6/2藤岡信勝氏Facebook『西村幸祐・神社仏閣へ油を撒いた犯人』転載記事について

やはりというか想定通りと言うか神社仏閣に油を撒いたのは在日の帰化人のようですね。日本の帰化政策の誤りと通名制度が日本の弱体化を招いています。意図的に日本を貶めようと世界にアピールしようとしているNYタイムズの在日帰化人の大西哲光(国籍はカナダ)や田淵広子に繋がります。日本人は神仏を畏れているのでどんなに時代が変わろうとも、個人のレベルで天をも恐れぬ行動をできるはずがありません。信長の比叡山焼き討ちとか廃仏毀釈はありましたが。マスメデイアがキチンと名前を挙げて報道しないのは裏に反日勢力の手が伸びていると考えるのは自然でしょう。

西村幸祐氏は「中国時報」の記事も写真で掲載しています。本日麗澤大学図書館で本記事を読みました。韓国人と言うのは「ケンチャナヨ」精神旺盛と言うか、中国語の「没問題」(=mei2Wen4ti2)と同じでno problemではなく、必ず問題であるというところでしょう。中東のSARSでMERS(Middle East)と言われていますが、変な話、砂漠の国のサウデイにSARS菌が繁殖できたかどうか。根本原因は中国のような気がしてなりません。広東省がSARS発生の原因だったように。広東省は雨も多く、高温で鼠やゴキブリも生育が良く大型でした。まして広州のように動物を生きたまま売る市場までありますから。床は動物の血で血塗られていた記憶があります。でも中国と韓国は人命優先でないのは分かります。ハフィントンポストに記事が載っています。

関連記事  http://www.huffingtonpost.jp/2015/06/02/mers-asiana-air-nagoya_n_7489906.html

分かっていて中国や香港に出張するなんてどういう神経でしょう。テロリストと一緒。日本も油撒き犯人と同じく反日の人間がテロを起こす可能性がありますから。自分は安全と思うのが一番危険です。リスク管理の要諦は「最悪の事態を想定して準備する」ですから。

また、長江での客船の転覆で船長が逃げた可能性がありますね。今の所458人中20人しか救出されず、船長と機関長が助かっているというのはどう考えてもおかしい。我先に逃げたのでは。セウオル号と同じ。中韓は同じ精神構造をしているという事でしょう。

6/2午後7時のNHKTVのニュースで「ハイアール」の名前を堂々と出して宣伝に一役買っていました。いつからNHKは名前を出してもいいようにしたのでしょう。日本の企業名も出しているのでしょうか?http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150602/k10010100881000.html

ビールのラベルが出ないように気を使うほどなのに。如何にメデイアが他国に侵されているかの例証です

記事

コリアンがらみの奇妙な犯罪が相次いでいるのに、日本のメディアは報道管制状態だ。由々しき事態で、これを何とか暴露し、突破しなければならないが、報道の決定権は反日勢力に握られている。捏造報道よりも、歪曲報道よりも、報道遮断がメディアの最大の権力行使、国民支配の手段であることを忘れてはならない。西村幸祐氏のタイムラインからシェアーする。

Masahide Kanayama

 

 

 

 

 

 

 

 

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西村 幸祐さんが新しい写真3枚を追加しました

日本人に銃を向ける、韓国関連情報を隠蔽する異常なメディア。

完全に危険水域を超えた日本メディアの異常な情報統制。韓国人の非文明的な行動が原因でMERSによる初の死者が出て、隔離患者は現在682人に及んでいる。先週からアジア各国で大騒ぎなのに、日本メディアの報道はなかった。

また、今年なってから頻発する全国寺社へのテロは、僕が何回も予想した(https://twitter.com/kohyu1952/status/603271406122504192 )通り、やはり、韓国キリスト教カルトの反日テロだったことが判明したが、日本メディアは全てを隠蔽している。

 韓国特有のキリスト教を名乗るカルト集団の創設者、金山昌秀の犯行と明らかになったのに、容疑者の名前は出ない。しかも、最初は在米の「日本国籍」と報道し、次第に「日本人」と報道。メディアはしきりに「日本人」であることを強調する。

そして彼らは、この事件の本質である、元在日の韓国系日本人の反日カルト的な犯行であることを隠蔽している。韓国人MERS報道も先週から台湾で連日大きく報道されたのに日本人のリスクを無視する情報統制が布かれている。

 安保法制審議も異常な偏向報道が続き、逮捕歴のある辻元清美や5月27日に逮捕された北朝鮮工作員、斉藤まさしの支援を受けて議員になった民主党の後藤祐一の無意味なゴミのような質疑だけが取り上げられ、長島昭久議員(民主)との安保法制にとって有意義な質疑は全く報道されないのだ。

 一連の情報統制は、丹念な取材で韓国軍慰安婦の実態を掴み、報道しようとして自社に潰された、前TBSワシントン支局長、山口敬之氏の悲劇にまで繋がっている。この背景に一体何があるのか? 今、日本のジャーナリズムに問われるもの、そして、その危機は大きい。

※写真は全国の寺社への反日テロ実行犯(当然、組織的な犯行)。

 次の2点は、MERS感染の危機を大きく扱った先週の台湾紙の報道。

5/30産経ニュース 古森 義久 『安保法制、日本の敵は日本か』と6/1ZAKZAK『南シナ海“一触即発” 開き直り中国に日米反撃 警戒監視活動や共同訓練も』記事について

朝日も日本共産党も日本を中国共産党に売り渡そうと言う組織と思えば分かり易い。小生は中国に8年間居て、人権抑圧を目の当たりで見てきたため、当然ああいう社会が理想とは思えず、中国人には「可哀想」としか思えなかったです。今の日本の野党の政治家やメデイアのように政府批判、共産党批判すれば間違いなく逮捕状がなくても拘引されるか、罪名をデッチ上げてでも逮捕、拘留するでしょう。朝日の読者は分かっているのでしょうか?野党の政治家やメデイアは中国共産党的統治が良いと思っている確信犯ですが、読者はそこまで思っている人は少ないでしょう。自分の頭で考えないから、呪縛が解けないのでしょう。

南沙諸島の基地は軍事目的と解放軍は明言しました。日本の左翼メデイアはもっと中国を批判すべきでは。口を開けば「平和」「平和」と唱えているくせに、中国の侵略行為に口を噤むのであれば、彼らの言う「平和」はダブル・スタンダードであり、中国語の「和平」(he2ping2=日本語の「平和」。但し和して後平らげるとも読める、)のようなものではないか。報道しない自由を行使するのは、この場合侵略に手を貸すようなものです。

日本国民一人ひとりの自覚が必要です。国難に際して、大事なことは①左翼新聞は買わない②次の選挙で左翼・親中派・親韓派には投票しない、という事を今からでもやっていくことです。地道な取り組みが大事です。

5/30産経記事

日本の最大の敵は日本なのか-日本の安全保障関連法案の国会質疑やその報道は、そんな疑問を感じさせる。

「暴走」「思うがままに武力を」「ナチスの手口」など、同法案の核心の集団的自衛権行使容認に反対する朝日新聞の記事の見出しは、日本が自ら他国に戦争を仕掛けるためにこの措置を取る、と思わせようとしているのは明らかだ。

同法案の目的を「日本を、戦争をする国にする」と断じる日本共産党の主張も日本がいかにも侵略戦争を始めるかのような暗示がにじむ。なにしろ議論の最大焦点が日本を守るはずの自衛隊の手足を縛る「歯止め」だから、日本はそれほどに危険で自制のない国なのか、といぶかってしまう。

日本を軍事的に威嚇し、侵略しようとする勢力への「歯止め」がまず語られないのだ。

集団的自衛権自体を危険視する側は日米同盟がそもそも集団自衛であることは無視のようだ。日本領土が攻撃され、日本がいくら個別的自衛だと称しても、現実は米国に日本との集団的自衛権を発動してもらうのが日米同盟の抑止力そのものなのである。

自国防衛は集団自衛に全面的に依存しながら、その集団自衛の概念に反対するという日本の従来の姿勢は米側ではあまりに自己中心で他者依存とみなされてきた。

米国側は超党派でもう20年も日本の集団的自衛権解禁を切望してきた。米国が想定するアジア有事、つまり朝鮮半島有事や台湾海峡有事に対しては国防総省にはいつも「ジャパン・イン(内)」と「ジャパン・アウト(外)」という2つのシナリオが存在してきた。

「イン」は日本が米国の軍事行動に対し同じ陣営内部に入り、味方として行動する見通し、「アウト」は日本が集団的自衛権禁止を理由に米軍の後方支援も含めて完全に非協力、外部に立つという意味だという。

歴代の米国政権はもちろん「イン」を望んだが、常に「アウト」をも想定しなければならず、アジア戦略では大きな悩みだった。そして現実の有事で、もし「ジャパン・アウト」となった場合、「日米同盟はその時点で終結する」と断言する米側関係者が多かった。日米安保条約の米側からの破棄という意味だった。

 だから軍事にはあまり熱心ではないオバマ政権も今回の日本の動きは大歓迎するわけだ。米国側全体のいまの反応について大手研究機関AEIの日本研究部長のマイケル・オースリン氏は米紙への5月中旬の寄稿で「日本のいまの動きは自衛隊を他国の軍隊と同様な機能を果たせるように正常化し、米国との安保協力を深め、他のアジア諸国との安保連携をも可能にし、日本がアジアでの責任ある役割を果たせることを目指す」と歓迎の総括を述べた。

米国政府は日本政府に正面から集団的自衛権行使を求めることはしない。主権国家同士の礼儀だろう。だが本音としてのその要望は政府周辺から長年、一貫して発せられてきた。

しかも日本の集団的自衛権は禁止のままだ と日米同盟の崩壊につながりかねないとする警告が多かった。

超党派の研究機関「外交問題評議会」が1997年に日本の集団的自衛権禁止を「日米同盟全体にひそむ危険な崩壊要因」と位置づけたのもその 一例だった。

 こうした米国側の意向や状況は日本でのいまの論議ではまったく欠落したままなのである。(ワシントン駐在客員特派員)

6/1ZAKZAK記事

南シナ海が緊迫している。習近平国家主席率いる中国が国際社会の反発を無視して、岩礁を次々と埋め立てていたが、ついに中国軍幹部が「軍事目的だ」と明言したのだ。人工島には火砲まで配備しているという。一方、日米両国は、中国の「力による現状変更の試み」に反対することで一致し、警戒監視活動や共同訓練などで、牽制(けんせい)していく。

 「中国の主権の範囲内で、合法で正当かつ合理的な活動だ」

 中国人民解放軍の孫建国・副総参謀長は5月31日、シンガポールのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で講演し、南シナ海での人工島建設について、こう言い切った。さらに、その目的に「軍事、防衛上のニーズ」を含めた。

 前日の同会議で、カーター米国防長官が「南シナ海で1カ国だけが、いかなる国をも大きく上回る規模と速さで埋め立てを進めている。それは中国だ」と名指しして、即時中止を要求していたが、中国軍幹部は開き直って「本性」をさらけ出したといえる。

 オバマ米大統領の対応を甘く見たのか、中国の暴走は加速している。

 米国防総省のウォーレン報道部長は先月末、中国が人工島の1つに(自走砲などの)火砲を配備したと明言した。米政府は「自走砲を手始めに今後、レーダーや艦船、航空機、ミサイルなどが徐々に配備されていくだろう」(軍事筋)と分析している。

 まさに、「人工島の軍事基地化」だが、南シナ海は日本のシーレーンでもあり、わが国としても中国の野望を看過するわけにはいかない。

 中谷元防衛相とカーター氏は5月30日に会談し、中国の「力による現状変更の試み」に反対することで一致。オーストラリアのアンドリュース国防相を交えた3カ国の防衛相会談では、日米豪3カ国が緊密に連携していくことを確認した。

 東南アジア諸国にも不安が広がっているが、中谷氏は翌31日、シンガポールのウン・エンヘン国防相との会談で「日本も地域の平和と安全に貢献していく」と強調した。

 高い警戒監視能力を誇る海上自衛隊のP3C哨戒機を派遣する可能性があるが、航続距離に問題がある。このため、フィリピンの旧米空軍クラーク基地を活用する案もある。また、中谷氏は同会議での講演で、南シナ海で自衛隊と米艦艇が共同訓練などを行い中国に対抗する考えも示した。

 こうしたなか、中国は分断工作を仕掛けてきた。

 前出の孫氏は同31日、韓国の韓民求(ハン・ミング)国防相との会談で、米国が韓国への配備を検討している地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」について「憂慮する」と通告したのだ。

 韓氏は「韓国の国益と安全保障上の利益を考慮し、わが政府が主導的に判断し決める」と反論したというが、どこまで耐えきれるのか。

5/31伊勢雅臣メルマガ掲載 『地球史探訪: 海洋国家の衰亡への道 ~ 月尾嘉雄『日本が世界地図から消滅しないための戦略』を読む』記事について

月尾氏は東大教授だったにも拘らず左翼に汚染されていません。東大の先生が全部汚染されている訳ではないですが。カルタゴについては昨年9月にチュニジアに行って見てきました。海に面して遺跡がわずかながら残っていました。床がモザイク模様でした。塩野七生の『ローマ人の物語 ハンニバル戦記』と森本哲郎の『ある通商国家の興亡』にカルタゴが出てきます。本記事に書かれているような浮かれた気持ちしか持てない国民は滅ぶしかないという警世の書だったと思います。特に『ある通商国家の興亡』では第二ポエニ戦役でローマが要求した講和の条件は第二次大戦で米国が要求した武力放棄(ローマの命なく戦争してはならない)と酷似しています。

集団的自衛権で後藤とか辻元とか民主党は下らん質問ばかり。中国が南シナ海を手に入れようとしているのに“clear and present danger”と言うのが分からない人達です。「一国平和主義」というのは覇権国アメリカですら難しいのに日本にできる訳ありません。鎖国すればよいのでしょうがグローバルな時代にそれは無理です。民主党は日本に対し「鎖国せよ」とか中国に「隷従せよ」とでも思っているのでしょうか。武力侵攻を喜んでするような国に隷従したら国民がどうなるか分かるでしょう。チベット、ウイグル、モンゴル族が如何に悲惨な目に遭ってきているか、本ブログで何度も書いてきました。多国間同盟で中国を封じ込めるしかありません。

今の日本の経済人は経済にしか目が行きません。金儲けのことだけ。戦後すぐ位は、財界人は「国家と共にある」と言うほどの人物が多かったですが。然るに今は志の低い人ばかり。勿論経済力は軍事力の基礎となりますから、成長させていくことは非常に大切です。しかし、儲かればよいと言って敵に塩を送るのはどうか。三島の諌言、前述の森本の警世など、聞く頭になっていないのでしょう。(今調べて、森本は朝日新聞の編集委員をしていたというのでビックリですが)

オランダの事例で言えば今の米軍に戦闘させて自分は金儲けだけと言うのではアメリカ人の反感を買うという事です。アメリカも日本に多く基地を置いていたのはいわゆる「瓶の蓋」の役目だったのでしょうが、時代と環境が変わりました。日本の基地こそが「自由を守る砦」に変わる訳です。キッシンジャーが周と約束したことは全部裏目に出ました。彼も中国から金を貰っている口でしょうけど。「騙す人が賢く、騙される方が馬鹿」という民族性を知らないためです。中国を恐れ、日本の基地を置き去りにしたらアメリカは末代まで「臆病者」の烙印を押されるでしょう。宮崎正弘氏の言うように「第七艦隊」を日本の持つ米国債で買ってくれとなりますか?

記事

 カルタゴ、ベネチア、オランダに見る海洋国家の衰亡への道。

■1.「日本という国家が消滅することはないという幼児のような楽観」

『日本が世界地図から消滅しないための戦略』というショッキングなタイトルの新刊が出た。著者の月尾嘉雄(つきお・よしお)東大名誉教授はもともとは建築学が専攻だが、最近は地球環境問題やメディア政策など幅広い分野で発信をされている。

 この本の前書きは次のような印象的な一節で始まる。

 国旗掲揚と国歌斉唱に異論のある人々が日本に増加しているようであるが、それをしたくてもできない民族の苦痛を想像してみれば、そのような異論が愚論であることが容易に理解できるはずである。それは日本という国家が消滅することはないという幼児のような楽観を根底とする幻想でしかない。[1,p1]

 チベットやウイグルなど、自らの国家を失い、少数民族として圧政に苦しんでいる民族は少なくない。第二次大戦後に消滅した国家は約180にもなるという。

■2.消滅した古代海洋国家カルタゴ

 我が国と同様の海洋国家で、長く栄えながら滅んだ国が歴史上、いくつもある。

 その一つ、カルタゴは、北アフリカの地中海沿岸、現在のチュニジアの近辺で栄えた古代海洋国家である。紀元前814年に建国されたという伝説を持ち、紀元前6世紀から西地中海の海運交易を握り、エジプトからモロッコ、さらには現在のスペインのあたりまで領土を広げていった。

 しかし、イタリア半島から発展したローマと紀元前264年から146年までの120余年間に3度も大きな戦いを繰り広げ、一時はハンニバル将軍が象の一群を率いてアルプスを越えてイタリア半島にまで攻め込んだが、最終的には敗北した。

 ローマは通常は「敗者さえも同化する」寛大な政策をとって発展したのだが、ことカルタゴに対しては特別で、1世紀以上の度重なる戦いの報復として、カルタゴ市民を虐殺し、都市はすべて破壊した。カルタゴは地上から消滅し、その遺跡は19世紀まで発見されなかった。

■3.滅亡の第1の要因:傭兵

 カルタゴが消滅したのはローマとの戦いに敗れたからであるが、実際にハンニバルのイタリア半島侵攻ではローマ征服の一歩手前までいきながら、最終的にはなぜローマに滅ぼされたのか。

 その理由として月尾氏が最初に挙げているのが、傭兵に依存したことである。海洋国家であるから海軍は自国民中心で構成されていたが、陸軍は大半が傭兵であった。傭兵の目的は金銭であり、カルタゴのために命をかけるという志はない。

 それに比してローマは当時は共和国であり、市民は祖国のために、子孫のために、命をかけて戦うことを名誉と考えていた。いかに名将ハンニバルが何年か活躍しても、1世紀以上も戦い続ければ当然この違いが出てくる。

 傭兵が頼りにならない事は、その後の歴史で何度も実証されている。たとえば、ロシアは日露戦争で当時属領として支配していたポーランド人をロシア軍に含めて送り込んだ。日本軍はポーランドの独立運動と連携して、ポーランド兵の脱走工作を行い、投降したポーランド兵数千人を松山の収容所で厚遇した。[a]

 対する日本兵はすべて国民兵であり、家族のため、国家の独立維持のために命を捧げることを厭わなかった。[b]

 大東亜戦争でも、日本陸軍は開戦後わずか2ヶ月でマレー半島のイギリス軍を駆逐してシンガポールを占領したが、その成功要因の一つに英軍10万の半分を占めるインド兵に呼びかけて、「インド独立のために一緒に戦おう」と呼びかけたことがある。ここで結集したインド将兵たちが、現在の「インド国民軍」の中核となった。[c]

 いくら経済的に繁栄しても、国家の独立を守るのは自前の防衛力である。金で雇った傭兵では、いくら優れた将軍や武器を備えていても、長期的に国家を守る真の防衛力にはならない。

■4.滅亡の第2の要因:経済史上主義

 敗戦の第二の原因が経済至上主義である。月尾氏は次の史家の言葉を引用している。

「カルタゴの歴史は文明の浅薄さと脆弱さを示している。彼らは富の獲得だけに血道をあげ、政治的、文化的、倫理的な進歩を目指す努力をしなかった」(J・トゥーテイン)

 目先の利益にだけに目を奪われていては、日ごろから防衛のための備えをすることもおろそかにされる。青少年には国家公共のために働くことを名誉とみなす倫理教育もできなかったろう。

 そもそも豊かな文化伝統なしに経済至上主義の中で育てられた青少年には、祖国のために尽くし、祖国の危機には立ち上がる祖国愛も育たなかっただろう。

■5.滅亡の第3の要因:ローマの敵意に対する鈍感さ

 滅亡の第三の原因として挙げられているのが、ローマの敵意に対する鈍感さである。

 第一次ポエニ戦争(紀元前264~241年)の敗戦では広大な領土放棄以外に、年間の農業生産に匹敵する賠償金を24年に渡って支払うこと、さらに第二次ポエニ戦争(紀元前149~201年)では、同程度の賠償金を50年間支払い続けることとされたが、カルタゴは、その通商での経済力でいずれも早めに完済してしまう。

 それほどの経済力を持ったカルタゴを危険視して、ローマの政治家たちはカルタゴを滅亡させるべきと決心する。

 第二次ポエニ戦争での敗戦にもかかわらず、その後も発展しているカルタゴを脅威とする人々がローマに増加していくが、その中心にあったのがローマの政治家マルクス・ポルキウス・カト・ケンソリウス(大カト)である。第二次ポエニ戦争に従軍して敗走した経験もあり、カルタゴへの敵愾心に満ちていた政治家であった。

 カトはカルタゴから輸送されてきた見事なイチジクを聴衆に見せ、このような立派な農産物を生産する国がローマから三日の航海の距離にあると演説し、その最後を「デレンダ・エスト・カルタゴ(カルタゴを殲せんめつ滅すべし)」と締めくくっていた。この繰返しが次第にローマ市民に浸透し、戦争の気運が高まっていった。これが第三の教訓である。[1,p31]

 ローマはカルタゴに、地中海に面した首都を捨て、内陸部に遷都せよ、という無理難題を要求して、ついに3度目の戦争に追い込む。そしてカルタゴを破った後は、その都市を跡形もなく破壊し、住民を虐殺するという、敗者に対して寛容なローマにしては珍しく残虐な措置をとったのも、こういう反カルタゴ感情がゆえであろう。

 不思議なのは、カルタゴがこういうローマの敵意に対して、鈍感だったことである。経済至上主義で国の安全に無頓着であれば、他国の脅威に対しても、敏感にはなれなかったのだろう。

■6.ベネチアの繁栄と衰亡

 カルタゴと同様に、地中海での通商を握って、長期間、栄えながら滅んだのがベネチアである。海上に浮かぶ小さな人口島を本拠地として、697年の初代元首就任から1797年にナポレオンに征服されるまで、実に1,100年間も独立を維持した[a]。優れた造船技術を武器に、最盛期には地中海最大の海洋国家として栄華を誇った。

 ベネチアについては本誌104号[e]で紹介したので、ここでは繰り返さないが、そこで強調したのは、発展の原動力となったのが貴族も平民も国家に尽くそうという強い同胞感だった事だ。この力によって、人口10倍もの大国トルコと250年間も戦い抜いたのは、カルタゴとは大きく異なる点である。

 しかし、最後には衰退し、ナポレオンに屈服するのだが、そこでの要因として、月尾氏は以下の3つを挙げている。

 第1は技術革新への乗り遅れ。15世紀にポルトガルで3本の帆柱を備えたキャラベル船が開発され、コロンブスのアメリカ大陸到達などの大航海時代が始まった。この船は造船単価が3.5倍にも跳ね上がるが、ベネチアは造船予算を1.5倍にしか増やさなかった。当然、保有する隻数は半分以下となり、海軍力も、交易力も大きく低下した。

 第2はアジアとの交易で、アフリカの希望峰周りの航路が開拓され、ポルトガルやスペインなどの大西洋に面した港湾都市が交易の中心となったこと。従来の東地中海から中近東を通る陸上ルートは危険で、コストも高いので廃れてしまった。

 第3に、国民の通商意欲の減退と、それを反映した人口の減少。海に向かう進取の気風が失われ、ベネチアの対岸の大陸部分に引き込むようになった。守りの生活に入ると、子どもの増加が財産の細分化につながるため、貴族の家庭で独身比率が高まっていった。16世紀の51%から、17世紀に60%、18世紀には66%と上昇していった。

 これは肉体的な精力が減退したというよりは、精神的な意欲の衰退と理解すべき現象である。一八世紀末のナポレオンの恫喝(どうかつ)に戦時問題首脳会議も大評議会も弱腰で右往左往し、簡単に屈服した下地は、二〇〇年近い社会と国民の性質変化によって出来上がっていたということになる。[1,p40]

■7.オランダの海洋覇権がいかにイギリスに奪われたのか

 月尾氏の著書にはないが、弊誌で紹介したオランダの盛衰も関連するので、簡単に触れておこう。

 大英帝国が築かれる前に、オランダはアフリカの希望峰から、セイロン、ジャカルタ、広東、そして長崎の出島に至るまで植民地や通商拠点を置き、17世紀の世界貿易を握っていた。

 オーストラリア大陸はオランダ人が発見し、オランダのホラント州から「ニューホラント」と名付けられていた。ニュージーランドは、同様にゼーラント州から付けられた名前がそのまま残っている。アメリカのニューヨークは、もとはニューアムステルダムだった。

 このオランダの海洋帝国は、その後、ほとんどイギリスに奪われ、大英帝国として「上書き」されてしまう。

 かつてオランダはスペイン帝国の一領地だったが、自由と独立を求めて同盟国イギリスと共に80年戦争を戦い抜く。戦争の途中、オランダの商人たちが実権を握ると、彼らは金はかかるが利益の少ない地上戦闘はイギリスに任せ、自らは海洋権益の拡大を目指した。こうしてオランダは一大海洋帝国を築き上げた。

 しかし、このオランダの姿勢は、イギリスの反感を買った。イギリスの当時の重商主義者トーマス・マンはこう語っている。

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 オランダ人が東西両インドを征服し、その交易の果実をわれわれからむしり取っている間、われわれはオランダの防衛のために血を流しているのである。[2,p219]

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 1648年にスペインとの講和が成立するや、わずか4年後には英蘭戦争が始まっている。その最中でもオランダ商人の中には、イギリスに軍艦用資材を売って大儲けする輩(やから)までいて、そんな状態ではオランダは勝てるはずもなかった。こうしてオランダの海洋覇権は次々とイギリスに奪われ、世界貿易の中心はアムステルダムからロンドンに移ったのである。

■8.日本が世界地図から消滅しないために

 カルタゴ、ベネチア、オランダと、一時は海洋大国として隆盛を誇りながら、その後、滅亡ないし衰退した国家を見てきた。

 これらの国々が発展する過程に共通して見てとれるのは、国民が経済発展を目指して自由に励む姿である。国民が自由に自らの利益を追求する時、個人の創意工夫によって新しい技術が生まれ、新たな航路が切り開かれ、交易が始まる。その活動が海洋大国を築く。

 しかし、いざ戦争となると、経済力とは別次元の力が必要となる。カルタゴの例で見たように金で雇った傭兵では、命を懸けてまで国を守ってはくれない。自分の家族、郷土、国家を自らの生命を犠牲にしても守ろうとする祖国愛を持った国民が必要なのである。経済至上主義では、国民一人ひとりが自分の利益を追求するだけで、そのような祖国愛は生まれない。

 各自が自分の利益だけしか眼中になければ、他国が敵意を燃やしていても気がつかない。カルタゴがローマの敵意に気がつかず、オランダがイギリスの怒りを買ったのも、経済至上主義の故だろう。祖国を守りたいという姿勢があってこそ、敵国や同盟国の動向・心理にも注意を払うようになる。

 また、経済至上主義では、ある程度の豊かさを達成してしまうと、それに満足してしまう。ベネチアのように結婚して子孫を作るよりも、独身のまま今の生活を楽しんだ方が良いと考える。子孫のために、何とか新たな繁栄の道を探ろうという志を持たなくなる。

 カルタゴ、ベネチア、オランダの歴史は、現代日本に二つの道を示している。一つは、経済至上主義で高度成長を遂げた現状で満足してしまって、十分な防衛努力もせず、近隣諸国の敵意や同盟国との連帯に注意を払わずに、少子化と経済停滞の道を歩むか。この道では、いざ敵国に攻め込まれたら、滅亡は必至だ。

 第二の道は、祖国愛を蘇らせ、自らの国は自ら守るという気概を奮い起こし、防衛の備えを怠らず、子孫のために新たな精神的、経済的発展を志す。

 日本が世界地図から消滅しないための岐路に我々は立っている。

(文責:伊勢雅臣)

5/29・30日経の中国の南沙諸島関連記事について

オバマのアメリカは真の敵が読めずにいます。アフガンで借りを中国に作ると言う発想はないでしょう。如何にテロリスト集団と言ったって戦闘レベルの話。中国がアメリカに挑戦しているのは金融、情報、軍事の分野です。タリバンやISの比ではないでしょう。宗教心もなく、拝金、自己中心の民族です。中国が覇権を握ったら、世界を悪に染めようとするでしょう。

中国はオバマが大統領でいる間に取れるものは取ろうとするでしょう。ペンタゴンは目にもの見せんとしても、大統領が軍事忌避で大局観がなく優柔不断であれば、南沙の基地より12海里の進出も難しいかもしれません。中国はそう読んでどんどん既成事実化を進めています。南シナ海が中国の手に落ちれば次に必ずや東シナ海に出て来るでしょう。そして太平洋の西半分を中国のものにとか考えているとアメリカが思っているとしたら甘い。絶対東半分にも出て行こうとします。先ず、その前に中国人を入植させ、いざと言うときにその国で内乱を起こせる準備をするでしょう。選挙のある国には移民をドンドン増やしていくでしょう。

アメリカも日本も中国と言う巨大な怪物を造った製造物責任があります。東南アジアの平和に責任を持たないと。衛星写真を公開したって中国が止まるはずはありません。織り込み済みです。バックパッシングは無責任です。アメリカ、日本、東南アジアが目の前の侵略に何も手を打たないとしたら、未来はもっと悪くなるでしょう。宥和政策は第三次大戦の引き金になります。

日本は早く国連の敵国条項を削除すべきです。中国は国連でそれを主張し、「日本に宣戦布告しろ」と筋違いの発言をして論理のすり替え、目先を変えようとするのでは。常任理事会に入るのに核も持たないのでは発言力なしです。そんなところに金と人力を使うのは無駄です。自民党も愚かと言うかリベラルの意見に引きずられて大局観を持てなくなってしまっています。でも一番罪深いのは日本のメデイアでしょう。不都合な真実を報道せず、中国をここまで大きくしたのは間違いなくメデイアです。高給を食んで日本を裏切った売国奴としか言いようがない。

記事

Nan sha

 

 

 

 

 

南沙諸島で活動する中国のしゅんせつ船を映した米海軍偵察機撮影の映像=ロイター

5/30米、中国に仕掛ける消耗戦(真相深層)

日本が中東から輸入する石油のほとんどが通る南シナ海。人工島の造成をやめない中国に、米軍が監視を強め、緊張が高まってきた。オバマ政権はどこまで本気で、中国の行動を阻むつもりなのか。

 沖合の艦船から放たれた大きなホーバークラフトが、ものすごい勢いで海岸に近づき、砂浜に上陸した。精鋭部隊がそこから飛び出し、すばやく前進する……。

 米海兵隊は19日、ハワイで上陸作戦の演習を実施した。これだけならふつうの光景だが、違ったのは、約20カ国の軍幹部がじっと見守っていたことだ。

 17~21日、米海兵隊が日本や東南アジアの指揮官を招き、島しょ防衛に関する初の研修会を開いた。この中での一幕だ。米軍によると、目的は「各国の島しょ防衛力を高めること」。岩礁を埋め立てる中国をけん制するねらいは明白だ。

■激しい議論の末

 米軍は今月に入り、偵察機や新型戦闘艦を南シナ海に送り、中国への圧力を強めだした。中国が工事をやめなければ、人工島の12カイリ(約22キロ)以内に、軍艦船などを派遣することもあり得るとも警告した。

 背景にあるのは、このままでは南シナ海に中国が軍事拠点を築いてしまうという、オバマ大統領自身の焦りと危機感だ。

 4月28日の日米首脳会談。日本側は、オバマ氏の対中認識が昨年の会談よりずっと険しいのに驚いた。「中国をめぐるオバマ氏の発言はかなり、厳しい。日米の対中認識のズレは埋まった」

 では、米側がどこまで、軍事圧力をかけるつもりなのか。実は、中国が南シナ海で埋め立てを始めた昨年以来、国防総省や米軍内では、激しい議論が交わされてきたという。内情を知る元米政府高官は明かす。

 「軍艦や軍用機を(中国の人工島近くに)送り、けん制すべきだとの意見が海軍首脳から出ていた。ただ、米軍が介入すれば、衝突の危険が高まってしまうとの声が根強く、結局、実行には移されずにきた」

 構図が変わったのは今春。猛烈な勢いで埋め立てが進み、周辺国が懸念を深めるなか、オバマ政権も直接関与に転じざるを得なくなった。

 ただ、中国との衝突を避けたいのは言うまでもない。そこで米政権が採用しようとしているのが、コスト賦課(Cost Imposing)と呼ばれる中長期戦略だという。政権に近い新米国安全保障研究所(CNAS)などが提唱している。

 どんな内容なのか。CNASのパトリック・クローニン上級顧問によると、軍事、外交、宣伝などさまざまな手段を使って、中国の行動に重い代償を払わせ、時間をかけて、強硬策を断念させていくというものだ。いわば、消耗戦略といえる。

■日本の安保左右

 米政府筋によると、すでに一部で実施されつつある。たとえば、(1)埋め立て状況を映した衛星写真などをひんぱんに公表し、国際圧力を強める(2)東南アジア諸国などへの支援を強め、島しょ防衛力を底上げする(3)同盟国と協力し、中国の監視活動を広げる――などが、その具体例だ。

 すでに写真の公表は増やしている。今月、ハワイで開いたアジア太平洋諸国向けの島しょ防衛研修会は、(2)に当たる。米軍が最近、自衛隊による南シナ海での監視活動に期待感を示しているのは、(3)への布石だ。

 もっとも、どこまで効果があるかは分からない。中国が大規模演習で台湾を威嚇した1996年。米国は空母2隻を台湾海峡に送り込むだけで、中国の挑発をやめさせることができた。

 それから約20年。中国軍は強大になり、もはや力ずくでは抑え込むのは難しい。米政権内で「コスト賦課戦略」が浮上するのは、そんな厳しい現実の裏返しでもある。

 9月には中国の習近平国家主席が訪米する。米中関係筋によると、ホワイトハウス内では、温暖化対策やイラン問題で成果を残すため、「南シナ海で対立しても対中関係全体を損なうべきではない」との意見もある。

 勝算がないまま、南シナ海への関与に動くオバマ政権。その成否は、日本の安全保障にも跳ね返ってくる。

(編集委員 秋田浩之)

5/30中国、南沙諸島に兵器持ち込み 米当局者「軍事化反対」

 【ワシントン=共同】米国防総省のウォーレン報道部長は29日、記者団に対し、中国が岩礁埋め立てを進める南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島に造った人工島の一つに兵器を持ち込んだことを明らかにした。米メディアによると、砲撃用の装置。

 ウォーレン氏は「われわれは(人工島の)軍事化に反対している」と述べ、撤去すべきだとの認識を示した。現在も設置されたままかどうかは不明。

 これに先立ち、米紙ウォールストリート・ジャーナルは、米軍が撮影した人工島の写真で、移動式の砲撃装置二つが確認されたと報じた。

 米軍艦船や航空機に脅威を与えるような性能はないが、ベトナムが領有権を主張する近くの島を射程に収めるといい、米当局者は同紙に「(周囲を威嚇する)象徴的な意味合いがある」と批判した。

 在米中国大使館の報道官は同紙に対し、兵器持ち込みについて具体的な言及は避けたが「南沙諸島は中国の領土であり、軍事的な防衛のために必要なものを配備する権利がある」と主張した。

5/29中国、ひそかに米に「助け舟」 隠密の仲介工作  編集委員 秋田浩之

南シナ海の岩礁埋め立てをめぐり、米国と火花を散らす中国。ところが、オバマ政権の対外戦略にひそかな「助け舟」を出し、貸しをつくるという、したたかさもうかがえる。

 多くのウイグル族がすむ中国新疆ウイグル自治区。その最大都市であるウルムチで今月20~21日、ある秘密会議が開かれた。

 出席者は、アフガニスタン政府と反政府武装勢力、タリバンの有力者ら。アフガン和平を促すため、中国政府が両者を仲介する会議を主催したのだ。米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)が25日、独自情報として伝えた。

 これだけではない。ロイター通信によると、5月3日、カタールでアフガン政府とタリバンの代表団との直接対話が開かれた。この席にも、米国と並び、中国政府関係者の姿があったという。

従来なら想像もできなかった光景だ。中国はアフガン和平にはほとんど、関与しようとしなかったからだ。いたずらに和平交渉にかかわり、イスラム原理主義勢力の反発を買えば、国境を接する新疆ウイグル自治区にテロが飛び火しかねないからだ。

■オバマ氏の訪中が転機

 この姿勢に大きな変化がみられたのが、昨年秋だという。アフガンにかかわる国際機関関係者は明かす。

 「中国は従来、アフガンへの投資には関心があっても、和平や復興には興味を示さなかった。ところが、オバマ大統領が訪中した昨年11月ごろから、中国のアフガンへの対応が目に見えて変わった。米政権の働きかけを受け、和平に積極的にかかわるようになった」

 米国に「貸し」をつくる狙いが透けてみえる。オバマ政権は、アフガニスタンから米軍の大半を、2016年末までに撤収させると公約している。任期が残り2年をきり、この実現に焦っている。

 いまアフガン和平に協力すれば、オバマ政権は評価し、南シナ海や人権問題などで中国に圧力をかけづらくなる――。中国指導部はこう読んでいるのだろう。

 米中関係筋によると、オバマ氏の昨年11月の訪中時に、中国はアフガン問題で協力する用意があると伝達。ホワイトハウスも、中国のそうした姿勢を評価したという。

中国を動かすもうひとつの理由は、米軍が本当に撤収したら、アフガンがさらに混乱しかねないとの懸念だ。米軍が足抜けした後、同国に「力の空白」が生じれば、再び内戦が激化し、テロ組織の温床になりかねない。

 そうなれば、中国にも重大なテロの脅威が及んでしまう。アフガンがさらに混乱に陥るのを防ぐため、今のうちから米国と協力し、和平に取り組もうというわけだ。

■忠告にじます王外相の発言

 日本や東南アジア諸国にとって気がかりなのは、アフガン問題をめぐる米中連携が、南シナ海問題などにどう影響するのかだ。

 南シナ海での埋め立てをやめない中国に対し、オバマ政権は今のところ、強硬な姿勢に傾いている。だが、中国側は「米政権は本気で中国と対立するつもりはない」と、米側の足元をみているかもしれない。

 今月16日、ケリー米国務長官は北京を訪れ、王毅外相らと会談した。南シナ海問題で激しい応酬を交わしたもようだ。ところが、会談後、ケリー氏と記者会見にのぞんだ王外相は、こう力説した。

 「米中関係は最も重要な2国間関係のひとつだ。アフガニスタンの和平、北朝鮮核問題、エボラ出血熱などの国際問題で協議と協力を深めたい」

 中国は、米国が重視するアフガンや北朝鮮問題などで、協力する用意がある。これらの懸案を解決したければ、中国とはケンカしないほうが賢明だ。王氏の発言は言外に、そう米側に訴えているように響いた。

 

 

 

5/29 The Economist 『映画「疾風の9日間」がほのめかす中国の意図 習近平の政治的トークを、あの権力者の口を借りて語る』記事について

本記事の第一印象として、「疾風の9日間」は人民日報と同じように中国人民に思われているのでは。今人民日報をまともに読んでいる人民は共産党員と言えど少ないはずです。プロパガンダと分かっているので。また読んでも全然面白くありません。大衆の欲求から離れていますので。中国も言論の自由(政府・共産党を批判する自由)がないだけで、(と言ってもこれこそが自由の権利の中で一番大切なもの)、他は少しずつ緩和してきました。他に面白い新聞が沢山あるのに読まれるはずがありません。

「疾風の9日間」と「アベンジャーズ」最新作を比べるのはハナから勝負にならないのは見えています。方やハリウッド発のSFアクションと鄧小平のプロパガンダでは。鄧小平は毛沢東の権力基盤を削いだ廬山会議に欠席したにも拘わらず、後で出席したように繕ろおうとしました。共産党・国の常套手段です。どうせ都合の悪いことにはダンマリを決め込むのでしょう。

習は毛沢東をマネしていると言われていますが、それだけでは権威付けが足りないと思い、鄧小平も持ち出したかとの思いです。軍のNo2の氾長龍(団派に近い)が習に靡いたとの話もあります。本当に習が安泰かどうか。米国とは南沙諸島でぶつかる可能性大です。オバマはここで立ち上がらなければヒラリー民主党候補の次期大統領に赤信号が付くかもしれません。共和党は黙っていないでしょうから。

記事

中国共産党が米国の最強ヒーローと相まみえることはまずない。だがこの5月、コミックスの中で活躍するスーパーヒーローたちが登場する米国映画「アベンジャーズ」シリーズの最新作が中国の映画館を“襲った”。中国製の記録映画「疾風の9日間」(原題「疾風九日」)の上映開始から数日後のことである。

 「疾風の9日間」のテーマは超大国の関係だ。1979年 に米中が国交を回復した直後に鄧小平氏が米国を訪問した。この9日間を描いたドキュメンタリーである。アベンジャーたちは人類を滅亡の危機から救うために戦うが、鄧小平氏は中国の国民を飢餓から救わねばならない。

現政権の主張を鄧小平の口を借りて訴える

 この伝記映画には外交上の目論みもある。今年9月に習近平氏が国家主席として初訪米するのに先立ち、中米関係のイメージをアップさせたいのだ。

 この伝記映画は、1978~1992年まで中国の指導者だった鄧小平氏の印象を利用することで、自分自身の地位を強化しようとする習近平氏の政策の一環だ。例えば昨年、国営テレビが鄧氏を扱った全48話のドラマを放映した。今回封切られた「疾風の9日間」は中国政府が直接出資したものではないが、作者でもある傳紅星監督は以前、国が支援する中国電影資料館の館長を務めていた。

 米中以外が関わる地政学的内容の一部は編集の段階で割愛されたようだ。当時生じつつあった中国・ベトナム間の紛争については、英語による描写はあるものの、中国語には翻訳されていない。

 この映画は国内外の観客向けに製作されていて(米国での公開日は今後決定する)、「中国は服従しない」との警告を確固たる態度で発している。鄧小平氏は米国側スタッフに対し、「我々は相手がしかけてこない限り戦争を望んではいない」と宣言する――これは習近平氏自身の外交政策を総括すると言葉と言えるだろう。

 習氏は美辞麗句を並べて中国の「平和的台頭」を謳う一方で、南シナ海の一部を埋め立てたり、その他の地域で挑発的な行動を取ったりして好戦的な態度を強めている。だがこの映画は、中国が後に経済成長を実現するに当たって、米国との関係がいかに重要だったかを繰り返し強調している。

外交について隠し立てしない

 普段、中国の報道から見えてくるのはきっちりと原稿が用意された会議や取引決定の様子だが、この映画からは、中国が外交関係の限界とリスクを隠し立てしなくなってきた状況がうかがえる。中国製の映画には珍しく、鄧氏の訪問が米国でどれほど物議を醸したか、そして政治家や世論からいかに反対されたかについて、包み隠さず描き出している。中国のソーシャルメディアユーザーの多くは今回初めて明かされた「鄧氏がクー・クラックス・クラン(KKK)のメンバーに襲われかけた」という話に多大な関心を寄せている。襲撃者が所持していたのはスプレー式塗料の缶だったが、映画はこの人物を暗殺者の可能性があった人物として描いている。

 鄧小平氏の聖人伝になっている観はあるものの、「疾風の9日間」は他の多くの共産党プロパガンダに比べてずっと出来がいい。90分の間に過去の映像と現代の映像を巧みに織り込み、一部にはアニメーションすら用いている。

 興行収入だけで見ると、「アベンジャーズ」は「疾風の9日間」に圧勝した。「疾風の9日間」の公開初日の収入は100万元(約1900万円)で、およそ2万8000人が映画館に足を運んだ計算。一方、「アベンジャー/エイジ・オブ・ウルトロン」の初日の収入は2億2400万元(約43憶円)で、中国における歴代2位を記録した。

5/28宮崎正弘メルマガ『アンディチャンの台湾通信』について

本記事にありますように来年1月の総統選に国民党は誰も名乗りを挙げません。以前見た中国時報の記事では王金平かと言われ、朱立倫が今月習近平と会ったから彼かもとも思いましたが、やはり昨年11月の地方選で国民党が惨敗しているのが尾を引いているようです。負けると分かっていて、選挙に金もかかるので誰も出ようとしないのではないでしょうか。

多分蔡英文が勝つと思われます。でもここに書かれてますとおり、来年1月に行われる立法院議員の選挙は大事です。2012年1月(任期4年)に行われた選挙結果は国民党65に対し民進党は40でしたから。レイムダックにならないためには立法院も民進党が抑えないと。今回ばかりはさすがのアメリカも馬に率いられて中国のいいなりになってきた国民党を応援することはないでしょう。

日本ももっと台湾の動向に注意を払うべきです。台湾海峡かバシー海峡を通って石油は運ばれるわけです。しかも国民党の教育は反日まで行かなくても、蒋介石の抗日を教えていると言われています。反日の中韓に相手をする必要はありませんが、親日国の台湾と交流を深め、今まで採ってきた誤った中国重視政策を改めるべきです。何も日本にいいことはなかったでしょう。軍拡、侵略の巨大怪物を育てただけです。

アンデイチャンは独立のことしか頭にないから民進党が人気がないと言いますが、それは違うでしょう。言いたいけど言えないだけです。金美齢の主人の周英明は「中華」と言う言葉が大嫌いだったと言われますが仕方がない。日本だって言われなき「侵略」「南京」「慰安婦」でも我慢しているではないですか。シンガポールのように政治的に独立を世界に認めさせれるようになるには時間が必要です。中国の自壊を待ちましょう。

記事

台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国の国際法を無視した進出でアメリカも次々と違った方針を打ち出している。来年1月の台湾選挙と、来年11月のアメリカ選挙が大きな変化を齎すに違いない。

 来年の1月16日に投票が行われる台湾の総統及び国会議員の選挙があと6カ月余となったが、国民党は有力候補を出せないで焦っている。民進党は蔡英文が立候補したが、民間では民進党の人気がイマイチといった状態である。

 しかも57席で国会の過半数を制することが出来る議員選挙では民進党が40区しか有力候補を出せないで困っている。第三勢力と称する民間グループは民進党に協力すると称して民進党が困難な17区に代表を出そうとしたが民進党は協調に乗らない。国会で過半数を取れなければたとえ蔡英文が当選してもレイムダックとなる。

 アメリカは2012年の選挙でダグラス・パールを派遣して投票の二日前に国民党の馬英九支持を明らかにし、内政干渉した。米国の干渉で当選した馬英九は急激な中国接近をはじめた。やがて中国の領土主張と尖閣諸島や南シナ海における勝手な領土主張と埋め立て多島々で基地の建設を始め、アメリカはようやくアジアピボットを唱えるようになった。

 台湾は第一列島線の中央に位置している。中国が台湾を統一すればアジアの平和は失われる。台湾の将来はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国が台湾接近を続けることは危険、つまり台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を及ぼす。

  • 民進党が不人気なわけ

国民党は有力候補を出せない。世論調査では国民党の有力候補と言われる朱立倫、王金平と呉敦義の三人で誰が出馬しても蔡英文に勝てないという。

つまり国民党に勝ち目はないと言いう。この三人とは別に洪秀柱が出馬したが彼女の人気は低く、国民党は彼女の出馬に迷惑がっている。

世論調査では蔡英文の当選確実というが、民間では蔡英文と民進党に冷たい。民進党に冷淡な理由は2012年に立候補した蔡英文が「中華民国=台湾、台湾=中華民国」と主張したこと、及び民進党の現状維持、中間路線に反対だからである。

人民は独立を望んでいる、民進党が独立を表明しないから冷淡なのである。民進党を信用しない傾向は海外の台湾人にもっとも顕著で、理由は蔡英文が台湾独立を主張しないからである。

だが蔡英文の懸念は台湾独立を表明したら中国の恫喝を恐れて米国が蔡英文に反対するかもしれないと言うことだ。アメリカは中国の恫喝を恐れる。中国は台湾が独立すれば武力侵攻も辞さないと言っている。だから彼女は2012年の選挙で「台湾=中華民国」と発言してアメリカを慰撫したにも拘らずアメリカは馬英九を支持した。今回も独立を表明すればアメリカが反対するかもしれない。

 だが台湾の政治事情は変わった。

ヒマワリ学生運動と中間選挙で台湾人は中国やアメリカを恐れることなく独立願望を表明し、台湾は中国の一部ではないと主張するようになった。世間調査では台湾人の8割は独立を望んでいる。それなのに民進党が独立を表明せず、民間勢力とも協調しないから不満なのだ。

 この状況では蔡英文が当選しても国会で過半数を制することが出来ず、蔡英文はレイムダックになるかもしれない。つまり来年の選挙は総統選挙よりも国会議員の選挙に重点があると言ってもいい。

  • アメリカの選挙干渉

今は民進党優勢と言ってもアメリカが蔡英文に反対すれば負ける。

2012年の選挙では米国がダグラス・パールを派遣し、投票の二日前に馬英九支持を表明したため蔡英文が落選した。台湾人はアメリカの支持がなくてはならないと知っているが、心の底ではアメリカの干渉に恨みを持っている。

オバマ政権はイスラエルの選挙でもオバマの腹心をイスラエルに送り込んでナタニヤフに反対し、あからさまな干渉を行った。アメリカは台湾の選挙に干渉するなと警告した人は多い。

 だがアメリカの現状維持とは反対に現状は大いに変わった。

アメリカは馬英九の中国接近に警戒心を持つようになった。遅まきながら中国の南シナ海における島々の軍事基地建設や、尖閣諸島の領海侵入に警戒心を持ち始めた。中国はアメリカの衰退とオバマの無能を見越してアメリカの警告を無視した暴言を吐くようになり、米中関係は緊張している。

 こんな状況の変化にアメリカが台湾の国民党候補を支持するとは思えないが、それでも民進党が独立主張に警戒心を抱いている。

 蔡英文が現状維持を主張すればアメリカは干渉しないだろう。国務院の東アジア太平洋地区事務次官ダニエル・ラッセルは、6月初旬にアメリカを訪問する蔡英文を歓迎し、いろいろな問題について意見を交わしたいと述べた。

つまりアメリカは中立路線を取る可能性が高まったが、条件は蔡英文が独立を主張しないことだろう。

また、ラッセル次官は中国の指導者層に対しても台湾の選挙で中立を守るように呼びかけたと言われる。アメリカの呼びかけがどれほどの効力を持つかはわからない。最近の中国は明らかにアメリカを軽視している言動が目立つ。

  • 中国の出方

中国が台湾の選挙に干渉するのは避けられない。

中国で働いている台湾人は50万人以上と言う。前の選挙の時も中国は特別機をチャーター、または格安切符で台湾人を投票させた。もちろん国民党に投票することが条件、監視付きである。

 だが去年11月の中間選挙で国民党が大敗したあと、中国の恫喝や国民党の宣伝は威力を失った感がある。どのような干渉を行うかはわからないが、中国の恫喝は逆効果となって国民党が惨敗する可能性は高い。

  • 総括

以上の状況を総括すれば:

(1)蔡英文は当選するが、国会で過半数を取ることの方が大切。

(2)アメリカは前回のような醜い干渉はしないだろう。

(3)中国の干渉は避けられないが、逆効果になるかもしれない。

台湾の選挙はアジアの平和に大きな影響を持つ。中国の国際法を無視した進出でアメリカも次々と違った方針を打ち出している。来年1月の台湾選挙と、来年11月のアメリカ選挙が大きな変化を齎すに違いない。

 (アンディチャン氏は在米コラムニスト)。

5/27渡部亮次郎メルマガ掲載 杉浦 正章『「リスク」と敵基地攻撃が論戦の焦点に』記事について

 

朝日を筆頭としたメデイアは杉浦氏が言われるように、目の前にある危機についてどう考えているのでしょう。中国が「近海防御」から、「近海防御と遠海護衛の融合」と言っているのは正しく太平洋の西半分を自分のものにするという意思表示です。A2/AD戦略でなく、米国近くまで潜水艦を遊弋させ核搭載のSLBMを発射できるように考えているのでしょう。米軍はとっくに中国大陸を潜水艦で核目標としていますので。日本は周りを核武装した国に囲まれています。日本も核武装を真剣に考えないと。少なくともニュークリアシエアリングは実現させましょう。

そもそもマスコミは今まで自衛隊を継子扱いしてきたのに、今更自衛隊員の命を持ち出すのは卑怯です。男らしさが微塵も感じられない人達です。こういう人たちが高給を食み、エリート臭をプンプンさせるのですから日本の劣化も極まれりです。

人民解放軍の英語名は「PLA=People’s Liberation Army」で陸軍のことです。海軍はこの後ろにNavyを付けます。元々共産党が天下を取るときに海を伝わって敵地に殴り込みをかける発想がなかったというか、日本軍相手に逃げ回っていただけですので。予算も海軍と比べ陸軍が多いし、もっと言えば治安対策の警察の方が予算は多い。如何に共産党が人民を恐れているかです。

敵基地先制攻撃も当たり前で日本に核ミサイルが撃たれるのに何もしないで国民を見殺しにしていいと言うのでしょうか。この人たちは正当防衛なる概念が分かっていませんね。我が身に置き換えて考えればすぐに分かるはずです。そうしないのは中国、北朝鮮に統治して貰いたいという下心があるからでしょう。やはり不買運動で潰さないとダメです。

5/27日経記事

中国国防白書、海軍重視に転換 米国をけん制 日本にも警戒感

【北京=島田学】中国政府は26日、2年ぶりの国防白書を発表した。南シナ海問題を巡る米国との摩擦を念頭に、これまでの陸軍偏重を見直し海軍を重視する戦略を打ち出した。「海上での軍事衝突」の可能性にも初めて言及し、備えを強化する立場を強調。日本の安全保障政策についても警戒感を示した。

 「軍事技術の発達で、海上の戦線はどんどん拡大している」。中国軍戦略企画部の王晋大佐は26日の記者会見で「もはや『近海防御』だけでは、国家安全を守る上で有効とはいえない」と主張した。米軍のアジア太平洋回帰への戦略転換を念頭に置いた発言だ。白書でも海軍の基本戦略を伝統的な「近海防御」から、「近海防御と遠海護衛の融合」に改める必要性を強調した。

 主に西太平洋を意味する「遠海」が、中国の安全保障にとって極めて重要になるとの認識が背景にある。中国は南シナ海を含む西太平洋で米軍と対立する可能性をにじませるようになった。南シナ海の南沙(英語名スプラトリー)諸島での岩礁埋め立ては今後の中国の強硬な対応を予期させる。

 中国は、米軍が南沙諸島への監視活動を強化しようとするのに反発しているが、中国海軍もハワイ沖に頻繁に監視船を派遣し、米太平洋艦隊の動向を監視し続けている。中国政府は26日、南沙諸島の赤瓜礁(英語名ジョンソン南礁)と華陽礁(同クアテロン礁)で「船舶の安全な航行を確保するため」の灯台を建設したと発表。摩擦は収まりそうにない。

 一方、日本については名指しで「積極的に戦後体制からの脱却を追求し、安全保障政策を大幅に調整している」と指摘し、安倍政権に対する警戒感を示した。

陸軍からは不満

 中国の軍内に波紋を広げたのは「『陸軍重視、海軍軽視』の伝統的発想からの脱却が必須だ」という白書のくだりだ。軍内で伝統的に強い影響力を持ってきた陸軍では、影響力低下につながるとの不満がくすぶる。

 今回の白書では明記されなかったが、習近平国家主席は指揮系統の効率化と迅速な作戦遂行を図るため、現在7つある軍区を5つほどに減らす軍改革を進めたい考えだ。陸軍のポストが減り、さらに海空両軍の影響力が強まることを警戒する陸軍の反対で、改革は思うように進んでいない。

 習氏が軍内で進める反腐敗運動では陸軍出身者が拘束される事例が相次いでおり、関係者の反発を増幅させている。

 中国軍は対外的に示す強硬姿勢とは裏腹に、内部では改革すべき問題が山積している。習氏による軍の掌握も道半ばだ。

5/27杉浦氏記事安保法制は「覚悟」を伴う問題だ

 キンキン声の宍戸梅軒や、仕込み杖の座頭市、太ったクノ一などのあの手この手の斬り込みに、安倍武蔵が兎の毛でついたほどのすきも見せなかったということだろう。

安全保障関連法案が26日の衆院本会議で論戦の火ぶたを切った。ネットで質疑をつぶさに聞いたが、総じて野党の質問は突っ込み不足で、法案を廃案に追い込むほどのきっかけは掴めなかった。

しかし、今後の論争に向けて焦点は絞られてきた。一部野党に主導的役割を果たす朝日新聞の論調を見ると、野党やリベラル派が大きな論点として浮上させたいのは「自衛隊員のリスク」と「敵基地攻撃」の問題だろう。

まず朝日は今日27日の社説で首相・安倍晋三の自民党の役員会における発言に噛みついている。「首相は『自衛隊員のリスクが高まるという木を見て森を見ない議論が多い』と語ったという。事実なら驚くべき発言だ」と大げさに批判した。

しかし、首相発言の全体を見れば驚くに当たらない。続いて首相は「自衛員のリスク以前に安保環境が厳しくなり、国民の安全リスクが高まってきている」と発言している。

国民のリスクをあらゆる手段を講じて低くするのは安全保障の根本思想であり、イロハのイだ。自衛隊員のリスク回避も極めて重要だが、自衛隊が国民のリスク回避のために宣誓して入隊した存在であることを社説子は覚えておいた方がよい。

朝日は「国民のリスクが森を見ると言うことなら、9条を改正して必用な法整備を進めたいと説くのが法治国家の首相の取るべき道であった。その順序は逆転している」と主張するが、我田引水的論理の飛躍だ。

まず朝日は9条の信奉者と思っていたが、いつから改憲論者になったのだろうか。いつから社論が変わったのか。この論説の背景には、国際環境の激変という事態を全く掌握していないか、天から平和が降ってくる一国平和主義のぬるま湯に浸かっている姿が浮かぶ。

論説主幹の立野純二も報道ステーションで「国民のリスクは高まっているという言い方は言葉のすり替え」と口を極めて批判したが、自衛隊員のリスクと国民のリスクはそれこそ表裏一体、密着不可分のものである。

 さらに立野は、安倍がホルムズ海峡などでの機雷掃海を海外派兵の例外としたことについて「重大な変化をあたかも規則のように例外があると説明した」と指摘「ごまかしがある」と批判した。

しかし朝日は安倍の言う「国民の生死にかかわる深刻、重大な影響」があり得ないとでも思っているのだろうか。太平洋戦争の歴史をひもとくまでもなく石油は日本の生死を左右する「生命線」であることくらいは理解した方がよい。

加えて論説主幹は官房長官・菅義偉や防衛相・中谷元が集団的自衛権行使が、敵基地攻撃にまで及ぶ可能性に言及した問題について「外国が日本以外の国にミサイルを撃つかも知れない局面で日本が攻撃を加える事態は、機雷掃海だけが例外ではなく、ほかにも例外があることを物語っている」と言明した。

今後、敵基地攻撃など海外派兵の例外がどんどん出てくると言わんとしているのだろうが、これも安全保障環境の激変を知らない論理だ。 敵基地攻撃論がなぜ出てきたかといえば、紛れもなく北朝鮮の核ミサイル開発である。

日本に届くノドンが200発以上配備され、金正恩がかつて日本の大都市を名指しで攻撃対象とすると表明しており、これが日本に向けて発射の事態となれば、個別的自衛権で敵基地攻撃が可能だ。

一方、米国や米艦に向けて撃たれたケースで基地を攻撃するのは集団的自衛権のカテゴリーだ。これも机上の空論論者は「例外になる」と反対するが、考えても見るがよい。

米国に向けてミサイルが発射されるような事態とは、その3秒後に日本に向けて発射される事態なのであり、「例外反対」などと言っていられる状況ではない。

そもそも国家間の戦争とは何でもありの上に全てが例外であり、例外を実行しなければ侵略できないし、例外を実行しなければ侵略を阻止できないのだ。ただし現在の日本には敵基地攻撃能力はないが、次期主力戦闘機として逐次42機の導入が決まっているFー35Aには攻撃能力はある。

総じて与野党の議論や、リベラル派の議論は、戦後70年の平和がもたらした、安保観欠如に根ざしており、空理空論が幅を利かせている。こうした中で安保法制を支持する立場から元統合幕僚長・齋藤隆が26日NHKで述べた言葉には重みがある。

齋藤は「国際情勢は従来よりはるかにリスクが高くなっているとは思わない。今までもそれなりのリスクはあった。戦死者を出していないのは本当にラッキーだった。そのラッキーだったことに甘えてはいけない。

国家、国民に対して戦死者にどう向き合うかそろそろ考えておく必要がある」と述べているのだ。確かに過去70年戦死者が出ていないのは日本の誇りであり幸運であった。しかしふりかかる火の粉は払わねばならぬ場合もある。安保法制は「覚悟」を伴う問題でもあろう

5/23渡部亮次郎メルマガ掲載 平井 修一『何清漣氏の講演「中共6つの難問」』記事について

何清漣は小生が深圳に居た頃(98年~2000年)、『深圳法制報』の経済記者で、鋭く共産党の統治を批判していました。このままでは危ないなあと思っていましたら、『中国現代化の落とし穴』を著わして江沢民の逆鱗に触れ、香港経由でアメリカに亡命しました。

『中国現代化の落とし穴』には「中国の歴史は腐敗の歴史であるがとりわけ共産党に政権が移り改革開放してから、質量ともに以前のレベルとは比べ物にならないほどになった。レントシーキング、「権」=「銭」で官職が金を産む構造になっている」とありますし、『中国の嘘』には「ジョージ・オーウエルの『1984年』と同じ市民監視のシステムが08年にできあがる。アメリカのシスコシステムズ社が協力し反政府活動に目を光らせる」とあります。

如何に共産党統治が腐っていて、正統性がないかです。周永康のように、1兆6000億円もの資産形成ができる国なんてそうザラにないでしょう。こんな国の言うことが信用できますか?南京虐殺も従軍慰安婦も謀略で出て来た話です。日本人がメデイアや学者の意見を鵜呑みにせず、もっと自分で材料を集め、自分の頭で考える習慣を持たないと。敵にやられ放しになります。

本記事を読んで黄文雄の著作の中に、『王力雄の言葉に「四最」がある。今の中国は「人口最多、資源最少、欲望最大、道徳最低」の状況にある』と言うのを思い出しました。

失業率は高く(土地を強制的に召し上げられた農民、大卒新卒、外資撤退による中間層)、石油・食糧等の資源輸入(水の汚染、枯渇問題、毒野菜)、AIIBやブリクス銀行の見せ金によるペテン、どれを取っても一筋縄では解決できない問題です。今の習はニコニコ顔で日本に近づき、日本を利用して彼らの不良債権の穴埋めをさせようとしています。日本を占領すれば借金は踏み倒せると思っているのでしょう。中国が東シナ海に出てくる前に南シナ海での傍若無人をやめさすことです。自衛隊も米・比・越と行動して中国の今そこにある侵略をストップさせないと。

記事

中共から米国へ亡命した経済学者、何清漣女史のバンクーバー講演(5/3)の内容が女史のサイトにアップされた(5/9)。中共の現状について生々しい情報が多いので要約する。

<「新常態:中国が直面する6つのボトルネック」

本日、バンクーバーという美しい町にお招きいただき、主催者に感謝するとともに、バンクーバーの中国領事館が私のような“反革命分子”がこうして公開講演をすることを我慢してくださったことに感謝したいとおもいます。

と申しますのも、米国のニューヨークでは私の公開講演は事実上不可能なのです。ニューヨークの中国領事館は私がどこかの大学で講演すると聞くや、すぐさま邪魔しようとします。たとえばペンシルバニア大学では二度、講演を阻止され、中国留学生の学生会のトップまで辞めさせられる始末でした。

今日の講演テーマは「中国経済発展が直面する6つのボトルネック」です。みなさんのために中国経済の実態を総括検討し、この6つのボトルネックを突破できるかどうか、中国の未来とどう関係するかについてお話しいたしましょう。

★第1のボトルネック;中国は世界の工場の地位から転落し、復帰は絶望。

産業構造再調整は極めて困難

中国という「世界の工場」は2001~2010年まで光り輝いていましたが、いまやついに取り返しのつかないほどの衰亡ぶりです。最新の報道では、主要工場の東莞脱出、工場閉鎖が第二の波となっているといわれ、去年1年あまりに4000の企業が閉鎖となりました。

この衰亡への曲がり角は(リーマンショックの)2008年です。2008年から12年までの公開データでは、東莞では7万2000の企業が閉鎖されました。いま、労働集約型を特徴とする東莞の企業の大量閉鎖は、生態環境と労働者の生命を元手とする中国経済の成長モデルがついに行き詰まったという指標です。

これ以前には中国経済の成長は三頭立ての馬、つまり投資、外国貿易、内需で牽引されていたのですが、いまではこの三頭とも息も絶え絶えで、今年の最初の3か月間の外国貿易は前年比15%減であり、もはや外国貿易という馬が中国経済成長を引っ張れず、別の馬を探さなければならないということです。

過去二十数年来、不動産業界が中国経済成長のトップ産業でしたが、高度にバブル化した不動産業界も停滞に陥っており、政府も企業もなんとか滑りおちるのを支えようとしてはいますが、しかし不動産業の上流・下流の数十にのぼる産業は却って全面的な生産力過剰です。

たとえば、鉄鋼業、セメント産業の生産過剰は約3割、比較的距離のある床板、家具、紡績なども深刻な生産能力過剰です。こうした産業の生産能力過剰危機は「中国経済の核爆弾」ともいわれ、核爆弾と同様にいつ経済危機に引火爆発するかわかりません。

ですから、中国は現在「二つのシルクロード計画」を必要として、アジアインフラ投資銀行をつくって、外国にこの生産過剰を輸出したいのです。

でも、これは別のテーマですから、今日は「この計画が成功する可能性は比較的低い。なぜならこの計画に入っている数十の国家は大部分が主権の信用がよろしからぬ国々であり、中国とパキスタンなど国際協力に別の(政治的、地政学的な)目的がある場合をのぞいて、中国の他の国々への投資はお金が無駄になるだけだと思う」とだけ言っておきます。

以上の問題は中国経済の構造調整は望みがない、ということです。いわゆる経済構造の調整というのは政府が調整したいからといって、そのとおりにできるというものではありません。

かつて2005年に広東省が「籠の中の鳥」を取り替えようと、労働集約型産業を淘汰して、ハイテク集中型産業を導入しようとしましたが、結果は鳥かごは空っぽになって、古い鳥は飛び去り、新しい鳥は飛んできませんでした。現在、珠江デルタ地帯の産業は空洞化しています。

★第2のボトルネック;膨大な失業者の大群

中国は世界一の人口大国で、失業問題は中国の頭上に一本の糸でぶら下がっているかのダモクレスの剣です。

文革当時、私は十数歳でしたが、中国にはもう深刻な失業問題があり、就職は困難でした。当時、都市住民は無理やり「山に登り、田舎に行く」ことを強制されて、企業や軍隊に入れたらましなほうでした。

改革開放後、中国が世界の工場になって輝いていた時代にも、やはり大量の失業人口は存在しました。たとえば農村の過剰労働力は1億をこえていました。現在、世界の工場の地位から滑り落ちて、失業問題はさらに深刻さをましています。

長い間中国政府の発表する都市の失業率はすべて4.5%以下になっていますが、このデータは中国の失業の真実を説明できていません。

第一に、データは都市の政府部門に登記された人口だけで、登記外の人口は入っていません。第二には、都市登記失業率は農村の失業者を除外していますが、その農村の過剰労働力は相当に膨大なもので、このふたつを除いた統計データというのはもともと穴だらけなのです

現在、中国の失業者の大群は4つの層からなっています。

ひとつは農村の過剰労働力。「世界の工場」が倒産したために大量の農民が帰郷し失業状況は深刻です。

ふたつには外資系のホワイトカラーですが、外資大量撤退で、結構な給料をもらっていたホワイトカラーが失業しています。

三番目は大学生で、大学生には就職証明書があってはじめて卒業証書を出すために、学生は両親や親戚に頼んで偽の就業証明を発行してもらいますから、学校が提供する就業率というのは完全に意味を失っております。

四番目は都市の中学・高校を卒業して長期に家にいる「待業青年」たちです。中国のメディアでは「スネカジリ族」とよばれています。

では中国の失業者はどのぐらいなのか? ふたつのデータが参考になります。温家宝前総理は2010年3月、中国発展ハイレベル論壇に出席したとき公開した「中国失業人口は2億」という数字。

もうひとつは元世界銀行副頭取の林毅夫の提供したもので、今年の1月にダボス会議で述べた「中国は1.24億人の製造業の職場が他の発展途上国に移ってしまった」というものです。(合わせて3億人)

現在、中国の労働年齢人口は9.4億人で、失業人口が3億ともなれば真実の失業率は32%になります。こんなに多くの人々が仕事がないのでは、「パンの契約」は効果がない、といえます。

中国は専制独裁国家であり、「パンの契約」の意味は、選挙権や言論、集会、結社の自由などがないかわりに、「庶民にちゃんと飯を食わせる」ということで交換(了解)されている、ということです。

いまやこれほど多くの人々が失業しているということは、一般の人々は(自由という)権利を得ることもなく、パンも得られないということです。いかなる国家もこのような高い比率の失業人口に直面したことはなく、大変頭の痛い問題です。

★第3のボトルネック;資源危機の深刻さと高度の対外依存

中国の環境汚染は立体化しています。つまり水も、土地も、空気も全面的に深刻な汚染です。この方面の資料は多いので時間の関係で省きます。ただ中国経済の発展は厳しい資源的な拘束によって、生産原料で様々に破綻しており、さらに生活の糧である食料でも中国の対外依存ぶりは深刻です。

石油は「経済の血液」といわれますが、中国はその6割以上を輸入に頼っており、鉄、銅、亜鉛などの各種金属鉱石の対外依存度も比較的高く、いちいち数字はあげませんが、ひとことでいえば中国経済の安全は対外的要素に依存しています。

「民は食をもって天と為す」といいますが、食料も中国の農業人口は6割もいるにもかかわらず、自給率は2014年に87%に下がっています。三大食料の大豆、トウモロコシ、コムギはみな輸入に頼っています。

土地汚染による食料汚染のことは別にしても、量的な問題だけでも中国の2億人の食料は輸入に頼っているのです。これは中国の食料価格と国際市場価格が連動することであり、もし天災人災がおこれば、たとえば戦争などで食料生産国が原産したら中国の食料価格は急騰するでしょう。

食料対外依存の不安定さは、20年以上前に米国の生態環境学者ブラウンが「誰が中国を食わせるのか?」という本で中国に警鐘を鳴らしましたが、中国はこの研究を「反中華勢力が中国に泥を塗る陰謀」として「中国脅威論」だと大々的に何年も批判を繰り広げました。

ここ数年、やっと食料の安全が問題となりブラウンに対する態度をかえて、中国で講演させましたが、結局やはりその観点を受け入れることはできず、また熱が冷めました。ブラウンという学者に対する温度変化は中国で真実を語ることの難しさを示しています。

★第4のボトルネック;地方政府の泥沼債務

地方債務は地方財政危機を引き起こしかねず、これは中央政府のひどい頭痛のタネです。中国の債務総額の規模は一昨年の外国投資銀行の推計では中国GDP総量の168%に達しております(マッケンジーの5月8日の最新報告ではすでに282%)。その大部分は政府と企業債務です。

その中で地方政府の債務はトップで、約20兆元(400兆円)。これはわざと地方政府官僚が実績を上げるために少なくしていたものです。実際の債務額の3割から5割でしょう。これに対して中央政府も2014年に地方政府に「2015年1月5日前に債務の実態を報告せよ、中央政府が金をだして地方政府の債務償還をしてやる」とほのめかしました。

地方政府はこれに希望を見出して“誠実”に報告したため地方債務はビッグバンのように膨れ上がりました。財政部はこれらの数字に「父親の愛(の助け)」はとても実際には無理だとわかって、元の20兆程度にしました。

現在の方法は地方政府が報告した20兆の債務の一部を中央政府が払って、一部はマーケットにもたせて、残りを地方政府に負担させることです。

地方政府が借金を踏み倒して集団騒動がおきても、地方政府ではちょっとばかりの補償金をはらって事態を“平穏化”させるぐらいしか手がありません。というのは地方政府というのは土地以外に、別に財を生む手段を持っていないのです。この巨大な債務の泥沼に中央政府が頭を痛めるわけです。

★第5のボトルネックは金融危機(略)

★第6のボトルネック;富の分配の深刻な不公平と貧富の差の拡大

この二十数年にわたって中共権力貴族層は公共財と民の財を誰憚らず略奪してきたために、貧富の差、富の偏在は際立ったものになりました。これについてはみなさんもよく感じておられるとおもいますので、ここではひとつだけデータをあげておきます。北京大学の中国社会調査センターがだした「中国民生発展報告2014」のいくつかの数字です。

2012年、中国家庭の財産のジニ係数は0.73(0.4以上は危険水域)で、頂点の1%の家庭が全国の3分の1以上の財産を占有し、底辺の25%の家庭の財産は総量のわずか1%前後でした。このような富の過度の偏在、高いジニ係数は世界中を見渡しても中国しかありません。

ですから中国の低収入階層というのは貧民であり、人口の6割をしめており、貧乏人の多すぎる社会であり、社会的に上昇していこうにもパイプがないという社会ですから、不安定要因に満ち満ちた社会なのです。

民主国家であればこれまでにあげた6つのボトルネックの3つもあれば、政権は崩壊し内閣は辞職ものです。しかし中国の専制政治とコントロールは依然として盤石の統治ぶりです。

とはいえ、こうした問題はいつかは解決されなければならず、長い間ずっとこのままでいくわけにはまいりません。こうした社会危機を解決する方法は大きくいって3つです。

ひとつはマルクス主義、すなわち暴力革命で政権をひっくり返すわけです。1949年以前、中国はこの手の革命をおこないました。農民一揆と共産革命です。

二番目は帝国主義的な、資本主義経済の危機にあたって、戦争による対外的な拡張でもって国内の危機を乗り切るやりかたです。

第三はケインズ方式で、国家の関与を強め、税収をたかめて赤字財政によって投資を刺激し、就職口を生み出し、国民の購買力をたかめて資本主義の生産過剰の危機を解決するやりかたです。

中国政府は事実上計画経済のもとで政府のコントロールとケインズ方式を一緒にしているのですが、効果は芳しくありません。

未来の中国がどの方式を用いて危機を解決するのか? 帝国主義方式とケインズ方式にくらべて、中国では政府のイデオロギーでも民間の価値観からいっても、第一のマルクス主義にもっとも近いのです。

中国と似たような状況にたいするマルクス主義の説明は大変簡単でありまして、一切の危機の根源は「絶対多数の人民が搾取を受け、収入が低すぎるのは、少数の特権階級が搾取収奪によって社会の富の大部分を占有しているから」です。

ですから私たちは中国の制度のやりかた、文化的土壌、政府のイデオロギーと人民の考え方や習慣に基づいて、中国がこの苦境をぬけだす有効な方法はなにか、ということをともに考えることができるでしょう。ご静聴ありがとうございました>(以上)

5/21・22日経ビジネスオンライン 鈴置高史『「ヴォーゲル声明」に逆襲託す韓国 米韓首脳会談が「外交戦第2ラウンド」に、米国の「うんざり」が「嫌韓」に変わる時 米韓同盟の危機はこれから来る』記事について

韓国の朴大統領は日本の軍艦島の世界遺産について告げ口外交を再開したとのこと。また議長国のドイツを動かし、水面下で謝罪の碑文を造らせようとしているとも。そんなことをすれば、慰安婦と同じ展開になるでしょう。韓国は日本を道徳的に劣った民族と世界に認めさせたいためずっと工作してきましたし、今後も続くでしょう。こんな国に支援するのは愚かです。「非韓三原則」を貫かないと。今の日本人はヤワすぎます。徹底的にやらないとダメです。先ずは経済を崩壊させることです。

6月朴大統領の訪米で、アメリカは「THAAD」配備を必ず求めるでしょう。「もし配備しなければ米軍撤退もありうる」と脅すのでは。北が潜水艦によるSLBM実験をしたこともあって在韓米軍を守る必要があるのにその配備を許可しないのであれば何のために韓国を守るのか本質的な疑問が出ます。まあ、米軍基地は一種治外法権みたいなものだから朴を無視して設置するかも。しかし、ペンタゴンの南沙諸島の中国軍事基地に対する「12海里進入」発言を韓国はどう考えているのでしょう。自国のことしか考えない、国際的なセンスのない国と言えます。

参考:「ぼやきくっくり」 http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1725.html

記事

「外交敗北」としょげ返った韓国。だが、直ちに元気を取り戻した。世界的な学者たちが「慰安婦」で助けに来てくれた、と信じたからだ。

日本孤立化作戦の失敗

—韓国の「外交敗北ショック」は大きかったようですね。

鈴置:ええ、「米中両大国を味方につける外交戦で日本に負けた」と大騒ぎになりました。韓国人は「朴槿恵(パク・クンヘ)大統領が両大国をうまく操り、日本を孤立に追い込んだ」と信じていました。

 でも「大成功した日本孤立化作戦」は、韓国政府とメディアの作った虚構だったことが露見してしまったのです(「ナポレオン3世に擬された朴槿恵」参照)。

 4月の「日中」と「日米」の2つの首脳会談により、中国は日本との関係改善を、米国は日本との同盟強化に動いていることが誰の目にもはっきりしました(「朴槿恵外交に噴出する『無能』批判」参照)。

 ことに、安倍晋三首相が米議会で演説したことに韓国人は大きな衝撃を受けました。「慰安婦で謝罪しない安倍には演説させるな」と国を挙げて米国に働きかけていたからです(「『アベの米議会演説阻止』で自爆した韓国」参照)。

 そこで「韓国こそが孤立しているではないか」とメディアが政府の責任を追及するまでになったわけです。虚構作りには多くのメディアも加担していましたから、責任転嫁そのものですが。

「戦略的敗北」は無視

—では、韓国メディアは外交的な孤立から脱するために「米中どちらに付くべきだ」と主張しているのですか。

鈴置:そこが興味深い点です。大手メディアは米中の間の立ち位置に関しては、上手に言及を避けています。

 ほとんどすべての新聞が社説で「日米が新蜜月関係に入った。韓国も米国との関係を強化すべきだ」と主張します。

 しかし同時に、保守系、左派系を問わず「中国との関係ももっと良くすべきだ」と書くのです。要は「きれいごと」です。

 「米中双方と良好な関係を築け」とは言っても、それが難しくなったからこそ、韓国は苦境に立っているのですけれどね。

—「大騒ぎ」になっているのになぜ、そんな曖昧な主張で終わってしまうのでしょうか。

鈴置:韓国人がショックを受けたのは、あくまで「日本を孤立に追い込んだはずが、実は自分が孤立していた」ことなのです。

 大手メディアは、米国が「慰安婦」で日本に軍配を上げたのは日本のカネに負けたから――と総括しました。「カネ」とは議会工作や、対米軍事協力の拡大を指します。要は、戦術的な失敗と捉えたのです。

 その結果、敗北の根にある戦略的な問題――「二股外交」の危さに目が行かなくなったのです。だからメディアは依然として「米中両大国と仲良く」と、理想論を書き続けるのです。

コウモリの末路

—でも「二股外交」は限界に達したと見るのが自然でしょう。

鈴置:確かにそうです。米中が対立を深める中で、双方の味方であるふりをする韓国は、誰からも信頼されなくなりました。典型的な「コウモリ外交」です。

 でも「二股の失敗」を指摘する以上、メディアは米中どちらに身を寄せるべきか、社論をはっきりさせねばなりません。これを避けたいこともあるのだと思います。

 メディアは今も、米中どちらが覇権を握るのか見極めてから立場を明らかにする――要は、勝ち馬に乗ろうとしているのです。

 もちろん、朴槿恵政権も同じ発想で外交政策を組み立てています。韓国は依然として、国を挙げて機会主義に邁進中なのです。

 それにメディアは、読者に語ってきた「米中両大国を操る夢」をいまさら引っ込められないのでしょう。この共同幻想を作りあげてきたのはメディアですから。

 なお、趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムなど、親米保守のネットメディアは「そもそも二股外交が無理筋だった」と批判します。が、メディア全体から見れば、少数派に留まっています。

左派は「孤立」を利用

—では、国民は「米中を操る夢」を未だに見ているのですか。

鈴置:国民の方がメディアや政権より、冷静かもしれません。夢から醒めた人も多いようです。中には初めから「夢だ」と思いながら、夢見ていた人もいると思われます。

 交流ソフト(SNS)や韓国紙の電子版への読者の書き込みを見ると「外交的な孤立」に対し、4つの解決策が語られています。

 まず、米国側への復帰、です。日本が米国にぐんと接近した。だから慰安婦問題でも韓国は言い分を聞いてもらえなかったのだ。だったら日本に負けないよう米国との同盟強化に動くべきだ、との考え方です。

 次が、中国側に走る、です。慰安婦問題で米国は韓国の肩を持ってくれなかった。それなら、一緒になって日本を非難してくれる中国との関係を強めよう、との発想です。

 米国だろうと中国だろうと、どちらかに寄ろうという意見の人は「二股の夢」からは醒めていると言えます。

 残り2つは、すぐには実現しない構想ですから「新たな夢」を見る人々と呼ぶべきかもしれません。まずは北朝鮮との関係改善論です。

 「北朝鮮と対立しているから、米国など周辺国の顔色をうかがわなくてはならないのだ。北と関係を改善すれば、慰安婦で日本側に立った米国に対しても強く出られる」との理屈です。

 この主張はハンギョレなど左派系紙にも見られます。北との対話に消極的な朴槿恵政権を批判する材料として、左派は「外交的孤立」を利用し始めたのです。

 最後は核武装論です。米国に逆らえないのは軍事力がないからだ。核を持てば米韓同盟も不要だ。米国がいくら日本だけを可愛がっても、悩まなくてよくなる――というわけです。

渦巻く米国への不信感

—4つの意見は、それぞれどれぐらいの比重ですか?

鈴置:様々の記事への書き込みからの観察ですから、正確なデータはありません。まあ、ものすごく大雑把に言えば、4つの意見の登場頻度に大きな差はない感じです。

 ここで注目すべきは、【1】「米国への復帰論」に代表される「親米派」が意外と少ないことです。

【2】「中国側に走る」はもちろん、【3】「北朝鮮との関係改善論」も【4】「核武装論」も、米国にはもう期待しない、との意識が根にあります。これらの、言わば対米独立論は合わせると過半数を超えるように思われます。

 慰安婦に象徴される歴史問題に関し「米国は常に韓国の味方だ。必ず日本を叩いてくれる」との思い込みが異様に強かったためでしょう。その反動から米国への不満と不信が渦巻き始めたのです。

亀裂が入った米韓同盟

 そんな空気を映す記事も登場しました。朝鮮日報の金泰勲(キム・テフン)デジタルニュース本部次長が書いた「米国が韓国人の心を得ようとするのなら」(5月7日、韓国語版)です。

 まず「慰安婦を謝罪しない安倍晋三首相に対し、米国が議会演説を許したため韓米日の協力体制に亀裂が入った」と断じます。

 そのうえで米国に強く反省を求めました。ポイントを要約します。日本人に馴染みのない韓国の人名は省きます。

  • 米国が亀裂を縫い合わせようとするなら、韓国政府に「日本との関係を改善しろ」と要求するだけではなく、韓国の国民の心をつかむべきだ。
  • 安倍首相の訪米中に米議会の前でデモした元慰安婦、ハーバード大学で沈黙デモを企画したり、安倍首相に質問した韓国系学生。彼らは韓国人がどう思っているかを米国に知らしめた。
  • 彼らは、107年前に「韓国は日本の保護を受けるべきだ」と主張したD・W・スティーブンスを処断した2人の韓国の義士を思い起こさせる。

 「外交的失敗」から韓国政府は弱腰になり、米国の求める日本との関係改善を受け入れるかもしれない。しかし、韓国の国民は怒っているし「対日懲罰」をあきらめない。韓国民を軽んじると韓米同盟に亀裂が入るぞ――との主張です。

米国人を誅する韓国の義士

—スティーブンスとは?

鈴置:1904年に日本の推薦で大韓帝国の外交顧問に就任した米国人D. W. Stevensのことです。一時帰国中の1908年に「愛国的な」2人の在米韓国人によって暗殺されました。

—駐韓米国大使が韓国のナショナリストによって殺されかけたばかり。なかなか大胆な記事ですね。

鈴置:ええ、米国人が読んだらぎょっとするでしょう。書いた当人は「アベに議会演説を許した米国への韓国人の怒りは、それほどに大きいのだ」と強調するつもりなのでしょうけれど。

 政府が外敵に屈した後も、民間の志ある人々が――つまり義士が立ち上がって敵に一矢報いてきたのだ、という共通認識が韓国社会にはあります。

 この記事中にも、ちゃんと3月の襲撃事件が言及されています。ただ、リッパート(Mark W. Lippert)駐韓米国大使は「韓国人の心をつかもうとしている」と評価されていますから、さらなるテロの対象になるわけでもなさそうですが。

世界の碩学がアベ批判

—「韓国はしょげ返っている」と思っていましたが、そうとばかりは言えないのですね。

鈴置:その通りです。5月5日、世界の187人の学者が英語と日本語で、慰安婦に関し「日本の歴史家を支持する声明」を発表しました。これで韓国人は元気を一気に取り戻しました。

 187人は米国のアジアを研究する学会に所属する人々で、日本研究者が中心です。金泰勲デジタルニュース本部次長も、結語で以下のように触れています。

  • エズラ・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)ハーバード大学名誉教授ら世界的な歴史学者たちが先頃、安倍首相に慰安婦問題の解決を求める声明を発表した。
  • 韓国人の心をつかんで同盟を強化するという米国の韓米日協力外交は、この声明を尊重することから始めるべきだ。

 孤立感を深める中で、韓国人は強力な援軍を得た思いだったのでしょう。各紙は直ちに社説でこの声明を引用し「世界の著名学者がアベを批判した」と一斉に主張しました。

知日派も韓国の味方だ

 朝鮮日報の「日本の慰安婦歪曲、世界的学者が我慢ならないと立ちあがった」(5月7日、韓国語版)、中央日報の「安倍首相は軍の慰安婦を否定せず、歴史を直視せよ」(5月7日、日本語版)、ハンギョレの「安倍首相に対する世界の歴史学者の警告」(5月7日、日本語版)などです。

 中でもエズラ・ヴォーゲル名誉教授は韓国でも「知日派」として知られています。「あのヴォーゲルが日本を叩いてくれた」と喜んだ人が多いのです。

 187人の学者は声明で、日本は動員の強制性などに拘るが、残忍な行為を受けた慰安婦が存在するのは事実だ。日本は制度として女性を搾取した「慰安所」の存在から目をそらすな――と主張しています。そして結論部分は以下です。「ですます調」の日本語版からそのまま引用します。

  • 今年は、日本政府が言葉と行動において、過去の植民地支配と戦時における侵略の問題に立ち向かい、その指導力を見せる絶好の機会です。
  • 4月のアメリカ議会演説において、安倍首相は、人権という普遍的価値、人間の安全保障の重要性、そして他国に与えた苦しみを直視する必要性について話しました。
  • 私たちはこうした気持ちを賞賛し、その1つ1つに基づいて大胆に行動することを首相に期待してやみません。

韓国批判には知らんふり

—この声明は、韓国をも批判していると聞きましたが。

鈴置:実はそうなのです。以下の部分です。

  • この問題は日本だけではなく、韓国と中国の民族主義的な暴言によっても、あまりにゆがめられてきました。
  • 元「慰安婦」の被害者としての苦しみがその国の民族主義的な目的のために利用されるとすれば、それは問題の国際的解決をより難しくするのみならず、 被害者自身の尊厳をさらに侮辱することにもなります。

 でも各紙とも、社説ではこの対韓批判は完全に無視しています。そこを引用したら、対日批判がブーメランのように自分に戻ってきてしまうからです。

 「韓国も批判されているのだ」と指摘した記事は、私が見た限りでは1本だけでした。朝鮮日報の金泰翼(キム・テイク)論説委員の「世界的な歴史学者187人が韓国に送った苦言」(5月12日、韓国語版)です。

 「せっかく日本軍慰安婦を取り上げてくれたのだから、声明では米軍慰安婦にも触れてほしかった」――と書く韓国紙が出るかな、と思いましたが、それも見当たりませんでした。

 朝鮮戦争以来、在韓米軍向けの、この声明風に言えば――制度として女性を搾取する――慰安施設が韓国に生まれました。ここで働いた女性から、韓国政府は訴訟も起こされているのですけれどね。

 いずれにせよ「日本との外交戦に負けた」としょげ返っていた韓国人は「米国の学者が韓国を支持したのだ。それをテコに米国政府を揺さぶって味方に付ければ、対日外交戦争でまだ巻き返せる」と元気を出したのです。

韓国にはない「曲学阿世」批判

—でも、いくら「世界的に著名な学者」とは言っても、学者の主張です。

鈴置:そこが日本人と意識が根本的に異なる点です。韓国では学者が極端に偉いのです。1950年、米国との単独講和に反対した東大総長に対し、当時の吉田茂首相が「曲学阿世」――真理を曲げ、世間におもねるな――と批判しました。

 一方、韓国では学者がどんなに空論を吐いても「曲学阿世」などと非難されません。「学者は偉い」からです。それに先ほども言いましたが、韓国人はとにかく援軍が欲しかったのです。

 「日本の歴史家を支持する声明」が発表された翌日の5月6日、朴大統領が駐韓外交団向けのレセプションで「国際政治は国家利益で動くというが、本当に重要なのは信頼だ」と述べました。

 米国を念頭に置いた発言と思われます。韓日間の外交戦で米国が日本の手を上げたのは、米国の利益に沿って日本が中国包囲網に積極的に協力すると決めたからだ――と韓国では報じられています。

 朴槿恵大統領は米国に対し「そんな目先の利益だけで動くと、韓国の信頼を失うぞ」と釘を刺したつもりでしょう。

「離米従中」で信頼失った韓国

—米中間で二股をしながら、米国に「自分の信頼を失うぞ」と脅すのも変ですね。

鈴置:韓国では、論理的な整合性とか一貫性はさほど重視されないのです。実際のところ、米韓関係の最大の問題は「離米従中」に突き進む韓国に対し、米国が信頼を失ったことにあるのですがね。

 とにもかくにも韓国は、日本との外交戦が終わったとは考えていません。朴槿恵大統領は6月中旬に訪米、オバマ大統領と会談します。その場を対日外交戦の第2ラウンドと位置づけて、逆転を図るつもりと思います。

米国が韓国に言い渡した。中国に対抗するため、米国は日本とスクラムを組んだのだ。「慰安婦」で我々の仲を裂こうとするな――。

韓国を見透かしたマイケル・グリーン

—前回は「日本との外交戦に負けた」としょげ返っていた韓国が、突然、元気になった、という話でした。

鈴置:エズラ・ヴォーゲル(Ezra F. Vogel)ハーバード大学名誉教授ら187人の日本研究者たちが、安倍晋三首相に慰安婦問題の解決を求める声明を発表したからです。

 この「日本の歴史家を支持する声明」は、韓国の姿勢にも疑問を投げましたが、韓国各紙はそれをほとんど無視。この声明を援軍に外交戦で日本に逆襲しようと、メディアは戦意を盛り上げました。

 実は、この状況を見越していたかのような記事があります。マイケル・グリーン(Michael Green)戦略国際問題研究所(CSIS)上級副所長兼ジョージタウン大学准教授が、安倍首相の訪米直前に中央日報に寄稿した「安倍の訪米に韓国は何を期待するのか」(4月24日、日本語版)です。

米国も左派は「反・安倍」

  • ニューヨーク・タイムズ(NYT)のようなメディアは安倍首相の議会演説を非難するだろう。だが彼の演説を歓迎するメディアもあるだろう。
  • 日本と同じように、安倍政権に対する米国エリートの見解は理念によって分かれている。米国人は一般的に日本に対して非常に肯定的な見解を持っている(もちろん韓国に対しても非常に肯定的だ)。

 米国の左派は安倍演説を批判するだろうが、それに舞い上がって現実を見誤ってはいけないよ、とのアドバイスです。

 なお、丸かっこの中の「もちろん韓国に対しても……」のくだりは日本語版と韓国語版(4月24日)にはありますが、大元の英語版「What to expect from Abe’s visit」(4月27日)にはありません。「日本とどちらが上か」を気にする韓国人読者に配慮して入れたのでしょう。

「慰安婦」で対中包囲網を妨害

—このコラムの狙いは?

鈴置:中国の横暴を抑えるため、日米は同盟関係を可能な限り深める。朴槿恵(パク・クンヘ)政権も日―米―韓の3国協力体制にしっかりと入ることが求められるよ――との忠告でしょう。結論部分で以下のように書いています。

  • 日本に対する米国人の信頼度は実は、安倍首相になった後さらに高まった。日米首脳会談が成功裏に終われば、日米防衛協力指針と環太平洋経済連携協定(TPP)にはずみをつけることになろう。
  • オバマ大統領にとっては政治的に大きな勝利になるだろう。米政府は首脳会談の結果として、韓日関係に突破口が用意されることとは期待していない。が、安倍首相の訪米が韓日首脳会談と韓日米協力の強化の契機になることを期待している。

 中国は南シナ海で埋め立てを進めるなど、露骨な膨張政策に乗り出しました。それを阻止するため、米国は日本をはじめ豪州、ベトナム、フィリピンとの軍事協力を急速に強化しています。

 一方、韓国はそれに加わらないどころか、対中包囲網を妨害しています。2014年7月には日本の集団的自衛権の行使容認に中国とともに反対しました。「慰安婦」で韓国が大声を上げるのも、その一環と見なされ始めました。

日本がいくら謝罪しても……

 そんな韓国に対し、グリーン副所長以上に厳しい警告を発したのがビクター・チャ(Victor Cha)ジョージタウン大学教授です。

 日米首脳会談の直後に中央日報に載った「韓日首脳に本当に重要な問題」(5月1日、日本語版)をご覧下さい。ハイライトは以下です。

 なお、大元の英語版は5月4日に掲載された「Hard questions for Park and Abe」です。

  • 今回の首脳会談準備期間に私は慰安婦問題をめぐる談論を絶えず反すうした。この問題に対する本当に難しい質問は、安倍首相ではなく韓国国民に投げかけられたと信じる。
  • 次のような質問だ。もしある日本の首相が「侵略」「植民地支配」「反省」という言葉を慰安婦問題に関連する発言として使うなら、韓国はこれを謝罪と受け止めて最終的な解決のために動くのだろうか。
  • (韓国は)日本が何と言おうと、これを「真情」ではなく「戦術」から出たものとして拒否する可能性が高い。日本があらゆる形態の悔いる権利を拒否し続けるのは、多くの人々にとって政治的に安全だ。不幸なことではあるが。

ゴールポスト論

 日本がいくら謝罪しても、韓国は後から「日本はちゃんと謝罪していない」と言い出します。だから日本の謝罪は問題の解決につながらない――。ここを、ビクター・チャ教授は突いたのです。

 これは「動くゴールポスト論」と呼ばれています。韓国は後から「やっぱり不十分だった」として「謝罪のゴール」の位置をどんどん移すからです。

 ビクター・チャ教授は「もう、韓国の手口は米国にも見透かされている。どんなにうるさく言ってきても今後、米政府は日本に対し慰安婦で韓国に謝れと要求しないと思う。対米交渉の基本方針を変えた方がいい」と示唆したのだと私は思います。

 そもそも、米国人が公開の場で「ゴールポスト論」を持ち出すのは珍しい。本当のこととはいえ、いや、本当のことだからこそ、これを指摘されると怒り出す韓国人が多いのです。そうなると、冷静な話し合いは期待できませんからね。

—では今回、なぜビクター・チャ教授は韓国紙でこれを書いたのでしょうか。

鈴置:同教授に聞いたわけではないので、その意図は分かりません。ただ、多くの米国のアジア専門家が「もう、韓国はかばえない」と言い出しています。

もう、韓国はかばえない

—いわゆる「韓国疲れ」(Korea Fatigue)ですね。

鈴置:ええ、韓国人が米国に押し寄せては「アベに議会演説させるな」「日本に謝らせろ」としつこく要求したからです。筋違いの要求に米国の専門家は困り果てていました(「『アベの議会演説阻止』で自爆した韓国」参照)。

 5月18日、韓国での会見で「慰安婦」を聞かれたケリー(John F. Kerry)国務長官は「日本が謝罪を繰り返したことに留意している」と述べました。「もう、慰安婦の話は米国にするな」ということです。

 それに加え韓国人のあまりのしつこさから、ワシントンには韓国を中国の手先と見なす空気が高まってきました。だから米国のアジア専門家も「もう、かばえない」と言い出したのです。

 3月13日、ワシントンで米シンクタンクのアメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)は「Japan-Korea relations at 50: The weakest link in Asia」(英語による動画=日韓関係正常化50年、最も弱いアジアの輪)と題するセミナーを開催しました。

 この場で、リチャード・ローレス(Richard Lawless)元米国防副次官は「中国は歴史問題を使って韓国との関係を強化し(「日―米―韓」協力の)現状を分断するつもりだ。それにはある程度成功している」と指摘しました。

 ローレス元米国防副次官は朴正煕(パク・チョンヒ)時代から韓国を知る人、と言われています。この発言は動画開始後10分30秒後あたりからです。

ヴォーゲル声明に反発

 中国は「日―米―韓」の対中軍事同盟を必死で突き崩そうとしています。そのパーツたる「日韓」と「日米」双方を一気に分断する必殺技が、慰安婦など歴史問題です。

 韓国をけしかけ日本と対立させる。当然「日韓」関係が悪化します。さらには「日米」関係をもおかしくすることが可能です。

 韓国の求めに応じ米国が日本に対し「慰安婦で韓国に謝れ」と要求すれば、日本人は米国に悪感情を抱くからです。

 実際、米政府ではありませんが、エズラ・ヴォーゲル ハーバード大学名誉教授ら米国の学会に属する学者が「日本の歴史家を支持する声明」を発表すると、一部の日本人は米国に強く反発しました。

 中国自身が日米離間を図るよりも、米国の同盟国である韓国にやらせる方が、はるかに効果が大きいのです。

対日歴史戦争で中韓が共闘

—「韓国を日本から引き離す」だけではなく「韓国を手先に使って日米関係も壊す」のが中国の作戦なのですね。

鈴置:中韓両国は対日歴史戦争で共闘体制を強めてきました。例えば、表に出たものに「慰安婦の証拠発掘プロジェクト」があります。

 2014年12月15日に聯合ニュースが「中韓両国の政府系機関が慰安婦で共同研究の覚書結ぶ」と報じています。「韓中政府系機関 慰安婦問題共同研究へ=MOU締結」(日本語版)です。

 見落とすべきでないのは、韓国は、日本とだけではなく米国からも離れ始めたことです。「日韓」だけではなく「米韓」も疎遠になっているのです(「米中星取表」参照)。

 この立ち位置の急速な変化こそが「中国の手先化」の何よりの証拠――と米国のアジア専門家は見なしています。

米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか

(○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2015年5月21日現在)

案件 米国 中国 状況
日本の集団的自衛権 の行使容認 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致
米国主導の MDへの参加 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD」を採用へ
在韓米軍への THAAD配備 青瓦台は2015年3月11日「要請もなく協議もしておらず、決定もしていない(3NO)」と事実上、米国との対話を拒否
日韓軍事情報保護協定 中国の圧力で署名直前に拒否。米も入り「北朝鮮の核・ミサイル」に限定したうえ覚書に格下げ
米韓合同軍事演習 の中断 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施
CICAへの 正式参加(注1) 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」
CICAでの 反米宣言支持 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か
AIIBへの 加盟 (注2) 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明
FTAAP (注3) 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」

(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。

北朝鮮が水中発射に成功したのに

「離米従中」ですね。

鈴置:米国が在韓米軍に終末高高度ミサイル防衛(THAAD=サード)を配備しようとしています。しかし、韓国は受け入れに応じません。中国から「反対しろ」と命じられたからです。

 米国は、韓国を守るために駐屯する在韓米軍を防御するための装備も持ち込めないのか――と呆然としました。

 4月16日にスカパロッティ(Curtis M. Scaparrotti)在韓米軍司令官は米上院軍事委員会で「私は司令官として米軍の防衛を考慮する必要がある」と述べています。

 5月18日、ソウル市内の在韓米軍基地を訪問したケリー国務長官は「我々はすべての結果に備えなければならない。これが、我々がTHAADを語る理由だ」と述べました。

 北朝鮮がミサイルの水中発射に成功した、と5月9日に発表したばかりです。THAADの在韓米軍への配備に必要性がどんどん高まっています。ケリー長官は韓国政府に「催促」したものと見られています。

 というのに韓国政府はこの発言に対しても「ケリー長官との会談ではTHAADの問題は一切、話し合われなかった」と繰り返すばかりでした。

韓国に操られる米国

 そもそも最近の韓国の「外交敗北論争」自体が米国離れを象徴しています。これは3月30日の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相の発言が引き金になりました(「朴槿恵外交に噴出する『無能』批判」参照)。

 尹炳世外相は「米中の間に挟まれた韓国の境遇は厄介なことではなく、双方からラブコールを受ける祝福として受け止めるべきだ」と語ったのです。

 外相が堂々と「二股外交をうまくやっている――米中を上手に操っている」と誇ったのです。「操られている」米国は面白くないに決まっています。

 この発言には批判も出ました。でもそれは「二股が上手くいっていないこと」に対してだったのです。決して「同盟国の米国と、中国を等しく見るべきではない」との世論が高まったわけではなかった。

 米国はますます韓国を疑いの目で見たことでしょう。そんな中、韓国が「慰安婦で日本を叱ってくれ」と言ってきたのです。素直に「分かりました」と日米離間策に乗るほど、米国はお人好しではありません。

「同盟国相場」の急騰

—米国の実務家は韓国の本性を見切ったのですね、学者はともかくとして。その米韓が6月中旬に首脳会談を開きます。

鈴置:会談では、韓国がどれだけ米国の要求に応じるかが見どころです。韓国は同盟国としての義務から逃げ回っています。

 そのうえ安倍首相の訪米によって、米国の同盟国であることの「会員権相場」が一気に跳ね上がったのです。

 このため朴槿恵大統領は、オバマ(Barack Obama)大統領に対しTHAAD受け入れぐらいは表明するだろう、と見る外交専門家もいます。

 ただ、中国は強くこれに反対しています。朴槿恵大統領は9月に訪中の見込みです。「対日戦勝70周年記念式典」参加が目的で、習近平主席と会談する可能性もあります。オバマ大統領に安易に手形を切りにくい状況でもあります。

オバマに直訴して逆転

—結局、米韓首脳会談はどういう展開になるのでしょう。

鈴置:よく分かりません。ただ、興味深い主張が韓国紙に載るようになりました。「朴槿恵はオバマに慰安婦を語るな」との趣旨です。

 逆に言えば「オバマ大統領に対し朴槿恵大統領が直訴すれば、日本との外交戦で逆転できる」との発想が根強いことを物語っています。

 外交通商部北東アジア局長を歴任した、趙世暎(チョ・セヨン)東西大学特任教授は中央日報に「朴大統領の訪米、韓日関係に縛られるべきでない」(5月13日、日本語)を寄せました。注目すべきは以下です。

  • 韓国人は、大統領訪米で韓日の過去の問題に対する米国の協力を引き出せるかに関心を持つ。米国の圧力だけが日本の姿勢の変化を引き出すことができるという主張が多い。
  • しかし、今回の安倍首相の訪米に見られたように、米国は日本に圧力を加えて実利を失うことはしない。安倍政権が圧力を受け入れる可能性もほとんどない。

 まだ、韓国には「米国に頼んで、日本に謝罪させよう」との意見が燻っていることがうかがえます。そして韓国では、朴槿恵大統領は「空気」に流されがちと見なされています。

 実務に長けた外交専門家として、趙世暎教授はその火消しに出たのです(「ナポレオン3世に擬された朴槿恵」参照)。

THAADと慰安婦

 朝鮮日報のペ・ソンギュ政治部次長も「大統領の訪米は『過去を巡る外交戦』の舞台ではない」(5月16日、韓国語)を書きました。ポイントは以下です。

  • 韓国の外交当局には悩みが多い。安倍首相の訪米時に繰り広げた韓日外交戦でいいところがなかったとの無念さからだ。朴槿恵大統領の6月訪米を「歴史認識問題の外交戦の第2ラウンド」と考える一部の人の視線もプレッシャーになっている。
  • 今、韓米間に必要なのは美辞麗句や対日競争外交ではない。韓米間の共通の利益と信頼性を高める実質的な成果だ。

—「慰安婦」に関し、米国が「もう言うな」とイエローカードを切っているのに、まだ韓国は言い募るつもりなのですか?

鈴置:「慰安婦」は日本をへこませるための道具に留まりません。米国が進める「日―米―韓」軍事協力体制に「NO!」と言うための言い訳でもあります。

 オバマ大統領が「THAADを韓国に配備したい」と言い出したら「慰安婦で日本が謝らないから駄目だ」と反撃するかもしれません。

へ理屈を言い続けるしかない韓国

—「THAAD」と「慰安婦」は何の関係があるのでしょうか。理解できません。

鈴置:もちろんへ理屈なのですが、韓国はこれまでもそうした奇妙な理屈を言い訳にしてきました。

 2013年9月30日、訪韓したヘーゲル(Charles T. Hagel)国防長官(当時)が朴槿恵大統領を表敬し、3国軍事協力体制の構築を持ちかけました。

 朴槿恵大統領はそれを断るのに「慰安婦の苦しみ」を持ち出したのです(「ついに米国も韓国に踏み絵を突きつけた」参照)。

 在韓米軍に配備されるTHAADは、在日米軍や日本のミサイル防衛(MD)と連携して運用される可能性が大です。

 韓国は「慰安婦で謝らない日本とは軍事協力できない」と言い張ることで、THAAD配備に「NO!」と言えると考えているでしょう。

—でも、そのへ理屈は米国からすっかり見透かされているのではありませんか。

鈴置:その通りです。でも、米中間で板挟みになった韓国としては、米国から言い逃れるには「慰安婦」を使うしか手がないのです。

5/20日経ビジネスオンライン 福島香織 『習近平の知識人狩り、希望を粛清 良心的知識人を排した先は、悪夢しかない』記事について

習近平は毛沢東を尊敬し、マネをしていると言われていますが、本記事は文化大革命の再来かもしれません。元々毛は文革を政敵倒しの名目に使ったわけですが、知識人もこの網から逃れることはできず、文豪老舎は入水自殺します。実際は、紅衛兵に殺されたも同然でした。習も同じように知識人を目の敵にしています。一党独裁の弊害です。物事の道理が分かる人間=知識人としたら共産党政権にとってこんな怖いことはありません。共産党統治の正統性は否定されるでしょうから。日本共産党だって政権を取ったとしたら中国と同じことをするでしょう。何せ中国は三権分立でなく、為政者の意のままに動かせる国で、反対する者には厳しい弾圧をします。

中国共産党に操作されている政治家(二階とか翁長等親中派議員)や財界(経団連)、マスメデイア(サンケイを除く媒体全部)はこういう状況を知っていて日本国民を誤導しようとしています。本記事を読めば共産党支配の恐ろしさが分かるハズです。選挙のときに、共産党や社民党、民主党左派には入れないことです。またメデイアの洗脳から脱し、保守派の活動を支援して戴きたいと思っています。

記事

中国の人権状況が急速に悪化している。多くの人が、冤罪の言いがかりであると分かっているにもかかわらず、このほど人権派弁護士の浦志強がついに起訴された。その罪名は、民族の仇恨を扇動した罪、という。民族の仇恨とはなんだろう? 4月には改革派ジャーナリスト 高瑜が国家機密漏洩罪で懲役7年の判決を受けた。何が国家機密漏洩だというのだろう。昨年9月には、ウイグル族学者のイリハム・トフティが国家分裂罪で無期懲役判決をうけ、上訴するも、そのまま罪が確定してしまった。誰が国家を分裂させようというのだろうか。

 彼らはみな中国の敵ではなく、暗黒に見える中国人権状況の未来をほのかに照らす小さな星のような人物たちだった。決して急進的ではなく、体制内にも、彼らの主張に賛同する官僚や政治家が大勢おり、現体制を覆すのではなく、むしろ支えて、良い方向に転換させていこうとしてきた、体制内の改革派人権派知識人である。こういった良心的知識人がいるからこそ、真っ暗に見える中国の未来にもかすかな希望があるのだと思い直すことができた。ところが、今やこの体制内にいる、良心的な知識人を習近平政権は「反動知識分子」と呼び、粛清の対象としている。

深刻にして悪辣な「言いがかり罪」

 浦志強が正式に逮捕されたのは昨年の6月30日。この時の逮捕容疑は、いわゆる「騒動挑発罪(言いがかり罪とも訳す)」と「個人情報の不正取得」だった。昨年5月3日、天安門事件(1989年)に関する非公開の私的勉強会に出席し、5月6日に身柄を拘束された。この勉強会に出席したことで同じ時期に身柄拘束された徐友漁ら4人の知識人たちはその後釈放されたが、彼だけが、そのまま正式逮捕され、そして約1年たった今年5月15日に正式起訴が発表された。この時、起訴状に書かれた罪名は「民族の仇恨を扇動した罪」および「騒動挑発罪」。起訴状には、「被告人浦志強はネットを利用して、前後して何度も微博(ツイッターに似たSNS)で、民族の仇恨を扇動。公然と他人を侮辱するなど、その状況は深刻にして悪辣であり、社会秩序を破壊するものとして、刑事責任が問われるべきである」とされた。

では浦志強が微博を通じて煽ったという民族の仇恨とは何なのか。

 香港紙明報によれば、検察側は、浦志強が発信した30あまりの微博の中に「新疆は中国のものだが、中国は植民地のように扱ったり、征服者・掠奪者となってはならない。…相手を敵とみなすのは誤った国策である」「昆明事件(2014年、昆明鉄道駅でウイグル族グループが起こした無差別殺人、29人の無関係の旅客が殺害された)は非常に血なまぐさく、犯人の罪は非常に深い。新疆独立派がテロの恐怖を生んでいるという言い方は、しかし、結果であって原因ではない。きわめて凄惨で、結果は堪えられないものだが、新疆独立派の残虐さに対して、あなたに責任がないというのであれば、私は不満である」といった発言を民族の仇恨を扇動したものとして、問題視しているようである。また「公然と他人を侮辱する」が指すのは、毛沢東の毛新宇に関する議論や、山西省の人民代表(国会議員に相当)申紀蘭が全人代制度が始まった1954年から60年以上も人民代表を続けており、しかも一度も全人代決議において反対票を投じたことがないことなどを指摘した発言のようである。

拷問反対の思想家は、都合が悪い

 浦志強は、弱者の立場にたって人権や自由のために戦う弁護士として中国国内でも評価され、2012年暮れには「南方人物週刊」や「新週刊」などの雑誌が中国社会に影響を与えた「年度人物」として取り上げた。2014年から、中国共産党政治の悪習であった労働教養所が廃止になったのも、その違法性を訴えてきた彼らの地道な活動の成果とポジティブに受け取られていた。当然、国際社会でも注目され、米フォーリンポリシー誌も「百人の思想家」に選んでいる。

 今回、彼が起訴された本当の理由は、おそらく起訴状には書かれていない。彼が習近平政権に都合の悪い人物とみなされたに過ぎない。おそらくは中央規律検査委が司法の外で行う「双規」(共産党幹部に対して司法機関より前に紀律検査委として取り調べを行う制度)の廃止を目指して活動を開始したことが理由だと見られている。2013年に双規の取り調べ中に拷問を受け、3人の官僚が死亡したことで、「双規」が単なる党内調査ではなく、時に政敵に対するリンチが行われ、法治を標榜する国であってはならない制度であることは誰の目にも明らかになっていた。習近平政権の「反腐敗キャンペーン」と言う名の粛清の嵐が吹き荒れる中、多くの地方官僚たちにとって「双規」中の拷問は、明日は我が身の危機でもあり、浦志強の活動に対しては党内でも期待が高まっていたという。

 しかし、双規制度にケチをつけるということは、一党独裁の根幹を揺るがすことでもある。一党独裁の根幹とは、党の掟・党規が司法、憲法を含めて法の上に立つという了解であり、党幹部を裁くのは党中央だけである、というルールである。

 この党幹部を裁くのは党中央だけ、というルールは、習近平政権になってから、さらに党幹部を裁くのは習近平と王岐山である、に変わってきている。つまり、浦志強の「双規撤廃」への活動は、習近平体制への抵抗と受け止められたということだろう。

71歳のジャーナリスト、3度目の投獄

 高瑜の懲役7年の判決も衝撃であった。71歳になる彼女は、そのジャーナリスト人生において天安門事件後の90年、93年に続く3度目の投獄を経験することになった。人生で3度も、言論を理由に投獄されるジャーナリストなど、他の非民主国家でもあまり聞かない。彼女の罪状である国家機密漏洩とは、いわゆる「9号文件」(習近平のイデオロギー政策に関する内部通達文書。西側の民主、人権、公民の権利、市場経済など、7分野について中国の現状を批判する形で流布してはならないと通達するのを否定する内容、大学などで通達されている『七不講(七つのタブーな話題)』の基礎となっている)を外国メディア(米ニューヨークタイムズ、香港明鏡月刊)が2013年8月に報じたことに関与した、ということになっている。

 彼女は2014年4月24日突然、“失踪”。2週間後に機密漏洩で逮捕されていたことが明らかになった。さらに同年5月8日、起訴前の拘置所の中に中国中央テレビ(CCTV)のカメラが入り、彼女が自白と懺悔をする様子を全国に流した。裁判も経ずに、テレビで有罪を印象づけるこうした手法は、習近平政権の劇場型知識人弾圧というべきものだった。そして今年4月17日に北京市中級人民法院で懲役7年が言い渡された。

 これが冤罪であることは、誰もが内心わかっている。まず、9号文献の内容など、すでにネットで流布していたという。

 9号文件のスクープ報道をした明鏡月刊の出版元明鏡新聞出版(本社、米国)の総裁・何蘋は2013年8月時点ですでに流布していたと主張している。その年4月に、各部門に通達され、遼源日報など一部の地方紙はその内容を紙面で紹介し、メディアとして全面的に学習するように呼びかけたという。また明鏡月刊は文件の原文をかなり早い段階で入手しているが、表紙に「秘密」の文字もなければ、流出禁止の注意書きもなかった、と言う。「9号文件の全文を報じたのは、国家や人民の生活を損なうつもりはなく、ただ中国共産党のイデオロギー政策を紹介しただけ」としている。

 彼女を有罪にしたのは、機密漏洩などの問題ではなく、おそらくは中国のジャーナリスト、知識人が外国メディア・記者と自由に意見を交換することを牽制する目的であろうとうかがえる。

反動知識分子に厳しい打撃を

 イリハム・トフティは2014年1月15日、突然自宅に押し寄せた警官隊に「証拠」を押収され、「ネットを使って新疆独立を呼びかけていた」として「国家分裂容疑」で連行され、2月20日に正式に逮捕された。7月30日に起訴され9月23日に無期懲役の一審判決が出て、11月21日に一審判決が確定した。彼は2009年7月5日のウルムチ事件の背景であった当時の新疆ウイグル自治区党委書記の王楽泉の圧政に対する厳しい批判はしてきたが、決して、新疆独立派ではない。少なくとも胡錦濤政権は、彼の主張を受け入れる形で、ウルムチ事件後に一時拘束するも釈放し、王楽泉を更迭し、新疆政策の転換を図ろうとした。彼もまた、まぎれもない冤罪である。

 ではなぜ、習近平政権は、ニセの罪をでっちあげて彼ら体制内の知識分子たちを粛清するのだろうか。習近平は2014年8月19日に全国思想宣伝工作会議でおこなった重要講話(8・19講話)の中で「反動知識分子」について、こう語っている。「一部の知識分子はネットを利用して、党の指導、社会主義制度、国家政権に対し、デマを流し、攻撃し、誣告している。彼らに対し、必ず“厳しい打撃”を与えねばならない」「良い知識分子を奨励し、悪い知識分子を取り締まらねばならない」。

 習近平政権にとって良い知識分子とは自分を賞賛してくれる知識分子であり、自分の政策に批判的な知識分子は悪い知識分子である。悪い知識分子が公民運動家の許志永、イリハム・トフティ、高瑜、浦志強らだった。昨年来、知識分子たちの間では、こんな噂が立っている。「習近平政権は、知識分子のスケープゴートを非常に考え抜いて計画的に選んでいる。許志永が2014年1月に懲役4年の判決を受けたことで、新公民運動に打撃を与えた。続いてネットの微博で『大V』アカウントをもつ発信力のあるネットユーザー、ブロガーたちを威嚇し、続いて浦志強を逮捕することで人権派弁護士たちに容赦のない姿勢をみせて、高瑜にCCTV上で罪を認めさせて独立派ジャーナリストたちを恫喝した。今後もメディア界、評論界、学界で習近平にとって『悪い知識分子』が反動知識分子として狩られることだろう」。その業界で、もっとも有名かつ象徴的な人物をもっとも残酷な方法で見せしめにし、恐怖でもって知識分子たちをコントロールし、政権に従順にすることが狙いだというわけだ。

諫言を断罪、追従を強いる愚

 なので、冤罪であろうが、取り調べや裁判がフェアでなかろうが、政権の目的と全く関係ないのである。香港消息筋の話を信じれば、高瑜の懲役7年判決も、浦志強の起訴も習近平その人が決定したと言う。浦志強はすでに懲役8年から13年を党中央指導部が指示されているという噂もある。こういう状況なので今の中国国内の学者や記者、また日本を含む海外の大学などに在籍する中国人学者や特派員記者が習近平政権を肯定し、習近平をあたかも実力派の優秀な指導者だと賞賛するのは致し方ないことなのだろう。最近、そうした体制内学者や中国人記者たちをネタ元にしている外国メディアや外国の官僚たちに、習近平が非常に優秀な指導者であり政治家であるといった評価を言う人が増えている。

 だが、本当に優秀な為政者とはあえて諫言を聞き入れる人物であり、為政者に気に入られるような発言をするのではなく、あえてその過ちを指摘する人たちを“良い知識分子”とみなすことができる人物のことである。

 今の知識人狩りの様子を見る限りでは、習近平は決してすぐれた為政者ではない。その権力を正しく支え、国家のより良い運営に寄与してくれるはずの“良い知識分子”を自らの手で刈り取って、自分をヨイショするだけの“悪い知識分子”に取り囲まれたまま、どうやって「中国の夢」を叶えることができるだろうか。このままでは、中国に待ち受けているのは「悪夢」でしかない。