『朴大統領の罷免が決定、選挙は5月9日か 揺らぐ米韓同盟、「北の核」が撹乱要因に』(3/10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

朴槿恵大統領が憲法裁判所により弾劾が妥当と罷免され、大統領職を失職することになりました。裁判官が国民情緒に左右されたのではという思いが拭えません。朴氏自身は日本を世界の中で“tattle tale diplomacy=告げ口外交”して来ましたので、好きではありませんが、公平な裁判という観点から見れば問題があるような感じを持っています。弾劾するときには、民事の考えではなく、断罪するのだから、刑事事件と同じような厳格な証拠固めと反対尋問が必要なのではと感じました。渡辺惣樹氏の言う“beyond a reasonable doubt of evidence”が必要なのでは。まあ、 韓国は誰が大統領になろうと反日は当り前、事後法が当り前の法治国家ではありませんので仕方がありませんが。

3/9NHKニュースでは「北朝鮮元公使 ミサイル発射は中国の軍事支援が狙い」とありました。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170309/k10010903931000.html

今後の朝鮮半島の動きを想像してみますと

①韓国では保守派が弾劾に反対して騒乱→黄大統領代行が戒厳令を発令。従北派を弾圧。

②そうでなければ、5/9韓国大統領選をして従北大統領になる前に軍部がクーデターを起こす。米軍が裏で指導。

③うまくいかなければ、5月に米軍がロッテゴルフ場にTHAADの配備を終わり次第、米軍主導で北への斬首作戦決行→B61-11(小型戦略核)を使って悪を排除するかどうか。青山繁晴氏の『壊れた地球儀の直し方』のP.221~229に載っています。善悪という道徳的価値判断ではありません。現実を直視すべきです。

④北とアホな韓国民を抑制できなければ、在韓米軍撤退となります。当然戦時作戦統帥権も韓国に返すことになります。北に韓国は併合され、韓国消滅となるでしょう。

⑤米朝で戦争になれば、中国の自動参戦があるかどうかです。これは読み方が分かれると思います。朝鮮戦争は未だ休戦状態ですので。青山繁晴氏の『壊れた地球儀の直し方』を読みますと、米軍のイラク戦争時に、「人民解放軍は、北朝鮮との血盟は終わり。参戦しない」(P.199)と明言したとあります。但し、今の中共軍は力を付けてきましたので、当時とは状況が変わりました。その通り行動するかは別問題です。また石平氏の『韓民族こそ歴史の加害者である』を読みますと、李承晩は米軍の作戦を無視して鴨緑江まで攻め上ったため、中国の介入を招いたと。瀋陽軍(江派)と党中央(習派)は関係が悪く、且つ旧満洲は朝鮮人が多く住んでいます。彼らの性格で言えば、中央がストップをかけても朝鮮人保護の名目で瀋陽軍が出て来る可能性もあります。

⑥北が狂って、東京、ソウル、北京に核ミサイルを撃つ可能性があります。日本の防衛を弱体化してきた左翼の頭上に核爆発するのでしたら良いのですが、現実はそうはいきません。どうやって排除するか。

⑦「斬首作戦」後の北の体制をどうするのか。金韓率を押し立ててもうまく行くかどうか。

未知数が多くあり過ぎて、それらを解決してからでないと、米軍の北への侵攻はないでしょう。日本もキチンと対応策を考えられるようにしておかねば。

記事

3月10日、韓国の憲法裁判所は朴槿恵大統領に対する弾劾訴追案を妥当と認めた(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

3月10日、韓国の憲法裁判所は朴槿恵(パク・クンヘ)大統領に対する弾劾訴追案を妥当と認めた。朴大統領は直ちに罷免され、5月9日までに大統領選挙が実施される。

デモ隊から2人の死者

韓国の国会は2016年12月9日、弾劾訴追案を可決した(「韓国国会、朴槿恵弾劾案を可決」参照)。それから数えて91日目の宣告だ。

憲法裁判所は朴大統領の職権乱用などを認めたうえで「大統領の違憲・違法行為は憲法守護の観点から容認できない」と罷免を宣告した。これは8人の裁判官全員の一致した意見だった。

なお、朴大統領への弾劾訴追案の是非を審理する憲法裁判所とは別に、国会が設置した特別検察官が朴大統領周辺の「国政壟断事件」を捜査してきた。

特別検察官は捜査を2月末に終え検察に引き継いだが、朴大統領を共謀者と位置付けている。韓国の大統領は在任中は内乱などの罪を除き訴追されない。罷免により、収賄罪などで朴氏は起訴される可能性が出てきた。

10日の宣告を前に、憲法裁判所周辺には罷免賛成派と反対派が集まった。警察は約2万人を配備し、警戒に当たった。同日のソウルは最高レベルの警戒態勢が敷かれている。

韓国メディアによると、10日午後、保守派のデモ現場で2人の死者が出た。原因は不明。一部のデモ参加者は警察に投石を始めた。警察は放水車を準備するなど、デモ隊への規制を強化する方針。

大統領選挙は罷免から60日以内に実施される。韓国メディアは、投票日は期限いっぱいの5月9日になる可能性が高いと報じている。

それまでは黄教安(ファン・ギョアン)首相が大統領権限代行を続ける。黄首相が大統領選挙に出馬する場合は、経済担当副首相が権限代行を務める。

左派の大統領が誕生か

国民の大方は憲法裁判所の判断を支持しそうだ。韓国ギャラップの意識調査(調査期間は2月28―3月3日)によれば、「罷免に賛成」が77%、「反対」が18%だった。

ただ、保守派が罷免反対に乗り出していた。罷免を求める勢力に対抗する形で、街頭で大規模の集会やデモを開いてきた。職業軍人OBや、韓国で力を持つキリスト教信者から伝統的な保守層も加わる。

警察発表によると今年1月7日の集会では、罷免賛成派の集会の参加者数を上回った。賛成派の抗議を受けて警察はその後、参加者数の発表をやめたが、保守派の集会は盛り上がる一方だ。ある日本人研究者によると、3月1日の集会では罷免賛成派の人数を大幅に超えていたという。

保守派の集会への参加者が増えるのは左傾化へ危機感からだ。5月までに選挙を実施すれば、米国と距離を置く左派の文在寅(ムン・ジェイン)「共に民主党」前代表が大統領に当選する可能性が高い。

現時点で、文在寅・前代表は各種世論調査で30%台の支持率を誇り、他を大きく引き離している。

米韓同盟に亀裂

一方、北朝鮮との緊張激化をにらみ、米軍はTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備を急ぐ。中国はこれに猛反発し、韓国への報復を始めた(「『なくてもいい国』と中国に言い渡された韓国」参照)。

文在寅・前代表も「共に民主党」もTHAAD配備には批判的で、中国との関係悪化を避けるために配備を先送りすべきだと主張している。

米国政府は韓国政府に対し「THAADの配備を認めないのなら、韓国防衛に責任は持てない」と通告したとされる。「文在寅大統領」が誕生すれば、米韓同盟に亀裂が入る可能性が高い。

保守派は街頭闘争へ

次期政権の「離米」に危機感を強める保守派だが、朴大統領の「国政壟断事件」で国民の支持を失った。さらには有力な大統領候補も持たない。世論調査では、保守で1番人気の黄教安首相がようやく10%前後の支持率を確保する。

このため保守派は早期の大統領選挙につながる憲法裁判所の審理結果を認めず、街頭闘争に突入する可能性が高い。左派との間で大規模な衝突が起これば、戒厳令がひかれ憲法が停止されると懸念する声もある(「『市街戦が始まる』と悲鳴をあげた韓国紙」参照)。

朴大統領の弁護団は「国会の弾劾訴追案は大統領の犯罪を立証する証拠に乏しい。憲法裁判所は罷免の是非を審理する以前に、訴追案そのものを却下するべきだ」と主張していた。

「北爆時計」が進む時に

韓国の政治的混乱に拍車をかけるのが、北朝鮮との緊張激化だ。トランプ(Donald Trump)政権は北の核・ミサイル施設への先制攻撃や金正恩(キム・ジョンウン)委員長の首のすげ替えを示唆し始めた(「北朝鮮、日本海に向け弾道弾4発発射」参照)。

米国が攻撃すれば北朝鮮は当然、韓国や日本にミサイルを撃ち込むだろう。米朝を仲介する国は出そうになく、朝鮮半島の緊張は高まる一方だ(「弾道弾と暗殺で一気に進む『北爆時計』の針」参照)。

韓国の保守派は北朝鮮との対決を支持してきた。半面、左派は融和政策を唱えてきた。「第2次朝鮮戦争」間近とも言うべき状況下で、韓国は激しい左右対立に突入する。その先の展開は誰も読めない。

(次回に続く)

■変更履歴 本文中、大統領罷免決定後のデモの情報などを追記しました [2017/03/10 15:05]

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