ハワイ島-5

マウナケア山頂からのサンセット

マウナケア山頂からのサンセット

マウナケア山頂

コナ・ブリューイング・カンパニー。いろんなタイプのビールが楽しめました

コナ・ブリューイング・カンパニーでのピザ&サラダ。二人で丁度良いくらい

 

ハワイ島-4

銀剣草”Silversword”。ハワイとヒマラヤにしか生息せず。マウナケア山オニズカ・ビジターセンターにて

オニズカ・ビジターセンターからの雲海

雲海

日本の天文台ハワイ観測所。「すばる望遠鏡」あり。400億円かけたとのこと

 

 

ハワイ島-3

パーカー牧場から見たマウナケア山。雲間にうっすら天文台が見える。

ホテルから見た夕日

ホテルから見た夕日

ババ・ガンプシュリンプ店。映画”フォレスト・ガンプ”をテーマにしたアメリカン・シーフード・レストラン

マウナロア山

 

 

ハワイ島ー2

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ホテルから見た海

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ロイヤルコナコーヒーのコーヒー豆

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溶岩からできた黒砂海岸

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キラウエア火山

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アカカ滝

ハワイ島

5/21~25までハワイ島です。

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ハワイ島コナ空港(ハワイアン航空)

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イミグレ出口(イミグレ内写真撮影禁止)

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コナ空港出たところ

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宿泊先のロイヤルコナリゾート

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日曜日で歩行者天国、市場開設

『「9条は危険」米国大手紙が日本に憲法改正を促す 日米同盟の片務性が改めて俎上に』(5/20JBプレス 古森義久)、『中国でCIA要員12人殺害 中国の米スパイ網壊滅、と米紙』(5/21産経ニュース)について

全米新聞発行部数でUSA todayがトップと思っていましたが、 WSJがトップに返り咲き、あまつさえNYTにもUSA todayは抜かれ3位のようです。WSJは保守派の新聞で、経済紙ですが、政治や国際政治の欄でも、米国益に沿った非常に真っ当な言説を展開しています。NYTはリベラル過ぎます。嘘を撒き散らす朝日新聞と提携していることから分かるように、イエロージャーナリズムです。日経は日本の経済紙として朝日よりは真面ですが、政治は欧米の影響を受けてリベラルで全然ダメ、体制批判をかっこよいと思っているアホな有識者を有難がっているように見えます。特に富田メモは酷い。また経済では敵国・中国の経済的躍進を支えるため、日本企業の中国進出を煽りました。人口の多さに幻惑されたのでしょうけど、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言われる国柄です。そんなに簡単に儲けさせてくれるはずもなし。煽られて出て行く日本企業の経営者は国際化されていません。

http://factboxglobal.com/us-newspaper-2013

本記事中、WSJは「これらの禁止事項(ダグラス・マッカサー司令官の幕僚たちによって草案が作られた日本の新憲法は、9条で戦争を放棄し、軍隊の保有や「武力による威嚇または武力の行使」を禁じている)は、日本が民主主義国家となった以上、もう不要となった。」と書いていますが、事実誤認です。日本は米国から民主主義を与えて貰ったわけではありません。明治22年(1889年)には大日本帝国憲法が公布、明治23年(1890)には帝国議会が開設されました。不平等条約の是正という目的があったにせよですが。戦前の日本を軍国主義とは呼べないでしょう。戦勝国のプロパガンダです。今の中共や北朝鮮のように自由がない国でしたら呼ぶのは分かりますが。まあ、FDRのプロパガンダが今も米国民の脳裏に組み込まれているという事です。御用歴史学者“court historian” は、異論を述べると“revisionist”と読んで歴史の見直しを許しません。ですから、大事な同盟国であるはずの日本が、中国や韓国からの攻撃に晒される所以となります。まあ、米国にとっては、米国から戦争を仕掛けたという不都合な真実が明るみに出ては困るからでしょうけど。

米国もご都合主義ですが、中国のようにあからさまに人権を弾圧するような国ではありません。中国は、スパイを簡単に殺すような国です。東西冷戦時代には両側ともスパイ合戦をしていましたが、死刑になったのは少ないでしょう。マッカーシズムの時に、ソ連に原爆の機密を漏らしたローゼンバーグ夫妻くらいしか思い浮かびません。普通は拘留しておいて、トム・ハンクスの映画『ブリッジ・オブ・スパイ』のようにスパイ交換をするのではと思われますが、民度が低く、恐怖政治で成り立っている中国にそれを期待しても無理というもの。中国人は簡単に金で転びますので、中国系米国人と雖も信用しない方が良いでしょう。二重スパイとなり、味方を全滅させられます。米国内の中国スパイ網はなかなか逮捕できません。民主主義国としての制約と中国が政府高官に金をばら撒いているせいと思っています。中国には国防動員法ができていますので、「中国人と見たらスパイと思え」ですが。

JBプレス記事

フィリピン海を航行する海上自衛隊の護衛艦、米海軍のミサイル駆逐艦、ミサイル巡洋艦と原子力空母「カール・ビンソン」。米海軍提供(2017年4月28日撮影、資料写真)。(c)AFP/US NAVY/Z.A.LANDERS〔AFPBB News

「日本の憲法9条は同盟国との集団防衛を阻止するため、日本にとって危険となりつつある」――。

米国の大手新聞が最近の社説で日本の憲法9条を取り上げ、日本自身の防衛にとって危険だと断じ、改正を促した。

このところ米国では、日米同盟の片務性という観点から日本の現行憲法への批判が出てきていた。そうした状況の中で、この社説は論点を憲法9条に絞り、現行の制約のままでは日本が中国や北朝鮮の軍事脅威に対処できなくなるから危険だとして改正を訴えた。

「日本の憲法改正の論議は遅すぎた」

「ウォール・ストリート・ジャーナル」(5月8日付)は「日本の憲法の賭け」と題する社説を掲載した。

ニューヨークを拠点とする同紙は米国で最大の発行部数を誇り、全米規模の販売網を持つ。インターネット版の読者数も新聞サイトとしては全米でトップを走っている。政治的には共和党寄り、保守志向とされるが、トランプ政権に批判的な論評も多く、政権側からたびたび非難を浴びてきた。

5月8日付同紙の社説は、まず、安倍首相が最近、現行憲法を2020年までに改正したいと言明したことを取り上げ、「日本憲法は新しい現実に適合させるために刷新する必要があるという点で、安倍首相の改正への動きは正しい」と賛同する。そのうえで以下のような主張を述べていた。

・戦後の米国にとって日本に対する大きな懸念は、日本の軍国主義の復活を防ぐことだった。米軍の日本占領期に、ダグラス・マッカサー司令官の幕僚たちによって草案が作られた日本の新憲法は、9条で戦争を放棄し、軍隊の保有や「武力による威嚇または武力の行使」を禁じている。

・これらの禁止事項は、日本が民主主義国家となった以上、もう不要となった。だが、日本は米国の安全保障の傘下に避難していることに満足してきた。

・憲法9条は、もはや日本にとって危険になりつつある。なぜなら憲法9条の制約は、日本の同盟諸国との集団自衛を阻止するからだ。

・自衛隊は、日本が外部から直接的に攻撃された場合にのみ自衛を許されるという条項によって正当化されてきた。だが、今や北朝鮮の核兵器が日本や世界に対する脅威となった。中国も軍事力の行使範囲を拡大している。日本は自国が直接的に攻撃を受けていない状態でも、米国などとの共同の軍事行動に参加できる攻撃能力を持つ軍隊が必要となったのだ。

ウォール・ストリート・ジャーナルの社説は以上のように述べ、経済改革のための諸課題が後回しになる政治リスクがあるとしながらも、「日本の憲法改正の論議は今や遅すぎたくらいであり、その議論は日本にとって極めて健全である」と強調していた。

明らかに変わってきた米国の態度

日本が同盟相手である米国とともに集団的防衛活動に加われない問題については、トランプ大統領も大統領選中から「今の日米同盟では、日本が攻撃されたときに米国は助けるが、米国が攻撃されても日本は助けない」などと発言し、繰り返し批判してきた。

民主党側からも同様の声が上がっている。今年2月、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会の同党側筆頭メンバーのブラッド・シャーマン議員は、「米国は日本の尖閣諸島を守る必要はない。なぜなら日本は同盟相手の米国が攻撃されても助けようとはせず、憲法の制約をその口実にするからだ」と述べ、日本の憲法の制約を「不公正」だと非難した。

このように米国では最近になって、日本の憲法9条の規定が日本の集団防衛活動を阻み、日米同盟を一方的にしているという批判が広まってきた。

これまで、憲法9条の規定が日本の防衛にとって、さらには日米同盟の機能にとって「危険」な障害になっていると断じる意見はほとんどみられなかった。だがここに来て、ウォール・ストリート・ジャーナルが社説で日本の憲法9条を正面から取り上げて「危険だ」と断定したことは、米国の日米同盟や日本の防衛努力に対する態度が根本から変わってきたことの反映だと言えそうだ。

産経記事

米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は20日、中国でスパイ活動をしていた米中央情報局(CIA)の情報提供者12人以上が2010年以降、中国当局によって殺害されたと報じた。拘束された人を含めると計18~20人に上り、中国での米国のスパイ網が壊滅的状況に陥ったとしている。

背景について米政府当局者らは、CIA内の二重スパイが裏切ったのか、外国の現地要員に指令を伝えるCIAの通信網が中国側に破られたのか、まだ解明されていないと述べた。

中国で次々と要員が行方不明になることからCIAが11年に調査を始め、CIAの中国を管轄する部門で働いていた元要員が二重スパイだった疑いを強めたこともあるが、逮捕に至る十分な証拠は見つからなかった。この元要員は現在、アジアの別の国に居住しているという。(共同)

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『四川大地震後9年、廃墟で36日生き抜いた豚は今 校舎の手抜き工事など責任追及続く中、記憶つなぐクローン』(5/19日経ビジネスオンライン 北村豊)について

5/20日経中国で「一帯一路」国際会議 習氏の面目潰した金正恩氏 

新中国の建国以来、最大の国際会議――。14~15日、北京で開いた海と陸の現代版シルクロード「一帯一路」構想を巡る会議の宣伝で中国政府が使った決まり文句だ。開幕式、会議、晩さん会、閉幕式と主役はすべて習近平国家主席だった。

一帯一路を巡る初の国際会議は北朝鮮の挑発に振り回された(15日、習主席(右)とプーチン大統領)=AP

29カ国首脳が集う国際会議というよりも習氏のワンマンショー。ナンバー2の李克強首相の姿はなく、目立つのは新任の習氏側近らである。「核心」の地位を得た習氏が、カリスマ毛沢東もできなかった国際会議で威信を示す。今年後半、共産党大会での5年に一度の最高指導部人事を控え、重要な政治行事だった。

ところが重大会議の直前、北京に衝撃が走った。北朝鮮が新型と見られる弾道ミサイルを発射したのだ。

習氏は北朝鮮の金正恩委員長に最大の配慮を示し、閣僚代表団を北京に招いていた。晴れ舞台を核実験やミサイルで邪魔させない保険でもあったが、金委員長は意に介さなかった。北朝鮮代表団のトップ、金英才対外経済相は開幕前に控室で韓国代表団の朴炳錫議員と懇談した際、「(前日の平壌出発まで)ミサイルの話は知らなかった」と語った。

会議は冒頭から予定が狂った。午前9時のはずだった開会は15分ほど遅れた。原因はプーチン・ロシア大統領の遅刻だ。専用機は8時ごろ北京に着いたが、ドアは半開きになったままで降りてこない。白シャツ姿のプーチン氏が無表情で大量の資料を受け取り、車で空港を出たのは30分後。開幕が迫っていた。

北朝鮮はプーチン氏がシベリア上空にいたころにミサイルを撃った。ウラジオストク近くの日本海に落下したのは23分後。着陸したプーチン氏は機内でミサイルの分析報告を受けたとみられる。数時間後には、北朝鮮を巡る習氏との会談が控えていた。

中国の「一帯一路」構想にはもともと、米主導の国際秩序を崩す思惑があった。だが4月に米フロリダ州で習氏と会談したトランプ米大統領は、中国が北朝鮮に真剣に圧力をかける約束と引き換えに経済面での対中強硬姿勢を緩めた。しかも北京会議への米代表団派遣まで決断した。トップは国家安全保障会議(NSC)のポッティンジャー・アジア上級部長だ。習氏は面目を保った。

北朝鮮はそんな習氏が米国に歩み寄るのをけん制する意味も込め、あえて北京会議に合わせてミサイルを撃った。核放棄しないという金委員長の意思表示だった。

中国国内では今回のミサイル発射は一般に報じられなかった。国営新華社が早朝に英文だけで速報し、中国ネット媒体も中国語で転載したものの、ほぼ1時間後には当局指示で全て削除された。習氏が顔に泥を塗られた事実は隠された。

そんな中、日中関係には変化の兆しが見えた。16日、習氏は会議に参加した日本代表団の二階俊博・自民党幹事長と17分間会談し、自身の訪日を含む「ハイレベルの往来」に触れた。中国国営テレビも二階氏のインタビューを繰り返し放送した。

訪中の主役は政府・与党ナンバー2の二階氏だが、キーマンがもう一人いた。習氏との会談に同席した安倍晋三首相の政務秘書官、今井尚哉氏だ。今井氏は北京で秘密裏に中国外交トップの楊潔篪国務委員と会い、その後、楊氏の早期来日が固まった。7月、ドイツで開く20カ国・地域(G20)首脳会談での日中首脳会談や、李克強首相が来日する日中韓首脳会談の調整が始まった。

米中関係の緩和を受けた中国の自信が対日関係への突然の前向き姿勢につながっている。だが前回の共産党大会があった2012年、夏から沖縄県の尖閣諸島を巡り日中関係が暗転し、激烈な反日デモが起きた記憶は新しい。油断は禁物である。

(北京にて、編集委員 中沢克二)>(以上)

中国は日米に北朝鮮で恩を売ろうとしているのかも。ただ、本当に外交手段で中国が金正恩をおとなしくできるかと言うと望み薄です。中国が日本に擦り寄ってくるのは裏に何かあると思って疑わないと。日本の脅威を除去するためには、やはり米朝間での軍事的力による解決しかないのでは。中国も米国の力を利用し、江派+瀋陽軍+金正恩を片づけたいと思っているのかもしれません。

<2015/7/14BuzzOrange中國股災後才知道⋯亞投行、一帶一路是全球最大「豆腐渣工程」=中国の株式が大幅下落(6月中には3.6兆$が蒸発)して、AIIBや一帯一路は地球最大の「おから工事」だったことに気付く>

https://buzzorange.com/2015/07/14/aiib-obaor-is-the-production-of-china-dream/

まあ、AIIBや一帯一路について、世界はまだおから工事とは気づいていないようですが。債務が少なくとも30兆$もあるので、いつバブルが崩壊してもおかしくない状況にあることだけは間違いありません。

北村氏の記事中に羌族というのが出てきますが、宮城谷昌光の小説『太公望』の主人公として、商に滅ぼされた遊牧民の長老の息子「呂尚」が出てきます。やがて呂尚は周の名軍師となります。羌族は中国に古くからいた民族と思われます。

5/13大紀元<ある豚の遺書「死ぬ前に一言いいたい」中国養豚業を告発>

http://www.epochtimes.jp/2017/05/27338-2.html

豚の促成肥育の記事ですが、鰻のマラカイトグリーン入りの餌を思い起こさせます。中国人は本当に自分勝手で、儲かれば何をしても良い、他人が生きようが死のうが関係ないというのが彼らの生き様です。でも本記事の豚も本来は50Kgくらいだったのが、安ホルモン剤入りの餌で無理やり150Kgにさせられ、地震で50Kgになり、また無理やり150Kgまで太らせられて、食肉となる運命です。可哀想と言えば可哀想。でも日本人は中国産の食べ物は危険と思わなくては。原産地を確認してから買うようにしませんと。

また、「汶川大地震」の死傷者数の公式発表がおかしな数字であると北村氏は言っていますが、中国の常套手段で、「都合の悪い場合は1/10の数字に、都合の良い場合は10倍の数字」にして発表します。ですから、中国の発表するGDPや外貨準備高の数字も勿論信じることは出来ません。

記事

2008年5月12日に発生した四川大地震から36日後に救出された「堅強」。写真は同7月1日のもの。あれから9年の近況は…(写真:ロイター/アフロ)

2008年5月12日(月曜日)、中国時間の14時28分に四川省を震源とするマグニチュード8の大地震、「汶川大地震」(または「四川大地震」)が発生した。震源地は四川省西北部に位置する「アバ・チベット族羌族自治州」に属する“汶川県”の“映秀鎮”付近であった。汶川県は四川省の省都“成都市”から直線距離で92kmだが、車では“長江”上流の“岷江”沿いの崖道を通って169km、約3時間の距離にある標高950mの高地に所在する。なお、2012年11月に“都汶高速公路(都江堰市と汶川県を結ぶ高速道路)”が完成し、今では成都市から都江堰市を経由して汶川県までの所要時間は車で2時間程に短縮されている。

現地で見た人災、いまだ見えぬ全貌

映秀鎮では汶川大地震により鎮の中心部にあった“漩口中学”の校舎が倒壊し、学生43人、教員8人、職員2人、家族2人の合計55人が死亡した。漩口中学の倒壊した校舎は汶川大地震の悲しい記憶を留めるための「漩口中学地震遺跡」として保存されているし、漩口中学が見下ろせる山上には「汶川大地震震源記念館」が建てられている。筆者は2011年7月末に文川県映秀鎮を訪問して漩口中学地震遺跡を見学したが、すでに地震発生から3年以上が経過していたにもかかわらず、倒壊した校舎のあまりにも無残な有様に息を呑んだものだった。そこには汶川大地震の発生直後から問題視されていた“偸工減料(工事の手を抜き、材料をごまかす)”による学校校舎の“豆腐渣工程(手抜き工事)”の実例が目の前に横たわっていた<注1>。

<注1>筆者の映秀鎮訪問の詳細は、2011年8月26日付の本リポート「現地リポ:四川大地震の震源地はいかに復興したか」を参照願いたい。

今年の5月12日は、2008年の汶川大地震の発生から9周年の記念日であった。たまたま筆者の母の誕生日が5月12日であるため、この日は筆者にとって「忘れてはならない日」なのだが、漩口中学地震遺跡を見学して地震の恐ろしさを実感した筆者にとっては「忘れられない日」となったのである。筆者はテレビの映像を通じて、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災の惨状や、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震とそれによって引き起こされた大津波による東日本大震災の惨状を見ている。しかし、四川省という内陸部で発生した汶川大地震の惨状は自然の脅威であるのみならず、人災に起因する要素が大きく、日本の震災とは性質を異にするものであるように思われてならない。

2008年9月25日に中国政府「国務院新聞弁公室」が「国務院震災救援総指揮部」からの情報に基づいて発表したところによれば、同日12時までの統計で、汶川大地震の被害者は、死者6万9227人、負傷者37万4643人、行方不明者1万7923人で、死者と行方不明者の合計は8万7150人となっている。1976年7月28日に河北省“唐山市”で発生したマグニチュード7.8の大地震“唐山大地震”の死者は24万2769人であったから、汶川大地震の死者・行方不明者の規模はその3分の1に過ぎない。  しかし、民間組織“巴蜀同盟会”<注2>の調査によれば、汶川大地震における実際の死者数は30万人前後に上り、そこには主として手抜き工事による校舎倒壊で死亡した3万人もの幼稚園児や生徒・学生が含まれているという。従来から唐山大地震の死者数には疑問符が付けられていたが、汶川大地震の死者・行方不明者数にも疑問符が付けられている。ところが、中国政府発表の公式数字ほど当てにならないものはないという話には疑問符は付かない。

<注2>“巴蜀”は四川省の別称。

36日間生き長らえたメス豚

さて、汶川大地震というと、日本の救助隊が瓦礫の下から掘り出した死者の遺骸に全員で敬礼して黙祷を捧げた話や、時の国務院総理“温家宝”が地震発生直後に飛行機で現地入りし、その惨状に涙しつつ、3日間も現地に滞在して被災民を鼓舞し続けた話などが記憶に新しい。しかし、汶川大地震は悲しい話ばかりではなかった。地震発生から36日目の2008年6月17日、成都市の管轄下にある“彭州市”の“龍門山鎮団山村”で被災民の救援活動を展開していた“成都軍区”空軍所属の某“飛行学院”の学生たちが、“萬興明”という村民の家で倒壊した豚小屋を掘り起こしていた時、廃墟の中から萬興明が飼っていたメス豚を救出したという奇跡的な出来事があった。メス豚は救出されるまでの36日間を廃墟の中に埋まりながら、困難に耐え“堅強(強くたくましく)”生き長らえていたのだった。

2008年6月20日付の四川紙「成都商報」はこの出来事を次のように報じている。

【1】2008年5月12日の午前10時頃、萬興明の妻はトウモロコシと青草に熱湯を加えて混ぜ合わせた飼料、約15kgを自宅の豚小屋で飼育している1匹の体重150kgの大豚に与えたが、これは半日分の飼料だった。午後2時を過ぎた頃、萬興明は自宅の前でインゲン豆の苗の処理作業を行い、彼の妻は自宅付近の山上で草を刈っていた。すると、突然に激しい地鳴りが轟き、地面が揺れ動き、立っていることができなくなった。2~3分後に激しい揺れが収まってから自宅を見て回ると、豚小屋は倒壊し、レンガや木材が一面を覆い尽くしていた。誰もが大豚は豚小屋の下で押しつぶされて死んだものと考えた。

【2】翌13日、妻の弟の嫁が「あんなに良く太った豚が死んだなんて残念だわ。まだ新鮮なうちに、男たちに処理してもらって肉を食べましょう」と言い、大豚を掘り出して肉を食べようとしていたが、丁度その時に安全のための退去命令が出されたので、村民全員が下山して安全な場所へ避難した。5月23日に自宅に戻った萬興明は豚小屋の廃墟周辺を見回ったが、何も変わったところはなく、そのうちに死んだ大豚の事は忘れてしまった。

【3】6月17日の午後2時頃、成都軍区空軍所属の某飛行学院の学生たち十数名からなる救援隊が団山村に到着し、村民たちを助けて地震による廃墟の片づけを行った。萬興明はすでに自宅内部の片づけを終えていたので、豚小屋の廃墟を片付けて、レンガや木材を庭の片隅に集めておいてくれるよう依頼した。この時、萬興明は「廃墟の下には豚が圧死しているから、すでに腐敗しているかもしれない」と一言付け加えた。これを聞いた隊員たちは緊張して、「何でそれを早く言わないんだ。36日も経っているから、どれほど腐敗しているか分からない。万一にも豚の死骸から伝染病が発生したら一大事だ。早く掘り出して消毒しなくては」と言い、隊員たちはマスクを装着して豚小屋の廃墟を掘り始めた。

僅かな隙間で、木炭を食べて

【4】隊員たちは廃墟を掘り進めたが、腐敗臭はどこからも上ってこなかった。奇妙なこともあるものだと思いつつ、さらに掘り進めたところ、一枚の木の板に突き当たった。隊員の1人がその板を取り除いた時、立ち合っていた萬興明が「俺の大豚がまだ生きてた」と大声を上げた。それが地震発生から36日目にして発見された「生存豚」の発見だった。豚小屋はレンガ造りの二層構造で、上層には木造の屋根裏部屋があり、多数の木の板や木炭が蓄えられていた。小屋が倒壊し、片側の壁も倒れたので、無数のレンガが屋根裏部屋の床に落下し、その重さで押し下げられた床は地面から50cmの隙間を残した位置で留まった。大豚は体高が1m以上もあったから、50cmの隙間では立つことも動くこともできず、ただうずくまっているしかなかったはずである。

【5】それにしても大豚はどうして36日間も飢え死にせず、生き延びることができたのか。50cmの隙間には木炭しかなく、大豚は木炭を食べて生き長らえていたものとしか考えられない。その証拠に大豚のいた場所の周囲には大量の真っ黒な糞が散乱していた。150kgあった大豚の体重は痩せ衰えて50kgになり、豚というよりは山羊の様になっていた。大豚は2007年の旧暦5月に萬興明の妻が龍門山鎮の“猪市(豚市場)”で買い入れたもので、当時は生後2か月の子豚で、体重は20kg前後であった。それが、1年後の2008年5月には150kgに育ったのだったが、地震発生から36日後には50kgになってしまったのだった。

【6】専門家によれば、大豚は50cmの隙間に閉じ込められて、身動きできなかったことから体力を失うことが少なく、体重が150kgもあったから蓄えたエネルギーを消耗することで生命を維持することができたのだという。また、無毒の木炭を食べることによって空腹感を紛らわせることができたし、地震後に何度か大雨が降ったことで、雨水が豚小屋の廃墟に流れ込み、大豚は多少なりとも喉の渇きを癒すことができたと思われるとのことだった。

10歳の高齢でも、今も「堅強」

萬興明は、こうして九死に一生を得た大豚を再度太らせて食肉にしようとは思わなかったし、せっかく生き延びた命を奪おうとも思わなかったが、大豚を飼い続けるだけの余裕はなかった。そうこうするうちに、成都市郊外の“大邑県安仁古鎮”にある各種文物を収蔵する民営の“建川博物館”の館長である“樊建川”<注3>が大豚に興味を示し、建川博物館で飼育したいと申し出て、萬興明から3008元で大豚を購入した。樊建川は、36日間も飲まず食わずで“堅強(強くたくましく)”生き抜いた大豚を“猪堅強(豚の堅強)”(以下「堅強」)と命名し、建川博物館で飼育を始めた。

<注3>樊建川は1957年生まれで四川省“宜賓市”出身の民間企業家で、“建川実業集団”董事長であり、“四川省政治協商会議”常務委員でもある。自身の収蔵品を集めて建設したのが建川博物館であり、2009年5月に同博物館内に併設された“汶川地震博物館”の館長でもある。ちなみに、筆者は建川博物館を見学したことがある。

汶川大地震の9周年を前にして、3月初旬に中国メディアが報じた堅強に関する記事の内容を取りまとめると次の通り。すなわち、汶川大地震から8年以上が経過し、豚の堅強は建川博物館に作られた専用の豚小屋で専任獣医による看護を受けて元気に暮らしている。今年10歳になる堅強は人間なら80~90歳の高齢になるが、良く食べ、良く寝ることで、至って元気で、体重は地震前の150kgに戻っている。但し、寄る年波で足は弱くなったので、毎日2回飼育員が散歩に連れ出している。飼育員によれば、堅強の餌は専門に配合した飼料に青草、青菜、サツマイモのつるなどを加えたもので、病気にならぬよう注意し、特に高血圧、高血脂、高血糖の「三高」にならぬよう厳しく調整しているという。建川博物館の館長である樊建川は、堅強が自然に死を迎えるまで飼い続け、死後は剥製標本にして展示する積りだと述べている。

ところで、堅強は36日間も死と隣り合わせの苦しい日々を過ごし、生命は長らえたものの、生殖能力を完全に失っていた。堅強の優れた遺伝子をなんとか残したい。樊建川がそう考えていた時、広東省“深圳市”に本拠を置く“華大基因(華大遺伝子)”が堅強に興味を示し、クローン研究と健康検査を行うために堅強の耳組織を採取して持ち帰った。華大基因の研究所は採取した組織から繊維細胞を培養すると同時にクローン技術を使って体細胞をクローン胚に加工した。汶川大地震発生の3周年目当日の2011年5月12日、華大基因はクローン胚を2匹の健康な代理母豚の子宮に移植した。それから110日後の2011年8月31日と112日後の9月2日、2匹の代理母豚はそれぞれ堅強のクローンである「小堅強」を合計6匹出産した。6匹の小堅強たちはどれも瓜二つで、眉間には堅強の父親譲りの黒い痣があり、彼らの最大体重は1.6kgであった。

6匹のクローン、その後は

華大基因は建川博物館との約束により堅強のクローンとして誕生した小堅強を商業目的には使わなかった。それでは小堅強たちはどうなったのか。2015年5月にメディアが報じたところによれば、従前からの約定に基づき、クローン研究のスポンサーとなった牧畜・食品の大手で四川省を拠点とする“新希望集団”が2匹、建川博物館が2匹、華大基因が2匹をそれぞれ引き取ったが、建川博物館の2匹は2014年に死んだ。新希望集団の2匹の動向は不明だが、華大基因の2匹は1匹が死亡したものの、残る1匹は元気で、2015年9月時点で体重100kgに成長していた。

36日間も廃墟に埋もれて生還した堅強は、汶川大地震で被災して悲しみに暮れていた多くの人々に耐えて生きることの大切さを教えると同時に、生きていることの喜びを与えた。今年の5月12日で汶川大地震は発生から丸9年が経過した。地震発生当時に1歳だった堅強も10歳となり、人間ならば80~90歳の高齢で、余命はそれほど長いとは思えない。人々の記憶からは校舎を含む建築物の“豆腐渣工程(手抜き工事)”という人災の要素が濃厚な汶川大地震は徐々に消えて行くだろう。そして、余命短い堅強も死後は剥製標本として飾られて忘れ去られて行くだろう。しかし、華大基因に残った1匹の小堅強に生殖能力があるならば、堅強の強くたくましい遺伝子は後世に受け継がれて行くと思うが、どうなのだろうか。

地震発生から9年が経過した現在もなお、校舎の手抜き工事によって我が子を失った親たちは地元政府に対する責任追及を続け、北京の中央政府へ陳情を繰り返している。

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『「外交オンチ大統領」の機密漏洩と捜査妨害疑惑 トランプを悩ませる「内部告発者」は誰か?』(5/19日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『トランプ大統領の“ウォーターゲート事件” 焦点は共和党が大統領を見捨てるか否か』(5/19日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

5/18BBCニュースはトランプ支持者の声を取り上げていました。米国の報道は日本以上に偏向していると江崎道朗氏が言っていましたが、正しくその通りです。結局、トランプ支持者の声はBBC(英国)でないと取り上げてくれないのでしょうか?不法移民に厳しく、ロシアとの協調+中国との対決(近頃は雲行きがおかしいが)を目指したトランプですが、やっと全閣僚を指名しただけで、下にオバマの残党が沢山残っています。本記事に依れば情報機関にリークの犯人がいるという事ですから、CIAかFBIでしょう。フリンが辞任したのもずっと監視されていたからでしょうに。何故メール問題で国益を損ねたヒラリーが訴追されないのか?民主党だから?ユダヤ・グローバリズムに甘いからか?ヒラリーだってロシアと関係をリセットすると一時言っていたくらいなのに。ロシアのウクライナ侵攻と中国の南シナ海の内海化はオバマの失策ではなかったか。

http://www.bbc.com/japanese/video-39958457

日本の二人の報道ぶりは相変わらず米国のリベラルの跡をなぞっただけです。せめてBBCの報道のように、トランプ支持者の声も拾ってみれば良いのに。ま、日本のメデイアも森友ではTVの観客を引き付けられないと思ったのか、今度は二匹目のドジョウで加計問題をしつこく取り上げています。トランプ・バッシングと同じです。トランプが言った魔女狩りを日本のメデイアもしているという事です。それが「言論の自由」に当たるとは到底思えません。まあ、共産党や反日民進党はテロリスト支援団体ですから、「共謀罪」法案が成立すると困るのでしょう。でも、今国会(会期延長もあり)で成立は間違いありません。言論テロを仕掛ける左翼新聞も取り締まってほしい。沖縄に居て反基地運動をする外国人や違法行為を続ける左翼は厳しく取り締まらなくては。彼らの資金源はどこから来ているのか国民に明らかにしてほしい。中国や韓国からも来ていると予想していますが。

高濱記事

この握手の後、はたして機密情報は漏洩されたのか(提供:Russia Foreign Minister Press Ofice/Abaca/アフロ)

—米メディアがトランプ大統領をめぐる疑惑を相次いで報道していますね。

高濱:米連邦捜査局(FBI)長官の電撃解任、大統領執務室での録音疑惑が5月初旬から続きました(関連記事「FBI長官解任劇と米大統領執務室の録音疑惑」)。15日には機密性の高い情報(classified information)*をロシア外相に漏えいした疑惑、16日にはFBI長官に捜査中止を命令した疑惑が発覚しています。 *:classified informationは機密性の高い情報を指す。米国ではこれをstrictly confidential(極秘)とconfidential(機密)などに区分する。極秘はいわゆるトップシークレットだ。今回のケースではclassified informationと報道されており、区分は明らかになっていない。

15日と16日に判明した疑惑をすっぱ抜いたのは、米ワシントン・ポストと米ニューヨーク・タイムズ。トランプ大統領が敵対視してきた中道リベラル派の主要紙です。

もっとも、保守系の米ニューヨーク・デイリー・ニューズまでが、16日付1面に「Leaker of the Free World」(自由主義世界の漏洩犯)という大見出しを掲げてトランプ大統領の「裏切り行為」をなじっています。同大統領の支持率は今や55.0%と危険水域にまで落ち込みました。

イスラエル発の機密性の高い情報をロシア外相に提供

まず、トランプ大統領自身が機密性の高い情報を漏洩した疑惑の話からしましょう。

同大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相との会談(5月10日)の席上で、「某同盟国」の情報機関から入手した機密性の高い情報を漏らしたというものです。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦に関する情報と言われています。

会談には、ロシアのセルゲイ・キスキャック駐米大使も同席していました。外国の外相が米国の大統領に会うのですから、その国の駐米大使が同席するのは当たり前です。しかし、同大使は今や、「ロシア・コネクション」疑惑における「火中の人」になっています。

米大統領が同盟国でもないロシアの外相に「某同盟国」から得た機密情報を流すのも大問題ですが、大統領と外国要人との会談内容が会談の5日後にメディアに流れるなんて…。こちらも前代未聞の事態です。情報源は、会談議事録を入手できる米情報機関に属する人物と見られています。

トランプ政権、とくに情報機関に「内部告発者」がいる事実が明らかになったわけで、同政権の脆弱ぶりを改めて露呈したことになります。 (“Trump revealed highly classified information to Russian foreign minister and ambassador,” Greg Miller & Greg Jaffe, Washington Post, 5/15/2017)

「テロリストはノートパソコンに爆破装置」

—トランプ大統領がロシア外相にリークした情報の中身は何だったのですか。

高濱:「某国」とはイスラエルだったと、ニューヨーク・タイムズが明らかにしています。イスラエルの情報機関が危険を冒して入手した機密情報の中身は、「ISが民間航空機爆破を計画している。その一つとしてノートパソコンに爆破装置を仕掛けている」というものでした。

米国と英国は今年3月下旬から、北アフリカおよび中東8か国と英米とを結ぶ航空機を利用する搭乗客がノートパソコンを機内に持ち込むことを禁じました。これはイスラエルから提供された情報に基づく緊急措置だったようです。

イスラエルのロン・ダーマー駐米大使は「米国とイスラエルとの同盟関係は(今回の事件にかかわらず)揺るぎない」と冷静な対応を示しています。しかし、これはあくまでも「外交辞令」です。イスラエルはもとより欧州の同盟国も、トランプ大統領への機密情報の提供に慎重にならざる得なくなりました。

日本の安倍晋三首相も同じ心境じゃないでしょうか。会談や電話の中身はすべて録音される。日本が提供した機密情報が、日本とは同盟関係にない国に日本の許可を得ることなく流されるのでは、たまったものではありません。冗談抜きに、安倍首相も気を付けたほうがいいと思いますよ(笑)

イスラエル「押し殺したトランプへの憤り」

駐米イスラエル大使の「外交辞令」とは裏腹に、イスラエルは怒り心頭に発すると言える状況にあります。機密性の高い情報が、ロシア経由で「敵国」イランに流れた可能性が大だからです。

イスラエルの有力紙ハルツームは、直接的表現を避け米情報機関当局者の発言を引用する形で「イスラエルが恐れていた最悪の事態が確認された」と報じました。

「バラク・オバマ政権の米情報機関当局は、政権引き継ぎの際に『イスラエル当局がトランプ政権に極秘情報を提供する際には十分注意すべきだ』と忠告していた。親ロシアとみられるトランプ大統領に機密情報を提供すれば、その情報がロシア経由で『敵国・イラン』に流れる可能性が十分あるとみていたからだ」

「今回の情報は、イスラエル政府と事前に協議することも許可を得ることもなく、ロシア側に提供された。米情報機関当局は、『米大統領には機密情報を公表する権限がある。だが、長きにわたって培ってきた米・イスラエル間の情報交換合意を危険にさらすことになりかねない』と懸念している」

こうした「トランプに対する押し殺した憤り」(在米イスラエル外交筋)をイスラエルが抱く中、トランプ大統領は22日にイスラエルを訪問します。中東・欧州歴訪の一環です。日程はだいぶ前から決まっていましたが、米保守派の親イスラエル派からはイスラエル訪問を一時延期せよ、との声が出ています。 (“U.S. Officials: Israel Provided Secret Intelligence That Trump Leaked to Russia,”Haaretz, 5/16/2017)

—イスラエルから取得した機密性の高い情報をリークした張本人であるトランプ大統領は何と言っているのですか。

高濱:トランプ大統領は開き直って、ツイッターでこうつぶやいています。「(情報を提供したのは)IS掃討作戦において、ロシアに関与を深めてほしいからだ。私には米大統領として絶対権限が与えられている。(ロシア側に情報を提供したことは)完全に正しい判断だった」

その一方でトランプ大統領は、同大統領とロシア外相との会談内容を記録した議事録の一部、あるいは書かれた情報をワシントン・ポストが入手したことを重視しています。リークした人物の割り出しを急ぐよう、H.R.マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)に直ちに命じています。

大統領の捜査中止命令は「捜査妨害」にあたるのか

—マイケル・フリン大統領補佐官(国家安全保障担当、当時)をめぐるロシア・コネクション疑惑に関する捜査の中止を命じた疑惑はどんな話ですか。米国内の政局に与えるインパクトは、こちらのほうが大きそうですね。

高濱:その通りです。

情報源はFBI高官だと思われます。ニューヨーク・タイムズによれば、コミーFBI長官(当時)は2月14日に大統領と会談した後、会談でのやりとりをメモに書き留め、それをFBI幹部に配布したとされています。ニューヨーク・タイムズはそのメモ(あるいはメモを読んだニュース源から内容)を入手したのです。

2月14日と言えば、トランプ大統領の側近であるフリン氏が辞任を余儀なくされた日(13日)の翌日。

会談の席上、大統領は次のように語ったとメモに書かれているそうです。「君がこれ(フリンに対する捜査)を止めて、フリンを無罪放免してくれることを期待しているよ。フリンはいいやつだ。彼を逃がしてやってほしいんだ」

もしあなたがコミー氏だったら何と答えますか。あなたはFBI長官を続けたい。中止命令を出したのは生殺与奪の権限を握る大統領です。これは「忖度」を必要としない「業務命令」と言えるでしょう(笑)。 (”Comey Memo Says Trump Asked Him to End Flynn Investigation,” Michael S. Schmidt, New York Times, 5/16/2017)

このメモに書かれていることが事実だとすれば、合衆国法典第18編(犯罪と刑事手続き)に明記されている「Obstruction of Justice」(司法妨害、捜査妨害)*に該当する可能性があります。少なくとも国を挙げての大論争になるのは必至です。 *:「Obstruction of Justice」は司法当局の捜査を妨害する行為。証人を殺したり、証拠を隠滅したといった直接的な妨害のほか、司法手続きを妨害したり、不正に影響を与えたりする行為など間接的な妨害行為も含まれる。 (“Protection of Government Processes–Omnibus Clause–18 U.S.C. 1505,”Office of the United States Attorneys, U.S. Department of Justice.)

議会が弾劾手続きを進めるかどうかについて、スタンフォード大学法科大学院で教鞭をとるディビッド・スクランスキー元連邦検事は次のように述べています。「大統領を弾劾するプロセスは極めて半司法的(quasi-judicial)、半政治的(quasi-political)だ。大統領による『司法妨害』があったか、なかったかを判断するのは連邦議員であって司法ではないからだ」 (“What Is Obstruction of Justice? Often-Murky Crime, Explained,”Charlie Savage, New York Times, 5/16/2017)

かつて弾劾の対象となったのは、リチャード・ニクソン第37代大統領とビル・クリントン第42代大統領です。ニクソン氏は弾劾決議案が上院で成立した段階で辞任しました。一方、クリントン氏への弾劾決議案は上院で否決され、同氏は弾劾を免れています。

いずれにせよ司法判断ではなく、議員の判断で弾劾の当否が決まるのです。その時の世論動向が議会の審議に影響を与えることはいうまでもありません。

下院監視・政府改革委員会は全資料を要求

—フリン氏に対する捜査中止をめぐる報道についてトランプ大統領は何と言っているのですか。

高濱:ホワイトハウスは16日ステートメントを発表しました。「トランプ大統領は司法当局とすべての捜査に最大の敬意を払っている。これ(報道されているメモ)は大統領とコミー氏との会談内容を誠実かつ的確に描写したものではない」

一方、一連の報道を受けて、米下院監視・政府改革委員会のジェイソン・チャフェッツ委員長(共和・ユタ州)は16日、FBIに対し、大統領とコミー氏との間で行われた会談、電話などに関するメモ、ノート、録音テープなど全ての資料を提出するよう要求しました。期限を5月24日までとしています。

—同委員会が進める調査の結果などにもよりますが、この「司法妨害」「捜査妨害」は大統領弾劾の動きにつながりそうですか。

高濱:調査を進めているのは下院監視・政府改革委員会だけではありません。上下両院情報特別委員会が、ロシアによる米大統領選への介入 (ヒラリー・クリントン民主党大統領候補や民主党本部に対するサイバー攻撃の有無)や、トランプ大統領周辺の人物とロシアとの関係について調査しています。また上院司法委員会はフリン氏とロシアとの関連について調査しています。上院軍事委員会でもロシアによる米大統領選介入疑惑を追及する動きが出ています。議会の一部ではウォーターゲート事件の時のように特別検察官を設置すべきだ、という声も上がり始めました。

議会以外では、むろんFBIがロシア・コネクション疑惑の究明を続けています。

—米国民は、今の動きをどうみているのでしょう。現時点ではトランプ大統領への支持率はどうなっているのでしょう。

高濱:各種世論調査の平均値は「支持」が39.9%、「不支持」が55.0%。その差は15.1%です。就任4か月にしてトランプ大統領は、世論調査でも危険水域に入っています。

「アメリカ第一主義」をスローガンに掲げるトランプ大統領がいよいよ初外遊の旅に出かけます。ロシア・コネクション疑惑から逃れる(?)ためであるかのような外遊。その行く先がイスラエルというのは皮肉なことです。 (“President Trump Job Approval,” Polls, Real Clear Politics, 5/16/2017)

篠原記事

FBI長官を電撃解任されたコミー氏。同氏が残したメモが司法妨害疑惑の発端となった(写真:ロイター/アフロ)

ホワイトハウスに乗り込んで以来、過激な政策や奔放な発言で物議を醸しているトランプ大統領。就任後100日あまりが経過したここに来て、就任以来、最大の危機に直面している。足元で火を噴いているのはロシア外相に対する機密情報の漏洩と、ジェームズ・コミー米連邦捜査局(FBI)長官の解任に端を発した捜査妨害だ。

機密情報の漏洩はトランプ大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と5月10日に会談した際に、過激派組織「イスラム国」(IS)の国際テロに関わる機密情報を伝えたとされる問題だ。この問題を5月15日に報じた米ワシントンポストによれば、米国の諜報能力を証明するために衝動的に漏らしたようだ。今回の情報を収集したのはイスラエルと言われており、他国が収集した情報を安易に漏らせば関係国の情報共有に多大なる影響を与える。

H.R.マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、「(大統領の言動は)全く適切だった」と即座に火消しに走ったが、報道内容そのものは否定していない。トランプ大統領はラブロフ外相に明かしたのは極秘情報ではなく、情報を開示するかどうかは大統領の権限だとツイッターで弁明している。

だが、報道によればラブロフ外相に伝えた内容は最高機密に分類されるもの。米軍の最高司令官たる大統領が最高機密とされている情報を、あろうことかロシアに提供していたとすれば、大統領自身がインテリジェンスの重要性や大統領の職責を全く理解していないというに等しい。

この機密漏洩疑惑によってホワイトハウスは大混乱に陥った。さらに翌5月16日、ニューヨークタイムズが大統領による司法妨害をたたみかけるように報じたことで、反トランプの火勢は燎原の火のごとく広がりつつある。とりわけ司法妨害は致命傷になり得る。

焦点は情報漏洩から司法妨害へ

振り返ること3カ月前。2月13日にトランプ大統領の側近の一人、マイケル・フリン氏が安全保障担当補佐官を辞任した。同氏はトランプ氏が大統領に就任する前、セルゲイ・キスリャク駐米ロシア大使と接触、欧米による対ロ政策の解除について協議したという疑惑が報じられていた。

その翌日、コミー長官がトランプ氏にブリーフィングした際に同大統領がフリン氏に対する捜査の中止を求めたというのが今回の報道の核心だ。「フリンはいい奴だ。放っておいてくれることを望む」と告げた大統領に対して、「いい人だというのは同感です」とだけコミー長官は答えたという。コミー長官はこの時の会話をメモにまとめ、FBIの幹部に送ったと報じられている。

実はトランプ大統領がコミー長官に圧力をかけたのはこの時が初めてではない。

それに先立つ1月27日、トランプ大統領が夕食会の席で自身に忠誠を誓うよう求めたところ、コミー長官は公正であることは誓ったが忠誠は拒んだ。その後、3月の議会公聴会でコミー長官はロシアとトランプ陣営が共謀している疑惑をFBIが捜査していると明言、5月9日に長官を解任された。「いい仕事をしていない」。トランプ大統領は解任理由をこう語ったが、一向に収まらないロシア疑惑や政権内からの相次ぐリークにいらだちを深めた末の決断だという見方が根強い。

「少なくとも2回、捜査の中止を事実上促したこと。それにコミー長官が応じなかったため解任に至ったことはトランプ大統領が司法妨害に関わったとの疑いを強める。司法妨害が弾劾につながるのは超党派の共通認識だ」。丸紅米国ワシントン事務所の今村卓所長はこう語る。今回の疑惑によって、大統領としての資質や適格性の欠如が改めてクローズアップされた形だ。

大統領選にロシア政府が干渉した疑惑を捜査するため、司法省は特別検察官を設置、ロバート・モラー元FBI長官を任命した。だが、焦点はもはやトランプ大統領の側近とロシアの共謀疑惑から大統領自身の捜査妨害疑惑に移ったと言っていい。

様子見だった議会共和党も、トランプ大統領とのやりとりを記したコミー長官のメモの提出を求めるなど、疑惑の解明に前向きに取り組み始めた。ダウ平均が400ドル近く下落したのは、ワシントンの危機感が市場に伝わり始めた証左だろう。

「ウォーターゲート級のスケール」。トランプ大統領に批判的なジョン・マケイン上院議員(共和党)が指摘したように、トランプ大統領とロシアを巡る一連の疑惑を、ニクソン大統領を辞任に追い込んだウォーターゲート事件になぞらえる向きは多い。特別検察官の解任など大統領による司法妨害がニクソン弾劾の引き金になった点を見れば、当時の状況に近づいていると見ることも可能だ。

共和党が直面する政策の停滞と中間選挙の苦戦

もっとも、弾劾に向けて民主党やメディアの期待は高まるが、議会の多数派を占める共和党がトランプ大統領を見捨てない限り、弾劾には至らない。「ロシアとの共謀に関する具体的な証拠がない中で共和党が見捨てる可能性は低い。今のところ、弾劾は現実的ではない」とユーラシア・グループのジョン・リーバー米国政治担当ディレクターは語る。

実現する可能性が高いものを挙げれば、政権の混乱がもたらす政策の停滞と、それに伴う中間選挙の苦戦だろう。

トランプ政権は閣僚こそ埋まったが、実務を担う高官の指名は進んでいない。また、米医療保険制度改革(オバマケア)の代替法案は下院を僅差で通過したが、上院共和党には異論が多く、今後の審議や修正に時間を要する。その他にも、2018年度予算や税制改正など重要な政策課題が目白押しだ。

その中で余計なスキャンダルが起きれば、調査や公聴会など実態解明が優先されるため重要政策の実現が遅れていく。そうなれば、中間選挙の前にトランプ政権が政治的な成果を得るのは難しくなる。オバマケアの代替法案は年内に成立しそうだが、税制改正は来年の第1四半期か第2四半期までかかるという見方が浮上している。

それ以外にも逆風はある。クイニピアック大学の世論調査によれば、トランプ大統領のコア支持層と言われる高卒白人男性の支持率が低下している。また、大統領選以降、経済自体は好調に推移しているが、完全雇用に近い労働市場や新車販売台数のピークアウトなどを見ると、成長の伸びしろはあまり残されていないように見える。改選に臨む議員数が民主党の方が多い関係で2018年の中間選挙は共和党が有利と言われるが、経済情勢次第では苦戦することも十分に考えられる。仮に中間選挙で民主党が議会の多数派になれば、弾劾の道は開かれる。

「大統領にはあらゆる機密を外す権限がある。FBIの中のリークを止めることができなかったことを考えれば、コミー長官の解任は妥当だ。それなのに、トランプ嫌いのメディアがあらゆる方法で彼を悪人に仕立て上げている。メディアは本当に酷い仕事をしている」

米デトロイトで金属加工業を営むマシュー・シーリー氏はこう語ると、メディア批判を繰り広げた。シーリー氏のようなトランプ大統領の熱狂的な支持者はメディアの情報をフェイクと語り、今も忠誠を誓っている。確かにシーリー氏が語るように、メディア全体がトランプ大統領の一挙手一投足を注視している面はある。だが、今回の司法妨害が事実だとすれば、トランプ大統領は完全に一線を越えた。これまで様々な批判を乗り越えてきたものの、今回ばかりは厳しいかもしれない。少なくとも政権運営の大きな障害になることは確かだ。

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『米国の対北朝鮮政策に全面協力で日本はカモに?“日本第一”ではなく“アメリカ第一”の日本政府』(5/18JBプレス 北村 淳)について

ランサムウエア“Wanna Cry ”の蔓延は北朝鮮の可能性があるとのこと。人類の発展に寄与することは少しもしないで、悪を蔓延させようというのが北朝鮮、韓国、中国の特亜3ケ国です。ノーベル賞が出ない(中国は劉暁波(平和賞)、莫言(文学賞)、屠呦呦(生理学・医学賞)の3人がいますが。あれだけ悠久の歴史を誇り、人口も多いのに、これだけです)のは、「言論の自由」がないためと思います。韓国も日本に味方をする言論は、政府だけではなく社会的にも許されません。国民情緒優先社会で変態国家です。民度が知れるでしょう。北朝鮮は今までにバングラデシュの中央銀行から91億円を不正に引き出した実績があると5/17宮崎正弘氏のメルマガにありました。強盗国家です。裏で北を動かしているのは間違いなく中国です。米国が中国を当てにしても、無駄というもの。早く気付いた方が良い。

http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-39932843

http://melma.com/backnumber_45206_6529464/

本記事で北村氏は「米国の言いなりになって高い兵器を買わせられる」と非難していますが、技術が追いついていなければ、仕方がないのでは。会社でも技術・販路開拓の為の時間を買って、他社を買収するのは良くある話ではないですか。況してや本記事には対案がありません。本来であれば、敵基地攻撃能力の保持、核ミサイルの保持まで提言した方が良かったのでは。「アメリカが北を攻撃しなければ、北は日本を攻撃しない」と断言していますが、どこにそんな保証がありますか?「恨」の民族と言われ、日本に統合された恨みを1000年持つと言ってのける韓国と同じ民族です。韓国が核を持てば日本に落とすことを考えているのは百も承知です。北が落とさないという保証は全然ありません。本来であれば、日本が脅威の排除をすべきところ、米国が日本の代わりをして除去するのでは。米国製武器を押し付けられたとして、自力解決できなければ、致し方ないと思います。

自主防衛には賛成しますが、単独防衛は不可能です。永世中立国のスイスのようになれと言っても、周りは約束を守らない国ばかりです。やはり、日米同盟を基軸にした多国間同盟が侵略を防ぐ一番良い方法と思われます。過去の日中戦争で、戦闘では日本軍が勝利しても、米軍参戦によって、戦争には負けました。今度はその逆をやる番です。驕った中共を多国間での経済封鎖で、経済崩壊させるのが良いと思っています。

北のロフテッド軌道のミサイルはイージスのSM3や地上のPAC3を無力化するとのこと。本記事のBMDが本当に北のミサイルを防げるのかどうか分かりません。やはり攻撃は最大の防御であり、攻撃兵器の方がはるかに安く、なおかつ静止物or遅いスピードのモノを標的にするため精度は高くなります。日本も準中距離弾道弾でバンカーバスター付のモノを多数用意した方が良いのでは。

記事

北朝鮮による地対地中距離弾道ミサイル「北極星2」の発射実験を撮影した写真。朝鮮中央通信(KCNA)配信(資料写真、撮影地不明、2017年2月12日撮影、同月13日配信)。(c)AFP/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

北朝鮮による核弾頭搭載大陸間弾道ミサイル(ICBM)の完成がいよいよ現実的になってきたため、トランプ政権は軍事攻撃というオプションをちらつかせながら本腰を入れて北朝鮮に強力な圧力をかけ始めた。

日本政府も、北朝鮮のICBM開発の進捗状況は日本にとって「新たな脅威レベル」であると認識し、アメリカの北朝鮮への軍事的威嚇に協力する動きを見せている。

アメリカに貢献する日本

具体的には、北朝鮮威嚇のために出動してきたアメリカ海軍カール・ビンソン空母打撃群が日本近海に近づくと、日本政府は海自駆逐艦を派遣して護衛に当たらせた(下の写真)。アメリカ海軍にとって、空母打撃群の護衛を海自駆逐艦によって増強してもらうことは、大いなる戦力の節約になる。

米空母カール・ビンソンを護衛する海自駆逐艦あしがら、同さみだれ(写真米海軍)

(* 配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の写真をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/50018

また日本国防当局には、「新たな脅威レベル」である北朝鮮弾道ミサイルを迎撃するという名目で、弾道ミサイル防衛システム(BMD)の増強を加速させようという動きが表立ってきている。THAADあるいはイージス・アショアといった超高額兵器システムである。それらのBMDはアメリカ製であるため、日本がBMDを調達すればアメリカ防衛産業は大いに潤うことになる。

日本がアメリカ海軍の戦力の節約に寄与し、アメリカ防衛産業の懐を肥えさせれば、たしかに日米同盟の強化にプラスになると言えなくはない。「アメリカの国益からは大変ありがたいのだが、日本の防衛という視点から見ると、昨今の日本政府の姿勢に疑問を呈せざるをえない」とする米軍関係戦略家は少なくない。つまり「日本政府は日本国民よりもアメリカを向いているとしか思えない」というのだ。

アメリカの軍事攻撃が日本への反撃を引き起こす

日本政府は地方自治体などに対して、北朝鮮の弾道ミサイルが着弾した際の対処方針を広報するよう指示を発した。北朝鮮のミサイルの脅威が現実のものとして迫っていると受け止めた人は多いだろう。

だが、これこそが、日本政府が日本国民の生命財産の保護を最優先させるのではなく「アメリカの都合第一」という姿勢を取っていることを如実に物語っている。

そもそも北朝鮮には、日本に弾道ミサイルを撃ち込んで先制攻撃する理由など存在しない。

日本と北朝鮮の間には拉致問題という深刻な問題が横たわっているが、拉致問題を巡って日本と北朝鮮の間に武力衝突が発生するのは、日本側が日本国民奪還のために軍事行動を起こした場合に限られる。ただし、拉致問題解決のために日本政府が軍事行動を発動することは、当面のところ絶対にあり得ない。

ところが、日本が北朝鮮を軍事攻撃しなくても、日本に対して北朝鮮の弾道ミサイルが撃ち込まれる可能性がある。それは、アメリカが北朝鮮を軍事攻撃した場合である。

本コラムでも述べたように(本コラム3月30日「」、4月13日「」など)、アメリカが北朝鮮に軍事攻撃を仕掛けた場合、間髪を入れずに韓国・ソウル周辺は北朝鮮軍の猛烈な砲撃により火の海と化すことはほぼ確実である。そして極めて高い確率で日本に対しても50~100発程度の弾道ミサイルが撃ち込まれるものと考えられている。

要するに、日本に北朝鮮弾道ミサイルが撃ち込まれるのは、アメリカによる北朝鮮に対する軍事攻撃が実施された場合だけと言っても過言ではない。

自国民が犠牲になってもアメリカを支える日本政府

トランプ政権が北朝鮮に対して軍事攻撃を実施するそぶりを見ると、日本政府はただちにアメリカ政府を支持する方針を公言した。だが、それは日本の国土が反撃を受けることを日本政府が受け入れたということにも等しい。

「日本国民を守るつもりならば、『日本や韓国を犠牲にしてまでも軍事攻撃を実施するのか?』とトランプ政権に対して不信を表明すべきであった。不信を表明しなかったのは、独立国の政府としてははなはだ不思議な態度である」と上記の戦略家たちは首をかしげる。

それどころか、日本国民に対して「弾道ミサイルが着弾した場合の行動指針」という訳のわからない内容の注意喚起まで行っている。このような政府広報を発するということは、アメリカによる北朝鮮に対する軍事攻撃を日本政府は容認していた何よりもの証拠である。

つまり「日本政府は、日本国民の生命財産を危険にさらしても、アメリカ政府の方針に全面的に追従するという、独立国としては理解に苦しむ態度を取った」ということになる。

北朝鮮の脅威を言い立ててBMDを売り込め

また、北朝鮮の弾道ミサイルが飛来しかねないということで、弾道ミサイル防衛システムの強化をさらに推進しようという動きも活発になってきているが、これも「アメリカの都合第一」に依って立つ姿勢と言わざるを得ない。

なぜならば、北朝鮮の弾道ミサイルが日本に飛来する原因をつくり出すのは、アメリカによる北朝鮮に対する軍事攻撃だけだからだ。その結果として日本に飛来してくるであろう北朝鮮軍の弾道ミサイルを迎撃するためのBMDを、アメリカが日本に売り込もうとしているというわけである。

アメリカが主導して開発を進めているBMDプログラムは、アメリカ(厳密にはアメリカ本土48州)をICBM攻撃から守るために開発されており、5~7段階の防御ラインから構築されている。その中からイージスBMD艦とPAC-3だけを取り出して日本に配備しているのが日本のBMDプログラムである。

要するに、アメリカを守るために開発されているBMDプログラムの最初と最後のBMDだけを配備しているのが日本の弾道ミサイル防衛プログラムなのだ。アメリカのようには迎撃効果が期待できないのは当然といえる。

それにもかかわらず、アメリカ政府が北朝鮮のICBM(そもそもICBMは日本攻撃には用いられることはない)開発を「新たなレベルの脅威」と呼んだことをそのまま日本に適用し、超高額兵器であるBMDを増強しようとしている日本政府は、まさにアメリカにとっては“かけがえのない協力者”(すなわち“単なるお人好し”)ということになる。

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『中国「一帯一路」サミット、米国参加の狙いは?“中国の天敵”ポッティンガー代表派遣の思惑を読む』(5/17日経ビジネスオンライン 福島香織)について

“一帯一路”関係のニュースを集めて見ました。

先ずは5/18宮崎正弘氏のメルマガ<インドは欠席した。じつはプーチンも「一帯一路サミット」に不快感 ユーラシア横断鉄道はロシア通過部分があまりにも少なすぎないか>。プーチンも甘いとしか思えません。利に敏い中国人は、中国人が困ってロシアに助けを求める場面でしか、ロシアに分け前を与えることはないでしょう。況してやシベリアは大清帝国の土地だったのをロシア帝国に奪われた訳ですので。満州族の土地でしたが、強欲な漢族は自分達の土地と思って取り返したいと思っている筈です。

http://melma.com/backnumber_45206_6530005/

ネルチンスク条約締結後(1689年) キャフタ条約、アイグン条約、北京条約締結後(1860年)

次に、5/18自由時報<印度日本合推「自由走廊」 抵制一帶一路=インドと日本は「自由回廊」を協力推進 一帯一路はボイコット>。アフリカ、イラン、東南アジアに両国が協力して、投資をするとのこと。中国に転びそうなスリランカにも手を差し伸べるそうで、払込資本も少ない虚業の銀行であるAIIBではなく、しっかりした審査能力のあるADBと日本の民間金融機関の協調融資で堅実な発展を促していけば良いでしょう。何時も言っていますように中国の一帯一路の重要目的は「すべての道はローマに通ず」で軍用です。余剰生産物の処分の意味だけではありません。簡単に中国の侵略を許すことになります。

http://news.ltn.com.tw/news/world/breakingnews/2069424

5/17産経ニュース<「一帯一路」貿易文書、英仏独など署名拒否>。流石に欧米は良く見ているという事でしょう。ただAIIBに参加したり、IMFのSDR入りを認めたりと、自分達もお零れ頂戴を狙ったのでしょうが、中国人を知らなさ過ぎです。

http://www.sankei.com/world/news/170517/wor1705170003-n1.html

5/17 新唐人電視台<朝鮮出席一帶一路刻意低調 不料與美代表撞臉=北の一帯一路会議参加につき工夫を凝らして目立たないようにしたにもかかわらず、何と米国の代表団と鉢合わせ>

http://chinaexaminer.bayvoice.net/b5/trend/2017/05/17/350265.htm%E6%9C%9D%E9%AE%AE%E5%87%BA%E5%B8%AD%E4%B8%80%E5%B8%B6%E4%B8%80%E8%B7%AF%E5%88%BB%E6%84%8F%E4%BD%8E%E8%AA%BF-%E4%B8%8D%E6%96%99%E8%88%87%E7%BE%8E%E4%BB%A3%E8%A1%A8%E6%92%9E%E8%87%89.html?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook

欧米は北朝鮮が会議に参加することには、反対していたようです。でも習近平は世界に向けて面子を失いました。でも加治俊樹氏に依れば北のミサイルは中国製なので打ち上げ時に暗証番号を教えて貰わないと駄目とのこと。瀋陽軍がミサイルを与えている?

http://melma.com/backnumber_190875_6510430/

米国はポッティンガーを送り込んでも、トランプの足元が揺らいでいる状態では、中国に対しいろんな仕掛けは出来ないでしょう。米国の国益を損ねることをしているということがメデイアは分かっていません。日本もそうですが。知的頽廃が起きているのが今の時代でしょう。

記事

米国代表団を率いたのはマット・ポッティンガー国家安全保障会議アジア上級部長。ウォールストリートジャーナルの元中国特派員で“中国の天敵”だ(写真:新華社/アフロ)

習近平政権の今年最大の国際政治イベント・一帯一路(シルクロード経済圏構想)国際協力サミットが5月14日、15日に行われた。陸のシルクロードと海のシルクロード沿線国約60カ国を中国主導で一つの経済圏とするという大風呂敷の構想の実現に向けた初の国際会議だ。開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル発射実験を行うという嫌がらせに遭遇するも北朝鮮も代表団は派遣しているし、本来利害が対立するはずのロシアの大統領プーチンも参加している。なにより、オバマ政権時代は徹底無視であった米国が代表団を派遣したことが、世界を驚かせたことだろう。資金ショートの問題などがあり、暗礁に乗り上げかけているかに見えた一帯一路だが、トランプ政権の方向転換、親北親中派の韓国新大統領の登場もあって、国際社会の風向きは中国に有利なように変化しているようにもみえる。一帯一路の行く先を今回のサミットから占ってみたい。

習近平への“朝貢”を喧伝

今回の“一帯一路サミット”の目的は、一帯一路の推進以前に、習近平が党大会前に、国際社会の自分への肯定感をアピールして国内権力闘争を有利にもっていきたいという狙いが大きい。こういう国際イベントを盛大に開き、あたかも中国が国際社会の中心であるというイメージを中国人民および党員たちに印象づける。習近平の下にあたかも朝貢国のような国々の元首が集うという構図をCCTVなどを通じて国内に喧伝することは、習近平個人のメンツを満足させるだけでなく、今後の権力闘争の追い風にもなるのだ。

国家元首が参加するのは29カ国・組織でG7の中では、今年のG7サミットの議長国・イタリアのジェンティローニ首相だけ。だがこれをもって一帯一路に先進国が関心を寄せていない、といえるかというとそうでもなく、およそ130カ国・組織が今回のサミットに代表団を送り込み、しかも、当然無視すると思われていた米国や北朝鮮まで代表団を派遣したことは、国際社会の予想を上回った規模になったということだろう。

日本は自民党幹事長・二階俊博らに首相親書を託して派遣した。二階は事前に香港フェニックステレビの単独インタビューを受け、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加する選択肢にも言及。これは二階の個人プレー的発言というよりは、政権としての発信ではないかと私は感じている。日本がAIIBに加盟しない方針は、オバマ政権からの強い要請もあった。今、日本の態度に変化が生じているということは、米国のAIIBや一帯一路に対する態度の変化を受けてのことではないだろうか。

AIIBと一帯一路構想の関係についてはかつてこのコラム欄の「中国主導のアジアインフラ投資銀行の行方」で取り上げたので、参考にしていただきたい。実際のところAIIB、シルクロード基金、一帯一路構想は全部つながっており、全体で「中国版マーシャルプラン」といったとらえ方もされている。担当省庁が違うから、関係ない、別物という見方をしている専門家もおられるようだが、中国の場合は、担当省庁が違う複数のプロジェクトが、国家的戦略的プロジェクトとしてリンクしながら進められることは非常によくあることである。

「日本のたくらみ」に警戒も

一帯一路構想が成功するか否かの鍵はAIIBやシルクロード基金が機能するか否かにあり、そしてAIIBが機能するか否かは日本や米国が参与するか否かにかかっている。そういう意味で、二階の言葉は中国で大々的に歓迎的に報道される一方で、ほんとなのか?どんなたくらみがあるのか?という懐疑的な声もあがるわけである。

中国から懐疑的な声があがるのは、本質的には一帯一路構想の戦略的意味は、米国に対抗する目的で練られた面もあるからだ。例えば米国主導のTPPが環太平洋というシーパワー国のチームだとすると、一帯一路はユーラシア大陸を中心としたランドパワー国チームという構造で、世界の経済秩序を二分して、対抗しようという発想がある。TPPに中国包囲網的意味があったように、一帯一路にも、それに対抗する地政学的戦略的意味があった。それがわかっていたから、米オバマ政権はこれをドル基軸の米国一極集中型経済秩序に対する中国の野心的な挑戦ととらえて、日本や韓国に加盟しないことを強く求めたのである。

韓国はともかく、日本は典型的な海洋国家、シーパワー国家であり、中国を中心とするランドパワー国家勢が勢力を拡大し、海のシルクロード(南シナ海、インド洋、ペルシャ湾から地中海世界への海上ルート)まで支配されてしまうのは、大変まずい。だから、日本がポジティブな意味でAIIBに加盟したり、一帯一路に参与してくることはあり得ないのではないか、というのが中国専門家たちの疑いである。中国の報道の中に「日本は何か戦略的な目的をもっているのではないか」という見方が出てくるのも当然だ。

しかし、一帯一路サミットにおいて、やはり最大のサプライズは米国が代表団を派遣したことだろう。開催二日前の突然の参加発表だ。これは、日本の態度変化の原因は、米国の態度変化であろう、という中国メディアの予想の根拠の一つともなる。米国は本当に態度を変化してきたのだろうか。

米国はインフラ建設に興味

中国青年報オンラインによれば、米国企業はすでに一帯一路プロジェクトに参加する用意はできているのだと在北京米大使館は宣言している。4月のマールアラゴでの米中首脳会談の場で、習近平がトランプに米国の一帯一路への参加を熱心に誘い、米中は5月11日に十項目にわたる貿易協定に合意。米国が一帯一路サミットに代表団を派遣すること、および、中国が6月の米国投資サミットに参加することにも合意した。

ただ興味深いのは米国代表団を率いるのは、マット・ポッティンガーであることだ。現在は国家安全保障会議のアジア上級部長だが、中国屋にはおなじみのウォールストリートジャーナルの元中国特派員だ。中国の闇の部分、負の部分も知り尽くす元敏腕記者。彼は特派員時代にはさんざん中国当局に拘束されたり暴行されたりしながら、中国の暗部取材を果敢に行ってきた。記者を辞めてからは米海軍に入り、アフガニスタンなどで従軍経験を持つ真の愛国者。つまり中国にとっては天敵みたいな人物なのだ。

この中国の手口も裏も知り尽くす知中派の曲者をこのポジションに据えて送り込んできたのだから、中国も米国が単に一帯一路でビジネスチャンスだけを模索しにきたとは考えていないだろう。

14日、このサミットの分化討論会上で、ポッティンガーはこんなことを言っている。「この一帯一路プロジェクトのライフサイクル全体において、米国企業は必要とされる価値を持つ最もよいサービスと商品を提供するだろう」「米国企業はグローバルなインフラ建設領域において、長期の良好なデータを持っている。すでに米国は一帯一路プロジェクトに参与する準備はできている」「米大使館は一帯一路工作チームをつくり、中国と協調して一帯一路プロジェクトの協力的なプラットフォームを作りたい」…

ポッティンガーによれば、米国が興味を持っているのはインフラ建設の分野なようだ。

彼は、プロジェクトは投資方と受け入れ国の需要と供給にマッチすることが大切で、そのために四つの目標を提示している。

まず、高いレベルのアセスメント、融資および建設と維持を心掛け、プロジェクト実施国の債務負担が重くなりすぎないようにする。入札のプロセスの透明化と私営企業の公平な競争入札を約束し、投資と収益の偏りを避け、より多くの企業の入札を可能とすること。三つ目に、実施国の建設能力を助け、相互利益の発展を心掛け、対外投資を増やすことを支持する。四つ目に、プロジェクトを開放し、私営企業の広い参与を求め、予算オーバーや工期の延期などのリスクを避ける。

主導権狙いか、ビジネス模索か

この発言をみるに、やはり一帯一路を中国の思惑通りにやらせてなるものか、というニュアンスも感じられる。そもそも中国を知り尽くす安全保障の専門家、中国の天敵のようなポッティンガーを送り込んできたこと自体が、単純に経済協力の文脈だけと思えない。

オバマ政権時代はTPPでもって中国包囲網を形成するつもりだったが、トランプ政権になってTPPを放棄した代わりに、一帯一路の内部に入り込み、その主導権を中国と争う、ということだろうか。一帯一路の鉄道インフラ建設は港湾建設とともに、もともと中国には軍事建設的意味合いがあり中国企業が全面的に請け負うつもりがあったようだが、もし米企業がコミットすれば、お得意のマルウェアを仕込んだり、いざというときのための仕掛けができるかもしれない、と考えているのだろうか。

もちろん、そうではなくて、トランプの本質が商人であり、一帯一路構想の“ケーキ”の相伴にあずかりたいだけ、純粋にビジネスチャンスの模索だ、という見方もある。新浪ニュースセンターの報道によれば、中国グローバル化シンクタンク(CCG)主任の王輝耀は「このサミットをきっかけに米国が“一帯一路”で具体的に協力するなら、これは巨大なチャンスになる。…現在の国際的枠組み、例えば国連、世銀、国際通貨基金などほとんどが米国主導だ。米国の経済、軍事、科学技術力がより多くの協力のプラットフォームを提供することになる」と言う。

つまり、トランプ政権のディール式外交路線によって、価値観やイデオロギーに影響されない実質的な経済利益を追求する「一帯一路枠組み」というものが米中の前方に広がっているのではないか、という期待を寄せている。

いずれにしろ、米国の態度、戦略はオバマ政権とは180度変化してきている。日本もその変化に応じて、自国の利益や立ち位置を考えながら新しい戦略を考えなければならないだろう。

もう一つのサプライズは北朝鮮が代表団を送り込んだことである。これに米国代表団がかなり強く反発し、しかも開幕日に北朝鮮が弾道ミサイル実験まで行ったものだから、北朝鮮代表団は非常におとなしく、ほとんど注意をひかないようにふるまっていた。どうやら、金正恩政権はとことん中国の言うことを聞くのが嫌なようである。中国としては北朝鮮に招待状を送ったのは、金正恩政権を見捨てない、というサインのつもりであったろうが、そういう中国のサインを結局、金正恩はミサイル実験という嫌がらせで拒否したことになる。

こんなことをするならば、なぜ北朝鮮は代表団を送り込んだのか。金正恩の判断自体が揺れているのかもしれない。中国としてはそれでも、韓国代表団と北朝鮮代表団の会談をセッティングし、北朝鮮のコントロール維持に努力を続けるつもりのようではあるが。

プーチンがこのサミットに出席したことも驚きである。一帯一路構想は、ある意味ロシアとは微妙に利益対立する部分がある。米国の動きもみて、ロシアも一帯一路の主導権を取りにくる可能性もある。

日本はまず、TPPから足場を

それぞれの参加国の、本当のところの思惑はまだよくわからない。しかし「一帯一路」構想自体が、単なる自由貿易や経済協力を目的としたものでないことは、このコラム欄でも以前に紹介した通りである。これは非常に軍事的意味も持ち、世界秩序・ルールの再編成につながる機能もある。つまり一帯一路の最終的な目的が、中国主導でユーラシア大陸チームが一つの経済・軍事戦略圏を形成するというところにあり、それがEU・NATOやロシアとどのような関係になるのか、本来、利害が対立すると考えられる日本や米国ら環太平洋の海洋国家チームが、どのようにかかわっていくかによって、中国の赤い帝国主義国家化を助長することにもなれば、中国の野望を抑え込むことにもなるだろう。

ちなみに私の個人的な考えをいえば、依然この一帯一路構想に日本が深くかかわるのはあまり良いとは思えない。AIIB加盟も急ぐ必要はないだろう。そもそもトランプ政権が何を考えているのか、まだはっきりしないし、トランプ政権自体がきちんと任期を全うできるかもわからない。かかわるならば、中国の野望を打ち砕くつもりでかからねば、こちらが餌食になりそうだが、日本にそこまでの絵は描けていまい。日本は、日本の戦略をもって、まずは米中がかかわっていない、日本主導のTPP早期発効という地味なところから足場を固めてほしいところである。

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