『「サラミ戦略」で台湾金門島が危ない!中国の違法漁船転覆で高まる緊張、ロシアのウクライナ侵攻を彷彿させる状況も  台湾有事の始まりになりかねない火種に』(2/23JBプレス 福島香織)について

2/23The Gateway Pundit<Trump VP Contender Tulsi Gabbard Blasts Democratic Establishment, DC Swamp, and Defends Trump in Fiery CPAC Speech (VIDEO)=トランプ大統領の副大統領候補トゥルシー・ギャバード氏がCPACの熱烈な演説で民主党エスタブリッシュメントとDC沼を攻撃し、トランプ氏を擁護する(ビデオ)>

共和党エスタブリッシュメントも民主党エスタブリッシュメントと同じくグローバリストで、2020選挙の時には不正に加担した。ビル・バーやマイク・ペンスがそう。トゥルシー・ギャバードが副大統領になるのは賛成。

民主党元下院議員トゥルシー・ギャバード氏は木曜日、保守政治活動会議(CPAC)に登壇し、民主党エスタブリッシュメントに対する痛烈な批判を展開するとともに、ドナルド・トランプ前大統領を断固として擁護した。

ギャバード氏はフォックスニュースでのローラ・イングラハム氏との対談で、トランプ氏の副大統領候補の最終候補者リストに名を連ねており、ワシントンの民主党エリート層の行動と、彼女が「沼地の生き物」と呼んだものに深い懸念を表明した。

彼女は彼らが権力の追求において民主主義のプロセスと米国民の権利を組織的に侵害していると非難した。

「私たちの民主主義は攻撃されている」とギャバード氏は主張した。「この攻撃の加害者は、私たちの民主主義を救うという名目で民主主義を破壊しようとしている者たちです。」

「この国を愛し、平和と自由を大切にする私たち全員は、権力への飽くなき渇望に突き動かされて、私たちが支持するすべてのものを積極的に損なう人々に対して非常に警戒すべきです。そしてほぼ毎日、ニュースや見出しに注意を払っていれば、新たな暴力や新たな攻撃が起きています。」

彼女は、民意に関係なく大統領職を決める民主党エリートとワシントンのDSがもたらす危険性について警告した。

「今、私たち米国民を、次の大統領に誰を選ぶかという自由を与えるという非常に単純なことから遠ざけるために、できる限りのことをしているのは、民主党エリートとワシントンの沼地の生き物たちだ。」彼女は言いました。

ギャバード氏は批判の中で、こうした非民主的な行為に加担した具体的な事例や人物の名前を挙げることを躊躇しなかった。彼女は、特にコロラド州やメイン州などでドナルド・トランプ氏を大統領投票から排除しようとする取り組みに言及し、この行為は憲法違反で非常に憂慮すべき行為であると彼女はみなしている。

ギャバード氏はまた、進歩派議員ロー・カンナ氏(民主党、カリフォルニア州)が、トランプ氏の選挙見通しに影響を与える目的で連邦準備制度理事会の政策に影響を与えようとしていると批判し、この動きは民主党指導者による広範な権力の悪用を示すものだと彼女は見ている。

ギャバード氏の演説はトランプ氏が直面している法的課題にも触れ、同氏に対する数々の告発が再選を阻止するための協調的な取り組みの一環であることを示唆した。彼女はこれらの法的措置は政治的動機に基づくものであると非難し、この国の法的・政治制度にとって危険な前例となると主張した。

「彼らは、ドナルド・トランプを何らかの罪で有罪にして、彼の支持を弱め、それによって彼らが最も恐れている第二のトランプ大統領就任を阻止することを望んでおり、できる限りのことをしているのです。」

「そして、彼らが彼をそれほど恐れているのには理由があります。なぜなら、彼は権力を握っているエスタブリッシュメントにとって脅威となるからです。私たちが一歩下がって、個人を超えて、ドナルド・トランプとジョー・バイデンを超えて目を向けると、私たちが直面しているのは、はるかに大きな脅威です。非常に危険な前例が作られようとしています。私たちの民主共和国は、永続的なワシントンのエリートによって破壊されつつあります。そして、どちらの政党にも、誰が大統領になるべきかを決める権利があるのは米国民ではなく自分たちだと心から信じている人たちがいる。」

ギャバード氏の演説はトランプ氏を擁護するだけではなかった。それは彼女が腐敗したワシントン支配層と認識しているものに対する団結の呼びかけだった。彼女は聴衆に対し、怒りと恐怖を行動を起こす動機として利用し、米国の自由と民主主義を守るよう訴えた。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/02/trump-vp-contender-tulsi-gabbard-blasts-democratic-establishment/

2/23Rasmussen Reports<Election Integrity: 54% Say Not Enough Done to Prevent Cheating=選挙の公正性:54% は不正防止が十分ではないと回答>

有権者の大多数は不正行為が今年の選挙に影響を与える可能性が高いと依然として信じており、政府当局者が選挙の公正性を守るために十分な措置を講じていないと考えている

ラスムッセン・レポートの最新の全国電話およびオンライン調査では、米国有権者の可能性が高い人の52%は不正行為が次期大統領選挙の結果に影響を与える可能性が高く、その中にはその可能性が非常に高いと考えている27%が含まれていることが判明した。37%は選挙不正が2024年の結果に影響を与える可能性は低いと回答しており、その可能性は全くないと考えている16%も含まれている。さらに 11% は確信が持てません。56%が、不正行為が今年の大統領選挙に影響を与える可能性が高いと回答した昨年11月に比べ、懸念は若干低下している。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/election_integrity_54_say_not_enough_done_to_prevent_cheating?utm_campaign=RR02232024DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

民主党が不正をしているから、可能性は低いと答えているのでは。

https://twitter.com/i/status/1761037723819716661

2/23阿波羅新聞網<经济学人:对川普回归 习近平到底有多么害怕【阿波罗网报道】=エコノミスト:習近平はトランプの復帰をどれほど恐れているのか【アポロネット報道】>アポロネット李冬琪の報道:英国の「エコノミスト」は火曜日(2/20)、習近平にとって、トランプの米国大統領就任に伴う予測不可能な利害得失を検討するのは特に難しいと述べた記事を掲載した。どのアプローチを取るにせよ、トランプ大統領の経済顧問らが構想する「デカップリング」は中国経済に深刻なダメージを与えるだろう。

共産主義とグローバリズムに打撃を与えられるのはトランプしかいない。

https://www.aboluowang.com/2024/0223/2021694.html

2/24希望之声<日本间谍放火?贵州山火延烧12天 广西也烧 民众质疑官方掩盖=日本のスパイが放火? 貴州省の山火事は12日間燃え続けており、広西チワン族自治区に延焼した。民衆は官方の隠蔽に疑問を抱いている>最近、貴州省で山火事が激しく広がり、広西チワン族自治区でも山火事が発生しているが、中共の公式メディアは沈黙しており、地元住民の助けを求めるネット上のメッセージも消されている。 とうとう真相を覆い隠すことができず、当局が出火原因を説明したが、民衆が当局の隠蔽に疑問を抱いたため、インターネット上では混乱を招く噂が流れ始め、日本のスパイが放火したという噂まで出た。

一部のネチズンは応えて:「デマで責任転嫁」、「今回は米帝だと言わないの?ははは、日本はいいカモだ」、「日本の国力は本当に強くなった。そうでなければこの責任転嫁は日本に行かないだろう。米国の代わりに責任を引き受けた」、「ははは、大丈夫。信じられないかもしれないが、米国の人工衛星の残骸の墜落が原因だと人々が言う日もそう遠くないだろう」 、「ユーモラスで、時々とても興味が湧くが、彼らは本当にそれを信じているのか?」

捏造と責任転嫁の得意な中国人。

https://www.soundofhope.org/post/794806

2/24阿波羅新聞網<中共侵台“可怕前景” 提前“上演”= 中共の台湾侵攻の「恐ろしい見通し」が予定より前倒しで「上演」>ルビオは「AT&Tの機能停止の理由は分からない」としながらも、「しかし、中共が台湾侵攻前夜に米国にサイバー攻撃を開始すれば、状況の深刻さは100倍になるだろうということは分かっている」とも述べた。 「彼らは携帯電話サービスを攻撃するだけでなく、電力、水道、銀行も標的にするだろう」と。ルビオは警告した:FBIと国土安全保障省は通信障害を潜在的なサイバー攻撃とみて調査を実施している。 電気通信サービスの停止により、一部の人は 911 緊急ヘルプラインに電話できなかった。

メキシコから密入国する中国人の中に人民解放軍兵士が混じっている。バイデン民主党政権は国民の安全に無関心。

https://www.aboluowang.com/2024/0224/2021855.html

2/24阿波羅新聞網<中国人偷渡路线,竟然出现这副奇景=中国人の密航ルートに現れた奇妙な光景>最近では大量の中国人が米国に密入国しており、唯一のルートであるパナマ熱帯雨林には中華系の商店も現れ、インスタントラーメンの康師傅も提供されている。

利にさとい中国人。

https://www.aboluowang.com/2024/0224/2021854.html

2/23阿波羅新聞網<中国收紧对股市控制 禁止主要机构投资者开盘收盘净卖出=中国、株式市場の管理強化、大手機関投資家に寄り付きと引けの売り越しを禁止>ブルームバーグの報道によると、中国は大手機関投資家に対し、各取引日の開始時と終了時に保有株を減らすことを禁止した。 これは、8兆6000億ドル規模の同国の株式市場を強化するという中国政府のこれまでで最も強力な試みの一環である。

報道によると、中国の規制当局は主要機関投資家による各取引日の市場開始後と市場終了の30分前までの株式の売り越しを制限し、株価指数先物を通じたA株の空売りを禁止している。 中国証券監督管理委員会は22日、異常な取引行為に対して規定に基づいて監督措置を講じており、販売を制限するものではないと回答した。

中国証券監督管理委員会の報道官は、「株式市場が上昇したり下降したりするのはルールであり、売買は常態である。規制当局は通常の市場取引を妨害せず、公正かつ自由な取引に対する投資家の権利を保護している。ただし、市場の取引秩序を乱す等の違法行為については、法令に基づき断固として取り締まり、上海証券取引所及び深圳証券取引所については、最近、規制措置を講じているが、これは、販売制限ではなく、取引監督責任を果たすための措置である」と述べた。

次のステップとして、中国証券監督管理委員会は上海と深圳の証券取引所と中国金融先物取引所に対し「異常取引の監督基準を改善する」よう指導し、市場操作やインサイダー取引などの違法行為を取り締まる方針だ。法律や規制を遵守し、市場の正常な取引秩序を効果的に維持する。

自由のない共産国に株式市場があること自体がおかしい。

https://www.aboluowang.com/2024/0223/2021706.html

何清漣が再投稿

Elaine Yu @ElaineYuMuMu 16h

抑圧されてきた黒人の女性検察官は、有力な白人実業家トランプ前大統領を負かすことに成功し、3億ドル以上の罰金を科し、国庫に返還し、国に利益をもたらした。 このリズムは、ちょうど貧しい人が土豪を倒して、土地を分配するのと同じではないのか? 米国の法治主義はどのようにしてここに至ったのか? 陶瑞はそれを根本原因から分析する。

Elaine Yuと陶瑞がトランプの冤罪事件について語る:米国の司法はどうしてここまで堕落したのか? https://youtube.com/live/QyO90F5aAUk?si=3bne5EwvuOrv2Bdu @Youtube経由

youtube.com

Elaine Yuと陶瑞がトランプの冤罪事件について語る:米国の司法はどうしてここまで堕落したのか?

トランプは商業詐欺の罪でNYの裁判所から3億5500万の罰金を言い渡されたばかりで、検察当局は罰金を支払わなければNYにあるトランプタワーを没収すると脅した。これは米国が土豪を倒して、土地を分け与えるリズムなのだろうか? 常に公平な印象を与えてきた米国の司法は、どのようにしてここに至ったのか? ***お知らせ:YouTube での言論弾圧がますます深刻になっているため、いつでも通知して最新情報を入手できるように、Telegram プラットフォームに [EZ Media] チャンネルを開設した・・・。

何清漣 @HeQinglian 9時間

西側諸国は「マンデラの未亡人」を再現し、南アフリカの虹の国建国の新たな物語を実現したいと考えている。

「夫から戦旗を引き継ぎ、ナワリヌイの未亡人が反対派に闘争継続を呼びかける」 https://cn.nytimes.com/world/20240221/yulia-navalnaya-russia-navalny-wife/

私の疑問は次のとおり:

もっと見る

cn.nytimes.comより

https://youtu.be/xr10MX-D8cA

https://twitter.com/i/status/1760898728389697819

何清漣が再投稿

龔小夏 Sasha Gong @Sasha_Gong 23h

2月22日のニュース朗読プログラム:

1) 「WSJ」コメント:バイデン版の米国の悲劇。

2) RealClearPolitics::軍事専門家は、ウクライナはもはや勝つことができないと考えている。

3) 英国のガーディアン紙は次のようにコメント:米国司法省はアサンジに対するスパイ容疑を取り下げるべきである。

@Youtube

youtube.comから

何清漣が再投稿

桃花島主 (ラッキー) @Mydoglucky2  19h

3分超の動画で今の米国を新たな目で理解できる、とても力強いメッセージである。

本年選挙には立候補しないと宣したギャラガー議員。

2/23日経朝刊<「台湾有事は世界の有事」米議員団、頼次期総統と会談>

22日、台湾の頼清徳・副総統との会談に臨む米超党派議員団のマイク・ギャラガー氏㊧=ロイター

【台北=羽田野主】米下院の中国共産党に関する特別委員会のマイク・ギャラガー委員長(共和)ら超党派議員団が22日、台湾を訪問し、5月に総統に就任する頼清徳・副総統と会談した。中国が台湾へ圧力を強めるなか、ギャラガー氏は米議会の台湾への「強力な支持」を表明した。

総統府によると、ギャラガー氏は1月の台湾総統選の勝利への祝意を示した。「米国の議会は頼氏を支持する友人がとても多い。民主党や共和党にかかわらず、米台関係の深化に向けて努力する」と伝えた。

頼氏は「中国は外交や国防、政治・経済などの面で国際社会に圧力をかけている」と述べた。「台湾は安全保障の力を高めていく」と強調した。

会談後にギャラガー氏は「米国は台湾とともにある」と語った。「台湾有事は全世界にとっての有事だ」と言及し、台湾海峡の平和と安定の強化に貢献する考えを示した。次期総統の頼氏を強力に支援すると説明した。

ギャラガー氏は蔡英文(ツァイ・インウェン)総統とも会談した。米台関係はますます強固になっていると指摘した。権威主義体制による自由への攻撃に対し、米台が協力して警戒していく必要性を訴えた。

ギャラガー氏は親中派で知られる最大野党・国民党の韓国瑜・立法院長(国会議長)とも会った。

1月の総統選で与党・民主進歩党(民進党)は少数与党に転落し、米国から武器を購入するための国防予算案が国民党の反対で阻まれる可能性が出ている。韓氏に米台連携の必要性を訴えたとみられる。

中国は米議員団の訪台に反発している。中国外務省の毛寧副報道局長は22日の記者会見で「米国と台湾当局のいかなる形式の公的往来にも断固反対する」と力説した。「台湾独立分裂勢力に誤ったシグナルを送るのをやめるよう強く求める」とも主張した。」(以上)

福島氏の記事では、中共と中国人の国際法と国際ルールの無視は台湾海峡だけでなく、東シナ海や南シナ海でも行われている。「人口最多・資源最少・欲望最大・道徳最低」と言われる中国人の国家経済を大きくしたのは誰かと文句の一つも言いたい。

上述のマイク・ギャラガーが“台湾有事は世界の有事”と言っていますが、今年の11月選挙で下院議員は変わってしまう。トランプが当選したら、2020不正選挙に加担(武漢肺炎の世界的蔓延を放置→郵便投票増、投票機のハッキング)した中共に報復するのは間違いなく、それで60%以上の関税の発言に繋がっていると思う。ただ台湾をどう扱うかはよく分からない。安部首相が生きていれば説得は可能だと思われますが、岸田や他の人ではトランプの手綱は押さえられんでしょう。余茂春の意見もあくまで部下だから、どれだけトランプが耳を貸すか分からない。況してや福島氏の記事にあるように台湾内部が親中派と親米派でゴタゴタして纏まらない場合、米国としては肩入れできないのでは。

習はバイデンの任期中に行動を起こした方が米国の介入の確率は少ないと考えているでしょう。バイデンは中共から賄賂を取った人物で、中共に機密を流した疑いのある人物です。いくら口先だけで「米国は台湾に介入する」と言っても、信用できない。

記事

台湾・金門島沖で台湾の巡視船から追跡を受けた中国漁船が転覆した(提供:Taiwan Coast Guard Administration/AP/アフロ)

  • 2月14日、台湾の離島・金門島の周辺で中国の違法漁船が禁止・制限海域に侵入し、パトロール中の台湾の巡視船と接触・転覆。乗員2人が溺死した。
  • これを機に中台の緊張が一気に高まっている。懸念されるのは、中国が「サラミ戦略」を強化し、金門島をいずれ実効支配してしまうことだ。
  • それは、ロシアがクリミア半島を占領し、現在のウクライナ侵攻へと発展した事態を連想させる。台湾有事のリスクが金門島海域から高まる可能性がある。(JBpress)

(福島香織:ジャーナリスト)

2月14日に台湾の離島、金門島周辺で起きた事件は、今後、大きな懸念の種になるかもしれない。中国の違法漁船が金門島周辺の禁止・制限海域に侵入したことで、台湾の海巡署(日本の海上保安庁に相当)の巡視船が追尾したところ、反転してきて接触、転覆し、乗船していた4人のうち2人が溺死した事件だ。この事件を機に、中国が金門島周辺でのパトロールを強化、19日には台湾の金門島観光クルーズ船の臨検を行う事態となった。これで金門島をめぐる中台の緊張は一気に高まり、台湾海峡の現状変化につながるのでは、と事態の推移が注視されている。

事件の概要を簡単に振り返ろう。

(提供:barks/イメージマート)

台湾の金門県とは、金門島(大金門島)を中心に12の島から構成される。金門島は台北からおよそ200キロと離れるが、中国福建省岸からは10キロほどで、金門県の馬山と中国厦門市の距離はわずか2キロあまりだ。

1937年に日本に占領されたが、日本の敗戦により再燃した国共内戦で、台湾に敗走してきた蒋介石率いる中華民国軍が1949年の古寧頭戦役、1959年の823砲戦(第2次台湾海峡危機)を経て金門島の実効支配に成功した。以降、馬祖県とともに蒋介石の夢みる「大陸反攻」の前線基地とされていた。

1992年11月7日、戒厳令と戦地政務実験弁法が解除され、大陸反攻の夢がついえるとともに、中台間の緊張は緩和され、2001年に「小三通」と呼ばれる金門島と厦門間の直接客船往来が始まる。それにより中国人の往来も盛んになり、人気の国共内戦歴史観光地となっていた。

1992年に台湾政府は島嶼を囲むように2キロから10キロの範囲を禁止・制限水域とし、中国の船が勝手に進入することを禁じている。だが、あまりにも中国との距離が近いため、昔から金門県水域には中国の密漁船、密輸船、密入国船、少額貿易船がしばしば勝手に進入していた。

中国の経済高度成長期、こうした密輸、少額貿易などはかなり減ったが、密漁や中国側の遊覧船が金門島の禁止・制限水域に侵入することは今も珍しくない。こうした密漁船、密輸船の取り締まりは、台湾の海巡署第九海巡隊が常時パトロールし、発見しては禁止・制限水域から駆逐していた。

懸念していた事態が起きてしまった

金門島海域の漁場について、中国と台湾の認識には違いがある。中国厦門市の漁民は伝統的に金門県禁止制限水域内の十八羅漢礁や金烈水道などを自分たちの漁場とみなしている。そのため、台湾・海巡署のパトロールに対しては時に暴力的な激しい抵抗をすることもあり、海巡署側も強硬に取り締まりを実行することがあった。

中国漁民らの小型高速艇は、台湾の巡視船が追いかけると、船の速力を30ノット以上にして逃げることもある。その時、船が老朽化していたり、乗船人数が定員を超えていたりして転覆しやすい。さらに救命胴衣などの装備が不十分な船も多く、海巡署が執法行為を行うときに、不測の事態が起きうることは以前から指摘されていた。

そうしたことから、台湾海巡署側は、中国側の船が侵入しても、拡声器などで海域を離脱するように促す程度のソフトな対応で終わることが多かった。ただ、中国側の主張によれば、民進党政権になってから、大陸側漁民に対する取り締まりが強硬になっていた、という。

台湾の金門県に設置されている上陸阻止のバリケード。背景に見えるのは中国厦門市(写真:ロイター/アフロ)

今回の事件は、まさしく懸念していた状況が起きたことになる。

14日午後1時45分ごろ、第九海巡隊の巡視船(CP-1051艇)が金門県北碇東1.2カイリ(約2キロ)の禁止水域内で、いわゆる三無快艇(船名、船舶証明、船籍登記がない小型高速艇、主に中国の密漁船)が漁業を行っているのを発見、臨検を行い、海域から退去させるつもりで接近した。

これを見た高速艇は蛇行しながら逃亡、巡視船はこれを追跡すると、高速艇は巡視船の船首を回って、数度、接触。最後の接触で、高速艇は転覆し、船上の4人が海に落ちた。

この間約5分。巡視船はすぐに停船し4人の救出にあたったが、船長を含む2人は病院に搬送後、死亡が確認された。生存した2人の漁民は金門島で手当てを受けて尋問が行われた。

警察の調べでは、乗船していたのは四川や貴州など地方から出稼ぎにきていた貧困農民で、お互い顔見知りでもなかったという。仕掛けた漁網を回収するために禁止水域に侵入したとみられている。

生存した2人の漁民は中国に送還されたのち、中国側の訊問には台湾巡視船に故意にぶつけられた、と主張している。この点について、巡視船は記録映像を撮影しておらず、後々、争点になる可能性もある。

中国が台湾への圧力を強化か

問題は、この不幸な事件を利用して、中国が5月からスタートする台湾新政権に対する圧力を強化し、台湾海峡の現状変更を画策するのではないか、という懸念があることだ。

この事件について、中国国務院台湾事務弁公庁(国台弁)は、台湾側が福建省の漁船を追いかけ2人の漁民を死亡させたとして「強烈な非難」を発表。「国台弁としては両岸の漁民の正常な作業を保障するため、特に沿海部には台湾漁民のための施設などを設置し、海が荒れた時に漁民が避難したり補給したり、あるいは事故の時の救助などのための支援を提供している。

それなのに、民進党政権になってからの台湾は大陸(中国)漁船に対しては、臨検の名目で、粗暴かつ危険な方法で対応しており、これが今回のひどい事件の発生の要因である」と主張した。

17日には、「さらに厦門金門島海域は両岸の漁民にとって伝統的な漁場であり、根本的に禁止・制限水域は存在しない」という表現で、1992年以降、暗黙の了解として守られてきた禁止・制限水域を無視する意志を中国として表明したのだった。

18日には中国海洋警察局(海警局)の報道官が「福建海警局は厦門金門海域で執法パトロール行動を常態化する」と発表し、さっそく翌日から4隻の海警船が厦門、金門海域のパトロールを開始した。

そして19日には、金門島発の観光クルーズ船・初日号が台湾側の制限水域をわずか0.5カイリ出た五通水道付近で、福建海警局巡視船の14062船の臨検にあったのだ。この臨検は約30分にわたり、クルーズ船の乗員11人と観光客23人は「このまま大中国に連行されるかもしれない」と恐怖を感じたという。

台湾海巡署はすぐさま巡視艇を現場に派遣し、クルーズ船の金門島帰港をサポートし、事なきを得た。だが、これは台湾人と台湾政府に対して大きな心理的圧力と警告になった。これまで観光船は中国、台湾とも禁止・制限水域に関してはかなりおおざっぱだったが、今後は中国側に近づきすぎると観光船ですら拿捕される可能性があるということだ。

台湾の交通部航港局はその夜、「中国海警の臨検は国際的慣例に合致しない。もし今後、観光船は中国海警局から臨検を求められたら、それを拒絶し海巡署に救助を求めてほしい。停船せずに金門島側にもどるように」と注意喚起を行った。

台湾社会の分断が進む可能性

中国側はさらに20日、中国海監(国家資源部国家海洋局傘下の海監総隊)の船を禁止制限水域内にあえて進入させた。海監船は武装せず、臨検などの執法行為は行わない代わりに、船舶が比較的大きく、その存在感で領海の主権を主張する目的がある。台湾海巡署はすぐさま巡視船を派遣し、拡声器などで離脱を呼び掛けながら並走することで1時間かけて海監船を禁止制限水域から追い出した。

台湾国防部長の邱国正は、こうした事件について「戦争を避けるため、国軍は介入しない」という方針を発表したが、「戦争を回避する」という発言は、まさに台湾側の懸念の大きさを示しているといえるだろう。

この事件の余波として懸念される事態は主に2つの側面がある。一つはこうした両岸の緊張関係の急上昇は現台湾蔡英文政権および、それを継承する次期頼清徳政権が対中強硬派であることが問題だという世論が盛り上がり、台湾社会の分断が進む可能性だ。

国民党の立法委員で金門島出身の陳玉珍が指摘しているように、「両岸は早急にコミュニケーションのパイプを打ち建て、問題を解決し、一触即発のリスクを回避するべきだが、中央レベルでコミュニケーションパイプがないなら、地方政府レベルに両岸問題を話し合う権限を政府は与えてはどうか」という世論も当然出てくることになる。

金門島は大陸の観光客によって経済的に潤っており、また伝統的文化も福建省と相通ずるところが強く中国ともっと友好的になりたいというのは住民の総意だろう。ほんの10キロ先に迫る中国に対する恐怖心もあるだろうから、安全のためにも、より深い友好関係を築きたいと考えるだろう。

だが現台湾政権は脱中国依存の方向に舵を切っており、親中派が多い地方政府の望む対中政策の方向性がますます乖離していけば、それは大きな内在リスクとなりうる。元高雄市長の韓国瑜・立法院長がかつて地方政府の独自対外交流、独自両岸交流を肯定していたことも考えると、このテーマは後々、政権運営にとって大きな障害になるかもしれない。

中国が「サラミ戦略」を進める

もう一つの側面は、金門島禁止制限水域が事実上無効化され、中国漁船や海警船、海監船が金門島禁止制限水域に滞留するのが常態化する状況になることだ。中国が台湾に行う軍事アクションについては、いくつかの段階に分けて警戒されているが、その一つが海上封鎖やそれに乗じて金門島や馬祖島などの中国沿海部の台湾離島の実効支配を奪うことだ。

こうした実際の軍事行動につながる前段階に、必ず「グレーゾーンの侵略行為」と呼ばれる動きがあるとみられている。すなわち、領海や領空の侵犯の常態化だ。サラミ戦略とも言われ、少しずつ相手の領域に侵入し侵略の既成事実を積み上げていくやり方だ。日本でも尖閣諸島海域での海上保安庁巡視船と中国漁船の衝突事件以降、この「グレーゾーンの侵略行為」が始まっているが、同じパターンの展開が金門島周辺で進むかもしれない。

この場合、尖閣と金門島が大きく違うのは金門島には台湾住民の生活があり、それがある種の人質のような存在になってしまうことだ。ストックホルム症候群ではないが、「グレーゾーンの侵略行為」が続けば、安全を願うあまり中国へのシンパシー、一体化を願う気分も広がる。

そういう風に金門島内部の統一希望世論が広まれば、それこそロシアの超限戦(従来の境界線と限度を超えた戦争、ハイブリッド戦、メディア、世論誘導などの情報戦や民間のマンパワーも駆使する作戦)によるクリミア占領と似たような作戦も可能になってくるかもしれない。クリミア占領がクリミアだけにとどまらずロシア・ウクライナ戦争を引き起こしたことを考えれば、これは十分に本気で懸念すべきテーマだろう。

そうなれば当然、日本の安全の問題にもかかわってくる。金門島の問題が、中国と台湾の間の小さな島をめぐるトラブルに過ぎないなどと他人事のように見ていてはいけない。これは台湾有事の始まりになりかねない火種であり、台湾有事は日本の有事の始まりになりかねないのだから。

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