放送局でさえ「恥ずかしい、世界の指導者と同格ではない」と報じていました。

今回のG7でも一層明白になりましたが、トランプ大統領が口先だけの「嘘つき」であるということが、何よりの問題だと私は思います。

例えば、中東問題です。

選挙期間中はサウジアラビアやエジプトを持ち上げて、ISやイランと徹底的に闘うと発言していました。オバマ元大統領はイランと話し合いの場を持つに至りましたが、それをすべて無にしました。それにも関わらず、自分の目の前にスンニ派の人がいると手の平を返して歯の浮くような発言をします。ローマ法王についても、散々喧嘩をふっかけていたのに、いざ目の前に出ると「勉強になりました」という始末です。

米国の選挙民からすれば、トランプ大統領のあのキャンペーンは一体何だったのか?と感じているでしょう。NATOでも今回のG7でも、もはやトランプ大統領の言うことは、何一つ信用されないというレベルになっていると私は感じて言います。

主要国首脳会議はかつてG8でしたが、ロシアが排除されてG7になりました。今のトランプ大統領なら米国も除いて、G6でもいいと欧州側は考えているでしょう。結局、トランプ大統領には自分の信念がないので、目の前のことだけを良く言う、という態度になってしまうのだと思います。

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『怒る中国、惑う米国、揺れる「南シナ海」情勢 ハーグ裁定“無視”から約1年、改めて中国包囲網の強化を』(5/31日経ビジネスオンライン 福島香織)について

5/30ブロゴス<トランプ政権、初の「航行の自由作戦」 なぜ今実施しなければならなかったのか?>にありますように、「航行の自由作戦」(Freedom Of Navigation OPeration:FONOP)で米国は中国に対し北朝鮮問題とは切り離して、南シナ海を中国の海とは認めない姿勢を示したという事です。オバマの8年間は中国に好きにやらせて来ました。この1点だけでもトランプが大統領になって良かったと思います。オバマ時代の無害通航ではなく、人工島の12海里内を通航したとのことです。

http://blogos.com/article/225974/

福島氏の言うように、トランプが中国に騙されず、中国包囲網形成に戻ってほしいと願っています。今後経済発展が続くと思われるアジアを米国が取り込むか中国が取り込むかの争いになります。北の問題で譲歩を重ねれば、中国は米国の足元を見て侵略を益々進めるでしょう。北は中国の侵略制止の一里塚と思った方が良い。中国は北を利用して様子見しています。

自由を尊重する体制が良いか、共産主義という人権弾圧する体制が良いか選択の問題でしょう。人命を鴻毛の如く考える共産主義体制にシンパシーを感じている人は信用できません。日本社会に左翼・リベラルが跋扈するのは糊口を凌ぐためと、戦前戦中の軍部の独走で抑圧されていた知識人が戦後獲得した地位を保全する利権を手放さないように奮闘努力するためです。中国に行って1年もすれば如何に貧しき人々に厳しい社会かと言うのが分かるはずです。結果の平等を目指す社会システムなのに、格差は米国以上にあります。普通の日本人が左翼・リベラルに親和性を持つというのは、余りに現実を見なさ過ぎです。或は偏向メデイアに騙されているのでしょう。情弱こそが問題です。

6/2宮崎正弘氏ブログ<ことしのシャングリラ対話、米国が熱心。中国は手抜き   重要閣僚出席のワシントンとは対極的。軽量級で応じる北京>の記事の感想として、中国は6ケ国協議と同じく、会議を隠れ蓑にして、自国の軍事力拡大、勢力拡大に利用してきただけでは。米国は容易に騙されてしまうという事でしょう。特に、オバマや民主党は酷かったです。シャングリラ対話自体は2002年に始まりましたので子ブッシュの時代ですが。中国を甘やかして来たツケが今回っているという事です。

http://melma.com/backnumber_45206_6537303/

記事

イタリア G7サミットの後、米軍基地で演説するトランプ大統領。対中政策はぶれずに進むのか(写真:AP/アフロ)

トランプ政権が初めて南シナ海で「航行の自由」作戦を実施した。これに中国は大激怒である。続いてイタリア・タオルミナで開催されたG7サミットで採択された首脳コミュニケで、中国を念頭においた東シナ海・南シナ海の非軍事化を再確認する文言が盛り込まれた。

南シナ海の領有権をめぐる問題では、2016年7月、ハーグ国際仲裁裁判所で中国が全面的に敗北した裁定が出たものの、中国はこれを完全に無視。親中派のフィリピンのドゥテルテ大統領の登場やトランプ政権の北朝鮮問題解決優先姿勢もあって、中国が国際法を無視していることに対しては、国際社会としてさして大きな圧力をかけることはなかった。だが、5月になって、少し情勢が変わってきた。今回のコラムでは、ハーグ裁定から約1年近く経った南シナ海をめぐる国際情勢の変化について、整理しておこうと思う。

中国を念頭に「非軍事化」を要求

G7の首脳コミュニケでは「我々は、海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)に反映されたものを含む国際法の諸原則に基づく、ルールを基礎とした海洋における秩序を維持すること、並びに仲裁を含む外交的及び法的手段を通じた海洋に関する紛争の平和的解決に対するコミットメントを再確認する。我々は、東シナ海及び南シナ海における状況を引き続き懸念し、緊張を高め得るあらゆる一方的な行動に対し強く反対する。我々は、全ての当事者に対し、係争のある地形の非軍事化を追求するよう要求する」との文言が盛り込まれた。中国の名前は入っていないが、中国が念頭にあるのは間違いない。シリア問題や北朝鮮問題、ウクライナ問題に対する部分と比べるとあっさりした表現だが、中国が怒りだすには十分な内容だったとみえる。

これに対し中国外国部報道官は定例会見でこうコメントした。

「G7サミットで、国際法の名義を騙って、東シナ海および南シナ海問題に対し、あれこれあらさがしすることに強烈な不満を示す。中国側の東シナ海、南シナ海問題における立場は明確で一貫している。中国側は終始、当事国と直接対話・交渉を通じて妥当なコントロール管理を行い、関連する争議の解決に尽力している。各領域での協力を推進し、東シナ海と南シナ海の平和安定を維持し、航行と飛行の自由及び海上航行の安全を維持することに尽力している。  G7および域外国家には情勢をはっきり認識してもらい、関連の争議問題において何ら立場を持たないようにし、該当地域当事国が争いをコントロールしようとする努力を尊重し、無責任な言論を発表することをやめていただき、該当地域の平和安定のために建設的な影響を発揮するよう希望する」

部外者はだまっとけ、と言わんばかりの横柄な批判をぶつけてきた。

解放軍パイロットは「安全である」

その直前の5月24日、南シナ海上空の国際空域で飛行中の米海軍P3偵察機に中国海軍J-10戦闘機2機が180メートルまでに接近し、複数回にわたり米偵察機の飛行能力を制限してきた。これに対し、米国防総省が「危険でプロらしくない行為」と控えめに懸念を表明。だがこれに、中国外交部はかみついた。

「米国側の言い分は事実と違う。米軍の偵察機が香港の東南空域で偵察活動を行っていたので、中国軍機は法に従って、米国機の識別査証を行っただけだ。プロの操作であり安全である」

中国の領土である香港近くを偵察に来やがったから、当然の権利として識別査証を行っただけ、という開き直りである。解放軍パイロットは優秀だから、この程度の異常接近は技術的に問題ない、というのは、2001年4月に米軍偵察機に異常接近した末、接触事故を起こしたころより、解放軍パイロットの技術は向上している、といいたいのだろうか。

さらにほぼ時を同じくして25日、トランプ政権としては初めての米海軍の「航行の自由」作戦を実施した。中国が兵器格納庫を建設しているというミスチーフ礁12カイリ海域に、駆逐艦デューイが航行。5月初めのCNN報道によれば、米海軍からの「航行の自由」作戦実施の要請をトランプ政権は却下したことがあり、北朝鮮問題で中国の協力を要請したいトランプ政権は南シナ海問題において、中国に配慮していると思われていた。米海軍からの「航行の自由」作戦実施要請をトランプ政権が拒否したのは三度、という報道もある。

おそらく、こうした中国への配慮のし過ぎに対し、軍部はもちろん共和党内からも民主党内からも批判が出始めたので、トランプ政権もしぶしぶ「航行の自由」作戦にGOサインを出したのではないか。

中国は「争うことのない主権を保持」

だが、中国側はこれにも、激しくかみついた。外交部報道官は、「米軍が中国の許可なく勝手に海域を航行した」として、こう発言した。

「我々は米国がすぐさま過ちを正し、中国の主権と安全の利益を損なう挑発的行為をやめ、地域の平和と安定と中米協力の大局に悪影響を与えないように、強烈に促す。…目下、中国とASEAN諸国は共同の努力のもと、南シナ海情勢を鎮静化させるとともに、絶えず積極的に状況を発展させている。米国側のこのような行動は、南シナ海をめぐる対話協議のプロセスに深刻な妨害を与え、誰の得にもならない」

国防部報道官もこう牽制した。

「中国は、南沙諸島および近海に対し、争う余地のない主権を保持している。米軍がこのように武力を誇示して、地域の軍事化を推進し、海域空域において予想外の事件を引き起こしかねない行動をとるならば、中国軍は、断固として反対を表明する。米国サイドには厳正な交渉をすでに提出している。  …米国側の誤った行動は、南シナ海の好転していた局面を破壊し、南シナ海の平和と安定に不利益をもたらすだろう。中米両軍の軍事関係は重要な発展時期を迎えている。健全で安定的な中米ウィンウィン関係のために、我々は双方の共同的努力が必要だ。…米軍が誤った行動を行うことは、中国軍にさらに建設能力を高めさせ、国家主権と安全の防衛を強固にさせるだけである」

中国海軍はミサイル護衛艦二隻によって、デューイ号に対し識別査証を行い、現場海域から離脱するよう警告したという。

全体的な流れをみると、南シナ海問題は確実に中国の有利に動いていた。まず、フィリピンのドゥテルテ大統領は、「信頼できるのはロシアと中国だけ」と発言し、米国と距離をおき、中ロから武器購入するなど、軍事同盟の軸足を変えようというそぶりまで見せていた。4月から5月にかけてマニラで行われた、フィリピンが議長国となったASEAN首脳会議では中国批判は完全に封印した。

ドゥテルテはその後、フィリピンの南シナ海の島々の資源採掘を行うとその領有権を習近平に対して主張したところ、「戦争になる」と脅されたことを明らかにした。ドゥテルテの姿勢は一貫していて「戦争は絶対しない」だ。つまり、戦争を盾に脅された時点で、主張を引っ込めたということだろう。

そもそも3月の段階で、中国に武力で実効支配を奪われたスカボロー礁に中国が建造物(環境モニタリング基地?)を造ることは止められない、中国に宣戦布告でもしろというのか、と発言しており、国際社会ではこれをフィリピンの事実上の敗北宣言と見ていた。フィリピン世論には、ドゥテルテの対中弱腰を批判する声もあるのだが、それに阿るように強気の発言をしたとたん、中国から恫喝されて、前言を撤回するということを何度か繰り返している。

トランプは、容易に路線変更するタイプ

中国はスカボロー礁の実効支配については、すでに米国に干渉の余地を与えないレベルにまで固めていたのだから、「航行の自由」作戦やG7も、もう少し忍耐をもって対応してもよかっただろう。だが、中国サイドの反応は、かなり焦った感じで、激しい反論をしてきた。なぜだろうか。

一つには、中国側がトランプ政権の対中政策が再び転換するかもしれない、と見ているからかもしれない。環球時報の解説をみるに、5月下旬の米国の動きは、米国内部のタカ派の圧力によって、トランプ政権のこれまでの「北朝鮮問題で米中が協力していくために、南シナ海の問題は妥協していく」という対中路線を変更せざるを得なくなっている、という分析が党内にあるようだ。もし、トランプ政権がこの圧力に対して抵抗するだけの意思があるなら、中国としてもトランプのメンツを立てるという意味で、忍耐を示したかもしれないが、中国側は、トランプが容易に路線変更するタイプだと見定めているようである。

国防大学戦略研究所の元所長の楊毅(海軍少将)は、こう説明している。

「ペンタゴン、国務総省、財務省、商務省など米国各省庁がそれぞれ別の方向を向いている。南シナ海を緊張させればペンタゴンは予算を多く取れるが、財務、商務は中国との衝突を願わない。問題はトランプが誰の意見に耳をかたむけるか、だ。…米国がシビリアンコントロールの国である一方で、軍部がホワイトハウスに無理な決断を迫る芝居を何度も上演している」

あるいは、トランプが「航行の自由」作戦をしないと信じていたのに、裏切られたという思いがあり、激しい反応が出たのかもしれない。つまり、米中の間で、南シナ海については当面は双方、表立った挑発行為はしない、中国は北朝鮮問題について真剣に制裁に参加する代わりに、南シナ海問題は保留される、という水面下の合意があったのではないか。中国側からすれば、それを米国から突然反故にしてきた、というならば、その条件反射的怒りもよくわかる。

しかしながら、もしトランプが中国との水面下の合意や、暗黙の了解を裏切って対中強硬路線に切り替えるのだとしたら、これは日本など、同盟国の立場から言わせてもらえば、ようやく正しい東アジア政策の軌道に戻る、とほっとさせられる。

4月上旬の米中首脳会議以降、トランプの対中政策は明らかにまともではなかった。北朝鮮問題解決のために中国側の協力を得ようと、トランプは習近平に譲歩を重ねてきたが、経済問題はともかく、南シナ海における譲歩は米国の安全保障問題の基礎を揺るがしかねない話だ。

その一方で、中国が米国と協力して武力で北朝鮮を叩くということも、普通なら考えにくい。明らかに、トランプに対しての中国の”協力約束”は口先だけの、秋の党大会までの時間稼ぎである。しかも、韓国に文在寅政権という親北親中政権ができたとなると、ますます中国が北朝鮮に対し武力を背景にした圧力を行使するのは得策ではない。いずれこの協力体制は破たんする。

ASEANを巻き込んだ中国包囲網の復活を

ならば、中国に南シナ海の実効支配強化と軍事拠点化の猶予を与えるだけの”米中協力関係”はさっさと見切る方がよかろう。香港の一部のメディアは、南シナ海で中国に圧力を少しかけて見せて、緩みかけている中国の北朝鮮制裁のねじを巻き上げるつもりである、という見方も報じていたが、それよりは、これまでの対東アジア政策が過ちであったことに気づいたトランプ政権がようやく修正しはじめたのだ、と期待したい。

米国が中国に南シナ海問題で配慮を示すようになると中国の脅威に直接脅かされている東南アジアの近隣国は、本音を偽りながらも中国に恭順的な姿勢をとらざるを得ない。その中国と東南アジア諸国との”柵封体制”が完成してしまえば、南シナ海から米軍のプレゼンスは排除され、米国のアジア政策は大きく後退する。それは北朝鮮の核兵器保有よりも、米国の安全を脅かす事態ではないだろうか。

もう一度、ASEANを巻き込んだ中国包囲網の復活を、日本の安全保障のためにも、願う。だが、トランプの本音がどこにあるのかは、中国当局ですら予測できないのだから、私の期待も裏切られるかもしれない。もっとも、そうなる前にトランプ自身が弾劾される可能性もそれなりに高いのだが。

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『毛澤東〝雷人〞語錄』(5/27 新唐人電視台)について

5/27“看中国”の記事<美菲總統通話内容曝光 談中國談習近平=米比大統領の電話対談の内容、中国と習近平について論ず>によればトランプはドウテルテに「我倒挺希望中國來解決這個問題,他們真的有法子,因為朝鮮很多東西都來自中國。中國正在做一些事情。但是如果中國不解決這個問題,我們會解決。・・・・我們不能讓手握核武的金正恩為所欲為。我們有很多火力,比他的20倍還多,只不過我們還不想用。你不會有事的。=本件については中国が問題解決することを強く望んでいる。彼らはやり方を知っている。朝鮮への物品は中国から来ている。中国は今いろいろ手を打っている。但し、中国が本件につき処理できなければ我々が解決する。・・・我々は、金正恩が欲しがっている核兵器を手に入れさせることはしない。米国の軍事力は北朝鮮と比較して20倍以上だ。しかし、やはりそれを使いたいとは思っていない。あなたは心配しなくて良い」と言った。>(以上)

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/focus/2017/05/27/352090.htm%E7%BE%8E%E8%8F%B2%E7%B8%BD%E7%B5%B1%E9%80%9A%E8%A9%B1%E5%85%A7%E5%AE%B9%E6%9B%9D%E5%85%89-%E8%AB%87%E4%B8%AD%E5%9C%8B%E8%AB%87%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

トランプ大統領が11月に訪日、安倍首相と会談、同じく11月にドウテルテ大統領と会談を予定しているという事は、(トランプ大統領の弾劾もないと思います)11月までは北朝鮮への攻撃はない?でも、軍を朝鮮に貼り付けて置けばコストがかかるのでは(出動時には手当は払うのかどうかですが?)。

5/26レコードチャイナの記事<「第2次朝鮮戦争」のシナリオを米軍事紙が提示、死者10万人にも?>。北朝鮮、韓国、米国、日本の犠牲者の内訳がありませんが。韓国人の下種な所は、「日本人が戦争で儲ける」とか言う発想です。日本が米軍に補給しない限り、韓国が北の攻撃に晒され、痛手を蒙るというのが分からない。哀れな民族です。日本としては韓国に手を貸すことはしたくありません。支援は米軍のみです。同じ民族同士で遣り合えば良いでしょう。

http://sp.recordchina.co.jp/newsinfo.php?id=179242&ph=0

本記事を読みますと、毛沢東の戦略眼の正しさが見えてきます。日本と国民党を戦わせ、中国人の犠牲を厭わずというのはある種の凄さを感じさせます。ですから大躍進、文革も出来たのでしょう。国民にとってはたまったものではありませんが。ただ、目的意識をはっきり持ち、その実現のためには妥協せず邁進したわけです。日本の政治家はそんなことはできないでしょう。国民あっての国ですから。本文中で毛沢東が言っていますように、「心の祖国はソ連=共産党の総本山」ですから、中国人を何千万人殺そうと関係ないと思ったのでしょうけど。でも、蒋介石と戦っていた時に、毛の考えを日本陸軍は把握できなかったのでしょうか?遠藤誉に依れば毛沢東は「日本軍と共謀した男」です。日本も謝るだけでなく、こういう情報を中国語のまま発信して毛沢東が考えていたことを伝えるべきです。ご都合主義の中国人ですから「今毛沢東が生きていれば、反日に転じているさ」とも言われそうですが。

記事

中共官方記載毛澤東至少六次感謝日本侵華。(大紀元)

一,感謝日本侵華——沒有皇軍入侵,中共不可能上台

我曾經跟日本朋友談過。他們說,很對不起,日本皇軍侵略了中國。我說:不!沒有你們皇軍侵略大半個中國,……,中國共產黨就奪取不了政權!【接見日本社會黨人士佐佐木更三、黑田壽男、細迫兼光等的談話1964.7.10】

毛:〝沒有什麼抱歉。日本軍國主義給中國帶來了很大的利益,使中國人民奪取了政權。沒有你們的皇軍,我們不可能奪取政權。這一點,我和你們有不同的意見,我們兩個人有矛盾。〞(眾笑,會場活躍)。毛:〝不要講過去那一套了。日本的侵略也可以說是好事,幫了我們的大忙。請看,中國人民奪取了政權,同時,你們的壟斷資本、軍國主義也幫了我們的忙。日本人民成百萬、成千萬地醒覺起來。包括在中國打仗的一部份將軍,他們現在變成我們的朋友了。〞【摘自《毛澤東思想萬歲》,第533至534頁。】

二,向日本索賠沒有道理

毛:〝第二次世界大戰以後,把我們的關係改變了,剛才已經講到,你們是處於很好的地位,處於理直氣壯的地位。過去你們欠過人家的帳,現在你們不再欠帳了,而是有人欠你們的帳。你們現在很有政治資本,我們也有政治資本,向美國討帳。它欠了我們的帳,這一點,我想我是根本沒有講錯的。你們現在是輕鬆愉快了,與第二次世界大戰時不同了,理由抓在你們手裡,是不是?對不對?對你們過去欠的帳再要來討帳,這是沒有道理的。你們已經賠過不是了。不能天天賠不是,是不是?一個民族成天嘔氣是不好的,這一點,我們很可以諒解。我們是你們的朋友,你們對中國人民看得清楚,不是把你們當作敵人看待,而是當作朋友看待的。【同日本國會議員訪問中國大陸團談話1955年10月15日】

三,日本人民侵略他國是被迫、是受害者(潛台詞:中國人民被皇軍屠殺無所謂)

毛:〝美國在日本的廣島和長崎投了兩個原子彈,損害了日本人民。因此使美國在世界大部分人民中間的名聲不好。……第二次世界大戰中,日本政府是強迫日本人民進行侵略戰爭的,但後來起了變化,遭到了美國的原子彈之害,所以日本人民,包括某些政府人士也反對戰爭。〞【同參加在日本召開的第十一屆禁止原子彈氫彈世界大會後訪問中國大陸的外賓談話1964年8月22日】

四,日本投降早了一年(否則篡奪江山更易)

〝(抗戰勝利後國共和談期間提出)‘和平民主新階段’是為了爭取時間,準備奪取政權。日本投降早了一點,再有一年我們就會準備得更好一些。〞——1959.8.17毛澤東的一次講話,《學習資料(1957~1961)》(清華大學,1967)第260頁。

五,日本佔地越多越好

〝要冷靜,不要到前線去充當抗日英雄,要避開與日本的正面衝突,繞到日軍後方去打游擊,要想辦法擴充八路軍、建立抗日游擊根據地,要千方百計地積蓄和壯大我黨的武裝力量。對政府方面催促的開赴前線的命令,要以各種借口予以推拖,只有在日軍大大殺傷國軍之後,我們才能坐收抗日成果,去奪取國民黨的政權。我們中國共產黨人一定要趁着國民黨與日本人拚命廝殺的天賜良機,一定要趁着日本佔領中國的大好時機全力壯大,發展自己,一定要抗日勝利後,打敗精疲力盡的國民黨,拿下整個中國。〞

【毛澤東在一九三七年八月在陝北洛川會議上的講話摘要】

〝有的人認為我們應該多抗日,才愛國,但那愛的是蔣介石的國,我們中國共產黨人的祖國是全世界共產黨人共同的祖國即蘇維埃(蘇聯)。我們共產黨人的方針是,要讓日本軍隊多佔地,形成蔣、日、我,三國志,這樣的形勢對我們才有利,最糟糕的情況不過是日本人佔領了全中國,到時候我也還可以藉助蘇聯的力量打回來嘛!〞

【毛澤東在一九三七年八月在陝北洛川會議上的講話摘要】

〝為了發展壯大我黨的武裝力量,在戰後奪取全國政權。我們黨必須嚴格遵循的方針是〞一分抗日,二分敷衍,七分發展,十分宣傳〞。任何人,任何組織都不得違背這個總體方針。〞

【毛澤東在一九三七年八月在陝北洛川會議上的講話摘要】

〝(抗戰時)一些同志認為日本佔地越少越好。後來才統一認識:讓日本多佔地,才愛國。否則變成愛蔣介石的國了。〞《廬山會議實錄》(河南人民出版社,1996)第182頁。

六,武鬥好

武鬥有兩個好處,第一是打了仗有作戰經驗,第二個好處是暴露了壞人。……再斗十年,地球照樣轉動,天也不會掉下來。【召見首都紅代會負責人的談話(1968年7月28日)】

七,打起來我就高興

我才不怕打,一聽打仗我就高興,北京算什麼打?無非冷兵器,開了幾槍。四川才算打,雙方都有幾萬人,有槍有炮,聽說還有無線電。【召見首都紅代會負責人的談話(1968年7月28日)】

八,打仗靠流氓

勇敢分子也要利用一下嘛!我們開始打仗,靠那些流氓分子,他們不怕死。有一個時期軍隊要清洗流氓分子,我就不贊成。【中央工作座談會紀要(1964年12月2日)】

──轉自《看中國》

(責任編輯:李明心)

中共の公式記録として、毛沢東は日本の中国大陸の侵略を少なくとも6回は感謝した。(大紀元)

一、日本の中国大陸の侵略を感謝する。—-もし皇軍が侵攻しなければ、中共は舞台上に立つことはできなかった。

私がかつて日本人の友人と話した時に、彼らは「皇軍が大陸を侵略して大変申し訳ない」と言うので、「否、貴殿の皇軍が中国の大半を侵略はしなかったなら、・・・中国共産党は政権を奪うことはできなかった」と言ってやった。【日本社会党の佐々木更三、黒田壽男、細迫兼光等と接見した時の談話 1964.7.10】

毛:「謝ることなどない。日本の軍国主義は中国に大きな利益を齎し、中国人民に政権を奪取させた。皇軍がいなければ、我々は政権奪取できなかった。この点につき、私と貴殿たちとは意見が合わないし、不一致がある」。多くの笑いで会場は熱気に包まれた。毛:「過去を話す勿れ。日本の侵略は良いこととも言えるし、我々を大いに手助けしてくれた。見て下さい。中国人民が政権を取ると同時に、貴殿達の独占資本と、軍国主義も我々を助けてくれた。日本人民は百万や千万も目覚め始めている。中国で戦った一部の将軍も含め、彼らは我々の良き友人である。」【《毛沢東思想万歲》より, 533から534頁】

二、日本に対し賠償を求めるのは道理が無い

毛:「第二次大戦後、我々の関係は変わった。先程既に話したことだが、貴殿達は良い立場にあり、自信を持って良いのでは。過去に貴殿達は他人から借り過ぎたが、今や借りはないし、ある人は貴殿達から借りがある。貴殿達に政治資本があるように我々にもある。米国に対しては借りを返してもらおう。彼らは我々に借りがある。この点につき、私は基本的に間違ったことは言っていないと思う。貴殿達は、第二次大戦時とは違い、今は緊張なく楽しんでいる。理由は貴殿達の手にしっかりと握っているからである。そうでしょう?貴殿達に過去の借りを返せと要求するのは道理が無い。貴殿達は既に払ったでしょう。毎日払うことはできない、違いますか?一つの民族が天から嘔吐されるようになるのは良くないことである。この点につき私は良く理解している。我々は貴殿達の友人であり、貴殿達は中国人民をはっきりと見て、敵として扱うのではなく、友人として扱うべき。【同日本国会議員訪問団談話1955年10月15日】

三、日本人民が他国を侵略したのは圧迫を受けたからで被害者である。(ひっそりと:中国人民が皇軍に殺されたのはどうでも良い)

毛:「米国は広島、長崎に原爆を落とし、日本人民に損害を与えた。此の為米国は世界の大部分の人民の間で評判を落とした。・・・第二次大戦中に日本政府は人民に侵略戦争を進めるように強制したが、その後米国の原爆の害を受け、変化が起きた。それで日本人民、政府の官員も含め、戦争に反対している。」【同じく日本で開催した第十一回原爆禁止世界大會に参加した後、中國を訪問した外国の賓客との談話1964年8月22日】

四.日本の投降は1年早かった。(そうでなければ国の統治を奪うことはより簡単だった)

“(日本との抗戦勝利後、国民党と共産党の和平交渉には時間がかかる)‘平和的民主化の新しい段階’には時間がかかるため政権を取る準備が要る。日本は投降するのが早かった。もう1年あれば、我々はもっと良く準備できた。”—1958.8.17毛沢東の講話《学習資料(1957~1961)》(清華大學,1967)第260頁。

五.日本の占領地は多ければ多いほど良い

“冷静になる必要がある。前線で抗日英雄になるな。日本との正面衝突は避けるように。迂回して日本軍の後ろに回りゲリラ戦をせよ。八路軍を拡充する方法を考えよ。抗日ゲリラ戦の基地を作り、手段を尽くして我が党の軍事力を強大にするよう力を蓄えねば。政府に対し前線に行く命令が督促されても、いろんな理由を付けて引き延ばし、日本軍が国民党軍を大々的に殺傷してから、我々はやっと抗日の成果が上げられる。国民党政権を倒すことができる。我々中国共産党人は、国民党と日本人が一所懸命殺し合うのは天の配剤で、これを利用しない手はない。日本が中国を占領した大チャンスをものにすべく全力で強大になり、己を発展させ、抗日戦勝利後、疲労困憊した国民党を打ち負かして、中国全体を手に入れる”

【毛沢東が一九三七年八月に陝北洛川で會議をしたときの講話のまとめ】

“ある人は、我々はもっと抗日をして初めて愛国になると考える。しかし、それは蒋介石の国を愛することであり、我々中国共産党人の祖国は全世界の共産党員の祖国であるソ連である。我々共産党員の方針は日本軍に多く占領して貰い、蒋介石、日本軍、我々と3国志の形を作り、このような形になってやっと我々が有利になる。最もダメなのは単に日本に全中国を占領されるだけ、時が至れば我々がソ連の力を借りて元に戻すことである”

【毛沢東が一九三七年八月に陝北洛川で會議をしたときの講話のまとめ】

“党の軍事力強化と発展の為、戦争後に全国で政権を取る。我が党の守らなければならない方針は一割が抗日、二割が拡大、七割が発展、十割が宣伝である。いずれの人や組織もこの全体方針に背くことはできない”

【毛沢東が一九三七年八月に陝北洛川で會議をしたときの講話のまとめ】

“(抗戦時)同士の内、日本の占領地が少ない方が良いと思っている人がいた。後になって認識を統一した。:日本に多く占領させれば愛国となる。でなければ蒋介石の国を愛することに変わってしまう。” 《廬山会議実録》(河南人民出版社,1996)第182頁。

六.武門の良さ

武門は二つの長所がある。一つは戦うことで作戦を立てる経験ができること。二つ目は悪い奴を炙りだせること。後10年戦っても、地球はいつも通りに回転し、天も落ちてくることはない。【首都紅代会責任者を引見した時の談話(1968年7月28日)】

七.ケンカが始まれば嬉しい

私はケンカを恐れない、戦うことを聞くと嬉しくなる。北京はどう戦うつもりか?冷兵器(火器の反対、刀剣・槍の類)は言うまでもなく、銃も撃つことだ。四川はそれでやっと戦える。両方で数万人となり、銃や大砲があり、また無線もあると聞く。【首都紅代会責任者を引見した時の談話(1968年7月28日)】

八.戦いはゴロツキに頼る

勇敢な人間は彼らを利用した方が良い。戦いが始まれば、ゴロツキを頼るべき。あの連中は死を恐れない。ある時期軍隊はゴロツキを粛清しようとしたが、私は反対だ。【中央工作座談会紀要(1964年12月2日)】

──《看中國》より転載

(責任編集:李明心)

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『暴走する北朝鮮にロシアが接近する3つの理由 核・ミサイルで挑発されてもプーチン政権は融和姿勢』(5/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

5/1ブログ記事で<ロシアが北朝鮮を支援する理由とは?中国との関係は?中村逸郎解説>というのがありました。トランプとプーチンのG7での会談は出来ませんでした。トランプのロシアゲート疑惑でそれどころではなくなっています。米ロが仲違いして一番得をするのは中国です。裏で中国が米国要人に金を配っているかもしれません。プーチンが習近平の妻の彭麗媛にショールをかけたことが軋轢の原因と言うのは信じがたいですが。でも、なかなかプーチンもやるものだと。

http://rinrinshappy.com/archives/8256

でも北のミサイル発射が相次ぎ、米国を小馬鹿にしているのが見え見えです。どこまで、危険な火遊びが続くのか。中国とロシアが守ってくれると思っているのでしょうか?トランプもロシアと相談しにくい状況では、北への攻撃もできにくいでしょう。やはり、中国頼みにしかならない感じです。でも中国が北をコントロールできないというか、やれたとしてもやらないのでは。北が暴れれば暴れるほど、中国は自分の価値を高く売りつけることができると思っています。6か国会議を開いて、時間稼ぎをするだけに終わるのでは。トランプも良く中国の動きを見なければ、オバマ同様騙されて終わる形となります。やはり、決断すべき時は決断しなくては。

記事

北朝鮮が核・ミサイルの挑発を繰り返し、朝鮮半島の緊張が高まっている。米国は軍事的な圧力を強め、国際社会も制裁強化で結束しつつある中、ロシアのプーチン政権は逆に、北朝鮮への融和姿勢を強めつつある。なぜか。

北朝鮮が5月14日に発射した中長距離弾道ミサイル「火星12」は、ロシア近海に落下した(写真=KRT/AP/アフロ)

北朝鮮による軍事的な挑発が止まらない。5月も14日、21日に弾道ミサイルを発射し、新型の中長距離、中距離弾道ミサイルの試射にそれぞれ成功したと主張した。今年に入ってからのミサイル発射は既に8回に上る。

そんな中、ロシアは北朝鮮との船舶による新定期航路の開設に踏み切った。北朝鮮北東部にある経済特区の羅先の羅津港と、ロシア極東のウラジオストク港を貨客船「万景峰」号で結ぶもので、5月18日に第1便がロシアに入港した。今後は週1回のペースで往復する予定だ。

万景峰号はかつて日本に在留していた在日コリアンの帰還事業などに使われていた貨客船で、ロ朝間の定期航路開設のために改修された。乗客は約200人、貨物は約1500トンの搭載が可能だ。ロシアで運行に当たる「インベスト・ストロイ・トレスト」によれば、北朝鮮からの物資の輸入、ロシアで働く北朝鮮労働者の輸送などにも利用するという。

関係国は北朝鮮の暴走に歯止めをかけるべく、北朝鮮籍の船舶の入港禁止、貿易取引の縮小、北朝鮮労働者の受け入れ制限などに動いている。米国のトランプ政権はカール・ビンソン、ロナルド・レーガンの2隻の原子力空母を朝鮮半島周辺に向かわせ、軍事的な圧力も強めつつある。北朝鮮の後ろ盾とされる中国でさえ、北朝鮮からの石炭輸入の停止に踏み切ったという。

国際社会が結束して制裁圧力を強めようとしているのに、ロシアの動きは明らかに逆行する。ロ朝間の定期航路は結果的に、制裁の抜け穴として北朝鮮に利用されかねない危うさも抱える。

暴走する北朝鮮にロシアが接近する3つの理由

核・ミサイルで挑発されてもプーチン政権は融和姿勢

ミサイル発射でも「直接的な脅威はなかった」

しかも北朝鮮が5月14日、中長距離弾道ミサイル「火星12」と称して北西部から発射した弾道ミサイルは、ロシア極東の近海に落下した。北朝鮮の核・ミサイル開発はロシアにとっても脅威となるはずなのに、なぜプーチン政権は北朝鮮との融和路線に舵を切ろうとしているのか。

恐らく3つの理由があろう。第1に対米けん制、第2に国際社会で主要プレーヤーの立場を誇示する思惑、そして第3に経済的利益だ。

まずは対米けん制。北朝鮮が「火星12」を発射したのは、中国が主導する現代版シルクロード経済圏構想「一帯一路」の初めての国際会議が北京で開幕する日だった。プーチン大統領も参加するために北京を訪れた。

そのタイミングに合わせたような挑発だった。かつミサイルがロシア近海に落下したため、北朝鮮が中ロも威嚇したのではないかとの観測も流れた。

米ホワイトハウスは「ミサイルはロシアの領土に近いところに落ちた。実際、日本よりロシアに近い。(トランプ)大統領はロシアがこれを喜んでいるとは思っていない」との声明を発表。あえてロシアに言及し、ロシアにも暗に北朝鮮への制裁強化に同調するよう求めたのは記憶に新しい。

ところがプーチン大統領は「一帯一路」会議後の記者会見で、ミサイル発射直後にショイグ国防相から情勢分析の報告を受けたとした上で、「発射による我々への直接的な脅威はなかった」と強調した。

大統領は「(発射は)もちろん紛争を助長する。何も良いことはない」「核やミサイルの実験は容認できない」などと、北朝鮮の挑発を戒める発言も繰り返したが、同時に世界では最近、「国際法の深刻な侵害と他国の領土や体制転換への干渉」が目に付くと言明。名指しこそしなかったが、北朝鮮に軍事的圧力を強める米トランプ政権を批判した。

ロシアがとくに警戒しているのが、米国による北東アジアでのミサイル防衛システム展開の動きだ。米韓はすでに米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備を進めているが、ロシアは中国とともに強く反発している。米国は北朝鮮の脅威への対処が狙いとするが、実際は中ロを標的にしたもので、自国の安全保障体制を脅かすとみているからだ。

またトランプ政権は今年4月、ロシアが後ろ盾となっているシリアのアサド政権軍を巡航ミサイルで攻撃した。同政権による化学兵器使用疑惑を受けたものだが、ティラーソン国務長官は北朝鮮への警告の意味もあったとしている。

ロシアは当然のことながら、米国のシリア攻撃は「国際法違反」(プーチン大統領)だと反発した。アサド政権が化学兵器を使用したとする根拠を示さず、国連安全保障理事会の決議もなく独断で攻撃した点を批判したわけだ。こうした米国の軍事行動は2003年のイラク戦争以降、プーチン政権が常に問題視してきたことだ。米国の北朝鮮への軍事的威嚇をけん制するのは、積もり積もった米国不信も背景にあるようだ。

低下した北朝鮮への影響力を挽回する好機

次に、国際社会での影響力の誇示。プーチン大統領は米国への対抗意識もあってか、北朝鮮の核問題は「北朝鮮との対話に戻り、威嚇をやめ、平和的に解決する方策を見いだす必要がある」と主張する。その対話の枠組みとして求めているのが6カ国協議の早期再開だ。

6カ国協議は議長国の中国と、北朝鮮、米国、日本、韓国、ロシアの各国代表が一堂に会して北朝鮮の核問題を話し合う枠組みだ。2008年12月の首席代表会合を最後に中断したままだが、2005年9月に合意した共同声明は、北朝鮮が「すべての核兵器および既存の核計画の放棄」を約束していた。

また、その後の6カ国協議では朝鮮半島の非核化、米朝や日朝の国交正常化などの作業部会を設け、参加国がそれぞれ議長を務めることで合意したこともある。その際にロシアが議長となったのは「北東アジアの平和及び安全のメカニズム」。ロシアは当時、自ら主導して北東アジアに安全保障機構を構築したいとの意気込みを示していた。

当時と比べ、北朝鮮の核・ミサイル開発のレベルが格段に向上している現実を踏まえると、6カ国協議を通じて北朝鮮の核放棄を促すシナリオは想定しにくい。とはいえ、仮に再開にこぎつければ、ロシアも北朝鮮の核問題のみならず、北東アジアの安全保障に一定の指導力を発揮できると考えているのだろう。

今のロシアには、北朝鮮への政治的な影響力はほとんどない。北朝鮮の対外貿易もほとんどが中国だ。2016年は中朝貿易額が約58億ドルだったのに対し、ロ朝の貿易額は7700万ドルにも満たなかった。

ロシアの北朝鮮との貿易額

(出所・KOTRA=大韓貿易投資振興公社、単位千ドル)

とはいえ、ロシアの前身であるソ連が北朝鮮の建国に深く関わり、絶大な影響力を誇った歴史的経緯もある。ロシアには依然、北朝鮮との結びつきを国際社会に誇示しようという思惑が根強いのも事実だ。

例えば2015年5月、モスクワで開いた対独戦勝70年記念式典。ロシア当局者は直前まで、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長(当時の肩書は第1書記)が初の外遊先としてロシアを選び、式典に出席すると宣伝していた。結局、北朝鮮から参加したのは金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長だった。

こうした苦い経験があるものの、今の北朝鮮は後ろ盾とされる中国ですら公然と批判するようになっている。ロシアはこれまでも食糧支援などを断続的に実施し、北朝鮮とのパイプ自体は残している。国際的孤立を深める北朝鮮に融和の手をさしのべ、中国を含めた他国との違いを際立たせれば、北朝鮮への影響力を多少なりとも高められると踏んでいるようだ。

北朝鮮労働者はロシア経済で重宝されている

そして最後に、経済的な利益。ロシアは近年、北朝鮮からの労働者受け入れを積極的に進めている。その数は5万人前後に達するとされる。極東を中心に建設、道路整備、木材伐採などに携わる人材が不足するなか、賃金が安く、真面目で勤労意欲の高い北朝鮮労働者は重宝されているようだ。

極東開発の一環として、北朝鮮に関心を強める動きもある。ロシアは中国などアジア向けの石炭輸出拠点として、北朝鮮・羅津港の埠頭の長期利用権を取得。埠頭を改修したほか、羅津とロシア極東のハサンを結ぶ鉄道も改修した。

さらにロシアには、朝鮮半島を縦断する鉄道を建設してシベリア鉄道と連結する構想、ロシア産の天然ガスを輸送する南北縦断ガス・パイプライン構想、北朝鮮を経由する広域電力供給網といった巨大なプロジェクト構想もある。

すでに約110億ドルに上る北朝鮮の対ロ債務のおよそ9割を帳消しにし、残りを北朝鮮のインフラ整備に宛てるとするなど、北朝鮮への投資を進めやすい環境づくりも進めている。折から、韓国で北朝鮮との融和路線を掲げる文在寅(ムン・ジェイン)大統領が就任したこともあり、あの手この手で北朝鮮への投資の機会を探っているのは間違いない。

こうした様々な思惑を抱えたロシアの動きは、万景峰号による定期航路の開設にとどまらず、今後の北朝鮮情勢の波乱要因になりそうだ。

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