『本当に「同盟」になり始めた日本とインドの関係』(10/13日経ビジネスオンライン 長尾賢)について

10/16ビジネス・ジャーナル<日本政府、中国の尖閣諸島沖航行を裏で承認か…鳩山元首相「習近平の構想は素晴らしい」>

http://biz-journal.jp/2017/10/post_20943.html

ルーピー(クルクルパーの意)の面目躍如と言ったところです。大局観がないというよりは、共産中国の手先と見た方が良いでしょう。母親・安子の葬儀時には喪主を置かず、「遺族代表」という代替のポジションを作って次男の邦夫に任せ、長男の由紀夫が葬儀を一切仕切らせてもらえなかったのも家族内で問題があったからです。でも国民がいくらメデイアに騙されたからと言ってこういう人物を総理大臣に選ぶとは、国民も責任を痛感しなければ。民主党→民進党から今度分派した希望の党や立憲民主党、無所属の人間は落とすべきです。世論調査に依れば立憲民主党が解散前から大幅に増える見通しとのこと。左翼の怖さを知らないからです。メデイアは嘘つき、フェイク記事が多いと思って見たり、聞いたりしませんと、また同じ過ちを繰り返すことになります。

長尾氏の記事で、同盟と言う形(条約のような)ではなく、困った時に助け合う関係ができるかどうかが大事というのはその通りです。日ソ中立条約も紙だけで、平気でソ連は破って日本に宣戦布告しました。元々信頼に足る相手でなかったのです。(後講釈ですが)。そう言う相手に米国との講和の仲介を頼もうとしていたわけですから、当時の日本の為政者の国際センスのなさが窺われます。これで戦争をしようとするのは無謀に近いと考えます。如何に追い込まれたとしても。そもそも鬼畜米英で英語の使用を禁じたら、相手の情報が入って来なくなり、「敵を知る」ことができなくなります。偏狭としか言いようがありません。

トランプは早く北の問題を片づけて、真の敵・中国に向き合わなければ。ジョージ・ケナンのような戦略家が出て中国封じ込めを実現してほしいです。昨日の本ブログに載せた日経記事で、中国は2049年までに米軍並みの海軍力を持つ(=隠れた野心で宇宙、深海、サイバーを含めて米軍を出し抜き、世界制覇を狙っていると思います。米軍がそれに気づかないはずもないし、世界を米中で二分するという考えにトランプは同意しないでしょう)気でいます。早く中国にも金融制裁や懲罰的関税をかけ、中国の経済を崩壊させるべきです。そうすれば軍拡できなくなるでしょう。

インドはお釈迦さまの生まれた(今のネパールのルンビニ)国ですが、中国を経由して仏教が伝来、天皇家が仏教を保護して来た歴史があります。廃仏毀釈が行われたのは宮崎正弘氏の『西郷隆盛』に依れば「水戸学」の影響とのことです。小生も高校時代は水戸で学びましたので分かるのですが、茨城県人は理非曲直を明らかにし、妥協を許さない傾向があります。ですから、幕末には激派尊攘派と諸生党(佐幕派)で争い、天狗党の乱や内部抗争で人材の払底を招きました。昭和に入っても血盟団の井上日召(群馬県人)が大洗に居を構えて、「一人一殺」のテロを指導したりできたのではと思います。ただ、廃仏毀釈も一時的なものでした。

大きな流れで見れば日本とインドは友好的な歴史が続いています。共通の敵・中国の存在もあり、米国や欧州、豪州と共に自由かつ民主主義国が連携して、共産主義国と対抗していかねばなりません。

記事

安倍晋三首相は10月8日、インターネットテレビに出演して「日本とインドは同盟国といえるぐらいの関係になっている」と明言した。その理由として、日印米3か国の海洋共同演習マラバールを挙げた。話の流れでそれ以上の説明はなかったのだが、この発言は日印の最新の動向をよく示している。日印間には、日米同盟のような深い関係はない。それでも過去数年、とくにここ数か月、日印間の防衛協力が明らかに進展しているからだ。最近の動向は、以下に挙げる3つの点で、日本とインドが「同盟」状態になりつつあることを示している。

「同盟」の要諦は危機に臨んだ時の協力

「同盟」関係にあるか、そうでないかを分ける指標は何だろうか。最も重要な指標は、条約が結ばれているかどうか、ではない。戦争や危機の時に味方であるかどうかである。

実際、条約を結んでいても味方とならない場合があり得る。例えばイタリアは、第1次世界大戦の時、ドイツやオーストリアと同盟を約束する条約を結んでいたにもかかわらず、オーストリアに宣戦を布告した。イタリアは第2次世界大戦でも、途中までは日独と一緒に戦ったが、その後政権が交代すると、連合国に加わった。戦争や危機に臨んだときの態度は、同盟の最も重要な側面である。

この観点から見た時に、日印「同盟」関係をはっきりと示したのが、6月16日から8月28日まで続いた、インドと中国の危機に際しての、日本政府の態度だ。危機が起きた地域はドグラム高地といい、中国とブータンの双方が領有権を主張している。インドにとっては、インド「本土」とインド北東部をつなぐ細い鶴の首のような部分に、クサビのように突き刺さる地域で、防衛上の要地である。そのため、この地域は長年、安全保障上の問題になってきた。そのような敏感な地域で、中国軍は戦車の重量に耐える道路の建設を開始したのである。

図:位置関係図

※筆者作成

当初、中国軍による建設を阻止すべくブータン軍が(たった8人で)割って入ったが、中国軍に追い返された。そこで、ブータンの安全保障を担うインドが軍を派遣して道路建設阻止に着手した。そこから73日間に及ぶ、にらみ合いの状態に入ったものである。

(写真:ロイター/アフロ)

インド軍が数百人規模だったのに対し、中国は1万2000人、戦車150両、さらに火砲もそろえた大陣容を派遣した。さらに中国空軍も新型戦闘機による飛行を大幅に増やしたほか、周辺のチベット地域では大量の物資を運びこんで大規模な軍事演習も実施。中国軍の広報官は1962年に中国がインドを負かしたことを思い出すよう言及、明確に戦争を示唆した。これに対抗してインドも、ドグラム高地周辺の3個軍団4万5000人が陣地を構築。さらに4000㎞に及ぶ印中国境(含:実効支配線)全体でも警戒態勢に入ったため、印中が武力衝突する可能性が高まったのである。

日本はこの対立で存在感を示した。戦後の日本の対応としては驚くべきことかもしれない。7月には、ヘリ空母「いずも」をインド洋に派遣。インド空母、米空母とともに大規模な海洋共同演習「マラバール2017」を実施して、日印米の協力関係の強さを示した。この派遣は、印中の危機が起きる前から決まっていたものだ。しかし、中国のメディアが「インドは日米に期待するな」と報じたのは、ヘリ空母「いずも」の存在を気にしている証といえる。

さらに8月18日、日本の平松賢司駐印大使が、力による現状変更を非難すると発言した。これは一般論をいったにすぎない。しかし、インド政府は当時、「力による現状変更を迫っている」と中国を非難しており、日本大使の発言は、その論理を受けたものであった。

しかも、この発言は絶妙のタイミングで行われた。4000㎞の国境でにらみ合いを続ける印中両軍が8月15日、カシミールで小競り合いを起こしたからだ。取っ組み合いを始め、石を投げ合い、負傷者が出た。緊張が高まり、インドが不安を高めた瞬間に、日本大使が発言したのだ。

しかも、このドグラム高地の印中対立について、米英豪などは中立的な発言しかしていない。だからインドは、日本は主要国で唯一、インドを無条件に支持したものと受け止めた。

日本の存在感はここで終わらなかった。緊張が緩和し、印中両軍がにらみ合いの場所から150mずつ後退した8月28日にも、日本の存在感が際立った。当時は、中国でBRICS会議が行われる直前である。BRICS会議にインドのナレンドラ・モディ首相が出席するかどうか、中国は気にしていた。しかし、それだけではない。中国が気にしていたことがもう1つある。9月にインドの国防相が訪日し、同月、安倍首相が訪印することだ。もし対立を続けていたら、日本とインドの対中防衛協力が大幅に進展してしまう。中国は、その前に危機を終わらせたかったようだ。

このように、実際の危機が起きたときに、日本とインドの協力関係が目に見える形で発揮された。訪日したインドの国防相も、安倍首相を迎えたモディ首相も、日本に感謝を表明している。インドの一部では、尖閣諸島で危機が起きたとき、インドは日本を支持すべきか、議論が起き始めている。実際に条約を結んではいなくても、戦争や危機の時に作動する事実上の「同盟」関係は成立しつつある。

機密情報を共有する仕組みはあるか

戦争や危機に臨んだ時の関係以外にも、日印の「同盟」関係を示す指標がある。防衛上の機密情報を交換できる体制ができているか、防衛協力する際に使う物品を融通できる体制ができているか、防衛技術協力は進んでいるか、だ。同盟国は共同で軍事作戦を行う。その時、何が必要だろうか。軍事作戦にかかわる秘密情報を交換したり、燃料や弾薬といった物品を交換したりする体制が必要だ。また、同盟国は、機密性の高い高度な兵器を共同で開発をする。

この点について、日本とインドの体制はどうだろう。機密情報の交換について、日印は「防衛装備品・技術移転協定」「秘密軍事情報保護協定」の2つに2015年12月に署名した。安倍首相が9月に訪印した時にモディ首相と発した共同声明は、「マラバール」共同演習について「対潜戦(対潜水艦戦)」を念頭に置いて協力すると明記している。対潜水艦戦は、もっとも機密度の高い情報を扱う分野の一つだ。

次に補給品の融通に関してみる。「マラバール2017」において、海上自衛隊の護衛艦が初めて、インドの補給艦から給油を受けた。これはインドから燃料を買ったことを意味する。こうした協力について、海上安全保障保護協定のような正式な協定を結ぶべく、両国の間で現在、交渉が行われている。

そして防衛技術協力だ。9月にインドの国防相が訪日したときの共同声明と、同月に安倍首相が訪印したときの共同声明をみると、その両方に防衛技術協力の記述がある。例えば安倍首相訪印時の共同声明には「マラバールその他の共同訓練、警戒監視及び無人システム技術、防衛産業協力等の防衛装備品・技術協力を含む,防衛・安全保障協力及び対話を発展させること」と明記している。陸上無人車両(UGV)、ロボティクス分野、US2 救難飛行艇、デュアルユース技術(軍用にも使える民生用技術のこと)など具体的な名前を挙げて協力を進める方針だ*1。

*1:外務省「日印共同声明:自由で開かれ,繁栄したインド太平洋に向けて」2017年9月14日、2-3ページ。

インドが求める対パキスタンの協力

さらに、日印の「同盟」関係を示すものがあるとすれば、それは外交政策における協力である。実は、2つの特徴的な動きがある。1つは、インドが日本の対北朝鮮政策に協力すると同時に、日本がインドの対パキスタン政策に協力するようになっていることだ。

モディ首相が16年11月に訪日した際の日印共同声明で初めて、「北朝鮮」と「パキスタン」の文言が同時に明記された。安倍首相が17年9月に訪印した際の共同声明にも入っている。実はこれはインド側の認識と関係している。

インドは、北朝鮮の核開発問題をパキスタンの核開発の問題と同種に考える傾向がある。真の黒幕は中国で、北朝鮮とパキスタンは中国の支援を受けて核を開発しているとみる専門家がいるのだ。したがって、日本が対北朝鮮政策でインドとの協力を考える場合、インドは対パキスタン政策で協力するよう要求してくる傾向がある。

特にインドが現在懸念しているのは、パキスタン国内にテロリストの拠点があることだ。だから、日本が対北朝鮮政策でインドに協力を求めると、インドはパキスタンのテロリストについて日本の協力を求める。そこで昨年、この点について協議が行われたようだ。

これまで日印共同声明に「北朝鮮」「パキスタン」の記述はなかった。ところが昨年の共同声明には、北朝鮮を非難する声明が入ると同時に、「両首脳はまた,パキスタンに対し,2008年11月のムンバイにおけるテロ攻撃及び2016年のパタンコートにおけるテロ攻撃を含めたテロ攻撃の犯人を裁判にかけることを要求した」*2と明記したのである。

パキスタンは昨年、この共同声明を受けてすぐに懸念を表明した。しかし、今年の共同声明にも「パキスタン」の国名を記述しただけでなく、さらに具体的なテロ組織に言及した記述があるのだ*3。日印関係の変化をよく示している部分といえる(ちなみに、パキスタンに対してより強いテロ対策を求める文言は、インドと会談した米国や英国などの声明にも盛り込まれており、インドを支持する方向へ態度が変化していることをわかりやすく示している)。

*2:外務省「日印共同声明」2016年12月12日、8ページ。 *3:外務省「日印共同声明:自由で開かれ,繁栄したインド太平洋に向けて」2017年9月14日、10ページ。

インフラ開発で協力

さらに興味深いのは、インフラ建設における日印協力が、安全保障の色を帯びていることだ。特に、今年9月の日印共同声明に盛り込まれたインド北東部におけるインフラ開発は対中政策として重要な影響を持つ。インド北東部の開発は、インドと東南アジアとの貿易を進展させるため、東南アジアにおける中国の影響力を押し下げる効果が期待される。しかも、インド北東部は、印中両軍がにらみ合いをしたドグラム高地につながる。インド軍は、インド北東部のインフラを利用して、国境地域に軍をよりすばやく展開することが可能になるだろう。そして興味深いことは、インド北東部は、外国では日本だけにインフラ開発の許可が下りている地域だということだ。

また、日印が進める「アジア・アフリカ成長回廊」構想も注目である。これまで日本とインドが別々に行ってきたアフリカに対する援助を、共同で進める構想である。日印はすでに5回もアフリカ政策を協議しており、調整が進んでいる。実は日印、日米、米印もアフリカ政策を調整しており、インドは米国と一緒にアフリカの軍隊の訓練などにも着手している。よって、日印の協力は日印米3か国協力の一環でもある。前述の共同声明でもアフリカについて繰り返し言及している。

日印にとってアフリカは少なくとも3つの視点から重要だ。まず、中国がアフリカのインド洋沿岸地域に軍事拠点を作りつつある。第2に資源が豊富で、これも中国と獲得競争になっている。そして第3として、日印が国連常任理事国入りを目指すに当たって、アフリカは50以上の票を持つ。

日印は、スリランカのトリンコマリー港や、イランのチャーバハール港、インドのアンダマン・ニコバル諸島などの開発でも協力しており、インド洋における中国の影響力拡大を抑える効果が期待できる(関連記事:「『一帯一路』に対抗する日・インドの戦略構想」 )。だから、中国は、インド北東部の開発に反対し、インドに対し「アジア・アフリカ成長回廊」の開始も遅らせるよう要求しているのだ。

日印「同盟」時代

2017年10月、日本は選挙を迎える。だれが首相になるかは、有権者の判断による。ただ、過去数年、安倍=モディ体制の下で日本とインドが培ってきた安全保障関係は、危機の時の協力、機密情報や補給品の共有、防衛技術協力、北朝鮮とパキスタン、インフラ開発などからみて、いまや「同盟」のレベルに達しつつある。

依然として世界で一定の力を持つ日本と、どんどん世界で発言力を高めるインドの「同盟」は、中国の台頭とならんで、世界情勢を変える可能性があるだろう。今後だれが両国の首相になったとしても、この政策を継続することが強く望まれる。

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