3/17日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「中国に立ち向かう役は日本にやらせよう」 結局は、中国に連れ戻される韓国』について

3/18北はまた弾道ミサイルを発射したようです。そんなお金があればもっと国民を豊かにするようにすれば良いと思いますが、共産独裁国家は聞く耳を持たないでしょう。金正恩は毛沢東と同様の残忍さです。やがて米中談合でフセインやカダフィのような運命を辿るかも知れません。

もう一つの朝鮮半島の国家である韓国は二股外交の愚かさに気付いていないようです。他人を利用しようとするだけの発想しか持ちえない哀れな民族としか言いようがありません。新渡戸の書いた「武士道」の中でも、必須と思われます義”rectitude”を欠く国です。日本に受けた恩を忘れ、世界に言いつけ外交、慰安婦の嘘を広めて来ました。米国もホトホト相手にするのに難渋したと見えます。平気で嘘をつくわ、直ぐに言い逃れる、あまつさえ「火病」を起こすのを見れば誰でも嫌になります。ここはやはり1000年宗主国である中国の出番でしょう。中国も平気で嘘をつくし、人を騙すのが評価される国なのでお似合いです。韓国も自由主義諸国に入っていますが、加藤産経ソウル支局長の軟禁事件に象徴されるように自由のない国です。かつ元記事を書いた朝鮮日報はお咎めなしと言うのですからネポテイズムの極みでしょう。3/18日経にあります2015年の報道の自由度ランキングを見ますと韓国60位で日本が61位です。何故韓国より下に日本がいるかと言うと、政府の責任と言うよりはメデイアの記者クラブの存在が大きいでしょう。自由に取材させない仕組みでこれは新聞・TVで良く批判している談合と同じ性質のものでは。メデイアも少しは数字を上げる努力をしたらと思います。記者クラブを止めれば、はるか上に行くでしょう。

3/18日経記事<香港のメディア事情、年々強まる中国の統制 

フォームの終わり

 外交・防衛以外で幅広い自治を認める「一国二制度」の下、香港は中国本土では認められない報道の自由を享受している。地元紙の多くは自らの政治的立場を示し読者の獲得を競い合ってきた。だが、中国政府によるメディア統制は年々強まっている。

Ranking of freedom of report 2015

 国際ジャーナリスト組織、国境なき記者団(RSF、本部パリ)による2015年の「報道の自由度ランキング」で香港は70位だった。ピークの02年(18位)に比べ大幅に後退した。RSFは「中国当局によるメディア統制が強まり、多くの記者は『所属組織は北京と問題が生じるのを避けるため自己検閲している』と証言した」と指摘する。

 中国の電子商取引最大手、アリババ集団は有力英字紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストを買収した。アリババの蔡崇信副会長は「欧米の主要メディアは特殊なレンズで中国を報道している」と批判。「中国政府の意に沿わない原稿は載りにくくなる」(同紙記者)との懸念が強まる。

 中国共産党の主張を代弁してきた親中国派の二大紙、大公報と文匯報も2月に経営統合し新メディアを準備中だ。李立峯・香港中文大学教授(40)は「中国政府は経営資源やスタッフを紙媒体からインターネットに再配置する思惑だろう」と指摘する。>

記事

Launching THHAD

韓国へのTHAAD配備を巡り、米中の駆け引きが続く(提供:U.S. Department of Defense, Missile Defense Agency/ロイター/アフロ)

前回から読む)

 「やっぱり、中国の言うことを聞こう」――。韓国人が弱気になってきた。中国から激しく脅されたうえ、米国からは見捨てられる気配を感じ取ったからだ。

腰が引けていた韓国

—前回の「朴槿恵外交は「暴走」から「迷走」へ」の結論は「韓国が米国側に戻ると見るのは、まだ早い」でした。

鈴置:北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した2月7日、地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD=サード)の在韓米軍への配備について、韓国は米国の要求を正式にのみました。

 配備は中国が強く反対していたので、韓国の「離米従中」が止まったかに見えました。日本でそう言って回る韓国人もいます。

 でもよく観察すると、韓国の中国に対する姿勢は及び腰でした。配備容認を明らかにした記者会見でも、韓国国防部は「米国に強要され仕方なく認めた」というニュアンスを必死で醸し出していたのです。

 もちろん、中国の目を意識してのことです(「『THAADは核攻撃』の対象と韓国を脅す中国」)。

 そこで「本気で米国側に戻るつもりはないな」と読んだのです。実際、THAAD配備容認から1カ月も経たないうちに韓国では「配備の容認により中国を敵に回した朴槿恵(パク・クンヘ)」への批判が高まりました。

「国を滅ぼす朴槿恵」

 当然と言うべきか、真っ先に批判したのは左派系紙のハンギョレでした。ことに激しい表現で目を引いたのが、オ・テギュ論説委員室長のコラム「国を滅ぼす朴槿恵外交の3大失策」(2月29日、日本語版)です。

 3つの外交失策として挙げたのは日本に完敗した「慰安婦合意」、開城工業団地閉鎖による南北関係の断絶、そして3つの中でも「痛恨の失策」である、THAAD配備容認による中国との関係悪化――です。それに関する部分が以下です。

  • THAADに対する中国の猛反発に「国連制裁とは関係のない純粋な安保次元の決定」という論理を(韓国政府は)展開した。だが、米中が制裁を議論する過程で駆け引きの材料になった痕跡が歴然としている。
  • THAAD配備カードが、中国が強力な制裁案を受け入れるテコとして作用したことは認めるとしても、中国の感情を傷つけるだけ傷つけておき、韓国の境遇を「鶏を追いかけた犬、屋根を見つめる」(一生懸命やったことが虚しく終わるという意味)にした判断ミスは重い。

経済人に圧力

—要は、朴槿恵大統領は中国を敵に回してしまった、との批判ですね。

鈴置:その通りです。これに続いて、対中関係の悪化を問題視したのが中央日報でした。保守系紙の中では最も中国に近いと見なされる新聞です。ハンギョレと比べれば、かなり大人しい表現でしたが。

 3月4日の社説「THAAD外交、安保と国益のための最適な戦略の模索を」(韓国語版)のポイントを翻訳します。3月5日の日本語版でも読めます。

  • (3月4日に)韓米はTHAAD配備のための合同実務協議団を発足させた。問題は中国の激しい反発をどう乗り越えるかだ。中国はTHAAD配備阻止に向け、総力で外交戦に取り組んでいる。
  • 最近、訪韓した中国の武大偉・朝鮮半島問題特別代表は数人の経済人にも会った。それだけで韓国への大きな圧力となる。中国でビジネスをする経済人が、THAAD反対論を聞かされただけでどれだけの負担になるか、容易に想像できる。
  • THAADの必要性に最も早く言及したケリ―(John Kerry)米国務長官も「(配備に)汲々とはしない」と言い出している。配備に関し、考慮すべき点が増えたとの意味だろう。
  • 我々こそ熟慮が必要だ。米中の競争と葛藤の状況を細かく研究し、その隙間でどんな選択をするのが安保と国益を守る最も良い方法なのか、長期的視点で精巧に戦略を描かねばならぬ。

 はっきりと書いていませんが、中央日報の言いたいのはこういうことでしょう。

  • 北朝鮮の核・ミサイル実験に驚いてTHAAD配備を認めてしまい、中国との関係が一気に悪化した。だが、米中は「THAAD」を取引のカードとし、我々の知らぬところで談合し始めたようだ。
  • THAAD配備問題はいつの間にか雲散霧消するかもしれない。配備を認め続けると、米国からはさほど評価されない一方、中国からは憎まれる可能性が高い。

中国の脅迫で下がった韓国株

—中国からの経済的な圧迫も気にしているようですね。

鈴置:中央日報はサムスングループの創業者である李秉喆(イ・ビョンチョル)氏が作った新聞です。一般紙ながら、経済界の利益には関心が深いのです。

 実害も出ています。「中国大使の“脅迫”で株価が下がった」事件が発生しました。韓国経済新聞が「中国消費関連株、韓中外交摩擦が『飛び火』」(2月25日、韓国語版)で報じました。

 企業名の前には業種を示すなど、韓国の産業に疎い読者にも理解しやすい形で翻訳しました。この記事は中央日報の日本語版にも翻訳、掲載されています。

昨年、証券市場を牽引した中国消費関連株がTHAAD配備問題で揺れている。

2月24日、化粧品メーカーのアモーレ・パシフィックは前日比1.80%安で引けた。2月に入り14.23%下落した。中国に工場を持つ化粧品の受託開発・製造会社、コスマックスも前日比0.41%安で引け、月初と比べ55.19%の値下がりとなった。

この日は化粧品・家庭用品のLG生活健康(マイナス2.35%)、製菓のオリオン(マイナス0.54%)、ホテル新羅(マイナス4.40%)などの中国関連株も一斉に下げた。

中国景気の減速に加え、THAAD配備に絡む韓中外交摩擦への懸念が高まったからだ。前日の取引終了後の邱国洪・駐韓中国大使の発言が影響した。

袁世凱に擬せられた中国大使

—中国大使に脅された、と韓国人が悲鳴を上げた事件でしたね。

鈴置:2月23日に邱国洪・駐韓大使がTHAAD配備に関連し「中国の安全保障上の利益が毀損されれば、両国(中韓)関係は避けようもなく被害を受けるだろう」と語ったことで、韓国はちょっとした騒ぎになりました(「『中国大使に脅された』とうろたえる韓国人」参照)。

 邱国洪・駐韓大使は、朝鮮朝末期に清朝から事実上の「朝鮮総督」として派遣された袁世凱に例えられるほど、韓国人の怒りの対象となりました。

 朝鮮日報の金基哲(キム・ギチョル)文化部長は「130年前の袁世凱を思い出した理由」(3月12日、韓国語版)なんて見出しの記事を書いて、「中国の圧政」に抗議したのです。

 発言1つで韓国株まで下げて見せるのですから、駐韓中国大使は今や、袁世凱以上の権力を持つのかもしれません。当時の朝鮮朝に株式市場はありませんでしたから、比べようはありませんが。

 2月28日から5日間も韓国に滞在した武大偉・特別代表は、駐日大使(2001-2004年)を務めた外交官です。その前には駐韓大使(1998-2001年)でしたから、言わば里帰りです。旧知の経済人に会ったほか、多くのメディアの個別のインタビューも受けました。

 邱国洪・駐韓大使のような威嚇的な発言はしなかったようで、韓国紙の反応も悪くなかった。現職大使が「悪い警官」、元の大使が「良い警官」の役割を分担し、韓国人を脅したり、すかしたりしている感じです。

一時は強気を見せた東亜日報も……

—ほかのメディアは「THAADで悪化した中国との関係」をどう評しているのですか。

鈴置:多くの新聞が懸念し始めました。中でも、東亜日報の変節が興味深いのです。

 東亜日報はTHAAD配備のための米韓合同実務協議団が発足した翌日の3月5日の社説「北の核先制攻撃の脅威……THAAD含む緊急対応が必要だ」(3月5日、韓国語版)で、諸手を上げて賛成しました。

 日本語版でも「金正恩氏の核恐喝にTHAAD含む対応が必要だ」(3月5日)で読めます。中国に対しても、以下のように強気でした。韓国語版を翻訳します。

  • 中国が頑なに反対したため、韓米の実務団発足に関する協議がしばらく停滞した。THAADが困ると言うのなら、中国は金正恩を説得するなり、圧迫するなりして核を放棄させれば済むことだ。

 中国の顔色をうかがう中央日報と比べ、気合いが入っているなあと感心したのですが、それは4日後に裏切られてしまいました。

 社説「独自制裁に出た韓国、米中の水面下の駆け引きに不覚を取ってはならない」(3月9日、日本語版)で、東亜日報は大きく軌道修正したからです。ポイントは以下です。

米中の本心を見落とし不覚

  • 米国務省のカービー(John Kirby)報道官は3月7日「米国は6カ国協議の再開を望み、完全かつ検証可能な非核化を望む」と強調した。THAAD配備に関しても「韓国との協議の必要がなくなる可能性もある」と述べた。
  • 米中が安保理決議と配備の保留を巡って、ある種の戦略的駆け引きをしており、非核化会談再開の方向へ局面転換を模索しているようだ。中国の「非核化・平和協定の並行」提案に米国は以前と異なって柔軟だ。
  • 制裁と圧迫だけで金正恩第1書記に核とミサイルを放棄させられるかは不確実だ。特に、北朝鮮政策の目標を金正恩政権の交代と崩壊、統一まで見通す圧迫に置くのかについては、韓米間に意見の相違があり得る。
  • 米中の本心を看破できず不覚を取ることがないよう、出口戦略も考慮し戦略、戦術的柔軟性を発揮しなければならない。

 東亜日報も米中の談合に警戒してはいたのです(「朴槿恵外交は『暴走』から『迷走』へ」参照)。

 でも、3月4日にTHAAD配備に向け実務協議が始まったので、米韓の結束は固いと読み誤り、翌日の社説で中国に「俺の後ろには米国がいるぞ」と凄んでみせてしまったと思われます。

 そこに3月7日のカービー報道官の発言。「米国がスクラムを組んでいるのは自分ではなく、中国だった」と気がついて、慌てて論調を変えたのでしょう。

韓国人の本音

—最大手紙の朝鮮日報は「THAAD」に関し、何か意見を表明しているのですか。

鈴置:3月5日の社説「準備せずに『統一の夢』は実現できない」でチラリと触れました。

  • 民族と国の運命を決める「北の核」の解決は、我々独自の意思だけでは限界があると痛感する。結局、国連が前に出ねばならず、米国と中国の取引を通じ、対北制裁とTHAAD配備問題が処理される過程を見守らねばならないのだ。

 現状認識を述べただけです。この問題で韓国が具体的にどう動くべきだとは主張してはいません。でも、同紙のシニア記者は署名記事で「米中間の立ち位置」に関し言及し始めました。

 3月9日、鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員が「活火山の火口役は避けるべきだ」(韓国語版)を書きました。韓国人の本音を吐露した記事なので、長くなりますがポイントを翻訳します。

ずる賢さが必要だ

  • 韓国にとって米国は「血盟」だ。3万6574人の米軍将兵が朝鮮半島で命を落とした。北朝鮮との軍備競争を避け、繁栄を享受できるのも在韓米軍のおかげだ。借りを返すにはほど遠い。とはいえ、いざこざの身代わりまで買って出ることはできない。
  • 同盟の限界はどこにあるのだろうか。韓米同盟の本質から明確にすべきだ。米国が、中ロを相手にする際に「パートナー」と規定している国は日本だ。韓国は北朝鮮を抑える「地域パートナー」との立場を越えたことはない。従って、アジアで米中間のいざこざの身代わりを進んで買って出る資格と責任は、日本にある。
  • 3月8日、韓国政府が北朝鮮制裁を発表した。開城工業団地の稼働中止を含め、取り得る圧迫手段はすべて動員した。残るはしっかりと履行することだけだ。
  • 同時に、韓国政府の対策の中に、過剰反応な部分がないかもチェックしなければならない。表に出さず静かにやるべき重要な課題も選別し、推し進めなければならない。
  • 指導者には、時としてずる賢さも必要になる。それでこそ「活火山の火口」役を避けることができる。

 米韓同盟を「対北朝鮮用」に明確に限定すればよい、との主張です。THAAD問題を期に韓国は中国からの圧迫と、米国から見捨てられる危険性に同時にさらされました。

 いずれからも逃れるには同盟の範囲を限って「中国を敵にしない」と宣言するしかない、との論理です。これは朴槿恵政権が当初から目指していたことです。米中間で迷走を始めた政権に、原点回帰を訴えているとも言えます。

 なお「過剰反応をチェック」とは、THAAD配備容認の見直しを含め、対中関係の改善に動こう――ということと思われます。「表に出さず処理する課題」とは、核武装の準備を密かに進めよう、との意味に受け取れます。

「やっつけられる日本」を見たい

—「中国に立ち向かう役割は日本にやらせよう」とも言っていますね。

鈴置:自分が中国に敵対しないだけではなく、日本を中国に敵対させる。そうすれば、より確実に中国との良好な関係を維持できる――との計算です。

 国際政治の常道として、隣国が強力になり脅威を感じた際に採る道は2つあります。強大な隣国に立ち向かうか、あるいはその侵略の方向を自分以外の国に向けさせるかです。

 ナチス・ドイツが台頭した時、フランスとソ連はお互いをドイツと仲違いさせようとしました。ドイツの自分への怒りを逸らそうとしたのです(「コリア・アズ・No.1」参照)。鮮于鉦・論説委員はまさに、この手を使おう、と言っているのです。

 感情的にも「日本をして中国に立ち向かわせる」作戦は、韓国人にとって心躍るものがあります。要は「中国が日本を攻撃するのを高みから見物しよう」ということですから。

 尖閣で中国が日本を圧迫するニュースを報じる時の韓国メディアは、実に楽しそうです。憎い日本がやっつけられるのを見るのは、韓国人にとって最高のショーなのです。それが将来、どんな不幸となって自分にやってこようと、です(「『尖閣で中国完勝』と読んだ韓国の誤算」参照)。

ずうずうしい韓国に嫌気する米国

—結局、韓国の新聞は左派系紙から保守系紙まで、米中等距離外交への回帰を訴え始めた、ということですね。

鈴置:その通りです。

—等距離外交はそんなに上手くいくものでしょうか。

鈴置:難しいと思います。「等距離」を語るのは簡単ですが、よほどハラを据えないと――中国に立ち向かう覚悟を固めないと、どんどん「怖い中国」の言いなりになってしまいます。過去3年間の朴槿恵外交がまさにそれを証明しています。

 そのうえ、米国から見捨てられる可能性も出てきました。中国に立ち向かわない韓国の面倒を、米国は見なくなるでしょう。もう米国は「困った人がいたら助けに行く世界の警察官」ではないのです。

 ことに韓国に対しては、米国のアジア専門家の多くが嫌気しています。65年前に一度、わが身を犠牲にして助けたら「血盟の関係だ」と勝手に言い出してすがりついてくる。最近に至っては、米国を裏切りながら「助けてくれて当然だ」と色々と要求してくるのです。

 鮮于鉦・論説委員の記事への読者の書き込みにも「卓説だ」との評価がある一方で、観念論だとの趣旨の批判が多々ありました。

 例えば、米中が南シナ海で対立した際「米国との同盟は北朝鮮専用ですから私は関係ありません」と言い張って米中間で中立を維持できるのか、との指摘です。そんな虫のいいことを言えば、米国から見捨てられるだろう、と懸念を表明した人もいました。

「足抜け」が始まる

—今後、米国はどう動くと思いますか。

鈴置:韓国を助けないどころか「米韓同盟の希薄化」カードを少しずつ切っていく可能性が高い。その見返りに、中国に「北朝鮮の核」を抑制させる作戦です(「朝鮮半島を巡る米中のカード」参照)。

朝鮮半島を巡る米中のカード
米国 中国
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定(不可侵協定)の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障

注)左右の項目は必ずしも連動しない

 米国は、面倒な朝鮮半島から足抜けしていく方向にあります。もちろん一気に米韓同盟の破棄までは行きません。でも、中国と駆け引きを繰り返しながら「半島離れ」を進めていくでしょう。

 東亜日報の3月9日の「不覚をとるな」と訴えた社説。あれは「今から米国の足抜けが始まる」との悲鳴だったのです。

(次回に続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください