『台湾総統選の泡沫から本命に、柯文哲が目指す「親中」でも「親米」でもない道 東アジア「深層取材ノート」(第195回)』(7/15JBプレス 近藤大介)、『台湾総統選で第3候補が意外な人気を集めた背景 受け答えのうまさと裏腹の失言という弱点』(7/15東洋経済オンライン 小笠原欣幸)について

7/14The Gateway Pundit<Tucker Carlson To Launch New Media Company with Former White House Advisor – Opening Possible New Front in War Against Fox News=タッカー・カールソン氏、元WH顧問とともに新メディア会社を立ち上げる―FOXニュースと新たな戦線を開く可能性>

既存のメデイアでは自由に発言できない。イーロン・マスクのツイッターを使い、自由な言論を守っていってほしい。

新しい報道によると、元FOXニュース司会者のタッカー・カールソン氏が、政治エスタブリッシュメントとFOXニュースに対抗する次の行動を決定したことが明らかになった。

WSJは、タッカー氏が元ホワイトハウス顧問ニール・パテル氏と提携して新しいメディア会社を立ち上げたと明らかにした。この取り組みには数億ドルの費用がかかり、現在二人はその資金を集めている。

同紙は、この新会社はカールソン氏がフォックス・ニュース社を形式ばらずに退社して以降、ツイッターに投稿してきた無料ビデオの長いバージョンを購読して運営することになると指摘した

Twitter やその他のプラットフォームでは、人々は依然として短いビデオに無料でアクセスできます。

フォーブス誌は重要な点を一つ指摘している。WSJの報道には、カールソン氏とパテル氏の新しいメディア事業が順調に軌道に乗ったとして、いつ開始されるかについては言及されていない以前に報じられたように、カールソン氏はまだFOXニュースとの契約を結んでいると伝えられており、彼が制作するコンテンツは2024年12月31日までFOX独占でなければならない。

FOXニュースと競合する新しいメディア会社を立ち上げれば、新たな訴訟の波を引き起こす可能性がある。とはいえ、タッカー氏は自分を黙らせようとするFOXニュースの取り組みに強く抵抗すると誓った。

最後に笑ったのはタッカーだった。彼は新しい Twitter 番組でこれまでに 9つのエピソードを司会し、合計 4億 6,710 万回の視聴回数を獲得しました。これはFOXニュースよりも多くの視聴者だ。

タッカー氏がメディア事業の立ち上げに成功すれば、ネットワークは新たな多くの頭痛の種に対処することになるだろう。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/07/tucker-carlson-launch-new-media-company-former-white/

7/13The Gateway Pundit<REPORT: Top Democrats and Donors Seeking to Replace Joe Biden After Seeing Campaign Pace (VIDEO)=レポート:選挙運動のペースを見て、民主党トップと献金者がジョー・バイデンの後任を模索中(ビデオ)>

左翼メデイアもバイデンでは2020年以上の不正をしないと勝てないという焦りがあるのでは。不正選挙の訴えを、最高裁が2020年のように門前払いするかどうかは分からない。このところ保守派の喜ぶ判決が続いているから。共和党が勝てば不正選挙の調査が始まる。

CNNは次のように報じた。

民主党幹部や献金者らが後任の大統領候補と目される人々に接触する中、イベントの傍らでの静かなささやき、テキストメッセージ、電子メール、こっそりの電話など、会話が続いている。

何人かの関係者の側近がCNNに語った会話の中で、準備をしなさい、と彼らは促している:彼の発言にもかかわらず、発表されたキャンペーンにもかかわらず、ジョー・バイデン大統領は実際には再選に立候補しないだろう。

彼らは、もう時間がなくなりつつあると感じており、彼らが望んでいるより強力な選挙活動が行われていないのは、彼の心が本気で取り組んでいないことの表れであると感じている。

当然のことながら、バイデン当局者らは、同氏が次期出馬しないという考えを嘲笑し、同氏は過小評価されていると主張している。彼らはまた、あらゆる準備を真剣に行っていると主張している。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/07/report-top-democrats-donors-seeking-replace-joe-biden/

7/15阿波羅新聞網<开打?五角大楼放信号 准备好与中共武装对抗  —美防长:准备好与中武装对抗!中大使赴五角大楼=開戦? 国防総省は信号を送る 中共との武力対決に準備はできた―米国国防長官:中国との武力対決に備えよ! 中国駐米大使は国防総省に赴く>

米国国防長官:中国軍と対決する準備はできている

最近の米国高官らの相次ぐ中国訪問は、両国関係が緩和する勢いを示している。 13日のロイター通信の報道によると、中国の謝鋒駐米大使とイーリー・ラトナー米国防次官補(インド太平洋担当)は現地時間12日に会談し、両国間の防衛関係や国際・地域の安全保障について話し合った。謝鋒は米中軍事交流のボトムラインを宣言し、米国に対し3つの中米共同コミュニケを遵守し、台湾やその他の問題に慎重に対処するよう求めた。

謝鋒は「健全で安定した米中関係は両国の共通の利益に合致するものでなければならない。相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力が米中にとって正しい道だ」と述べた。また、米国は障害を取り除き、台湾の問題に慎重に対処し、両国間の軍事関係を正常な軌道に戻すための行動をとるべきであると強調した。

国防総省のマーティン・ミナス報道官は、米国は引き続き中国軍との意思疎通を図ると述べ、両軍間の円滑な意思疎通を確保することが重要であるとの認識でも一致した。 ミナスは、米国は両国国防相間の意思疎通に障害はないと考えており、両国間の協議を歓迎すると強調した。

米国は国防相会談を頭を下げてまで開くことはない。みっともない。

中国の謝鋒大使(左)は米国防総省を訪れ、ラトナー米国防次官補と会談し、両国間の防衛関係について話し合った。 図:新しく写真を合成(在米中国大使館および米国国防総省より抜粋)

https://www.aboluowang.com/2023/0715/1927495.html

7/15阿波羅新聞網<自做多情了!习帝凌驾 中国不存民企 外企在地雷间穿梭—《红色赌盘》作者沈栋在美作证:习近平是掌控中国的皇帝=自分のすることに思い入れがありすぎ! 習皇帝は他を圧倒 中国には民間企業はなく、外国企業が地雷の間をウロウロしている——「レッド・ルーレット」の著者沈棟は米国で証言「習近平は中国を支配する皇帝だ」>特別委員会のマイク・ギャラガー委員長は公聴会で、中国の国有企業も民間企業も共産党の管理下にあると述べ、「中国には民間企業はなく、反スパイ法、データセキュリティ法、反外国制裁法を通じて、中国政府はあらゆるデータを取得し、あらゆる財産を凍結し、あらゆる知的財産権を取得することができる。中共政府は企業内に共産党組織の設立を要求することが多く、中国の軍民統合政策により、民間企業は人民解放軍または諜報機関の道具になる可能性が高くなっている」と。

共産国家は党の指導が最優先だから、個人や法人の意思など尊重されるわけがない。裁判も同じで、結論は党が決める。然も賄賂付きで。

https://www.aboluowang.com/2023/0715/1927457.html

7/15阿波羅新聞網<习一直在“非常仔细地”关注这事 CIA高官曝—CIA高官:习把普京当小弟 对瓦格纳叛乱警惕=習はこの問題をずっと「非常に注意深く注視している」とCIA高官が明らかに – CIA高官:習はプーチン大統領を弟のように扱い、ワグネルの反乱に対し警戒している>中国の習近平国家主席は「明らかに」ロシアを「弟」とみなしており、ロシアとの緊密な関係を維持することに慎重である一方、ワグネルの傭兵グループによる組織的反乱を警戒しているとCIAのNo.2は述べた。

米国の国防ニュースウェブ「ブレイキング・ディフェンス」は木曜日(7/13)、デビッド・コーエンCIA副長官が情報・国家安全保障同盟のイベントに出席した際、「露中の関係は強固だ。彼らは無制限のパートナーシップを宣言した。それはこの戦争の過程で証明されている」と述べたと報じた。

もちろん、北京も戦場のあらゆる状況を注意深く注目している。 コーエンは、習主席がウクライナ情勢の進展を「非常に注意深く」見ていることは「疑いの余地がない」とし、「(ワグネル党首)プリゴジンの反乱にはおそらく警戒している」と語った。

プーチンも中国の下に扱われて惨め。自業自得でしょうけど。

https://www.aboluowang.com/2023/0715/1927394.html

7/15阿波羅新聞網<警报!习正全方位积极备战,动作又快又狠…=警告! 習は全方位で積極的に戦闘の準備を進めており、その行動は迅速かつ冷酷である・・・>長距離攻撃火力の点で中国と公平に競争するために、米国と中共の間の戦略的競争に関する特別委員会のマイク・ギャラガー米下院委員長とジョニ・アーンスト上院議員(アイオワ州選出の共和党上院議員)は最近、中国のミサイル優位性を抑制し、太平洋周辺で火力を運用するためのルールを策定し、太平洋地域全体に信頼でき、且つ負担可能な戦闘力を展開し、中国の主戦場での優位性を弱めるための戦略を策定するよう国防総省に求めるという記事を書いた。

環太平洋火山帯(Rings of Fire)とはもともと、太平洋の周囲に馬蹄形に広がる、地震や火山の噴火を頻繁に発生させる長さ4万キロメートルの地質活動地帯を指す。 ギャラガーとアーンストは、インド太平洋地域における米国の戦域攻撃能力のギャップと、軍がそれらのギャップを埋める必要性を評価する「2023年リング・オブ・ファイア法」(Rings of Fire Act of2023)を間もなく導入すると述べた。

「日本とフィリピンは短距離システムを配備することができ、一方で長距離システムはオーストラリア北部、太平洋諸島、アラスカに配備することができ、太平洋の縦深防御を構成する『火力の環』を作り出すことができる。」

日本も短距離・中距離だけでなく長距離ミサイルも持てばよい。ロシアも敵国なのだから。それと数量の確保が一番大事。防衛産業をしっかり育てないと。

https://www.aboluowang.com/2023/0715/1927349.html

7/14希望之声<深圳二手房市场惨澹 平均每名中介一年只卖出一套房=深圳の中古住宅市場は惨憺たるもので、各仲介業者が平均して年間1戸しか販売してない>国内不動産市場の景気の風向きを示す深圳の中古住宅市場は、今年3月と4月に一時的に持ち直したが、過去2カ月で再び谷底に落ち込んだ。データによると、深圳の中古住宅仲介業界は現在低迷しており、各仲介業者が販売する住宅は平均して年間1戸にとどまっている。

深圳不動産仲介協会が12日に発表したデータによると、今年上半期、深圳市の登録仲介業者2万7000人の1人当たり月平均取引高は0.09戸で、年間1.08戸だけの仲介販売に相当する。

いよいよ経済崩壊してくれるかな?

https://www.soundofhope.org/post/738566

何清漣 @HeQinglian  11h

私は過去10数年、何度も言ってきた:外貨準備は中国政府の財産​​でも国民の財産でもない、総てが負債に相当する。 それは中国の為替管理制度がもたらした「利潤」である。

主に、対外貿易企業の外国為替決済、中国における外国企業の利潤留保、中国にある外国政府機関の預金(中国では人民元のみ使用可能)、国内居住者の米ドル預金などのいくつかの部分で構成されている。 etc.… もっと見る

引用ツイート

ハーレー @Harley_yuk  22h

返信先:@HeQinglian

2003 年以降蓄積された富、数兆ドルの外貨は全部使われたのか? 多くの人が尋ねている。

何清漣 @HeQinglian  11h

ウクライナファン は毎日いくつかの新しいジョークを創る。

私の纏めとツイ友の補足は、彼らに新しい道を切り開かせる:あなたたちロシアファンと我々は同じである。 中立のふりをしてこのように言う人もいた。

彼らが少し創造力を発揮して、我々に知的敬意を払ってくれることを願おう。

引用ツイート

何清漣 @HeQinglian  Jul 13

返信先:@HeQinglian

ウクライナファンを装い、極端な反共・反中の人のコメント(過去の行為から学んだ):

  1. この種の偏った真実ではない情報もリツイートする、学者のくせして。
  2. あなたはこの有名なピンク(アカに近い)と同じ枠に入る・・・。
  3. ウクライナは勝たなければならず、ゼレンスキーは英雄として世界史に名を残すことになるだろう。
  4. 黄色人種のロシアファンよ、あなたは生まれた時からソ連とプーチンが好きで、それは大人になるまで変わらなかった・・・。
  5. プーチン大統領は裁判にかけられるだろう・・・。

何清漣 @HeQinglian  6h

昨日、ツイ友が個人メッセージで NATO のアジア太平洋地域への拡大について話していたが、これは計画だと思う。その理由は米国の多額の債務である。

NATOの中で軍事の実力を持っているのは米国、英国、フランスだけである。 英国は財政的に自国を守るのに苦労しており、マクロンの国はイスラム系家族の二世、三世が失業による暴動を起こしたばかりで、軍事費の増額は当然極めて困難であることを自覚しており、明確に反対している。 … もっと見る

引用ツイート

L JM🇺🇸 @zhixiangziyou 10h

米国は9,000億ドル以上の債務利息を支払っており、その額は次の四半期には1兆ドルに達する見込みである。

この時点で、借金の数字が指数関数的に増加し始めるだろう。

http://zerohedge.com/markets/endgam…

何清漣 @HeQinglian  8h

米国下院の鋭い矛盾は対中政策に反映されている:… もっと見る

近藤氏の記事で、柯文哲の言っていることは、小沢一郎の日米中「二等辺三角形論」を思い出させる。小沢の親中を隠す狙いがあったように、柯文哲もそう狙っているのでは。或いは社会党の非武装中立論をイメージして、武装中立論と言いたいのかもしれませんが、軍事大国中国に、台湾だけで勝てるわけがないのは自明。自由と民主主義を守る立場であれば、旗幟を鮮明にして、日本同様、安全保障は米国と明確に述べた方が良い。

柯文哲は隠れ国民党と言う記事をどこかで読んだ記憶がある。侯友宜と同じくどこかで92年コンセンサスを認める可能性がある。台湾の若い人は誑かされないように。

小笠原氏の記事では、柯文哲の人となり(鵺的人間)と来年の台湾選挙をキチンと解説しており、こちらの記事の方が面白い。

近藤記事

柯文哲・台湾民衆党主席(写真:つのだよしお/アフロ)

7月14日、ついに次期台湾総統選挙まで、半年を切った。4年に一度の台湾総統選挙では、通常であれば選挙まで半年を切ると、民進党と国民党が互いに党大会を開き、両候補者が副総統候補者を従えてがっぷり四つに組んで、本格的な「開戦」となる。いわばアメリカ大統領選方式だ。実際、民進党は7月16日に、国民党は23日に党大会を予定している。

だが今回に限っては、百戦錬磨の台湾の政界関係者や政治記者たちも、総統選の予測が立たず、頭を抱えてしまっている。それは他でもない。当初「泡沫候補」と見られていた「第三の男」、野党・民衆党主席の柯文哲(か・ぶんてつ)候補(前台北市長)が、世論調査でトップに立ってしまったのだ。まさに、前例のない展開となってきたのである。

今回の総統選挙、お決まりの「民進党vs国民党」の構図にならず

いまから1カ月前の6月14日~16日に世論調査を行ったTVBSの世論調査で、柯文哲候補は、初めてトップに立った。具体的には、柯文哲候補33%、蔡英文(さい・えいぶん)総統の後継者である与党・民進党の頼清徳(らい・せいとく)候補(副総統)が30%、そして捲土重来を期す野党・国民党の侯友宜(こう・ゆうぎ)候補(新北市長)が23%である。

台湾の世論調査機関は、与党系から野党系まで様々なので、たった1回の結果で即断はできない。だが、6月28日~7月1日に台湾メディア「匯流新聞網」が行った世論調査でも、柯文哲候補は30.8%でトップに立った。以下、頼清徳候補が29.3%、侯友宜候補が18.5%だ。

もっと広く見て、過去1カ月に行われた各社、計10回の世論調査の平均を取ると、頼清徳候補32.2%、柯文哲候補29.3%、侯友宜候補19.0%となっている。ここから読み取れるのは、もはや伝統的な「民進党vs国民党」の一騎打ちではなく、「民進党vs民衆党」の一騎打ちとなっていることだ。

割を食った格好の侯友宜候補は、早くも脱落寸前だ。国民党では「換侯」(侯候補を下ろして候補者を交換する)の声も上がり始めている。

国民党は過去に、2016年1月の総統選挙で、不人気の洪秀柱(こう・しゅうちゅう)副主席(当時)を、選挙の3カ月前に降板させた。そして急遽、朱立倫候補(当時は新北市長)を擁立した。結局、この選挙戦終盤のドタバタで、民進党の蔡英文候補が勝利し、現在の2期8年政権が始動した。今回も、23日の国民党大会は紛糾必至だ。

「人々は国民党にも民進党にも飽き飽きしている」

逆に、「時の人」となっているのが、民衆党の柯文哲候補である。「第三の男」は台湾でいま、どんな「地殻変動」を起こしているのか? 先月、来日した柯文哲候補に、記者会見で私がいろいろ質問したら、柯候補は半ば癇癪を起こしたように、こう言い放った。

「いまの台湾を、従来型の国民党か民進党かという二極構造で捉えること自体が間違っている。たしかに台湾政治は、過去20年以上にわたって、国民党か民進党かという選択肢のもとに選挙が行われてきた。

だが、いまの台湾人の民意は、『国民党にも民進党にも、もう飽き飽きした』というものだ。特に、若い世代にそういった意識が強い。

私は2014年の台北市長選挙で、そのようなことを唱えて、無所属で立候補した。当時、私の主張は絵空事のように(台湾)メディアから批判されたが、結局、私が国民党と民進党の候補を破って勝利した。2018年の台北市長選挙でも、同様のことが起こって、再選された。

2014年11月、台北市長選挙に無所属で立候補し、見事勝利したときの柯文哲氏(写真:ロイター/アフロ)

当時、台北で起こった大きな政治の潮流が、いま台湾全土で起こり始めているのだ」

この東京での記者会見が行われたのは、6月8日である。この時点で私は、恥ずかしながら、2014年や2018年の台湾メディアと同様の思考回路だった。

台湾総統としてホワイトハウスに入っていくこと以上に重要なもの

だが、選挙まで半年を切って、ついに「第三の泡沫候補」は、「本命」に躍り出たのである。柯文哲候補は7月12日、こんな発言をしている。少し長くなるが、引用する。

「今回の選挙は、『中南海』(北京の最高幹部の職住地)か『ホワイトハウス』か、という選択ではない。台湾は、自主と平和の基礎の上に、世界と交流していかねばならない。もちろん米中2大国も含めてだ。台湾総統として、ホワイトハウスに入っていくこと以上に重要なのは、すべての台湾人の心の中に入っていくことなのだ。

頼清徳副総統は言う。『私が台湾総統になれば、ホワイトハウスに入っていける。われわれが追求してきた政治目標は、すでに達成されたことになるのだ』。つまり頼副総統は、われわれが世界に向かって進み出し、しかも米中関係を、うまく解決してやろうと思っているのだ。

蔡英文総統は(7月)6日、米国在台協会の祝賀会の席で述べた。『3人のうち誰が次期総統になっても、台米関係は引き続き、深化していくだろう』。

確かにそうした考えでは、われわれ3人は一致する。だがどうして、2024年の総統選挙が、『中南海かホワイトハウスか』という選択になるのか? もしも(国民党の)候補者が対岸のリーダーである習近平と晩餐を共にしたいと言い出したら、その候補者は『中南海』の代表にならないか?

「台湾人を分裂させてはならない」

今年4月、私が団長になって21日間訪米し、ニューヨーク、ボストン、ワシントン、ヒューストンと回った。台湾華僑と理念を共有しただけでなく、アメリカ留学中の台湾人学生たちとも胸襟を開いて話した。アメリカのシンクタンクや企業も訪問したし、多くの台湾派の政治家たちとも話をした。

台湾の民主と自由を守っていくのは、ボトムラインだ。その上で、台湾は米中間の『対話の懸け橋』となるべきなのだ。『対抗の駒』ではなくてだ。

われわれは、世界を分裂させてはならない。さらに台湾人を分裂させてはならないのだ」

以上である。

『ふしぎな中国 』(近藤大介著、講談社現代新書)

柯文哲候補の論理を整理すると、次のようなものだ。「民進党=親米」で、「国民党=親中」だが、いまの台湾に求められているのは、アメリカを向くことでも中国を向くことでもない。そうではなくて、台湾人を向くことなのだ――。

こうした主張が、特に不景気で汲々としている台湾の若者たちに刺さるのである。実際、台湾に行ってみると分かるが、「スマホ世代」の若者たちは、日本の若者たち以上に「内向き志向」である。

ますます「内向き志向」になる台湾人が、「アジアのウクライナ」と世界が危惧する東アジアの運命を決める――そんな「21世紀の民主政治の皮肉」とも言えるような現象が、台湾で起こりつつある。

小笠原記事

残り半年に迫ってきた台湾総統選挙。民進党と国民党の二大政党に第3政党の候補者・柯文哲氏が割り込もうとし、台湾では話題の中心となっている。彼の人気の背景や弱点は何か。(台湾政治研究者・小笠原欣幸氏の連載第6回、前回記事はこちら

柯文哲氏は6月に訪日した際にも支持率が上がりつつあり、調子のよさをみせていた(写真:筆者撮影)

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投票まであと半年となった台湾の総統選挙は、支持率の動向を見ると与党・民主進歩党(民進党)の頼清徳候補(党主席・副総統)が1位、第2野党台湾民衆党の柯文哲候補(党主席・前台北市長)が2位、最大野党国民党の侯友宜候補(新北市長)が3位という構図になっている。リードしているのは頼氏だが、現在台湾で話題の中心となっているのは柯文哲氏である。柯氏という人物に焦点を合わせ、人気の背景、支持層、弱点を探りたい。

二大政党と違うポジショニング

柯氏は選挙ごとに立ち位置を変えてきた。彼にとって初めての選挙戦となった2014年台北市長選では、無所属候補として出馬したが民進党の全面支援を受け、事実上1対1の戦いで国民党候補を破って当選した。この選挙は、当時の馬英九政権が中国とサービス貿易協定を結んだことに反発した学生らが立法院(国会)を占拠する「ひまわり学生運動」が起こった年に行われ、その影響を強く受けた。柯氏は台湾の独立意識が強い緑陣営に軸足を置き、反国民党の票を広く結集することに成功した。

ところが、柯氏は市政が始まると民進党と対立し、ついには袂を分かち敵対するようになった。その要因の1つに、柯氏が中台関係について「両岸一家親」(中台は家族)と発言したことが民進党の支持者の反発を呼んだことがある。柯氏は、これは中身のないスローガンにすぎず、「1つの中国原則」と比べて台湾を拘束するものではないと考えたようであるが、中国の習近平主席が好んで使っていた用語であったため、反響が大きくなった。

2018年の台北市長選挙で、民進党は対抗馬を立ててきた。国民党も候補をぶつけてきたので三つどもえの選挙となった。柯氏は国民党も民進党も批判するポジションをとった。民進党の支持者の中に国民党の市政復活を望まない人たちがいて、その人たちが民進党候補を捨てて柯氏を保持する投票行動を行った。このため柯氏が非常にきわどい差で国民党候補をかわして再選に成功した。

再選後の柯氏は台湾民衆党を立ち上げ、民進党・蔡政権批判を一層強め、両者の対立は決定的になった。今回の総統選挙で柯氏は民進党でも国民党でもない第3勢力を標榜しているが、反民進党のポジションを明確にし、国民党と何らかの協力があるかもしれないという雰囲気を示している。

簡単にまとめると、柯氏は2014年選挙は民進党と手を組んで国民党と戦い、2018年選挙は民進党と対立しながらもその票を取り込み勝利し、2024年選挙は民進党と全面対決し国民党の票の取り込みを狙うというようにポジションを変えてきた。

柯氏の台湾についての議論は、1996年の総統直接選挙から台湾アイデンティティが広がったというもので当時の李登輝総統の役割を重視する。これは拙著『台湾総統選挙』と同じ議論だ。拙著では台湾の中間派は無色ではなく「台湾」の色がついた中間派と分析しているが、柯氏はこのゆるやかな台湾アイデンティティを肯定するポジショニングだ。

柯氏の民進党批判の理由は、民進党が強くなって偉そうにしている、政権が長期化すると腐敗・非効率が広がるというものだ。中でも、民進党も国民党も既成政党は同じだという批判に力を入れている。柯氏の独特の表現では、「猿はどの猿もおしりが赤い(腐敗・非効率)。地面に座っていると見えないが、木に登れば(政権につけば)それがわかる」。柯氏は、民衆の不満を既成政党に向けて支持を拡大するポピュリズムの要素がある。

若者や高学歴層が柯氏を支持

7月初に発表された「美麗島電子報」の世論調査を分析し、柯氏の支持層を探ってみたい。この調査で3候補の支持率は、頼氏35.9%、柯氏28.6%、侯氏17.1%、投票しない/わからない18.3%であった。
男女の性別で見ると、頼氏と侯氏の支持率は男女ほとんど同じであるのに対し、柯氏は、男性の支持率が女性よりかなり高い(男性32.2%、女性25.2%)。

年齢で見ると、20代と30代で柯氏の支持率が高く、特に20代では圧倒的に高い(45.0%)。逆に、60歳以上の柯氏の支持率は低く、特に70歳以上になると1桁の支持率しかない(6.9%)。

学歴で見ると、柯氏の支持率は大卒以上の高学歴層で圧倒的に高く、低学歴層で低い。地域的には、中部の台中市と周辺2県で最も高く、北部の新北市でも高い。逆に台北市ではそれほどでもない。台南市や高雄市などの南部でも柯氏は一定の支持率を得ている。

政党支持者から見ると、柯氏は民衆党支持者の91.0%を固めて、頼氏も民進党支持者の88.5%を固めているのに対し、侯氏は国民党支持者の70.7%しか固めていない。国民党支持者のうち15.5%は柯氏を支持している。これが、侯氏が現在苦戦している理由である。

これを蔡英文総統への満意/不満の視点から見るとさらに興味深いことが見えてくる。蔡総統の施政に満足している人のうち頼氏を支持しているのは67.0%。つまり、頼氏は蔡総統の人気を継承しきれていないし、蔡政権は評価していても8年たったので政権交代を望む層というのがここに現れている。一方、蔡総統に不満の人のうち、柯氏を支持するのは43.0%、侯氏を支持するのは30.7%で、蔡政権への不満の受け皿は柯氏になっていることがわかる。

柯氏の人気の理由は、台湾の評論家らがいま口角泡を飛ばして議論しているテーマだ。専門家の見解を総合すると、キャラクターが面白い、受け答えのうまさで人を引きつけるという要素が浮かんでくる。この要素がうまく発揮されるのはYouTubeなどの動画である。例えば、6月に訪日し早稲田大学で行った講演と質疑応答の場面を11分に編集した動画は再生回数170万回と群を抜いている。

柯氏のぶら下がりインタビューも名回答、珍回答ありで受けている。ある時は、台湾メディアの記者が「日本の学者の小笠原(筆者)が、民衆党の弱点は選挙区で戦える候補がいないことだと指摘しているがどう思うか」と質問すると、柯氏は「小笠原の言う通りだ」とあっさり認める、という具合だ。普通の政治家は質疑応答で話をそらすことが多いが、柯氏は「直球勝負」と称して正面から答える、少なくともそのように見えるポーズを作っている。

柯文哲のぶら下がり会見。ユーモアも失言も飛び出る。写真は早稲田大学での講演後(筆者撮影)

ユーモア、いやみがたっぷりな受け答えで人を引きつけるところは、日本の政治家に例えると日本維新の会の代表を務めた橋下徹氏に似ているところがある。そのあたりが若者の関心を引きつけるのであろう。背景には、民進党政権には飽きたが、かといって国民党にも票を投じたくないという中間派有権者の心理がある。また、既成政治家への嫌気や低収入・住宅価格高騰への不満といった各国に共通する要素もある。

筆者は、台北で20代の女性で柯氏支持という人に実際に話を聞いてみた。政治への関心は高くはなく、柯氏の政策は詳しくは知らない。動画で柯氏の受け答えを見て関心を持ったという。TikTokや小紅書(中国のアプリ)を使っているが、台湾アイデンティティが普通にある人だ。

ふわっとした支持と失言が弱点

このように、現時点での柯氏の人気はふわふわした雰囲気であり、堅い支持に転化していくかどうかはこれから半年の課題である。

柯氏の弱点としては失言、物議を醸す発言が多いことがあげられる。受け答えのうまさで人を引きつける柯氏の手法は、失言のリスクを常に抱える。誇張すると、1つの発言が物議を醸している間に別の問題発言がありそちらに注意が移ることを繰り返している。そのため多くの人が柯氏の問題発言に慣れてしまい、皮肉なことにこれまで致命傷にならずにすんでいる。

しかし、この先半年でどういう失言が飛び出すのか予測は不能だ。柯氏が6月に訪日した時に自民党幹部らと会見したが、その時の非公開の発言を台湾メディアで得意げにしゃべるなど外交儀礼をわきまえていないと受け取られる言動もあった。

柯氏の最大の弱点は同時に行われる立法委員(国会議員)選挙の戦いになるだろう。台湾の有権者は投票日に、総統、立法委員の選挙区、立法委員の比例区の3票をこの順番で投票する。現在は投票まで半年もあり、選挙後の政権と議会との関係までは考えていない人が多い。

しかし、投票日が近づいてくれば、選挙後の台湾政治がどうなるのか考える人も当然でてくる。台湾の政治制度は「半大統領制」であり、議会で与党が過半数を占めないと政権運営が行き詰まる。現状では民衆党が10+αの議席をとればかなりの善戦といえるが、それでも立法院の全113議席の1割程度だ。

柯氏は自身が台北市長に当選した頃に市議会で自分を支持する議員が1人しかいなかったという事例をあげて「大丈夫だ、やれる」と説明している。しかし、国政が麻痺することを恐れて考えを変える人がでてくるかもしれない。そういう人が2~3割でてくると柯氏の人気は陰ることになる。

もう少し細かく検討してみよう。比例区は、柯氏の人気が続いていけば、民衆党が議席を伸ばすのは確実である。例えば、「美麗島電子報」の世論調査に基づいて試算すると、現有の比例区の5議席が10議席に倍増する可能性がある。

しかし、選挙区では当選しそうな有力候補がまだ擁立できていない。日本の選挙もそうだが、比例区より激戦の選挙区(小選挙区)がどうしても注目を集める。民進党も国民党も秋以降、総統候補が選挙区の候補と連動する選挙戦を展開する。これは台湾では「親鴨が子鴨を連れていく」選挙活動といわれる。子鴨は親鴨の人気や影響力に頼ろうとする。しかし、子鴨は選挙区で親鴨の票を固める役割も担っている。子鴨が弱すぎてはその役割を果たせない。ここで不利になる。

台湾で初めて第3勢力が基盤を築けるか

選挙区で候補者を何名擁立できるか。これが、いま柯氏が必死になっている課題だ。総統選挙は3つどもえの争いだが、選挙区は二大政党対決パターンが多い。全73選挙区のうち、民衆党が候補を擁立できるのは10数カ所の選挙区にとどまる見通しで、残りの50数カ所の選挙区は民衆党の候補者がいないことになる。

「面白い候補」から「当選の可能性のある候補」へと移り変わることで、柯氏を見る目は厳しくなる。失言や選挙後の議席数についても議論が広がるであろう。一方、柯氏は当選できない場合でも注目すべき理由がある。

仮に民衆党が10+αの議席を獲得できれば、最大政党の民進党は頼氏が当選しても立法院で過半数割れになり、民衆党がキャスティングボートを握る可能性が出てくる。

それは民衆党が第三の政党として基盤を確立し影響力を行使できるという話につながっていく。台湾では議員定数が日本の衆議院の4分の1なので1議席の重みが大きい。柯氏は今後4年間台湾政局のキーパーソンになる可能性がある。

柯氏をめぐる話題はこれからも続くだろう。総統に当選する可能性、当選できなくともキャスティングボートを握る可能性を二重に観察する必要がある。

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