『中国の国際収支構造とその調整 「高利で借りて低利で運用」する中国』(11/22日経ビジネスオンライン 余永定)について

11/25日経朝刊中朝、特使派遣で応酬 北朝鮮「まず制裁緩和を」 平壌市内 進む石油不足

中国が北朝鮮に17日からの特使派遣を打診した際、北朝鮮が経済制裁の緩和を狙って様々な揺さぶりをかけていた舞台裏が明らかになった。中朝外交筋らが明らかにした。要求に応じない中国に北朝鮮は反発し、特使の政治的地位が低いことなどを理由に金正恩(キム・ジョンウン)委員長との会談を確約しなかった。中朝関係の長年のもたれ合いは限界に近づいている。

「特使を受け入れれば制裁緩和に応じるか」。中国が共産党大会後の特使派遣を打診すると、北朝鮮は強気の要求をぶつけてきた。米国に同調して核放棄を求める中国への強い反発。強硬姿勢の背景には、制裁で経済の苦しさが増し、早期に打開策を見つけたい北朝鮮の焦りが透ける。

中朝を往来する関係筋によると、平壌市内のガソリン価格は春先から上昇、10月に従来の2倍の水準に達した。北朝鮮が政府備蓄を増やし市中に出回る石油製品が減った。9月の国連決議による制裁が本格的に効けば北朝鮮への石油輸出は計算上約3割減り、締め付けはさらに強まる。

一般市民にはガソリンの使用規制がかかり、地下鉄や徒歩での移動が増えた。平壌市内で「木炭車」を見かけることも多くなったという。

影響は制裁対象外の貿易にも広がる。中国が9月から北朝鮮との合弁企業の閉鎖を命じ、北朝鮮産商品の販路が急減した。最近、北京市内の小売店を営業で訪れた北朝鮮の貿易商に、店主が「新たな契約はとれたか」と尋ねると、静かに首を振ったという。

だが中国は北朝鮮が求める制裁緩和などのめるはずがない。習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)はトランプ米大統領と9日に会談した際、「制裁効果が出るには時間がかかる」と様子を見るようなだめたばかり。中国は北朝鮮に「『2つの暫停』が最も合理的だ」と強調した。北朝鮮が核開発を停止すると同時に米国も軍事演習を中断し、対話の環境を整えるという従来の主張だ。

実利にこだわる北朝鮮は揺さぶりを続けた。「今回の特使は地位が低すぎる」。中国が過去2回の党大会後に送った特使は党トップ25の政治局委員で、金委員長ら最高指導者と会談した。今回の宋濤・党中央対外連絡部長は閣僚級だが、格下の中央委員。北朝鮮側は宋氏の対応相手は外交統括の李洙墉(リ・スヨン)副委員長だと繰り返した。

2006年、北朝鮮が最初の核実験をした直後に訪朝した中国の唐家璇国務委員は宋氏と同じ中央委員だったが、金正日(キム・ジョンイル)総書記と会談できた。当時は核開発停止と引き換えにエネルギー支援を受けられるとの期待を北朝鮮が抱いた。だが今の中朝は、米国を巻き込みつつ双方が受け入れられる妥協点が見あたらない。中国側が特使に一段と高位の人物を充てても、「成果」が上がるとは限らず、習氏の面目が丸つぶれになる恐れがある。

宋氏は金委員長との面会の確約がないまま17日に平壌入りした。まず現れたのは崔竜海(チェ・リョンヘ)副委員長。北朝鮮側の発表によると、宋氏が携えた習氏から金委員長への贈り物は崔氏が受け取った。金委員長に直接会う機会を設けるつもりはないという北朝鮮のメッセージだ。体面を傷つけられた中国は贈り物の件を公表しなかった。宋氏との会談が確認された高官は崔氏と李氏だけだ。

ぎくしゃくする中朝だが、互いに相手を見限れない理由も残る。朝鮮半島の混乱は国境を接する中国に跳ね返るため、中国は北朝鮮が壊滅しないよう、前年水準を超えない範囲で石油供給を続ける。北朝鮮も体制存続には中国の支援が不可欠だ。外交筋は北朝鮮の石油備蓄量は約100万トン、年間消費量は70万トン前後とみる。中国が石油供給を止めれば1、2年で尽きる。ロシアから代替輸入する手もあるが、中国の研究者は「中国は一部を無償支援しているが、ロシアは全て有償だ」と、その限界を指摘する。

中国の特使派遣が不調に終わったとみた米国は北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、独自の追加制裁を決めた。中国もさらなる圧力強化に動くとみられる。ここ2カ月、北朝鮮はミサイル発射や核実験を控えている。追い詰められ対話に傾くか、改めて挑発を繰り返すか。北京の外交筋の間では「米国は1年以内に軍事的手段をとる可能性が高い」との悲観論が増えている。(北京=永井央紀)>(以上)

日経でも中国の口を借りて朝鮮戦争の勃発について言及するようになりました。左翼orリベラルのお花畑脳よりは現実の方が強いという事です。でも以前は書けなかったし、書けば左翼と中共や在日が大騒ぎしたでしょうけど、今は少しは自由に物が言える時代になったという事でしょう。

11/24中国観察<中共全黨組織學習習近平新書 阿波羅網=中共は党の組織を挙げて習近平語録を勉強 アポロネット>《習近平談治國理政=習近平が国を治め政治をコントロールすることについて語る》という本は一卷と二卷からなり、“權威讀本=権威ある本”と言われ、組織にとってしっかり勉強すべき。中共が言うには、この本の中には「マルクス主義の政治家、理論家としての深い洞察力、鋭敏な判断力と戦略策定力が見られ、この本を学ぶことは、当面及び今後の一時期の党を挙げての重大な政治任務である」と。習は毛沢東を真似ています。毛のように自国民を餓死させても、世界恒久革命を目指すのかどうか。「一帯一路」がその道具になりはしないか、また孔子学院と言うスパイ学校を増殖させて、非暴力革命を目指すのか?或は軍事力に物を言わせて掠め取るのか?とにかく中共の力が大きくなることは全世界の迷惑です。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/24/381113.htm%E4%B8%AD%E5%85%B1%E5%85%A8%E9%BB%A8%E7%B5%84%E7%B9%94%E5%AD%B8%E7%BF%92%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%96%B0%E6%9B%B8.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/23facebookでFramk Lu 氏の記事<11月17日,商丘宁陵,一位母亲跳河自杀,疑似因为儿子结婚,女方要求买车作为彩礼,母亲觉得买不起车,遂想不开寻短见。而父亲见​到尸体后伤心过度,也跳河轻生,所幸被救起..…

评:他们背后有个强大的祖国

11月17日、商丘宁陵で一人の母親が川に飛び込み自殺した。息子の結婚が原因とみられる。花嫁側は結納品として車を要求、母親は車を買うことはできないと思い、終には自殺を諦めきれなかった。父親が彼女の死体を見た時に、悲嘆して彼もまた川に飛び込んだが幸運にも助かった。

批評:彼らの背後には強大な祖国があるというのに>

いくら経済が大きくなっても、下々に行き渡っていきません。賄賂で消えてしまうためです。何時も言っていますように、軍事予算の適正化と賄賂の廃止をした分を原資として国民福利の充実を図ることは可能と思うのですが、為政者は絶対にしないでしょう。

https://www.facebook.com/100010739386824/videos/507512649616710/

11/23凤凰网科技より<已有6家共享单车倒闭,你的押金退了吗?一个颠覆性的大计划来了=既にシエアサイクルの会社が6社も倒産、貴方の保証金は返して貰えましたか?ひっくり返るような大計画が出て来た>中国の新四大発明と言って自慢していたシエアサイクルですが、高鉄(中国版新幹線、日本のパクリ)の事故で生きた人をそのまま埋めようとした温州の事故同様、発足早々トラブっています。まあ、道徳最低の漢人がやることですからこうなることは見えていました。何故潰れたかと言うと、返却しないで放置自転車にしたからでしょう。或は経営者が保証金を持ち逃げするための偽装倒産かも知れません。自転車の購入代金は踏み倒して。

会社に電話しても通じない、金を返してほしければ成都まで来い、ずっと電話中、永久にこのビジネスをするなと言ったのがSNSにアップされています。「芝麻(ゴマの意)信用」と言う会社が保証金を取らず10億の基金で運営、保険に入ることで対応したいとのこと。うまく行くかどうかです。放置自転車になれば基金はあっという間に0に近づくでしょう。

http://tech.ifeng.com/a/20171123/44774537_0.shtml

朱寧氏の『中国バブルはなぜつぶれないのか』を読みました。金融関係の説明が入って理解しがたい部分があったことと、共産党を直接批判できないため隔靴掻痒の感じがしましたが最後の提言で少しは見直しました。

まあ、小生がいつも感じていましたのは、中国でバブルが崩壊しないのは、中国は国家ぐるみで「飛ばし」をやって、信用というか最後のツケを国が担保しているからという気がします。土地も株も価格が永久に下がらないという事は市場原理に反し、実需を無視した価格維持政策でしょう。DES(デットエクイテイスワップ)は債務を株式化するだけで、債権者(銀行=国有)から株主(国有企業)に負担が替わるだけ。根本的な問題解決にはなりません。この本で

①彼は中国の債務問題は他の国と比較しても小さいと言っていますが、そうであるなら他の国でも中国のやり方を真似して借金に借金を重ねて設備投資できることになります。資本主義社会では投資に対するリターンが見込まれない場合、制約がかかります。(中国は米国との貿易黒字が信用の源泉になっている気がします。トランプは中国へ経済制裁を強化すべき)

②そもそも中国が発表する数字は信用できません。欧米の学者や実務家はそれを分かって分析しているのかどうか。

③この本に解決の提言が出ていますが、共産党がやらないと思われる施策となります。でも共産党相手に言うのですから立派なものです。日本の左翼のように自分の身を安全地帯に置いて文句言うのとは違います。彼の処方箋は

・市場に決定的な役割を担わせる

・国家と市場との再調整

・法の支配

・政策と制度上の保証の束縛を解く

・資本の保証の制約を解く

・投資に対する保証の解消

いずれの政策もバブル崩壊→共産党支配の終焉となります。

余永定氏の記事の最後に、中国の外貨準備高の多さに触れていますが、貿易黒字だけでなく、借り入れ分も含んでいるとの話です。真水は思ったより少ないと思われます。また米中戦争になりそうな時に、中国が米国債を市場に売り出すと米国を脅すのであれば、日本が買い支えれば良いと思います。

記事

中国の最高国家行政機関である国務院、その直属の研究機関が「中国社会科学院(Chinese Academy of Social Sciences=CASS)」です。1977年に設立された、哲学、社会科学研究の分野で中国でもっとも権威のある学術機構であり、学位を授与する機能も持ちます。参加の研究所は31、研究センターが45、所属する研究者は3200人。中国の「五カ年計画」策定の基本作業もここが行っているのです。

本連載では、この中国政府のブレーンとして機能しているシンクタンクのトップ研究者が、いま、自らの国についてどう考えているかを、寄稿を翻訳する形で紹介していきます。原文のニュアンスをできる限り維持するため、意訳は最小限に留め、研究者や日本人には理解しにくい箇所については、適宜、本文と分けて注釈を入れる形とします。内容については、注釈の囲みをざっと見ていただくだけでも掴めるよう、配慮したいと思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

(大和総研 主席研究員 小林 卓典)

国際収支発展段階説で見る中国

第1回は、余永定・CASS学部委員の論文です。余氏は同院世界経済・政治研究所の元所長で、テーマ領域は為替金融です。なお、「学部委員」はCASSに在籍する学者についての最高名誉職で、中国科学院の院士に相当します。

この論文の内容を一言で言えば「中国はその成長の過程で、『海外の資金を高利で借り入れて、低利の米国債などで運用している』状況が続いていて、それが限界に来ているのではないか」という現状分析と危機感です。研究者らしく、前提を積み重ねてから結論に至る構成なので、最初は読みにくく感じるかも知れませんが、この結論を頭に置いて読んでいただくと、なぜその説明が必要なのかが理解しやすくなるかと思います。

余永定(ユー・ヨンディン)氏 1948年生まれ。1969年中国科学院北京科学技術学校卒業。中国社会科学院経済学修士、オックスフォード大学経済学博士。中国社会科学院学部委員、全国人民政治協商会議委員、中国国家発展改革委員会国家計画専門家委員会委員、全国人民政治協商会議外交委員会委員、国際通貨基金(IMF)アジア太平洋地域顧問。これまで、中国社会科学院世界経済・政治研究所所長、中国世界経済学会会長、中国人民銀行通貨政策委員会委員、国連国際金融・通貨体制改革委員会委員(スティグリッツ委員会)、国連開発政策委員会委員等を歴任。主な研究分野は、世界経済、国際金融、中国マクロ経済。孫冶方経済学賞受賞。主な著書に、『西方経済学』(1997)、『世界経済を考える』(2004)、『ある学者の思想の軌跡』(2005)、『見証失衡―双子の赤字、人民元為替相場と米ドルの落とし穴』(2010)、『最後の障壁』(2015)など。

イギリスの経済学者ジェフリー・クローサーが1957年に提唱したモデルによれば、一国の経済成長の過程は、国際収支と対外純資産構造の変遷により、次の6段階に分けることができる。すなわち、①未成熟な債務国、②成熟した債務国、③債務返済国、④未成熟な債権国、⑤成熟した債権国、⑥債権取崩し国 である。

それぞれの段階で、その国の経常収支、貿易収支と所得収支の3項目の赤字・黒字が異なった状態となる。対外純資産はその国の発展段階に見合って、マイナスからプラスへ、プラスからマイナスへと変化する。国際収支の変化は、その国の発展レベルとは切り離せない関係を有している。

但し、1人当たりの国民所得が極めて低い国の場合、国内では貯蓄不足となり、貿易収支、経常収支はともに赤字となり得る。その場合、資本輸入を通じて国内の貯蓄不足を解消することができる。

「経常収支」は、「貿易収支」「サービス収支」と「第一次所得収支=対外金融債権・債務から生じる利子・配当金等の収支」、「第二次所得収支=官民の無償資金協力、寄付、贈与の受払などの、居住者と非居住者との間の対価を伴わない資産の提供に係る収支」の合計です。「金融収支」は、直接投資、証券投資、金融派生商品、その他投資及び外貨準備の合計であり、経常収支は、金融収支に計上される取引“以外”の、居住者・非居住者間で債権・債務の移動を伴う全ての取引の収支を示すわけです。

このクローサーモデルは、各国の経済発展の経験とおおむね合致している。

例えば、経済発展の初期段階で、東アジアの新興国は、いずれも貿易収支と経常収支が赤字であった。第二次世界大戦後、大まかに見れば、日本も未成熟な債務国、成熟した債務国、債務返済国の段階を経てきた。そして、2005年~2010年に日本はクローサーモデルの4番目の段階、すなわち未成熟な債権国の段階に入ったと考えられる。

そして2011年以降、日本は5番目の成熟した債権国の段階に入った。2015年まで貿易収支は赤字基調だったが、所得収支黒字が貿易収支赤字を遥かに超えていたため、経常収支は依然として黒字を保っていた。一方、米国はすでに6番目の債権取崩し国の段階にある。つまり、貿易収支と経常収支はともに赤字だが、所得収支が依然として黒字を保つ状況にある。

クローサーモデルをもうすこし具体的に説明しましょう。

  1. 工業が未発達な段階では、工業を発展させるため貯蓄を上回る投資が行われ、投資財を海外から輸入し、資金も海外から借り入れる。当然、貿易収支は赤字で、海外への利払いのため所得収支も赤字となる(未成熟な債務国)。
  2. 工業が発展し、輸出競争力の向上とともに貿易収支が黒字化する。ただし、海外への利払いが依然として大きく、所得収支赤字が財・サービス収支黒字を上回るため、経常収支赤字が続く(成熟した債務国)。
  3. 一段と資本蓄積が進んで工業が発展すると貿易収支黒字が大きくなり、財・サービス収支黒字が所得収支赤字を上回り、経常収支が黒字化する。これによって資本輸出国に転換し対外債務の返済が可能となる(債務返済国)。
  4. 貿易収支黒字は縮小するものの、対外純資産の蓄積によって所得収支が黒字化する債権国の段階に至る(未成熟な債権国)。
  5. 工業の国際競争力が衰えて貿易収支は赤字化するが、対外純資産の蓄積により所得収支黒字は拡大し、経常収支黒字は維持され対外純資産の増加が続く(成熟した債権国)。
  6. 財・サービス収支赤字が所得収支黒字を上回り、経常収支が赤字化する。これにより対外純資産が減少に向かう(債権取崩し国)

国際収支を巡る4つの論点

日米とは異なり、中国の国際収支構造の変遷は特殊であり、しかも、合理的ではない面があるため、本稿では、4つの論点に集約して分析を行いたい。

第一は、ドーンブッシュの論点である。

国際経済学者、故ルディガー・ドーンブッシュ氏は、「開発途上国(=中国)が資本輸出国であるべきではない」とし、貧困国が資源を経済成長と国民の生活水準向上のために国内に投資するのではなく、あえて米国債の購入に利用するのは合理的ではないと主張した。

1993年時点の中国の1人当たり国民所得は410ドルであり1994年以降、経常収支は黒字を維持している。つまり、わずか410ドルの1人当たり国民所得しかなかった中国が、自国よりもはるかに豊かな国へ資本輸出していたことになる。ちなみに、1993年の米国の1人当たり国民所得は2万6442ドルであり、中国のそれの約64.5倍であった。

第二は、ウィリアムソンの論点である。

元ピーターソン国際経済研究所の経済学者、ジョン・ウィリアムソン氏は、資本輸入国は海外からの資本を経常収支の黒字に転換させるために利用すべきだと強調している。つまり、開発途上国にとって、流入する外国資本は、海外からの機械設備輸入、技術導入、人材誘致に利用すべきものである。さもなければ、高い金利で借りた資金を低い金利で資金の貸出者である外国にまた貸しするのと同じであり、それは資源の浪費である。

中国は約20年にわたり、「双子の黒字(経常収支と資本収支の黒字)」という特殊な状態を維持してきた。資本収支黒字の裏側には外貨準備の増加があり、つまり米国債の保有額が増加していた。資本収支の黒字(対外負債増加)の中での米国債購入は、実質的には米国から借金して、米国債を購入したのと同じことである。

ここで余学部委員が言う「資本収支」は、IMFの国際収支マニュアル(5版)の、「経常収支+資本収支+外貨準備増減+誤差脱漏=0」に対応するものです。

「双子の黒字(経常収支と資本収支の黒字)」の中国は、「外貨準備増減」がマイナスになります。一見、中国が保有する外貨準備が減るように思えますがそうではありません。外貨準備の「増減」がマイナスの場合、外貨準備の「残高」は増大する、という定義になっているのです。双子の黒字によって、中国の外貨準備残高は膨らみ、それを米国債で保有(運用)してきた、と余氏は言っているわけです。

日本の財務省は2014年1月、2008年のIMFの国際収支マニュアル(6版)に準拠する形で国際収支関連統計の見直しを行い、資本収支という言葉を止め、この中に含まれていた投資収支と外貨準備増減を統合して金融収支とし、現在は「経常収支+資本移転等収支-金融収支+誤差脱漏=0」という関係となっています。また、金融収支(外貨準備を含む)の黒字は対外純資産の増加を表すように、直感に合った定義に改められました。

ところが、中国の国際収支統計では金融収支の符号が逆に表示されているため、現在でも、金融収支黒字は資本の流入超過(対外純資産減少)、金融収支赤字は資本の流出超過(対外純資産増加)を表わしています。

第三は、クルーグマンの論点である。

対外投資能力の不足のため、中国の対外資産は主に米国債である。リーマン・ショックの前から米ドルは減価し始め、ドルの実効為替レートは120台から70台まで大幅に下落した。ドルが減価すれば、保有する米国債に為替差損が発生する。となると、中国の対外資産は深刻な損失に見舞われる可能性がある。そのため、一時的にドル資産の減価の可能性が中国政府の懸念事項となった。

米国債を引き続き保有すれば値下がりリスクがある。しかし、米国債を売却するにしても、中国は巨額の米国債を保有しているため、一気に市場で売却すれば米国債の暴落を招く恐れがある。プリンストン大学のポール・クルーグマン氏は、こうしたジレンマに陥った中国を嘲笑した。誰かに米国債を買わされたわけでもなく、中国は自ら進んで「ドルの罠」に飛び込んだのだと。現在のところ、中国の懸念は顕在化していないが、今後もずっと無事だとは誰も保証できない。

第四は、ハウスマンの論点である。

ハーバード大学のリカルド・ハウスマン氏は、米国は世界最大の対外債務国だが、所得収支が長年黒字である点に注目している。

債務国であるはずの米国は、しかし、国際収支上は利息を支払うどころか、受け取っているのである。なぜこのようなことが起きているのか。

ハウスマン氏の見解によれば、その背景には米国の「ダークマター(暗黒物質、訳者注:ブランド力など統計上対外資産に含まれない無形資産が米国の直接投資の収益力を高めているという仮説。異論もある)」の輸出があるという。

中国の状況は、ちょうど米国と対照的であり、約20年の「双子の黒字」を通じて、2011年までに中国は米国債を中心とする約5兆ドルの対外資産と、約3兆ドルの対外負債を蓄積した。つまり、中国は2兆ドルの対外純資産を累積した。

内外の収益率格差を3%とすれば、2011年の中国の所得収支は600億ドル近くの黒字に達してもおかしくないが、実際の所得収支は702億ドルもの赤字であった。この状況はいまだに根本的に変化していない。つまり、中国は米国のダークマターを輸入し続けているわけである。

米国は莫大な対外債務を抱えながら、配当や金利収入など所得収支はプラス。つまり「低利で借りて高利で運用」していることになります。米国への投資がそれだけ安全かつ魅力的であり、同時に、米国の対外投資が、企業ブランドなどの、定量的に説明できない価値(=ダークマター)の効果で、高い収益を得ているということだとハウフマン氏は分析しており、それを敷衍して「一方で中国は、海外からの投資に高利を支払い、低利回りの米国債で運用しているという、まったくの逆の状況にある」と分析しています。

所得収支赤字の背景

長期にわたり中国は資本を輸出し続けてきた。その結果、対外純資産は拡大したが、所得収支はマイナスである。これはなぜだろうか。

対外純資産とは、対外資産から対外負債を引いたものである。中国には資産だけでなく、負債もある。主な対外資産は米国債であり、主な対外負債は対内直接投資(編注:中国への海外企業などからの投資)である。対内直接投資は外国資本が行うため、十分なメリットがあってこそ投資を引付けられる。外国資本は利益を追い求めるため、それなりのリターンが期待できなければ投資しないのである。したがって、当初は特別な優遇政策の実施が必要だった。

また制度上の問題もある。例えば、各省政府は外国資本を誘導するために互いに競争している。つい最近まで、地方政府の外資誘致には目標値まで設定されていた。地方政府が外資誘致を行う場合、経済的コストを考慮する必要はないという誤った認識を持ち、経済性を度外視して外資さえ誘致すれば自らの業績になるとしたことから、外資誘致のコストは急上昇してしまった。

2008年にコンファレンスボードは、中国に進出した米系企業を対象に、投資収益率に関するアンケート調査を行った。それによれば、平均収益率は33%という結果であった。それとほぼ同時に、世界銀行のエコノミストが中国に進出した2万社以上の企業(欧州企業と日本企業を含む)を対象に調査したところ、22%の平均収益率という結果であった。では、2008年に中国が保有する米国債の収益率はどれぐらいであっただろうか? 恐らく3%未満であったはずだ。

ダークマターの輸入の他、近年、中国では資産消失という現象が生じている。数十年にわたる資本の純輸出を経て、中国は約2兆ドルの対外純資産を累積した。一方、2011年~2016年の中国の累積経常収支黒字は1兆2800億ドルであった。理論的に言えば、経常収支黒字の累積額は、対外純資産の増加に相当しなければならない。したがって、2011年~2016年の中国の対外純資産も1兆2800億ドル増えたはずだ。

しかし、実際の統計データを見ると、この期間中、中国の対外純資産は増加するどころか、124億ドルも減少したのである。では、資産はどこに消えたのだろうか?

対外資産に対する再評価、統計基準の見直し、誤差・脱漏などを根拠に、対外純資産の変化の理論値と公式統計との間に存在する巨大な差異を説明することは難しい。

構造調整を急ぐ中国

リーマン・ショック後、中国は国際収支構造に対する調整を急いだ。

第一に、国内改革とマクロ経済政策を通じて、国内貯蓄と国内投資の差額を縮小してきた。第二に、2005年~2015年の10年間に人民元の対ドルレートは35%切り上がったが、実効為替レートの増価率はさらに大きなものであった。

第三に、中国政府は2009年から人民元の国際化と資本取引の自由化を促し始めたため、対外直接投資が急速に拡大した。第四に、「一帯一路」政策が中国の対外投資ブームを推し進めており、今後もその流れが続くと考えられる。第五に、2016年から国境を越えたホットマネーの移動規制を強化している。この政策は中国資本の海外進出に対して、短期的には悪影響を及ぼしたが、キャピタルフライトを規制することにより、中国の対外投資の持続的な成長に貢献することができる。

第六に、現在の金融規制の強化により、国内の金融リスクは低下し、規制アービトラージが生き残る余地は圧迫されることになるだろう。それにより、ホットマネーの移動を抑制し、クロスボーダー取引の長期的安定性を保つことができる。

これらの一連の措置により、中国の経常収支黒字の対GDP比は、2007年の約12%から現在の3%程度に低下した。同時に、中国の所得収支赤字も改善されつつあるようだ。近い将来、中国の国際収支構造はさらに望ましい姿になるだろう。

リーマン・ショックによる信用収縮を受けて、中国政府は、海外からの高利の投資による産業育成から、国内の貯蓄などに資金源を切り替えようと図ってきました。また、米国債に限らず、海外企業やインフラなどへの投資も行うよう制度を改正し、アングラマネーの撲滅にも乗り出しています。

中国への対外直接投資はリーマンショック後、一時落ち込みましたが、その後急速に回復し、2014年から現在までは減少傾向にあります。

同時に中国企業は高いリターンを狙い外国企業の買収を積極化させていますが、人民元の安定化を図りたい中国政府が資本流出の抑制に乗り出し、対外直接投資を規制するなど、今後の展開が注目されています。

構造問題の打開に向けて

これまでの中国の国際収支と対外純資産の構造の調整は道半ばであり、構造改革と政策調整の推進が喫緊の課題である。打開策として、次の7点を挙げる。

  1. 人民元為替相場制度の改革を加速させる。人民元レートは依然として柔軟性に欠けている。柔軟性の不足は、中国の国際収支構造の改善にとって大きな妨げとなる。
  2. 財産権保護制度を整備する。財産権がはっきりしており、権利と責任が明確で、厳格な保護体制を有し、スムーズに浸透させられる現代的財産権制度を整備しなければならない。
  3. 金融市場の発展を加速させ、市場メカニズムを健全に反映するように国債のイールドカーブを形成させ、金融商品の合理的な価格決定に取り組む。
  4. クロスボーダーの資本移動の管理にさらに取り組む。資本取引における人民元国際化への基本的方針を堅持すると同時に、法制度を強化し、キャピタルフライトやあらゆるマネーロンダリングを断じて取り締まる。
  5. 金融サービス業をさらに開放的なものにし、競争を導入して金融リソースの配分を改善する。
  6. 海外資産(とりわけ国有企業の海外資産)に対する監査と海外M&Aリスクのコントロールを強化する。
  7. 国際収支の各項目に対する統計作業を改善し、誤差・脱漏項目の金額をできる限り減らし、事実に合った情報をきちんと把握する。

中国は現在、速いスピードで高齢化社会に入りつつある。「未富先老」(豊かになる前に高齢化社会を迎える)の局面に直面する中国は、国際収支と対外純資産の構造調整を加速させ、未成熟な債権国から、成熟した債権国へ成長するためのしっかりとした準備作業を速やかに行わなければならない時期が来ている。

中国が巨額の外貨準備を保有し、多くを米国債で運用するのは、人民元の変動をコントロールしてきたことによる当然の帰結です。この論文で中国の著名な経済学者である余永定氏が指摘するように、「高金利で海外から借りた資本を低金利の米国債で運用する」体質や、統計の不備など、中国が将来的に未成熟な債権国から、成熟した債権国に移行するには、まだ数多くの政策課題が残されています。

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『元海将が明かす、核戦争前提で北を先制攻撃する「5015作戦」の全貌(上)』(11/21ダイヤモンドオンライン)について

11/22中国観察<金正恩打破慣例“招待”特使後 習近平使出一狠招 希望之聲電台=金正恩は慣例を破り特使を招待した後、習は今できる凄い制裁を打ち出した 希望の声TV>中国国際航空は朝鮮への飛行を止め、高麗航空のみの運航となった。これが今できる中国の北に対する制裁としての凄いやり方である。(皮肉か?)

<北京時評家華頗日前接受希望之聲採訪時表示,習近平在與川普會面後,通過宋濤向金正恩亮出了底牌,宋濤此行的背後可能是中美朝之間激烈的博弈:=北京の時事評論家の華頗は先日の「希望の声」のインタビュー時、「習とトランプが会見した後、宋濤を通じ金正恩に手の内を見せた。宋濤のこの行為の裏には米中間の激しい駆け引きがあっただろう」と述べた。

“金正恩面臨一個重大抉擇:棄核還是不棄核。=金正恩は重大な選択を迫られる:核を廃棄するか廃棄しないか”

“宋濤最重要的目的是和朝鮮做最後的攤牌…中方提出的條件是非常重大的,可能令金正恩難以接受,這次是雙方在做激烈的討價還價。金正恩很不爽。但他的選擇也不太多。=宋濤の最も重要な目的は朝鮮に最後通牒をすることである。中国側が出した条件は非常に重大で金正恩は多分受け入れがたいと思われる。両国とも激しい値切り交渉したはず。金正恩は不愉快だったと思う。但し、彼の選択肢は多くはない”

“朝鮮問題發展至今,國際上的壓力很大,外界盛傳中方是假制裁,弄得中方非常被動,所以中方能給朝鮮提供的幫助很少了。北京希望朝鮮問題至少能降溫,即使不能完全解決,也不能作為一個熱點問題了,因為十九大以後,習近平要解決的問題重點在國內,他不希望國際有什麼事情分散了注意力。”=朝鮮問題がここまで大きくなったので、国際社会の圧力は大きくなり、他国から中国は制裁している振りをしているだけと伝わってきているため、中国も動かざるを得なくなり、朝鮮への支援は少なくなった。北京は朝鮮問題に熱くならないことを望むが、たとえ完全に解決できなくとも、この問題に焦点を当てることはできない。19回大会以降、習は国内問題に重点を置いて解決しようと考えており、国際関係でどんな事情があろうとも注意力散漫になりたくないと思っている>(以上)

金正恩が宋濤と会わないのは当然で、政治局常務委でないため、カウンターパート足り得ません。それを分かっていて習は宋濤を朝鮮に送ったのだと思います。米中合作で、金正恩に妥協させないようにしたのでは。習にとって、旧瀋陽軍区と金一族、江派の柵を断つには良いチャンス。しかも米軍がそれをやってくれるのですから。クリスマス休暇で非戦闘員を戻さないようにして、来年年明けが攻撃となるのでは。本記事の伊藤氏によれば、在韓邦人は韓国には核ミサイルが届くとありますので、日本に帰国して戻らない方が良いでしょう。ここまで来れば、自己責任です。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/22/380784.htm%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E6%89%93%E7%A0%B4%E6%85%A3%E4%BE%8B%E6%8B%9B%E5%BE%85%E7%89%B9%E4%BD%BF%E5%BE%8C-%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E4%BD%BF%E5%87%BA%E4%B8%80%E7%8B%A0%E6%8B%9B.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/24日経朝刊米国が早める「偉大な中国」 本社コメンテーター 秋田浩之

米国を再び、偉大にしてみせる。トランプ米大統領はこう豪語する。だが、このままいけば、彼は米国ではなく、中国が「偉大な国家」になるのを助けることになってしまう危険がある。

そんな予兆を漂わせたのが、11月5~14日のアジアへの旅だ。北朝鮮問題では日米韓の連携を締め直し、中国から改めて協力を取りつけることに成功した。

この旅にはさらに大切な目標があった。アジア太平洋地域で中国主導の秩序が生まれないよう、米国の影響力を立て直すことだ。

残念ながら、こちらでは成果どころか、トランプ氏の限界があらわになった。最大の注目点だったアジア戦略に関する演説が、不成功に終わってしまったからだ。

なぜそうなったのか。米政権の舞台裏に光を当てながら、今後、トランプ氏に世界はどう向き合えばよいのか、考えてみたい。

アジア歴訪を控えた10月半ば、米ホワイトハウスで極めて重要な出来事があった。どんな包括戦略でアジア太平洋に関与するのか。このテーマに特化した初の閣僚級の国家安全保障会議(NSC)がひそかに開かれたのだという。

マクマスター大統領補佐官やマティス国防長官、ティラーソン国務長官らも交えた議論の末、「自由で開かれたインド太平洋」戦略をアジア外交の中核とし、推し進めていくことを申し合わせた。

その後、詳しい説明を受けたトランプ氏も、これを米政権の看板戦略にすると決定。11月10日にベトナム・ダナンで演説し、大々的に発表することにした。

この戦略は太平洋からインド洋にまたがる地域に「法の支配」と市場経済を根づかせるため、賛同する国々と経済、安全保障の両面で協力を深めようというものだ。昨年8月に安倍政権が提唱した構想にトランプ政権が乗った。

この地域では中国もインフラを整え、独自の経済圏「一帯一路」を築こうとしている。これに対し、日米豪印などが主導して自由な秩序をつくろうというわけだ。

トランプ政権は1月の発足後、アジア政策の全体像を示せないままでいた。ダナン演説はこうした局面をがらりと転換し、インド太平洋戦略を世界に打ち上げる跳躍台になるはずだった。

しかし、ふたを開けてみると、演説は各国を拍子抜けさせた。「自由で開かれたインド太平洋の夢を、皆さんと共有したい」。前半でこう呼びかけたまでは良かったが、後半は米国第一主義のオンパレードになったからだ。

米国を縛る多国間協定には加わらない。そう宣言したうえで「私はいつも、米国を第一に考える」と断言。公正で互恵的な通商に応じる国に限って、2国間の貿易協定を結んでいくと強調した。

トランプ氏は14日、日中ロや東南アジア諸国連合(ASEAN)など18カ国が集う東アジア首脳会議も欠席し、帰国した。開始が2時間近く遅れたためだ。

「トランプ氏はやはり、アジア外交でも国内最優先を押し通すつもりなのだ」。東南アジアの当局者からは、米国は頼りにならないという声が漏れた。

こうしたなか、11月16日、21日にそれぞれ公表されたASEAN首脳会議と東アジア首脳会議の議長声明も、中国に半ば、屈した内容になった。中国が南シナ海で軍事拠点を築いている問題について、ASEANは昨年より批判の表現を和らげてしまったのだ。

この流れが続けば、米国主導のアジア秩序が退き、中国による秩序がこの地域を染めかねない。

なぜトランプ氏の歴訪はこんな結末になったのか。2つの仮説が考えられる。第1は彼がインド太平洋戦略にさほど関心がないか、あったとしても、中国に遠慮して演説の歯切れが悪くなってしまったという説だ。第2は、国内のトランプ支持者を喜ばせるため、あえて米国最優先の通商方針を強調したという説である。

このうち、前者の要素はゼロではないにしても、決定的ではないように思える。トランプ氏は安倍晋三首相からもインド太平洋戦略の説明を受けており、その意義は十分、頭に入っていたらしい。

対中配慮はあったとしても、重要演説を弱めてまで、機嫌をとるほどではないと思う。トランプ氏は習近平(シー・ジンピン)国家主席を「偉大なリーダー」と称賛してやまないが、中国観は険しくなっている。「彼は大したやつだが、中国という国家は問題が多い」。トランプ氏はしばしば、周辺にこう漏らすという。

こう考えると、第2の仮説が正しいとみるべきだろう。つまり、外遊先でも彼の頭の多くが内政で占められているということだ。

アジア歴訪中、米国内ではトランプ氏を悩ます事態が続いた。米大手紙の世論調査で支持率が最低の37%に下落。バージニア州知事選は共和党候補が大敗した。目玉公約の減税法案も正念場だ。

共和党支持者の約8割がなおトランプ氏を支持しているとはいえ、この岩盤を崩さないためにも、トランプ氏は外遊先で「米国最優先」を唱えざるを得ないのだ。

来年秋の米中間選挙に向け、その傾向は強まるだろう。「米国第一」の公約は果たせるだろうが、同時に「偉大な中国」の実現を早めることにもなりかねない。

トランプ政権が国内に引きこもらないよう、アジア各国は働きかけを強めるしかない。トランプ氏の「親友」であり、インド太平洋戦略を発案した安倍氏の役割は、さらに重くなる。>(以上)

秋田氏の読みはあっていると思います。支持層に向けて、「アメリカファースト」を言い続けなければ、来年の中間選挙、次の大統領選の勝利はおぼつかなくなります。再選戦略上も北を攻撃するでしょう。中国への経済制裁も北絡みでかけやすくなっていますので。

これに引換え、日本の経済人は駄目だと思いました。11/24日経朝刊には<「特色ある社会主義とはそういうものだ」。日本商工会議所の三村明夫会頭は中国の通商ルールや商慣習が国際基準から一部逸脱するのはやむを得ないとの見方を示した>とのこと。コンプライアンスのセンスは全然ありません。出身の新日鉄がそうだからでしょう。小生が会社で総会屋担当をしていた時に、鉄鋼業界はその筋の雑誌に全部広告を出していました。「鉄は国家なり」の意識があり、何をしても許されるという驕りが垣間見えます。神戸製鋼の不祥事も起きるべくして起こっただけ。中国駐在員に聞けば、中国との関係を深めることに反対すると思います。闇が深すぎます。

また本記事にあります、6者協議は北の時間稼ぎに使われるだけですので、トランプは認めないと思います。安倍総理も反対するでしょう。北の船が日本に漂流してきているのは、亡命だけでなく、テロ(体内に菌を潜ませたバイオテロ)の可能性もあるので要注意です。人道的処遇が仇になる場合もあります。自分の家族がテロに遭うことを想像して見て下さい。「差別」の問題ではなく、「安全」の問題です。中国と朝鮮半島は日本を貶めるためにサンフランシスコにも慰安婦像を建てることにしました。平気で嘘がつける連中です。反撃しなければ。

記事

Photo:AFP/AFLO

トランプ大統領のアジア歴訪で注目された対北朝鮮問題での習近平・中国国家主席との会談は、進捗がないまま終わった。今後、米国は軍事介入に踏み切るのか、次に打つ手は何なのか。駐米武官や防衛省情報本部情報官などを歴任し、米国の国防関係者らとパイプを持つ伊藤俊幸・元海将(金沢工業大学教授)に聞いた。(聞き手/ダイヤモンドオンライン特任編集委員 西井泰之)

米国にとっての北朝鮮問題は対中国戦略の一つに過ぎない

――米中首脳会談では、企業間での“巨額商談”が結ばれるなど、成果が演出された一方で、北朝鮮問題では大きな進捗は見られませんでした。

もともと今回のアジア歴訪は、中国と安定的な関係を作るため、先の共産党大会で権限を一手に掌握した習氏と、どういうやりとりをするかに主眼が置かれていたと思います。

米国の国益を考えても、またアジアにおいて今最も重要なことは適切な対中国戦略を構築することです。米国と並ぶ世界の二大強国になりつつあり、南シナ海への海洋進出など軍事的にも存在感を強める中国を封じ込めるために、日韓やアセアン諸国と連携を強化するかも含めて、対中国問題が、大統領の頭の中の中心にあったことは確実です。

日本に事前に来て日米連携を誇示したのも対中国をにらんでのことでしょう。北朝鮮問題は、安倍首相がトランプ大統領に話をして関心を持たせた面がありますが、米国にとっては、数ある対中国戦略の中の一つと位置付けられていることを押さえておく必要があります。

中国側もそのことはわかっていますから、成果が見えやすい「ディール(取引)」でトランプ大統領に花を持たせ、一方で、対北朝鮮への圧力強化や、突っ込まれたくない南シナ海での中国軍基地建設問題の議論を巧みにかわしたということだと思います。

中国に対抗するための軍拡が目的 北朝鮮問題はそのための“カード”

――日本と米国でも北朝鮮問題では温度差があるということですか。

駐在武官時代、多くの米国人と付き合った経験から言えば、米国人には皮膚感覚として北朝鮮という国への興味はほとんどありません。地球の裏側のこととしてとらえている感じで、トランプ大統領も極東のことは基本的には何も知らなかったと思います。

実際、2月初めの安倍首相との首脳会談時に北朝鮮がミサイルを発射、また金正男氏が暗殺されたにもかかわらず、同月末に行われた初の一般教書演説では、トランプ大統領は北朝鮮について何も言及しませんでした。

ただその後トランプ大統領も、北朝鮮のミサイルが米国本土を狙う、といった露骨な挑戦をし続けたため応戦するようになりましたが、北朝鮮問題は対中国政策を考慮する上でのカードの一枚と考えている、ということだと思います。

――それはどういうことですか。

一つは北朝鮮問題に対応する、という理由で軍拡を進めることができるからでしょう。軍事力整備は最低でも5年から10年かけて完成するものです。したがって早い段階から構想や計画を明確にして、国民や議会の説得、支持を得た上でないと予算がつきません。その意味では米国まで届くかもしれない北朝鮮の核とミサイルの脅威はわかりやすい理由の一つになります。

本丸は、軍拡を続ける中国に対抗することですが、中国との外交・経済上のデメリットを考えるとそれは大きな声で言えない。それで北朝鮮を代わりに使いたい人たちが出てくるわけです。これは日本も同じだと思います。

軍事技術的に見ても、核付ミサイルが完成レベルにあるのは、南(韓国)を攻撃するまでのものだと思います。2013年3月の3回目の核実験で、1トン~1.5トンまで核弾頭小型化に成功したと見積もられますが、その重さの弾頭をミサイルで運べるのは300kmがせいぜいです。1万km以上離れた米本土まで運ぶには、その半分以下まで小型軽量化することが必要です。

米軍の情報サイドは、当面は核ミサイルが米本土には飛んで来ない、と見積もっているでしょうが、中国に対抗するため軍事力整備を進めるのに、北朝鮮問題は使えるのです。

――トランプ大統領の頭の中には対北への軍事力行使の考えはどこまであるのでしょうか。

軍事については素人でしょうから、何をやろうとするかわかりません。北のミサイルが北海道上空を通過した時にも、「どうして日本は撃ち落とさないのか?」と発言したと報じられました。ミサイルが飛んだのは成層圏(宇宙空間)であって、日本の領空ではありません。ただ、軍事素人の大統領の考えがそのまま戦略や政策にならいないようにしているのが、いまの大統領補佐官、国防長官及び国務長官です。

トランプの暴走を止めるバランス取る スリーゼネラルとワンボーイスカウト

最近も国防省の元高官と話す機会がありましたが、政権内では、「スリー ジェネラルズ(three Generals)&ワン ボーイスカウト(One Boy Scout)」といって、元海兵隊大将のマティス国防長官とケリー大統領補佐官そして現役陸軍中将のマクマスター大統領補佐官(安全保障担当)らの「3人の将軍(Generals)」と、ボーイスカウトにいたことのあるティラーソン国務長官の4人が常に連絡を取り合って、過激になりがちな大統領の言動を抑えてバランスをとっている、と言っていました。

4人が知らない間に大統領がツイッターで過激なことを書く、ということがしばしばあるようですが、その時も4人でフォローし、波風を最小限に抑えていると言っていました。

マティス長官の古今東西の戦史についての博識ぶりは有名ですし、マクマスター補佐官には、ベトナム戦争の失敗を分析した著書もあります。軍事素人の大統領を軍事の専門家がいわば、教育している最中ということでしょうか。

ティラーソン長官がトランプ大統領を「能なし」と言ったなど二人が「不仲」という話も、国務省などの高官の政治任用が遅れている、といわれているのも一定の理由があるようです。

それはポストの削減です。そもそも国務省高官ポストは、国防省の3倍以上あるそうです。減税政策を進めようとするトランプ政権においてティラーソン長官は、国務省の高官ポストそのものを大幅に削減しようとしている、と聞きました。そして当然それに不満を抱く国務省役人サイドから「長官更迭」を狙って、色々な話を流しているというのです。

そういう話を聞いても、大統領と「3人の将軍とボーイスカウト」との関係はそんなにぶれていない気がします。ティラーソン長官が「北との交渉を打診」と発言した矢先に、大統領が「交渉は無駄だ」と言ったのも、二人で役割分担し、押したり引いたりして、北を交渉に乗せるための手段の一つ、と見ることができます。

軍事カードのベースになる 核戦争前提の「5015作戦」

――仮に軍事介入ということになれば、どういうシナリオが考えられていますか。

すでに北の2013年の3回目の核実験を機に、2015年に「韓国に対する核戦争」を前提にした「5015作戦」が作られました。

本来、こうした作戦計画は極秘ですが、韓国では報道で多数リークされますから、韓国の報道をまとめると次のようなことになるのだと思います。

通常兵器での戦争を前提にした従来の作戦は、北が攻撃してきたら、当初は韓国側が後退を余儀なくされるが、その後米韓の地上部隊を中心にして押し戻すシナリオでした。ところが北が核ミサイルを撃つとなれば、それだけで韓国は壊滅的状況になりますから、悠長なことはいっていられません。

「5015作戦」の考え方は先制攻撃です。北の南に対する核ミサイル攻撃の「兆候」を「探知」したら、まず「攪乱」するのです。核兵器を韓国に撃ち込むことは、さすがにトップである金正恩氏の命令がないとできません。

ですからトップが命令を出すために必要な現場からの情報や、トップが現場に下ろす情報のコミュニケーションラインをサイバー攻撃などで攪乱するのです。実はこれはイラク戦争でも米国はやっています。

「斬首作戦」は、トップを暗殺することだと思われていますが、それは誤解です。コミュニケーションラインを攪乱し、頭(トップ)と胴体(ミサイル部隊などの実行部隊)を切り離すことです。核ミサイルは持っているけれど撃っていいのかよくわからない状態にして、その間に、先制攻撃で北のミサイル基地や司令部などを「破壊」する。

これが「5015作戦」の一番の肝だと言われています。その副次作戦として特殊部隊による頭(金正恩)の拿捕、殺害があるのです。

「兆候探知」→「攪乱」→「破壊」と、鎖のようにつながっていく一連の作戦は、「キルチェーン(kill chain)」と言われています。韓国は「5015作戦」に対応する対北用の軍事体制を「3軸系」と呼称していますが、キルチェーンが第一軸で、そのために衛星購入などの予算要求が出されています。

第二軸が、イージス艦などによるミサイル防衛システム、第三軸が、「玄武2号」「玄武4号」などの北朝鮮攻撃用ミサイルによる大量報復戦略です。韓国は核を持っていませんが、このミサイルに1トン爆弾を搭載して、平壌に撃ち込むと言っています。北の1トン~1.5トン級の核弾頭を意識して、同じぐらいの破壊力を持つ通常爆弾の弾頭を搭載し、北が撃ったら、直ちに撃ち返すぞ、というわけです。

文在寅・韓国大統領は対北融和路線だと言われていますが、それを目指すとしても、一方では「5015作戦」に応じた軍事力整備も着々と進めているのです。

第二次朝鮮戦争では日本は「第三者」だが、それではすまない

――仮に米韓軍が「5015作戦」に踏み切った時には、日本はどういう役割を担うのですか。

仮に朝鮮半島で戦争になったら、米韓連合軍は一塊の軍隊(Combined force)として動きますが、日本は、日米同盟(米軍は日本防衛)との関係上、「第三者」と位置づけられます。

日米韓の軍事連携強化がいわれますが、それは情報共有などをいうことであって、第二次朝鮮戦争となれば、実際の戦争では、米韓連合軍に国連軍が加わる形で、北朝鮮軍と戦闘が行われます。

第二次朝鮮戦争が起きた場合を想定して、自衛隊が米軍の後方支援をできるように、ということで、1999年に「周辺事態法」が作られました。

しかし国連軍が加われば米軍以外の他国軍も在日米軍基地(国連軍基地を兼任)に来援することになりますから、今回の安保法制で、「重要影響事態法」と名前を変えて、米国以外の軍隊にも後方支援できるようにしたのです。

つまり、第二次朝鮮戦争が生起すると、まず日本政府は「重要影響事態」と認定し、米軍や国連軍に対して後方支援や後方地域支援という形で関与することになります。

戦争勃発後、当然、北朝鮮は後方支援基地である在日米軍基地を叩くため、日本にミサイル攻撃する可能性が出てきます。

そうなった場合、多数の米国のイージス艦がミサイル防衛のため日本海に配備され、当然海上自衛隊のイージス艦も出動することになります。

この状態は、日本にとっては、まだミサイルは飛んで来ていない「平時」ですが、日本防衛のために出動した米艦を北が攻撃しようとしたら、日本は同盟を結んでいる「仲間」を守る必要があります。

そこで安保法制で「存立危機事態(他国軍隊を守るために武力行使可能)」という新たな事態認定を作ったのです。

つまり、第二次朝鮮戦争が生起したら、日本政府は最初に「重要影響事態」を認定し、引き続き「存立危機事態」を認定することにより、後方支援だけではなく、米軍を含む国連軍を守るため自衛隊は武力行使が可能となります。

そしていよいよミサイルが飛んできたとなれば、日本「有事」ですから、「武力攻撃事態」が認定され、日本は自国を守るため「敵を排除する武力行使」が可能となる、という流れになるのです。

ミサイルが飛んで来るのは先制攻撃後中枢部がやられる可能性は少ない

――北のミサイル攻撃から日本を守れるのですか。

現状のミサイル迎撃システムは、まずイージス艦搭載の「SM3」ミサイルが飛行中の敵弾道ミサイルを宇中空間で撃ち落とす。そして撃ち漏らした場合、地上に配備した「PAC3」ミサイルが待ち構えて迎撃する二段構えです。

日本にミサイルが飛んで来るといっても、米国が「5015作戦」で、北の核施設やミサイル基地など約700ヵ所を一斉攻撃した後、生き残った車載型ミサイル発射装置(Transporter Erector Launcher;TEL)から日本に発射されることになりますが、飛んでくるミサイルの数を考えれば、約15隻は配備される日米のイージス艦により、迎撃は可能だと思います。

同時に「緊急対処事態」と認定され、国民保護法により各自治体や警察、消防が国民を守るための行動をとることになります。

また「武力攻撃事態」と認定されれば、「PAC3」も首都圏や原発などの重要施設への重点配備に変更し、日本の中枢部を防護し被害極小化を図ることになります。

ただ日本の場合は、憲法上自衛のための「必要最小限度」の武力行使しかできませんので、米軍と一緒になって北を攻撃することはしませんし、兵器体系からも他国の領土を攻撃できません。ただ日本に対して危害をなすものは全て排除するということです。

――今後の展開をどう予想しますか。

「5015作戦」は今でも大統領が命令すればいつでも実施できる状況です。

米韓合同演習が、2015年夏以降、年2回ずつ既に5回行われています。部隊だけでなく、司令部要員が、敵の戦力動向や展開状況に応じて作戦を修正し現場部隊を指揮する「指揮所演習」も行っています。

この作戦にGOをかけるには、米大統領による「自衛権」の発動か、国連の「武力制裁」決議が必要です。現時点では、どちらの条件も整っていません。

また特に米国共和党政権は、元来「国益」でしか戦争はしません。米国軍人の基本的な考え方も同じです。

私は、トランプ大統領にとって朝鮮半島は、中東と異なり、軍事介入するほどの国益があると考えていないのではないか、と見ています。

ですから経済制裁を強化し、北を孤立させて締めあげる戦略になるのだと思います。

これまで国連の「経済制裁決議」が何度もされてきましたが、抜け穴があり、制裁しているように見えてほとんど何もしていない国があった、といっても過言ではありません。

11月にようやく中国やロシアも賛成して原油取引を制限するなど、実効が期待できそうな「経済制裁」をすることになりました。その効果が出るのは12月以降です。

だからいまは北の反応も含めて状況を見てみようというスタンスだと思います。制裁の効果が本当に出るかどうかのキーは、中国がきちんとやるかどうかですから、今回の米中首脳会談でもトランプ大統領は、習主席にこの点を確認したのでしょう。

「4つのNO」を“餌”にして北朝鮮を話し合いの場に

――しかし制裁決議の「厳格な実行」では合意しましたが、北への圧力強化を求めた米国に対し、中国は「対話と協議」を基本にするということで平行線でした。

私が注目しているのは、ティラーソン国務長官がいう「4つのNO」です。

その4つというのは、(1)米国は北の政権交代は求めないし、(2)北の体制崩壊も求めない。また(3)軍事境界線を軍隊は超えない、つまり先制攻撃はしない、そして(4)朝鮮半島の統一を急がない、というものです。

これは北の核全面放棄を促すいわゆる「飴玉」です。つまり北が核放棄をするのなら、この4つを約束するから、交渉に乗って来い、ということです。

「4つのNO」は、4月の最初の日中首脳会談の時に、中国が、米国と北朝鮮を仲介するにあたって、「手ぶらじゃ、北は乗ってこないから」というので、米国に求めた条件だったと思います。

習主席は今度の首脳会談でも改めて「4つのNO」が変わっていないことを確認したのだと思います。

中国としてはトランプ大統領に軍事行動のGOの号令をかけられたら困る。北が崩壊すれば、中国は、米国の影響下の韓国と直接、国境を接することになり緩衝地帯を失います。しかし制裁をやり過ぎたり、中国が北との貿易を完全に絶つだけでも北は崩壊する可能性がある。

だからふわふわとした形で軟着陸させたいというのが本音でしょう。

つまり「4つのNO」を前提に、北を話し合いの場に載せるしかないと思っているのだと思います。

中国と北朝鮮は関係最悪 「6者協議」の再開が落としどころ?

――となると、今後は中国が対北朝鮮説得により力を入れるということですか。

問題は中朝関係が良好とはいえず、中国側に金正恩氏とのパイプがなくなっていたことです。

特に北朝鮮側には中国への不信感が強いのです。「4つのNO」の中に、わざわざ「北の政権交代を求めない」というのが一つの項目として入っているのは、中国が過去に、政権交代、つまり金正恩氏を降ろそうという考えを持っていたと、米国も認識していることの証左です。

金正恩氏が、ナンバー2で中国との窓口だった張成沢・国防委員会副委員長を粛清したのも、張氏が中国と連携して金正恩を排除しようとしたから、ともいわれています。

金正恩氏は中国が自分を抹殺するのではないか、との疑いを抱いていますから、絶対に中国に行かないわけです。中国が行うことは、まず金正恩氏を説得するための人的パイプ作りをすることなのでしょう。

――米中で握っても北のミサイル開発は止められないということですか。

11月17日、中国対外連絡部のトップ、宋部長は先月の共産党大会の結果を説明するため、習近平国家主席の特使として平壌を訪問し、金正恩朝鮮労働党委員長の信頼がとりわけ厚いとされる側近の崔龍海(チェ・リョンへ)副委員長と会談しました。

トランプ大統領の訪中を受け、ついに中国が北朝鮮との人的パイプ再構築を始めたと見ることもできます。また、ロシアが北朝鮮と急接近していますから、中国はこのあたりも視野に入っているのでしょう。

結局は、かつての「6者(米韓日中露と北朝鮮の)協議」のような枠組みで、交渉再開といったことが落とし所にならざるを得ないのかもしれませんが、トランプ大統領は、少なくともそこまで持っていくのに、北に圧力をかけられるのはやはり中国しかない、ということを伝えたのだと思います。

ただ北も簡単には中国の言うことを聞かないこともわかっていますから、米中首脳会談ではそれほど厳しくやりあうことはなかったのでしょう。

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『中国「世論工作機関」の内実』(11/16日経ビジネス11/20号 FT)について

11/19中国観察<炸鍋了 黨媒自稱中國是世界最大民主國家 網友學者鞭撻 阿波羅網=カンカンに怒った 党のメデイアが「中国は世界最大の民主国家である」と発表 メールで学者が酷評 アポロネット>韓震という中共教育部の人間が、党のメデイアに「中国はやっと世界最大の民主主義国家になった」と発表した。彼は「西洋型の民主主義は形式上の権利だけで、実質上は権利を持たず政治のお遊びをしているだけ」とも。これに対し、メール上では彼に対し「中国には実質的な選挙制度もなく、言論は封殺され、民主と言えることは少しもない」、「無恥で無賴かつ無能」、「人民は党の目から見ると機械と同じで、畜生さえにも及ばない」との怒りの声が。

でも臆面もなくこういう事が言える中国人と言うのは凄いと思います。日本人だったらすぐ嘘と分かることは恥ずかしくて言えません(日本の左翼人士は平気で嘘がつけます)。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という典型的な事例です。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/19/380419.htm%E7%82%B8%E9%8D%8B%E4%BA%86-%E9%BB%A8%E5%AA%92%E8%87%AA%E7%A8%B1%E4%B8%AD%E5%9C%8B%E6%98%AF%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%9C%80%E5%A4%A7%E6%B0%91%E4%B8%BB%E5%9C%8B%E5%AE%B6-%E7%B6%B2%E5%8F%8B%E5%AD%B8%E8%80%85.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/20中国観察<中共若攻台 美國學者分析:無法攻下台灣 阿波羅網=中共がもし台湾を攻めて来たとしたら、米国の学者に依れば、攻め落とすことはできないと アポロネット>その理由は、制空権を中国が取れないのと、台湾への上陸を阻止する能力が台湾にはあること、米国、日本、ベトナムが台湾を支援するので、中国は台湾へ武力侵攻しても成功しないと米国の学者は見ているとのことです。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/20/380542.htm%E4%B8%AD%E5%85%B1%E8%8B%A5%E6%94%BB%E5%8F%B0-%E7%BE%8E%E5%9C%8B%E5%AD%B8%E8%80%85%E5%88%86%E6%9E%90%EF%BC%9A%E7%84%A1%E6%B3%95%E6%94%BB%E4%B8%8B%E5%8F%B0%E7%81%A3.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/21中国観察<震驚!越共治下互聯網直通全球 對比強烈北京正驅逐外來人 阿波羅網=驚いたことにベトナム共産党はインターネットで世界と繋がることを認めた 北京の外国人の入国制限と比較すれば強烈である アポロネット>同じ共産党でありながら、先ずベトナム共産党は戸籍制度を廃止、またインターネットもファイアウォールを作らず、自由に外国のネットに登録できるようにする。これは、中国のファイアウォールを乗り越えざるを得ない人達を泣かせている。ベトナムは中国のやりかたを踏襲しないとのことです。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/21/380680.htm%E9%9C%87%E9%A9%9A%EF%BC%81%E8%B6%8A%E5%85%B1%E6%B2%BB%E4%B8%8B%E4%BA%92%E8%81%AF%E7%B6%B2%E7%9B%B4%E9%80%9A%E5%85%A8%E7%90%83-%E5%B0%8D%E6%AF%94%E5%BC%B7%E7%83%88%E5%8C%97%E4%BA%AC%E6%AD%A3%E9%A9%85.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

本記事に関して言えば、中国の国歌(義勇軍行進曲:1935年作詞)は源流が反日で出来たものです。その一部の歌詞には“把我们的血肉,筑成我们新的长城!”=我々の血肉で新しい長城を造ろうというのがあります。昔から人海戦術で戦うのが中国のやり方です。今やっていますのは、内なる長城作りではなく、外へ向けての長城作りです。海外への人口流出or棄民もそうです。侵略の糸口になりますので注意しませんと。“中華民族の偉大な復興の夢”で阿片戦争の仇を討つため、海外に侵略の手先を送り込み、得意な賄賂とハニーで海外要人を籠絡します。中国人も朝鮮半島人も道徳心がなく、特に貞操観念が薄いのは慰安婦を見ていれば分かるでしょう。本記事にありますように、中国は世界各国で、中国国内でやっているのと同じ、中国に不利な報道はさせない、中国に有利な記事はドンドン報道させるやり方をします。オピニオンリーダーを使って。日本の左翼新聞も同じやり方をします。左翼と言うのはプロパガンダでしか物を考えません。“実事求是”とは程遠い世界にいます。

中国が強権なのは、国歌の替え歌を禁止したり、一国二制度の香港に国歌を強要したりと、日本の左翼教師も真っ青になるようなことを平気でしていることからも分かります。共産中国を世界にのさばらせてはいけないと思います。日本国民全体がそう覚醒しなければ危ない所まで来ています。大本は米国の中国支援から来ていますが。日本も金儲けだけに血道を上げることは止めた方が良いでしょう。「一帯一路」の詐欺商法にまた引っかかるとしたらアホとしか言いようがありません。

記事

中国共産党の習近平総書記は、統一戦線部の力を拡大させている。国内外において反党勢力を監視し、党への忠誠拡大を図る。特に海外では親中世論を醸成する役割を担う。英フィナンシャル・タイムズが同部の幹部・工作員養成に使う教本を入手し、分析した。

雨傘運動の元リーダーで、香港衆志の秘書長を務める黄之鋒氏は17年6月、習近平国家主席の香港訪問に抗議し、警察に取り押さえられた。習氏は返還20年を記念する行事に出席すべく香港を訪れた(写真=ロイター/アフロ)

グーグルマップで北京の地図を見ると、市街地の真ん中に表示が何もない一画がある。そのすぐ隣にある、ほとんど名称が表示されない建物群が中国共産党の中枢施設だ。

実際に街路を歩いてみると、秘密めいた雰囲気が確かに漂う。制服を着た門衛が各施設を出入りする役人たちの車をチェックしている。しかし、どこにも門札は出ていない。かろうじて得られる情報は、真鍮板に刻まれた街路名と番地だけだ。

これら無名の施設の中で最大の敷地を持つのが、府右街135番地にある中国共産党中央統一戦線工作部(以下、統一戦線部)だ。この組織は、中国が持つ国際的「ソフトパワー」を推進する本部としての役割を持つ。

習近平(シー・ジンピン)国家主席は、ソフトパワーの行使を政権が取り組む主要目標の一つとして取り上げた。多面的な目標だが、具体的な内容はほぼ秘密に包まれている。習氏は10月25日、少なくとも2022年まで現在の地位にとどまることを確実なものとした。

ソフトパワーを「強硬」に行使

統一戦線部の建物は、街路に沿って約200mにわたって続く。中国の野望の大きさを象徴しているようだ。習氏は「中華民族の偉大な復興」を実現するためには、統一戦線部の工作を通じて国内外の「支持」を得ることが非常に重要だと語る。しかし、府右街135番地の新古典様式の建物の中で働く同部の幹部らが振るう力は、どう見ても「ソフト」なパワーではないことが多い。

本紙(英フィナンシャル・タイムズ)はいくつかの国で、統一戦線部の活動を調査した。その結果、中国最高指導部の指令の下、特定のグループや個人を誘い、取り込み、あるいは攻撃する動きが明らかになった。この組織は全体として、中国が進める政策への支持を勝ち取り、海外における影響力を高め、重要な情報を収集することを目的としている。

本記事を執筆するにあたり、統一戦線部に取材を申し込んだが拒否された。ウェブサイトからは、断片的な情報しか得られない。しかし、本紙は同部の幹部が使用する教本「中国統戦部課程手冊」を入手した。そこには、この組織が帯びている国際的任務が長文で詳細に記されている。読む者を魅了し、かつ、おびえさせることを狙う文言が並ぶ。

教本は幹部に、親切かつ寛大な態度を取り、「統合し得る全ての勢力を(世界中で)まとめる」べく努力せよと促す。同時に、中国の領土を分割したり、中国の発展を妨げたりする意図を持つ「海外の敵対勢力」に対しては「鉄の長城」を築き、容赦のない対応を取るよう指示している。

教本には「海外の敵対勢力は中国の興隆を望まない。我が国を潜在的脅威となるライバルとして見る者が多い。それゆえ彼らは我々の邪魔をし、抑圧するために千の策略と百の計略を用いる」と書かれている。

「統一戦線部は、勝利を得るために万難を排除できる巨大な魔法の武器である」との一節もある。教本によると、執筆者と編集委員は統一戦線部の最高幹部たちだ。

統一戦線部の張裔炯常務副部長が10月、珍しく記者会見に臨んだ。この席で張氏は「中国人民が力を得ようと望むなら、そして中国の偉大な復興の実現を望むのなら、共産党の指導の下、我々はこの“魔法の武器”の使い方をさらに完全に理解する必要がある」と語った。部長を務めてきた孫春蘭氏は、10月末に党政治局員に再選された。

統一戦線部の組織図を見ると、その権限が異様に広いことが分かる。9つの局は、共産党が自らの権力に対する脅威と見なすほぼ全ての分野をカバーしている。例えば「三局」は、香港、マカオ、台湾での工作および180カ国以上で暮らす約6000万人の中国人に対する活動を任務とする。

「二局」は宗教を扱う。「七局」と「九局」はそれぞれチベット自治区と新疆ウイグル自治区を担当する。チベットと新疆は、少数民族であるチベット族とウイグル族の本拠地で、どちらも中国政府に反抗的な辺境地域だ。

オーストラリアのシンクタンク、ローウィ研究所で東アジア部長を務めるメリデン・バラル氏は、中国によるソフトパワーの行使は習氏の下で明白に変化していると指摘する。これまでは、中国の台頭は平和的なものだと他国を安心させることに重点を置いてきたが、強硬な路線にシフトしているという。

バラル氏は「習近平氏が政権に就いて以降、重点が明らかに変化してきた。他国を安心させることが大切だという感覚は今も残るが、『中国が外からどう見られるかは中国自身が決める』『世界は中国に偏見を持っている』という感覚も存在する」と続ける。

ローマ法王よりも党が上位

ダライ・ラマの写真を掲げ持つ、チベットの亡命者。場所はインドのニューデリー(写真=AP/アフロ)

統一戦線部の強硬姿勢は、次代のダライ・ラマを巡る争いにはっきりと表れている。チベットの精神的指導者で、現在亡命しているダライ・ラマ14世(82歳)の未来の生まれ変わりについての対立だ。中国政府はダライ・ラマ14世を、チベットを中国の支配から懸命に引き離そうとしている分離主義者と非難する。

チベット仏教の伝統によると、ダライ・ラマの死後、その生まれ変わりを高僧らが一連の兆候を手がかりに探していくと、転生した魂が宿る子どもの元へ導かれることになっている。

チベット仏教の指導者らは現在、ダライ・ラマ14世に従い、インド北部のダラムサラで亡命生活を送っている。このため、転生した子どもは中国国外で見つかるのではないかとの観測がある。

中国政府はこれを警戒する。政府が最も恐れるのは、「分離主義者」で「僧衣をまとった狼」と呼んできた人物の生まれ変わりが支配地の外に現れることだ。

統一戦線部は、この問題の解決策を講じる責任を負う。内部の関係者によると、今のところ計画は、共産党(公式には無神論を掲げる)が国内の転生探しを自ら監督する、というものだ。この目的もあり、党はチベットで1300人以上の「活仏(生き仏)」を公式に認め、データベース化した。これらの活仏は、その時が来たら、政府が選んだ転生者を支持するよう求められるだろう。

統一戦線部の下部組織であるチベット国際文化交流協会の幹部で、チベット自治政府の官僚でもあるレンチンルオゴ氏は、「全ての活仏の転生は中国中央政府の承認を受けなければならない」と語る。

同氏は最近ロンドンを訪れた際に、「もし(ダライ・ラマが)チベット外のどこかで転生者を見つけることにしたなら、チベットの人々は、それはいったいどのような転生なのかといぶかしむだろう。大衆は、そのような宗教は詰まるところ偽物で、空虚で、想像の産物に違いないと考えるはずだ」と指摘した。

ダラムサラのチベット亡命政府は、中国政府の「不合理」な計画を非難する声明を発表した。その中で「ダライ・ラマ14世が『母国の統一を懸命に破壊しようとする分離主義者のリーダー』であると中国が本当に信じているのなら、もう1人のダライ・ラマを探すことにどんな意味があるのか」と指摘している。

統一戦線部に所属する無神論者の工作員がこのような形而上学的な領域に足を踏み入れるのは信じ難いことかもしれない。しかし、中国にある全国規模の宗教団体は全て、同部の庇護の下にある。例えば中国仏教協会、中国道教協会、中国イスラム教協会、中国天主教愛国会、三自(プロテスタント)愛国運動などだ。

こうした情報から、中国とローマ法王庁(バチカン)の断絶した関係を修復する微妙な話し合いを統一戦線部が主導していることが分かる、と外交官らは指摘する。関係修復を妨げる最大の障害は、中国におけるあらゆる宗教は共産党を最高の権威と認めなければならないという点に中国政府がこだわっていることだ。しかし、カトリックでは最高の権威はローマ法王でなければならない。

両者は10年以上前から秘密裏に交渉を重ね、合意の足がかりを探ってきた。そして最近、進展の兆候が見られた。15年と16年に新たな中国人司教を5人任命することで両者が合意した。

それでも統一戦線部は、少なくとも公式には、カトリックとの合意に対して否定的な立場を保っている。「いかなる外国の宗教団体や個人にも、国内の宗教への干渉を絶対に許してはならない」と教本は説く。

中国が経済改革にかじを切ってから40年近くがたち、社会の多様性が拡大している。中国政府から見れば、共産党に忠実な主流派以外の人々の忠誠心と支持を維持する統一戦線部の価値が高まったと言える。歴代の指導者たちも同部を称賛してきたが、習氏以上に賛美した者はいない。習氏は14年と15年に同部の地位と権限を高めるいくつかの措置を講じた。

まず、同部が取り組む工作の対象を拡大した。例えば、新疆での工作を担う「九局」を新設した。つまり、同部が、新疆の分離主義者との激烈な闘争を監督する機関になったということだ。

また、同部の活動を指導する「領導小組」の新設を命じた。党中央政治局から同部へと命令系統が直接つながっていることを示す措置だ。

海外中国人社会に親中促す

これまで習氏が取り組んだ施策の中でおそらく最も重要な一歩は、同部を「全党」のための活動と位置付けたことだろう。これを受けて15年以降、同部が指名した者が党や政府の最高レベルの役職に就くケースが急増した。また、匿名で語ったある高官によると、ほぼ全ての在外中国大使館に同部の任務を公式に負う職員が駐在するようになったという。

この結果、海外で暮らす中国人に向けた同部の働きかけも強まった。海外で暮らす約6000万人の中国人のうち80%以上は、180を超える国で市民権を取得している。それでも、中国政府から見れば彼らは重要な支持者予備軍だ。同部の教本にも「本土の中国人を統一するには、海外で暮らす中国人子女の統一が必要である」とある。

教本は、工作員が海外に住む中国人の支持を勝ち取るための方法を数多く推奨している。例えば、情緒的な方法。祖国との「血と肉」の結びつきを強調する。思想的な方法もある。「中華民族の偉大な復興」への参加に焦点を当てる。

中でも、中心を成すのは物質的なものだ。中国政府の目的に照らして価値があると考えられる、海外中国人のグループや個人の一部に資金などを提供する。

英国を拠点に活動するある中国人の学者は次のように語る。この人物は統一戦線部が開催するイベントに何度か出席したことがあるという。最初は、中国の祝日を祝う晩餐会や宴会への招待を受ける。たいていは主催者である「友好協会」のホストからの招待だ。友好協会は同部の傘下で活動している。

同協会では愛国的なスピーチが雰囲気を盛り上げ、優秀な学生、特に科学系の学生に、奨学金や給付金といった「アメ」をちらつかせて帰国を促すという。これらの給付を賄う資金を提供する多くは、中国留学人材発展基金会など、統一戦線部の下部機関であることがこれらの基金の文書から分かる。

17年3月、豪キャンベラを訪れた李克強首相を歓迎する中国系の学生たち(写真=AAP Image/アフロ)

しかし、施しを受ければ義務が生じることがある。オーストラリア国立大学の学生、アレックス・ジョスケ氏と呉楽宝氏によると、オーストラリアでは中国学生学者連合会(CSSA)が在豪中国大使館の末端機関として機能している。例えば、李克強首相が今年キャンベラを訪れた際には、CSSAが数百人の中国人留学生を動員して中国への抗議デモを圧倒した、とジョスケ氏と呉氏はブログに書いている。

オーストラリアでも欧米のほかの国でも、全ての中国人留学生が自分を中国ソフトパワーの代理人と見なしているわけではない。それは確かだ。しかし、中国人の学者もオーストラリア人の学者も共に、中国政府を支持する闘争的な気分が高まっていると指摘する。

シドニー工科大学の馮崇義准教授は、中国政府がオーストラリアの中国人団体に及ぼす影響力は、1990年代後半から、それと分かるほど強まってきたと語る。「私の見るところ、中国政府はコミュニティー団体のほぼ全てと中国語メディアの半分以上を支配している。そして今、大学の世界に足を踏み入れてきたのだ」(馮准教授)

海外の政界に根を伸ばす

こうした草の根の活動とは別に、欧米社会で政治的な影響力を持つことができれば、それは大きな成果となる。教本は、カナダのトロントの選挙で中国系の候補者が成功を収めていることを満足げに記している。2003年の選挙では25人が立候補し6人が当選した。06年には当選者が急増。44人の候補者のうち10人が当選したという。

教本は「我々は、これら比較的高い地位にいる人々やグループとの協力を目指し、社会の主流の中で工作して前進への見通しを立てなければならない」と訴える。

しかし、政治的な影響力を求めた結果、不首尾に終わることもある。ニュージーランドの国家情報機関は、中国生まれの国会議員、ジャン・ヤン(楊健) 氏を捜査中だ。ヤン氏がかつて、中国の主要な軍事大学に15年間在籍していたことを問題視している。

本紙の調べによると、ヤン氏は1994年に統一戦線部に加わり、工作員として活動した。10年以上にわたり、中国のエリート養成機関で訓練を受けたり、授業をしたりしていた。これらの機関の中には、軍事情報将校のための最上位の語学学校もあった。同氏はその後、2014年から16年にかけて、ニュージーランド議会の外交・防衛・貿易特別委員会に所属した。

ニュージーランドにあるカンタベリー大学のアン・マリー・ブラディー教授は、中国の政治的影響力が増大していることを真剣に受け止める必要があると警告する。同氏は、オーストラリア政府が内政干渉につながる活動を防止する法律の導入を検討している例を挙げ、ニュージーランド政府に対して、中国による政治ロビー活動を調査する委員会を立ち上げるよう求めている。

カナダの国家情報機関の責任者は10年、カナダの地方政府の閣僚および職員の中に、外国、特に中国の影響力を行使する「代理人」が数人いると警告した。オーストラリアも最近、中国による情報活動や秘密工作がオーストラリアの政治に影響を及ぼしているとの懸念を表明した。

中国流の容赦ないソフトパワーを世界中に広める動きは、このところ壁にぶつかっている。だが、いずれ、一時的な挫折だったということになるのかもしれない。

北京にある清華大学国際伝播研究センターの李希光所長は、「中国政府は最初、京劇や雑技団などの文化をソフトパワーと呼んでいた。しかし、権力の座に就いた習氏は、それまでの指導者とはまったく異なる。中国は自国の文化と発展の道筋、政治制度、理論について100%の自信を持たなければならないと習氏は言う」と指摘する。

習氏が統一戦線部の重要度と権限を高めた以上、中国政府がこの努力をあえて弱めることはないだろう。

*=統一戦線部の部長は、孫春蘭氏から尤権氏に代わった

James Kynge, Lucy Hornby and Jamil Anderlini ©Financial Times, Ltd. 2017 Oct.27

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『上海IT企業で幼児の口にからしを押し込む虐待 先進の企業内託児所で発覚、主犯は無資格の清掃員』(11/17日経ビジネスオンライン 北村豊)について

11/18facebookの中国観察の記事から<強國教師這行業經過老毛的當臭老九批判到改革後把老師奉若神明,到現在當教師只是當打份工(當然,人格高尚的教師也有,就像強國清官一樣稀有),師德早就被拋棄了,特別那些有點後台的更不得了,站在講臺上就像君臨天下。使用些小暴力也覺得人之常情。

強国の教師という職業は、過去には毛沢東に階級の敵と批判され、改革開放後は教師を神棚に奉り、 今は単なる労働者となってしまった。(勿論、人格高潔な教師もいるが、強国の清廉な役人同様稀である)、教師の徳はとっくに捨て去られ、特に舞台裏ではそれが一層激しくなり、演台に立てば将に天下に君臨したようなものである。小さな暴力を使いたくなるというのも世の常である>

https://www.facebook.com/jiluzg.2.0/videos/193015564578844/

11/19中国観察<江歌劉鑫案的最終結局(圖) 看中国>日本に来て中国人同士で殺人事件を起こすのは止めてほしい。殺された娘の母親は殺人犯の前の娘の友達を死刑にしてほしいと願っていますが、日本の判例では2人以上殺さないと死刑になりません。これもおかしな話で、最高裁は判例を変更すべきです。一人殺した場合、死刑にそぐわない理由がある場合は情状酌量して減刑すれば良いのでは。でも、犯人が日本の刑務所に入り(中国の人権無視の刑務所と比べれば遙かに快適)、運営費が日本の税金で賄われることを考えれば、中国で面倒を見ろと言いたくなります。でも、犯人が中国に逃げ帰っていれば代理処罰の制度を使うことは可能(犯罪人引渡条約を結んでいるのは、日本は韓米だけとのこと)ですが、中国は賄賂が横行する国ですから、犯人・遺族とも金で何とでもなるでしょう。反日教育をしている中国と朝鮮半島から人を日本に入れるのは制限すべきです。いつ日本人が殺されるか分かりません。ビザなしは止めるべきです。在日も帰国させるべきです。反日教育を止めてから付き合えば良いのでは。やっと訪中経済団も「一帯一路」参加について条件を付けるようになりました。まあ、公明で正大な取引、撤退条件がクリアにならないと参加しないというのは、永遠に参加できないの意味では。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/comments/2017/11/19/380368.htm%E6%B1%9F%E6%AD%8C%E5%8A%89%E9%91%AB%E6%A1%88%E7%9A%84%E6%9C%80%E7%B5%82%E7%B5%90%E5%B1%80%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/21JBプレス 川島博之<中国は絶望的「格差」国家、民衆の怒りが爆発する日 「中国の特色ある社会主義」は19世紀の帝国主義にそっくり>川島氏は「大手マスコミは全くと言ってよいほど非難しなかったが、習近平が「新時代の中国の特色ある社会主義」と言っているものは、とても歴史の審判に耐えうる代物ではない。まさに噴飯ものである。そもそも社会主義は人々の権利の平等と所得分配の公平を謳う思想であろう。根底に平等がなければ社会主義とは言えない。中国にはものすごい格差が存在する。共産党幹部と深いつながりを有する一部の富裕層が天文学的な富を蓄えた。そして、それに連なる人々も裕福になった。その子弟は海外に留学するとともに、ショッピングバックを抱えて銀座を闊歩している。」と述べています。また「「新時代の中国の特色ある社会主義」とは、ものすごい格差を固定し、それを維持する体制を言う。それによって強い中国を作るということだ。 それは「社会主義」と言うよりも「絶対王政」と言い換えた方がよい。ビスマルクが唱えてもおかしくない「軍国主義」であり、「中華民族の偉大な復興」とは、格差に苦しむ庶民に対して国威を誇示して不満をそらすことを言う。まさに19世紀である。」とも。左翼の好きな一党独裁になればこういう結果になるのは自明です。三権分立していないので、為政者の思うが儘。況してや今は火力の差が大きく、大衆の反乱は簡単に鎮圧できてしまいます。ソ連時代もそうでした。ノーメンクラツラーが存在していたのも同じです。共産主義はその構造上、人類に対し悪を含んでいると言えます。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/51618

北村氏記事にあります、上海の幼児虐待事件は大紀元(法輪功の機関紙)でも11/16報道されていました。

https://edit.djy.co.jp/2017/11/29614.html

まあ、他人がどうなろうと知ったことはないという中国人ですから(毒月餅、毒餃子、毒野菜、大気汚染、河川汚染を考えれば分かります)。それと一人っ子政策で我儘に育ち、自己中の中国人の性格が益々悪くなったと見るべきでしょう。日本の保育士だって近頃は当てになりませんが。子供を預ける場合は、キチンと人物を見て預けるしかありません。

記事

上海市“福泉路99号”にある“携程網絡技術大楼(携程ネット技術ビル)”を本部とする“携程計算機技術(上海)有限公司(Ctrip.com International Ltd.)”(以下「携程公司」)は、傘下に旅行サイト“携程旅行網(Ctrip.com)”を持つ中国最大のオンライン旅行企業である。1994年に創業した同社は、1999年にCtrip.comを開設し、中国の飛躍的な経済発展を背景として順調に業績を伸ばし、2003年12月には米国にある新興企業向け株式市場NASDAQに上場を果たした(銘柄コード:CTRP)。同社は現在1万5000人以上の従業員を擁し、中国国内の北京市、広州市などの大都市および香港に16カ所の支店を持ち、中国のオンライン旅行市場で50%以上のシェアを誇っている。なお、2015年における同社の売上高は195億元(約3315億円)、純利益は26億元(約442億元)であった。

400万元を投じた「携程親子園」

その携程公司が上海本部に勤務する従業員に対する福利厚生の一環として、本部ビルの1階に幼児を預かる託児所“携程親子園(Ctrip Nursery)”(以下「親子園」)を開設した。幼児を持つ従業員たちは募集に応じて承認されれば、自身が勤務するビルの1階にある親子園に子供を預けて、安心して業務に専念できる。携程公司は親子園の管理運営を上海市にある著名雑誌『現代家庭』を出版する「現代家庭雑誌社」の読者サービス部門である“為了孩子学苑(子供のための学園)”に委託した。

2016年2月18日、親子園は正式に開業した。当日は上海市“長寧区”の“婦女連合会”、現代家庭雑誌社および携程公司などの関係者が出席してテープカットが行われた。当時のメディアは、親子園は上海市長寧区の婦人連合会が旗振りを行い、携程と現代家庭雑誌社が共同して実現したと大きく報じた。携程親子園は次のように紹介された。

(1)親子園は携程公司本部ビル1階にあり、敷地面積は800m2、総投資額は400万元(約6800万円)。内部の施設は50m2以上の教室が5室、10m2以上の幼児用トイレが2か所あるほか、保健室、清掃室、栄養室、応接ホール、従業員事務所など。親子園には5つのクラスがあり、幼児の収容可能数は125人。

(2)親子園の特徴は携程公司の従業員が「子供を連れて出勤できる」ことである。親子園が受け入れるのは、幼稚園に上がる前の幼児(18カ月~40カ月前後)であり、毎週月曜日から金曜日の早朝8:30から夜18:30まで開放され、冬休み・夏休みも休業しない。毎日昼食、夕食、2回のおやつがあり、専門の保育士による学習と遊びがある。幼児1人当たりの管理費は毎月1600元(約2万7200円)、これに1日当たり28元(約480円)の食費を加えて、1カ月の託児費は合計で2216元(約3万8000円)になる。

1カ月の託児費が2216元というのは外部の託児所に比べて安く、さすがは携程公司が従業員のために開設した従業員専用の託児所だと言えるが、この良い事尽くめの親子園で保育士による幼児虐待事件が発生したのだ。事件は11月初旬にあるネットユーザー(実際は幼児の父親で携程公司の社員)が、親子園で保育士が幼児に暴行したり、無理やり異物を食べさせる動画をネット上に投稿したことで注目を集めた。それを各種メディアが大々的に報じたことで何も分からない幼児に対する不埒な虐待であるとして話題になり、中国社会に大きな反響を巻き起こしたのだった。

突き飛ばし、口に何かを押し込む映像

投稿された動画は2017年11月1日の朝と11月3日の昼の映像で構成されていたが、その内容は以下の通り。

【1】11月1日午前8時51分:  白いライトダウンを着た保育士(A)がピンク色のコートを着た2歳前後の女児を抱いて画面に現れる。Aは薄黄色のセーターを着た保育士(B)に歩み寄ると、抱いていた女児をBに手渡した。女児を受け取ったBは横のソファーに座り、女児を自分の前に立たせると、女児が手に持っていた小さなバッグをむしり取ってソファーの上に放った。それからBは女児からピンク色のコートを脱がせようとしたが、女児がリュックサックを背負っていることを知ると、リュックサックをむしり取って床へ投げ捨てた。その手荒い扱いに呆然とする女児を尻目に、Bは女児の頭の両脇に結んだ右側の毛髪を強く引っ張って女児の身体を前に押すと、反転した女児は1m以上飛ばされ、そこにあった机の角に頭を打って倒れた。これを見たBは、慌てて女児を抱き起してソファーへ運んだ。

【2】11月3日午後12時7分:  椅子に座っている2歳前後の幼児たちの前に立つ薄黄色のセーターを着た保育士(B)が、赤い服を着た男児(D)の赤いジャンパーを脱がすところから映像が始まる。ジャンパーを脱がされたDは大声で泣き叫ぶ。それを見て白い服を着た男児(E)が泣き始める。すると、Bは手にしたピンク色のチューブから正体不明な物質をEの口に押し込み、続いてDの口にも同じ物質を押し込んだ。これに釣られてBの後ろにいた黒い服を着た男児(F)が泣き始めると、BはFの口にも2度にわたってチューブからその物質を押し込んだ。Dが依然として泣き叫んでいると、Bはうるさいとばかりに、Dを壁際にある机の前につれて行って放置した。振り返ったBはFが泣き続けているのを見ると、Fに近寄りまたしてもその口へ2度もその物質を押し込んだ。

上記の動画がネットに投稿されたことで人々は事態の深刻さを認識し、メディアは次々と事件を報じたのだが、当該動画が投稿されるまでの経緯は以下の通り。

監視カメラの映像を父親が入手

(1)ある父親が親子園への入園申請を経て許可され、11月1日から2歳に満たない娘を親子園に預けた。11月3日夜、父親は娘の左耳の上部に赤くうっ血したような傷があることを発見した。そこで翌4日に親子園へ連絡して娘に何があったのかと問い合わせたが、親子園側は即座に傷ができるような事態は発生していないと否定した。その答に納得できなかった父親は、11月6日の昼に携程公司の同僚を通じて11月3日当日の親子園の監視カメラの動画を入手し、動画の映像を確認したところ、保育士が娘の左耳上部をつかみ、強い力でひねっていた事実を発見した。

(2)父親はこの旨を携程公司の人事部門へ連絡して親子園の園長との面談を要求したが、人事部門は何度もお茶を濁そうとし、当該映像を調べたがいかなる異常事態の発生も確認できなかったと回答する始末だった。納得が行かない父親は祖父母に連絡を入れ、6日午後3時に祖父母と母親の3人で親子園へ出向き、当事者である保育士と会わせるよう要求した。これに対して親子園側はのらりくらりと保育士との会見を拒否し、遂には携程公司の人事部門が介入して交渉した結果、保育士との面談が実現した。遅れて到着した父親は親子園側に対し、娘が入園してからの3日間の監視カメラの動画を全て見せるよう要求して了解を取り付けた。

(3)親子園側から入手した3日分の動画コピーを持ち帰った両親と祖父母は、自宅で全ての映像を確認したが、そこには連日のように幼児たちを威嚇し、暴力を振るう保育士たちの姿が映っていた。そこで父親は動画から抜き出した代表的な映像をネットに投稿し、親子園の保育士による常軌を逸した幼児虐待を世間に訴えたのだった。

なお、携程公司によれば、親子園には95人の幼児が在籍していたが、この動画の事件が発生したのは2歳未満の幼児を預かる“彩虹班(虹組)”であったという。画面で見る限りでは、虹組に在籍する幼児は20人程であった。その中の1人の母親が娘にピンク色のチューブから正体不明な物質を食べさせられたことがあるかと質問したら、娘は「ある」と答え、どんな味がしたかと聞くと、娘は「辛かった」と答えたという。母親はそこにピンク色のチューブを重ね合わせて、正体不明の物質がチューブ入りの“芥末(からし)”であることに思い至った。それにしても、2歳未満の幼児の口にチューブから「からし」を押し込むとは常識では考えられない妄挙(思慮のない行動)である。それが幼児の心に「辛い物」に対する拒否反応を植え付ける可能性は否定できない。

さて、事件が明るみに出た11月7日、虹組の父母たちは親子園へ押しかけ、幼児を虐待した保育士たちをつるし上げた。ある母親は子供が1日に6回もチューブから「からし」を口に押し込まれた結果、その日の夜に子供は1時間に6回も下痢をしたと訴えたし、別の母親は子供たちが顔面にトイレ用の消毒液を噴射されたと憤った。また、保育士が幼児たちに睡眠薬を飲ませて眠らせていたこと、下痢の幼児のオムツを故意に取り換えなかったこと、食事を食べさせなかったことなどの事実も明るみに出た。

激しい抗議を繰り返す父母たちの矢面に立った虹組の“班主任老師(組主任)”は、父母たちに土下座し、「私が間違っていました」と述べて涙ながらに謝罪したが、父母たちの怒りは収まらず、お返しとばかりに、彼女の口にピンク色のチューブから強引に「からし」を押し込んだ。

主犯は無免許の清掃員

その後に判明したところでは、虐待を主導していた薄黄色のセーターを着ていた保育士(B)は、実際には保育士ではなく、単なる清掃員で、病気でないことを公的に証明する“健康証”は持っているものの、“幼児教師資格証(幼児教員免許)”は持っていなかった。携程公司は当該清掃員は募集に応募してきた者の中から面接で篩(ふるい)にかけて採用したのだというが、驚くことに、親子園の園長は清掃員に対して本来の業務以外に保育士の補助として幼児管理業務に介入することを認めていたのであった。さらに、携程公司は親子園の職員募集に際して、「幼児教員免許所持者優先」の一文はあったものの、幼児教員免許所持を必須条件とはしていなかったことも明らかになった。

虹組の父母たちは子供に病院で健康診断を受けさせたが、子供たちには体の外傷のほか、一部に咳(せき)、下痢などの症状が見られただけでなく、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の後遺症が確認された者もいたという。

11月7日、携程公司はこの事件を“上海市公安局長寧分局”へ通報したことで、警察が介入するところとなった。翌8日、携程公司は動画の映像が事実であることを公式に認め、事件の当事者である薄黄色のセーターを着た清掃員、保育士、組主任の3人、さらに職務怠慢の園長を加えた4人を解雇した。11月8日、上海市公安局長寧分局は事件に関与した親子園の園長および清掃員、保育士、組主任の計4人を拘束して取調べ、園長を除く3人の従業員は幼児虐待の容疑で刑事拘留された。一方、“長寧区人民検察院”は、未成年者の合法的権利の擁護を標榜して、早々に未成年者刑事検察部門の係官を親子園へ派遣し、事件に関する調査ならびに証拠固めを行わせしめた。

逮捕、閉鎖、診療費用全額負担

こうして事件は、主犯の清掃員、その清掃員の行為を黙認して放置していた保育士ならびに組主任が幼児虐待の容疑で逮捕され、監督責任者たる園長が解雇されたことで決着した。携程公司は11月9日から親子園を組織立て直しのために閉鎖し、このために幼児を預けられなくなる社員には有給で2週間の休暇を与えると言明した。また、携程公司は関連する幼児の検診・診療費用および心理カウンセリング費用を全額負担する旨を表明した。

中国では子供を“宝宝”という愛称で呼ぶほどで、子供は宝物のような存在と考えられている。この傾向は1980年頃に始まり、2016年1月1日に終止符を打った“独生子女政策(一人子政策)”によって、1980年以前よりもさらに強まった。その大事な子供が信頼して預けたはずの託児所で保育士によって虐待されたとなれば、当の子供の父母ばかりか一般大衆までが怒りを表明し、世論が沸騰するのは当然の帰結である。

ところが、中国では3歳以上の子供が通う幼稚園については中国政府“教育部”の管轄であることが定められているが、3歳未満の子供を預かる託児所については所管官庁が明確でなく、グレイゾーンとなっている。このため、託児所は極めて少ないのが実情である。夫婦共稼ぎが当たり前の中国では、祖父母と同居あるいは近隣に祖父母が居住していれば幼児の世話を頼めるが、都市部では祖父母に頼れない夫婦も多く、彼らにとっては勤務中の不在時に幼児をどこに預けるかは非常に深刻な問題なのである。

“上海市総工会(上海市の労働組合組織)”が2016年に行った調査によれば、上海市の託児サービスは極端に不足しており、上海市が独自に設置した託児所は35カ所に過ぎす、2011年に比べて21カ所減少していた。そこに預けられている幼児は5222人で、2010年に比べて3000人以上減少していた。上海市の0~3歳の乳幼児総数80万前後の中で、託児所に預けられている乳幼児の比率はわずか0.65%に過ぎないという。

こうした深刻な状況下で携程公司が自社の従業員の福利厚生の一環として親子園を開設したことは、画期的なことであり、企業内託児所の先駆けとして有意義なことであった。しかし、管理の不徹底という思いも掛けない伏兵が大きな汚点を残す結果につながったのだった。

日本では2016年2月に保育園の待機児童問題に強い不満を訴えた「保育園落ちた日本死ね」と題する匿名のブログが話題となり、この言葉は2016年のユーキャン新語・流行語大賞トップ10に選ばれた。こんな言葉を大賞に選ぶとは、選定した審査員の作為的意図を感じるが、こうした偏向が許される日本は良い国だと言える。これを中国に当てはめれば、「託児所ない中国死ね」ということになるが、中国でこのような題名のブログを公表すれば、間違いなく国家反逆罪で逮捕されるだろう。

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『「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授・川島博之氏を迎えて(1)』、『「習近平が恐れるのは中産階級の離反」(2)』、『今の中国って「ジュリアナ消滅直前」の感じかな (3)』(11/15・16日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

11/21朝のNHKニュースで「トランプが北朝鮮をテロ支援国家に再指定」と報道していました。中国の宋特使と北朝鮮との話し合いはうまく行かなかったというか、ハナから調停役を演じるつもりはなく、最後通牒を言い渡すつもりで行ったと思います。それをトランプは待って再指定したと思いますので、米中合作で金正恩体制打倒に動くのでは。少なくとも米国が北を攻撃しても、中国は中立を保つことになるでしょう。北部戦区(旧瀋陽軍区)の動きが気になりますが。日本も準備しておくことは沢山あります。左翼が国民の命を守る邪魔をしています。国民は良く彼らの言説を見ておいた方が良いでしょう。特に既存メデイア。

川島・山田氏記事は長いので、余りコメントしません。賄賂、戸籍、档案等の問題に触れるともっと深みが出たのではと思いますが、大学に在職中では難しいのかも。日本の大学に中国人の留学生が沢山入るのは好ましくないでしょう。日本人の税金で敵を育成しているようなものです。また大学や語学学校等は中国人を入れてでしか経営できないのなら、学校の総数を減らすべきです。

記事

10月に開催された第19回中国共産党全国代表大会を経て、2期目をスタートさせた習近平(シー・ジンピン)国家主席。トランプ大統領の訪中においてはその外交術によって大きな不利なく交渉を終わらせ、またその後のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議では、多国間の自由貿易を支持すると述べ大きな賛同を得た。習主席の手腕により、盤石な体制が築かれつつあると感じている向きも多いのではないだろうか。

その一方で、経済成長も緩やかになる中、中国は問題も抱えている。その中でも最も大きいと考えられるのが、この連載でも幾度となく取り上げてきた国民の中で大きくなる“格差”であろう。先日の「独身の日」にはアリババ集団だけの取引額が1600億元(2兆7000億円)を突破するなど、消費が盛り上がっているのも事実。ただ一方で、そのような繁栄には取り残され貧困にあえぐ人たちが大勢いる。主に消費を盛り上げているのは、都市に戸籍を持つ都会人。農村に戸籍を持つ農民は中国の発展を支えた功労者でありながら、豊かにはなれない。

都市戸籍を持つ4億人を農村戸籍を持つ9億人が支えるいびつな国家である中国。その実態を紹介した書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』(川島博之著、2017年、講談社)は近著『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』と通ずるところが多くある。今回から3回にわたって、川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授をお招きして中国の近未来について語ってもらった様子を紹介する。

川島博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。

山田:本日はよろしくお願いいたします。

先生ちょっとご覧になっていただきたいものがあるんです。これは先生が執筆された書籍『農民国家・中国の限界』(2010年、東洋経済新報社)です。その当時買って、このように付せんをいっぱい付けて読んでいたんです。まさか先生と対談するようなことになると思っていませんでした。非常に光栄です。

川島:そうですか。ありがとうございます。

山田:私、仕事柄、中国関連の書籍をいろいろ読むのですが、この10年間で読んだ書籍の中で、こちらの本には大変感銘を受けました。

中国にいると、中国にいなくてもそうかもしれないですが、疑問に感じることがあります。多くの中国人はそんなに収入がない。例えば給料の明細上は3000元(約5万1000円)しか収入がない。そういう人たちがどうして銀座とかで買い物がばんばんできるんだと。説明のつかないことがたくさんあります。

川島:そうですね。

山田:ただし、それについて中国専門家の人が書いたものでちゃんと答を書いてくれているものが本当にないですね。

川島:ないですね。

  

戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』、川島博之著(講談社) 3億人の中国農民工 食いつめものブルース』、山田泰司著(日経BP)

山田:一番不思議なのはお金の出所なんですよ。なおかつ私は個人的に地方から出稼ぎに来ている農民工の人たちに興味を持っていろいろ話をしている中で、そういう疑問みたいなものがだんだん膨らんできた。そうした中で先生の本を読んだら、土地の開発公社、それとその周辺の人間が土地を転がして大変な富を生み出していると書いてありました。そういったことを統計を読み解いていろいろ教えていただき、本当に目からうろこでした。先生は農業のご専門ですよね。

川島:そうです。

山田:誤解を恐れずに言うと、中国がご専門ではないですよね。

川島:違いますね。アジアの農業と開発が専門です。

山田:だから、かえってそういう大きい視点でご覧になっているから、中国をお分かりになるんじゃないのかなと思ったのです。とにかく日本人は、特にバブルが崩壊してからこの20年、中国のことを冷静に見られなくなっているように思います。1つはやっかみから見られなくなっているという気もします。

川島:私もそう思います。

山田泰司

山田:そうですよね。そのころから例えば反中、嫌中の本がものすごく売れるようになった。だから本当に中国を冷静に見て書かれた、しかも平易に書いている本というのがなかなかなくて。そういう中でこの本に出合って非常に印象に残っていました。

川島:私も中国の農村を度々訪ねていて、実際に見ているんですよ。山田さんも見ているんですよ。ただ、中国関連の書籍を書いている人って、ホテルに泊まって向こうの学者と話しているだけの人が多いんだよね。

日本の学者の中でそれなりの地位を築くと、日本の科学研究費などで中国と共同研究をやろうと。今は中国もお金を持っているので。中国と10年、20年一緒に仲良くやっていくと、ちょっと悪い言い方だけど向こうのペースに乗せられちゃう。向こうのことをおもんぱかると、実態とか書けないんですよね。

山田:そうですね。

川島:それは私は、不幸だと思うし。私は中国や文科省からはお金はもらっていないし、一番ある意味で冷静なことを書ける。中国に遠慮することないし。そんなことで、最近では『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を出版しました。

習主席と安倍首相は1歳違い

山田:世代的にいうと、先生は安倍晋三首相と同じ世代ですよね。

川島:同じです。安倍首相は私の1つ下。

山田:そうですよね。安倍首相と習近平国家主席も1歳違いですよね。

川島:だから、私は習主席と同じ歳です。習主席が文化大革命(1966~1976年)の時期に反動学生として下放されていた時代、私も高校から大学の時期に当たるんです。だから、習主席にはものすごく親近感があるというわけではないけど、長い目で習主席がどうなるかを見てみたいと思います。悲観的に見ているんですけど。

山田:私は、安倍首相と習主席が1歳違いでほぼ同世代ということに非常に関心があります。ほぼ同時期に、同じ時代にあの2人が中国と日本で台頭してきたということに、共通する背景がないのかなと。ただ、それを政治家に直接取材するわけにいかないので、同じ年代の市井の人たちをインタビューすることで何か浮かび上がってくるのではないかと考えていて、次の仕事にしようとも思っているんです。

川島:今の64歳ね。

山田:先生は同じ世代としてどのようにお考えですか。

川島:中国の64歳にインタビューしてもほとんど何も出てこないと思う。要するにみんな教育を受けてないから。習主席みたいに、父親が副総理をやっていたとかいう人じゃない限り、教育を受けるチャンスがなかったから。だから私と同年代の大学の先生っていないんですよ。

山田:なるほど、すぽっといないんですね。

川島:今、だいたい大学のトップになってくるのが50歳くらいで、40歳くらいにもいますよね。だから変な話、みんな若くして大学教授になっている。

山田:一方で、その世代で大学に行っている人はとびっきり優秀な人がいますよね。

川島:そこがよく分からなくて。文化大革命が起きているから、みんな下放されているんですよ。胡錦濤前国家主席の世代であれば、とびきり優秀なら大学に行けたんですよ。ところが習主席の世代って、とびきり優秀でも田舎に飛ばされたんですよね。とびきり優秀でもとから北京大学に入っていたりすると、殴り殺されている可能性がある。造反とかで。

仏頂面で権力闘争を勝ち抜いた習主席

山田:私には川島先生と同じ歳の知り合いがいるのですが、文化大革命当時、新聞社の北京の社宅に住んでいると今日は隣の棟から人が飛び降りた、昨日はこっちから飛び降りた、もうそんなのが日常だったと言っていました。

川島:習主席は、その世代の中ではかなり感情のコントロールがうまい人ですよね。だから化けちゃったんだよね。本当、顔に出しただけでも当時はやばいから。彼らに気に入られるような顔をつくる。習主席って表情が動かないよね。

山田:そうですね。ちょっと前の話になりますが、2014年に3年振りの日中首脳会談があり、その際に安倍首相と握手する際の習主席の仏頂面が話題になりました。日本人はああいうのを見るとびっくりしちゃうと思うんですけど、僕なんかはあまり感じませんでした。

というのも、かなり前の話になるのですが、春節(旧正月)近くにある地方都市のホテルに泊まったんです。そのときに、もう何のいわれもないのに公安が20人ぐらい突然部屋に突っ込んできたんです。賭博、売春など違法行為を取り締まるためです。もう本当にみんなヘビみたいな目をしていました。

ああ、もうこれはだめだ、何も悪いことしていないのに罰金取られるんだろうなと思ってふっと振り向いたら、ちょっと目に表情がある人がいたんです。彼らの上司で女の人だった。この人なら話が通じるかもしれないと思って説明したら、ああ、そうなのか、分かった。じゃあ、次の部屋へ行くぞと言って出ていったんですよ。本当にね、その場に崩れ落ちました。

そういう経験から、僕の個人的な皮膚感覚なんですけど、習主席は話が分からない人じゃないと思うんです。ただ、本当に中国を知らない人があの顔を見ると、何だ、無礼な、みたいな感じになってしまう。

川島:あれは彼の普通の顔ですよね。やっぱり表情を動かさないです。

それから感情を相手に読み取られないような行動をしていますね。明らかにそう思いますね。私はある人から聞いたんだけど、アメリカでは習主席は非常に評判が悪いんですよ。アヘン戦争のときとかに西洋で書かれたアジア人の顔というのは、目が細くて表情がなくて何を考えているかよく分からない。習主席はその代表みたいだと。

ただ、習主席はそれで権力闘争に勝ってきたんだよね。

山田:この15年、20年の期間で日本人が中国を見る中で、あの習主席の表情とか、あるいは南シナ海の問題への対応とか、一帯一路の進め方とか、何か乱暴だと思ってしまうかもしれませんが、あれって多分に国内に向けてのものですよね。国内に向けてこわもてでいないと、内政が保てない。

川島:怖いのは内部であって、米国が怖いとか日本が怖いとかはない。

もし習主席が、鄧小平的な教養を持っていたら今のこの路線は取らなかったですね。一帯一路とかアメリカの感情を逆なでするようなことをやったり、誰も言ってないのに自分からG2とか言いだしたり。G2とかは人から言われるものだよ。そうじゃないのに、東西の横綱だと言いだして、それで握手しようとか言いだせば、向こうは感情的になるのは当然だし。

でも習主席もばかじゃないから分かるんだよ。ひょっとしたら俺は愚かなことをやっているのかなと、寝る前に思っちゃったりするんじゃない(笑)。人間だから。もしここに鄧小平が生きていたら何と言うだろう、毛沢東が生きていたら何と言うだろうと思ったら、やっぱり鄧小平からはボロクソに言われるはず。

お前は中華帝国の滅亡を招くおろかな3代目になるぞと。毛沢東は創立したんだから、いろいろなことがあったのは仕方がない。それを大きく路線を変更して、基本的に鄧小平は何だかんだ言いながら欧米と仲良くしていこうというスタイルを取って、米国のサポートなんかも受けて高度成長するわけですよね。改革開放が1978年ですから40年たって、習主席は愚かなことをしようとしている。

結局のところ中華人民共和国ができてから、70年近く経つけど文化は何も生み出していないんですよ。日本は70年経ったとき、徳川からの70年ってちょうど太平洋戦争に入っていくときになりますけど、それなりのものを生み出した。中国はあれだけの人がいて70年間何もやってないんですよね。ただひたすらもうけることを考えただけ。

山田:確かにそうなんですよね。

川島:農民という9億人を土台にして、その上にいる4億人が豊かになる方法だけを考えた。

山田:なるほど。

どこも報道しない「農民9億人」

川島:結局この前の中国共産党大会で、習主席は何も実のあることを言ってないんですよ。「新時代の特色ある中国の社会主義」って具体的に何なのかというのも言ってないし、「偉大なる中華文明の復興」とも言っているんだけど、これもよく分からなくてね。

山田:ただ、江沢民時代の「3つの代表」もそうだし、胡錦濤時代の「科学的発展観」もそうですけれども、まず中国ってスローガンだけ考えるじゃないですか。考えた後にむだなことをすると言ったら語弊があるけど、日がなその理論を後付けできるブレーンみたいなのがたくさんいる。そういうところが中国の底力の1つだと思うんです。

川島:まあ、そうかもしれない。

山田:やっぱり13億の人を引っ張っていくには、目指すべき北極星みたいなのが必ずいります。中国がスローガン好きなのはそういうところもあると思うんです。分かりやすいスローガンを出して。

発展のモデルでもそうですけれど、北京オリンピック終わっちゃった、万博終わっちゃった、もう次にないとなったら今度は、有人飛行船を打ち上げてみたりとか。ちょっと時間稼ぎは言い過ぎかもしれませんが、これも引っ張っていくためのスローガンの1つかと。

川島:まあ、そうですね。スローガンにもたいした意味はない。言ってみただけという感じはする。

ただ、マスコミに触れてほしいのは、農民が、農村にいる農民と都市に住んでいる農民戸籍で9億人いるわけですよ。一方で都市戸籍が4億人。この構造について日本においては、具体的に大マスコミが触れることがない。

山田:分かっていないんじゃないでしょうか。

川島:農民の人には会ってないからね。向こうでエリートにしか会ってないから。

山田:私は近著『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』で農民工を描きました。ボツになっちゃったんですけど、自分で考えた題名は、『いるのに見えない人々』だったんです。

川島:そういうことですよ。私も彼らのことをこう表現しました。影のような人々だと。

(以下、明日公開の2回目に続く)

絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談の2回目。先が見えずに不満がたまって爆発寸前の農民工。習近平(シー・ジンピン)体制は、それを抑えるために独裁政治を続けようとするが、実は一番怖いのが中産階級の離反だと指摘する。

川島博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。

山田:本当に誤解を恐れずに言うと、上海に住んでいる上海人よりも僕の方が農民工を分かっているというか、見えているという自負はあります。というのは、まず関心がないんですよね。自分たちの生活は日々彼らに支えられているんだけれども、彼らがどんな暮らしをしていて、どれだけ最近困っている、といった実態が本当に見えてない。

先生も書籍でお書きになっていましたが、中国はそもそも囲う文化。囲う文化の内側にいるのは文明人だけど、外にいるのは野蛮人、2流国民と考えている。

それは分かるんだけど、それでも今までは、そうですね、2013年ぐらいまでは、農民工って淡々と働いていた。愚痴も言わず、とにかく最近だったら子供を大学から卒業させるため、廃墟に住みながらでも都会で淡々と働いていた。それがPM2.5がひどくなってきたぐらいから、ちょっと私の周りの農民工も愚痴っぽくなってきたんです。それがあって、さすがの彼らもちょっときているなと。

川島:2020年ぐらいに爆発する?

山田:そして、都市では不動産バブルがとんでもないことになった。彼らが住んでいたような郊外ですら家賃が2倍、3倍になって住むところがなくなってきた。私の周りの農民工は、一旦、国に帰る人が出てきたんです。みんな国に帰ったから、その子どもたちが通う幼稚園がつぶれそうになっちゃっうくらいの勢いで国に帰ったんです。だけど1年もしないうちに戻ってきた。

というのは、国に仕事がないわけじゃないけど、でも月に1500~2000元(2万5500~3万4000円)ぐらいしか稼げない。生活するだけならともかく、それでは子供を大学にやろうとか、何かをするには全然足りない。かといって彼らが上海を出ていった問題は、何一つ解決されてないどころか、むしろ悪化している。だからこの2~3年ぐらいで農民工がさまよいだしているんです。

川島:その通りだと思います。マクロに見ても、今から5~6年前は農民工の給料を上げると政府が言っていたんだよね。だから、だいたい1500元ぐらいだった給料が数年のうちに倍になったんですよね。3000元(5万1000円)ぐらい。今上海だったら3500元(5万9500円)とか、場合によっては5000元(8万5000円)ぐらいもらっていますよね。

山田:そうですね。

   

川島:ちょうど胡錦濤政権の終わりのころから、それに対して冷や水を浴びせたのがチャイナ・プラス・ワンです。彼らの給料が上がっちゃうと中国で生産しているメリットがないから、バングラデシュに行け、ベトナムに行けとなった。

中国も内心は結構焦ったんだよね、チャイナ・プラス・ワンは。結局中国が何で豊かになれたかというと、日本の高度成長期と同じで、工業製品を大量に海外に出していって、お金が入ってきて。膨大な貿易黒字を生み出した。そういう国では必ずいろいろなところで土地の値段が上がるから、土地転がしがうまくいく。

だけど今は中国をあまり楽観視できないのは、もうこれ以上輸出は増やせない。また貿易黒字に関してはトランプ米大統領がいろいろ言いだしちゃったから、基本的には私は増えないと思う。日本もや今から30年前、貿易戦争で叩かれてからは横ばい。

過去30年くらいはずっと順調に、韓国を破り、日本を破り、世界の工場になって儲けた金が入ってきて、バブルが起きた。そしてそこにぶら下がっている一部の不動産屋とか建設業者、官僚が大もうけしたというのが中国のモデルなんですよ。

これを冷静になって考えれば、製造業を支えている農民工の給料もどんどん上がっちゃう。コスト面で競争力がなくなれば大した技術力はないわけ。だからまた最近、日本も復活かとかよく記事に出ていますよね。日本も、中国より相対的には安くできるとか。そうなっちゃうのが困るんですよ。

ということは、山田さんがおっしゃるように、これ以上農民工らを甘やかすわけにはいかないと、そういうことですよね。だから賃金も、通常だと今でも地方では月に2000元と言われていますよね。

山田:そのぐらいですね。

川島:大都市で3000元。北京、上海だともう少し高いと彼らも言っているけど。でも3000元にしたって、月収5万円とかそのくらいですからね。ボーナスだって年に1カ月あるかないかでしょう。

山田:1カ月分ぐらいですね。

江沢民も胡錦濤もみんながグル

川島:そうですよね。日本みたいに出ませんよね。要するに社会が、その辺でピン留めされてしまった。それは私より習近平国家主席の方がよく分かっているはずですよ。

山田:もちろんです。

川島:マスコミは中国の権力構造について書いています。江沢民派が負けて、胡錦濤派が負けて、習派が勝ったと、面白おかしく書いています。でも、真実は違うと思う。真実は、実は江沢民も胡錦濤もグルですよ。サスペンスドラマだったら、この3人は対立しているんだけれど、最後の5分で実は3人はグルだったんだというオチ。対立しているようなふりをしていただけ。

その3人が影で言っているのは、このままじゃ全部俺たちが壊れちゃう、共産党が壊れちゃう。それは困る。どうやったら自分たちの目の黒いうちはもたせられるか。やっぱりかなり強い独裁を引かなきゃいけないよということです。

文句を言うやつは捕まえる。妙に民主化とかをすると早く壊れちゃう。独裁で文句を言うやつは徹底的に叩く。それからファイアウォールで外から情報は入ってこないようにする。そうすれば20年ぐらいはもたせられるかもしれない。だったら、権力闘争に勝ったこわもてのやつがやるのがいいだろうと。

みんなでシャンシャンで決めちゃうと中国って何を考えているのと言われるから、派閥抗争をやって、その後に習主席が勝ったというストーリーをつくる。中国の人って政治のこと大好きじゃない、話すの。だから中国の中でも、習主席が勝ったぞとか言って、何か『三国志演義』を読んでいるみたいになっちゃう。海外から見れば、習主席は頑張ったよねとなる。

でも、実は3人はグルでね。私はそのストーリーだと思う。それは中国共産党の現在の体制を、要は都市戸籍を持つ4億人が農村戸籍の9億人から搾取する「戸籍アパルトヘイト」をもう20年くらいやりたい。その後はまあ、悠久の歴史の流れに身を任せようと。

山田:では、この構図は20年変わらないということでしょうか。

川島:変えようとしないわけ。だから今回の共産党大会でも全然触れていませんよね。農民工のことは一言も言ってないもんね。

私は最終的には、中産階級の離反が怖いと思っています。農民はもう分断されちゃうし、農民工も個人個人は不満があるけど、何かちょっとやったらすぐ逮捕ですよね。だからあんまり怖くない。一方で、中産階級の支持はほしい。でも、この人たちもすごく悩んでいる。私は留学生をたくさん抱えているのですごくよく分かるんですよ。

だって東大に留学したって、中国に戻ってもいい就職先がないわけよ。

中国人で定員を埋める日本の大学

山田:東大に留学してもそうなんですか。

川島:30年前の中国の留学生ってえらく優秀でした。留学生の枠が非常に狭くて、例えば東大が10人募集するというところに万単位で応募してきちゃう。

今から20年前くらいだと、それほどもう優秀ではないんだけど、非常に皆さん頑張り屋さん。向こうの大学を出てからこっちの大学院に来て、6畳のアパートに3人で住んで。バイトに行きながら一生懸命勉強して帰った。

このときに留学してきた人の中には、今日本で大学の先生になっている人も多いよね。非常に頑張り屋さんで、結構優秀なんだけど、おそらく飛び抜けて優秀という人はもう米国に行っていたんだと思う。

それに比べると、今、留学してくるのは、普通の子だよね。

山田泰司

山田:そうなんですか。

川島:東大とか早稲田、慶応が中国人に乗っ取られると報道しているところもあるけど、あれ違うよ。大学院の定員が埋まらないから、それを中国人が埋めてくれているんですよ。今、大学院生のための図書館での説明会、第1回は日本語でやって、第2回は中国語でやるんです。

大学院の定員の約半分は中国人なんです。半分が日本人。もちろん、ほかの海外の子もいますけど。じゃあ、その子たちがすごく優秀だったら日本の大学は乗っ取られるけど、そんなに優秀じゃない。優秀な子はやっぱり米国に行きたいというし、もっと優秀だったら、まずは北京大学と清華大学、復旦大学に入るんです。

そこからこぼれちゃうと米国、例えばハーバードとかに留学させたりする。でも、米国にもいけないとなると、お手軽留学で日本に来るんです。実は日本は学費が安いんです。ドイツとかフランスも学費は安いけど、ドイツやフランスに中国人が行きたがらないのは、卒業するのが難しいから。

山田:なるほど。

川島:日本は入れば卒業させてくれる。これは東大でも最大の問題なんだけど、文科省は入学させたら卒業させろと言うし。

だから中国からは留学生がたくさん来ています。日本が一番そういう意味ではなめられています。ただ、中国の企業ももう気が付いていて、日本の大学で、しかも東大、早稲田、慶応で学位を取ってきても、たいしたことないと。米国の大学出身者よりもレベルは落ちるし、それほど使える人間でないというのが分かってきているわけですよね。

だから、日本に留学に行って、2年後、3年後に中国に戻ってもそんなにいい就職先がないんです。ちょうど日本でバブルが崩壊したときのような感じですね。

バブルといえば、そういう子どもを留学に行かせられるような家庭は不動産を持っているわけですよ。だけど今、簡単に売っちゃいけないみたいだし。

山田:そうですね。

川島:今中国がやっていることは、私の聞いている範囲では、全部統制経済にして続かせようと思っているんだけど、これは無理だもん。

山田:おっしゃるように、これまではスクラップ&ビルドを永遠にやってきたのですが、もうそろそろ本当に無理だろうというのがいろいろなところで出てきている。

川島:出てきていますよね。明らかに。例えば、高速鉄道の路線も作るところがなくなっちゃったし。

山田:そうなんですよ。

不満がたまり始めた中国の中産階級

川島:気が付いたらほとんどのところに高速鉄道の路線を作った。80兆円の負債が残っているらしいんだけど、誰が払うんだろうね。それに高速鉄道は乗っても空いていますよね。不採算路線みたいなのがいっぱいできちゃっている。そういうことも伏せられているんですね。どういう収益になっているかとか。

話を戻すと中産階級が持っている不動産が売れない、例えば自分が病気になってお金が必要だから売ろうと思っても売れない。そうしたら一銭にもならないわけです。また、息子、娘に関してはお金をかけて日本に留学させて修士を取らせても、有力な企業にはいけない。おそらく、3年ぐらい日本にいたら、1000万円ぐらいかかるでしょう。でも、勤める企業は、月収1万元くらいと言っていますね、よくて。17万円の月収ですよ。

自分はマンションが売れなくて、子供の就職先にも満足していない。習主席のことをみんなで崇めていても、これはちょっとおかしいよね、と思ってくる。今まではイケイケどんどんで豊かになれた。特に今の50代だと文化大革命を覚えていて、芋とかを食べていたから、ちょっと前までは、綺麗な家に住めるだけで満足だった。でも、その中産階級にも不満がたまっている。

山田:子供を東大に留学させられる人の年収は、どれぐらいなんでしょうか。

川島:だいたい2000~3000万円ぐらいじゃないのかな。

山田:私は上海にいて、確かに不動産の転売禁止だとかいろいろあるんですが、彼らの羽振りを見ていると、2000~3000万円という数字より、もっといいような気がするんです。この財源ですが、1つには自分の土地が再開発地域だったらものすごい額が手に入りますよね。一夜にして本当に億万長者になった人はごまんと周りにいる。それを見ていた人たちは次は自分の番だと思っていたものの、今はひょっとしたら回ってこないと思い始めている。

川島:そういうことだよね。だから親は豊かになったけど、子供たちにはもう回らない。ただ親がいっぱい持っているからいいやと思っている部分もあるよね。明らかに成長は止まりましたよね。

山田:そうですね。だからさっき言ったようにもうスクラップ&ビルドで自転車操業は限界だけど、じゃあ、その限界がいつ来るかというと、なかなかそこの予想というのが分からない。

最近『ニューズウィーク』で、「中国予測はなぜ間違うのか」という特集を掲載していました。1990年代の初めごろ、具体的には鄧小平の「Xデー」が取りざたされはじめたころから、中国はいつ崩壊するかというのをずーっとやっていますけど、いまだに崩壊してない。周りを見ていると、都市部の人たちだけでいえば、特に上海なんかはまだちょっとお尻に火がつくというところまでは来てないですよね。

川島:私もそう思います。

(以下、明日公開の3回目に続く)

絶望的な状況に置かれた中国の農民の姿を描いた書籍『戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊』を執筆した川島博之・東京大学大学院農学生命科学研究科准教授との対談も今回で最終回。都市戸籍を持つ4億人が農民戸籍を持つ9億人から搾取するといういびつな構造を持つ中国。今後、農民たちは希望を持って生活することができるのか。

(前々回の記事「鄧小平は今の習体制をボロクソに言うかも」から読む)

(前回の記事「習近平が恐れるのは中産階級の離反」から読む)

川島 博之 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授 1953年、東京都に生まれる。東京大学工学博士。専門は、環境経済学、開発経済学。2011年には、行政刷新会議ワーキンググループ(提言型政策仕分け)の評価者を務める。1977年、東京水産大学卒業。1983年、東京大学大学院工学系研究科博士課程単位取得のうえ退学。東京大学生産技術研究所助手、農林水産省農業環境技術研究所主任研究官、ロンドン大学客員研究員などを歴任。(写真=深澤明、以下同)

山田:中国がそろそろ限界なのは間違いないと思います。では、どうしていくかなんですけど。

川島:日本では、バブルの象徴ともいえる、ジュリアナ東京がなくなったのが1994年だったけど、中国はまだその前ぐらいの感じじゃないかなと思います。日本でもそのころは、バブルがはじけるとは感じていなかった。日本はお尻に火がついたのは1997年です。山一証券がつぶれた。ただ、中国だったら山一証券をつぶしませんから。公的資金で救済するような形でいくから。

だから今は1992年、1993年くらいだと思うね。ちょっとやばいかな、でも政府が何とか、やってくれるよねと。大学生も、だからまだ朝まで踊れていた。そんな感じで。中国の場合、そういう意味では国にはかなりの余剰があるので、そこを使って陰で支えていけば、日本のバブルの崩壊みたいなのは防げると。だらだらだらだらバブルの崩壊しない状態が続くと私は思っていますね。

山田:金融政策と財政出動ですね。

川島:今の習近平(シー・ジンピン)国家主席の最初のときからそうなんですよね。何もしなかったら山一証券や日本長期信用銀行がつぶれたような日本みたいに、大変なことになる。ところがそこでうまくやっちゃうから。いつの間にかホワイトナイトが現れたと言って収まっていくというのは、そこはつぶさない技術です。

だけど、これは私だけじゃなくて多くの人が言っているんだけど、もう成長しない状態で変な金融政策によりずるずる延ばしていっても、病が重くなるだけだ。やめると痛いからやめないんだけど、じゃあ、永遠にできるのといったら永遠でもない。でも明日には壊れないし、明後日も大丈夫そう。そういうことだよね、今、やっているのは。

山田:だから私の友達なんかでも、事業を始める人は結構いるんです。だけど全然もうかってないんですよね。もうかってないんだけど、出資する人はいっぱい出てくるんですよ。

川島:貸自転車がそうだよね。もうかってないんだもん。

山田:本当にそうなんです。それで全くうまくいってないのに、そろそろエンジェル投資家が出てくるころですと、みんなそんなことばっかり言っているんですよ。実態がないのにお金だけはどこからか出てきて動いているという不思議な状態が。

温和な顔になった中国の指導者

川島:1993年くらいの日本はみんなそう。何とかなるよ、最後は日銀、大蔵が何とかしてくれるよみたいな。

さっきから言っているように、共産党はこの事態によく気が付いていて、締めなきゃだめと考えた。だから民間企業の中にも共産党支部をつくって、共産党の指令によって全部を動かす。例えばここを売りたいとか、ここを閉めたいとかも勝手にはできないんだよね。じゃあ、営業を続けられませんと言っても、そうしたらこっちの銀行に声を掛けるからといって、担保もないのに銀行から金を借りられちゃう。だから奇妙なゾンビ経済が続いているんだと思う。

山田 泰司

山田:本当にそうですね。

川島:ゾンビ経済において、私は学生の顔つきとかを見ていると、もう今の若者たちは中国の経済を支えていくことはできないと思う。柔和な顔になっているし、頑張るのは嫌いだし。

山田:柔和な顔ということで思い出しましたが、最近の中国の指導者の顔は柔和になりました。昔は人間というよりは妖怪みたいな感じの方もいました。とにかく中国を回していくためには、あのぐらいのカリスマじゃないとだめ。本当に人間離れしてないとだめだなと。

それがやっぱり胡錦濤前国家主席になってくると、優秀なテクノクラート、優秀な公務員の顔になってきましたよね。平和な時代の指導者。習主席も、仏頂面だし表情は出さないけど、明らかに妖怪ではない。

川島:李克強首相もそうだよね。

山田:そうですね。

川島:普通の秀才の顔だよね。ちょっとこのごろだと、おどおどしている秀才の顔だよね。よくいるよね。次、先生に指されると困る。「習主席からは指されないように、目を合わせないように」みたいな感じになっているよね。

農民工はどこに行くのか?

山田:先生がおっしゃるように、習主席は今の経済のことが全部分かっている。とにかく都会に農民工を抱える余裕がなくなってきているんです。

川島:そういうことですね。

山田:だから一生懸命彼らを国に帰そうとしているんだけど、やっぱり戻ってきちゃうんです。それでさまよい始めているんですけど、彼らは一体、どこに行くんでしょうね。非常に私は怖いんです。

川島:だから中国当局は、押さえ付けでしかないんだよね。

山田:押さえ付けるか。

川島:胡錦濤は、彼らにあめ玉をなめさせていけば何とかなると考えていた。和諧社会と言っていたんだけど。今はどうもあめ玉がなくなったんだよね。あめ玉をやっていたらチャイナ・プラス・ワンになっちゃうので、習主席が決めたのはあめ玉はやらないこと。でも彼らは、不満を持っている。どうしたらいいか。警察国家ですよね。今明らかにそちらに進んでいる。

山田:地方の都市をハイテクの町にして、雇用をつくりましょうみたいな報道もちらほらあるんですけど、あれじゃ追い付かないんでしょうか。

川島:一番の例は深センをそうしたいと言っていますよね。深センには確かに優秀な人たちが集まってきていて、中国のシリコンバレーにしようとしている。でも、所詮1000万人ですから。中国は13億人、明らかに数が小さい。

それからそこがいくら発展しても、本質的には9億人の農民の底上げをどうするかという問題なんです。それに対しての答えにはならないですよ。ほとんどが中卒か高卒なんですよね。

山田:そうですね。「農村はみんなこんなもんだ」と言って、子供を高校に進ませずに働かせる親がいまだにとても多いです。

川島:勉強してないから農民なんです。農民の中でも、すごく優秀なら都市戸籍になれるんです。農民でもチャンスがあるんですよ。小学校で1番、中学校で1番。勝ち抜いてトップになれば、農民でも北京大学とかに入れて、そして都市戸籍を取れるんです。

だから中国人の中には、貧困は自己責任という感情があるように思います。日本からだとそう見えるんです。私は大学にいて、そういうのを見ているから。だから彼らの心の中では、小さいときに勉強しなかったやつらを、対等に扱うことはできないとなるんです。私はあのときに一生懸命勉強したけど、そのときにいつも遊んでいたんだから、農民だと。徹底した学歴社会です。

山田:中卒で働きに出て、1万元ぐらい稼いでいる内装屋さんが知り合いにいます。まだ20代前半。背中に一面の入れ墨を入れてるんです。彼は中卒で重慶から出てきて、北京にまず行ったらしいんです。そこにしばらくいたんだけど仕事を辞めて、その後、海南島に流れていった。僕は海南島で知り合ったのですが、その彼は北京を離れるときに背中に入れ墨を入れました。要は、ものすごい差別をされたらしい。

川島:ああ、そういうことね。

山田:自分の中で、とにかく生き抜いてやるというしるしですね。背中に入れ墨を入れようが何しようが、根性を出してやるしかない。彼も農民です。

川島:そういう社会ですよね。だから仕事でもとにかく頑張るしかない。

山田:ただ、上海に出てきて住んでいる人たちなんか、とにかく取り壊しが決まって廃墟みたいな格安のところに住んでいる。トイレもなければ、何もない。そういうところでみんなやっているわけです。

彼ら僕と同世代ぐらいで、自分は小学校を出たかどうか分からない。ただ、自分の子供は大学にやろうと思って一生懸命やっているんです。でも最終的には、田舎の農民はみんなこんなものだからと言ってあきらめちゃう。そういうのを見ているから、もっと頑張らなきゃだめじゃないかとは、とてもじゃないけど言えない。もう十分頑張っている。くじけるのは当たり前だと思います。

反日デモも農民のせい?

川島:都会人と接していると軍人もすごくばかにしているんです。軍人って農民ですから。彼らは軍人にはまずならないですよね。幹部学校には行く人もいると言っていたけど。

だから武装警官をすごく怖がりますね。あいつら農民だから、頭の中がどうなっているか分からないという感じで怖がる。やっぱりすごい強い差別意識を感じますよ。学生は皆さん都市戸籍で、親は向こうのエリートさんだから。

それから大規模な反日デモが起きたときがあったじゃないですか。例えば2012年だったか、日系のスーパーなどが被害を受けた。壊したのは、みんな農民工だと言うんだよね。都市戸籍の人は日本なんか襲わないよと。彼らの言い訳かなと思って聞いてたんだけど。

山田:そうですよね。何かそういうことがあると農民工のせいにする。

あれは2005年に反日デモが盛んに行われたときでした。私は上海の日本総領事公邸やアメリカ大使館のそばに住んでいたんです。軍用のトラックが20台ぐらい私の家の前の道路に集結して、荷台に武装警官をギュー詰めにして市内に散っていったというのを毎日見ていました。話に聞くとあのときは、大学の寮で人が集められる。今日はデモへ行きますからこの寮から何人、この寮から何人といった形で集合をかけられたそうです。

だから、全くの官製デモですよね。その中に農民工はいませんよ、本当に。

川島:非常に強い偏見を感じるよね。

山田:EXILEって、男性ユニット。彼らのようなEXILE系の男、真っ黒でマッチョでちょびひげな男は中国では人気ないんですよ。色白、ぽっちゃりの方が中国ではいいんです。EXILEって、中国名は「放浪兄弟」という名前があるんですけど、ネットなんかで言われているのは「民工団」。容姿が農民工に似ているから。

また、バドミントンで林丹(りんたん)という選手がいて、北京五輪、ロンドン五輪と2大会連続で金メダルを獲得した。国民的英雄だったんですが、不倫が見つかってすごく叩かれた。彼もやっぱりEXILE系なんですが、叩かれた途端に、何かこいつ農民工みたいだとバカにされる。そういうところで形を変えて農民工が出てくるんです。

中国経済は20年はこのまま、でもその先は……

川島:非常に強い差別意識だよね。

でも私は結論に近いけど、農民戸籍の9億人を豊かにすることはできないと思っています。繰り返すけど都市戸籍の4億人は9億人を踏み台にして豊かになった。それが中国の特殊な社会主義。この踏み台を外してみんなで一緒になったら自分たちも貧しくなっちゃう。そのことはすごくよく分かっているんだと思う。

差別意識もあって、9億人はもう仕方のない人という見方をしている。4億人経済が動いているし、4億人の部分はかなりの部分リッチになった。山田さんがおっしゃるようにすごくグレーなマネーが動いていて、日本に爆買いに来られるようになっちゃっている人たちがいるんだけど、そのマネーは絶対下の方には行かないんですよ。

でも、農民の人を救おうと思えば、簡単なんですよ。都市戸籍の人の多くの財産というのは都市の不動産に変わっています。中国では固定資産税と相続税がかからない。税率にもよるけど、固定資産税と相続税がかかるようにすれば、今の体系は一遍で変わるよね。そこから出てきた税金で、例えば農民の小学校を建てるなどに回せばいいんだから。全部そこに富をため込んでいるんだから。

私は、過去30年くらい研究してきて、アジアの発展の中で農地の転用がすごく大きい発展の原動力になっていることを感じています。日本の場合でいえば、農民自身が大きな金を得たケースが多くあります。農民の人が駅前ビルのオーナーになっているとか、駐車場のオーナーになっているとかあるよね。

そういうところで非常に分散していったんだけど、中国は農民ではなくて、国営公社が取っていっちゃった。アジアでいえば、ベトナムが中国とほぼ同じ構造で動いているんです。中国は農民たちが農地の所有権を持ってなかったというのが決定的にうまくいかないですよね。

山田さんには悪いけど、アイデアってないでしょう。どうやって彼らを豊かにしていいか。彼らに「どうしたら先生、いいですか」と聞かれるんだけど、今は答はないと言っている。と言っても、このシステムは止められない。

山田:25~26年前からの知り合いが、今は中国の国家税務総局にいるんです。彼が税金の問題についてはずっと言っていますね。90年代から言っていますが、何の進展もしていない。

川島:中国はほとんどの税金が日本で言うところの付加価値税なんですよね。それで税金の多くの部分を所得税じゃなくて企業から取っているんですよ。多くの部分を払っているのは国営企業なのね。

中国で大きな税金を払っているのって、水道局とか、ガスとか電気とか、そして今一番大きいのは通信機器業者。普通の庶民が電気代を払う、ガス代を払う、それから携帯を使う。そうすると自動的に税金を取られちゃっているんです、国営企業を通じて。だから中国の貧しい人たちは、税金を取られたと思ってなくても、税金は取られている。スマホを使えば税金を取られる。中国は頭いいよ。

山田:そういうことですね。

川島:そういったところは共産党が胸先三寸でやっている。だから絶対国営企業は文句を言わない。中国の財政ってすごく健全なんです。中国の政府って人民をどう飼いならしていくかみたいなのをよく知っている人たちだよね。

私は日本人だから農民に同情を寄せるけど、彼らに明日はない。だけど限界が来ているのも事実だから、中国には明日がない、中国崩壊となっていく。都市戸籍の4億人だけでやっているこんな状態はいつまでも続かない。ではどういうシステムにするのかといったら答がない。ただ、前にも述べましたが、少なくとも20年ぐらいはこの状態が続くと思います。

山田:党大会の後に、習近平独裁体制がいよいよ強まりました、みたいな報道があふれる中、中国の抱えている問題が、改めて分かりました。本日はどうもありがとうございました。

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『日中首脳会談「習近平の笑顔」の狙いは? なぜ今「関係改善の兆し」が強調されるのか』(11/15日経ビジネスオンライン 福島香織)について

11/19中国観察<“頌習”玩過火?貴州緊急封殺“偉大領袖”(圖) 看中国=習を称えすぎ?貴州では「偉大なリーダー」との形容を緊急に取り下げ>黔西南(貴州の西南部にある少数民族の自治区)で会議があった時に、「偉大なリーダー」と習を持ち上げたが、「褒め殺し」は駄目というルールがあるので、慌てて取り下げたと言うもの。少数民族の哀れさか(小生の意見)?「偉大なリーダー」と言うのは毛沢東を呼ぶ時に使う4つの内の一つだから。それでも習を「党の核心」、「人民を幸福にするための仕事師」、「改革発展のための戦略家」「軍を近代化させた国防の統帥」、「大国のリーダー」、「総設計師」(これは鄧小平と同じ)、「国の舵取り」、「英明なリーダーの名に愧じず」、「歴史が選び、人民が選び、全党が選び、正しく選ばれた」とも。小生は専制国家の個人崇拝の極致で、ゴマスリも大概にしたらとの思いです。気持ちが悪い。北朝鮮と変わることがないでしょう。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/11/19/380369.htm%E9%A0%8C%E7%BF%92%E7%8E%A9%E9%81%8E%E7%81%AB%EF%BC%9F%E8%B2%B4%E5%B7%9E%E7%B7%8A%E6%80%A5%E5%B0%81%E6%AE%BA%E5%81%89%E5%A4%A7%E9%A0%98%E8%A2%96%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/19中国観察<習近平未來三十年政治教父 差點被李源潮令計劃廢了 阿波羅網=中央組織部部長兼中央党校校長の陳希は習の30年後の政治リーダーになる 危うく李源潮や令計劃によってダメにされるところであった>習近平は自分の出身である清華大学出の陳希、胡和平、陳吉寧の3人を良く用いているとのこと。(朱鎔基も清華大学出身で習を支えているとの話です)。陳希は次の5つのタイプの人間は幹部には用いられないと言っています。

①党に忠誠を誓わず、習総書記の核心的地位を固く守らず、党中央と一緒に舞台の上で歌うような政治野心を持つ人は用いられない。

②鬼神を信じ、 “大師”を敬い、西側の三権分立や多党制を信奉し、社会主義の前途を信じられないものも用いられない。

③原則問題に関わる政治挑戦の場面で表だって何も動かず、重大政治事件や敏感な問題でも態度を明らかにせず、洞ヶ峠を決め込むのも用いられない。

④マルクス理論の基礎もしっかりせず、政治に対し鋭敏さや鑑別能力に欠け、あまつさえ政治の最低ラインに対し挑戦する誤った言論や不良の気風を聞くだけであるなら用いられない。

⑤政治規律と政治のルールを児戯に看做すのは唯我独尊、憚る所のない人間も用いられない。

まあ、お上の言ったことを忠実にこなすタイプでしょう。構想力に欠けるタイプかと。でも世界恒久革命を唱え、実践されるよりましですが。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/ccpsecrets/2017/11/19/380418.htm%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%9C%AA%E4%BE%86%E4%B8%89%E5%8D%81%E5%B9%B4%E6%94%BF%E6%B2%BB%E6%95%99%E7%88%B6-%E5%B7%AE%E9%BB%9E%E8%A2%AB%E6%9D%8E%E6%BA%90%E6%BD%AE%E4%BB%A4%E8%A8%88%E5%8A%83%E5%BB%A2.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

福島氏の見立ては正しいのではと思います。中国はご都合主義で、自分が困ると擦り寄ってくるのは朝鮮半島と同じです。まあ、彼らよりはスマートで矢面に立つことをしません。裏で何でもします。賄賂もそう、ハニーもそうです。一帯一路なんてインド太平洋戦略をぶち上げ、TPP11も立ち上げて中国を軍事的・経済的に封じ込めようとしているのですから、本気で参加しようとしているとは思えません。「公明正大な取引が担保された場合」と条件を付ければ中国が守れるはずがないと読んでいるからでしょう。WTOやIMF通貨バスケット入りの条件だって守っていません。そもそも外資を中国からは撤退させないようにし、資金の海外送金もできず、3種の財務諸表を作り、国防動員法に協力させ、共産党書記が企業経営に表立って関与するような国に、企業が出て行くかどうかです。いい加減高い授業料を払ったのだから、分からなければ。

トランプも北の問題が解決するまでは中国を大目に見ようと言う所でしょう。11/20夜のニュースでは、北朝鮮はミサイルを年内にも打ち上げるのではと言われています。そうなれば開戦止む無しです。在韓邦人は日本に帰ってきた方が良いでしょう。

https://www.excite.co.jp/News/world_g/20171120/Reuters_newsml_KBN1DK0L3.html

記事

日中両国の国旗の前で、習近平主席が笑顔を見せる。その狙いは?(写真:新華社/アフロ)

ベトナム・ダナンで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議の場で行われた日中首脳会談は珍しく、習近平(シー・ジンピン)の愛想がよかった。これをもって日中関係の改善の兆し、と報じているところもある。本当にそうなるのだろうか。そうなるとしたら、何が要因なのか、ということを考えてみたい。

「国旗入り写真」の意味は

11月11日夕、APEC首脳会議が開かれたダナンで、安倍晋三と習近平が会談した。いつになく習近平は上機嫌で、安倍に笑顔を向けて握手。またプレス向け写真も、背景に日中の国旗を入れたものだった。それまでは中国はわざと国旗を入れない写真を撮り、習近平がいかにも仏頂面で、偉そうな態度を見せているような写真を選んでいた。

これをもって、 中国メディアも日本メディアも、いよいよ日中改善の兆し、「日中関係の新しい始まり」と報じている。果たしてこれは、尖閣諸島漁船衝突事件以来続いている日中関係氷河期の雪解けと受けとっていいのか。

報道を総合すると、会談では両首脳は北朝鮮問題で協力を強化することで一致、早期に日中韓首脳会議を開催できるよう尽力するとした。また日中の懸案となっている海空連絡メカニズム(艦船や航空機による偶発的な衝突が起きるのを防ぐため、防衛当局間で緊急に連絡を取りあえるようにする仕組み)の早期確立についても共通認識を得た。日中が第三国の市場においてのビジネス協力を行っていくことも日本側から提案された。

新華社通信によれば、習近平は「中日は隣国同士であり、アジアと世界の主要な経済体だ。中日関係の安定的発展は双方の利益に合致しており、地域と世界に重要な影響を与える。双方、両国人民の根本利益から出発して、有利な条件を積み重ねて、中日関係を引き続き改善していきましょう」と語ったとか。

さらに「中日関係の改善は相互信頼が鍵となる」として日本に対し「実際の行動と具体的成果で中日のパートナーシップを体現し、ともに脅威をつくらないという戦略的共通認識を持ってほしい」と呼びかけた。また、習近平は台湾問題および歴史問題にについて「中日の四つの政治文書に基づいて、双方がすでに合意している共通認識を持ち続けて、両国に存在する意見の対立については建設的で妥当な方法でコントロールしていこう」と語った。

確かに、以前の木で鼻をくくったような習近平の態度はずいぶん変わってきているようだ。ただ、安倍からは日中平和友好条約40周年に合わせて、来年の相互訪問を提案したが、習近平は明確な回答は避けている。

こうした状況について、中国の識者たちはおおむね、安倍の態度の方が軟化した、という見方で表現している。

中国識者の見立ては…

北京大学の国際関係学院教授の梁雲祥は「先月、安倍率いる自民党が総選挙で勝利し、今月トランプとも会談した。安倍は内政外交とも好成績をあげており、さらに自信を持って中国との関係改善に動き始めたのだろう」(澎湃新聞)と、安倍政権の自信の表れが、対中姿勢の軟化につながり、それに習近平側が応えたと分析する。

また外交学院教授・周永生は新華ネット上で安倍の対中態度軟化の背景として三つの点を挙げている。

(1)安倍晋三は周辺国との関係安定を望んでいるが、政権発足後、ずっとそれはうまくいっていない。ロシアとの北方四島の共同経済開発も、ロシアが主張する領土に関する固有の立場と矛盾しており、日本国内ではまだ不満がくすぶっている。韓国との関係も改善されていない。文在寅は慰安婦問題と労働者強制連行問題が解決していないとし、日本に積極的な対応を求めている。独島(日本では竹島)問題もまだ解決していない。このことから、中国との関係改善は安倍政権の安定にとって有利である。

(2)安倍政権は「一帯一路」(新シルクロード経済構想)によって、日本経済振興を期待している。アベノミクスはさほど大きな進展がなく、すでに息切れし始めている。同時に人口減少の構造性の問題などにも直面している。今後10年、中国経済の成長率は6%以上、米国は1.5%以上、EUは1.5%以上と推計されているが、日本はセロ成長だ。こうしたなか、少なからぬ日本企業が「一帯一路」に興味を持っており、日経新聞サイト(中文)などは、もし「一帯一路」と安倍の提唱する「質の高い基礎インフラ投資」が結びつけば相乗効果でアベノミクスに勢いがつくだろう、と指摘している。日本企業の働きかけで、安倍は「一帯一路」への態度を転換させている。

(3)日本は米国と対外政策で協調していかねばならない。日米首脳会談で、中国政府との建設的対話を継続して展開していくことの重要性を特に確認したという。

懸案解決に「長期安定」望む?

ダナンAPEC前、都内で在日中国人学者をゲストスピーカーに招いた勉強会があった。頻繁に北京に赴き中国内政事情にもそれなりに、詳しいその学者によれば、習近平政権は最近、安倍政権の長期安定を望んでいる、という。10月の総選挙も自民党圧勝を期待していたという。

それはなぜなのかというと、一つには、習近平の周辺には日本を重視するように進言する声はもともとあった、ということ。習近平自身に、無事に第19回党大会を乗り越えたことで少し自信が出てきて、そうした意見に耳を傾ける余裕が出てきたこと。習近平政権二期目としては、ライバルは米国であり、いずれ米中対立が先鋭化するタイミングが来ると予想されるが、その時までに日本を米国から引き離しておく必要がある。そのためには日本を中国サイドに引き寄せる努力をすべきだ、という考えに傾斜してきていることなどが背景にあるらしい。

さらに言えば、日中関係を改善する上で、懸案の海空連絡メカニズムや東シナ海ガス田開発の問題について、日中は込み入った交渉をしなければならないが、そういう実務的交渉は安倍政権のような継続性のある政権の方がやりやすい。

2012年6月に大枠で合意した海空連絡メカニズム実施に向けた協議は尖閣国有化問題で一時中断した後、2014年11月に協議再開で合意した。だが、尖閣周辺海域をこのメカニズムに組み入れるか入れないか、入れるとすれば、どういう扱いなのかで日中の意見は対立し、今に至っている。

最終的には文書に使われる文言や定義の問題で、その最後の交渉の大詰めに入っているようだが、こうした双方が国家利益をかけた込み入った実務交渉ができるのは、今のところ安倍政権しかない、とその学者は指摘した。中国サイドにしてみれば、日中関係の悪化のきっかけは、実務能力の不足した民主党政権の“政治的空白”で起きているので、もともと野党に対する信頼度は低いのだろう。

ただ、こうした意見はすべて中国サイドの見方、立場から発せられている。果たしてそれが本音なのか、というと中国の場合、公式に喧伝されていることとほぼ真逆のことが実は本音というパターンが多い。なので、こうした中国人識者の見方を反対側から透かして見てみることも必要だ。

例えば、安倍政権サイドが中国との関係改善を望んでいる、と強く主張するときは、実は中国サイドの方が切実に対日関係改善を必要としていることが多い。周永生は日本が周辺外交がうまくいっていないため、中国との関係改善を望んでいると指摘するが、安倍政権の外交は、対韓国以外は、比較的効果が上がっているように私には見える。特に対ロシア、対インドはそれなりに手応えがあったと見られている。

トランプ対策と「一帯一路」問題と

安倍が2016年8月、ケニアで開催されたアフリカ開発会議で打ち出したインド太平洋戦略は、今回の日米首脳会談でも実現に向けた連携が確認されたほか、トランプにフィリピン大統領ドゥテルテとの会談を行えるように環境を整えたりもした。

残念ながら、トランプ・ドゥテルテ会談で、日本が密かに望んでいたであろう南シナ海問題における中国への牽制姿勢はひき出せなかったが、それなりに日本も対中包囲網を目指して舞台回し的な役割を演じようと動いていることは、中国も気づいているはずだ。国際情勢に関する正確な知識や認識がまだ不足しているように見えるトランプに安倍が個人的人間関係を利用して、日本の立場の“国際観”を吹き込むことを相当警戒しているようにも見える。

「一帯一路」に関しても、アベノミクスを成功させるためにも日本が興味を持っているというが、これを裏返しに見ると、中国がぜひとも日本を引き込みたいということかもしれない。

今、「一帯一路」が直面している問題は資金ショートである。現在は中国が相当無理をして国有銀行の資金をぶち込んでいるが、中国の銀行システムが抱える不良債権の莫大さを考えると、中国金融にシステミック・リスクを引き起こしかねない問題をはらむ。これは「財経」など中国の経済誌などにも結構赤裸々に指摘されている。だからこそ、日本のような資金力のある国にぜひとも参加してほしいところだろう。

日米を分断させる、というのはもともと中国が持っている戦略だ。これまでの基本方針は米中接近による、日本の孤立化である。だが習近平政権は二期目に入って、G2時代への野心を隠さなくなってきた。トランプ・習近平会談で、「太平洋は中国と米国が共存するのに十分な広さがあるので、2つの大国が意思疎通と連携を強化すべきだ」と語り、かつて呉勝利(海軍司令)がキーティング(太平洋司令官)に提案し、米国を激怒させた「太平洋米中二分割論」を蒸し返した。

ただ、トランプは紫禁城貸し切りという特別接待に懐柔されたのか、あるいは余裕があるのか、この発言に反論したりすることはなく「米中両国が連携すれば、世界中のあらゆる問題が解決できる」とリップサービスした。一方、日本外相の河野太郎が「中国は太平洋と接していない」と不快感を表すコメントを出した。

トランプの対中戦略が今後どのように変わるかは、まったく予見できないのだが、今現在までの状況を客観的に言えば、北朝鮮問題に対しては中国を頼りにしているようだし、米中融和と言うべき状況が起きている。米中融和に引きずられるかたちで、日本も対中姿勢軟化に動いている、という中国人学者の見方も、あるいは来たるG2時代を見据えて、中国が日本を取り込もうという見方も、それなりに説得力はあるのだが、私は、もう一つの見方にも触れておきたい。

笑顔の下で、激しく

ビジネスマン的リップサービスをすらすら言える代わりに、たびたび発言や態度を大きく変えてきたトランプに、中国は警戒し始めている。一方、安倍はそんなトランプに影響を与えるキーマンの一人であり、同時に明確に中国の脅威を意識して、対中包囲網をつくろうという地道な外交も行っている。これまでは、日本を孤立させることで日米分断を試みてきたが、5年を費やしても、それは成功していない。ならば日本の懐柔に作戦を切り替えるのは当然の選択肢だろう。日本を懐柔すれば、日米を分断できるかは別としても、トランプに“中国の脅威”を吹き込むヤツはいなくなる。

中国としても、それなりに安倍政権の外交力を見て、あまり軽んじるわけにはいかないと判断したのではないだろうか。しかも日本は、「北朝鮮の脅威」論を借りて、憲法を改正し、国防を強化しようとしている。経済が落ち目と言われながらも、世界第三の経済大国が本気で再軍備強化すれば、中国にとっては北朝鮮の核より脅威かもしれない。少なくとも今しばらく、日本の中国に対する脅威論を和らげる必要がある。だから、中国は対日関係改善に取り組み始めた。習近平個人はどうやら安倍と相性が悪そうだが、政権としてはそういう方向に持っていこうとしているように見える。

ただし、中国が将来的に尖閣諸島を奪い、台湾を統一しようという野心を隠し持っていることには変わりはないだろう。日中関係が雪解けムードになり、ハイレベルの交流が維持され意思疎通が深まることは大いに歓迎だ。だが、仏頂面でお互いそっぽを向いているより、笑顔の下に思惑を隠して利害を争う交渉を行うことの方が、よっぽど厳しい外交であることは言うまでもない。日中関係改善が本当にどれくらい進むかは、今しばらくの様子を見る必要があるが、それが事実としても、単純に朗報だと喜んでばかりもいられない、ということである。

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『トランプ大統領の「米国第一」政策は初来日を経てさらに強まる』(11/14ダイヤモンドオンライン 真壁昭夫)について

11/18中国観察<習特使送金正恩神秘禮物傳達啥信號?三胖定母親節有特殊禁忌 阿波羅網=習の特使は金正恩に絶妙なるギフトを送り、米中の信号を伝えた。三代目のブタの定めた母の日には特別なタブーがある>ボイスオブアメリカは米国のシンクタンクの発言を引用、「宋濤の北朝鮮訪問は2つの見方がある。一つには、習は既にトランプにやるべきことを教えたことである。習は恐らく北に伝える内容も教えただろう。宋濤は強硬な意見を持って行ったという見方。もう一つはトランプ政府には突発事件になる。どちらの可能性が高いかは分からない」と。「縦覧中国」の主筆の陳奎德は「中国は米国の経済的圧力のもと、金融とその他の国連決議の制裁を実行、但し石油はまだ閉じられていない。核は中国の安全にも影響がある。北の非核化は米中共通の認識、但しミサイルについて中共は従来より我関せずの立場」と。革命二世代目の羅宇が言うには「今回の宋濤の訪朝の目的は再度核実験をしないように忠告すること。もし言う事を聞かなければ石油も食糧も止める。そうなれば金三胖の生きる道はない」と。

11/16は金正恩が定めた母の日で、今年で6年目になる。以前は花籠に「有難う、お母さん」とか「愛している、お母さん」とかリボンをつけたが、今年は個人崇拝と誤解されるのを恐れて付けられない。代わりに手鏡や靴下、手袋が歓迎されているとのこと。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/18/380345.htm%E7%BF%92%E7%89%B9%E4%BD%BF%E9%80%81%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E7%A5%9E%E7%A7%98%E7%A6%AE%E7%89%A9%E5%82%B3%E9%81%94%E5%95%A5%E4%BF%A1%E8%99%9F%EF%BC%9F%E4%B8%89%E8%83%96%E5%AE%9A%E6%AF%8D%E8%A6%AA.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

昨日の本ブログで鈴置氏の記事を紹介しましたが、11/15ホワイトハウスでトランプは次のように述べたと。羅宇が言う「核実験の停止」だけではダメと言うこと。それが違った形でしか伝わらないとすればトランプは習に騙されたことになります。 “We agreed that we would not accept a so-called freeze-for-freeze agreement like those that have consistently failed in the past.”

20日まで宋濤氏が北朝鮮にいますのでどういう結果になるかです。どのような結果になろうとも、日本は抑止力を持たなければなりません。“If you want peace, prepare for war ”です。真の敵は北ではなく、中国ですので。多国間同盟で対抗するにしても、いざという時に兵を出さないのでは誰も相手にしてくれないでしょう。

真壁氏の記事は80年代の日米関係を思い出します。日本の貯蓄超過が貿易黒字を齎すので、もっと内需をと米国に言われ、森永貞一郎氏のレポートまで出して内需を増やそうとしたこと。今の中国が正しくそうでしょう。違いは、中国は貿易で稼いだ金を内需どころではなく、軍拡と賄賂に使っているので、貯蓄率は下がりません。社会保障も全然充実していないのでISバランス式が正しければ、米国の貿易赤字は減らないでしょう。

http://blog.livedoor.jp/keperukun/archives/1018516489.html

記事

Photo:The New York Times/AFLO

11月5日、ドナルド・トランプ米大統領が初来日した。政府はトランプ大統領を、事実上の“国賓”として扱い、天皇陛下との会見や安倍総理と計4回の食事をともににするなど、手厚い待遇でもてなした。

そうした厚遇の背景には、安倍政権として北朝鮮に対して日米の緊密な連携を誇示するだけでなく、トランプ大統領が強行に進める米国の貿易赤字削減交渉の矛先を和らげる狙いも大きかったと考えられる。

今回のアジア歴訪を通してトランプ大統領は、米国の貿易不均衡を是正することが一つの命題になっていた。そのため、米国に有利な条件を、わが国や中国から引き出すことが重要な目的だったはずだ。

貿易赤字は、大統領自身の政治生命の“命綱”というべき、白人労働者階層の支持をつなぎとめる大切な材料だ。具体的には、米国に有利に働くようなFTA(自由貿易協定)交渉を求めることである。それはまさに、米国の利益を第一に考え、トランプ大統領の支持層に恩恵をもたらす“アメリカファースト”への取り組みに他ならない。

今後、トランプ大統領は米国第一の主張をより強める可能性が高く、「グローバル経済の発展」を重視した行動は期待できないだろう。

むしろ、FTA交渉を求める米国は、主張をますます強める可能性がある。わが国は、そうした要求をうまくかわしつつ、アジア各国を中心に“親日国”を確保し、国際社会での発言力を高めることにエネルギーを注ぐ必要がある。

強硬にFTA交渉を進めたいトランプ大統領

トランプ大統領訪日を前にした10月16日、麻生副総理(財務大臣)とペンス米副大統領が、第2回目の“日米経済対話”を開いた。この場で米国は日米間のFTAに強い関心を示した。前回4月の経済対話ではFTAが議論に上がらなかったことを考えると、わが国に農畜産分野等での市場開放などを求める米国の考えは、一段と鮮明になっている。

一方、わが国としては強硬な米国を相手にする2国間の協定よりも、むしろTPPを中心に「多国間の連携」を進めることを重視している。そうした日米間のスタンスの違いを考えると、先の経済対話での通商問題の議論が過熱した可能性は十分に考えられる。

今回の大統領の訪日は、白熱の通商交渉の延長線上で考えるべきだ。6日、トランプ大統領が日米の経済関係者に対して行った講演では、まさにその“本音”が現れた。大統領は日米の貿易が不公平であると述べ、財政赤字に不満を示した。また、米国内で完成車を生産することを検討するよう企業トップに求めた。

韓国訪問においても、トランプ大統領は米韓FTAの早期見直しを要求した。それを見ても、米国の目的は、わが国などからFTAへのコミットメントを引き出すことにあったと考えられる。

わが国としては北朝鮮問題への対応力を高めるためにも、米国との関係は強化しなければならない。また、TPPからの離脱を表明し国際社会からの孤立に向かっているトランプ政権と、アジア地域の安定に向けた指針を共有することは、当地域におけるわが国の存在感を示すために重要だ。

そうした考えから、安倍総理は米国製の新型戦闘機やイージス艦を購入する考えを示し、米国の要求に一定の配慮を示したとも言えるだろう。

理論的に矛盾するトランプ大統領の政策運営

では、貿易赤字の削減は本当に米国の経済にプラスに働くか。理論上、米国の輸入が減少し、米国国内での完成品の生産と輸出が増加すれば、貿易赤字は縮小する。しかし、それが米国の経済にとってプラスになるかは別の問題である。

米国の輸入が輸出を上回っているのは、米国民が、メキシコなど他国で生産された自動車や、中国で生産されたスマートフォンなどの電機製品を必要としている要因が大きい。また、米国の企業の多くが海外で事業を展開している。

その理由は、国内での生産に比べ海外で生産した方が、米国企業の利益率が高くなるからだ。実際、米国の自動車業界は、北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉に反対している。ここに、トランプ大統領の主張の矛盾がある。

現在、下院歳入委員会が審議している税制改革案が成立し、米国の家計の可処分所得が増加したとする。その場合、家計の消費意欲は高まるはずだ。耐久財から消費財まで多くのモノの売れ行きが増加する可能性がある。それは、米国の輸入増加につながるだろう。

輸入が制限され、米国製の製品が供給されてしまうと、輸入品以上の金額を支払って消費者は満足度を満たす必要が生じる。それでは、潜在需要を十分に引き出し、経済成長率を引き上げることが難しくなるかもしれない。実際にそうした状況が発生すると、グローバル経済の発展とともに競争力を失った米国の鉄鋼産業などは、一段と厳しい状態に追い込まれる恐れもある。

トランプ大統領は、就任以来一貫して貿易赤字の解消に執着している。トランプ大統領は、基本的な「経済の仕組み」を十分に理解しているか疑問符が付く。すでに多くの経済学者が、リーマンショックの以前から米国の労働参加率が低下し、インターネット革命がもたらした生産性向上などの効果が低下してきたことを指摘している。

この問題を解決するためには、輸入の制限ではなく、むしろIT分野など新しい産業への経営資源の移転を促し、米国経済全体の競争力を高める方が有効な政策運営といえるはずだ。

今後の米国経済の行方とわが国の取るべき行動

足元、米国の経済は緩やかな回復を続けている。株価は連日のように史上最高値を更新し、先行きへの楽観的な見方は広がっている。ただ、いつまでも景気の回復が続き、株式市場が上昇し続けることはありえない。どこかで景気と株価はピークをつけ、経済成長率が低下することになるはずだ。

今後、FRBの金融政策に関する不透明感がある中、税制改革への期待から相場が上昇した場合には、機関投資家が利益確定のため保有株式を売却する展開も考えられる。実際に米国の株価が下落し始めると、世界の金融市場はリスクオフに向かい、円キャリートレードの巻き戻しが進みやすい。それが円高圧力を高め、国内の株式市場にも下落圧力がかかるだろう。

今すぐこうした展開が現実のものとなるとは考えづらいが、向こう1~2年程度の間にマーケットの調整圧力が高まる展開は十分に考えられる。

わが国は、米国を中心に世界経済が安定している間に、アジア各国へのインフラ開発支援などを進めて経済連携を深め、親日国を確保して自国の発言力を高めておく必要がある。同時に、米国からもわが国の取り組みに対する理解と協力を引出して行くべきだ。そうした取り組みを一定の期間内に進めることは、口で言うほど容易なことではない。

しかし、米国が自国の事情を重視した政治を進める中、わが国は、アジア太平洋地域の安定を支えていかなければならない。それができないと、中国の海洋進出などを抑止することができず、アジアの中でわが国が孤立する恐れが高まる。

米国では2018年中間選挙が視野に入る中、トランプ大統領はこれまで以上に“アメリカファースト”の主張を強めることが想定される。それだけに、わが国は世界経済のダイナミズムの源泉と考えられるアジア新興国との関係を強化し、多国間連携の意義と魅力を各国に示しつつ、連携を呼びかけていく必要がある。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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『トランプとの合意を1日で破り、変造した文在寅 中国の顔色を見る韓国、またも米国との約束を反故に』、『第2次朝鮮戦争か、金正恩体制崩壊か 米中首脳「核実験凍結では対話せず」で合意』(11/14・16日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

11/18ダイヤモンドオンライン ロイター<トランプ大統領のアジア歴訪で喜んだ国、戸惑った国>。読後感として上っ面しか見てない感じです。まあ、ハナからトランプに良い印象を持っていない人が書いているのでしょう。批判が許される自由主義社会のリーダーは簡単に批判できますが、批判が許されない極悪非道の専制共産主義国家のリーダーを世界に開かれた自由貿易のリーダーとして持て囃すのですから、倒錯としか言いようがないです。(ロイター記事とはこの部分は関係ありませんが)

http://diamond.jp/articles/-/150006?page=4

韓国は約束破りの名人です。南京も慰安婦も中国と彼らのでっち上げと言うのが少しずつ国民に浸透してきました。中国・朝鮮半島は国連人権理事会と言う左翼組織を使い、慰安婦問題で日本に勧告してきましたが、文在寅はそれが韓・日米分断になるのが分かっていて靡いているように見えます。日本は相手にしないのでは駄目で、反撃のチャンスと思わねば歴史戦(戦争は既に始まっている)には勝てません。

11/18藤岡信勝氏のfacebook投稿より

<日韓合意は2015年12月28日に公表された。この時ほど落胆したことはなかった。滅多に落ち込まない私も、体に変調を来し、治るのに4、5日を要した。安倍内閣は日本の名誉を守れない政権であることがハッキリした。中西輝政氏は、日韓合意が河野談話の固定化・永続化だったと意味づけている。(『ニッポンはなぜ歴史戦に負け続けるのか』)まったく同感である。しかし、当時、事の本質を見抜いていた人は多くはなかった。保守言論人の多くは、何と日韓合意は安倍政権の外交的成果だと褒め称えたのである。

山岡鉄秀氏は、この時、事態を見通していた人の一人だった。氏はオーストラリアの慰安婦像を阻止した団体のリーダーだった。そのグループが日韓合意についての世界中のメディアの論調を素早く集めて官邸や各政党に送った。これが転機となった。翌年の1月18日、中山恭子先生が参議院予算委員会で質問し、安倍総理は慰安婦問題の3点セット(強制連行、性奴隷、20万人)を全て否定する答弁をした。先日、中山恭子先生が主催する政治塾で「歴史戦の構図と争点」という講義をさせていただいたが、殆どの受講生は中山質問の意味を知らなかったように見受けられた。

さて、日韓合意はオバマ政権が4年前から日本に譲歩させるべく策動を続けてきた結果でもあった。今やトランプ大統領のもとで、政権の性格は根本的に変わった。トランプはアメリカでゴルフをしながら、「シンゾー、『iannfu』って、何だ?」と聞いてきた。安倍総理が説明すると大笑いしたそうだ。

しかし、残念ながら、昨今の韓国政府のふるまいに対する政府の反応は、普通の国民の意識よりもさらに遅れている。もはや、この問題でアメリカ政府から圧力がかけられる状況にはない。政府はすでに明らかになった事実に基づいて、断固として反撃するべきだ。逃げ腰になってはならない。あれだけの得票と議席を取って国民からの圧倒的支持を得たにもかかわらず、安倍政権の政策は全体としてモタモタしていて、切れ味が感じられない。しっかりしていただきたい。

と、思っていたら、山岡氏がフェイスブックに投稿されていたので、シェアーさせていただくことにした。

◆山岡 鉄秀氏の投稿(16時間前) ・  日韓合意の直後、私は「韓国は金を受け取り次第、反日活動を民間にやらせて裏から支援する戦術に出る」と明言していた。新しい手法でもなんでもない。わかりきったことだ。そのわかりきったことがなぜ予想できないのか、それこそまったく理解できない。「強制連行した根拠はない」とだけ言っても駄目である。そもそも、慰安婦制度とは何だったのか?何のために設置したのか?問題点はなんだったのか?強制連行していないなら、なぜ日本政府は謝り続けて来たのか?などを明確に説明できなくてはならない。つまり、自らの立場を立論する、ということだ。それをせずに、相手の顔色ばかりを伺って、「遺憾だ、残念だ」を繰り返しても何の説得力もない。日韓合意で慰安婦問題が収束するどころか、世界中にまき散らされたのは当たり前だ。日本政府がすべての罪を公式に認めたのだから。友人のイギリス人弁護士が吐き捨てるように言った。「日本政府が謝罪して金を払った時点で慰安婦問題は終わった」日本政府はいい加減に腹を決めて、一次資料に基づく立論をし、慰安婦制度とは何だったのか、慰安婦は実在したが、慰安婦問題は存在しなかったことを自分の言葉で語らなくてはならない。それができないのなら、自ら永遠の敗者に甘んじて生きるしかない。さらに言えば、国連とはこんなに腐りきった機関でもある。青山の国連大学はオリンピックに向けてさっさとマンションに転換した方がよい。ちなみに、昨年12月の人種差別撤廃委員会での日本政府回答では土下座外交に戻っていたが、今回は少し杉山発言ラインに戻した。韓国が「日韓合意は被害者や民間団体は受容できないと訴えている」などと寝言を言ってきたら、その場で”That’s your problem, not ours. You received the money. Just manage your people” と答えて終わりだ。こんなものは新手法でもなんでもない。しっかりしてほしい。>(以上)

インド・太平洋戦略に、日米ともに韓国を入れるつもりはないでしょう。いつ寝首を掻かれるか分からず、情報を中国に流す国なぞ信用できません。トランプは韓国の演説ではリップサービスで言っただけと思います。

韓国は新たにカナダと通貨スワップ協定を結びましたが、亡国の走りとなるでしょう。あんな約束を守らない国とスワップ協定を結べば、自分が損するのが全く分かっていません。まあ、日本に言い寄ってくる機会が減ったので良しとしましょう。

昨日の本ブログで11/16中国観察の記事を取り上げ、習は「双中断」案を放棄したというのが鈴置氏の記事でも確認されました。核・ミサイル凍結での話し合いはしないという事です。米中合作で金正恩体制を崩壊させるつもりでしょう。金正恩のロシア亡命がベストですが、金正恩が拒否すれば米朝戦争(日韓中も入ります)で、少なくとも中国は中立を保つでしょうし、ロシアも。

金正恩後がどうなるかです。米中露で金漢率を押し立てて管理させるのだとしても、日本が金だけ出させられるのは避けたい。同じ民族として、韓国が面倒を見るべきです。

14日記事

米韓首脳会談で合意したはずの共同発表文は、わずか1日で“変造”された(写真:AP/アフロ)

前回から読む)

韓国がまたもや米国との合意を反故にした。もちろん、中国の顔色を見てのことだ。

立て続けの合意破棄

鈴置:韓国が堂々と約束を破りました。トランプ(Donald Trump)大統領と文在寅(ムン・ジェイン)大統領の間で交わした共同発表文を、1日後に否定したのです。

—韓国は少し前にも米国との約束を破っていました。

鈴置:その通りです。米韓国防相会談での合意(10月28日)を3日後に踏みにじりました。中国の圧力に屈し、THAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)の追加配備などを拒否する「3NO」を宣言したのです(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。

今回のは大統領同士の合意を破るものでした。トランプ大統領は11月7、8日の両日、訪韓し首脳会談に臨みました。その結果を踏まえ8日夜(日本時間)、両国政府は共同発表文を配布しました。

ホワイトハウスのサイトに「President Donald J. Trump’s Visit to Republic of Korea」として載っています。韓国政府が作成した韓国語版は、朝鮮日報の「全文 韓米共同言論発表文『トランプ訪韓結果』」で読めます。

「法治」で中国を牽制

青瓦台(韓国大統領府)が否定したのは発表文(英語版)の中の「自由で開かれたインド・太平洋地域に貢献する米韓同盟の推進をトランプ大統領は強調した」というくだりです。

韓国語版だと「トランプ大統領は、相互の信頼と自由・民主主義・人権・法治などの共同の価値に基づいた韓米同盟が、インド太平洋地域の安全保障、安定と繁栄のための重要な軸であることを強調した」との部分です。

この文言には「米韓同盟により、不法な海洋進出を続ける中国を牽制する」との含意があります。青瓦台はそれが「中国包囲網への参加」と見なされると危惧したのでしょう。

なお、「中国への牽制」は6月末の米韓首脳会談で合意済みの案件です。当時の共同声明にも「中国」とは名指ししないものの「米韓同盟により、法治に裏付けられたアジア太平洋の秩序を維持する」との文言が入っています。以下です。

President Trump and President Moon affirmed that the United States and the ROK will work together to support and uphold the rules-based order in the Asia-Pacific region.

The two leaders affirmed that the strength of the United States-ROK Alliance serves as testament to the power of freedom, democracy, human rights, and the rule of law,

日本発の構想には賛成しない

—トランプ大統領との合意を今回、韓国はどういう形で破棄したのですか?

鈴置:共同発表文を配布した翌日の11月9日午前、金顕哲(キム・ヒョンチョル)大統領経済補佐官が会見で「日本は『インド・太平洋ライン』との名で、日本・オーストラリア・インド・米国をつなげる外交的ラインを構築しようとしているが、我々がそれに編入される必要はない」と述べたのです。

韓国の通信社、NEWS1の「青瓦台、『インド・太平洋ライン』は日本が推進……韓国の参加は好ましくない」(11月9日、韓国語)などが一斉に報じました。

「インド・太平洋ライン」とは、最近、日米が唱え始めた米・日・豪・印の「4カ国戦略対話」を指します。事実上の「中国包囲網」です(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。

金顕哲・経済補佐官の発言は偶発的なものではありませんでした。この発言に対し韓国メディアが「米国との合意違反だ」と騒ぎ出すと同日午後、青瓦台の別の匿名の高官が記者団に対し「インド・太平洋の安全保障体制に韓国は編入されない」と再度、強調しました。

朝鮮日報の「青瓦台、トランプは『インド・太平洋』参加を提案、文は『受け入れられない』」(韓国語版)から、匿名の高官の発言を拾います。

インド・太平洋の安全保障体制はトランプ大統領が強調したのであって、我々が同意したのではない。

文大統領にとっては事実上、初めて聞く概念であった。提案自体が突然のもので、きちんと検討してみたこともなかった。今の段階で受け入れるとか、共感するという事案ではない。

インド・太平洋安保は日本が推進してきた問題であり、我々としては現在の様々の国際情緒と環境を考慮した際、参加するのは望ましくないと考え、トランプ大統領の言葉を傾聴したに過ぎない。

後で言い出してもダメ

中央日報の「青瓦台、日本が構築した『インド・太平洋ライン』……韓国に編入する必要ない」(11月10日、日本語版)は、この答を厳しく批判しました。要約します。

共同発表文や共同声明に含まれる内容は相互の合意を前提とする。共同文案に含まれた以上、一方の黙認や暗黙的支持があったと見るのが外交慣例だ。

外交官出身の要人は「韓国が同意しなかったとすれば共同発表文に入れるべきでなかった。異見があったとすれば『文大統領の考えはこのように異なる』との文章も併記するべきだった」と説明した。

匿名を求めた米国専門家は「今になって、青瓦台が同意していないと言うのは筋が通らない」と話した。

要は、共同発表文を配布した後に「その内容に反対だ」と言い出しても外交的にはアウトだよ、ということです。

「文大統領はインド・太平洋安保構想を知らなかった」との主張に関しても、中央日報のこの記事は以下のように批判しました。

文大統領がインド・太平洋概念を初めて聞いたとの説明も適切でない。トランプ大統領が5日、日本に到着してアジア歴訪の日程を始めた後、数回にわたって「自由で開かれたインド・太平洋」を強調している。青瓦台も7月、韓豪首脳会談後「両国はインド・太平洋時代の核心協力パートナー」という表現を使った。

そもそも金顕哲・経済補佐官や匿名の高官の「日本が言い出した構想だからよくない」との説明も無理筋です。この構想は米国も積極的に唱えているのです。韓国では「日本」に絡めば何でも悪いことにできるので「日本発」と決めつけたのでしょうけれど。

共同発表文も変造

—「匿名の高官」が何と言おうと、青瓦台は共同発表文を配布してしまったのではないですか?

鈴置:その「失策」を挽回すべく、青瓦台は荒技に出ました。一度は配布し、メディアが大々的に報じた「韓米共同発表文」はなかったことにしてしまったのです。

その代わりに青瓦台のサイトに「トランプ米大統領の訪韓成果ブリーフィング」(韓国語版)を載せました。が、そこからは「インド・太平洋」部分はスッパリと落ちています。

青瓦台の英語版サイトでも同様です。政府高官が口頭で米国との共同発表文を否定したうえ、文書まで変造したのです。

朝鮮日報の「青瓦台、トランプは『インド・太平洋』参加を提案、文は『受け入れられない』」によると、匿名の高官も変造を恥じるどころか「文大統領が事実上、初めて聞く概念なので、共同発表文から抜くことにした」と手柄顔で語っています。

韓国政府の外交記録保管所には「変造品」が保存され、本物の文書はメディアのサイトにだけ残ることになると思われます。隣国のことですから、余計な心配ですが。

国家が約束したことをすぐさま破る。こんなことを繰り返していると、韓国とまともに付き合う国はなくなります。何度も騙された日本は、すでにそうしていますが。

10月28日 米韓国防相が共同声明発表
10月30日 午前に韓国の康京和外相がTHAAD追加配備拒否を含む「3NO」を宣言
10月30日 午後、中国外交部報道官が「3NOを守れ」と言及
10月31日 中韓両国、合意文を発表。米韓国防相の共同声明の一部を否認
11月7日 トランプ大統領と文在寅大統領が会談
11月8日 米韓両国、首脳会談を受けて共同発表文を配布
11月9日 青瓦台高官が相次ぎ米韓共同発表文の「インド・太平洋安保構想」部分を否認
11月10日 韓国国防部「韓国の反対で韓米日の合同軍事演習は実現せず」と非公式に説明
11月11日 中韓首脳会談で習近平主席「韓国はTHAAD配備で責任ある態度を」、文在寅大統領「中国のTHAADへの関心を重視しており、中国の戦略と安全保障上の利益を損なうつもりはない」(人民網による)
●「韓国の合意破棄」の動き(2017年)

「スワップはなかったことにするぞ」

—なぜ、韓国は米国との約束を立て続けに破ったのでしょうか。

鈴置:中国が怖いからです。今回の合意破棄はダナンでの中韓首脳会談(11月11日)の直前に起きました。

中国包囲網に賛同したと見なされ、文在寅大統領が習近平主席に叱られると韓国政府は心配したのでしょう。あるいは首脳会談の開催を取り消されると懸念したのかもしれません。

先に引用した中央日報の「青瓦台、日本が構築した『インド・太平洋ライン』……韓国に編入する必要ない」は、それを伺わせる青瓦台高官の談話を伝えています。日本語を整えて引用します。

直後に中国との首脳会談を控えている状況で、中国を軍事的に包囲しようという概念にどうやって同意するというのか。実に苦しい状況だ。

最初に「インド・太平洋安保構想」を否定したのが経済補佐官だったことから「中国に通貨スワップをキャンセルされる」と危惧したとの観測もあります。

中韓スワップは口約束に留まっています(「米国はいつ『韓国放棄カード』を切るのか」参照)。米国の利上げで韓国から資本逃避が起きそうな今、中国から「スワップはなかったことにする」と言い渡される材料を、韓国は作りたくないのです。

中国とのスワップでは人民元しか得られません。しかし韓国は日本との「慰安婦合意」を破った結果、ドルや円など交換が容易な通貨での2国間スワップ協定を結ぶ数少ないチャンスを失いました(「『百害あって一利なし』の日韓スワップ」参照)。人民元スワップとはいえ「ないよりはまし」なのです。

中韓合意を使って強弁

—いくら「中国が怖い」と言っても「米韓」の直後に「中韓」首脳会談があることは分かっていたではありませんか。

鈴置:そこで浮上するのが中国の圧力説です。今年6月末の米韓共同声明には「中国の不法な海洋進出への反対」を示唆する部分もあった。

改めてそれを謳っても中国に怒られないと韓国は考え、11月8日夜発表の米韓共同発表文に入れることに同意した。しかるに、直ちに中国が「取り消せ」と言ってきた――との見方です。

—なぜ、今回は「ダメ」なのでしょうか。

鈴置:10月31日に中韓が取り交わした「合意文」に違反すると中国が言い出した可能性が大です。

合意文のポイントは「中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した」という部分です(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。

  • 中韓合意(2017年10月31日)のポイント

韓国側は、中国側のTHAAD問題に関連する立場と懸念を認識し、韓国に配置されたTHAADは、その本来の配置の目的からして第3国を狙うものではなく、中国の戦略的安全保障の利益を損なわないことを明らかにした。

同時に中国側は韓国側が表明した立場に留意し、韓国側が関連した問題を適切に処理することを希望した。双方は両国軍事当局の間のチャネルを通して、中国側が憂慮するTHAAD関連問題に対し、話し合いを進めることで合意した。

中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した。

双方は韓中間の交流・協力の強化が双方の共同利益に符合することに共感し、全ての分野での交流・協力を正常的な発展軌道に速やかに回復することに合意した。

※注:韓国外交部のサイト「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」から作成

  ●韓国が中国に表明した「3NO」

米国とMDは構築しない

THAAD追加配備は容認しない

日米韓3国同盟は結成しない

「3NO」と呼ばれることになった中韓の間の合意です。中国はこれをもって、以下のように主張――強弁できます。

米日韓の3国軍事協力に対する中国の憂慮の正当性を韓国は認めた。その結果、韓国は「日米韓軍事同盟は結成しない」と表明したのだ。

ゆえに、中国が憂慮する「包囲網」に韓国が参加すれば、それは合意違反となる。

韓国が中韓合意に反するのなら、合意文中の「全ての分野での交流・協力の正常な発展軌道への回復」は実現しない――韓国企業に対するいじめは続く――であろう。

突然、キャンセルの日米韓演習

—中国は韓国を「3NO」で縛り上げたというわけですね。

鈴置:その通りです。こうした拡大解釈がまかり通れば今後、韓国は「インド・太平洋安保構想」だけではなく「日米韓の軍事協力」にも参加できなくなります。というか、早くもそうなりました。

11月11日から14日まで、日本海で計画されていた日米韓の合同演習が韓国の反対で中止になりました。米空母3隻を中心とする大掛かりな訓練となるはずでした。結局、日米と米韓は別々に合同演習を実施しました。

先ほども説明しましたが青瓦台のサイトでは、正式の米韓共同発表文から「インド・太平洋」部分がスッパリと落とされました。

実はもう1カ所、韓国語版では完全に抜け落ちたくだりがあります。日米韓の3国軍事協力を約束した、以下の部分です。

両首脳は北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応して抑止力と防御力を向上させるために、日本との3国間の安全保障協力を進展させていくという意志を再確認した。

青瓦台は日米韓の3国軍事協力も中国の逆鱗に触れると判断したのでしょう。もっとも、韓国政府が当初、メディアに配布した発表文は、ホワイトハウス発表の「President Donald J. Trump’s Visit to Republic of Korea」以上に具体策に踏み込んでいました。次です。

両首脳は北朝鮮の脅威に対応、3国間のミサイル警報訓練と対潜水艦戦訓練を継続して情報の共有を拡大し、共同対応能力を向上させていくことにした。

「3NO」の毒が回る

—韓国側もけっこう、やる気があったのですね。

鈴置:軍としては当然です。韓国は偵察衛星を持たないので、北朝鮮のミサイル発射を瞬時に把握する能力に乏しい。対潜能力も低い。自衛隊の持つ情報を貰える3国軍事協力は願ってもないことなのです。

—というのに日本との軍事演習を拒否するとは「3NO」の毒が回ってきたということでしょうか。

鈴置:朝鮮日報の社説「アマチュア外交、もう限界だ」(11月11日、韓国語版)もそう書いています。その部分を翻訳します。

3国合同演習が実現しなかった理由は、韓国政府が中国に伝えた「3NO」の中に「韓米日の軍事同盟はない」との内容が含まれているためだった。

しかも今、韓国軍の中には「3NO」を拡大解釈し、3国軍事協力まで縮小しようとする雰囲気もあるという。

康京和外交部長官が「3NO」を表明した際に懸念されたことが、早くも現実となりつつあるのだ。

日本ではあまり大きく報じられませんでしたが「3NO」は韓国の「離米従中」を決定的なものにする可能性があります。

WSJ「文在寅は信頼できない」

—そんな韓国を、米国はどう見ていますか?

鈴置:すっかり見はなしたようです。WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)は「South Korea’s Bow to Beijing」――「韓国、中国に屈服」という見出しの社説を載せました。

「韓国の大統領はソウルの米韓首脳会談の後、結束の姿勢を示した。だが、最近の行動からみて文在寅氏は信用できない(unreliable)友人だ」と断じました。それを含む前文が以下です。

Donald Trump on Tuesday praised Moon Jae-in for “great cooperation” on containing the threat from North Korea and said there has been “a lot of progress.” The South Korean President also made a show of unity after their summit in Seoul, but Mr. Moon’s recent actions suggest he is an unreliable friend.

この社説(電子版)の掲載時刻は米東部時間11月7日午後6時17分。韓国が米韓首脳会談の共同発表文を反故にする前に書かれました。が、WSJは「3NO」――その前の米国への裏切り――を材料に、韓国はもう味方ではないと評したのです。

敵に立ち向かおうとしないばかりか、堂々と同盟国を裏切る――。韓国は本性をすっかり見抜かれました。

というのに、米国を利用できるだけ利用しようと「米韓同盟は血盟だ」などとうそぶく韓国紙もまだあります。見捨てられるとは思ってもいないのでしょう。米韓同盟がいつまで持つのか、もう分かりません。

(次回に続く)

16日記事

アジア歴訪から戻ったトランプ大統領は11月15日、ホワイトハウスで会見。北朝鮮に「究極の2択」を突きつけた(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

米中首脳は「北朝鮮が核・弾道弾実験を凍結しただけでは米国は対話に応じない」ことで合意した。北朝鮮に時間稼ぎを許さないためだ。問題解決は軍事行動による核の除去か、金正恩(キム・ジョンウン)体制の崩壊か――の2つのシナリオに絞られてきた。

「戦争も辞さない」姿勢に押された?

アジア歴訪の旅を終えたトランプ(Donald Trump)大統領は11月15日、ホワイトハウスで会見し「いわゆる『凍結対凍結』は受け入れないことで習近平主席と合意した。そうしたやり方はこれまでずっと失敗してきた」と述べた。原文は以下だ。

¥We agreed that we would not accept a so-called freeze-for-freeze agreement like those that have consistently failed in the past.

「凍結対凍結」とは、北朝鮮が核や弾道弾実験を中断すれば米韓も軍事演習を中断し、それを期に米朝が対話を始める――構想だ。中国が「双中断」と名付けて呼び掛け、文在寅(ムン・ジェイン)大統領も「凍結論」の名称で賛成していた。

一方、トランプ大統領は6カ国協議など、北朝鮮との対話は核開発の時間稼ぎに利用されただけだったと主張。北朝鮮が核の完全廃棄を受け入れた時にのみ、対話に応じると主張してきた。

中国政府は「双中断」案を放棄することに関し、11月15日までに何も言及していない。ただ、米国の「軍事的な解決も辞さない」強い姿勢に押され、暗黙裡に認めた可能性が高い。

金正恩はカルト政権

トランプ大統領は11月8日の韓国国会演説で「戦争も辞さない」との決意を表明。中国を名指しして、国連決議の履行と北朝鮮との外交関係の格下げを要求した(「トランプ大統領の韓国国会演説(2)」参照)。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(2)

「戦争を辞さず」と決意表明

朝鮮半島周辺海域にF35とF18を搭載した3隻の巨大な空母が、適切な海域には原潜が展開中だ。私は力を通じた平和を求める

北朝鮮の政権はこれまでの米国の抑制を弱さと見なしてきた。決定的に誤った判断である。現政権は過去の米国とはまったく異なるのだ

米国は紛争や対立を望まないが、それから逃げはしない。米国の決意を愚かにも試してうち捨てられた数々の政権が歴史には満ちている

我々は米国と同盟国への威嚇と攻撃を許さない。米国の都市を破壊するとの脅迫を許さない。我々は史上最悪の残虐な行為がこの地で繰り返されるのを許さない。我々は身を守るためには戦うし、死も恐れない

「北朝鮮と戦おう」と世界に呼び掛け

この地に――自由で繁栄する韓国の心臓部に私が来たのは、世界の自由を愛する国々に1つのメッセージを伝えるためだ

それは、見逃す時が終わったということだ。今や力の時である。平和を求めるのなら、常に力強く立ち上がらねばならない。核による荒廃をもって脅迫する、ならず者政権の脅威に世界は寛容ではありえない

すべての責任ある国家は北朝鮮という野蛮な政権を孤立させ、いかなる形であってもそれを否定せねばならない。支持しても、与えても、受け取ってもならない

中国とロシアを含む、すべての国に呼び掛ける。国連安全保障理事会の決議を完全に履行し、北朝鮮の政権との外交関係を格下げし、貿易と技術に関わるすべての関係を断ち切らねばならない

この危険に、ともに立ち向かうことは我々の責任であり義務である。なぜなら我々が手をこまねくほどに危険は増し、選択肢が少なくなるからだ。この脅威に対し見て見ぬふりをする国は、つまり脅威をいっそう高める国は、自身の良心にこの危機の重みを問わねばならない

中国訪問(11月8―10日)を前に、ソウルから習近平主席に向け「『双中断』は受け入れない」と宣言したのだ。

さらに演説でトランプ大統領は北朝鮮の人権侵害、国際的な無法の数々を糾弾したうえ、金正恩政権を「狂信的なカルト集団」と決めつけた(トランプ大統領の韓国国会演説(1)」参照)。

■トランプ大統領の韓国国会演説(2017年11月8日)のポイント(1)

北朝鮮の人権侵害を具体的に訴え

10万人の北朝鮮人が強制収容所で強制労働させられており、そこでは拷問、飢餓、強姦、殺人が日常だ

反逆罪とされた人の孫は9歳の時から10年間、刑務所に入れられている

金正恩の過去の事績のたった1つを思い出せなかった学生は学校で殴られた

外国人を誘拐し、北朝鮮のスパイに外国語を教えさせた

神に祈ったり、宗教書を持つクリスチャンら宗教者は拘束、拷問され、しばしば処刑されている

外国人との間の子供を妊娠した北朝鮮女性は堕胎を強要されるか、あるいは生んだ赤ん坊は殺されている。中国人男性が父親の赤ん坊を取り上げられたある女性は「民族的に不純だから生かす価値がない」と言われた

北朝鮮の国際的な無法ぶりを例示

米艦「プエブロ」の乗員を拿捕し、拷問(1968年1月)

米軍のヘリコプターを繰り返し撃墜(場所は軍事境界線付近)

米偵察機(EC121)を撃墜、31人の軍人を殺害(1969年4月)

韓国を何度も襲撃し指導者の暗殺を図った(朴正煕大統領の暗殺を狙った青瓦台襲撃未遂事件は1968年1月)

韓国の艦船を攻撃した(哨戒艦「天安」撃沈事件は2010年3月)

米国人青年、ワームビア氏を拷問(同氏は2016年1月2日、北朝鮮出国の際に逮捕。2017年6月に昏睡状態で解放されたが、オハイオに帰郷して6日後に死亡)

「金正恩カルト体制」への批判

北朝鮮は狂信的なカルト集団に支配された国である。この軍事的なカルト集団の中核には、朝鮮半島を支配し韓国人を奴隷として扱う家父長的な保護者として指導者が統治することが宿命、との狂った信念がある

大統領がここまで言い切れば、金正恩政権の核保有を認めることになりかねない「対話」に米国は臨めない。

ロシア亡命もセット

米国が「中途半端な対話」を拒否し、中国もそれを暗に認めた後、北朝鮮には核を完全に放棄するか、米国の要求を拒否するかの2つの選択肢だけが残る。

まず、完全放棄のケース。9月15日以降、核実験も弾道弾の実験も控えているところから、北朝鮮は米国の強面に恐れをなしていると思われる。

ただ核を放棄すれば、核開発に邁進することで権力の正統性を維持してきた金正恩体制が揺らぐのは間違いない。この際は、金正恩一家と取り巻きのロシア亡命への保証などが必要になる。

2番目のケースは、早急な米国の軍事行動を呼ぶ可能性が極めて高い。米国や日本には時間が残されていないからだ。

このまま手をこまねいていれば、北朝鮮は近く米本土まで届くICBM(大陸間弾道弾)を完成する。弾道弾に搭載可能な核弾頭も多数、実戦配備する。すると「中ロとは核の均衡で平和を保ってきた。北朝鮮の核保有も認めるべきだ」との声が起きるだろう。

さらに北朝鮮は、発射前に探知が難しい固体式燃料の弾道弾も保有し始めた。北朝鮮の核弾道弾を地上で破壊するのが困難になるわけで北朝鮮を先制攻撃しても、米国や日本が核で反撃される可能性がグンと増す。

トランプ大統領が韓国国会での演説で「我々が手をこまねくほどに危険は増し、選択肢が少なくなる」(「『北朝鮮と戦おう』と世界に呼び掛け」の最後の項)と語ったのも、そのためだ。

「金正恩後」は共同管理

結局、北朝鮮の核問題で予想されるシナリオは2つに絞られた。金正恩政権が核を手放して崩壊するか、米国が軍事攻撃によって核・ミサイル関連施設を破壊するか、である。

ただ、明らかでないのは「その後」である。前者はもちろん、後者の場合でも「北朝鮮を誰が統治するか」という問題が残る。

空爆だけでは北の核施設を完全に破壊した確証は得られず、地上軍の派遣が必要になる。それは結局、金正恩体制の排除を意味する。

米中が「金正恩後の北朝鮮」を共同管理するとのアイデアが古典的だが、利権を持つロシアが黙っていないだろう(「米中ロがうごめく『金正恩後の北朝鮮』分割案」参照)。

1つ言えるのは米中が「双中断」で合意したとするなら「その後」でも何らかの合意をしていると思われることだ。11月9日の米中首脳会談は、それを話し合う会談だったのかもしれない。

習近平主席は特使として11月17日に、宋濤・中国共産党対外連絡部部長を北朝鮮に送る。目的は「10月に開かれた第19回党大会の結果説明」とされているが、中朝関係が悪化している中だけに、首を傾げる向きも多い。

本当の狙いは金正恩委員長に面会し、中国の姿勢変化を納得させることではないかとの観測も浮上している。

(次回に続く)

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『米国の劣化、完全復活した「新型大国関係」 北朝鮮の核を解決した後に待つ、中国中心の秩序』(11/14日経ビジネスオンライン 森永輔)について

11/16中国観察<習對朝立場巨變?朝鮮以世界級技術大量偽造人民幣 制裁無效—— 強力對朝制裁下的平壤…“耗材、電力充足無憂”  阿波羅網=習の北に対する立場が大きく変化か?北は世界トップクラスの技術で大量の人民元を偽造する 制裁は無効である 強力な制裁下にある平壤では“消耗品と電力供給は憂うことなし” アポロネット>トランプがいうには「中国の主張して来た米朝両者攻撃・演習ストップの要求を習は求めず、大きく変化した。ただ韓国が言うには、中国は制裁を依然としてしているが効果が上がっていない。吉林省に来た平壤市民が言うには、“消耗品と電力供給は憂うことなし“、毎日荷物満載の数十輌のトラックが行き来し、生産に必要な物資を運び、他には朝鮮39号室では世界トップクラスの技術で大量の人民元を偽造し、中国経済を破壊すると。家庭用電力は制限を受け、盗電が起きているとも。麻薬、偽札、偽煙草を39号室が作らせ、資金の管理をしている。北の偽札は台湾版と違い、高度で見た目では分からない。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/11/16/380109.htm%E7%BF%92%E5%B0%8D%E6%9C%9D%E7%AB%8B%E5%A0%B4%E5%B7%A8%E8%AE%8A%EF%BC%9F%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E4%BB%A5%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%B4%9A%E6%8A%80%E8%A1%93%E5%A4%A7%E9%87%8F%E5%81%BD%E9%80%A0%E4%BA%BA%E6%B0%91.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/16時事<軍事均衡崩れれば衝突も=中国の影響力拡大に警鐘-米議会報告>米国議会も気が付くのが遅いというか、ハニーと金の毒が体の至る所に回って来て、事ここに至り、遅ればせながら発表したものでしょう。今の中露の経済力を分析すれば、真の敵はすぐに分かる筈です。ロシアのGDPは中国の11.4%、米国の6.9%です。ただ核弾頭の数は米ロ拮抗していますので軍事強国ではあります。北朝鮮同様、如何に核が貧者の兵器足り得るかという事です。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017111500764&g=pol

11/15WSJ日本語版<中国か米国か? アジアの答え「いずれもノー」 TPP復活と対中包囲網としての民主主義4カ国が示す代替シナリオ

――筆者のアンドリュー・ブラウンはWSJ中国担当コラムニスト

【ハノイ】米国の避けがたい衰退が中国の強力な台頭を招く。これは分かりやすいシナリオだ。

中国の習近平国家主席が国内で権力基盤を盤石にし、海外では1兆ドル(約114兆円)を超える巨大経済圏構想「一帯一路」を推進する。「ポスト米国」時代を中国が支配するとの未来図は、確かに想像が容易になりつつある。

だが待って欲しい。アジア諸国には他の考えがある。習主席とドナルド・トランプ米大統領が先週、ベトナムで開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席している頃、最も注目すべき出来事は米中がいずれも関与していないところで起こっていた。

日本が奮い立たせたことで、環太平洋経済連携協定(TPP)の参加11カ国は新協定案で合意に近づいたのだ。これは市場保護と国有企業を優遇する中国の経済モデルに対する自由主義の代替策を提供する一方、トランプ政権が2カ国協定を推進する中で、多国間相互自由貿易の構想を推進する。

こうした展開を予想する声は少なかった。トランプ氏が大統領として本格始動して3日目にTPP離脱を表明した際、専門家の間では史上最も野心的なこの通商協定は葬られたも同然だとの見方が支配的だった。

そして、多くの時間と労力を要したTPP交渉から排除されていた中国が介入し、自ら主導する地域間通商協定で空白を埋めると多くの人が予想した。歴史的な勢力シフトが進んでいるとのさらなる証拠が必要だとしたら、これがまさしくその証拠だと思われていた。

だが、TPPは生き残った。カナダが土壇場で抵抗したことで、先週決着に持ち込むことはできなかったが、推進派は来年初めの交渉完了を視野に入れる。英国がかつて世界で指導的立場を米国に譲り渡したように、アジアでの「パックス・アメリカーナ(米国主導での平和)」が「パックス・シニカ(中国の覇権下での平和)」に道を譲るという単純化された考えに対し、TPP復活は疑問を投げかけている。

過去1週間で極めて明確になったのは、日本に加え、オーストラリアやニュージーランドなども自由貿易協定を強く支持しているということだ。「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」に名称変更された米国抜きの新協定は、これらの国がその点に関して影響力を発揮していくはずだ。

トランプ氏率いる米国が自ら居眠りし、一方で毛沢東並みの権力を掌握した習氏が新たな覇権争いに意を決しているとしても、アジア地域には代替策がある。この地域の未来の多くは、価値観を共有する国々の連合体によって形成されるだろう。これらの国は時に、米中という太平洋の両側に位置する経済大国のいずれか、または双方を受け入れるだろう。受け入れない時もあるだろう。

過去1週間に起きたアジアに関する他の大きな展開も、安倍晋三首相が率いる日本が主導した。日米にインド、オーストラリアを加えた民主主義4カ国による枠組みの復活だ。「日米豪印」当局者は先週11日にマニラで初会合を開いた。

これは米国発の取り組みのようにも見える。レックス・ティラーソン米国務長官も先月、「自由で開かれたインド太平洋」を唱えていた。しかし実際には、主張を強める中国と、それに対するトランプ政権の対応能力を巡って地域が抱える懸念から出た発想だ。

「日米豪印」グループは2007年に結成されたが、当時オーストラリアの首相を務めていたケビン・ラッド氏が最大の貿易相手国である中国の反発を招くことを警戒して抜け出し、1年後に棚上げとなった経緯がある。

キングス・カレッジ・ロンドンのハーシュ・V・パント教授(国際関係)は、オーストラリア政府の心変わりを受けて復活した日米豪印4カ国の枠組みについて、「中国の台頭と米国の不能さ」に対処するための包囲網作りだと述べる。

その両方について懸念を高めている安倍首相は、これまでも似た構想を提案しており、2012年に地滑り的勝利を収めて首相に返り咲く前には、日米豪印4カ国を結ぶ「ダイアモンド」と呼んでいた。それ以前の2007年にインド議会で行った演説では、太平洋とインド洋は「自由と繁栄の海」として「ダイナミックな結合」をもたらしていると語っていた。

疲弊して混乱した米国が、明確な意志を持つダイナミックな中国にアジアの覇権を譲り渡すとのシナリオはかなり的外れだ。

何より、米国の衰退はかなり誇張されている。ハーバード大学のジョゼフ・ナイ教授が指摘しているように、米国は依然として「4つの強み」を持つ。地理的な優位性(米国は海や同盟国に囲まれているが、中国を取り巻くのはライバル国だ)、エネルギー安全保障、貿易戦争に対する耐性の強さ、世界の基軸通貨であるドルの保有という4つだ。

また大国以外も影響力を有している。これには中国も遅ればせながら気がついたようだ。東南アジア10カ国と中国がマニラで開催した首脳会議で、中国政府は南シナ海の行動規範に関する交渉を開始することに同意した。中国が南シナ海で進める人工島の造成により、同国の台頭は決して平和的には済まないとの認識を周辺国が強く持ったためだ。

もちろん、こうした取り組みはまだ不確かだ。名称を変えたTPPが今後決裂することもあるだろう。インドやオーストラリアの強力な有権者が中国と露骨には対立しないよう求め、「ダイアモンド」が輝きを失うかもしれない。行動規範に関する協議が永遠に妥結しないこともあり得る(予備協議は10年以上も続いた)。

1つだけ言えるのは、アジア地域における覇権の構図は変化しているということだ。相対的には、中国が米国の犠牲の下に力を強めている。だが最終的な結果を予測することは無駄だ。将来を左右する勢力地図は、まだ見え始めた段階に過ぎない。>(以上)

パクスアメリカーナの次はパクスシニカにはならない、それは米国の衰退の穴を、日本が欧米の基本的価値観(人類の普遍的な理念)で以て、埋めているからと言うものです。中国に世界を指導する理念もなければ(共産主義は人権抑圧機構、儒教は批林批孔の対象だったご都合主義、孔子学院はスパイ機関)、世界言語(英語)、世界の軍事基地(港湾、空港)、海底ケーブル、世界標準(グリニッジ時間等科学技術の基準)等人類に貢献するものは何もありません。軍事力も含め、日本が強くならなければ、世界は共産中国に席巻されることになるでしょう。

11/16アノニマスポスト<トランプ大統領の最側近の一人だったバノン前首席戦略官、NHKのインタビューに「あなたたちは日本のCNNか」と皮肉>NHKの左巻、フェイク振りを揶揄されているのに、それすら気付かないNHK。民放化して新たな国営放送を作った方が良いでしょう。

https://anonymous-post.com/archives/16003

本記事は津上俊哉氏へのインタビューで構成されています。津上氏は2003年に『中国台頭』を書き、確か父が中国にいたので思い入れがあり、本人も経産省で中国大使館にいたこともあって、中国の台頭を歓迎していました。中国人の本質を分かっていないとの読後感でした。「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿」というのが中国人の本質です。さしずめ津上氏は騙されたタイプでしょう。

その本の10年後の20013年には『中国台頭の終焉』を書いていますから、やっと騙されたのに気付いたのだと思います。まあ、読む気もしないので読んでいませんが。

津上氏は「米中の対北密約、中国は米国に代わることはできない、米中が協力しての軍事行動――「あり得ない」ではなくなった」というのは正しい見たてと思いますが、「事実上のG2」というのは中国の“wishful thinking”と思います。

記事

(写真:ロイター/アフロ)


 

津上俊哉(つがみ・としや) 津上工作室の代表。1980年、東京大学法学部を卒業し、通商産業省(当時)に入省。在中国日本大使館 経済部参事官、通商政策局北東アジア課長を経て退職。2012年から現職。

津上:一つは、中国が“お土産”外交を展開し、中国式“交際術”をいかんなく発揮したことです。2500億ドルに上るお買い物リストを提示して、トランプ氏を良い気持ちにさせ、中国が望まない要求を受け入れることなく会談を終えました。

2500億ドルの商談のリストを見ても、新たに購入を決めた物品はありません。飛行機も半導体も、これまでも購入してきたものです。アラスカの天然ガス開発に中国石油化工集団(シノペックグループ) が加わることは少し目新しいですが、これとて、米中間の貿易不均衡を改善するようなものではなく、弥縫策にすぎません。

—お土産外交は、中国国内の保守派などから弱腰外交とみなされ、非難される可能性があります。そうであるにもかかわらず、お土産外交を展開できたのは、共産党大会を経て、習氏が一強体制を築くことができたからでしょうか。

津上:それは、あります。しかし、それ以上に重要な要素として、中国という国、そして中国人の心に余裕ができたことが大きいと思います。大きな経済成長を達成し、さまざまなことに肯定感をもって臨めるようになりました。これまでだったら「へつらい」と見なされていた“破格の接待”を「大国の中国はあれくらいして当然」と受け取る雰囲気も出てきました。

10月18日から開かれた中国共産党の党大会で、習氏は活動報告を行い、21世紀半ばまでに「現代化した社会主義の強国を建設する」「総合的な国力と国際影響力で世界をリードする国家になる」と語りました。よくも、ここまで自画自賛できるものだとの印象を受けました。ただ、この空気を、13億人の中国人の多くが共有している印象もあります。

—中国が大国になったことの表れですね。

津上:そう思います。

2つ目の注目点は北朝鮮の核・ミサイル問題への対応です。公表された結果から見れば、中国は、既に賛成している国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行すると繰り返しただけでした 。

この制裁を実施すればボディーブローのようにじわじわと効いてくるので、中国がコミットしたことは重要です。しかし、本当にそれだけだったら、米国側は、2500億ドルのお土産をもらっても食い足りない思いをしたのではないでしょうか。

話し合ったのはそれだけだったのか。実は、いよいよの時に北朝鮮を軍事的に成敗する方法について秘密協議を始める、という話し合いをしたのだとしても、米中は口外しないでしょう。米中が何を話し合っているのかは、今後も注視が必要です。

リーダーとしての米国が劣化している

—第3の注目点は何でしょう。

津上:米国という国の国際的役割が劣化していることがいよいよ明らかになったことです。中国に対する姿勢に加えて、米中会談に先んじて訪れた日本と韓国でのトランプ氏の言動に顕著に表れています。

中国では民主主義や人権の尊重など、米国を米国たらしめてきた価値と原則を訴えることがありませんでした。日本と韓国では北朝鮮の核・ミサイル問題にかこつけて武器を売り込んだと誇りました。米国内の忠実な支持者層にアピールする必要があるのは分かりますが、世界中がその発言を聴いているのです。これは世界のリーダー国が取るべき態度ではありません。

—2017年4月に行われた前回の米中首脳会談に続いて、今回も共同声明を発表することができませんでした。

津上:これも劣化の表れでしょう。いまだに各省庁の政治任用のポストが埋まっておらず、文書を詰めることができる人材が政権内にいないのです。危機につながるアクシデントが今のところ起こっていないからいいものの、今後再び2008年の国際金融危機のようなことが起きた時、米国はリーダーとしての役割を果たせるのか、疑問に思います。

トランプ氏が4年の任期を終えた時、世界のリーダーとしての米国の価値は、同氏の就任前とは時代を画するほどに劣化していると思います。

習近平国家主席はこれを見て、にんまりが半分、不安が半分だったのではないでしょうか。にんまりしたのは、中国が米国の役割をとって代われる部分が増えるからです。不安は、「米国がこれほどていたらくでは、世界はどうなってしまうのか」と思うから。けれど同時に、「中国がますますしっかりして、国際的な責任を担っていかなければ」とも思っているでしょう。

中国が米国に取って代わることはできない

中国の一部にはこうした状況を見て、ほくそ笑む人もいます。米国が「オレさま」的に世界を牛耳る従来の体制が崩れ、他の国々の声をもっと“民主的”に聞く多元化体制ができると思っているからです。その中心に中国がいる世界を思い描く。

私はこうした人々を見て、なんと浅はかなと思います。米国の劣化は米国の問題にとどまりません。世界の公共財、世界のインフラの劣化なのです。中国やロシアも時間が経つにつれ、「こんなはずではなかった」と思い知ることになるでしょう。

いまの中国は米国にとって代われるのか。現状のそこここに不満はあっても、代案と呼べるような体系を持ち合わせてはいないのです。トランプ的な人たちにも共通する問題ですが、代案もなしに現行秩序を否定する、壊そうとするのは愚かな行いです。

中国は、在韓米軍によるTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)配備を韓国が認めたとき、ロッテいじめに走りました。これは中国の口と腹とが異なることを示す事例の最たるものだと思います。

中国は、自分の言うことを聞く者にはけっこう気前がよい。しかし、その逆も真なりで、皇帝が機嫌を損ねると、朝貢国に下賜したものを取り上げるようなことをするのです。

THAADのために用地を提供したロッテが、不買に遭い、店舗閉鎖に追い込まれたり、韓国を訪れる中国観光客がガタ減りしたりしました 。こうした行為はWTO(世界貿易機関) の理念の根幹に抵触する行いだったと思います。加盟国は相手国の市場へのアクセスをお互いに認め合う約束をしているのであって、この約束を、ある国から一方的に取り上げてはならないのです。

中国は「政府がやらせたものではない。国民感情に端を発した自然発生的なもの」と反論するかもしれませんが、本当に国民全体がそんな振る舞いをするなら、中国はWTOに加盟する資格がありません 。

日米は中国の韓国イジメを黙認した

この件については、日本と米国も大失態を侵しました。中国の韓国イジメを傍観して、韓国が中国の力に屈服する結果を招いてしまったからです。

本来なら、世界中の国が口々に「通商・経済的利益を人質にとって、こういう『力による強制』を行うことはあってはならない」と批判するべきでした。日米だけが抗議すると、「腹にイチモツある国が中国悪魔論をたきつけている」と勘違いされてしまいます。しかし、多くの国が抗議に参加すれば、中国も「評判が落ちて孤立しかけている」と、過ちに気付くでしょう。

日本人の中には中国の力の行使に苦しむ韓国を見て、「ざまみろ」と思った人が少なからずいた気がします。それでは「熊さん、八さん」のレベルです。

—2010年に中国漁船衝突事件が起きた後、レアアースの日本向け輸出が滞ることがありましたね。あのときは日本の産業界も難渋しました 。

津上:そうです。

ここで誤りを認めさせなければ、中国はこれからも事あるごとに同じ振る舞いをするでしょう。習氏は「自由貿易」を標榜していますが、世界の側が「中国を怒らせたら、何をされるか分からない」という不安に付きまとわれていたら、「自由貿易」は成り立ちません。関税引き下げや外国投資開放の「約束」も、そういう状況では意味をなさないのです。

ロッテに対する中国の態度は、ある意味で中国の伝統です。第2次世界大戦前、力が弱かった時代の中国も、同様の行動に出ました。日貨排斥(ボイコット)がそれです。当時の中国民衆には、それしか抵抗の手段がなかったのです。しかし、大国となり、他国を強要(coerce)する力を持つようになった今も、過去からの惰性で同じ態度を取り続けている。

米国が主導する体制が崩れた世界は「第一次グローバリゼーション」時代と言われる20世紀初頭と同じ様相を呈することになるかもしれません。グローバル化が進み、格差が広がった。その後の世界は、大恐慌を挟んで、ヒトラーの台頭、日独伊三国同盟、第2次世界大戦への歩みを進めました。

新しい秩序が整っていないにもかかわらず、現在の秩序を壊すようなことはしてはならないのです。

AIIBだけ見ていても一帯一路構想は理解できない

—米中首脳会談から、2期目に入った習政権の外交ドクトリンを読み取ることはできますか。

津上:今のところ、見えていません。2018年の動きを継続的に見ていくことが必要になるでしょう。

これまで中国は、5年に1度の党大会や、年に1度の全国人民代表大会(全人代、日本の国会に相当)といった節目、節目で大きな政策を明らかにしてきました。しかし、習政権はこのサイクルにこだわらずに政策を発表しています。例えば、「一体一路」構想はその一つです。この結果、10月の党大会は、21世紀中葉をにらんだ「夢」以外に中身のないものになりました。具体的な政策は新味のない発表済みのものが大半だったのです。

サイクルにこだわらない方針に変わったことを割り引く必要がありますが、そうだとしても、経済でも外交でも、来年以降早めに新しい政策を打ち上げないと、政権運営に停滞感が出てきてしまうでしょう。

一体一路構想だけではもたないと思います。この構想は国際社会から注目を集めましたが、課題が山積しています。シルクロードの沿道には儲かる案件が数多くあるわけではありません。放漫投資をしたら、不良債権が積み上がる恐れがあります。

—一体一路構想の実行機関であるアジアインフラ投資銀行(AIIB)も慎重になっているようですね。世界銀行やアジア開発銀行との協調融資が多い。

津上:AIIBについては誤解があります。一体一路構想の中心的実行機関は、実は国家開発銀行 や中国輸出入銀行 なのです。これらの機関は、中国政府が一体一路構想を発表する前から関係する投融資を実行してきた“横綱”です。これらに比べれば、AIIBやシルクロード基金などの新設機関は“平幕力士”にすぎません。AIIBは国際協調をうたうことで“横綱”との差別化を図ろうとしている“新顔”であり、AIIB=一体一路構想では決してありません。

日本はAIIBにばかり警戒の目を向けて、主役である国家開発銀行などの事業についてはノーマーク…。いつになったらこのバイアスがはずれるのでしょう。このままでは、一体一路構想の実態を見誤りかねません。

ちなみに、米国でも、財務省などは最近、国際協調を目指すAIIBの姿勢を理解するようになりました。このため、AIIBに加盟はしなくても、共存共栄の道を歩もうとしているようです。

「新型大国関係」は完全復活

—米国との「新型大国関係」はどうなったのでしょう。今回の首脳会談に関する報道でも、この表現をみる機会はあまりありませんでした。

津上:いやいや、今回「新型大国関係」は完全復活しました。トランプ大統領との共同記者会見において、習氏はこう語りました。「主権や領土の保全についてはお互いに尊重すべき」「発展モデルに関する考え方の違いを尊重すべき(中国には中国のやり方がある)」「太平洋は米中両国を収めるのに十分な大きさがある」「米中両大国は国際社会の発展と維持に大きな責任を負っている」

習氏が2013年にぶち上げた新型大国関係の趣旨そのままです。「米中で世界を仕切るなんて何事だ」と第三国から非難されていたので、しばらく引っ込めていましたが、完全復活させました。

—これから米国に同意を求めていくのでしょうか。

津上:米国の合意がなくても、実態がそうなっているというのが中国の受け取り方です。

北朝鮮への対応はその典型例です。中国は「中国なしで米国は何もできない。だから、協力しましょう。その代わり、中国を尊重すべき」と考えているのです。

習氏だけでなく、中国の多くの外交専門家も「新型大国関係は事実上、出来上がっている」と自信を強めています。先ほど、13億人の中国人の多くが空気を共有しているとお話しました。それと相通じる話です。

北朝鮮が先に手を出せば、中国は味方しない

—北朝鮮をめぐる政策に関して、米中首脳会談から読み取れることはありますか。先ほど「米国は食い足りないと思っているかもしれない」と指摘されました。

津上:国連安保理決議を受けて、北朝鮮への原油輸出量を現状で凍結することが決まりました 。石油精製品の輸出についても、年間20万バレルとのキャップを設けた。これが長く続けば、ボディーブローのように効いてきます。

私は、米国と中国がいま、北朝鮮に対するある認識を共有していると考えています。北朝鮮が越えてはならない一線を越えた時、米国は軍事行動に出るでしょう。中国は米国のその覚悟を認識しているし、一線を越えた北朝鮮にもう味方しない、という認識です。

—越えてはならない一線とは、どういうものですか。

グアムに向けたミサイルの発射実験や、地表での核実験などです。

例えば朝鮮人民軍の軍司令官がこの8月、中距離弾道ミサイル4発をグアム周辺に向けて打つ計画を検討していると脅しをかけました。これに対して中国共産党のプロパガンダ紙である環球時報は社説で、「これが原因で北朝鮮が米国から攻撃を受けても、中国は中朝友好協力相互援助条約の義務を履行しない(北朝鮮に味方しない。自業自得である)」との意見を表明しました。

また最近、米海軍で太平洋軍の司令官を務め、その後、オバマ政権で国家情報長官を務めたデニス・ブレア氏が次の意見を明らかにしました 。「北朝鮮が核弾頭を搭載したミサイルを発射し、これを太平洋上で爆発させたら、米韓両軍は大量の報復攻撃をする」。グアムやハワイに被害が及ばなくても、地下実験と地表での実験ではインパクトが違うということですね。

どちらの例も「次のステップに進むな」と米中が口を揃えて北朝鮮に警告を発していると見ることができます。最近1カ月と少しの間、北朝鮮の挑発行為がやんでいます。これは、米国と中国が認識を共有していることを察知して、北朝鮮が「本当に攻撃されるかもしれない」と恐れ、自重しているからかもしれません。

北朝鮮は「英霊」の血であがなった地

津上:習近平政権になって、中国が北朝鮮政策を転換したのは明らかです。同氏はいい意味で、この問題に関するリビジョニストで、北朝鮮は「英霊の血であがなった地」という伝統的な考えに立っていません。

—それは、どういうことですか。

津上:中国はこれまで、「なぜこれほどお人好しなのか」と思えるほどに、北朝鮮のわがままを許してきました。私はその理由が、北朝鮮が「中国人の英霊の血を捧げた地」だからだと考えています。中国は朝鮮戦争の時、義勇軍を立ち上げて北朝鮮に味方し、何十万人もの戦死者を出しました。それだけの犠牲を払った北朝鮮が、中国に仇をなす国になってしまったという話は聴くに堪えないという人が大勢いるのです。

日本も同様の経験をしています。例えば、日露戦争で手に入れた南満州鉄道の取り扱い。日本は米国のユダヤ資本に国債を購入してもらい戦費を賄いました。この過程で、満鉄を米国資本との共同経営にするという約束をしていました。しかし戦後、「日本人の血であがなった満鉄の経営に米国が介入するのか」という批判を恐れて、けっきょく、日本はこの約束を反故にしました。第2次世界大戦につながる米国との対立はこの時に種が蒔かれたのです。

血であがなった地に固執するのは日本に特有の現象かと思っていたら、そうではないようです。中国語にも同じ「英霊」という言葉があります。

ただし、リビジョニストである習氏は、こうした考え方にとらわれない。トップの姿勢の変化は、中国の今後の北朝鮮政策を占う上で非常に重要だと考えます。その一つの表れとして、いま中国では、北朝鮮批判についてはメディアに言論の自由が認められています。何を書いてもかまわない情況です。

北朝鮮もこの変化を意識しており、習氏を敵視しています。そして習政権が、金正恩委員長を追い出し金正男氏に取って代えようとしていると疑ったからこそ、正男氏を亡き者にした。

米中が協力しての軍事行動――「あり得ない」ではなくなった

津上:米中が協力し、北朝鮮を南北から挟み撃ちにする――。5年前までは、そんなことはあり得ないと言われたでしょう。しかし今は「あり得ない」では片付けられない状況に至っています。もちろん簡単なことではありませんが。

これまで、北朝鮮から中国に難民が大量に押し寄せるから、中国は軍事行動をしないとの見方がありました。しかし、人民解放軍は、難民対策を既に考えていると思います。中朝の国境沿いに展開している15万人を北朝鮮内に派遣し、国境沿いにキャンプを作り食物や生活物資を供給することで、越境させないようにする。ドローンを飛ばし国境線の監視の目を強化するでしょう。

また、中国は「北朝鮮という緩衝地帯を失うことを懸念して、米国とは協力しない」という見方も絶対的なものではなくなりつつあります。米国の雰囲気も変わってきています。識者の中に「中国が、緩衝地帯を失うことを恐れて北朝鮮の核・ミサイル問題に真剣に取り組まないのであれば、在韓米軍の撤退を交渉材料にすればよい」という意見が出始めました。もちろん簡単なことではありません。しかし、緩衝地帯問題を交渉の材料とすることが可能になれば、これを理由に「軍事行動はあり得ない」とすることはできません。THAADについても同様に交渉材料とすることできるでしょう。

中朝の国境近くにある核実験場、豊渓里(プンゲリ) の扱いが米中の軍事協力を促す可能性もあります。例えば米国が単独での軍事行動を決めたとします。当然、豊渓里も叩くことになります。豊渓里には地下施設があるので、巨大な破壊力を持つバンカーバスターを使用する可能性があるでしょう。実は中国東北区の住民は豊渓里から核物質が飛来することを非常に恐れています。なので、米軍による豊渓里攻撃に強く反対する。米国は「ならば、豊渓里は中国が何とかしてくれ」と協力を持ちかけることが考えられます。

米国とこのような協力をすることは、中国にとってリスクであると同時に大きなチャンスでもある話です。「新型大国関係」づくりを完成させられるからです。北朝鮮の核・ミサイルという世界最大のリスクを米中が協力して解決して、米国に大きな貸しを作ることができる。米国は「東アジアのことは中国の意向を尊重する」という姿勢に転じざるを得ないでしょう。在韓米軍が事実上撤退ないし大幅縮小する可能性もありますし。

ただし、米中の協力があり得ないものでなくなっても、ネックとなる大きな問題が残っています。核・ミサイル問題を解決した後の朝鮮半島をどのような政権が統治するかです。この問題の解法が見えないと、中国はなかなか動けないと思います。

核問題解決しても、待つのは中国の勢力拡大

津上:今後の展開として最も可能性が高いのは「膠着状態」でしょう。

先ほど指摘したように、北朝鮮は大気圏内での核実験などはできません。米国に攻撃されますから。しかし、核弾頭の数を着々と増やしていく。

交渉も実現しない。仮に北朝鮮が交渉のテーブルに着いたとしても、北朝鮮は「核保有強国として認めよ」「在韓米軍を撤退させろ」しか言わず、進展しない。

ただし北朝鮮が核兵器を使用したら、その時は北朝鮮が終わる。

こんな、すっきりしない情況のまま時間が進んでいく。

—膠着状態の中で北朝鮮はどのような態度を取るでしょうか。

津上:北朝鮮は「主体」思想に基づき改革開放路線を取る――と期待する向きがあります。しかし、北朝鮮がこの路線を進めるためには、国連決議に基づく制裁がネックになります。ここで、どのような交渉をするのか。「200ある核弾頭を100に減らす」という交渉はできるかもしれませんが、核兵器を放棄させることはできないでしょう。

その一方で、北朝鮮が核兵器を拡散させることを懸念する見方もあります。北朝鮮は、大枚はたいて核兵器を開発したのだから、その投資を回収したいと考える、というわけです。

北朝鮮が核兵器を拡散させるのをとめることは容易ではありません。今でも、中国は北朝鮮にやりたい放題やられています。麻薬、覚醒剤、偽札――。これらも、中国民衆が北朝鮮を嫌う原因になっています。

北朝鮮が核兵器の拡散に進んだ場合、米中は“最終解決”を図るべく、密接な協力をすることになるでしょう。

日本は核の威嚇の下で暮らしていかなくてはなりません。

仮に中国の協力を得て、核・ミサイル問題を解決できたとしても、晴れ晴れとした世界が戻ってくるわけではありません。その時の東アジアは中国の力が大きく高まり、新型大国関係の秩序が支配する世界になるからです。日本を巡る「地政学」は塗り変わってしまう。

米国も日本も、北朝鮮の核・ミサイル問題を今日まで放置してきたことのツケを払わなければなりません。

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『トランプはアジア歴訪で中国の取り込みに失敗した!元駐韓大使が解説』(11/14ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

11/15ZAKZAK<トランプ氏、正恩氏に亡命促す? 異例ツイートで“真意”注目、識者「行き着く先はロシアのプーチン大統領」>中国の北朝鮮への特使派遣と足並みを揃えたトランプのツイートでしょう。でも17日に金正恩が中国の特使と会わないか、邪険にして追い返す可能性もありますが。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/171115/soc1711150004-n1.html?ownedref=not%20set_not%20set_newsList

武藤氏記事はメデイアの報道だけで知り得た範囲での話でしょう。外務省経由で話が入っているとも思えませんし、機微に触れる話は公開できないでしょうから。外形上は中国を抑えきれなかったとの論評になるのは仕方がありません。大型商談に目を眩まされたとも。でも、中国に北の問題を解決させようとしているのですから、実現させるまで中国に厳しい態度は取れないでしょう。金正恩政権打倒の密約は公開しないから密約足りうる訳で。習も江派+瀋陽軍閥+金王朝は打倒したいと願っているでしょうから。もし、期待通りに習が動かなければ、丹東銀行以外に金融制裁をかけるようにするとトランプは脅したのでは。まあ、何が正しいかは正直分かりません。推測の域を出ませんが、北の非核化と攻撃型ミサイルの廃棄は実現してほしいと思っています。金正恩のロシア亡命or人民軍のクーデターで打倒されるかで、戦争が起きないことがベストですが、それが叶わないのであれば、日本の脅威除去の意味で、戦争も止む無しかと。

11/15産経ニュース<中国が北朝鮮へ特使 米朝対話の道筋模索? 中朝関係改善のシグナルか>これは前述の通り、トランプ・習会談で決めたシナリオでは。中国は党大会後の定例報告と言っていますが、最後通告となるのでは。『核もミサイルも放棄しなければ、米国は戦争するつもりだ。中国は助けられない』と。このタイミングでの特使派遣はやはりクリスマス休暇を利用したNEO実施後の年明け早々の米軍による攻撃開始かと思ってしまいます。

http://www.sankei.com/world/news/171115/wor1711150033-n1.html

11/14CNN<米司法長官、クリントン財団の捜査検討を指示>トランプのロシア疑惑より、ウラニュウムワン疑惑の方が問題としては大きいし、モラー特別捜査官がFBI長官時代にクリントンンに手心を加えた話もあります。売国奴はクリントン夫婦でしょう。もっと米国メデイアは大騒ぎすべきでしょうに。

https://www.cnn.co.jp/usa/35110401.html

11/16朝日新聞デジタル<維新・足立議員「石破氏らは犯罪者」「朝日報道は捏造」>日本も同じでメデイアが「報道しない自由」を行使して、隠蔽を図っても、ツイートで「朝日死ね」とまで言われたら報道せざるを得なくなったと言う所でしょう。朝日は共産党議員と石破に「論証せず発言「いかがか」」と発言させていますが、正しくモリカケ問題がそうでしょう。挙証責任は糾弾する側にあるのに、証拠も示さず、加戸前知事の発言を無視して、「忖度」したとかでっち上げ、内閣の信用を貶める工作をずっとして来ました。憲法改正を何としてでも改正させないためです。朝日新聞の読者も少しは自分の頭で考えることをしたらどうですか?

http://www.asahi.com/articles/ASKCH52L5KCHUTIL029.html

記事

中国で握手を交わす米トランプ大統領と中国の習近平国家主席 Photo:AFP/AFLO

11月5日から、日本、韓国、中国を相次いで訪問、APECやASEAN首脳会議にも出席した米トランプ大統領。アジア歴訪の最大の狙いは、中国の取り込みだった。しかし、結果を見る限り中国は姿勢を変えておらず、失敗したと言えそうだ。

米トランプ大統領のアジア歴訪は、11月5〜7日の日本訪問に始まり、7〜8日に韓国、8〜10日に中国を回った後、10〜12日にベトナムで開かれたAPEC首脳会議に出席、12〜14日にはフィリピンで開かれたASEAN首脳会議に出席するなど、実に精力的であった。

日本政府内では、冬に入って国際社会からの制裁の影響が大きくなり始めると、それに伴って北朝鮮が対外的な強硬姿勢を強めるのではないかとの見方が多い。今後、北朝鮮の核ミサイル開発が進めば、米国も決断を迫られることになり、米朝間で緊張が高まる可能性がある。

そうした状況にあって、トランプ大統領としては、北朝鮮問題をめぐって日米韓の連携を強化した後、中国の取り込みを目指したのであろう。だが、結論を先に述べると、中国との間で北朝鮮包囲網の強化こそ同意できたものの、中国の基本的なスタンスを変えるまでには至らなかった。

したがって、北朝鮮に対する今後の対応は、より難しい選択が迫られることになったと言えるかもしれない。

軍事的なオプションの内容についても議論

それではまず、トランプ大統領が訪問した各国での状況を見ていこう。

まずは日本。「軍事オプションを含むあらゆる選択肢がテーブルの上にある」と述べるトランプ大統領を、安倍晋三首相は100%支持するなど、北朝鮮への対応にあたって日米間では大きな違いはない。今回の会談でも、「北朝鮮に最大限の圧力をかける」「日米韓の連携を図る」「中国に対応を働きかける」といった方針を確認している。

安倍首相は、今回の訪日にあたって、少人数で話し合える場をできるだけ増やすよう指示していた。その結果、首脳会談以外にもゴルフや食事会として4回、自動車の中でも会談するなど、緊密な協議が行われた。

ゴルフ場の会談で、トランプ大統領が、北朝鮮問題は「解決する、解決するまでやる」と言ったのは本音を語ったのであろう。これを受けた6日の晩さん会後、安倍首相は「トランプ大統領が北朝鮮にどう対処しようとしているのか、だいぶ見えた感じがする」と述べている。

特に日本として知りたいのは、米国が軍事行動に踏み切るのか、その場合どのようなオプションがあるかであった。共同記者会見で軍事行動を仮定した質問も出たが、トランプ大統領は明確には答えず、日本政府関係者も「具体的なやり取りは控えたい」と述べるにとどめている。

しかし、日本経済新聞によれば、日米外交筋は議論したことを認めている。また、マクマスター大統領補佐官も「同盟国との間で軍事的な努力の可能性を話さないのは無責任」だとしている。他方、有事の際に在韓邦人を退避させる方策については、今回の会談では出なかったものの、水面下では具体的に話し合っているという。

今回、トランプ大統領は拉致被害者家族とも面会した。拉致問題は、核ミサイル問題と同時に、包括的に解決しなければならない問題だ。国際社会の関心が北朝鮮の核ミサイル問題に集中している中で、今回の面会を通じて拉致問題の重要性について訴えることができたことは重要なポイントと言える。

訪韓前に中国と連携強化する文政権は「信頼できない友人」

次にトランプ大統領が訪れた韓国では、連携こそ何とか保つことができたものの、立場の違いも残った。

米韓両国の首脳は、北朝鮮が自ら核を放棄し、真摯な対話に応じるまで最大限の制裁と圧力を加える方針を再確認。トランプ大統領は、「北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決を目指す方針で一致」したと述べ、「米国と同盟国の防衛のために必要なら、比類なき軍事力を最大限活用する用意がある」と語った。

トランプ大統領は韓国の国会演説で、「朝鮮戦争後の再興で、韓国は偉大な国の一つに成長した」とたたえる一方、北朝鮮は「誰も住むに値しない『地獄』だ、『カルト国家』だ」と酷評している。そして、「核で脅迫する、ならず者政権に世界は寛容ではいられない」「力による平和を求めていく」「われわれを甘く見るな。われわれを試そうとするな」と軍事行動も辞さない立場を明らかにしている。

また、「北朝鮮の残酷な政権を孤立させるため、責任ある全ての国々が力を結集させなければならない」「いかなる形でも北朝鮮を支援してはいけない」として国際的な連携を求めている。

ただ、トランプ大統領は「北朝鮮にとっては対話の席につき、取引をするのが道理だ」と「対話」に含みを持たせるなど、韓国側にも一定の配慮を示した。これは、韓国との“結束”を演出する意図があったものと思われる。

というのも、トランプ大統領の訪韓に先立つ10月31日、韓国は中国との関係改善で合意しているからだ。

この中で韓国は、THAAD(地上配備型迎撃ミサイル)については北朝鮮の弾道ミサイル迎撃が目的であって、第三国を狙ったものではなく、中国の安保を脅かすものではないとの立場を示し、中国もこれを留意した。

中国にとってみれば、トランプ大統領の歴訪前に、「平和解決路線」で一致する韓国との“連携”を演出したかったのであろう。事実、中国側の発表では、韓国から「米国のミサイル防衛システムに加わらない」「韓米日の安保協力を軍事同盟に発展させない」「THAADの追加配備をしない」との立場表明があったとしている。

米国は、このような内容で中国との関係改善に動いた文在寅政権に対する不信感をぬぐい切れてはいない。三つの「ノー」に対する懸念を持っているものの、過剰反応によって北朝鮮や中国を利する事態を避けたいとの思惑から、表立った反応は示していないのであろう。

しかし、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙は、文大統領について「信頼できない友人」であり、最近の言動を見る限り米国の政策に逆行していると批判している。

トランプ大統領を招いての公式晩さん会には、日本に対して公式謝罪と法的賠償を求めるなど、厳しい主張で知られる元慰安婦の李容洙氏が招待された。また、領有権をめぐって日韓が争っている竹島(韓国では独島と呼んでいる)で採れた「独島エビ」使ったチャプチェも出された。

日本政府は、慰安婦については「適切でない」と強く抗議、独島エビについても「受け入れられない」と反発した。河野太郎外相も、APECで韓国側出席者に抗議した。これに対し、韓国外交部報道官は「問題提起するのは適切ではない」と一蹴した。

こうした晩さん会の趣向は、外交部と相談せず、大統領府の独断で行ったものだったようだ。外交部の林聖男(イム・ソンナム)第1次官は国会に呼ばれ、「このようなメニューが問題になるとは予想しなかった」と答弁している。TPOをわきまえず、このような不思議な行動をとることは以前にもあったが、現在の韓国の政権中枢部は特に革新思想に染まった人々が多く、そうした人々がこのような問題を起こすのだろう。

また、トランプ大統領の訪韓中、大規模な反米集会が行われたが、これは220以上の革新系市民団体が共催するものであり、北朝鮮の意向に沿ったものである。

 中国の姿勢を変えることできず「習近平国家主席は強かった」

韓国の次に訪れたのは中国。米中首脳会談は、中国共産党大会が終了して最初の首脳会談である。

中国は、北朝鮮が核を持つことは中国にとっても危険であるばかりか、核ドミノにつながりかねない、日米韓を結束させ中国の外交にとってマイナスであるといったさまざまな理由から好ましく思っていなかった。このため、共産党大会以降、北朝鮮に対してどのような姿勢で臨むのか世界的に注目されており、今後の北朝鮮問題を占う大きな分水嶺になると考えられていた。

そうした中で開かれた米中首脳会談では、北朝鮮への圧力を継続して核兵器を放棄させ、完全非核化する方針で一致した。一方で、習国家主席は、「国連制裁を引き続き全面履行する」「北朝鮮籍を持つ人の銀行口座規制や、中朝間の交易を制限する」と言いつつも、「問題は対話によって解決すべきである」「制裁の効果が出るには少し時間がかかるが、北朝鮮は制裁の痛みを十分に感じている」と主張した。

これに対し、トランプ大統領は「時間は少ない。早く行動せねばならない」と反論したが、中国は耳を貸さなかった。その結果、米中両国は、国連制裁決議を含めた制裁を強化することで当面は同じ方向を見て進むことになりそうだが、外交関係者の多くは、いくら制裁を強化しても北朝鮮は核ミサイルを放棄しないと見ており、いずれ北朝鮮がICBM(大陸間弾道ミサイル)を実戦配備したタイミングなどで溝が露呈するのではないかと見ている。

また、日経新聞によれば、複数の外交筋の言葉として、中国は金正恩政権後など北朝鮮の「将来シナリオ」について、米側と協議することを拒み続けているようである。北朝鮮の耳に入り、暴発するのを恐れているからだ。中国が北朝鮮情勢に対し肯定的な役割を果たすためにはこうした議論は不可欠であり、可及的速やかに議論を開始してほしい。

こうした状況もあって、トランプ大統領は28兆円もの商談がまとまったにもかかわらず、終始、仏長面だったという。習国家主席の演説では腕を組み、同氏をにらみつける場面もあり、会談での激しいやり取りをうかがわせた。

中国でのもてなしは、世界遺産の故宮を貸し切っての「超国賓」級のものであった。トランプ大統領も、会談前日は終始上機嫌でツィッターにも投稿していたが、中国はこうしたもてなしにたけていることを理解すべきであった。ワシントンポスト紙は、「トランプ大統領は中国から譲歩を引き出したいと望んでいたが、共産党大会を経て権力基盤を固めた習国家主席は強かった」と報じている。

中国が変わらなければ制裁をさらに強化するしかない

トランプ大統領のアジア歴訪を受け、北朝鮮問題は今後どうなるのかと言えば、事態はますます流動的になったと思わざるを得ない。

北朝鮮は、石炭増産や電力供給量の拡大など、自給自足に力を入れている。金正恩委員長も、9月からは農場や生産現場に足を運ぶ姿が相次ぎ伝えられている。しかし、「自立経済」の強化は、制裁を覚悟で核開発を進める意思の表れでもある。現にサイバー攻撃を多用するなど、核・ミサイル開発資金の確保に躍起となっている。

北朝鮮はこの50日間ほど核・ミサイルによる挑発は控えているが、それは米軍の朝鮮半島集結など北朝鮮にとって危険な状態が続いているからであり、今後は核ミサイル実験を強化しても不思議ではない。

北朝鮮の「労働新聞」は、「核・ミサイル開発が最終完成のための目標が達成された段階であるとし、非核化など夢にも考えるな」と述べており、いくら国際社会が制裁による国際的な包囲網を強化しても、北朝鮮は核ミサイルを放棄しないだろうと、多くの外交筋は見ている。

これに対し米国は11〜14日、朝鮮半島近海で、原子力空母「ロナルド・レーガン」「セオドア・ルーズベルト」「ニミッツ」3隻による米韓・日米合同演習を行う。米国NBCテレビは、「戦争せずに降伏するか、戦争して降伏するかの選択しかないとのメッセージを送るため」との政府筋の解釈を伝えている。

だが、今後も中国の対応に変化がなければ、当面の間できることは、北朝鮮に対する経済制裁を確実に履行してさらに強化する、もしくはAPECやASEAN首脳会議のような「国際会議の場」を活用して北朝鮮包囲網をさらに狭めていくことしかないのではなかろうか。

その間に、北朝鮮国内で政権に変化が起きればいいのだが。

(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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