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『7年ぶりの日中首脳会談で得したのは誰?日本と中国、双方に成果はあったのか』(10/31日経ビジネスオンライン 福島香織)、『日本は対中「注文外交」をできるのか?中国の対日微笑み外交は「米中関係の従属変数」』(10/31日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

10/31ダイヤモンドオンライン<米中新冷戦は「中国近代史」を押さえればより深く理解できる>

https://diamond.jp/articles/-/183890?utm_campaign=doleditor

「アヘン戦争の屈辱以降、太平天国の乱や義和団事件などが起き、最終的に共産党革命につながるが、その一連の努力にもかかわらず、中国は香港から英国を追い出せただけ。自らの勢力圏だと思っていた韓国、台湾、沖縄などから西洋を追い出せなかった。」と沖縄を入れているのは意図的としか思えません。

11/1希望之声<习近平与川普到底谈了啥?李克强大敲边鼓做暗示=11/1習近平とトランプは一体何を話したのだろうか?李克強はそれを暗示している>新華社は両人の談話の内容を報道した。「トランプは首脳会談に期待を示しただけでなく、中国への輸出が増えるよう上海での国際輸入博覧会に米国企業が参加するのを支持すると述べた。国営メデイアの報道は、海外の中国語メデイアに「電話会談は貿易戦が緩和されることを示している」と結論付けさせている。但し、中共メデイアの報道は真実性or正確性に疑いの目を向ける人もいる。

つまり、数日前に海外メデイアは駐中国米国大使館の広報官の発言を引用して、「トランプ政権は今回の博覧会に高級幹部の派遣を拒絶した」と。これはトランプが中共に強硬に対抗している態度を表していると読み取れる。もし、その数日後にトランプが電話で態度を変えたとしたら、外交辞令の可能性が高い。しかし、国営メデイアの報道の仕方は却ってトランプに博覧会という基礎を造ってあげたことになる。

親中共の海外中国語メデイアの報道は米中の相互の譲歩に重点を置いている。これはもしかしたら李克強の功績によるものかもしれない。李克強は昨日北京で米国議員団と面談中に、「米中は貿易、安全及びその他の問題で争っているが、両者ともに譲るべき」と述べたと。

ある評論には「李克強はトランプ・習会談の前に、救いの手を差し伸べ、習と一致して米国に向け譲歩の用意があると説明したのでは。これは10/30崔天凱駐米大使がワシントンでリンカーン大統領の「良き天使」(われわれは敵同士ではなく、友であります。われわれは敵であってはなりません。神秘なる思い出の絃(いと)(mystic chords of memory)が、わが国のあらゆる戦場と愛国者の墓とを、この広大な国土に住むすべての人の心と家庭とに結びつけているのでありまして、(この絃が)必ずや時いたって、われわれの本性に潜むよりよい天使(the better angels of our nature)の手により、再び触れ(奏で)られる時、その時には連邦の合唱が重ねて今後においても高鳴ることでありましょう(yet swell the chorus of the Union)。— リンカーンの第一次大統領就任演説、1861年3月4日のことと思われます)の話を引用し、古き譬えを以て今の米中に和解を促したのに一致する」と指摘した。

譲歩の内容は今の所皆目見当がつかず、憶測だけである。ある評論家は「トランプが主動的に電話をして米国が全部下りたのでは。中国の面子文化を熟知しているトランプだから、鍵となるときに自ら動いて、習にもこの機会に降りるよう勧め、承諾を得た」と。(“wishful thinking”としか思えませんが)

マテイスにしろ、ポンペオにしろ、中国は米国の国家安全に対する最大の脅威と認識している。勿論、大統領も、米国のエリート層もである。

トランプが電話で友好的な態度を示したのは「もし北京が不公平な貿易行為を是正しようとし、口先でない実質的な譲歩をすれば、米国議会も受入、ある範囲では協力できる部分も出て来る。クドロー顧問は最近も、北京をこういう方向で纏め上げようとした。彼は「トランプはあるTVで、もし北京と合意に至れば、部分的に関税を取消すことはありうる」と述べた」と。

但し、軽く見ることができないのはマテイスもポンペオも北京への批判は貿易問題の範疇を超えた所にあるからである。マテイスは「中共は世界に権威主義体制を広めようとし、朝貢体制をも打ち立てようとして周辺国家の抵抗を引き起こしている」と指摘した。ポンペオは「中共は国内では宗教の自由を剥奪し、投資を使ってアフリカ、中央アジア、ラテンアメリカの国々を債務の罠に陥れている。中国にはビジネス上、正常な国家になってほしいし、国際法も遵守してほしい」と批判した。

ある見方では「習近平が、貿易戦に名を借りて経済と政治改革をしなければ、米中関係で貿易戦は緩和できない。今の所習の体制や社会変革の決心の跡は見られない」と。この報道を発表した時点ではWHはトランプの電話の内容をまだ発表していない。

中国人に善意を期待しても無理というもの。元々の発端は中国が汚い手を使って、世界制覇(=米国に替わって覇権を握る)を目指すのを阻止するために貿易戦争を始めた訳でしょう。中途半端では米国の覇権維持は難しくなります。そんなことは、WHはとうに知っているでしょうけど。崔天凱駐米大使のリンカーンの話もそれは米国内の話であって、外国の侵入の場合には敵国認定されるという事です。もう既に国防上は中露とも修正主義国として敵国認定されているではないですか。リンカーンは共和党大統領でしたが、トランプは共和党の異端ですから。歓心を買おうとしても無駄でしょう。中国人は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う民族であることをゆめ忘れないように。彼らは口先だけで恭順の意を示すかもしれません。でも裏では舌を出すに決まっています。一たび世界制覇の野心を明らかにしたのですから、今の内に徹底的に叩き潰しませんと。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/11/01/n2335587.html

11/1希望之声<中国留学生“台湾一统就完了”爆红后 后果竟然这么严重=中国の米国留学生が「台湾統一は既にない話」と youtubeは爆発的人気に しかし結果は酷いものに>ロサンゼルスに留学中の江蘇省出身の留学生がyoutubeに「台湾は何故中国と一緒にならないといけないのか?」と述べ、すぐに人気を博した。それは28万もの視聴を受け、昨日(10/31)再びyoutubeにアップし、「この数日は多くの体験をした」と。

彼は「統一派、独立派、大中国主義、分裂主義、いろんな立場の人がいると思うけど、国際社会で中国と台湾は独立した政治実体を持つことは否定できない。両者は完全に別な政府である。誰かがすることをもう一人は止められない。これは客観的な事実である。台湾統一は終わった話。Youtubeやfacebookを見るのにファイアウォールがあり、Googleは使えず、使えるのは百度のみ。選挙での投票もできず、蔡英文を罵ることもできず、公務員の財産についての質問もできず、更には地溝油(廃棄した油をさらってもう一度使う)をも食べさせられる。中国人は草莽の民であり、賎民、奴隷で党の為に働かされる。台湾人が統一したいと思わないのは当り前、統一してどうなるの?」と。

このYoutubeは注目を浴び、多くのネチズンは賛意を示したが、28日からいろんな圧力を受けた。「派出所や公安局が実家や父母、先生方を使い、私に削除させようとしたが、無駄と言うもの。発した以上、転載される。覆水は盆に返らずである。どうすることもできない」と述べた。ある教師は彼に言った。「売国の言論だ」と。彼は反論し、「先に言うが私は売国奴でないし、国を売ることはできない。皇帝のみが売国できる」と。

また「実家の住所、電話番号、学校、教師等全部調べ上げられた。この監視能力は大変なものがある。先生が「中国の自分の足跡は全部残る。顔識別のせいである」と教えてくれた」と。

あるネチズンは「見た所、2000人強はあなたを支持し、60人強があなたを踏みにじっている。あなたの発言は正義の挙である」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/11/01/n2334021.html

福島氏の記事にしろ、細川氏の記事にしろ、日本の外交はなっていない気がします。何を交渉しているのか、その跡が窺えません。まあ、11/1トランプ・習会談の中味が分かりませんので一方的に米国側に立つのも危険とは思いますが。それでも、ウイグル人の人権問題について言及したと言いますが、日本は世界から「口先だけ」の国で、何もできないからと舐められています。抗議したって、ペナルテイなしでは、自己満足だけでしょう。こんな外交は止めませんと。

大体中国人が約束を守るという前提がおかしい。習はオバマの前で、公開で「南シナ海の人工島は軍事基地化しない」と言った男ですよ。また、南京や慰安婦で世界に向けて反日活動に勤しんでいる国です。何故それを止めさせない。何故それなのに協力するのか分かりません。米国との同盟との理由以外でも、日本は中国に協力し、助けてやる必要はサラサラありません。聖徳太子以降の中国との付き合い方を忘れてしまったのかと言いたい。

世界に残っている共産主義の恐怖を取り除くために、インド太平洋戦略を掲げたのではないのか?安倍内閣はこのところ、口先だけで実が伴わないのが多すぎです。ウイグル人・チベット人・モンゴル人を助けてほしい。それには中共を潰さないと駄目でしょう。戦後、先人がインドネシアやベトナムに残り、独立運動に身を捧げ、「五族協和」や「王道楽土の建設」の理想に殉じたことを考えますと何をしているのかと言いたくなります。

福島記事

10月26日に開催された日中首脳会談(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

7年ぶりの安倍晋三・日本首相の公式中国訪問が無事に終わった。中国の公式メディアとしてはそれなりに手厚く報じていたが、26日のCCTVの夜のニュース(新聞聯播)のトップニュースは、習近平・中央軍事委員会主席が南部戦区(南シナ海や台湾をカバーする)を視察して戦争準備を呼びかけた、という前日の出来事の報道であり、安倍晋三と習近平の会談は二番手であった。とりあえず、どうしても日中首脳会談をトップ記事にしたくない中国の意地みたいなものを感じた。また習近平の表情もCCTVカメラに対しては意地でも笑顔を見せまい、という印象だった。

日本に頼らざるを得ないのは中国にとってはやはり屈辱なのだろうか。

ただ、知識人や中間層以上の中国庶民の反応はおおむね好意的だったように見受けられる。安倍の“おっかけ”をしていた知り合いの話では、わざわざリアル安倍晋三を見たいがために、長富宮ホテルのロビーに待機していた中国人も結構いたらしい。「天皇訪中はいつ実現するのか」といった期待を私に聞く知識人もいた。SNSでは「日本が米国の支配から抜け出し、中国とパートナーになることを選んでくれた」といった評価のコメントが並んだ。それだけ中国社会には米国にイジメられているという自覚と、経済的に相当追い込まれているという危機感が漂っているといえる。米国が完全に敵に回った今、日本まで敵に回すわけにはいかないのだ。

さて今回の日中首脳会談の中身である。先週の拙コラム「意外に安倍政権好きな中国知識人」で報じた予測内容がほぼアタリであったので、いまさら繰り返す必要もないかもしれない。日中関係の新時代が強調され、通貨スワップ再開、一帯一路戦略に対する第三市場での日中協力表明、北朝鮮問題で拉致問題の中国からの協力、福島事故以来の東北地域の日本食品輸入規制の撤回、RCEP加盟に向けた交渉加速、海空連絡メカニズムの運用など予定されていたテーマはきちんと消化された。「反保護貿易」といった米国の神経を逆なでしそうな表現は避けることになったが、自由貿易擁護の立場を表明した。

また訪中に合わせて、北京で行われた初の日中第三国市場協力フォーラム(“一帯一路”日中官民協力協議会)では、日中企業、金融関係者ら1400人が参加し、52のプロジェクト(180億ドル)について調印された。さすがにAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参与は避けたが、5月の李克強訪日の際に、日本の金融機関によるRQFII(人民元適格国外機関投資家)の枠組みを使っての投資を可能にしており、また中国・財経誌などによれば、野村ホールディングスや中国の投資機関が合資基金を作って、第三市場に進出する日中企業を支援する仕組みなどを準備しているという。こうしてみると、中国にとっては間違いなく大変ありがたい大盤振る舞いであった。

会談における両首脳の発言

一方、日本が中国に手を差し伸べる、という珍しく日本が優位に立ったように見える外交であった。今回の日中首脳会談で謳われた日中新三原則「競争から協調へ」「パートナーとなって、脅威にならない」「自由で公正な貿易体制を発展させていく」は安倍から提示されて、習近平が承諾するという形になった。習近平主催の晩さん会で安倍は丁寧にもてなされ、米中関係について不安そうな表情を見せる習近平に、安倍が「トランプ大統領はあなたのことを信頼している」と慰める場面まであった。

では、今回の日中首脳会談では日中どちらがより多くのものを得たのだろう。外交に勝ち負けをつけるのも変かもしれないが、勝者とよべるのは日中どちらなのだろうか。

新華社によれば、会談における習近平の発言はこんな感じだ。

「……今年は中日平和友好条約締結40周年だ。1978年、両国の先輩指導者たちは平和友好条約を結び、法律形式をもって両国の長期的和平友好の大方針を確定した。双方がこれに協力して互いの利益を発展させるために、共同発展および歴史、台湾などの敏感問題の妥協をはかり、堅実に従い保障する。双方の共同の努力のもと、中日関係は目下、正常な軌道を回復し、再び積極的な情勢となっている。これは双方にとって得難いものである。双方とも四つの政治文書が確立した原則に従い、平和と友好の大方針を堅持し、互恵互利の協力の深化を持続し、中日が回復した正常軌道の基礎の上で新たな発展を推進していくであろう」

「新情勢のもと、中日両国はお互いの依存を日増しに深め、多面的により広範な共同利益および共同の関心において、より深い戦略的コミュニケーションと多層的な次元で、多くのチャンネルによる対話メカニズムを通じて、相手の戦略的意図を正確に把握し“相互に協力パートナー”であること、“お互いを脅威としない”とする政治的共通認識を切実に徹底して実践し、ポジティブな相互作用を強化し政治的相互信頼を増進させよう。さらにハイレベルの実務的協力を展開し、十分な協力の潜在力を開放しよう。中国の改革はたゆまず深化しており、開放の大門はますます大きく開かれている。これは、中国同胞および日本を含む世界各国が協力を展開するために、より多くのチャンスを提供するであろう。ともに“一帯一路”を打ち建て、中日の相互利益協力のために新たなプラットフォームとテストケースを提供しよう。

中国としては日本が新時代の中国発展プロセスにさらに積極的に参与し、両国のさらなるハイレベルなウィンウィン関係を実現することを歓迎する。さらに広範な人文交流を展開し、相互理解を増進し、両国の各階層、特に若者世代の活発な中日友好事業への参加を応援しよう。さらに積極的な相互安全のための行動を展開し、建設的な相互安全関係を構築し、ともに平和発展の道を行き、地域の平和安定を維持しよう。さらに国際協力を緊密にし、共同利益を開拓し、地域経済の一体化を推進し、ともにグローバル的な挑戦に応対し、多極主義を守り、自由貿易を堅持し、世界経済の建設開放を推進しよう……」

新華社によれば、これに対し安倍晋三の発言は以下の通り。

「中日平和友好条約締結40周年のこの重要な時期に正式に訪中できたことを非常にうれしく思う。この訪問を通じて、双方が競争から協調に変わった日中関係新時代を始めていきたい。日中はお互い隣国であり、お互いの利益協力、お互いが脅威にならない精神に照らして、両国の四つの政治文書を根拠に両国関係を推進していく共通認識を確認し、同時に国際社会及び地域の平和のために自由貿易を擁護していくために貢献していくべきだ。

これは国際社会とこの地域の国家の普遍的期待である。日本は中国がさらに一歩対外開放を拡大することを歓迎、支持し、継続して積極的に中国発展のプロセスに参与していきたい。日本は中国側と道を同じにし、ハイレベルおよび各レベルでの交流を密接にし、両国の友好的な民意を基礎に双方の意見対立をうまくコントロールし、日中の戦略的互恵関係の深化発展を推進し、地域の安定と繁栄に力をあわせていきたい。“一帯一路”はポテンシャルのある構想であり、日本側は中国側と、第三市場の共同開拓を含めて広範な領域で協力を強化していきたい」

安倍晋三・李克強の首相会談の文言も見てみよう。

李克強の発言は以下の通り。

「双方が両国関係を積極的な流れにもっていき、さらに一歩良好な相互作用を強化し、歴史、台湾、東シナ海などの敏感な問題をうまく処理し、両国関係をたゆまず前進させ続けるよう望む」

「中国側は日本側と政治、経済領域の対話を行い、政策上のコミュニケーションと協調を強化し、科学技術とイノベーション、省エネ環境保護、医療老人介護、財政金融、防災と農業などの領域での協力を深め、開放、透明化、市場化の原則に従って、第三国市場における中日の実務協力の新たな支柱として打ち建てたい」

「海空連絡メカニズムのホットラインをできるだけ早く設置し、海上執法部門の対話を強化し、東シナ海を平和と協力、友好の海にしたい」

「両国の青年、体育、地方などの領域でお互いを鑑に交流し、双方の人的往来の利便をはかる友好的措置をとりたい」

「目下の国際情勢のもと、中日は世界主要経済体として、多極主義と自由貿易を共に庇護し、開放型世界経済を推進していくべきだ。中日韓自由貿易区と地域経済のパートナーシップ協定(RCEP)、の交渉を加速推進させ、地域貿易投資の利便化を促進したい。東アジア経済共同体をともに建設し、アジア太平区域の一体化プロセスの助けとしよう」

これに対し安倍晋三の発言。

「李克強首相の5月の訪日で日中関係は正常な軌道を回復した。これを契機に、競争を協調に変える日中関係新時代が始まった。日中は重要な隣国であり、双方が戦略的パートナーで、お互い脅威とならない。中国の発展は日本にとって重要なチャンスであり、日本はハイレベルの交流を強化し、四つの政治的文書を基礎に戦略的コミュニケーションを強化し、両国の経済貿易、投資、金融、イノベーション、第三市場での協力、青少年、スポーツ、地方の各領域での協力交流強化を望む。日中が手を取り合い時代の潮流に順応することは世界が直面する共同の課題解決の助けとなろう。双方は共同の努力をしてRCEP交渉の実質的な進展を推進し、自由で公正な国際経済秩序の建設を推進し、自由貿易と世界経済の発展に貢献していくべきだ」

中国は一帯一路、日本は拉致問題で成果

中国にとっての成果の一つは、安倍に一帯一路を評価させたことだろう。一帯一路戦略は中国人専門家ですら挫折説を囁く人がいたのだが、日本が関わることで息を吹き返す可能性がでてきた。党規約にまで書き入れられた一帯一路戦略が失敗となってはそれこそ政権の存続が危ぶまれかねないので、習近平としては胸をなでおろしたことだろう。ただし、日本企業が一帯一路で利益を見込めるかというと、そう簡単な話ではかろう。しかも安全保障的な観点でみると、一帯一路戦略は失敗した方が、むしろ日本の国益にかなうのではないかと、私は思っているので、この点に関しては、安倍政権の本当の狙いがよくわからないでいる。

日本にとっての成果は、まず習近平の口から北朝鮮の拉致問題に対して「理解と支持」発言を引き出したことで、この部分は新華社記事発表の公式発言には出ていない。中国の北朝鮮に対する影響力がどれほど残っているかはわからないが、行き詰まっている拉致問題に新しいアプローチを提供してくれる可能性はあるかもしれない。

避けられた歴史認識や領土問題への言及

次に安倍が提案した日中新三原則の一つである「お互いが脅威とならない」と言う表現。中国はこれまで自分たちは脅威でないと主張してきたが、相手が脅威に感じているという前提は認めたわけだ。その上で戦略的コミュニケーションが重要という共通認識に至った。さらに双方とも歴史認識問題や領土問題についての言及は避けるという配慮をみせた。

外相の河野太郎が26日に王毅と会談した際に、尖閣周辺に設置されたブイを撤去するよう要請したとき、王毅はいつものように青筋たてて反論するようなことはなく、「意見の対立は妥当に処理する」と答えるのみだった。一部で、日本を味方につけるために、尖閣問題の対立を当面棚上げにする意見も党内で出ているという噂があり、本当にそうであれば日本にとってはありがたいことかもしれない。

もっとも25日に習近平は南部戦区視察をしているし、尖閣周辺に海警船を連日派遣している。発言と行動はまた違う。安倍は習近平に“スパイ容疑”で中国に拘束されている日本人の解放を直接求めたが、習近平は「法律に照らして適切に処理する」としか答えていない。「中国の脅威」は口で言うほど簡単には解消されまい。

李克強との会談はかなり実務的な話が出ていたが、今の市場管理強化姿勢を打ち出している習近平政権に開放、透明化、市場化原則を言わせたことは重要だ。自由貿易とセットで自由で公正な国際経済秩序の建設が語られた。もっとも中国側のいう市場化、自由貿易という言葉と、日本がイメージしている市場化、自由貿易はかけ離れていると思われ、共通認識をもっているようで、同床異夢という気がしないでもない。

中国の報道にはないが、安倍が李克強との会談でウイグルの人権問題に言及した。これは日本が国際社会の普遍的価値観を共有している国家であることの表明でもある。ウイグル問題は一帯一路地域が現場でもあり、日本が一帯一路に参与する以上は口を出す立場にある。

こうして総じてみると、実入りは中国の方が大きい。だがメンツを重んじる中国にしてみれば、日本に対して屈辱的なまでに下手に出た、という感覚だろう。日本人は相手が下手に出てくると、ついついお人よしの優しい性格がでてくるが、中国は日本に助けてもらったとしても、心から感謝するどころか、いつか立場を逆転してこの屈辱を晴らそうと思うタイプの人が多い。中国は徹底した強者主義の国だ。

現在の安倍政権の対中外交方針の真の狙いはわからないが、もし今の中国が米国からの圧力によってしおらしくなって日本にすり寄ってくるというなら、こういう時は簡単に手を差し伸べるよりも、むしろ圧力を上乗せしてかけるくらいのほうが、日本の国益に合致するのではないか、と思う。とはいえ、外交のプロたちが考えぬいた今回の対中外交方針のシナリオだ。中国がしおらしい顔を見せている間に、日中間の核心的利益を争う領土、歴史、台湾の問題を日本の有利に導くよう、総じて日本の外交勝利が導ける事を期待して今しばらく冷静に観察したいと思う。

細川記事

10月26日に北京で開かれた日中首脳会談。米中の「貿易戦争」を背景に「微笑み外交」で日本に迫る中国に対し、日本の対応はどうだったのか。安易な「日中関係改善」では不十分で、知財問題や一帯一路に関して「注文外交」を展開する必要がある。

(写真=新華社/アフロ)

これほど思惑がわかりやすい首脳会談もない。10月26日、安倍総理が北京を訪問し、習近平国家主席との日中首脳会談が開催された。この首脳会談に対する中国側の意気込みはやはり米中対立の裏返しであった。

2017年半ばから習主席は日本との関係改善に動き始め、昨秋の共産党大会を終えて以降、対日外交は「微笑み外交」に明確に転じた。習近平体制の権力基盤の強化もあるが、基本的には米中関係の悪化が大きく影響している。

米中関係が厳しさを増してくると、日本との関係は改善しておき、日米の対中共闘を揺さぶる、といういつもながらの思考パターンだ。

これまでの歴史を振り返ってもそうだが、「日中関係は米中関係の従属変数」という要素が大きい。

もちろん日中の関係改善は歓迎すべきことで、これを機に建設的な対話をするチャンスだろう。しかし、これを永続的なものと楽観視すると中国の思うつぼだ。あくまでも中国側の事情、打算による関係改善である。将来、仮に米中融和に向かえば、どうなるかわからない脆い基盤だ。残念ながらそれが日中関係の現実だ。日本政府も「従属変数としての日中関係」を頭に置いた対応が求められる。

日本企業にとっても注意を要する。

米中間の関税合戦もあって、外国企業の対中投資が見直しの機運で、現に中国での生産拠点を他国に移転する動きも出てきた。これに中国は強い危機感を持ちだした。そこで、日本企業を引き留めるだけでなく、更には対中投資に向けさせたいとの思惑が働いている。

最近、中国は共産党指導部の意向を受けて、各地の地方政府が熱心に日本企業に対する投資誘致に奔走しているのは、そうした背景による急接近だ。これは中国側の状況次第でいつでも風向きが変わるリスクがあることを忘れてはならない。

知的財産権での注文外交とは

こうした中国の「微笑み外交」に対して、日本は中国に対して「注文外交」ができるかが問われている。

具体的に日中首脳会談の経済面での成果を見てみよう。

その一つが、先端技術分野での連携のための新たな枠組みとして「イノベーション協力対話」を作ったことだ。これも米国との技術覇権争いを背景として、中国がハイテク技術で日本に接近する思惑が見え隠れする。

5月、李克強首相が訪日した際、安倍総理に投げたボールが、イノベーション分野での対話・協力であった。日本は中国の思惑にそのまま乗るわけにもいかない。中国の知的財産権の扱いについては欧米とともに日本企業も懸念を有している。そこで、これを知的財産権問題とパッケージにして扱う場に仕立て上げた。

米国は中国への技術流出を止めようとしている矢先に日本が抜け穴になることは看過できない。日本政府も米国政府に懸念払拭のために事前説明したようだ。

今後、この対話の場をどう動かしていくか、まだ決まっていない。だが、日本としては中国にお付き合いしている姿勢を示しつつも、具体的な案件ごとに安全保障上の懸念がないか慎重にチェックすることが必要だ。

日本企業も恐る恐る対応することになる。協力案件が米国から問題にされることがないよう、企業にとって保険になるような、政府ベースでの仕掛けづくりが大事だ。

習主席訪日を「人質」に取られ、日本はWTOに提訴できず

またこの対話を進める前提として、中国の知的財産権のあり方に注文をつけることが不可欠だ。中国の不公正な知的財産権のあり方については、欧米が歩調を合わせて世界貿易機関(WTO)への提訴を行っている。ところが日本は今回の安倍総理の北京訪問、来年の習主席の訪日を人質に取られて、中国へのWTO提訴をしていない。

先月の日米首脳会談での共同声明にあるように、中国の知的財産の収奪、強制的な技術移転などの不公正さには日米欧で共同対処するとなっている。にもかかわらず、日本が中国に対してWTO提訴できないでいるのだ。これには欧米からは冷ややかな目で見られていることは重大だ。

特に日本政府はルール重視と口では言っていても、中国のルール違反に対しては甘い姿勢でいることに、言行不一致との指摘もささやかれている。これではこれからの国際秩序作りに日本が主導して日米欧が共同歩調を取ることを期待できないだろう。

日本も中国に対してWTO提訴を行ったうえで、こうした対話の場を活用して、中国に対して民間企業が直面している懸念をぶつけて、改善のための協議をすることが、イノベーションの協力を進めるための政府の役割だろう。日本企業もこれまで知財での不公正な扱いに対して、中国政府に睨まれないよう、目をつぶっていた体質を変える必要があるが、それも日本政府の対応がしっかりしていることが前提だ。

一帯一路への「注文外交」を

そしてもう一つの柱が、日中の「第三国市場でのインフラ協力」だ。

中国の思惑は、日本をいかにして一帯一路への協力に引き込むかにあるのは明白だ。一帯一路も相手国を「借金漬け」にする手法に、欧米だけでなくアジア諸国からも警戒感が高まり、一時の勢いが見られない。パキスタン、ミャンマー、マレーシアなど事業の縮小、見直しが相次いでいる。そうした中で、日本の協力を得ることは、一帯一路の信頼性を高めるうえで大きい。

他方、日本は「量より質」で勝負しようと、相手国のニーズと案件を精査して「質の高いインフラ整備」で対抗しようとしている。米国とともに提唱している「インド太平洋戦略」がそれだ。

しかし単に対抗するだけではなく、圧倒的な資金量を誇る中国とは協調も必要ではないかとのスタンスに徐々に舵を切り始めたのだ。もちろん民間企業のビジネスチャンスへの要望もあるだろう。

むしろ日本に優位性のあるプロジェクト・マネジメントやリスク管理のノウハウを活用して、一帯一路を軌道修正させていこうとの思惑だ。日本のメガバンクはこうした面での強みを特にアジアにおいては有している。中国企業の安価な製品、サービスと結びつけば補完関係にある。

ただし、一帯一路への協力となると、米国も黙ってはいない。神経をとがらせて当然だ。日本もそれを意識して、「一帯一路への協力」とは一言も言っていないのだ。しかし当然のことながら、中国側は早速、「一帯一路に日本の協力を取り付けた」と宣伝している。

日本は本来、米国とともに主導している「インド太平洋戦略」でインフラ整備を進めていることになっているはずだ。日本も中国同様、「インド太平洋戦略に中国の協力を取り付けた」と宣伝するぐらいの厚かましさがあってもよい。

日中首脳会談直後に来日したインドのモディ首相にもその協力で合意している。今回の中国との第三国市場でのインフラ協力は、こうしたインド太平洋戦略との関係をどう整理して国際的に説明するのか不透明なのが問題だ。それはそもそも、インド太平洋戦略の中身が明確になっていないことにも起因している。

「危険な案件」の見極めが必要

言葉がどうであれ、今後、大事なことは具体的なプロジェクトの進め方で中国に注文をつけていくことができるかどうかだ。日本も米国政府に事前にそう説明して、米国の批判、誤解を招かないように手を打ったようだ。そうでなければ、中国の思うつぼであり、米国からも厳しい目で見られるだろう。2018年4月には欧州もハンガリーを除くEU大使が連名で一帯一路への警戒感から中国に改善を申し入れている。日本も安易な対応は国際的に許されない状況にある。

問題はこれからだ。

今回の首脳会談の際には、民間ベースでも52件の案件を合意して、成果に仕立て上げた。日中間の協力と言っても、具体的なビジネスは様々なパターンがある。

例えば、日中企業が共同で太陽光発電事業を受注して運営するケース。日本企業が発電所建設を受注して、中国企業から安価な機器を調達するケース。日中の合弁企業が中国で発電機器を製造して第三国の発電所に納入するケース。日本企業が基幹部品を供給して中国企業が組み立てた機械を輸出するケース。日本企業が中国と欧州を結ぶ鉄道を活用して物流事業を展開するケース。日中企業が協力してヘルスケアなどのサービス市場の展開をするケースなど、さまざまな形態が含まれている。

政府は高速鉄道案件のような象徴的な大プロジェクトに飛びつきがちだが、最近の中国側のずさんな対応を見ると、それはリスクが高い。むしろ地道なプロジェクトを積み上げていくべきだろう。

日本企業の中にはビジネスチャンスと捉える向きもあるが、事はそう単純ではない。今後、協力案件を慎重に見定めなければ、中国の影響力拡大の戦略を利することにもなりかねない。また、民間企業にとっても中国側の国有企業特有の甘いリスク判断は受け入れがたい。そうした“危険な”案件の見極めも必要だ。

今後、日中間では官民合同の委員会で議論して進めることになっているが、官民ともに甘い見通しを持つことは禁物だ。今回、日中間で開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性といった国際スタンダードに沿ってプロジェクトを進めていくことが合意されたと言うが、こうした原則の合意だけで安心していてはいけない。原則の美辞麗句だけでなく、これらが具体的にどう適用されるかを注意深く見ていく必要がある。

今回の安倍総理の北京訪問を受けて、来年には習近平主席の来日を求めて、日中首脳の相互訪問を実現したいというシナリオだ。しかし、だからと言って、友好だけを謳っていればいい時代ではない。知的財産権にしろ、インフラ整備にしろ、中国に対して注文すべきことは注文するのが重要だ。前述したように、中国に対するWTO提訴を躊躇しているようではいけない。それでは国際秩序を担う資格はない。

米中関係が長期的な経済冷戦の様相を呈している中、中国に対して、かつての冷戦モードのような「封じ込め政策」でもなく、「関与政策」でもない第3のアプローチを模索する時期に来ているのだろう。日本も米国の中国に対するアプローチとは違って、「注文外交」をきちっとすることによって、時間をかけて中国の変化を促すような、腰を据えた中国との間合いの取り方が必要になっている。

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『なぜトランプ人気は衰えないのか、中間選挙を前に考えてみた』(11/2ダイヤモンドオンライン 塚崎公義)、『中国から尖閣など離島奪還するのは愚の骨頂 3倍の兵力がいる奪還より防衛を優先すべし、そのための法整備を』(10/30JBプレス 森清勇)について

トランプのツイッターです。習近平と電話会談し、特に貿易問題と北朝鮮について話合ったとのこと。G20で継続協議するようです。11/2日経朝刊には上海の国際輸入博覧会に日系企業が一番多く出展、450にも上ると。いじましい商人根性としか感じませんが。そう言う立場で言うのは何ですが、トランプは米中冷戦を妥協することなく戦ってほしい。ウイグル人の強制収用や臓器摘出問題を見れば分かるように、中共は悪の帝国です。これが世界を牛耳る前に叩き潰しませんと。

11/1阿波羅新聞網<中南海路线斗争公开化 川普政府表态 中共高层军心大乱=中南海の路線闘争がオープンに トランプ政権の貿易戦争で中共の高層は大乱に>台湾メデイアの評論は、「毛沢東から鄧小平を経て今の習近平の時代に至るが、中共内部にはずっと経済で二方面での路線闘争があった。目下、習派(輸出モデル)と鄧派(市場経済)が争っている。鄧派が習派に妥協しているのは、トランプのボトムラインが読めず、代わりになるのがいないため」と。阿波羅新聞網のコメンテーターの王篤然は「トランプ政権で中共への要求のバーは高くはないが、ペンス演説は習に態度を改め、鄧の路線に戻るよう希望すると明言した。反習勢力は中共が鄧路線に戻って政権を維持することを希望している。但し、鄧の開放政策は国民の価値観を表したものでなく、実際は米国に取って代わるだけの力量を蓄積するためのものである」と。

ある分析によれば、「中国のBSを見れば、全債務を返済すれば、国の保有する企業の株式は全部失われる」と。

塚崎氏の記事は、中間選挙での共和党の勝利を予言したものと小生には映ります。米国メデイアも日本のメデイア(民主党支持の米国左翼メデイアの記事を翻訳・転電しているだけですから)も当てになりません。下院での勝利も願っています。

森氏の記事では、日本の役人のサラリーマン化、志の無さが浮き彫りになっているのでは。自衛隊や海保の現場が動きやすい環境を政治家を動かしてキャリア組は作らなければいけないのに、できていません。まさに「省益あって国益なし、局益あって省益なし」の状態では。タコツボにドップリ嵌まっている感じです。新人時代に国益の為に働くことを教えても、先輩や事務次官の姿(前川事務次官の買春等に対する自己弁護の酷さ)を見ると初心を忘れてしまうのでしょう。悲しいことです。日本は「法治国家」ならぬ「放置国家」になり果ててしまっています。

中国漁船に乗っている民兵は南京での便衣兵を思い起こさせます。国際法にうまく抵触しないように立ち回る訳です。南京虐殺は架空で、便衣兵が殺されただけでしょう。何せどんな汚い手を使ってでも勝てば良いという民族です。蒋介石が黄河花園口を決壊させ、日本軍の進軍を阻もうとしたときに、日本軍は溺れる中国人を救出しました。こういう事実を鑑みれば南京虐殺何てするかと思いませんか?日本人はもっと歴史を勉強して、常識を働かせて判断すべきです。民族性の違いを見たら分かりそうなもの。

「戦争を防ぐには抑止力が必要」というのが、GHQによって洗脳されたままの日本人の頭には理解できないようです。「戦争反対」を叫ぶ人は戦争を呼び込む人か、イザと言う時に戦わず奴隷への道を歩むと見て良いでしょう。中共に侵略を許せば、今のウイグル、チベット、モンゴルのようになります。強制収容所送りになって、闇の中で生きたまま臓器を取られる、こんな奴隷になりたいと思いますか?憲法改正しないで戦うことになれば、憲法は停止、超法規的に戦うしかありません。政治家はいつでもその覚悟をもって政治をしてほしい。憲法より国民の生存権の方が上位にあるはずです。

塚崎記事

photo:The New York Times/Redux/AFLO

米中間選挙の劣勢が伝えられても依然人気の高いトランプ大統領

米国の中間選挙が迫っている。今回は、トランプ大統領の信任投票という性格を持った中間選挙だ。与党は若干の苦戦が予想されているようだが、米国の中間選挙で与党が不利なのは珍しいことではない。国民が、政権の暴走をけん制する役割を野党に求めるからだろう。

2年前の大統領選挙では、「史上最悪の大統領が選ばれてしまった」と嘆いた読者も多いかもしれないし、今でもトランプ大統領の問題点を挙げ始めればいくらでも原稿が書けそうだ。筆者も批判したいことは多い。

しかし米国では、依然としてトランプ大統領の支持者は多い。なぜ、数多くの問題点にもかかわらず、人気があるのか。

そこで本稿ではあえて発想を転換し、「米国の大統領として、優れたところが数多くあるはずだ。それを米国民が支持しているのだろう」と考えて、あえて米国民の視点からトランプ大統領を絶賛してみよう。

どこの国でも、景気がよければ政府は褒められる。トランプ大統領についても、まさに景気が好調である点が最大の絶賛ポイントだろう。

景気を誰にでも一目で理解してもらうためには、失業率の数字を引用するのが普通だ。そこで失業率を見てみると、直近はこの49年間で最低となる3.7%となっている。大統領就任時点で4.8%であったことを考えると、2年で1ポイント以上の低下をもたらしているのだ。

経済成長率については、大統領就任前年が1.6%だったのに対し、2018年は2%台後半が見込まれている。インフレ率も、エネルギー価格の変動などの影響はあるものの、おおむねFRB(米連邦準備制度理事会)が目標としている2%近辺で推移している。

株価についても、NYダウは選挙前に1万8000ドル近辺であったものが、最近では2万5000ドル近辺で推移している。株価が上がって悲しむ人はいないから、大統領として米国民に巨額の“プレゼント”をしていることになる。

経済の好調は大統領だけのおかげではないが、政府の最重要任務の1つがインフレなき経済成長であることを考えれば、実によくやっている政権だといえるだろう。

アメリカファーストは国民にとって悪いことではない

トランプ大統領の特徴は、国際協調よりも米国の利益を優先していることだ。これは一般論として、世界の利益に反する。米国に利益をもたらす一方で、他国には大きな不利益をもたらす場合が多いからだ。

例えばトランプ大統領は、世界各国が地球温暖化を阻止するために協力しようという「パリ協定」を離脱する意向を表明している。米国が離脱すれば、米国企業は温暖化ガスを自由に排出しながら利益を追求することができるが、それによって地球の温暖化が加速することになる。米国だけが利益を得て、他国が損失を被るわけだ。

仮に、米国の離脱を契機としてパリ協定が崩壊し、地球温暖化が進むようなことになれば、「結局、アメリカファーストは、米国の得にもならないからやめておこう」ということになりかねないが、トランプ大統領はそう考えない。

米国の視点に立てば、米国以外の国々は引き続き温暖化防止に努めるわけだから、米国にとっては最高の結果が得られると考えているのだ。これは、他国に何と言われようと米国民にとって悪い話ではない。

しかも、興味深い点もある。トランプ大統領は「パリ協定の内容が米国に著しく不利なので、内容の修正を求め、修正されなければ離脱する」と言っている。つまり、離脱を決めているのではなく、条件交渉をして、各国の負担割合が変更されれば復帰するというのだ。もしも交渉が成立すれば、温暖化は防止されることになる。米国と他国の負担割合が変わるだけの“ゼロサムゲーム”なのだ。

もう1つ興味深いのは、米国が実際に離脱するのは、次の大統領選挙の翌日だということだ。つまり、「トランプ大統領が次の大統領選挙で負ければ離脱しない」という可能性も米国には残っているのだ。

ハードネゴシエイトで有利な条件を引き出す商売人

筆者は、トランプ大統領の本質は“商売人”だと理解している。契約が成立しなければ双方の損なので最終的に契約は成立させるが、その条件をできるだけ自身に有利になるようハードネゴシエイトをするからだ。

その過程で「交渉決裂をほのめかす」というのは、1つの優れた戦略である。交渉を決裂させるつもりがないので、これは「ハッタリ戦略」と呼んでもいいだろう。

これは、ガキ大将が「オモチャをよこさないと殴るぞ」と弱虫を脅すようなもの。本当に殴ると自分の手も痛いので、殴らずにオモチャを奪うことが本当の目的なのだ。

また、トランプ大統領は日欧などからの自動車輸入に高率関税を課すと宣言した。これには世界中から「世界の貿易を縮小させる愚策だ」という批判が浴びせられたが、ふたを開けてみれば高率関税は課されていない。

日欧各国と、「関税ゼロなどを目指した大がかりな貿易交渉を行なう」ことで合意したというのが現状で、当然ながら「米国は少し輸入を増やし、日欧は大量に輸入を増やす」ことで決着するのだろう。

それにより、世界貿易は縮小ではなく拡大することになる。日欧にとっては不満は残るが、世界経済は発展し、その果実を主に得るのが米国だという結果が待っているわけだ。

これは、メキシコやカナダ、韓国などとの交渉も、本質は同じだと考えていいだろう。だとすると、トランプ大統領の通商政策は、米国に大きな利益をもたら素晴らしい政策だということになり、「トランプ大統領万歳」となるのだ。

米中冷戦は米国勝利の可能性大 歴史に名を残すかも

一方、米中貿易戦争は激しさを増しているが、これは日欧との関係などとは全く異なる。相手からオモチャを奪うのが目的ではなく、相手をたたきつぶすのが目的だからだ。

米国は、中国が安全保障上の脅威であると位置づけ、「中国をたたいておかないと米国が覇権争いに敗れてしまう」との危機感を抱いている。しかも、「中国の急速な成長が、米国などから技術を盗むといった不公正な行為によってもたらされている」との認識も広まっている。

米国は、敵が不正をしていると考えると、国内が一致団結して戦える国だ。しかも、自らの覇権がかかっているとなれば、真剣さが格段に違ってくる。つまり、米中は単なる貿易戦争ではなく冷戦なのであり、米国としては「肉を切らせて骨を断つ」戦いなのだ。

これは、トランプ大統領が単独で行っているのではなく、米国議会の多数の支持を受けてやっていることだから、仮に中間選挙で負けても大統領選で負けても、米中冷戦の大枠は変わらないと考えておいた方がよさそうだ。

そう考えるとトランプ大統領は、対中政策において弱腰だったこれまでの米国を、強気に転換させる原動力になったといえる。議会の姿勢が変化したとしても、やはり大統領がそれを推進するとすれば、それは大きなパワーとなる。

しかも、こうした米中冷戦は、米国の勝利に終わる可能性が高い。それを主導し、米国の覇権を守った功労者がトランプ大統領だったということになれば、彼は歴史に名を残す大統領だったといえる時代がくるのかもしれない。

冒頭でお伝えしたように、本稿はあえて米国民の視点に立って、トランプ大統領を礼賛するとどうなるかという“頭の体操”を試みたものだ。誤解のなきようにお願いしたい。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

森記事

中国海軍の海上演習で、空母「遼寧」に駐機されたJ15戦闘機(2018年4月撮影)。(c)AFP PHOTO〔AFPBB News

国土交通省の分類では本州・北海道・四国・九州・沖縄本島の5島を除くすべてが離島である。日本には離島が6847あり、このうち有人は421で、ほとんど(6426)が無人離島である。

少子化の影響もあって、対馬に見るように有人離島でも人口減少が続いている。しかも振興策の不備などから外国勢力によって占拠されるかもしれないという不安に晒されている。

領土・領海・領空を守るために海上保安庁や自衛隊は日夜努力しているが、不毛な論戦に明け暮れる政治の不作為から、領域保全に必要な議論が行われず、各種法制の不備が指摘されている。

そうした結果、現場に関わる海上保安庁や自衛隊の努力だけではいかんともし難い状況が現出する。

離島防衛に関わる自衛隊の専門部隊として、平成30(2018)年3月27日に水陸機動団(約2100人)が編成された。

10月14日に朝霞駐屯地で行われた「自衛隊観閲式」では、最新鋭のステルス戦闘機「F-35A」のデモフライトとともに、特に注目を浴びたのが水陸機動団に関わる「V-22オスプレイ」や水陸両用車「AAV7」などであった。

最高指揮官の訓示

観閲式に参加した自衛隊員約4000人を前に、最高指揮官の安倍晋三首相は「24時間、365日。国民の命と平和を守るため、極度の緊張感の中、最前線で警戒監視にあたり、スクランブル発進を行う隊員たちが、今、この瞬間も日本の広大な海と空を守っています」と訓示して、任務を称えた。

「領土・領海・領空、そして国民の生命・財産を守り抜く。政府の最も重要な責務です。安全保障政策の根幹は、自らが行う継続的な努力であり、立ち止まることは許されません」

これは「国を守る大切さ」の国民へのメッセージであり、同時に「国民の協力が不可欠」という要請でもある。

「この冬に策定する新たな防衛大綱では、これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる、防衛力の在るべき姿を示します」

「日々刻々と変化する、国際情勢や技術の動向に目を凝らし、これまでのやり方や考え方に安住せず、それぞれの持ち場で、在るべき姿に向かって、不断の努力を重ねていってください」と述べた。

首相が節目ごとに強調してきた日本を〝真ん中″に据えて共生する国際社会の建設に尽力するという意思表明であり、その中での自衛隊への期待を示したものと理解できる。

最後は不甲斐ない政治によって「厳しい目で見られ」てきた自衛隊(隊員)が「強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」と述べ、「これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく」と、自衛隊の違憲性を解消する決意を示した。

国民の9割以上が自衛隊の存在を認めているとされながらも、違憲とする学者もいる。また、「軍隊」でないことから国際法や慣習上の権利に疑義が挟まれ、PKO活動や外国軍隊との共同訓練・演習などにおいて共同歩調が取れない現実も散見されてきたからである。

以下では、水陸機動団とグレーゾーン事態対処などについて言及する。

なぜ「離島奪還」なのか

最近のマスコミ報道では、「離島奪還」という用語が多用されている。

「離島奪還 初の訓練場」「離島奪還を想定した訓練」「離島奪還 陸海空の連携急務」「離島奪還へ万全」などである。

離島防衛の専門部隊である「水陸機動団」の任務も、「島嶼侵攻を許した場合、奪還作戦の先陣を切る役割を担う」とされ、ここでも侵攻を許した場合の「奪還」である。

オスプレイや輸送ヘリが運んでくる機動団の隊員が予定地に降着できるように、航空攻撃や艦砲射撃で進攻者に砲撃を加えて援護する。

同時に、輸送艦(本来は強襲揚陸艦であるが自衛隊は装備していない)で運ばれて来た隊員が水陸両用車やボート、エアー・クッション・ヴィークルなどで上陸し、侵攻者を掃討するというものである。

北海道では多くの山林やレジャー施設が主として中国系資本に買収されている。買収地の多くがアンタッチャブルな状態に置かれ、しかも水源なども豊富なところから衣食住を賄え、自己完結型の生活ができる。

他方で、留学や技能実習で来日した外国人のうち5万人超が不法滞在の状況で、その中の8割は中国人が占めているとされる。

無人離島では国民の目がほとんど届かず、場合によっては上記のような不法滞在の外国人も含めた勢力に占拠されて、陣地化や要塞化しているかもしれない。

占拠ではなかったが、昨年11月、北海道の無人島、松前小島には北朝鮮の漁船員が漂着し仮住まいをしていた。

相手が武力をもって占拠した場合、当然のことながら、奪還が必要となる。近年の「奪還」は尖閣諸島を対象にした”隠語″のように聞こえなくもない。

尖閣諸島は本来日本の領土であるが、1970年代から中国が自国領と主張し、90年代に入り領海法を制定して自国領に組み込み、習近平政権になると台湾などと同様に「核心的利益」を有するとした。

爾來、中国は同島を係争地として、日本を協議の場に引き摺り込もうと画策し、公船や軍用艦艇などを接続水域に侵入させ、時には領海を侵犯してきた。

ちなみに、有人島の対馬も過疎化の進行で「島が危ない」と叫ばれてから久しく、その後も韓国系資本による土地などの買収が進んでいる。

こうした経緯を踏まえ、本来日本の領土であり島であるが、何らかの事情によって普段の警戒・監視や防衛が思うに任せず、占拠を許す結果をもたらしかねない。

そこで、訓練や演習では「占拠された離島を奪還する」という名目で訓練などが行われることになる。

グレーゾーン事態とは何か

そもそも、「奪還作戦」をせざるを得ない状況に追い込まれるのは、偏に海保や管轄する地方自治体で対応できないにもかかわらず、海自を含めた防衛力が十分に機能しないからである。

いや機能できない法体制になっていると言った方が適切であろう。そうした状況をもたらす最大の事案がグレーゾーン事態である。

英国では沿岸警備隊は不法侵入船に対して、監視・通報の権限のみを有し、実際の取り締まりは通報を受けた海軍が担当している。

東シナ海でのEEZ(排他的経済水域)の中間線をめぐる日中間の摩擦や、尖閣諸島を核心的利益とする中国は、警備にあたる海警局の公船を大型化し、また倍増するなどしてきた。

それでも係争は海保と中国国家海警局が管轄する警察権に基づく水準にとどまっていた。

ところが、「海洋強国」を目指す中国は、フリゲート艦や情報収集艦などの軍艦による違反も稀ではなくなってきた。

同時に領海警備等を担当する海警局が中国軍を指揮する中央軍事委員会の指揮下にある中国人民武装警察部隊(武警)に編入され、「(武警)海警総隊」(対外呼称は中国海警局)となった。

「軍隊の一部に変貌し、人民解放軍や民兵と一体化して戦う組織に変わった」(「産経新聞」10月24日付、山田吉彦「防衛力持つ『海洋警備隊』創設を」)のである。

また尖閣諸島に最も近い浙江省温州には、海警局艦船の係留のための大型基地が建設されているという。

尖閣諸島に多数押し寄せる漁船には、民兵が同乗することも多く、彼らの拠点は東シナ海及び南シナ海に面した浙江省、福建省、広東省、海南省の海岸沿いに点在し、10万人以上とみられている。

軍事的訓練を受けた民兵と特殊GPS搭載の漁船による海上ゲリラ行動などに加え、海警局の公船の武装強化、さらには組織改編によって、日本側は警察機能としての海保だけではとても対応できない状況になっている。

こうして自衛隊が防衛出動する有事には当たらないが、警察や海上保安庁だけでは対処が難しい「隙間」の事態があり得るし、昨今の状況からは、生起の可能性が高いケースとさえみられている。

過去にも幾つかの事例が起きている。

(1)1997年2月、下甑島(鹿児島県)に中国人密航者が漂着し、山中に逃亡した。住民は緊張に包まれ、島内所在のレーダーサイトで勤務する自衛隊員も捜索に加わった。

しかし、密航者の捜索は防衛出動でも治安出動などの対象でもない。そのため、隊員は「調査・研究」の名目で出ている。早速「自衛隊法違反ではないか」という指摘がなされて政治問題化した。

(2)2012年7月、五島列島(長崎県)の荒川漁港に「台風からの避難」の理由で中国漁船100隻以上が押し寄せた。

中国は民兵としての教育を受けた乗組員の乗った漁船をまず送り込み、その保護を口実に漁船監視船や海軍艦艇が出動し実効支配を確立していくとみられていることから、「中国による尖閣諸島攻撃の予行演習ではないか」と疑問視された。

ざっくり言って、尖閣諸島が現在のような状況になっているのは、日本が自国を守る軍隊を有せず、「国有化」はしたが、住民を住まわせ、事業を起こし、自衛隊を堂々と派遣できないできたからである。

「自分の国は自分で守る」ということを言う人が多くなっているが、「守る」力の実在としての「軍隊」が日本にはない。解釈改憲でやってきたが、無理を重ねた矛盾が今日のグレーゾーン事案となっている。

グレーゾーン事態に対処するために

(1)平時において最も重要な活動である「警戒・監視」を自衛隊法の自衛隊の行動として規定

(2)グレーゾ-ン事態における新たな権限を自衛隊に付与する法制の検討

などが民間の防衛関係団体からも提議されている。しかし、法的整備や運用面での改善には時間がかかるとみられる。

問題点があると分かっていながらも、国民の理解が進まなければ法の制定や改定は進まない。

そうこうしているうちに、相手が尖閣に上陸し施政権を主張しないとも限らない。日本は「日本の施政権下にある」としながらも、上陸を許す最悪の状況しか想定できないのだ。

そのために、本来であれば事前に準備できる「離島防衛」のはずが、無人で放置して置かざるを得ない。上陸を許す結果は「奪還」しかあり得ない。マスコミなどで報道される「離島〝奪還″」は、こうした考えからである。

国家の安全に関わる重要事で、生起する事案によって過不足なく円滑かつ段階的に対応できる仕組みが必要であるが、省庁の権限をめぐる縦割り意識が根底にある。

縦割り行政が国益を毀損する

2018年1月6日、上海沖合300キロの東シナ海でパナマ籍タンカー・サンチ号(8万5000トン)が香港籍のバラ積み船CFクリスタル号(4万トン)に衝突され、炎上した。

衝突場所は、日中中間線の西方の中国側であったが、サンチ号は中国が開発を進めている油ガス田の近くを炎上したまま漂流し、14日に中間線東方の日本側の海底に沈没した。

事故対処にあたっては外交的配慮が必要であることは言うまでもないが、この事故は人命救助、海洋環境、海運・海上交通、漁業資源、EEZ・大陸棚の境界画定など様々な問題と関連しており、海上保安庁・環境省・運輸省・農林水産省・外務省などの官庁が絡んでくる。

日本は、かねて日中間の大陸棚の境界を中間線であると主張してきた。サンチ号の沈没場所は、日本の大陸棚上でもあるので、排他的管轄権を行使できたはずであるが、日本はそのように行動しなかった。

髙井晋氏は「日中間で大陸棚の範囲や境界を争っているのであれば、日本は積極的にサンチ号事件に対する関心を表明し、同号のサルベージを積極的に推進し、沈没場所が日本の大陸棚であることを国際的にアピールするべき」(JBpress2018.9.18「中国にまたしてもやられた日本政府 日中境界線付近でのタンカー『サンチ』沈没事件で問われる日本外交」)であったと述べる。

また、サンチ号の海難事故を報道したのは、第10管区海上保安本部と地方紙主体で、政府が官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したのは、ようやく2月2日のことであったという。

サンチ号事件における日本政府の対応は当初から消極的で、事故の経過に関する発信は透明性に欠け限定的であったともいう。

こうしたことから高井氏は「縦割り行政の弊害以外の何者でもなく、各行政機関も専ら海上保安庁の対応に任せてきた印象を受ける。サンチ号事件などの海洋問題は、主権や国益が直接絡む多くの問題を含んでいることに留意しなければならない」と述べている。

さらに、次のように危惧する。

「中国が日本の了解を得ずしてサルベージを行ったのであれば、そして日本が何も抗議していなければ、国際社会は、沈没場所が中国の大陸棚であると認識することになるのではないか」

「今後、日本が中間線以東の大陸棚を自国の大陸棚であるといくら主張しても、サンチ号事件に対する日本の消極的な対応と中国の積極的な対処活動の印象から、国際社会が中国に軍配を上げる可能性は否めない」

日本は「尖閣諸島の領有権とそれに伴う日中中間線以東の周辺海域のEEZおよび大陸棚を自国のものと主張しているので、このことを諸外国に発信し賛同の輪を広げるためには、一つひとつの行動が常に外交の一貫性に沿ったものでなければならない」と注文する。

自衛艦の活用は?

北方領土が占領される以前の話である。日本の管轄下にあった海域にロシアの漁民が侵入して密漁し、また日本の漁民を脅して獲物や金品を略奪することがあった。

ロシアの漁民ともめ事を起こしているまさにその時、日本の軍艦がはるか向こうに姿を見せるだけで、件のロシア人たちは何事もなかったかのように、「さーっ」と消えていったそうである。

中国は節目ごとに市民や漁民を動員してくることが知られている。

昭和47(1972)年に日中が国交を回復し、条約の締結交渉を重ねていた。交渉が山場に差しかかっていた昭和53(1978)年、尖閣諸島の日本領海に200隻を超える中国漁船が殺到し、数日後に一隻残らず姿を消した。

中国側は「漁船が魚を追っているうちに潮に流された」と説明したそうである。

平成26(2014)年には小笠原諸島や伊豆諸島周辺に200隻を超す中国のサンゴ密漁船が集結した。台風で一時去ったが、再度結集してきた。

時あたかも日中首脳会談の実現をめぐって虚々実々の駆け引きが展開されているさなかであった。

小笠原の赤サンゴが荒らされ、漁民に莫大な損失をもたらしたことから政府は重い腰を上げ、違法操業の取り締まり強化や罰金引き上げなどを検討するが、日本の対応が甘いことに変わりはない。

「産経抄」(平成26年11月8日付)が提案したのは、尖閣沖で奮闘している海保が小笠原沖などで200隻以上の漁船を相手にする余力はないだろうから、自衛艦が悠悠と漁船の脇を通るのは如何だろかという歴史の教訓であった。

平成28(2016)年8月5日以降、中国は海警局の公船を尖閣諸島海域に派遣し、漁船400隻、公船15隻を動員した。漁船には民兵が乗船していたことも判明した。

日本の漁船が他国の領海で違法操業したら拿捕されるばかりでなく、いきなり銃撃されることも頻繁であった。

しかし、日本は、自衛艦を遊弋させるというような「軍事的圧力」と思わせる行動をとることはなかった。もっと活用してもいいのではないだろうか。

攻撃に要する兵力は防御の3倍

軍事の常識として、防御は地形などを利用することができるために、攻撃(離島奪還もその一つ)の3分の1の兵力で済む。従って、可能な範囲で攻撃ではなく、防衛(戦術的には防御)で地域を守ることが大切である。

もっとも、敵の攻撃できる経路がいくつもある場合は、防御兵力が各径路に分散されるために、各々の経路に分散配置が必要となり、全体的には防御兵力が多く必要となりかねない。

そこで偵察・監視により主力が接近してくる経路を判断し、配備の重点を絞ることが重要になってくる。

いくつもの攻撃ルートがあるような場合は、1つに集約させるために、他のルートには兵力に代わる接近阻止(または拒否)装置などが必要となる。

以前は地雷などがそうした役割を担い、敵の行動を制約していた。しかし、今は人道上から国際条約で破棄することになっており、現実に日本はすでに破棄して装備していない(条約無視をする近隣国は定かでないが、多分保有しているに違いない)。

ともあれ、離島の奪還は攻撃の一種で、相手の3倍の兵力が最小限必要というのが戦術の原則である。

この原則に照らしても、基本的に「奪還」ではなく、占拠されるのを阻止する「防衛(または防御)」に注力すべきである。あるいは、上陸戦闘を許さないための接近拒否戦略が望ましい。

防衛白書(29年版)は水陸機動団について、「(敵の」攻撃に対応するためには、安全保障環境に即した部隊の配置とともに、自衛隊による平素からの常時継続的な情報収集、警戒監視などにより、兆候を早期に察知し、海上優勢・航空優勢を獲得・維持することが重要」と強調している。

そして、「(敵の侵攻の)兆候を得たならば、侵攻が予想される地域に、陸・海・空自が一体となった統合運用により、敵に先んじて部隊を展開・集中し、敵の侵攻を阻止・排除する」としている。先述の接近阻止であり、または「防御」ありきである。

続けて、こうした対応が取れず万一「島嶼への侵攻があった場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど島嶼奪回の作戦を行う」と白書は述べている。

このように、「奪回」は起死回生の手段である。

水陸機動団が「離島奪還」作戦を練り、訓練し、演習しているからと言って、日本が離島などの防衛を疎かにしてはならない。

最も厳しい状況下の訓練(すなわち奪還訓練)を行うことで、部隊の練度を最高に高めることにより、低烈度の状況対応は容易となるからである。

おわりに

尖閣諸島が国有化されたのは野田佳彦政権の2012年9月のことであった。その2年前の2010年9月には、尖閣諸島を巡視している海保の巡視船が中国の漁船に追突される事件が起きた。

国有化される前は島の近傍まで行き清掃し、時には上陸して国旗を持ち込むなどの行為も見られたが、今では海保の警備が厳しく、海保の警戒線より内側に近づくことはできないとのことである。

他方、海保の統制を受けない中国の漁船は海保の警告を無視して悠然と島の近傍を遊弋する逆転現象が起きていると仄聞した。これでは国有化が仇になっているとしか言いようがない。

実のところ、国家主席になりたての習近平は権力固めに、就任直後の2012年末から2013年初めにかけて、尖閣諸島の奪取を本気で考えていたという(矢板明夫著『習近平の悲劇』)。

この時期の事象を振り返ってみると、公船の領海侵犯は頻繁に起きていたが、2012年12月13日、国家海洋局所属のプロペラ機が初めて尖閣諸島上空で領空侵犯した(なお、この日は日本が南京で大虐殺をしたとする南京攻略の75周年記念日でもあった)。

2013年1月になると、19日と30日の2度にわたり、東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射する。戦闘準備完了さえ示唆する行動で、何時戦闘開始になってもおかしくない態勢を意味する。

いずれにしても、安倍政権が過激に反応しなかったため、中国は口実を見つけることができなかったようだ。

当時はホットラインもできていなかったが、政権の冷静沈着な行動が、大事を防いだということができよう。

法律がなければ行動できない自衛隊である。グレーゾーンなどと称して放置できない認識が必要だ。

良ければ下にあります

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『新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に』(10/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『徴用工判決も、韓国で日本の国民感情を逆なでする行為が相次ぐ理由』(11/1ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

10/31ZAKZAK<日本政府に“韓国疲れ”蔓延 外務省幹部「戦略的に無視していく」 徴用工判決問題>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181031/soc1810310012-n1.html

11/1ZAKZAK<「国家としての体をなしていない」徴用工判決で実質“日韓断交”も 政府高官「韓国は前近代的な情治国家」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181101/soc1811010006-n1.html?ownedref=feature_not%20set_newsTop

ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」から11/1のブログ主の意見を2つ紹介します。

「これ、昨晩の質問ね。

『俺も日本を許せないのに、俺は賠償金貰えないのか?』という韓国人の問いは、たまに見る。

多くはないが、少なくもない。新日鉄の敗訴を受け、今後の三菱2審も敗訴すると思う。

この質問者も賠償されると聞いて、俺も貰える、貰いたいと思ったタイプ。

今後、この手の韓国人を騙す『あなたも憎い日本から賠償金を取って懲らしめよう』詐欺、韓国で流行ると思う。

前もあったんですよ。『親族に被害者いなくても賠償金貰えます。日本を訴えよう』って。

本気で言ってるのもあったし、詐欺のもあった。

賠償金に関しては韓国は相続できるとしてますからね、徴用工に子供3人孫6人いて亡くなったら、9人全員が『賠償金よこせ』と言い出す。

しかも慰安婦財団が『全員が納得しないと解決と認めない』と前例作ったから、200万人では終わらないでしょう。

韓国人のメンタルでは、万が一日本が支払ったとしても『2019年は子供だった。生まれてなかった。だが貰う権利がある。第5次賠償金支払いを求める』って後で言い出すでしょ。

最終的には、韓国人全員が言い出しますよ。

『韓国が植民地になったのは、俺が生まれる100年前だがプライドが傷ついた。賠償して謝罪しろ』って。

そんなの通らないと感じるのは、日本人だから。彼らには通用する。そういう国民性です。

本丸は三菱判決。新日鉄もニューヨーク市場で買った株式だから、韓国が差し押さえられるかは疑問。

アメリカに執行を求めても拒否される可能性は高い。

そうなると売り上げを押さえなくてはならず、労組のような人間に取り囲まれる事になる。

まぁ日韓関係は、経済に関してはほぼ終わると思いますね。」

「日本政府も対抗策を打つと思いますけど、対応策にも打ち方というものがあると思います。

安倍ちゃんや河野さんの『受け入れられない』という事は、別に牽制にもなってない事は判決で分かりますからね。

要は韓国に実害を与える手段と、心理的なインパクトですよ。

大使召還ったって、普通の韓国人に関係ないですからね。

一番は『韓国国内の日本企業に資本引き揚げ勧告』を出す事と思います。

今後、韓国政府による日本資本の差し押さえが実行できる目途が立ちましたからね。

次に、中間資材の輸出停止処置と、韓国製品に対する100パーの関税。完全な経済制裁としてね。

更に韓国人に対するビザ復活、更に竹島上陸経験のある韓国人の入国禁止(政治家含む)。

そして最後に韓国に対する技術提供・通貨スワップなどの無期限凍結。

この順が、韓国人に与える心理的なインパクトとして良いかと思います。

韓国は激怒するでしょうが、ならば韓国も同様の処置を日本に対して行えばいい。

殆どの日本人は、韓国が日本に制裁しても生活に影響は出ず、気が付かないままで終わるはず。

大使館は残して、韓国が日韓断交と言い出すのは待てばいい。こっちから言うべきじゃない。

なに、ほっておいても韓国はそのうち、北朝鮮とともに『独島防衛南北共同訓練』でも始めてくれますから。

大使召還なんて軽いジャブではなく、資本引き揚げと100パー関税と中間財の輸出停止という強烈なレバー打ちを最初に打つべき。

初手はインパクトの強いもので、韓国経済に直結するものでないと、韓国人の批判を韓国政府に向けられない。

試合は出だしで先手を打って、試合のペースを作り、心理的にプレッシャーを与えた方がいい。

韓国人の心理特性を考えると、基本『自分は悪くない』に帰結しますから、全部人のせい。

パク・クネの親中路線に『誇らしい、大当たり』と称賛していたのに、手のひら返したように、今は『ムン・ジェイン誇らしい』と言ってても、実害が出れば『ムン・ジェインが考えなしにやったから、ムン・ジェインの責任、私たちは悪くない』と手のひら返す。

ムン・ジェインの狙い自体は、日韓の離間・米韓の離間ですから、それと同時に韓国人だけが理解できるレベルの方法で、韓国の反日を煽るように仕向ける。

来年夏の安倍総理の靖国訪問とかね。中国も不快と言っても、元安で外貨失いつつある中で小泉政権時のような反日暴動は起こしづらく、起こされても日本として損はない。

北朝鮮の非核化問題で、対立してますからね。

韓国に対しての判決への制裁も、非核化の国際合意に違反してるからと転嫁してもいい。

とにかく韓国経済に実害を与え、インパクトの強いものを最初に放つべき。

どの道、最高裁が判例作った以上、これは覆らない訳ですから、これを口実として韓国からの総撤退と、韓国との断交ではなく経済的な断絶までのきっかけとすればいい。

それで韓国が開き直って反日暴動や、対馬に対する軍事的圧力を見せてきたら、初めて日本側から日韓断交を口に出せるようになる。

まずボディ打ちで弱らせて、相手が窮して反則を使って来たら、これ幸いと無効試合にして絶縁すればいいと思いますよ。」

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/

昨日、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」を引用させて戴き、官邸と自民党にコメントを送りました。やはり、庶民目線で長く韓国を見て来た人の話は説得力があります。(ご本人の了解は取らずに送っていますが)

「韓国の新日鉄の強制徴用問題に対する最高裁判決への対応について

韓国の新日鉄の強制徴用問題に対する最高裁判決が出ましたが、それに対し日本としてどういう手を打つのが良いのか、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のブログ主の考えに賛同しておりますのでそれを紹介します。是非実行して戴きたい。先ず、大使召還は生ぬるいし、韓国人全体に痛みを感じさせないと駄目です。

1.『韓国国内の日本企業に資本引き揚げ勧告』を出す。

2.中間資材の輸出停止処置と、韓国製品に対する100パーセントの関税。

3.韓国人に対するビザ復活、更に竹島上陸経験のある韓国人の入国禁止(政治家含む)。

4.韓国に対する技術提供・通貨スワップなどの無期限凍結。

これを順繰りに発動していく。

なお、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のURLは http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/

です」と。

韓国民は蛮族で近代法の原理が分かっていません。事後法の禁止とか、除斥期間や消滅時効の概念、条約遵守義務(こんなのは法律以前の問題で、約束をまもるかどうかという所。日本は不平等条約改正に57年もかけて是正しました)が理解できない民族です。

日本が韓国統合後にしてやった近代化のプロセスを逆恨みし、いつまでも悪態をつき続ける忘恩の徒ですから、畜生にも劣るとしか言いようがありません。

ロウソクデモで民主的に選ばれた代表を政権の座から引き摺り下ろし、得意になっているのですから。これは血を流さない革命でしょう。普通ならクーデターが起きる筈ですが、国民情緒に汚染された軍も当てになりません。自衛艦の旭日旗問題でも韓国海軍は掲揚を認めないとしました。如何に大統領府が言って来ても断れたはずです。彼らも世論を気にしているのでしょう。所詮は反日国家の軍隊です。

韓国には中国がしているのと同様、厳しい調教が必要です。体で痛みを感じさせないと理解できない蛮族です。政府は国際司法裁判所に提訴したとしても、韓国政府が裁判に同意しないでしょう。それでは駄目で、二の矢、三の矢、次々と繰り出す手を今から用意しておかないと。ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のように打つ手を前もって決めておいてほしい。外務省の言う「戦略的無視」は「放置国家」になるという事です。真の「法治国家」になるためには、法(約束)を破ったものにはペナルテイが課せられて当然でしょう。外務省は幣原以降軟弱外交ばかり。真面な人材育成できるような仕組みを考えてほしい。

まあ、今の段階では中国も韓国に味方する訳にも行かないでしょう。THAADの件だけでなく、日中首脳会談をしたばかりで、「競争から協調」と確認しましたので。米中貿易戦争の真っただ中にあって、朝鮮半島にかまけている暇はありません。

鈴置記事

仁川市に建てられた日本植民地時代に徴用された朝鮮人労働者を称える像。2017年8月12日撮影(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

前回から読む)

10月30日、韓国の大法院(最高裁判所)は新日鉄住金に戦時中の韓国人徴用工4人に対する賠償金を支払うよう言い渡した。国交正常化の際の基本的な合意を覆すもので、日韓関係は「無法」状態に突入した。

日本は国際司法裁判所に提訴も

韓国・最高裁は新日鉄住金に対し、元・徴用工に1人当たり1億ウォン(約990万円)を支払うよう命じた。

原告側弁護士は資産差し押さえに動くと見られるが、新日鉄住金の韓国内での資産では不足する可能性が高い。そこで日本などで差し押さえを提訴する模様だ。

この判決の及ぼす影響は極めて大きい。新日鉄住金以外にも三菱重工、不二越、横浜ゴムなどの日本企業を1000人近い元・徴用工が訴えている(日経「賠償なら日韓企業のビジネスに影響も 徴用工裁判」参照)。それらの裁判でも日本企業が敗訴する可能性が高まった。

外交的な衝撃も計り知れない。この判決は1965年の国交正常化にあたり、日韓基本条約とともに結んだ日韓請求権協定を完全に踏みにじった。

日本政府は今回の判決を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方向だ。一方、韓国では正常化交渉が不平等な状況下での間違った交渉だったとの見方が増えており、これを機に日韓基本条約そのものを破棄せよとの声が出よう。

請求権協定を踏みにじった

日韓請求権協定では日本が韓国に有償・無償合わせて5億ドルの経済支援を与える見返りに「両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記した。

そのうえ「締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする」と念を押してある。

当時の外務省幹部によると当初、日本側は個人に対する賠償方式を提案した。だが開発資金への転用を狙った韓国側が、政府が一括して受け取りたいと希望。

日本は韓国の事情を汲んで受け入れたが、韓国の個人が「自分は貰っていない」と蒸し返すことが十分に考えられたため、個人の請求権は消滅すると明記した。

このため韓国の官民委員会も2005年8月、「徴用工問題で日本企業に賠償を求めるのは困難である」との見解を表明。だが、2012年5月に韓国最高裁が三菱重工と新日鉄が被告の上告審で「個人の請求権は消滅していない」と判断した。

2013年7月には、この判断を受けた差し戻し審でソウル高裁が新日鉄に、釜山高裁が三菱重工にそれぞれ賠償命令を出した。10月30日の最高裁判決は新日鉄の上告を受けたものだ。

約束を破ってこそ「日本より上」

最高裁での審理は2018年8月まで約5年間止まっていた。日韓関係の悪化を懸念する朴槿恵(パク・クネ)政権の意向を受けたとされる。

風向きが変わったのは、2017年5月に左派の文在寅(ムン・ジェイン)政権がスタートしてからだ。前政権の積弊追及運動の中で、審理遅延も問題となり、2018年8月に最高裁は審理を再開した。

10月27日には審理遅延の犯人として、最高裁の付属機関、法院行政庁の判事・林鍾憲(イム・ジョンホン)前次長が逮捕されている。

この意味では今回の判決も左派政権ならではのものに見える。しかし、ソウル高裁などが日本企業に賠償命令を出したのは保守の朴槿恵政権下の出来事だった。

21世紀に入る頃から韓国では「日本を超えた」との意識が高まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。

自分たちに力がない時に結んだ日韓国交正常化に関する合意を踏みにじって見せる――。これこそが保守、左派を問わず韓国人の夢である。韓国では「約束を破ってこそ強者」との意識が根強い。

始まった資本逃避

もっとも韓国人の自画像のように、韓国が強者かは疑わしい。韓国の株式指数、KOSPI(韓国総合株価指数)は年初来、20%も下がっている。10月29日には心理的抵抗線とされる2000ポイントを割り込んだ。22か月ぶりのことだ。

世界的な株安だけが原因ではない。中央日報は「韓国株価、10月は世界最大の下落・・・アルゼンチンより大きく」(10月29日、日本語版)で以下のように分析した。なお、翻訳の誤りは韓国語版を基に修正した。

・10月26日のKOSDAQは663.07で取引を終え、先月の最終営業日だった9月28日の終値(822.27)に比べ19.36%も下落した。同じ期間、世界の主要指数のうち最高の下落率だ。
・KOSPIも同じ期間に13.48%下落し、台湾加権指数(-13.78%)に続く世界3番目の下落率となった。
・米国・中国株式市場が少しでも下がれば急落し、これら株式市場が反騰してもそれほど上昇しない。 外国人の売りに歯止めがかからないのが一次的な原因だ。
・外国人は10月に入って26日までに4兆5012億ウォン(約4500億円)の記録的な売り越しとなっている。3年前の2015年8月(4兆2950億ウォン)以来最も大きい。

ホットマネーが韓国から逃げ出すのは当然だ。米国の利上げに伴い、米韓の金利差は開くばかり。韓国は利上げしようにも、景気と家計負債の悪化懸念から動きにくい。

中長期的には、少子高齢化による成長力の減退が次第に明確になった。そのうえ政治的にも米国と関係が極度に悪化した(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。

米国は韓国の反米政権に対しては必ずと言っていいほど、金融を使って「お仕置き」してきた。米国の格付け会社が韓国の評価を下げるだけで、左派政権は動きが取れなくなった(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

スワップを蹴り飛ばした韓国

資本逃避への特効薬は通貨スワップ協定の締結だ。10月22日、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が日本との通貨スワップ締結に言及した。

中央日報の「韓銀総裁『日本との通貨スワップ、いくらでも再開できる・・・条件はまだ整わず』」(10月23日、日本語版)によると国会の国政監査の席で以下のように語った。

・韓米・韓日通貨スワップがあれば外国為替の健全性の次元で良い装置となる。米国の場合、基軸通貨国以外の国と通貨スワップを締結していないため難しい。が、日本の場合いくらでも再開できる可能性があるが、まだ条件は整っていない。

日韓関係が悪いため、スワップは結んで貰えないと告白したのだ。そのうえ10月30日の最高裁判決。市場は「日韓スワップの可能性はゼロ」と踏んだだろう。

現在、韓国が結んでいる通貨スワップでは急激な資本逃避に対応できるか、市場は疑っている。すぐに米ドルに替えられる、国際通貨建ては豪州とスイスとのスワップぐらい。それも合わせて170億ドル前後に過ぎない。

中国とのスワップは500億ドル強相当であるものの、2017年10月10日に協定が切れている。韓国銀行は「延長した」と口頭で発表したが、中国の金融当局は「韓国側に聞け」と言うだけで、延長に関し肯定も否定もしていない。

韓国が米国のTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備を容認するなど中国に逆らったため「お仕置き」していると見られる。

仮に中国が突然に広い心を持ったとしても、韓国とのスワップに応じられるかは怪しい。中国自体が資本逃避に直面しているからだ。中韓スワップは人民元と韓国ウォンを交換する。発動すれば、大量の人民元売りが一気に発生してしまう。

通貨スワップという傘がもっとも必要な時に、韓国は日本の傘を蹴り飛ばしてみせたのだ。

韓国の通貨スワップ(2018年10月29日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約518億ドル)終了→再開? 2014年
10月11日
2017年
10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約71億ドル) 2017年
2月8日
2020年
2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約76億ドル) 2017年
3月6日
2020年
3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年
1月25日
2020年
1月24日
スイス 100億スイスフラン/11.2兆億ウォン(約100億ドル) 2018年
2月20日
2021年
2月19日
CMI<注1> 384億ドル 2014年
7月17日
カナダ<注2><注3> 定めず。通貨はカナダドルとウォン 2017年
11月15日
定めず

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。

<注2>カナダと結んだのは「為替スワップ(bilateral liquidity swap)」で市中銀行に外貨を貸すのが目的。中央銀行に対し市場介入用の外貨を貸す「通貨スワップ(bilateral swap)」ではない。

<注3>カナダとは「規模も満期日も定めない常設協定」と韓銀は発表。英文の発表文では、発動は「市場の状況が許せば」「必要に応じて」としているところから、規模などはその都度協議して決めるものと見られる。

<注4>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額
資料:韓国各紙

(次回に続く)

武藤記事

韓国の最高裁で元徴用工4人に計4000万円の支払い命じる判決

10月30日、第2次世界大戦中に強制労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は、同社の上告を退ける判決を言い渡した。これにより、4人に合わせて4億ウォン(約4000万円)の支払いを命じたソウル高裁の判決が確定した。

日本政府は、元徴用工への請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場で、同社も同様の主張をしたが、認められなかった形だ。

元徴用工やその遺族は、2005年に旧新日鉄を相手取りソウル中央地裁に提訴した。しかし当時の盧武鉉政権が、日韓請求権協定や関連の外交文書を検証した結果、個人が企業に賠償を求めるのは事実上困難との見解を表明。1、2審は原告が敗訴した。

しかし大法院は、韓国政府には賠償請求権はないものの「個人請求権は消滅していない」との判断を示し、審理をソウル高裁に差し戻した。これを受け同高裁は2013年、計4億ウォンの賠償を命じた。

だが、大法院は控訴審判決が出てから5年以上、判断を保留してきた。背景には、後述するが、韓国政府が日本政府同様、日韓請求権協定によって両国民の間の請求権は「完全かつ最終的に解決」したとの解釈を示してきたことがある。

ところが最近、大法院の担当次長が判決を遅らせたとして逮捕された。これは、文在寅政権として「早く判決を出すように」との意思表示であり、今回の判決も文政権の意向に沿ったものと見ることができる。

個人補償は韓国政府が拒んできた経緯 判決を受けて訴訟乱発の恐れ

そもそも65年の日韓国交正常化交渉の過程において、日本政府は個人補償も検討したが、当時の朴正熙政権が一括して韓国政府との間で解決するように求め、無償3億ドル、有償2億ドルで決着した経緯がある。

盧武鉉政権も2005年に、日本による無償3億ドル協力には「強制動員被害補償の問題解決という性格の資金が包括的に勘案されている」として、責任は韓国政府が持つべきだとの認識を示している。文大統領は、このときの高官だった。しかし、文大統領は昨年の光復節直後の記者会見で、「個人請求権は消滅しない」「司法判断を尊重する」と述べた。

韓国政府が、長年にわたり「個人の請求権は消滅した」との立場を取っていたのだから、外交交渉の経緯を最高裁に説明、説得するのが行政府の責任ではないか。文大統領が国内的に歴史の見直しに力を入れるとするのは構わないが、外交的には相手方の強い反発を理解すべきで、日本の反応を過小評価したとしか思えない。

今回の判決を受け、これから各地で訴訟が活発化することが予想される。既に70社を相手取り、15件の裁判が進行中であり、約1000人が原告となっている。そして、“訴訟予備軍”も20万人以上いるといわれる。この全員が日本企業に1000万円を求めたら、その総額は2兆円に上る。新日鉄住金が賠償を支払わない場合、原告の弁護士は差し押さえを求めることを検討中ともいわれ、そうなれば日韓経済関係には甚大な影響を与える。

しかし、より根本的な問題として、日韓政府間合意から50年以上経った今、政権が変わったからといって一方的に約束を反故にされては、安定した国家関係は望めない。韓国政府は裁判所の意向と言うのだろうが、これまでの韓国政府は合意内容を擁護してきたし、これは韓国政府の責任であると言ってきた。

日韓請求権協定で相互に争いがある場合には紛争解決の手続きが決められており、まず2国間協議、それで解決しない場合には第三国の委員を加えた仲裁委員会での話し合いを求めることができることになっている。韓国の裁判所もこうした手続きを尊重し、一方的に判断するのではなく、こうした国際的なルールに従って解決するよう勧告するのが妥当ではないか。

文大統領は昨年、大統領就任後の光復節(終戦記念日)演説で、「過去の歴史が未来志向的な発展の足を引っ張るのは好ましくない」と述べていたが、この発言は何だったのかと疑いたくなる。

今の韓国政府内には、日韓関係について造詣の深い人はほとんどいない。李洛淵(イ・ナギョン)国務総理は東亜日報の東京支局長を務めており、韓日議員連盟の野党側の責任者をしていた人物。だが、そもそも外交にはあまり縁のない職責であり、彼をサポートする人間が政府内にいないとなれば影響力はないと考えていい。韓国外交部において日本通は常に要職にいたが、今は日本擁護をすると排斥される恐れがあり、勇気を持って発言できる人はいない。こうしたことも影響したのではないだろうか。

文政権になってから相次ぐ日本の国民感情を逆なでする行為

文政権は、日本の国民感情を逆なでするような行為を繰り返してきた。

例えば、慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて設立された慰安婦財団の解体の示唆を始め、日本の海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請、そして国会教育委員会の超党派議員による竹島上陸などである。

そうした流れの中、今回の判決が出たことにより、歴代政権下で日本に対して取り上げてきた歴史問題をほぼ網羅することになった。しかも、文大統領の訪日も先延ばしにされており、日本との関係を重視しているようには見えない。

このうち、まずは慰安婦財団の解体示唆について見ていこう。

文大統領は、常に元慰安婦に寄り添ってきた。ただ、文大統領が言っている「当事者の意思が反映されておらず、真の解決にならない」という理屈には納得がいかない。アジア女性基金が運用されていた際、韓国内で批判があったのは、元慰安婦に支給される見舞金が、日本政府からの直接の資金ではなく国民募金によるもので、これでは日本政府の責任を認めたことにならないという点だった。

しかし、今回の財団への拠出は、全て日本政府の財政から支出されたものだ。しかも、「被害者の名誉・尊厳回復への努力、自発的な真の謝罪を要求する」という点に関しては、アジア女性基金の際にすでに反省と謝罪を記した総理の書簡を添付している。

文大統領の主張が妥当性を欠くのは、朴槿恵政権当時の財団理事長が全ての元慰安婦の下を訪れて説得に努めた結果、7割の元慰安婦が納得していたということだ。要するに、反対しているのは文大統領に近い慰安婦財団に属する元慰安婦などであり、この人々は自分たちの主張が120%満足されなければ納得しないことである。

もっと言えば、日本と対立していることに“存在意義”を感じている人々だ。文大統領は、こうした元慰安婦団体と手を組んでいるのだ。仮にそういう人々が反対しても、大多数の元慰安婦が納得していれば、この日韓合意は十分正当性があるものといえるにもかかわらずだ。

慰安婦財団の解体は、日韓の政府合意の根幹をなすもの。韓国政府は、公式合意があったことは否定できず再交渉は求めないとしているが、日本政府として当然のことながら、再交渉する気など毛頭ないだろう。

慰安婦合意を事実上反故にするこの措置は、徴用工の扱いと同じで政府間の合意を一方的に放棄するに等しい。

海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請

続いて、韓国済州島で行われた国際観艦式に、日本の海上自衛隊の艦船が参加するに当たり、旭日旗掲揚の自粛を求められた問題。海軍の艦船が海軍旗を掲揚して航行するのは国際慣例になっているにもかかわらずだ。

旭日旗については、1998年と2008年の観艦式の際には掲揚して参加している。それ以降、旭日旗に対する韓国の国内世論が敏感になっている点はあろうが、韓国政府としては国際慣例に則るものであることを指摘し、国内世論を静めるのが筋だろう。ちなみに韓国も李舜臣将軍が使った亀甲の旗を掲げたようだ。李舜臣は豊臣秀吉の水軍を破った英雄であり、韓国の誇り。こうした韓国の行動は、日本に対する当てつけだといえる。

日本だけに国際慣例は適用されないのか。旭日旗は、日本の法律で掲揚が義務づけられているものだ。これを拒否されると、北朝鮮の核問題でより日米韓の協力を深めなければならないときに、日本は韓国との安保協力がやりにくくなる。韓国の海軍は日本との防衛協力に前向きだが、韓国の大統領府が足を引っ張っている形だ。

今回、韓国は全ての参加国に対し、自国と韓国の国旗の両方を掲揚するように求めたもようだが、多くの国は海軍旗も合わせて掲揚して参加した。これは韓国の対応が、国際慣例に反するものであることへの抗議とも考えられよう。

そして、韓国国会教育委員会の竹島上陸訪問。韓国では、日韓に歴史問題が持ち上がると、必ずといっていいほど竹島を訪問する政治家などが現れる。慰安婦問題で窮地に陥っていた李明博元大統領が竹島に上陸したのがそのいい例だ。

今回も、一連の問題が持ち上がったタイミングで、国会教育委員会の超党派議員団が竹島に上陸している。ポイントは教育委員会の議員だったという点で、韓国の若者に竹島に関する教育をより徹底しようという意図が垣間見えるのがより深刻だ。

韓国は、日本と交渉する際、世論を刺激して世論を味方につけて交渉するが、今回も同じ構図といえる。竹島問題は、これまでもたびたび日韓関係悪化のきっかけを作ってきたが、こうした傾向は今後も続くだろう。

「日韓パートナーシップ宣言」20周年は日韓の困難な時代の始まりか

今年は、日韓の友好促進と協力拡大をうたった小渕恵三・金大中両首脳による「日韓パートナーシップ宣言」の20周年。これを機に、改めて日韓関係の促進ムードを盛り上げようというタイミングだった。

この宣言の趣旨は、日本が文書で謝罪と反省を述べる代わりに、韓国政府はこれ以上、歴史問題を提起しないようにしようというもの。韓国政府としても勇気のいる決断だったが、宣言できたのは、日本が戦後、多大な努力を重ねて民主国家になったことを韓国側が認めたということが前提にある。

日本人にとって、日本が民主国家であるというのは当たり前のこと。だが、韓国人はそう捉えていない。日本には、折に触れ軍国主義の亡霊が現れるかのように言われているからだ。そうした誤解を晴らし、当たり前の事実を素直に受け入れることが日韓関係ではいかに重要かが分かる。

韓国の国益を考えれば、日本との関係を強化することが望ましいはずだ。文大統領が「過去の問題が未来志向的な日韓関係の足を引っ張るのは望ましくない」と述べたのは、まさに的を射た発言だ。また、日本にとっても韓国との関係は国際政治上も、安全保障上も、切っても切れない関係だ。さらに、経済や文化の面においても関係の強化に多くのメリットがある。

日韓両国は今一度、小渕・金大中の日韓パートナーシップ宣言の精神に立ち返るべきではないだろうか。そのためにも韓国には、安定した日韓関係の構築に何が必要なのかいま一度考えてもらいたい。

民間レベルでは順調に発展 戦後の日本の協力に関する教育必要

日韓関係は、民間レベルでは順調に発展している。昨年、韓国から日本を訪問した人は700万人を超え、1位の中国に迫る勢いだ。日本から韓国への訪問客も、ピョンチャンオリンピック以降回復の兆しを見せている。また韓国では、日本の小説は常にランキング上位に登場しているし、日本食もブームだ。こうしたことにより、日本を知る韓国人は増加しており、日本の本当の姿を伝える環境は整っている。

しかし韓国には、あえて歴史問題や政治関係を取り上げ批判する人が一部にいる。しかも、そうした人々の声は大きい。それに反対すれば親日と批判されるため、声を潜める傾向にある。したがって、反日が主流かのような印象を与えてしまう。

そうした声を抑え、正しく日本の姿を伝えるには、韓国政府、特に文大統領のリーダーシップが不可欠である。文政権にこうした能力が欠けていることが、日韓関係に暗い影を落とす結果になっているのだ。

日本は、戦後の韓国の復興のため誠意をもって協力してきた。だが、韓国ではそうした事実はほとんど語られていない。むしろ意識的に隠ぺいされてきた。筆者は韓国に感謝してほしいから言うのではない。戦後の日本の協力を理解すれば、韓国は日本と関係について直視できるようになると思うから言っているのだ。韓国の人々は、戦後の日本の協力の歴史について、もっと学んでほしいと思う。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『中国を後にする日本企業、希望の地ベトナムへ アジア的混沌に商機あり、20年後にハノイは「上海」になる』(10/30JBプレス 安田峰敏 )について

10/30阿波羅新聞網<王岐山吃台湾豆腐!赠书以总理竟称送「我们台湾省印的」=王岐山は台湾をからかう! イスラエル首相に本を贈り返すのに何と「我々の台湾省の印刷バージョンを送りましょう」と言った。>先週、王岐山がネタニヤフ首相と会った時に、首相から“The Lessons of History”(1966年出版、著名な米国人歴史家のWill Durantと夫人のAriel Durantの共著)を貰った。ネタニヤフは王に「我々の過去・現在・未来を理解するのにはこの本がピッタリである。中国語を勉強するためにこの本の中国語版を送って貰えないだろうか」と頼んだ。

王は「喜んで」と応え、突然「我々台湾省の印刷バージョンを送ります」と言った。わざとこのような話をすることによって、台湾は中国の一省と言うのを刷り込もうとしている。王は「訳本は台湾版が大陸版より良いと思う」と言った。ネタニヤフは笑って「両方とも英語版より良いと思う」と返した。

http://www.aboluowang.com/2018/1030/1196549.html

10/30阿波羅新聞網<中南海祸不单行 50%中资要跑路 进博会遭西方国家抵制 川普新年送“大礼”=中南海の災難は1つだけではない 50%の中国資本が海外に出ようとする 輸入博覧会は欧米のボイコットに トランプは新年には大きなプレゼントを送る>米国メデイアは「もしトランプ・習会談が貿易戦争を緩和できないのであれば、米国は中国のあらゆる商品に関税を賦課しようと考えている。米国は中国が別な国からの輸出で乗り切ろうとしている問題についても解決を図ろうと準備をしている。

華南の米国商工会議所の最近の調査に依れば、米中貿易戦争がヒートし続けているため、中国の南部に投資している米企業の内、70%が投資を控えるか延期を検討し、一部か全部を別な国に移そうとしている。中国企業の半数も同じ積りである。この他11/5~10上海で開催される第1回中国国際輸入博覧会は欧米の大多数のリーダーの欠席に遭い、言葉を変えれば、ボイコットに遭ったと。参加するのは皆発展途上国のリーダーばかり。

http://www.aboluowang.com/2018/1030/1196724.html

10/31日経朝刊<蜜月演出、中国を意識 日インド最大の通貨スワップ

政府は29日、インドと通貨危機を予防するため、750億ドル(8兆円強)の通貨交換(スワップ)協定を結んだ。金額は2国間で結んだスワップとしては最大規模で、蜜月を演出した。日中首脳会談直後にあえて結んだ思惑は何か。

日印スワップは2015年に失効し、約3年ぶりの再開。アジア通貨危機のように外貨準備が急減し経済不安につながることを防ぐため、いざというときに両国で外貨を融通する。経済成長や両国の関係を踏まえ、前回の500億ドルから1.5倍に積み増した。

今回の合意はインドが要請し、日本が短期間で応じた。なぜインドは急ぎ、日本は応じたのか。

インド側は米利上げで資金流出が強まり、将来のドル不足も懸念する状況だ。ルピーは今年に入り対ドルで1割以上下落した。投機的な動きが強まり、経済が不安定になるリスクがある。

日本にとって「日印は世界で最も可能性を秘めた2国間関係だ」(安倍晋三首相)。インドはインフラ開発など経済の協力余地が大きいからだ。日本は1.2兆ドルの外貨準備があり、原資は潤沢だ。早めに安全網を拡充しておきたいインドに対し、協力強化への有効な切り札になる。

26日に中国と結んだスワップはインドと性格が異なる。上限3.4兆円としたのは、日本の銀行や企業が人民元を調達しやすくするもの。危機時に中国を救う意味合いはない。日本が長く働きかけて実現したもので、日印間とは事情も異なる。

日本もインドもインフラ投資で影響力を拡大する中国に警戒感を強めている。日印金融協力の大幅強化は、中国を意識した動きと言えそうだ。>(以上)

10/31日経朝刊<米中「冷戦」をどう生きるか   本社コメンテーター 秋田浩之

長年にわたり、日本外交にとって最大のリスクは米中が頭越しに手を握り、自分が外されてしまうことだった。

1971年、ニクソン政権は中国との和解を電撃発表した。何も知らされていなかった日本は大騒ぎとなり、当時の佐藤政権の瓦解につながった。

98年には、中国の求めに応じてクリントン大統領が日本を素通りして訪中し、米中蜜月に走った。さらにオバマ政権の初めには、世界秩序を米中で仕切るという米中G2論までささやかれた。

今後、日本が直面するのは、正反対の試練だ。冷戦と呼ぶかどうかは別にして、米中は深い対立の時代に入ろうとしている。

日本に必要なのは米中両にらみの態度をとることではなく、米国と一緒に中国に働きかけ、責任ある行動を促していくことだ。

知的財産権の侵害、サイバースパイ、南シナ海での軍事拠点づくり。トランプ政権が問題視している中国の行動は、世界に共通の懸念だからである。

ペンス副大統領は10月4日の演説で、中国を甘やかす時代は「もう終わった」と宣言し、厳しく対抗していく路線を示した。米政権の外交ブレーンによると、ペンス氏や一部側近が書いた演説ではなく、ホワイトハウスや国務省、国防総省を交えて入念に検討し、練り上げた政策だという。

野党・民主党やビジネス界も、ペンス演説の趣旨を支持しており、トランプ氏が退任した後も、対中強硬路線は変わらない。米外交サークルではこんな見方が広がっている。

こうしたなか、安倍晋三首相は10月25~27日に訪中し、日中関係を「競争から協調」に転じることで一致した。数年前の米国なら、アジアの緊張が和らぐとして、歓迎したに違いないが、いまは構図が異なる。

安倍首相の訪中について、米政権は踏み込んだ論評を控えている。安倍氏との関係が良好なため、トランプ氏も今のところ、神経をとがらせてはいないという。そもそも7年間、首相の単独訪中がなかった日中と異なり、米中は首脳交流が定期化している。

ところが、米政府内の視線は複雑だ。日中が海外のインフラ建設で協力を推進することについて、こんな声も漏れる。

「日本は事実上、中国の『一帯一路』構想を応援するつもりか」

「これは日本が中国に接近する布石か……」

米中の対立がこのまま深まれば、対中政策をめぐる日米のあつれきも強まるに違いない。東京やワシントンでささやかれるのは当面、次のようなシナリオだ。

■米国は日米豪インドによる中国軍の包囲網の引き締めに動く。自衛隊による東・南シナ海への一層の関与を求めるほか、日本の防衛予算の拡大も迫る。

■米国や豪州は国内の主要な通信インフラから、中国大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を排除しつつある。現在、何の規制もしていない日本にも同調を求める。

■米国は北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定(USMCA)で、カナダやメキシコが中国と自由貿易協定(FTA)を結ぶのを制限する条項を入れた。対中圧力を強めるため、日欧とも同様の合意を交わそうとする。

いずれも実行すれば、中国が反発するのは目に見えている。それでも、前者の2つなどは日本にも共通の懸案であり、米国と協調して対応すべきだ。

米中対立が一過性の現象にとどまるなら、日本には台風をやり過ごす道もある。しかし、現実はそうではなく、10年、20年単位で続くとみるべきだ。

なぜなら、1970年代以降、米中を約40年近く結びつけてきた、次のような「接近の法則」が、崩れてしまったからだ。

米大統領は選挙中に共産主義の中国を敵視し、ホワイトハウス入りする。ところが就任後、12~18カ月以内に中国と折り合い、米中は協力に軸足を移していく――。

冷戦中、ソ連という共通の敵が米中を結びつけた。91年のソ連解体後は、「豊かになれば、中国は民主化に向かう」との思いが、米国を中国への協力に走らせた。

ところが、こうした求心力はもはや存在しない。中国は民主化せずに強大になり、2049年までに米国にとって代わり、最強の超大国になる目標をかかげる。

では、日本はどうすればよいのか。まず大切なのは、組むべき相手を間違えないことだ。日本は米国に安全保障を頼っている。この原点に立ち返り、日米同盟を維持し、強める努力を尽くすことが最優先だ。

一部には米中の対立が過熱しないよう、日本が仲介役を果たすべきだという意見がある。だが、日米同盟が強固でなければ、米国が日本に耳を傾けるはずがないし、中国も日本を本気では相手にしないだろう。

10月15日、1951年に署名されたサンフランシスコ講和条約当時の秩序を考えるシンポジウム(日本国際問題研究所主催)が都内で開かれた。話題になったのが、米国と中ソの対立が深まり、世界が東西陣営に割れていく50年代と、現在が似ているということだ。

当時、決して人気があったとはいえない米国との安全保障条約を首相の吉田茂氏が決断したおかげで、日本は米ソ冷戦に耐えられた。いま、同じくらい重要な局面に日本は立たされている。>(以上)

10/30杉浦正章ブログ<中国の対日大接近は「強国路線」の一環>

https://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/archive/20181030

日経記事の「日本の銀行や企業が人民元を調達しやすくするもの。危機時に中国を救う意味合いはない」と言うのは詭弁であるし、前提が間違っています。そもそもで言えば、投資判断は自己責任で行うべきであって、最初から日本企業の救済のスワップと論じて恥じない所に、精神の倒錯を感じます。経営者にモラルハザードを引き起こすだけでしょう。そんな「都合の良い時だけ政府を利用するな」と言いたい。もう一つ、今の経営者に聞きたいのは、憲法改正についてです。海外赴任の駐在員は中国や韓国を含め、リスクにさらされています。憲法9条を改正して、海外邦人の救出が法的にできるよう整備するつもりがあるのかどうか。自分は海外赴任せず、身は安全な所に置いて、何も発言しないのでは卑怯者そのものです。「恥を知れ」と言いたい。志のない商人が揉み手をして嵐の過ぎ去るのを待つことはできません。

杉浦氏の論考は、中国に対してナイーブ過ぎです。「日中関係は安倍訪中により戦後まれに見る良好な関係へと入りつつある。」とは。中国人に善意を期待するのは無理というもの。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観の民族と言うのが分かっていません。やっと米国が気が付いたというのに、日本はずっと騙され放し。本当に頭が悪すぎです。中国でどの程度儲けて、日本に還流していますか?10年以上前に中国にいたときに、董事会では利益還元はなく中国国内への再投資の話ばかりでした。今はどうなっているか分かりませんが、今度、米中戦争がもっと激しくなれば、利益を配当の形で日本に還流させるのは益々難しくなるのでは。撤退するときの株の売却だって、中国の外貨準備がタイトになれば、行政指導でストップされるでしょう。米中が行くところまで行って、相手方の資産接収に及べば日本企業は打撃を受けます。覚悟を持つべき。

安田氏の記事で、ベトナムが中国に替わって経済的に飛躍できるかどうかは米国及び日本がどの程度支援するかによるでしょう。上述の阿波羅新聞の記事によれば、中国資本の第三国経由での輸出も制限されるようですから。米国と日本がベトナムに投資すべきです。中国は米日の投資があって、あれだけの経済成長を短時日の内に成し遂げた訳です。それを前提にしなければ、中国の経済発展と比較しても意味がないのでは。ただ、東南アジアにとって米中戦争は経済成長にとって良いチャンスであることは間違いありません。

記事

ベトナム・ハノイのロッテマート店内。奥に見えるのはレジの順番を待つ長蛇の列(筆者撮影、以下同)

ベトナムの首都ハノイ。日差しの強さに加え、歩行者の存在などおかまいなしで突進してくるバイク、道路を横断するのも命がけ――。ハノイに住む日本人は「アジアの上級者」の部類に入るのではないだろうか。この地で生活するのは、相当過酷だといっても過言ではない。インドやバングラデシュも過酷だが、決して負けてはいない。

ハノイは、フランス植民地時代の面影が色濃く残る都市だ。旧市街地のホアンキエム湖の周辺は、商業施設やホテルが集中し、最もにぎやかなエリアである。道という道に洋品店や飲食店が軒を連ね、街全体に活気があふれている。クルマ、バイク、ゴミ、でこぼこ道、濁った湖面、絡まった電線・・・人々はこうした“アジア的混沌”の中で生きている。

ハノイでは大量のバイクが走り回っている

上海とハノイは20年の隔たり?

かつては、中国もこうしたアジア的混沌にあふれていた。筆者が住み始めた1990年代後半の上海には、ハノイと同じような混沌があった。だが、今はすっかり便利で機能的な街に生まれ変わった。上海に限らず中国の大都市からアジア的混沌はほとんど姿を消しつつある。

筆者から見ると、上海とハノイはちょうど「20年の隔たり」があると感じられる。

例えば、ホアンキエム湖周辺は週末に歩行者天国となるのだが、その歩行者天国では学生と思しき若者たちが輪になって羽根蹴りに興じていた(ジェンズという羽根を蹴る遊び。ベトナム語で「ダーカウ」、中国語では「踢毽子:ティージェンズ」)。90年代の上海でも、戸外で羽根蹴りを楽しむ子供たちの姿をよく目にしたものだ。

また、近くのハンバイ通りにあるマクドナルド1号店は2017年にオープンしたばかりだ(下の写真)。上海の1号店は1994年にオープンしたので、やはり約20年の開きがある。

2017年にオープンしたマクドナルド

カウザイ区のファムフン大通りは、オフィスビルや住宅が集積する新市街地だ。その中核を成すのが、韓国の企業が開発した、ベトナムで最も高いビル「カンナム・ハノイ・ランドマークタワー」である。外銀や外資コンサル、日本のIT企業などがこの新市街地に拠点を構えている。だが、ここでの生活が「気に入っている」という声はあまり聞かない。旧市街地まで約40分と距離があることが大きな要因だ。現地に住む日本人も「ここは何もないところだから」と繰り返す。

上海では、浦東新区がそうだった。浦東は中心部の陸家嘴でさえ90年代初頭は農地だった。日本人駐在員は休日ともなると、無味乾燥な浦東を避け、旧市街地の浦西で過ごしたものだ。高層ビルが立ち並び、分譲マンションができ、人が移住し、ショッピングセンターの建設が進むようになったのは2000年代中盤以降のことだ。

ヤオハンを思い出させる韓国のランドマーク

ベトナムで最も高いビルは韓国企業が開発したと述べたが、ハノイでは韓国企業のプレゼンスが高い。韓国ロッテグループは2014年にリエウザイ通りにオフィス、住宅、ホテル、百貨店、食品スーパーなどから成る複合商業施設「ロッテセンター・ハノイ」を開業した。

これを見て思い起こすのは、1995年に日本のヤオハンが上海・浦東に開業した「ネクステージヤオハン」だ。当時、何もない浦東に出店したヤオハンに、日本のマスコミや小売業界は「大丈夫か」と懐疑的だった。だが、ヤオハンは「これからは中国の時代」と豪語し、先陣を切って進出した(結局ヤオハンは1997年に経営破綻)。

ハノイのロッテセンター・ハノイの地下には食品スーパーの「ロッテマート」がある。週末に訪れてみたところ、買い物客で大混雑していた(冒頭の写真)。在住の韓国人向けの輸入食材を充実させ、品ぞろえも豊富だ。韓国人のみならず地元富裕層にも支持されているようだ。

ロッテマートでは、万引き防止のため、手荷物をロッカーに入れなければならない。財布とスマホを入れた小さなバッグでさえも、ビニール袋に入れ、がっちりとホチキスで封をされる。これも90年代後半の上海を彷彿とさせる。住民が豊になった上海では、今は見られない光景だ。

上海のデパートもかつてはガラガラだった

一方、ロッテセンターの地上階(百貨店フロア)は閑古鳥が鳴いていた。とりわけ婦人服のフロアはガラガラだった。

これもかつての上海とまったく同じ光景だ。90年代後半、上海・徐家匯のデパート「太平洋百貨」も外国人ぐらいしか買い物客がいなかった。2004年に香港から進出した「久光百貨」(元そごう)も、当初フロアはガラガラだった。だがほどなくして、久光百貨は上海の新興富裕層で賑わうようになる。

ハノイでは、日本人がピザ屋を開業して人気店になったり、ハリーポッターをテーマにした喫茶店ができたり、続々と新スポットが出現し、街の雰囲気も都会的になりつつある。これから何かが始まる、そんなワクワク感がハノイの街にはある。市民の消費力が高まるのも時間の問題だろう。

振り返れば、上海の経済は急速に膨らみ過ぎた。地価や人件費が高騰し、企業の事業継続が困難な状況にまで到達してしまった感がある。

日本から上海に進出するのは、手探りで事業を進める、「国外は初めて」という企業が多かった。そのため、撤退するにあたって、積み残した課題に忸怩たる思いを抱く日本人経営者も少なくない。こうした日本人経営者の一部や「海外は二度目」という駐在員が、現在ベトナムに向かっている。新興国の発展パターンには共通項が多いので、先を読める彼らのアドバンテージは大きい。きっと中国での経験を基に次々とサクセスストーリーを生み出すはずだ。

「海外は二度目」という駐在員も増えている。日本のサムライたちの新興国でのチャレンジに期待したい。商機は“アジア的混沌”の中にある。

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『核廃棄条約破棄はプーチン政権の痛手に 核軍拡競争で米国に対抗できず』(10/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

10/29看中国<安习会后态度大转变 朝鲜遭中方切割?(图)=安倍・習会談後中国は態度を変えた 朝鮮は中国から切られる>26日、安倍・習会談で、安倍は拉致問題を共同で解決するよう要求し、習は27日に「問題解決の為、日本と朝鮮との対話を促すようにするし、経済制裁も継続させる」と回答した。北京が拉致問題で協力するのは、米中貿易戦が経済に打撃を与え、もし朝鮮問題で日米離間を図れるなら、上策と考えたから。

まあ、中国のことですから、口先だけでしょう。日本の通貨スワップも口先だけと言い返せばよい。でも、スワップはMOUにしてしまったのでしょうけど。本当に愚かです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/29/874885.html

10/30看中国<美拟2570亿新关税 北京想让步恐朱镕基前车之鉴(图)=米国の2570億$の追加関税は北京に朱鎔基の譲歩の例を思い起こさせる>11月のブエノスアイレスでのG20で、トランプ・習会談で貿易問題が解決しなければ、米国は12月から中国の全部の商品に関税をかける準備をする。12月の初めにリストを公開し、公聴会を開く手続きを踏んで2月春節前後には開始される。それは2570億$になる見込み。また既に賦課されている関税2500億$は、来年1月より10%から25%にアップさせる。

WSJは中国側の情報として、「中国が正式な解決案を出すには2つのリスクが存在する。①中国の交渉の立場が明らかになる②トランプがツイッターで中国の案を披露してしまう、これでは中国の退路を断ってしまう」と。

北京の心配は歴史に原因がある。1999年、米国と中国がWTO加盟交渉をした時、朱鎔基総理は重大な譲歩と経済改革案を提出し、クリントン大統領に拒絶された。クリントンはそれを公表したため、北京は元に戻すことができなかった。朱鎔基は党内の強硬派の攻撃に晒され、数カ月にわたる交渉の結果、米国は北京が最初の案に似たものを受け入れるよう説得した。

北京が謀り事をするのは当り前、トランプが言った通りにやるとは思わなかった。何でも明らかにしてしまうトランプだから、北京も打つ手はない。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/30/875002.html

10/30WSJ<U.S. to Restrict Chinese Chip Maker From Doing Business with American Firms

Washington raises the stakes in a battle with Beijing over intellectual property=米国は中国のチップメーカーが米国企業とビジネスするのを制限 ワシントンは知的財産についての北京との戦いで賭け金を上げた>具体的には「福建晋華集成電路」に対してです。米国・マイクロンは昨年12月福建晋華に対し、自社技術を盗んだとしてカリフォルニア連邦裁に訴えた。福建晋華は却って今年1月に福建省で訴訟を起こし、両社が特許権を争っている中で、マイクロンは中国市場での一時販売停止の判決を出された。こんな不公平はない。中国政府は外国企業も中国企業と同待遇にすると言っているが、言っていることとやっていることが違うと。

中国企業と付き合う日本企業もその内標的になるでしょう。第二次COCOMの発動です。日本の企業経営者は中国から撤退すべきです。ウイグル人を虐殺している勢力に協力するなんて、ヒットラーのユダヤ人狩りに協力するのと同じとどうして考えないのでしょうか?

https://www.wsj.com/articles/u-s-restricts-state-owned-chinese-chip-maker-from-doing-business-with-american-firms-1540837561

渋谷のハロウインでの乱暴狼藉を言えば、沖縄の成人式の酷さも同じで、暴力行為を大目に見て来たから。米国の「聖域都市」と同じで、違法行為を放置すれば精神がおかしくなるのは必定。警察は地方自治体管轄ではなく国家公務員とすべき。地方の首長に任せるべきではないと考えます。広域捜査と治安維持は地方の責任ではなく、国の責任だからです。

池田氏の記事では、米国のINF 条約破棄はロシア相手と言うより、やはり中国でしょう。でも、中国人民がいくら死んでも、中共幹部が生き残れれば良いと考える民族ではMADは成り立ちません。勿論、軍事的備えは必要ですし、中距離核ミサイルを日本の地上に配備し(潜水艦だと米国が心配するので)、ニュークリアシエアリングして行くのが良いと思いますが、経済的に中共幹部の資産公表・凍結が一番効き目があるのでは。中共を国民に打倒させるためにも公表・凍結し、倒せば自由で民主的な中国になった暁に返還すると約束すれば良いでしょう。

記事

米国のトランプ大統領がロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄する意向を示した。ロシアによる条約違反がその理由という。実際に条約が破棄されるようならロシアも大手を振って開発・配備に取り組めるわけだが、プーチン政権は内心では穏やかではないようだ。

1987年12月に中距離核戦力(INF)廃棄条約に調印したソ連のゴルバチョフ書記長(当時)とレーガン米大統領(当時)(写真:AP/アフロ)

トランプ米大統領によるINF廃棄条約破棄の表明を最も嘆いているのは、この人かもしれない。

「軍拡競争に終止符を打ち、核兵器の廃棄を始めたことは極めて重要な決定であり、我々の偉大な勝利となった」――。ゴルバチョフ元ソ連大統領はロシアの通信社を通じてさっそくコメントを出し、「条約の破棄は決して認めてはならない」とクギをさした。

INF廃棄条約はソ連時代の1987年に米ソが締結し、翌1988年に発効した。条約に調印したのは米国のレーガン大統領と、当のソ連のゴルバチョフ書記長(いずれも当時)だった。

それに先立つ1970~1980年代は、東西冷戦のまっただ中。米ソは激しい核軍拡競争を続けていた。とくにソ連は北大西洋条約機構(NATO)への対抗策として、核弾頭を搭載する短・中距離弾道ミサイル「SS-20」(ピオネール)、「SS-23」(オカ)を配備。一方の米国も「パーシング2」ミサイルを西独など西欧各地に配備して対抗し、欧州を舞台に米ソの対立が先鋭化していた。

こうした軍事的な緊張を緩和すべく、米ソはレーガン政権の発足直後からINF削減交渉に着手するが、話し合いは難航した。ようやく局面が変わったのはゴルバチョフ氏がソ連共産党書記長に就任(1985年)してからだ。

両首脳は1986年のアイスランドのレイキャビクでの会談で突っ込んで討議した。この会談は決裂に終わったものの、ゴルバチョフ氏の初めての米国訪問となった1987年12月、ワシントンで開いた首脳会談でINF廃棄条約の調印にこぎ着けた。

「歴史の教科書に残るようにしましょう」と調印時にゴルバチョフ氏が述べたように、条約は極めて画期的だった。双方が射程500~5500kmの核弾頭搭載可能な短・中距離の地上配備の弾道、巡航ミサイルを発効から3年以内に全廃すると規定。欧州の緊張緩和と東西冷戦の終結、さらには米ソの核軍縮に向けた大きな一歩となった。

ちなみに米ソは1991年6月までに条約義務を履行し、「SS-20」や「SS-23」、「パーシング2」は廃棄された。破壊された兵器システムは米国が846基、ソ連が1846基に上ったという。

中間選挙前に支持層へアピール

トランプ大統領は今回、条約調印から30年以上が経ったとはいえ、核軍備管理の要石ともいえる歴史的な条約にクレームをつけたわけだ。大統領は「我々は条約を守っているのに、ロシアは違う」と指摘。ロシアや中国が核弾頭搭載可能な中距離ミサイルの開発をやめない限り、「我々も作らざるを得ない」と述べ、対抗して中距離核戦力の開発・増強に動く構えも示した。

米大統領のこのタイミングでの強硬発言は、11月6日に迫った米中間選挙をにらんだとの見方が根強い。また、米ロ間に限定されるINF廃棄条約の枠外で、着々と中距離核戦力を開発し配備する中国をけん制するのが真の狙いではないかとの見方も出ている。

現に米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)はロシアのコメルサント紙とのインタビューで、ロシアが条約違反したと非難するとともに、「(INF廃棄条約に加わっていない)中国やイラン、北朝鮮が条約に違反する方法によって軍事的な潜在力を高めている」と言明。世界で米国だけが条約を順守しているという状況は「受け入れられない」と述べている。

とくに中国に関して、ボルトン補佐官は「現在では中国の保有するすべての弾道ミサイルのうち、3分の1から半分はINF廃棄条約に抵触している」と分析した。従って15年ほど前であれば、米ロの2国間条約を中国なども加えた多国間の条約に衣替えすることも可能だったかもしれないが、今や中国の政権が「半分以上の自国の弾道ミサイルを廃棄するというのは全くもって非現実的だ」と強調した。

中国が条約に抵触する核兵器を廃棄するのは非現実的なうえ、条約に加わっている肝心のロシアも“条約破り”によって開発・配備した兵器を廃棄する可能性が「ゼロ」である以上、トランプ大統領が条約破棄の意向を撤回することはほとんどない、というのがボルトン補佐官の見立てだ。

トランプ大統領はこれまでも度々、とっぴな言動で世界を騒がせてきた。今回もトランプ流の唐突な発言で世界の核軍縮の流れを逆行させたと受け止められがちだが、INF廃棄条約を巡るロシアへの不満は、オバマ前政権時代から米国内に根強くあった。

とくに米政府やNATO幹部はかねて、ロシアが開発し欧州向けに実戦配備した新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」(SSC-8)がINF廃棄条約に違反するとして厳しく非難してきた。

トランプ政権下でも「射程が500kmを超える9M729は条約違反」として、ロシアへの警告を続けてきた。米国務省は2017年12月にはINF廃棄条約調印から30年の節目に合わせた声明を発表。「ロシアの条約違反」を改めて非難するとともに、今後のロシアの対応次第では米国も対抗措置として、地上発射型の中距離弾道ミサイルの研究開発に乗り出す考えを示していた。

対するロシアは「条約違反ではない」とことあるごとに反論してきた。ただし、明確な証拠は示していない。他方でロシアは、米国が欧州で進めるミサイル防衛(MD)計画の一環として、2016年にルーマニア南部で運用を始めた地上配備型の迎撃ミサイル発射基地などをやり玉に挙げる。「迎撃ミサイルの代わりに短・中距離の弾道、巡航ミサイルを簡単に装備できる」(プーチン大統領)として、INF廃棄条約に違反しているのは米国のほうだと非難してきたのだ。

軍拡競争に身構えるプーチン大統領

米国にはかつてブッシュ政権下の2001年末、米ソが1972年に締結した弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの離脱を一方的に宣言した“前科”もある。米国は弾道ミサイルの迎撃を目的としたミサイルシステムの開発を厳しく制限した同条約がMD計画の障害になると主張。条約は2002年に失効した。

プーチン大統領はこのため、米国がロシアのINF廃棄条約違反を提起するのは「いずれ自らが一方的な条約廃棄を表明するための情報・宣伝工作だ」などと非難。ロシアは米国と違って「国際安全保障の要である主要な軍縮条約から脱退することはない」と断言していた。

INF廃棄条約を巡っては、プーチン大統領が過去の“秘話”を明かしたことがある。2017年10月、内外の有識者らを集めてソチで開かれた国際会議「バルダイ・クラブ」の討議に登壇した時のことだ。

ソ連が条約に従って短・中距離ミサイルの廃棄を進めていた当時、ミサイル開発の設計責任者が「これは祖国に対する裏切りだ」として、抗議の自殺をしてしまったというのだ。大統領はこれを「歴史の悲劇」と称した。

その上でプーチン大統領は、米国がINF廃棄条約からの脱退を求めるようなら「ロシアは瞬時に、かつ鏡のように(同様の措置で)対抗する」と警告していた。今回、トランプ氏が条約破棄の意向を示したことで、それがいよいよ現実のものとなりつつあるわけだ。

仮にINF廃棄条約が失効すれば、ロシアも「9M729」の配備問題などで欧米の批判を浴びることもなくなり、新型の兵器開発もしやすくなる。核弾頭搭載可能な短・中距離弾道ミサイルは欧米のみならず、軍事力を急拡大する中国に対する安全保障の面でも有効となる。このため条約が失効したほうがロシアにとって有利になるとの見方もある。

ただし、米国との新たな軍拡競争の予兆に危機感を募らせているのがプーチン政権の本音ではないだろうか。

仮にINF廃棄条約が失効するようだと、米ロが2010年に調印した新戦略兵器削減条約(新START)にも負の影響を与えかねないからだ。両国が配備する戦略核弾頭数を大幅に制限した同条約は2021年に有効期限が切れる。ロシアは5年間の効力延長を主張するが、かねて「悪い合意」と批判的なトランプ大統領が新STARTの延長に応じず、失効する恐れがある。そうなれば米ロの核管理体制はほぼ野放しの状態になってしまう。

米ロは世界の核弾頭の9割以上を保有する。ロシアは核戦力では米国に比肩するとはいえ、経済規模は米国の10分の1にも満たない。ただでさえ既存の核兵器の維持・管理に膨大な予算がかかるのに、冷戦期のように核開発競争が再燃すれば、今のロシアの国力ではとても太刀打ちできない。米ロは11月にパリで首脳会談を開く見通しとなったが、自らの政権の最終章を迎えているプーチン大統領にとって、米国との核軍備管理をめぐる駆け引きは極めて頭の痛い懸案になりそうだ。

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