『北朝鮮にはもう、対話など必要ない 文在寅政権は米朝どちらと組むのか』(9/4日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『北朝鮮、対話でも制裁でもない「第三の道」 トランプ大統領の本音は「外交的解決や経済制裁など意味ない」?』(9/6日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

9/6マイケルヨン氏のブログ<北朝鮮>

http://michaelyonjp.blogspot.jp/

杉浦正章氏のブログ

http://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/

9/6時事<自民・石破氏、米核兵器の配備議論を=非核三原則見直し、政府「考えず」>

https://www.jiji.com/jc/article?k=2017090600891&g=prk

9/5宮家邦彦氏BLOGOS<金正恩の誤算“朝鮮戦争の再勃発”>

http://blogos.com/article/244413/

あらゆる記事に共通して言えるのは、北は核もICBMを諦めないという事です。では、今後はどういう展開となるかと言うと①国際社会が北を核保有国と認める→インド、パキスタン、イスラエルも核保有国を要求→日・台(韓国は、文政権は北と統一を狙っているため、日台の保有を邪魔する)も配備を要求→NPT瓦解→国連P5を増やさざるを得ず(国連も益々機能しなくなる)②北の軍隊が逃亡③米軍が北を軍事的に制圧と言ったところでしょうか。これに④米国が北と取引している国、企業、個人に$での取引を禁止する金融制裁を加えたらどうでしょう。③は宮家氏の意見ですが、米軍が攻撃してからでないと難しいでしょう。

日本も核保有について真剣に議論すべきです。左翼の口車に乗せられて自国の安全を蔑ろにするのは愚かなことです。少なくともニュークリアシエアリング、次いでは米国から中距離核ミサイルを買う、最後に自国での開発とステップを踏んで国際社会に粘り強く訴えて行くべきです。

米軍は北の脅威を前にして何もしなければ、状況は悪化していくだけです。マイケルヨン氏の言うとおりです。何時も言っていますように中国は北を使って米国がどう出て来るか見ています。何もしなければ、南シナ海、東シナ海は中国の海となるでしょう。B61-11や「あらゆる爆弾の母」を使い北の兵器を無力化すべきです。非戦闘員に犠牲が少なければ、モラルリーダーとして国際社会から非難されることはないのでは。北がミサイルを撃つのと同時に、壊滅的な打撃を与えれば良いでしょう。飽和攻撃でなければミサイル防衛は機能すると思います。

8/26ブログそよ風<関東大震災の頃の過激テロ、これほど多かったのか!!>

http://blog.livedoor.jp/soyokaze2009/archives/51887611.html

8/28ブログそよ風<6000人虐殺の根拠はテロリストを送り込んだ抗日機関紙記事>

http://blog.livedoor.jp/soyokaze2009/archives/51887699.html

朝鮮半島人は中国人同様平気で嘘をつきます。民族的特質の一つです。鈴置氏の記事にありますように、自分も約束を破るものだから米国の言うことは信じられないとなる訳です。我々が嘘をつくのを嫌うのに何故父祖が嘘をついていると信じ、今でも嘘つきの朝鮮人の言うことを信じるのか分かりません。個人の立場に置き換えればすぐ分かるはずです。GHQの洗脳の呪縛から解放されませんと。自分の立場に置き換え、自分の頭で考えるようにすれば、理解できる筈です。朝鮮総連と在日は監視下に置かないとテロで多くの日本人が死ぬことになります。

鈴置記事

9月3日、北朝鮮は6回目の核実験を実施。ICBMに搭載可能な水爆の実験に成功したと発表した( 写真提供:KCNA/UPI/アフロ)

前回から読む)

北朝鮮は米国と交渉する必要がなくなった。核武装を実現した――少なくとも、そう主張できるようになった――からだ。

中国と同等の核保有国だ

—9月3日、北朝鮮が6回目の核実験を実施しました。

  • 北朝鮮の核実験
回数 実施日 規模
1回目 2006年10月9日 M4.2
2回目 2009年5月25日 M4.7
3回目 2013年2月12日 M5.1
4回目 2016年1月6日 M5.1
5回目 2016年9月9日 M5.3
6回目 2017年9月3日 M6.3

(注)数字は実験によって起きた地震の規模。米地質研究所の発表による。

鈴置:同日午後、北朝鮮はICBM(大陸間弾道弾)に搭載できる水爆の実験に成功したと発表しました。7月4、29日にはICBMと称する「火星14」号を試射しています。

北朝鮮の主張によれば、少なくとも米本土の一部には水爆を撃ち込めるようになったわけです。発表には疑わしい部分――例えば、再突入の際にも弾頭が燃え尽きない技術を確保したか、などの疑問――も残ります。

ただ、北朝鮮への軍事攻撃にはかなりの決心が要るようになりました。核による反撃を覚悟する必要が出たからです。

公式に認めるかはともかく、実質的には北朝鮮を核保有国と見なさねばならなくなったのです。その意味で米国や日本、韓国にとって戦略環境がガラリと変わりました。

すでに宣言していたことですが北朝鮮は今後、核・ミサイルに関する交渉には一切、応じないと思います。「中国と同様の核保有国だ。それを破棄せよとは何事だ」という理屈です。

この期に及んでも「北朝鮮と対話せよ」と言う人がいます。状況を完全に見誤った主張です。こちらが対話したくても、北朝鮮にその必要がなくなったのです。

「実験中断」は無意味に

—核・ミサイル実験の中断に関しても交渉できないのですか?

鈴置:米国や日本にとって「実験中断」の意味は薄れました。「中断」は核武装を食い止めるのが目的でした。「核武装」してしまった以上、実験を止めても状況が改善するわけではないのです。この部分に関して言えば、米国や日本の側に対話の必要がなくなったのです。

これまで北朝鮮が対話に出るふりをすることはありました。核武装が完成するまでの時間稼ぎでした。対話の姿勢を見せている間は、米国から攻撃されないからです。でももう「対話のふり」する必要はなくなったのです。

—では、解決には軍事的な圧力と経済制裁を強化するしかないのですね。

鈴置:その通りです。しかし、現在程度の圧力では北は交渉に応じないと思います。8月5日に決めた国連制裁では北朝鮮の輸出の3分の1を止めるに過ぎません。

中国やロシアが本気で制裁を守るかも怪しく、北朝鮮の外貨稼ぎに決定的な影響を与えることはできないと見られます。そもそも、中国企業が北朝鮮への委託加工を増やしている縫製品などは制裁品目に入っていないのです。

原油を止められるか

—北朝鮮への原油を止める手は?

鈴置:今後、日米が国連安保理でそれを主張するでしょう。しかし、常任理事国の中ロが賛成するかは不明です。

下手に原油を止めて北朝鮮経済が破たんすれば、国境を接する自分の国に難民がなだれ込む可能性が高いからです。仮に安保理で原油の輸出禁止が決まっても、これまた中ロがきちんと守るかは分かりません。

—では、米韓合同演習の中止や在韓米軍の撤収を交換条件に北朝鮮と交渉する手は?

鈴置:米国や日本が要求する条件が見当たりません。先ほど申し上げたように、「核・ミサイル実験の中断」は意味が薄れました。

交渉で実現可能なのは「第3国・テロリストに核・ミサイルを売らない」くらいです。米国にはともかく、日本にとっては国益に必須の条件とはいえません。

何を条件に交渉をするにせよ、北朝鮮は高い値段を付けると思います。「合同演習の中止」くらいでは取引に応じないかもしれません。北は別段、交渉に応じなくともいいのです。

対話では安定を作れない

—北朝鮮が求めるのは例えば、在韓米軍の撤収ですか?

鈴置:それを示されても、北が応じるかは疑問です。理由は2つあります。「北が核武装した」ことを思い出して下さい。

在韓米軍の脅威は大いに減りました。北にとって、もちろん存在しない方がいいのでしょうが、核武装した北朝鮮が南側から攻撃される可能性はぐんと減りました。

もう1つ、北朝鮮が交渉を受けないと思われる理由は「相手を信用しないから」です。米軍が撤収したとしても、いつ戻ってくるか分からない。仮に米国が韓国との同盟を破棄したとしても、同じです。

—なぜ、北朝鮮は米国が約束を破ると思うのでしょうか。

鈴置:それは自分が破ってきたからです。朝鮮半島では約束は破られるものなのです。約束を破ることが力を見せつけることなのです。だから北朝鮮は外国との条約や合意とは関係なしに自らを守れる核を持ったのです。

韓国もそうではありませんか。朴槿恵(パク・クネ)政権は自分が結んだ慰安婦合意をいとも簡単に破りました。

文在寅(ムン・ジェイン)政権はそれに加え、日韓国交正常化の際の基本条約も踏みにじり始めました。朝鮮人徴用工への補償まで要求し始めたのです。

1965年の国交正常化当時「個人への補償は韓国政府が行うので、日本政府は韓国政府に一括して払ってほしい」と主張。日本が承諾したら、今になって「個人の請求権は消滅していない」と言い出したのです。

話を戻します。北朝鮮が約束など信じない以上、いくら話し合っても安定した状態にはならないのです。仮に、瞬間的には妥協が成立したように見えても。

黙認か、軍事攻撃か

—「対話」が成立する可能性はほとんどなくなったのですね。

鈴置:その通りです。今後、予想される展開は2つ。まず、現状維持――つまり北朝鮮の核武装を黙認する。もう1つは軍事力によって北の核を除去する、です。後者には金正恩(キム・ジョンウン)暗殺も含みます。

中国もこうした状況は分かっています。米国の動きを見て、原油の禁輸など新たな制裁案に対応すると思います。

—高いおカネをかけて核武装に成功。でも、北朝鮮の経済は弱いままです。

鈴置:金正恩政権は核武装によって減らせる通常兵力向け資源を、今後は経済開発に振り向けるつもりでしょう。

それに韓国に期待できます。運がいいことに韓国には北との融和を唱える左派政権が生まれました。今すぐとは行かなくとも、文在寅政権は「対話」を求め、援助を申し出てくるでしょう。もちろん「現状維持」の場合――金正恩政権が生き残った場合の話ですが。

米国の核か、民族の核か

—左派政権だからといって、核武装した北朝鮮と仲良くするものでしょうか。

鈴置:北が核武装したから仲良くするのです。文在寅政権には「米国の核の傘」を頼りにするのではなく、「北の傘」を頼る手ができたのです。それは同じ民族の核なのです。

高濱記事

この男を説得できる人間はいるか?(写真:AP/アフロ)

――北朝鮮が9月3日、大陸間弾道ミサイル(ICBM)用水爆の実験に成功したと発表しましました。北朝鮮の核実験はこれで6回目。トランプ政権が発足して以降では初めてです。米国の反応はどうですか。

高濱 ドナルド・トランプ米大統領は直ちにツイッターに「北朝鮮が重大な核実験を行った。彼らの言葉と行動は引き続き米国にとって敵意に満ち溢れた危険なものだ」と書き込みました。

そのうえで「北朝鮮はならず者国家で、解決を試みながら成果を上げられない中国にとって大きな脅威であり、悩みのタネだ。私がこれまで言ってきたように、北朝鮮には慰撫など全く通用しない。これ(核実験)で韓国はわかったはずだ」としています。

そのあと、安倍晋三首相に電話をかけました。日本時間3日午後11時、米東部夏時間では3日早朝でした。大洪水に見舞われているテキサス州への視察を終え、ワシントンに戻る大統領専用機「エアフォースワン」の機内から電話を掛けたそうです。

トランプ大統領は、今回の核実験について「この暴挙は見過ごすことができない」と安倍首相に言っています。それならば、どのような措置を講じるのか。トランプ大統領は3度にわたる安倍首相との電話会談でほのめかしたでしょうが、どちらも「かん口令」をしいているようです。

「私は前任者(オバマ前大統領)とは異なり、次に何をするかを相手に前もっては言わない主義だ」というのがトランプ大統領の口癖ですから(笑)

――トランプ大統領はともかく、米政府としての「次の一手」はどうなるでしょう。

高濱 ホワイトハウスは3日、トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領、レックス・ティラーソン国務長官、ジェームズ・マティス国防長官、ジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長らが国家安全保障会議(NSC)安全保障チームによる緊急会合を開きました。会合の後、マティス国防長官がステートメントを読み上げました。

「米国やグアムを含む米領、そして同盟国に対する(北朝鮮による)いかなる脅威も、大規模な軍事的対応、効果的かつ圧倒的な対応に直面するだろう。われわれには数多くの軍事的選択肢があると大統領に説明した。米国には自国と同盟国である日本、韓国を(北朝鮮の)攻撃から守る能力がある。われわれの関与は揺るぎない」

「国連安全保障理事会(安保理)が北朝鮮の脅威に対し一致して上げた声に金正恩(朝鮮労働党委員長)は耳を傾けるべきだ。われわれは北朝鮮であれ、どこであれ、いかなる国も完全に壊滅させるつもりはない。ただし、その(壊滅の)ための選択肢は多数ある」

これまで、トランプ大統領が軍事的解決を口にすると、それをトーンダウンすべく「対話」の可能性をちらつかせてきたのがマティス長官です。そのマティス長官が会合後、ダンフォード議長とともに記者団の前に現れて、軍事的対応も辞さぬ構えを見せました。

軍事カードは切れない

――核実験の強行を受けて、トランプ政権は軍事行動に出るのでしょうか。

高濱 マティス長官は「多くの軍事的選択肢がある」と言っています。しかしながら選択肢はあってもそのカードを切れない悩ましさがあります。

これまでメディアで報じられてきた「斬首作戦」(金正恩殺害)にしても、「外科的攻撃作戦」(surgical operation=ミサイルによる核施設空爆作戦)にしても、それに踏み切れば、北朝鮮が報復攻撃に出るリスクが避けられません。韓国、日本、そして両国に駐屯する米軍に対し、北朝鮮は死に物狂いの攻撃を仕掛けてくるでしょう。軍事的選択肢は数あれど、敢行すれば、一気に戦争になりかねません。

――米議会の反応はどうですか。軍事行動に出るとすれば、当然のこと議会の承認が必要になってきますよね。

高濱 有力議員が日曜日(3日)のテレビ番組に出演していろいろ発言しています。議員の中にはトランプ大統領のツイッターのレトリックを取り上げて、批判する者もいました。

「大統領のツイッターは百害あって一利なし。大統領が挑発的な発言をすればするほど緊張が高まる」(ジェフリー・フレイク上院議員=共和党、アリゾナ州選出)

「外交軍事政策は外交官や軍人に任せておけばいいのだ。大統領は直ちにツイッターをやめるべきだ」(ホワキン・カストロ下院議員 =民主党、テキサス州選出)

議員サイドから具体的な措置として提案され、注目を集めたのは、「北朝鮮と貿易している第三国に対する副次的制裁(secondary sanction)を検討すべきだ」(アダム・シェフ上院議員=民主党、カリフォルニア州選出)という提案でした。北朝鮮に対する「兵糧攻め」です。

その直後、トランプ大統領も2回目の“つぶやき”で「北朝鮮とビジネスを行っているすべての国との貿易停止を考慮している」と書き込んでいます。

――北朝鮮と通商関係にある国は中国以外にどのくらいあるのですか。

高濱 北朝鮮の最大の貿易相手国は中国です。貿易額は年間61億ドル。第2位はインド(貿易額1億4500万ドル)、次いでフィリピン(同8900万ドル)、ロシア(同8400万ドル)と続きます。

あまり知られていないかもしれませんが、北朝鮮は東南アジアや南アジアの国とも通商関係を結んでいます。タイ(同5300万ドル)、パキスタン(同4900万ドル)、ブルキナファソ(同3400万ドル)、ドミニカ共和国(同2000万ドル)、ベネズエラ(同1600万ドル)などです。 (“U.S. Threatens Trade With Countries Over Support for North Korea,” Nick Wadhams, www.bloomberg.com., 7/4/2017)

中国はもちろんのこと、ロシアやインドもこの「副次的制裁」に反対するでしょう。ですから国連安保理の制裁決議案に盛り込むことは難しいと思います。おそらく米国単独のものになりそうです。

北朝鮮の「出稼ぎ労働者」は年間5万~10万人

――北朝鮮は出稼ぎ労働者を海外に派遣し、外貨獲得に役立てているようですね。河野太郎外相は制裁の選択肢の一つとして、相手国に出稼ぎ労働者の受け入れを制限するよう求めることを上げていますね。

高濱 米国では、北朝鮮が海外に送り出す出稼ぎ労働者を「state-sponsored slaves」(官製奴隷労働)と呼んでいます。

どの国に、どれだけの数の労働者を派遣するかはすべて北朝鮮政府が決めています。労働者は1日10~12時間、1週6日間、道路整備などの土木工事に従事させられています。

人権団体の推定によると、年間10万人近く(国連報告では5万人)の出稼ぎ労働者を海外に送り、その賃金を北朝鮮政府がピンハネしているそうです。その額は推定で、年間12億ドル~23億ドル。そのカネが核・ミサイルの開発費用に回されているわけです。

北朝鮮からの労働者を受け入れている国は、中国とロシアのほか、欧州ではドイツ、イタリア、オーストリア、オランダ。中東のカタールや東南アジアではマレーシアにまで及んでいます。

米国は、この出稼ぎ労働者を受け入れる数を大幅に削減するよう、国連安保理を通じて、各国に呼びかけようというのです。中国、ロシアはもとより、安価な労働力を得ているドイツやイタリアがすんなり賛成するかどうか、疑問です。 (“100,000 North Koreans sent abroad as ‘slaves,'” Tom Phillips, www.terlegraph.co.uk., 2/20/2017) (“North Korea Sends hundreds of ‘State-Sponsored Slaves’ To Europe: Right Group,” Emma Batha, Reuters, 7/6/2016)

「外交的解決や経済制裁など意味ない」?

――北朝鮮はこのあと9月9日には建国記念日、10月10日には朝鮮労働党創建記念日を控えています。またミサイルを発射する可能性が大ですね。相次ぐミサイル実験、核実験ではらわたが煮えくり返っているトランプ大統領の血圧はますます上がりそうです。

高濱 トランプ大統領のツイッターでの発言を時系列的で分析し検証しているジャーナリストのマイク・アレン氏は、同大統領の深層心理をこう分析しています。

「トランプは、北朝鮮の問題を外交で解決するのは非現実的だ、各国の政治的思惑や利害が絡む国連安保理主導の経済制裁にも限界がある、と見ている」

「トランプのホンネは、金正恩の火遊びを止めさせるには軍事的選択肢しかない、だ。しかし、そうすれば破滅的な規模の人的被害(a catastrophic human fallout)が出ることもわかってきた。それでも北朝鮮が核・ミサイルで脅威をエスカレートし続けるなら米国も最大限の軍事的圧力をかけねばならないと考えている」

「金正恩に核兵器を放棄させるには、『米国は本当に北朝鮮という国家を壊滅させる』という現実を分からせること以外にない。それがトランプの本心だ」 (“1 big thing: Diplo-tweeting and the cycle of escalation,” Mike Allen, Axios AM, 9/3/2017)

北朝鮮のエリートに説く

しかし、それがトランプ大統領の本心であっても、実際には実行できない。そうした中で注目されるのが、2人の専門家が提案している「第三の道」です。

ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の下で国家安全保障会議(NSC)東アジア上級部長を務めたデニス・ワイルダー氏(現ジョージタウン大学教授)と、保守系シンクタンク「ヘリテージ財団」のブルース・クリンガー上級研究員です。

ワイルダー教授はこう述べています。「金正恩はすでに確固たる決断をしている。核弾頭を搭載できるICBMを実用化して、米本土への攻撃を可能にする戦力を保有するとの決断だ。米国としては、金正恩のこの決断を阻止できるかどうかではなく、北朝鮮のエリート集団を説得できるかどうかが重要だ。彼らに『そんなことをしたら平和や安定を確保するどころか、北朝鮮という国家が壊滅してしまう、だからやめましょう』と金正恩を口説かせる」

問題は、エリート集団にどうアプローチするか、です。

これについてクリンガー氏が具体案を示しています。「『対話と制裁』という手段はこれまで成功しなかった。北朝鮮が無条件対話を望んでいる限り、対話は時期尚早だ」

「米国は持っているすべての国力を総動員して包括的、総合的な対北朝鮮戦略を実施することだ。米国が有している国力とは、国連安保理への影響力、米国および同盟国を防衛するための軍事力、経済・財政面の影響力、人権擁護を提唱する力、情報を伝播させる力、サイバー力だ。これらの力を総動員して北朝鮮に住むエリート集団や一般大衆に国際社会の通念を伝え、金正恩を説得させる。それがだめなら、現体制を段階的に崩壊させる方向に彼らが動き出すよう、そそのかすことだ」 (“Deter North Korea Elite Instead of Kim,” Dennis Wilder, The Cipher Brief, 9/3/2017) (“North Korea Responds to Trump’s “Fire and Fury” Threats with a Hydrogen Bomb,” Bruce Klingner, The National Interest, 9/2/2017)

短絡的なトランプ大統領がこの2人の提案に耳を貸すかどうかは別問題です。しかし保守系の識者からこうした提案が出ている点を注視すべきです。つまりトランプ大統領のホンネがどこにあろうとも、米国内には軍事的解決は無理だと考え、「第三の道」を模索する“余裕”がまだあるということです。

10月の中国党大会を前に緊張高まる米中関係

――最後に北朝鮮情勢は米中関係にどのような影響を与えそうですか。

高濱 新たな核実験を受けて中国外務省は「断固とした反対と強烈な非難」を表明しました。中国は国連決議に従い、北朝鮮からの石炭や水産物などの輸入を止めていますが、北朝鮮を追い詰めかねない石油の禁輸には反対してきました。

4日午前から始まった国連安保理の緊急会合で、米国が提案する石油禁輸や北朝鮮労働者受け入れ規制などを中国が容認するかどうか。

10月18日から開催される中国共産党大会を控えて、習近平国家主席が米国に譲歩するとは思えません。政権基盤を確固たるものにするためにも「朝鮮半島における混乱と戦争は容認しない」(劉結一・中国国連大使)というのが習氏の基本姿勢です。米国の軍事行動を阻止するためにロシアと「共同戦線」を組む可能性だってあります。金正恩氏の一挙手一投足をにらんで米中関係は緊張度を強めそうです。

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