『ロシアと海軍力で張り合うトランプ、だが“裏庭”の中南米はすでに中国の息がかかる港だらけという「不都合な真実」』(8/10JBプレス 深川孝行)について

8/10The Gateway Pundit<15 Democrats Arrested For Election Fraud=選挙不正で民主党員15人が逮捕>

民主党は腐敗している。裁判官も。

テキサス州南部の田舎で、検察は州の近年の歴史上最も重大な票集め事件の一つを提起した。

2025年5月1日、フリオ郡の大陪審は、複数の公務員を含む6人を選挙違反の重罪で起訴した。テキサス州ケン・パクストン司法長官事務所が主導した2年間の捜査を経て、起訴状は、民主党支持が圧倒的に多い地域で複数の地方選挙に影響を与えたとされる組織的な投票収集活動を明らかにした。

起訴された者の中には、投票収集の罪3件で起訴されたフリオ郡判事ロシェル・カマチョ氏、物的証拠の改ざんの罪で起訴された元フリオ郡選挙管理官カルロス・セグラ氏、ピアソール市議会議員ラミロ・トレビノ氏とレイチェル・ガルザ氏、カマチョ氏の妹でピアソール独立学区理事のエイドリアン・ラミレス氏、そして投票収集の容疑で特定されたロサ・ロドリゲス氏が含まれている。

州捜査官によると、この計画は高齢者や郵便投票者を標的とし、テキサス州の選挙法に違反する形で投票用紙が収集されたという。テキサス州の2021年選挙公正性改革法では、報酬を得て投票用紙を収集した場合、最高10年の懲役と1万ドルの罰金が科せられる。

これらの逮捕は単独で行われたわけではない。2024年8月、パクストン検事の刑事捜査局はフリオ郡、ベクサー郡、アタスコサ郡で捜索令状を執行し、司法長官事務所が「違法な投票用紙収集組織」と 表現した組織に関連する証拠を押収した。

これらの令状は、政治工作員が組織的に郵便投票を収集・操作しているという地元住民からの長年の苦情の集大成である。捜査官は、この操作は地方選挙で複数の民主党候補者に利益をもたらした政治ネットワークと関連していると考えている。

捜査は2025年半ばに拡大しました。2025年6月30日、第2回大陪審は新たに9名に対する起訴状を提出し、被告人総数は15名となりました。新たに起訴された人物には、テキサス州下院議員候補で民主党員のセシリア・カステラーノ氏と、ベア郡民主党元委員長のフアン・マヌエル・メディナ氏が含まれています。

その他の被告には、フリオ郡全域の現職および元市職員、教育委員会委員、郡政委員が含まれています。容疑は、票の収集から政府記録の改ざんまで多岐にわたりますが、いずれも組織的な投票収集ネットワークに関連しているとされています。

この事件で審理された裁判所の書類には、投票収集者が援助を申し出るとの口実で有権者、特に高齢者に近づき、郵送される前に投票用紙を押収したとされる経緯が記されている。

捜査官によると、関係者の中には、投票用紙や有権者情報を確保するために、現金やCash Appなどのアプリを介した電子決済が行われていたケースもあったという。テキサス州法では、投票用紙の収集に対する報酬の提供または受領は第三級重罪に該当する。

この作戦の規模と関与した公務員の数 にもかかわらず、全国民主党員と州レベルの有力民主党員はほぼ完全に沈黙している。

民主党は長年、テキサス州では不正投票は事実上存在しないと主張してきた。しかし、この田舎の郡では、2年間にわたる調査の結果、現職の郡判事、複数の市議会議員、そして学区関係者を含む15人が刑事告発されている。

テキサス州法では、保管記録の漏洩、有償投票用紙収集、選挙記録の改ざんを重大犯罪として扱っていますが、これには理由があります。郵送投票は、有権者の身元、投票用紙の保管、提出手続きが厳格に保護されていない場合、特に悪用されやすい状況にあります。

フリオ郡の事件は、当局者自身が法律違反に関与した場合、こうした保護がいかに簡単に回避されるかを示している。

選挙の公正性は党派的な問題ではないが、民主党がこの件への対応を拒否していることは、より広範な二重基準を浮き彫りにしている。共和党員が関与する疑惑の場合、 民主党は徹底的な調査、辞任、そして抜本的な改革を要求する。しかし、被告が民主党員、特に選挙戦略に極めて重要な地域では、沈黙が蔓延する。

https://www.thegatewaypundit.com/2025/08/15-democrats-arrested-election-fraud/

https://x.com/i/status/1954554692144439546

8/11阿波羅新聞網<劲爆!北戴河会议传出敲定总书记、总理—消息:1号接班人或成“华国锋” 2号未去北戴河=ビックリ!北戴河会議で総書記と首相が確定 ― 情報:後継者ナンバー1は「華国鋒」になるか、ナンバー2は北戴河に出席せず>

中共最高指導部による北戴河会議は音沙汰なく進行しているように見える。

しかし、内部情報は爆発的な内容で絶えず出回っている。

セルフメデイア人で、内モンゴル自治区政府法律顧問室元執行主任の杜文は、北戴河会議で確認されたナンバー1とナンバー2の後継者は丁薛祥と陳吉寧であるとの情報を受けた。

両氏はそれぞれ総書記と首相の職に就くことになる。

北戴河会議が始まり、杜文は自身の番組「内部の目で中国を見る」で、これは定例の夏の会議ではなく、中国の運命を決定づける最も重要な20日間だと述べた。

杜文の理解によれば、北戴河会議は2027年に開催される中共第21回全国代表大会の指導部体制を確定させるものとなる。

杜文は番組内で、北戴河会議で後継者ナンバー1が決定したと明らかにした。現常務委員で第一副首相の丁薛祥が総書記に就任する。

後継者ナンバー2は、現上海市党書記で中央委員会委員の陳吉寧が首相に就任する。

反習派も後継者リストを公表している。

温家宝をはじめとする長老派は、元常務委員で副首相の汪洋を総書記に、胡春華を首相に指名しており、現在軍権を掌握している中央軍事委員会副主席の張又侠の承認を得ているとの噂もある。

習近平が四中全会で退任するか、あるいは第21回全国代表大会で退任するかに関わらず、後継者リストが広く流布されていることは、習近平の権力が広く疑問視されていることを示していると、観測筋は見ている。

真偽のほどは不明。

https://www.aboluowang.com/2025/0811/2260657.html

8/11阿波羅新聞網<新动向 习近平重大行动关键人物被抓【阿波罗网报道】=新展開:習近平の重大行動の重要人物が逮捕される【アポロネット報道】>

アポロネットの王篤若の報道:中共の北戴河会議中に、外交システムから新たな重大発表があった。WSJは関係筋を引用し、8/10、中共中央対外連絡部長の劉建超が7月下旬の外国訪問から北京に戻った後、当局の捜査のために拘束されたと報じた。理由は不明である。もしこれが事実であれば、2023年に秦剛前外相が解任されて以来、中共外交システムで調査を受ける最高位の役人となり、「秦剛2号」ではないかとの憶測が飛び交っている。中共外交部、対外連絡部、中央規律検査委員会は、WSJ、AFP通信、ロイターのコメント要請に応じなかった。

劉建超(61歳)は中共のベテラン外交官で、英語が堪能である。外交部報道官や駐フィリピン大使などを歴任し、2008年の北京オリンピックでも要職を歴任した。習近平の「キツネ狩り」キャンペーンでも中心人物の一人である。 2015年、中央反腐敗調整グループ国際追及回収室長に任命され、汚職に関与した海外逃亡犯の追跡を担当し、「キツネ狩り」の異名を取った。

2017年には浙江省規律検査委員会書記に異動。2018年には中央外事工作委員会副主任に就任。2022年には対外連絡部長に昇進し、閣僚級の幹部となり、第20期党中央委員会委員に就任した。2023年7月の秦剛の解任後、劉建超は外相の有力候補と目されていた。

劉建超は最近、異例の活躍を見せ、 2024年1月の訪米中、劉は対外連絡部長の通常の職務を超えて米中関係の安定化に取り組み、外相に就任するのではないかという憶測が飛び交った。米国当局は、劉を次期外相候補として公然と名指ししていた。しかし、7月下旬にシンガポール、南アフリカ、アルジェリアを訪問して以降、公の場に姿を現していない。8/8以降、中国ではインターネット上で劉が捜査対象になっているとの噂が広まっており、「機密漏洩」から富裕層の資産移転幇助まで、様々な嫌疑がかけられているが、詳細は依然として不明である。

劉建超への捜査は、汚職、権力闘争、あるいは秦剛事件との関連など、様々な憶測を呼んでいる。

秦剛は2023年6月に突如姿を消し、解任されたが、その理由は依然として不明である。習近平の側近である劉建超への捜査は、中共指導部内の内紛の激化と、派閥粛清の継続を示唆している可能性がある。北戴河会議では人事が頻繁に議論されており、劉の状況は、権力闘争における習派内の新たな展開を反映している可能性がある。

習派の人脈がドンドン削られていく。

https://www.aboluowang.com/2025/0811/2260690.html

8/10阿波羅新聞網<美大使:中企必须撤出巴拿马港口?=米国大使:中国企業はパナマ港湾から撤退すべきか?>

中国の国有企業である中国遠洋海運集団(COSCO)が、香港のCKハチソンホールディングスの海外港湾事業売却における買収コンソーシアムへの参加を目指している中、カブレラ駐パナマ米国大使は先日、中国と関係のある事業者はパナマ運河の主要港湾から撤退すべきだと述べ、CKハチソンホールディングスを「共産党系企業」と呼んだ。FTは8日、中国遠洋海運集団が、CKハチソンホールディングスによる海外港湾資産売却において、少なくとも20~30%の株式取得を目指していると報じた。

同紙は関係筋の話として、中国遠洋海運集団が、CKハチソンホールディングスとブラックロックおよび地中海海運会社(MSC)との独占交渉期間終了後、相当数の株式取得を要求したと報じた。協議中の選択肢の一つとして、COSCOはパナマ運河の2つの港を除く41の港湾の株式を取得することになっている。

CKハチソンホールディングスは以前、中国の大手戦略投資家を買収コンソーシアムの主要メンバーとして招聘する意向を発表していた。

同紙は、北京の状況に詳しい2人の関係筋の話として、COSCOは交渉への参加が認められている唯一の中国企業であり、ブラックロックとMSCとの交渉において大きな影響力を持つと報じた。ブラックロックとMSCは、中国企業との交渉において、中国国家市場監督管理総局の承認を得る必要があるためだ。サウスチャイナ・モーニング・ポストは8日、ケビン・カブレラ駐パナマ米国大使が6日にパナマ北部コロン州を訪問した際、パナマ運河の主要港湾から中国系事業者の撤退を求めたと報じた。

カブレラ大使はまた、CKハチソンホールディングスの子会社であるパナマ運河会社を批判し、米国は同社の交代を支持していると述べた。

カブレラ大使は「彼らは質の低い事業者であり、いい仕事をしていない」と述べ、「これは共産党系の企業だ。彼らがこれらの港湾の運営からまもなく撤退することを嬉しく思う」と付け加えた。

カブレラ大使は、新たな事業者は信頼性を高くし、パナマ国民を支援することに尽力するべきだと述べた。

https://www.aboluowang.com/2025/0810/2260292.html

何清漣が再投稿

WSJ中国語版ウエブ @ChineseWSJ 17h

#今週の人気記事:米国は、中国だけでなく、すべての国からの800ドル以下の貨物に対する小額免税政策を廃止する。Etsyは、小額免税を利用している多くの小売にサービスを提供している。これらの免税が世界中で廃止されれば、Etsyは最大の負け組企業の一つとなる可能性がある。

cn.wsj.comより

何清漣 @HeQinglian 10h

今年のアメリカドラマ「ゼロデイ」は見る価値がある。勧める理由は下の通り:

  1. ハリウッドが初めて、民主・共和両党のエスタブリッシュメントを悪役として描き、テクノロジー企業と共謀してクーデターを企てる。ドラマで描かれている出来事はまだ起こっていないが、似たようなクーデターは過去にも起きている。

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深川氏の記事では、米国の中共への甘さが今の事態を招来したと言える。そもそも共産主義国に肩入れしたのが間違い。ユダヤ人のキッシンジャーはケナンと違い、共産主義にシンパシーを持っていたのでは?ソ連に対抗するために中共と国交を結んだ話も、ソ連と中共にやがて世界全体を赤化させようとした深謀遠慮だったのかもしれない。勿論、想像の話ですが。

上述の中国語記事にあるように、パナマ運河の運営権は、CKハチソン(李嘉誠の会社)が当初米国に売却するつもりが、中国政府の横やりでできなくなり、結局COSCOを入れざるを得なくなった。まあ、中国がパナマ運河に軍艦を派遣したら、中立条約違反で米軍管理にしてしまうのでは。

COSCOを買収に参加させるのなら、米国は相互主義で、中国内企業の買収や市場開放を中国にもっと要求しても良い。

日本は1956年には進水量でイギリスを抜き世界一となったが、1985年のプラザ合意で円高になり、中国、韓国に抜かれてしまった。日本の造船業は受注残に安住することなく、将来の米国での生産も考えて布石を打って置いたらどうか。

記事

トランプ米大統領がパナマ運河における中国の影響力を抑制するよう圧力をかけている(写真:ロイター/アフロ)

軍事オンチぶりをさらけ出したトランプの「原潜出撃命令」

2025年8月1日、アメリカのトランプ大統領が、突然SNS上で「原潜2隻を適切な海域に配備するよう命じた」と明らかにしたことで、世界中が驚いた。

ロシアのプーチン大統領にウクライナ戦争の早期停戦を執拗に迫るトランプ氏に対し、ロシアのメドベージェフ前大統領が噛みつき、核兵器使用をちらつかせたことへの反撃だ。

数日後にトランプ氏は「(原潜は)すでに射程に入っている」と投稿をエスカレート。だが、世界最強のアメリカ軍の最高司令官が暴露した「軍事オンチ」ぶりに、同国の軍・安全保障関係者は頭を抱えたに違いない。

現在アメリカが保有する核武装の原子力潜水艦は、核弾道ミサイル搭載の「オハイオ」級(SSBN=弾道ミサイル原潜)14隻だけで、トランプ氏はこの艦の出撃をイメージしたのだろう。

米海軍の原子力オハイオ級ミサイル潜水艦「ジョージア」(写真:Mc2 Indra Beaufort/U.S. Navy/Planet Pix/ZUMA Press/アフロ)

この種の潜水艦は、どこの海に潜み、核ミサイルを発射するか分からないという秘匿性が最大のポイントだ。有事になって初めて出撃したり、敵国の近海に出向き、核ミサイルを発射したりする性格の軍艦ではない。

搭載するトライデント弾道ミサイルの射程は1万km以上あり、わざわざロシア近海に出向く必要もない。ロサンゼルス~モスクワ間の距離が約1万kmで、安全な本国のカリフォルニア沖の海中からミサイルを発射すればいい。「すでに射程に入っている」との発言自体も、当たり前のことである。

エンターテインメント性を求めるトランプ氏だけに、熱烈なMAGA(アメリカを再び偉大な国に)支持者を喜ばせる、計算ずくめのパフォーマンスなのだろうか。

米シンクタンクが公表した「中国リスクが高い港湾」ランキング

弾道ミサイル原潜配備でロシアを脅すのは結構だが、アメリカにとって、悠長なことを言っている場合ではなく、「不都合な真実」が想像以上に進行している。

同国の“裏庭”で、長年にわたり勢力圏として睨みを利かせてきたはずの中南米の主要港湾が、中国の影響下に次々と置かれているという事実だ。

6月25日、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が公開した調査報告書「ラテンアメリカおよびカリブ諸国における中国の港湾プロジェクトのリスク評価」は衝撃的で、アメリカの政府・軍関係者、主要メディアもざわついた。

同調査は、中南米の主要商業港のうち、中国資本が投資、運営、建設、賃貸、借款などの手法で深く関わる上位37港をピックアップ。

「アメリカのサプライ・チェーンがどれだけ依存しているか」「有事の際に中国が港湾の運営を妨害することで、アメリカの経済活動や米軍の兵站(軍需品のコンテナ輸送)にどれだけ悪影響が出るか」の2つの側面から、リスク度を弾き出している。

具体的には、「貿易」(該当する港湾でアメリカが1日当たりどれだけの貿易利益を得ているか)、「米海軍の寄港実績」「米軍基地との距離」「戦略的海峡との近さ」など、11項目の指標をたたき台に、総合評価をランキング。最高は「100」で、数値が大きいほどアメリカにとって中国リスクが高い港湾だ(別掲の表参照)。

トップ3を見ると、大半の日本人にとって馴染みのない港湾が、実はアメリカにとっての重要港湾だということに驚かされる。

トップ3に挙がったジャマイカ、メキシコ主要港の「深刻な脆弱性」

【1位】キングストン港(70.7点/ジャマイカ)

貨物取扱量では中南米9位の有力港で、コンテナ・ハブ港として、あるいは米軍の兵站線の中継点として非常に重要な港となっている。

カリブ海のほぼ中央に位置する海上交通の要(かなめ)で、反米国家キューバを挟み北約930kmにマイアミ、北西のメキシコ(アメリカ)湾の先約2300kmには石油・ガス産業の中心地ヒューストン(テキサス州)を望む。

米東海岸~パナマ運河~太平洋の一大航路にとって重要なチョークポイント(海上交通や物資輸送において、特定の狭い海峡や運河などの要衝)となっているパナマ運河が南約1000kmに、イスパニオラ島(ハイチ、ドミニカ共和国が存在)と米領プエルトリコの間のモナ海峡が、西900km強にそれぞれ控える。

キューバにある米軍グアンタナモ基地(キューバはアメリカを敵視するが、歴史的事情で米軍基地が存続)も北約270kmにあり、中国の諜報活動にとっても好都合な場所と言える。

キングストン港は中国国有企業、招商局港口控股(しょうしょうきょくこうこう・こうこ)が100%の運営権を掌握。中国資本が運営する海外の港湾の中でも最重要拠点と位置づけられ、中国政府も重視する。

ジャマイカは長年アメリカの同盟国だが、首都の港が中国の軍門に下るというギャップが「深刻な脆弱性」だとCSISは憂慮している。

【2位】マンサニージョ港(70.0点/メキシコ)

メキシコ西海岸のほぼ中央に位置し、同国太平洋岸最大のコンテナ港。貨物取扱量ではアメリカを含めた北米第5位の巨大港となっている。

アメリカとの輸出入におけるハブ港として決定的な役割を果たしているため、混乱時の米経済の損失額は1億3000万ドル(約190億円)/日に上ると想定されている。

港湾の運営はCKハチソン(香港)が深く関与し、2015年には中国人民銀行が米州開発銀行と大規模拡張プロジェクトのために協調融資している。同プロジェクトでは、中国国有企業、中国交通建設股份(CCCC)の子会社がコンテナ・物流基地建設を請け負い、巨大ガントリークレーンも中国の上海振華重工(ZPMC)製を採用する。

ZPMCは世界最大のコンテナ・クレーンメーカーとして有名だが、2024年に米議会が同社製ガントリークレーンの一部にデータ通信機器が仕込まれ、米海軍の動向把握や有事の際の妨害活動に活用される恐れがあると指摘。実際、米国防権限法に基づくリスク評価が実施された。

【3位】ベラクルス港(64.7点/メキシコ)

2位のマンサニージョ港とともにメキシコが2位、3位を占めるが、アメリカと陸続きの中南米の大国で、自動車産業などで水平分業体制を構築しているため当然だろう。

同港はメキシコ東海岸中部のメキシコ湾に面し、米東海岸との貿易で極めて重要な役割を果たす。混乱した際の米経済の損失は6300万ドル(約90億円)/日と想定されている。

米海軍の拠点としても重要で、メキシコ湾の長期哨戒を行う駆逐艦が補給のために寄港する。ただし港にはCKハチソンが運営するターミナルがあり、拡張工事にはCCCCが参画するなど、フルターンキー(設計から工事、運営までも請け負う契約)だ。

習近平が存在感をアピールするペルーのチャンカイ港

その他にも要注意の港湾として、ペルーのチャンカイ港が挙げられる。

2024年11月に完成した新港で、開発・運営ともに中国が主導する。総事業費約13億ドル(約1900億円)の6割を、中国国有企業・中国遠洋海運集団(COSCO)が負担し、見返りに港の独占運営権を握った。南米ではCOSCOが運営権を持つ初の港だ。

COSCOのコンテナ船(写真:ロイター/アフロ)

2024年にペルーで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に参加するため同国を訪問した中国の習近平国家主席は、ペルーのボルアルテ大統領とともに開港式典にオンライン参加し、存在感をアピールした。

2024年11月14日、ペルーのチャンカイ港で行われた中国資本の開港式典に出席したペルーのボルアルテ大統領(右)と中国の習近平国家主席(写真:AP/アフロ)

チャンカイ港は習氏肝いりの巨大経済圏構想「一帯一路」における南米の橋頭堡としても重要視されている。南太平洋に面し、水深が17mと中南米の港湾の中では最も深いため、大型軍艦の利用も問題ない。このため、太平洋への進出を図る中国海軍にとって、「南太平洋における海軍基地となるのでは」と米軍関係者の一部は懸念する。

中国・上海とのコンテナ船直行便も開業した模様だ。これまでのメキシコ経由の航路よりも10日ほど早まり、「チャンカイから上海(シャンハイ)へ」と、某中国系メディアも喧伝する。

今回のCSISの報告書は、中国海軍の進出や軍港化など、直接的な軍事進出ではなく、むしろ経済活動や、海軍が海外での長期活動に不可欠な兵站を支える重要港湾に忍び寄る“中国の魔の手”に焦点を当てた点に注目だ。

キューバやニカラグア、ベネズエラなど反米・親中国家は別として、メキシコやブラジル、アルゼンチン、チリなど主要国から、アンティグア・バーブーダやバハマなど小さな島嶼国に至るまで中国が進出し、今や中南米の主要港の大半が「中国の息がかかった港」になっている現実に改めて驚かされる。

パナマ運河を巡る米中の攻防、軍事介入の可能性は?

そうした中国の進出に危機感を抱いたのか、トランプ氏は大統領2期目の就任演説で、「パナマ運河を取り戻す」と豪語した。

パナマ運河の出入り口にある2港、太平洋側のパナマ・シティ/バルボア港と、カリブ海側のコロン/クリストバル港の経営権を有するCKハチソンは、トランプ氏に従ったのか、今年3月、資産運用大手の米ブラックロックが主導する投資連合に運用権を売却すると発表した。

だが、これに中国政府が猛反発。CKハチソンの事業売却に関する取引内容を精査するとけん制した。売却を急ぎたい同社は、7月に入ると投資連合に中国の投資家を参加させる意向を表明するなど、パナマ運河を巡る米中の攻防が続いている。

香港のCKハチソン・ホールディングスが、パナマ運河の主要港湾運営会社の株式を米ブラックロック傘下のコンソーシアムに売却することに合意した後、パナマ市バルボア港付近を航行する船舶(写真:ロイター/アフロ)

パナマ運河の大西洋側に向かう中国のCOSCOコンテナ船ジャスミン(©Daren Fentiman/ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ)

「以前からトランプ氏は、運河奪還のため軍事介入も示唆するだけに、実力行使の可能性もある」との見方もあるが、果たして軍事介入に走る可能性はあるのだろうか。

ちなみにパナマ運河は、アメリカの海洋戦略に基づき、大西洋~太平洋間を米軍艦が素早く移動できるよう、アメリカの全面出資で1914年に完成した。また、運河の安全を図るため、運河の両岸を「運河地帯」としてアメリカが永久租借とし、軍隊を駐留させたが、1977年に米カーター大統領が「新パナマ運河条約」と「中立条約」(トリホス=カーター条約)を結び、全面返還を決意した。

トランプ大統領がパナマ運河の支配権を取り戻す計画を進める中、パナマ港湾会社が運営するバルボア港を通過する船舶(写真:ロイター/アフロ)

まず押さえておきたいのが、中南米はあくまでもアメリカの“裏庭”で勢力圏だという意識が相変わらず強いことだ。安全保障上懸念すべき事案が起きれば、これまでも躊躇せず軍事介入してきた過去がある。

・ニカラグア占領(1912年~1933年):1830年代に提唱したモンロー主義(アメリカによる欧州、欧州による南北米大陸の相互不干渉)に従い、第2パナマ運河計画候補のニカラグアの権益を固め、反米的な現地政府を打倒するため海兵隊と軍艦を派遣。

・グレナダ侵攻(1983年):キューバに続き、1979年にニカラグアで革命が勃発し、反米共産政権が樹立。“裏庭”に忍び寄る共産化に危機感を抱いた米レーガン政権は、カリブ海の小国グレナダで親ソ政権が樹立すると、打倒のために軍事介入。民主主義の復活や同国の米市民保護を名目に大軍を送り込み、グレナダ軍や支援のキューバ人武装建設労働者を制圧。

1983年11月4日、グレナダ侵攻作戦を終えノースカロライナ州フォートブラッグに帰還した第82空挺連隊の隊員2人(写真:AP/アフロ)

・パナマ侵攻(1989年):パナマの権力を握ったノリエガ将軍が独裁色を強め、反米的な発言を繰り返した。汚職・麻薬取引の疑惑もあることから、政権打倒のためアメリカが軍事介入。ノリエガ氏は逮捕され、改めて親米政権が発足。1999年にアメリカはパナマ運河の全面返還を約束。

パナマ侵攻(1989年12月29日撮影、写真:ロイター/アフロ)

こうした過去があるだけに、アメリカがパナマ運河奪還のため軍事力を行使する可能性は十分にある。

もはや中南米諸国は「中国の裏庭」になっている状況

「中立条約」では、運河の恒久的な中立性と、全世界の航行自由が保障され、パナマは戦時・平時に関係なく、全世界の船舶に対し中立的に通行を保障する義務を負う──と定める。

だが第4条に「アメリカは、運河の中立性を保障するために独自に行動を取る権利を保持する」とあり、これを拡大解釈すれば、合法的に軍事介入が可能との意見もある。もともとは、条約違反国が出現し、運河内に軍艦を居座らせ威嚇したりした場合など、深刻な事態を想定した条項だ。

アメリカも「出動権」「保護権」が保持されたものと解釈しているようだ。当初中国企業が運河に隣接する港湾を運営していたが、徐々に中国政府や中国海軍の艦船の活動が活発化。今後、軍民融合が激しくなり「もはや中立化が保てなくなった」と判断すれば、米軍を出動させ、「中立回復」を建前に事実上軍事占領するシナリオも考えられる。

条約は「恒久的な駐留」「即時の自動出動」を保障するものではないとされているが、そもそも「恒久」とは10年か、1世紀かといった期間が明確ではなく、アメリカ側の判断次第で事実上何年でも駐留は可能だ。「即時の自動出動」も同様で、「熟考を重ねた結果、1時間後に軍を出動させた」と強弁することもできるだろう。

就任当初、パナマ運河の奪還やグリーンランド、カナダの併合などを叫び、南北米大陸を自国の勢力圏として確固たるものにしようとして、「モンロー主義回帰か」とも揶揄されたトランプ氏。

だが中国の中南米における港湾獲得戦略は、想像を上回るスピードで進み、この地域をもはや「中国の裏庭」と表現するメディアもある。

トランプ関税の発動で、中南米諸国では“アメリカ離れ”がさらに加速するのではないかと見られる中、果たしてトランプ氏は「灯台下暗し」の状況をどう立て直すのだろうか。

「灯台下暗し」の状況をトランプ氏はどう立て直すのか(写真:Pool/ABACA/共同通信イメージズ)

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