『トランプ大統領の「クリスマスプレゼント」 約30年ぶりの税制改革は政権浮揚につながるか?』(12/22日経ビジネスオンライン 篠原匡)、『話題づくりに腐心するプーチン再選戦略 実質4期目、ビジョン曖昧で有権者はマンネリ気味』(12/22日経ビジネスオンライン 池田元博)について

12/22大前研一氏メルマガで「▼米税制改正の影響は極めて大。2.5兆ドルが米国に戻る可能性

与党共和党指導部は13日、上下両院の一本化へ向け協議していた連邦法人税率について、21%に引き下げる案で大筋合意しました。両院とも20%に引き下げる案でそれぞれ可決していましたが、実施時期を2018年で統一する一方、税収減を懸念する議員を配慮し、減税幅を1%縮小したもので、週明け早々にも上下両院で採決する見通しです。

おそらく今年中にはトランプ大統領がサインをして成立する予定です。共和党としてはこれでトランプ大統領の役割は終わりと考え、後は決別してもいいという気持ちだと思いますが、これは極めて重要な案件です。

連邦法人税率を21%に引き下げるということですが、実際には各州税が加わるため、20%台後半の税率になります。また個人所得税については、最高税率が39.6%→37%に引き下げられます。こちらは、あまり効果を期待できないでしょう。

一方、大きな影響を期待できるのが、海外子会社からの配当課税の廃止です。これにより、企業は海外留保資金を米国に戻しやすくなります。これは非常に影響力が大きく、うまくすれば、海外に置いている2.5兆ドル規模の資金が米国に戻ってくる可能性があり、米国は「お金でジャブジャブ」状態と言えるレベルになるでしょう。

この政策が実施されると、米国はクリントン政権の後期のように、盆と正月が一緒に来たような状態になるかもしれません。米国経済は株価も上がり、さらに海外からの資金も流入してくる可能性があり、

日本経済への影響も極めて大きいものになると私は見ています。

トランプ大統領に弾劾を乗り切る能力はない

ザ・エコノミストは13日、「ロシアゲート、厄介なシナリオ」と題する記事を掲載しました。大統領選当時のトランプ陣営幹部らが出版した回顧録からは、陣営の混乱状況とことごとくルールを破る厚かましさが見て取れると指摘。現在捜査を進めているモラー特別検察官がコミー氏解任による司法妨害の罪をあげたとしても、おそらくトランプ氏はニクソン氏のようには辞任せず、議会もトランプ氏を追い落とすには分断されすぎているとしています。

私は少し異なる意見を持っています。共和党は完全に分裂しており、トランプ大統領を支持するのはわずか10%程度です。大統領の弾劾の可能性も大いにあると思います。そして、もしトランプ大統領が弾劾される立場になったとき、彼の言語能力ではその状況に耐えられないと見ています。

トランプ大統領の発言を見ていると、文章は短く、バラバラでしかモノが言えない人だと感じます。弾劾される立場になって厳しい問答に1時間も2時間も耐えられるとは思いません。クリントン元大統領、ニクソン元大統領とも違います。その意味でも、トランプ大統領が辞任する可能性は大いにあると思います。ただ、トランプ大統領が辞任したとしてもトランプファミリーにとっては何も痛いところはないでしょう。大統領を何年務め上げたかは関係なく、元大統領という経験と肩書きがあれば十分でしょう。

プーチン大統領とメドベージェフの役割と関係性

ロシアのヤマル半島に設置したプラントで8日、液化天然ガス(LNG)の生産が始まり初出荷に合わせた記念式典が開かれました。これは、ロシア天然ガス大手・ノバテクを中心に、総額約3兆円を投じて進められるプロジェクトでこれによりロシアは従来のパイプラインによる輸出だけでなく、北極海航路を利用したアジアや欧州向けのLNG輸出を拡大したい考えとのことです。

このヤマル半島というのは、現地ネネツ語で「ヤ(世界)マル(終わり)=最果て」の意味を持つ、非常に気候条件が厳しい地域です。1年のうち約8ヶ月は冬で、氷点下60度まで気温が下がります。一方、夏にあると30度まで気温が上がり永久凍土が溶け、蚊や虻が大量発生するという地域です。天然ガスの埋蔵量は世界有数の地域として有名です。

ロシアはこのヤマル半島に港をつくる計画を立てています。一般的に天然ガスはパイプライン経由で輸送されますが、今回の計画は、天然ガスを液化してLNG船で輸送するというものです。液化した天然ガスをのせたLNG船で、北極海を通じて日本や中国に運ぶという壮大な計画です。

この日、プーチン大統領は3箇所の異なる場所に顔を出して、挨拶・演説をしていました。ヤマル半島という寒い場所にも赴いて、達者な人だと感じました。

そのプーチン大統領は、2018年3月に予定される次期大統領選挙への出馬を表明しました。自動車企業の従業員らとの会合で、参加者からの立候補の要請に応える形で明らかにしたもので、再選され任期満了の24年まで務めれば約四半世紀にわたってトップに君臨することになります。

プーチン大統領は2000年に大統領に就任し、一度首相を経て、また大統領に就任しました。その間に大統領の任期を6年に延ばし、6年×2期=12年できる体制を確立しています。

プーチン大統領に対するロシア国内の支持率は、約80%です。ロシア国民の政府に対する不満は高いのですが、その不満はメドベージェフ首相に向けられていて、プーチン大統領には影響していません。

政府の代表はメドベージェフ首相であり、政府に対する不満は首相に向けられるようになっているのです。この構図は中国も全く同じです。習近平は総書記であり、中国政府に対する不満は国務院総理である李克強に向けられます。私は以前、「李克強がメドベージェフ化した」と説明したことがありますが、まさにこの構図のことを指しています。

それにしても、メドベージェフ首相をおとしめて、プーチン大統領は安全な立場で信任を得ているという、このイカサマのロジックにロシア国民は気づいていないのでしょうか?おそらくロシア国民は、みんな気づいていると私は思います。

それでも、今のロシアから強力なリーダーシップを発揮するプーチン大統領がいなくなってしまうと、

米国や欧州からも馬鹿にされてしまうので、どうしようもないと感じているのだと思います。

すなわち、プーチン大統領は「必要悪」であり、強いロシアを作るためには必要な人物だと認められているということです。

日本にとってみれば、プーチン大統領の再任はチャンスです。プーチン大統領は親日派です。一方のメドベージェフ首相は日本を好きではありません。プーチン大統領が再任されたとして、任期は6年です。日本としては、その6年間でロシアとの問題を解決しないと、さらに厄介な状況になってしまうでしょう。」(以上)

プーチンと習の大きな違いは、トップとして国民の選挙で選ばれたかどうかです。共産党の息のかかった人間しか立候補できない人民民主は真の民主主義から相当遠く、非民主と言っても言い過ぎではないでしょう。世界経済第二位と言われる国が「独裁国家」では。これを認め、貿易してきた自由主義国のセンスがないとしか言いようがありません。世界制覇を目論む国を支援して来たのですから。

以前本ブログで紹介しました高濱賛氏と大前氏のトランプ大統領の弾劾に対するスタンスの違いがあります。どちらの予想が正しいか期待して見守りたいです。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7855

大前氏・篠原氏共に「海外子会社からの配当課税の廃止」を高く評価しています。カネが世界から米国に還流して景気が上がるのか、過熱してFRBが利上げをするのか、2018年の中間選挙にどう影響を与えるかです。日本は2009年度から「海外子会社配当益金不算入制度」を創設しましたが、景気が良くなっている実感がないのは、企業が投資や賃上げをせずに、内部留保として貯め込んでいるせいです。米国は貯めこむことはしないでしょう。

ロシア経済を上向かせるためには、欧米の経済制裁を解除して貰わなければなりません。まず米国が北朝鮮問題を片づけ、中国と対峙するように仕向けなければ。本来経済制裁すべきは中国であってロシアではない、「クリミアはウクライナ人のフルシチョフが勝手にウクライナに渡しただけ、歴史的に見ればロシアのもの。これに対し中国の主張する東シナ海・南シナ海の領有については根拠がない」と訴えるべきです。平昌オリンピックについて12/23の本ブログで「プーチンがIOC決定を簡単に飲んだのは、戦争で平昌オリンピックが潰れるのを知っているからだという説もあります」と紹介しました。それは次のブログの記事からです。

http://www.mag2.com/p/money/352657

12/25・26増田俊男氏メルマガ<戦後初めて花開く日本の外交><イスラエル・パレスチナ和平方式>に今度の河野外務大臣の中東訪問の狙いが書かれています。書かれていることが本当かどうか分かりませんが、もし真実だとすれば成功して、中東問題が平和的解決に結び付けられれば良いと願っています。

http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/back_h29.html

http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h29/jiji171226_1219.html

篠原記事

米下院は12月20日、約30年ぶりの大規模な税制改革法案を可決した。税制改革法案の可決を喜ぶ米下院のポール・ライアン議長(中央右)と握手をするトランプ大統領 (写真:AP/アフロ)

米税制改革法案が成立へ、減税規模は約170兆円

トランプ政権と共和党にとって、さしずめ逆転ホームランといったところだろうか。

12月20日、米下院は税制改革法案を採決、賛成多数で可決した。米上院も同日未明に同法案を可決しており、あとはトランプ大統領の署名を待つばかり。1986年のレーガン政権以来、およそ30年ぶりの大規模な税制改革の実現は確実な情勢だ。

全体の減税規模は10年で1兆5000億ドル(約170兆円)と2001年の「ブッシュ減税」を上回る。35%だった連邦法人税は21%と日米欧の主要先進国で最低水準になる見込みだ。2026年までの時限措置だが、個人所得税も税率の引き下げが実現する。

海外子会社からの配当は非課税に

また、米国は全世界課税方式を採用しており、海外子会社の所得を配当として米国に還流させる際に課税対象になっていたが、全世界所得課税方式を廃止、国外の源泉所得に課税しないテリトリアル課税に移行することも決めた。

「米国へのクリスマスプレゼント」。税制関連法案の年内成立に強い意欲を示していたトランプ大統領。大統領選で公約に掲げた法人税率15%はさすがに無理だったが、大幅な法人税引き下げという公約は果たした。

今回の税制改革の実現はトランプ大統領にとって極めて大きな政治的勝利だ。

最初に着手したオバマケア(米医療保険制度改革法)の撤廃は身内の共和党の分裂によって頓挫した。メキシコ国境に壁を作るという公約も、壁の試作品こそ募集したが、効果に疑問符がつく上に財政悪化につながる支出に共和党は否定的だ。もう一つの公約である1兆ドルのインフラ投資も実現のメドは全く立っていない。

追い詰められていた共和党

トランプ氏は大統領就任以来、オバマ政権時代に導入された規制の撤廃や緩和を進めている。だが、本人の発言とは裏腹に、立法面における成果はないに等しい状況だった。このまま税制改革まで失敗すれば、トランプ政権の実行力を疑問視する声が相次いだだろう。

尻に火がついていたのは共和党も同様だ。

共和党は上下両院で過半数を維持しており、議会をコントロールできる立場にある。大統領も生粋の保守政治家ではないが、共和党の候補として大統領選を勝利したトランプ氏だ。しかも、税制改革は共和党を支える大口献金家や企業が強く求める看板政策。その中で税制改正まで頓挫すれば共和党指導部のメンツは丸つぶれである。

もっとも、「税」は利害関係が幅広く、同じ政党の中でも各論では賛否が入り交じる。共和党はフリーダム議連のような財政タカ派から中道右派の穏健派までウイングが広く、2018年11月に中間選挙を控えているため時間的な余裕はほとんどない。10月末のハロウィンの頃は年内の税制改革は無理筋という見方が主流だった。

最大の難関、上院で起こった様々なドラマ

その状況下、共和党指導部は猛スピードで立法プロセスを進めた。上院と下院の意見をまとめる時間がないため、それぞれが別の法案を可決、あとで一本化するというプロセスを取った。税率も下院案では20%だったが、財政規律を重視する上院に配慮して一本化の過程で21%に引き上げている。法案の詳細をぎりぎりまで明らかにしなかったのも中身への批判を封じ込めるためだ。

それでも、共和党の議席が52(定数:100)しかない上院では様々なドラマが起きた。

上院版の税制改革法案を採決する際には財政赤字の懸念から共和党の重鎮、ボブ・コーカー上院議員が反対票を投じた。同じ共和党のスーザン・コリンズ上院議員は不動産税の控除、ロン・ジョンソン上院議員も個人事業主やパートナーシップなどのパススルー企業への控除が少ないと批判している。

法案一本化の過程でも、土壇場でマルコ・ルビオ上院議員が子女控除の還付を巡り不満を表明、共和党に緊張が走った。12月19日に中東訪問を予定していたマイク・ペンス副大統領が予定を延期したのは上院の採決で賛否同数だった場合に最後の1票を投じるため。最終的に控除額の引き上げなどで反対議員を懐柔したが、かなりきわどい情勢だったのは間違いない。

中間層の減税幅は小さく、企業や富裕層の恩恵が大きい

「歴代政権で誰もできなかったことを成し遂げた」。ポール・ライアン下院議長など共和党指導部とともに演説に臨んだトランプ大統領は税制改革の勝利を高らかに宣言した。共和党現職にとっても支持者に向けた実績ができて一安心だろう。ただ、今回の税制改革が共和党に中間選挙の勝利を呼び込むかどうかは不透明だ。

「相対的に中間層の減税幅が小さい」。米ユーラシア・グループのジェフリー・ライト氏がこう指摘するように、今回の税制改革は企業や富裕層の恩恵が大きい。

個人所得税の引き下げや子女控除で中間層も恩恵を受けるが、法人税減税を恒久化するために個人所得税の引き下げは2026年までという期限が設けられた。2026年以降は延長すると共和党は述べているが、延長されるかどうかはその時になってみないとわからない。減税規模も所得が増えるにつれて上がっていく。中間層が企業の犠牲になった格好だ。

ウォールストリート・ジャーナルとNBCが実施した世論調査によれば、回答者の41%が税制改革について否定的な見方を示した。それも企業や富裕層のための税制改革と捉えているからだだろう。「税制改革は中間選挙の争点になる」とライト氏は言う。

また、減税によってトランプ政権が主張する3%以上の経済成長が実現するかどうかも定かではない。

減税には小さな政府を実現するという面も

法人税が減れば設備投資や雇用の増加が理論上は見込まれる。だが、米国は完全雇用に近い状況にあり、人手不足が深刻だ。減税による需要喚起も期待されるが、経済状況が過熱することでFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースが加速、減税の効果を打ち消すかもしれない。

「保守派が望んでいるのは連邦政府の縮小」。米シンクタンク、ヘリテージ財団のジェイムズ・カラファノ副所長が語るように、減税には連邦政府の税収を減らすことで小さな政府を実現するという面もある。共和党の保守派にとっては大勝利だが、それが多くを占める無党派に響いたかどうかは中間選挙が近づくに連れて明らかになるだろう。試合はまだ終わっていない。

池田記事

プーチン大統領が来年3月の大統領選への出馬を表明した。国内の支持率は8割を超え、有力な対抗馬もいない。再選は確実だが、手をこまぬいていれば国民の選挙への関心が低下しかねず、政権も話題づくりに腐心しているようだ。

12月6日、ロシアのプーチン大統領はニジニーノブゴロドのゴーリキー自動車工場の創業85年式典で大統領選出馬を表明した(写真:代表撮影/AP/アフロ)

時は12月6日、場所は西部ニジニーノブゴロドにある大手自動車会社「ゴーリキー自動車工場(GAZ)」。プーチン大統領は同社の創立85周年の祝賀式典に出席し祝辞を述べた。すると間髪を入れず、式典の司会者から質問が出た。

司会者「あなたは本日、ボランティアのフォーラムで大統領選に出馬するかを聞かれました。あなたは国民が支持してくれるなら出馬すると答えました。さて今日、この会場では例外なく、全員があなたを支持しています。ウラジミル・ウラジミロビッチ、我々にプレゼントを下さい。ここで自らの決断を表明してください。なぜなら、我々はあなたの支持者だからです」

プーチン大統領「ありがとう、本当にありがとう。(出馬)表明の場として、ここより良い場所も良い手段もないでしょう。支持をありがとう。私は大統領候補者として出馬します。本当にありがとう」――。

司会者が言及した「ボランティアのフォーラム」はプーチン大統領が同日、GAZ訪問前にモスクワで参加した催しだ。若者を中心にしたボランティア活動を表彰するこの式典で、大統領は2018年春の大統領選に出馬するのかという質問を受けた。大統領はいつもなら「何も決まっていない」と受け流すのに、この日はまず、「(出馬表明は)誰にとっても非常に責任の重い決断となる」と強調した。

大統領は続けて、人々の生活を向上させ、より強大で防御され、将来に向けた明確な指針のある国にしたいという欲求が立候補の動機となると指摘。こうした目標を達成できるかどうかはひとえに、人々が自分を信頼し支持してくれるかどうかにかかっていると強調した。その上で「もし、私がそのような(出馬の)決断をしたら、皆さんはその決断を支持してくれるでしょうか」と参加者に問う形で、暗に国民の支持を促していた。

会場からはすかさず「支持します」との声があがったものの、大統領はこの場では「近いうちに私の決断を公表します」と答えただけだった。そして、その日のうちにGAZの創立85周年式典に参加し、出馬表明となったわけだ。

労働者たちの熱烈な支持に背中を押され、長らく逡巡(しゅんじゅん)していた大統領選への出馬をついに決断した――。そんな演出だったのだろう。偶然を装ったようだが、2つの式典を巧みに使って効果を盛り上げる。大統領府が事前に練りに練ったシナリオに基づくパフォーマンスだったことは疑いない。

クリミアを併合した“記念日”に大統領選を実施

プーチン大統領が出馬表明した当日は、それまで別の衝撃的なニュースがロシアを駆け巡っていた。前日夜にスイスのローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、組織的なドーピング関与が疑われるロシア選手団の来年2月の平昌冬季五輪参加を認めない決定が下されたことだ。

潔白が証明された選手は「ロシアから来た五輪選手」として個人参加が認められるものの、ロシア国旗や国歌は禁止されるという厳しい内容に、落胆したロシア市民は少なくなかった。

それだけに、平昌五輪へのロシア選手団の出場禁止というニュースから国民の目をそらすべく、プーチン大統領が慌てて大統領選への出馬を表明したとの説もある。ただ、今回の出馬表明は最大限の演出効果を狙ってかなり入念に準備されたとみられるだけに、IOCの決定に左右されたという見方は必ずしも多数派ではない。

いずれにせよ、本命のプーチン大統領が出馬表明したことで、大統領選がいよいよ本格化する。ロシア上院は15日、大統領選の投票日を来年3月18日とすることを全会一致で承認した。3月18日はロシアが2014年、ウクライナ領のクリミア半島を自国に併合した記念日でもある。

大統領選にはロシア自由民主党のウラジミル・ジリノフスキー党首、ロシア共産党のゲンナジー・ジュガノフ党首といった〝常連組〟のほか、プーチン大統領の恩師の娘で女性テレビ司会者として知られるクセーニア・サプチャク氏らが立候補する見通しだ。野党指導者で反政権派ブロガーのアレクセイ・ナワリヌイ氏も出馬に意欲を示しているが、当局側は同氏が横領罪で有罪判決を受けたことを理由に立候補を認めない方針とされる。

新顔のサプチャク氏は反政権派とされているものの、大統領府が選挙戦への国民の関心を高めるため、プーチン大統領の「スパーリングパートナー」として出馬を要請したとの説も根強い。有力な対抗馬が不在のまま、選挙戦はプーチン大統領の圧勝で終わるとの予測が大勢を占めている。

政権側にとって再選戦略の課題はむしろ、プーチン大統領が出馬表明時に演出したシナリオ通りに、「大多数の国民の支持」で再選を果たしたと内外に誇示できるかどうかにあるようだ。大統領は大統領府の選挙担当に投票率、得票率いずれも70%台の実現を求めているとされる。国民の支持率がいくら80%を超えているとはいえ、その達成は簡単ではない。

実質的に4期目となるプーチン大統領の再選には、どうしてもマンネリのイメージがつきまとう。圧勝が事前に伝えられるだけに、このままでは投票所に足を運ばない有権者が多数出てくることも予想される。

現にロシア民間世論調査会社のレバダ・センターが12月初めに実施した調査によると、来年3月の大統領選で「確実に投票する」「たぶん投票する」との回答は合わせて58%だった。これに対し、「投票しない」「たぶん投票しない」と「わからない」の合計も39%に上っている。

「有能な国家指導者」のイメージづくりに腐心

政権側としては少なくとも来年3月の投票日までは、プーチン大統領のイメージを刷新し、有能な国家指導者として国民に再評価してもらい、投票所に足を運んでもらえるように、あの手この手で新鮮な話題を提供していく必要があるわけだ。実際、話題づくりに腐心している様子もうかがえる。

その一例がプーチン大統領のシリア電撃訪問だろう。出馬表明から5日後の12月11日。大統領は突然、ロシア軍がシリア空爆作戦の拠点としている同国北西部のフメイミム空軍基地を訪れた。駐留するロシア兵らを前に演説した大統領は「ここシリアでの武装暴力集団との戦いという任務は成功裏に果たされた」と宣言。駐留するロシア軍部隊の大部分を撤退させると表明した。

ロシアは過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を理由に、2015年9月末からシリアでの空爆作戦を展開していた。「シリア全土がISから解放された」(ロシア軍のゲラシモフ参謀総長)直後にシリアを電撃訪問して軍事作戦の成功を高らかに唱えるとともに、ロシア兵の犠牲者の増大を危惧する国内世論にも配慮して軍部隊を早々に撤収させる意向を示したわけだ。

プーチン大統領はこの日、シリアでアサド大統領と会談した後、さらにエジプト、トルコを相次ぎ歴訪してシシ大統領、エルドアン大統領との首脳会談をこなすという離れ業もみせた。米国と中東の関係がぎくしゃくする中、中東和平の仲介役としての存在感を誇示するとともに、65歳になっても一向に体力の衰えをみせず、精力的に世界を飛び回る姿もアピールした。

もうひとつ特徴的なのは、米欧との対立を控え、国際社会で孤立しているとの印象を極力抑えようとしている点だろう。

IOCがドーピング問題でロシア選手団の平昌五輪参加を認めない決定を下した際、プーチン大統領は五輪ボイコットを表明するのではないかとの臆測が出ていた。かねてロシア大統領選を狙った米国の陰謀説を唱え、ロシア国旗や国歌を認めない形での参加は「ロシアへの侮辱」としていたからだ。しかし、大統領は意外にも「我々にも罪がある」としてIOCの決定に従う意向を示し、政権として五輪への個人参加も容認する考えを示した。

対米関係もしかり。ロシア大統領府は今月17日、プーチン大統領が同日にトランプ大統領と電話協議したと発表したが、その内容は極めて意外感があった。米中央情報局(CIA)の情報提供により、ロシア第2の都市サンクトペテルブルクで爆弾テロを計画していたテロリストを拘束したとして、プーチン大統領が謝意を伝えたというのだ。米大統領選への介入疑惑などで大きく冷え込んだようにみえる米ロ関係だが、水面下では協力も進んでいると国民向けに訴えたかったのかもしれない。

話題を次々と提供するプーチン政権だが、次の任期で何をめざすのかというビジョンはあいまいなままだ。今月14日の記者会見では、大統領は「選挙公約は話したくない」とし、インフラの発展、健康維持、教育、ハイテク技術の推進、労働生産性の向上といった漠とした目標を掲げただけだ。

原油価格急騰で年平均7%もの高い経済成長を達成した1期目、2期目と経済環境は一変し、国民の生活向上を確約するような公約はもとより難しい。いくらプーチン大統領でも、国民の期待をつなぎとめる明るい将来ビジョンを描くのは容易ではなさそうだ。

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『北京に吹き荒れた「看板・広告撤去騒動」の顛末 強権を振るう北京市トップは習近平の寵臣』(12/22日経ビジネスオンライン 北村豊)について

12/24日経朝刊中国、朝鮮半島有事を想定か 難民キャンプ準備  国境地帯、軍駐留施設を増設

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部が朝鮮半島有事に備えた準備に着手したもようだ。北朝鮮との国境地帯で数十万人を収容できる難民キャンプを設営するよう指示したほか、軍駐留施設を増設している。中国は北朝鮮の核問題を対話で解決する方針を崩していないが、トランプ米政権と北朝鮮が衝突する事態に身構え、影響を最小限に抑えたい思惑がにじむ。

中国共産党関係者によると、習指導部は今夏、北朝鮮と国境を接する吉林省や遼寧省などの地方政府に対し、有事の際に難民キャンプを設営できる体制を整えるよう指示した。北朝鮮側から難民が流入しやすい地域を中心に複数の施設を設ける計画で、合計収容人数は最大で50万人を想定しているという。すでに食糧やテントなどの備蓄が始まっているもようだ。

12月上旬、中国通信大手、中国移動通信集団の内部文書とみられる資料がインターネット上に流出した。吉林省長白朝鮮族自治県で5カ所の難民収容所建設が計画され、同社が2日に通信環境を調査したとの内容だった。真偽は不明で、数日後にネットで閲覧できなくなった。外交筋に「本物だったのではないか」との見方が広がった。

国境地帯の関係者によると、吉林省の軍管理区域内では最近、駐留軍向けの新たな居住施設が建設されている。3階建て程度の低層住宅で、シャワーなどは共用の一般的な兵舎だという。

表向きは、冬季に凍結した河川を渡って国境を越えてくる北朝鮮人による窃盗事件が増えていることへの対応策、だという。だが実際には防犯を名目に、有事も視野に入れた国境警備を強化し始めた可能性がある。

ティラーソン米国務長官は12日の講演で、半島有事の際の難民対策や核兵器の管理についてすでに中国と協議したと明らかにした。6月にワシントンで開かれた米中外交・安保対話で議題にしたとみられ、ちょうど難民キャンプの設営指示が出た時期と符合する。

国境付近には見張り小屋が建てられ、北朝鮮兵士が周囲を監視する(10月28日、中国・遼寧省丹東から北朝鮮を望む)=小高顕撮影

ティラーソン氏は、仮に米軍が北緯38度線を越えて北朝鮮に侵攻した場合でも、条件が整い次第撤退することを「中国に確約した」とも説明した。米中がすでに一定の事前調整に入っていることが確認された。

共産党関係者や外交筋の間では、有事の際に中国軍が北朝鮮領内に入り、核・ミサイル施設を制圧し管理するとの見方もささやかれる。党内には慎重論もあり、実際には米国や北朝鮮の出方を慎重に見極めるとみられるが、こうした話が取り沙汰されるほど中国側の危機感は強まっている。

北朝鮮の核実験場に近い吉林省の党機関紙「吉林日報」の6日付の特集記事は、地元の緊迫感がうかがえる。新聞の5ページ目に「核兵器の常識と防護」との見出しが躍り、一面すべてを使って核兵器が使われた場合の対処方法を紹介。(1)避難が間に合わない場合は窓や戸を閉めて被曝(ひばく)量を減らす(2)外出時はマスクやコートなどで汚染を防ぐ(3)すみやかにヨウ素を飲む――などと、イラスト入りで具体的な対策を示した。

記事に掲載の狙いについての説明はないが、朝鮮半島有事を想定したものだと受け止められた。中国メディアによると同紙編集部は「通常の国防教育だ」と述べ、内容は吉林省人民防空弁公室の提供だったとしている。同省では、防空警報を使った避難訓練の強化も検討されているという。

中国人民解放軍の動きも慌ただしい。中朝国境地帯を管轄する北部戦区の部隊は、11月下旬から大規模演習を実施。氷点下20度近い環境の下で、武器や装備の動作を確認したという。さらに12月11~16日には、空軍がロシアと共同でミサイル防衛のシミュレーション演習を行った。第三国の「突発的な攻撃」に対応するためとしている。

一連の動きには、北朝鮮に対して中国が抱く危機感を明確に示し、新たな挑発行為を食い止めることが狙いとも指摘される。中国軍で旧南京軍区副司令官を務めた王洪光・元中将は16日、北朝鮮問題に関する討論会で「戦争はいつ起きてもおかしくない。来年3月までがヤマ場だ」と語った。

3月は毎年、米韓が軍事演習を実施し、北朝鮮が強く反発する時期だ。軍機関紙「解放軍報」は19日、「米軍攻撃に前兆はあるか」との記事を掲載。「米軍は威嚇が失敗した後、動きを止めたように思わせたうえで突然、戦争に打って出るかもしれない」と結んだ。(北京=永井央紀)>(以上)

本ブログで早くから告知してきた内容の記事です。中国観察(法輪功関係)の記事からの引用でしたが、「解放軍報」を除いて総て網羅できていたと思います。公開情報を追うだけでもそれなりに早く伝えることができるのかなあと。ただ、この時期にと言うのは、米軍家族はクリスマス休暇で帰って、後は日本人の新年休暇に向けて警告を発したのかも知れません。安倍首相は「平昌オリンピックがあるから韓国渡航は大丈夫」と言っていましたが、何の根拠にもなりません。今の情勢で見れば、いつ戦争になってもおかしくないのですから、韓国渡航は自己責任で行くことです。ソウルは「火の海」になると言われていますし、邦人救出に韓国は協力しないのですから。行く方が悪いとしか言いようがありません。

12/23facebook記事から易靈12月23日 16:32 ·

傻逼遊行抵制聖誕節,仲沿途大聲叫喊毛主席萬歲?

你毛爹死了幾十年都仲叫萬歲,真典型的腦殘加料;

傻逼你先將手中的手機、 家中進口用品全部燒晒,再將身上的進口衣物通通除光再講啦

クリスマスをボイコットするためのバカなパレードで, 途中大声で毛主席万歳を叫んでいる? 貴方は毛父さんが亡くなって何十年も経っているのに万歳を叫ぶ、典型的な本当の馬鹿である。 先ずバカなあなたの手に持っているスマホや家にあるすべての輸入品を燃やし、身に着けている輸入の衣服を全部捨ててから言いなさいよ。

https://www.facebook.com/100010311528070/videos/583662278654151/?id=100010311528070&hc_ref=ARTyose6Cg8M6ikEnSDSsY8fsffrc5RKX1_QfU2iC_nAUjUbLuCtvxYFfGyy4PcxmUE&fref=nf

>(以上)叫んでいるのは「中華を愛し、クリスマスなぞ止めろ」と聞こえます。まあ、官製デモで共産党の許可がない限りデモは出来ませんので。ここまで習はやらせるのかという事です。下が忖度したのかも知れませんが。150年前の日本の攘夷と同じ発想、排外主義者です。でも、あの当時の日本は外国からの圧力がありましたが、今の中国はないでしょうに。

もう一つ同じ排外思想を小学生から洗脳している図を紹介します。黒板に書かれているのは

「「外国の祭日にNOと言おう」

外国の祭日を拒否しよう!

まず自分から始めよう!

文明を伝承しよう!

中国の祭日を祝おう!

(写真です。クリックしても動画にはなりません)」

北村氏記事は12/20中国観察の記事<傳蔡奇被迫檢討 目標卻是習近平 分析:習走錯了路阿波羅新聞網=蔡奇は検討を迫られたと伝えられる 目標は習近平 分析:習は道を誤った アポロネット>にもありました。出だし部分のみを翻訳します。

「北京市委書記蔡奇領導下的驅逐〝低端人口〞和清理〝天際線〞等行動,因其野蠻暴力而遭國內外輿論鞭撻。外媒披露,蔡奇因此在政治局做了檢討。港媒認為,事件開始朝着政治鬥爭方向發展,政治炮口對着蔡奇但目標卻是習近平,已關係到“之江新軍”的安危。時政評論員陳破空表示,“中國模式”破產,習近平走錯了路。

北京市書記の蔡奇の下で低級人口を追い出し、スカイライン(ビル看板)を整理する行動は、野蛮で暴力的であるが故、国の内外の世論を喚起した。外国メデイアは、蔡奇は政治局にて検討を迫られたと明らかにした。香港メデイアは、事件が起きてから早々に政治闘争に発展、非難は蔡奇に向けられたが目標は習近平で、“之江新軍”(習の昔からの仲間)の無事と関係して来る(指桑罵槐です)。時事評論家の陳破空は「中国モデルは破綻し、習は道を誤った」と。」

12/24ロイター<焦点:中国工業地帯を襲う天然ガス不足、環境対策が裏目に>

https://jp.reuters.com/article/china-pollution-gas-shortages-idJPKBN1EC0XT

北京市だけでなく石家荘市でもガスが足りなく、一時的に石炭の使用を認めたとのこと。日本だったらキチンと手当てしてから実施するでしょうけど。“没問題”“没関係”の人達ですから。

最後にトランプ関連で12/24トランプのツイッターより

<@FoxNews-FBI’s Andrew McCabe, “in addition to his wife getting all of this money from M (Clinton Puppet), he was using, allegedly, his FBI Official Email Account to promote her campaign. You obviously cannot do this. These were the people who were investigating Hillary Clinton.” >「FBI副長官の妻がヒラリーの手先から金を受け取り、FBIの公式アカウントを使ってヒラリーの選挙応援をした。やってはいけないこと。こういう人達がヒラリーの調査担当者だった」ということです。辞任しても追及すべきです

https://twitter.com/realDonaldTrump/status/944906847970119680

http://www.sankei.com/world/news/171224/wor1712240021-n2.html

記事

北京市書記の蔡奇は現代の蔡京か?(写真:ロイター/アフロ)

北宋(960~1127年)の政治家に“蔡京(さいけい)”(1047~1126年)という人物がいる。興化郡仙游県(福建省仙游県)の人で、前後4回(1102~1106年、1107~1109年、1112~1120年、1124~1126年)にわたって宰相を務め、権力を掌握すること合計16年間に及んだ。蔡京は、後世の人から「中国史上最も名高い汚職官僚の1人であり、贅の限りを尽くし、無能で無定見、保守的で腐敗にまみれ、北宋王朝の衰微を招いた奸臣」と評されている。

歓心を買う奸臣

蔡京は宰相を4回も務めた程の人物だから、決して無能であったとは思えない。その証拠に、蔡京は“興寧3年(1070年)”に実施された科挙で“進士”に23歳の若さで合格している。北宋の第6代皇帝“神宗”(在位1067~1085年)は財政再建のため“王安石”を宰相に任命して“新法(革新政策)”を行わせたが、神宗の死後政権を握った“宣仁太后”は保守派の“司馬光”を宰相に任命して“旧法(保守政策)”に復そうとした。司馬光は新法である“募役法”を廃止し、旧法である“差役法”を復活させることを5日間の期限で実行するように命令したが、役人の抵抗で思うように保守回帰が進まなかった。当時、“開封府”(現・河南省開封市)の“知事(長官)”であった蔡京は、新法支持者であったにもかかわらず、司馬光におもねって旧法支持者に転じ、この難題を司馬光の命令通り5日間で実行して、司馬光を喜ばせたという。

宣仁太后が1093年に死去すると、7代皇帝“哲宗”(在位1085~1100年)の親政が始まり、再度新法への復帰が行われ、多数の旧法派官僚が追放され、新法派官僚が登用されることになった。しかし、蔡京は神宗時代には新法、宣仁太后時代には旧法を支持するという無定見な風見鶏的性格が災いして、冷遇された。ところが、第8代皇帝の“徽宗”(在位:1100~1126年)の治世が始まると、持ち前の非凡な処世術で宰相に上り、彼に反対する者は旧法派・新法派を問わず追放して絶対権力を握り、16年間も宰相の地位を保った。権力者となった蔡京は、一般民衆から重税を取り立て、大規模な土木工事を行い、大量の賄賂を受け取って私腹を肥やし、富と権力を独り占めして、北宋の弱体化を促進させた。なお、蔡京は伝記歴史小説『水滸伝』にも悪名高き“高俅(こうきゅう)”と並ぶ「四奸臣」の1人として登場している。

北京のSKYLINE

さて、11月27日、北京市当局は、“北京市城市管理委員会(北京市都市管理委員会)”、“北京市規劃和国土資源管理委員会(北京市計画・国土資源管理委員会)”、“北京市綜合管理行政執法局”が連名で策定した11月24日付の『“関于開展集中清理建築物“天際線”専項行動的通知(建築物輪郭集中撤去特別行動展開に関する通知)”』を公布した。“天際線”は英語では“SKYLINE”だが、「空を背景とした建築物の輪郭」を意味する。同通知の内容は以下の通り。

建築物輪郭集中撤去特別行動展開に関する通知

都市の管理を強化し、都市の質を高め、視覚的に明瞭な都市の輪郭を作り、国際的に一流で、調和が取れて住みやすい都を建設するため、中国の各種法令の要求に基づき、2017年第4四半期から我が市は建築物輪郭集中撤去特別行動を開始するので、ここに以下の通り通告する。

【1】この通告の公布日を起点として、『北京市看板標識設置管理規範』の要求に合致しない建築物の屋上や壁面にある広告看板は全面的に撤去する。すなわち、建築物屋上の高さを超えたり、壁面の縁(へり)からはみだしている戸外広告や看板標識、建築物壁面に垂直に置かれた戸外広告や看板標識、建築物の壁面に張り付けられた違法な戸外広告、一つの壁面に張り付けられた多数の戸外広告、外地が設置した看板標識、“店内店(店の中の店)”が建築物の壁面に設置した看板標識、その他規則の要求に違反した看板標識。

【2】この通告の公布日を起点として、全ての新設される看板標識は『北京市看板標識設置管理規則』の要求に合致しなければならない。撤去後新たな看板標識を設置する確たる必要性があるならば、財産権を持つ組織は関係部門に申請し、審査を経た上で実施することができる。重要な大通り、重要な地区は北京市や区の特別行動連絡会議の連合審査と専門家の審査を経た上で実施が可能になる。

【3】各レベルの党・政府機関、事業組織、北京駐留の軍部隊、北京駐在機構、国有企業は率先して自ら撤去し、もしも撤去能力がない場合は、所在する区の都市管理部門に申請して援助を受けることが出来る。およそ管轄区が規定した時間内に自力撤去できない場合は、各区の組織が連合して撤去を執行し、撤去費用は建築物の財産権を持つ組織の負担とし、法令に違反している場合は、企業および個人の信用システムに記録する。

【4】撤去過程で、屋上にその他の違反建築や規定違反の残存設置物があれば同時に撤去し、市外観の整然性を保証しなければならない。

【5】公安部門は、暴力による公務執行妨害、強迫や威嚇、攻撃や報復などを行う暴⼒団員や悪党に対して、法に則り厳重な処罰を行う。紀律検査・監察部門は高級幹部からの声掛けや“保護傘(後ろ盾)”となるなどの紀律・規則違反の行為に対しては法に基づき厳しく処罰する。

【6】いかなる組織も個人も『北京市看板標識設置管理規則』の要求に違反した建築物の屋上や壁面上の広告看板を訴える、あるいは告発する権利を有する(都市管理局ホットライン:96310、首都環境建設委員会ホットライン:12319)。

北京市城市管理委員会 北京市計劃・国土資源管理委員会 北京市総合管理行政執法局

2017年11月24日

上述の通知は公布された11月27日を期して実施に移された。11月27日の当日から北京市内には大量の大型クレーン車や高所作業車が出現し、手当たり次第にビルの屋上や壁面から企業名の看板や商品の広告看板を撤去し始めた。北京市内には『北京市看板標識設置管理規則』の要求に違反した撤去を要する戸外広告や各種看板が2万7000カ所以上あり、これらを12月末までに全て撤去ことが目標とされた。

8956カ所を猛烈撤去

12月1日付の北京紙「北京日報」は、「SKYLINEを遮る広告・看板はすでに8956カ所撤去された」と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

(1)北京市内各区のビル屋上にある広告看板の撤去作業が猛烈な勢いで進められている。記者が昨日(11月30日)「建築物輪郭集中撤去特別行動分析会」から得た情報によれば、全市ではすでに各種の違反広告看板8956カ所が撤去されている。現在、各区は積極的に撤去作業を展開しており、年末までに“長安街”沿線、環状2号・3号・4号道路周辺区域の撤去作業を完成させるべく全力を挙げている<注1>

<注1>長安街は北京市の中心を東西に走る幹線道路で、道路の両側には主要な官庁や企業のビルが立ち並んでいる。環状道路は市中心から外側に2号から6号まであるが、2・3・4号は快速道路、5・6号は高速道路。

(2)高いビルの屋上と空との接合部を“天際線(SKYLINE)”と呼び、これは都市景観にとって重要な構成部分である。今年から北京市共産党委員会と北京市政府は「北京に美しいSKYLINEを取り戻せ」という意見を度々提出し、戸外の広告・看板標識の撤去を呼びかけて来た。今年9月に公布された『北京市看板標識設置管理規則(改訂版)』には、ビル屋上に看板、標識、広告などを設置することの禁止、すでに設置済みの物は撤去することが明記されており、その重点は市内中心部、長安街沿線、2号・3号・4号道路沿線となっている。

(3)北京市都市管理委員会の関係責任者は次のように述べた。すなわち、各区で調査した台帳によれば、全市で撤去が必要な違反広告看板は2.7万カ所以上で、その7割が市内の6つの区に集中している。事前の2カ月の撤去作業により<注2>、現在全市ですでに撤去されたのは8956カ所である。その中、“石景区”はすでに1700カ所余りを撤去しており、率先して撤去作業を完了している。その他の区の撤去状況は、“東城区”:702カ所、“西城区”:1365カ所、“朝陽区”:2497カ所、“海淀区”:1518カ所である。12月末に各区の関係部門が検収を行い、来年1月には北京市都市管理委員会が道路毎に北京市としての検収を行う。

<注2>北京市当局は10月下旬に違反看板標識・広告撤去の特別行動を決議し、各区に命じて撤去作業を行わせていた。

(4)ビル屋上には看板標識や広告が設置できないだけでなく、各建築物は“一楼一標(1ビルに1標識)”が要求され、外壁にいくつもの標識を掛けることはできない。また、撤去後の建築物は“規劃部門(計画部門)”が認可したビル名称しか使用できず、掛ける位置はビルの3階以上、屋上の床面からの距離は0.5m以上となっている。同時に、字体の大小にも厳格な規定があり、建築物名称の文字は高さ2mを超えないこと、組織名称の文字は高さ0.8mを超えないことになっている。新しい看板標識にはステンレスなどの高反射材料の使用は禁止、“外射光源(外へ光を放つ光源)”の使用も禁止で、“内投光源(内側へ光を投じる光源)”だけが使用可能である。

朝令暮改、再び

12月5日に中国メディアが報じたところでは、北京市内西城区にある“金融街(Financial Street)”では、“中国銀行”、“北京銀行”などの大手銀行、生命保険の“中国人寿保険”、携帯電話の“中国移動”、ホテルの“麗思卡爾頓(リッツカールトン)”などを含む127カ所の看板を年末までに全て撤去することになっており、地元の“街道居民委員会(自治組織)”や都市管理執行チームに雇われた十数人の作業員が看板の撤去作業を行っていたが、彼らに賃金はなく、撤去した残骸が彼らに与えられるということだった。

この撤去作業を見守る北京市民の中には、「違反広告看板が取り外されて北京市本来の外観が取り戻せる」と好感する者もいるにはいたが、大多数の市民は冷たい視線を送っていた。一番の問題はビルから看板が撤去されたことにより、目印となる物がなくなり、道に迷う人が激増したことだった。あるネットユーザーは、「目印となる看板や広告がなくては、自分がどこにいるのかも分からなくなるし、ましてや目的の場所を探すのは容易ではない。人に道を尋ねても、聞かれた方も目印なしでは道案内できるはずがない。どだい、看板や広告が何もない、無味乾燥なビル群は寒々しいだけで、何の魅力も感じられない」と掲示板に書き込んだ。

こうした庶民の声は日を追って大きくなり、看板標識や広告の撤去に対する不満は大きくなり、世論の高まりは北京市党委員会ならびに北京市政府に大きな圧力を与えるに至った。このため、12月8日、北京市都市管理委員会は会議を招集して検討した結果、撤去作業を一時停止することを決定し、翌9日に市内関係者に緊急通知を発した。緊急通知は、「区内の違法広告看板の撤去を一時停止し、すでに看板を撤去した商人は北京市当局の規格に適合した看板を新たに設置しても良い。撤去作業の再開時期は改めて通知する」というものだった。撤去一時停止の理由は次の2つの要因であった。すなわち、(1)冬季は気温が寒冷で、風が強く、気候が乾燥しており、高所作業には危険があり、出火の危険性も高いこと。(2)看板撤去後、人々にビルの識別を困難なものとしたこと。

12月9日の早朝から北京市内の街頭からは撤去作業を行っていたクレーン車の類や作業員が消えた。この撤去作業一時停止を知った北京市民の多くは、又しても朝令暮改かと呆れると同時に嘲笑したのだった。「又しても」とはどういう意味か。中国政府“環境保護部”はPM2.5の低減を目的として、10月1日から北京市を中心とする2+26都市で“禁煤令(石炭禁止令)”を発令して、“電代煤(石炭に換えて電気)”と“気代煤(石炭に換えて天然ガス)”を推進する暖房変換政策を展開したが、関連工事の遅滞や天然ガスの供給不足により1000万人以上が暖房なしの生活を余儀なくされた。この実情を知った世論は中国政府の準備不足を非難し、圧力に屈した環境保護部は同政策の緩和を表明せざるを得なくなって朝礼暮改を行い、工事遅延地区に対して石炭使用を認めたのだった。<注3>

<注3>暖房変換政策については、2017年12月15日付の本リポート『1000万人が凍える中国「暖房変換政策」の失態』参照。

蔡京と蔡奇を重ねて

暖房変換政策は環境保護部が主管部門だが、その対象地域の中心である北京市の党委員会と市政府が深く関わっていることは疑問の余地がない。その北京市のトップこそが北京市共産党委員会書記の“蔡奇”である。蔡奇は11月18日に発生した火災を契機として違法建築物の撤去を命じ、膨大な数の出稼ぎ労働者の住処を取り壊して、彼らを北京市から駆逐した張本人である<注4>。蔡奇は違法建築物の取り壊しを5日以内に終わらせろと命じて、無情にも出稼ぎ労働者たちを最低気温が氷点下となる寒空の下に放り出した。

<注4>11月18日に発生した火災に関連する事態は、2017年12月1日付の本リポート「寒空の北京、路頭に迷う10万人の出稼ぎ者たち」参照。

蔡奇は、福建省“三明市”の管轄下にある“永安市”に属する“龍渓県”出身。“福建師範大学”政治教育学部を卒業した後、大学院へ進み、政治経済学博⼠号を取得した。その後は浙江省党委員会常務委員、杭州市長などを経て、2017年1月に北京市長となり、同年5月に北京市党委員会書記となり、同年10月に中国共産党中央政治局委員となった。蔡奇の経歴は福建省、浙江省と中国共産党総書記の“習近平”が歩んだ足跡と重なり、習近平によって中央へ引き上げられた人物で、習近平の寵臣の1人である。その蔡奇が北京市のトップである党委員会書記就任後に始めたのが血も涙もない違法建築物の取り壊し、出稼ぎ労働者の駆逐、違法看板標識・広告の撤去であった。さらに暖房変換政策の一翼も担った。

人々は文頭に述べた北宋の蔡京と蔡奇を重ね合わせ、蔡奇が国を弱体化させる可能性を危惧している。両者は共に福建省出身であり、新法を廃して旧法を5日間で復活させた蔡京をまねて、蔡奇も5日間で違法建築物の取り壊しを命じている。12月5日、内部会議の席上で蔡奇が「末端に至っては、本物の刀や銃が必要で、やるなら徹底的にやり、強硬に押し切れば、問題は解決する」と述べたという情報がネット上に流出した。この高圧的な政治姿勢に反発した“清華大学”、“中国人民大学”などの卒業生たちが、12月13日に蔡奇の辞任を求める公開書簡を発表した。

後世に蔡奇が蔡京と同様に奸臣と見なされるかどうかは分からないが、今のままでは習近平がその任命責任を追及されても仕方ない状況にあると考えられる。

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『「低端人口排除」を加速する火事は“失火”か? 「現場動画」投稿で画家逮捕、「書記辞任」要求は強権封殺』(12/20日経ビジネスオンライン 福島香織)、『2018年、中国の鬱屈した30代が社会に牙をむく 「チベット映画」と「いたたまれないダンス」ブームの意味するもの』(12/21日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

12/19ダイヤモンドオンライン ロイター<中国の地方都市で「特区ブーム」過熱、債務拡大の懸念も>中国の歴史の中で偉人と言われるのは治水対策に成功した人達です。尭舜や李冰親子(四川省・都江堰ダム)等。それで中国では、土建工事が好まれるのでは。細かいことは気にせず、若干菱形になった窓穴でも“没問題”という人達ですから。侘び・寂び、精緻さを好む日本人とは大いに異なります。それと、土建工事は金額が大きく、受け取る賄賂の大きさも半端でなくなりますから、好まれることもあるでしょう。中国駐在の時に、工事が途中でストップしている建物が多くあるのを見ました。それは資金繰りができなくなると、其の儘放置、金ができるとまた再開のパターンでした。

中国人も朝鮮半島人も複式簿記を本当には理解できていないのではと思います。両者ともに借金体質です。資本主義であればやがて過剰債務は資金ショートを起こし破綻します。韓国は輸出大国なのに、通貨スワップの重要性も理解していないような国ですから、オーストラリアといくら通貨スワップを結んでも、日米と結んでなければ行き詰まるでしょう。中国は共産国家(国家資本主義)なので、政府があらゆる保証をするため経済崩壊するのには時間がかかると田村秀男氏と何清漣氏は言っています。困った時には中央政府が何とかしてくれる、株価もKPOするだろうし、不動産も価格維持の為、売却禁止することなどはザラです。中央政府を当てにし、需給を無視した計画を実行するため、モラルハザードはあらゆる面で、今既に起きていると見た方が良いでしょう。後はいつ破裂するかです。国際金融資本、ハゲタカが「豚は太らせてから喰え」とばかりに鵜の目鷹の目で狙っているのかも知れません。

http://diamond.jp/articles/-/153716

12/22<中国でネット金融が急速に成長した理由 中国金融の新たなビジネスモデルを概観する>中国のやることは総て軍事・治安優先の発想です。ネット金融が発達したのも、偽札の流通が2割を占めるのを防ぐ意味もあったでしょうし、店や個人が偽札を掴まされるよりスマホ決済が安全と理解したからでしょう。日本のようなクレジットカードが普及しなかったのは、金を貸しても返さないのが当り前の風土だったからと思います。取引しても支払代金を踏み倒すのが普通に行われ、偽装倒産も沢山ありましたので、クレジットカード会社を作ろうと思わなかったのでしょう。それと店が払うクレジットカード利用料が3~5%なのに対し、アリペイは0.6%という安さです。中国はアリペイかウイーチャット(微信)ペイの2社がネット金融の大部分を占めます。アリペイは支付宝=蚂蚁金服傘下、蚂蚁は蟻(アリ)の意味、金服は金融服務(サービス)の意味で英語では“Ant Financial”=アリババ集団の一部です。

ネット購買はアリババの淘宝や天猫モールが有名、支払いはアリペイで、「クレジット払い」も可能とのこと。個人間取引が淘宝で企業と個人間取引が天猫モールです。日本と中国の個人の信用付与のやり方が違うのは歴史と文化の違いです。どちらが優れていると言うものでもありません。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16/111400180/121900002/?P=1

しかし、人類の普遍的な人権に対する取り組みは日本と中国では全然違います。中国では金融情報を国が集め、ビッグデータや賄賂防止に使うのならまだしも、個人や企業の預金が国家に没収される可能性もあります。基本的人権である財産権の侵害になります。まあ、中国人は政府や金融機関を信じていないので、金庫に退蔵していると思いますが。

福島氏や山田氏の記事のように中共政府が如何に中国人の人権を侵害しているか、「生活権」や「信仰の自由」の侵害です。日本の左翼は中国に行って、何時も政府に言っているようにクレームを付けるべきです。福島氏の記事は、火事は放火の可能性があることを匂わせています。小生もその通りと思います。山田氏の記事では、30代の中国人がチベット人の五体投地に「自由」を感じているとの話ですが、自己中心の中国人ですから、6人の老人を扶養するとなると、海外脱出を企てる人間が増えるかもしれません。中国の近くにあるお人好し民族の日本は気を付けないと。

小川榮太郎氏が書いた「徹底検証『森友・加計事件』朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪」(飛鳥新社)について、朝日新聞側は謝罪や訂正、賠償を求めましたが、小川榮太郎氏は反論を送付、HPにその内容をアップしました。

http://www.sankei.com/entertainments/news/171206/ent1712060016-n1.html

その続きですが、12/22facebookで小川榮太郎@ogawaeitaro

【朝日の捏造をうやむやにしてはならぬ真の理由】朝日新聞への私の回答を「承服できず、対応を検討する」と言った朝日新聞が2週間を超えても何の対応もしてこない。

【朝日の捏造をうやむやにしてはならぬ真の理由-文章後半が大事です】朝日新聞への私の回答を「承服できず、対応を検討する」と言った朝日新聞が2週間を超えても何の対応もしてこない。  私には居丈高に「賠償を要求する」、「2週間以内に真摯に回答しろ」と言ってきた朝日が、私の「真摯な対応」から2週間経っても何も言ってこないというのは、これは一体、どこまで非常識なのだろう。  朝日新聞は森友加計事件を捏造したか、しなかったのか。  これをうやむやにすれば、日本はマスコミの嘘による政府転覆運動を容認する社会だということを自ら証明することになる。それは近未来、日本が中国に政治主権を奪われる予行練習となるであろう。  私がなぜこの件を「戦後最大級の報道犯罪」と言うかと言えば、これは主権簒奪プログラムにすぐに転用可能な、極度に危険な現象だからだ。慰安婦問題の日本の国際的名誉棄損とは異質の、はるかに直接的な危険がここにはあるのだ。  もし本当にこの問題で日本社会が戦う気がないなら、私は近い将来日本を立ち去る。自由社会であることと日本の偉大な精神伝統を二つながら失う馬鹿な祖国には耐えられない。無論、ぎりぎりまで少数の同志と学問もし、戦いも継続する。  評論家は多いが、本当に危機が見える人間の少なさに閉口する。朝日の廃業が目標ではなく自由社会の防衛が目標だ。それには自分たちの社会がさらされている危機を自覚できることこそが一番大切なのだ。朝日が怪しからんから叩く、ここにとどまっていては真の敵から身を守れない。私が今何の闘いを戦っているかを何とか正確に分かってほしいのだ。本当に失ってしまう近未来を越させないために。」(以上)

小生が本ブログを立ち上げたのも、中国の危険性(軍事侵略・人口侵略と共産主義浸透による自由社会破壊への)について警鐘を鳴らしたかったためです朝日新聞購読者は経営を助けることにより中共のお先棒に手を貸していることになっていることに早く気が付かないと。

12/23アノニマスポスト<【NHK】自民党に投票した若者が理由を述べる ⇒ 東大教授「もう少し真剣に考えて!」⇒NPO代表「何も考えず現状維持で自民は短絡的!」www>東大もバカが教授をやっているという事です。まあ戦後利得者である東大が既存の仕組みを温存しようとするのは当り前のことかも知れませんが。難関と言われる司法試験に代表されるように、勉強すればするほど護憲に考えが凝り固まるようになっています。公務員試験もそう。学びて思わざれば則ち罔しの典型です。ですから、法曹界(司法)や官界(行政)の座標軸は大きく狂ってしまう訳です。自分の頭で考えず、学力だけでエリート面する訳です。真のエリートとは程遠い。政界(立法)を選挙と言う手段で国民の意思を反映させるしかありません。今の若者の方が情報選択の間口の広さを持っていて、危機に対して自分の頭で考えているという事です。それができない老人は若者に託すべきです。左翼は若者に対し「徴兵制復活」と脅して味方につけようと思ってきましたが、現代の戦争で徴兵制復活はあり得ないことを今の若者はチャンと知っています。

http://seikeidouga.blog.jp/archives/1069001178.html

福島記事

11月に北京市郊外で起きた大火事の後、街はゴーストタウンに(写真:ロイター/アフロ)

北京の大興区で起きた出稼ぎ労働者向け簡易宿所の火事をきっかけに、大規模な“出稼ぎ者駆逐政策”が始まっている。防災・安全を建前に、大都市の機能を底辺で支える農村出身出稼ぎ者たちが暮らす“ドヤ街”や彼らが働く違法工場の一斉撤去を行い、彼らを“低端人口”(低級の人口)として北京から排除し、直面する人口問題を解決しようというものだ。

だが、あまりに突然で暴力的であることから、少なからぬ良心的知識人たちは、これを憲法違反の人権問題として批判している。片や北京市当局は「そもそも低端人口など北京に存在しない」として、この低端人口駆逐政策自体がネットのデマだと主張。しかも、抗議の声をあげる知識人たちの拘束・逮捕に乗り出した。背景には、国家主席・習近平の信任を得ている北京市書記・蔡奇の強気の姿勢があるとみられる。火事からすでに1カ月以上たつも、問題は収束するどころか、より深刻な人権問題に拡大しつつある。

大火事をきっかけに“一斉駆逐”

出稼ぎ者の簡易宿所、日本で言うところのいわゆる“ドヤ街”の一斉撤去と、そこに暮らす出稼ぎ者の“駆逐”は、すでに日本メディアでも「低端人口問題」として詳細に報じられている。

改めて概要をまとめると、事の起こりは11月18日。北京市南部の河北省と隣接する大興区の新建二村の簡易宿所・聚福縁公寓で幼児・子供8人を含む19人が死亡する大火事だった。この地域には北京市のサービス業などを支える農村戸籍の出稼ぎ者が吹き溜まるように暮らす。火事が起きた聚福縁公寓は違法増改築を繰り返し、老朽化した建物で、10平方メートル前後の部屋が300ほどあり、400人以上の出稼ぎ者と家族が暮らしていた。

一部屋が日本円にして一万円前後という安さだが、防災設備どころか窓すらなく、建物内も入り組んでいた。三つある出入口も一つが封鎖されていたという。一階は食堂、地下には冷蔵室があり、失火原因は、その冷蔵室の故障漏電による火花が冷蔵室の断熱材に使われていたポリウレタンに燃え広がった、と言われている。

この火事自体が悲惨な事件であるが、問題はその後の北京市の政策である。北京市は、この火事を機に防災対策として、郊外にあるこうした違法増改築された建物や老朽化した建築物を年末までに一斉撤去することを決定。建前は、都市の防災・安全対策だが、その狙いは増えすぎた北京市人口を抑制するために“低端(低級)人口”と呼ばれる、都市の最低層の仕事を支える農村戸籍の出稼ぎ者を駆逐することだった。

当局は「問題」認めず情報統制

ちょうど北京に来ていたので、火事の現場の大興区西紅門鎮の新建二村にまで来てみたが、そこの住人はすでに完全に追い出され、撤去を待つ空(から)の老朽家屋が立ち並ぶゴーストタウンと化し、がれきの山が築かれていた。ついひと月前までは、このあたりに万人単位の出稼ぎ者らが普通に暮らしていたのだ。

この場所に連れてきてくれた白タクの運転手も山東省の出稼ぎ者だが、「このあたりに住んでいた出稼ぎ者は、北京市の居留証もなく、最低辺の仕事をしていた。自分は北京にきて6年目で居留証も得ているので、彼らとは違う」と説明した。同情はしていないようだった。

多くの“ドヤ”が問答無用で撤去され、そこに住んでいた労働者と家族たちはいきなり、北京の寒空に放り出されることになった。その数は10万人とも数十万人とも、最終的には100万人に達するともいわれている。

だが北京市当局はこの事件に関する報道を統制、インターネットのSNSで低端人口をはじめとする関連用語を打ち込んでも表示されず、動画や写真も削除対象となっている。

実際のところは、北京の郊外にいけば、こうした強制的に住人を追い出しゴーストタウン化したドヤ街がいたるところに広がり、あるいはすでにがれきの山となっており、またキャリーバッグなど手荷物を持って零下の夜をさまよう出稼ぎ者らが未だ、見かけられた。こうした人たちに、市は新たな職業や宿舎を提供している、という報道もあるが、必ずしも全員に救済措置がとられているわけではない。一部良心的な知識人、アーチストら5000人以上が、こうした北京市の政策が、憲法違反の人権問題であるとして公開書簡で抗議の声をあげている。

「さまよう出稼ぎ者」動画投稿で逮捕

そうした抗議者の一人が北京郊外にある芸術家村・宋荘(通州区)にアトリエを構える画家・華涌(48)だった。華涌は11月下旬から、北京市の政策により出稼ぎ労働者向けの簡易宿舎が強制撤去されている様子や、宿舎を追い出され、零下の北京をさまよう農村戸籍の出稼ぎ者の映像をスマートフォンで撮影し、動画サイトに投稿し、反響を呼んでいた。だが彼の活動に協力した出稼ぎ者が少なくとも5人、警察に逮捕され、彼自身にも危険が迫った。

華涌は12月7日から天津市の友人宅に身を隠していたが、15日夜、ついに警察に連行された。友人宅に警察が来てドアを叩く音が聞こえるなか、華涌がスマホの自撮りで、「すでに刑務所に入る覚悟はできている」と、これから連行されるべくドアを開けることを宣言。「あと三日で娘の誕生日なのだが、一緒に祝えなくて残念だ」と語り、「ハッピーバースディトゥーユー」を歌い、自由になったら、君を世界につれていってあげる、と娘にメッセージを残している(その後、19日までに保釈された)。華涌は48歳、遼寧出身で、かつて天安門広場で、天安門事件を追悼するパフォーマンスをやったために一年三カ月の労働教養所送りになったことがあった。この秋の党大会期間も、自宅軟禁にあっていた。

この事件について、環球時報は、一時期、一部で暴力的な撤去が起き、世論の批判を受けたが、こうした世論を参考に当局は善処しているとして、華涌の抗議は単なる煽情的なパフォーマンスだと批判した。

だが、低端人口問題は公式メディアのいうように、すでに解決し、鎮火した問題かというと、むしろ新たな“火事”が続き、拡大している。

12月13日未明、朝陽区十八里店郷白墙子村のドヤで再び火事が起き、5人が死亡していた。この村も、撤去対象になっていた。火事の原因は無資格者が設置した電動車用充電器らしいが、消防隊はこの地域が撤去対象だからといって出動せず、住人に救出も行われなかったようだ。このドヤにその日に宿泊を開始したある男性は3階から飛び降りて足を骨折して一命を取り留めたが、一緒に泊まっていた息子は死亡したという。この村から遠くない別のドヤ街の村でも11日と12日の夜に火事があった。

こうなってくると、大興区の火事も含めて、本当に撤去予定になっているドヤ街の火事は、失火なのか、という気もしてくる。もちろん、そうした疑問の声はおろか、事件に関する情報自体が統制されている。13日には大興区の龐各荘でも暴力的強制撤去があり、何の準備時間もないまま、布製品加工工場が取り壊された。布など工場にあった材料や車は押収されたという。

「書記批判」封じ込め、強権で強行

こうした激しく暴力的な政策について、北京市書記の蔡奇への批判は高まっているが、それもメディア統制によって封じ込められている。12日、こうした批判を避けるために、蔡奇は都市生活のサービス産業を支える低収入労働者への慰問をこれ見よがしに行い、それを公式メディアに報道させた。蔡奇は都市の清掃、家政、流通、飲食業などに従事している低収入労働者を十分に尊重し、関心をもって彼らの問題を解決せねばならない、とコメントした。だが、こうした実際の行動と裏腹のパフォーマンスが、さらに不信感を呼んでいる。

13日、北京市の北京大学、清華大学、人民大学らの大学生有志84人による「北京市書記・蔡奇先生に辞職を促す」と題した公開書簡がネットで発表された。公開書簡では「今回の暴力的な公民の駆逐政策の悪影響は深刻で、大衆と共産党の関係を損ない、この責任を誰かが負わねばならない。我々は法規・規律を乱したとして、北京市委書記・蔡奇先生に即刻辞職していただき、天下に謝っていただきたい」と訴えているが、当然この公開書簡の載っているサイトはすぐさま削除、封鎖された。

この政策の背景には、今年秋に、2020年までに北京市の人口を2300万人以下に抑制するという都市計画が打ち出されたことが関係している。北京市の人口は2016年末に2172万9000人と発表されている。このうち800万人以上が外来人口と呼ばれる北京市外から流入した人口だ。さらに統計上にカウントされていない出稼ぎ者が100万人から200万人いるともいわれ、北京人口の実質はすでに2300万人を超えている。

北京だけでなく、上海、広州などの大都市では人口爆発の問題が深刻で、都市資源、特に交通インフラの維持や生活用水の確保のためには、都市人口抑制は重要な課題である。その処方箋として“低端人口”の都市からの排除は、かねてから都市計画の専門家から指摘されていた。“低端人口”という言葉そのものに込められている蔑視や、実際に都市サービス産業がこうした外来人口に支えられている現実から、こうした党内部の“政治用語”が表だって使用されることは、これまでほとんどなかったが、習近平政権が二期目に入り、習近平の権力基盤が強化されたことで、習近平派閥の筆頭でもある蔡奇が自分の強権に自信をもち、この強硬な政策を実行に移したと見られている。ある北京市民は「蔡奇書記が自分の権勢の強さを周囲に見せつけるために、今回の“駆逐”政策に踏み切ったのだ」との見方を示した。

都市生活の恩恵を受けている北京市民には、人口爆発を防ぐために正規の居留証を持たずに北京に暮らす“低端人口”の駆逐は致し方ないという意見を言う人も少なくないが、一方で大学関係者や学生、知識層らいわゆる“高端(ハイレベル)人口”に、こうした非人道的な政策はおかしいとはっきり言う人も少なくない。

北京清華大学社会学系教授の郭於華はBBCの取材に「自分の学生で、すでに博士号をとって、大学への就職も決まっている者も、この強制撤去政策で住居を失った。彼は“高端人口”に属する人間だが、この種の人権侵害の政策は、今日は他人ごとでも、明日は我が身だ」と訴えている。この政策に大学生たちが敏感に反応しているのも、実のところ、地方出身の学生の中には、大学卒業後も就職先が見つからず、“低端人口”に陥ると心配している者も多いという現実があるからだろう。

「人民」はどこに?

また、生粋の都市民の中にも、この政策によって“高端人口”の都市生活が大きくマイナス影響を受けている、と懸念を言う人もいる。例えば、都市民の生活を支えるネット通販は、こうした出稼ぎ“低端人口”が運転する宅配便用の電動自動車に支えられているが、今回の“低端人口駆逐”によって、大手宅配会社・順豊の北京方面における運送センターのおよそ十分の一が、人手不足で機能マヒに陥り、宅配の遅延や誤配が一気に増えた。

順豊は一応、自社で宿舎を確保することで、この問題を解決するとしているが、「この政策の結果、宅配便の単価が上がってしまうかもしれない。結果的に、清掃、飲食サービス、ガードマンといった底辺の仕事を低賃金で担う人員が減って、都市サービスの単価が値上がりしたり、質が劣化するならば困る」という市民もいた。

習近平はこの秋の党大会の政治活動報告で、「人民を中心とする」という方針を強く打ち出している。習近平政権の政策ブレーンを自任する清華大学教授の胡鞍鋼は「習近平政権では、『人民』を強く打ち出していることが特徴。人民を中心とする、とは『人民の人民による人民のための政治』ということであり、これが執政党としての正統性の根拠となる」とリンカーンの名言を引用して説明していた。だが、現実をみると、この人民とはいったいどこにいるのか。習近平政権二期目の政治は、「人民を中心とする」ではなく「人民を排除する」政治であり、もはや、その執政党としての正統性は暴力でしか維持できない状況に陥っているということではないだろうか。

山田記事

年末年始の特別企画として、日経ビジネスオンラインの人気連載陣や記者に、それぞれの専門分野について2018年を予測してもらいました。はたして2018年はどんな年になるのでしょうか?

(「2018年を読む」記事一覧はこちらから)

「いたたまれないダンス」の先駆け(左、鄭州2015年)と、「いたたまれない人」と揶揄される人の典型的なタイプ(上海2016年)

中国でも流行語が話題に上る季節が今年もまたやって来た。かつてこのコラムでも書いたが、中国では日本漢字能力検定協会が決め清水寺で発表する「今年の漢字」や、「ユーキャン新語・流行語大賞」のような、「今年の漢字・流行語と言えばコレ」と国民の間に定着しているものがない。そこで、『咬文嚼字』という言語学の専門誌や、『新周刊』という隔週刊誌等、その年のキーワードや流行語を特集で取り上げることの多いメディアにいくつか目を通してみると、共通して取り上げられていたのは「尬」(ガー)という字だった。

「尬」は通常「尷尬」(ガンガー)と2文字セットで使われることがほとんどで、「いたたまれない」「気まずい」という意味。それがここ2、3年、「尬」の字を「尷」ではない他の字と組み合わせて使うケースが出始め、今年になって流行と言えるまでに拡大した。

なかでもよく使われる組み合わせは「尬聊」(ガーリャオ)と「尬舞」(ガーウー)の2つだ。

「尬聊」はネットで知り合った面識のない相手とチャットでおしゃべりを始めたものの盛り上がらず、気まずい雰囲気になることを表現するのに生まれたネット用語の1つだった。そこから派生して、初めてのデートで会話が弾まないことなど、ネットからリアルの世界にまで発展してきた言葉である。

踊り狂う「いたたまれない」50・60代

「尬舞」は、「舞」という字で分かるように、「いたたまれないダンス」という意味。ダンスはダンスでも基本的にはダンスバトルのことを指すらしい。尬舞を躍る人たちの様子を映した掲載できる写真がなく残念なのだが、彼らの出で立ちからダンスそのもの、発する雰囲気まで、何から何まで見ていて確かに「いたたまれない」のだ。

ピンクや黄色など奇抜な色に染め、両サイドを剃り上げて弁髪風にしたヘアスタイル、系統的にはストリート系のはずなのに、70年代から80年代にかけての日本に出現し社会現象になった暴走族やタケノコ族のにおいをも感じさせ、それらのいずれをも2段階ぐらいダサくしたようなファッション。相手を小馬鹿にしたような、世の中を舐めきったような、怖い物なしといった表情。すべてが露悪趣味に溢れている。見ているのが「いたたまれない」し、見ているこちらが「気まずい」気持ちになる。日本で言うところの「イタい」に通じる部分もあるかもしれない。

「尬舞」の発祥の地は内陸の河南省鄭州の公園だ。その後、全国に広まっていくにつれ、ダンスを踊る人の年齢層も拡大していったようだが、中国のネット動画サイトで、発祥の地である鄭州で中心になって踊っている人等を観ると、中高年がほとんどであることに気付いた。

その後、検索大手「百度」のネット記事で「鄭州の尬舞チームで躍っているのは一体どんな人?」という記事を見つけ読んでみると、やはりそうだった。中心メンバーの年齢は50代半ばから70歳ジャストまで。文化大革命(1966~76年)の前後に学齢期だった文革世代の人々である。

「自由=好き勝手に振る舞う」

「尬舞」の流行を牽引する露悪趣味の文革世代が踊り狂う様を見ていて、やはり文革世代の上海人男性が話していたことを思い出した。彼は私よりも2つ年上の今年54歳だから、文革が終わった76年には中学1年生だった。中国有数の名門、上海復旦大学を卒業したエリートである。

その彼が、日本旅行から帰ってきたばかりだといって話してくれたのは「自由」の話だった。「日本もシンガポールも旅行で行ったけど、中国がやっぱりいいよ。だって自由だもんな」と言うのだ。

自由とは、言葉が不自由だったからつまらなかったという意味かと思ったが、しかしシンガポールなら中国語が通じるはず。すると彼は、「違う違う。日本は町も電車の中もレストランもどこもかしこも静かじゃないか。大声でしゃべると冷たい目で見られるだろ。それにシンガポールも日本も、道路にツバを吐いたらイヤな顔をされる。シンガポールはゴミを捨てたら罰金だぜ。その点、上海はツバは吐き放題、ゴミは捨て放題、大声でしゃべってもだれも文句を言わない。中国はまったく自由さ」

自由には責任が伴うものだとか、自由は不自由なものだとか言うような、自由についての議論をここでするのはやめておく。ここでは、中国の文革世代は、「自由」を「好き勝手に振る舞うこと」と捉えているようだということ、そして、この世代が踊る様を、若い世代が「いたたまれない」という思いで見ており、そこから「尬舞」という言葉が生まれたようだということを、ひとまず覚えておいてほしい。

祈り、巡礼できる自由

五体投地でラサへ巡礼の旅に向かう人(『ラサへの歩き方~祈りの2400km』。12月23日(土)からシアター・イメージフォーラムでロードショー公開。配給:ムヴィオラ)

ここでもう1つ、2017年に中国でヒットしたものを取り上げたい。『ラサへの歩き方 祈りの2400km』(原題『岡仁波斉』、カイラス山の中国名。監督・チャン・ヤン)という映画である。チベット自治区の小さな村に住む村人たちが、チベット仏教の聖地ラサ(拉薩)、そして聖山カイラス山へ向かう合計2400kmの道のりを、「五体投地」という礼拝をしながら1年をかけて徒歩で巡礼する様子を描いたロードムービーだ。ドキュメンタリーではなくフィクションだが、演じているのは実際にチベットの村に住む一般人だという。

「五体投地」とは、両手、両膝、額の「五体」を地面に投げ伏して祈りを捧げる、チベット仏教で最も丁寧な礼拝のスタイルのこと。主人公等らの住む村があるチベット自治区東端のマルカム県は標高が平均4300m、カイラス山は6656mと、日本では体験できない高地にある。歩くだけでも気が遠くなりそうなこの厳しい環境を、彼らは、尺取り虫のように体を投げ出す礼拝をしながら、徒歩で歩き通すのだ。参加しているのは幼い少女から妊婦、老人の3家族11人。撮影中、妊婦は本当に道中で出産し、伴走のトラクターの荷台に新生児を載せて巡礼を続ける。今年の6月に中国で公開されると、興収1億元(約17億円)、動員300万人(2017年10月現在)という、「芸術映画」のカテゴリーで過去最高の空前のヒットになった。

さて、言ってみれば、聖地に向かって老若男女がひたすら歩き続ける映画がなぜ、中国で大ヒットしたのか。

日本での配給元のムヴィオラによると、「中国に先駆けて2016年7月に世界で最初の劇場公開が行われた日本では、映画を観るだけで心を整えることができるという声が高まり」、約2万人を超えるスマッシュヒットになったとのことだ。

ただ、短からず上海に住み、少数民族や農村の人たちの生活や現状にほとんど関心を示さない都会の中国人のことを知っている私は、この映画が流行ったのは、生活に余裕のある富裕層や上位中間層が、「スローライフが好きな私」に酔いしれ、他人にもそれをアピールするために、いわばファッションとして観たというところなのではないか、と思っていた。

しかし今年の12月半ば、渋谷の試写室で初めて本作を観ている途中で、いささか考えが変わった。あり得ないような猛吹雪で息ができなくなっても、豪雨で道路が川のようになりおぼれそうになっても、対向車にぶつけられ伴走のトラクターが走れなくなっても、崖崩れの落石で足をケガしても、慌てず騒がず、しかし歩くことを止めない彼らの姿に、観客等は純粋に心を揺すぶられたのだろうと。1年もの巡礼の間、収入がなくなるのを承知で旅に出て、聖地ラサに着いた時点で持ち金がなくなると、旅をいったんやめ、現地で洗車や建築現場の肉体労働をして数カ月金を稼ぎ、金がたまるとまた、聖山カイラスに向かうという彼らの生き様に、心を動かされた。そこに、普遍的なものを感じたということなのだろうと思った。

一人っ子政策の犠牲者たちのやるせなさ

そして、試写の後にあった談話会に登壇した本作の字幕翻訳を務めた樋口裕子氏から興味深い話を聞いた。「最近訪れた上海で、どのような人たちが本作を観たのかと聞いて回ったら、30代の若者が中心だった」というのだ。そして、「30代の人たちというのは、企業の中で責任は重いし、立場的にも難しい位置にいて、とても疲れているらしい。そういう人たちがこの映画を観たそうだ」と。

この話を聞いて私は、いたたまれないという意味の「尬」という言葉が流行ったことにつながるものを感じた。

いまの中国の30代は、1979年に施行され2015年に廃止になった「一人っ子政策」の第1世代と言える世代だ。一人っ子政策が廃止されたのは、少子高齢化で老齢人口を支えることが困難になり始めたためである。子供のころは、双方の祖父母に両親合わせて「6つの財布を持つ」と言われた一人っ子世代だが、今に至って、1人で6人の老後を支えなければならない可能性があるという不安を抱えるようになった。そのような立場にある彼らは、仕事を簡単に辞めるわけにはいかない。樋口氏の言う「彼らはとても疲れている」というのは、仕事だけでなく、社会的な構造を背負わされたプレッシャーから来る疲れもあるのだと思う。

その都会の30代の彼らの目に、仕事を1年以上も休んで巡礼の旅に出るチベットの人たちの姿は、いかにも「自由」に映ったのではないか。ちなみに、チベット族など少数民族は、一人っ子政策の対象から除外されていた。

一方、都会に目を転じると、「自由」を「好き勝手に振る舞うこと」と解釈している50代、60代の大人たち、すなわち、一人っ子世代が支えなければならない中高年たちが、脳天気に「尬舞」に興じている。

「いたたまれない」を意味する「尬」という言葉の流行は、「オレたちは自分を犠牲にして、こんな大人たちを支えていかなければならないのか」という一人っ子世代のやるせなさや憤まんが爆発する前兆のように思える。その思いが高じて、2018年に、この世代が社会に牙を剥いても、何の不思議もない。

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『2018年の韓国文政権が抱える「ヤバい火種」を元駐韓大使が指摘』(12/19ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

12/22日経<政府、ベルギーにNATO日本代表部>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24951390S7A221C1EAF000/

12/22日経<米、北朝鮮追加制裁案を配布 石油精製品の9割規制>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24950870S7A221C1I00000/

12/22日経<米、対北朝鮮・対テロ結束に影響も 「首都認定」で非難決議 トランプ政権、指導力に傷>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24974470S7A221C1FF8000/

12/22日経<賛成の日本、米の要請断る エルサレム非難決議>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24960730S7A221C1000000/?nf=1

12/22日経<日本、中東との関係考慮 「エルサレム首都」撤回決議に賛成>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24975080S7A221C1FF8000/

NATO日本代表部設置のニュースは、日本もNATOの一員になり、中国封じ込めで欧州にも協力して貰えるようにする第一歩でしょう。ロシアや中国は入れて貰えないでしょうから。国連でのエルサレム非難決議で日本が賛成に回っても良いように米国と充分に擦り合わせが行われたようです。それは当然で、目の前に北の脅威が差し迫っている訳ですから。トランプが「金だけ貰って米国に反対するのはケシカラン」という気持ちは分かります。モノを言うのであれば援助は断るべきです。中国や韓国のように日本から多大な援助を受けても反日に勤しむ国があり、本来であれば支援を断るべきかと。アホなのは日本政府でしょうけど。支援に精を出した日本の政治家を選んだ国民の責任です。たまにはトランプのように強く出た方が良いと思います。特に国連に対しては、いつまでもATMの役割を果たすだけでは国益を損ねます。外交は脅すことも必要です。大人ぶるのは勇気のない証拠、外務省はもっと真剣に国益を考えて交渉してほしい。

12/23中国観察<金正恩羞辱習近平 美製定攻朝計劃 黨媒曝天價金援結下友誼——英媒:以空襲敘利亞為藍本 美製定攻朝計劃 阿波羅網=金正恩は習近平に恥をかかせ、米国は北の攻撃計画を制定 党のメデイアは北との関係は金で結ばれた友誼と明らかにした 英国メデイアはシリア攻撃を手本として米国は北の攻撃計画を制定と アポロネット>『中朝関係は血で結ばれた友誼と言われるが、1990年からの15年間で中国が北を財政援助したのは15億~37.5億$にも上り、金で結ばれた友誼であった。マクマスター補佐官は「米国が与えている印象としては、北が協議を拒んでいるので、米国は軍事行動について真剣に議論している」と。ジョージ・W・ブッシュ時代の国家安全委員会国防戦略局長のケリーは「私が知っている所では、北が核放棄しない限り、米国は北の核の破壊の為の先制攻撃をするだろう。ホワイトハウスは放棄か攻撃かの二者択一を迫られている」と。シリア攻撃で、米軍の59発の巡航ミサイルは、シリア空軍基地の総ての戦闘機が飛べないように建物・設備を破壊した。北への攻撃はこれを手本とするだろう。日本の朝日新聞に依れば、専門家の意見として、「北は生化学兵器を開発、世界がパンデミックに襲われるかもしれない。もし、北がICBMに炭疽菌を搭載して試射したり、生物製剤を攻撃用の武器に使うのであれば、その破壊性は核以上に恐ろしいことになる」と。』

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/12/22/384665.htm%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E7%BE%9E%E8%BE%B1%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3-%E7%BE%8E%E8%A3%BD%E5%AE%9A%E6%94%BB%E6%9C%9D%E8%A8%88%E5%8A%83-%E9%BB%A8%E5%AA%92%E6%9B%9D%E5%A4%A9%E5%83%B9%E9%87%91%E6%8F%B4.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

武藤氏の記事に依れば、文大統領の支持率が一時84%にも上ったとのこと。プーチン並の数字です。でも左翼政権ですから操作した可能性もあります。彼の内政・外交を見ればそんな高い数字が出るとは思えませんが、もし真実の数字だとすると韓国民のレベルを表していることになるでしょう。妄想だけで生きている民族ですから。自分に都合の悪いことは総て脳内で自分の理想に変換し、あるべき姿を主張するだけ、そのためには強請り・タカリも厭わない見下げ果てた民族です。ですから何世紀も中国の属国であったし、今でも中国から見下された扱いを受けています。蝙蝠外交を続けてきたせいか、米国からも「信頼できない友人」との評価も貰いました。自分達が孤立しているのに気付かず、「日本の孤立」を言い立てるのですからご気楽な人達です。戦争と経済崩壊の危機は目前なのに。徳政令を出したら、経済がガタガタになるのが左翼政権は見えていません。5ケ年計画もうまく行くはずがありません。朝鮮日報に依れば青年の実質失業率は23.6%とのこと、家計債務もGDPの93%(1346兆ウォン、因みに日本の家計債務はGDPの58.4%)と借金で消費を支えている構図です。徳政令を敷いたので金融機関も貸し出しには慎重な姿勢を取るでしょう。経済がシュリンクすることが考えられます。中国共産党と同じく、強制融資させれば、外資は逃げ出すでしょう。通貨価値が下がるだけですから。

https://snjpn.net/archives/26840

http://japanese.joins.com/article/074/232074.html

日本に擦り寄ってこようとも、世界に慰安婦像や強制徴用像を建てようとしている国を助ける道理はありません。「慰安婦合意の着実な履行」を求めて門前払いすれば良いでしょう。中国との通貨スワップも口約束だけのようですし、地獄に落ちるしかないのでは。読売の記事に依れば「日韓関係は今後良くなる」と考えるのは、日本人は5%に対し、韓国人は56%とのこと。こんな数字で韓国に宥和政策を採れば次の選挙でボロ負けするでしょうから、政府は韓国を助けることはしないでしょう。朝鮮有事の際の邦人救出の打合せもしないような国ですから。

http://news.livedoor.com/article/detail/13230583/

記事

Photo:代表撮影/ロイター/アフロ

歴代最高の支持率を得た“人権派”の大統領

11月10日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領の就任6ヵ月を迎えるに当たり、韓国「ギャロップ」が実施した世論調査によれば、文大統領のこれまでの職務遂行を肯定的に評価する人は74%であった。大統領選挙での得票率が41%であったことを考えれば、6ヵ月後としては驚異的な数字である。6月2日には歴代最高の84%の支持を得ていた。

韓国では最近、いわゆる“人権派弁護士”が選挙で当選するケースが目立つ。故盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長、そして文大統領である。

韓国は、一部の特権層とエリートがいい生活を送っているのを尻目に、多くの庶民は努力しても報われない社会になっている。「七放世代」と言われ、「就職」「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「夢」「人間関係」をあきらめた若者や、生活苦にあえぐ高齢者世帯が多い。そのため、「庶民の生活を守る」「貧困層の生活を改善する」と訴える、人権派弁護士たちに支持が集まるのである。

文大統領も、そうした庶民の期待を背負い、李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)の保守政権の政策を「積弊(せきへい)」と糾弾して当選した。北朝鮮への融和政策を懸念する保守層は、彼以外に投票したが、票が割れて経済や福祉政策に重点を置いていた文大統領が当選したのだ。

文大統領は、「コミュニケーションや感性を重視した、型にはまらない統治スタイルを導入、「不通(コミュニケーション不足)」と「権威」に象徴された朴前大統領との違いを印象づけ、朴前大統領の親友で得体のしれない崔順実(チェ・スンシル)の国政介入に憤った民意をなだめ、国政を落ち着かせた。

こうした「リーダーシップが評価され」(聯合通信)、70%を超える支持率を維持している。しかし、文大統領が国民の期待する最低賃金引き上げなどの経済政策や、焦眉の急となっている北朝鮮の核ミサイル問題への対応、そして日本人が期待する、日韓関係の改善に成果を上げているわけではない。

文政権を取り巻く課題は、2018年に、より困難な問題として先鋭化するであろう。その時、文政権はどのように評価されるのか。韓国にとって困難な状況を克服できるのか、2018年の韓国を展望してみたい。

5ヵ年計画の柱は経済と南北関係

文大統領は、7月19日、「国政運営5ヵ年計画」を発表した。その柱は、経済と南北関係である。

経済については、所得格差の広がりへの対応に注力し、20年に最低賃金1万ウォンの実現を目指すこと、対北朝鮮政策では「2020年の核放棄合意」を目標に、非核化と平和体制構築に向けたロードマップを17年中に策定することの二本柱である。

文政権の政策理念は、「庶民や弱者中心の政策」であり、その核心は「所得主導の成長論」に基づいた経済政策と福祉政策である。

5月12日、文大統領は仁川国際空港を訪れ、公団で働く約1万人の職員を全員、正規職に転換するよう指示した。また、任期内に81万人の公共部門雇用を新たに創り出すことで失業問題を解決すると発表、民間企業にも新入社員の採用拡大や非正規社員の正規社員への転換を強く注文した。さらに、現在6740ウォンの最低賃金を、2020年までに1万ウォンへと54%引き上げる(18年は7530ウォンで16.4%増)と公約した。

さらに福祉面では、MRI検査やロボット手術など、これまで健康保険の適用外であった3800余りの適用外項目を適用項目に転換する「文在寅ケア」を2022年までに設ける方針だという。

また、月20万ウォンの高齢者年金を30万ウォンにひきあげ、月10万ウォンの児童手当も新設する。政府は、これらの経済政策や福祉政策に約120兆ウォン必要だとするが、当面一般国民を対象にした税金の引き上げは行わない方針である。代わりに所得税や法人税の最高税率を引き上げ、「超高所得者や超大手企業の所得を再分配する」という。しかし、何といってもその本質はバラマキである。

こうした文政権の政策に対し、韓国企業は表立って反旗を翻すことはできない。財界も表向きは文政権に協力する姿勢を示しており、文大統領の訪米には52社が同行し、5年間で128億ドルの対米投資を行うことにした。大統領に公然と反抗すれば、サムソンの李在鎔(イ・ジェヨン)副会長のように逮捕拘禁されかねないからである。

しかし、企業の国外脱出の動きは始まっている。韓国の老舗紡績企業は、工場の一部をベトナムに移転することとした。最低賃金上昇によるコスト増に耐える余力がなくなり、韓国から出ていくのである。コンビニチェーンも次々に無人店舗を導入している。無人化の流れは書店、郵便局、カフェ、ガソリンスタンドにも広がっている。

OECDは、11月28日発表した「世界経済見通し報告書」で、韓国の成長見通しを3.2%と0.6%上方修正している。これは半導体業界の活況による輸出と投資の増加によるものである。しかし、「最低賃金引き上げに伴う賃金費用増加、法人税率引き上げに伴う投資鈍化、地政学的緊張は下方リスク」と指摘し、急速な賃金引き上げは経済成長を脅かす要因になりかねないと警告を発している。

また、韓国最大のシンクタンクの一つKDI国際政策大学院招聘教授の金大棋(キム・テギ)氏は、「韓国政府の債務はまだ健全な水準だが、過剰な家計債務、日常化する災害、統一費用まで考えた場合、余力は小さい。先進国の例が示すように、福祉拡大が始まると、負債はコントロールできずに増える。国家の債務危機は通貨危機で経験した企業債務の次元と異なる」と危機感をあらわにしている。

文在寅大統領の経済政策は、労働者に寄り添うものであり、短期的には“人気取り”になるかもしれないが、より長い目で見ると雇用の減少、企業の競争力の低下、政府債務の増大となって跳ね返り、経済の停滞を招くことになるであろう。それでも経済が好調なうちはまだいい。しかし、韓国経済は財閥依存、半導体依存といったすそ野の狭い経済であり、いずれ破たんへの道を進みかねないのが懸念材料である。

北朝鮮問題で主導権を握ると言いつつ右往左往

外交面では、周辺の4強(日本・米国・中国・ロシア)との関係で、バランスを取りつつ、朝鮮半島問題で主導権を握ることを政策の基本にしている。ただ、肝心の北朝鮮との関係では、北朝鮮の挑発行為のために融和政策が思うように進んでおらず、また、THAAD配備問題では米中の板挟みにあっている。

北朝鮮は、今年9月に昨年の核実験の13~14倍に当たる規模の6回目の核実験を行った他、11月28日にも米本土全域をカバーすると言われる新型のICBMを発射した。これまで文大統領は、北朝鮮が「ICBMに核弾頭を搭載したときがレッドラインだ」と述べていた。だが、今回のICBMは、大気圏への再突入や終末段階での精密な誘導、弾頭の正常な作動などの能力を立証できなかったとして、あくまで「ICBM級」であってレッドラインは越えていないと主張している。

文大統領は、制裁などの圧力は対話に導くためのもので、重点を置いているのは「対話」だとしており、軍事当局者会談と赤十字会談を提案したが、いずれも北朝鮮に拒否された。また、北朝鮮への800万ドルの人道支援は宙に浮き、2018年の平昌オリンピックへの北朝鮮選手団の参加も見通しが立っていない。韓国にとって北朝鮮問題は安保問題であるが、平昌オリンピックの成功を重視し、安保問題は副次的なものとなっているようである。

THAAD問題では、北朝鮮の核実験の後、追加配備を認めた。しかし、トランプ大統領のアジア歴訪の直前にTHAAD問題で中国に歩み寄り、中韓関係の改善に合意。その際、(1)米国のミサイル防衛システムに加わらない、(2)日米韓軍事同盟に発展させない、(3)これ以上THAADの追加配備はしない、という3つのノーを表明した。北朝鮮問題の解決で最も重要な役割を果たしてほしい中国訪問を前に、トランプ大統領は日米韓の結束を固めようとしたが、はしごを外された形である。

文大統領の中国国賓訪問では、中国はこれを一歩進めて、両国首脳間の合意にする、あるいはこの問題を適切に処理すると称して、撤去するなどの追加措置を求めたようである。さすがに米国との関係で、韓国がそこまで応じられないとしたためか、会談終了後の共同声明も共同記者会見もなく、全体として国賓と呼ぶには冷たい接遇であったようである。

文大統領がすべきことは、北朝鮮との関係がさらに緊迫してきた時に、トランプ大統領と腹を割って相談できる関係になることであるが、ウォールストリートジャーナル(WSJ)紙は、文大統領を称して「信頼できない友人」と述べている。南北首脳会談を行った、10年前の盧武鉉大統領の頃の北朝鮮ではないことが分かっていないのであろう。文大統領は理念先行で、今の韓国にとって何が緊要なのか理解していないと思えて仕方がない。

歴史問題を再燃させたままで日韓関係は改善しない

光復節の演説で文大統領は、日韓関係について、過去の歴史が未来志向的な発展の足を引っ張るのは好ましくないとして、経済や安保、そして文化交流を、歴史問題と切り離して前進させようとしている。

しかし、その一方でNGOや政治団体が、慰安婦の少女像を各地に建立し、日本を攻撃することを黙認している。それどころか、慰安婦メモリアルデーの記念日指定や、慰安婦資料のユネスコ世界記憶遺産登録を支援するなど協力している。これは明らかに15年12月の日韓合意違反で、徴用工問題でも個人請求権は消滅したとする過去の両国政府の共通認識をひっくり返している。

また、トランプ大統領を主賓とする公式晩さん会に元慰安婦を招き、「独島エビ」の料理を出している。韓国はこれまでもTPOをわきまえない行動をすることがあったが、トランプ大統領の訪韓によって、日米韓の連携を強化しようとしているに時に、日本との政治的対立を取り上げようとの姿勢に、多くの日本人は愛想を尽かせてしまった。

12月19日、20日と康京和外相が訪日する。これは近々発表される慰安婦問題に関する合意過程の検証を行ったタスクフォースの結果発表前に、日本の反応を探るためと言われている。同タスクフォースは委員長がハンギョレ新聞の元編集長で、慰安親派と言われており、合意に厳しい検証結果となると予想される。ただ、その時合意全体を反故にしてしまうと日本との対立が生まれることから、事前に日本の感触を探ろうというものである。しかし、一旦検証など始めれば収拾が付かなくなる。既に悪い方向に走り始めているのである。

文大統領は、いまだに人権派弁護士の感覚が抜け切れていないようである。また、閣僚人事も慰安婦関連も人権派関係者で占められており、日韓関係をバランス感覚を持って進めようという体制になっていない。これでは、いかに表面上“ツートラック”と言ってもうまくいくはずがない。

大きな岐路に立たされる2018年の韓国・文政権

このように、文政権の主要政策はいずれも現実を理解せず、左派政権にありがちなイデオロギーに基づく思考で打ち出されている。それでは到底うまくいくとは思えず、齟齬を来たすたびに十分な検討も経ず、朝令暮改されている。ただ、今までそれが露見してこなかったのは、朴政権の独善的、権威的な手法よりは“まし”だと思われてきたからであろう。

来年の文政権は、目玉である経済・福祉政策がどのような結果となるかによって、その支持率が左右されると見られる。それを決めるのは、経済成長率がどうなるか、雇用、最低賃金の問題が改善するかが鍵である。

今年の経済成長を支えた半導体部門は、大勢として来年くらいまでは好況が続くと見られているが、モルガンスタンレーは「サムスン電子のこれまでの業績を支えてきたスマートフォン市場は停滞期に入り、これ以上営業利益を期待するのは難しい」との警告を発している。

韓国の経済を支える半導体が不況入りすれば、韓国経済は停滞期に入り、それでなくても最低賃金、法人税の引き上げで苦しむ韓国経済からは雇用が大幅に失われる事態すらあり得る。その場合、国民の文政権に対する失望は限りなく大きなものとなるだろう。

南北朝鮮関係についても、来年には北朝鮮の核とICBMの完成が予想され、北朝鮮に対する軍事攻撃か、妥協かが迫られる時期がくるだろう。その時、文大統領がこれまでのような曖昧な姿勢、行き当たりばったりな対応に終始するならば、北朝鮮について主導権を握るどころか、「コリアパッシング」と言われる状況になるかもしれない。

それ以前に、北朝鮮との緊張関係の中で、平昌オリンピックがどのような形で開かれるのか。オリンピックを土台に北朝鮮と関係を進めることが、韓国にそもそもできるのか、重要な分かれ目がすぐそこまできている。

最後に、日韓関係については、大統領が前向きに進めようとしない限り好転しないのがこれまでの歴史だ。前述のとおり、慰安婦合意の過程に関する検証は、メンバーの構成からして公平な結論が出るとは考えづらい。そういう意味で来年は、歴史問題でさらに難しい状況となることを覚悟しておくべきだ。ただ、北朝鮮との関係がさらに緊張してくれば、日韓関係はどっちつかずの現状維持が続くかもしれない。

(元在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『中国で習近平政権に最も不満を持っているのは誰か』(12/19ダイヤモンドオンライン 加藤嘉一)について

12/19facebook投稿

吴家曦

二十世纪最臭名昭著的“低端人口”=20世紀に最も悪名高い”低級人口”である

上の図で、東條が500万も殺したとなっていますが、虐殺した事実はありません。中国人の誤解でしょう。「誰を殺したの?」というのを聞いてみたい。中国とは戦争で兵士は殺しましたが、虐殺はありません。この図の作成者は意図的に誤解するよう誘導しているのでは。

12/20日経 The economist<中国の「シャープパワー」に対抗せよ>で、「シャープパワーは、独裁国家が外国に自国の方針をのませようと強引な手段に出たり、海外の世論を操作したりするためのものだ。」としています。正しく、中国のやっていることでしょう。「欧米の開かれた民主主義諸国が中国のシャープパワーを無視することは、西側にとって危険を意味する。

まず、具体的な対抗措置を講じる必要がある。中国に負けない防諜(ぼうちょう)活動の展開と法の整備、そして中国に影響されない独立したメディアの確保が、中国による手の込んだ介入を阻止する最善策につながる。この3つを実行、実現するにはいずれも、中国語が話せて、中国の政界と産業界のつながりを把握している人材が必要だ。中国共産党は、表現の自由や開かれた議論、市民が独自の思想を持つことを抑えることで支配を固めている。だが中国のシャープパワーの手口を白日の下にさらし、中国にこびへつらう者を糾弾するだけでも、その威力を大いに鈍らせることになる。」「中国が将来友好的になるだろうと期待して、今の行為を無視していては次の一撃を食らうことになるだけだ。欧米は自分たちの理念を守り、可能なら各国で協力しあい、それが難しければ別々に行動するしかない。ツキディデスのわなを回避するための第一歩は、欧米が自らの価値観を生かして、中国のシャープパワーを鈍らせることだ。」と。やっと欧州でも中国の危険性に覚醒したかと感じました。遅きに失した感はありますが良いことです。毛沢東時代は「批林批孔」と言っていたり、魯迅の『礼教(儒教体制)は「人を吃らう」』と言った(陳舜臣の『日本人と中国人 “同文同種”と思いこむ危険』の中のP.27)にも拘らず、「孔子学院」を世界に輸出、今の中国人が一番儒教に疎いくせにです。何せ漢詩ですら日本人の方が知っているくらいですから。中国と言うのは本当にご都合主義です。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO24825820Z11C17A2TCR000/

12/19アノニマスポスト<中国、麻薬犯罪者数十人をスタジアムで公開裁判 裁判後すぐに死刑執行~ネットの反応「パヨクだんまりw」「国連人権委員会はこれにはダンマリ?」>国連の人権委員会は左翼国家や独裁国家で構成されていると見た方が良いでしょう。一番人権意識のない連中ですから、彼らを有難がる必要はありません。国連組織に日米とも金を出さないようにし、中国の人民元でやればよいでしょう。$とRMBを交換できなくして。まあ、公開処刑して、市民に恐怖を覚えさせるなんてのは、日本でも封建時代まで、中国は近代化されていない証でしょう。

https://anonymous-post.com/archives/17567

12/22中国観察<曝北京將金正恩此舉視為羞辱 習近平正與美國商量一件事>12/21サウスチャイナモーニングポストによれば『前朝鮮担当外交官が言うには「金正恩が宋濤と会わなかったのは中国に対する侮辱であり、中朝関係は後退した。中国は朝鮮に核を持たせることは永遠にない。中国の国家の安全の問題で妥協の余地はない」と』。金一族を助けて来たのは愚かにも後顧の憂いとなった。習近平は真剣に朝鮮半島で戦争が起きると考えている。韓国の《中央日報》は、「米国と比べ文在寅政府は北の核を見て見ぬ振り、平昌オリンピックのことだけ、中韓首脳会談でも理屈も自信もなく、韓国民がこのような態度を見たら恥ずかしくなるのを禁じ得ない。韓国政府は韓国憲法で規定している真の価値は何か、守るべき価値のものをすべきであるという事をしっかり念じることである」と。韓国憲法はその前文に「上海臨時政府」の存在を謳っていますが、所謂慰安婦同様、嘘っぱちです。存在したのは事実ですが、朝鮮半島の亡命政権とは国際的に認知されませんでした。単なるテロリストの集団と思われていた筈です。これを憲法に書き込むのですから、「ウリナラ」発想としか思えません。慰安婦だってその存在は否定しませんが、強制性はなかったです。韓国は立証責任があるはずです。似非被害者の証言だけでなく、“factual evidence”“beyond reasonable doubt”が近代刑事訴訟法の前提となります。まあ、親日派の財産を没収する法律を弁護士だった廬武鉉が制定してしまうのですから、近代法に則って政策立案できる法治国家とは言えないでしょう。

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/12/22/384521.htm%E6%9B%9D%E5%8C%97%E4%BA%AC%E5%B0%87%E9%87%91%E6%AD%A3%E6%81%A9%E6%AD%A4%E8%88%89%E8%A6%96%E7%82%BA%E7%BE%9E%E8%BE%B1-%E7%BF%92%E8%BF%91%E5%B9%B3%E6%AD%A3%E8%88%87%E7%BE%8E%E5%9C%8B%E5%95%86%E9%87%8F.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

プーチンがIOC決定を簡単に飲んだのは、戦争で平昌オリンピックが潰れるのを知っているからだという説もあります。そうだとすれば、哀れなのは何も気づかないで一人踊りを演じている文在寅と韓国民でしょう。でも、彼らには魯迅の言う精神勝利法があり、被害をどんなに大きく被ろうとも、悪いのは米国と日本のせいにすれば良いのですから。

加藤氏の記事では、何故国家(党)が総て決めなければならないのかという本源的な問題について加藤氏はパスしています。共産主義のやり方が既に善として脳内に組み込まれているからでしょう。富坂聰同様、北京大学を出ると思考の枠も狭まるのでしょう。中共の反体制派知識人への弾圧について彼らが書いているのを目にしたことはありません。まあ、あんまり好きでないので、気にかけていないせいかもしれませんが。福島香織氏、山田泰司氏、北村豊氏と目線が違い過ぎます。

記事

習近平政権を憎んでいるのは誰か

習近平政権が発足してから約5年が経った。中国政治・経済社会の安定性や発展性という観点から、一つ重要だと思われる問いを投げかけてみたい。

「誰が最も現状に不満を持ち、不安を感じ、政権を憎んですらいるのか?」――。

いろんな角度や見方があるだろうし、当事者たちに直接聞いてみれば「私たちが一番辛くて大変だ」という自意識を露わにするかもしれない。

例えば、経済情勢が低迷している遼寧省瀋陽のタクシー運転手に聞けばそう言うだろう。北京で言論活動をするリベラル派知識人に聞けばそう言うだろう。深センで起業したばかりで右も左も分からない大学卒業生に聞けばそう言うだろう。甘粛省奥地の農民たちに聞けばそう言うだろう。広東省や浙江省で資金繰りに苦しむ商人たちに聞けばそう言うだろう。大学受験を目前に控えた高校生、およびその両親に聞けばそう言うだろう。自らの事業を通じて大金持ちになり、有名にもなり、世論や権力から目をつけられている実業家たちに聞けばそう言うだろう……。

農民、中産階級、富裕層、研究者、ビジネスマン、若者…それぞれにそれぞれの不満や不安が蔓延しているのが現状であると思う。

しかしながら、習近平政権の特徴、あるいは前政権との比較という観点から、私から見て、これらの人々とは比較にならないほど現状に怯え、前途を悩み、政権を憎んでいる集団が官僚たちである(ここでいう“官僚”と軍人は重なる部分もあるが、本文で言及する官僚は党・政・軍で言うところの党・政に限ることとする。人民解放軍に対する“反腐敗闘争”も大々的に展開されており、中央軍事委員会副主席2人を含めた大物軍人たちも実際に“落馬”している。しかし、私が見る限り、軍隊の中ではこれまで腐敗しきった組織構造に不満を持ってきた関係者もかなり多く、習近平による反腐敗を歓迎・支持する声もかなり聞こえてくる)。

“反腐敗闘争”はこれからも“安定的”に展開される

最大の原因は本連載でも度々扱ってきた“反腐敗闘争”であり、闘争はこれからの5年も断続的かつ“安定的”に展開される見込みである。

ただ“反腐敗闘争”だけではない。少なくない官僚、とりわけ本当に潔白で、闘争の対象にならない官僚にとって、より厄介なのが“八項規定”“四風”と称される、習近平政権を象徴するルールである。

前者は2012年12月4日、中央政治局の会議で「仕事のスタイル(中国語で“作風”)を改善し、人々と密接に関わるための」規定として採択され、後者は2013年4月28日、習近平が全国から集った模範的労働者たちとの座談会で提起した概念である。

それぞれ具体的に見ていきたい。

まず“八項規定”であるが、八項をそれぞれ要約すると以下のようになる。

(1)現場に赴いて真実の状況を理解すること。過度な場作りや形式主義を避け、高級車で接待せず、同行者の数を減らし、接待を質素にし、誇張したスローガンを避け、宴会もしてはならない。 (2)会議を簡略化し、中央の名義で開く全国規模の会議や活動を厳格に制限し、中央が批准していない記念・表彰・博覧などの場には出席しないこと。会議では話を短くし、空疎で役人的な話をしないこと。 (3)報告や文書作成のプロセスを簡略化すること。送らなくても差し支えない文書や報告は一律に送らないこと。 (4)海外出張を規範化すること。外交の大局と需要から合理的に手配をし、出張同行者の人数を厳格に制限し、規定に従って交通手段を選ぶこと。現地到着後、中国企業・華僑華人・留学生代表などの空港出迎えは原則手配しないこと。 (5)人民とのつながりを大事にする原則を堅持すること。交通規制を減らし、一般的な状況下で道路封鎖や建物貸し切りをしてはならない。 (6)中央政治局の同志が出席する会議や活動に関して仕事の需要、ニュースの価値、社会的効果という観点から報道するかどうかどうかを決定し、報道の数量、字数、時間を圧縮すること。 (7)中央が統一に手配したものを除いて、個人的に著作や談話単行本を出版してはならず、祝賀の手紙や電報も送ってはならない。 (8)節約を徹底すること。清廉な政治に関する規定を厳格に守り、住居・乗用車といった仕事や生活の待遇規定を厳格に履行すること。

“四風”とは形式主義、官僚主義、享楽主義、贅沢主義の4つを指す。

“従厳治党”を終始強調する習近平政権において、“八項規定”と“四風”は同時に語られることが多く、前者を遵守しない官僚は後者に陥っていると見なされ、注意警告、場合によっては処分・処罰の対象になり得る。

中央規律検査委員会・監察部の統計によれば、今年1~10月、「八項規定の精神に違反した」問題案件が3万7824件、案件に関わり、当局の捜査の対象になった人数が5万3195人、うち“党紀処分”(警告、厳重警告、党内職務免職、留党監察、党籍解除の5種)の対象となった人数が3万7289人いる。

参考までに、今年1~9月、“反腐敗闘争”で捜査立件された数は38.3万件、処分された人数が33.8万人(地方省長・中央閣僚級幹部56人、局長級幹部2300人強、課長級幹部1.4万人、係長級幹部5.1万人、一般幹部6.3万人、農村・起業などその他人員20.8万人)となっている。

19回党大会閉幕後に新華社が配信した記事

19回党大会が閉幕し、師走が訪れてまもなく、新華社が《形式主義、官僚主義の新たな状況は警戒に値する》と題した評論記事を配信した。同記事は“新たな状況”を次のように修飾している。

「党の18回大会以降、中央が八項規定を制定・執行して以来、全党が上から下まで“四風”を改善する作業は大きな成果を得た。しかし、形式主義や官僚主義は一定程度において依然として存在する。例えば、一部幹部は視察と題して形式主義に陥り、現場視察が“ショー”になっている;一部役所において門は入りやすく、良い顔をしているが、手続きはし難かったりする;一部地方は指導者が視える範囲内でのプロジェクトを重点的に打ち出し、人民が不満なことは恐れないくせに、指導者の注意を引かないことを恐れる;一部地域の指導者は責任転嫁に熱心なようで、責任の履行が転嫁へと化している;一部幹部は言っていることとやっていることが異なり、表と裏の顔が全くことなる」(一部省略あり)

この評論記事が配信されて間もなく、習近平が同記事を引き合いに出して指示を出した。

「この文章が反映する状況は、見かけは新たな状況であるが、実際には古い問題である。それは“四風”という問題は頑固性と反復性を内包しているということである。“四風”の改善プロセスを止めてはならない、仕事スタイルの建設は永遠に道中にあるのだ」と全党員に警告を鳴らした。

19回党大会が閉幕して約1ヵ月が経った時期にもう一度党内を“シメる”ために、党中央が事前に計画をした上で新華社に同記事を流させ、それを受けて習近平が指示を出したものと推測される。

12月11日、新華社が配信した“習近平が《形式主義、官僚主義の新たな状況は警戒に値する》一文を受けて指示を出した”と題した文章が広範にプロパガンダされた。

習近平第2次政権として、引き続き“八項規定”の遵守と“四風”の防止と改善を全国各地・各部署・各階級・各官僚に徹底的に要求し、それができなければ容赦なく処分するという立ち位置・考え方を露わにした動きであると解釈することができる。

政権の“反腐敗”の流れのメリットとデメリット

基本的には第1次政権の流れを継承する動きであると言えるが、本文の最後に、この動きのメリットとデメリットをそれぞれ考えてみたい。

メリットは党中央の全国各地の状況、各機関の政策、各官僚の行動に対するチェック&バランスが徹底される点であろう。上記の“八項規定”と“四風”の具体的内容・項目は日本人の我々からみても基本的に“良いもの”であり、規定の遵守や四風の防止を含め、反対する理由はないように思われる

チェック&バランス機能が制度的に、透明性を確保する形で徹底されることにより、人民の政権への信頼度が向上し、良い政策が良い形で策定・履行・評価されることは昨今の中国社会の発展にとってポジティブであると同時に不可欠なプロセスであると言えるだろう。

一方、デメリットは官僚が萎縮してしまうことであろう。“反腐敗闘争”に加えて、“八項規定”や“四風”は官僚たちに清廉であると同時に、社会人として、人間として、共産党員として、公僕として“しっかりしている”ことを強く求める。地元の経済成長のためにプロジェクトを起こそうとすれば腐敗に引っかかるかを危惧し、かといって「ノーアクション・ノーリスク」という“仕事のスタイル”は、それはそれで処分の対象となってしまう。

本連載でも扱ったことのある“二重の恐怖政治”に全国の官僚は引き続き見舞われるであろう。

12月8日、中央政治局は会議を開き、2018年経済政策3つの重点として「金融リスクの防止」、「脱貧困の推進」、「環境汚染の改善」を挙げた。

これから実施される年に一度の中央経済工作会議でも今年度の経済情勢が総括され、来年度の経済政策が審議される。党中央において政策議論・審議が忌憚なく行われることは重要であるが、それ以上に重要なのが、議論・審議された政策が着実に、ダイナミックに実行されるための実働部隊、および同部隊が思い切って、やりがいを持って取り組める環境であり、プラットフォームである。

とりわけ中国政治において、経済・地方官僚が一定のインセンティブを持って動かない限り、経済成長や構造改革に陰りが生じるのは必至である。その意味で、“二重の恐怖政治”というジレンマは、習近平第2次政権が求める“成長と改革”にとって最大の不安要素の一つであるというのが私の見立てである。

(国際コラムニスト 加藤嘉一)

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『中国と米国の「一方的制裁」の応酬という悪夢 中国の対日「微笑み外交」はその裏返し』(12/19日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

11/18中国観察<團中央反擊高級黑習近平?習雙管齊下 封基地斷經濟 阿波羅網>一部抜粋して、要約します。「何清漣は李克強が首相として国務院にいたときに彼の部下は皆温家宝の手のもので、自ら共青団中央から引き抜き、傍に置こうとしなかった。周強、胡春華、陸昊等は団派の幹部であるが、「逃げ足が速く、根を深く張ることはない」と北京日報に評価され、下々の気持ちが分かる訓練は積んでおらず、中国青年報は、「団派は自己弁護の陣地でしかない」と論評した。共青団は中共の人材供給の基地であったが、当時の制度によるものである。団中央は団幹部の面倒は中央から地方に転任するまでで、関係は終了してしまう。彼らが出世したいと思っても後ろ盾が必要で、新たな権力争奪戦に挑まないと。これらの人は一般的に団中央と利益を同じくする関係にはない。何清漣は李克強、李源潮、令計画と胡錦濤の関係を「職に任じても、団中央の役人として共通の利益は見いだせず、団派の利益を取ろうとするリーダーになろうともせず、互いに助け合うつもりもなく、それでもって政治党派と言われるのは無理があるのでは」と。

何清漣は本質をついて言う、「習は共青団を遠巻きにしておくつもり、それは団派にとって打撃となる。中共の前の組織の路線を変えるのは言うに及ばず、共青団が長期に亘り党と政府に人材を送り込んできた使命を終えることを意味する。今後は中共の一つの「群衆組織」になるだけ。

何清漣は「習がこのように変えて行くのは時勢による。一つは誰を中共のリーダー層につけるのかを決めるのに便利、二つ目は乱世を治めるには能吏や練達の官吏が必要だが、習はこの点で、普通の能力しか持ち合わせない共青団官吏に不満を持っている。

學者何清漣2016年8月曾在美國之音撰文認為,李克強的國務院班底中,幹員幾乎就是溫家寶時期的主力,沒見他將團中央出身的官員提拔為身邊親信。2015年8月10日周強、胡春華、陸昊等“團派幹將”被《北京日報》點名修理,說他們“爬得快,根不深”,缺少基層歷練,這些人既不能利用自己擔任方面大員的媒體反駁,也不能利用《中國青年報》這一“團派輿論陣地”為自己辯護。

文章指,共青團系統一度成為中共培養接班人的基地,是當時的制度安排。團中央對團幹部的關照提拔,往往在他們從團中央轉任地方職務之後就結束了,他們今後再想晉陞,則需要重投靠山,進入新一輪權力博弈。這些人一般也不再與團中央保持利益紐帶關係。

何清漣還從李克強、李源潮、令計劃之間與胡錦濤的實際關係說明,“任職於共青團中央的官員之間既無共同的利益紐帶,也無一個願意維繫幫派利益的領袖,更無互為奧援的願望,將其稱之為政治幫派,實在有點勉強。”

何清漣認為,就本質而言,習近平將共青團邊緣化,與其說是要打擊所謂“團派”,還不如說他要改變中共之前的組織路線,結束共青團長期以來為各級中共黨委及政府輸送人才的政治使命,今後只作為中共一個“群眾組織”而存在。

她表示,習近平做出這種改變,主要是格於時勢。一是方便中央高層留誰不留誰的需要;二是治理亂世需要能吏、幹吏,習近平對能力平庸的共青團系官員必然產生不滿。

來源:阿波羅網林億綜合報道 」

何清漣は習を応援しているのかどうか分からない発言ぶりです。「権銭交易」を日本人に紹介したのは彼女かと。腐敗を許さないという習の姿勢を買っているのかも。でも、劉暁波の件や銅鑼湾事件、人権派弁護士拘束事件に象徴されるように、中国に政府を批判する「言論の自由」は露ほどもありません。日本の人権派弁護士とは大違いです。日本の人権派弁護士は中共の手先となって、国連を舞台に日本の弱体化を図ろうとしています。同じく中共の手先の朝日新聞と連動して慰安婦騒動を起こさせ、国連の場で日本を貶める活動をしています。日本国籍を剥奪した方が良いでしょう。

細川氏の記事で、普通に考えれば、覇権は経済力のみで完成されるものでなく、軍事力によって定まるものです。中国がパクスアメリカーナからパクスシニカに変えるのを目指して動いていることに、日本のエリート達は気付いていないか、気付かない振りをしています。中国の南シナ海、東シナ海で勝手に自分達の海だと主張するのは軍事力に物を言わせるからこそ可能であって、経済力で支配しようと言うものではありません。

トランプというか軍師のバノンはこの動きを早くから掴んで、「米国の真の敵は中国」と認識しています。だから「米国は中国の属国になってしまった」と発言したのです。アメリカをもう一度強くして、「力による平和」を実現させようと言うものです。昨日の本ブログで紹介しました、「米国家安保戦略」で力強く宣言しました。

中国との関係で言えば、先ずは北の問題を解決→中国と経済戦争→金融制裁→海上封鎖→エアシーバトルとなるのでは。戦争を恐れれば、後にそれ以上の悲劇が予想されます。自由主義諸国は連携して邪悪な共産主義と戦わねばなりません。

記事

世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が、閣僚宣言を採択できずに閉幕した。背景には、中間選挙を睨み内向き傾向を強める米国が、中国に「一方的制裁」を単独で講じる大義名分を得ようという思惑もある。だが、それは中国の“報復”を招き、米中が貿易戦争に突入するという最悪のシナリオも懸念される。

米中は貿易戦争に突入するのか。写真は11月のトランプ大統領の訪中時(写真:The New York Times/アフロ)

世界貿易機関(WTO)の閣僚会議が12月13日(日本時間14日未明)、閣僚宣言を6年ぶりに採択できずに閉幕した。後には「WTOの機能不全」という先の見えない課題だけが残ってしまった。またひとつ、国際的な秩序が壊れていくようだ。

最大の原因は、自国優先を掲げるトランプ政権がWTO批判を繰り返すだけで、意見を集約して国際秩序を形成しようとの意欲が全くなかったことにある。WTOは全会一致が原則で、新興国の抵抗によって、時代に応じたルールの見直しが全く進まないことへの苛立ちもあろう。また、WTOの紛争処理において、米国が裁定結果に不満を募らせているとの指摘もある。

確かにその通りだ。だが、本質的な問題はそこにはない。

内政重視から米中衝突のシナリオに突入か?!

それは、トランプ政権の最大の関心が、国内政治での戦いに勝つことにあることだ。それが米国の国際的な立場を弱めることになっても、二の次である。当面の目標は、来年秋の中間選挙に向けて、自らの支持層が抱く不満に目に見える形で応えて支持基盤を固めることにある。

先般のエルサレムをイスラエルの首都に認めるという宣言においても、キリスト教保守派の支持層固めといった内政優先策が、外交的に合理性のない判断を下した背景にある。世界経済に向き合う米国通商代表部(USTR)のライトハイザー代表の関心も、同様に内政にあるようだ。

今、ワシントンではライトハイザー代表の威勢のよさを指摘する者が多い。「出番がやってきた」との高揚感からだろうか。外交不在の中で、国務省の無力感が取りざたされているが、これとは対照的だ。

北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉が難航する中で、ライトハイザー代表は中国との交渉で成果を上げることを目指しているようだ。現在、トランプ大統領に対しては、対中強硬派が不満を募らせている。大統領選挙中に中国に対して厳しいことを言っていたにもかかわらず、実際のところは何もしていないからだ。

さすがに、先般のトランプ訪中で注目を集めた、総額28兆円の「張りぼて商談」だけでは成果とは言えない。そこで中間選挙に向けて、ライトハイザー代表は鉄鋼問題などで内陸部の白人労働者層の不満に向き合おうとしている。

だが、WTOでは目に見えた成果を期待できない。対中国で米国が取り得る政策は現在のところ、自国の法律に基づく関税引き上げや輸入差し止めといった、米国単独での一方的な制裁しかない。

今回のWTO閣僚会合で、米国がしきりにWTOの機能不全を訴えたのも、「来るべき一方的制裁もやむなし」との大義名分を得るための布石だろう。

米国は、中国での知的財産権侵害に対して、米国通商法301条による制裁を科す公算が大きい。そうすると、中国も黙ってはいない。米国に対する報復策を講じてくるだろう。例えば、米国からの大豆の輸入制限が取りざたされている。その結果、米中間で、いわゆる一方的制裁の応酬になる。

ただし、それが即座に、米中貿易戦争というほどエスカレートしていくと考えるのは早計だ。米国企業にとって中国市場でのビジネス展開や中国からの調達が死活問題になるほど、相互依存関係は深化している。トランプ政権でも影響力の大きいゴールドマンサックスなどの金融資本も黙ってはいない。中国によるワシントンでのロビーイングも強力だ。中間選挙に向けて、国内向けの対中強硬を「米中間の小競り合い」というレベルでマネージしようとする力も働くだろう。

中国の対日微笑み外交は「米中関係の従属変数」

共産党大会を終えて、習近平主席の対日外交が「微笑み外交」に転じたとの指摘されている。そして、日中平和友好条約締結40周年の来年に向けて、日中関係は改善していくというのが大方の見方である。習近平体制の権力基盤の強化など、その要因はいくつかあるが、ここでは米中関係が大きく影響していることを指摘したい。

中国はトランプ訪中を破格の大歓待と大型商談で一応乗り切ったが、その後の米国国内の動向から米国の対中政策は厳しくなる見通しであることを中国側も察知している。その結果、日本との関係は改善しておき、日米の対中共闘を揺さぶるといういつもながらの思考パターンだ。

これまでの歴史を振り返ってもそうだが、「日中関係は米中関係の従属変数」という要素が大きいことを忘れてはならない。従って、関係改善は歓迎すべきことで、これを機に建設的な対話をするチャンスと捉えるのも大事だが、これを永続的なものと楽観視すると見誤る。そこが、日本企業にとって注意を要する点だ。

一方的制裁という「悪夢の再来」か?

日本にとって、米中による一方的制裁の応酬は最悪のシナリオだ。それは日本が巻き込まれるかどうかの問題ではない。日本はかつて80年代には米国通商法301条などによる一方的制裁のターゲットとされて、米国の圧力に向き合い続けてきた。その悪夢から解き放たれたのが95年のWTOの誕生と、それに伴う一方的制裁の禁止、WTOの紛争処理の整備であった。しかしその悪夢が再来しようとしている。

関税引き上げや輸入差し止めといった一方的制裁は、自国の市場が大きい国ほど力を発揮する。米国や中国がそれだ。いわば「市場という力」によるパワーゲームなのだ。むき出しの利害のぶつかり合いである。それに対して、そのような力を背景にできない日本のような国は、ルール重視と叫ぶことになる。日本が同様のポジションの豪州、欧州と連携を取るゆえんだ。

米国が気づかなければならないのは、中国が「一方的制裁の権化」だということだ。レアアースの規制しかり、最近の韓国企業に対する米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)配備への経済報復しかりだ。これを自制させなければならないにもかかわらず、かえって中国に一方的制裁の口実を与えることになりかねない。

80年代は一方的制裁を振りかざすのが米国だけだからよかったが、今やそうでない。80年代の成功体験をもって行動するライトハイザー代表は、その危うさに気づくべきだろう。

なお中国による韓国に対する経済報復に対しても、本来、毅然とした態度で一方的制裁に反対しなければ、このような中国の報復が常態化しかねない。しかし肝心の韓国が先般の中韓首脳会談で中国に屈服するばかりか、対日歴史問題で共闘する姿勢で中国に擦り寄っている。文政権がしっかりさえしていれば、来年予定されている日中韓サミットで日韓が対中共闘すべきところを、逆に日韓が分断されているという致命的な状況なのだ。

日本は「対中有志連合」で米国繋ぎ止めに奔走

日本にとって今回のWTO閣僚会合の最大のテーマは、米国をWTOに繋ぎ止めることだった。そのためには最大の懸念である中国問題について、WTOの場で米国も巻き込んで共同対処する道筋を作ることが不可欠だ。そうでなければWTOの崩壊にも繋がりかねない。そういう危機感を欧州、豪州とも共有し、過剰生産や国有企業への優遇、不透明な補助金などを是正させる仕組みや、電子商取引分野のルール作りなどに日本は奔走した。ルール不在のパワーゲームになれば、大市場を持った中国が喜ぶだけだ。

残念ながら国内政治にばかり目が行く米国には、未だその思いが届いていないようだ。しかし日本が努力した方向は間違っていない。実利優先の米国を世界秩序に繋ぎ止めるためには実利を感じさせなければならない。今後も日本はそのための仕組みづくりを欧州、豪州などを巻き込んで主導すべきだろう。

幸い、先般の米国抜きの環太平洋経済連携協定(TPP11)の大筋合意に至る参加各国間の調整においても、日本が誠実に調整役を果たしたことは各国からも高く賞賛されている。明らかに「善意の仲介役」としての役割を期待されているのだ。

来年、トランプ政権はますます内向き志向になって、米中貿易衝突も予想されるだけに、日本の出番は増えるだろう。

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『2018年「一寸先は闇の米国」をあえて占う 波乱の国内外情勢とトランプの「健康・精神」』(12/18日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

12/19日経米大統領「中ロは競争勢力」 国家安保戦略を公表

【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領は18日、安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表した。中国とロシアを米国の国益や国際秩序に挑む「修正主義勢力」と断じ「強国同士の競争が再び戻ってきた」との危機感を表明。国防予算の拡大などを通じて「米軍の力を再建する」と明記した。中国などへの関与によって信頼関係を築けるとの前提に基づいた過去20年の安保政策は「見直しが必要」とも指摘した。

トランプ米大統領 「国家安全保障戦略」発表

トランプ米大統領は18日、安全保障政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表した。国防予算の拡大などを通じて「米軍の力を再建する」と明記。演説したトランプ氏は「米国は再び強くなる」と力説した。

トランプ大統領は同日の演説で「戦いに勝利する準備ができていない国家は、戦争を防ぐことができない」と述べ、軍事力の増強に努める方針を強調。中ロの台頭を念頭に「我々は新たな競争の時代のさなかにある」との認識を示した。そのうえで「このゲームで米国は勝利する」と語った。

国家安保戦略は具体的な安保政策の土台となる文書で、トランプ政権での公表は初めて。(1)米国民と国土の防衛(2)米国の繁栄促進(3)「力による平和」の堅持(4)米国の影響力拡大――の4つの分野で構成した。このほかインド太平洋や欧州、中東など地域別の項目を設けた。

この中で中国について米国は「中国の発展と戦後の国際秩序への統合に向けて支援」することが、中国の自由主義化をもたらすとの信念に基づき政策を進めてきたと指摘。ただ「我々の希望に反し、中国は他の主権国家を犠牲にその力を広げてきた」と批判した。

ロシアにも2014年のクリミア半島の併合やウクライナへの軍事介入を念頭に「強力な力を再び蓄積し、周辺に勢力圏を築こうとしている」と警戒感をあらわにした。

北朝鮮に関しては、同国が加速させている核や弾道ミサイル開発を「グローバルな対応が必要なグローバルな脅威」と非難。イランとともに「ならず者国家」と位置づけた。

テロ組織を含むこれらの脅威に対抗するため、米軍の増強や近代化を進める方針を表明。日本や北大西洋条約機構(NATO)といった同盟国との連携も重視する方針を打ち出した。

米国の繁栄促進に向けては、貿易不均衡の是正に取り組むと表明した。「強い経済が米国の力を増す」との認識に基づき「自由で公正、互恵的な経済関係を追求する」とうたった。米国土の防衛では国境管理を強化し、移民システムを改革する方針を明記した。

トランプ政権はこの国家安保戦略に基づき、核体制の見直しなど個別の戦略をまとめた文書を順次、公表する方針だ。>(以上)

高濱氏記事を読みますと、トランプは弾劾されることもなく、少なくとも4年の任期は全うしそうです。トランプの間にできることは総てやってほしい。北の非核も、他力本願と言われればそうですが、日本が実力行使できるようになるまでは出来ません。国民の意識が変わらなければ何もできません。日本の民主主義は衆愚を拡大再生産してきただけです。自国を守る国民の義務を憲法9条で破壊しておいて、戦後70数年ほったらかしにしてきたのですから。国の構成員の生命・財産を守るのが国家の役割でしょう。それを「国が守れなくて良い、守ってはダメ」という左翼の論理は外国の手先の考えとしか思えません。左翼は、自分たちが天下を取れば、真っ先に国民を弾圧する解放軍を作り、粛清するだけです。中共の人民解放軍、ソ連の赤軍の歴史が示しています。日本の学界・官界・経済界とも外国の手先となっています。「他人依存」を「平和主義」と言う美辞麗句で擦りかえられているのに気づかない愚かな人達です。

トランプの言う「アメリカ・ファースト」、「メイクアメリカグレイトアゲイン」と言うのは、米国が孤立主義に陥ることではなく、オバマ時代に国際ルールに従わなかった国々に対して容赦しないというだけです。国際ルールを決めて来たのは白人であったとしても、合理性の観点からそれ以外の人種でも従ってきたはずです。それを破る国はやはり力で抑えるしかありません。憲法9条なんて屁のツッパリにもなりません。中国の侵略行動を止めさせないと。

記事

年末年始の特別企画として、日経ビジネスオンラインの人気連載陣や記者に、それぞれの専門分野について2018年を予測してもらいました。はたして2018年はどんな年になるのでしょうか?

(「2018年を読む」記事一覧はこちらから)

就任式の後、昼食会に出席したトランプ大統領。来年もこのような笑顔を見せることができるだろうか(写真:ロイター/アフロ)

—トランプ米大統領が2017年1月に就任して以来、同氏の言動に振り回されて11カ月が経ちました。2018年は米国にとってどんな年になりそうですか。

高濱:何人かのワシントンの政界通に聞いたところ、みな「予測不可能」と答えました。まさに「一寸先は闇」です。

米国では11月に中間選挙があります。それと、ロシアゲート疑惑の追及がどうなるのか。目が離せません。そして、その結果次第では、トランプ大統領の処遇(弾劾か、解任か、強制的辞任か)がアジェンダに載るかもしれません。

もう一つ、新たに出てきたのが、トランプ大統領をめぐるセクハラ疑惑を究明する動きです。女性下院議員56人が12月11日、トランプ大統領のセクハラ疑惑について調査するよう下院の監視・政府改革委員会に正式に要請しました。全米に吹き荒れているセクハラ告発旋風がトランプ大統領にも迫ってきました。成り行きが注目されます。

外交面では北朝鮮問題、米中ロ関係、中東問題、グローバルな経済問題がどうなるかがポイントです。トランプ大統領は「独善的孤立主義の路線」を突っ走っていますが、どこへ向かおうとしているのか。これに北朝鮮や中国やロシア、中東諸国やイスラム教過激派がどう反応するのか。

予測が困難なのは、トランプ政治の方向性もさることながら、ご本人の健康・精神状態が安定していないからです。

同氏は飲酒や喫煙は一切しないのですが、ステーキやハンガーガーなどコレストロールや脂質の多いものを好んで食べ、野菜や果物はほとんどとらない偏食家です。医学関係者の間で「トランプ大統領は健康上問題がある」との見方が広がっています。

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都として承認すると宣言した12月7日の演説はテレビ中継されました。その時、同大統領の発音が極度に乱れたことから「健康不安」説が再燃しているのです。セラ・ハッカビー・サンダース大統領報道官は、年明けに健康診断を受け、結果を公表すると言っています。

(”Trump’s mental meltdown,” Joe Scarborough, Washington Post, 12/7/2017)

民主党が米議会を奪還できないこれだけの理由

—11月の中間選挙はどうなりそうですか。民主党が上院を奪還する可能性はあるのでしょうか。

高濱:ベテランの選挙予想専門家、数人(民主党系も含む)に聞いたところ、「民主党が、下院はもちろん、上院でも過半数を奪還するのは難しいだろう」と異口同音に指摘しています。理由は以下4つです。

<共和党は上下両院過半数の堅持に自信満々>

第1は、中間選挙に臨む共和党指導部の意気込みと気迫です(無論その裏付けには後述するいくつかの客観的要素があるのですが……)。トランプ氏の大統領らしからぬ言動や支持率の低さ(30%台を低迷)にもかかわらず、トランプ大統領は「共和党大統領」です。共和党が8年ぶりに政権与党に返り咲いたのはトランプ大統領のお陰です。その大統領を支えるべく上下両院で過半数を死守しようとするのは当然です。

それに比べて16年大統領選で敗れた民主党には、そうした覇気が感じられません。民主党は中間選挙戦を引っ張っていく「党首的リーダー」(民主党全国委員長にはトム・ペレス氏、上院にはチャック・シューマー、下院にはナンシー・ペロシ両院内総務がいますが、米国民はどの人物も「党首」とは見ていません)は現時点で現れていません。

かって、金丸信(副総理、自民党副総裁、幹事長を歴任)という政治家がいました。党内では不人気だった総裁候補(少数派閥の領袖だった中曽根康弘氏)を「おんぼろ神輿」と言いながらも支持したことがあります。今の共和党幹部はトランプ大統領をまさに「おんぼろ神輿」と見ているのですね(笑)。それでも担ぐのです。

景気、雇用、通商などの情況はオバマ政権の時よりも好転している。税制改革をはじめトランプ政権が推し進める経済・財政政策を共和党支持の富裕層は高く評価しています。少なくとも白人を中心とする共和党支持層は中間選挙でも共和党を支持するに決まっているという自信があるのですね。

<各州の州知事、州議会議員は共和党天下>

各州の情況に目を向けると、共和党は知事の数(共和党34人、民主党15人、無党派1人)や、州議会議員の数(共和党56%、民主党43%、残りは無党派か第三政党)で大きくリードしています。共和党が過半数を占める州議会は67(民主党は32)です。

中間選挙において、各州知事や州議会議員はまさに「足腰」の役割を果たす。彼らが提供する物心両面の支援が中間選挙での勝敗のカギを握ります。それに下院選挙区の区割りを決めるのは連邦政府ではなく州政府です。共和党に有利な区割りが定着してきたのは党の「地方パワー」のお陰です。

(”Partisan composition of state houses,” Ballotpedia. 12/9/2017)

<威力を発揮する共和党のゲリマンダー戦略>

共和党は「地方パワー」を「武器」に過去十年の間に各州で「ゲリマンダー*」を進めてきました。つまり共和党は、選挙を有利に進めるために各州、特に南部や中西部で共和党支持層が特定の選挙区に集中するよう選挙区を割り、共和党候補が勝てる下地を作ってきたのです。顕著な具体例として、下院のメリーランド第3区、ペンシルバニア第7区、テキサス第33区などがあります。

(”Here are the most obscenely gerrymandered congressional districts in America,” Chris Cillizza, CNN Politics, 10/4/2017)

*:ゲリマンダーとは、特定の政党や候補者に有利に働くよう選挙区の区割りをすること。1812年、マサチューセッツ州知事(のちに副大統領)のエルブリッジ・ジェリー氏(当時の「民主・共和党」)が与党に有利になるように選挙区の区割りを始めた。

<「スーパーPAC」で潤う共和党候補>

共和党は、選挙資金を集める制度として合法化された「スーパーPAC」(特別政治行動委員会)*をフル活用して「キャンペーン力」において民主党に差をつけました。保守派の億万長者が「スーパーPAC」に巨額の政治献金を注ぎ込み、共和党候補者の支援広告や民主党候補者へのネガティブキャンペーンに使い始めたからです。中間選挙でも「スーパーPAC」が威力を発揮するのは間違いありません。

*:スーパーPACによって、選挙運動とは独立した活動であれば、上限なく献金を集められるようになった。従来のPACの個人献金は1人・1年間5000ドルまでの上限が定められている。

<上院の改選議席、民主は26人、共和は8人>

18年の中間選挙における上院の改選議員数は民主党と共和党で大きく異なります。再選を目指す民主党系の現職が26人(うち2人はバーニー・サンダーズ氏とアンガス・キング氏で、どちらも無所属)もいるのに対して、共和党現職は8人。民主党が上院を奪還するにはこの26+2議席を取らねばなりません。

(”2018 Senate Election Interactive Map,” www.270towin.com., 12/15/2017)

(”2018 Senate Overview: The Pro-GOP Landscape Is Turning Blue.” Ed Kilgore, New York Magazine, 11/30/2017)

一方、下院(全議席数435)について、米バージニア大学政治研究所が発表した当落予想(11月30日時点)によると、共和党は「安全圏入り」「有力」「優勢」を合わせて224議席、民主党は191議席となっています。民主党が過半数(218)をとるには「接戦」区(20議席)+7議席で勝たねばなりません。厳しい情勢といえます。

(”House 2018: Less than a year out, race for control is a coin flip,” Kyle Kondik, Sabato’s Crystal Ball, 11/30/2017)

ロシアゲート捜査はトカゲのしっぽ切りで終わる?

—トランプ政権のアキレス腱になっているロシアゲート疑惑の捜査は越年しそうですね。ロバート・モラー特別検察官 が率いる捜査チームは来年、どう動くのでしょうか。劇的な展開はありそうですか。

高濱:「劇的な展開」と呼べるのは、トランプ大統領が訴追された場合でしょう。主要メディアが訴追と書き立てていますが、「そこまではいくまい」といった見方が一般国民(知識層と言われる人たちを含む)の間で支配的です。

確かにモラー特別検察官は「ワイルドカード」(切り札)です。マイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障担当)、ポール・マナフォート元選挙対策本部長、トランプ・ジュニア氏あたりまでは訴追するでしょう。ひょっとすると娘婿のジャレッド・クシュナー上級顧問まで引っくくるかもしれません。

しかし、それより上(つまりジェフ・セッションズ司法長官など閣僚)は、モラー氏としても政治的判断を取らざるを得ないでしょう。フリン氏らを捕らえるなど、トカゲのしっぽ切りでお茶を濁すのか、どうか。トランプ大統領弾劾の弾劾を発議する権限を持つ下院司法委員会などの顔色を窺いながら決めるのではないでしょうか。

来年も続きそうな米朝の緊張したにらみ合い

—北朝鮮問題はどうなるでしょうか。

高濱:いろいろな推測が出ています。米国の歴代政権(民主・共和の両方)の太平洋東アジア政策に一定の影響力を与えてきた元米国務高官はこう予測しています。

「トランプ政権による北朝鮮対応の最大の欠陥は、北朝鮮の核・ミサイルに関する正確な情報を把握していないことだ。さらに北朝鮮を攻撃する場合に米軍が使用するミサイル、通常兵器の正確な能力についても完全には掌握してはいない」

「これらが掌握できない限りトランプ大統領は、軍事行動をとると口ではうそぶいても、実際には動けない。だとすれば、2018年になっても、トランプ政権にできるのは経済的圧力をさらに強化すること以外にない。対北朝鮮に対して軍事行動を取る可能性は低いと言わざるを得ない」

「一つだけはっきりしていることがある。トランプ政権は、北朝鮮が米国領土を核攻撃できる能力を持つ『核保有国』になることだけは容認しない。この基本姿勢は不変だ。万一、そのような事態が生じたら、同盟国や中ロが反対しようともトランプ政権は軍事行動に出るだろう」

—北朝鮮とのにらみ合いが2018年も続くということですね。

高濱:そうです。米軍事専門家の中にこう断定する人もいます。「北朝鮮の核・ミサイル能力が飛躍的に増強されたことを除けば、米国の軍事オプションはジョージ・W・ブッシュ政権が03年時点に直面していた事態とさほど変わっていない」(ミラ・ラップ・フーパー博士=センター・フォア・ニュー・アメリカン・セキュリティ研究員)

「韓国の文在寅大統領は、『我々の許可がない限り、米国は先制攻撃できないとコミットしている』と公言。日本は『北朝鮮が日本を攻撃しない限り、参戦しない』とほのめかしている。オーストラリアは先制攻撃には反対だ。日韓豪の3同盟国が参戦しない情況で、米国は北朝鮮をどう攻撃できるというのか。状況は03年と変わっていない」

(”The North Korea Debate Sounds Eerily Familiar,” Kori Schake, The Atlantic, 12/8/2017)

北朝鮮は02年の暮れから03年の初頭にかけて核施設の凍結を解除し、国際原子力機関(IAEA)の査察官を強制的に退去させました。そして「米国の脅威と、(北朝鮮に対する)米国の『敵対政策』に対する抑止力を持つためだ」と主張。これに対してブッシュ政権は「北朝鮮が核開発計画を、完全かつ検証可能な形で、復元不可能なまでに放棄することが米朝直接対話の前提だ」と反論しました。この基本スタンスは現在も変わっていません。

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『「南北共同の核」に心踊らす韓国人 「米国の先制攻撃に反対」と中韓は合唱した』(12/18日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

12/18中国観察<王滬寧代替習做決定?朝鮮內鬥二把手命運反轉 阿波羅網=王滬寧は習に替わって決定できるか? 朝鮮の権力闘争でNo2の命運は反転する アポロネット>抜粋。下記の文を要約します。「王滬寧は劉雲山に替わって対朝工作に就く。北京は朝鮮半島での戦争準備をしている。軍を動かしたり、トランプと話すのは王滬寧にはできないので習がこれに当たる。11月に習とトランプが話し合い、朝鮮への国営航空の飛行を無期限停止、中朝友誼大橋を封鎖、朝鮮料理店を閉鎖した。習が金の要求を断った後、金は慣例に従わず、特使の宋濤とも会わなかった。11/29には火星15を打ち上げたため、トランプは習に電話、石油供給を止めるよう要求した。

12/2環球時報は「中国は手を尽くした。米朝関係で起きることはそれぞれの責任である」と。習はトランプの要求は断ったが、戦争の可能性については排除しなかった。言葉を変えれば、米朝戦争が起きても中国は朝鮮を守らず、米軍が核兵器の安全を確保した後、38度線まで撤兵する。

第一、米中軍人会議で朝鮮戦争が発生した時に、「危機にあって取るべき行動は?どのように誤断を避け、誤解するリスクを下げるか」について議論した。

第二、中共軍は国境付近に集結、4月に北部戦区は4級の戦闘態勢に入り、異動も行い、200名の幹部が瀋陽に緊急集合した。ハルピンの陸軍は中朝国境に駐屯する軍の所在地で演習した。

第三、ネットに依れば、中朝国境には難民保護所を設置、戦争が起きれば難民の扱いをどのようにするかの問題である。

第四、香港メデイアに依れば、中共留学基金委員会は形勢を憂い、一旦戦争発生の危険があれば、早めに北への留学生を中国へ帰国させると。

王滬寧の役割は朝鮮問題(戦争の問題も含めて)の中共の対応を国の内外に知らしめることである。

「報導稱,王滬寧已接替劉雲山,主管意識形態和黨務。王此次分管對朝外交,也是政治局常委工作交接〝正常履職〞的結果。

時事評論員周曉輝分析,北京正在做好應對朝鮮半島發生軍事打擊的準備,而無論是指揮軍隊,還是與川普直接對話,都是王滬寧力所不能及的。因此,其在對朝外交方面是根本無法起到主導作用的,其在「四個意識」下只能遵循習近平的對朝決策。

周曉輝表示,在習近平的第一任期內,在習選擇對朝冷淡的政策外,還存在江派前台人物劉雲山等或明或暗的與朝鮮「親近」並暗中攪局,中共的對朝政策出現兩種聲音,那麼,中共十九大後,在將江派人物基本剔除出政治局常委、政治局後,習近平拍板對朝政策更加明確。

今年11月初,美國總統川普訪問中國大陸,雙方談及了朝鮮問題,而在其訪問中國大陸前後,習近平下令無限期停止了飛往朝鮮的國航航線,封閉中朝友誼大橋,關閉在華朝鮮餐館等。其後,又派特使宋濤前往平壤通報川普與習近平會晤內容。

據悉,因習近平拒絕了金正恩的要求,金正恩亦違背以往慣例,沒有會見宋濤。在宋濤訪問朝鮮無果後,11月29日,朝鮮再次向日本海域發射了一枚新型洲際導彈「火星-15」。隨後川普與習近平通電話,川普要求習近平切斷對平壤的石油供應。

不過,從12月2日中共《環球時報》發表的社評「中國儘力了,美朝出來混各還各的」一文可以推測,習近平應是拒絕了川普的這一要求,但同時暗示應不排除防範戰爭爆發的可能性。換言之,一旦戰爭發生,北京將選擇放棄保衛朝鮮。而來自美國的消息稱,習近平已經得到了川普的保證,即一旦進入朝鮮的美軍確保核安全後,就會退回「三八線」。

無疑,近一段時間的幾大跡象表明,北京正在為美軍可能打擊朝鮮做防範。一是在朝鮮再次發射導彈後,中美軍方在位於華盛頓的美國國防大學就合作問題進行了討論。據美國五角大樓消息,此次會議讓中、美雙方有機會討論「如何在危機中採取行動,如何避免誤判和降低誤解風險」,而這必然涉及到朝鮮若發生戰爭時雙方軍隊如何相互理解的問題。

二是中共軍隊業已在邊境集結。早在今年4月,就有消息指,中共軍隊北部戰區已進入四級戰備,中朝邊境軍隊出現異動,約有200名中共北部戰區陸、海、空、火箭軍的將校軍官,到遼寧瀋陽的北部戰區「聯合作戰指揮中心」指揮大廳緊急集結。12月初,有港媒披露,駐紮在哈爾濱市的北部戰區陸軍第78集團軍某合成旅,日前參加「嚴寒2017」實兵演習,北部戰區負責監控中、朝邊境的駐軍所在地。

三是網傳中國方面擬在中朝邊境地區設置難民營,而這應是為應對一旦戰爭爆發,朝鮮難民越過邊境後如何安置問題的。

四是香港《南華早報》12月1日報導稱,中共國家留學基金委日前已連續收到對朝情報機構的消息,認為形勢堪憂,如有戰爭危險,會儘早將中國留學生撤離朝鮮。

周曉輝表示,無論是指揮軍隊,還是與川普直接對話,都是王滬寧力所不能及的。不過,其與劉雲山所不同的是,王滬寧不會在對朝政策方面起掣肘作用,而是會儘力在宣傳等方面給予配合,這大概才是王滬寧在朝鮮問題上真正的作用所在。」

鈴置氏の記事と上記の中国語の記事とを読み比べますと、文在寅大統領も韓国民も国際情勢の動きの速さについて行っていない感じです。米中合作で北を攻撃しようとしている時に、中国を動かして米国の攻撃を止めようとしているのは。第二次大戦末期に日本がソ連に終戦仲介して貰おうとしたおかしさに通じます。中国も韓国に強気なのは米国と歩調を合わせているからです。北が米国の手で片づけて貰えれば、北は金正恩と違い、中国の傀儡になり、安全度は高くなります。然る後、韓国も北と歩調を合わせるように仕向ければ良いと思っているのでは。在韓米軍を追い出すためにTHAAD撤廃を韓国に焚き付け続ければ良いだけです。韓国民は核を北と一緒になって持ち、日本に投下したいという邪悪な夢を見ているようですが、米中とも朝鮮半島に核を持つことは許さないでしょう。冷徹な国際社会の考え方が理解できないのは、誇大妄想の為せる業です。何せ何でも「ウリナラ起源」にしてしまう民族性ですから。嘘を恥じない民族です。

日本も朝鮮半島はレッドチーム入りになることを覚悟した方が良いでしょう。その前に、北の核とミサイルを粉砕するように早く米軍には攻撃してほしい。北の民間人の犠牲の少なくなる方法で。

記事

12月14日の首脳会談で、習近平主席と文在寅大統領は米国の軍事行動を牽制する条項で合意した(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

韓国が米国ではなく、中国とスクラムを組むことを鮮明にした。中韓首脳会談で中国と一緒になって、北朝鮮に対する米国の軍事行動に反対したのだ。

「平和」が「核武装」呼ぶ

鈴置:韓国の保守系紙が「文在寅(ムン・ジェイン)政権は北朝鮮の核武装を認めるつもりか」と悲鳴をあげました。

北朝鮮に核放棄を迫るため、米国は軍事行動も選択肢の1つに掲げています。というのに12月14日の中韓首脳会談で韓国は中国とともに、それにはっきりと「NO!」を突きつけたのです。

朝鮮日報の社説「韓国が米国に軍事的選択肢を放棄しろと言うなら、交渉カードに何が残るのか」(12月16日、韓国語版)から一部を要約し、引用します。

文在寅大統領と習近平主席が合意した「4大原則」で注目すべきは第1項目の「朝鮮半島での戦争は絶対に容認できない」である。韓国の大統領が同盟国の米国に対し、北朝鮮への軍事的な選択肢を放棄しろと要求したということだ(「中韓首脳会談で合意した『4大原則』」参照)。

北朝鮮の核問題を対話や交渉といった外交的な方法で解決できるのは、それを拒否した場合、米国の圧倒的な軍事措置に直面すると北朝鮮が圧迫を感じた時だけである。

米国が軍事的選択肢というカードまで捨てれば、北朝鮮が何を恐れて譲歩するだろうか。核武装を既成事実とし、対北制裁を全面的に解除しろと言うだろう。

  • 中韓首脳会談で合意した「4大原則」(2017年12月14日)

(1)朝鮮半島での戦争は絶対に容認することができない

(2)朝鮮半島非核化原則を確固として堅持する

(3)北朝鮮の非核化を含むすべての問題は対話と交渉を通じ平和的に解決する

(4)南北朝鮮間の関係改善は肯定的に朝鮮半島問題を解決するものである

※注 青瓦台の「韓中首脳会談開催の結果と尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席のブリーフ」(韓国語)から作成

「戦争は容認できない」といった平和を求める言葉は一見、それらしい。しかし現実の世界では、そんな美しい言葉こそが北朝鮮の核武装を許してしまう――と訴えたのです。

開催しない方がよかった

朝鮮日報は前日の社説「韓中首脳会談、本当に重要なことは抜け落ちた」(12月15日、韓国語版)でも「4大原則」を批判していました。北朝鮮への圧力に関し全く触れていないからです。

「4大原則」からは緊急かつ重要な文言が抜け落ちた。北朝鮮の核問題に関し、国際社会は「対話に応じるまで北朝鮮に対する制裁と圧力を強化する」で一致している。これが最も効果的な方法だ。ところが「4大原則」にはそれに関する具体的な内容が全くなかった。

北朝鮮が大喜びしているのは間違いない。CIAは「3カ月後に北朝鮮は米本土を攻撃可能な能力を持つ」とトランプ(Donald Trump)大統領に報告したと報じられた。この切迫した状況で、韓中は「制裁と圧力」という大原則に言及しなかったのだ。

今回の韓中首脳会談は「やらない方がよかった」と言わざるを得ない。

中央日報も社説「文大統領の訪中が外交上の惨事と記録されないためには」(12月16日、韓国語版)で「4大原則」に対し同様の危機感を表明しました。そのうえ、米国との関係悪化を懸念しました。

米国は北朝鮮に核の放棄を迫るため軍事的な選択肢も排除しない姿勢だ。(軍事的行動への)期限が3カ月しか残っていないとの分析まで出ている。同盟国である米国との協調関係が、さらに揺れるという負担を甘受せねばならなくなるだろう。

同紙は12月18日にも社説「『引き算外交』となった文訪中、自画自賛している場合ではない」(韓国語版)で政権批判を続けました。ポイントを訳します。

文在寅政権は米国や日本の目には中国に傾く「裏切り者」に映り、中国には二股をかける「機会主義者」に見える、という中国専門家の指摘に青瓦台(大統領府)は、耳を傾けねばならぬ。

「4大原則」の名付け親は韓国

—「裏切り者」との批判が国内からも出ているのですね。

鈴置:「機会主義者」とも。肝心な時に中韓共闘を始めたのですから。世界は「米国がいつ北朝鮮を攻撃するか」とかたずをのんで見守っている(「『北朝鮮に先制核攻撃も辞さず』と言明した米国務省」参照)。というのに中国と足並みを揃えて米国を牽制したのです。

米朝間で戦争が始まれば大きく影響を受ける周辺4カ国のうち、2カ国が「戦争反対」で声を合わせたのです。だからと言って米国が戦争を思いとどまるとは思えませんが、中韓共闘は国際世論にある程度は影響するでしょう。

なお、両国は共同声明や共同記者会見は開きませんでした。「中国側が避けた」とのニュアンスで書く韓国メディアが多いのですが、本当のところは分かりません。結局、両国はそれぞれに記者発表することで中韓の合意を説明しました。

青瓦台の「韓中首脳会談開催の結果と尹永燦(ユン・ヨンチャン)国民疎通首席のブリーフ」(12月14日、韓国語)で読めます。ここで「4大原則」と名付け、お披露目しています。

一方、中国外交部の発表「習近平主席、文在寅韓国大統領と会談」(12月14日、中国語)にも、同じ趣旨が盛り込まれています。ただ「4大原則」との名称はなく、箇条書きにもなっていません。「4大原則」は韓国が主導したのでしょう。

米韓同盟に投げ込んだ爆弾

—米韓同盟は持つのでしょうか?

鈴置:中国は自前の時限爆弾も米韓同盟に放り込みました。中韓の発表文に全く同じ文言の1文があります。韓国側に不利な文章なので、中国が入れるよう要求したと思われます。以下です。

習主席はTHAAD(地上配備型ミサイル迎撃システム)問題に関連、中国側の立場を改めて明らかにし、韓国側がこの問題を引き続き適切に処理するよう希望した。

中国は10月31日の中韓合意に「中国は韓国がTHAAD問題を適切に処理することを希望する」との条項を入れさせました(「中韓合意のポイント」参照)。今度はそれを、韓国の大統領に直接、確認させたのです。

  • 中韓合意(2017年10月31日)のポイント

韓国側は、中国側のTHAAD問題に関連する立場と懸念を認識し、韓国に配置されたTHAADは、その本来の配置の目的からして第3国を狙うものではなく、中国の戦略的安全保障の利益を損なわないことを明らかにした。

” 中国側は国家安保を守るために韓国に配置されたTHAADシステムに反対することを改めて明らかにした。同時に中国側は韓国側が表明した立場に留意し、韓国側が関連した問題を適切に処理することを希望した。

双方は両国軍事当局の間のチャネルを通して、中国側が憂慮するTHAAD関連問題に対し、話し合いを進めることで合意した。

中国側はMD(ミサイル防衛)構築、THAAD追加配備、韓米日軍事協力などと関連し、中国政府の立場と憂慮を明らかにした。韓国側はすでに韓国政府が公開的に明らかにした関連する立場を改めて説明した。

双方は韓中間の交流・協力の強化が双方の共同利益に符合することに共感し、全ての分野での交流・協力を正常的な発展軌道に速やかに回復することに合意した。

※注:韓国外交部のサイト「韓中関係改善に関連した両国の協議の結果」から作成

この条項こそが曲者です。中国はこれをタテに「在韓米軍基地に設置済みのTHAADも撤去させろ」と言い出す可能性があります。

—配備済みのTHAAD撤去まで要求できるのでしょうか。

鈴置:その前段で、韓国は「THAADは中国の戦略的安全保障の利益を損なわない」と約束しています。

それを活用して「配備済みのTHAADも中国の利益を損なっている」と主張。さらに「韓国が適切に処理する」条項を使ってTHAADの完全撤去を要求する手があります。

米軍基地を中国が査察

—いくら中国でも、そんな強引な要求をするでしょうか?

鈴置:すでに中国はこの手法を使って韓国を圧迫しています。11月22日、中韓外相会談の席で王毅外相が康京和(カン・ギョンファ)外相に対し「3NO」に加え「中国の利益を損なわない」条項を守れと要求したのです。

  • 韓国が中国に表明した「3NO」

米国とMDは構築しない

THAAD追加配備は容認しない

日米韓3国同盟は結成しない

「中韓合意」では「双方はTHAADに関し話し合いを進める」とも約束していますから、中国はいつでも「THAADを完全に廃棄しろ」と言い出せるのです。

韓国政府は中韓外相会談の場で「約束を守れ」と証文を持ち出されたこと自体を隠していました。が、中国共産党の対外威嚇用メディア「Global Times」が報じたので明らかになりました。「China urges S.Korea to honor pledge about THAAD」(11月23日)です。

この記事は王毅外相の要求を紹介したうえ、「もし、この約束が破られれば、中韓関係は過去になかった大波に洗われるであろう」との中国の朝鮮半島専門家の談話を引用しました。要は「THAADで中国の言う通りにしないと、ひどい目に遭うぞ」と脅したのです。

朝鮮日報は、中国がこれらの条項を使って在韓米軍基地のTHAADを査察させろと言い出すだろうと警告しました。社説「3NOに加え1限まで 中国にどれだけ門を開いてしまったのか」(11月25日、韓国語版)でです。

「在韓米軍のTHAADのレーダーは北朝鮮しか監視できず、中国の安全保障を損なわない」と米韓両国は主張してきました。

しかし韓国がこうした条項を飲んだことにより、中国に「見せろ。本当にそうなのか、確かめる権利がこちらにはある」と要求される隙を作ってしまったと同紙は政府を批判したのです。

なお、社説の見出しの「1限」とは「THAAD配備が中国の利益を損なわない」と約束したことにより、韓国の軍事主権に「制限」が付けられてしまったことを指します。

毒素条項の毒が回り始めた

—「3NO」に関しては日本のメディアも報じていました。

文在寅政権は10月31日の中韓合意で「THAADの追加配備は容認しない」など「3NO」を約束しました(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。

やすやすと安保主権を放棄したものだ、と世界の専門家は驚き、呆れました。日本のメディアも「3NO」「3不」などの表現を使って「韓国の再属国化」を報じました。この結果「3NO」に焦点が当たりました。

が、今回の首脳会談で中国が文在寅大統領に直接、約束させたこの条項も猛毒を含んでいます。韓国は「3NO」に加え、いつでも発動できる「毒素条項」まで飲んでしまった。そしてその毒が今、回り始めたのです。

中国はスワップを発動しない

—毒素条項をいつでも発動できるとすると……。

鈴置:そこです。第2次朝鮮戦争勃発の可能性が高まり、韓国にTHAADが最も必要になった時、中国がその査察、あるいは撤去を要求したらどうなるのでしょうか。

韓国が拒否すれば中国はお仕置きできます。韓国側だけが「延長した」と言い張っている中韓通貨スワップ(「韓国の通貨スワップ」参照)。これも発動しないでしょう。韓国に安全保障上の要求を拒否された中国が、経済面で韓国を助けるとは思えません。

韓国の通貨スワップ(2017年12月17日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約545億ドル)終了→再開? 2014年 10月11日 2017年 10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約76億ドル) 2017年 2月8日 2020年 2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約85億ドル) 2017年 3月6日 2020年 3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約37億ドル) 2017年 1月25日 2020年 1月24日
CMI<注1> 384億ドル 2014年 7月17日  
カナダ<注2><注3> 定めず。通貨はカナダドルとウォン 2017年 11月15日 定めず

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。 <注2>カナダと結んだのは「bilateral liquidity swap」で市中銀行に外貨を貸すのが目的。中央銀行に対し市場介入用の外貨を貸す「bilateral swap」ではない。 <注3>カナダとは「規模も満期日も定めない常設協定」と韓銀は発表。英文の発表文では、発動は「市場の状況が許せば」「必要に応じて」としているところから、規模などはその都度協議して決めるものと見られる。 <注4>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額 資料:韓国各紙

その時こそ韓国には通貨スワップが必要になるというのに。第2次朝鮮戦争が起きそうになるだけで、韓国から資本逃避が始まるでしょうから。

12月13日に米国が利上げを決めました。2018年にも3回、引き上げる方向です。米利上げに伴う資本逃避を防ぐため、韓国は11月30日に利上げを決めています。

しかし韓国は家計負債問題が深刻で、米利上げにどこまで追随できるか疑問が持たれています(「『14年前のムーディズ』に再び怯える文在寅」参照)。

米国も「通貨」が威嚇材料

—反対に中国の要求を受け入れ、韓国が米国にTHAAD撤去を要求すれば?

鈴置:米韓同盟が崩壊します。韓国防衛のために駐留する在韓米軍を守るTHAADを取り外せ、と言われるのです。米国は「韓国処分」に出るでしょう。

韓国が米国を裏切って中国側に付いたことを知らない普通の米国人だって、その時は黙っていない。まずは、1997年のように、通貨危機を演出して警告すると思いますが(「『14年前のムーディズ』に再び怯える文在寅」参照)。

北朝鮮の核問題がどういう展開になるかは読み切れません。戦争になるのか、その前に金正恩(キム・ジョンウン)体制が崩壊するのか――。一方、北朝鮮は「米国が折れて北の核武装を認める」とのシナリオをいまだに描いています。

ただ、どういう展開になろうと、米韓関係が決定的におかしくなるのは間違いありません。この部分だけ見れば、中国は笑いが止まらないでしょう。努力しなくとも、韓国が米国に後ろ足で砂をかけたうえ、自分の懐に転がり込んで来るのですから。

米国を追い出すチャンス

—いったい文在寅政権は何を考えているのでしょうか。

鈴置:米韓同盟の打ち切りを決断したと思います。民族の団結を最優先する親北左派とすれば、北朝鮮の核問題に最終決着が付く今こそ、米国を追い出すチャンスなのです。

米国が軍事行動で北朝鮮の核を除去しても、あるいは金正恩政権が暗殺などで崩壊しても、韓国にとって北の脅威は一気に減ります。そのタイミングをとらえ、国民に「もう、同盟はやめよう」と呼び掛ける作戦と思われます。

親北派は米韓同盟こそが民族を分裂させる元凶と信じていています。今でさえ米国に出て行けと言っているのです(「『米韓同盟破棄』を青瓦台高官が語り始めた」参照)。北の脅威が急減した後、同盟廃棄に乗り出さない方がおかしい。

—普通の人は反対しませんか。

鈴置:米韓同盟を廃棄しようと政府が言い出したら、反対する声が噴出するのは間違いない。ただ、普通の人も在韓米軍の存在に割り切れないものを感じています。「外国軍隊のいない、平和で自主独立の国を作ろう」と訴えられたら、心を揺らす人が相当数、出ると思います。

文在寅政権は米国の方から同盟廃棄を言い出させるつもりでしょう。そうなれば同盟維持派の反対は力を持ち得ません。

「4大原則」を含め、文在寅政権は露骨な「反米親北」政策によりすでに米国を怒らせています。米国に同盟破棄を言い出させる作戦は、着々と進んでいるのです(「文在寅大統領の「反米・親北」の言動」参照)。

●文在寅大統領の「反米・親北」の言動(2017年)
4月13日 大統領選挙の討論会で「(米国が先制攻撃を準備する場合)北朝鮮にホットラインを通じて直ちに連絡し、挑発を中断するよう要請する」と発言
5月10日以降 「手続きが不透明」としてTHAADの追加配備を認めず。6回目の核実験(9月3日)後の9月5日になって配備容認を決定
8月15日 「朝鮮半島での軍事行動は大韓民国の同意なくして誰もできない」と米国の先制攻撃に反対
9月21日 「時期は未定」としつつ、800万ドルの対北人道支援を発表
9月27日 国連総会第1委員会で、北朝鮮の非核化も念頭に置いた「核兵器廃絶決議案」を棄権
9月28日 「戦時作戦統制権を早期に米国から韓国に移す」と国軍の日の記念式典で演説
11月29日 北朝鮮のICBM発射直後に「米国が先制攻撃を念頭に置く状況にならぬよう防がねばならない」と発言、米国を牽制
12月14日 中韓首脳会談で「朝鮮半島での戦争は絶対に容認しない」など「4大原則」に合意し、米国を牽制
     

こうした親北左派の巧妙な作戦に、保守は危機感を募らせています。朝鮮日報など保守系メディアが国民に「文在寅に騙されるな」と必死で訴え始めたのもそのためです。

「北の核」は「民族の核」

—可能性は低いのでしょうが、北朝鮮の核武装が国際社会で認められてしまったら?

鈴置:親北派には願ったりかなったりです。米国を追い出し、民族が団結して統一国家をつくる――。これが親北派の夢です。その際は核保有国との同盟を失うわけですから、北朝鮮が開発した核、あるいは「核を持つ権利」は民族を守る最終兵器として必須なのです。

彼らは「南の経済力と北の核を合わせれば強力な国をつくれる」と固く信じています(「『約束を守れ』と韓国の胸倉をつかんだ中国」参照)。「北の核」は「民族の核」なのです。

南北が手を組み、北の開発した核ミサイルを日本に撃ち込むという粗筋の小説『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』(1993年刊)はそんな夢を語ったものでした。この小説はベストセラーになったうえ、映画化までされたのです(「北の核ミサイルは日本を向く」参照)。

あれは日本向けの核だ

—普通の人も「民族の核」が欲しいのですね。

鈴置:その通りです。「自前の核さえあれば、大国に翻弄されないで済む」との思いは南北、イデオロギーに関係なく、共通しています。

もう1つ、見落としてはいけないことがあります。韓国に「北朝鮮は同じ民族が住む韓国に対し核は使わないだろう」との認識が広まっていることです。北朝鮮に反感を持つ人の中にも、そう考える人が多い。

『ムクゲノ花ガ咲キマシタ』のような、エンターテイメントの形をとって「南北は和解できるのだ」と呼び掛ける小説や映画が、1987年の民主化以降、雨後のタケノコのように生まれたからです。

日米に比べ「何が何でも北の核武装を阻止しよう」との意識が韓国社会に薄いのもそのためです。ここを日本人や米国人は勘違いしがちなのですが。

そんな北の核への楽観的な空気を利用して、文在寅政権は「戦争絶対反対!」と叫んでいるのです。

「自分たちには使われない、米国や日本向けの核を阻止するために我々は戦争に巻き込まれるのか」と呼び掛ければ、かなりの韓国人が「その通り!」と応じるでしょう。

「民族の夢」が再び映画に

12月14日、韓国で映画『鋼鉄の雨』が公開されました。主人公は北朝鮮のスパイと韓国政府高官の2人。北の最高指導者が開城(ケソン)工業団地で暗殺されそうになったり、米国が北を先制核攻撃したり「緊迫した今」を映した映画です。予告編(韓国語)を見ることができます。

この映画には、韓国側が北の最高指導者をソウルで治療した後、救急車で北朝鮮に送り届け、見返りに核兵器を半分譲ってもらうというエピソードがあるそうです。「民族が手を携え核で周辺強国ににらみを利かせる」という韓国人の夢を、この映画も語ったのです。

朝鮮日報の映画評「南北が核を共同保有? いくら映画と言っても」(12月13日、韓国語版)は以下のように批判しました。

南北が北朝鮮の核を「共同資産」のように活用できる、あるいは北朝鮮側の宣伝通り核問題を「わが民族同士」で解決できるなどと、誤って受け止められる恐れを指摘する向きもある。

キム・テウ元統一研究院院長は「北朝鮮の核危機が進む状況下で韓国映画が軍事・安全保障分野を取り上げる際、事実の検証や専門家のアドバイスもなく、想像と虚構を織り混ぜて製作する風土は、普通の観客を誤導する可能性がある」と語った。

この映画が「北の核を認めよう」とのムードを盛り上げるのではないか、との元院長氏の懸念はよく分かります。

でも、映画が普通の人々の夢を語るものとするなら『鋼鉄の雨』こそが“正しい”映画なのです。

(次回に続く)

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『中国のおしゃれ書店ブームと言論の死 当たり障りのない心地いい空間では息苦しさは癒やされない』(12/14日経ビジネスオンライン 山田泰司)について

12/16nifty・ニュース<中国周辺諸国の「一帯一路」プロジェクトが次々中止>パキスタン、ネパール、ミャンマーで相次いで工事中断しているようです。中国人が善意で相手の国のためになることをしてくれると思う方が、おかしいのです。中国は政治家要人に賄賂を贈り、甘言を弄して、中国の軍拡に有利になるような工事を発注して貰い、且つ高金利で融資するやり方を採ります。スリランカのように港が99年運営権を中国に乗っ取られるような事態になるのを見て各国がキャンセルしだしたのでしょう。宮崎正弘氏メルマガでも早くからその危険性(サラ金)に警鐘を鳴らしていました。

https://news.nifty.com/article/world/worldall/12180-636220/

http://melma.com/backnumber_45206_6512304/

12/17水間政憲氏ブログ<緊急拡散希望《中国が認めた「南京」完結動かぬ証拠》>南京虐殺なんてロジカルに考えればあり得ないでしょう。死体焼却をどうしてしたのか考えれば分かります。この本を中文・英文で出すと言っても引き受けてくれる出版社は出ないのかな?電子書籍にすればどうでしょうか?ついでに昭和39年に毛沢東が社会党の佐々木更三委員長に言った「何も申し訳なく思うことはありませんよ、日本軍国主義は中国に大きな利益をもたらしました。中国国民に権利を奪取させてくれたではないですか。 皆さん、皇軍の力なしには我々が権利を奪うことは不可能だったでしょう。」と言うのも載せてやれば、侵略・侵略と煩い今の中国共産党も黙るのでは。

http://mizumajyoukou.blog57.fc2.com/blog-entry-2683.html

山田氏の記事を読みますと、中国は習近平の時代になって益々息苦しくなってきたと言う感じです。経済的豊かさを与えてやったのだから、「知識人は黙れ」と言う所でしょう。さもなくば臭老九として弾圧する気でしょう。しかし、貧しい人々を切り捨て、中共はどこへ向かおうとしているのか。農民工は棄民として世界各国に輸出するつもりでしょうか?白人の為の奴隷としての苦力の代わりに中共が農民工と言う苦力を輸出、人口侵略の先兵として活用するつもりでは。日本も気を付けないと。中国と朝鮮半島人は反日教育をしています。それだけでも入国制限できる立派な名分になるでしょう。「一帯一路」参加なぞもっての他です。中国に富を与えることは軍拡予算を増やすことに繋がり、周り回って日本の安全に深刻な脅威を齎します。

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筆者を育ててくれた季風書店の「当代中国問題」の棚

私は今年、上海で育ての親を亡くした。

と言っても死んだのは人間ではない。「季風書園」という名前の書店である。閉店は2018年1月31日なので、正確に言えばまだ死んではいない。今年の4月、店舗の貸し主である上海図書館から余命10カ月の宣告を受けた、すなわち契約を更新しないことを通知されたと公表してしばらくは、この店ならではの在庫をいまのうちに求めようという常連客が連日駆けつけたため、見舞客が大勢訪れる病室のような明るさのようなものも残っていた。ただ、本よりも空間の方が本棚に目立ち始めるにつれ見舞客ならぬ常連客も1人減り2人減りし、私が最後に訪れた12月初旬の店内にもはや生気はなく、命の焔が燃え尽きる前の華やぎのようなものも既に残ってはいなかった。

季風書園は1997年、中国政府のシンクタンクである社会科学院で哲学の研究をしていた厳搏非氏が同院を辞め上海で立ち上げた。中国では全土が大混乱に陥った文化大革命(1967~77年)の期間中、大学入試が行われなかったが、厳氏は入試再開後に大学生になった第1期生である。

創業時からのモットーは、「何者からも独立した文化の立ち位置」と「自由な思想の表現」。当時、中国の書店と言えば中国最大の国有書店グループ「新華書店」ほぼ一色で、どの書店を覗いても代わり映えしない品揃えが当たり前だった。こうした時代にあって、季風書店の独特な品揃え、とりわけ哲学、政治、思想の分野の充実ぶりは、上海の知識人の間でたちまち話題になり、ピーク時には上海市内に8店舗を構えるまでになった。紙の書籍の危機が言われたネット時代の到来にもいち早く対応し、他に先駆けて開いたネット小説家のサイン会を成功裏に終えるなど、ネットの脅威を逆手に取る才覚も見せた。書店が作家や学者を招いて開く公開講座のさきがけでもある。季風書園はこのころには上海の知のシンボル的存在だと言われるようになっていた。

私もこの書店の本棚に育てられた人間の一人だ。

2001年から上海に暮らし始めた私は、食事をしたり散歩したりという日常生活の中で、「どうして上海には安徽省の農村出身者がここまで多いのか?」ということに疑問を抱くようになる。そうして私は、農村からの出稼ぎ労働者「農民工」の存在を知る。その後、農民工との交流を深める中で、中国がとてつもない格差を抱えた社会であり、そのことが、中国の安定を揺るがしかねない問題に発展する恐れもありそうだと思い至る。

そして、この問題についてさらに知りたいと上海の書店に向かうのだが、日本で言えば八重洲ブックセンターやジュンク堂、丸善本店といったような規模の大型書店でも、農民工の問題を扱った書籍は散発的に置いてある程度で、参考になりそうな本を見つけることはできなかった。

ところが、季風書園の「当代中国問題」の棚には、中国社会の不平等の根源になっている戸籍制度から、都会で働く農民工の日々の生活を聞き取り調査したルポルタージュ、現金のない農民の困窮につけ込んで出現した高利貸しの実態、都会で働く父母と離れて農村の実家で暮らす子供たち「留守児童」の実情を伝えるもの等々、農民工の問題を考える上で知りたいと思っていたことを書いたものはもちろん、この棚で初めて知った新たな問題を書いた本までが、体系的に網羅的に揃えてあったのだ。

私の関心は主に現代中国なので、他の棚はそこまで熱心に眺めていないが、季風書園が「上海の知のシンボル」とまで言われるようになったのは、他の分野も同じだったからだろう。季風書園の「当代中国問題」の棚に出会っていなければ、私は農民工をテーマにした『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』を書き上げられた自信がない。

その季風書園に逆風が吹き始めたのは、北京五輪が開催された2008年である。この年、地下鉄陜西南路駅構内にあった旗艦店が、契約更新の交渉で、大家の上海地下鉄公司から10倍の値上げを突きつけられ、一夜にして存続の危機に立たされた。この時は「上海の文化の火を消すな」と上海の知識人たちが立ち上がって存続運動が起こり、世論に押された地下鉄公司側が、季風書園側が受け入れ可能な価格を提示し、同じ場所での存続が決まった。

ただ、この年を機に、不動産価格の高騰と、コストの安さを武器に安売りを展開するネット書店の存在に、季風書店は一貫して脅かされることになる。存続が決まった陜西南路駅の旗艦店も、契約終了時の家賃交渉が折り合わず、2013年、地下鉄上海図書館駅構内の店舗への移転を余儀なくされた。

「上からの圧力」で閉鎖

そして4年後の今年、季風書園は閉鎖を決断した。この4年間で、上海の不動産はさらに高騰した。季風書園のSNSを読むと、家賃高騰とネット販売の脅威は半ば恒久的な問題として抱えていたようだ。ただ、閉鎖の主因は家賃ではない。大家である上海図書館から、立ち退きを求められたからだ。理由として図書館側から、「国有資産の流出を防ぐよう上から通知があったのに伴い、現有資産の見直しを進めた結果、季風書園に賃借している店舗を図書館自身が活用することを決めたため」だとの説明があったと、季風書園は表明している。ただ同時に書園側は、「背後に、もっと深い理由があることを、私たちは感じた。それが何かについて、話すのは差し控えたい」とも話している。

季風書園のこの説明を、上海の知識層は「上からの圧力があった」と解釈している。「だれからも独立した立ち位置」と「自由な思想」を標榜する同書店の品揃えやセミナーの内容を、当局が問題視した、というわけである。

しかし、である。季風書店は、禁書を扱っていたわけではない。扱う気になればどの書店でも置くことができる本ばかりだった。

また、確かに、「自由」「独立」「思想」と、この書店の掲げるモットーは、言論の自由に寛容でない中国共産党の中国とは一見、相性が悪いように思える。ただ、この書店が政権打倒の急先鋒で、独立主義者たちの精神的、思想的後ろ盾になっていたということもなかった。繰り返すが、禁書を扱っていたわけではなく、国内で流通が許される本のみを扱っていたわけだから。

何より、創業当時から自由や独立した思想を掲げながら、同店20年の歴史の大半を、思想的にも政治的にも当局から特に問題視されてこなかったという事実がある。それがいまになって、問題視され始めたということをどう考えればいいのか。やはりこれは、いまの中国が、季風書園「程度」のささいなことにまで神経をとがらせ、締め付けをきつくし始めたと見ざるを得ないということになる。

そして、家賃の高騰で季風書園が立ち退きを迫られた9年前には、「上海の文化の火を消すな」と声を上げた上海の知識層も、今回は存続運動など目立ったアクションを起こしていない。「起こせない」というのが正確なところなのであろう。

「リアル書店復興」の寂しい実態

「上海で最も美しい書店」の店内

一方で、上海をはじめとする中国の大都市ではいま、オシャレ大型書店が増殖し人気を集めている。オリジナルの雑貨を扱い、カフェを併設するところがほとんどで、例えるなら、生活提案型総合施設として新しい書店の姿を示したと言われるTSUTAYAの代官山T-SITEのようなスタイルと言えばいいだろうか。

また上海では、商業施設の広場に期間限定で半透明の小ぶりな移動式書店を設置し、期間中、日替わりで毎日異なる作家のサイン会や朗読会を開くという面白い試みをする書店も出現し、本好きの間で話題になっている。

こうしたオシャレ書店には、天井まで届く壁一面の書架に囲まれたゴージャスな空間で、コーヒーの香りに包まれながら本を吟味する知識人の姿もあるが、一方で、本には全く関心を示さず、物珍しそうにキョロキョロ歩き回りながらインスタ映えしそうな写真を撮りまくる、金回りが良さそうな風体をした富裕層と思しき一群も目立つ。

彼らを見ていると、これら最近はやり始めた新たなリアル書店のブームの背景にある存在が見えてくる。些細なことにも神経をとがらせ始めた社会に息苦しさを感じ、逃避できる静かな空間を書店に求める知識層。そして、流行の先端をカネで支える富裕層だ。

私は12月初旬の2日間を使って、最近話題になっているこれらオシャレ書店のうち、「上海で最も美しい」と呼ばれる書店と、浦東の超高層ビル群が一望できる書店を訪れた。いずれも品揃えは圧倒的だった。しかし、過去20年、上海の言論界とリアル書店をリードしてきた季風書園の「当代中国研究」の棚にあった、農民工関係の本は、どちらの書店でも一冊も見つけることができなかった。

オシャレ書店の増殖や書店の多様化は、「リアル書店の復興」と評されることもあるようだ。ただ、書店の棚から中国の抱える社会問題を扱う本が消えるということはすなわち、「書店に来る人間が、書店に来ない人間のことを考えなくなる」ということに他ならない。それで、何がリアル書店の復興か。中国社会の分断はこうしてさらに深刻の度合いを増し始めた。

上海浦東の超高層ビル群を一望できる立地に建つ大型書店

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『なぜ中国メディアは「江歌事件」に殺到するのか 日本で起きた留学生殺人事件が“国内問題”を覆い隠す』(12/13日経ビジネスオンライン 福島香織)、『1000万人が凍える中国「暖房変換政策」の失態 大気汚染対策「石炭禁止」強行も、工事遅延と天然ガス不足で…』(12/15日経ビジネスオンライン 北村豊)について

11/16facebook記事

<這個國家每天都有新鮮事=この国は毎日何か新しいことがある。

「私は雲南人で12歳になるが、多くの男に強姦され、その後無理やり売春させられ、犯罪集団に入れられて違法活動に手を染め、2年刑務所に入ること9回。昆明警察の監獄に入っていた時に精神をおかしくする薬を打たれた。多くの人が関心を持ってほしい。私を救って。皆さんに感謝します」>。韓国の慰安婦の婆さんと同じで、齢が合いません。これは公然たる詐欺では。まあ、誰も恵はしないでしょうけど。

12/16中国観察<陳世峰求複合時已有新女友 江媽哭暈至休庭(組圖) 看中国=陳世峰(江歌の殺人犯)は二人に会いに行ったときには既に新しいガールフレンドがいた 江歌の母親は裁判中に泣いて眩暈の為休廷した 看中国>「江歌の母親は裁判時に殺人犯に死刑を要求(自分の命で罪を贖え)、犯人も「聞こえた」と。母は犯人の謝罪の手紙を読んでも心から反省しているようには見えないとも。江歌事件の五日目の審理は午前中に終了。次の開庭は12月18日開庭、12月20日判決予定。」

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/bads/2017/12/16/383908.htm%E9%99%B3%E4%B8%96%E5%B3%B0%E6%B1%82%E8%A4%87%E5%90%88%E6%99%82%E5%B7%B2%E6%9C%89%E6%96%B0%E5%A5%B3%E5%8F%8B-%E6%B1%9F%E5%AA%BD%E5%93%AD%E6%9A%88%E8%87%B3%E4%BC%91%E5%BA%AD%E7%B5%84%E5%9C%96.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

11/23・29本ブログでも江歌事件については伝えました。その時にも言いましたが、最高裁は一人殺しても死刑にできるように判例を変更すべきです。“eye to eye, tooth to tooth”、“以眼還眼、以牙還牙”です。江歌の母親は450万人の死刑の署名を集めたそうですが、署名の多寡で法が捻じ曲げられてはならず、そうすれば韓国と同じで国民情緒が法に優先する非法治国家になってしまいます。江歌の母親には可哀想ですが、MAX無期懲役になるのでは。日本の裁判員も江歌の母親には同情するでしょうけど、日本人が起こした事件と仮定すれば、死刑は無理でしょう。福島氏と違い、犯人の陳世峰とその女友達の劉鑫が悪いと思っています。劉鑫がドアを開ければ江歌は助かったかもしれません。劉鑫は法的責任は問われなくても、道徳的に見れば問題です。江歌は巻き添えを食って殺されたのですから。陳世峰も新しい女友達が出来たのですから、劉鑫のことなぞ忘れれば良いだけです。中国人と言うのは本当に恐ろしい。

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7644

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7693

北村氏の記事は共産国家、官僚主導の経済のおかしさを追及したものです。ああいう国に生まれなくて良かったと心底思います。日本の左翼はああいう国を理想としている訳で頭の中を疑います。左翼新聞・左翼政党を応援している人は日本を共産化する手助けをしていると自覚すべきです。

福島記事

久しぶりに刑事事件の裁判を傍聴した。日本ではあまり関心は高くないが、中国のネット世論を騒然とさせている江歌事件の初公判が12月11日に東京地裁で行われた。私は傍聴券の抽選に当たり、検察側、弁護側の冒頭陳述及び争点などを聞くことができた。

この公判には、ネットテレビ番組「局面」など中国メディア15社前後が殺到しており、傍聴できるかどうかもわからないのに、日本にわざわざ本社から長期出張で記者を派遣するメディアも少なくなかった。私が抽選に当たったというと1万円で買いたいという人もいたくらいだ。フェニックステレビの地裁前生中継は昼の時間帯だけで100万人以上のネットユーザーが閲覧していたという。

いったいなぜ、ここまで報道が過熱しているのか、今、中国では山ほど深刻な社会事件が起きているのに、この異国・日本で起きた留学生の痴情のもつれによる殺人事件に、中国社会の関心が集中するのか。そのわけを今回は少し考えてみよう。

痴情のもつれに巻き込まれ…

江歌事件の概要を改めて説明したい。簡潔にするために被害者も容疑者も敬称を略す。2016年11月3日未明に東京都中野区で、法政大学に留学していた女子研究生・江歌が、女友達で大東文化大学留学生の劉鑫の元彼であった大東文化大学大学院の院生・陳世峰に殺害された事件だ。

3人はいずれも中国人留学生で2016年に東京で出会った。劉鑫は2016年5月から陳世峰と3カ月同棲していたが2016年8月に性格が合わずに別れ、その後、9月から同郷(青島市)のよしみで仲良くなった被害者の江歌のところに同居していた。だが、陳世峰は、劉鑫をあきらめきれず、ストーカー行為を繰り返していた。11月2日午後、中野区の江歌・劉鑫が同居しているマンションに陳世峰が現れ、このとき一人で家にいた劉鑫は江歌に微信で相談、江歌は警察に通報するようにいったが、劉鑫は警察に通報しなかった。江歌が帰宅して、陳世峰に帰るよう説得。その後、江歌は大学へ行き、劉鑫はアルバイトに出かける。陳世峰は劉鑫のあとをつけ、電車の中で、微信で劉鑫の下着姿の写真を添付送信して、復縁しないとこの写真を両親に送り付ける、といった脅迫を行った。

事件はその夜に発生した。検察側の冒頭陳述によれば、その後、陳世峰はナイフと着替えを準備して再び、江歌のマンションにいき、部屋の一階上の三階外階段のところで、二人の帰宅を待ち伏せていた。ちょうど午前零時を回ったころで、二人は一緒に帰宅した。劉鑫は先に部屋の中に入り、江歌はポストの確認などした後、遅れて上がってきた。陳世峰はドアの外で、江歌ともみ合い、ナイフで左首を刺したほか、14カ所にわたって顔や手、背中などを刺した。江歌は出血多量で、搬送先の病院でなくなった。陳世峰は、着替えたのち、タクシーで逃走した。陳世峰の大学院の研究室には、ナイフの包装が残っており、検察側はこの包装の中身が、犯行に使われたナイフだとしている。

ちなみに弁護側の冒頭陳述はかなり食い違っていて、殺害に使われたナイフは陳世峰が用意したものではなく、ストーカー行為に恐怖を感じていた劉鑫が護身用に玄関先に置いておいた果物ナイフという。

大きく食い違う主張

劉鑫が部屋に先に入ったあと、江歌が遅れて部屋に入ろうとしたとき、陳世峰が後ろから江歌の肩をつかみ、驚いて叫び声を上げた江歌に、劉鑫がとっさに玄関先にあったこのナイフを渡したという。劉鑫は家に入りかけた江歌を、恐怖のあまり押し出してドアの鍵を閉めてしまった。このとき、劉鑫の「鍵を閉めちゃったから、もう怒鳴らないで」といった発言があったという。部屋から閉め出された恐怖でパニックに陥った江歌が、自衛のためにナイフで陳世峰を刺そうとしたのを、陳世峰がやめさせようと、もみ合ううちに、ナイフが江歌の頸部に刺さってしまったという。

陳世峰は、これを見て、江歌の命が助かれば、両親に膨大な治療費など経済負担を負わせることになる、どうせ自分の人生は終わりだから、止どめを刺して自分一人で責任を負おう、あるいは、顔を見られているのは江歌だけだから、彼女を殺してしまえば、うまく逃げ切れるかもしれない、と考え、倒れた江歌をさらに十数回刺したという。

弁護側の主張は、死因は最初のひと突きの左総頸部動脈損傷による失血死であり、この死因となった傷を負わせた段階では殺意はなく、その後に間違った責任感から殺意を持ったので「殺人未遂」と主張している。着替えも準備したのではなく、家を出たときは、コインランドリーに行くつもりで出たのであって、着替えは準備したものではない、という。江歌宅に行ったのも、江歌に復縁を手伝ってもらおうと相談するつもりであり、一緒に飲むためにウィスキーを持っていったという。ちなみに、ウィスキーの瓶は現場に残されており、瓶口の部分から陳世峰のDNAが検出されている。

事件の詳細は、ナイフの持主、殺意、計画性のいずれも検察側・弁護側の主張が大きく食い違う。11日から5日間にわたって連続で陪審員制度裁判を行い、20日に一審判決が出る予定だ。

事件そのものは、単純に言えば男女関係のもつれに、親切にも仲裁を買って出た友人が巻き込まれて犠牲になってしまったというもので、被害者と遺族のやりきれなさは想像に余りある。だが、実のところ、中国では比較的よくあるパターンの殺人事件である。おそらく、この事件が中国で起きたとしても、これほど中国メディアは熱心に取材しなかったかもしれない。では、なぜこの事件が中国世論の関心をここまで集めたのか。傍聴席に来ていた中国人記者らにその理由を聞いて回ると、次のような点を挙げた。

200万人の署名と「道徳問題」

理由の一つは、江歌の母親・江秋蓮が、来日して陳世峰の死刑を求めて、署名活動を行い、11月までに、なんと200万人もの署名を集めたことだろう。江秋蓮は、江歌が一歳の時に離婚し、女手一つで育てあげ、日本にまで留学させた自慢の娘であった。しかも、殺害動機の根本原因は陳世峰と劉鑫の男女関係であり、江歌は善意の第三者だ。また事件発生直前まで、微信電話で母娘は会話をしていた。一人っ子政策下のシングルマザーの希望の星であった娘を突如理不尽に奪われる悲しみは、当然世間から強い同情を集めた。

また、事件の起きた場所は、日本という治安がいいことで有名な国であり、その一方で、日本の裁判による量刑は、おそらく中国で行われる裁判よりもずっと軽い。この理不尽感が、中国で発生する同様の事件より強い、という。

さらにいえば、この江秋蓮の行き場のない悲しみとそれに対する中国社会の同情は、容疑者の死刑を願うだけでなく、劉鑫に対する非難、攻撃に発展し、中国メディアがこれをさらに世論としてあおる形の報道を展開したことも大きい。

劉鑫はドアに鍵を閉めて江歌を部屋に入れなかった。弁護側の陳述によれば、江歌は陳世峰ともみ合いながら、肘で何度もベルを押し続け、ドアを開けてもらおうと懇願していたという。娘の最後の様子の詳細を知りたい江秋蓮は、事件後に何度も劉鑫に面会を申し入れたが、劉鑫は一度も江歌の母親に会おうとしなかった。

悲しみが怒りに転じた江秋蓮は、劉鑫の自宅や電話番号などを探しあて、ネット上の公開書簡を発表して劉鑫に謝罪を求めた。これを受けて劉鑫の父親が、江秋蓮に対して「プライバシー侵害だ」と抗議の電話を掛け、劉鑫の母親も江秋蓮をののしるなどしたが、こうした電話録音がネットメディアで公開されると、劉鑫とその家族に対し、ネットユーザーたちが抗議の電話をかけるなど、あたかも全中国人民がつるし上げを行うような騒ぎになった。殺人事件から「中国人の道徳問題」を問う事件となったのだ。この劉鑫批判報道が、視聴率やネットニュースの閲覧数を稼ぐため、エスカレートしていった。

だが、冷静に考えてみれば、24歳のうら若い女性が、殺意を持って現れた元彼と友人がもみ合っているのを、玄関のドアを開けて助にいく勇気がなかったとして、そこまで責められることだろうか。ドアを開けてしまえば、容疑者も家の中に入り、二人とも殺害されてしまったかもしれない。江秋蓮の悲しみ、怒りは理解できるものの、今の中国社会に道徳という言葉で、劉鑫に社会的制裁を与える資格があるのか。もちろん日本でも、社会の多くの人が、法の裁きが不公正・理不尽だと感じたとき、この“世論の暴力”がしばしば発動されるが、少なくとも劉鑫は脅迫にあった被害者でもあり、裁かれる側ではない。

誤解を招くことを恐れずに言えば、私には今の中国の社会問題において、この江歌事件はそこまでクローズアップして報じるほどのニュースバリューなのだろうか、と疑問を感じた。むしろ、メディアが世論の関心をこの事件に誘導しているような気もするのだ。

重要度より自由度か

中国では11月、何かヒリヒリするような社会不安感情を刺激する事件がいくつか起きている。日経ビジネスオンライン「中国・キタムラリポート」などでも紹介されている北京市大興区の安宿火災から始まった「低端人口排除事件」は、人権問題として、それこそ道徳の問題として、中国人が向き合い、政府や党にその姿勢の是非を問いかけるべき事件だろう。北京の私立幼稚園で起きた教師による園児の連続虐待事件も、権力に関わる背景がありそうな気配だ。これら事件は発生後まもなく、当局による「事実の否定」が発表され、中国メディアでほとんど報じられなくなった。微博などSNSでも、このテーマは、検閲、削除対象となっている。

江歌事件は、昔からある男女関係のこじれが原因の殺人の動機であり、低端人口排除や幼稚園の連続虐待事件は、背後に中国の権力の存在が感じられる事件だ。だが、中国メディアにしてみれば、習近平政権下でのかつてないほど厳しいメディアコントロールがあり、中国国内の政治がらみの社会問題事件を自由に取材したり、報じたりできない。むしろ日本で起きた殺人事件の方が取材しやすいし、報じる自由度が高い。日本で起きた殺人事件で道徳世論を盛り上げるのは、結果的には中国国内で起きている政府や党に世論の批判の矛先が向きかねない社会事件を多い隠す効果もあるのではないだろうか。

私は、そういう疑問を持ったので、傍聴券のために並んでいた上海から出張してきた記者に、「中国では報道統制が厳しく取材しにくいから、日本で起きた事件に全力投球しているんじゃないの? この事件を報じることによって、報じられるべき社会事件が中国できちんと報じられていないのではないの?」と意地悪く聞いてみた。すると、「そんなことないですよ、私たちのメディアは、比較的がんばっていますよ。江歌事件だって取材しても報道できない可能性もあるんですよ」と否定した。

「法治がない証拠だ」

だが、こうした中国人記者とのやり取りを聞いた、ある法政大学法学部に在籍中の中国人留学生は「殺人事件を道徳問題で論じることは、中国に法治がない証拠だ。中国のメディアは、そこをおかしい、と問題提起しなくてはいけないのではないか」と指摘。さらに「中国で起きている切実な社会事件から世論の関心をそらすために、日本で起きた殺人事件をことさら大きく報道している面はあると思う。また、日本に憧れを持っている若者に対して『日本も安全ではない』『怖いところだ』といった“政治宣伝”の面もあるんじゃないか」と、なかなか辛辣な意見を呈していた。

ちなみに、上海メディア記者が指摘したように、江歌事件は、ヒートアップしすぎたせいもあって、若干の報道抑制が指示されており、今や完全に自由に報道できる状況ではなくなったらしい。法政大学留学生が言うように、この事件も切り口によっては、法治国家の在り方を問うテーマになりうるし、世論の過熱は、どちらの方向に流れても当局にとっては厄介なのだ。

さて、私自身が、この殺人事件について論評することは、現在進行形で裁判が行われ起訴事実の部分を争っているところなので、やめておこう。ただ、司法の独立という概念がなく、世論の流れや政治的目的によって、しばしば恣意的な裁判結果が出る中国から取材にきたメディアに、やはり日本は法治国家なのだ、と知らしめる公正で疑いのない裁判と判決を期待する。

北村記事

大気汚染対策で石炭から天然ガスへの燃料転換を強行するも、工事遅延とガス不足で、暖房なしの生活を強いられる庶民。その怒りの熱だけが高まる。

全国紙「中国青年報」は12月5日付で「暖房時期の開始から20日過ぎても、暖房改造工事の遅延で、河北省“曲陽県”では多くの農村の小学校で暖房がない」と題する記事を報じた。曲陽県は河北省の中西部に位置する“保定市”の管轄下にある人口55万人の小都市で、“定瓷(ていじ)”と呼ばれる白磁の産地であると同時に彫刻の里として知られている。

さて、中国の“長江(揚子江)”以北では冬季の“取暖期(暖房時期)”は11月15日~3月15日とされていて、学校や官公庁、公共機関では11月15日から暖房が始まる。近年は暖冬で多少はしのぎやすくなったものの、長江以北では11月に入ると寒さが身に染みるようになり、暖房が恋しくなるが、学校や官公庁には暖房がない。筆者も商社の北京駐在員時代には寒さに震えながら国営の“進出口公司(貿易会社)”のビルで商談を行った経験を持つが、室内で息が白くなり、厚着をしても足が震えるほどの寒さで、とにかく11月15日の暖房開始日が待ち遠しかった。

石炭から天然ガスへ転換を目指すが…

上述の記事には小学校の校庭に並べられた椅子の上にノートを置き、レンガを敷き詰めた地面に座って授業を受ける子供たちの写真が掲載されていたが、冬の太陽は厚着をした子供たちの背中を照らし、地面には子供たちの影が長く伸びていた。中国青年報の記者が取材した12月4日の保定市の気温は最高が4℃、最低が-7℃だったから、暖房のない教室は凍てつく寒さと言える。記事によれば、曲陽県“齊村鎮”にある多くの小学校では室外授業を増やし、子供たちに太陽光を浴びさせたり、走り回らせて暖を取らせているが、低学年の子供の中には手足が霜焼けになり、患部が腫れて痒くなった者も少なくなく、事情を知らない親から「何で冬に蚊がいるんだ」と聞かれる始末だったという。

この原因は曲陽県が県内にある全ての学校で進めている暖房方式の転換、すなわち“煤改電(石炭を電気に換える)”改造工事の遅延によるものだった。これは石炭燃焼による大気汚染を防止するために、中国政府が発した「“禁煤令(石炭禁止令)”」に伴う“煤改電”および“煤改気(石炭を天然ガスに換える)”の一環だが、多数の地域で改造工事が遅延したため、学校のみならず一般の住宅も暖房が使えなくなり、大問題に発展したのだった。

2016年7月1日、中国政府“環境保護部”は『“京津冀大気汚染防治強化措施(2016-2017年)(北京市・天津市・河北省大気汚染防止措置2016~2017年)”』(以下『防止措置2016~2017年』)を発表した。北京市・天津市・河北省における微小粒子状物質(PM2.5)の年平均濃度を引き下げることを目的としたもので、2017年までの引き下げ目標を、北京市は60μg/m3、そのうち南部4区(豊台区、通州区、房山区、大興区)は65μg/m3前後、天津市は60μg/m3前後、そのうち武清区、宝坻区、薊県は全市平均以下、河北省は67μg/m3前後、そのうち保定市、廊坊市はそれぞれ77μg/m3、65μg/m3前後と設定した<注1>。

<注1>日本の環境基準では,PM2.5の1年平均値が15μg/m3以下であり、かつ、1日平均値が35μg/m3以下となっている。

その上で、2+4都市(北京市・天津市+河北省の保定市・廊坊市・唐山市・滄州市)を重点地域、1+2都市(北京市+保定市・廊坊市)を重点中の重点地域に定め、農村の無石炭化や車両の排ガス汚染防止、工業汚染の防止などの推進を策定した。また、河北省の保定市と廊坊市は全力を挙げて農村部の“電代煤(石炭に換えて電気)”と都市部の“気代煤(石炭に換えて天然ガス)”計画<注2>を推進し、石炭炊きの小型ボイラーの淘汰を強化することを策定した。さらに強化措置として、2017年10月末までに北京市・天津市・河北省の平原地区では基本的に“無煤化(無石炭化)”を実現し、保定市の市街区内にある全ての“城中村(都市の中に取り残された伝統的な村落)”で“電代煤”を実現し、保定市北部地区と廊坊市行政区域内の農村で“電代煤”の推進を加速することが策定された。

<注2>“電代煤”および“気代煤”は、家庭の暖房を従来の石炭燃焼から電気あるいは天然ガスの壁掛けボイラーによる暖房あるいは集中暖房に変更することを意味する。

2017年3月、環境保護部は2月17日付の『“京津冀及周辺地区2017年大気汚染防治工作方案(北京市・天津市・河北省及び周辺地区の2017年大気汚染防止作業計画)”』(以下『2017年作業計画』)を発表した。これは前年の『防止措置2016~2017年』を発展させたもので、その対象地域は従来の2+4都市(北京市・天津市+河北省の4都市)から拡大されて2+26都市になった。2+26都市とは、北京市・天津市+河北省の8都市(石家荘市・唐山市・保定市・滄州市・衡水市・邢台市・邯鄲市)+山西省の4都市(太原市・陽泉市・長治市・晋城市)+山東省の7都市(済南市・淄博市・済寧市・徳州市・聊城市・濱州市・荷澤市)+河南省の7都市(鄭州市・開封市・安陽市・鶴壁市・新郷市・焦作市・濮陽市)であった。このうち、山西省の4都市はいずれも石炭を産出する「産炭都市」である。

「青空防衛戦」に3段階の指令

『2017年作業計画』の主要任務は7つの項目で構成されるが、その第3項目には次のような内容が書かれている。

【3】冬季クリーン暖房重点プロジェクトを実施する。2+26都市を北方地区冬季クリーン暖房計画の第1回実施範囲とする。“城中村”、“城郷結合部(都市部と農村部の隣接地域)”および農村地区の“散煤”管理を全面的に強化し、北京市、天津市、廊坊市、保定市では10月末までに“禁煤区(石炭禁止区)”建設の任務を完成させ、実施範囲をさらに拡大させて冬季クリーン暖房を実現する。その他の都市は輸送ラインを10月末までに完成させ、天然ガスが良ければ天然ガス、電気が良ければ電気の原則で、各都市は5万~10万戸の“以電代煤(電気で石炭に換える)”あるいは“以気代煤(天然ガスで石炭に換える)”による集中暖房の工事を完成する。工業の低級余熱や地熱エネルギーなどの利用を拡大する。

さらに、環境保護部は2017年8月21日に『“京津冀及周辺地区2017-2018年秋冬季大気汚染綜合治理攻堅行動方案(北京市・天津市・河北省および周辺地区2017~2018年秋・冬季大気汚染総合管理難関突破行動計画)”』(以下『2017~2018年行動計画』)を発表して、「2017~2018年秋・冬季の大気汚染防止活動に全力で取り組み、断固として“藍天保衛戦(青空防衛戦)”に勝利しよう」と呼びかけた。『2017~2018年行動計画』には次のような記述がある。すなわち、2017年の上半期に各地区各部門は大気汚染防止活動を着実に推進して成果を上げたが、北京市・天津市・河北省および周辺地区における大気の環境情勢は依然として深刻であり、特に秋・冬季の大気汚染防止には弱い部分があるので、的確な措置を採り、秋・冬季大気汚染防止活動を着実に行わねばならない。

要するに、環境保護部は、2016年7月の『防止措置2016~2017年』、2017年3月の『2017年作業計画』、さらに2017年8月の『2017~2018年行動計画』という形で3段階の指令を発することにより、2(北京市・天津市)+河北省・山西省・山東省・河南省の合計26都市における大気汚染防止活動を推進して「青空防衛戦」に勝利しようとしたのである。

これを受けて、2+26都市の各地では2017年10月1日から“禁煤令(石炭禁止令)”が発令され、石炭を燃焼させる設備・施設の新築、拡張が禁止され、企業や個人による燃焼用石炭の販売、輸送が禁止された。各地の地元政府は暖房が始まる11月15日前に“電代煤(石炭に換えて電気)”、“気代煤(石炭に換えて天然ガス)”を実現するための工事を急いだが、工事の開始が遅かった地域では11月15日前に工事の完了が間に合わず、夜間は氷点下になる気候の中で当該地域の人々に暖房無しの生活を余儀なくさせることになった。学校や各家庭にあった石炭炊きのボイラーや壁掛けボイラー、石炭ストーブは政府命令に従って撤去していたから、違反は承知でこっそり石炭を燃やして暖を取ろうとしても肝心の燃焼設備そのものがなかった。文頭に述べた河北省曲陽県の小学校で厳寒に中で子供たちが校庭に座って授業を受けていたのは、上述した事情によるものだった。

石炭を燃やして行政拘留5日

ところで、国営通信社の「中国新聞社」は12月4日付で下記の記事を配信した。

12月3日、山西省“忻州(きんしゅう)市”公安局“環境安全防衛支隊”の「大気汚染巡査チーム」は夜間巡回中に建設現場で3カ所の火種を発見した。その場で煙の分析を行ったところ高濃度の二酸化硫黄などの有害物質が含まれていることが判明したので、調査を経て同チームは労働者の“王〇偉”が石炭を燃やして暖を取ったことを確認して逮捕し、同人を“行政拘留”5日間に処した。

行政拘留とは治安を乱した者に対する行政処罰であり、公安機関が裁決の権限を持つ。忻州市は2+26都市に含まれていないが、中央政府の呼び掛けに応えることで成績を上げる目的で厳しい措置に出たものと思われる。このニュースを知ったネットユーザーたちは、工事現場の労働者が暖を取るのに石炭を燃やしたからと言って行政拘留5日間はひどすぎるし、それがだめなら屋外で働く者は何を燃やして暖を取れというのかと抗議の声を上げたが、地元公安局は“王〇偉”が大気汚染巡査チームの説諭に真面目に対応しなかったばかりか、石炭以外にプラスチックバッグや古タイヤなどの廃棄物を燃やして有毒ガスを排出したことが理由だとして抗議を退けた。

ところで、上述した『2017年作業計画』にある主要任務の第3項目には「“散煤”管理を強化し」という記述がある。2015年12月21日付の「中国能源報」が報じた“散煤”に関する記事には、「“散煤”は家庭で暖を取ったり、飲食などに用いる石炭を指し、通常の状況下では小型の工業用ボイラーにも用いられる。“散煤”には未だに明確な定義がないことから、その使用状況に対する統計も正確なものとなり難い。推定では、我が国の燃料用石炭のうちの20%~25%が“散煤”であり、毎年の消費量は6億~7億トンと思われる」とある。“散煤”とは、採掘されたままの石炭で、選炭(原炭に含まれる無機物を分離・除去すること)をしていない低品位の石炭を指す。これを燃やせば二酸化硫黄などの有毒ガスが大気中に排出されて、PM2.5の濃度上昇に貢献することになる。

頼みの天然ガスも不足

中国政府が大気汚染防止措置の重点に置いたのは、“散煤”の使用を抑制することだった。従い、PM2.5が深刻な北京市を中心とする2+26都市で“禁煤令(石炭禁止令)”を発令して、“電代煤(石炭に換えて電気)”と“気代煤(石炭に換えて天然ガス)”を推進したのだった。

しかし、その結果は関連工事の遅延により多数の地域で暖房を使えずに凍える人々が発生し、その数は2+26都市で1000万人以上に達したという。河北省の廊坊市・保定市の“禁煤区(石炭禁止地区)”だけでも、105.4万戸の庶民が暖房に問題が発生、あるいは暖房が全くない状態を余儀なくされたのである。問題はそれだけではなかった。2+26都市を含む北方地区で“煤改気(石炭を天然ガスに換える)”が実施されたことにより、北方地区の天然ガスの需要が急上昇し、天然ガスの消費量も大幅に増大したため、“供不応求(供給が需要に応じきれない)”の状況となったのである。

中国政府“国家能源局(国家エネルギー局)”発行の『中国天然ガス発展報告(2017)』によれば、2017年の天然ガス消費量は2303億~2343億m3で、一次エネルギー消費に占める天然ガスの比率は7%に達し、前年に比べて245億~285億m3増加、その伸び率は11.9%~13.8%と予想していた。しかし、11月15日の暖房開始による需要と“煤改気(石炭を天然ガスに換える)”による新たな需要が重なったことにより、天然ガスは供給不足に陥った。このため、その影響は内陸部の陝西省“西安市”にまで及び、西安市内の170カ所以上の団地では天然ガスの供給が途絶え、暖房が使えなくなったという。天然ガスの供給不足により各地の“燃気公司(ガス会社)”は“限気通知(天然ガス供給制限通知)”を発表し、ユーザーに対して必要に応じて天然ガスの供給を停止する旨を通告した。

北方地区の2+26都市およびその周辺地域の人々が厳冬の中で凍えている実情がメディアを通じて大々的に報じられ、“煤改電”・“煤改気”工事の遅延や天然ガスの供給不足に対する批判が高まったことで、世論の圧力に負けた環境保護部は、12月4日付で2+26都市の各地方政府に対して“特急文件(緊急通達)”を出した。それは『“散煤”総合管理を遂行して大衆が温かく冬を過ごせることを確保する任務に関する文書』と題するもので、大衆が温かく冬を過ごすのが第一原則であり、暖房時期に入り、プロジェクトの工事が完成していない地域あるいは地方については、過去の石炭を用いた暖房方式あるいはその他の代替方式をそのまま継続してよいという趣旨であった。

緊急通達で撤回も、不満は充満

中国政府が一度出した行政指令を強行することなく、譲歩して指令内容を緩和することはあまりない。今回の緊急通達は環境保護部がその面子を失うものであり、できれば避けたかったと思うが、国民が厳冬の凍てつく寒さの中で暖房なしで震えている実態を目の当たりにしては、致し方なかったのだろう。今回の事態は中央政府の計画だけが先行して、各地方政府の行動が遅々として伴わなかったことに起因する。また、環境保護部は国家エネルギー局と冬季における天然ガスの需給バランスを十分に協議しないまま、2+26都市計画を推進したことが、天然ガスの供給不足をもたらしたと考えられる。

環境保護部の緊急通達により凍える人々の暖房問題が解決すれば良いが、過去の石炭を用いた暖房設備はすでに撤去されているはずで、工事完了までの一時的な代替設備が急きょ用意される可能性は少ないように思える。全ての人々が暖房のある生活に戻るにはまだ時間がかかるだろうし、天然ガスの供給量を急激に増やすことはできない。多少の暑さは冷房がなくてもしのげるが、厳寒の寒さは暖房なしではしのげない。

大気汚染を防止してPM2.5を抑制するという国家を挙げての意気込みは認めるが、国民を極寒の中で震えさせては、人々の政府に対する反感を増大させる効果しか望めない。一方、環境保護部が2016年7月から3段階の指令を出して準備を整えたのに、地方政府の対応が遅れたのはなぜなのか。“煤改電”・“煤改気”工事は多大な資金を必要とする。財政難に陥っている地方政府にとって諸手を挙げて歓迎するものではないということも考えられる。「面従腹背」は権謀術数渦巻く中国官界の常套手段だが、それが庶民に影響を及ぼすようでは庶民が面従腹背をするようになり、不満がいつか爆発することになりかねない。

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