『中国・計画出産関連機構の撤廃、出産自由化か 9400万人が超過出産を監視』(9/21日経ビジネスオンライン 北村豊)について

9/21日経<無視できない豪州の警告   本社コメンテーター 秋田浩之

日本政府内でいま、極めて敏感な案件として、極秘裏に議論されている問題がある。安全保障上の理由から、米国の政府機関などが使用を禁じた中国の2大通信機器メーカーについて、日本の主要な通信インフラからも除外するかどうかだ。

 対象になっているのは華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)。いずれも巨大なグローバル企業であり、日本から締め出すことには慎重論もある。

 割安の両社を排除すれば、通信インフラのコストが上がってしまうほか、中国が猛反発し、両国関係が再び冷え込みかねない――。慎重論としては、こんな声がある。安倍晋三首相は10月に訪中しようとしており、いまは外交上、微妙な時期でもある。

 そうしたなか、日本が注目すべきできごとが、南半球のオーストラリアで起こった。

 まもなく移行する次世代高速通信「5G」のシステムについて、豪州政府が8月23日、ファーウェイとZTEの参入を禁じる決定に踏み切ったのだ(「ファーウェイ、ZTE 豪が5G参入禁止」参照)。重要情報が中国側に漏れかねないことが理由だ。中国のスパイ行為にかかわっているといわれたに等しい両社は疑いを否定し、中国政府も強く反発している。

 豪州はいまの第4世代(4G)では、5割超の通信設備にファーウェイを採用している。にもかかわらず5Gから両社を排除するのは、行き交う情報量が桁違いに多く、サイバースパイの脅威が極めて深刻になるからだ。

 似たような懸念は米英でも指摘されているが、米政府といえどもここまで厳しい措置はとっていない。ファーウェイとZTEの使用が禁じられているのは米政府機関および、米政府と取引がある米企業だけだ。

 対中強硬策の先頭に立つことになるだけに、豪州政府内では事前に激論が交わされたという。「猛反発した中国から、重い報復を受けかねない」。一部の省庁からはこんな反対論が出たらしい。

 そこでターンブル首相(当時)は米英など主要国に当局者を送り、各国のスパイ機関からもひそかに情報を集めた。そのうえで「排除やむなし」と判断し、反対を押し切った。後任のモリソン氏もこの措置を支持している。

 日本からみると、驚かざるを得ない決断だ。なぜなら貿易を中国に大きく依存する豪州は従来、日米よりも「中国寄り」の姿勢をとってきたからである。

 たとえば2015年10月、米軍が駐留する北部ダーウィンの基地に近い港を99年間、中国企業にリースする契約を結んだ。外交筋によると、中国の脅威にあまりに無神経だとしてオバマ政権(当時)が怒り、抗議する騒ぎになった。

 さらに同年、豪州は中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を支持し、創設メンバーにも参加。AIIBと距離を置く日米との間にすきま風が吹いた。

 こうした豪州がなぜ、米国よりも強硬な対中措置をとるまでに至ったのか。ひとつには近年、中国と疑われるサイバースパイが相次ぎ、国防省や気象局、防衛産業が標的になってきたことがある。

 しかし、日本が着目すべきなのは、もうひとつの理由だ。内情を知る豪州の安保専門家によると、判断の決め手は、中国が17年6月に施行した国家情報法だった。

 これは国内外での情報活動を強めるため、中国が設けた法制度。豪州当局が入念に精査したところ、「運用によっては、中国の民間企業に対し、当局が情報収集への協力を強いることができる」という結論になったのだという。

 この結論通りなら、仮に、両社が中国のスパイ活動とは無関係だとしても、国家情報法にもとづき、今後、中国当局に協力させられる危険がある。

 強大になる中国への対応について、豪州からくみ取れる教訓はサイバー問題だけではない。ここ数年、同国は中国から「内政干渉」の脅威にさらされ、警戒感が広がっている。

 最近、騒ぎになったのが、上院議員が中国富豪から資金をもらい、南シナ海問題で中国政府を支持する発言をしていたスキャンダルだ。実態が暴露され、議員は昨年12月、辞任に追い込まれた。

 中国の企業・団体から多額の献金が主要政党に流れているほか、10~18年、ファーウェイが12回にわたり国会議員の視察旅費を負担していた実態も明るみに出た。

 豪州の大学にも中国から多額の寄付が流れ込んでいる。「台湾問題などで反中的な発言をした教授に、中国大使館などから圧力がかかるケースが出ている」(名門大学の教授)

 危機感を抱いた豪州の情報機関は与野党や大学にひそかに接触し、危険を強く警告。ターンブル首相(当時)は今年に入り、外国の利益を代弁する政治活動に届け出を義務付けたほか、外国からの政治献金も禁じる法案も出した。ファーウェイ、ZTEとの「絶縁」は、こうした懸念が重なった末の決断だったのである。

 両社への対応をめぐっては、英政府も安全保障の懸念を表明しているが、日本は今のところ、何も措置はとっていない。

 20年の東京五輪・パラリンピックに向け、日本も5Gに移ろうとしている。通信インフラを更新するにあたり、安全保障上、どのような考慮が必要になるのか。日本政府は企業に正確な情報と判断を示すべきだ。その意味で、オーストラリアの事例は参考になる。>(以上)日本もZTEとファーウエイは締め出すべきです。他の中国産情報機器もです。情報戦と言う戦争を戦っているのに、余りにも鈍感すぎます。

9/20希望之声<欧盟正式推出“欧亚连通战略” 遏制中共“一带一路”=EUは正式に“欧亜連携政略”を打ち出す 中共の一帯一路を牽制>中共の一帯一路は掠奪的投資モデルであって、その国の経済、環境、社会発展に於いて持続可能では無くしてしまう。19日(水曜日)EU委員会は正式に“欧亜連携政略”を打ち出し、中共に対し一帯一路を牽制する。

ニュースによれば、EUは3つの面で具体的行動を採る。①交通・エネルギー・デジタルネット及び人的交流②アジアの国や組織にパートナーとしての関係を樹立③金融の手段を使い、持続可能な融資を行うこと。600億€の基金を設立し、投資者の保険機構とする。この基金は2021~27年の間で3000億€を集めるだろう。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/09/19/n2187303.html

9/21阿波羅新聞網<江系新疆王副手落马 胡锦涛被欺负如同小媳妇 下一个大老虎会是他?=江沢民派の王楽泉の副官が解任 胡錦濤は若嫁の如くいびられる 次の“虎”は誰か?>ヌアール・バイコリはウイグル人であるが、共産党へ入党し、新疆で31年の勤務の間があるので、新疆王と言われた王楽泉のウイグル人の弾圧にも手を貸した可能性がある。王楽泉は周永康の腹心で、次の“虎”は彼か?

胡錦濤が主席の時に共青団副主席の胡偉を新疆に送り込んだが、王楽泉は完全無視。王楽泉は新疆を独立国家にしたいと思っていた。彼はウイグルの少女を都市に送り込み、騙して売春させたりして、民族の怒りを買って、暴動も頻発した。

http://www.aboluowang.com/2018/0921/1177686.html

9/22ロイター <米司法副長官、トランプ大統領の解任発動提案 秘密録音も=NYT>NYTが暴いたというのは驚きです。ローゼンスタインも民主党支持なのか碌でもない。国民から選ばれた政治家でなく、頭が良くて官僚になり政治家を見下すというのは日本とも共通ですが。ただ米国の公務員試験がどう行われるか知りませんが、日本のように学力だけではないと思います。大学入試も試験の点数だけではありませんから。

https://jp.reuters.com/article/usa-trump-russia-rosenstein-0921-idJPKCN1M12SF

北村氏の記事は、書いてある通りに、超過出産罰金を共匪が国民から没収し、山分けしたものと思われます。それが当り前の国ですから。国民は収奪の対象でしかありません。民主選挙もないので国民の意思が反映されません。メイ・フォンの『中国「絶望」家族』によれば、今までの一人っ子政策の時には二人目が女性のお腹にいることが発覚した時には、病院へ連れて行き、強制中絶させて来たことが書かれています。人権無視、非人道的な仕打ちが当り前だったわけです。これが、二人っ子政策でも問題が解決しないのはあきらかです。取り締まる役人の飯の種はおろか、副収入の旨味を知っていますので、組織が無くなることはないでしょう。共産主義でなく、民主主義化すれば少しは変わるのではないかと期待しますが。

記事

中国は一人っ子政策を転換したが、出生人口減少に歯止めはかかっていない

 中国は1980年代初頭から1組の夫婦に子供を1人に限定する“独生子女政策(一人っ子政策)”を30年以上にわたって継続してきたが、少子化の進行を懸念して政策転換を行い、2016年1月1日から1組の夫婦に子供を2人まで容認する“全面二孩政策(全面二人っ子政策)”に舵を切った。しかし、2016年の出生人口は1786万人と前年比131万人の増大を示したものの、その効果はわずか1年間しか持続せず、翌2017年の出生人口は1723万人と前年比で63万人減少した。2018年の出生人口はさらに減少することが予想され、何らかの方策で歯止めを掛けない限り、出生人口の減少は今後も継続するものと考えられている。

 9月10日、中国政府“国務院”は、“国家衛生和計劃生育委員会(国家衛生・計画出産委員会)”に21ある内部機構のうち計画出産に関連する3機構を撤廃すると発表した。撤廃されるのは、“計劃生育基層指導司(計画出産末端指導局)”、“計劃生育家庭発展司(計画出産家庭発展局)”、“流動人口計劃生育服務管理司(流動人口計劃出産サービス管理局)”の3機構である。上述したように、出生人口の減少が深刻な問題となっている状況下で、計画出産関連の3機構が撤廃されることは何を意味するのか。

 人々は現在の“全面二孩政策”から待望の出産自由化へ移行するための準備段階に入ったものと考えたが、たとえ中央政府の計画出産関連機構が撤廃されようとも、地方政府の計画出産関連機構が撤廃される動きはなく、それらは依然として存続される模様である。メディアの記者が、この点を四川省“成都市”の「衛生・計画出産委員会」に打診したところ、彼らの回答は、「確かに第2子までの出産は自由化されたが、第3子や第4子の出産が自由化された訳ではないので、現時点で計画出産関連の機構が撤廃される予定はない。それは中央政府が撤廃を決めただけで、地方政府とは関係ない」とのことだった。

 前述したように、中国の一人っ子政策は1980年代初頭に始まったが、これと並行する形で1980年5月に設立されたのが全国的な非営利団体(NPO)の“中国計劃育成協会(中国計画出産協会)”であった。同協会は人々に計画出産と受胎調節を提唱することを目的として設立されたものであるが、建前は「政府の支配に属さない」ことを前提とするNPOだが、それは中国式NPOで、実態は国家衛生・計画委員会(旧:国家計画出産委員会)の計画出産関連機構の下部組織であると言って良い。

中国計画出産協会(本部:北京市)が2018年5月に公式サイト上に示した組織図には次の内容が記載されていた。すなわち、傘下の協会数は91万3593カ所ある。その内訳は、省級レベル:31カ所、“地級(市級レベル)”:390カ所、県級レベル:3324カ所、郷級レベル:5万2444カ所、村落協会:74万7122カ所、事業組織:9万9158カ所、企業および流動人口協会:1万1124カ所。現時点における全国の総会員数は9400万人である。

 2017年末時点における中国の総人口は13.9億人であるから、9400万人は総人口の6.8%に相当する。総人口から16歳未満の人口(2.5億人)を除けば11.4億人であるから、9400万人は11.4億人の8.2%になり、16歳以上の国民の12.2人に1人が計画出産委員会の会員であるという計算になる。

 過去30年以上にわたって、彼らは住民に受胎調節の方法を指導する傍ら、常に住民を監視し、超過出産の可能性があれば強制的に堕胎させて来た。そして、夫婦が第2子を出産すれば、超過出産として摘発し、その報告を受けた地方政府は当該夫婦に超過出産の罰金を科してきたのである。2016年1月1日からは「二人っ子政策」に転換したことから、第2子出産までは自由化されたが、第3子以上は依然として超過出産となるので、これを摘発するのが計画出産協会の会員である彼らの役目なのである。

夫婦が超過出産した場合の罰金

 それでは、夫婦が超過出産した場合の罰金とは何なのか、またその金額はどれ程なのか。一人っ子政策が始まった1980年代初頭には、1人以上の子供を出産した場合に支払いを要求されるのは“超産罰款(超過出産罰金)”であった。それが1992年に“計劃外生育費(計画外出産費)”に改称された。しかし、1996年に『行政処罰法』が制定されると、計画外出産に対して罰金を科すことは禁止されたが、計画外出産費の徴収は公式に可能となった。2000年3月に中国共産党と国務院は連名で『人口と計画出産の任務を強化して、低出産率を安定的に維持することに関する決定』を公布した。そこには下記の内容が明記されていた。

 計画出産政策に違反した家庭に対しては、“社会撫養費(社会扶養費)”を徴収して必要な経済的制約を与える。社会扶養費の徴収基準は、各省、自治区、直轄市で統一的に制定するものとし、徴収した社会扶養費は国家財政へ上納する。

 なお、社会扶養費とは、自然資源の利用を調節し、環境を保護するために、政府の公共社会事業に投入される経費を適宜補填する費用と定義されるが、これはあくまで建前で、実態は超過出産の罰金である。上記の『決定』が公布された後に、「計画外出産費」は「社会扶養費」に改称され、2001年に制定された『人口と計画出産法』にも社会扶養費は明確に規定された。また、2001年に公布された『社会扶養費徴収管理規則』には、明確に「計画外で子供を出産した国民に対して社会扶養費を徴収する。社会扶養費の徴収基準を決定する権限を省政府に与え、それを直接徴収する権限を下部の“郷(鎮)人民政府”あるいは“街道●事処(区政府出張所)”にまで与える」と記載された。

 要するに、一人っ子政策に違反して2人以上の子供を出産した家庭から社会扶養費と名前を変えた超過出産の罰金を徴収することを法律で規定し、中央政府は社会扶養費の徴収基準を決定する権限を各一級行政区(省・自治区・直轄市)政府に与え、その社会扶養費を直接徴収する権限を市・県・郷・鎮の各政府に与えたのである。

社会扶養費の徴収基準

 前述の通り、社会扶養費の徴収基準は各一級行政区政府が決定するので、全国的な統一基準はなく、一級行政区毎に異なる。広東省が2002年9月1日から実施した『広東省人口と計画出産条例』第55条の規定を翻訳すると以下の通り。

(1)都市住民で子供1人を超過出産した場合には、夫婦双方に対し、地元の県(市、区)の前年における都市住民1人当たり平均の可処分所得額を基準値として、一括で3倍から6倍の社会扶養費を徴収する。本人の前年における実際の収入が地元の前年における都市住民1人当たり平均の可処分所得よりも高い場合は、超過部分に対しては1倍以上2倍以下の社会扶養費を追加徴収する。超過出産した子供が2人以上であれば、子供1人を超過出産した場合の社会扶養費を基準値として、子供数を掛けた金額を社会扶養費として徴収する。

(2)農村住民で子供1人を超過出産した場合には、夫婦双方に対し、地元の郷、民族郷、鎮の前年における農民1人当たり平均の純収入額を基準値として、一括で3倍から6倍の社会扶養費を徴収する。本人の前年における実際の収入が地元の郷、民族郷、鎮の農民の前年における農民1人当たり平均の純収入よりも高い場合は、超過部分に対して1倍以上2倍以下の社会扶養費を追加徴収する。

(3)出産間隔(4年間)が不十分で出産した場合は、本条第(1)項あるいは第(2)項規定の計算基準値に基づき、1倍以上2倍以下の社会扶養費を徴収する。

(4)未婚で1人目の子供を出産した場合は、本条第(1)項あるいは第(2)項規定の計算基準値に基づき、2倍の社会扶養費を徴収する。未婚で出産した子供が2人以上の場合は、本条第(1)項あるいは第(2)項規定の計算基準値に基づき、3倍以上6倍以下の社会扶養費を徴収する。重婚で出産した場合は、本条第(1)項あるいは第(2)項規定の計算基準値に基づき、6倍から9倍の社会扶養費を徴収する。

 これを2004年の広東省“広州市”に当てはめてみると、超過出産で2人目の子供を出産した都市部と農村部の夫婦が徴収される社会扶養費は以下のような金額となる。

【都市部の夫婦】
A) 2003年の都市部住民1人当たり平均可処分所得:1万5003元
B) 徴収される社会扶養費:(A×3倍)4万5009元 ~(A×6倍)9万0018元
C) 夫婦2人の合計:(3倍)9万0018元 ~ (6倍)18万0036元

【農村部の夫婦】
a) 2003年の農村部住民1人当たり平均の純収入:6130元
b) 徴収される社会扶養費:(a×3倍)1万8390元 ~ (a×6倍)3万6780元
c) 夫婦2人の合計:(3倍)3万6780元 ~ (6倍)7万3560元

 上記から分かるように、いずれの場合も夫婦2人が年収の3倍から6倍の金額を社会扶養費として徴収されては、よほど裕福な家庭でないと生活に困窮することは間違いない。

 それを覚悟しても子供(特に跡継ぎとなる男児)が欲しい夫婦は、2人目の子供を得るために生活を犠牲にして過大な社会扶養費を支払って来たのである。

 広東省衛生・計画出産委員会が2013年12月4日に発表した、2012年における広東省の社会扶養費徴収額は14.56億元(約240億円)であった。また、この時までに社会扶養費の徴収額を公表していた24の一級行政区合計の徴収総額は200億元(約3300億円)近い金額であり、その中の最高は江西省の33.86億元(約559億円)であり、最低は青海省の350万元(約5775万円)であった。

中国の超過出産に関する社会学の研究論文には、1980年から2010年までの30年間に、中国の超過出産で生れた人口は3億人を上回ったと書かれている。この数字が正しいとして、超過出産1人につき社会扶養費が1万元(約16.7万円)支払われたとすれば、その総額は「3億人×1万元」で、3兆元(約49.5兆円)となる。3億人という数字も正確かどうかは不明ながら、子供1人当たり1万元というのは極めて保守的な数字であり、上述した24の一般行政区の徴収総額から考えても、実際の金額は莫大なものと思われる。

巨額な社会扶養費はどこに?

 ところで、これら巨額な社会扶養費はどこに消えたのか。全てが国家財政へ上納されたのか。2009年4月下旬発行の雑誌『半月談』に掲載された記事には次のような話が報じられていた。すなわち、某地区の“郷”に所在する「計画出産事務所」には職員が6人いるが、その業務経費は毎年50~60万元(約825~990万円)以上に上っている。当該事務所は業務に使用する目的で⼩型乗⽤⾞を1台所有していたが、業務用とは名ばかりで、周辺地域の巡回に使われることはほとんどなく、もっぱら事務所主任の専用車として使われ、その経費だけで年間3万元(約50万円)を費やしていた。

 2009年当時における中国の物価水準から考えると、北京市や上海市のような大都市の職員年収が3~4万元(約50~66万円)であるから、地方の郷では年収が2万元(約33万円)程度だったと思われる。従い、6人いる職員の合計年収は多く見積もっても15万元(約250万円)で十分なはずで、彼らの給与を含めても年間の業務経費が50~60万元になるはずがなく、どう考えても当該計画出産事務所は経費の無駄遣いを行っていたものと考えられる。

 こうした計画出産事務所は上述した中国計画出産協会の傘下であり、彼らの運営費は超過出産の罰金として徴収された社会扶養費によりまかなわれているものと思われる。上述したように30年間の社会扶養費の総計が3兆元なら、この3兆元は中国計画出産協会に属する9400万人の会員によって食い潰された可能性が高い。2016年1月1日から始まった二人っ子政策によって、中国計画出産協会傘下の協会や会員の業務は3人目以上の超過出産に対する監視および取締りとなり、彼らの業務は大幅に減少したはずである。

 今後、中国政府が出産の自由化に舵を切ることになれば、中国計画出産協会は解散を余儀なくされるだろうが、その傘下の91万3593カ所ある協会とそこに連なる9400万人の会員は仕事を失い、路頭に迷うことになる。9400万人の会員のうち専従者がどれほどいるかは不明だが、恐らく5000万人近い人々が失業するものと思われる。中国政府が容易には出産自由化に踏み切れない理由はここにあるが、人間が営む出産という自然の摂理を人為的に抑制した付けを、中国政府が清算する日はそう遠くない将来に到来するはずである。

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