『北朝鮮の核実験、カギは「最終確認した」の文言』(9/13日経ビジネスオンライン 重村智計)について

重村氏の予測は外れることで有名だった気がします。(2006年の北朝鮮水害後、「大量餓死者が出る」「冬を越せない」とテレビでコメントしていたが、結果的に外れました。また2008年に出版された『金正日の正体』(講談社現代新書)で、「金正日は既に死んでおり、影武者が職務を代行している」などと書いて大きく予想を外しました)。『外交敗北』(2006年)を読みましたが、内容を忘れましたので、書評を貼り付けておきます。毎日新聞出身なので、親共産主義なのではと思ってしまいます。日本のジャーナリスト(と言えるかどうか、単なるプロパガンダの伝道者なのでは。事実を捻じ曲げ、角度を付けて報道する朝日新聞がその典型)出身で真面なのは、青山繁晴氏や日高義樹氏くらいしかいません。この本には二元外交は駄目で外務省に一本化して交渉しろと言っているようで、当時の田中均の思い通りにやらせたら、拉致被害者も北朝鮮に帰すことになったと思います。また共産中国の外交の実権を握っているのは党・中央対外連絡部であって、国・外交部ではありません。尊大な王毅部長がいくら偉そうにしても実権を持たないのは分かっています。また重村氏は、日本の外務省は外交交渉ができると思っている所に甘さがあるのではと感じます。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/kato/archives/2006/07/post_22.html

重村氏の情報源は朝鮮総連辺りか民潭辺りではないかと思われます。ミイラ取りがミイラになる可能性もありますし、デイスインフォメーションを仕込まれる可能性もあります。本記事も、北を救うため、日本を交渉に引き戻すためかも知れません。北への対抗として大事なのは、日本は防衛用だけでなく、先制攻撃用武器や装備を充実し、ニュークリアシエアリングを進めることです。交渉で解決する段階ではないでしょう。本記事にある通り、北は「核を放棄しない」と言っていますので。いつまで騙されれば気が済むのでしょう。左翼・リベラルの頭では、この北のような脅威(中国の方がもっと脅威です)が認識できないのでしょう。彼らの頭上にだけ爆弾を落としてほしいと思っています。でなければ危機が理解できません。国民を誤導するものです。バランスオブパワーが現実なのに、それを無視して、わざわざ敵に対する備えを怠らせ、共産主義国に隷従させようとしています。マスメデイアの罪は大きい。騙される国民も国民ですが。

北への支援を中国が止めれば問題は解決します。金王朝は崩壊するでしょう。狂った金正恩は北京にミサイルを撃ち込むかもしれませんが。中国はミサイル防衛の話はありますが、プロパガンダでしょう。防ぎようはないのでは。まあ、北京に反目する瀋陽軍が裏で北を支援している可能性もあります。

http://blog.livedoor.jp/corez18c24-mili777/archives/48129597.html

記事

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北朝鮮の核実験に抗議する韓国の市民(写真:AP/アフロ)

北朝鮮は9月9日に5回目の核実験をし「核弾頭の性能と威力を最終確認した」と発表した。この日は、同国の建国記念日であった。国連の安全保障理事会は直ちに、「(この核実験は)安保理決議違反で、平和と安全を脅かす」との非難声明を発表した。中国も同意する異例の迅速な対応であった。安保理は、「追加の制裁措置を協議する」ことも明らかにした。「石油の全面禁輸」が最も効果的だが、中国は反対してきた。

中国の責任だ

北朝鮮に対する経済制裁は効果がないとの主張がある。だが、真実はそうではない。ミサイルや核兵器関連技術への規制や、北朝鮮要人と組織の資産凍結、ドル送金禁止などは、それなりの効果があった。北朝鮮の外貨収入は激減し、石油輸入も減少した。ただし、より大きな効果を期待できる安保理制裁には合意できなかった。

中国は厳しい制裁に反対し、常に北朝鮮との対話を求めてきた。北朝鮮は「核を放棄しない」方針であるのだから、中国の行為は核開発を助けることになった。中国の責任は大きい。

北朝鮮の核開発を止めるには、何をすべきだったのか。(1)核施設を限定攻撃(2)石油の全面禁輸(3)全面金融制裁(ドル、ユーロ、元と円などの送金禁止)――を行えば、北朝鮮はたちまち干上がったことだろう。こうした厳しい措置に踏み切れなかったために、「核実験しても、国連はたいした制裁はできない」との確信を北朝鮮に与えてしまった。核施設への軍事攻撃は不可能だろうが、その決意を示すことはできたはずだ。

核開発を進めるのは、軍隊が戦争できないから

北朝鮮はなぜ、国際社会の意向に挑戦し、ミサイルを発射し、核実験を続けるのか。中国でのG20首脳会議や米国の関心を引くためとは思えない。その理由の大半は北朝鮮国内の事情である。

金正恩委員長は、「軍優先政治」をやめた(関連記事「北朝鮮、軍優先を転換する“親政クーデター”」)。これに軍部は不満だ。それを抑え、米韓に攻撃される脅威への抑止力を確信させ、指導者の権威を確立しなければならない状況に追い込まれている。30代前半の“若造”が、軍を掌握するのは並大抵の仕事ではない。

北朝鮮は、9月2日まで行われた米韓合同軍事演習の中止を強く求めた。また春の米韓合同軍事演習の前にも演習中止を強く求め、「軍事境界線での銃撃戦」や「開場工業団地への韓国人職員の出入り禁止」などの事件を起こした。たかが演習の中止に、必死の対応をしてきた。

故金日成主席は、日本財団の笹川陽平会長と90年代初めに会見した際、「米韓が米韓合同軍事演習を口実に、我が国を攻めるのではないかと、危惧している。そのため、我が国も同じ規模の演習を行うが、石油や兵器の消耗は予想以上だ。負担が余りにも大きく演習後には軍が疲弊する」と語っていた。

つまり、米韓合同軍事演習が行われると、北朝鮮軍の石油備蓄が激減し、兵器と兵員も相当に消耗する。だから、やってほしくないという。

北朝鮮はそれでも、当時、年に300万トン近い石油を輸入していた。今は、50万トンにも満たない。だから、北朝鮮軍は通常兵器では、戦争できない状態にある。ジェット戦闘機や戦車も余りに古すぎて役に立たない。このことに、将校から一般兵士までの多くが気づいている。米韓軍に攻められたら勝てないし敗北するとの恐怖がある。ただし、それを口に出すことはできない。

軍人の脱北者によると、こうした不安から軍部隊内の事件が絶えないという。軍指導者にも不満が向いており、襲撃事件が起きたという。軍内部の金正恩委員長への忠誠心は低下し、揺れているのだ。軍の忠誠心を高め、指導者としての威信を確立するには、ミサイルと核の保持が不可欠だ。

いまや韓国軍と米軍は、1年を通じで演習を行っている。1年の演習が終わる冬には、北朝鮮軍の石油は底をついている。とても戦争なんかできないから、米韓軍が攻めてくると本気で恐れている。抑止するには核兵器を保有するしかないというのが軍指導部の戦略的判断だ。

だから、北朝鮮軍は「死んでも核兵器を放棄しない」方針である。金正恩委員長は、この戦略に反対できない。もし、核開発に反対したら、追放されるか暗殺されるだろう。

つまり北朝鮮は、中国でのG20首脳会議に対決姿勢を示し、米朝対話を求めて核実験をしたわけではない。G20首脳会談に合わせてミサイル実験をすれば中国は怒る。メンツを潰されるのだから。核実験をすれば、米国も怒り対話に応じない。逆に「核実験しない」と言った方が、対話と交渉は実現できる。専門家でなくても分かる理屈だ。だから、今回は米朝交渉が最大の目的ではなかった。金正恩委員長の権威と指導体制を維持するためだった。

「最終確認した」の意味

北朝鮮の核開発やミサイル開発が進展しているのは間違いない。だが軍事専門家は、「まだ問題が多い」と指摘する。北朝鮮には、ミサイルや核兵器の重要部品を製造する技術はない、という。多くの部品は、ヤミ市場や先進国から密かに運び込むしかないからだ。

日本からも、多くの部品が密輸されている。90年代から2000年頃まで、ミサイル工場で働いた経験を持つ脱北者が「日本に向かうミサイルに搭載する電子部品や、弾頭部分の特殊金属に日本製のものが搭載されていた」と証言していると韓国の情報機関が報告していた。

北朝鮮はこれまで、核実験やテポドンなど長距離弾道弾の実験を、数年おきに行ってきた。製造までに、長い時間を必要とするからだ。これに対して今年は、20発ものミサイル発射実験を行っている。ただし「多くは在庫整理」と言われる。旧式のノドンやスカッド、中距離のムスダンが中心だからだ。潜水艦発射ミサイルは3発のうち1発しか成功していない。

今回の実験で、北朝鮮はミサイルに搭載可能な小型の核弾頭の開発に成功した、と初めて公言した。これまでは、ミサイル搭載可能な核弾頭はなかったことになる。「すでに核搭載能力がある」との情報が何度も流れたが、実は違っていたことが確認されたわけだ。

ミサイル搭載可能といっても、長距離弾道弾に搭載するには200キログラム程度に小型化しなければいけない。専門家は、それほどの技術はまだないと判断する。日本に届くノドンやムスダンなどの中距離ミサイルでも、700~1000キログラムほどに小型化する必要がある。北朝鮮の発表通りなら、700キロググラムから1000キログラムの小型化に成功したことになる。

北朝鮮は、国連や日米中韓ロの周辺大国や国際社会の反対を無視して、いつまで核実験を続けるのか。膨大な資金を核実験ではなく国民生活の向上に使わなければ、「金正恩政権はやがて崩壊する」と予想されている。中国も金正恩政権を崩壊させざる得なくなる、との指摘も聞かれる。どうするつもりなのか。

北朝鮮は今回、「(核弾頭の)性能と威力を最終確認した」と公式発表した。なぜ「最終確認」との表現を使ったのか。北朝鮮の報道や公式発表は、文言に最新の注意を払い政治的な意図を込めている。別に「最終」の言葉を使わず、単に「確認した」と表現しても問題はなかったはずだ。

「最終確認した」との言葉には、いずれ「核実験の終了宣言」をして米国に交渉を求める意図が込められている、との分析がある。核兵器を保有したい軍部が納得しなければ、核実験は止められない。核実験を続ければ、一層厳しい制裁が科され、やがて金正恩政権は崩壊する。軍部を納得させるためには、「核保有国になったから、もう核実験は必要ない」と説得するしかない。このための準備として、「最終確認した」との表現を使ったのではないか、との観測だ。

このまま核実験を続ければ、米朝交渉はもちろん、6カ国協議や日朝交渉も実現しない。それでは、金正恩委員長が約束する経済建設はできない。実は、北朝鮮の首脳部の間では数年前から「やがて核保有宣言をして、核実験終了を発表し、米朝交渉に乗り出す」との戦略が語られている。

だが、核兵器とミサイルの開発は、際限がない。軍は、兵器の技術革新と最新鋭化を常に求める。こうした単純な理屈で、北朝鮮軍部が納得するかは、なお不透明だ。

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