『コロナ禍で世界経済が突き落とされる「経験のない異常事態」とは』(4/7ダイヤモンドオンライン 真鍋昭夫)について

4/11WHよりのメール

「“Frequently lost in the current debate surrounding hydroxychloroquine and chloroquine — should these drugs be used as treatments for the coronavirus? — is the fundamental principle of giving hope to individuals with life-threatening diseases. The emergency use authorization granted by the Food and Drug Administration (FDA) for these two drugs provides one such avenue to give patients hope, as does key legislation signed into law two years ago by President Donald Trump,” Mary Vought writes for Fox News.

https://www.foxnews.com/opinion/fighting-coronavirus-right-to-try-law-help-mary-vought

“This is fast becoming my favorite genre of journalism: A major news outlet will at first report accurately on a breaking news event, but then amend its own headline later in such a way as to make sure it does not a) reflect well on Republicans or b) reflect poorly on Democrats,” Becket Adams writes in the Washington Examiner.

https://www.washingtonexaminer.com/opinion/media-get-cold-feet-after-reporting-democrats-torpedoed-covid-19-bill-change-headlines-to-spread-bipartisan-blame     」

4/11NHKニュース<WHO事務局長「台湾から人種的な中傷」に台湾が反発>

「一方、(台湾の)調査局は、テドロス事務局長の発言後、ツイッターに「台湾人を代表して謝罪します」などという書き込みが100件以上投稿され、アカウントを分析した結果、中国のユーザーの間で拡散された疑いがあると指摘しました。」

テドロスは中共からの指示を受けて「台湾からの人種差別を受けた」と発言したのでしょう。或いは中共五毛党が差別投稿していたのかも。NHKにしては真面な報道です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200411/k10012381581000.html?utm_int=news_contents_news-main_005

4/10看中国<取乐无底线 中国人花钱让非洲儿童喊“我是黑鬼智商低”(视频)=楽しむのに底なし 中国人はアフリカの子供たちに金を渡して“私は低能の黒んぼ”と叫ばせる(ビデオ)>最近、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が記者会見で人種差別したと台湾を攻撃し、「公の場でフェイクニュースを広めている」として外界から嘲笑された。少し前に、 南アフリカの有名ネチズンは、「中国はアフリカに対して激しい人種差別をしているのに、世界各国が中国に対して差別をしないことを要求する。アフリカの子供たちに金を渡して“私は低能の黒んぼ”と叫ばせ、辱めて楽しんでいる」と公に指摘した。

2/16、アフリカの有名ネチズンの「ウォデマヤ」がFacebookに動画を投稿した。動画のコンテンツの1つは次のとおり。アフリカの子供たちのグループが“私は低能の黒んぼ”と言って、侮辱的なスローガンを書いたものを持ち、音楽に合わせて踊っている。明らかに、このアフリカの子供たちのグループはその文の意味を理解していなかった。

この作品は「ウォデマヤ」を非常に悲痛な気持ちにさせた。彼はこの種のことが21世紀にまだ起こっていることを信じることができず、このことが中国人によって行われたことも見つけた。

テドロスはこのビデオを見た方が良い。心あるアフリカ人は中国人に対して怒っている。勿論台湾人であるはずがない。


https://www.secretchina.com/news/gb/2020/04/10/929322.html

4/10希望之声<WHO背弃原则功能不彰 台裔美籍学者吁美国另起炉灶=WHOは原則を放棄し、機能していない 台湾系アメリカ人の学者は、米国に別組織の立ち上げを求める>世界保健機関(WHO)は、中共が「中共ウイルス」の蔓延状況を隠すのを支援してきた。その結果、世界は、防疫に最適な時期を逃し、各界の責任追及を引き起こした。 台湾系アメリカ人の学者陳仁宜は昨日(8日)に米国のメディアに寄稿し、「中国(中共)がWHOを破壊し、米国がこの良くない組織を修復できなかった場合は、きっぱりと新しい組織を作ることを提案する」と直言した。

現在、フーバー研究所の研究者である陳仁宜(ラニーJ.チェン)の文章は、WSJウェブサイトで昨日公開された。今のWHOは、トランプ大統領の「中国中心」という発言だけでなく、機能を失い、設立当初の意図や原則を放棄した。

中共と付き合うと悪に染まるのです。贈収賄やハニーは当り前。それでいうことを聞かせようとする。彼らが支配する社会では悪徳が栄えるだけです。

https://www.soundofhope.org/post/364897

4/10阿波羅新聞網<惊呆!中国出口测试剂自带武肺病毒 英相震怒 分析:无意?恶意?—9成英国人要索赔 美医护起诉中共 非洲首例诉习 研究:至少3万中国人死亡=あきれる!中国の輸出用テストキットには、武漢肺炎ウイルスが付着 英国首相は怒りで震える 分析:意図的?悪意? —英国人の90%が中共に賠償を求める アフリカで最初に習を訴え 研究:少なくとも3万人の中国人は亡くなっている>ニュージーランドの学者の研究:武漢肺炎は中国で少なくとも3万〜6万人の死者を出した。

オークランド大学の名誉准教授であるGiresh Kanjiは、10日にニュージーランドのチャンネル3のAMショーに出て、「データのモデルの控えめな見積もりでも、武漢での肺炎による死亡者数は3万から6万の間で中共の公式データの約10倍である」と発言した。

ジョンソンの怒り:輸出されたテストキットは中共ウイルスを意図せずに運んできたのか?悪意があったのか?

自由時報は、英国の《CDメディア》のレポートを引用し、2人の情報源は、「イギリスのジョンソン首相は中国の企業グループである華為の英国における5G契約を取り消すと同時に、自身の感染も含め、中共の情報隠蔽により英国での疫病の大流行に至り、中共に腹を立てている」と述べた。中国から送ってきたテストキットがウイルスに汚染されていたことがもう一つの大きな理由である。

サウジアラビアの英字新聞、アラブニュースは7日、カイロ南部のナイルデルタの西の省(ガルビア)に住む弁護士であるモハメドタラートは、中共が作ったウイルスは生物兵器として多くのメデイアで報道されており、これに基づき、中共総書記の習近平に対しエジプトで訴訟を起こした。

タラートは、SNSで明らかにしたのは、「エジプトのアブデル・ファタ・アル・シシ大統領に、当局が問題提起するのを助けるために国際法の専門家を集めて委員会を作った方が良いとしたが、政府関係者からは連絡がなかった」と。エジプト政府は「司法問題に干渉せず、中立的な立場を取っている」と彼は言った。

タラートは、「すべてが正常に戻り、飛行機が飛ぶようになったとき、私は世界中のあらゆる場所に飛んで本件について“中共政府に法的訴追を行うことができる”と宣伝する」と述べた。

寄稿した時点で、エジプトでは感染者は合計1699例で、118人が死亡した。

日本の弁護士には習近平を相手取り、訴訟に訴える骨のあるのがいないのか?まあ占領軍憲法を後生大事にしないと受からない司法試験合格者だけのことはある。戦うことができない去勢者集団でしょう。

https://www.aboluowang.com/2020/0410/1434991.html

4/10希望之声<粗制滥造无底线 网曝中国“苍蝇口罩”狂销海外(视频)=粗製乱造は底なし 海外販売用の中国の「蝿マスク」がネットにさらされる(ビデオ)>中共が「マスク外交」に勤しむにつれ、中国製マスクが世界中で販売されるようになり、中国マスクの品質問題がますます深刻化しているのが明らかにされた。 最近、中国のeコマース会社がWeiboにビデオを投稿した。購入した35万枚のマスクの一部には、死んだ蝿やシミが付着しており、これらのマスクのほとんどは、国境を越えたeコマースで海外向けに販売される。

このeコマース会社は、河南滑県の奥康衛生材料会社から35万枚のマスクを購入したことを明らかにした。 アップロードされた動画は、「死んだ蝿がマスクに貼り付いており、もう一つはマスクの耳かけ部分が汚れていたり、また見たところ一部のマスクは汚れて古く、多くは明らかなシミがあり、一部は破損している。 普通のマスクはかけた後でもこれらよりもきれいである」ことを示している。

所詮”made in China”です。衛生観念の乏しい国からの輸入は止めるべきです。4/11日経朝刊には「人工呼吸器参入に壁」と言う記事で、緊急事態でも規制変更なしと。厚労省は審査に10カ月以上かかると。PCR検査増、アビガンの武漢ウイルス薬としての承認も厚労省の抵抗、オンライン診療は医師会の反対で全面対応はできないでいます。これで本当に危機対応と言えるのでしょうか?政治が主導する場面でしょう。外敵が攻めて来たら悲惨になることは間違いない。左翼のように憲法9条が守ってくれるとでも。

https://www.soundofhope.org/post/365344

4/11阿波羅新聞網<美众议员提案停止金援世卫直达谭德塞下台 文本以「中华民国」称台湾=米国下院議員は、テドロスが辞任するまでWHOへの資金提供を停止することを提案する 法案では、「中華民国」を台湾と呼んでいる>トランプ大統領の警告を受けて、世界保健機関への資金提供の一時停止を検討しているが、ガイレシェンターラー下院議員の提案は、WHOのテドロス事務局長が辞任するまで財政援助の一時停止を要求した。 法案では、台湾を「台湾」ではなく「中華民国」と呼ぶことはめったになく、武漢の内部告発者である李文亮博士についても言及されている。

世界は中共とWHOに責任追及の構えを見せているのに、まだ安倍内閣は習近平を国賓で呼ぼうと考えているのか?

https://www.aboluowang.com/2020/0411/1435094.html

4/11日経電子版<遠のく中国主導の秩序 コロナ後、真に懸念すべきは 本社コメンテーター 秋田浩之

燎原(りょうげん)の火のように、コロナ禍が世界に広がっている。この危機は国際秩序にも少なからぬ変化をもたらすだろう。

では、国際政治をどう変えるのか。この点について、米欧の研究機関は連日のように、オンラインで会議を開いている。特に活発なのが、米中の覇権争いに及ぼす影響をめぐる議論だ。そこで聞かれる分析は、主に3つある。

第1は米国の世界への指導力はさらに弱まり、中国の台頭が勢いづくというものだ。中国は表向きは感染を封じ込め、各国への医療支援に走る。一方、米欧はなお有効な手を打てず統治力の弱さをさらす。コロナ後の覇権争いで中国が優位に立つとの分析だ。

第2は逆に、中国の影響力が弱まるというものだ。感染を世界に広げてしまったことで、中国の信用は深く傷ついた。国内でも指導部への不満が渦巻く。中国による覇権は遠のかざるを得ない。

第3はこれら2つの折衷シナリオだ。コロナ禍により米中ともに深い傷を負う。いずれも内向きになり、世界は「Gゼロ」の秩序に突入するという読みだ。

このうち、現時点でいちばん可能性が高いのは、中国主導の秩序が遠のくという第2のシナリオだろう。米国の状況によっては第3の「Gゼロ」シナリオもあり得るが、少なくとも第1の予測は誤っているように思う。

最大の理由は、感染を国内で抑えきれず、世界に拡散させてしまった一義的な責任から、中国が免れられないことだ。昨年12月までに湖北省武漢で感染があったにもかかわらず、現場などの隠ぺいにより、指導部の対応が遅れた。

中国当局は初め、「人から人への感染の証拠はない」とも説明した。いま各国は眼前の患者を救うことに忙殺されているが、感染が収まれば、中国の「責任」を追及する声が広がる兆しがある。

すでに米国では中国政府を相手どり、賠償を求める動きが起きている。米ナショナル・レビュー誌も4月6日、コロナでこうむった被害の賠償を中国政府に請求すべきだという論評をかかげた。

英シンクタンク、ヘンリー・ジャクソン協会は5日、中国政府の過失がもたらした損害額は、主要7カ国(G7)だけで3兆2千億ポンド(約432兆円)にのぼるという試算を出した。

これに対し、中国の共産党政権は落ち度はないどころか、感染を早く封じ込め、各国が対応する時間を稼いだ、世界は中国に感謝すべきだ――と宣伝している。

この説を肉付けするように、中国は各国への医療支援も広げる。3月末までに約120カ国にマスクや呼吸器などの物資を送ったという。支援を受け取ったセルビアやイタリアは、中国への「謝意」を表している。だからといって、「感染をもたらした中国への怒りが、各国から消えるわけではない」(欧州外交筋)。

コロナ禍による経済の損失も、超大国をめざす中国の世界戦略には深い痛手だ。中国は「一帯一路」構想のもと、アジアやアフリカに資金を注ぎ、インフラを整えてきた。自前の経済圏を築き、政治力にもつなげる狙いだ。

ところが米外交評議会によると、一帯一路の事業はいま、パキスタンやインドネシア、マレーシア、ミャンマーで行き詰まっている。建設をになう中国人の労働者の往来や、必要物資の輸出入が滞っているためだ。

もっとも、コロナ禍で深手を負うのは米国も同じだ。経済は4~6月期、戦後最悪の2桁のマイナス成長に沈むとも予想される。失業者の数もすさまじい。

2兆ドルの景気対策で、連邦政府の財政赤字も国内総生産(GDP)の1割を超えそうだ。国防予算が切り詰められ、米軍の海外関与が弱まる恐れがある。米海軍の試算によると、中ロなどに対抗し、海洋の優位を保つには355隻の艦船がいる。だが、確保できるのは、多くて305~310隻にとどまりかねないという。

それにもまして、1万人超の死者を出してしまったトランプ政権の失策が、米国の威光に与える傷は深い。国内の分断も大きく、当面、世界に強い指導力を振るうどころではないだろう。

問題は長い目で見て、米中のどちらが、より大きな打撃を受けるのかである。国際政治への影響力では、中国がこうむる損失の方が重いとみるべきだろう。

米国には日本や韓国、オーストラリア、欧州という民主主義の同盟国がいる。国力がいったん弱まっても、同盟国と協力し、世界への影響力を保つ道が残されている。しかし中国には友好国はあっても、頼れる同盟国はない。

危機からの復元力も、米国の方が優れている。コロナ後、米国では議会や研究機関が失敗を鋭く検証するにちがいない。その結果、トランプ大統領が責任を問われ、選挙で敗れたとしても、米国の国の根幹が崩れるわけではない。新しい大統領のもとで、コロナの教訓は生かされていくだろう。

中国にはこうした自浄作用は働きづらい。習近平(シー・ジンピン)国家主席による強権体制では、公開の場でおおっぴらに敗因を議論し、総括するのは難しいからだ。そんなことをすれば、指導部の失策を認めることになり、習氏の権威が揺らいでしまう。

コロナ後、世界が心配すべきなのは中国主導の秩序が生まれることではない。逆に、中国が不安定になりかねない展開である。>(以上)
共産主義が世界を支配するということは暴力を肯定することです。革命に次ぐ革命、血で血を洗う世界になるでしょう。そんな世界は御免です。

真壁氏の記事では、中国の操業再開は感染の第二波を招き、再度の封鎖が必要となると思います。結局、中国の供給能力は増えず、各国国内生産が増え、中国とのデカップリングが進むと思います。

記事

Photo:PIXTA

コロナショックで重大な局面を迎える世界経済

世界中でコロナショックが猛威を振るっている。中国湖北省武漢市で発生したとされる新型コロナウイルスの感染は、世界中で非常事態宣言が発せられるなど今まで経験したことのない異常事態を巻き起こしている。欧米諸国の一部の都市では事実上の封鎖状態になるなど、事態はかなり深刻だ。

有効なワクチンの開発には数カ月単位の時間を要するとみられ、いつ、どのように感染が終息するかは全く読めない状況だ。感染の拡大は、世界経済にこれまで経験したことのない重大な影響を与えることは間違いない。今後も経済活動が抑制されるため、雇用への影響は大きい。

特に、今まで世界経済を支えてきた米国では失業が急速に増え始めた。ムニューシン財務長官は政府の対応がなければ失業率が20%に達する可能性があるとの見解を示した。セントルイス連銀のブラード総裁は、4~6月期の失業率が30%に達すると予想している。

中国経済が成長の限界を迎え、米国の緩やかな景気回復に依存して安定を維持してきた世界経済は、今、想像だにしなかった深刻な局面を迎えている。

世界各国が国境を封鎖し、主要都市での外出禁止などを実施することで人の動線がかなり絞られてしまった。その中で財政・金融政策を総動員したとしても、どの程度の需要創出効果があるか見通しづらい。韓国やドイツなど輸出に依存してきた国を中心に、当面、世界経済は底の見えない暗闇に突き落とされてしまった。

コロナショックに見舞われた世界経済の現状

足元の世界経済を俯瞰すると、世界各国で人の移動が制限され、需要と供給が崩れてしまった。特に、米国経済の状況は楽観できない。3月中旬以降、世界的に株価が反発する局面がみられはする。対照的に、実体経済がかなり厳しい状況を迎えていることは冷静に考える必要がある。

米国では感染の拡大を受けて、人の移動が大きく制限されている。行政当局の命令に従わない場合は、罰金や禁錮刑が科せられるケースもある。そこまで厳しく移動を規制しても、感染の拡大を食い止めることは難しい。感染を抑えるために、職場に出ることができない人も多い。

飲食、航空などのサービスを中心に企業は急速な収益の減少に直面し、雇用を削減し始めた。3月20日の週、米国の新規失業保険申請件数は史上最多の328.3万人に達している。米国企業にとって、雇用調整は景気動向に合わせて事業体制を調整するための安全弁のようなものといえる。動線の寸断によって需要が大きく減退していることを考えると、米国の失業はさらに増える可能性が高い。

また、トランプ政権が“オバマケア”の廃止を目指してきたことも、新型コロナウイルスの感染拡大に影響を与えているとの見方がある。ポイントは、米国の医療制度が崩壊、あるいは機能不全に陥ったということだ。所得が少ない人が医療サービスにアクセスすることが難しくなっている。それは、新型コロナウイルスの感染拡大や死者の増加に無視できない影響を与えたはずだ。

感染の拡大が食い止められない状況が続けば、米国の失業者はさらに増加するだろう。リーマンショック後、米国では労働市場が緩やかに回復した。近年は、人手不足が深刻化し、賃金に上昇圧力がかかった。それが、米国の個人消費を支えた。この結果、米国経済は第2次世界大戦後最長の回復に到達し、世界経済全体が安定を維持できた。米国の雇用環境の悪化は、世界経済にとって大きなリスクと考えられる。

社会環境が一段と厳しさ増す欧州経済

欧州各国も、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めることが難しい。この最悪の状況が続くと、域内の経済的つながりを強め、地域の安定を目指すというEU発足の根本理念そのものが問われかねない。

ユーロ圏加盟国を中心に、欧州各国は単一市場を創造することによって、より効率的な経済運営を実現し、社会の安定を目指そうとしてきた。外出禁止や国境の封鎖によって、単一市場の機能は大きく低下してしまっている。これまで財政の均衡を重視してきたドイツ政府も支出拡大による景気サポートに舵(かじ)を切り始めた。ただ、人が外に出られない中で財政政策がどのように景気を支えられるかは見通しづらい。

さらに、欧州各国は中国経済の減速や供給圧力にも対応しなければならない。中国は武漢の封鎖や海外渡航の制限など強権的に人の移動を抑え込み、新型コロナウイルスの感染拡大を食い止めた。4月8日には武漢の封鎖が解除される見通しだ。人の移動制限が緩和されるに伴い、中国では90%程度の従業員が職場に復帰したとみられる。

操業水準が回復するにつれ、中国の鉄鋼や化成品業界ではプラントの稼働が進み、産出量が急速に回復しているようだ。前月との比較とはいえ、3月、中国のPMI(購買担当者景気指数)がボーダーラインの「50」を上回ったことは冷静に考える必要がある。

これは、過剰生産能力の維持を重視した動きの裏返しだろう。在来産業分野で過剰な生産設備や債務問題を抱える中国としては、とにかく産出を続けて少しでも良いから収益を確保しなければならない。それに加え、中国政府は雇用環境の悪化を防ぐために中小企業向けの資金支援を強化し、企業の経営支援に注力している。

世界的に需給が崩れる中で中国勢が供給を増やせば、世界全体で市況の悪化は避けられないだろう。需要が落ち込む中で供給が増えれば、世界的に物価はこれまで以上に伸び悩む。中国の需要に依存してきたユーロ圏のデフレリスクの高まりは避けられない。それは欧州各国の政治連携を一段と困難化させる要因のひとつとなるはずだ。

経験のない異常状態に突き落とされた世界経済

今後の展開を考えた際、いつ、新型コロナウイルスのワクチンが実用可能になるかは重要だ。人の移動を制限することは重要な措置ではあるが、それでも感染の拡大を抑えることは難しい。南米やアフリカ各国など医療体制がぜい弱な国や地域で感染が拡大すると、市民生活が大きな混乱に陥ることも考えられる。そうしたリスクに対応するためには、ワクチンの開発と量産体制の確立が欠かせない。

一般的にワクチンの開発には6~12カ月の時間が必要といわれる。米国ではジョンソン・エンド・ジョンソンが2021年の年初にもワクチンの供給が可能になるとの見解を示した。

欧州では欧州医薬品庁が複数の薬品の試験を進めているが有効性が確認されたものは出ていないようだ。同庁はワクチン供給に1年かかるとしている。いつワクチンが完成し治療法が確立されるかによって、世界経済にはかなりの影響がある。

見方を変えれば、向こう6カ月~1年程度、新型コロナウイルスが世界経済の足を引っ張る可能性がある。最悪の場合、需要が追加的に落ち込み企業の業績と財務内容などへの懸念が高まり、金融市場は大混乱に陥るかもしれない。さらには、各国が国境を封鎖することなどによって自国主義の政治、社会心理が台頭することだろう。

また、治療法が確立されていない中で財政政策を用いて景気対策を進めたとしても、消費が増えるとは限らない。外出できる環境は消費増加を支える重要な要素の一つだ。景気対策を打っても景気が持ち直さないという異常事態に世界全体が向かいつつある。

状況によっては1929年から1933年の世界恐慌に比肩するほどに世界経済が混乱する可能性は否定できない。世界恐慌の際、世界のGDPは15%程度減少した。その後、世界経済は長期停滞に陥った。2020年、世界経済のマイナス成長転落は不可避であり、世界経済はV字ではなくU字型、あるいはL字型の回復をたどると警戒する経済の専門家は増えている。

不確実性高まる状況に対応するには、1918年から1919年に発生した“スペイン風邪”など過去のパンデミックのケースをもとに、今後の景気シナリオを作っておく必要がある。

(法政大学大学院教授 真壁昭夫)

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