3/31日経ビジネスオンライン 鈴置高史『韓国を無視して「パンドラの箱」を開ける米国 「米朝平和協定」で米・中・朝が取引』について

韓国の二股外交のツケが回ってきたという事でしょう。蝙蝠のように米中の間を行き来し、大国の鼻面を引き回すようなことをすれば、普通の感覚を持っていれば、どういう結果が生じるか予想されるでしょうに。桂・タフト協定やアチソン声明のような展開になるだけです。朝鮮半島の人々はニクソンの言った「朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です」というのは至言です。

朴大統領も昨年末の慰安婦合意後、日本批判のトーンを抑制してきています。室谷克美氏によれば「おねだりの前兆」とのこと。韓国経済がうまく行ってないので「通貨スワップ」を日本に要請することを考えているのかもしれませんが、7月衆参同日選が控えていますので、少なくとも8月まで認めることはないでしょう。米国の圧力があれば躱すのは難しいかもしれませんが、慰安婦の嘘を世界に撒き散らした民族ですので助けるのは止めてほしい。北との戦いも勝手にやって、日本に応援を求めないでほしい。GSOMIA締結も反対です。韓国は中国同様、日本の敵国です。反日教育をしている国と友好関係など築くことはできません。反日教育を止めてから普通に付き合えば良い。それまではできるだけ関わらないことです。

オバマのレガシーで北との平和協定締結というのは金正恩体制のままでは難しいのでは。中国が米国の斬首作戦を認め、中国がその後傀儡政権を打ち立てるシナリオを描いていれば別でしょうけど。でも北も同じ朝鮮民族なので火病を起こしやすいので、下手に体制を変えると騒乱に次ぐ騒乱となり、旧満州にいる朝鮮族にも刺激を与え、それが瀋陽軍にも動揺を与える可能性もあります。リスクが高くなるので、このままズルズル、金が核開発して、小型化・長距離化を事実上、認めることになるのでは。イスラエルやインドも核を持っても戦争にならなかったというか、核を持ったが故に戦争にならなかったと考えるべきでしょう。日本も核を持つことを真剣に考えて行きませんと。中露北と核武装国に囲まれて安穏と暮らしている神経が理解できません。

記事

Wang Yi VS Kerry-2

米中は2月23日の外相会談で「米朝平和協定」も話し合う6カ国協議の開催に合意した。韓国は寝耳に水だったようだ(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

 米国、中国と北朝鮮が「米朝平和協定」の締結を模索する。韓国は蚊帳の外だ。

激変する日本の安保環境

鈴置:朝鮮戦争(1950―1953年)に正式に終止符を打つ「平和協定」。これをテーマに米国と北朝鮮が話し合う可能性が出てきました。

 米朝がこの協定を結んで国交を樹立すれば朝鮮半島は、少しは安定するかもしれません。逆に、より不安定になるかもしれません。在韓米軍の削減・撤収につながるでしょうから(「朴槿恵外交は『暴走』から『迷走』へ」参照)。

 いずれにせよ、日本を取り巻く安全保障の環境が大きく変わります。動きを注視する必要があります。米朝平和協定は東アジアにとって「パンドラの箱」なのです。

韓国には参加資格がない

—韓国は平和協定に参加しないのですか。

鈴置:そこが微妙な点です。1953年に結んだ休戦協定により、朝鮮戦争は「中断」しました。協定に署名したのは米国と、中国・北朝鮮です。当時の李承晩(イ・スンマン)大統領があくまで統一を求め休戦に反対したため、韓国は署名に加わらなかったのです。

 北朝鮮は、一時的な休戦協定を恒久的な平和協定に置き換えることで地域の安定を増そう、とかねてから唱えてきました。米国との関係改善や在韓米軍の撤収が狙いです。

 実は「韓国に対する嫌がらせ」も北朝鮮の目的の1つなのです。「韓国は休戦協定に署名していないので、平和協定を議論する資格はない」と、交渉の場から排除できるからです。

 とは言っても現実には、韓国軍も北朝鮮軍と対峙しています。米朝だけが平和協定を結んでも実効性がありません。議論に韓国が加わるかは、駆け引きの材料として使われていくのでしょう。

乱れる米韓の足並み

—今回、韓国はどう対応しているのですか?

鈴置:動きがとれないでいます。そもそも当事者というのに韓国は、平和協定を交渉のテーブルに載せる動きを米国からちゃんと知らされていなかったフシがあります。

 2015年9月に中国が開いた天安門での軍事パレードに朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が参加しました。それ以来、米国は韓国に肝心なことを教えてくれなくなった――と言う韓国の記者もいます。

 平和協定を巡る論議が韓国の“弱点”であることは米国も分かっています。だから、これまでは北朝鮮の誘いに安易に乗ることはなかった。

 特に、北朝鮮の核開発が問題になって以降は「北が核で何らかの譲歩を示して初めて平和協定を議論する」ことで米韓は足並みを揃えてきました。それが乱れ始めたのです。

 北の核問題が深刻になったため、対北政策に関しては米国は中国への依存を増しています。当然、韓国の意見には耳を貸さなくなります。

 韓国人は「米中が何か密約を結んだのではないか」「韓国は米国から裏切られるのではないか」と疑心暗鬼に陥りました。メディアにも、そんな心情を吐露する記事が載るようになりました。

米朝秘密交渉から米中合意へ

—「米朝が平和協定を巡り秘密交渉」と米国紙が報じたことがありましたね。

鈴置:2月21日にウォールストリートジャーナル(WSJ)が「4回目の核実験の少し前に、米朝が戦争の正式な終結――つまり、平和協定――に関し秘密交渉していた」と特ダネを書きました(「朴槿恵外交は『暴走』から『迷走』へ」参照)。

 「U.S. Agreed to North Korea Peace Talks before latest Nuclear Test」(英語版)という記事でして「4回目の核実験のため、米朝の秘密交渉は途絶えた」とも報じました。

 この部分を読んでほっとした韓国人もいたでしょう。でも、それはすぐに裏切られました。今度は米中が、平和協定を6カ国協議――朝鮮半島を巡る多国間協議で話し合うことで合意したのです。

 流れを追うと分かりやすい。「表・平和協定を巡る動き」をご覧下さい。北朝鮮は4回目の核実験の9日後の1月15日に米韓演習中断・平和協定締結と、核実験中断を取引しようと米国に提案しました。

 

平和協定を巡る動き(2016年)
1月6日 北朝鮮、4回目の核実験
1月15日 北、米韓演習中断と核実験中断・平和協定締結の取引を提案
2月7日 北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験
2月17日 王毅外相「非核化と平和協定を同時に進める交渉を提案」
2月21日  
WSJ「4回目の核実験の前に米朝が平和協定に関し秘密交渉」
米国務省報道官、WSJ報道に関連「北が交渉を提案してきた」
2月23日  
ケリー国務長官「北が非核化を話し合う場に来れば平和協定も」
王毅外相「6カ国協議再開を通じ中国の当然の役割を果たす」
3月2日 国連安保理、対北朝鮮制裁案を採択
3月7日  
米韓合同軍事演習開始(4月30日まで)
洪磊・中国副報道局長「中国の玄関先での米韓演習に懸念」
3月8日 ソン・キム特別代表「韓国が知らない米中の秘密取引はない」
3月11日 リッパート駐韓大使「イラン、キューバ、ミャンマーと関係改善」
3月14日 尹炳世外相「韓米中3カ国協議は遠くない未来に稼働と期待」
3月15日 金正恩第1書記「早いうちに(次回の)核とミサイル実験を断行」
3月20日 オバマ大統領、キューバを訪問し21日にカストロ議長と会談
3月22日 ソン・キム代表と金烘均・本部長、3カ国協議推進で一致

 同日配信の朝鮮中央通信の記事「朝鮮外務省、敵対勢力らの反・共和国挑発行為を非難」(韓国語)の一節を以下に翻訳します。

  • 朝鮮半島と東北アジアの平和と安定のために、我々が示した「米国の合同軍事演習の中止」対「我々の核実験の中止提案」と「平和協定の締結提案」を含むすべての提案はいまだに有効である。

中国提案に乗った米国

—このニュースは初耳でした。

鈴置:ええ、日本でも韓国でも、ほとんど報じられませんでした。「北朝鮮のいつもの宣伝攻勢」と見なされたからです。ましてや、米国がそれに乗るとは想像しにくかった。

 なおこの記事で、北朝鮮は「平和協定の締結」を自らが米国に与える案件に数えています。実態は逆なのですが「平和協定を結んでほしい」と米国に頭を下げれば、舐められると考えたのでしょう。

—韓国が「日本が望むなら通貨スワップを結んでやってもいいぞ」と言ってくるのと、似ていますね。

鈴置:その通り、全く同じです。北も南も「見栄張り」なのです。話を平和協定に戻しますと、次に動いたのが中国です。王毅外相が2月17日に「非核化と平和協定を同時に進める交渉を提案する」と語りました。

 これも想定の範囲内の動きでした。米朝が平和協定を結べば、在韓米軍を追い出せるかもしれない。中国は北京の目と鼻の先の朝鮮半島に駐留する米軍が目障りでしょうがない。願ってもない話なのです。 

 だから多くの朝鮮半島観察者も、たぶん韓国政府も「中国がダメ元で言い始めたな」と見たわけです。

 でも、驚いたことにその6日後の2月23日、米国のケリー国務長官が「もし北朝鮮が非核化を話し合う場に来れば、朝鮮半島の未解決の問題を解決するための平和協定も最終的には可能だ」と述べたのです。中朝の「平和協定の締結を話し合おう」との提案を米国が受け入れたのです。

 米国務省の発表資料「Remarks With Chinese Foreign Minister Wang Yi」を見ると、ちゃんと「平和協定」(peace agreement)という単語を使っています。以下です。

  • it can actually ultimately have a peace agreement with the United States of America that resolves the unresolved issues of the Korean Peninsula, if it will come to the table and negotiate the denuclearization.

見過ごされた大ニュース

—このニュースも見た覚えがありません。

鈴置:ワシントンで開かれた米中外相会談の後の記者会見で、この発言は出ました。当時、世界のメディアは「厳しい北朝鮮への制裁に中国が合意するか」と「南シナ海での米中対立」に関心を集めていましたから、平和協定に関する発言は見過ごされがちでした。

 会見には中国の王毅外相も出席していました。ケリー国務長官の「平和協定」発言に先立ち「朝鮮半島の非核化と、休戦協定を平和協定に転換する作業を並行して進めたい」と述べ、改めて中国の立場を強調しています。米国務省が発表した英文は以下です。

we want to pursue in parallel tracks the denuclearization of the Korean Peninsula and the replacement of the Korean armistice with a peace agreement.

 会見で米中は一緒になって「平和協定と引き換えに北の核問題を解決する」構想を打ち出したのです。外相会談1発で決まるものではないでしょうから、会談前に相当に煮詰めてあったと思われます。

手を打って喜ぶ?北朝鮮

—米中外相会談で中国が「従来にない強い対北制裁」に合意したのは、米国からミサイル防衛で譲歩を勝ち取ったからだ、との報道もありました。

鈴置:THAAD(サード=地上配備型ミサイル迎撃システム)の在韓米軍への配備問題ですね(「 米国から『ピエロ役』を押し付けられた朴槿恵」参照)。

 中国は配備に強硬に反対していましたし、この問題に関する米韓協議が遅れたことから考えて、米国はTHAADも取引材料に使ったのでしょう。

 ただ、それ以上に大きなカードとして米国が使ったのが「平和協定」だったのではないかと思います。中国にとって、THAAD配備中断よりも在韓米軍撤収に伏線を敷ける方が、はるかにありがたいはずです。

 そしてケリー長官は同じ会見で「(制裁の)目的は非核化を話し合う6カ国協議のテーブルに北朝鮮を引き戻すことだ」と述べました。6カ国協議とは南北朝鮮に米中日露が参加する話し合いの場です。

 王毅外相も「中国は6カ国協議の議長国として、その再開を通じ自らの当然の役割を果たす」と述べました。これで「休眠中の6カ国協議を再び開き、その中で平和協定も話し合う」流れがすっかり出来上がりました。

 韓国は相当に焦りました。平和協定は在韓米軍の撤収――米国の対韓防衛の約束破棄につながりかねない。それに交渉の過程で「お前は関係ない」と除け者にされる可能性があるからです。

 しかし韓国が反対しようにも、いつの間にか米中朝が協議に動き始めたのです。北朝鮮は自分の目論見通りに世の中が回り始めた、と手を打って喜んでいることでしょう。

半島では仲がいい米中

—米中は協力的ですね。両国は対立を強めていると思っていました。

鈴置:大枠で言えば対立を強めています。でも、朝鮮半島に関しては「仲がいい」のです。米中には「多大な人的損害を出した朝鮮戦争の失敗を2度と繰り返したくない」との共通認識があるからです。

 1972年にニクソン大統領が周恩来首相に語った、以下の言葉がその象徴です。『ニクソン訪中機密会談録』の100ページから引用します。原文は「Nixon’s Trip to China」の「Document 2」の17ページに出てきます。

  • 朝鮮人は、北も南も感情的に衝動的な(emotionally impulsive)人たちです。私たちは、この衝動と闘争的態度が私たち(米中)両国を困らせるような事件を引き起こさないよう影響力を行使することが大切です。

 まさに今、米中は「感情的に衝動的な朝鮮人が米中を困らせることがないよう」談合を始めたのです。

米朝の威嚇合戦

—現在、米朝は激しい威嚇合戦を繰り広げています。そんなに簡単に話し合いに移行できるものでしょうか。

鈴置:確かに、米韓は近年まれな大型の合同軍事演習を実施中です。3月7日に始まった米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と「フォール・イーグル」は4月30日まで続きます。前者が図上演習、後者は野外機動訓練です。

 この中で、米韓は北朝鮮への侵攻を念頭に置いた上陸訓練を3月12日に韓国東海岸の浦項で実施しました。

 金正恩(キム・ジョンウン)第1書記を殺害する特殊作戦の訓練も実施する計画と韓国紙は報じています。もちろん4回目の核実験と、長距離弾道ミサイル実験を実施した北朝鮮への威嚇が目的です。

 一方、米韓演習に対抗し、北朝鮮も3月10日と18日、21日に弾道ミサイルを日本海に向け発射しました。

 3月9日には「核弾頭の小型化」に、3月15日には「弾頭の大気圏再突入」に成功したと発表するなど「核ミサイルの実戦配備も間近」とのイメージを打ち出しました。

「イラン合意」が雛型

—これを見ると、米韓が北朝鮮と激しく対決する構図です。

鈴置:でも「軍事的恫喝」や「経済制裁」では「出口」は見えません。米国を含め、軍事行動によって北の核を除去しようと考える国はありません。

 経済制裁のカギは中国が握ります。北朝鮮の貿易の90%は中国が相手だからです。ところが中国は、北朝鮮に核を放棄させるほどの厳しい制裁を実施するつもりはない。

 北が軍事的に暴発したり、あるいは経済が破綻して難民が中国に押し寄せたら大変だからです。下手に北朝鮮が消滅すれば、米軍が駐留する統一韓国と領土を接することになります。

 米国も、米中関係の悪化まで覚悟して中国に「厳しい対北制裁を実行しろ」と迫る気はありません。手詰まりに陥った米国は中国に歩み寄り「平和協定を北朝鮮と論議しろ」との主張を受け入れたのでしょう。

 表には出ていませんが細かな事実の断片をつなぎ合わせると、米中は「北朝鮮の核開発の進展を食い止めることに目標を置く。そのために中国もある程度厳しい制裁に同意する。一方、米国も北朝鮮の要求をある程度のむ」ことで合意したと思われます。

 根っこには「北に核を完全に放棄させるのは難しい。それならせめて核開発のテンポを遅らせよう」との発想があるのでしょう。2015年の「イラン核合意」と同じ考え方です。米中は国連の常任理事国としてこの合意を共に作った実績があります。

大手柄の3代目

—韓国以外は、平和協定を米朝が協議するメリットがあるのですね。

鈴置:ことに北朝鮮がそうです。米国と平和協定を結ぶことができれば、金正恩第1書記は権力基盤固めに使うでしょう。自分が米韓の間にクサビを打ち込んだと誇れますからね。

 さらに、協定をテコに在韓米軍の削減・撤収を実現できれば、祖父や父親も果たせなかった外交的な大勝利を3代目が実現することになります。

 それに激しい「威嚇合戦」には、米朝が自らのカードの値段を釣り上げる狙いも込められていると思えます。

 北朝鮮が今、実施している宣伝は弾頭の小型化にしろ、再突入技術の確立にしろ、すべて「核ミサイルの実用化に成功したぞ」との内容です。

 「表・朝鮮半島を巡る米、中朝のカード」で示したように、それらは交渉カードとなるのです。要は「俺の核は高いぞ」と協議の場でふっかける準備でもあるのです。

朝鮮半島を巡る米、中朝のカード
米国 中国・北朝鮮
THAAD配備留保 従来より強い対北朝鮮制裁容認
米韓合同軍事演習の中断と一部制裁の解除 北朝鮮の核・ミサイル実験の中断
米朝平和協定の締結  ・米朝国交正常化  ・在韓米地上軍撤収  ・在韓米軍撤収  ・米韓同盟廃棄 北朝鮮の核兵器廃棄  ・核弾頭の増産中断  ・弾頭再突入技術の開発中断  ・弾頭小型化技術の開発中断  ・保有核兵器の全廃
「朝鮮半島の非核化・中立化」の制度的保障

注)左右の項目は必ずしも連動しない

 反対に、米韓が繰り広げる久しぶりの大規模な合同軍事演習もそうです。この期間中、北朝鮮は準戦時体制をとらざるを得ません。例えば、鉄道も通常の体制では運行はできません。当然、経済活動に大きな支障が出ます。

 米国は大規模の演習をすることで「我々が軍事演習を中断しない限り、あんたは大損し続けるよ」と言い渡しているも同然なのです。

貧乏くじ引いた韓国

—今後、半島はどう動くのでしょうか。

鈴置:米韓合同軍事演習が終わる4月30日までは、米韓と北の間で威嚇合戦が続くでしょう。そして5月初めに北朝鮮労働党は36年振りの党大会を開きます。

 もし軍事的な衝突が起きなければ、党大会後に6カ国協議が開かれ、米朝間で平和協定に関して取引が始まる可能性があります。

—では、1人だけ貧乏くじを引いた韓国はどうするつもりでしょうか。

鈴置:どうすることもできません。

(次回に続く)

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3/30日経 中前忠『中国、その債務の大きさ』3/31日経『人民元安 綱渡りの中国(上)為替介入、市場は疑心 外貨準備、迫る限界』、『凍り付く油田の街・大慶 中国石油失速、現地を歩く 5万人一時解雇の観測も』について

中国の債務の大きさと人民元安、失業の記事です。どれをとっても中国経済の危うさについて触れられています。あれだけ日経は中国進出を煽ったのが様変わりです。身の丈にあった経済成長ができなかった、通貨発行をし過ぎて借金体質になり、期日までに借金が返せず、デフォルト・倒産の構図です。資本主義社会では、ハゲタカが現れ、資産を食い尽くすところでしょうけど、社会主義市場経済と言う自家撞着、畸形の資本主義なので、常識が通用しません。中国国内で経済が完結すれば良いのでしょうけど、不動産投資と純輸出で持っている国ですから、世界経済に与える影響は大きいです。

大慶油田に見られるように、リストラすれば当然失業者が増え、暴動の種となります。況してやマクロ経済で見れば消費へのインパクトは大きいものがあります。失業給付なんて雀の涙です。

http://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/pdf/320.pdf

為政者もどこから手を付けて良いか分からないのでは。緊縮財政にすれば失業者増→暴動頻発→社会不安→共産党打倒革命、放漫財政にすれば、①人民元安→キャピタルフライト→外貨準備減少→輸入量減少→資本規制→新規投資減少や②人民元安→インフレ→国民生活困窮→暴動頻発→社会不安→共産党打倒革命の道を歩むのでは。人権意識など微塵も持ち合わせていない共産党幹部は第二の天安門事件を平気で起こすか、対外戦争の道を歩むのでは。1900年の義和団の乱のように大衆暴動を攘夷に使い、大使館や教会、学校を焼き打ちして戦争へ誘うことも考えられます。何せ常識が通用しない国、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国です。もし、そうなれば、米国はリアルタイムで中国で起きていることを衛星によりキャッチし、全世界に向けて発信すれば良い。中国は衛星をロケットで撃ち落とそうとするかもしれませんが、そうなると、ミサイル防衛で対抗できるかどうかは分かりません。

中国の軍事拡張を抑止するには、先ず経済的に中国を封じ込めることです。豊かにすれば軍事予算に注ぎこみ、世界制覇の野望を実現させてしまうことになります。習近平の言う「中国の夢」とは世界を牛耳り、富を共産党幹部で独占することを意味します。米国が総て正しいとは思いませんが、少なくとも自由の理念には共鳴できます。自由のない、人権のない共産中国をのさばらせたら世界は不幸になるに決まっています。日本企業も目先の利益のことだけ考えるのでなく、長期的な国益を考え、中国を利することのないような行動を取ってほしいです。

中前記事

バブルをもたらすのは債務の異常な増加である。これが限界を迎えるのは、収益見通しが悪化し、貸し手が投融資の拡大に不安を覚えてくるからだ。債務の増加が止まり、投資が落ちてくると、経済は急減速し、債務の過剰と不良化が表面化してくる。

 リーマン・ショック直後の2009年から15年第3四半期にかけて、国際決済銀行(BIS)の推計によると、中国の非金融企業の債務は6.2兆ドルから17.4兆ドルへと11.2兆ドル増えた。この間の名目国内総生産(GDP)の増加は5.4兆ドルである。GDPを1兆ドル増やすのに、企業部門だけで2兆ドル強の債務増を必要とした。

 これに対して、世界(BIS報告国全体)のGDPは11.7兆ドル、債務は12.4兆ドルの増加だ。中国は世界GDP増加の46%、企業部門債務増加の90%を占める。

 この企業部門による11兆ドルの債務増が不動産を含む設備の過剰を生んだ。問題は、設備稼働率が大きく下がり、在庫も増える中で不良債権が増加してきていることだ。生産者物価上昇率が前年比マイナス5.3%で、都市部の1人当たり可処分所得(賃金上昇率に近い)の伸びが6.8%という中では、大半の企業が赤字経営のはずだ。不良債権が増加する銀行の貸し出し余力の低下もあって、企業金融は急速に引き締まってくる。

 設備過剰もそうだが、債務の過剰は、その増加額でみても、GDP比でみても、1990年代の日本のバブルをはるかに上回っている。中国経済は明らかに長期停滞に入っている。原油価格などの反発はあっても、これが持続する条件はないのである。

 中国の工業化の終わりと共に、モノの世界の収縮は続いていかざるを得ないのだが、そのなかで金融市場の収縮もまた避けられそうにない。世界的な金融不安はこれからが本番なのではないか。

(中前国際経済研究所代表 中前忠)

3/31日経記事

中国の人民元に先安観測がくすぶっている。中国当局が急激な元安を食い止めるため為替介入を繰り返した結果、外貨準備高は2月末時点で3兆2023億ドル(約363兆円)と1年余りで約6千億ドル減少した。介入を続ければ外貨準備の水準が早晩限界に迫るとの見方もあり、市場の疑念は払拭されていない。資本規制の強化が必要との声も出ている。

money exchange in Shengzhen

 荷物を抱えた人々でごった返す広東省深圳市の福田口岸。橋を渡れば香港まで徒歩数分の距離だ。厳しい荷物検査はなく、中国税関はほぼフリーパスで渡航者を通す。このためカバンに人民元の札束を詰め、香港で米ドルなどに両替する運び屋の姿が後を絶たない。

 中国政府が個人に認めた両替枠は年5万ドルまで。福田口岸は規制をかいくぐるのに格好の場所だ。国営新華社によると、当局は2015年に海外に不正送金する「地下銀行」を60行以上摘発、違法取引額は摘発された分だけで1兆元(約17兆円)を超えた。昨夏以来、人民元や中国株式の相場が不安定になっていることが背景にある。

 「正常化してきた」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の期間中に開かれた記者会見で人民元の安定に自信を見せた。米連邦準備理事会(FRB)が16日、年内の利上げ回数2回を示唆したことで人民元は対ドルでやや安定を取り戻したが、その背後にはやはり人民銀の存在がある。

 「また為替介入したようだ」。中国・上海外国為替市場。中国人ディーラーが電話越しに人民銀の動向を噂し合う。最近目立つのは単純な元買い・ドル売りではない。

 人民銀は金融派生商品を駆使し始めた。相手先にドルの現金を渡すのは数カ月先の契約満期を迎えてから。その間、人民銀はドルを温存し外貨準備を減らさずに済む。「外貨準備のドルを消費せずに、元を下支えできる」(市場関係者)

 中国の外貨準備は1月まで毎月1千億ドル規模で減少。外貨準備枯渇への不安がさらなる元安を呼ぶ悪循環を招いていた。介入効果もあり2月の減り幅は前月比286億ドルと市場予想を下回った。

 しかし「人民銀が結んだ契約の満期が来れば外貨準備は大幅に減るはず」(仏ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚煒氏)。国際通貨基金(IMF)の指針では中国の外貨準備の必要水準は2兆8千億ドル程度。これまでの勢いで減ると早晩到達する。

 貿易黒字国の中国で人民元に強い下落圧力がかかるのはなぜか。英バークレイズは「中国の資本流出の最大の要因は緩和的な金融政策にある」と根本的な理由を指摘する。08年に国内総生産(GDP)の1.5倍だった中国の通貨供給量は15年には2倍を超えた。

 人民銀は成長下支えで膨大な量のマネーを発行してきた。全人代財政経済委員会の尹中卿副主任は「あふれ出た資金が株式や不動産などに流れ込み、市場の変動を大きくさせてきた」と金融緩和が過大だったと評する。

 中国は過度な元安を容認しない方針を鮮明にしている。ただ元安阻止に外貨準備を使い続ければいずれ資本規制を課さざるを得ない。半面、金融を引き締めすぎれば経済に打撃を与える。中国は通貨政策を巡りジレンマに直面している。

『凍り付く油田の街・大慶 中国石油失速、現地を歩く 5万人一時解雇の観測も』記事

成長に急ブレーキがかかった中国石油天然気(ペトロチャイナ)など中国国有石油大手。膨張するエネルギー需要をまかなおうと各社が掘り進めてきた中国国内の油田に異変が起きている。その代表格が中国東北部の黒竜江省大慶市に広がる「大慶油田」だ。3月中旬、現地を訪れると、稼働を止めた石油掘削機が「墓標」のように並び、人々は不況の影におびえていた。

oil rig in Daqing

動きを止めた無数の石油掘削機が点在する(黒竜江省大慶市)

 ススキ野原の向こうに音もなく静かにたたずむ石油掘削機が見えた。1年前まではモーター音を響かせ地下から石油をくみ上げていた大慶経済の屋台骨。地元住民の張さん(39)がつぶやく。「あいつら、間もなく取り壊されるんだ」

 数万基の石油掘削機が点在する大慶市。今ではその半分近くが稼働を止めている。「習大大(習おじさん)が来てからすべてがおかしくなった」。張さんが声を潜めて言う。

 習近平国家主席が中国東北部を視察に訪れたのは昨年7月。黒竜江省幹部との会議で習氏はこう発言したという。「そんなに多くの掘削機を動かしても電気の無駄遣いだ」。景気減速で原油需要が細り価格も下がっている。それでも原油をくみ上げ続ける大慶油田の非合理性を習氏は指摘した。

Daqing in Heilongjiang

 それから急激な変化が大慶市を襲う。市内の掘削機が次々に緊急停止し、油井が閉められていく。2015年の大慶油田の生産量は3838万トンとピーク時から3割減った。油田運営会社の売上高は964億元(約1兆6700億円)と前年比で半減。同社を傘下に持つペトロチャイナの業績悪化の主因にもなった。

 大慶市は域内総生産(GDP)の6割を油田に頼る。270万人の人口の1割が油田運営会社の社員で、その家族や関連産業も含めれば、石油に携わる人たちは人口の半分に達する。原油減産が地元経済に与えるインパクトは計り知れない。

domestic production of crude oil in China

 「去年の今ごろは月に80~90台は売れていた。それが今は半分だ」。日産自動車系の「東風日産大慶易嘉店」の営業担当者が顔を曇らせる。油田関係者が現金一括払いで新車を買う例も珍しくなかったが、昨夏以降は客足がぱったり止まった。

 市中心部で威容を誇る市政府ビル。「政府は我々の生活を保障しろ」。3月中旬、40人以上のタクシー運転手が大声を張り上げていた。不景気でタクシーを利用する人が急減。その不満のはけ口を政府に求めた。一時は武装警察が出動する騒ぎになったという。

 市内最大級の商業施設に入店する米系コーヒーチェーン「スターバックス」では連日苦情が絶えない。「コーヒー1杯22元は高すぎる。こんな時なんだから、安くすべきだ」。収入が減った市民が訴える。

oil rig in Daqing-2

大慶市は270万人の人口のうち半分が石油に携わる

 市政府も手をこまぬいていたわけではない。1年半前にはスウェーデンの高級車大手ボルボ・カーの乗用車工場が本格稼働。売れ筋のSUV(多目的スポーツ車)などを生産し、部品メーカーの誘致も活発だ。それでも新たに生んだ雇用は1千人程度にすぎない。

 「市民の半分が不眠症にさいなまれている」。21日付の地元紙「大慶晩報」はこう報じた。仕事のストレスが原因という。不安に拍車をかけるのが、大慶油田が今夏に実施するという5万人規模のレイオフ(一時解雇)計画だ。

 「あと3年で定年なんだ……」。寒空の下、油井の改修にあたるベテラン作業員(52)に出会った。プレハブに泊まり込み、昼夜問わず働いてきたという。だが今、周囲に連なる石油化学工場で煙を出しているのは半数程度。「何とか30年やってきたんだがね」。あきらめにも似た表情でそうつぶやくのがやっとだった。

 ▼大慶油田 1959年に発見された中国最大の油田。ロシアに接する黒竜江省のハルビンとチチハルの間に位置する。海外技術に頼らず中国独自に開発をなし遂げた模範職場として、かつて「工業は大慶に学べ」とのスローガンが全国で流行した。最盛期には日本の原油輸入量の3割に相当する年5千万トン以上の生産量を誇った。失脚した共産党の元最高指導部メンバー、周永康氏ら「石油閥」の出身母体としても有名だ。

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3/30NEWSWEEK ルーシー・ウェストコット『中国有力紙の編集者が抗議の辞任、痛烈な辞職届をネットに公開』、3/30産経ニュース『中国の“モノ言う新聞”編集者が抗議の辞職 「共産党の代弁できぬ」 香港紙報道』について

人権抑圧国家が国連人権理事会の裏で、日本の左翼弁護士等を使い、日本について非難させることをやっているのはお笑い種としか言いようがありません。裏で理事国の委員とか左翼弁護士に金を握らせていると思います。

共産主義は一党独裁で、三権分立していませんから、党や行政機関をチエックする仕組みが存在しません。司法も行政機構の一部、メデイアも党の「喉と舌」で党の指導を受けなければなりません。日本の記者クラブ内のインナーサークルという安全地帯で政府を批判していれば高給が食める国とは違います。投獄や死刑覚悟で政府や党に逆らいます。日本の左翼リベラルにはその覚悟は微塵も感じられません。

3/11小生のブログで南方都市報の党との戦いぶりを書きました。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=3469

習が改革(改悪?)を進めれば進めるほど、摩擦は大きくなります。経済的に豊かになれば、党がいくら押えようとも、真実に近づく道は沢山出てきます。秋瑾とか汪兆銘が中国でどのように評価されていたとしても、共産党が崩壊したら評価は180度変わるでしょうから。秋瑾の磔刑の時には中国人は饅頭を持って彼女の血を吸いに行ったという本を読んだ記憶がありましたが、定かではありません。また、汪兆銘は墓を爆破されたという日本人にはとてもついていけないレベルの話があります。

中国人・朝鮮人とは距離を置いて付き合うべきです。

NEWSWEEK記事

Chinese Editor Resigns over Communist Party’s Media Crackdown

メディア規制が強化される中、「南方都市報」編集者が挑戦的な辞職届をネットに公開

Xi reviewed PLA

強まる言論統制 習近平に辞職を求める公開書簡がネットに表れたた3月上旬には、20人以上が逮捕された David W Cerny-REUTERS

 中国の有力紙の編集者が中国共産党のメディア規制に反発して辞職した。29日、広東省にある「南方都市報」の文化面編集者である余少鐳(ユィ・シャオレイ)が、マイクロブログの新浪微博(シンランウェイボー)に自らの辞職届を撮影して投稿。辞職の理由欄には「あなたたちの姓は名乗れない」と書かれていた。

 これは2月に習近平(シー・チンピン)国家主席が、中国メディアの「姓は”党”である」と言ったことを指している。すなわち、親である共産党に忠誠を尽くし、その意向に従えという意味だ。

 余少鐳の投稿は2時間ほどで消去されたが、BBCがそのウェブ魚拓(キャッシュとして保存されたもの)にリンクを張っている。BBCによると、余は投稿の中で「私も年をとった。長年(党に)跪いてきたが、これ以上は膝が持たない」と書いていた。

Yu Shaorei

【参考記事】党を批判したとして編集担当者を解雇――中国「南方都市報」

 余の投稿には微博の検閲に関する言及もあった。「私の微博を監視し、どの投稿を消すかを上司に報告している人へ。もう安心していい。この数年、心労をかけてしまっていたのなら申し訳ない。あなたの新しい仕事がうまくいきますように」

神経をとがらせる当局

 広州の地方紙である「南方都市報」は、南方日報グループの発行。共産党に許容され得るギリギリのラインを見極めながら報道を続けてきた同グループは、中国で「有数の挑戦的な媒体をいくつも抱えている」とニューヨーク・タイムズは評している。アジャンス・フランス・プレスによれば、余少鐳はこの新聞で16年勤務してきた。

【参考記事】公開状「習近平は下野せよ」嫌疑で拘束か?――中国のコラムニスト

 中国ではこのところ、当局が神経をとがらせ、メディア規制を強化している。3月上旬、全人代(全国人民代表大会)の前日に、「習近平は辞職せよ」と勧告する謎の書簡が「無界新聞」に掲載された。無界新聞は新疆ウイグル自治区主管のニュースサイトだ。この書簡を誰が書いたかはわかっていないが、「忠実な共産党員」と署名し、習を独裁者と呼んで、経済運営の失敗を批判していた。この件で20人以上が逮捕され、その家族も身柄を拘束されている。

米NPOのジャーナリスト保護委員会によれば、中国では49人のジャーナリストが投獄されており、昨年は世界最多だった。また、キューバや北朝鮮、イランと並んで、ジャーナリスト保護委員会の選ぶ「最も検閲が厳しい国10カ国」にもランクインしている(8位)。

 27日には、ドイツ在住の中国人ジャーナリスト、長平が自身の弟2人と妹1人が四川省で身柄を拘束されたことを発表した。ジャーナリストの逮捕と家族の拘束は、今年も続いている。

産経記事

【上海=河崎真澄】中国広東省をベースに調査報道を手がけるなど「モノを言う新聞」として知られる南方都市報の編集者が、習近平指導部によるメディア統制の強化に抗議して新たに辞職したと、香港紙、東方日報などが30日報じた。

 習氏は2月、北京で中国国営中央テレビなど3大メディアを視察した際に「全てのメディアの姓(ファミリーネーム)は中国共産党であるべきだ」などと強調し、共産党の宣伝工作に絶対服従するよう指示していた。これに対し、南方都市報の編集者は、「あなたたちの姓など名乗れない」と書いた自身の辞職届を撮影してネット上に掲載。共産党の代弁はできぬ、と習指導部に対して抗議した。

 同紙では、3大メディア視察時の習氏の指示、「中国共産党を代弁する」について報じた際、その見出しのすぐ下に、改革派の地元企業トップが葬儀の後で海に散骨されたとの記事を掲載。「(改革の)魂が海に帰る」とする見出しを上下に並べたことが、習氏に対する皮肉だと判断され、複数の編集幹部が処分を受けた経緯がある。新たに辞職した編集者は、そうした当局側の締め付けにも反発したものとみられている。

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3/30日経ビジネスオンライン 篠原匡『“トランプ大統領”のディールとゼロサム 在日米軍撤退発言の背後にある思考パターン』、3/31日経『トランプ氏「日本、自衛か負担増を」 駐留米軍巡り』について

トランプはタフネゴシエーターというだけで、歴史観や世界観を持ち合わせていないタイプでしょう。ヘタな考えがないから白地のカンバスに絵を描くように周りが支えれば大化けする可能性もあります。日本の核武装についても言及していますが、パンダハガーのキッシンジャーでさえも2007年くらいから「日本の核武装は見たくはないが驚きもしない」とずっと言ってきたくらいですから。非核三原則は法律ではなく政策レベルの話なので、いつでも変えることができます。国是とか言って、国が無くなったら国是も意味を成しません。後は国民の覚悟の問題です。日本共産党は中国の核保有、しかも保有数量も明らかにしない国に抗議もしていません。中国の金で暴力革命を下心として持っているとしか思えません。

トランプに言われるまでもなく、日本は防衛に真剣に取り組み、米軍基地は縮小していくべきと思っています。自衛隊に米軍の肩代わりをさせていくべきです。ただ、日本単独で中国の脅威に対抗は出来ません。ATO(Asian Treaty Organization)を米国中心に、日豪印台+ASEANで作って、中国を封じ込めるのが肝要かと。ロシアは中立か味方に引き入れて包囲網を完成させないと、中国は暴発するでしょう。沖縄の米軍基地は地政学上の戦略要地です。半径2000Kmの円を描けば、アジアのメインの都市が入ります。尖閣・石垣を守るためには米軍基地の存在は大事です。比がスービック基地を米軍再貸与するのと同じです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H14_Z10C16A3NNE000/

circle in a radius of 2000km from Okinawa

共和党主流派もあれほど嫌っていたクルーズを後押しし出しました。トランプの楽勝になるかと思っていましたが、まだまだ先が読めません。

日経ビジネスオンライン記事

“不動産王”が投下した爆弾が波紋を広げている。

 米大統領選における共和党候補指名争いで首位を快走しているドナルド・トランプ氏。「メキシコ国境に壁を作れ」など過激な言動で知られるが、3月26日に米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)で掲載されたインタビューで、日米関係の礎である日米安全保障条約の見直しについて持論を展開した。

Trump mentioned about withdrawal of US forces in Japan

トランプ氏は、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した(写真:AP/アフロ)

 「米国が攻撃を受けても日本は何もしないが、日本が攻撃を受ければ米国は全力で駆けつけなければならない。これはかなり片務的な条約だ」。さらに、大統領に就任した際には、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した。また、「日本が核武装することはそれほど悪いことではない」と、日本の核保有についても容認する姿勢を見せている。

日米安保に爆弾を投下したトランプ氏

 これまでトランプ氏は安保条約の不公平感については言及していたが、安全保障や対日外交について具体的に述べたことはあまりない。米軍撤退に触れたのも初めて。それだけに、日本政府関係者に衝撃が走った。菅義偉官房長官は「政府としてコメントを控える」と述べた上で、「日米安保体制を中核とする日米同盟は我が国の基軸。米国と緊密に連携していくことに変わりない」とコメントしている。

 トランプ氏がスーパーチューズデーで大勝を収めた直後、ワシントンの日系企業関係者と同氏の対日戦略について議論したことがある。結論から言えば、政策と言えるような政策を提示しておらず、経済面や外交面で日本に対してどういうスタンスを取るのか、材料がなさ過ぎて判断できないという話に終わった。ただ、その時に企業関係者が分析したトランプ氏の“思考パターン”が今回の見直し発言の底流にあるように思う。それは「ディール」と「ゼロサム」だ。

実業家のトランプ氏は1970年代以降、トランプタワーをはじめとするマンハッタンの再開発やカジノ建設などのビッグディールをいくつも実現させてきた。その一端は、1987年に出版した『The Art of Deal』に詳しい。これは、トランプ氏のビジネスにおける鉄則や成功の裏側をつまびらかにした自伝で、彼が数々の不動産取引をいかに成功に導いてきたのかが描かれている。

“優れたディールメーカー”の本質

 トランプ氏自身、今回の指名レースで自身を偉大なるディールメーカー(取引交渉者)と位置づけ、自分であれば米国を再び偉大な国にできると喧伝している。だが、ディールという言葉を突き詰めればいかに有利な条件でビジネスを展開するかという話であり、優れたディールメーカーとは、押したり引いたり駆け引きを駆使して最も有利な条件でビジネスを進められる人間のことだ。

 今回の在日米軍の撤退についても「ディール」という切り口で捉えることができる。在日米軍は米国のアジア戦略の要であり、負担の多寡で存在意義を語るべきではないが、物事を交渉と捉えてなるべく有利な条件を引き出そうとする彼の考え方が色濃く表われているように見える。

 もう一つのゼロサムは、失ったものを取り返すという思想だ。

トランプ氏が商標登録している選挙スローガン、“Make America Great Again”は米国を再び偉大な国にするという彼の強烈なメッセージである。だが、足元を見れば、米国が偉大な国に返り咲く材料はあまりない。

「パイの奪い合い」の結果としての偉大な米国

 シェール革命で米国は原油自給の道を切り開いたが、足元の原油安でシェール関連企業は死屍累々の山を築いている。財政悪化も頭痛の種で、世界の警察官として影響力を行使したのも昔の話だ。そもそも米国民自体が政府に、外交面で影響力を行使することよりも、経済など国内問題を解決することを望んでいる。

 その状況下で、偉大な米国を取り戻そうと思えば、どうしてもパイの奪い合いにならざるを得ない。奪われた雇用をメキシコや中国から取り戻せ、巨額の貿易黒字を中国や日本から取り戻せ--。その発想は、貿易を通じてウィンウィンを追求するというよりもゼロサムに近い。ウィンウィンという発想そのものに疑問が呈されているという面もあるのだが…。

 「トランプ氏が大統領になれば、ギブアンドテイクの面が強まるだろう。日本にとっていいことはほとんどないと思う」と先の企業関係者は語っていた。今回の在日米軍撤退発言にどれだけ深い意図があるのかは分からないが、ディールメーカー、トランプ氏が大統領になれば、この手の牽制球が続くのかもしれない。

日経記事

【ワシントン=川合智之】米大統領選の指名を争う共和党候補者の対話集会が29日開かれ、不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は日本が北朝鮮の脅威に対抗するため核武装するのは「時間の問題だ」と述べた。日本が駐留米軍の費用負担を大幅に増やさなければ米軍は撤退するとして「日本が我々に金を払うか、自衛するかだ」と迫った。

 トランプ氏は「北朝鮮はすでに核兵器を持っている。我々が(日韓核武装の)引き金を引きたいのではない」と主張。核保有国を増やさない政策は「変えなければならない時が来るだろう」と述べた。

 トランプ氏は米国は軍事費などによる巨額の財政赤字国だとして、アジアや欧州を米が防衛することは「米国が破産するほどの大きな利益ではない。もはやそんな余裕はない」と指摘。「日本が自衛すれば我々は裕福になる」と強調した。

 トランプ氏は自身の選対責任者が女性記者の腕をつかんで暴行した疑いで29日訴追されたことについては「彼女の方が私を2度つかんだ」と反論した。米CNNテレビによると、監視カメラには選対責任者が女性記者の腕をつかむ様子が映っており、トランプ氏の説明は虚偽だとしている。

 29日には米大統領選の共和党候補指名争いから撤退したウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(48)が、保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(45)への支持を表明した。党内はトランプ氏の指名阻止で結束する動きを加速しており、これまで共和主流派と敵対していたクルーズ氏をあえて支持する異例の事態となっている。

 クルーズ氏への支持を表明した主流派は2012年大統領選で共和候補だったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事や、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事ら。トランプ氏を支持するのはニュージャージー州のクリス・クリスティー知事ら一部にとどまる。

 一方、トランプ氏は昨年9月、共和候補に誰が選ばれても結果を支持するとの誓約書を共和党全国委員会に提出したが、対話集会では「支持しない」と表明。お互いの妻を批判するなど対立が過熱しているクルーズ氏への対抗心をあらわにした。

下は3/31日経『米大統領選が映すもの(上) 共和党、原理・価値観の危機 国際秩序、揺らぐ恐れ 久保文明 東京大学教授』記事より

Republican candidates

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3/30日経ビジネスオンライン 福島香織『習近平は「十日文革」で“友達”を失った 「鬼平」「軍師」「大番頭」が消え、揺らぐ足元』、3/29ZAKZAK『AIIB、早くも“機能不全” 格付け問題未解決 中国政府内で内紛も』について

3/28小生ブログで石平氏の「王岐山が習近平より上と言うのはwishful thinking」と言いましたが、福島氏記事を読みますと中国内ではいろんな見方がされているという事です。王>習ではないものの習は寂しき王様になっていることが分かります。中国も集団指導体制になり、毛沢東や鄧小平のような建軍時代のカリスマは現れなくなりました。まあ、共産軍は日中戦争時逃げ回っていただけですが。

中国人は「散沙の民」とか「一人の時は龍、三人寄れば豚になる」と言われるだけあって、日本人と違い団結するのが苦手です。自己犠牲の精神が薄く、「俺が俺が」となります。自己主張する民族ですから。

共産党内部が分裂するのは良いことです。このまま友人がいなくなれば、習近平も暗殺されるかも知れません。強権政治の結果が、哀れな末路となって終結するかもしれません。習の代わりに誰がリーダーになっても中国経済の立て直しはできないでしょう。3経済主体で30兆$もの債務を負ってデフォルトの連鎖になるだけでしょう。ハイパーインフレにして国民生活を犠牲にして借金を減らすかと言うとこれも暴動→再革命となって怖くて共産党は出来ないでしょう。中国所有の不動産を外国に売却していけば、借金返済は可能かもしれませんが、生産手段の公有を目的とした共産党統治の否定に繋がります。人権抑圧をしている共産党が潰れることは理想ですが。

ADBはAIIBを助けることはありません。敵に塩を送ることができるのは相手が日本人の時だけです。世界は忘恩の徒で成り立っていると考えた方が良い。軍事膨張主義の中国を経済的に助けることは、やがてブーメランのように日本に跳ね返ってきます。日本共産党や反日民進党は3/29「戦争法案反対」デモを国会周辺でやっていましたが愚かです。「戦争反対」なら日本政府でなく、中国政府に向けて北京でやって見ろと言いたい。偏向マスコミも喜んでデモの様子を映すから始末が悪い。深く考えない人は日本政府が悪いと脳内に刷り込まれてしまいます。マスコミ、野党はどこが戦争法案なのか、国際政治動向(中国の東シナ海や南シナ海での動き)を踏まえて説明する責任があります。煽情的に念仏を唱えorレッテル貼りをして他者を悪者にするのは左翼の常套手段です。騙されないように。

福島記

Wang & Xi

写真は2015年3月の王岐山(左)と習近平。今年2月に起きた「任志強バッシング事件」をきっかけに、2人の関係に亀裂が?(写真:ロイター/アフロ)

習近平と王岐山の関係に亀裂が走っている、という話を聞いた。“十日文革”と揶揄される任志強バッシングがそのきっかけだという。任志強は王岐山の幼馴染にして今なお深夜に電話で話し込むような大親友関係であり、2月以降に盛り上がった任志強バッシング報道は実は王岐山バッシングであったことは誰もが感じとっていたことだろう。私は劉雲山VS王岐山・習近平の戦いの文脈でこの事件を読んでいたのだが、現地の中国の政治ウォッチャーたちが読み解く権力闘争構図はそう単純ではないようだ。

 任志強がどういう人物か、簡単に説明しておこう。

 父親は元商業部副部長まで務めた高級官僚・任泉生。本人は不動産大手・華遠集団総裁を務めたことのある太子党の不動産王である。2014年に企業家から足を洗っているが、中国不動産協会副会長など役職を務める不動産業界のドンであることは変わりなく、また北京市政治協商委員(市議に相当)、北京市西城区人民代表(区議に相当)という役職にも就いている。

「中国のトランプ」を一斉にバッシング

 本人がその回顧録でも明らかにしているように、中央規律検査委員会トップの王岐山と幼馴染で、その親密な関係を隠しもしていない。王岐山は言うまでもなく、習近平政権の反腐敗キャンペーンを指揮する“中国汚職改筆頭”の“鬼平”であり、官僚・企業家たちから蛇蠍のごとく嫌われ恐れられている人物であるが、その王岐山の親友であることを背景に、任志強は“中国のドナルド・トランプ”のあだ名がつくほどの放言癖がある。

 中国の大手メディアが足並み揃えて一斉に“任志強バッシング”を始めたきっかけは2月19日。習近平が党総書記としてCCTV、人民日報、新華社を視察に訪れたとき、CCTVが習近平に忠誠を誓っていることをアピールするために、テレビ画面に大きく「CCTVの姓は党、絶対忠誠を誓います。どうぞ検閲してください」と卑屈な標語を掲げたことに対して、任志強が「人民の政府はいつ党の政府になった?」「すべてのメディアの姓が党になって人民の利益を代表しないようになったら、人民は忘れ去られて片隅においやられるんだ!」といった批判をネットの微博上でつぶやいた。

 この発言は、ネットユーザーらのみならず、体制内知識人にも大いに受けた。任志強は党中央メディアの卑屈な習近平擦り寄りぶりを批判しているのだが、その本質は個人崇拝をメディアを通じて仕掛けている習近平自身に対する批判でもある。

これに対し22日、中国の大手ネットメディアらは「任志強は西側憲政民主の拡声器だ」「任志強は民衆の代弁者のふりをして、民衆の反党反政府の憤怒の情緒を扇動している」などとバッシングを開始した。これは、あたかも、文革のつるし上げの様相であった。

 2月28日には、大手ポータルサイト新浪と騰訊の任志強のアカウントも国家インターネット情報弁公室の命令で閉鎖させられた。

「山を隔てて牛を打つ」権謀術数の只中で

 だが中国メディアおよび中央宣伝部がかくも威勢よく任志強バッシングを展開した本当の狙いは、別に習近平への忠誠心からではなく、任志強の発言が反党・反政府的であったからでもない、と見られている。

 任志強バッシングを最初に開始した「千龍ネット」(北京市党委宣伝部主管のニュースサイト)が掲げた「誰が任志強を“反党”的にさせたか」という一文では「任志強が夜中に頻繁に電話する指導者」(王岐山を指す)を挙げており、要するに任志強が恐れることなく習近平政権批判めいたことを言える黒幕は王岐山だ、ということをほのめかしている。

 「指桑罵槐」というか「山を隔てて牛を打つ」というか、権力闘争や権謀術数の激しい中国では往々にして、このようなけんかのやり方をする。つまり、中国メディアと中央宣伝部が任志強バッシングで本当に矛先を向けているのは王岐山だった。あるいは、習近平に忠誠を誓うふりをしながら、習近平と王岐山の中を割こうとする中央宣伝部の画策かもしれない。

 中央宣伝部は中国メディアを統括する党中央機関。新華社、CCTV、人民日報は中央宣伝部直属のメディアである。中央宣伝部を指導する党中央政治局常務委員はもともと江沢民派に属し、目下習近平とは微妙に対立関係にある劉雲山であり、中央宣伝部部長は胡錦濤派に属し、やはり習近平とは微妙に対立関係にある劉奇葆。劉雲山も劉奇葆も汚職の噂が絶えず、いつ王岐山率いる中央規律検査委の取り調べ対象となっても不思議はない。彼らが任志強バッシングの体を借りて王岐山攻撃を始めた、あるいは習近平と王岐山の間に亀裂を入れようとしている、というのが中国政治ウォッチャーの見立てであった。

この任志強バッシングを受けて北京市西城区党委員会は、任志強に対して党籍剥奪処分などを行おうとしたのだが、王岐山は2月28日、汚職Gメンこと中央規律検査委員会巡視隊を中央宣伝部に派遣し突然の“ガサ入れ”を行って、中央宣伝部およびメディアを黙らせるとともに、3月1日に中央規律検査委機関紙「中央規律検査監察報」上に「千人が唯々諾々と語るより一人の士の諤々とした発言の方がまさる(千人之諾々、不如一士之諤々)」と題した原稿を発表させる。

 タイトルにある“一士”が任志強を指していることは間違いなく、中央規律検査委、つまり、王岐山は習近平礼賛メディアを批判する任志強を表立って擁護したことになる。ちなみに、その直後に前回のコラムで取り上げた「無界新聞・習近平引退勧告公開書簡事件」が起きたのだ。この件については、習近平が激怒して犯人探しが猛烈な勢いで行われているところだという。新疆ウイグル自治区主管の新興ニュースサイト・無界新聞は閉鎖が決まり、この件に関与した疑いで著名コラムニスト賈葭ほか30人前後が、身柄を拘束され取り調べを受けている。私の聞いている範囲では、身柄拘束された人たちのほとんどが事件に無関係の“冤罪”らしいが、取り調べがあまりに厳しいので、あることないこと“自白”してしまい、それが権力闘争に利用される可能性もありそうだとか。

その時、習近平が止めなかったゆえに

 この事件の真相はまだ不明であり、任志強バッシング事件とのつながりがあるかどうかも分からないのだが、一つ言えるのは、主だったメディアは“党への忠誠”を声高に叫んではいるが、彼らの言う党への忠誠は必ずしも習近平への忠誠ではない、ということである。3月3日の人民日報は「ある指導者はメンツを失うのを恐れ、群衆の批判の言葉を聞こうとしない」という題の論説を掲載。この“ある指導者”が習近平を指すとしたら、中央規律検査委巡視隊の進駐を受けて、中央宣伝部が王岐山批判から習近平批判に転じた、という見方もできる。

 3月23日、新浪微博のあるアカウントが「北京市西城区の規律検査委員会で、ほらふき任(志強)の党籍剥奪が決定された」というコメントを発信。すぐさま削除され、これは習近平と王岐山の対立を煽るための「デマである」との見方が一部消息筋の間で伝えられたが、その一方で、習近平は本気で任志強潰しに動き始めている、という情報もやはり一部消息筋に出回っている。習近平は実はメディアが自分を礼賛しすぎるのを苦々しく思っており、メディアが任志強バッシングを始めた時、自らやめるように指示した、という情報も大紀元など体制外華字メディアで報じられているが、同時に、任志強・王岐山バッシングの時、習近平はメディアを止めようとしなかったので、王岐山と習近平の亀裂はもはや決定的となった、という話も耳に入っている。私はどちらかというと後者の情報を重視している。

実際のところ、政権のメディア・言論統制のひどさ、習近平政権の経済政策や外交政策の危うさに対する不満は、体制内知識人たちや官僚の間に高まっており、歴史学者でコラムニストの章立凡や中央党校教授の蔡霞、独立派の経済学者・茅予軾、上海財経大学教授の蒋洪らが任志強を表立って擁護することで、習近平政権の政策の過ちへの批判姿勢を示している。

“文革”勝ち抜き、王朝滅亡の分析本を推薦

 任志強バッシング事件は、中央宣伝部が習近平と王岐山の間に亀裂を入れようという狙いで仕掛けたのは事実かもしれないが、私の観察したところ、王岐山が習近平との関係を修復するために、任志強に批判をやめさせるように働き掛けた形跡はない。結果的に十日文革が、習近平と王岐山の権力闘争の形となったのは否めない。

 3月8日の任志強の誕生日の写真を人民公安大学教授の黎津平が微博に流していたが、その時の任志強は紙でできた赤い王冠をかぶり、手にバースデーケーキを持って花束やご馳走に囲まれており、その表情は“文革”を勝ち抜いた自信に溢れていた。3月23日には、公式ブログで推薦図書として清朝が滅亡した理由を分析した「帝国的潰敗」(張鳴著)などを紹介しており、ネットユーザーたちはこれを共産党王朝を滅亡に導こうとしている習近平政権への批判、皮肉と受け取っている。

 2月19日の習近平のCCTVなど3大中央メディア訪問を機に始まった三大メディアによる習近平礼賛報道は、一種の“文化大革命”の発動であったと捉えられている。メディアを使って習近平個人崇拝を展開し、一気に習近平は毛沢東的な絶対権威の地位を築く腹積もりだった。毛沢東の文革は10年続いたが、だが習近平の“文革”は、任志強(あるいはそのバックの王岐山)に阻まれ、10日で終わった。だから一部知識人や体制外メディアでは任志強事件は「習近平の十日文革」と皮肉られているわけだ。

 この十日文革によって習近平と王岐山の関係に決定的亀裂が入ったかどうかはひとまず置いておくとして、最近、習近平は友達がずいぶん減ってしまった、というのは事実のようである。

話は少し遡るが、劉少奇の息子で解放軍上将であり、習近平の“軍師”の立ち位置にあった親友・劉源が2015年暮れ、軍制改革を前に完全引退を表明したのは、実は劉源自身が習近平と距離を置きたかったためだという。習近平は軍制改革の中で新たに設立する中央軍事紀律検査委員会書記(中央軍事委副主席兼務)のポストに劉源を迎え、彼に軍内汚職の徹底摘発を行わせることで軍を掌握するつもりであったが、それを劉源は辞退した。なぜか。

 太子党の大ボス・曾慶紅にこう諭されたという。「軍の汚職摘発の筆頭がどれほど危険かをよく考えないといけない。官僚相手の汚職摘発を行う王岐山ですら何度も暗殺の危機にさらされている。軍の汚職摘発は相手が武器と部隊を持っているのだから、命がいくつあっても足りない。習近平のために、そこまで泥をかぶる必要があるのか」。こう説得されて、劉源は習近平と友達であり続けるのが怖くなったのだという。

「習近平のために泥をかぶる者は、もういない」

 もう一人、習近平と友達をやめたそうな動きをしているのが栗戦書だ。栗戦書は習近平が河北省時代から交流を持ち、今は中央弁公庁主任という立場で“習近平の大番頭”とも呼ばれている側近だ。だが、彼は最近、習近平と距離を置こうとしているらしい。聞くところによると、全人代で、栗戦書が「習近平を核心とする党中央」(いわゆる習核心キャンペーン)を提言するシナリオがあった。だが、十日文革の顛末を見た栗戦書は、習近平の求心力が意外に小さいことに気づき、全人代で習核心キャンペーンを打ち出すのをやめたという。

 今、共産党中央で何が起きているのかは、外からは非常に分かりにくい。博訊や明鏡といった体制外華字ネットニュースの報じる内容は、参考にはなるが、いざ体制内の情報通に話を聞いてみるとかなり解釈が違ったりする。

 一つだけ、はっきりしているのは、習近平政権の経済、外交、軍政そしてイデオロギー政策については、官僚や共産主義青年団派だけでなく、太子党内にも不満が広がっているということ。「習近平のために泥をかぶって仕事しようという政治家も官僚はもういない。あの王岐山ですら愛想を尽かしている」。現地の情報通はこうささやく。

 来年の第19回党大会までに、さまざまな権力闘争が展開されるのだろうが、従来のような胡錦濤・李克強派(共産主義青年団)VS習近平派という単純な構図ではなく、習近平派の中から、習近平に引導を渡そうという人物が出てくる可能性も少し頭に入れておく必要がある。

ZAKZAK記事

中国主導で昨年末に設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)が大誤算を重ねている。参加国数の数を誇るが、実態は日米や欧州との協調融資に頼り、独自の資金調達は先が見えないという羊頭狗肉。さらに習近平政権肝いりの別組織との内紛も生じかねない状況だ。  AIIBには創設メンバーとして57カ国が参加したが、中国出身の金立群総裁は、報道各社のインタビューでさらに30~40カ国が参加に関心を示していることを明らかにした。一部は打診レベルだとしながらも「多くの国が参加することになるだろう」と述べている。  規模の上では、日本と米国が主導するアジア開発銀行(ADB)に加盟する67カ国・地域を超える可能性が高まったことを誇りたいようだが、まだ中身は伴っていない。  大きな懸念材料である格付け問題は未解決だ。開発銀行は通常、融資資金を調達するために債券を発行するが、最大の出資国である中国の格付けが反映されるAIIBは、ADBのように「トリプルA」格を取得するのは困難で、当面、無格付けで債券を発行する方針とみられる。  先行して中国とブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国のBRICS5カ国が設立した「新開発銀行」も、債券発行で「トリプルA格」を取得したのは、中国国内の2つの金融機関だけというお手盛りぶりだ。  米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月に入って、中国の信用格付け見通しを引き下げている。

金総裁は「われわれは既存の国際金融機関のコピーにはならない」と強調し、効率とスピードを重視した「革新的な」新組織を目指すとしているが、確かに開発銀行としてのハイリスクぶりは前例がない。  融資資金を利率の高い借り入れで調達するにせよ、参加国からの出資金でまかなうにせよ限界がある。ADBや欧州復興開発銀行(EBRD)との協調融資で、先進国の助け舟を受けるしかないのが実情だ。  組織運営でも中国のもくろみ違いが生じていると指摘するのは、『米中経済戦争 AIIB対TPP』(東洋経済新報社)の著書がある週刊東洋経済編集長代理の西村豪太氏。  「欧州諸国が雪崩を打ってAIIBに参加したことは中国にとっては“うれしい誤算”。うるさ型の先進国がメンバーとなったことでAIIBのステータスは上がったものの、中国のペースで運営することには限界が出てしまった」と語る。  中国のための銀行だとの批判をかわすために体裁を取り繕ったところ、身動きが取りづらくなっているというのだ。  こうしたなか、AIIBと、中国が別に設置したファンド「シルクロード基金」のさや当てが生じかねないという。西村氏はこう分析する。  「中国政府はストレートに国益を実現する投資はシルクロード基金に任せ、AIIBは国際協調路線の象徴とするという役割分担を考えているのではないか。ただ、AIIBは財政部、シルクロード基金は人民銀行が主導しており、両者は犬猿の仲。きれいなすみ分けが可能かは流動的な要素が残る」  習政権のメンツと野望にまみれた資金が世界を混乱させるのか。

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3/29日経ビジネスオンライン 高濱賛『トランプの外交ブレーンに知日派おらず クルーズ陣営には「ネオコン」が結集』について

トランプが大統領になれば、ゴルバチョフのように米国の世界覇権は崩壊すると言うのが北野幸伯氏の見立てです。勿論トランプの今の発言通りの政策展開をすればという前提ですが。ルトワックが言うようにレーガンの前例もありますから、トランプが大統領になれば現実主義に転換する可能性も勿論あります。

http://archives.mag2.com/0000012950/20160329000000000.html

トランプはモンローイズムを徹底させ、内向きになるのでしょうか?モンローは米大陸への欧州の不当な干渉には徹底的に戦うとしましたが、後には米大陸の西漸金運動に繋がりました。先人たちが営々と築いてきた利権を簡単に放棄することは考えにくい。でも今のスタッフはアジアを知っている人が少ないという事で不安です。また露骨な人種差別が見え、日本人は日系人の強制収容所送りをしたFDRとイメージがダブります。如何に大化けするとしても・・・・。ただ中国から金を貰っていたヒラリーを大統領にするならトランプの方がマシかと。

ジェブ・ブッシュはクルーズを応援とのこと。ネオコンがスタッフと言うのがチト気になりますが。ネオコンは元々のルーツは左翼リベラルなので。でも対中強硬派なので、彼が現時点では一番良いかと。ブッシュ(息子)やレーガンの時のスタッフが多いと言うので。

ヒラリーのスタッフは知日派が多いと言ってもキャンベルを筆頭に日本弱体派です。ビンの蓋論で自主防衛させないと考えている連中です。中国よりも日本を心の中で敵視していると思われます。民主党は日本の旧民主党同様、碌でもありません。

記事

Cruz's staff

—アリゾナとユタの西部2州の予備選、党員集会ではドナルド・トランプ氏とテッド・クルーズ上院議員とが星を分け合いました。

クルーズ氏の外交ブレーンにはネオコンの面々が名を連ねる(写真:AP/アフロ)

高濱:アリゾナ州は得票率1位の候補が全ての代議員を獲得する「勝者総取り」でしたからトランプ氏は58人を全部取りました。これで獲得代議員数は739人。指名に必要な代議員数は1237人ですからあと498人です。(3月22日現在)

 一方ユタ州は「比例配分」です。しかし、今回から1位の得票率が50%を超えた場合には、「総取り」する例外規定が導入されたため、クルーズ氏が代議員40人を制しました。これで獲得代議員数は465人となりました。 (”Live March 22 Election results,” Lily Mihalik, Los Angeles Times, 3/22/2016)

 すでに予備選から撤退した保守穏健派のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が23日、クルーズ氏を支持すると公言しました。同氏は共和党保守本流から圧倒的な支持を得て、いわゆるスーパー代議員数を一時は最も多く確保していた。ブッシュ氏がクルーズ氏についたことで、ブッシュ氏の「指名推薦人」がクルーズ氏に大量に流れることが予想されます。「ストップ・ザ・トランプ」の動きに拍車がかかる可能性があるわけです。

予備選をベルギー連続爆破テロが直撃

—ところで22日の予備選の最中に外交面でいくつもの大事件がありました――オバマ大統領の歴史的なキューバ訪問、ベルギーでの連続テロ、北朝鮮のミサイル実験。各候補者はこうした国際情勢にどう反応したのでしょうか。

高濱:これまで予備選では景気や雇用問題、それに不法移民問題など米国民にとって身近な事案が焦点でした。ところがここにきて米国民にも関わり合いのある国際的な出来事が相次いで起こりました。

 ベルギーの連続爆破テロは、すでに過激派組織「イスラム国」(IS= Islamic State)が犯行声明を出しており、ISへの対応をめぐって各候補が発言しています。

 トランプ氏はISのテロについて、「拘束したテロ容疑者から情報を得るために水責めなどの厳しい尋問をするべきだ」と発言しました。これに対し、マイケル・ヘイデン元CIA(中央情報局)長官が反論すると、「三軍の最高司令官が命じたら軍は従うべきだ」と制した。しかし、「拷問」が国際法(国連拷問等禁止条約=1987年採択)に違反していることを指摘されると、渋々撤回しました。

 ベルギーの連続爆破テロが起こると、「(法が許すなら)水責め以上のことをやる。(テロリスト容疑者から)情報を引き出す必要がある」と言い出しました。朝令暮改の繰り返し、です。

 民主党の指名を狙うヒラリー・クリントン候補は、さすが国務長官を経験しているだけに「水責めのような拷問に頼るべきではない。テロとの戦いは他の同盟国と一致協力して行うべきだ」とトランプ氏を批判しています。

 米主要シンクタンクの上級研究員の一人は筆者にこうコメントしました。「予備選の最中に大きな外交事案が出てくるのは良いことだ。各候補者のステーツマンとしての力量が白日の下にさらされるからだ。このトランプという男の発言は、外交が未経験であるというだけではない。何か大事件があるとすぐ感情的に反応する一般大衆を代弁している、いや、彼自身がその一般大衆の典型的な一人にすぎない」。

—共和党の保守強硬派のクルーズ氏はどのような反応を示していますか。

高濱:クルーズ氏は「もし自分の住んでいる街に(イスラム過激派分子のような)不穏な行動をとる可能性が大きいグループがいるなら、治安当局による監視を一層強めるべきだ」と述べています。これはイスラム教徒が密集して住んでいる地域に対する警察の監視・警戒態勢を強化することを意味しています。具体的には電話・インターネットの盗聴から警官による24時間パトロール体制を考えているようです。

 これに対しオバマ大統領は、訪問先のアルゼンチンで記者会見し、「こうした提案(クルーズ氏の提案)は間違いであり非米国的だ。米国が行ってきたイスラム教過激派対策を弱体化させるだけだ」と激しく批判しています。

 クリントン氏も23日、スタンフォード大学で行った演説で、イスラム教徒密集地域で監視・警戒態勢を強化することに真っ向から反対しました。返す刀でトランプ氏が主張しているイスラム教徒の米国入国禁止案や「水責め」実施に反対し、「口先のレトリックで我々の共有する価値や安全を強化することはできない」とトランプ、クルーズ両氏の主張を退けています。

 テロ対策をめぐる民主、共和両党の意見の食い違いは、本選挙での一つの大きな争点になりそうです。 (”Clinton at Stanford: Global alliances key to ending terrorism,” Clifton B. Parker, Stanford News, 3/23/2016)

 指名に向けて一歩一歩前進しているクリントン氏は、ここにきて、対抗馬のバーニー・サンダース上院議員との論争ではなく、本選挙をにらんだ方向に戦術転換を図っています。

キューバとの関係改善支持するトランプ

—オバマ大統領のキューバ政策について各候補はどのような反応を示していますか。

高濱:クリントン氏は08年の大統領選では対キューバ禁輸解除に反対の姿勢をとっていました。しかしその後「禁輸は目的達成には役立たない」との理由から賛成に回りました。

 今回は「共和党の対キューバ政策は、この国を冷戦のレンズで見ているようなものだ。対キューバ禁輸は今直ちに解除すべきだ」と主張しています。

 そして「もし私が大統領になった時に米議会が禁輸解除に反対していたら、私は大統領令を発動して解除する」とまで言い切っています。

 トランプ氏は対キューバ関係を改善することに賛成です。ただキューバの人権抑圧政策を厳しく批判しており、「関係改善はいいことだが、私ならオバマ大統領よりももっといい取引をしただろう」と述べています。

 オバマ大統領の今回のキューバ訪問は大々的に報道されているものの、政治体制や人権をめぐる首脳同士の違いを埋めるに至っていません。国交正常化も時間をかけてやるということで画期的な成果があったわけではありません。オバマ大統領は米議会に対して対キューバ禁輸の解除を求めることになりますが、大統領選後の民主、共和両党の対決懸案の一つになることは必至です。

 キューバとの関係改善について共和党内にはいろいろ議論があります。真っ向から反対しているのは、トランプ氏を急追しているクルーズ氏です。父がキューバ移民で反カストロ派です。

 クルーズ氏の主張は単純明快です。「オバマ大統領のアプローチはカストロが望んでいる経済援助と国際社会での合法性をくれてやるようなものだ。カストロと交渉するときには反カストロ派を参加させるべきだ。禁輸解除は人権抑圧を完全にやめさせるが前提となる」。 (”Cuba: Campaign 2016, The Candidates & the World,” Council on Foreign Relations, 2016)

クルーズは徹底した反中・嫌中

—今月31日には習近平・国家主席が核サミット出席のため、ワシントンを訪れます。各候補者たちの対中姿勢はどのようなものでしょうか。

高濱:クリントン氏は第1期オバマ政権の国務長官として、対中交渉を第一線で担った経験がありますから、今のオバマ対中外交をそのまま継承するでしょう。つまり「米中関係は友でもなければライバルでもない。対北朝鮮問題から温暖化まで国際的なチャレンジを克服するために不可欠な関係」との位置づけです。そのために相互信頼と協力精神を引き続き保たねばならないと考えています。

 むろん中国の軍事力増強、南シナ海・東シナ海における海洋権益拡大や軍事進出、さらには中国国内で行われている人権抑圧には厳しい姿勢を終始とっています。

 中国に対して最も強硬なのはクルーズ氏です。とくに中国の軍事力増強を警戒しており、台湾にF16戦闘機を供与するようオバマ政権に強く要求しました。また中国のサイバー攻撃に対するオバマ政権の対応を批判し続けています。

 クルーズ氏はレーガン政権の「力による平和」という対ソ連政策を高く評価し、「この方式を対中にも適用すべきだ」と主張しています。

 15年10月、習近平国家主席が訪米した際には、「在ワシントン中国大使館前の広場を『劉暁波広場』と命名しようではないか」と他の上院議員に呼びかけたりしました。劉暁波・元北京師範大学講師はノーベル平和賞を受賞した人権活動家。クルーズ氏は、中国政府が同氏を投獄したことに抗議したのです。

トランプは日中の為替操作を批判

—北朝鮮のミサイル実験についてはどうですか。

高濱:各候補者は北朝鮮による挑発行為を厳しく批判しています。しかしながら、クリントン氏がより一層厳しい経済制裁措置をとるよう提案している以外、他の候補の発言に具体的なものはありません。

 トランプ氏は「北朝鮮をコントロールしているのは中国だ。北朝鮮は中国なしには飯も食えない。北朝鮮の行動をやめさせるのは中国の責任だ」と批判。クルーズ氏は「北朝鮮に核武装させたのはオバマ政権だ。クリントンとオバマは対北朝鮮外交で過去に何度も失敗をおかしてきた」とこき下ろしています。

トランプの時代錯誤な対日批判に米識者も辟易

—対日政策ではトランプ氏が抜きんでて強い対日批判を繰り返しているようですね。

高濱:その通りです。トランプ氏の対日批判について米ニューヨーク・タイムズ(3月7日付)が「トランプ、80年代の対日通商の長広舌を持ち出して日本を手ひどく批判」という見出しで報じています。 (”Donald Trump Laces Into Japan With a Trade Tirade From the ’80s,” Jonathan Soble and Keith Bradsher, New York Times, 3/7/2016)

 記事は、米通商代表部(USTR)の副代表だったグレン・フクシマ氏の次の発言を引用しています。「トランプ氏の対日発言は70年代後半から90年代中葉、卓越した米国の経済力を脅かすライバルと日本が見られた時期を思い出させる。日本経済が20年にわたる不況に見舞われたにもかかわらず、米国の雇用を掠め取る経済的ライバルとしてよみがえっていると考えていること自体、興味深い」。

 トランプ氏は日米安保体制の在り方についても「もし日本が敵に攻撃されたら米軍は応援にいくのに、米国が攻撃されたときに日本は支援しない、というのは片務的だ」と言い出しています。さらに、中東から日本に原油を輸送するタンカーを守っているのは米軍だとして「そのカネは日本が払うべきだ」とも言っています。

 まさに70年代から80年代に米国を席巻した「ジャパン・バッシング」(日本叩き)を21世紀中葉になって持ち出しているわけです。

 たまりかねたゼーリック前世銀総裁など100人の共和党系外交・安全保障問題専門家が3月3日に共同書簡を発表して、「トランプ氏の日本へ対する防衛対価要求はゆすり以外の何物でもない」と厳しくいさめています。

 トランプ氏の時代錯誤な対日批判に共和党系の学識経験者も辟易としているのです。

—なぜ、トランプ氏はこんな発言をするのでしょうか。

高濱:トランプ氏は日米安保体制や通商問題について詳しいわけではありません。

 不動産ビジネスの経営者として耳にしたことやビジネス関係者たちとの話しの中で出てきた「対日不満」をストレートにぶちまけているだけです。それを、中学生でもわかるような表現でアジ演説するので、愛国心に燃えた比較的教育程度の低い一般大衆には受けるわけです。

 大統領になったときに日米同盟関係をどう堅持、強化していくのか、といったステーツマンとしての自覚など今の段階ではないということなのでしょう。

 しかしトランプ氏もやっと外交ブレーンを集めたようですから、今後はもっと冷静で理路整然とした対日政策を打ち出すことを期待したいところです。

トランプ外交ブレーンはテロやエネルギーの専門家

—外交・安全保障、通商問題が予備選中盤に入ってにわかにクローズアップされてきました。各候補者にアドバイスしているブレーンにはどんな人たちがいますか。

高濱:トランプ氏の外交ブレーンを総括しているのはアラバマ州選出のジェフ・セッションズ上院議員です。

 外交チームのメンバーは、まずレバノン生まれで米国に帰化したウォリッド・ファレス博士。反イスラム教でキリスト教信者です。それから米メリルリンチのパートナー、カーター・ページ氏。石油エネルギーの専門家、ジョージ・パパドポウリス氏。元国務省査察官のジョー・シュミット氏、それからケネス・ケロッグ米空軍退役中将らです。

 対日、対アジア政策の専門家は今のところ見当たりません。 (”Donald Trump names foreign policy advisors,” Philip Rucker and Robert Costa, the Washington Post, 3/2/2016)

クルーズ陣営には「イラン・コントラ事件」関係者が復活

 クルーズ氏の外交ブレーンは、レーガン政権やジョージ・W・ブッシュ政権で外交安保政策を担当したネオコン(新保守主義派)のメンバーが名を連ねます。徹底したイスラム教嫌い、オバマ嫌いの保守強硬派の人たちです。

 超保守派シンクタンクの米センター・フォア・セキュリティ・ポリシーを創設したフランク・ガフニー氏がその中心。さらに、エリオット・アブラムス外交問題評議会研究員、フレッド・フレイツ元CIA分析官、アンドリュー・マッカーシー「センター・フォア・ロー&カウンターテロリズム」理事長たちが名を連ねます。

 アブラムス氏は、レーガン政権の時、イラン・コントラ事件に直接関与した人物の一人です。イラン・コントラ事件とは、国家安全保障会議(NSC)がイランに対し、85年夏から86年秋にかけてイスラエル経由で対戦車ミサイルや対空ミサイルを秘密裏に輸出し、その代金の一部をニカラグアの反政府右派ゲリラ「コントラ」への援助に流用していた事件です。米国は当時、イランを「テロ支援国家」リストに載せており、武器の輸出は法的に禁じられていました。この事件は、高い人気を誇ったレーガン大統領の統治能力の欠如を浮き彫りにしたものでした。 (”Here Are Five of Ted Cruz’s Most Fanatical Foreign Policy Advisors,” Sara Lazare, Alternet, 3/17/2016)

クリントンは東アジア政策にキャンベル元国務次官補

—国務長官を務めたクリントン氏の外交チームは、大統領候補者の中では一番規模が大きく、充実しているそうですね。

高濱:その通りです。総括者はオバマ政権で国家安全保障担当大統領副補佐官を務めたジェイク・サリバン元プリンストン大学教授です。ヒラリー・クリントン大統領が誕生すれば、国家安全保障担当大統領補佐官になると噂されています。

 同氏を軸にシニア・グループがあり、そのメンバーはレオン・パネッタ元国防長官、トム・デニロン元国家安全保障担当大統領補佐官、ミシェル・フロノイ元国防次官(政策担当)、マデレーン・オルブライト元国務長官たちです。

 その下に、国・地域別、政策別などに分かれたサブ・ブループがあります。アジア、欧州、中東などから人権問題、テロ、サイバーなど、国務省さながらに細分化されています。

 対日、対中政策ではクリントン国務長官の下でアジア政策を取り仕切ったカート・キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が控えています。ということはクリントン政権の東アジア政策はオバマ政権を踏襲することを意味しますね。

 関係者の一人は筆者に「サブ・グループは現在進行形のベトナム選挙からベルギーの連続テロまで最新情報を入手して分析している。その結果がクリントン候補の演説や記者会見にも反映している」と指摘しました。

 一方、対抗馬であるサンダース候補の外交ブレーンには、ローレンス・コーブ氏やレイ・テケイ博士らが名を連ねています。コーブ氏は、リベラル派シンクタンクの「センター・フォア・アメリカン・プログレス」の研究者。テケイ博士は、外交問題評議会に籍を置く、イラン系米国人の中東専門家です。

 クリントン氏の外交チームに比べると規模的にも質的にもちょっと見劣りがします。 (”Inside Hillary Clinton’s Massive Foreign-Policy Brain Trust,” John Hudson, Foreign Policy, 2/10/2016)

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3/26JBプレス 古森義久『悪評ふんぷん、またやらかした国連事務総長 武装勢力を擁護してモロッコ政府を怒らせる』について

韓国人を国際機関のリーダーにするとヒドイ目に遭うという典型例です。と言っても国連事務総長(韓国では世界大統領と呼んで自己満足していますが)なんてP5の間を取り持つだけ、ガリも反米ということで2期目はなくなりました。潘基文は無能の方が長くできると言う例証のようなものでしょう。日本も潘が事務総長として立候補した時に推薦したのですから何をか言わんやです。次期韓国大統領になる(何故世界大統領が韓国大統領に格落ち立候補するのか頭の中が分かりませんが)ため、中国の戦後90周年抗日記念行事に朴とともに参加しました。公平性を考えず、自分のメリットしか考えない小中華の典型的な人間です。朝鮮人をまともに相手しても穢れるだけですが、降りかかる火の粉は払わなければなりません。慰安婦問題だって、吉田清治の捏造、朝日新聞の誤報、河野の強制を認める発言等、左翼リベラルがタッグを組んで、裏で中国や北が糸を引く日本貶めに参画した構図です。でもその後、自民党がずっと放置してきたことが問題です。自民党政治家も金かハニーで買収されていたと思われます。野中に代表されるような旧田中派の政治家はダメです。日本人ももっと国際問題に関心を持たないと、左翼リベラルの好き勝手にされます。

3/27日経電子版にはトランプの記事が。<トランプ氏、日本の核兵器保有を容認 米紙に語る

 【ワシントン=吉野直也】米大統領選の共和党候補指名争いで首位を走る不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は大統領に就任した場合、日本の核兵器保有を容認する考えを示した。日本が在日米軍の駐留経費負担を増額しなければ撤退させる方針も明らかにした。日米安全保障条約の見直しにも言及した。これまで日米安保を「不公平」とは述べてきたが、米軍撤退に触れたのは初めて。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)が26日に掲載したインタビューで語った。トランプ氏は「米国は世界の警察官はできない。米国が国力衰退の道を進めば、日韓の核兵器の保有はあり得る」と述べ、北朝鮮や中国への抑止力として日韓の核保有を認めた。

 「核の傘」は核保有国の抑止機能を非核保有国にも及ぼす状態を指す。日本の安保政策は米国が提供する「核の傘」のもとに成り立っており、日本の核保有論はその根本的な転換となる。米軍が矛(敵地攻撃)、自衛隊が盾(専守防衛)という役割を定めた日米安保や日本の憲法との整合性の問題も出てくる。

 日本は唯一の被爆国として核兵器の廃絶を訴えている。トランプ氏の発言は日米同盟関係だけでなく、アジアや世界の安保秩序に直結する問題をはらんでおり、波紋を広げそうだ。

 トランプ氏は在日米軍に関して「米国には巨額の資金を日本の防衛に費やす余裕はない」と説明。在日米軍の駐留経費の大幅な増額を拒んだときには米軍を撤退させるのかとの質問には「喜んでというわけではないが、答えはイエスだ」と答えた。

 米国主導で進める中東の過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を巡っては「サウジアラビアなどアラブ諸国が地上軍を派遣してIS壊滅に取り組まない限り、原油購入を見合わせることもあり得る」と表明した。

 現在、米軍は特殊部隊は送っているものの、大規模な地上軍は派遣していない。空爆中心のIS掃討の効果は限定的との見方が多い。トランプ氏はそうした分析を背景にサウジなどに圧力をかけるのが主眼とみられる。共和党の指名争いでトップを維持していることから最近、外交・安保に関する発言が増えている。>

外交にトウシロの大統領候補としか思えません。外国に米軍基地を置いているのは米国にもメリットがあるから置いてきたわけで「アメリカを再び偉大に」と言っているのと矛盾するのでは。日本と台湾の地政学的重要性、特に沖縄米軍基地の存在の重要性について認識していません。米海軍の思いは、沖縄は第二次大戦の戦利品ですので。

ただ、日韓に核保有を認めると言うのは良いことです。NPTの複雑さについても吹っ飛ばす発言です。何せNPTは日本を監視するための条約ですから。韓国の戦時作戦統制権もすぐ韓国に返したらよい。日本は何が起ころうとも傍観しているだけ。日本の核配備の憲法問題はありません。この記者は分かっていて、さも問題があるように書いていますが。捏造と同じ。あの福田康夫内閣官房長官でも「法理論的には持てる。持っていけないとの理屈にはならない」と言っています。『横畠裕介内閣法制局長官は18日の参院予算委員会で、核兵器の使用は憲法違反に当たるのかとの質問に対し「わが国を防衛するための必要最小限度のものに限られるが、憲法上あらゆる種類の核兵器の使用がおよそ禁止されているとは考えてない」との見解を表明した。同時に「海外での武力行使は必要最小限度を一般的に超えると解している」と述べ、現実的ではないとの見方も示した。』とありました。

http://www.daily.co.jp/society/main/2016/03/18/0008903964.shtml

問題は国民の核アレルギーです。ミサイルが飛んで来ないと気が付かないのかもしれませんが、それでは遅すぎます。P5だけが核の独占使用を認められるというのは合理的・論理的ではありません。単に戦勝国というだけです。中共、ロシアは戦勝国継承国ですが。

記事

Ban Kimoon

今年末に退任する韓国出身の潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が、米国のメディア上で「無能、軽率で不公正だ」と非難され、その言動が国連憲章に違反すると糾弾された。

 最近、潘総長は、モロッコが実効統治している西サハラ地域でモロッコと対立する武装組織に肩入れをする言動をとり、モロッコ政府の反発を招いた。そうした言動をはじめとする潘総長の数々の失敗を明らかにした記事が「ニューヨーク・タイムズ」に大きく掲載された。日本に対して公正さを欠く言動をとってきた潘総長は、国際的にも悪評のようである。

潘総長が重ねてきたいくつもの失敗

 ニューヨーク・タイムズ(3月21日付)は、「国連の軽率なリーダーがモロッコでまたまたやらかす」という見出しの寄稿記事を掲載した。副見出しは「潘基文は分離主義の反乱勢力を激励し、国連憲章をまたも裏切った」とあり、潘総長を厳しく非難する記事だった。

 記事の筆者は米国主体の外交政策機関「大西洋評議会」の役員で、モロッコの雑誌発行者のアハメド・チャライ氏である。チャライ氏はこの記事で、潘総長は「国連の低い基準でみても非常に無能で不正に満ちた時代を画した」と断じる。そして、潘総長は2006年に現職に就いてから、制度的にも個人的にもいくつもの失敗を重ねてきたと評した。

そうした失敗の実例としてチャライ氏は以下を挙げる。

・国連が中央アフリカ共和国へ送った平和維持部隊が、ここ2年ほどの間、性的暴力を続け、地元では信頼よりも恐怖を広めている。

・アフリカのエボラ出血熱が国連機関の対応の不備によってさらに拡大した。

・2010年にハイチでコレラが発生した際、潘総長は対処の責任を負うことから逃げ、国連の専門家5人から非難された。

・国連職員を不当に縁故採用したとして、2011年に国連の監査機関から非難された。

・2016年1月に、パレスチナのテロ組織の殺傷行為に理解を示す言動をとり、結果的に現地の紛争をあおった。

・シリアのアサド政権が内戦で自国民50万を殺した際も、ロシアのプーチン大統領がウクライナのクリミアを奪取した際も、またリビアの内戦で国家が事実上崩壊した際も、いつも「中立」の名の下に効果的な措置をとらなかった。

国連憲章を裏切った西サハラ地区での言動

 さらにチャライ氏は、潘総長の西サハラ地区での言動が「国連憲章を裏切った」と批判する。

 潘総長は3月上旬、モロッコ政府が実効支配している西サハラ地区を国連代表として訪れた。その際、モロッコの実効支配を「占領」と呼び、モロッコ政府に戦いを挑む武装組織「ポリサリオ戦線」の主張を全面的に認める形での「平和的解決」を促した。

 ポリサリオ戦線は、元々西サハラ地区に住んでいた原住民が独立を求めて立ち上げた組織である。西サハラ地区の主権を主張し、同地区でサハラ・アラブ民主共和国の独立を宣言している。しかし、欧米諸国も日本も国家とは認めず、国連も加盟を許していない。

 チャライ氏は、中立のはずの国連事務総長がポリサリオ戦線の主張を支持するような発言をしたことは国連代表としてまったく不当であると糾弾した。

 モロッコ政府も当然、潘総長の発言に猛反発した。西サハラ地区に駐留している国連平和維持軍の撤退を求め、同維持部隊からモロッコ軍の要員を一方的に引き揚げた。モロッコ国内では潘総長の言動を非難する激しい抗議運動が続いているという。

 潘総長は日本に対しても、韓国政府の意向を汲み取るかのような発言が多い。とくに慰安婦問題では韓国の主張を全面的に支持して、日本を非難してきた。また、2015年9月には、北京で開かれた抗日勝利式典に国連代表として参加し、日本側から「公正を欠く」という批判を受けている。

 日本もこの際、潘総長の偏向した言動を退任前にまとめて公表し、国連事務総長としていかに不適任であったかを明らかにしてみてはどうだろうか。

3/27日経 FT『フェイスブック創業者の過信 中国への接近の代償 』、日経 中沢克二『日本も巻き込むアジアの新冷戦(風見鶏)』、3/25産経ニュース 石平『習近平氏よりも格上の実力者が浮上してきた 頓挫した「独裁者」への道』について

ザッカーバーグもハニーにかかったのかも。中国系米国人の妻とはハーバードで一緒でした。美人とは言えないおばさんタイプだからハニーではない?

http://jisin.jp/serial/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%A1/16531

Zuckerberg & Priscilla Chan

マードックの元中国人嫁は人民解放軍総政治部のスパイだったと言われますから、中国とのパイプがこれだけ強いことを考えると、今はスパイでなくとも今後スパイにされる可能性もあります。米国はザッカーバーグの言動には注意しておかないと。重要情報が洩れる可能性があります。

夫妻のFacebook株持ち分の99%寄付と言うのも色褪せます。まあ、節税対策と言うのもあるでしょうけど。自由を犠牲にしてまで金を儲けたいのかと言いたい。絶対に中国共産党はFacebookサーバーを覗くことを要求し、実行するでしょう。検閲の対象とし、共産党の不都合なことを書けば、逮捕状なしで拘引することでしょう。中国人ユーザーが侮蔑するのも当たり前です。

「拍馬屁」は、元々は2組の馬が通りすぎるときに、「良い馬」と言うのを表現するため相手の馬の尻を叩いて褒め合った賞賛の意味が現代は転じて阿諛の意になったとのこと。英語ではkiss ass とかapple polisherとか言われるんでしょう。

中沢記事を読むと、中国は愚にもつかない脅しをかけて来て、本当に愚かです。レアアースの禁輸で学ばなかったのでしょうか。中国人の観光客が来なければ、それはそれで良いでしょう。他国にドンドン売り込みをかけるようになるだけです。今日本人は中国人が嫌いな人が増えて来ています。2005年に小生が中国から帰って来た時に中国の実態を話した時とは隔世の感があります。何せ真実を話すと国粋主義者扱いでしたから。中国人観光客が増えたり、中国に観光に行ったりで中国人と言うのがどういう民族か肌で感じ取れるようになったからでしょう。南シナ海は日本のシーレーンで死活的に重要、核心的利益のある海です。中国の好きにはさせません。反日民進党や野田聖子の言うような展開にはさせません。3/29集団安保法制が施行され、米軍の後方支援が南沙・西沙でできるようになります。米軍の航行の自由作戦に参加できるという事です。トランプよ、良く見ておけ。

3/27日経の書評欄に聶 莉莉著『「知識分子」の思想的転換』の紹介がありました。費孝通や潘光旦が共産党の脅しに屈し、思想的転向せざるを得なかったとのこと。郭沫若を思い起こしました。

石平記事は習近平と王岐山彼の関係についてwishful thinkingが多分に入っている気がします。党内の権力争奪で内部分裂するのは理想ですが。

FT記事

映画「ソーシャル・ネットワーク」の冒頭、マーク・ザッカーバーグ役を演じる俳優がデート相手に向かって、天才級IQを持つ中国の人の数は米国の人口よりも多いと言う。米フェイスブック創業者のザッカーバーグ氏はこの伝記映画は不正確で自分は傷ついたと述べた。だが、脚本家のアーロン・ソーキン氏は明らかに1つ、的を射ていた。ザッカーバーグ氏の中国への執着ぶりだ。

zuckerberg & Liu

19日、北京を訪れ中国共産党の指導者の劉雲山氏(右)と握手する米フェイスブック創業者のザッカーバーグ氏=新華社・AP

■ザッカーバーグ氏、天安門広場でジョギング

 ザッカーバーグ氏が3月第3週に中国を訪問したことは大変な注目を集めた。同氏はひどいスモッグの中、天安門広場でジョギングをし、インターネットなどコンピューターネットワーク上の社会に属していると自負している中国人や欧米人の一部の「ネチズン(netizens)」から「ごますり」と嘲笑された。何千人もの人が彼のフェイスブックページを訪れ、紫禁城を笑顔で走り抜ける彼の写真を痛烈に批判したのだ。

 海外に暮らす多くの中国人ネチズンは、1989年の天安門事件の痛ましい歴史を無視したザッカーバーグ氏を攻撃した。北京の住民が耐えているひどい大気汚染がないかのように振る舞った彼を愚弄する人もいた。通常、広場を監視し、イベントや集会を開く人を誰でも逮捕する多くの治安警官がなぜ写真に写っていないのか不思議に思った人もいた。

 ザッカーバーグ氏がどうやって中国国内からフェイスブックに写真をアップロードできたのか問う人もいた。ツイッターやグーグル、ユーチューブと同様、フェイスブックも政府の検閲体制によってブロックされているからだ。

 米大手ハイテク企業は、中国の検閲は反対意見を遮断するだけでなく、百度(バイドゥ)、騰訊控股(テンセント)、アリババといった国内トップ企業を保護する狙いのいわば非関税貿易障壁だと主張している。だが、ザッカーバーグ氏はそうした仲間で唯一、中国にへつらうことで、この魅惑的な市場への再参入を執拗に追求してきた。

 今回、スーツ姿でプロパガンダと思想統制の責任を負う共産党指導者、劉雲山氏に会い、彼の話に熱心に耳を傾ける様子は国営テレビに大きく取り上げられた。その報道によると、ザッカーバーグ氏は「ネット分野で中国が遂げた前進を称賛し、サイバースペースでより良い世界を築くべく中国の仲間たちと協力すると語った」という。

■中国系米国人と結婚、初歩的な中国語話す

 中国系米国人と結婚したザッカーバーグ氏は、初歩的な標準中国語を話す。2014年には、中国に取り入ろうとする大きな取り組みの中で、中国のネット統括責任者に自分の持っている習近平国家主席の演説集を見せた。同氏は「中国の特色ある社会主義を理解してもらうべく」スタッフにも同じ本を数冊買ったと語ったという。

 だが、こうした努力は、彼が利用者として取り込みたい人たちには受けが良くなかった。今回、訪問した直後に、中国人ネチズンだけでなく厳しく統制されているメディアの一部からも同氏には多くの冷笑が浴びせられたため、国家プロパガンダ当局が検閲指令を出したほどだった。

 「ザッカーバーグ氏の中国訪問について悪意のある報道は統制するように。大げさな報道をしないこと」。リークされた通達には、こう書かれていた。

 この反応は、ザッカーバーグ氏のアプローチが抱えるリスクを浮き彫りにする。まず倫理的な問題がある。弁護士やフェミニスト、人権活動家、書店関係者が逮捕されたり「姿を消したり」している時に、この市場にこれほど熱心に参入しようとするのは、道義的に問題があるように見える。

■中国参入、最も厄介な条件でのみ実現

 純粋に金もうけの観点からでさえ、同氏のアプローチがどれほど効果的かは定かでない。グーグルやツイッターなどと異なり、フェイスブックに代わる企業で大成功した中国企業は存在しない。従って同社の参入を阻む強力なロビー団体は存在せず、同社の中国参入禁止が解除される可能性は十分ある。

 しかし、ブロック解除は最も厄介な条件の下でのみ実現する。フェイスブックのサーバーを中国に置き、ユーザーの個人的な情報とやり取りを公安機構に渡し、「デリケート」なコンテンツを削除するために大勢の検閲官を雇うと約束することなどが条件となる。

 ザッカーバーグ氏は中国に参入する代償の一部として、こうした条件の多くを受け入れるかもしれない。だが共産党が締め付けを強めるにつれ、いずれ同氏がどうしてもできないことを要求してくるだろう。その時点で当局に、忠実な小さな愛犬だった同社が裏切ったと見なされ、同社は厳しく罰せられることになる。

 ザッカーバーグ氏も知っているかもしれないが、中国語でゴマすりは「拍馬屁(パイマーピー)」と言う。「馬の尻をたたく」という意味だ。だが、これと関係した言い回しがあり、それは馬の尻を強くたたきすぎ、馬の足に手をすべらせたら多分に頭を蹴られると警告している。

By Jamil Anderlini

(2016年3月18日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

中沢記事

北朝鮮が“水爆”を搭載した長距離弾道ミサイルを発射。大海を越えて米国とみられる大陸に着弾し大音響と共に陸地が沈み行く。

 衝撃的な宣伝映像は昨年末、北京でひときわ目立つ銀色のドーム、国家大劇院で上映されるはずだった。美女で名をはせた北朝鮮のモランボン楽団の軽快な演奏と共に。公演は土壇場で中止され美女らは足早に北京を去った。直前に金正恩第1書記が“水爆”保有を宣言したのが中国の習近平国家主席の怒りを買った。

Xi & Kim & Abe & Obama

 周辺環境が厳しい中国は北朝鮮に秋波を送っていた。南シナ海で米国と対峙する中、朝鮮半島での影響力維持は重要だ。ミサイル映像だけなら容認できる。先に訪朝した序列5位の劉雲山氏も平壌で似た映像を見た。中国側は名は伏せつつ、「指導者」が公演を鑑賞すると約束していた。

 金第1書記は期待したという。「最高指導部7人の誰かだ。習主席の可能性もある」と。それなら中国が北朝鮮の核保有を事実上、認めたことになる。

 だが“水爆”発言に衝撃を受けた中国は国家大劇院に出向く指導者のレベルを一気に落とし、最後は某省次官が出席すると伝えた。今度は金第1書記が怒り、楽団を引き揚げた。そして数日後に命令書に署名し、年明けに“水爆”とミサイル発射の実験に突っ走る。

 国連の対北朝鮮制裁は中国の怒りもあって厳しい。それでも民生品を外したため中国が北朝鮮経済を支える構造は同じだ。美女楽団のドタバタ劇が示すように中国は北朝鮮に手を焼く。しかし地政学上、見捨てる選択肢はない。今も中朝は形の上では同盟関係だ。

 核実験とミサイル発射は中国と韓国の蜜月関係にくさびを打ち込み、中国の意図を超えてアジアに新たな冷戦構造を生み出した。

 朝鮮半島を巡る中朝ロと日米韓の対峙だ。米軍の地上配備型高高度ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備問題がそれを象徴する。中国は自らの核ミサイルも無力化されると反発し、ロシアも同調した。

 中国は“対韓制裁”もにおわせる。中国で人気の韓国ドラマ、音楽の流入を事実上、制限する巧妙な手だ。中国は南シナ海問題でフィリピン産バナナ輸入を制限。中国の民主活動家、劉暁波氏にノーベル平和賞を贈ったノルウェー産サーモン輸入を絞った実績がある。

 新たな冷戦構造は米中がさや当てを演じる南シナ海問題と連動する。米空母が南シナ海で中国の動きをけん制した後、朝鮮半島付近での米韓合同演習に参加した。習主席は国内で軍改革が佳境の今、朝鮮半島でも、南シナ海でも譲れない。

 本音を言えば北と南の二正面作戦は厳しい。南シナ海での対峙は米国、ベトナム、フィリピンに限りたい。もし米国と組む日本が関与すればゲームが複雑化し、中国に不利だ。日本の安全保障法も気になる。

 中国当局者らが日本にくぎを刺す。「南シナ海に日本は関係ない」。最近、中国の研究機構関係者が日本人を前に奇妙な論理を口にした。「日本が南シナ海問題で騒ぐと訪日中国人観光客が減りますよ」と。

 安倍晋三首相が進めるベトナム、フィリピンなどとの連携をけん制する観測気球である。まだ本気ではない。中国の李克強首相は「(対日関係は)改善の動きがあるが、なお脆弱」と語った。似た趣旨だ。

 中国は日本での閣僚級の日中ハイレベル経済対話、日中韓首脳会談の早期開催にも留保を付ける。南シナ海が理由だ。アジアの新冷戦は日本も巻き込みつつある。ワシントンで始まる核安全サミットでの日米中首脳の動きを注視したい。

石平記事

今月4日に開かれた全国政治協商会議(全国政協)の開幕式で、委員たちは異様ともいうべき光景を目撃した。式典が終わって、最高指導部のメンバーたちが順次、ひな壇から退場するとき、党の規律検査委員会の王岐山主任が前を歩く習近平国家主席を後ろから手をかけて呼び止め、話しかけたのである。

 衆人環視の中で、習主席の部下であるはずの王氏が取ったこの「なれなれしい」行動は、主席の権威をないがしろにする「軽薄なる行為」とも映った。その背景には一体何があったのか。

 その2週間ほど前の2月19日、習主席は中央テレビ局など3大メディアを視察し、メディアが党への忠誠に徹すべきだとの訓示を行った。それに応じて、3大メディアは一斉に、「メディアは共産党のものだ、党に絶対の忠誠を誓いたい」と宣した。

しかし民間からは早速反発の声が上がってきた。習主席の訓示と3大メディアの姿勢に対し、真っ正面から痛烈な批判を浴びせたのは、中国の不動産王で、政治批判の鋭さで「任大砲」の異名をもつ任志強氏である。

 3700万人のフォロワーを持つ自分の「微博」(ミニブログ)で、彼はこう発言した。「メディアはいつから党のものとなったのか。メディアが人民の利益を代表しないなら、人民によって捨てられるのだ」と。

 発言はいたって正論だが、問題は、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの習主席に盾突くようなことを言ったら一体どうなるのか、だ。

 案の定、任氏の微博のアカウントは直ちに閉鎖され、官製メディアによる「任志強批判キャンペーン」が一斉に始まった。任氏が所属する北京市西城区の共産党組織も、党員である任氏に対する処分を検討し始めた。この一部始終を見て、民間では「これは文化大革命の再来ではないか」と危惧する声が上がり、動揺が一気に広がった。

こうした中で、今月1日、中国共産党規律検査委員会の公式サイトに注目の論評が掲載された。

 論評は、「千人の唯々諾々より、一人の志士の直言の方がよい」という昔の言葉を引用して、指導者が「直言」に耳を傾けるべきだと諭した。

 タイミングからすれば、この論評が諭そうとしている相手は、他ならぬ習主席その人であろう。さらに興味深いことに、論評を掲載した公式サイトの持ち主は党の規律委員会であり、そのトップを務めるのは、習主席唯一の盟友とされる王岐山氏である。

 要するに、王岐山氏が習主席を諭したことになるのだ。その2日後、全国政協の壇上で、王氏がおうような態度で習主席を呼び止めた場面を目にして、多くの人々はうなずくことができた。なるほど、共産党の「本当の実力者」は誰であるのか、がこれでよく分かったのではないか。

おそらく王岐山氏も、こういう「視覚的効果」を計算してわざと上述の行動に出たのであろう。彼は、自分の習主席に対する優位性を衆人の前で示すことができた。

 習主席の就任から3年、その最大の「政治実績」となったのは腐敗摘発であるが、考えてみればそれは全部、規律検査委員会トップの王氏の手柄であった。そして、摘発権という絶大の武器を手にして党内で権勢を振るった結果、いつの間にか、王氏は習主席をしのぐほどの陰の実力者にのし上がったのである。

 実は上述の規律検査委員会サイトの論評掲載を境目に、任志強氏に対する批判キャンペーンがピッタリと止まった。2月25日掲載の本欄が取り上げた、習主席を「核心」として擁立するような動きもそのあたりから息切れとなった。どうやら本当の実力者が浮上してきた中で、「独裁者」への習主席の道が閉ざされたようだ。

3/25日経ビジネスオンライン 北村豊『黒竜江省長「誤発言」が招いた炭鉱労働者の憤怒 坑内環境の厳しさと悲惨な生活と急増する抗議行動』について

本記事にありますように、リストラ後の受け皿になる産業が中国にはなく、失業→流民になるしかありません。炭鉱労働者に代表される肉体労働者の配転は難しいです。まともな教育を受けていませんから他産業に移そうとしても難しいです。日本の炭鉱産業も斜陽となり、閉山が相次ぎましたが、他の産業が高度成長の波に乗り、雇用吸収力として働きました。肉体労働者も働く場がありましたから。中国は中国系企業が人件費高騰で海外へ出て行く時代です。中国人企業経営者の資産保全の意味もありますが。

何せ中国人は主張する民族ですから、デモ・ストはどんどん増えて行くでしょう。2006年から中国は暴動件数を発表しなくなりましたが、理由は前年度件数が87000件で06年は10万件を越える可能性があるからと思われます。今は多分20万件超でしょう。データの採り方にも依るでしょうが。おとなしいと思われています日本人ですら大正7年の米騒動や昭和7年の「米よこせ運動」が起きていますから、食べるものに事欠くようになれば、暴動件数は飛躍的に上がると思います。何せ中国人の食事に関する拘りは凄いものがありますから。だから世界三大料理の一つと言われるようになった訳です。富裕層が富の分配を修正すれば良いのでしょうが、強欲中国人に期待しても無理と言うもの。鄧小平の先富論は中国人の性格を考えれば間違いでしょう。今は“未富先老”の状態ですので。

左翼の発想では、内部矛盾の解決策として、外部との摩擦を引き起こす=戦争の道を歩むのではないかと思っています。一党独裁・軍事国家で国民の監視、言論の自由がありませんから。昔のソ連、今の中国や北朝鮮もそうです。青山繁晴氏は中国と北が手を組み、日本を襲う可能性もあると。地下シエルター、地下街をもっと作らないと、と呼びかけています。集団安保に反対している日本民進党や日本共産党、社民党は国民の生命財産に関心がないように見えます。「今そこにある危機」が見えていません。参院選(衆参同時選になると思いますが)には左翼・リベラル政党には投票しないようにしましょう。

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1860.html

鈴木貴子議員の質問主意書に対する閣議決定で「共産党は破防法の監視団体」と決めたのは当然です。今でも暴力革命を否定していませんから。外国勢力と組み、日本を共産党支配の国にしようとしていますので。外患誘致罪の適用もしてほしいと思います。

http://www.sankei.com/politics/news/160322/plt1603220039-n1.html

記事

 3月5日に開幕した中国の国会に相当する“全国人民代表大会”(略称:全人代)の第12期第4回会議は、12日間の日程を終えて3月16日に閉幕した。最終日の16日午前中には、人民代表総数2943人中の2859人が出席して全体会議が行われた。全体会議では全人代期間中に提出された「政府活動報告」、「第13次5か年計画綱要」など、9項目の議案に対する表決が行われ、全議案が賛成多数で承認された。これを受けて、“全人代常務委員会委員長”の“張徳江”が締め括りの発言を行った後に、人民代表全員が起立して国歌を斉唱し、その直後に張徳江が閉幕を宣言して全日程を終えた。

 さて、今回の全人代期間中に内外メディアの注目を最も集めたのは、黒龍江省の国有石炭企業で発生した炭鉱労働者による抗議デモだった。それは全人代開幕の翌日、3月6日に開催された黒龍江省の人民代表たちによるグループ会議における発言に起因するものだった。

「給与の遅配もなければ、収入減もない」

 全人代期間中には、一級行政区(省・自治区・直轄市)の人民代表が各行政区別に集まり、グループ会議を開催し、それをメディアに公開することが慣例化している。3月6日に開催された黒龍江省のグループ会議の席上で、ある記者が黒龍江省長の“陸昊(りくこう)”に国有の石炭企業「龍煤集団」の改革について質問した。

 これに対して陸昊は次のように回答した。

【1】2013年以来、龍煤集団はすでに従業員を25.4万人から22.4万人まで3万人削減している。それにもかかわらず、現状のところ1万トンの石炭生産に必要な人数は48人であり、全国平均の3倍以上に達している。一方、龍煤集団が毎年従業員に支払う給与の総額は100億元(約1800億円)近いが、黒龍江省の財政収入は年間でわずか300億元(約5400億円)前後に過ぎない。従い、たとえ龍煤集団が資金繰りに行き詰まったとしても、省レベルの財政では到底支援することはできない。

【2】昨年9月、黒龍江省政府は龍煤集団に対して組織的な配置転換を行うよう厳命を下した。それは、組織的な配置転換と大胆な組織の簡素化により人員を一挙に49%削減するというものだが、これは龍煤集団の問題解決における最重要課題である。龍煤集団の余剰人員は主として“井上員工(地上勤務の従業員)”(以下「地上勤務員」)である。龍煤集団の規模から言えば、地上勤務員の規模は最高でも4万~5万人でなければならないが、実際には10万人もの地上勤務員がいる。このため、彼らにはすでに給与の「欠配(支払われるべき給与が出ないこと)」が発生している。但し、“井戸下作業員工(坑内労働者)”8万人については、現在までのところ、給与の遅配もなければ、収入減もない。

陸昊省長が記者の質問に答えた龍煤集団は、2008年に黒龍江省国有資産監督管理委員会の出資で組織された大型の国有企業である。同集団は傘下に42の炭鉱と16の選炭場を持つ、黒龍江省を代表する石炭企業で、2009年には全国石炭企業ランキングの第12位、全国石炭企業生産量ランキングの第7位に位置していた。しかし、2013年以降は、優良企業であったはずの龍煤集団が、中国の景気低迷と続発した炭鉱事故の影響を受けて大幅な赤字に転落し、3万人の人員削減と同時に、資金難による給与の遅配欠配に陥ったのだった。

「嘘を言うのもほどほどにしろ」

 龍煤集団はその傘下に、中核企業の“龍煤股份公司(株式会社)”、採炭を行う“鶏西鉱業集団”、“鶴崗鉱業区”、“双鴨山鉱業集団”などの炭鉱企業、および選炭、探査、機械設備、研究所など、各分野の子会社を持っている。子会社の一つである双鴨山鉱業集団(以下「双鴨山集団」)は、2013年に赤字に転落し、当初は遅配であった給与は欠配になった。給与の欠配は、2014年に2か月分、2015年に5か月分となり、現在では毎月500元(約9千円)が支払われているだけという状況にあり、双鴨山集団の従業員たちは生活苦にあえぎながらも、忍耐の日々を過ごしている。

 そんな中でメディアを通じて、陸昊省長が全人代の会議で、「坑内労働者8万人については、現在までのところ、給与の遅配もなければ、収入減もない」と述べたことを知った双鴨山集団の坑内労働者たちは激怒した。俺たちが給与の欠配に苦しんでいるというのに、給与の遅配もなければ、収入減もないとは何事だ。嘘を言うのもほどほどにしろ。彼らは3月9日にストに突入し、2日後の11日には数千人が「我々は生きねばならない。我々は食べねばならない」と書かれた横断幕を掲げて“双鴨山市”の街頭をデモ行進した。翌12日には、デモ隊はその数をさらに増し、「“陸昊睜眼説瞎話(陸昊は公然と嘘をつく)”」、「“共産党還我們銭(共産党は我々のカネを返せ)”」などと書いた横断幕を掲げてデモ行進を行った。

 その抗議活動は14日に急きょ動員された軍と警察の部隊によって鎮圧されるまで続いた。

それでは、双鴨山集団の坑内労働者の生活はどのようなものなのか。“香港理工大学”応用社会学部副教授の“潘毅(はんき)”<女性>は、3月16日付で左派系ウェブサイト“鳥有之郷(ユートピア)”に、「龍煤集団双鴨山鉱業労働者の状況調査」と題する記事を掲載した。そこには2013年7月に潘毅が自ら双鴨山市を訪れて実地調査した際に確認した坑内労働者の生活状況が書かれていたが、その概要は以下の通り。

朝4時起床、地下700mで食事なし

(1)双鴨山鉱区は長いこと人から見向きもされなかった。鉱区の町は大きくはなく、数条の東西に走る長さ1000mほどの道路の両側には、1980~90年代に建てられた5階建ての宿舎ビルが立ち並んでいる。それは典型的な古い国有企業の労働者居住区そのものだった。町の東西には比較的大きなスラム街があり、1657戸、合計4411人が住んでいた。

(2)早朝の午前4時、空が白み始め、まだ多くの人々が眠っている時間に坑内労働者の1日が始まる。起床して朝食を作り、朝食を食べて一息つくと、6時に携帯電話で招集がかかり、彼らが住むスラム街から舗装もされていない道を炭鉱入り口へと向かう。坑内労働者が集合すると、班長が坑内における安全生産規則を読み上げ、全員で無事に帰還することを宣誓する。宣誓の後、各自で坑内作業着に着替え、装備を点検して坑内へ降りる準備を整える。午前7時に8時間の労働を終え、顔中を煤と灰にまみれた坑内労働者の一隊がトロッコで地上へ帰還し、これに代わって別の一隊がトロッコに乗り込む。

(3)過去20年間の採掘で、現在の採掘地点は深さ700mの地点にある。このため、トロッコは坑内労働者を地下700mにある作業地点まで運ぶが、トロッコに乗り込んだ時から8時間の労働が始まる。白い顔で坑内に入り、黒い顔の鉄人のような格好で出てくるのは、炭鉱労働者の証と言える。坑内労働者の多くは食べ物を何も持たずに坑内へ入り、8時間の労働が終わるまで空腹のまま過ごすが、それはすでに彼らの習慣となっており、労働の進度には何ら影響しない。

(4)このような労働は1週7日間、休みなく続く。毎日、7~15時、15~23時、23~7時の3交代制で、10日に1度の割合で勤務時間は変更される。出勤すると、坑内へ降りるのに1時間、坑内から上るのに1時間を要し、これにシャワーの時間を加えると坑内労働者の勤務時間は10時間を超えるし、12時間を超えることもある。大部分の坑内労働者は毎月28~30日働く。土曜日、日曜日の仕事には残業代は付加されず、祝日の場合のみ賃金は2倍となる。

(5)午前7時に勤務を開始した坑内労働者は午後3時に地上へ戻るが、シャワー、着替えを終えた後は、事務所へ出向いて業務終了を登録し、それから自宅へ帰る。彼らが住むスラム街は仕事場に近い。居住区は土地が狭く、坑内労働者は仕事も生活も常に一緒ということから、深い仲間意識で結ばれている。夕刻の明かりが灯っても、彼らには暇つぶしや娯楽を楽しむ気力もなく、夜8時頃には眠りに就く。彼らには翌日の辛い仕事が待っている。

潘毅の記事によれば、坑内労働者の給与は、最前線の“一線作業員”が5000元(約9万円)、補助作業を行う“二線作業員”が3000元(約5万4000円)前後とのこと。これに対して地上勤務員は総体的に安く1500元(約2万7000円)前後だという。しかし、地上で週5日勤務すればよい幹部職員たちは、坑内へ降りることはほとんどないのに、5000~7000元(約9万~12万6000円)の高給を享受しているのだという。

 潘毅が双鴨山市を訪れたのは2013年7月であったから、双鴨山集団はまだ大幅な赤字には転落していなかったものと思われる。双鴨山集団の最盛期には坑内労働者が7000人以上いたが、潘毅が調査を行った時には、石炭の生産量も減り、坑内労働者は5000人前後に減少していたという。現在、双鴨山集団にどれだけの坑内労働者がいるのかを示すデータは見つからないが、坑内労働者の配置転換は行われていないように思われる。

中国高官らしからぬ潔い訂正も…

 ところで、3月12日に北京で「龍煤集団苦境脱却発展特別会議」を招集した陸昊省長は、「龍煤集団の坑内労働者に給与の欠配や各種保険料の未納があり、少なからぬ労働者が生活に困難を来している」ことが判明したと述べ、自身の前言の誤りを認めた。また、陸昊はメディアに対しても、「私の発言が誤っていた。どのレベルの報告が誤っていたか、その原因が何かにかかわらず、誤りは正さねばならないし、問題は解決せねばならない」と語り、中国の高官としてはめったにない潔い態度を示すと同時に、「“要吸取報告失実的教訓(報告が事実と合わないという教訓を汲み取らねばならない)”」と述べて、深い反省を表明したのだった。

 陸昊は1967年生まれの48歳。北京大学の経済管理学部を卒業後に経済学修士号を取得。2008年に41歳の若さで“中国共産主義青年団(略称:共青団)”の中央書記処第一書記となり、2012年11月には中国共産党の第18期中央委員会委員に選出された。エリートとして将来を嘱望されている陸昊にとって、全人代開催中という大事な時期に自身の誤った発言により地元の黒龍江省で大規模な抗議行動が起こったことは、大きな汚点となる。その原因となったのは下級官僚からの誤った報告だったが、陸昊が坑内労働者の実態を誤認した真の原因は、黒龍江省のNo.1である省党委員会書記の“王憲魁”の隠蔽工作によるものだった。

 陸昊は2013年6月に黒龍江省の省長に就任したが、その前任は王憲魁であった。2010年に省長に就任した王憲魁は、龍煤集団を2011年から毎年1回視察していながら、“報喜不報憂(良いことは報告するが、悪いことは報告しない)”方針の下、龍煤集団の深刻な経営状況を隠蔽する一方で、龍煤集団に対しては早急な黒字転換を命じていたのだった。このため、陸昊は龍煤集団の経営悪化は認識していたが、炭鉱にとって最も重要な戦力である坑内労働者の生活までが悪化しているという報告を全く受けていなかったのだった。

さて、陸昊省長が北京で発言の誤りを認めた3月12日、黒龍江省政府も声明を発表して龍煤集団に給与の遅配や欠配があることを認めた。同日、龍煤集団も双鴨山集団で共産党員幹部会議を開催し、翌13日に同集団のウェブサイトに次のような文章を掲載した。すなわち、「3月6日に全人代で開催された黒龍江省グループ会議で、省政府の主要指導者がメディアに述べた龍煤集団の坑内労働者の給与に関する話は、当集団の企業報告の内容が不正確であり、不十分であったことに起因する。今回の問題の責任は全て当集団にある」。

急増する抗議行動にどう対処?

 一方、3月12日の深夜に緊急会議を開催した双鴨山市政府は、双鴨山集団の坑内労働者による“討薪(給与支払い要求)”デモを“群体上訪(集団陳情)”と認定するが、それは理性的、穏健な範囲内にあり、過激な行為が発生しないことが条件であると声明を発表した。しかし、双鴨山市政府は同時に、「鉄道の妨害、生産設備の破壊、連携や扇動は重大な違反行為であり、ひとたび発生したら徹底的に打撃を与える」と警告を発した。この結果、3月14日までに30人以上のデモ参加者が逮捕されたことで、坑内動労者による抗議行動は沈静化したのだった。

 香港に拠点を置く中国労働者の支援団体「中国労工通訊(China Labour Bulletin)」の統計によれば、中国の労働者による抗議行動は、2011年には185件だったが、2014年は1379件となり、2015年には倍増して2774件となり、2016年は1月だけで503件に上っているという。双鴨山集団の坑内労働者による抗議行動は、全人代の最中に行われた陸昊省長の誤発言により引き起こされたことで、メディアの注目を浴びて内外に報じられた。しかし、これは氷山の一角に過ぎず、メディアに報じられない労働者による抗議行動は数え切れないほどに多いのが実情である。

 3月5日の全人代初日に「政府活動報告」を行った“国務院(内閣に相当)”総理の李克強は、「過剰生産能力の削減」と発展・競争の能力を喪失し、赤字を垂れ流しながら財政支援を受けて生き延びている「ゾンビ企業の処置」<注>を提起したが、その矛先は過剰生産能力が著しく、ゾンビ企業がのさばっている石炭業界と鉄鋼業界に向けられている。過剰生産能力の解消に最も効果的なのは従業員の配置転換だが、その規模を中国政府は、石炭業界130万人、鉄鋼業界50万人と公表している。

<注>ゾンビ企業については、2016年3月18日付の本リポート『「ゾンビ企業」解体が招く“600万人失業”』参照。

 資金繰りがひっ迫し、赤字を垂れ流す龍煤集団は、明らかにゾンビ企業だが、現在22.4万人いる従業員は配置転換を名目に大幅に削減されるだろう。そこには双鴨山集団の坑内労働者も含まれることは間違いない。配置転換は転換先の職場があってこそ成り立つものであり、経済的な地盤沈下が著しい黒龍江省には新たな職場を斡旋する能力はないと言っても過言ではない。これが正しいとすれば、配置転換は名目に過ぎず、削減された大多数の人々は失業者とならざるを得ず、人々は職を求めて新たな抗議行動を起こすに違いない。労働者による抗議行動は、今後ますます増大するものと思われるが、中国政府はこれにどう対処しようというのか

3/23日経ビジネスオンライン 福島香織『無界新聞「習近平引退勧告」公開書簡事件その後 中央宣伝部に異変? 相次ぐ「反体制」メディア事件』、3/23日経電子版 中沢克二『最高指導部内に不協和音 習主席の集権どこまで』について

両記事とも習の権力奪取がうまく行っていないことを示唆しています。

3/25NHK朝のニュースで中国が銀行協会を設立して、外国銀行に加入を働きかけ、日本の大手三行も参加するとのこと。大手三行といえば東京三菱、みずほ、三井住友でしょう。入らなければ中国でのビジネスで祟りがあるぞと脅されたのでしょう。中国では脅すのは日常茶飯事ですから。でも銀行経営者はハニーにかかっているかもしれません。それですと必ず入るでしょう。日本政府がAIIBに入らないので、民間と言う搦手から攻めてきています。それだけ中国政府はデフォルトを恐れているのでしょう。日本の民間銀行の信用を利用して延命しようとしている訳です。AIIBやブリクス銀行がうまく行っていないので新たな手を出してきたのでしょう。国営企業が殆どの(特に銀行)中国が、世界の民間銀行の協会を作ると言うのですから、お笑い種です。日本にとっては中国経済が崩壊するチャンスなのに、手を貸すとは、将来を見通す力に欠けます。中国と戦争になった時に、日本人のリーダーの愚昧さに気付くでしょうが、そのときは既に遅しです。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160325/k10010455621000.html

3/25日経の「経済教室」でも筑波大名誉教授の進藤栄一に「アジア投資銀参加検討を」という記事を寄稿させました。小生の記憶によれば、エルドリッジの『オキナワ論』の中で、彼の「天皇メッセージ」の資料を見せてほしいとの申し出を断った人物だったと思います。小生の好きでない五百旗頭真の研究室にエルドリッジは入りましたが、彼は総てオープンにしたそうです。進藤と言う人物の狭量さが浮かび上がります。進藤は猪木正道や高坂正堯の弟子にしてはお粗末。リベラル・アカでしょう。だから不都合な真実が暴露されるから、資料も見せなかったと思われます。左翼のブログを引用します。

http://blog.goo.ne.jp/kurukuru2180/e/42b34f8b3c2a60a508bcf5a36eacf99e/?cid=512579e267d284fc364efebd393afe91

日経もこのタイミングでこの記事を載せるとは。経営陣がハニーにかかったとしか思えません。中国共産党と連携してアピールしているのでしょう。

福島記事

Xi in Xinhuashe

2月19日、習近平主席は主要国営メディアを視察。党への忠誠を求めるが、その行方やいかに(写真:新華社/アフロ)

 中国で知識人やメディア・出版関係者が突如、音信不通となり、連絡が取れなくなることがあまりに頻繁になったため、もはや大ニュースにもならなくなった。恐ろしいことである。最近では日本の法政大学に在籍する東アジア国際関係の専門家、趙宏偉教授が2月末に北京に向かったあと連絡が取れない状況であるという。また、中国や香港で人気のコラムニスト、賈葭が3月15日午後以降、連絡が取れず行方不明であるとか。二人とも、それぞれの別件で中国当局に身柄を拘束されていると思われている。

 今回、取り上げたいのは賈葭の件である。趙教授の身柄拘束理由はまだはっきりとわかっていないが、賈葭事件は全人代(全国人民代表大会)開幕前日に無界新聞のネット上に掲載された「習近平引退勧告」公開書簡に絡むと見られている。

良識的な中国人知識人を秘密裡に拘束

 香港を拠点にするラジオフリーアジアによれば、賈葭は15日午後、北京国際空港で北京市公安当局に連行された。彼の弁護士が北京市公安局首都空港分局から得た情報だという。アムネスティインターナショナルは19日に、中国政府に対して、賈葭に関する状況を公開するよう声明を出した。

 賈葭は新華社「瞭望東方週刊」や香港「鳳凰週刊」の編集者を歴任したあとコラムニストとして独立。香港に在住しながら、中国や香港の雑誌に寄稿、またウェブマガジンなどの編集にも携わってきた。最近は『我的双城記』(北京三聯書店出版)を上梓し、必ずしも反共産党的な人物ではない。きわめて良識的な中国人知識人であり、中国国内外にファンが多い。

 周辺の情報を突き合せれば、3月4日に「忠誠の党員」という匿名で新疆ウイグル自治区主管のニュースサイト無界新聞に「習近平引退勧告」公開書簡が掲載された件に関わっていると見られている。無界新聞のCEOはかつて賈葭の同僚であった欧陽洪亮であり、賈葭はくだんの公開書簡をいち早く見つけて、すぐに削除するように欧陽に知らせたのだという。だとすると、彼が秘密裡に拘束されたのは、単なる事情聴取の可能性もあるのだが、家族には一切の連絡がなく、今の習近平政権の異常なまでのメディア弾圧を鑑みれば、その身の安全は当然心配されるのである。

この無界新聞「習近平引退勧告」公開書簡に絡んで、音信不通となっているのは、賈葭以外にも4人いる。香港蘋果日報によれば、無界新聞のCEOの欧陽洪亮、主筆の黄志傑、そしてセキュリティシステム担当の技術員2人。この情報のネタ元は、人権活動家の北風で、彼はツイッター上でも発信している。

無界新聞は「ハッキングされた」と回答

 事件を振り返ると、無界新聞サイトに習近平の引退を促す公開書簡が掲載されたのは3月4日。書簡中には、習近平政権がとった経済、外交、社会、文化における失策を列挙し、その責任を取って習近平同志は国と党の指導職務を辞任すべきだと主張。

 書簡では「我々は忠誠の共産党員だ。両会(全人代と政治協商会議=国会に相当)開催に際し、我々がこの書簡を送り、あなたに党と国家の指導職務の辞任を要求する。この要求は党の事業、また国家と民族の前途を考慮したものである」とあり、「習近平同志、あなたには党と国家を未来に向かって率いていく能力が備わっていない。総書記の職務に適任ではない。我々は党の事業の発展と国家の長期の安定、あなたとあなたの家族の安全のために、党と国家のすべての職務を辞任し、党中央および全国人民に別の能力者を選ばせて、我々を積極的に未来に導いてもらいたい」と、恫喝を含んだ言葉で結んでいる。

 個人崇拝キャンペーンを始め、自分に批判的な発言をする記者や知識人を次々と失脚させている習近平がこの挑発的な恫喝すら含んだ公開書簡を黙って見過ごすはずはなく、当然犯人探しが始まっている。

 無界新聞サイト側は、国家インターネット情報弁公室の初期の問い合わせには、「ハッキングされた」と回答し、国外の民主活動家や反共産党勢力によるハッキングの可能性を匂わせたが、国家インターネット情報弁公室の技術チームが無界新聞のサーバを分析した結果、外部からのハッキングの痕跡はなく、今のところ、内部犯行説が強い。無界新聞のサーバは「中国で最も安全」と称されるEC最大手のアリババ集団が提供するものであり、確かにハッカーの仕業とは考えにくい。文中の主語が「我々」となっているので、“単独犯”ではないと見られている。

ただ、今回、身柄を拘束されている賈葭が、この件に直接関与していた可能性は薄いのではないかというのが、周辺情報から得た私の感触である。たまたま、無界新聞の編集責任者らと昵懇であったために巻き添えを食ったのではないだろうか。

 では誰の仕業なのか。

新疆ウイグル自治区党委書記が関与?

 この公開書簡に関して、米国に拠点を置く華字ニュースメディア博訊は、新疆ウイグル自治区党委書記の張春賢の関与の可能性を報じている。

 博訊によれば、中南海は事件を極めて重視、中央宣伝部、国家インターネット情報弁公室に調査を命じており、その最初の矛先はCEOの欧陽洪亮に向かっている。この欧陽洪亮は実は張春賢の妻で元CCTV美人キャスターの李修平の親友である。

 実は張春賢は、全人代開催中、新疆代表団の会見で、記者らから「習近平の指導を支持するか」と質問を受けたとき、「その話は改めて」と言葉を濁していた。「習近平同志の指導を支持する」と即答しなかったことが、張春賢の関与を疑わせる根拠の一つともなっている。

 張春賢は2009年7月5日に発生した“新疆騒乱”後、当時の書記であった王楽泉の後任として新疆問題の解決を託され、湖南省党委書記から新疆ウイグル自治区党委書記に異動。胡錦濤の信任が非常に厚い胡錦濤派の政治家と言われている。この時、胡錦濤政権の意向を受けて、ウイグル融和政策を打ち出した。

 しかし博訊によれば、張春賢は、当時の中央政法委員会書記の周永康とも昵懇で、張春賢の妻・李修平と周永康の妻である賈暁燁はともにCCTVキャスター出身の親友関係にあったという。周永康は、習近平政権によって汚職の罪で失脚させられた大物政治家である。また、同じく習近平政権によって失脚させられた令計画との関係も深いという。

無界新聞は新疆ウイグル自治区政府が主管であり、そこに時事経済誌・財経などを発行している財訊集団とタオバオなどで有名なEC最大手アリババ集団が1億元を超える初期投資を行い、北京に本部を置いて百人を超えるベテラン編集者、記者を招集して昨年4月に立ち上げられた。

犯人は陳情者ではなく内部に? 誤植事件も

 アリババのトップは、ジャック・マー(馬雲)、財訊集団のトップは王波明。王波明は、中信証券の前董事長・王東明の兄弟でもあるが、王東明は、昨年6月の上海株式市場の乱高下問題の責任を取らされる形で、辞職した。上海株式市場の乱高下問題は、私が仄聞する限りでは、習近平の無理な株高誘導政策が破たんした、という評価が多く、そのことで責任を取らされた証券会社幹部らの間には強い不満が残っているという。

 こうした情報を繋ぎ合わせた博訊の見立ては、今回の「習近平引退勧告」公開書簡事件の背景には、政治的陰謀があるかもしれない、というものだ。少なくとも習近平の眼からみれば、張春賢は、非常に怪しい人物、習近平政権に“謀反”の動機ありの人物、ということになる。

 博訊の報道によれば、中央宣伝部がこの事件を、黒竜江省の陳情者の仕業ということで片付けようとしている動きがあるという。だが、「陳情者の仕業」というのは、おそらくは冤罪者をスケープゴートとして適当にでっちあげたものだ、という見方を示している。

 また、張春賢と新疆ウイグル自治区党委宣伝部長の李学軍、中央宣伝部副部長の蒋建国はともに湖南閥に属することから、この事件は中央宣伝部内部にも関係者がいるのではないか、という見方がある。少なくとも、海外の民主活動家のハッキングでもなく、陳情者の仕業でもなく、党内部の“政治事件”と考えるべきだろう。

この無界新聞事件に続いて、新華社の“誤植”事件があったことも、ここで触れておくべきだろう。3月13日夕方に新華社のサイトに掲載された「全人代記者手記:昆泰ホテルの内外から中国の経済的自信をさぐる」中で、「中国最高指導者・習近平」とあるべきところを「中国最後指導者・習近平」と誤植され、14日まで放置されていた。新華社の校閲体制の厳しさを知っていれば、こんな誤植は、まずあり得ない。党総書記に関わる政治的間違いを見過ごせば、校閲記者だけでなく上司もふくめで全員クビが飛ぶので、“習近平”の文字の前後は、目を皿のようにして何度も繰り返してチェックを入れる。

 とすれば意図的に校閲記者たちが見逃したとしか思えない。もちろん、極めてまれに、純粋に技術的な誤植のミスはあるのだが、何年かに一度あるかないかのレベルである。この“誤植”は14日まで放置されていたという。14日になって博訊が報道したため、まもなく修正された。新華社は、中央宣伝部直属の通信社。この件から、中央宣伝部は習近平に掌握されておらず、内部で激しい権力闘争が行われているのではないか、という推測もある。

「ペン」の掌握に手こずる習近平

 こうした事件からうかがえることは、習近平政権が掲げる「メディアの姓は党」というスローガンを復唱している党中央メディア内部でも、習近平の厳しすぎるメディアコントロールへの不満をくすぶらせ、党中央宣伝部内部にも習近平に反感を持つものが少なくないのではないかということだ。

 現中央宣伝部長の劉奇葆は共産主義青年団出身の胡錦濤派であり、習近平から睨まれている政治家の一人。いわゆる汚職Gメンである中央規律検査委員会特別巡視隊が2月28日から中央宣伝部に対して、取り調べを行っているが、この一連のメディアの政治事件となにか関係があるのではと勘ぐる声もある。

 共産党を支える二本の棒(杆子)は銃(軍事力)とペン(メディア・宣伝力)。この二本の棒を掌握できるかどうかが、習近平政権の安定性を左右する。だが、少なくともペンの掌握には、習近平は相当手こずっているような印象を受ける。中央メディアから、習近平政権への反乱が起きたとしても、私はさほど意外な気はしない。

中沢記事

「これまで習近平(国家主席)の『一人舞台』だった中国だが、ここにきて最高指導部内で不協和音が聞こえ始めた。来年の重大な人事に向けて顕在化するかもしれない」

 全国人民代表大会(全人代、国会に相当)を終えた北京で、中国政界の風向きを測っている関係者がつぶやいた。

 端緒は意外なところに現れた。中国共産党の序列第4位、兪正声の発言である。14日の全国政治協商会議の閉幕時、同会議の主席である愈正声はこう挨拶した。

■消えた「核心意識」と「一致意識」

Yu Zhengsheng

全国政治協商会議の閉幕式であいさつする兪正声氏(14日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕

 「政治意識、大局意識、責任意識を一層強める…」

 兪正声の前に座る委員らの中でも、政治的な嗅覚が鋭い諸氏は、ハッとして顔を上げた。本来なら、政治意識、大局意識、核心意識、一致(中国語で『看斉』)意識、と4つをそろえて言わなければならない場面だった。なぜなら共産党の指導部が全員そろった政治局会議での事実上の合意事項だからだ。

 兪正声は4つのうちの、後半の2つを言わなかった。「核心意識」と「一致意識」を省き、代わりに「責任意識」と言い放った。

 「核心意識」と「一致意識」は、習の権力固めの上で極めて重要は言葉だ。「核心」は習を指している。共産党の単なる指導者であるばかりではなく、全てを仕切る一段上の地位を意味する。習は、年初から子飼いの地方指導者らに次々とこの言葉を言わせて、政治的に定着させていった。

 3月の全人代までに、かなりの数の地方指導者らが先を争うように「核心」を口にした。そこに「一致意識」も加わる。これは「右にならえ」との意味である。ここでは「核心」となった習にならえ、というニュアンスになる。戦略はほぼ成功したはずだった。

 「兪正声は4つのうち2つをあえて言わないことで、簡単には習の核心という地位を認めず、習になびくこともない、と宣言したのだ。一種の抵抗だろう」。別の研究者の分析である。

 問題となるのは、兪正声が言及した「責任意識」である。この責任は、政協委員のみならず指導者、とりわけ習や、首相の李克強にも向けられていた。メッセージは、リーダーとしての職責をきちんと果たそう、というものだ。

■仏頂面、不機嫌だった習

ill-tempered Xi

政協の閉幕式に出席した習近平国家主席(14日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕

 習は不機嫌だった。確かに兪正声の報告があった全国政協会議の閉幕式の際、習は仏頂面。眠さからか、不機嫌さからかは不明だが、常に頭が揺れており、写真を撮ろうにも焦点を定めにくかった。

 兪正声は政治的にどんな立場にいるのか。そもそも元国家主席、江沢民に近い。長年、中国政界で力を持ってきた機械工業閥、上海閥の一員でもある。

 江沢民も、上海のトップだった当時の兪正声の仕事ぶりについて、外国人客の前で「兪正声は良くやっている」とあえて褒めている。現最高指導部で言えば、江沢民の人脈には、思想・宣伝担当の劉雲山、石油閥系の張高麗らがいる。

 習は、長く「院政」を敷いてきた江沢民の力をそごうと「反腐敗」運動を発動した。江沢民グループの重鎮だった周永康や、軍の制服組トップだった徐才厚(故人)、郭伯雄らを摘発し、牢の中に追いやった。今、習と江沢民は微妙な関係にある。

一方、兪正声は、最高指導者だった鄧小平の一族と極めて親しい。鄧小平の息子、鄧樸方(身体障害者福利基金会会長)の秘書役だった経歴からだ。1980年代には、この立場で鄧樸方と共に来日し、旧首相官邸で当時の首相、中曽根康弘と会っている。

 兪正声には、江沢民の系列と鄧小平一族に連なる「太子党」(高級幹部の子弟ら)という二重の人脈がある。なかなか強い。

 しかも兪正声の父は、毛沢東の妻、江青の元夫だ。江青は、悲惨な文化大革命(1966~76年)を主導した「4人組」の1人である。兪正声自身も「太子党」の一員だ。一方、1980年代には、安全部門にいた実兄が米国に“亡命”し、米中央情報局(CIA)に情報を提供するという一族にとって不名誉な事件もあった。

 「(当時9人だった最高指導部の)最後の1人になんとか滑り込みたい」。2012年の人事を前に、兪正声は周囲に意欲を語っていた。

 ところがフタを開けてみると、2人減って7人になった最高指導部の序列4位。既に67歳という高齢にも関わらず、予想外の大抜てきだった。江沢民系と鄧小平系の2つのバックのなせる技だった。

 兪正声は、親しい人物らに現政権での自らの役割について「自分はバランサーになる」と説明している。習、江沢民系、鄧小平系など各グループの間に争いが起きそうな場合、仲裁役になるという意味だ。

 今、まさにそういう時期に突入している。皆、来秋以降の共産党大会での最高指導部人事を見据えている。前哨戦は始まっているのだ。習は権力集中に成功しつつある。それでも人事を自由自在に行うにはなおハードルがある。長老らの力は侮れない。

■「多様性」に言及

 兪正声は始めから習にケンカを売っているわけでなない。なぜなら、3月3日の全国政協会議の開幕式での報告では、幅広い層、党派から選ばれる政治協商会議委員の中の共産党員だけに適用するという限定付きで「核心意識」と「一致意識」に触れた。留保付で習への礼儀は尽くした。ところが、11日後の閉幕式では、これを「責任意識」にすり替える意地を見せた。

 開幕式の兪正声報告では、もう一つ注目すべき言い回しがあった。「具体的な問題の見方や認識には違いが生じる。多様性を尊重するなかで一致を求める」。多様性にも繰り返し言及しているのだ。異例である。この言葉も臆測を広げた。

 今、習をトップとする中国では多様性を許さない雰囲気が強まっている。前々回、前回とこのコラムでこうした問題に触れた。不動産王のネット言論人、任志強の言論封鎖、習への「個人崇拝」などだ。

 1945年生まれの兪正声は現最高指導部内では最も高齢である。既に70歳。党大会の際、68歳以上の人材は引退するとの内規に従うことになる。それだけに怖いものはない。不協和音が強まる中、今後、どう立ち回るのか。注目したい。(敬称略)