『トルコに蔓延する米陰謀説』(9/5日経ビジネス The Economist)について

トルコのクーデターにCIAが関与したかどうか分かりません。しかし、アラブの春はCIAがNGOを使い裏から起こさせたと言われています。トルコ人に取って見れば、「またか」との思いがあったでしょう。またギュレン師を放置する米国に良い印象を持たないのも分かります。でもトルコはギュレン師の強制送還を言うのであれば、彼の犯罪事実を立証しなければなりません。今はトルコに死刑はないですが、終身刑は当然予想されます。そうでなければ、中国や韓国と同じく、事実認定から裁くのではなく、為政者の都合・国民情緒で裁くのと一緒になります。トルコがああいう国と同じように思われるのは心外です。小生も2009年4月家内とトルコに旅行し、トルコ人の日本人に対する目の優しさを実感しました。また食事もおいしかったです。ビールも世俗国家ですから、当然飲めまして、エフェスビールがおいしかった気がします。本HPのトップページにもトルコの写真を掲載しています。エジプトが多いですが。エジプトには2008年の8月に家内と一緒に行きました。(エジプトではステラビールを飲みました)。

米国は選民思想が鼻につきます。思い上がり、傲慢の印象が付きまといます。クーデターの後始末は大変で、再発防止のためには徹底した鎮圧が必要です。そうしなければ内乱になります。疑いがある人間の拘束も、無実であれば解放されたので、やむを得ないと思います。米国のように日本人を強制収容所に何年も閉じ込めておくような国からは言われたくないでしょう。また米国は軍産複合体に支配されていると言われていますので、クーデターは起きないでしょう。ただ、南北戦争(American Civil War)という内乱は経験しています。それでオバマが米国は分断されていないと頻りに言う訳ですが。人種間の争いが南北戦争のようにならないようにとの必死の主張です。

トルコは本記事にありますように、ロシアとの対立の歴史が長いので、NATOには継続加盟するでしょうけど、EU加盟は諦めているのでは。それでわざと死刑復活を言っているのでしょう。また難民のトルコ受入も欧州へのビザなし渡航が認められない限り、欧州へ送り返すでしょう。テロ爆弾を送り返すのと同義語です。メルケルはどう対応するのか。

記事

Erdoğan & Biden

7月のクーデター未遂事件以降の欧米の姿勢に対して、トルコが怒りをあらわにしている。トルコ国民の多くは、同クーデターは米国が糸を引いたとする陰謀説を信じている。トルコはロシア、イランとの関係を強化しているが、欧米との同盟からこの両国に軸足を移すことはないだろう。

バイデン米副大統領(左)が謝罪したものの、トルコのエルドアン大統領(右)の表情は険しい(写真=Abaca/アフロ )

トルコの首都アンカラで2015年、レジェップ・タイップ・エルドアン大統領のために新官邸が建設された。総工費は6億1500万ドル(約630億円)。石柱とガラスからなるこの近代的な“要塞”には部屋が1150もある。

同大統領の支持派にとっては、トルコのエネルギーと意思を表わす象徴だ。だが反対派にしてみれば、同大統領が持つ独裁者気質と権力への飽くなき欲望を物語る建物にすぎない。7月15日に起きたクーデター未遂事件で、クーデター派の爆撃機はこの官邸近くに爆弾を投下した。

米国のジョー・バイデン副大統領が8月24日、この建物にエルドアン大統領を訪れ、トルコとのより強い連帯を事件直後に示さなかったことを謝罪した。今回の事件を「9・11米同時多発テロ事件」になぞらえ、訪問が遅れたことをわび、犠牲者に哀悼の意を表した。バイデン副大統領はトルコとの関係を修復すべく最善を尽くした。

だがエルドアン大統領は感動したようには見えなかった。バイデン副大統領の横に座る同大統領は、旧友というよりも疎遠な親戚のように見えた。フェトフッラー・ギュレン師が依然として自由の身であることに同大統領は不満を述べた。トルコ政府は、米国在住のイスラム教指導者である同氏を、今回の事件の黒幕と見なしている。

エルドアン大統領は「トルコが米国と結んでいる身柄引き渡し協定の下、こうした人物は少なくとも収監されるべきだ」「彼はこの瞬間も、テロ組織を動かし続けている」と非難した。

米軍とCIAが仕組んだと非難

トルコ当局者は、米国がトルコに対して十分な敬意を払っていないと感じているだけではない。実際に多くの関係者が、米国の諜報機関はクーデターの動きを事前に察知していたと考えている。トルコの政府系メディアは、米軍や米中央情報局(CIA)がクーデターを仕組んだと数週間にわたって非難した。世論調査によれば、トルコ人の大部分が、米国が何らかの形でこの事件に関与したと信じている。

米国がそう見なされている最大の理由は、ペンシルベニア州の住居にいるギュレン師の身柄が拘束されていないことにある。同氏が率いる教団は学校、慈善活動、ビジネスの世界的なネットワークを束ねている。その賛同者は、トルコの官僚組織の至る所に存在する。

ギュレン教団は、かつてはエルドアン大統領および同大統領が率いる公正発展党(AKP)と連携していたが、2013年にたもとを分かった。未遂に終わったクーデターは同教団が実行したものなのか、あるいは軍の他のグループも一定の役割を果たしたものなのかを巡って、西側のアナリストの見方は分かれている。だが、トルコの人々のほとんどはギュレン教団が黒幕だと非難する。

米当局は過去数週間にわたり、トルコ政府と同国民に、ギュレン師のトルコ送還は司法判断に委ねられると説明してきた。バイデン副大統領は「我々は法にのっとって行動する。例外はない…。それが三権分立だ」とトルコの記者に語った。

だがそんな説明をしても無駄だ。駐トルコ米大使を務めたジェームズ・ジェフリー氏によれば、ほとんどのトルコ国民は「陰謀説をとっており、権力の分立など信じていない」。

軍政拒否を誇るトルコ市民

欧米諸国はクーデター未遂事件後にトルコ政府が始めた弾圧を批判している。これもトルコ・欧米間の摩擦を高める原因だ。西側政府と人権主義者は近年、エルドアン大統領が独裁主義を強めていることを懸念していた。

トルコ政府が何千人というギュレン支持者とみられる人物やその他の反政府主義者を逮捕するにつれ、「エルドアン大統領はこの事件を利用して自身の権力基盤を固めようとしている」との疑念が強まっている。事件が起きた2日後、ジョン・ケリー米国務長官とフェデリカ・モゲリーニ欧州連合(EU)外務・安全保障政策上級代表は、人権を尊重するようトルコに対して警鐘を鳴らし始めた。

これが多くのトルコ国民の感情を逆なでした。軍による攻撃から文民政府を守ったとして、トルコ全土が祝賀ムードに沸く中での出来事だったからだ。

米国の外交官の一部は、自分たちはやり方を間違ったと感じている。ある当局者は、バイデン副大統領のトルコ訪問を前に実施した会見で次のように疑問を呈した。「9・11同時多発テロの後、何週間もたってから他の国の大統領がニューヨークを訪れ、愛国者法について説教したとしたら、我々はどんな反応を示しただろうか」。

トルコを怒らせている3つ目の問題は、西側の指導者がクーデター事件直後に同盟国としてアンカラを訪問しなかったことだ。移民を巡る交渉でエルドアン大統領が3月に強硬な姿勢を見せたことを、欧州の人々はまだ根に持っており、同大統領を励ます気持ちになれないでいる。

トルコ政府に拘引されたり職を追われたりした人々は、今や8万人に膨れ上がった。欧州首脳がトルコを訪問すれば、こうした事実を是認することになりかねない。

欧州の人々が懸念するのも当然だ。トルコの野党議員で人権派の弁護士でもあるセズギン・タンリクル氏は「(粛清は)法に基づく適正な手続きや人権をほとんど無視している」と言う。

クーデター未遂事件の後に成立した法律により、訴追することなく被疑者を拘束できる期間は最長30日に延長された。弁護士との接見も限られる。当局は、クーデターではなく、ギュレン運動に関与した疑いで被疑者を取り調べようとしているように見える。

西側からのこうした批判を受けて、トルコは西側から完全に離脱すると脅しをかけている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、トルコでクーデターが起きた後、エルドアン大統領への支持を真っ先に表明した外国首脳の一人だ。エルドアン大統領が事件後、最初に訪れたのはロシアである。

トルコは、シリアのバッシャール・アサド政権の転覆をずっと支持してきたが、最近はアサド大統領が一時的に職にとどまることを認めるとしている。ロシアとイランは、アサド大統領の後ろ盾だ。エルドアン大統領はこう発言することで「ロシアやイランと和解する選択肢があることを示し、欧米に圧力をかけている」。中東研究所のゴヌル・トル氏はこのように分析する。

だが戦略的に見て、ロシアは西側諸国との同盟関係を代替する存在にはなり得ない。ロシアとトルコは歴史的に敵対関係にあり、コーカサス、中東、黒海周辺地域への影響力をめぐって争ってきた。トルコにとっては、ロシアよりも北大西洋条約機構(NATO)の方が大切だ。

実際のところ、バイデン副大統領がアンカラに到着したのと同時期に、トルコ軍は初めて、米軍による空爆支援の下、シリアに地上軍を派遣し、過激派組織「イスラム国(IS)」への攻撃に備えた。トルコはクーデター未遂事件に対する西側諸国の反応に激怒しているが、だからといって、米国や欧州にすぐに背を向けることはないだろう。

©2016 The Economist Newspaper Limited Aug. 27-Sep. 2, 2016 All rights reserved.

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『債務残高2600兆円 借金大国中国の危機は日本のチャンス』(9/3ZAKZAK 大前研一)について

中国・社会科学院の発表では「中国の債務残高は168兆4800億元(約2600兆円)で、GDP(国内総生産)の249%に達し、うち企業分が156%を占める」とのこと。欧米では3300兆円の債務残高と言われていますが、差は700兆円でこれだけでも大きいですが、嘘つき中国でも覆い隠すことができなくてこの数字の発表となった気がします。

習と李の争いではやはり学のある方が負けるのでしょう。肚が据わっている方が勝ちます。下放経験があり、辛酸を舐め尽した習の方が強いのは明らかです。毛沢東と周恩来の差を比べればハッキリ分かります。自国民を数千万単位で殺戮できる狂気を持った人間でないと中国は治められないという事です。散沙の民で自己主張が強く、合理性を尊重しない民族ですから。

しかし、世界にチャイナタウンができ、中国人が現地のルールを守らないのはイスラムの偽装難民と同じです。中国人の受入を停止し、危険人物は強制送還しないと、尖閣で戦闘が始まった時にはテロが起きるかもしれません。今の日本人は本当に平和ボケしていて、リスクを真剣に考えることをしなくなりました。メデイアがそういうリスクを発信せず、日教組の所謂平和教育のせいと思っていますが。気が付いたときには「時、既に遅し」という状態になることを危惧します。

大前氏は、「中国経済の破綻」は日本企業にとってチャンスと言いますが、それは人民元が暴落して、中国に進出した日本企業の輸出競争力が高まるからとのことと思います。でも、その前に中国人暴徒によって工場が焼き打ちに遭うかもしれません。2005年、2012年の反日デモを忘れているようです。そんなにいいことばかりではありません。特に中国人が相手では、日本人の想像を超えたことをしますので。撤退が正解です。

9/4宮崎正弘メルマガには<李克強の遼寧省書記時代の側近、まとめて拘束   「山西閥」崩壊につづけて、「遼寧閥」が習近平の新標的か

遼寧省は港町として大いに栄える大連と、省都は瀋陽(昔の奉天)の二大都市があり、日本企業も相当数が遼寧省に進出している。

大連市長から商務部長、そして重慶市書記へと出世階段を駆け上った薄煕来は夫人の英国人殺害事件に連鎖して失脚し、無期懲役となった。

2004年に遼寧省書記に就いたのは李克強(現首相)だった。李克強は、その前まで河南省書記だったが、AIDSの蔓延という失態の責任は問われなかった。

この李克強が遼寧省書記の時代、周りを囲んだ側近たちがいた。

遼寧省副書記に収まっていた曽維。瀋陽盛京銀行董事長となっていた張玉伸。

ともに「重大な党規違反」として拘束された。昨年三月には遼寧省党書記だった王?の取り調べが始まっており、ふたりの李克強側近の拘束は共青団の遼寧省閥が瓦解する危機に瀕したことを意味し、令計画失脚により山西省閥の崩壊につづくことになるのか、と消息筋は推測している。

ほかにも遼寧省全人代常任委、副主任の王陽、法政委書記の蘇宏章らが拘束されていると言われる(博訊新聞、9月3日)。

蘇維と張玉伸の容疑は国有企業の財産払い下げに絡んだ汚職とされ、その金額は50億元(750億円)に達すると見られる。また瀋陽の盛京銀行トップだった張は、幹部等の海外不正送金、つまりマネーロンダリングに関与し、逃亡資金は6000億元(9兆円)にものぼる。

かくして国有企業の再編を主導するはずの李克強の立場を、部下達が内側から崩してしまったことになる。>(以上)

9/5産経ニュース<豪州で計画された毛沢東礼賛コンサートが中止になった…中国系社会の亀裂浮き彫りに 「豪州を中国にしようというのか?」

Mao's portrait in Tiananmen

オーストラリアの中国系企業が、毛沢東の没後40年を記念し、毛を「英雄」としてたたえるコンサートを企画したところ、これに抗議する華人団体が中止を求めて署名活動を展開、豪メディアは強い関心を寄せた。コンサートは結局、中止が決まったが、今回の騒動は、中国系住民を通じて拡大する中国の影響力と、現地華人社会の亀裂を浮き彫りにしたようだ。

コンサートは9月6日と9日、それぞれシドニーとメルボルンのタウンホールで開催される予定だった。毛沢東が82歳で死去したのは1976年9月9日。毛が発動し、10年にわたって中国全土に混乱をもたらした文化大革命も毛の死で終わりを告げた。

豪主要紙「オーストラリアン」(電子版、8月22日)によれば、主催者側は現地の中国語メディアでコンサートを告知。広告コピーは、毛沢東を「世界の人々にとってのヒーロー」「1949年に中国を解放し、中国に平和と発展の時代をもたらした」と手放しで賞賛していた。

豪紙「シドニー・モーニング・ヘラルド」(8月22日、電子版)は主催者について、「概して、地域のコミュニティーを使って中国政府の戦略的利益を押し広げ、豪世論への影響力を強めようとしている中国大使館や領事館との結びつきが強い企業や愛国的な団体」だと指摘した。

その中心的存在が、いずれも中国系オーストラリア人が代表を務める現地の観光業者と土地開発業者だと伝えた。この2社は昨年9月、中国政府による北京での大規模軍事パレードに合わせ、シドニーで開かれた「抗日戦争」終戦70年記念イベントを支援していた。

豪州の人口約2300万人のうち中国系住民は100万人を占めるとされる。同紙によれば、このうち、80-90年代に移住し帰化したグループと、中国がめざましい発展を遂げた後、経済力を背景に移り住んだグループの間に溝ができているという。

中国から豪州への移民は年々増加しており、それに伴い、中国系住民による政治的な活動が増えている。だが、背後には中国政府の影がちらついているという。南シナ海問題で中国の立場を支持するデモ活動、2014年に中国の習近平国家主席が豪州を訪問した際に展開されたチベット弾圧に対する抗議デモを排除するための動員-がその例だ。

現地の中国系コミュニティーの活動を観察している研究者は、同紙に「ビジネスや文化活動をするグループが、商売上の恩恵を得ようと、多数の愛国的なイベントを催して、領事館や中国政府に忠誠を示している」と指摘する。

一方、1988年に中国から移住した男性(62)は同紙の取材に「中国から逃れてきたころは、われわれが多数派だったが、今や親中国共産党、親毛沢東主義者が多数を占めるようになった」と話した。

文革時代の中国を知るこの男性の世代の中国系住民らは、「大躍進運動や文革などで4000万人以上の命を奪った、ヒトラー、スターリンと並ぶ20世紀の3大殺戮(さつりく)者である毛沢東への礼賛は、人類の普遍的価値に背き、現代文明に対する侮辱である」などとコンサートに激しく反発。シドニー、メルボルン両市に対し、中止を求める請願署名をネットで集めた。

両市とも、コンサートには直接関与しておらず、「一部の反対があるからといって、市が開催を妨げることはできない」(シドニー市)との立場だった。だが、反対派住民が会場周辺でのデモを計画したことから警察当局が安全上の懸念を示し、最終的にコンサートは中止が決まった。

「オーストラリアン」(電子版)の2日付報道によれば、署名運動を行った中心人物の一人は、次のように語った。

「われわれは勝利した。だが、今回のコンサートの主催者らのように、イデオロギーによって豪州とわれわれの生活様式に影響を与え、この国を中華人民共和国に変えようとしている者がまだ残っている」>(以上)

記事

中国の経済実態は、発表と現実がかい離していて本当のところがわからないと言われるが、最近、よく言われるのは経済危機を迎えつつあるということである。経営コンサルタントの大前研一氏が、中国の危機は日本にとってどんな意味があるのかについて解説する。  いま中国では、習近平国家主席と李克強首相の間で、経済政策をめぐる対立が激化しているという。 国有企業保護政策を維持して権力掌握を進めたい習主席に対し、李首相が「ゾンビ企業(経営の行き詰まった国有企業)の淘汰」など「痛みを伴う構造改革」を提唱しているからで、習主席の側近が「今年前期の景気は良好」とする李首相の見解を真っ向から否定し、「(このままなら)中国経済は『V字回復』も『U字回復』もなく『L字型』が続く」と痛烈に批判したと報じられたのである。  この景気判断については習主席のほうが正しいと思う。たとえば、今年6月に中国社会科学院の学部委員で国家金融・発展試験室の理事長を務める李揚氏が「2015年末の時点で、中国の債務残高は168兆4800億元(約2600兆円)で、GDP(国内総生産)の249%に達し、うち企業分が156%を占める」と発表した。  発言の趣旨は、中国の債務はコントロール可能な範囲で、債務リスクに対応するための十分な資金があることを理由に「債務危機は存在しない」と強調するものだったが、この数字は経済規模が違うとはいえ日本の借金1000兆円の2.6倍だから、やはり寒気がするような規模である。  李氏は「借金より資産のほうが多い」から安心と言うが、実は中国の借金が正確にはいくらあるのか、誰もわかっていないと思う。

中国の借金には、大きく四つの要素がある。「国営企業」「民間企業」「地方政府」「国」である。249%のうち企業分が156%ということは、地方政府と国が残りの100%近く、という計算になる。  だが、すでに本連載で指摘したように、これまで地方政府の富の源泉だった農地を商業地や工業団地に用途変更して利益を得る不動産開発やインフラ整備などの投資プロジェクトはことごとく行き詰まり、地方政府は莫大な借金を抱えて収拾がつかない状況に陥っている。  おまけにアリババ(阿里巴巴)などのネット通販隆盛の影響で多くのショッピングモールはテナントが入らなくなって「鬼城(ゴーストタウン)」化しているため、地方政府が商業地などの開発によってけるという従来の仕掛けは、もはや機能しなくなっている。  では、これから中国はどうなるか? これもすでに本連載で書いたように、中国政府が人件費を市場に委ねず強制的・人為的に毎年15%ずつ引き上げてきたせいで中国企業の競争力は低下したのだが、だからといって賃下げは人民の反発が怖いからできない。  となると、おのずと為替は元安に向かうので、変動相場にするしかなくなる。変動相場制にしたら一気に元安が進み、現在の1ドル=6.6元が半分の1ドル=13元くらいまで下がらざるを得ないだろう。そうなれば輸出競争力は回復するかもしれないが、経済はハイパーインフレになって人民の生活は困窮する。

実際、長い休止期間を経てトレーディングを再開したアメリカの著名投資家ジョージ・ソロス氏も「中国経済は危機を避けられない」と明確に予測している。  中国経済が破綻すれば、世界経済は大混乱する。もしかすると、1929年に当時の新興経済大国アメリカのバブル崩壊が引き起こした大恐慌のような状況になるかもしれない。  ただ日本は、オーストラリアやブラジルなどの資源国に比べれば対中輸出に依存していないし、元安によって中国から輸入している食料品、電気製品、衣料品などが安くなり、中国に進出している日本企業のコスト競争力も強くなるから、日本にとってはマイナスよりもプラスのほうが大きいだろう。  中国経済の破綻に備えつつ、危機を好機に転じるという発想と準備が重要だ。  ※週刊ポスト2016年9月9日号

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『なぜ中国人はリオ五輪で福原愛選手を応援したか 卓球出場172人中44人が中国出身…「狼育成計画」詳報』(9/2日経ビジネスオンライン 北村豊)について

本記事を読みますと“養狼計画”は大熊猫(パンダ)“の貸し出しに似ているのではと感じました。流石中国、即物的に人間でも動物でも貸し出してリース料を取るビジネスに買えてしまうことが凄い所です。別に共産主義者だからという事ではないでしょう。拝金教のせいだと思います。

Wikiによれば、卓球の起源は「13世紀にフランスの貴族が娯楽としてはじめた「ジュ・ド・ポーム(手のひらのゲーム)」にさかのぼる。ただしテーブルの上でボールを打ち合う、現在の卓球は19世紀後半にイギリスで生まれ、発展してきた。もともとテニス選手が、雨でテニスが出来ず退屈だったので室内のテーブルの上でテニスの真似事をしたのが始まりといわれている。初めの頃は長い柄のついたバドミントンのようなラケットとコルクの球を使用し、ラケットには革や紙やすりなどを張っていた。日本には1902年に東京高等師範学校教授の坪井玄道がイギリスからルールブックと用具一式を日本に持ち込んで普及を始めたことを契機に広まった。」とあります。中国が強いのは人口が多く競争が激しいのと、それ程場所も取らず、初期投資が少なくて済むところからステートアマとして強化していったためと思われます。

福原愛が“養狼計画”で育ったとは言い過ぎでは。日本卓球協会は中国に金を払ったのでしょうか?日本企業の「グランプリ」が支援していたようです。金の問題は別にして、技術面では相当影響を受けたのでは。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%8E%9F%E6%84%9B

中国人のスポーツでの他国への帰化はそれ程目くじらを立てることはないのでは。頭脳流出と同じでしょう。また国籍は別として、日本でも野球やラクビー選手の外国人枠もありますし。相撲は殆どモンゴル人からの帰化が上位陣を占めています。問題は反日朝鮮人・韓国人・中国人が帰化して日本人となり、反日活動に勤しむことです。帰化条件を厳格にして、そういう行動を取ったら、帰化取消、母国へ強制送還しなければ。世界標準から日本は大分ずれているのでは。また「蓮舫の二重国籍の疑い」をリベラルと言われる八幡和郎氏が問題提起しています。9/1産経の記者の「二重国籍の疑い」についての質問に、蓮舫は口頭で否定してみせましたが、日本の政治家で総理を目指すのであれば、証拠を示すべき。従軍慰安婦同様、主張すればそれが事実と言うのは中国人、朝鮮人の間では通じても日本人には通用しません。

http://www.sankei.com/politics/news/160902/plt1609020012-n5.html

記事

Fukuhara & Zhang

リオ五輪卓球女子シングルス準決勝で、日本代表・福原愛選手にアドバイスを送る張莉梓コーチ(写真:AP/アフロ)

8月21日に閉幕したリオデジャネイロオリンピックで、日本の卓球チームは大健闘の活躍を見せ、男子シングルスで水谷準選手が銅メダル、男子団体で銀メダル、女子団体で銅メダルをそれぞれ獲得した。前回(2012年)のロンドンオリンピックでは、日本チームは女子団体で男女を通じてオリンピック初の銀メダルを獲得したが、男子団体は5位入賞で、男女共にシングルスはメダルを手にすることはできなかった。今回、水谷選手が男子シングルスで銅メダルを獲得したのは、日本のオリンピック史上で男女を通じて初の快挙であり、その水谷選手の活躍で銀メダルを獲得した男子団体は、前回のオリンピックで銀メダルを獲得した女子団体に並ぶ大成果を成し遂げたのだった。

オリンピックにおける卓球競技の歴史を振り返ると、1996年のアトランタ大会から2016年のリオデジャネイロ大会までの6大会を通じて、中国が男女ともに金メダルを独占しており、金メダルを独占できなかったのは、2004年のアテネ大会だけである。アテネ大会の男子シングルスは韓国の柳承敏選手が金メダルとなり、中国選手は銀メダルと銅メダルに終わったが、オリンピックの卓球競技に関する限り、中国は過去20年以上にわたり無敵を誇り、世界の卓球界をリードして来た。

イタリアで「卓球の父」と呼ばれた中国人

そうした卓球で無敵な中国に将来の懸念を覚えたのが“蔡振華”だった。蔡振華は1978年から1985年まで卓球の中国代表チームの一員として活躍した花形選手であったが、1985年に現役を引退した後、中国政府からイタリアへ派遣されてイタリア卓球チームの主任コーチに就任した。妻を帯同してのイタリア入りだったが、言葉が通じないばかりか、生活習慣にもなじめず、多大な苦労をしのぎつつ3年半の歳月をイタリアで過ごした。

この間に蔡振華はイタリア卓球チームを厳しく指導し、世界卓球選手権の団体で第7位になるまでその実力を引き上げた。このため、蔡振華はイタリア卓球界で「卓球の父」と呼ばれている。1989年、中国代表チームから呼び戻された蔡振華は、身重の妻を連れて、ためらうことなく中国へ戻った。帰国後は中国代表チームのコーチとして活躍し、オリンピック、世界卓球選手権、卓球ワールドカップなどでの中国チームの連戦連勝に大きく貢献した。

2002年末に“国家体育総局”の「卓球・バドミントン運動管理センター」の副主任に任命された蔡振華は、2007年4月には国家体育総局副局長に抜擢され、2008年8月に開催された北京オリンピックの成功に尽力した。2009年、国家体育総局副局長として「中国卓球協会」を所管していた蔡振華が提起したのが“養狼計劃(狼育成計画)”だった。それは卓球の国際競技大会で中国が常勝し、無敵であることを理由に、卓球が国際競技から外される可能性を危惧した蔡振華が提起した「卓球の未来を見据えた長期計画」であり、外国チームの選手を中国選手に対抗可能な実力を持つように育成することを目的とするものだった。

海外派遣選手が帰化して五輪代表に

この発想には、かつて蔡振華がイタリア卓球チームを自ら厳しく訓練して、その実力を世界卓球選手権の第7位まで引き上げた経験が基礎となっている。彼は、2009年当時に中国の産業界で流行語となっていた“走去出, 請進来(海外進出、国内誘致)”に倣って、中国人コーチ・選手の海外派遣による外国選手の育成、外国選手を中国国内へ招聘して育成、という二本柱を提起したのだった。

この蔡振華が提起した狼育成計画は敵に塩を送るに等しいとの反対意見もあったが、中国卓球協会も独立採算制の流れの中で、独自の収入源を必要としたこともあって、推進されることになった。海外へ派遣されるのは、国家チームの代表には選ばれない二流の選手や国家代表であったが年齢的に峠を越した選手であった。彼らの派遣に当たっては、中国卓球協会が派遣先の国との間で派遣条件(派遣期間、派遣選手の待遇、派遣金額など)を煮詰めた上で契約を締結するので、中国卓球協会には契約金額が支払われる。

一方、派遣を受け入れた国は中国人コーチと選手によって自国選手の育成強化を図るが、これは一朝一夕にできることではなく、どうしても長い年月が必要となる。そこで被派遣国が採った手段は、派遣された選手に国籍を変更して帰化してもらい、自国選手として国際競技大会に参加してもらうことだった。最重要な国際大会であるオリンピックは4年毎だから、オリンピック憲章の「オリンピック競技大会、大陸別競技大会もしくは地域別競技大会、もしくは国際競技連盟(IF)が公認した地域選手権大会、もしくは世界選手権大会において、一方の国を代表した後国籍を変更した者、もしくは新しい国籍を取得した者は、このような変更もしくは取得の3年後までは新しい国を代表してオリンピック競技大会に参加してはならない」という規定に抵触しないように国籍変更・取得の時期を調整すれば、帰化選手のオリンピック参加は問題ないことになる。

さて、今回のオリンピックで8月15日に行われた女子団体準決勝では、日本チームが3対2で敗れたドイツチームの3人には中国からの帰化選手である韓瑩(ハン・イン)と単暁娜(シャン・シャオナ)の2人が含まれていた。ドイツに敗れて3位決定戦に回った日本チームは、翌16日にシンガポールチームと戦い、3対1で勝利して銅メダルを獲得したが、対戦した周一涵、馮天薇、于夢雨(ユー・モンユ)の3人は全て中国からの帰化選手だった。また、8月8日に行われた女子シングルス3回戦では、シンガポール代表の馮天薇(30歳)とルクセンブルグ代表の倪夏蓮(53歳)が対戦し、4対2で馮天薇が勝利したが、両者が元中国代表選手であったことで注目を集めた。

リオ五輪卓球出場172人中、44人が中国出身

8月18日付の米紙「ニューヨークタイムズ」は、今回のオリンピックで卓球競技に参加した中国からの帰化選手に関する記事を掲載した。同記事によれば、卓球競技の参加選手172人中の44人が中国出身であり、そのうち中国チームの6人を除く38人が21の国と地域の代表であったという。下記は「ニューヨークタイムズ」が報じたリオデジャネイロオリンピックに参加した中国出身卓球選手の国・地域別比率を示した表の一部である。これらの国・地域以外には、ルクセンブルク、カタール、ウクライナ、コンゴ共和国、スロバキア、フランス、スウェーデン、ブラジル、韓国の9か国が卓球チーム内に1人の中国出身選手を含んでいる。表には13か国が列記されているが、中国を除けば12か国であり、そこに上記の9か国を加えれば、21か国となる。また、中国出身卓球選手は、表中の中国を除いた29人に9か国の各1人を加えれば38人となる。

Chinese table tennis players of nations in Rio

但し、上述の中国出身選手38人全員が中国の狼育成計画に基づいて外国へ派遣されたものかどうかは分からない。自分の意志で外国へ移民して帰化した選手もいるかもしれないが、少なくとも彼らは国籍を中国から変更する際に、一流の卓球選手であるという理由で、一般人ならば厳格であるはずの移民審査を容易にパスして当該国の国籍を取得したものと思われる。

シンガポールの女子選手である“馮天薇”を例に挙げると、1986年に中国黒龍江省ハルビン市で生まれた彼女は、2002年に中国で行われた全国青少年選手権の卓球女子シングルスで優勝し、翌2003年に卓球の中国代表チーム入りした。馮天薇は2003年からの3年間を中国代表チームで訓練に励んだが、目覚ましい進歩が見られなかったばかりか、心筋炎<注1>を発症し、代表チームからの離脱を余儀なくされた。その後、馮天薇は2005年に日本卓球リーグに参加して活躍していたが、2007年に中国陝西省でトレーニング中にシンガポールの卓球代表チームのコーチと会った際に、シンガポール政府の外国人スポーツ選手に対する優遇措置であるFST(Foreign Sports Talent Scheme)を受けてシンガポール国籍を取得するよう勧められ、2007年9月にシンガポール国籍を取得した。

<注1>「心筋炎」とは、心臓の筋肉(心筋)に炎症が発生した状態のことを指す。

これに対して、ドイツの女子選手である“単暁娜”は、1983年に中国遼寧省“鞍山市”で生まれ、卓球の才能に恵まれていたが、運には恵まれず中国代表チームには入れなかった。一念発起して国を出た彼女は、最初にシンガポール国籍を取ってシンガポール代表として競技に参加した後にドイツへ移り、2006年にドイツ国籍を取得してドイツ代表として活躍している。

福原愛選手も中国人にとっては“狼”

狼育成計画は中国から帰化した外国選手に関する話だと思うかもしれないが、日本にも狼育成計画と密接な関係を持つ卓球選手がいる。それは福原愛選手である。福原選手は1999年から現在までの十数年間に中国各地を転戦しながら技術の向上に努力したが、彼女が最初に接触した中国人コーチは、1992年のバルセロナオリンピックと1996年のアトランタオリンピックの男子ダブルスで“王濤”とペアを組んで2大会連続の金メダルを獲得した“呂林”であり、その後も多数の中国人コーチの指導を受けている。

卓球の遼寧省代表チームのキャプテンだった“湯媛媛”は、2002年12月に福原選手の専属コーチとして来日した。彼女は後に中国出身で日本の卓球選手である“張一博”と結婚して“張莉梓(ちょうりさ)”に改名し、2008年に日本国籍を取得している。福原選手が女子シングルスの試合に出場する際、コーチ席から見守っているのが張莉梓さんであり、今回のオリンピックでも女子シングルスの試合で戦う福原選手をコーチ席から見守る張莉梓さんの姿があったことは記憶に新しい。

福原選手は2003年から助っ人外国人として、中国のプロ卓球チームである遼寧本鋼クラブや天津三星クラブの代表として各種リーグ戦に参加した。2005年から遼寧本鋼クラブの代表として競技に参戦した福原選手は、同じクラブの僚友で、中国代表チームの主力選手であった“王楠”と“郭躍”の2人から多くを学んだ。また、2010年に広東深圳長園集団卓球クラブと契約した福原選手は中国卓球界の実力者“劉詩雯”を僚友として2年間を過ごし、彼女からも多くを学んだ。<注2>

<注2>オリンピックの累計メダル獲得数は、王楠(金4個、銀1個)、郭躍(金2個、銅2個)。劉詩雯はリオデジャネイロ大会・女子団体の金メダリスト。

日本人である我々から見ると福原選手は狼育成計画とは無縁であるように思えるが、中国の人々はそのようには考えていない。福原選手が中国の人々に愛され、多数の中国人ファンを持つ理由は、流暢な東北訛りの中国語を話すからだけはない。彼らにとっての「福原愛」は、中国人コーチによって育てられ、中国人選手との交流を通じて技術を向上させた日本の卓球選手であり、中国の狼育成計画が育成した狼の成功例だからなのである。

国籍変更選手に対する年齢制限の動きも

2008年2月、国際卓球連盟(ITTF)はITTF直轄の大会に限定するとして、国籍変更した選手に対する年齢制限規則を制定した。その概要は以下の通り。

(1)21歳以上の選手が国籍変更した場合、ITTF主催の国別対抗試合(世界選手権、ワールドカップなど)に出場できない。 (2)15歳未満で変更の場合は3年間、15歳以上18歳未満は5年間、18歳以上21歳未満は7年間、この「待機期間」中はITTF主催の告別対抗試合には出場できない。

これは帰化選手を規制する意味では大いに結構な話だが、この規則はITTF直轄の大会に限定していて、オリンピックは国際オリンピック委員会(IOC)の管轄であるため除外されている。IOCはITTFの規則を取り込んで帰化選手の規制を強化すべきではなかろうか。

その上で蔡振華が提起した本来の狼育成計画を推進すれば、外国の代表チームが中国代表チームを脅かす日がいつか到来することだろう。それが日本代表チームであって欲しいものだが。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『権力者が英知を結集、SNS時代騙しのテクニック 今なお原爆投下を正当化する演説を信じる、扇動されやすい米国民』(9/1 JBプレス 高濱賛)について

トランプの名を借りて、最後には安倍首相批判かと思ってしまいました。為政者の情報操作は勿論あるでしょう。FDRやトルーマンだけでなくブッシュJrでも。でも日本の為政者はPRするのがヘタです。逆に海外に発信するうえで、情報操作できるようになったとすれば褒めた方が良いのでは。中韓のように、事実と違うのであれば問題ですが。批判しているジャーナリストだって、日本のメデイアは「報道しない自由」を謳歌しているのは知っているでしょう。

米大統領選は関心が薄れるほどヒドイ候補者しか残っていません。外国人がとやかく言えた義理ではありませんが。崇高な理念を語った時代は終わったという事でしょうか。FDRは演説の名手だったから4期も務められたという話です。米国にありがちな女癖の悪さでも有名ですが。炉辺談話も同じように有名ですけど。

米国との戦争について書いた渡辺惣樹氏の『アメリカの対日政策を読み解く』の中から、是非覚えておいて戴きたいことを抜粋してコメントの代わりとします。

P.20~24

この告白で分かるようにフイリピンはアメリカにとって二つの重要な意味を持つことになる。 一つはフイリピンが、アメリカのレゾンデートルでもある西漸連動のフイナ-レを飾る地になったことである。アメリカは「野蛮な原住インデイアン」を啓蒙しながら西へ西へと国土拡張を進めてきた。その過程で少々残虐な戦いがあっても、彼らを啓蒙できれば、彼らも結局は文明の恩恵を受けられる。その作業を成功させることこそがアメリカが神から付託された「明白なる宿命(manifest destiny)」であった。「明.白なる宿命」の終章を飾る土地がフイリピンになった。フイリピンの“土人”を見事なほどに文明人に変貌させれば、アメリカ西漸運動は美しい光を放って終えるとができるのである。

もう一つ、大統領の告白からわかることがある。他のヨーロッバ諸国もフィリピンを狙っていた 事実である。実際ドイツはフィリピンを狙っていた。別掲に一九〇〇年頃の西太平洋の勢カ図を載 せておいた。ドイツが西太平洋の島々を着々と植民地化していたことは一目瞭然である。フィリピ ンを領土にできれば、西太平洋の“ドイツの湖”化がほぼ完成することがわかる。軍事的視点から みたフィリピンは、ドイツの野望を阻止するためにアメリカが唯一確保した拠点だった。米領ハワ イからグアムを通じた細い補給線だけに頼る危うい新領土であった。

こうしてフィリピンは「西漸運動のフィナーレを飾る地」であると同時に「西太平洋の“ドイツの湖”化を阻止する地」の二つの意義を持つこととなった。

アメリカが新領土フィリピンの防衛を真剣に研究せざるを得なくなったのは当然である。一九〇三年七月には陸海軍合同会議(議長はデューイ提督)を設置している。

ここで不思議なことが起こる。合同会議の対日戦争の本格的研究(一九〇六年)を待たず、セオ ドア•ルーズべルト大統領(マッキンリーの暗殺〈一九〇一年九月〉を受けて副大統領から昇格) やルーツ国務長官は、フィリピンの安全保障を脅かす国は日本であることに気づくのである。

青島をベースとするドイツ東洋艦隊は規模も小さく、アメリカ海軍同様にロジスティツクスに問題を抱えていた。しかし、日本は、わずか一週間足らずで大艦隊をマニラに派遣できた。ロジスティツクス上の不安もない。フィリピン独立を主張するエミリオ・アギナルドらの民族派は日本に支接を求めていた。フィリピンの安仝保障を脅かす国の筆頭はドイツではなく日本であったのだ。この時代のアメリカの日本に対する恐れを、現代日本人が理解することは簡単ではない。

West Pacific of Japan,US,German in 1900

日本の目を絶対に南に向けさせない。それがルーズべルトのアジ.ア(対日)外交の基本となった。 ルーズべルトは日露戦争の最中に、愛娘アリスと腹心タフト陸軍長官を東京に派遣し、桂・タフト 密約を締結した。フィリピンと朝鮮をバー夕―したのである。ポーツマスの日露交渉では、日本側に密かな配慮を見せた。朝鮮の二枚舌外交に悩まされていた日本がその外交権を剝奪すると(第二次日韓協約、一九〇五年十一月)、米国は真っ先に漢城(現ソウル)の公使館を引き払った。日本の目を北に向けさせる外交の始まりであった。

(「明治 日米戦争知られざる『原点』」『文藝春秋』文藝春秋、ニ〇一三年十一月)

P.40~42

例えば、オックスフォード大学のヨルグ・フリードリッヒ教授は次のように分析している。(二〇〇三年)

「日本が軍事的にアグレッシブな展開を開始したのは、彼らが、戦略物資に困窮することがあってはならないと憂慮したことに起因している。一九二〇年代のリベラルな国際情勢が終わると、日本は満州に侵入(_一九三一年)し、続いて中国へも侵入した(一九三七年)。日本の究極の目標は、自給可能な経済ブロックを作り上げることであった」

「(しかし日本が)満州を選んだことは失敗であった。なぜならこの地には食料、石炭あるいは鉄鉱石.などの資源は豊かだったが石油はなかった。(満州に侵攻したのはいいのだが)最も重要な資源である石油についてはアメリカへの依存度は高いままであった」

「アメリ力は当時圧倒的な石油産出国であった。日本はアメリカからの石油輸入に大きく依存していた。九〇パ-セントがアメリ力からの輸入であり、その、うちの七五パ-セントから八〇パ—セントがカリフォルニアからのものであった」

「こうした状況を念頭に置けば日本がアメリカから石油禁輸措置を受けたときに感じた脅威の深刻さや、その結果、東アジアの戦いが太平洋全域での全面戦争へと拡大していったメカニズムを理解することは、それほど難しいことではない。日本の行動を容認するわけではないが、石油禁輸を受けた日本には、ボルネオ、スマトラの石油を略取する方法しか残されていなかったのである」

マックウイリアムスは、カリフォルニア州の対日戦争の原因の分析に続いて、同州で真珠湾攻撃 後に始まった日本人強制収容プログラムの経緯を詳述する。誰が飽くことなく反日本人を主張し、安全保障上、必要ない強制収容を進めたのか、実名をあげて非難している。彼の分析で、日本人排斥の動機がいかに不純であったか、そしてアメリカの民主主義がどれほど未熟だったかを知ることができる。

彼の描写は実証的で、日本人への憐れみもそこかしこに見え隠れする。当時の日本人同胞がアメリカで被った悲劇のさまは涙を誘う。しかし、二十一世紀の現代日本人にとっては、日本人移民が強制収容という不条理にどのように反応したかに感情移入することよりも、事実を冷静に凝視することのほうが重要であろう。マックウイリアムスの記述は、日本人とはいかなる民族かを問うているようでもある。私たちは強靭な民族なのか。それとも弱虫なのか。

マックウイリアムスは本書を通じてアメリカの未熟な民主主義を憂い、合衆国憲法の掲げる理念 に可能な限り近づくべきであると主張している。本書はアメリカ知識人の自省の書でもある。こう した自省の書は、戦後いくつか出版されている。へレン•ミアーズの『アメリカの鏡日本』 (Mirror of Americans:JAPAN1989 邦訳•アイネックス、一九九五年)がその代表であろう。しかし本書は、未だ日本との戦いが継続している一九四四年に出版されている。この書の出版が一九四四年であることに驚きを覚えるに違いない。

マックウイリアムスは本書出版にあたり、ユダヤ系のグッゲンハイム財閥から資金援助を受けている。それは、ユダヤ系の人々が日本人強制収容に強い危機感を抱いていたであろうことを示唆している。

この書の出版はボストンのリトル・ブラウン&カンパ-ニーによってなされた。アルフレッド・マハンの『海上権力史論』を出版した老舗である。こうした有力出版社が一九四四年の段階で、自国民の内省を促すこれほどの書を世に問う姿勢は、アメリカという国の懐の深さをも感じさせる。

(『日米開戦の人種的側面アメリカの反省1944』「訳者まえがき」)

P.52~53

遊弋するドイツ巡洋艦や海中深く潜んでいるドイツ潜水艦は太平洋方面にも出没する。 アメリカ も太平洋の防衛に日本海軍の協力をどうしても必要としていた。アメリカが日本の機嫌をとるため に結んだのは石井・ランシング協定(一九一七年十一月)であった。この協定で、ランシング国務長官は日本の北部支那(満州•東部内蒙古)における特殊権益(special Interests)を容認した。 アメリカ国内にくすぶっていた反対論を抑え込んででも協定を結ぶ必要があったのは、ドイツとの戦いのためには日本海軍の力が不可欠だったからである。

一九一八年十一月、ドイツは敗れた。まだ戦えないわけではなかったが、国内に蔓延した厭戦気分と共産主義者が暗躍したドイツ革命で内部から崩壊したのであった。一九一九年にはベルサイユ条約が締結された。ドイツの植民地は剥奪され、国家経済が立ち行かないほどの賠憤金を課せられた。こうしてドイツの軍事的脅威は消滅したのである。それはアメリカから、ドイツと日本に挟撃される安全保障上の最悪のシナリオが消えることを意味していた。

そのことは同時に対日外交に、もはや遠慮が要らなくなったことを意味した。ドイツの脅威がな くなった以上、有事の際は、大西洋艦隊までも何の憂いもなく太平洋に展開できるのである。十分 に日本の海軍力と対峙できた。大戦中は丁寧だった対日外交は当然に変化した。アメリカの本音を隠す必要はもはやなかった。日本を刺激しても構わない時代が到来したのである。

まず手始めに、アメリカの国際連盟加入問題をめぐる国内論争に日本が体よく使われた。アメリ力議会は連盟への加入にはあくまで反対であった。連盟に加盟すればアメリカの進めたい外交に箍がはめられる。そうなってはたまらないと考える議員は、加盟反対の理由に日本を「だし」につかった。そのロジックは日本人にとっては気分の悪いものだった。

「(連盟にアメリカは加入してはならない)。日本は連盟の場で必ず人種は平等であると主張する。 アメリカがメンバーになったら、やり込められる」(「日米開戦の人種的側面アメリカの反省1944 四六頁)

一九ニ〇年代はまさに「日本に遠慮ない外交」が展開できる環境が整った時代であった。ベルサイユ体制が構築されたことを受けて.連合国の関心は軍事費の削減にあった。建艦競争に歯止めをかけ、英仏兩国には巨額の戰時貸付金を返済してもらう必要がアメリカにはあった。

ワシントン軍縮会議が開かれたのは一九二一年末から二二年初頭のことである。この会議でもアメリ力は日本に遠慮しなかった。日本の外交暗号を完全に解読し、日本の戦艦保有量を対米英六割に押さえ込んだ。暗号の解読で日本の手の内を知り尽くしていた。日本はぎりぎり六割の譲歩まではすることが予めわかっていたのである。七割を主張する日本が反発しても気にする必要はもはやなかった。ドイツ海軍が無力化した以上、アメリカは、必要とあらば太平洋にすべての艦船を展開する余裕ができた。日本を怒らせてもかまうことはなかったのである。

P.138から141

活字の世界から現実の行動に移す場合には、

「合理的な疑いのない証明基準」を満たすことが要求される

ここまでの記述で明らかなように、歴史学の基本は「証拠の比較衡量」による記述である。ファーガソンのような歴史家と論争するためには、彼の解釈に疑義を生む証拠を提示したり、論拠とな っている証拠や証言の不自然さを指摘していく以外にない。

しかしファーガソンの描くような歴史観で実際の行動に移すとなると、そうはいかない。つまり、大虐殺記念館や「慰安婦」像なるものを作ったり、日本に謝罪や賠償を求める場合には「証拠の比較衡量」基準では不十分だ。より厳しい基準である「合理的な疑いのない証明基準」を満たすこと が必要なのである。

法律学ではこの二つの基準の存在は基礎知識に属する。「証拠の比較衡量基準」は民事事件に、 「合理的な疑いのない*明基準」は刑事事件に用いられるのである。要は、事が重大な場合には、 一つでも合理的な説明がつかない疑問があれば推定無罪だと考えるという法理論である。これは人間がこれまで積み上げてきた英知なのである。日本では歴史論争の場合にこのような基準を念頭にして議論することはほとんどない。しかしアメリカではこのような基準の存在は 一般人もよく知っていて、歴史論争にも援用される。

フランクリン•ルーズベルト大統領は参戦に反対する八〇パーセントの国民世論の前に身動きが とれなかった。そのため、日本を刺激することで真珠湾攻撃を仕掛けさせ、いわば“裏口”から米 国の参戦を実現させたとする歴史家も多い。こうした考えを「陰謀論」として否定し、そのような主張をする学者を「麽史修正主義者」と罵り,軽蔑するアメリカ歴史学会の主流に属する人々が、 「合理的な疑いのない証明基準」を使っているのである。

陰謀論者と言われる歴史学者の提示する証拠は極めて多く、確からしさも秘めている。証拠の提 示という観点からすれば、実は「陰謀論者」と貶められている歴史家のほうに軍配が上がりそうな のである。先に述べたように、フランクリン・ルーズベルト大統領の外交政策に対する見直しの機 運も出ているだけに、いわゆる主流派に属する歴史家はいま劣勢に陥っている。彼らが拠り所にするのが「合理的な疑いのない証明基準」なのである(この論文では詳細に立ち入らないが、その内容については『アメリカはいかにして日本を追い詰めたか』の解説の中で述べた)。

主流派の言い分は、「日本がどれほどル—ズベルト政権の経済制裁で苦しんでも、真珠湾を攻撃する必然性はない。石油が欲しいのであれば蘭印だけ攻撃すればよかった」「日本が真珠湾を攻撃してもルースペル卜にできることは対日戦争だけであり、本当の狙いと言われている対独戦争はできなかった。それができたのは、あくまでヒトラーが対米宣戦布告したからである」というニつの点に収束してきた。つまり、もはや「証拠の比較衡量基準|に立てば、歴史修正主義の歴史解釈のほうが確からしくなっている。そこで主流派は、新たな証拠の開示や歴史修正派の出した証拠への反論ではなく、「(現在のところ)合理的な説明がつかない疑問」(上記の二つの点)の提示に移行し修正派に対抗しているのである。

このようにアメリカ歴史学の主流派は「合理的な疑いのない証明基準」を当然のように利用する。 なぜこれを利用するのかと言えば、アメリカ大統領が真珠湾を無防備で攻撃させて自国の兵士を見殺しにしたのではないかという主張が極めてシリアスであるからだ。事が事であるからこそ、当 然になされるべき判断基準の変更なのである、上記に挙げた二つの合理的疑問に明確な答えが出るまで、ルーズベルトは“裏口”から対ドイツ戦争を仕掛けたという糾弾には推定無罪なのである。

南京事件も「慰安婦問題」も極めてシリアスな問題でかる。シリアスであるだけに、この問題の解釈と判断には「合理的な疑いのない証明基準」を用いるべきであると、アメリカの歴史家やジャーナリストに訴えるのは当然のことであり、彼らはそれに同意せざるを得ない。ここが極めて重要である。アメリカ側にどれほど確からしい証拠を提示しても、「証拠の比較衡量」基準で判断されれ ば、先に示したファーガソンやチアンのような結論になってしまうからである。したがって、歴史プロパガンダ戦争の基本は「シリアスな弾劾については『証拠の比較衡量』基準ではなく、『合理的な疑いのない証明』基準を適用すべきだ」というところから出発しなくてはならないのである。>(以上)

記事

Hillary in Nevada

米ネバダ州リノで行われた選挙集会で演説するクリントン前国務長官(2016年8月25日撮影)〔AFPBB News

2016年は「米二大政党制の終焉」の年?

2016年の米大統領選挙を後世の史家たちはどう論じるのだろう。

ヒラリー・クリントン前国務長官が大統領に選ばれれば当然、女性初の大統領を誕生させたエポックメーキングな年としてその意義を論ずるだろう。

建て前では男女同権を謳歌している米国。とは言え、女性が「ガラスの天井」(Glass Ceiling=女性の昇進を拒む目に見えない障壁)を突き破るのは至難の業だった。ましてや、陸海空三軍の最高司令官たる大統領の座を射止めることなどこれまで想像もつかなかった。

後世の史家がこの新時代を画する出来事を大げさに騒ぎ立てたとしても決しておかしくはない。

黒人大統領の8年の後、今度は女性大統領がこの多民族・多文化の大国を率いる。「建国の祖」たちが想像だにしなかったことが実際に起こりそうなのである。

ジョージ・ワシントン初代大統領以来、ジョージ・W・ブッシュ第43代大統領まで続いてきたいわゆる「WASP大統領」(米社会の主流とされるアングロサクソン系白人新教徒の大統領、*ジョン・F・ケネディ第35代大統領はカトリック教徒だが)が途絶えて早8年。

さらにこれから4年、計12年は「非男性WASP大統領」がホワイトハウスの主になりそうだ。

史家たちは当然、その理由を説明せねばならないだろう。<米国は名実ともに男女同権国家となった。「人種のるつぼ」はその多様性を確実なものにした>などと御託を並べ立てるのだろうか。

もう1つ、後世の史家が取り上げねばならないのは「共和党の衰退」についてだ。「米二大政党制の終焉」と説くものも現れるかもしれない。

ドナルド・トランプ氏は、共和党エスタブリッシュメント(既得権益勢力)の上下両院議員、州知事、さらには大統領経験者や重鎮、党内外の保守主義を標榜する名だたる学者、ジャーナリストから総スカンを食いながらも共和党大統領候補になった。吹き荒れた「トランプ旋風」を史家たちはどうとらえるのか。

共和党は、これまで民主党と政治理念と政策で論争を繰り返しながら、超大国を動かしてきた「二大政党制」の1つ。トランプ氏に乗っ取られた共和党は今後どうなるのか。どう再生させるのか。2016年は共和党にとっての「終焉の年」になるのか。従来からの米二大政党制にピリオッドを打つのか。

「トランプ性伝染病」に罹って死んだゾウ

正統派保守主義を標榜する歴史家のマックス・ブート氏は、ニューヨーク・タイムズ(2016年7月31日付)のコラムでこう嘆いている

「共和党はいつからこんな愚かな党(Stupid Party)になってしまったのか。ここ何十年愚かな党のふりをしていた。挙句の果て、本当に愚かな党になってしまった」

保守系大衆紙ニューヨーク・ディリー・ニューズ(2016年5月4日付け)はタブロイド版の第1面全ページを使って、GOP(共和党)のマスコットであるゾウが息絶え、棺桶に入れられている風刺漫画を掲載した。

漫画の見出しにはこう書かれている

「敬愛する諸君、『トランプ性伝染病』に患い、病死したる、偉大なる政党だった共和党の死を悼み、本日ここに集うものなり」

共和党はただ「愚かな党」な政党になり下がっただけではなく、息絶えてしまった。「なぜ、そんなことが起こってしまったのか」――後世の史家たちはその要因について侃々諤々論じることになるだろう。

「情報を管理する側」vs「情報に振り回される側」

著名なジャーナリストのジュリア・クライン氏は、現代社会を「パブリック・リレーション・ソサエティ』(PR社会)と呼んでいる。

「大統領は言うに及ばず、権力の座にあるものは情報化する社会では政治理念や政策を一般大衆に説明するよりも『パブリック・リレーション(情報を操作すること)』をいかに効果的に行うかに腐心している。票を得たり、支持を得るにはその方が手っ取り早いからである」

ここで言う「パブリック・リレーション(PR)」とは、日本語では「広報」「PR」と訳されている、例えて言えば、市役所の広報、企業のPRとはニュアンスが違う。

読んで字のごとく「パブリック」(公共)との「リレーション」(関係)だ。

クライン氏によれば、PRとは権力の座にあるもの(大統領であり、大企業の経営者であるエスタブリッシュメント)と公共・一般大衆との関係であり、前者にとっては、自らに有利な情報をコントロールし、発信、さらに一歩進んでそれによって世論を操作するのがPRだというわけだ。

民主主義体制の下でPRは必要不可欠な存在と言える。その「PR社会」で米大統領、そして大統領を目指す候補者たちはどのような行動を取ってきたのだろうか。

情報管理・操作に躍起となってきた歴代大統領たち

今回、紹介する本は、近代政治史に登場する歴代大統領の情報操作の手口を膨大な史料と生存する関係者とのインタビューを基に明らかにしている。

著者は、ジャーナリスト兼政治学者の二足の草鞋を履く当代指折りのメディア研究家、ディビッド・グリーンバーグ博士(ラトガーズ大学教授)だ。

名門イエール大学を経て、コロンビア大学大学院で政治学博士号を取得。大学時代には「ウォーターゲート事件」で名をはせたワシントン・ポストのボブ・ウッドワード氏の助手を務め、調査報道の極意を会得したという。

その後、高級誌「ニュー・リパブリック」記者を経て編集長を歴任、そのかたわらラトガーズ大学で教鞭を執っている。

2003年には出世作となった「ニクソンの化身」(Nixon’s Image)を上梓、2006年には「クーリッジ第30代大統領についての落書き」(Presidential Doodle: Calvin Coolidge、2006年)を著している。

Republic of SPIN

Republic of Spin–An Inside History of The American Presidency (リパブリック・オブ・スピン:米歴代大統領の情報操作の舞台裏) By David Greenberg W.W. Norton & Company, 2016

本書では、セオドア・ルーズベルト第26代大統領以降の歴代大統領たちがどのように情報を管理し、発信し、世論操作してきたか、その実態に迫っている。

大統領の世論操作活動は大統領やその側近たちだけで行われているわけではない。手足となって動く裏方の数は計り知れない。時として、部外のメディア関係者まで巻き込んで行われる。

「近代における歴代大統領は世論との間に暗渠(Channel)を構築し、距離を保つ。そのうえで自らに有利な情報を溝の向こう側へ発信する」

「メディアを媒体に国民に届いた情報により世論を誘導する。歴代大統領はこのことに腐心してきた。その背後には多くの裏方が蠢いていた」

大統領のスピーチ、記者会見での想定問答、メディアとのインタビューでの発言、プレスリリース(記者向け配布資料)はすべて裏方(補佐官やスピーチライター)によって草案が書かれ、大統領が読み上げる際には最大の効果を狙ってアレンジされ、振りつけられてきた。

部外の記者が草稿したトルーマンの「広島原爆投下演説」

著者は日本人には特に関心のある広島原爆投下直後のハリー・トルーマン第33代大統領の演説(日本時間1945年8月6日)をめぐる以下のようなインサイド・ストーリーを書いている。

「ルーズベルト大統領の死を受けて急遽、副大統領から大統領に昇格したトルーマン氏がマンハッタン計画(原子爆弾開発計画)について知らされたのは就任直後だった」

「ルーズベルト大統領が陸軍長官に任命したヘンリー・スティムソン氏はトルーマン政権でも留任、原子爆弾に関する最高司令官を務めていた。スティムソン長官は側近のアーサー・ページ氏を陸軍省パブリック・リレーション局長に据えた」

「原爆投下後、原爆については全く知らない米国民と世界に大統領がどのように説明するか、最大のアジェンダに取り組ませるためだった」

「そのページ局長が、大統領の演説作成で白羽の矢を立てたのはニューヨーク・タイムズのウィリアム・ローレンス記者だった。ロスアラモスのトリニティ・サイトで極秘に行われた原爆実験を取材させた唯一の記者だった」

「ローレンス記者が書いた最初の草稿について、『冗長すぎる』と批判したのはマンハッタン計画チームのジェームズ・コナン・ハーバード大学長だった。ローレンス記者は書き直しを命じられた」

「ポツダム会談を終え帰路を急いでいたトルーマン大統領が米艦オーガスタのキャビン上で読み上げた広島演説は部外のジャーナリストの手によるものだった」

「我々が原子爆弾を使用した理由は、戦争の災禍を早く終わらせるためであり、幾千万もの若き米国人の生命を救うためである」

71年経った今も米国人の56%が原爆投下を正当化する論拠しているトルーマン演説。権力者が部外者に書かせた情報操作の賜物である。

歴代大統領は世論操作の一環として国民との心理的距離を縮める工作に力を入れた。

ドワイト・アイゼンハワー第34代大統領は閣議室にテレビカメラを入れ、そこでインタビューに応じた。閣議室が国民に公開されたのはこれが初めてだった。

ジョン・F・ケネディ第35代大統領は大統領執務室にカメラを入れさせた最初の大統領だった。

著者によれば、近年、こうした大統領による情報発信、世論操作の形式に大きな変化が生じたという。

これまで世論操作の手段として大統領が行ってきたスピーチや記者会見よりもSNSのツィッターやフェイスブックの方が手っ取り早くなってきたからだ。

バラク・オバマ氏の選挙戦略は明らかにネットを行使した新たなものだったし、2016年大統領選の民主党予備選でクリントン候補を追い詰めたバーニー・サンダース上院議員の武器はネットによる若年層への浸透だった。

功を奏したトランプのツィッター戦術

スピーチライターも原稿草稿もいらない選挙戦を展開してきたのは、トランプ氏だった。トランプ氏にとってはツィッターは強力かつ唯一の情報発信手段だった。

トランプ氏が注目を集める発言はツィッターから発信された。元々トランプ氏は記者会見を最も嫌う。当初はインタビューすら避けた。演説などは数えただけで1、2回。つまり政治理念なり政策を理論だてて話せないのだ。

「メキシコ系不法移民はレイプ常習犯」「メキシコ国境の壁を作る」「イスラム教徒入国禁止」などなど――捨て台詞的発言はすべてツィッターから発信された。それをテレビと新聞が後追いした。「捨て台詞」はニュースになり、駆け巡った。こんな大統領候補はこれまでにいなかった。

極論だが、もしツィッターが存在しなければ、2016年の米大統領選は今とは異なる展開になっていたかもしれない。

共和党エスタブリッシュメントが推す候補者たちは、各州党支部や後援団体による旧態依然とした選挙戦略を踏襲していた。場所によっては候補者が一軒一軒個別訪問する「どぶ板作戦」を展開する候補者もいた。ツィッター力を過小評価していたのだ。

好例は、本命視されていたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事だった。

共和党エスタブリッシュメントがブッシュ候補を諦め、乗り換えたマルコ・ルビオ、テッド・クルーズ両上院議員もトランプ氏のツィッター戦術を抑え込むことはできなかった。

本選を70日後に控え、盤石の構えを見せるクリントン氏の知力、行政力を前にトランプ氏のツィッター作戦はどこまで通用するのか。やや陰りが見え始めた。

ちなみに本書のタイトル、「Republic of Spin」のSpinは、元々「紡ぐ」という意味だが、そこから「回す」「急回転させる」、「混乱させる」「騙す」「欺く」といった意味合いを持つ言葉として使われてきた。

「情報操作する」というニュアンスで表現したのは著名な保守派コラムニストのウィリアム・サファイア記者だった。

時の施政者がスピン(Spin)しているのは何も米大統領や大統領候補だけではない。安定政権を謳歌する安倍晋三内閣総理大臣もその1人である。

一般大衆がリオ五輪に夢中になっている最中、その閉会式でコンピューターゲームの人気キャラクター「スーパー・マリオ」に扮して登場した。

「安倍首相の見事なPR作戦だった。米大統領は安倍さんの爪の垢でも煎じて飲むべきだ」(米主要シンクタンク研究員)という声すら聞いた。現にその直後の安倍政権の支持率は急上昇している。

情報の受け手は、「ジャーナリズムには限界がある」(鳥越俊太郎・都知事選候補)などとうそぶいている暇などないはず。警戒の上にも警戒を怠らぬ必要がある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『“歴史に名を残す”ために尖閣を狙う習近平 「中華民族の偉大な復興」のための3つの課題とは』(9/1 JBプレス 阿部純一)について

本記事中にありますように、中共帝国の領土的野心は(1)台湾回収(事実は違います。台湾不是中国的一部份、台湾就是台湾・中国就是中国です。華僑の末裔で成るシンガポールを中国の一部とは言わないでしょう。中国人の蒋介石が台湾に逃げ込んだだけです)(2)南シナ海の内海化(3)尖閣回収で、以前言われていましたのは尖閣より台湾を先に取りに行こうとするだろうというもの。毛VS蒋が戦争した因縁で、鄧小平が台湾回収を遺言として残しましたから。それが戦争及び休戦しやすい観点から(3)尖閣回収が第一に来ると言うものです。確かに、日本は憲法9条の制約はありますが、自衛権は否定していません。中国が侵略行為をすれば、自動的に自衛権行使=参戦となります。福田赳夫が日本赤軍のダッカ・ハイジャック事件の際には、超法規的措置もやりました。制約は制約であって、現実にできないという事ではありません。憲法守って国滅ぶなんてまともな日本人だったら誰も望まないでしょう。本記事中の米中が事前に擦り合わせて尖閣攻撃をするというのも可能性としては低いのでは。同盟を裏切ることになり、世界で米国を視る眼が変わります。確かにルトワックも「無人の小さな島に米軍の若い命を差し出すことはできない」と言っていますから、日本単独で当初は戦わないといけないと思います。日本国民には「自分の国は自分で守る」覚悟を持ち、自衛隊員を督励し、身分保障もして、自衛隊に協力しませんと。米国も強襲揚陸艦を尖閣周辺に配備しましたのは中国の狙いを見透かしたからではと思います。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160831/frn1608311140001-n1.htm

9/1放送 DHCシアター「真相深入り!虎ノ門ニュース」で、青山繁晴氏は「中国は東シナ海のメタンハイドレートも狙っている」との記事もありました。(ブログ「ぼやきくっくり」から転載)。利に敏いというか、日本が余りにボヤボヤし過ぎているのでしょうけど。官僚が劣化し過ぎです。特に財務省と外務省。戦後の日本を悪くしてきたA級戦犯です。しかしまあ、中国と言うのは、如何に自分勝手な連中か分かるというもの。彼らが狙っているのは尖閣だけではありません。太平洋の西半分、次には世界制覇です。どこかで止めねばなりません。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1938.html

古くなりますが、8/26中国時報の記事を紹介します。麗澤大学の図書館で撮ったものです。

Cai's approval rate

5/20蔡英文・台湾総統が就任して100日目で、支持と不支持が拮抗してきたというもの。日本や欧米のメデイアと同じく偏った記事と思います。台湾は「自由時報」以外、国民党系ですから。「中国時報」は中国に進出して菓子大手となっている旺旺集団傘下です。民進党を良く書くはずがありません。アンケート統計も誤魔化しが入っているのでは。

Cai's approval rate about China relationship

表題で分かる通り「両岸の関係が冷却したため、57%が米・日と連携して大陸に対抗することに反対」とあります。まあ、外省人でしょうね。台湾に住んでも中国人としての心根は変わりません。平気で捏造します。

Fukuhara Ai's marriage

こちらは柔らかく、福原愛ちゃんと台湾人の江宏傑氏との結婚の行方です。日本の「女性自身」の記事を引用していますので、どれだけ正確かは分かりません。日本の卓球協会が福原の結婚を禁止しているとのこと。東京オリンピックでも活躍してほしいからとのことですが、業務でもあるまいし、かつ芸能人でもないので、禁婚とはおかしな話です。

http://www.nikkei.com/article/DGXMZO06743660R00C16A9000000/

記事

Xi's parade at Tian'anmen

中国・北京の天安門広場で行われた軍事パレードで、車から部隊を視察する習近平国家主席(2015年9月3日撮影、資料写真)。(c)AFP/GREG BAKER〔AFPBB News

8月上旬、尖閣諸島海域で中国の大量の漁船、公船が領海侵犯を繰り返した。1カ月後の9月4~5日に、今年の中国における最大の外交イベントとなる杭州でのG20開催を控えて、外交が大事であるならやるべきでないことを中国は平気でやってのけた。

この時期、中国では「北戴河会議」と呼ばれる夏休みを利用した避暑地での非公式会議が行われ、そこでもG20の成功裏の開催に向けた調整がなされたことはまず間違いない。それにもかかわらず、中国は日中関係をいたずらに緊張させる行動をこの時期に起こしたのである。

7月に常設仲裁裁判所は南シナ海問題に関する中国側の主張を退ける裁決を下した。尖閣諸島海域での挑発的な行動は「裁決の背後に日本の策謀があった」と言いがかりをつけた中国による「逆ギレ」対応とする見方もできる。

だが、中国海軍の最近の動き、例えば6月の尖閣諸島接続水域でのウラジオストクに帰還するロシア艦隊との連携行動や、中国海軍艦船の「無害航行」を口実にした口永良部島付近の航行などの延長で考えれば、様々なやり方で日本側の対応を試していることが分かる。

つまり、8月の尖閣海域での行動も、中国にとっては長期的な尖閣諸島奪取のための準備行動と見ることができるのである。そこには「軍の忠誠」を確保したい習近平がそれを黙認し、軍より格下の外交部は文句をつけることもできないという背景が想像できる。

威信を保つために汲々とする習近平

なぜそういった見方ができるのか。基本的な部分から論じると、1年後の来年秋に中国は第19回中国共産党大会を控えている。5年に一度の開催であり、習近平にとっては政権基盤をより強固なものにするチャンスである。

習近平は2012年の第18回党大会で政権の座について以来、江沢民派排除の権力闘争と連動した反腐敗キャンペーンで権力固めに邁進してきた。江沢民派が影響力を残す党中央政治局常務委員会のこれまでのやり方であった「集団指導体制」を形骸化させ、多くの中央領導小組を作り、自分がトップを務めることで意思決定の「独占」を図ってきた。

そして歴代のトップ指導者が手を付けられないできた人民解放軍の機構改革にも大胆に取り組み、強力な指導力を内外に見せつけてきた。

党内には、習近平に正面から異を唱える人物も見当たらない。その意味で言えば、習近平はすでに党大会に向けて万全の態勢を整えていると言ってもいいのかもしれない。

しかし、その一方で反腐敗キャンペーンは多くの敵を作っているはずであり、習近平に対する暗殺の可能性さえ語られている。腐敗撲滅に合わせて施行された過度な倹約令は公務員の活動を萎縮させてもいる。習近平が言論統制を強化しているのは、「党の権威を守る」ためというよりも政権批判を封じ込めるためである。いかに自分の威信を保つかに、習近平は汲々としているのである。

政権の実績は「反腐敗」だけ

さらに別の観点から見ると、習近平政権の底の浅さが分かる。習近平は、「中華民族の偉大な復興」という「中国の夢」を国家的スローガンとして掲げてきた。それから4年が経過したが、習近平は成果らしきものを何ら実現していない。

中国は胡錦濤時代の2010年に経済規模で日本を抜き、米国に次ぐ存在になった。しかし、習近平時代になって国内経済は成長鈍化を続け、過剰生産能力の削減や赤字を垂れ流し続ける国有の「ゾンビ企業」排除に四苦八苦している。地方を中心とした公的債務の増大も危険視されている。一時期脚光を浴びた習近平の世界戦略である「一帯一路」(陸路のシルクロード経済ベルトと海路の21世紀海上シルクロード)も最近ではトーンダウンの印象がある。

対外関係については目も当てられない状況となっている。とりわけ習近平が重視しているとされる周辺諸国との関係で言えば、内陸の中央アジア方面は別として、北朝鮮、韓国、日本、フィリピン、ベトナムという東シナ海から南シナ海にかけての近隣諸国との関係はことごとく悪化している。

それもすべて中国の対応が原因となっている。北朝鮮の核開発や弾道ミサイル実験に有効な制裁策が取れず、北朝鮮のミサイル脅威に対抗するために韓国が米国の提案する終末高高度ミサイル防衛システム(THAAD)の在韓米軍への配備決定に同意したら、それが中国の安全利益を脅かすとして強硬に反対し、フィリピンが提訴した南シナ海仲裁裁判では裁定を断固拒否し、国連安保理常任理事国としてはあるまじき国際法廷軽視の態度を取ってきた。もちろん、南シナ海における「航行の自由」を掲げる米国との関係も悪化している。

このように内憂外患が深刻化する状況にあって、習近平が局面打開を切実に望んでいるとすれば、来年の党大会に臨むに当たり、「歴史に名を残す」実績が欲しいのではないか。

厳しい見方をすれば、習近平時代になって権力の集中は進んだものの、政権としての実績は「反腐敗」以外見るべきものがないのが実状だ。習近平自身の求心力を高め、自分の意のままに党大会を乗り切り、盤石の体制を作り上げ、あわよくば政治局常務委員の定年制を改定し政権3期目を目指すとすれば、ぜひとも国を挙げて拍手喝采を受ける成果を上げたいはずだ。

3つの課題の中で最も実行しやすい「尖閣回収」

その文脈で言えば、習近平が掲げる「中華民族の偉大な復興」は、「失われた領土主権の回復」に絡んだ次の3つの課題実現と考えていいだろう。第1に「台湾統一」、第2に「南シナ海の『中国の内海』化」、第3に「尖閣(釣魚島)回収」である。

もちろん、これらを同時に実現することなど不可能だろう。中国革命を完結させる「台湾統一」はますます困難の度を高め、「現状維持」がやっと、という状況にある。オプションとして「武力統一」は残されているものの、それが中国にもたらす国際的ダメージは計り知れない。台湾内部では、自らを「中国人ではなく台湾人だ」と認識する台湾人アイデンティティーの高まりは不可逆的なものであり、「事実上の独立国」だと認識する台湾人が常態化している現実を中国は直視する必要がある。

「南シナ海の『中国の内海』化」は、中国にとってはミサイル原潜を遊弋させるための聖域確保という戦略的要請が背後にあるが、人工島建設など強引な実効支配の拡大は国際的な批判を招いてきた。国際法を軽視する言動とあいまって、南シナ海問題であまりに対中懸念を高めてしまったため、しばらくは習近平政権として強硬策は取りづらいだろう。

問題は「尖閣(釣魚島)回収」である。前ニ者と比べ、中国側にもたらす利益は小さい。しかし、日中国交正常化以来の懸案を「解決」したという実績は大きい。中国の一般民衆が「釣魚島は中国のものだ」と信じて疑わない現実に照らせば、「尖閣(釣魚島)回収」の国内的な政治効果はとてつもなく大きいことは間違いない。しかも、ここ1年以内に実行が可能であることも指摘しておくべきだろう。

そうであるとすれば、これは習近平政権にとって実行する価値があることになる。

尖閣危機は十分に「起こりうる危機」

ただし、当然ながらリスクを伴う。最大のリスクは、回収に失敗することである。失敗すれば、場合によっては習近平の政治生命に関わるだろう。

尖閣海域を含む東シナ海での中国海軍の行動が「尖閣(釣魚島)回収」のための準備であるとすれば、日本側の反応を探ることでリスクを最小化するための努力の一環であることは間違いない。

また、中国にとってもう1つ重要なのは、米国と話をつけ、米中戦争にエスカレートさせるのはお互いの利益とならないことを説得し、事態を極限化することを条件に米国から暗黙の了解を得ることである。米国は尖閣諸島を日米安保条約の適用範囲内であるとしてきたが、実際に尖閣有事となった場合、無人の島を守るために米軍がわざわざ介入することも考えにくい。米国に話をつけ、「口先介入」に留めることができれば中国側のリスクはクリアできる。

米国と話をつけるならば、事を起こす直前となるはずだが、年内に日中韓首脳会談の日本開催が実現しそうな状況下で中国が事を起こすのは可能性として大きくはないだろう。しかし、11月の米大統領選挙で誰が当選しようが、来年1月下旬の大統領就任から政府高官の人事が固まり切るまでにおよそ半年かかる。米国の新政権が意思決定しづらいこの時期が中国に取ってのチャンスかもしれない。

実際の回収作戦がどのような形になるかは分からないが、きわめて短期間の局地戦で中国が勝利し、兵員を上陸させ実効支配態勢を取り、尖閣諸島上空の制空権を確保できれば「中国の勝利」ということになる。いかに海上自衛隊が精強であっても、作戦の時間と場所を自分で設定できる先制攻撃が中国を優位に立たせることは間違いない。

唯一、有効な対応策があるとすれば、それは「自衛隊の尖閣諸島常駐」しかないかもしれない。しかし、そこから生じる政治・外交的リスクは、「中国に尖閣諸島攻撃の口実を与える」ことも含め、きわめて高いものとなることを覚悟しなければならないだろう。

上記のことを杞憂だと考えるのはその人の自由だ。しかし、世界各地で無秩序化が進む中で、「考えられないことが起こる」事態でさえも備えなければならない。いや、尖閣危機は十分考えられる「起こりうる危機」だと肝に銘じる必要がある。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『G20で中国は「外交的勝利」を得るのか あるいは主要国は中国の「野望」を封じ込められるのか』(8/31日経ビジネスオンライン 福島香織)、『王毅外相の微笑と言い訳の落差  編集委員 中沢克二』(8/31日経)について

日本はホスト国への礼儀として、東シナ海や南シナ海を取り上げないとしたのでしょう。王毅の首とは関係ありません。9/1日経には「米印、南シナ海問題で中国けん制 G20控え」とありましたが、流石に米国もホスト国の習の顔に泥を塗ることはないでしょう。それができるオバマでしたら、とっくに中国に経済制裁か海上封鎖しています。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H4Q_R30C16A8FF1000/

G20では成果が出ないから中国は温暖化対策を目玉にしようとしています。CO2排出量の多い米中2大国がやっとパリ協定に批准するようです。我儘大国2国の行動が少しはまともになると期待したいですが、中国はお得意の数字を改竄した報告をするのではと思っています。

http://www.sankei.com/world/news/160827/wor1608270020-n1.html

8/30にはキルギスで中国大使館向けに自爆テロが引き起こされました。漢人のウイグル人弾圧の凄まじさはムスリムであれば承知の所です。犯人はウイグル人なのかキルギス人か、或はISから流れて来た人間かは今の所、不明です。中国の言う「一帯」が危なかしいというのを世界に印象付けたと思います。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160831/frn1608311206006-n1.htm

そう言う中で、AIIBにカナダも参加するとのこと。損しないと分からないのですね。中国はどうせ帳簿もいい加減につけるでしょう。外国人は中国国内では3重帳簿が当たり前というのを知らなさすぎです。投資運用先としては失敗に終わるのでは。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM31H3T_R30C16A8FF2000/

中国の嘘が少しずつ暴かれて言っています。8/31産経ニュース「習近平氏が「日本の暴行暴いた」と称賛した英国人記者、「南京事件」の現場に居合せず 在職記録もなし」の記事です。如何に彼ら(韓国人もですが)は平気で嘘がつけるかです。彼らの主張と日本人の主張とどちらが正しいかは生活態度を見ていれば分かるはずです。戦後GHQの洗脳で、日教組や偏向マスコミの言い分を刷り込みさせられてきましたが、いい加減目を覚ますべきです。情報弱者では正しい判断はできません。ネットの中味は玉石混交ですが、良い情報が沢山タダで手に入ります。佐藤優は「米・情報将校の言うのに『機密情報の98%は公開情報から得られる』と。」言っていました。主体的に情報を得る努力をしませんと。

http://www.sankei.com/politics/news/160831/plt1608310011-n1.html

古いですが、レコードチャイナの記事です。中国人は「北海道は日本の領土じゃない!中国ネットの主張に「北海道が日本から独立することを望む」「北海道も沖縄も日本の領土ではなく、独立国家だ!」と言いだしているとのことです。遅れて来た帝国主義国です。21世紀にありながら、領土的野心を隠そうともしません。沖縄も北海道も独立後、中国が吸収、本土も然る後中国領とするつもりでしょう。植民地獲得競争は第二次大戦後の独立運動で幕を閉じました。時代錯誤も甚だしい。米・露ですら直接侵略は控えています(ウクライナ問題は米国の東方進出しないという約束破りが原因)。

http://www.recordchina.co.jp/a143324.html

福島記事

conferential place at G20

G20が開催される会議場。中国は「外交的勝利」に向けて準備を進めているが、その行方やいかに(写真:ロイター/アフロ)

来月早々に浙江省杭州市でG20サミットが開催され、主要20カ国・地域の首脳が一堂に会する。このサミットを仕切るのは習近平国家主席であり、2014年の北京APEC以来の大国際イベントとして相当気合が入っている。

「非難の嵐」は回避、伊勢志摩G7より盛大に

目下の中国の報道や専門家の発言をみると、最大の懸案であった「G20サミットの場で南シナ海のハーグ国際仲裁裁判所裁定を持ち出されて参加国から非難の嵐」という事態は、先に行われた日中韓外相会談での年内日中韓首脳会談実現、国連安保理の北朝鮮非難声明にもったいぶった末に同調したことへのバーターとして、避けられる見通しになったようだ。

共同通信や毎日新聞の日本報道を引用して、中国側は日本がG20で南シナ海や東シナ海の問題に触れないと決定した、と報じている。これは中国側にしてみれば、安倍に妥協させたという外交勝利であり、それを引き出した王毅外相は来年の2017年秋の党大会前になんとか首の皮一枚つながったという感じではないだろうか。南シナ海のハーグ裁定が出た後のASEAN外相会合をはじめ国際会議において中国が自分に対する非難を封じ込めた外交手腕もさすがというべきだろう。

とりあえず最大の懸念が抑え込めたという感触をもっている中国は、この習近平政権2回目の大国際政治イベントをいかに完璧に成功させるか、ということに全精力を注いでいるといった様子である。少なくとも、5月末に行われた日本がホスト国となったG7伊勢志摩サミットよりも盛大に、成功したという印象を国際社会に与えなければならないという強い意欲が感じられる。どういった下準備をしているのか、中国内外での報道をもとに整理しておこう。

G20サミットの運営準備で、一番力をいれているのは治安維持である。各国首脳が集まるのだからテロの標的にされる可能性もあるし、習近平自身が恐れているのは中国国内のアンチ習近平勢力による暗殺だろう。また、社会不満を抱えている中国庶民による陳情や抗議デモを各国首脳の前でやられて習近平のメンツがつぶされることも絶対さけねばならない。

杭州市民は強制旅行、ウイグル料理店は営業停止か

このため、とにかく会場近くから一般庶民を遠ざけることが重要で、杭州市民には一週間の長期休暇が出され、無料の航空券などが配られて、ほぼ強制的に旅行に行かされることになった。また杭州市周辺のリゾート地や景勝地のホテルなどは値下げが命じられ、そうした市内から追い出された杭州市民の旅行者を積極的に受け入れるよう通達が出されているという。

一方で杭州および広州など周辺の都市の安価なホテルではテロ対策として、9月からアフガニスタン、パキスタン、トルコ、イラク、シリアの5カ国からの旅行客の宿泊を受け入れないように通達がでているようだ。香港英字紙サウスチャイナモーニングポストが広州の関係筋の話として報じている。

サミット会期中は、学校は休み、スーパーなども休業体制にはいり、レストランやタクシーの営業も大きく制限されている。特にウイグル料理の店は営業停止命令が出され、門は施錠するように通達されているとか。また営業自体は許可されている有名飲食店も、食材運搬車が交通規制によって入れないので極端に品薄になったり、休業がやむを得ない店も多い。

G20会場周辺の老朽家屋は見栄えと治安維持のために突如取り壊され、住民の抵抗運動もおきた。ナンバープレートを偶数・奇数にわけた乗用車の使用制限もとられ、少なくともサミット期間は市内で正常な市民生活を送ることは困難となっている。市民はこの時期は市内から脱出するか、あるいは食糧を買い込んで自宅に引きこもるかどちらかである。

また北京APECのときと同じように青空演出は絶対とされ、8月下旬から杭州のある浙江省ほか安徽省、江蘇省、江西省、上海市、山東省でも数百工場の操業停止、操業制限がかかっている。とくに長江沿岸の石油精錬工場の操業制限は夏の洪水被害とも重なって中国の石油業界に大打撃を与えるとみられている。

テロ対策を徹底、元の国際化をアピール

浙江省はキリスト教徒の多い地域だが、宗教活動家が外国からの賓客の目に触れないように教会の一時閉鎖も通達されている。7月から28000人の警官を省外から増員してサミット警備に当てるほか、80万人の治安維持要員が市内各地に配置される。上海では27日、近年最大規模の反テロ総合演習が行われ、G20の治安維持準備をアピールした。

8月20日以降、杭州市のG20会場近くに百以上の装甲車、戦車まで配備され、一部報道によれば、中国当局が東トルキスタン独立勢力がG20をターゲットに破壊工作を準備しているという情報をつかんだため、過去に例をみない大規模対テロ配備を指示しているとか。

東部戦区には一級戒備令が出ており、少なくとも武装警察機動師団二師団が杭州市内で三重、市外で三重に配備されており、正規軍の精鋭部隊も出ているという。空軍および戦略ミサイル軍が杭州防衛体制に入り、また下水道からの侵入などを防ぐために鉄柵がすでに設けられている。一部では、テロ対策というのは表向きで、G20の機会を借りて、習近平が軍制改革後の作戦運営を念頭に置きながら、部隊の演習を行っているのではないか、とまでいわれている。

市民にしてみればとんだ迷惑なG20だが、中国がこのG20で期待する成果は少なくない。

一つはこのサミット開幕直前に世界銀行が、上海に拠点を置く銀行を引受先としてIMFの仮想通貨SDRに基づく債権を発行することで、このG20で人民元の国際化推進がアピールできるという点だ。

この債券は3年が満期でドル換算で7億ドルに相当する5億SDR。今年10月から5番目の通貨として人民元のSDR入りが予定されており、償還時のSDR価値は人民元を加えた5通貨で計算されることになる。このタイミングの世銀の中国向けSDR発行は米国の杭州サミットに対する祝砲、と言う風に中国サイドは受け取っており、南シナ海で険悪化した米中関係の改善のシグナルという見方もある。

G20では、人民元のSDR市場に対する戦略的意義なども討論のテーマになるとみられている。中国がこの場を借りてIMF改革の推進を呼びかけ、中国がグローバル金融の監督管理システムに一層食い込もうとするのではないか、とみられている。

また中国が推進する「グリーン金融」も新たなG20のテーマとして注目されている。

グリーン金融(緑色金融)とは、環境問題克服のための金融活動のことであり、特に環境保護と生産過剰産業の再編成という中国の重要な内政課題を、国際金融機関によるグリーンボンドなどの発行によって解決していく方法論だ。

グリーン金融、BIT、多極外交

中国自身がすでに年初に1200億元のグリーンボンドを発行しているが、グリーンボンド市場のリスク分析や管理の在り方の研究が重要になってくる。このグリーンボンド市場開拓によって事実上、暗礁に乗り上げているアジアインフラ投資銀行(AIIB)にてこ入れしたいと考えているのが、うっかりAIIBに加盟してしまった英国で、グリーンボンド市場開拓に積極的のようだ。

中国の環境問題は、国内の鉄鋼などの過剰生産産業の構造改革とも深く関係しているが、この過剰生産の建築材などを消費する目的などもあって、習近平政権は一帯一路構想(陸のシルクロードと海のシルクロード経済一体化構想)をぶち上げた。その資金調達機能を期待して創設されたのがAIIB、新開発銀行(BRICS銀行)、シルクロード基金などだが、現在のところほとんど機能していない。G20の場で、こうした中国主導の国際金融機関を再度軌道に乗せるための金融協調提案などが行われるとみられている。

中国が打ち出したいもう一つのテーマは、貿易投資協定だ。特に2008年から交渉が始まり、その後リーマンショック問題で長らく中断していた、米中投資協定(BIT)の締結にむけた動きが期待されている。TPPの先行きに黄信号がともっている一方で、米国のBITに対する期待の重みが変わってきている、というのが中国サイドの受け止め方だ。

中国の報道をみていると、あたかも中国が外交力によって、南シナ海問題を言い出そうとする日米を封じこめ、自国に有利なようにG20のおぜん立てをしているかのように見える。あるいはG20後は従来の全方位敵対外交を改め、鄧小平時代以来の多極外交に路線を戻すかのようなそぶりで各国の態度軟化を引き出しているようにも見える。国際社会の方でも、今の全世界的経済不況の突破口として中国の役割に依然期待する向きは少なくないようだ。

だが、本当に今の状態を中国の外交的勝利の結果とみるかどうかは、もう少し俯瞰してみる必要があるかもしれない。

実際のところ、韓国のTHAADミサイル導入は決定事項であり、これは明らかに中国の外交的敗北であった。南シナ海のハーグ判決も中国の外交的失策だとして習近平は北戴河会議で相当立場を悪くしたようだ。

豪英の中国離れ、日本の有効打、いかに対するか

また従来、親中政策をとっていた英国、オーストラリア両国がにわかに中国と距離をとり始めたのも事実だ。オーストラリアは100億豪ドル規模の通信網構築プロジェクトの国際競争入札に中国企業の参入を拒否したし、英国は中国の投資による原発新設計画の再検討を発表した。

さらに、日本については、東シナ海尖閣周辺の漁船大量来襲という恫喝を受けて、防衛大臣の8月15日靖国神社参拝を回避させるなど、いかにも中国に譲歩したように見せかけてはいるが、米国報道官にこのタイミングで「尖閣諸島に対する日本の施政権を傷つけようとするいかなる一方的行動についても米国は反対する」といった発言をさせたことは、安倍政権の対米外交の一つの成果ではなかったかと思う。

あれほど蜜月ぶりを見せつけていた中韓の決裂を決定的にしたのが2015年12月の日韓合意であるし、ナイロビの第6回アフリカ開発会議(TICAD6)で示した対アフリカ新戦略など心底中国の嫌がることを丁寧にやっている。

中国側は、伊勢志摩サミットの機会に広島の平和記念公園を訪問し献花したオバマ米大統領に、G20の機会に南京大虐殺記念館への参観を再三要望していたが、これをオバマがきっぱり拒否したのも“安倍のせい”と悔しがっていると、現地の記者から聞いた。中国側は結局、9月3日の反ファシズム・抗日戦争勝利記念日の公式行事を見送った。建前は国際協調をアピールする、ということらしいが、それなりに日本に対しても配慮を迫られている、と解釈してもいいだろう。

世界の枠組みが大きく変わろうという今の時代で、誰が外交勝利者となるのか、まだわからない。G20の行方は、その一つの指標になるかもしれない。本当に中国が予想するように、南シナ海や東シナ海の問題に一切触れず、中国の思惑どおり人民元の国際通貨化がG20の協力によって後押しされ、AIIBや一帯一路が軌道に乗り、中国の外交勝利が確認されるのか。あるいは日米外交の成果によって、従来の中国の全方位的敵対外交が封じ込められ、多極協調路線に転換していかざるを得なくなるのか。

これだけ中国地元民と経済に犠牲を強いて行われる国際政治イベントなのだから、少なくとも習近平の自己顕示だけで終わらずに、きちんと外交的経済的成果が打ち出されることを私も願っている。

中沢記事

中国国家主席、習近平の下で外相に就任して3年半。駐日大使を務めた「知日派」の王毅が8月末、初めて来日した。その表情には大きな変化があった。4月末、北京で外相の岸田文雄と会談した際は“大国”の外交担当者とも思えぬけんまくでかみついたが、今回はまったく違った。

8月24日、王毅は日中外相会談の冒頭撮影時こそ表情を崩さなかったものの、終了後に日本の記者団らの質問に答えた時は、初めから表情は柔和。微笑さえたたえていた。

■全てG20のため、国営テレビも王毅の微笑放映

注目すべきは、この王毅の“ぶら下がり”記者会見での微笑は、中国国内でも放送された事実だ。国営の中国中央テレビのニュース番組やインターネットニュースである。見出しが極めて面白い。

Kishida,Wang,Yun

日中韓外相会談の冒頭、撮影に応じる(左から)中国の王毅外相、岸田文雄外相、韓国の尹炳世外相(8月24日、東京都港区の飯倉公館)

杭州20カ国・地域(G20)首脳会議の準備は全て順調――。

驚くことに、王毅来日、日中外相会談、日中韓外相会談がメーンのニュースではない。王毅が日本の記者団を前に「G20の準備は整っている」と微笑をたたえて答えた部分を放映したのだ。

この場で王毅は、日中間の懸案である偶発的衝突を防止する「海空連絡メカニズム」の協議が前進した事実にも触れた。そして、小さな問題は残っているものの早期に合意できる、との見通しまで示した。この重要ニュースを中国国営テレビは伝えていない。

ここに中国側の意図が透ける。王毅来日は、政治的には全て9月4、5日のG20首脳会議のためなのだ。大きな使命は、習近平の晴れの舞台となる杭州G20を盛り上げることだった。

中国国営テレビによる王毅の微笑の放映は、厳しかった対日関係が底を打ち、上向いているという雰囲気を中国国民に示す「世論操縦」でもあった。

最近まで中国の国営系メディアは、首相の安倍晋三の動きを批判的に報じ続けていた。急に態度を変え、いきなり日中首脳会談まで実現してしまうと、戸惑いが広がるばかりか、中国外務省への批判が起きかねない。

日本での日中韓外相会談、日中外相会談の実現は、G20盛り上げのための手段。王毅は、習近平の露払いにすぎなかった。

中国と韓国との関係も揺れている。中国は、韓国が米軍の地上配備型高高度ミサイル迎撃システム(THAAD)の配備を決定したことに大反発している。裏では事実上の経済制裁までちらつかせる。

それでもG20がある以上、習近平は、韓国大統領の朴槿恵(パク・クネ)と簡単には“離婚”できない。北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイルの発射を巡る国連安全保障理事会の非難声明に、中国が一転して同調したのもそのためだ。

それでも王毅の権限は限られている。中国軍の艦船、多くの海警局の公船、230隻もの漁船が沖縄県・尖閣諸島に押し寄せた問題の詳細をかみ砕いて日本側に説明する権限は持っていない。

王毅は、中国共産党指導部を形づくる25人の政治局委員の一人でもなければ、国務委員という副首相級の人物でもない。200人以上いる中央委員の一人にすぎない。

China coast guard in Senkaku

沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域を航行する中国海警局の船(8月6日、第11管区海上保安本部提供)=共同

中央軍事委員会、軍や農業・漁業部門と連携する海警局、「海上民兵制度」と関わる漁船の動きについて、中国外務省はいわば門外漢である。つまり、日本側が、中国外務省に抗議しても「のれんに腕押し」なのだ。

■まやかしの説明の理由

王毅の微妙な立場が透けたのは、8月23日夕の来日第一声だった。羽田空港で王毅を待ち受けていた日本の記者団は、中国の漁船、公船が尖閣諸島の領海、接続水域付近に押し寄せた事件について説明を求めた。

「半分は漁期だから。半分は誇張である……」

王毅はじっと考え込んだ後、言葉を選ぶように答えた。そこには迷いが見て取れた。「漁期だから、魚を捕るという目的のために漁船が尖閣に集結したにすぎない」という説明は、奇妙だ。まやかしと言わざるをえない。

それは過去の事例でも明らかだ。1978年春、日中平和友好条約の締結交渉の際も中国漁船100隻が尖閣に押し寄せ、長期間、とどまった。2012年の尖閣を巡る日中摩擦の際も、大量の漁船が浙江、福建両省の港から出港した。中国は日本に圧力をかける目的で時期を選んで動いている。

78年の事件の際、日本政府の抗議に対して中国側は「偶然、発生した」と説明していた。今回、王毅が口にした「漁期だから」は、言葉こそ違うが、構造は似ている。説明できない、という意味なのだ。

説明できないのは、中国外務省出身の駐日中国大使、程永華も同じだった。程永華は8月10日、自民党幹事長に就任した二階俊博の下に就任祝いに訪れた際、尖閣に押し寄せた中国漁船問題について「魚が非常に密集していて豊漁だった」と語っている。「ルールにのっとってもらわないと困る」と指摘した二階とのやり取りだった。王毅と同じ言い訳である。

2014年11月、北京で初会談し、握手する安倍晋三首相と中国の習近平国家主席。杭州G20での会談はあるのか=ロイター

到底、日本国民、国際社会を納得させられる説明ではない。しかし、逆効果と分かっていても、そう説明せざるをえない。それが実態だ。王毅の久々の日本での微笑と、漁船問題での言い訳の落差は、中国外務省の置かれた現状を象徴している。

■尖閣は「既に事態は正常化」

王毅は、漁船や公船が押し寄せた問題について最後にこう語った。

「事態は既に基本的に正常な形に戻っている」

意味はこうである。当初、中国外務省がコントロールできないところで決まった大方針に従って公船、漁船がやってきた。目的をほぼ達成したため、その動きは基本的に終わった。王毅は、上層部から「ほぼ終わった」という事実だけは伝えてよいとの権限を得て来日した。優先事項は杭州G20の成功である。

杭州G20での安倍晋三と習近平の会談に向けた交渉の詰めは、日中外相会談の直後に訪中した国家安全保障局長の谷内正太郎と、国務委員(副首相級)の楊潔篪の会談に委ねられた。

日中首脳会談実現の是非は、最後のギリギリの段階まで分からない。しかし、G20を最大限に盛り上げたい習近平が、それを望んでいるのは間違いない。しかも、メンツが立つ形で。王毅の微笑もそれに沿っていた。(敬称略)

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『なぜ日本人ばかりが米国で投獄されるのか? 過去5年、カルテルや談合で30人超』(8/30日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

小生の属します「士気の集い」で10/1に里見脩先生を迎えて14:10~文京区シビックセンターにて「   プロパガンダの歴史と概要~なぜ日本人は情報に疎いのか~」と題して講演を行います。申込は https://goo.gl/forms/hwaIOHB1JWG1zvAV2 です。詳しくは本HPのトップページをご覧ください。

FRBのイエレン議長が金利引き上げを示唆しました。早ければ9月、遅くても12月にはあるのではというのが大方の見方です。大統領選があり、金利引き上げは金融引き締め効果があるので、ウオール街をバックにしたヒラリーに不利なようにも見えますが、トランプは大統領になればイエレンを再選しないと明言しています。大統領選に影響を与えない12月引き上げか?

http://www.mag2.com/p/news/217852

http://jp.wsj.com/articles/SB12616845268056034052504582156150746311324

外国でのビジネスに日本人は不慣れと言うべきか。「郷に入れば郷に随え」です。ただ中国のように賄賂が当たり前の国で、賄賂を贈ることは違法かつ不道徳です。日本人の心性から言ってできないでしょうし、やるべきでもありません。小生の8年間の駐在(97年~05年)期間中は勿論贈賄することはありませんでした。役人と飲む機会は多く作りましたが。勿論会社の交際費です。中国では会社から個人に贈る金額が1万元以上が贈賄罪相当と言われています(法律ではなく人民法院の規定)。飲み代は100元/人~高い所で500元/人くらいのものでしょう。宴会文化を重視する中国社会ですから、ここで当方の主張を述べました。これが結構効いていたようです。

米国でも日本人は従順だから、脅せば言うことを聞くと思われているのでは。理不尽な要求には断固として戦わねば。ただ、脇が甘いと、してやられるでしょう。日本では競合の社員と飲みに行くことなど当り前ですが、米国では談合と看做される行為です。反トラスト法が出来たのはロックフェラーのスタンダード・オイルの独占が消費者利益を損ねたためです。日米戦争の大きな原因は、「人種間反目」と「石油確保(日本の当時の石油輸入先は米国で9割を占める。その内の75~80%がカリフォルニア産。1924年の排日移民法成立の中心はカリフォルニア。満州進出も石油確保狙い。ただ出ませんでしたが。渡辺惣樹『アメリカの対日政策を読み解く』P.38~P.40)」でした。歴史を振り返って、米国人の発想に近づく努力をしませんと。

http://www.sankei.com/affairs/news/151004/afr1510040006-n1.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8D%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%88%E6%B3%95

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%82%A4%E3%83%AB

記事

中国をはじめとした新興国市場が減速した今、個人消費が安定している米国市場は日本企業にとって最大の収益源といっても過言ではない。事実、2015年に日本企業は米国市場から配当などで6兆円近くを吸い上げた。もっとも、そんなビジネスフレンドリーな米国にも落とし穴は存在する。反トラスト法違反における厳しい制裁はその一つだ。

2010年以降、自動車部品メーカーを中心に、価格カルテルの罪に問われる企業が相次いでいる。過去5年で、カルテルや談合で投獄された日本人は30人を超える。つい最近も、日立オートモティブシステムズがショックアブソーバーにおける価格操作を認めて約56億円の罰金を支払うと発表した。他の外国企業も制裁を受けているが、厳しい制裁を受けるのは群を抜いて日本企業が多い。

なぜ日本企業ばかりが反トラスト法で制裁を受けるのか。社員の収監や罰金を防ぐためにどうすればいいのか──。反トラスト法に強いコンスタンティン・キャノンのアンカー・カプール弁護士に話を聞いた。

日本企業が反トラスト法の対象になることが多いのは事実

—2010年以降、数多くの自動車部品メーカーが価格カルテルの罪に問われました。この状況について、率直にどう思いますか。

アンカー・カプール(Ankur Kapoor)氏 コンスタンティン・キャノン・パートナー 反トラスト法の専門家として数多くの訴訟や助言に関わっている。全日空の運賃談合におけるクラスアクションなど、日本企業の弁護にかかわることも多い。(写真:Mayumi Nashida)

Ankur Kapoor-1

アンカー・カプール氏(以下カプール):米司法省が日本企業を特にターゲットにしているというわけではないと思いますが、数字を見れば、日本企業や日本のビジネスパーソンが他のいかなる国よりも反トラスト法の対象になっているというのは事実です。本当に理解しがたい、信じられないほどの数ですよ。

実のところ、私は司法省が発表している規模で価格カルテルが行われていたとは思っていません。対象となっている部品の種類、関与した企業の数、実際にカルテルをしていたとされる期間の長さを考えても、それだけの規模と期間で価格を操作し続けるのはとても難しいと思います。

—司法省が言うほどにはカルテルが存在していないと?

カプール:いくつかの価格操作は実際にあったでしょう。ただ、実際に起きたことのかなりの部分は日本のビジネス文化や慣習と、米国で反トラスト法を執行する際のコンフリクト(衝突)によるものだと考えています。

日本のビジネス文化では、礼儀という面で、あるいは社会的な慣習として、競合他社の人間に会うことは珍しくありません。最近でこそ、競合同士が集まる場所で、価格など特定のトピックを話すべきではないということを理解するビジネスパーソンは増えていますが、仮にセンシティブな話題に出た時に、異議を唱えたり、はぐらかしたりするのは失礼に当たると考える人もまだいると思います。

そういった人々が「確かに、価格が少し安すぎますよね。何か対応を考えた方がいいですよね」と相づちを打ったとしても、それが価格操作に対して同意したということには普通はなりません。明晰な司法省の人々も、きっとそう思うでしょう。ただ、仮に社内を調べる過程で企業が先のようなコメントを見つければ、罪状を認めるという大きなインセンティブになってしまう。

—どういうことでしょうか。

カプール:価格操作の罪を認めて捜査に協力すれば、社員の多くが投獄されたり、巨額の罰金を課されたりするのを避けることができます。企業がカルテルに関与していることを認めれば、司法省に最初に名乗り出て、クラスアクション(民事上の集団訴訟)の原告にエビデンスを提供することに協力すれば、企業は恐ろしいまでの法的責任から逃れることが可能になるんです。

刑事上の罰金は1億ドルか、違反行為によって得た利益総額の2倍のうちの高い方がかされます。クラスアクションを起こされれば、実際の損害の3倍及び弁護士費用を賠償しなければなりません。しかも、当該企業が引き起こした損害だけでなく、そのカルテル全体によって生じた損害の3倍まで責任を背負わされる可能性があります。こういったリスクを考えれば、罪を認めるのは大きなインセンティブです。

「現在の状態は、ちょっと行きすぎ」

—なぜ日本企業ばかりが槍玉に挙がるのだと思いますか?

カプール:それは分かりません。自動車部品に関していえば、自動車部品業界の有力メーカーの大半が日本企業だというのもあると思います。ただ、ご指摘の通り、業界には日系企業以外もあります。金融サービス業界でも同様の反トラスト法違反がありましたが、金融サービス業界で刑務所に入れられた人はいません。

反トラスト法の執行はオバマ政権になって以降、目立って増えました。オバマ政権は過去40年で最もアグレッシブだといっても過言ではありません。私は反トラスト法を執行すること自体はいいことだと思っていますが、同時に正しく執行されるべきだと考えています。反トラスト法違反は経済的な犯罪であり、それゆえに経済的な原理原則の中でバランスを取るべきだということです。

刑事において、価格操作はそれ自体が犯罪です。言葉を換えれば、価格操作があったという事実やその影響を証明する義務が政府になく、企業がカルテルを認めてしまえば、それで反トラスト法違反が確定してしまう。ただ、この状態は法の過剰執行につながりかねず、ちょっと行きすぎです。価格操作それ自体が違法という規定はいずれ廃止されるべきだと私は思います。

Ankur Kapoor-2

「日本のビジネス文化では、仮にセンシティブな話題に出た時に、異議を唱えたり、はぐらかしたりするのは失礼に当たると考える人がまだいる」

—11月に大統領選が控えています。大統領が変われば、反トラスト法の執行も変わるのでしょうか。

カプール:今回の大統領選は不確かなことがあまりに多いですが、どちらが大統領になっても、反トラスト法の執行は増えると思います。

反トラスト法は基本的に外国の企業に執行されるので、仮に共和党のトランプ候補が大統領になればよりアグレッシブになるでしょう。一方で、民主党のクリントン候補は製薬業界に対して厳しい態度で臨むと思われます。

(日本の公正取引委員会に相当する)米連邦取引委員会は企業よりだったブッシュ政権の時でさえ、製薬業界の反トラスト法を積極的に支持していました。その姿勢は、当然オバマ政権でも変わりません。もしクリントン氏が大統領になれば、製薬業界に対する反トラスト法の執行は増えると思います。議会や国民は処方箋薬のコストに高い関心を持っていますので。

ディナーで価格の話題が出たら、グラスを割れ

—日本企業はどう対応すればいいのでしょうか。

カプール:冗談のような話ですが、かつて反トラスト法を専門にする弁護士はクライアントに「その場でグラスを割れ」とアドバイスしました。例えば、競合同士が集まるディナーの場で価格にまつわる話題が出たら、その場でグラスをたたき割って席を立てという話です。ひどく無礼のような話に聞こえるかもしれませんが、価格について話すよりはベターです。

予防的な手段として、従業員に対して反トラスト法を教育することも重要です。メールのやりとりなど自社の社員と競合相手とのコミュニケーションをモニターすることも必要だと思います。極端に感じるかもしれませんが、米国企業は実際にやっていますし、日本企業でも始めたところがあります。

今の時代、競合同士でもビジネス上の関係があるもの。完成車メーカーの要望で、他社に部品を供給することもあるでしょう。その時に、こういったモニタリングシステムは役に立つと思います。すべてのメールをモニタリングするのではなく、特定のキーワードでフラッグを立てるんです。

いろいろとお話ししましたが、日本は米国にとって最も重要なビジネスパートナーです。文化や慣習に根ざしたコンフリクトをなくすために、もっと互いに努力する必要があると思います。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「偽証書」蔓延止まらぬ中国、違法広告も野放し 免許、ビザ、資格証明、軍官証…偽物がネットで手軽に』(8/26日経ビジネスオンライン 北村豊)について

中国社会は狂っています。背徳・頽廃・強欲・賄賂文化です。こういう国が世界制覇したらどうなるのでしょう。人類の眼前には弱肉強食、力を信奉、不正が当たり前の世界が出現します。真面な人間でしたら誰も望まないでしょう。未開の蛮族です。

小生が中国駐在時代(98~05年)偽物は何でもありでした。卒業証明書を筆頭に、偽札、偽酒(メチル入り)、偽煙草、偽バイアグラ、偽ブランド(正規品の横流しもあった)、海賊版DVD(ポルノも多かった) と多種多様。電気製品は必ず動くのを確認してから、金を払いました。日本企業が納品する場合、キャッシュオンデリバリーが当たり前でした。先に製品を送荷してしまうと取りっぱぐれが生じるためです。これが孔子を生んだ国の実態です。不道徳の極みです。

中国は憲法を手始めに立派な法律が揃っています。でもその通り運用された試しがありません。本記事にありますように罰金が軽いというのもあります。況してや賄賂を贈ればどうにでもなる国です。ネット社会になって益々便利になり、不正が安く簡単にできるようになりました。それを受け入れる社会が前提としてある訳です。中国人の割り込みが当たり前のように、不正も当たり前です。中国人ほぼ全員が賄賂を取るのと同じで社会的に許容されている訳です。「武士道」(新渡戸稲造著)の“rectitude”とは程遠い世界です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄です。油断すると足元を掬われます。

日本はこういう悪徳が栄える国を近隣国として対峙せざるを得ません。8/27産経ニュースでは「中国最高人民法院が尖閣での法執行規定、刑事罰明文化、日本船「摘発」根拠に」とありました。日本も負けずに中国船を拿捕しないと実効支配を崩されます。周辺海域で中国漁船が漁をし、日本漁船ができないでいるのは本末転倒です。公務員の常駐、海保・自衛隊員の常駐をすぐにして、米国と不測の事態に対する対応を良く打ち合わせておき、中国が動いたら機敏に対応できるようにしないと。左翼リベラルは戦争反対と寝言を言っていますが、侵略してきているのはどちらかと聞きたい。憲法9条があっても自衛権の発動は認められていますので、整斉とそれをすれば良い。

http://www.sankei.com/affairs/news/160827/afr1608270003-n1.html

中国の「南京虐殺」の世界記憶遺産登録申請に日本のNPO法人「女たちの戦争と平和人権基金 WAM(Women’s Active Museum on war and peace)」が中心になっているという杉田水脈氏の記事が8/27産経ニュースに載りました。この団体にも中共は金を出しているのでは。中国を豊かにすればどんな汚い手を使うか知れません。中国に進出している日本企業、技術支援している日本人は愚かとしか言いようがありません。このNPO法人は「外患誘致罪」で逮捕できないのですかね?東宝の南京を扱った映画を紹介します。「戦線後方記録映画「南京」 1938年東宝文化映画部作品」です。左翼マスコミを信じる日本人は、責任を持って歴史の真実に向き合わないと。

http://www.sankei.com/premium/news/160827/prm1608270016-n1.html

https://www.youtube.com/watch?v=nos2prviBq8

吉田康一郎氏のFacebookより転載します。中国人は自分がやってきたことを他人に追いかぶせようとする習癖があるのが良く分かります。

「鳴霞氏が告発する「中国共産党慰安婦」は、日本の慰安婦が商行為であったのに対し、「性奴隷」に近かったようです。《【重要証言】中国がゼッタイに隠したい「80万人の中国共産党慰安婦」》  2014.10.27 守ろうTV 鳴霞「月刊中国」主幹

実は中国共産党と人民解放軍の慰安婦は80何万人もいます。

今から十数年前に、フランスの専門化が80年代の中国の慰安婦について調査しました。

人民解放軍の兵士たちは独身ばかりで結婚相手がほしかった。

(地方の共産党員や人民解放軍に嫁ぐと)僻地で農作業をしたりすることになるので女性は誰も嫁に行きたがらない。

当時、15歳から20歳くらいの都会の若い女性は農村に下放(一定期間の労働)されていた。

これらの若い女性のうち、無理やり強姦されたり慰安婦にさせられた女性が80数万人もいます。

強姦未遂の女性は800万人くらいいます。

中国共産党は自分たちのやってきた慰安婦のことを隠すために最近になって「何十万もの中国人女性が日本軍に慰安婦にされた」と言ってきたのです。

(ユネスコの世界記憶遺産)に申し込みをすると言う。恥ずかしくないのか。

自分の国民を強姦したり、無理やりにどれぐらいの若い中国人女性をあの時、人工流産させたのか。 どれくらいいるのか。

今まで中国政府は一切報道しません。

慰安婦として、世界中で一番の被害者は中国人女性です。

このことを、今日ははじめて私が日本で言いました。

下放されたこれらの女性たちに対し中国政府からは今まで何の謝罪もないし賠償もないので、病気がちで何の支援もありません。」

https://www.youtube.com/watch?v=Q6Ye2xO9gRw&feature=youtu.be

渡辺惣樹氏の『アメリカの対日政策を読み解く』の中に、「南京虐殺」・「従軍慰安婦」問題で米国が日本を助けず、見直しをしようとすると「歴史修正主義者」のレッテルを貼って非難するのは、FDRの容共政策の失敗を覆い隠すためとありました。アメリカも敵国・中国を利するより、同盟国・日本の名誉を守った方が良いのでは。

P122~130

「フェイは、歴史を修正することに善悪の価値基準を介入させていない。間違った歴史解釈は正さ れる必要があるという、歴史家の素直な考えを述べているに過ぎない。フェイの解釈は歴史専門家だけでなく、一般国民にも次第に浸透した。ドイツだけの責任ではなかった戦争にアメリカは英仏の側に立って参戦し、十一万以上の若者を死なせてしまった。その結果が不安定なベルサイユ体制である。建国の父たちが残した「ヨーロッパ問題に干渉するな」という戒めは正しかった。アメリカ国民の大半がそう考えるようになったのである。

ベルサイユ体制の不正義にドイツ国民は憤っていた。その憤懣がヒトラーの率いるナチス政権の成立につながった。ドイツが、ドイツ系人口が九〇パーセントを超える自由都市ダンツイヒの併合を求めてポーランドに宣戦布告したのは、一九三九年九月のことであった。フランクリン・ルーズベルト大統領は、ヨ— ロッパの戦いに参戦したかった。ウインストン・チヤ—チル首相も繰り返し懇請した。しかし、ルーズベルトは八〇パ—セントを超える国内世論の反対で身動きがとれなくなっていた。アメリカ国民の大多数が、フェイやそれに続く歴史家の訴えた歴史修正を受入れていたからである。誤った歴史解釈は、たとえそれが政府の公式説明だとしても、修正されることは当たり前の時代だった。

ところが、建国の父たちの戒めを再び破ってヨ— ロッバの紛争に介入した第二次世界大戦後の歴史解釈になると、歴史学会の様相が一変した。民主主義国家(連合国)対全体主義国家(枢軸国 )の戦いである、というルーズベルト大統領の公式説明に疑いを持つことが、まるで犯罪であるかのような空気が出来あがったのである。フエイがウイルソン大統領の外交を自由に批判できたことが嘘のようだった。

もちろん第二次大戦後も、フェイと同じようにルーズべルト外交を批判する歴史家はすぐに現れた。その筆頭がジョン・フリンである。彼はその著書『ルーズぺルト神話』 (1948年)の中で、ルーズベルトの実施したニユーデイール政策の失敗を詳述し、その政策実行にあたっていた社会主義思想を持つ官僚群を批判した。

彼らが生み出した巨額な財政赤字。大統領府に権限を集中させ議会を軽視する全体主義的政治姿勢。政敵を葬り、その一方で自身を支える政治家や官僚を手なずける手口。親族のビジネスが有利になるよう大統領権限を行使したネポテイズム。スターリンに手玉に取られた密約(ヤル夕会談) で、東ヨーロッパをソビエトに「差し上げてしまった」取り返しのつかない外交的敗北。これは、 ソビエトを民主主義国家陣営と勘違いしたことによる明らかな失敗だった。フリンはルーズベルトの愚かさを余すところなく暴いた。

フリンの主張が正しいらしいことは、現実の世界情勢を見れば誰にでもわかった。東ヨーロッパはたちまち共産化し、フリンの書の出た翌年には中国も共産化し、さらにその翌年、朝鮮半島では 共産軍との戦いを実質アメリカ1国で戦わざるを得なくなった。建国の父たちの戒めは正しかった。そのようにアメリカの知識人も国民も再び反省して当然だったのである。ところがそうはならなかった。

「ヨーロッバ方面では、ヒトラーは外交交渉でその要求の多くが達成できたにもかかわらず、彼は気が触れたように戦争を始め、太平洋方面では、日本がアメリカを突然に攻撃した。我々は戦うざるを得なかったのだ」とする政府説明は、「完全に正しく、論争の余地なし」とさて、議論すら許 されない空気ができてしまったのである。

政府解釈に疑義を呈する歴史家には、「歴史修正主義者」のレッテルが貼られた。政府が決めた歴史解釈以外認めないという態度は、それまでのアメリカには馴染みのないものであった。一九四五年以降、アメリカに異変が起こった。ル—ズベルト外交を少しでも批判的に語れば、その研究は妨害された。政府資料の閲覧不許可、出版社への圧力、著者への誹謗中傷、出版された書は無視。学問の自由とは程遠い、独裁国家と見紛う状況が生まれたのだった。

アメリカらしからぬ空気の醸成には、主流に属する組織も一役買っている。ロックフエラー財団もスローン財団も「歴史修正主義者」の研究にはけっして資金を出そうとしなかったし、アメリカ外交に現在でも強い影響力を持つ外交問題評議会(CFR)も、ルーズベルト外交を批判的に解釈する「歴史修正」を拒否した。クリントン元大統領、コンドリーザ・ライス元国家安全保障問題担当補佐官、スーザン・ライス国連大使らは、みなCFRの会員である。政治家だけでなく、リチャード・ブッシュ三世のような東アジア外交立案に関与する立場にいる研究者もメンべーである。CFRがいかに大きな影響力を持っている組織かよくわかる。

「ロックフエラー財団もCF Rも、政府のプロパガンダを含む歴史解釈が変更されることを望まなかった。歴史家の自由な意見の発表を嫌った。(中略)その結果、フランクリン・ルーズベルト大統領(FDR)のとった外交方針や政策は批判的分析やネガティブな評価から免れることができた」のである。

アメリカの言論空間はなぜこうした状況に陥ってしまったのか。これを理解しておくことは重要である。アメリカの現代政治を動かす立場にある者の心理をわかっておかなくては、彼らとの対話は難しいからである。私は、そうなってしまったのはFDRの外交政策が余りに愚かだったからである、と考えている。ヨーロッバの戦いへの不介入を公約としたFDRは、「大統領任期は最長二期八年」の不文律を破って史上初の三選を果たした(一九四〇年)。彼はソビエトを友国として扱い、スターリンを徹底的に援助した。共産主義の世界拡散の防波堤となっていた二つの強力な国家ドイツと日本を破壊した。彼の外交は見事なほどに間違っていたのである。

FDRの外交政策の狙いは「世界の警察官」になることであった。米英中ソの四カ国で分割統治すれば世界に平和が訪れる。その途方もなくナイーブな外交政策の結果が「孤独な世界の警察官」という惨めな現実であった。ドイツと日本の降伏は世界平和の実現に何の役にも立たなかった。アメリ力は、共産主義勢カと対峙するために再び若者を戟場に送らなければならなくなった。そんな中で「FDRは愚かだった。ヨーロツバ大陸の載いも、太平洋方面の戦いもアメリカが参戦さえしなければ局地戦で終わった戦いだった。三十万の戦死者と七十万の戦傷者を出したあの戦いは 不要だった」と歴史家に批判されたら国が持たない。戦後アメリカは、そういう厳しい現実に晒されたのである。

次々と共産化する国々を見て、アメリ力は怯えた。その怯えゆえに、FDR外交を疑わせる学問 の自由を認めるわけにはいかなくなった。第二次世界大戦の起源を批判的に語る研究には「歴史修正主義」、その研究者には「歴史修正主義者」のレッテルを貼ることに決めた。歴史解釈に善悪の価値判断を導人し、FDR外交を批判することは悪と決めた。レッテルを貼ることで歷史解釈を極 端に単純化させ、冷静な学問的批判までも封じ込めた。余裕を失ったアメリカの窮余の策が「歴史 修正主義(者)」は悪と決めるレッテル貼りだったのである。このレッテル貼りを指導した者がいるとは思えない。おそらく時代の空気がそのような動きを後押ししたのだろう。

FDRはアメリカの非干渉主義の勢力を根こそぎといってよいほど破壊した。ジョージ•ワシントンらの建国の父が理想とした国家とは似ても似つかない国にアメリカは変貌した。いつ果てるともない東西冷戦の中で「歴史修正主義を許さない」ことがアメリカの「国是」になった。「極悪非道の」日独両国とはアメリカは戦う宿命にあったのだと信じなくてはならなくなった。歴史捏造が明らかな「南京大虐殺」も「性奴隸としての慰安婦」もその「国是」を補強する。冒頭に掲げたワシントン•ポスト紙の記事は、言ってみれば「国策」に沿っている主張なのである。したがって、 「南京虐殺」や「慰安婦性奴隸」説への日本の反論はアメリカの「国是」への挑戦となる。だからこそアメリカは激しく反発するのである。

しかし誤った歴史をそのまま受け入れることはできない。そしてまた、アメリカがその「誤った国是」に固執することはアメリカ自身のためにもならない。東西冷戦は遠い過去のものになった。 アメリカはこの「国是」にもはや固執する必要はない。日本はアメリカの自縄自縛からの解放を助ける重要な殳割を担っている。そのようにポジティブに考えるべきなのだ。こうした歴史的背景を踏まえた上で、日本がいかなる主張を展開すべきかについて、次に私の考えを述べたい。

ソビエトへの無警戒がもたらした惨禍

ルーズベルト外交のあまりの愚かさで、「歴史修正」を許さない空気が生成された過程を詳述し た。ルーズベルト外交を批判的に語らせないという「国是」がどれほど強力なプレッシャーとなっ たかを示すエピソードには事欠かない。

私は、ルーズベルトを激しく非難した彼の同時代の政敝ハミルトン•フィッシユ元上院議員の書 『ルーズべルトの開戦責任』を昨年(二〇一四年)翻訳上梓したが原書の出版は一九七六年であった。ルーズベルトの死(一九四五年)から三十年が経っていた。ハーバート・フーバー元大統領もルーズベルト外交を厳しく批判していたが、その考えを公にせず世を去った。彼のルーズペルト批判の草稿をまとめた『裏切られた自由(Freedom Betrayed) 』が出版されたのは2011年である。

二人の元有力政治家がなぜこれほどルーズべルト批判をためらったのか。それはわずか一国で共産主義の披散に立ち向かわなければならなくなったからだった。先に書いたように、アメリカは再び若者を戦場に送らなければならなくなったのだ。

ルーズベルト外交はあまりにも共産主義に無知で、スターリンに手玉に取られてしまった。体力 も精神力も極端に萎えたルーズベルトはス夕―リンと密約を結んでいた(ヤルタ会談)。東ヨーロ ッパでも極東でもソビエト勢力の拡張を容認していた。

大戦終了からわずか四年後には中国に共産党政権が生まれ、その翌年(一九五〇年)には朝鮮戦争が勃発した。アメリカの危接感がどれほどのものであったかは、この年に作成された国家安全保障会議(NSC National Security Council)の機密文書NSC68号を見れば明らかである。

「このままクレムリンの支配下に入る地域が増え続ければ、彼らとの戦いにおいて同盟を組む相手さえいなくなるだろう。この危機の時期にあって、我が国と我が国民は優勢にあるうちに立ち上がらなけれぱならない。我が国が直面している危機は、我が国の存亡にかかわるだけではない。文明そのものの将来が危うくなっている。我々はいま、あれこれ考えている余裕はない。アメリカ政府と国民はいまこそ断乎とした態度で、運命的な、未曾有の決断を下さねばならない」

これがルーズベルト外交がもたらした厳しい現実であった。アメリカは朝鮮に再び若者を送らざるを得なくなった。いかなる国にあっても戦場に兵士を送り出すには大義が必要だ。共産主義の恐怖を国民に語ることは、それほど難しい作業ではない。しかし問題は、その中心勢力であるソビエトを大戦時には連合国の一員として迎え、徹底的に支援したのはアメリカ自身であったという厳然然たる事実だった。ソビエトを育て、共産主義拡散の防波堤になっていたドイツと日本を破壊したのが自国の大統領だった。日独両国よりもソビエトが危険だと主張する政治家はアメリカ国内に も少なくなかった。しかしルーズベルトはそうした声を圧殺し、スターリンを友人だと考えた。一九四八年八月にはルーズベルト大統領の側近アルジャー・ヒスに対する聴聞会(下院非米活動委員会)の模様がテレビ中継された。聴聞会の中継は史上初めてのことだった。ルーズベルト政権はソ ビエトのスパイに蚕食された見識なき政権だったのである。

共産主義について、とりわけルーズベルトはナイープだった。共産主義思想の悪影響を懸念した 前述のハミルトン•フィッシュ下院議員を議長とする共産主義者の工作活動調査委員会(フィッシュ委員会)は早くも一九三〇年に設立され、翌年には報告書を発表している。しかし、一九三三年 にルーズべルトが大統領に就任すると、それまでの共和党政権が拒否していたソビエトを承認し、 国交を樹立した。これ以後、警成感は薄まってしまった。アメリカには共産主義の本質を真剣に学ぼうとする政治家や実業家は少なかった。戦後アイゼンハワー政権の国務長官となったジョン・フォスター・ダレスは日本でもよく知られている人物だが、彼が共産主義についてまともに学んだのは戦後(一九四八年頃)のことである。

「ジョンはス夕―リンの書いたエッセイや演説内容をまとめた『レーニン主義の問題』 (Problems of Lenisim)を読み込む作業に没頭した。ジョンはこの書を少なくとも六冊は所持していたらしい。職場のどこででも読めるようにするためである。そのすべてに鉛筆で書き込みがなされていた。その結果、初めて共産主義思想がいかに危険であるかを悟ったのである」(『ダレス兄弟』)

荒れ狂う共産主義への危機感は、ルーズべルト外交を批判する研究までをも否定させる強いべクトルとして働いた。CFRに代表される体制主流の組織が研究の封じ込めに加担し、歴史修正を許さない「国是」が形成された。戦後CFR議長職にあったのはジョン・フォスター・ダレス国務長官の弟アレンであり、彼はその後CIA長官となって兄とともにアメリカ外交を牛耳った人物だった

現在、中韓両国が仕掛ける「南京虐殺」事件と「慰安婦(売春婦)」問題は、アメリカの「国是」を利用した外交戦争なのであり、中韓両国の主張とアメリカの主流派に属する政治家や外交専門家 の信条に、完全にシンクロナイズしているのだ。

遠回りになってしまったが、日本はこの歴史戦争をどのように戦うべきなのか。長々とアメリカの歴史解釈の流れを語ったのは、そのことを考えずに、右のニつの歴史問題の虚構性を真正面に訴 えても、アメリカの「国是」の前に簡単に撥ねつけられてしまうからである。ワシントン.ポスト紙の記事を見れば、そのことは言わずもがなである。

この問題を考える場合、重要となるのは、アメリカ自身にこの「国是」を変える意志があるのか否かを見極める視点である。そういう空気がアメリカ国内に醸成されていれば、日本の主張を聞く 層も増えるだろう。まず聞く耳を持つ層への訴えから始めるという戦術もあり得る。

アメリカにとっても、このまま「国是」に拘泥すれば再び敵と味方を誤認するミスを起こしかねない。必要であれば歴史修正も厭わないという、第二次大戦前の良きアメリカに戻ることは、アメリカにとっても必要なことなのだ。その意味で日本の政治家も歴史家も「アメリカを変えてみせる」というくらいの覚悟が求められる。私はアメリカにはそのような新しい空気は生まれているし、「国是」の変更もあり得ると考えている。」

記事

2013年11月3日の午後2時30分頃、浙江省“杭州市”の中心部を走る“体育場路”でナンバープレート「浙A333WF」の高級車ポルシェ・カイエン(Cayenne)が公共バスに追突された。追突したのは公共バスで、責任の所在が公共バスにあることは明らかだったが、“交通警察”による事故処理の過程で、ポルシェを運転していた人物が無免許であることが判明した。その人物とは2013年7~8月にスペインのバルセロナで開催された第15回世界水泳選手権で400m自由形、800m自由形、1500m自由形でそれぞれ金メダルを獲得し、同大会の最優秀選手に選出された“孫楊”だった。

金メダリストが偽造免許

11月5日付の南京紙「現代快報」は、杭州市交通警察部門が無免許運転を行った孫楊に対して罰金2000元(約3万円)および拘留7日間の処罰を下したと報じた。ところが、別のメディア記者が匿名の交通警察官から聴取したところでは、孫楊は事故処理に当たった警官から免許証の提示を求められた際に、偽造免許証を提示して見破られて、警察署へ連行されたという。また、その後の調査で、この偽造免許証は孫楊の友人が彼に代わって2万5000元(約37万5000円)で購入したものであることが判明したとも報じた。恐らく孫楊が偽造免許証を提示したのは事実であろう。そうであれば、孫楊にはもっと重い処罰が下されるはずだが、中国水泳界のホープである孫楊を守るために偽造免許証の所持には目をつぶり、罪状を無免許運転だけに限定して処罰を下したものと思われる。

それにしても、天下の孫楊までが偽造免許証を所持するくらいだから、中国では“假証(偽造証明書)”が容易に入手可能だし、社会に偽造証明書が氾濫しているのが実情である。ネット上で“假証”と検索すると、堂々と偽造証明書の発行を業務とする企業が広告を出している。“北京凱迅辦証公司”という企業が運営する“北京辦証諮詢網(ネット)”という広告には次のような記載がある。

【会社紹介】  北京凱迅辦証公司は中国の政治、経済、文化の都市である北京に位置する。我々の業界は性質を異にすることから、顧客が直接来社して業務手続を行うことを謝絶しているので、証明書を必要とする人は我々のQQ(インスタントメッセンジャー)を通じてあるいは我が社の担当者に電話をかけて連絡を取り、双方で要件を打ち合わせる必要があります。皆さまのご協力に感謝申し上げます。我々の偽卒業証書は、経験豊富な証書作成会社が長年にわたる証明書・刻印作成の経験、一流の設備、ずば抜けた技術と高い信頼に基づいて作成しており、我が社は証明書作成業界、サービスコンサルタント業界では高い知名度を有しています。証明書が有ればどこにでも行けるが、証明書が無ければ一歩行くのも難しい。北京凱迅辦証公司は貴方に成功の鍵を提供し、貴方に成功の門を開いてほしい。万事が思い通り行くことをお祈りします。

【業務範囲】 1. ビザ類:各国の合法的なビザ(主として米国、日本、オーストラリア) 2. 各種証書類:各種学校の卒業証書および学歴証明書、大学卒業資格認定試験証明書、英語・コンピューターなどの等級証明書 3. 各種資格証明書類:物流技術管理士、通関士などの証明書、技術等級証(初級、中級、高級)、会計士、技術士、教員、医師などの資格証など 4. 戸籍類:身分証明書、戸籍簿、香港身分証、未婚・結婚・離婚証明、出産許可書など 5. 自動車書類:免許証、通行証、輸送営業証など 6. 不動者証類:家屋所有権利証、国有土地使用権利証、営業許可証など 7. 印章類:政府機関公印、企業公印、財務公印、個人印章など

違法行為を堂々広告

上記の内容から分かるように、証明書の類ならなんでも偽造すると業務範囲にうたっているのである。これが違法であることは明白だが、それを承知で堂々と広告を出しているのだから開いた口が塞がらない。この種の偽造証明書類の作成業者は全国各地に無数に存在しており、どう見ても野放し状態にある。いくら取り締まっても雨後の筍の様に次から次へと新たな業者が出現するということなのかも知れないが、それは即ち中国社会にそれだけ偽造証明書の需要が存在するということを意味する。

中国共産党中央委員会の機関紙「人民日報」は、8月17日付で「“假証売買調査(偽証書売買調査)”」と題する記事を掲載した。その概要は以下の通り。

偽の「実習証明」は本物の業者の副業

【1】インターネット時代になり、情報は快速になり、買い物や取引が簡便になった。それは実際の貨物だけでなく、各種証明書がネット上で取引される商品となり、その至れり尽くせりの一貫サービスが人気を集めている。

【2】夏休みが終わりに近付き、雲南省の某大学生である王君は「実習証明」のことを心配し始めた。2か月間を楽しく過ごしたが、大学の課題である休暇中の実習を何もしていなかった。しかし、王君は全く慌てず、「ネット上で実習証明を買うことができる。実習した機関の公印から実習評価まで、あらゆるサービスが全てそろっている」と述べた。記者が知ったところによれば、実習証明のみならず、医院の病欠証明の代理発行、公文書の報告書の代筆、各種証明書の代理修正などまで、ネット上で至れり尽くせりの一貫サービスが提供可能となっている。従い、顧客はネット取引を通じてあらゆる悩みを即座に解決する方法を探し出すことができ、困難に直面しても悩んだり、人に頼んだりする必要はない。但し、この至れり尽くせりの一貫サービスは本当に頼りにしてよいものなのか。

【3】「病欠証明センターは休みを取りたい貴方に唯一の選択」 これは偽造病欠証明書の専門業者がネット上に掲げた広告のキャッチフレーズである。そこには、「病気休暇証明、病欠証明、“三甲医院(一流医院)”診断証明、病歴簿、化学検査証明、費用明細書など、全てそろっているので、“微信(WeChat)”や“QQ”で連絡ください」とあった。そこで記者がQQで連絡を入れて、「休みたいので病欠証明を依頼したい」と伝えると、間もなく「1通で100元(約1500円)、全国どこでも発行可能」と回答が来た。記者が居る場所を伝えると、最寄りの医院3軒の名前を連絡して来て1軒を選べと言う。

【4】調べたところによれば、ネット上の病欠証明は個人の詳細な情報が必要で、販売価格は100~200元(約1500~3000円)であった。記者が購入した病欠証明には、もっともらしくタイトルに「病状証明書」とあり、病人の氏名、診察カード番号、診察日、病状診断、科名、医師名などの記載があり、偽造防止番号まで打ってあった。業者は希望の病名があれば、その通りに記載した病欠証明を発行すると述べ、「病欠証明は医院が発行したものだから、全く問題ない」とその有効性を保証した。各種の病欠証明を調べたところでは、一般的に盲腸炎、椎間板ヘルニアといった病名が多いようだった。但し、彼らが入手した個人情報は保護されるのか。他の業者に売られて別の用途に使われる心配はないのか。

【5】上述した王君によれば、実習証明はもっと簡単で、50元(約750円)を支払えばその当日に受け取ることができるとのことだった。調査したところでは、実習証明の売り手は実際の企業であった。実習証明の販売は彼らの副業で、買い手の需要があれば、即座に自社の社印を押した実習証明を発行して料金を受け取るのである。買い手が必要とする実習証明の業種が自社と異なる場合は、売り手の所在地にある希望業種の企業と協力体制を取り、その企業を協力企業と位置付けて、実習証明を発行するのである。

【6】記者は病欠証明を発行すると連絡を受けた3軒の医院のうちの1軒に連絡を入れて病欠証明について質問してみた。先方によれば、病欠証明には「診察病欠証明」と「入院病欠証明」の2種類があり、前者なら10日前後の休暇証明、後者ならそれ以上の休暇証明になるとのことだった。但し、医院が病欠証明を発行するには厳格な規定があり、正規の病欠証明には担当医師の署名・捺印、さらに担当科名と印章、さらにはその控えの保存が必要となるので、医院内の誰か1人で病欠証明を発行することはできないという。また、たまに個人的関係で頼まれた病欠証明を1~2通を発行することはあっても、ネット上で販売するほどの規模で病欠証明を発行することは不可能である由。先方によれば、ネット上で販売されている病欠証明の大半は偽造であり、たとえ書式が正規のものと同じでも印章は全て偽物なのだとのことだった。

【7】ネット上における病欠証明や実習証明などの販売行為は取引そのものが道徳に反するのみならず、違法である。『治安管理処罰法』の第52条には、「偽造、変造の国家機関、民間の団体、企業、事業組織およびその他組織の公文書、証明および証明書類を売買あるいは使用した者は、10日以上15日以下の拘留に処し、併せて1000元(約1万5000円)以下の罰金に処すことができる。情状が軽い場合には、5日以上10日以下の拘留に処し、併せて500元(約7500円)の罰金に処すことができる」とある。買い手は偽造と承知で偽造証明書を購入しており、一方の売り手は公印を偽造している訳で、取引全体が違法である。弁護士によれば、売り方が医院や企業の公印を偽造していれば、『刑法』第280条規定の「企業、事業組織、民間団体の印章を偽造した罪」により、3年以下の懲役、“拘役(拘禁して15~60日間労役に服せしめる刑)”、“管制(保護観察)”あるいは政治権利のはく奪に処し、併せて罰金に処すことになるという。

【8】“假証(偽造証明書)”が違法な存在であろうとも、ネット上の取引を通じて、50元で実習証明書、100元で病欠証明書が購入できるのであれば、時間と労力の節約になるばかりか、人の助けを求める必要もない。その簡便さが多数の顧客に需要を喚起させ、“假証”業界をはびこらせているのである。簡便さはネット上で“假証”を購入する理由にはならないし、一時の便利さの故に違法な行為を働くことは許されることではない。また、インターネットの検索エンジン業界は審査業務を厳格にし“假証”販売を目的とする宣伝広告や情報を排除しなければならない。

軽い罰則では抑止効かず

中国は“山寨商品(有名ブランドに極めて似せて作られた模造品)”で名高いが、そうした山寨商品の製造企業や製造者はいくら取り締まられても、新たな名義で不死鳥の如く再生する。これは罰則が極めて軽いためで、山寨商品を販売して稼ぐ金額に比べれば、刑罰は屁のようなものと考えられるからである。上述した“假証”商売にもそれと同じことが言える。拘留期間は長くて10~15日、罰金は1000元以下というのであれば、たとえ拘留されたとしても、すぐに釈放となるから、今まで通り“假証”商売を続ければ良いのである。今の中国で1000元は「はした金」に過ぎない。“假証”業界を委縮させるには、刑罰を重く厳しいものとして、長期の懲役刑と高額な罰金を科すことが不可欠と思われる。

2016年8月13日付の江蘇省紙「揚子晩報」は、「“女軍官(女士官)”の演技手順」と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

(1)農村の貧しい家庭に生まれた“熊小妹”(仮名)は、戸籍を持たない“黒戸口”で“居民身分証(住民身分証)”(以下「身分証」)を持っていなかった。彼女は物乞いして得た食べ物で育ち、小学校2年の時に中退して出稼ぎに出た。中国では汽車や飛行機の切符を買うのにも身分証がいる。身分証を持って汽車や飛行機に乗ることが彼女の夢だった。2009年のある日、熊小妹はインターネットで“軍官証(士官証明書)”があれば汽車にも飛行機にも乗れることを知った。そこで、ネット上で“李恵”名義の“軍官証”を購入し、軍官証を入手したその日から“李恵”と名乗ることにした。

(2)後に押収された“軍官証”には、李恵の写真が張られた下に、番号:北No.768216、発行機関:“中国人民解放軍総政治部”、発行日:2013年10月8日、有効期限:2014年10月8日とあり、次のページに、氏名:李恵、生年月日:1981年12月、性別:女、民族:漢族、所属:総政治部兵舎管理局、職務:副参謀長、階級:“上校(上佐)”<注>と記載されていた。恐らく、李恵は“軍官証”を2009年から毎年更新していたものと思われる。

<注>中国の佐官は、大校、上校、中校、少校の4階級に分かれる。佐官は将官に次ぐ高官。

(3)李恵こと熊小妹は、士官の軍服を着た写真を多数撮り、その写真をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じて社会に広めることで、多数の友人の獲得に成功した。彼女は分不相応な住宅を借りると室内を豪華な調度品で満たし、壁には軍装写真を飾った。その上で、彼女はSNSで知り合った友人たちを自宅に招待したから、誰もが彼女を本物の士官だと信じた。また、李恵は“国防科技大学”計算機学部の博士号を持っていると自称したが、これも疑う者はいなかった。

(4)2013年3月に、こうした交際を通じて知り合った中央政府機関の“副処長”と結婚した李恵は、毎朝6時に起床して職場へ出勤する振りをしたが、行く場所がないのでレストランでアルバイトをして時間をつぶす日々を過ごした。そうこうする内に、李恵は家族が病気だとか、母親の葬儀だとか種々の理由をつけて友人たちから借金をするようになり、その総額は70万元(約1000万円)に膨れ上がった。2015年8月、李恵は父親が事故にあったという理由で友人から5万元(約75万円)を借りたが、不安を覚えた友人が李恵の所属する政治部総参謀部へ問い合わせたことから、李恵の士官詐称が発覚し、熊小妹は逮捕された。2016年8月12日、雲南省“昆明市”の“盤龍区法院(裁判所)”で熊小妹の士官詐称に関する一審裁判が開廷された。

技術向上で国際的危惧も

この事件もネット上で簡単に偽造の“軍官証”が購入できたことが、熊小妹の人生を狂わせ、犯罪者への道を歩ませたと言える。“假証”が実習証明や病欠証明であるうちはささいな違法行為で済ませられるが、それが運転免許証や卒業証書、さらには士官証となると、交通事故や犯罪を引き起こす可能性が高まることは否めない。偽造技術の向上は偽物と鑑別できないビザの発行を可能とするかもしれず、それは日本を含む諸外国にとっても脅威となりかねない。人民日報が「偽証書売買調査」を報じた背景には、中国が“假証”の蔓延を問題視していることの現れと考えられるが、次の一手はどうなるのだろうか。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『「腹心」を相次ぎ更迭…プーチン強権人事の深意 最大の標的は最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長か』(8/26日経ビジネスオンライン 池田 元博)について

日韓通貨スワップ協議再開について官邸と自民党に意見を送りました。敵国を助けることに基本は反対ですが、米国の圧力があってどうしてもというのであれば条件を付けるべきです。結果を出して初めてスワップの額が定まるようにしませんと。世界記憶遺産のときのように、約束を守らない国です。中国と同じです。「用日」なんて言われているのに、財務省は無条件で認めることに恥ずかしくないのですか?そうであれば、売国奴の集団としか言えません。読者の方も是非メールをお送り下さい。圧力をかけましょう。

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html・・官邸

https://www.jimin.jp/voice/・・・自民党

<日韓通貨スワップ協議再開について(小生の官邸・自民党送付原稿)

「何故日本にメリットのないスワップを再開するのか理解できません。韓国は偉そうに「用日」なる言葉で日本を侮蔑して、スワップするのが当然という態度です。竹島上陸、朴大統領の告げ口外交、慰安婦像、強制徴用像、仏像窃盗、旭日旗の扱い、何一つ解決していない中で、日本が韓国にしてやることはありません。最悪スワップしてやるにしても、慰安婦像1体廃棄したらいくら、竹島に政治家・民間人渡航禁止したらいくらと条件を付けるべきです。何もなしでは次の選挙で自民党は支援しません。」.(以上)

8/29日経朝刊には<対中国「もっと強硬に」55% 本社世論調査

20160829Nikkei Survey

日本経済新聞社の世論調査で、中国やロシアとの首脳会談を控える安倍晋三首相の外交姿勢について聞いた。中国公船の相次ぐ領海侵入を踏まえ、中国に「もっと強い姿勢で臨むべきだ」が55%に上った。韓国ソウルの日本大使館前の少女像移転が進まない中、元慰安婦支援を決めたことには異論がくすぶる。秋の安倍外交は国内世論をにらみながらのかじ取りになる。

中国の公船や漁船は終戦の日を控えた8月上旬から尖閣周辺の領海に相次いで侵入。接続水域の航行が常態化し、日本政府は繰り返し抗議している。一方で日中両政府は9月上旬に中国・杭州で開く20カ国・地域(G20)首脳会議の際、安倍晋三首相と習近平国家主席の首脳会談を調整している。

こうした政府の対応について「もっと強い姿勢で臨むべきだ」が内閣支持層で62%、自民党支持層も63%に上った。民進党支持層や公明党支持層は「もっと対話を重視すべきだ」の方が多いが、無党派層は「もっと強い姿勢で」が47%で「対話を重視」の40%を上回る。

日韓関係では、日本側が求めるソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦を象徴する少女像の移転について、韓国は昨年末の慰安婦合意で「解決への努力」を約束したが、具体的な動きはみえない。それでも日本は関係改善を促すため、元慰安婦を支援する韓国の財団に10億円を出すことを決めた。

少女像移転が進まない中での資金拠出に「反対」が49%と「賛成」の37%を上回った。内閣支持層、自民党支持層とも「反対」が52%と過半数を占め、無党派層も「反対」48%、「賛成」30%と批判的な見方が多い。

今のところ韓国への姿勢が安倍政権への不満となって表れる状況にはない。韓国は国内世論を見極めながら移転時期を探るが、いつ実現するかは不透明。移転がなかなか具体化しないようだと、日本国内の保守派の不満が高まる可能性がある。

首相はロシアとの北方領土問題を最重要課題に据える。プーチン大統領と9月2日にロシアのウラジオストクで会談し、大統領の年内来日に道筋をつけたい考えだ。

世論調査で北方領土の返還交渉について聞いたところ「一部でも返ってくるよう交渉すべきだ」が54%で「4島すべてが返ってくるよう交渉すべきだ」の36%を上回った。世論は現実的な解決策を求めているともいえ、両首脳が5月に確認した領土交渉の「新しいアプローチ」を具体的にどこまで詰められるかが焦点になる。>(以上)

同じく8/29日経朝刊では「内閣支持率62%に上昇 本社世論調査 マイナス金利「評価しない」47%  日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、内閣支持率は62%と今月9~11日の調査より4ポイント上昇した。60%台に乗せたのは2014年9月の内閣改造直後の調査以来。不支持率は5ポイント低下の27%だった。安倍晋三首相が閉会式に出席したリオデジャネイロ五輪が盛り上がり、4年後の東京五輪への期待が政権の追い風になった可能性がある。」

「東京五輪まで安倍首相」59%    世論調査で、安倍晋三首相に4年後の東京五輪・パラリンピックまで首相を続けてほしいと思うかとの質問に、59%が「続けてほしいと思う」と答えた。「続けてほしいとは思わない」は29%。 8月9~11日の調査で、自民党総裁の任期を延長して安倍首相が続投できるようにすることには「反対」45%、「賛成」41%だった。」(以上)とも。

プーチンも9/2安倍首相との会談で妥協に反対する部下を次から次へと解任しているというのは穿ち過ぎでしょうか。プーチンの支持率が8割もあるのは凄いことですが(中国の習近平もやって見ると面白いでしょう。無記名・自由投票であれば1割も行くかどうかでしょう)、西側民主主義国で62%も安倍首相の支持率があるのも凄いことです。特に日本は朝日新聞を筆頭とした反日左翼新聞が自虐史観を振りまき、何でも政府に反対、日本弱体化の論陣を張りますので。日経の読者も少しは現実を見るようになってきたのかと感じます。強いリーダー同士で話し合い、領土・平和条約問題を進展させ、敵国・中国を封じ込めるようにしないと。中国は暴発しそうなので。戦争を回避するには中国包囲網を完成させ、戦争になれば中国は世界を相手にすることを分からせて、諦めさせなくては。

記事

プーチン大統領が断行している一連の人事が臆測を呼んでいる。大統領の出身母体である旧ソ連国家保安委員会(KGB)人脈を中心に、これまで政権を支えてきた「腹心」を次々と更迭しているからだ。その狙いはどこにあるのか。

Putin in his office

8月12日、プーチン大統領(中央)とワイノ新大統領府長官(右)、イワノフ前大統領府長官がクレムリンで会談を行った。(写真:ロイター/アフロ)

ロシアで最近、プーチン大統領が断行した人事が臆測を呼んでいる。クレムリンの中枢である大統領府を率いるセルゲイ・イワノフ長官(63)を解任したことだ。

後任の大統領府長官には、若手のテクノクラートであるアントン・ワイノ副長官(44)が昇格した。イワノフ氏は自然保護活動と環境・輸送問題を担当する大統領特別代表に任命され、大統領府の安全保障会議のメンバーにも残る。

一連の人事は8月12日に発令された。その直前、プーチン大統領はイワノフ、ワイノ両氏を執務室に呼んで3人で会談している。大統領府によれば、要約するとだいたい以下のような会話が交わされた。

プーチン大統領(イワノフ氏に対して)「我々は長い間ともに働き、首尾良く働いてきた。大統領府長官の職務は4年以上に及んでおり、別の職に就きたいという貴兄の要望は理解できる」

プーチン大統領(ワイノ氏に対して)「セルゲイ・ボリソビッチ(イワノフ氏のこと)が後任の大統領府長官にあなたを推薦した。この仕事を引き受けてもらいたい。これまでと同様、大統領府の仕事が効果的で高い専門性を持ち、できるだけ不毛な官僚主義を排し、具体的な成果に満ち、課題を解決する能力をもつようにしてほしい」

イワノフ氏「まずは17年間に及ぶ私の仕事を高く評価して頂いたことに感謝します。大統領府の創設から25年がたちました。私は11代目の長官でしたが、長官在職期間は4年8カ月に及び、歴代で最長となりました」

ワイノ氏「信頼に感謝します。大統領府の主要な任務は、大統領としてのあなたの活動を万全の態勢で支えることだと認識しております」

会談の発言を素直に受け止めれば、イワノフ氏はかねて激務である長官職の辞職を求め、プーチン大統領が同氏の要望や後任候補の推薦をそのまま聞き入れる形で、今回の人事が発令されたことになる。

対日外交重視との解釈もあるが…

確かにイワノフ氏をめぐっては2年前の2014年11月、ロシア開発対外経済銀行の副総裁だった長男のアレクサンドル・イワノフ氏が保養先のアラブ首長国連邦(UAE)の海岸で〝溺死〟し、その悲劇から立ち直れない状況が続いていたともいわれる。ちなみにこの長男は05年、モスクワで車を運転中に年金生活者をはねて死亡させる事件を起こしている。ただ、刑事事件にはならずに不問に付された。当時は国防相だった父親が裏で画策したとの噂も流れた。

年齢や健康上の問題、こうした家族の事情なども踏まえれば、順当な人事といえないこともないわけだが、臆測を呼んでいるのはやはりイワノフ氏がプーチン大統領の長年の「腹心」の一人だからだ。

両氏は1970年代、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のレニングラード(現在のサンクトペテルブルク)支部で共に勤務して以来の盟友だ。プーチン政権下では国防相、副首相などを歴任した。2008年の大統領選挙では、当選したメドベージェフ氏とともに、プーチン氏が推す有力な後継候補と目されていた。

それだけに、「腹心」の切り捨てともいえる今回の人事に、関心が集まっているわけだ。しかも、後任の大統領府長官となったワイノ氏はエストニアのタリン生まれで、外交官の出身だ。大統領とはもともと、地域的なつながりも職場のつながりもなかった。ただ、プーチン政権の1期目から大統領の下で働き、プーチン氏が首相時代には首相府、大統領時代には大統領府で主に儀典部門を担ってきた。いわば大統領に忠誠を尽くす実務型の部下といえるだろう。

ちなみにワイノ氏は、外交官時代に在日ロシア大使館の勤務経験を持つ日本通でもある。このためプーチン大統領が対日外交を重視して大統領府長官に据えたと期待する向きもあるが、その役割はワイノ氏自身が認識しているように、あくまでも大統領の活動を「下支え」する裏方だ。対日関係とは全く関係がないとみるべきだろう。

支持率低下の中、イメージ刷新が狙いか

話を戻そう。内情はともかく、大統領は全幅の信頼を置く秘書役ともいえる大統領府長官を大幅に若返りさせ、「一家言がある腹心」から「忠誠を尽くす部下」に交代させたのは確かだ。大統領のフリーハンドが高まることは間違いない。

周知のようにプーチン大統領は従来、自らの出身母体のKGBと、出身地のサンクトペテルブルク人脈の盟友らを相次ぎ要職に登用し、政権基盤を固めてきた。故エリツィン元大統領に後継指名され、2000年に初めて大統領に就任した当時はまだ知名度も低く、信頼できる人脈も限られていたためだ。

しかも、こうした腹心らの意見に真摯に耳を傾けたうえで政策を断行するのが、プーチン氏の真骨頂だったとされる。いまでこそ、「強権」「独裁」といった呼称を添えられることが多いが、側近グループと共に築き上げた「集団統治」がプーチン政権の元来の強みともいえた。大統領も腹心の人事にはことさら配慮し、転職させる場合もそれなりの要職を準備するのが常だった。

ところが、今回のイワノフ氏の人事はどうみても降格だ。そこで浮上しているのが、大統領は18年の次期大統領選の再選に向け、斬新な印象を国民に植え付けようと、腹心の切り捨てに徐々に動きだしたのではないかという観測だ。プーチン大統領は依然、80%を超える高い支持率を誇っているが、14年春にウクライナ領だったクリミア半島を併合した直後に比べると、徐々に低下しつつあるのも現実だ。

transition of Putin's approval rate

腹心や旧友を重用してきた弊害として、とくに旧KGB出身者らが国家資産を流用し、私腹を肥やしているのではないかとの疑念は国内で根強い。原油安やウクライナ危機に伴う欧米の経済制裁で国内経済が停滞するなか、腹心の汚職疑惑は次期大統領選の障害になりかねない。そこで人事政策で疑惑の芽をあらかじめ摘み取り、プーチン政権のイメージを刷新しようとしているのではないかというわけだ。

最大の標的はロシア最大手国営石油会社「ロスネフチ」社長

理由はさておき、旧KGB人脈を中心に、プーチン大統領の旧友や腹心の更迭がここに来て相次いでいるのは事実だ。ロシア鉄道を長年率いてきたウラジミル・ヤクーニン氏が昨年、社長職を解任されたのを皮切りに、今年に入ってからもヴィクトル・イワノフ連邦麻薬流通監督局長官、コンスタンチン・ロモダノフスキー連邦移民局長官、エフゲニー・ムロフ連邦警護局長官、アンドレイ・ベリャニノフ連邦税関局長官が相次ぎ更迭された。

とくにベリャニノフ長官の解任に際しては事前に、自宅への家宅捜索で“発見”された多額のドル、ユーロ、ルーブル紙幣の札束が机上に並べられた映像や写真が大々的に公開された。同氏も旧KGB出身で、プーチン氏とはともにKGB職員として旧東独に勤務していた時代に知り合ったとされる。そんな旧友も「汚職まみれの高官」として見せ物にされたわけだ。

プーチン大統領が次期大統領選を視野に、腹心の切り捨てで政権の抜本的な刷新に乗り出したのだとすれば、最大の標的になるとみられるのが、ロシア最大手の国営石油会社「ロスネフチ」を率いるイーゴリ・セチン社長だろう。プーチン氏をサンクトペテルブルク第1副市長時代から支え、大統領の「側近中の側近」といわれる大物だからだ。

セチン氏については最近、連邦政府が財源不足の穴埋めに計画する有力石油会社「バシネフチ」の民営化問題をめぐって、政権との確執も伝えられる。政権側が民間企業への株式売却を想定しているのに対し、国営企業のロスネフチも入札に参加させるべきだと強硬に主張しているからだ。

さらに反政府系の週刊紙「ノーバヤ・ガゼタ」は最近、最低でも1億ドル以上と推定される世界でも有数の超豪華ヨットを、セチン氏の妻が頻繁に利用しているとして、同氏がこのヨットの所有者ではないかとの疑惑を報じた。汚職疑惑まで取り沙汰されたセチン氏は、引き続き大統領の腹心として中枢に残るのかどうか。同氏の去就は今後のプーチン政権の行方を占う試金石となりそうだ。

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。

『中国北戴河会議で何が語られたのか 注目すべきは常務委員に加えて中央委員人事』(8/25日経ビジネスオンライン The Economist)、『中国は壊滅的打撃受け、今までの発展が水の泡に 米中開戦のシミュレーション、ランド研究所が公表』(8/23JBプレス 渡部悦和)について

今後中国共産党の人事の季節になろうとも、米中戦争が勃発すれば、それは吹き飛ぶでしょう。今すぐ戦争が起きる訳ではないし、キッシンジャーやライスのようにパンダハガーもいます。大体パンダハガーは中国の鼻薬が効いているのが多いと思います。でも彼らは米国の国益を大きく毀損しているのに気づいていないか、気づいていても私欲のために知らんふりしているかです。米国との世界2分割(スペイン、ポルトガルのトルデシャリス条約のようなもの)、その後世界制覇を狙っているのは明らかです。AIIBを作り、基軸通貨を$からRmbに切り替えようとしていますし、膨大な人口を利用し、中国人をドンドン入植させて、自分達の陣地を増やそうとしています。多文化共生なんて彼らの侵略を正当化するためだけです。米国覇権に挑戦するものです。米中どちらが良いかは自明です。「自由、民主、基本的人権、法治」を基本理念として持つ米国(100%そうはなっていなくとも)とその4つ総てない中国と選ぶとしたら自ずから明らかです。中国のチベット、ウイグル、南モンゴルの扱いを見ていれば、中国と組むのは愚かでしょう。

戦争になるとしても、戦闘から始まるよりは、先ずは経済制裁、機雷による海上封鎖から始まるのでは。米国の持つ金融情報(FATCA)を駆使し、世界の中で人民元取引国とは米国は取引しないようにすれば良いでしょう。石油や食料が入らない中国では革命が起きるはずです。海路(一路)から貨物は入らなくなり、陸路(一帯)からになります。陸路ロシアから貨物が入るのを止めるのがキモです。日ロ平和条約を結んで中国を孤立化させないと。

戦争になれば、米国内の中国人はどう扱われるのでしょう?強制収容所送りにするのでしょうか?スパイ活動をしている中国人は全米にいます。予防拘禁するのかどうか?国連(“United Nations)はどうなるのでしょう?第二次大戦後、特権を保持してきたP5の地位も変わらざるを得ません。戦後日本が背負ってきた言われなき捏造史も清算できるかもしれません。

キチガイ毛沢東(毛VSポンピドー会談)を生んだ中国のことですからMADも機能しなくて、核戦争になるやも知れません。核シェルターを早く整備しないとダメでしょう。日本も報復できる核を持たないとダメです。

The Economist記事

ひだ付きの華やかなコック帽をかぶるヤン・ジービン氏は、中国のリゾート地・北戴河にたたずむレストラン「起士林餐庁」の厨房責任者だ。同氏は1971年からここで働いている。中国政界の重鎮は毎年8月、この地に集って密室会議を開く。

Xi in RenDa

(写真=AP/アフロ)

今や料理長となったヤン氏は、この街一番の壮麗さを誇るこのレストランを昔ながらの姿に保とうと努めている。「100年前からメニューに並んでいる料理が20品以上あります」とヤン氏は言う。「私たちはここの伝統的なスタイルを守りたかったのです」。「猴子」(猿の意味)とだけ名乗るある客は、「私がこのレストランに初めて来たのは30年ほど昔のこと。当時に比べて変わったのは料理の値段くらいだ」と語った。

北戴河は北京から東へ280キロのところにあるビーチリゾートだ。まるで時間を切り取ったかのような雰囲気に包まれている。ホテルでは刺しゅう飾りのついたシーツも使われる。

始まりは毛沢東

恒例の北戴河会議が8月16日に閉幕したとき、この町の持つ時を超越したような空気もただの幻想に感じられた。中国の政治は独特な不確実性と緊張をはらむ時期に突入したのだ。習近平国家主席はこれからの数か月間、中国共産党の各レベルの指導層について全面的な人事異動を主導する。

そのハイライトとなるのが来秋に行われる中央政治局委員の選定だ(習主席は引き続き中央政治局の最高指導者となる)。中国では5年ごとに最高指導部の人事が決定される。歴代国家主席と近い関係にある勢力と習主席との熾烈な闘いがそのプロセスに暗い影を落とすことになりそうだ。

それでなくとも中国経済の健全性に対する懸念は高まる一方である。海辺の別荘で過ごす指導者たちは、浮かれた気分には到底なれないことだろう。

北戴河で非公式な会合を開くという伝統を始めたのは毛沢東だ。その狙いは、北京のうだるような暑さと単調な日々から逃れ、現役と長老が顔を合わせる場を提供することだった。1980~1990年代、鄧小平はこの討論の場を大いに利用し、自分の思惑どおりに物事が運ぶよう手を回した。各所の責任者は名目上の存在にすぎなかったのである。

だが習主席は口うるさい党の長老たちを寄せ付けないようにしている(2代前の国家主席だった江沢民氏は8月17日に90歳の誕生日を迎えた。だが今も影響力を持ち続けている)。前任者の胡錦濤氏と違い、習主席は長老たちのために割く時間を持ち合わせていないようだ。

権力の集中を進める習主席

理論上は、指導層の人事を改変するにあたり、習主席が自らの取り巻きを重用するのは比較的容易なはずである。習氏は政治指導者として胡錦濤氏よりもずっと強硬だ。鄧小平氏が築いた「集団指導制」を廃止し、前任者たちより多くの権威ある公的立場を自分のものとしている。

胡錦濤氏と江沢民氏がそうであったように、習主席は中国共産党の総書記であり、国家主席であり、人民解放軍の総司令官だ。だがそれ以上の存在でもある。習主席は自らが率いる「領導小組」制を拡充し、政府や党上部組織の領域とされてきた政策分野についても権限を与えている。

また習主席は厳しい「反腐敗運動」を進めており、官僚の間には恐怖感が広がる。検挙された大物の大半は習主席の政敵だ(最近では、胡錦濤氏の側近だった令計画氏が7月に無期懲役判決を言い渡されている)。習主席が政権に就いた2012年以来、副大臣以上の肩書を持つ177人が取り調べを受けた。

米ワシントンDCに拠点を置くシンクタンク、ブルッキングス研究所のチェング・リー氏によると、習主席は50人を超える軍司令官を汚職のかどで逮捕し、その役職に自分の部下を配置しているという。

中央委員会における基盤は脆弱

たとえそうだとしても習主席の権限はいまだ限定されている。確かに最上層部における習氏の地位は安泰に見える。だがその下の指導層において習氏を支持する者は驚くほど少ない。

カリフォルニア大学サンディエゴ校のビクター・シー氏は、共産党中央委員会の委員205人について仕事関連および個人的な人脈を多岐にわたり追跡した。中央委員会は幅広いエリート層が一堂に会する場であり、習主席の決定事項に印を押す立場にある(最近この委員会で公式な異議が持ち上がったという噂はない)。

だが喫緊の課題である経済改革など、習主席が自らの政策を実行するには、単に挙手するだけでなく熱心に支持してくれる存在が必要となる。シー氏によると、習主席派が中央委員会に占める割合はわずか6%。これでは大きな力にはならない。

この数字は鵜呑みにしないほうがいい。中央委員の多くが誰を支持しているかを知るのは容易なことではない。それに、習主席の派閥でなくても野心や恐怖心から同氏を支持する委員はおそらく数多く存在する。

それでも、中央委員会には習主席が頼れる忠実な支持者は圧倒的に少ない。習主席が今のメンバーを選んだわけではないからだ。現委員は2012年に習氏が党指導者となったのと同時期に選ばれた人々である。そのときの選抜プロセスは当時の最有力人物、つまり胡錦濤氏と、ずっと以前に引退していた江沢民が監督した。

中央委員会の大規模な入れ替えへ

中国では来年、5年に一度の共産党大会が開催され、中央委員会の新たな構成員が任命される。党大会の開催時期はおそらく10月だ。そのときは習主席が選抜プロセスを取り仕切る。さらに、補充する席数が通常より多い。

委員会が定める定年は65歳。通常は5年ごとに40~50人の委員がこの年齢に達し、退職する(ちなみに中央政治局の定年は68歳)。この年齢が変わらないと仮定した場合、2017年には85人の委員が引退することになる。これに加えて7人が汚職を理由に追放されているため、習主席は合計で92人を新たに任命できる計算となる。今年の北戴河会議では、この新人事が初めて検討されたようだ。

空席の一部は年功序列の原則に基づいて補充されるだろう。仮に習主席が新委員の半数を選べるとしたら、中央委員会における習氏への支持レベルは大幅に上昇する。たとえ習氏の忠実な部下が過半数に満たないとしてもだ。そうなれば習主席の権限は拡大する。

ただし絶対的なものとはならないため、同氏はそのことに苛立ちを覚えるだろう。習氏の前任者、胡錦濤氏が中央委員会のトップを引き継いだときも、去りゆく指導者たちが選んだ面々が委員に名を連ねていた。胡氏は指導者としては比較的弱気であり、困難な経済改革に対してあまり意欲を見せなかった。習主席は、少なくとも言葉の上では胡錦濤氏よりも野心的な態度を見せている(従来の慣習に倣えば習氏が退くと見られる2022年以降も、同氏はとどまりたい考えであるとの噂さえ聞かれる)。

人事をめぐるこうした戦いは今後1年ほどの間、閉ざされた扉の裏側で繰り広げられる。起士林餐庁のシェフ、ヤン氏は忙しくなりそうだ。中国の指導者たちは、以前は彼のレストランに足を運んで食事をしていた。だが最近、ヤン氏は彼らのビーチハウスに呼ばれて料理をすることが多くなったという。指導者たちは政敵を出し抜き、押さえ込むための策を巡らせているに違いない。

© 2016 The Economist Newspaper Limited. Aug 20th 2016 | BEIDAIHE | From the print edition

JBプレス記事

P22

韓国・ソウル南郊の烏山空軍基地でステルス戦闘機「F22」の前を歩く米空軍パイロット(2016年2月17日撮影、資料写真)〔AFPBB News

中国が現在陥っている経済的危機の深刻さは、「GLOBAL TRENDS 2030」が予想した「中国が破竹の勢いで国力を増強させ米国を2030年に追い越す」というシナリオが実現しないことを意味している。

私の中国に対するイメージは「手負いの龍」であり、あまりにも無理をして富国強軍を目指したために至る所で綻びが目立っている。

経済的苦境にある手負いの熊であるロシアがクリミア併合やシリアでの軍事行動などの問題行動を引き起こしている様に、手負いの龍である中国も攻撃的な対外政策をとり続ける可能性がある。

ダニエル・リンチが「中国台頭の終焉」*1で指摘するように、「中国台頭の終わりは、日本の台頭の終わりが日本のエリートたちを傷つけた以上に中国共産党を傷つけるであろう。国粋主義的な軍人や野望に満ちた外交の戦略家たちは強圧的で不快な外交政策に明らかに関心を持っているが、それらの政策により中国の状況を支え切れるものではない」のである。

「日米中安全保障関係」をテーマに米国で研究活動を行っていると、大国間の覇権争いの最悪の事態として米中戦争を想定せざるを得ない。

中国の南シナ海や東シナ海における国際法を無視した主張や行動とこれに対する米国特に太平洋軍の対応を見ていると、偶発的事案(例えば米中の航空機同士の衝突など)が米中戦争に発展する可能性や人民解放軍が強調する短期高烈度地域紛争(Short-Duration High Intensity Regional Conflict)の可能性を意識せざるを得ない。

安全保障の本質は、最悪の事態に備えることであり、最悪の事態としての米中戦争を想定し、分析し、最終的には米中戦争をいかに抑止するかを考えることは極めて重要である。

最近(2016年7月)、ランド研究所(Rand Corporation)が“War with China(Thinking Through the Unthinkable)*2” [中国との戦争(考えられないことを考え抜く)]を公表した。

このランド論文は、米中戦争について4つのケースを列挙・分析し、米中戦争が両国特に中国にいかに甚大な損失を与えるかを定量的に明らかにし、その損害の大きさを強調することによって米中戦争を抑止しようという試みである。

ランド研究所が得意とする米中戦争のシミュレーション結果に基づく興味深い論文であり、「戦争は、両国の経済を傷つけるが、中国経済が被る損害は破滅的で長く続き、その損害は、1年間続く戦争でGDP(国内総生産)の 25~35%の減少になる。一方、米国のGDPは5~10%の減少になる。長期かつ厳しい戦争は、中国経済を弱体化し、苦労して手に入れた経済発展を停止させ、広範囲な苦難と混乱を引き起こす」などの興味深い指摘がある。

このランド論文は、米陸軍の委託を受けて書かれたものであり、論文の大部分は秘に指定されて公表されていないと思われる。しかし、今回公表された部分のみでも示唆するところが大きいので紹介する。

*1=Daniel Lynch、“The End of China’s Rise”Foreign Affairs、January 11 2016

*2=David C. Gompert, Astrid Stuth Cevallos, Cristina L. Garafola,“ War with China Thinking Through the Unthinkable”, RAND Corporation

1ランド論文「中国との戦争」

  • 4つのケース

米中戦争について、以下の4つのケース(「短期、厳しい」、「長期、厳しい」、「短期、マイルド」、「長期、マイルド」)を列挙し、各々について分析している。

「短期」は数日から数週間、「長期」は1年程度を意味する。「厳しい」と「マイルド」の決定的な違いは、中国本土の目標を米軍が打撃するか否かであり、「マイルド」では中国本土の目標を攻撃しない。

中国の軍事戦略は「短期、厳しい」戦争を追求するが、米国は勝利の可能性の高い長期の戦争を指向している。つまり、米中は非対称な戦争の形態を追求していて、ここに米中の思惑の違いがある。

その結果として、「長期、厳しい」戦争に対する備えをしなければいけないとランドは主張している。

(1)短期、厳しい(Brief, Severe)

前提:戦争に勝利するという論理とカウンターフォース*3戦略が最初から支配的である。(筆者注:カウンターフォースの具体例は、米軍の場合はエアシーバトル、人民解放軍の場合はA2ADであると認識してもらいたい。エアシーバトルとA2ADの激突が米中のカウンターフォースであると認識してもらいたい)

特徴:

・両者にとって利害関係が非常に重要である。 ・危機はカウンターフォースの圧力のために増す。 ・両国は、あらかじめ策定した軍事作戦構想を直ちに実行する。中国は、米国の空母や航空基地を攻撃するためにキルチェインを使用する。

・米軍は、中国本土に対する選択的な打撃を行う。 ・両国は、選択的なサイバー戦争を実施する。 ・軍事作戦的に切迫した状況は、高速および激烈な戦争に帰結する。

・政治指導者は、紛争を終了する時期についてのみ統制する。 ・紛争は1週間程度継続する。

(2)長期、厳しい(Long, Severe)

前提:戦争に勝利するという論理、明確な勝者が存在しない状況、強い敵意、強い決意に基づいて激しい戦闘が遂行される。

特徴:

・指導者は、戦争を終結できないか、選択することができない。 ・被る損害は、妥協を困難にする。 ・米軍は、中国本土に対する大規模な打撃を実施する。

・非核手段によるエスカレーションが起こる。地理、目標、サイバー戦争、対衛星兵器のエスカレーションが起こる。 ・両国は継続的な大きな損失に直面する。

・両国は、より多くの戦力を投入する。中国は、損失の増大とともに動員を行う。 ・紛争は1年以上継続する。

(3)短期、マイルド(Brief, Mild)

前提:指導者は、敵対行為を制限し、紛争の早期終結に同意する。

特徴:

・敵対行為は、予期せぬ事故または誤算をトリガーとする。その際に、第三者を巻きこむ場合がある。 ・政治的指導者は、迅速かつ強い作戦統制を実施し、直接的に意思の疎通を図り、敵軍攻撃についての大きな統制権を確保し、現状維持で紛争を終了することに同意する。 ・1週間前後で敵対行動を終了する。

(4)長期、マイルド(Long, Mild)

前提:指導者は敵対行動を制限するが、紛争終了には同意しない。

特徴:

・「短期、マイルド」ケースの発展形である。 ・政治的統制により敵対行動を制限する。 ・両国の軍は、増強され、狭いところで作戦する。損害は散発的に、しかし継続的に起こる。

・指導者は意思の疎通を図るが、戦闘終結の時期に関して合意に至らない。 ・低烈度の紛争は、経済的にも政治的にも継続可能で、いずれの側も譲歩を望まないし、損失の大きな戦争も望まない。 ・紛争は1年以上続く。

*3=戦略核理論においては、カウンターフォース(counterforce)は、相手の戦力を破壊するための総力を挙げての試み(総力戦)を意味する。ランド論文は、核戦争を想定していないので、カウンターフォースとは、「通常戦において、相手の戦力を破壊するための総力を挙げての試み」の意味である。例えば、米軍による中国本土に展開する主要なA2AD能力を破壊する試みである。

  • 米国と中国の戦争についての考え

米国と中国は、「米中紛争が激烈なものになる」と考えている。中国は短期の紛争を計画(希望)し、米国は長期の紛争の方が米国の勝利にとって有利だと考える。しかし、米中ともに長期の戦争の影響を系統的に分析していないし、計画的かつ相互に暴力の抑制について考えることもしていない。

中国は、米国との戦争を避け、限定した目的(台湾の独立の阻止、海洋の要求を強制すること)のために軍事力を使用する。しかし、米国との戦争を除外しない。中国本土への打撃、膨大な損失、結果としての敗北を覚悟する。米国の介入を抑止できない、敗北を回避できない場合に備えなければいけない。

中国は、米国の空母および作戦地域に存在する航空基地を主要な打撃目標としている。中国は、米国のアキレス腱をC4ISR(ブログ主注:Command, Control, Communication, Computer, Intelligence, Surveillance and Reconnaissance)だと認識し、そのためにサイバー戦や宇宙戦の対衛星兵器(ASAT)を重視している。

  • 2015年と2025年における米中戦争による損失予測

米軍は、2015年の時点で、人民解放軍よりも長期の激烈な戦争を遂行する能力がある。中国のA2AD能力が米軍を減殺するよりも、米軍は中国のA2AD能力をより早く減殺することができる。

しかし、将来的には、米軍は、中国のA2AD能力により多大の損失を受け、中国軍の損失は少なくなる傾向がある。

図1は、長期の激烈でコストのかかる戦争のケースを示している。中国のA2AD能力が、米軍の打撃力との比較において相対的に向上すると予測している。

図のT0は戦争の開始時点、T1は戦争開始から数日後、T2は1年後を表す。2015年では中国軍の戦争に伴う戦力の低下が米軍の戦力低下よりもはるかに大きいことが分かる。

2025年では中国軍の戦力低下がほんの少し改善し、反対に米軍の戦力低下が大きくなり、2015年に比較して両国の戦力低下の差が縮小する。

diagram about US VS PRC-1

図1「長期激烈戦争における軍事力の低下」 出典:War with China

図2は図1の詳細バージョンである。左が2015年の軍事力の損失、右が2025年の軍事力の損失を示す。緑色の帯は小さな損失、黄色の帯は重大な損失、オレンジ色の帯は重い損失、赤色の帯は非常に重い損失を示す。

米軍の損失は、2015年に比し、2025年では大きく増加していることが分かる。中国人民解放軍の損失は、2015年も2025年も非常に大きな損失を被ることに大きな変化はない(損失の改善がほんの少し見られる)。

diagram about US VS PRC-2

図2「長期激烈戦争における軍事力の損失」 出典:War with China

  • 2015年および2025年の戦争によるGDPの損失

図3は、米中戦争におけるGDPの損失を示している。

左側は戦争により米中2国間の貿易が損失を受けることによるGDPの減少を示し、右側は戦争により米中2国間のみならず全世界の国々との貿易が損失を受けることによるGDPの減少を示している。右図(全世界レベルでの貿易量の損失の影響)における中国のGDP減少が顕著であることが分かる。

diagram about US VS PRC-3

図3「長期激烈戦争におけるGDP の損失」 出典:War with China

図4を見てもらいたい。中央の一番小さな円は米中2国間の貿易を、その外側の円は戦争地域のその他の国々との貿易を、一番外の円は戦争地域以外のグローバルな貿易を表す。

そして、赤色は戦争による非常に大きな影響、黄色は重大な影響、緑色はほんの少しの影響を示す。そして、それぞれの円の大きさは戦争による貿易上の影響の大きさを示している。

例えば、中国の場合、米国との2国間貿易は貿易全体の10%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受ける。

さらに戦争地域近傍の他の国々との貿易は全体の40%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受ける、戦争地域以外のグローバルな貿易は全体の50%で重大な影響(黄色)を受けるので、戦争に対する脆弱性も非常に大きい。

米国の場合は、中国との貿易は全体の15%で戦争により非常に大きな影響(赤色)を受けるが、戦争地域近傍の他と国々との貿易は全体の10%で戦争により重大な影響(黄色)を受ける、戦争地域以外のグローバルな貿易は全体の75%で小さな影響(緑色)しか受けないので、戦争に対する脆弱性は中国に比してはるかに小さい。

diagram about US VS PRC-4

  • 4つのケースの分析結果

(1)短期、厳しい(Brief, Severe)

米中いずれかの政治指導者が、敵部隊に対する激しい打撃を許可すると、非常に暴力的な戦争が勃発する。

2015年では、米国の空母や航空基地の損害は重大なものであるが、中国のA2/ADシステムなどの損害は米側の損害以上になる。数日間における米側に有利な損害の米中ギャップは、戦闘が継続するとさらに大きくなる。

しかし、2025年では、米国の損害は中国のA2/AD能力の向上のために増加するが、中国が被る損害はわずかに減少する。中国の損害は、米国の損害よりも大きいが、その差は縮小する。

米中両国にとって、戦闘の継続が勝利で終わるかどうかは明確ではないが、経済的には、激しい戦争は中国の世界貿易(その大部分は西太平洋を経由する)に大きな影響を与える。

一方、米国の損害は中国との2国間貿易に限定される。国際政治や国内政治には少ないインパクトしか与えないであろう。

(2)長期、厳しい(Long, Severe)

2015年における長く厳しい戦争は、中国にとってさらに悪い結果になる。

しかし、2025年においては、当初の決定的な結果をもたらさない戦闘は、予想される大きな損害にもかかわらず、両国に戦闘を継続するモチベーションを高める可能性がある。

米国の軍事的な勝利の可能性は2015年時点に比して悪化するが、中国の勝利を意味するわけでもない。戦争が継続すると、西太平洋の大部分(黄海から南シナ海まで)における民間の海運や空輸は危険になり、エネルギー供給を含む貿易の縮小が中国経済をひどく傷つける可能性がある。

紛争がより長く激烈になればなるほど、その地域の米国の同盟、国特に日本を巻き込むことになるであろう。

(3)短期、マイルド(Brief, Mild)

迅速な軍事的勝利の見通しの不透明さ、政治的な統制を失う危険性、大きな経済的損失の恐れにより、全面的な打撃を厳しく制限し、低烈度、散発的、決定的ではない、軍事的損害が最小限度の戦闘になる可能性がある。

両国の政治的指導者が妥協に傾き、紛争がもたらす経済的損失や国内及び国際的な政治的動揺が生起する以前に紛争が終了する可能性がある。

(4)長期、マイルド(Long, Mild)

戦闘は封じ込められ、損害は許容の範囲内であり、米中両国が低烈度の紛争を継続することによる政治的コストも小さい。両国が軍事的な優勢を獲得しないと、紛争はしばらく継続することになる。

一方、戦闘は限定されるが、経済的損失が特に中国において増大する。時間の経過とともに、国際および国際的な政治的反応が、「長期で厳しい」ケースの場合ほどではないが、増大する。

これらのケースは、米中両国の通常兵器によるカウンターフォース能力が、当初から制限のない敵対行動の終始を通じて大きな軍事的損害をもたら可能性があることを示している。そして、先制攻撃が有利であるという認識は、両国間の紛争の生起を容易にする要素になる。

中国のA2AD能力の向上は、2025年における米中間の損害のギャップを縮小させる。中国の損害はそれでも大きいが、米国の損害は2015年における損害よりも大きくなる。

米国の軍事的勝利の可能性は低下するが、中国の勝利の可能性も小さい。

両者は、損害を継続して与えることはできるが、敗北を受け入れるわけではない。「厳しい長期の軍事的帰趨のはっきりしない」戦争は、両国を弱体化し、その他の脅威に対して脆弱になるであろう。

  • 非軍事的要因の重要性

戦争は、結局は非軍事的要因で決定される。この非軍事的要因は、現在も未来も米国に有利である。

戦争は、両国の経済を傷つけるが、中国経済が被る損害は破滅的で長く続き、その損害は、1年間続く戦争でGDPの25~35%の減少になる。一方、米国はGDPの5~10%の減少になる。

長期かつ厳しい戦争は、中国経済を弱体化し、苦労して手に入れた経済発展を停止させ、広範囲な苦難と混乱を引き起こす。

そのような経済的損害は、政治的混乱を引き起こし、中国内の分離派を大胆にする。政府や治安部隊は、そのような挑戦に対抗できるであろうが、戦争中における抑圧を強め、中国政府の正統性を減じることになる。

一方、米国内の党派色の強い小競り合いは、戦争努力に影響を与えるだろうが、紛争がいかに長くかつ激しくなったとしても、その紛争が通常戦である限りにおいて、社会的な安定を脅かすものではなく、国家の生存には影響を及ぼさない。

サイバー戦がエスカレートすると、両国にとって有害であるが、中国の経済問題を悪化させ、落ち着かない国民をコントロールする政府の能力を低下させることになる。

国際的な反応も長く厳しい戦争において米国に有利になるであろう。

NATO(北大西洋条約機構)は、欧州におけるロシアの脅威を抑え込み、米国の東アジア同盟国(日本を含む)の米国に対する支持は、中国の軍事的チャンスを害することになる。

日本は、在日米軍基地が攻撃されたならば、参戦することになろう。日本政府の集団的自衛権に関する憲法解釈の変更、日本の軍事力の改善及び日本の参戦は、2025年までの戦争の方向性と結果に変化をもたらすであろう。

これらの事実は、米中戦争が非常に害が大きく、両国はその回避に最高の優先順位を置かざるを得ないことを明示している。

大きな損害が計画的戦争の蓋然性を低くするならば、両国の強い危機管理と軍隊のシビリアン・コントロールが求められる。両国の指導者間のコミュニケーションが重要になる。

米国は、厳しい紛争をコントロールできず、勝つことができず、大きな損害やコストを避けられないかもしれないが、激烈で迅速なカウンターフォースを自動的に実施すべきではない。

それは、軍事計画の遂行に関する大統領の最終的な許可に基づき実施され、指揮官たちは、大統領に実施可能な選択肢を提供しなければいけない。

中国は、A2AD能力の向上にもかかわらず、厳しい紛争の損害を被る。

ハイテクおよびハイスピード戦における軍民協力の経験に乏しい中国の指導者は、軍の現代化のトレンドは「短期戦の勝利である」という間違った助言を受けているが、実際の戦争は、厳しい長期の軍事的に決着のつかない戦争の蓋然性が高い。

そして、米国に有利な経済的政治的および国際的効果を伴う戦争である。中国は、米国と同様に政治的決心により、迅速激烈なカウンターフォース戦略に基づく軍事計画の自動的な遂行を防止すべきである。

  • 米軍のために奨励する行動

中国の米軍攻撃の抑制は、中国による米軍行動の予測に依存する。米軍は、紛争の初期段階において中国のA2/AD能力を撃破する計画に依存すべきではない。

そのような依存は、危機の安定化を阻害し、中国の先制攻撃を促し、当初からの激烈な戦闘を不可避にする。

さらに、米軍は、迅速な通常兵器によるカウンターフォース攻撃という唯一の計画で、大統領の選択肢を制限してはいけないし、代替案の遂行を準備すべきである。長期の高烈度の戦争を計画し、これを中国に知らしめることが安定の強化と抑止にとってより良策である。

兵器の残存性の向上とA2/AD能力(ミサイル、潜水艦、ドローン、ドローンの発射プラットフォーム、サイバー、ASAT)に資金を投資することにより、中国のA2ADに対抗すべきである。

これらのA2/AD兵器は、中国の戦勝の自信を否定し、紛争初期の緊要な時期のみならず全般にわたる安定の改善に資する。しかし、これらの兵器は、米国の軍事的優越性やコントロールを回復し、厳しい紛争における大きな損害や経済的損害を回避するわけではない。

中国との確率の低い戦争に準備する膨大なコストを考えなければいけない。

・激烈な軍事作戦を遂行し、生き残るための能力を改善する。 ・中国周辺の同盟国及び友好国の優先順位の高い軍事的能力を高め、軍事的相互運用性を向上する。

・日本およびその他の東アジア同盟国および友好国と有事計画を作成する。 ・中国との紛争を含む偶発事態及びそれに対するロシアやイランの反応についてNATOと協議する。

・中国製の重要な製品の中断を緩和する方策を採用する。 ・中国にとって戦時重要物資(例えば原油)の輸入を阻止する方策を案出する。

  • 米陸軍への提言

米陸軍は、次のことに貢献できる

・対A2/AD能力、例えば、中国の海空戦力損害を増大するために、機動式の地上発射ミサイル、統合防空を研究する。 ・東アジアの友好国を強くし、アドバイスし、強力な防衛の構築を可能にする。 ・長期の厳しい戦争における需要の大きい兵器と備蓄を評価する。

米国は、米陸軍を含み米中の軍対軍の相互理解および誤認識や誤判断によるリスクを低減するための方策を拡大し深化させなければいけない。

  • 「中国との戦争」の結論

中国の軍事力の向上は、米国の軍事的優位性を低下させ、米中戦争は、激烈で、1年以上継続する、勝者がいない、両国に非常に大きな損失とコストを強いる。そのような戦争が長く続くほど、経済的、国内政治的および国際的な影響が重要になる。

そのような非軍事的な影響が中国を最も激しく打ちのめし、米国の経済を害し、世界的な挑戦(諸問題)に対応する米国の能力を大きく損なう。

米国は、中国との長く激しい戦争を遂行することができるように、賢明な準備をしなければいけない。重要なことは、その計画立案、シビリアン・コントロール、平時・危機時・戦時に中国と意思疎通できる能力により、中国との戦争の規模、激しさ、期間を局限する米国の能力である。

同じように中国にとって、政治的統制、戦時におけるトップレベルの良き意思疎通が不可欠である。

中国の軍事力の向上は、米国に決定的に敗北する危険性を減じているのは事実である。しかし、中国は、短期の戦争を頼ることはできなくて、長期の戦争が中国を弱く、不安定で、不安全で、貧しい状態にするであろう。

米中がお互いを破壊する能力が同等になると、どちらも許容可能な犠牲で勝利する自信を持てなくなる。もしも対立や突発事態が敵対行動にスカレートしたならば、いかに勝利するかではなく、いかにして損害を局限するかを考え抜くべきである。

2 「中国との戦争」に対するコメント

ランド論文「中国との戦争」は、示唆するところの多い、意義のある論文であるが、以下のような評価もせざるを得ない。

  • JAM-GC*4(Air Sea Battleの後継作戦構想)を否定するのか?

「激烈で迅速なカウンターフォースを自動的に実施すべきではない」、「米軍は、紛争の初期段階において中国のA2/AD能力を撃破する計画に依存すべきではない」という表現は、JAM-GC(Air Sea Battleの後継作戦構想)を否定する表現と判断せざるを得ない。

この点がランド論文「中国との戦争」に対する筆者の最大の疑問である。

ランド研究所はいかなるJAM-GCの代替作戦構想を持っているのか。昨年秋にランド研究所が発表した米中戦争のシミュレーションである「米中軍事スコアカード」は、Air Sea Battleを作戦構想とする分析であった。

ただ単に激しい戦争を避け、長期の戦争に持ち込むために、JAM-GCを否定するような表現を使っているのか、疑問である。

  • 日本は厳しい状況を覚悟すべし

米軍が紛争の初期段階における犠牲を避けようとすればするほど、米国の同盟国である日本の被害は大きくなる。

米国が「短期、厳しい」ケースを避けたとすると、日本などの同盟国や友好国は「長期、厳しい」ケースに耐えなければならない。この点は、日本にとって重大である。

  • 米軍に対するA2/AD兵器の推奨

中国のA2/ADに対抗するために、米軍のA2/AD兵器の導入を推奨しているが、あまりに消極的すぎる提案である。

米国防省の第3次相殺戦略で提案されている長距離の打撃力などの中国に勝利する兵器や技術をどのように評価しているのか、疑問である。国防省は、あくまでも「長期、激しい」戦争に勝利する作戦構想および兵器を保有するという考えであろう。

  • 中国の指導者やシビリアン・コントロールについての評価

米中戦争の回避に関し、中国の政治的指導者の統制能力やシビリアン・コントロールに期待しているが、これらに期待できないから米中戦争が生起するのであろう。

中国には民主主義国家に見られるようなシビリアン・コントロールは存在しない。人民解放軍を習近平中央軍事委員会主席が本当にコントロールできるか否かが問題なのである。

  • 米中戦争の抑止

「中国との戦争」は、戦争による損失の大きさを強調することにより、米中戦争を抑止するという観点がある。しかし、損失の大きさは米中戦争抑止の重要な要素にはなるが、それだけでは不十分であり、総合的な抑止の方策が必要である。

*4=Joint Concept for Access and Maneuver in the Global Commons

良ければ下にあります

を応援クリックよろしくお願いします。