『原発事故を隠蔽したソ連は崩壊、中国の命運はいかに 新型コロナ感染拡大は「生物学的チェルノブイリ」か』(4/21JBプレス 佐藤けんいち)について

4/24WHよりのメール

Who we’re fighting for

America’s 30 million small businesses employ nearly half of our nation’s private-sector workforce. As Americans stay home to slow the spread of Coronavirus, many of these small companies have been forced to temporarily shut down or cut back on work.
Within the next 24 hours, President Trump will be sending more help their way.
After unnecessary delay from Speaker Nancy Pelosi and House Democrats, Congress is finally replenishing President Trump’s Paycheck Protection Program (PPP). Operated by the Small Business Administration, the PPP ensures that employers can continue to pay workers and cover costs during the global Coronavirus outbreak.
The program proved essential for small businesses—so popular, in fact, that it ran through its funds in just 14 days. After pressure from President Trump, Congress reached a deal with the Administration to provide an additional $310 billion for the program, along with $75 billion for hospitals and $25 billion for testing.
More relief for America’s small businesses can’t wait a moment longer. As story after story shows, these forgivable loans are the difference between survival and layoffs in communities across our country:

That’s just a snapshot of why this support matters.
Small businesses power the American economy. The Paycheck Protection Program should never have run out of money—President Trump asked Congress to refill it 16 days ago, before funds dried up. There was no excuse for Democrats to stall for more partisan pork while American families wondered when their next paycheck would come.
To the workers and small businesses who need this relief, President Trump is fighting for you. Tomorrow, his signature will right the wrongs of politicians who once again put their needs before your own.

https://twitter.com/i/status/1253087321911590914

4/23希望之声<哈尔滨道里区餐馆煤气中毒 多人死伤(视频)=ハルビン道里区のレストランでガス中毒 多数が死傷(ビデオ)>4/23、ハルビンの道里区宏図街にある火鍋・麻辣燙レストランで重大なガス中毒事件が発生した。中毒した人は完全に意識を失い、多くの人がその場で亡くなった可能性があり、また多くは救急車で運ばれていった。

事故は4/23の夕方に起きた。出前配達の料理を取りに来た配達員が事故に気が付いた。

ビデオは、防護服を着た医療関係者が次々と多くの人々をレストランから運び出し、路上に横たえて救急車に運ばれるのを待っていたことを示している。 地面に横たわっている人達は動かなかった。 医療スタッフは中毒者の状況をチェックし、バイタルサインがあった者から優先的に救急車に乗せた。 バイタルサインがない人は地面に横たわったまま、処置を待っている。

ビデオの男は言った:「火鍋・麻辣燙で数人は死んでいる。救急車が数台運んで行った」

ハルビンは第二の武漢と言われているのに。何故レストランで食事ができたのか?封鎖されているのでは?特権階級?それともまだ、封鎖されていない地域。でも、やはり中国基準で仕事が出鱈目としか思えない。

https://twitter.com/i/status/1253232512974729216

https://www.soundofhope.org/post/370441

4/23希望之声<网友直击:武汉徐东区公交车发现红码乘客 整车人面临隔离(视频)=ネチズン直撃:武漢徐東区のバスで健康QRコードが赤い乗客を発見、乗客全体が隔離に(ビデオ)>4/23、武漢市徐東区の610バスで健康QRコードが赤の乗客がいることが分かったため、全乗客の健康QRコードが赤に変わり、14日間隔離される。

ビデオが写していたのは、バスが道路の脇に停められ、パトカーが何台か駐車し、作業者は全員白い防護服を着ていた。 ビデオを撮った男は、道端に立っている黄色のジャケットを着た女性が赤い健康QRコードを持っていて、CDCのスタッフが彼女に対処する準備をしていると説明した。

ネット監視社会を作り上げた全体主義国家だからできること。でも監視されているにも拘わらず、外出禁止命令を無視するところが凄い。日本では乗客全員隔離は検査の後でしかできないでしょう。凄い国です。公共の福祉と人権のバランスが大事。

https://twitter.com/i/status/1253218841670283265

https://www.soundofhope.org/post/370459

4/24希望之声<粮食有危机?中国狂买美国牛肉大豆 还预购3000万吨农产品=食糧危機?中国は狂ったように米国産牛肉と大豆を購入 3000万トンの農産物購入を先行予約>米国農業省は4/23(木)に報告を発表し、北京が米国の牛肉と大豆に大量の注文を出したことを示した。 3人の情報筋の発言によれば、中国は世界から3000万トンの農産物を備蓄するため購入する準備をしており、穀物輸入の需要はかつてないほどに拡大している。

米国農業省の統計によると、中国は4/10~16の間に、1,400トンの米国産牛肉と27.2トンの米国産大豆を購入した。 4月初旬、北京当局は1,500トンのアメリカ産牛肉を購入した。これは、週の購入額として史上最高である。

ロイター通信は木曜日に3人の情報筋を引用して、中国が食糧を3000万トン以上購入する予定であり、食糧備蓄を増やすためにさらに多くの米国農産物を購入することを約束し、サプライチェーンが疫病によって中断されるのを防ぎ、当局が米中間の第一段階の貿易協定の条件を実施していることも示していると述べた。

北京政府の計画を伝えられた2人の情報筋によると、中国は、大豆を約1,000万トン、トウモロコシを2,000万トン、綿を100万トン購入して、国家備蓄を満たす予定であると。

中国の国営企業「中糧集団」の筋は、中国が4/22(水)にさらに3回米国産大豆を購入し、北京当局が約400億ドルの農産物購入の米中合意に達する努力をした結果、8月から9月に海運で中国に出荷されると述べた。関連情報として、今週中国は米国から合計8〜11回大豆を購入した。

北京の大量購入の影響を受けて、米国の大豆価格は木曜日には1%上昇した。

米国大豆輸出委員会のアナリスト、ジョン・バーツは、中国は緊急備蓄を補充する準備ができている可能性があると考え、中国の穀物輸入は5月に加速すると予想していると強調した。

4/20(月)に、中共農業部は今年、中国の農業生産と市場の動きはコロナウイルス(中共肺炎)とアフリカ豚コレラの脅威に直面していることを警告した。さらに、病虫害、干ばつ、洪水の問題があり、農作物は明らかに重大な危機にあると。

中共が四面楚歌にあるので急遽米国のご機嫌を取り出したのでは。でも、ロシアやインドが外国への穀物輸出を禁じたので慌てて、米国から恩を着せて輸入しているだけです。でも、中国のマスク外交を見れば、やがて農産物も中国に対するカードとして使えるというのを米国政府に伝えたのでは。日本政府はここからどんな教訓を得る?

https://twitter.com/i/status/1253033956141928449

https://twitter.com/i/status/1253208551805329408

https://twitter.com/i/status/1247160890828324864

https://www.soundofhope.org/post/370573

4/23阿波羅新聞網<恳求美重启WHO金援!谭德塞被问「要不要下台」竟然这么说…=米国にWHO資金拠出の再開を懇願! テドロスは「辞任するか」と尋ねられ、なんとこう答える>世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は22日、ジュネーブで定例記者会見を行った。記者団から、「米国下院議員は、中共肺炎(COVID-19、ニューコロナ肺炎)蔓延の責任を取ってWHOの指導者が辞任するまで、WHOへの資金拠出を凍結すると述べたが」と質問を受け、それに対してテドロスは焦って、「saving lives=命を救う」という言葉を繰り返すだけだった。

テドロスは中共のパペットというのが良く分かるでしょう。左翼の言うことを聞いて今のWHOに資金拠出するのは間違っています。パンデミックを引き起こしたのは中共とWHOの連帯責任です。責任をとらせず、今までの延長線で仕事をするのを認めることは中共を利することになります。

https://www.aboluowang.com/2020/0423/1441025.html

4/23阿波羅新聞網<反目!意率先索赔让世界参与 查!蓬佩奥首称涉多个实验室 内部文件曝哈市瞒报200多倍—大批医护感染 第二医院瘫痪 川普点评美国起诉中共 北京出招反咬 中国口罩装台湾产 一石多鸟?=反目!イタリアは率先して賠償請求し、世界に参加を呼び掛ける!ポンペオは最初に、複数の研究所について話した 内部文書は、ハルビン市が疫病患者を200倍以上も隠蔽していることを明らかに-ハルビン第二病院は麻痺 トランプは米国が中共を訴えたとコメント 北京は反抗する動き 台湾産と偽ったマスクは一石何鳥?>

台湾の中央通信社は、日本にいる台湾人ネチズンが最近、日本で“made in Taiwan”の刻印が付いた多くのマスクを見かけるが、これらのマスクの産地は中国で、中国によって発行された検査証明書も添付されていると伝えた。実際、これらのマスクは質が低く、生活で使用しても新型コロナウイルスを通さないことはできず、ましてや病院で使用することもできない。

中華民国政府が今年6月末までマスクの輸出禁止を命じたことを考えれば、現在第一線の医療スタッフのために日本に送られているマスクはすべて「寄付」されているため、台湾のネチズンは日本に出回っているこれらのマスクは台湾からのものではないと結論付けた。

トランプはミズーリ州が中共を訴えたのは最後の一つにはならないとコメントした。


4/22の中央通信社の報道によると、中共の一帯一路の盟友であるイタリアは、中共に対する損害賠償請求に署名し、消費者保護会とセンチュリー ホテルも名を連ねた。イタリアはまた、21日、「中共政府への集団訴訟に対する請求」の署名Webサイトを開設し、1日で数百人が登録した。

さらに、イタリアの通信社Adnkronosによれば、イタリア消費者権利保護協会(Codacons)も中共政府に対する訴訟の提起を検討している。 カルロ・リエンツィ協会会長は、イタリアの消費者保護令は不完全であるため、米国の法律事務所と共に調査中であり、世界が参加できるように米国で訴訟を起こす計画だと語った。

日本も米国で訴訟を起こせばよいのに。自分で戦わないで日本政府にだけ文句言うのは内弁慶の典型。日本弱体化を狙う左翼リベラルと一緒。中国進出してない企業が、日本国内での損失を基に米国で訴訟を提起したら。

https://www.aboluowang.com/2020/0423/1441119.html

4/24日経電子版<[FT]自滅した中国コロナ外交 ジャミル・アンデリーニ

米ウィスコンシン州議会のロジャー・ロス上院議長のもとに、中国政府から一通の電子メールが届いた。中国の新型コロナウイルス感染拡大に対する取り組みを称賛する決議案を議会に提案してほしいという依頼だった。同議長は、これはいたずらに違いないと考えた。

中国が医療チームを派遣したセルビアの首都ベオグラードには「ありがとう、習兄弟」と書かれた看板が立つ=ロイター

メールには、決議の文案まで添付されていた。その内容は、中国共産党がいかに素晴らしく対応したかといった論点や信じがたい主張が羅列されており、決議にかけるには怪しすぎる内容に満ちた提案だった。

「外国の政府が州議会に接触してきて法案の可決を求めるなど聞いたこともない。そんなことはあり得ない」とロス議長は4月中旬、筆者に語った。そして、そのメールはシカゴの中国総領事から送られてきたことが判明した。「びっくりした。それで、こう返信してやった――親愛なる総領事殿、ふざけるな、と」

中国政府は新型コロナ危機に乗じて国際的な立場を高めようとして、逆に手ひどいオウンゴールを喫するということが続いている。このエピソードもその一つと言わざるを得ない。

中国南部の都市にはアフリカの人が多く居住するが、そのアフリカ系住民が感染デマなどにより嘆かわしい扱いを受けていること、中国が各国に送った医療用品や医療機器に欠陥が多いこと、中国政府高官が感染は米軍から始まったとする陰謀説を公に認めるなど、世界における中国の評判をコントロールしようとする中国共産党の取り組みは、大半が裏目に出ている。

■中国、世界の信頼を失う可能性を高めた

欧米諸国による新型コロナ感染拡大への初期対応が混乱したことから国際的統治に空白が生じ、そこを中国が埋める機会を与えてしまったとする見方もある。データに疑いは残るが、実際、新型コロナに関する中国の公式発表では、中国の死者数は5000人未満で、米国の約4万人(19日時点)、イタリアとスペインのそれぞれ約2万人(同)に比べ少ない。だが中国政府がこの状況を利用しようとしたことは結局、危機の収束後、中国が世界で孤立し、信頼を失う可能性を高めている。

北京大学の著名な学者、王緝思氏は、新型コロナがもたらした様々な事態により米中関係は1970年代の国交正常化以降、最悪の水準に落ちたと指摘する。米中間の経済、技術面の分断は「もはや回復不能」なところまできていると指摘する。

英国でも変化は急激だ。保守党の有力議員たちは、首相に中国に対しもっと強硬な姿勢を取るよう求めている。英メディアは中国への批判を強め、英情報機関も中国政府からの脅威に重点的に備えると明言した。

欧州やオーストラリアは、株価の下落など経済が混乱する中で中国企業が欧州や豪の企業を安く買収するのを阻止すべく対応を急いでいる。日本政府は、日本企業がサプライチェーン(供給網)から中国を外すことを促すため、7日に決定した緊急経済対策に2400億円超の予算を盛り込んだ。

■透明性高め各国と協調していれば違ったはず

中国に対して幻滅しているのは米国やその同盟国だけではない。中国の唯一の同盟締結国である北朝鮮は、新型コロナ感染拡大の初期段階で、中国政府が人の国際的移動の禁止に反対していたにもかかわらず中国との国境を封鎖した最初の国となった。ロシアもすぐに続いた。イランの政府高官でさえ、中国が感染の広がりを隠していたと非難した。

一方、中国が世界に輸出した新型コロナの検査キットなどには欠陥品が多いとの批判が多い(写真はスイス・ジュネーブに届いた医療用品)=AP

これらの中には明らかに不当な批判もある。トランプ米大統領をはじめとする欧米のポピュリスト(大衆迎合主義者)の政治家たちは、感染拡大への自らの対応の不手際から国民の目をそらすために中国政府を攻撃してきた。「ぞっとするような生鮮市場」の閉鎖を求める声には差別的な要素も感じられる。

しかし、もし中国政府が早くから透明性を高め各国との協調路線にかじを切っていれば、もっと世界から共感を得られていたはずだ。ところが中国政府は逆に、政府による感染の隠蔽を批判した国民を逮捕し、新型ウイルスの感染が中国から始まったとする見方は違うのではないかという宣伝活動まで展開した。そして、感染封じ込めには自国の独裁体制の方が優れているとさえ主張している。

中国政府が3月に国境を実質的に閉鎖し、査証の効力を停止したため、多くの多国籍企業は大打撃を受けている。米メディア企業の記者の多くを3月に国外退去させたことも中国政府に対する国際社会の態度を硬化させた。中国の主要国営メディア(編集注、新華通信が運営するサイト「新華網」)は、「米国を新型コロナウイルスの地獄に投げ込めるよう」、米国への医療用物資の供給を停止し、医療関係の輸出を差し止めればよい、と脅しさえした。

■なぜ中国政府は自滅的行為に走るのか

こうした中国の言動は、米国をはじめ世界各国の政府に中国を自国の供給網から外そうとする動きを加速する結果につながる。なぜ中国がこのような明らかな自滅的な行為に走るのかは、中国国内の政治状況を考えるとわかる。

今回の危機は、2012年に習近平(シー・ジンピン)が中国共産党総書記の座に就いて権力を握って以来、最大の危機だ。中国共産党支配の正統性は、感染初期段階の過ちとその後の強権的な抑え込みにより傷ついた。習氏は、今後始まる経済的危機で国民の支持はさらに失われることに気づいている。08年の金融危機の際は、中国政府は社会不安を封じ込めるには最低でも年8%の成長率が必要だと認識していた。しかし、20年1~3月期の中国の国内総生産(GDP)は前年同期比で6.8%減少した。

他国を敵に回すようなナショナリズムを大いに強化することは、たとえ中期的に中国の世界における評価を落とすことになっても、中国国民の気をそらすことにはつながる。だからこそ中国の外交官は、ウィスコンシン州議会のロス議長のような、これまで中立的な立場に立ち、貿易や外交の面で味方に付いてくれたかもしれない人物を敵に回しかねない行動に出たのだ。

中国政府は、外国の議会でのこうした決議を国内での共産党支配を正当化する宣伝に利用する狙いだった。

だがロス議長は今、正反対の決議案を準備している。中国国民を称賛する一方で、「中国共産党を丸裸にし、その残忍な姿と中国が新型コロナ感染を隠蔽したことで全世界に与えた損害とを世界に明らかにする」決議案だという。圧倒的多数の賛成で可決されることだろう。

By Jamil Andelini

(2020年4月20日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)>(以上)
米国人は中国人の本性を知らないから。日本人もですが。

佐藤氏の記事では、「スヴェルドロフスクの生物兵器研究所は、帝国陸軍の731部隊(通称、石井部隊)が満洲で培養していた細菌兵器の情報ファイルをソ連軍が接収し、その情報をもとに第2次大戦後に設置されたものだ」とありますが、本当ですか?米軍が接収して細菌兵器と関係ないと本で読んだ記憶がありますが。

共産主義と言うか、専制政治は嘘つき政治になるということでしょう。改革派と言われたゴルバチョフも国民に嘘をついたわけですから。改革派と言っても所詮は独裁政権の中での話。

記事 

チェルノブイリ原発4号機を覆う巨大シェルターの正式稼働開始式典に出席したウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領(左)(2019年7月10日、提供:Ukrainian Presidential Press Service/ロイター/アフロ)

(佐藤 けんいち:著述家・経営コンサルタント、ケン・マネジメント代表)

新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックは現在進行中の事態であるが、過去の事例と比較検討すると思考の幅が拡がる。歴史に学べ、というわけである。

その代表格ともいえるのが、第1次世界大戦の末期、1918年に発生した「スペイン・インフルエンザ」(いわゆる「スペイン風邪」)だ。当時、スペインは交戦国ではなく中立国であったため、比較的正確なデータが公表された。そのことによりスペインの国名が冠せられてしまったが、実際の発生源は米国だとされている。

日本も含めた全世界に感染が拡大した結果、当時の世界人口の約3割にわたる5億人が感染、最大規模で5000万人が死亡したとされている。膠着化していた世界大戦の集結を早めたとさえ言われるくらいだ。

さらにさかのぼれば、14世紀から17世紀にかけて欧州と地中海世界を中心に暴れまくった「黒死病」もまた、比較検討する対象として論じられている。「黒死病」については、私もこの連載コラムで取り上げた(参考:「繰り返される中国とイタリアの悲劇的な濃厚接触」)。

今回は、それとはちょっと違う観点から、過去の巨大事故を比較対象にして、今回のパンデミックが今後に及ぼす影響について考えてみたいと思う。同質の事例を過去にさかのぼるのではなく、異質だが関連性のある事例で比較検討してみるというアプローチである。

「見えない敵」であるウイルスと放射能

「NBC兵器」という概念がある。「N」とはNuclear、「B」はBiological、「C」はChemicalの略である。核兵器、生物兵器、化学兵器のことだ。それぞれ放射能、細菌とウイルス、化学物質を兵器として使用する。この3つには共通点がある。それは、いずれも「目に見えない」ということだ。

匂いをともなうことのある化学物質はさておき、ウイルスや細菌だけでなく放射能もまた、目に見えず、手で触ることも、匂いを嗅ぐこともできない。ウイルスも放射能も、いわゆる五感で感じることができない点は共通している。

放射能は線量計で検知して数値で「見える化」できるのに対して、ウイルスは感染して発症するか、検査キットで陽性反応がでない限り「見える化」されない。その意味では、ウイルスは放射能より怖いという側面もある。もちろん、放射能は後遺症が長年にわたって残ることは言うまでもない。

大きな違いはといえば、放射能は風によって拡散するが、ウイルスは人間が媒介になって拡散することだろう。放射能は風向き次第であり、風向きさえ事前にわかれば回避行動をとることも不可能ではない。ウイルスは人間から人間へと感染が連鎖していくが、感染源が追跡可能なら回避行動はとれる。とはいえ、いったん感染爆発状態となると、ロックダウンでもしない限り、回避行動は困難になる。目に見えない恐怖なのだ。

ウイルスや放射能は、兵器として使用されることがなくても、大規模事故によって拡散することがある。原子力発電所や化学プラント、ウイルス研究所の事故が大規模化した事例は少なくない。

覚えている人はあまりいないかもしれないが、1984年には、インドのボパールで殺虫剤製造の化学プラントが大爆発し、毒ガスその他の化学物質が周囲にまき散らされ1万人以上が死んだ大惨事が発生している。米国の多国籍企業ユニオン・カーバイド社の工場であった。いまなお後遺症に苦しんでいる人も多く、史上最大の化学事故とされている。

その2年後の1986年にソ連で発生したのが、チェルノブイリ原発事故だ。言うまでもなく史上最大の原発事故である。国際原子力機関(IAEA)の公式見解で死者4000名、さらに数十万人が強制移動を余儀なくされただけでなく、いまなお放射能の後遺症に苦しむ人びとも多い。

日本では2011年の「3・11」の翌日に福島第1原発の事故が発生したが、規模としてはチェルノブイリが依然として史上最大である。しかも、ソ連国内だけでなく、風向きの影響で北欧のスウェーデンまで放射能が達したことで、はじめて原発事故であることが発覚したのである。

チェルノブイリ原発事故後の第3原子炉と第4原子炉(出所:Wikipedia英語版)

新型コロナは「生物学的チェルノブイリ」か?

まもなくチェルノブイリ原発事故が発生した4月26日をふたたび迎えることになるが、新型コロナウイルスのパンデミック化とともに、「チェルノブイリ」という固有名詞が原発事故とは異なる文脈で再浮上してきたことに注目したい。

米国の政治研究者の一部では「バイオロジカル・チェルノブイリ」(Biological Chernobyl)という表現がされるようになってきた。

「生物学的チェルノブイリ」という表現が示唆しているのは、中国共産党による初動の遅れと情報隠蔽が災害を悪化させたという点が、ソ連共産党のもとで発生したチェルノブイリ原発事故に匹敵、あるいはそれをはるかに凌駕するものがあるのではないか、ということにある。自己複製できないウイルスは生物ではないが、ネーミングとしてはインパクトがある。

また、この表現の背景には、新型コロナウイルスは、なんらかの事故によって漏出したものだという前提がある。コウモリなど動物由来のウイルスがヒトに転移したのだとしても、実験に使用した動物(もしくはウイルス)がずさんな管理によって生物研究所の外部に漏出したのではないか、という疑いが濃厚だ。

実際、新型コロナウイルスの発生源については、中国人の医学研究者2名の共同執筆による The possible origins of 2019-nCoV coronavirusという論文では、武漢市内の2つの研究所から漏出した可能性が高いことが指摘されている(参考:「失踪した中国人研究者の『消されたコロナ論文』衝撃の全訳を公開する」)。

この論文は、発表後ただちに当局によって削除されたが、それだけ中国共産党にとっては痛いところを突いており、信憑性が高いと見るべきではないか。なお、この英語論文は、現在でもネット上で閲覧可能である。ぜひ確認していただきたい。

毒物研究の世界的権威で、1995年のオウム真理教によるサリン事件では日本の警察に捜査協力もしている台湾出身のアンソニー・トゥー博士は、「生物兵器研究所から細菌やウイルスなどの病原体が漏れ、騒動になることはよくある」と指摘している(参考:「燻る『新型ウイルス=生物兵器』説、専門家が解説」)。傾聴に値する見解といえよう。この件についてはのちほど取り上げることにする。

スウェーデンで発覚したソ連の原発事故

まずは、1986年4月26日に発生したチェルノブイリ原発事故の初動の遅れと情報隠蔽について、振り返っておこう。先にも見たように、風向きの関係で風下にあったスウェーデンで放射能が検出されたことで、はじめて原発事故が発覚したのである。

チェルノブイリ原子力発電所の位置。左上囲み内の赤い印、キエフの北西。赤い部分はウクライナ、その北はベラルーシ(出所:Wikipedia

1963年に成立した「部分的核実験停止条約」を監視するため、中立国スウェーデンには国境沿いに無人放射能探知機が多数設置されていた。4月27日、それらの探知機が大気中の放射能レベルの異常な増加を検知し始める。だが、この日が日曜日であったこともあって、誰一人問題にすることがなかった。

首都ストックホルムの北にあるフォッシュマルク原発でも、翌朝の4月28日の午前7時に高レベル放射能が検知された。原発内の3つの原子炉で検査が行われたが、漏洩は特定できなかった。だが、事態を重く見たスウェーデン政府は、午前9時半に原子炉を停止させ、作業員や周辺住民の避難を開始した。

また、この日の午後から防衛研究所の観測所や気象庁のデータ、さらには空軍の偵察機によるバルト海上でのサンプル採集の結果、原子炉事故にともなって発生するセシウム137とヨウ素131の比率が異常に高かったこと、風向きの関係から、放射能の発生源がソ連領内の原子炉からのものであることを特定したのである。

ただちにスウェーデン政府はソ連政府に照会したが、ソ連政府は「説明できる情報はない」と否定的な回答を繰り返すのみ。しびれを切らしたスウェーデン政府が、国際原子力機関(IAEA)に報告すると詰め寄った結果、ついにソ連政府は午後7時に一転してチェルノブイリ原発でのメルトダウンの事実を認めたのである。事故発生からすでに69時間が経過していた。事故発生は、4月26日の深夜、午前1時23分のことだった。

事故の情報を隠蔽したソ連共産党

当時のソ連共産党書記長は、1985年3月に就任した当時54歳の改革派ゴルバチョフだったが、事故から18日後になって国営テレビ放送で「原発事故にかんする報告」を行っている。

チェルノブイリ・クライシス』(竹書房、2011 完全復刻版)によれば、報告のなかでゴルバチョフは以下のように述べているという。「事態の重大性は明白だった。それを早急に、適切に評価する必要があった。われわれは確実な初期情報を入手すると直ちにソ連の人びとに知らせ、外交経路を通じ、諸外国の政府に伝えた」。

直ちにソ連の人びとに知らせたというのは、明らかな虚偽である。ソ連国内向けの放送では、事故から18日経過時点でも、ソ連国民にはウソをついていた。当時のソ連においては、5月1日のメーデーから5日間が国民の休暇になるだけでなく、5月9日の「独ソ戦戦勝記念日」がきわめて重要な政治イベントであったこともあり、事故情報が意図的に隠蔽されたようだ。

ベラルーシの作家でノーベル文学賞の受賞者スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチは、原発事故から10年後に多数の人びとへの聞き書きをもとにした『チェルノブイリの祈り-未来の物語』(岩波現代文庫、2011)を書いているが、この本を読むと、地方政府の共産党書記長が、事故から5日後のメーデーの時点でも情報開示していなかったことがわかる。チェルノブイリ原発はウクライナに立地していたが、風向きの関係で北に隣接するベラルーシが最大の被害地となったのである。

セシウム137の濃度に基づく放射能汚染地域(出所:Wikipedia
中国の武漢で発生した新型コロナウイルスにかんしても、中国政府の初動の遅れと情報隠蔽が被害を拡大したことは疑いない。

人民解放軍がすでに2019年11月段階で情報を把握していたこと、最高指導者の習近平も情報を知っていながら、その情報を軽視して2020年1月17日から18日にかけてミャンマーを訪問、適切な指示を出していなかった。解任された武漢市の市長の記者会見における発言は、共産党の官僚組織にビルトインされた上意下達が生み出す、「事なかれ主義」という人災であったことを全世界に知らしめた。

この点において、新型コロナウイルスは「バイオロジカル・チェルノブイリ」と呼ばれて当然であろう。初動の遅れと情報隠蔽が、感染爆発を全世界規模のパンデミックに拡大させた最大要因なのである。

炭疽菌漏出事故がソ連で発生していた!

「バイオロジカル・チェルノブイリ」という表現が使用されたのは、じつは今回が初めてではない。1979年3月にソ連の工業都市スヴェルドロフスク(現在はエカチェリンブルク)で発生した炭疽菌(たんそきん)漏出事件が、「バイオロジカル・チェルノブイリ」と呼ばれているのである。

この漏出事故は、ソ連共産党によって徹底的に情報隠蔽され、極秘扱いとされており、ソ連崩壊後までソ連国内でも国際的にも知られることはなかった。もしかすると、現在でもこの事件について知らない人が多いに違いない。

「バイオロジカル・チェルノブイリ」という表現を初めて使ったのは、ソ連の生物兵器研究の実質的責任者で、ソ連崩壊後に米国に亡命したケン・アリベック博士である。ロシア名は、カナジャン・アリベコフという。カザフスタン出身の微生物学者だ。

アリベック博士が米国亡命後の1999年に出版した『バイオハザード』(二見書房、1999)で、スヴェルドロフスク炭疽菌漏出事故の詳細がはじめて明らかにされた。事故の概要は以下のとおりだ。

1979年4月3日に、スヴェルドロフスクの生物兵器施設の第19区炭疽菌乾燥プラントから、ヒューマンエラーによって乾燥炭疽菌が漏出、潜伏期間を経た数日後に発病者が発生、最後の感染者が報告された5月19日までに96名が発病し、66名が死亡した。炭疽菌はヒトからヒトへの感染はないとされるが、情報隠蔽のため確かな数字をつかむことは困難である。

ソ連共産党当局は事故を把握しながら、周辺住民に対して情報隠蔽ともみ消しを行い、初動の遅れから住民被害を拡大させたのである。というのは、1972年に「生物毒素兵器禁止条約」が成立し、ソ連もまた条約に調印していたにもかかわらず研究を続けていたからだ。当時のスヴェルドロフスクの州委員会第1書記は、ソ連崩壊後の新生ロシア共和国の初代大統領となったエリツィンであった。

ちなみに、スヴェルドロフスクの生物兵器研究所は、帝国陸軍の731部隊(通称、石井部隊)が満洲で培養していた細菌兵器の情報ファイルをソ連軍が接収し、その情報をもとに第2次大戦後に設置されたものだ。

アリベック博士の本が出版された2年後には、炭疽菌テロが米国内で実行されている。乾燥炭疽菌の白い粉が入った封筒がマスコミや上院議員に送られるというバイオテロが、「9・11」後に2回にわたって行われたのだ。死者5名、負傷者17名が出ている。

この炭疽菌テロ事件は全米を震撼させた。以後、米国は生物兵器によるバイオテロにはきわめて敏感になっている。

アフターコロナ時代に中国共産党は生き延びられるか

先にも見たように、チェルノブイリ原発事故の際には、その前年に改革派のゴルバチョフが書記長に就任していた。ソ連共産党最後の最高指導者である。長い余生を送っている現在89歳のゴルバチョフは、日本でいえば徳川慶喜のような存在だ。

社会主義政治経済体制の再構築を意味する「ペレストロイカ」を推進したのがゴルバチョフだが、硬直化した官僚制度のためチェルノブイリ原発の事故情報が思うように集まらなかったことに業を煮やしていた。そこで導入したのが「グラスノスチ」であった。言論・思想・集会・出版・報道などの自由化・民主化のことである。

一方、ゴルバチョフ改革によって民衆がパワーをもった結果、1991年末のソ連崩壊につながったとみなした中国共産党は、鄧小平時代にソ連崩壊プロセスを徹底的に研究している。最高指導者の習近平は終身書記長に就任し、テクノロジーによる情報統制と国民監視による締め付けを強化、強権体質を強化して中国共産党の崩壊を絶対に阻止しようと決意している。

だが、武漢発の新型コロナウイルス情報の隠蔽が行われたことに対して、中国国民の不満が高まっていることは周知の通りだ。はたして中国共産党は、今後も盤石の状態を維持できるのかどうか。

1986年当時のソ連は、79年から始まったアフガン戦争が泥沼化し膠着状態に陥っていた。衰退過程にあったソ連は米国が仕掛けた軍拡競争で経済が疲弊し自壊したが、2020年時点では、米中は覇権をかけて死にものぐるいの戦いの最中にあり、パンデミックの最中にも停戦状態にはない。

とはいえ、中国経済はけっして盤石の状態ではない。日本のバブル経済崩壊時に匹敵する不良債権を抱え、しかも少子高齢化には歯止めがかからない。社会保障制度の不備のため消費主導の経済構造の改革も進まず、中国経済は見かけほど強靱なものではないことは、以前から指摘されているとおりだ。改革を先送りすることで、かろうじてバブル崩壊を食い止めているに過ぎない。

もちろん、バブルが崩壊したからといって、ただちに国家破綻するわけではない。現在の中国は、ソ連崩壊時のソ連とは違う。中国共産党が新型コロナウイルスのパンデミックでただちに崩壊に至るとは考えにくい。

だが、以下のような動きが始まっていることに注目したい。いずれも新型コロナウイルスのパンデミックに対して中国政府イコール中国共産党の責任を問うものだ。

米国ではすでに中国政府を相手にした集団訴訟の動きが出ている(参考:「米国で連発、新型コロナ拡散で中国相手に集団訴訟」)。弁護士社会の米国では集団訴訟はよくある話だが、すでに腕利きの弁護士が一枚絡んだ訴訟も動き始めているという。また、米国議会でも中国共産党を非難する機運が高まっている。

英国の新保守主義系のシンクタンク、ヘンリー・ジャクスン・ソサエティ(HJS)からは、「Coronavirus Compensation? Assessing China’s Potential Culpability And Avenues Of Legal Response」(「新型コロナウイルスの補償?-中国の過失責任の見込みと法的対応への道」)というタイトルのリポートが今年4月に出ている。人命被害を除いたG7加盟諸国の経済損失の総額はリポート発表時点で約4兆米ドル(日本円で約440兆円)になるとしている。

リポート「Coronavirus Compensation? Assessing China’s Potential Culpability And Avenues Of Legal Response」の表紙

英国では、ボリス・ジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染し、一時期はICUに収容される事態まで発生している。米国の意に反して、5Gの基地局の導入に中国企業のファーウェイを採用することを表明していた英国だが、見通しが不透明になってきた。

報道によれば、英国政府のある高官は、「中国は覚醒する時が来た。そうでなければパーリア国家(pariah state)になる」と、警告している。「パーリア」というのは、「賎民」とか「のけ者」という意味だ。きわめて強い表現である。

新型コロナウイルスのパンデミックとの戦いは現在進行形であり、ウイルスの封じ込めに向けて国際協調が求められることは言うまでもない。だが、もうすでに「アフターコロナ時代」に向けての動きが始まっているのである。それは経済だけではない、さまざまな局面で大きな地殻変動が始まろうとしているのである。

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