サイゼリアは日本国内でも成功しているように見えます。主たる原因は価格戦略かと。南柏駅前につい最近サイゼリアが出店しましたが、別にチラシを配らなくても口コミで伝わり、大繁盛で並ばないといけなかったため、諦めて別の店に行ったこともありました。
中国では2004年にWTOとの関係で「外資の出資制限」の撤廃が為され、外食店は100%外資も認められるようになったとのこと。2006年のJETROの外食に関する会社設立手続きが、下記PDFにあります。その2頁目を参照ください。ただ、法があっても、その通り運用されるかどうかは担当官の胸三寸です。早く設立したい場合にはコネと賄賂が物を言う世界です。100%外資が認められていない時代には、知り合いの中国人の名義を借りて外食店を経営、軌道に乗ったところで、名義を貸した人間に乗っ取られたケースもありました。中国人は信用できないという事です。
https://www.jetro.go.jp/ext_images/jfile/report/05001286/05001286_001_BUP_0.pdf
現地化もどの程度進めれば良いのかという問題もあります。商品について日本と全く同じ味にするのか、レシピも同じにするのか、外食だけでなく、外国に進出した企業は悩むところとなります。また、従業員の管理権限をどこまで認めるのかという問題もあります。少なくとも日本からの出資者の利益擁護の為、財務部長は日本人でないと。実務は中国人にやらせれば良いと思います。特に会社の印鑑管理が大切で、無限の保証契約等を勝手に結ばれたら大事です。また、社員の横領や、賄賂用の「小金庫」等、日本では当然違法行為ですが堂々と行われます。商売の仕方が日本とは全然違うという事です。日本人は信用を重んじ、中国人は目先の利益を大事にします。3種類(監督官庁、銀行、株主用)の財務諸表を作るのは当り前です。
日本人の感覚からすれば、平気で悪が行われているという事です。今世紀に入ってから日本企業も中国人化して、コンプライアンスは口だけの状態になっていますが。それでも中国で悪に加担すれば、故意でなくとも日本と比べ厳しい処分が待っています。何年でも拘留される危険性もあります。日中関係はこれから厳しくなっていくのは目に見えています。何せ習近平は「中華民族の偉大な復興の実現の夢」とか言って、世界征服の野心を顕わにしています。太平洋に出るのに、日本と台湾が邪魔になるので取りに来るでしょう。その時には間違いなく人質になります。日米のそうはさせない決意があれば別ですが。中国に出て行くのは避けた方が良いです。日本人がいなければ安全ですが、金はドブに捨てた状態になるでしょう。
記事
※写真はイメージです
日本の外食産業は、成長する中国市場に積極果敢に進出している半面、苦戦を強いられて撤退を余儀なくされる企業も少なくない。特に、日本の代表的な外食産業の業態であるファミレスはほとんど定着できず、まさに「死屍累々」の状態にある。そんな中、なぜか「サイゼリヤ」だけは成功を収めている。その理由とは。(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)
「世界の工場」から「世界の市場」へと変貌を遂げ、人口13億8000万人を抱える巨大市場中国――。
そのポテンシャルと魅力はあるものの、厳しい中国市場で勝ち残ることが容易でないことは、既に皆の知るところとなっている。この市場に対し、近年、果敢にチャレンジしたのが、人口減少により国内市場がシュリンクしている外食産業企業である。
進出から十数年の月日が経ち、既に多くの企業が事業を軌道に乗せることができず撤退に追い込まれているが、中でも全く市場に切り込むことができなかったジャンルがある。
それがファミリーレストラン、「ファミレス」業態である。
日本では外食産業といえば、誰もが思い浮かべる代表的な業態だが、なぜ中国で「ファミレス」は市場を切り開くことができなかったのだろうか。
日本国内で低迷し中国市場に進出したファミレスの歴史
「ファミレス」という言葉の語源をたどると、1970年「すかいらーく」の1号店創業にたどりつく。
一般的に、「ファミレス」とは、セントラルキッチン(一次加工工場)で、原材料を半加工することにより、バラエティに富んだメニューを、スピーディーかつ、リーズナブルに提供することを実現したレストランのことを指す。
当時の「ファミレス」は、母親たちを家事から解放し、父親たちに家族とのコミュニュケーションの機会を提供した。
そして、何より子どもたちに「ハンバーグ」や「ピザ」をはじめとした、大好きな洋食を家族みんなで食べる機会を提供し、当時はまさに「夢のような空間」であった。
筆者自身、子どもの頃両親に連れられ「ファミレス」に行くと、一つのテーブルにさまざまな料理が並ぶ、その「ハレ感」に無性に興奮したことを覚えている。
1980年代に入ると、「ファミレス」は24時間営業へと進化し、これまでの家族連れの客層に加え、若者たちをも取り込み、さらなる繁栄を極めていった。
その「ファミレス」をめぐる環境が変わったのは、1990年代に入ってからだ。
バブルが崩壊し、価格破壊の波が「ファミレス」業界にも波及した結果、「ハレ」の場であった「ファミレス」は、日常「ケ」の場となり、結果、それまでの輝きを失うことになる。
国内で低迷していた「ファミレス」が、海外に新たな活路を見出していったことは、ある意味必然なことだったのかもしれない。
2000年代に入り、改革解放が進んだ中国で、外食は「レジャー」であり、「ハレ」の場であった。その様子は、日本の70年代、80年代を彷彿させ、今後、大きなムーブメントが起こることを多くの市場関係者が期待した。
事実、当時は「ピザハット」や「味千ラーメン」といった外国料理のレストランに、連日一時間以上の行列ができ、それが当たり前の光景として定着していた。その様子を見る限り、日本の「ファミレス」には、間違いなく勝機があると誰もが確信していた。
そこで、「ココス」、「ジョイフル」、「ロイヤルホスト」、「デニーズ」(中国店名称・オールデイズ)といった大手ファミレスチェーンが、沿岸部の大都市を中心に本格的に進出を果たし行くこととなる。
日本のファミレスがことごとく失敗した理由
では、なぜ進出した日本のファミレスチェーンは、その果実を手にすることができなかったのだろうか。その理由を分析してみる。
(1)キラーコンテンツが刺さらなかった
「ファミレス」の人気No.1メニューといえば「ハンバーグ」である。刺さらなかった理由は、味や食感に問題があるわけではない。
中国でも「マクドナルド」などアメリカの大手ハンバーガーチェーンは既に展開していたし、中華料理には「獅子頭」という肉団子も存在していた。
問題は、何の肉か、鮮度が良いのか悪いのかわからないという、中国独特の「挽肉」の特性とポジショニングにあったのだ。
食の安全対策がだいぶ進んだ現在でも、中国人の多くは、いまだ挽肉に対しネガティブなイメージを持っている。
中国で、「ハンバーグ」は商品価値が低く、たとえ美味しくとも「ハレ」の外食の場で選ばれない商品なのである。
(2)主食中心のメニュー構成が習慣にそぐわなかった
「オムライス」や「ドリア」、「ピザ」に「スパゲッティー」。日本人にとって、一見バラエティーに富んだメニュー構成も、中国人にとっては「主食」のオンパレードにしか見て取れない。
「冷菜」、肉や魚、野菜を加熱した「熱菜」をバランスよく注文し、その補足として「主食」を加える中国人にとって、主食しかない「ファミレス」のメニューは習慣にそぐわない、使いにくい店舗であった。
すなわち、中国人にとって“炭水化物祭り”の「ファミレス」のメニューは、腹を満たすためのメニューにしか映らず、結果、単に“割高な食堂”としてのポジションに甘んじてしまったのである。
(3)食のトレンドに合わなかった
市場開放により、多くの新しい食文化が持ち込まれ多様化が一気に進んだ中国だが、そもそも食文化とはかなりコンサバティブなものである。
表向き、その市場と習慣は大きく変貌を遂げたように映ったのだが、実は皆が想像する以上に食の西洋化は進まなかったのだ。
それを裏付けるように、中国の外食市場における外国料理のカテゴリー比率は1%にも満たないというデータがある。
これは、日本のそれ(13~14%)と比較しても、極端に少ない数字である。
中華料理が常にさまざまな要素を受け入れ多様な進化を続けていることが、新たな食文化を容易に定着させない要因の一つになったことは、注目に値する現象と言える。
すなわち、食の西洋化はそれほど進まなかったものの、中華料理の国際化が進んだのである。
成功している「ファミレス」もある「ザイゼリヤ」は人気
しかし、中国で全て「ファミレス」が撤退に追いやられていたわけではない。数少ない、成功を収めているチェーンの一つが「サイゼリヤ」である。
では、多くのファミレスチェーンが撤退に追いやられる中、なぜ「サイゼリヤ」は成功することができたのだろうか。
1.専門性の明瞭化
一般的な「ファミレス」と「サイゼリヤ」の大きな違いは、そのコンセプトにある。
カジュアルな洋食と和食をミックスしたメニューが一般的な「ファミレス」のそれだとすると、「サイゼリヤ」は価格こそ安価なものの、メニュー構成はイタリアンレストランだ。
中国での「サイゼリヤ」のポジショニングは、まさにカジュアルなイタリアンレストランであって、「ファミレス」ではない。
事実、日系であることを大きく謳っているわけではないため、顧客の多くは日本企業であることすら知らないのだ。
2.価格戦略
「サイゼリヤ」の成功要因として、絶対的な条件の一つが「価格戦略」であったといえる。
「サイゼリヤ」が進出する前の中国は、洋食であれば何でも中華料理よりも割高なのが当たり前の世界であった。
その常識を打ち破り、「サイゼリヤ」は、当時大人気だった「ピザハット」の半額以下で「ピザ」や「手羽先」が食べられるレストランとして地位を確立していった。
結果、イタリアンは中国人にとっても手の出しやすい、より身近な料理となり、裾野が大きく広がった。
このことは、「サイゼリヤ」の中国の食文化に対する大きな貢献だったと筆者は分析している。
3.現地化
飲食店の海外進出において、現地化は必要でありながら、かつデリケートな問題である。
変えるべき点、変えてはいけない点を見極めるのは非常に難しく、味の現地化は、元々の料理の特徴を消してしまう可能性を抱える、諸刃の剣の側面を持ち合わせている。
サイゼリヤの場合、ピザ生地に代表される、完全に現地の嗜好に合わせ対応したものがある一方、実は多くのメニューは日本のそれと、味も基準も変えていない。
一部の日本人顧客からは、日本らしくないと揶揄される現地化したサービスも、従業員の離職率を抑え、中国での低価格を実現するための対策としては一定の評価ができる。
中国での外食市場に「タイムマシン経営」は通用しない
実際のところ、飲食店が上手くいくかいかないかは、「立地」「価格」「メニュー構成」「接客」「商品クオリティー」等、さまざまな複合的な要因によって決まり、簡単に分析できるものではない。
中国での出店であれば、進出の形態が「独資」か「合弁」か、それとも「フランチャイズチェーン(FC)」なのか。
また、「合弁」あるいは「FC」の場合であれば、パートナー企業との信頼関係を構築することができたかどうかも、成功に向け大きな鍵になるため、それらを分析しようとすると、さらに複雑になる。
すなわち、上手くいかなかった理由は、各社それぞれ個別にあることは、言うまでもない。
しかし一方、俯瞰して分析を続けていくと、「ファミレス」という業態の特性が、中国のマーケットに合わなかったということも見て取ることができる。
既に中国の外食市場は、日本での過去の成功事例の数年前を思い出しながらの「タイムマシン経営」が通用する時代ではない。
今後、外食企業が中国で成功を収めるためには、単純に日本の業態を現地にアレンジするのではなく、現地マーケットに照準を合わせ、ゼロから業態を開発していくようなアプローチが、さらに重要となってきているように思える。
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