ブログ

サイト管理人のブログです。

ブログ一覧

西尾幹二著『アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか』を読んで

西尾氏の本を読んでつくづく感じますのはアメリカの悪意です。一番悪いのは戦後占領政策として採った検閲です。二番は憲法の押付けです。第三は戦中の原爆投下です。一は人権侵害、二と三は国際法違反です。もっと言えば戦前の1941年7月23日、FDR(ローズベルト)はフライングタイガースによる日本本土爆撃計画に署名しました。中立国義務違反です。当然、真珠湾攻撃の前です。検閲政策はアメリカの都合の悪い部分を焚書して日本人を洗脳したわけです。WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の一環です。もういい加減歴史の真実に日本国民は気が付くべきです。アメリカに安全を全面的に委ねるのは危険です。勿論中国と対峙するにはアメリカの力を借りねばなりませんが。

中国は昔から民族的特性は変わりません。韓国もですが。しかし、日本の経済人のレベルは間違いなく下がっています。目先の利益に拘り、自分だけ(或は自分の企業だけ)が良い思いをすればいいという経営者が多いのでは。日本の名誉について無関心、歴史についても学ぼうとせず、ハウツーのものだけ。中国の進出熱は収まったように見えますが、これから投資したものの回収をどうやるつもりなのでしょう。

本の内容

中国の持ち駒となる韓国、北朝鮮、台湾、そしてアメリカ

「中国海軍レーダー照射事件」(ニ〇一三年一月)が起こったとき、私は「盧溝橋事件」一九三七年)に似ていると思った。なんとかして日本に先に手を出させようする、昔の支那人のやり方とそっくりだった。日本国憲法の前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という言葉がある。この言葉は、中国や韓国や北朝鮮の公正と信義に期待する、ということだとしたら、あまりにもまぬけで馬鹿馬鹿しい条文であることは最近ではみなわかってきている。 しかし、「諸国民」がその三国に限られるなら馬鹿げた前提だと嘲るだけでいいがそこにはアメリカも入っているのではないか。アメリカの公正と信義に信頼して、これらの安全と生存を保持するというのが、日本の現実なのではないか。だとしたら条文を嘲るだけでは済まない。すごく真に迫った、無責任な空手形を頼りにして生きている、薄氷を踏む思いのこの国の「不安の正体」に直面するのである。 アメリカ政府は、日本の安全保障や北朝鮮政策についてはあやふやである。ヒラリー・クリントン前国務長官は「日米安保条約第五条に適応する」と言ったし、バラ ク・オバマ大統領も二〇一四年四月の訪日で、ついにそう明言した。しかし中国は、表向き怒ってみせているが、「アメリカの信頼を勝ち得ているのは、 日本よりむしろわが国だ」と言わんばかりの態度もとっている。日本のうろたえぶりが外目に見えているのであろう。 韓国はすっかり中国寄りになっていて、アメリカの言うことをあまり聞かない。 「日韓秘密情報保護協定」(ニ〇一二年六月)をアメリカが要求したが、韓国は土壇場で拒否している。

翌々月(ニ〇 一二年八月)には、尖閣問題で日本国内が乱れているのを見て、韓国大統領李明博が竹島に上陸した。韓国は、日本がすぐ中国に屈服すると見越した。日本が全面敗北すると想定して、中国に擦り寄ったのだと見ていい。それが李明博の動きだった。韓国は昔もロシアに擦り寄り、清に擦り寄り、日本にも擦り寄り、いつでも事大主義で強いほうにつく。中国は今や労せずして、日韓分断に成功している。北朝鮮もにわかに混乱している。中国とアメリカが裏で動いている証拠ではないか。中国が北朝鮮を制裁するような国連決議にサインした。これはかなりアメリカに同調している。北朝鮮を処理することにおいて、米中で話し合いが進んでいるのかもしれない。しかし現実には、アメリカが中国に北朝鮮の処理を委ねている現状をそう簡単に変えることはできないだろう。北朝鮮が中国に反抗的になることはあつても、中国から完全に離れられないのも現実である。エネルギーと食糧供給で縛られている。ただ、韓国の中国への擦り寄りはかなり決定的で、今後動かない方向のように見える。台湾もまた、馬英九政権になって以来、中国寄りになっている。台湾が尖閣沖で「水鉄砲発射」(ニ〇一ニ年九月)をやったのを覚えている人は多いだろう。台湾がやったことが、私はショックだった。台湾もまた、中国から見ると使いやすい手駒のひとつになっている。台湾を手なづけた中国は、沖縄を奪取するために、利用価値を次第に高めるだろう。中国はずるい国で、威嚇はするが、実際にはなかなか軍事的に行動しない。へタすると、中国共産党が崩壊してしまうからだが、中国は自ら日本を侵略する必要はない。韓国、北朝鮮、台湾に侵略させればいい。その三国も反日勢力になってきている。 「三国(韓北台)を利用すればいい」。中国はそう考えているに違いない。

「真実」より「宣伝力」が物を言う国 (抜粋) 長野朗の『支那三十年』より

習近平はドイツ訪問に先立って、ホロコーストの犠牲者の施設で「反安倍」の演説をやろうと企てたが、さすがにこれはドイツ政府が断った。李克強は「尖閣は日清戦争のドサクサに日本が盗んだ」と、欧州旅行で言って歩いた。こういうとき、中国政府は各国駐在の外交官を総動員する。習近平の先の例において、 五十力国の在外公館が同じ内容の政治宣伝を繰り広げたらしい。何ともおぞましい限りだが、このような宣伝は中国の国内では有効でも、平和な地域の国際社会では、かえって逆効果となることも考えられる。ただ、「南京虐殺」は当時の国民党の「宣伝」がつくった虚構であり、それに「東京裁判」が悪乗りしたのであるが、今に至るも信じている人がいるのは、「宣伝」も激しく長くやれば「現実」になりかねないという恐ろしさがある。

「支那では車賃が非常に安い。一里で十銭ぐらいだから、日本から支那に行った人は、これでは可哀想だというので、二十銭も与える。すると支那人のほうでは、これに感謝するというよりも、「こいつは十銭でいいところにニ十銭も与えるのは馬鹿なやつだ。もう少し催促したらもっとくれるだろう」というので、「少ないからもっとくれ」と言ってどこまでもついてくる。それをくれると、またついてくる。ところが反対に、一里十銭のところに八銭ぐらい与えると、「こいつはなかなか喰えない」とそのまま引き下がっていく。ある米国の宣教師夫妻が山東を旅行しているときに、道に乞食がいたので、可哀想だと思って 一円銀貨を与えた。その乞食は大いに感謝すべきはずだが、彼が考えたのは、「一円あれば一力月くらい食える(普通、乞食が貰うのは、たかだか一銭銅貨一枚くらい)。乞食に一円銀貨を投げ出すような人は、余程の金持ちに相違ない」 というので、早速仲間を語らい、先回りして宣教師夫妻を殺してしまったという事実がある。これらが車夫と同じく、「支那人の考え方が日本人とまったく異なっている」ことを示している。カネのことでちょっと書いておかねばならぬことは、支那人はカネに非常に執着を持っていて、カネを見たら一種の魅惑を感じて頭が変になるらしい。買い物に行って、十円のものを三、四円くらいにまけろと言ってもなかなかまけない。そこで カネを三円出して、これを握らせ、「これでいいだろう」と言っても聞かない。「それならそのカネを返せ、品物はいらない」とやると、もう握ったカネを離したくないのでたいていまけてしまう。支那人にカネを見せるのは危険で、長く使っているボーイでも、カネを見ると気が変わって何をするかわからない。ある日本人の小学校の先生が、月給とボーナスを貰ってきて大金を持っているところを自分のボーイに見られて殺された。〈中略〉 話が脇道に外れたが、車夫の話で知るような支那人の気持ちは、外交の上によく現れている。山東問題が喧しかったときに、山東問題を中心に大正八年以来、排日が支那全国に起こり、九年にも再発して慢性的となり、日支間に一種の暗影を投げかけ、低気圧の中心は山東問題だから、これを解決すれば日支間の暗雲はすべて一掃され、日支親善は期せずして実現するだろうと思われた。そこで華府(ワシントン)会議で山東を日支に返した結果はどうであったか。なるほど返した当座十一一力月は支那側でも日支親善みたいなことを言っていたが、十二カ月すると今度は「旅大回収」を叫び出した。日本人の考え方からすれば、山東を返して支那人の要求を受け人れてやったから、支那人も感謝して日支親善ができるだろうと思ったのは、車夫に車賃を余分にやって車夫が感謝するだろうと考えたのと同じである。ところが支那人のほうでは、われわれがちよっと騒いだから山東を返した。今度はもっと騒いだら、旅順・大連も返すだろうと言うので、また騒ぎ出した。支那人は、日本人が予期した感謝の代わりに、日本に対して軽侮の念を生じたのだ。最近、旅大問題が日支問の癌のように見えるので、旅大を返したら日支関係は一 変するだろうと言っている人がいるが、それは支那人を知らない者の言うことで旅大を返せば、次は台湾、朝鮮と進んでくることは明らかである。」

実に驚くべき洞察で、支那人のこの現代に通じる正体を一九三〇年代に、しっかり見抜いている。靖國参拝で、最初に譲歩したのが間違いだった。中曾根康弘内閣最大の失敗である。このまま日本が首相の靖國参拝をもし止めたら、次に「靖國神を廃社にせよ」と言ってくるだろう。靖國をなくしたら、次に「皇室をなくせ」と言ってくる。それが彼らの論法である。このことをよく知っておかなければいけない。こちらが一歩後退すれば、二歩前進してくる。「相手が一歩後退したのだから、自分は控え目にしよう」とか、「恩義に感じる」という感覚はまったくない。逆に、軽蔑する。下手に出るとカサにかかってくる。日本流に言えば、「雲助の徒輩」の論理である。追い詰められたヤクザや盗人との取引である。こちらは彼らに、徹底して強く対応しなくてはいけない。 謙虚、へりくだり、控え目などの美徳は、露ほどの効果も上げない。

中国サイドからの「経済制裁」なんて笑うべきこと (抜粋)

中国のGDP (国内総生産)の約八割は、官製企業が握っている。内需をつくるのは民間企業である。これでは、内需が拡大するわけがない。そこで中国の成長する官製企業は、アメリカや日本などの先進国に進出し、外貨を稼ごうとし始めている。はっきり言っておきたいのは、中国に対して譲歩する姿勢で領土問題の落としどころを探り合うようなやり方をすれば、必ず相手はカサにかかって威嚇してくる。力で押しまくってくる相手には力で押し返すしかないのだが、日本のカは今のところ軍事力ではない。投資や技術の力である。これを政治の力ードとして、なぜ使おうとしないのか。中国経済は、日本から多額の援助をもらっているときでも、アフリカに援助していた。そして、その援助を楯に恫喝しながらアフリカを味方につけてきた。中国経済はそのあと大きくなってますます牙を持ってきている。アメリカ経済にも当然牙がある。日本経済にだけ牙がない。経済人に言っておきたいが、尖閣諸島を失えば、国際社会の中で日本は軽視される。 国債は暴落し、株は投げ売りされ、国家の格は地に墜ちる。その影響はたちどころに他の経済活勛に影響を及ぼす。経済は経済だけで成り立っているのではない。戦後の日本において「経済力が国家の格を支えてきた」ことは間違いないが、 逆に言えば「“国家の格”が経済力を支えてきた」とも言えるわけである。だからこそ、尖閣諸島は経済のためにも死に物狂いで守らなければいけないのである。そうい ことを、経済人はわかっていない。私はわが国の指導層を見ていると、将来が本当に危ういように思えてならない。

ヨーロツパの「地球分割」とアメリカの「グローバリズム」

今にしてよくわかったことがある。それは、世界帝国アメリカは「地域の覇権国家を許さない」ということだ。まずイギリスをつぶし、次にドイツをつぶし、それから日本をつぶし、ロシアをつぶしてきた。そして今、中国をどうしようかと思案している。一体こんなことがいつまで続くのであろうか。こういうアメリカの体質や思考を一言で表現すると、何と言うのか。これをグローパリズム」と称するのである。グローバリズムは、最近の日本人は何か新しいよいことだと思っているようだがその正体はアメリカン•スタンダードの全面拡大に過ぎない。「世界政府アメリカの基準」を「国際基準」にするということである。そもそも「グローブ」とは「地球」である。地球を人間が全体として支配するといいう発想はアジア人にはまったくない。空間を幾何学的に分割して統治することもアジア人には考えつかないが、これを最初に実行したのは、スペインとポルトガルの間で結ばれた一四九四年の「トルデシリヤス条約」である。両国による統治方式は、カトリックのローマ法王の勅許を得て実現したのである。両国の西海岸から一定の距離を取った地点から地上をずっと縦に真っ直ぐ線を引いて、 その線をぐるっと地球の裏側まで回して、これを分割線とするのである。驚くべき大胆な計画であり、行動であった。どうしてそんなことが起こったか。当時、ヨーロツバ人は東方へ出て行こうと懸命に努力したのだが、地中海の東の出口はイスラム教徒に完全に押さえられていて、インドに抜けたいと思っても抜けられなかった。しかもイスラム教徒は、次第にヨーロ ッパの内部に侵略さえしていた。何とか情勢を脱却したいと考えていたとき、クリストファー・コロンブスとバスコ・ダ・ガマが登場したのである。コロンブスは、スペインを出発して西へ西へと進んで新大陸に到達していた。一方、ポルトガルのバスコ・ダ・ガマは、アフリカの海岸を南へ南へと下って、喜望峰を回ってインド洋へ出てきた。ポルトガルはインド洋を東へ行き、イン ドへ出る。スペインは西へどんどん行って、やがてアジアに出てくる。両者はどこでぶつかるかというとモルッカ諸島、地球の反対側のインドネシアのセレベス島(最近はスラウエシ島と言う)の東側の諸島である。そこは香辛料の集産地だから、世界中の人々がそこを狙っていた。ぶつかって両国の争いになり、やがて線引きで分けっこをしたのである。そして最終の目的地は日本だった。やがてスペインとポルトガルは国力を失い、代わりにオランダが登場し、イギリス が登場し、そしてフランスが登場することになる。この地球分割で面白いのは、南アメリカ大陸にさしかかると、ブラジルに当たるところだけが境界線上にかかって、ポルトガル側に分割されてしまう。大陸の出っ張りにブラジルがあるからだ。そのようにして、ポルトガル領に相当するとわかると、ポルトガルは大喜びして、「ああ、俺のものだ」と言って植民地にした。今でもブラジルの国語がポルトガル語である所以である。他のラテンアメリカの国々の国語は、スペイン語か英語かのどちらかである。こんなとんでもないことが起こったのも、単純に幾何学的に線を引いたからだ。地球を分割するという発想、しかも占有する権利をローマ法王庁が与えたというそのような考え方は、アジア人にはなく、西欧を越えて、アメリカに真っ直ぐつながっている。 グローパリズムとは端的に言ってこのようなことなのである。このグローバリズム思考によって、次の時代にはイギリスとロシアが中近東から東へずーっと線を引いて、地球を南北に分割するように侵略した。どこでぶつかるかというと、再び日本列島である。日本はいつも運命的な位置にある。その結果が、「日露戦争」である。イギリスとロシアの戦いを、日本がいわば代理戦争させられたようなものなのだ。英露が線を引いたとき、どちらにも属さなかった国がある。アフカニス夕ンだった。一九七九年になって突然、ソ連がアフガニスタンを侵略したのは、じっと地図を見て「そういえば、ここはロシアとイギリスのどちらにも入らない場所だったな。それじゃあ、一発やってやろうじゃないか」ということで、ソ連が侵攻したのである。隙を見せると、そういうことが起こる。アフガニスタンは中間緩衝地帯だった。それ以外の国々はすでに一度は分割統治されていて、他国は手出しできないという暗黙の約束になっていたというわけだろう。制空権を決めることは、アメリカが今実行しているが、元をただせばスペィンとポルトガルによる地球分割計画に端を発するのである。それでは次章より、日本を初めとするアジア諸国がいかに、西欧列強やアメリカ、 ロシア(ソ連)に侵略されてきたかを見ていこう。何度も言うが、日本は侵略した国ではなく、侵略された国である。否、侵略された国々の中で、そうされまいと抵抗し、戦った唯一の国である。それで独立は成功したかに見えたが、残念ながら現在、必ずしもそうはなっていない。アメリカに多数の軍事基地を許している国である。これを異常と見做す感覚をすら失っているのは異常である。日本はアジアを西欧列強から解放したと自認しているが、その日本が未だ解放されていない唯一の国なのである。だからこそ今、「歴史観の転換」をしなければならない。

Tratado de Tordesilhas

12/11日経ビジネスオンライン加藤嘉一氏『“周永康逮捕”が経済改革に与える影響は 「四中全会の成果を強調する狙いがあった」』記事について

加藤嘉一氏についてWikiを見ますと「2012年10月31日、中国国内で「東京大学法学部への合格を蹴って中国に留学していた」と発言するなど複数の経歴詐称をおこなっていた事実が『週刊文春』誌上で報じられた」とあります。中国に長く関わっていると騙すのが普通になるので、何の違和感もなくこういうことが言えるのでしょう。まあ、東大法学部と言ったって大したことはありませんが。北京大学、同大学院修了とのこと、習近平だって理科系で最高学府と言われている清華大学に裏口で入ったと言われていますから。中国では裏口は当り前。家族の地位か金を積めば入れます。加藤氏のTVでの発言を聞いていると「自制しているなあ」と感じます。中国の情報を取るには、相手に媚び諂わないと次から情報が取れません。遠藤誉や富坂聰辺りにも言えることですが。操作された情報が日本国内で流通されることになります。よく眉に唾して吟味しましょう。

さて、記事ですが薄熙来は無期懲役(2000万元の収賄)なので、周永康は執行猶予付き死刑(1000億元)になるのではないかと思われます。腐敗撲滅で習近平は「虎も蠅も」と言ってますが、庶民は誰も信じないでしょう。権力闘争の手段で使われているだけです。政敵を倒すため、今回は江沢民一派の権力中枢からの追い出しが狙いです。野中広務と仲が良く裏から実権を握っていた曽慶紅辺りが狙われていると思われます。「法治」重視と言いますが、ご都合主義の国で法で統治できるとは思いません。今回も相手の力を慮って四中全会でのテーマにするかどうかと言ったレベルの話ですから。民主主義国の法治ではなくこれも権力闘争の一環です。贅沢禁止で軍の不満が蓄積していますので、それに江沢民一派が組めば、権力闘争で習近平が打倒されることもあり得ます。考えられるのは暗殺でしょう。

記事

12月6日0時、国営新華社通信は周永康・元政治局常務委員の党籍を剥奪し、刑事責任を追及するという記事を配信した。5日、中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局が、中央規律検査委員会(書記は王岐山)から上がってきた《周永康が犯した重大な規律違反に関する審査報告》を審議した上で決定を下した。中央規律検査委員会は政治家・役人の汚職や腐敗に関する捜査・立案を担当する部署。この決定を受けて、最高人民検察院は周氏の逮捕に踏み切った。この記事によれば、中央政治局常務委員会(トップセブン)が2013年12月1日、周氏の容疑を本格的に捜査する旨を決定した。その後、2014年7月29日、中央政治局は周氏の立件・審査を決定。そして、今回の逮捕に至っている。中央規律検査委員会の捜査によれば、周氏は「党の政治規律、組織規律、保秘規律に重大な違反を犯した」。重大な規律違反は、権力乱用、収賄、金銭・女性問題、そして党と国家の秘密漏洩など多岐に及び、同委員会は「周永康の行動は党のイメージを著しく傷つけ、党と人民の事業に重大な損失をもたらした。その影響は極めて悪質である」としている。12月6日、党機関紙《人民日報》が掲載した評論記事《党の規律・規則に厳格に基づき、断じて腐敗を罰する》は全国各地のメディアによって転載された。同記事には以下のパラグラフが含まれている。「全党員が思想・政治・行動すべての分野で習近平同志を総書記とする党中央と高度な一致を保持し、中国共産党の権威を死守する自覚を持たなければならない。党の組織・規律を厳格かつ明確にし、派閥や特定のグループを結成することに断じて反対する。党内におけるいかなる形式の非組織的活動も断じて許さない。党の団結と統一を守るのだ」

習近平国家主席の今後の政権運営を占う上で示唆に富んでいる。筆者が指摘したいポイントは以下の3つだ。

(1)共産党指導部というよりは、習主席のリーダーシップと統率力に重点が置かれている。

(2)習主席は共産党の権威を高めるために反腐敗闘争を行っている。

(3)周氏の党籍剥奪・逮捕にまで至った重要な理由の1つは、周氏が共産党内で自らの地位や権力を濫用し、党指導部内の足並みや求心力を脅かすような動きをとったことにある。

3つ目に関して、周氏は薄煕来・元重慶市共産党委員会書記・政治局委員(当時)を支持していたとされる。同氏は2012年、共産党第十八党大会が開催された年に“落馬”(筆者注:政治家や役人、国有企業の幹部などが、汚職や収賄といったスキャンダルが原因で職を解かれ、かつ中央規律検査委員会による調査を受けること)、その後、刑事責任を追及された。薄氏は重慶の地で“打黒唱紅”というマフィア撲滅運動や毛沢東を過剰に礼賛する宣伝活動などを展開し、一般大衆の心をつかもうとした。そのやり方は文化大革命時代の“極左”を彷彿させ、共産党指導部が実行している改革開放政策に逆行するものと思われた。党指導部の方針に逆らい“路線闘争”を挑もうとしたことが、薄氏が“落馬”した核心的な原因であるとされる。そんな薄氏を、周氏が支持しようとした事実は、共産党指導部にとって脅威に映った。周氏は胡錦濤政権において政治局常務委員(序列9位)を務めた重鎮。加えて、政敵を粉砕する力を持つ公安システムを統括する立場にあったからだ。周氏と故郷を同じくする共産党幹部は“薄煕来落馬”前夜の情景をこう振り返る。「薄熙来が“落馬”する前、周永康はあらゆる場で薄煕来に対する支持を示していた。政治局常務委員が薄煕来の“落馬”を検討する際にも、他の8人が全員賛成するなか、周永康だけは最後の最後まで薄煕来をかばっていた」。共産党内で絶大な権力を握る周氏と、“打黒唱紅”を通じて大衆世論に絶大な人気を誇る薄氏がスクラムを組んだとき、党指導部や知識人、市場関係者の間に深刻な懸念が広まった。党指導部の分裂、共産党の団結力・求心力低下を招くのではないか? 下手をすれば、中国を文化大革命時代に引き戻してしまうのではないか?

習近平は党内権力基盤を強固にした

本稿は、かつて掲載したコラム《“周永康落馬”は中国をどこへ導くか》のアップデート版である。“落馬”から逮捕に至った4カ月強の間に起こった事象を元に、3つの問題を提起し、それぞれ検証を加えたい。まず、“落馬”→逮捕というプロセスを習主席の権力基盤という観点からとらえた場合、その基盤は“落馬”当時よりも強固になったと言える。この4カ月間、筆者が共産党関係者や中国の有識者、市場関係者と意見交換を重ねる中で、様々な意見を耳にした。「習近平は必ず刑事責任追及に踏み切る」、「党内バランスを考えた場合、逮捕は回避するだろう。“落馬”くらいが相当だ」、「なんとも言えない。習近平は何を考えているかわからない」。ただ一つだけ言えることは、周氏逮捕に踏み切るためには、相当程度強固な権力基盤が必要であることだ。江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席をはじめ、周氏に近いと目されてきた大物政治家たちの反発や逆襲に耐えうるだけの権力を持たなければ、逮捕に踏み切った途端、逆に基盤を損ねてしまうリスクがあるからだ。周氏逮捕で習主席の権力基盤や党内統率力が相当程度強固であることが証明された。ただし、いくら習主席といえども、この逮捕によって生じるリスク、即ち反対勢力からの巻き返しには引き続き注意を払っていく必要がある。権力基盤を強化したことは、権力闘争が収束したことを必ずしも意味しない。習主席の権力基盤が万全だと言う根拠はどこにもない。

四中全会の意義を高める習近平の意図

次に、法治を集中討議した四中全会(2014年10月20~23日)と周永康逮捕の関係を考えてみたい。奇しくも、“周永康落馬”と“四中全会で法治を討議”は同じ日(2014年7月29日)に公表された。その後、この関係を巡って3つのシナリオが浮上した。

(1)習主席が、周氏やその側近・グループらの逆襲に遭い、法治を集中討議するというアジェンダが取り上げられなくなる。

(2)周氏を“落馬”させてからも反対勢力を抑えこみつつ権力基盤を固め、四中全会において予定通り法治を集中討議する。

(3)法治を集中討議する四中全会の場で、周氏に対する追加の処分を公表する。

(1)は習主席の権力基盤が最も脆弱な状態を、(3)は習主席の権力基盤が最も強固な状態を指す。今から振り返れば、結果は(2)であった。四中全会では“党による指導”“中国の特色ある社会主義”といった政治色・イデオロギー色の強い前提が付いていたものの、予定通り法治を集中討議した。

四中全会という政治の大舞台で周氏に対する追加の処分を回避した理由に関して、筆者は「反対派からの逆襲を懸念したから」「共産党内の権力均衡の維持することを優先したから」「江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席など周氏に近い長老たちに配慮したから」という3つを考えている。 四中全会が閉幕して1カ月強が経ったタイミングで周永康逮捕を公表した背景として、中国検察関係者は筆者に次のように語った。「法治を扱った四中全会からあまり時間が経っていない時期に周氏に対する法的措置を行使することで、四中全会の成果を強調し、共産党の威信を高揚させる狙いが習主席にはあったのだろう」。ただし、法治が制度として根付くかどうかに関しては、引き続き情勢を注視していかなければならない。今後、薄煕来事件のときと同様、周氏が法廷に姿を現し、裁かれる模様が全国ネットで中継される可能性もある。だが、それでは習主席が“法治”に名を借りて、人民からの支持獲得を画策していることが露呈する。ポピュリズムである。と同時に、習主席が進める反腐敗闘争は依然として権力闘争という側面が強い。

萎縮する経済官僚たち

最後に、反腐敗闘争が経済政策に与える影響を考える。習主席の権力基盤が固まり、党内求心力・統率力が高まることは、改革を進める上で基本的に追い風だと言えるだろう。“法の支配の下で市場の活力を生かす経済政策”を推進するため、既得権や地方の保護主義などを突破するべく、権力を行使する。行政改革、財税改革、都市化、上海自由貿易区(パイロット版)構想などを進めるためには、既得権益層や地方政府を説得するだけの強い権力基盤が求められる。財税改革とは、財政と税制に関する改革を指す。一方でデメリットもある。習主席による“虎もハエも叩く”“腐敗分子を見つけたら断固として捜査する”という反腐敗闘争は、経済政策・改革事業に関わる多くの中央・地方官僚たちを怯えさせている。習主席による恐怖政治が経済官僚たちの事なかれ主義を招き、経済政策・改革事業を停滞させるリスクは軽視できない。北京市のある地方幹部は以下のように述べる。「我々が政策を進めるにあたって、地元の企業に接待されたり、中央の官僚を接待したりすることは不可欠だ。最近は、このプロセスに規律検査委員会による捜査が入る前提で動かなければならない。接待にしても、出張にしても、他機関とのやりとりにしても、全てが対象だ。当然、プロジェクトが進むスピードは鈍る。我々も慎重にならざるを得ない」。また、習主席が反腐敗闘争と同時に贅沢禁止令を進める過程で打撃を受けているのが、政府機関や公務員による消費活動である。政府機関や公務員による消費活動である。接待や贈り物を介して、政府・公務員は依然として重要な消費アクターの役割を担っている。このため、中国の消費市場、ひいては経済情勢の先行きをネガティブに捉える知識人や投資家は少なくない。今年4月、米コーネル大学で開催された中国フォーラムにて、筆者は貴州茅台(マオタイ)酒の季克良名誉会長とご一緒させていただいた。「反腐敗闘争は、多くの政府機関・役人をお客さんとして抱える御社にとって打撃なのではないですか?」と質問すると、季会長はこう答えた。「茅台酒も変わらなければならない。政府ではなく、日増しに購買力をつける一般の消費者に飲んでもらう銘柄になる必要がある。茅台酒は体に良い。茅台酒を飲み続けたおかげで、私の体はこんなに健康だ」。75歳の季会長は胸を張り、習主席による反腐敗闘争への支持を表明した。

12/10日経ビジネスオンライン福島香織氏『サンゴ密漁は軍と関係あるか 密漁船の拠点で聞いてみた』記事について

元産経記者で中国への突撃記事で有名な福島香織女史の記事です。小生北京在勤時、05年反日暴動について福島氏より「事実と違っていたら新華社相手に裁判を」と言われ、「国を相手に裁判はできない」と答えた経緯があることは既報のとおりです。中国はまともな日本人の感覚からすれば、総て狂っていると感じるはずです。逆に中国人からすれば日本人は愚かでどうしようもないと思っているのではないかと。「珊瑚の密漁船について海上民兵かどうか」は大した議論でなく、“Rogue State”なのだから「何でもあり」と考えた方が良いと言うのが福島氏の言いたいことではないかと思います。彼らの行動は多義的な目的があって、一つに絞ることはできないということです。平松茂雄軍事評論家は早くから「中国の尖閣奪取の目的は石油だけではなく軍事基地を作ること」と喝破していました。太平洋二分割論に基づいての行動です。珊瑚だけでなくあらゆる技術をパクって、恬として恥じない「泥棒国家」かつモンスターを造ったのは紛れもなくアメリカと日本です。人口の多さに幻惑されて経済進出して中国を豊かにしたのが間違いの基です。「豊かになれば民主化する」なんて中国の歴史を知らないものの発想です。世界が目標とする共通の理念や価値観といったものが中国にはありません。それはそうでしょう。ここに書かれていますように「上から下までアウトロー」なのですから。いつも言ってますように「上から下に至るまで賄賂を取る。ただ金額が違う」と言うのが少しは理解いただけたかと。中国に駐在すればすぐ分かります。分からない人は仕事をしていないか出世のために自分を偽っているだけでしょう。やはり経済崩壊させるしかありません。

記事

ちょっと、旬を過ぎた話題だが、中国漁船による小笠原の珊瑚密漁問題について考えたい。というのも先月半ば、福建省寧徳市霞浦県三沙鎮という、密漁漁船の拠点にふらりと訪れたからだ。霞浦県三沙というのは中国で一番美しい干潟として、ナショナルジオグラフィックにも紹介された景勝地で、実は国内外の観光客はそれなりに多い。霞浦というだけあって、普段は霞がかかって見通しの悪い海だが、晴れあがると、きらめく海にノリ養殖のいかだが並ぶ複雑な海岸線は確かに絶景だ。ちょうどAPEC首脳会議の場で開かれた短い日中首脳会談で、小笠原の珊瑚密漁問題に触れたこともあって、地元では、反珊瑚密漁摘発大キャンペーンが開かれ、あちこちに、珊瑚密漁に関するタレこみ奨励の張り紙や、珊瑚違法密漁を批判する垂れ幕を見かけることができた。三沙鎮出身のタクシー運転手が、私を日本人と知ってか知らずか、「先日、珊瑚密漁の船長が、釣魚島(尖閣諸島)の近くで、日本に逮捕されたそうだ」と耳打ちした。それで、私も以前から気になっていた疑問を、実家が漁師だというタクシー運転手にぶつけてみた。「珊瑚密漁は『海上民兵』も関わっているって本当?」

「海上民兵」ではないのか?

小笠原諸島付近の珊瑚密漁問題は、すでに繰り返し報道されているので、あまり説明する必要もないだろう。秋ごろからこの海域に急激に密漁船が増え、10月30日には200隻をこえる大漁船集団となった。それがAPECの日中首脳会談当日以降、急激に減少した。なので、日本の少なからぬ識者が、この密漁漁船は普通の漁船ではなく「海上民兵」であり、軍の総参謀部の指示で動いているのではないか、と指摘していた。密漁というのは建前で、本当は来るべきときに、尖閣諸島を奪うべく、海上民兵を動員した訓練、あるいは、APEC前の陽動作戦とみるべきではないか、というのだ。

ちなみに、タクシー運転手の先の質問に対する答えは「海上民兵だって普通の漁師だ。そりゃ密漁くらいするさ」というものだった。タクシー運転手によれば、「三沙だけで、珊瑚密漁船は200隻以上ある。そこに民兵が混じっていても不思議じゃないだろう」という。「でも、海上民兵って密漁を取り締まる任務もあるよね。三沙の民兵偵察部隊の建物の前に、赤サンゴの違法漁を厳しく取り締まる、と電光掲示板で告知がながれていたもの」と問い返すと、「海上民兵も解放軍の部隊も、そりゃ建前で密漁はいけない、と取り締まる立場だが、正直みんな顔見知りだからなあ、見逃すのが普通だろう」とうそぶくのだった。

漁をしながら領海主張、敵を探る

「珊瑚密漁漁船は海上民兵」説には、確かにいくつかの腑に落ちるところがある。小笠原諸島周辺で密漁している漁船は、霞浦県三沙鎮や浙江省象山県石浦鎮などの港から来ているが、いずれも比較的大きな海上民兵基地がある。 「民兵」は簡単にいえば、国家の予備武装兵力。普段は一般市民として生活しながら、省軍区、県(市)軍区の人民武装部の指揮下に入り、軍備軍務、防衛作戦や社会治安維持に協力する。基幹民兵と普通民兵に分けられており、基幹民兵は28歳以下で兵役を経験し軍事訓練を受けた経験がある男性、普通民兵は18歳から35歳までの公民男性。女性民兵もある。年に一回訓練があり、訓練時や軍務に従事するときは、旅費、給与なども支給される。基幹民兵は30年前まで3000万人もいたが、今は800万人に減らされた。 海上民兵に関しては、中国の海洋権益を守る尖兵としての役割があり、その任務の中には、「漁をしながらの海上偵察」や「海に漂う主権碑」といったものがある。普通に漁を行いながら領海を主張し、敵の軍事能力を探る、ということだ。

三沙には、尖閣(釣魚島)周辺に漁にでかける船も多いのだが、この場合、魚の豊かな尖閣周辺の海に出かけて漁をするという漁師としての実入りと、領海の主権を守るという軍務も兼ねており、軍部から旅費(燃料費)や給与補てんまで出ることになる。海上民兵が全体でどのくらいの規模になるのかは不明だが、南シナ海方面に繰り出している海上民兵組織の拠点である海南省では約2300人と報道されている。福建省寧徳市では海上民兵偵察部隊が256人、海上民兵輸送部隊が1436人、海上民兵救援部隊が354人。船の数にすれば58隻という。(寧徳市政府のオフィシャルサイト)。

建前もなく、中国の法律にも違反

尖閣界隈の漁が、自国の海を主張する任務を兼ねて、軍部より燃料費などの支援を受けているというのはまだわかるのだが、では、小笠原の海は中国にも文句の言い様のない日本の海であり、「領海の主権を守る」という任務には合致しないではないか。そこに入って貴重な珊瑚を密漁し、世界自然遺産に指定されている小笠原の自然を破壊しているとなると、それは何の建前もない海賊行為だ。しかも中国では赤サンゴは国家一級重要保護動物として漁を禁止している。尖閣周辺海域でサンゴ密漁をしているという話も聞いたが、それならば、中国の法律にも違反している、という話になる。誇りある海上民兵がそんなことをしていいのか。この質問にからんで、先のタクシー運転手はこんな面白いことを言っていた。

サンゴ密漁は10年前からポツポツあった。だが、200隻もの船が先を争って密漁するようになったのはここ2、3年のこと。当然、密漁サンゴ長者の噂が昨年暮れくらいから流れたからだ。霞浦のある船主は2億元分の密猟サンゴを売り抜けたとか、石浦のある船主は5000万元分を売り抜けたとか。それで、三沙の漁師たちはみな、自分もサンゴ密漁をしてサンゴ長者になりたいと考えた。ただ、漁船の建造は国家の補助が出るが、船籍がすべて登録されるので、密漁しにくい。密漁には新しく無籍の船を造って、漁政局の監視を逃れねばならない。そのための造船資金は最低でも200万元。漁師は親戚、友達に頼み込んで出資者をかき集める。では、どういうやつらが、サンゴ密漁でひと山当てる博打話に出資する余裕資金をもっているか。役人か軍人かマフィアじゃないか、という。

「出資」できるのは役人か軍人かマフィア

霞浦に来る前に、霞浦県城に住む会社員に、霞浦はどんな町なのか?と聞いたとき、こう説明した。鎮の書記までマフィア出身の汚職の町。しかも、三沙は解放軍の部隊が駐屯。海上民兵基地もあるという複雑な土地柄で、県民の人柄も、外部の人間にかならずしも善良友好的というわけではない。… タクシー運転手にその話をすると、「霞浦県の県書記をやると3年で1億の金がたまる」と冗談にも聞こえないことを言っていた。要するに、汚職役人、汚職軍人、マフィアがみなつながっている、という印象である。「役人も軍人も地元の漁師も顔見知りさ。今は中央からサンゴ密漁を取り締まれ、という命令があるから急に厳しくなったが、漁師が日本にサンゴを採りに行っていることは誰もが知っている」。またネット上に、こんな話も流れていた。 サンゴ密漁は船主や船長にとっては一攫千金を狙えるものだが、一方で雇われ漁師の労働条件は良くない。50日の航海で賃金1万元前後だが、密漁なので保険が掛けらず、事故のときの保障がない。 「サンゴ密漁船の安全設備はお粗末なものだ。しょっちゅう漁師が死んでいる。数日前にまた一人死んだ。だが保障はなにもない」「漁業企業が違法なサンゴ密漁を行っているのに、役人は咎めもしない。雇われの出稼ぎ漁師が賃金を踏み倒されて、漁政局に調停を頼んでも、密漁をやめさせようともせず、自業自得だと言い放つ。汚職役人が多すぎる」…

三沙には3日ほど滞在していたのだが、ある時、密漁サンゴの売人に出合った。彼らは、自分が経営する工場で、漁師から買い取った密漁サンゴを研磨し、指輪やペンダントにして北京から来た宝飾店経営者や観光客などに売りさばいていた。店舗を持っておらず、好奇心から教えてもらった電話番号にかけると、待ち合わせの場所が県城郊外の建設工事現場だった。なんか、マフィア映画にある麻薬密売の取引き現場みたいだなあ、と思っていたら、本当にやってきたのが、スキンヘッドの子分を2、3人従えた、スジモノみたいな雰囲気の男たちで驚いた。彼自身も指に大きな赤サンゴの指輪をしていた。聞けば、建設工事現場の作業員を監督するのが本業で、副業としてサンゴの研磨工場をやっているという。

「ほら、見事なアカだろう」

「ほら、見事なアカだろう」と、指輪とペンダントトップを見せた。アカと言うのは日本語の赤と同じ発音。サンゴの色は、アカ、モモと日本語を使うのはサンゴ漁そのものが、日本発祥だから、という。表面はつややかな血の赤。裏をみると、白いフが若干はいっている。私が見る限りホンモノで、日本の宝飾店ではプラチナの台にいれて、ダイヤで飾って50~100万円くらいの商品になるのではないかと思われる。安物のダイヤのついた18金のあまりセンスの良くない台に収められて、ペンダントと指輪で2万元(約40万円)と、言われた。おそらく本気で値切れば1万元くらいまでにはいくかもしれない。北京で購入する3分の1位の安さだ。彼らは、漁師が採ってきた赤サンゴのうち、特にいいものだけを買い取っている、すべて日本産だと言っていた。「北京人は赤サンゴを欲しがる。北京で売られているサンゴはほとんどモモだろう。牛血(血赤サンゴ)はめったにお目にかからないだろう」と胸を張って見せたが、私が、珊瑚を彼に売っている船長の居所などについて、いろいろ質問しはじめると、警戒したように、俺は忙しいから、買わないんなら、いいよ、と行ってしまった。 「最近は、警察がサンゴの密売にうるさくなっているからな」とも言っていた。

サンゴ密漁、サンゴ密売買の町を歩いて、なんとなくわかったのは、少なくとも三沙、霞浦という場所では、役人も警察も軍も海上民兵もマフィアも漁師もみんなつながっている。堅気の世界とスジモノの世界は、緩やかに混ざっている、というのが、中国の地方の漁師町の状況だろう。「三沙の漁師のほとんどは台湾に出稼ぎにいったことがある。その際、サンゴ漁のやり方なども覚えてくるし、海上貿易で密輸入などにも関わる。それが違法かどうかなんて、関係ないさ。海の上では法律など関係ないのさ」。霞浦で出会った別の運転手から、そんな話も聞いた。

上から下までアウトロー

そういえば、福建といえば、アモイ遠華事件と呼ばれる中国史にのこる解放軍海軍が密接にかかわった大密輸汚職事件もあった。権力があれば、その権力に頼って法を犯すし、権力をもたない庶民であれば、法をすり抜ける知恵を絞る。結局、上から下まで誰もが法を守らないアウトローの世界なのである。そう考えると、サンゴ密漁にたとえ海上民兵が混じっていたとしても、それが中央の政府や解放軍のトップから指令が下りた戦略的なものかというと、そうではないかもしれない。中国に蔓延する汚職体質が産んだ、官民グルの犯罪、というものにすぎないかもしれない。だが、彼らが中央の政治の風向きを見て、日中関係が悪化すれば、多少日本に無法を働いても、さほど取締が厳しくない、と舐めてかかるという傾向はあるだろう。正直、上からの指令で統率をもって動く組織とは全く違う、こういう政治的空気に左右される利権と犯罪の癒着との方が、日本にとって、厄介な状況と言えるかもしれない。日本は、自国の主権が及ぶ海域で起きた犯罪は、自国の警察力と司法でもって断固対応するしかないということなのだ。

12/8ZAKZAK『韓国大揺れ 平昌五輪の単独開催危機…日本にすり寄り? 準備遅れ深刻』記事について

2020年東京オリンピックで競技種目に空手が入ることを祈念しております。さて、表題の件ですが、韓国は平昌冬季五輪を一部日本に肩代わりさせ、経費を浮かせた上に2026札幌冬季五輪の目を潰そうと考えているかも知れないというありそうな話です。ここまで騙されると言うと正直も度を超しているとしか言いようがありません。バッハIOC会長も平昌五輪が失敗したら自分の責任になるので日本に救いを求めて来ているのでしょう。でも、2002サッカーワールドカップ共催でひどい目にあい、また本年9月の仁川アジア大会の運営のまずさとおかしな判定は記憶に新しいところです。JOCはアジア大会で水泳の富田選手も守らず日和見した連中です。富田選手は組織がバックアップしないため個人で訴訟に踏み切りました。JOCというのはダメな大人の集まりです。今の日本の縮図です。しかし中韓と付き合うと碌なことはありません。乞食だって金を恵んだ人には感謝するのに「金は貰って当然」という姿勢というか貰ったら「コイツは脅せばもっと金を出す」と思う連中ですので、暴力団と一緒。こんな品性下劣な人達と付き合う必要はありません。日本人も上品ぶってないで主張すべきは主張しないと。いくら大人(タイジン)ぶっても戦う勇気のないものを臆病者、卑怯者と言います。西郷が言いましたように「正しい道を踏み、国を賭しても倒れてもやるという精神がないと、外交はこれをまっとうすることはできない。外国の強大なことに恐れ、縮こまり、ただ円滑に事を納めることを主眼にして自国の真意を曲げてまで外国の言うままに従うならば、侮りを受け、親しい交わりがかえって破れ、しまいには外国に制圧されるに至るであろう。」ことを胸に刻んで交渉すべきです。先人に合わせる顔がなくなります。時事の記事は煙幕かも知れないので要注意。東京の財政難何て誰が言っているのか?舛添辺りが裏で言っている?

ZAKZAK記事

韓国で2018年に開かれる平昌(ピョンチャン)冬季五輪が大揺れだ。財政難から、国内の一部関係者や五輪関係者らから、膨大な費用が見込まれるそり競技の会場建設に懸念が囁かれ、日本での分散開催論が急浮上した。ウォン高などで低迷する経済に有効な手を打てない朴槿恵(パク・クネ)大統領の責任も大きく、専門家からは冬季五輪そのものを返上すべきだとの声も出ている。平昌五輪は財政難から準備の遅れが指摘されている。開閉会式会場についても、コスト面から一時、平昌から約60キロ離れた江陵の既存施設を改装する案が出た。だが、開閉会式は開催都市で行う五輪憲章に反するなどの理由で当初の計画に。台所事情は非常に厳しい。そんな背景から、12月に入ってボブスレーなどのそり競技を長野五輪で実績のある日本で開催する分散案が、韓国内の一部関係者や国際オリンピック委員会(IOC)の関係者らの間で浮上。IOCのリンドベリ調整委員長は6日、「そり競技施設の建設は大きな負担になり、大会後の利用も難しい。平昌は賢明な判断をすべきだ」と、海外の既存施設利用を促す考えを示唆。平昌五輪組織委員会の趙亮鎬(チョ・ヤンホ)会長は「海外の12の会場で(日本も)選択肢の1つ」と説明した。もっとも、韓国内では、分散開催案に対する拒否感も強く、聯合ニュースは関係者の話として「長野五輪後、競技場の活用に難航する日本側が分散開催案を流して回っている」などと否定的に伝えている。新著『ディス・イズ・コリア』(産経新聞出版)がベストセラーのジャーナリスト、室谷克実氏は「財政が苦しいのならいったん、五輪を返上するのが筋だろう。また、仮に日本との分散開催となれば、先日、(26年)冬季五輪に手を挙げた札幌の線は、前々回でそり競技が長野で行われたのだから…という理由で消える。韓国は国際的な情報戦が非常にうまい国でもあるということも頭の隅においておいた方がいい」と解説する。IOCはモナコで8日(現地時間)と9日(同)に臨時総会を開き、競技の分散解散などを含めた中長期改革案を審議する予定。動向が注目されている。

平昌五輪の日本分散開催、朴大統領「ダメ」 韓国紙報道 時事 2014年12月8日19時51分、

2018年に韓国で開かれる平昌冬季五輪で、国際オリンピック委員会(IOC)がボブスレーなどそり競技の日本開催を検討していることについて、韓国の朴槿恵大統領は7日、「分散開催は駄目。あれこれ話が出ないよう、全力を尽くしてほしい」と与党議員に語った。聯合ニュースが8日伝えた。平昌の地元江原道の崔文洵知事も8日、「新設の競技場6カ所全てが着工しており、開催場所の変更は事実上不可能」と述べた。韓国ボブスレー・スケルトン連盟会長も「施設を着工したのに、日本に会場を移すことはあり得ない」と反発している。そり競技の施設は3月に着工し、工事の進捗(しんちょく)率は30%という。一方で、8日付の韓国紙・朝鮮日報は「平昌・東京五輪の一部種目交換は検討に値する」と題する社説を掲載。「平昌は、江原道と中央政府が費用負担をめぐり激しく対立している。東京も財政難で競技場三つの建設計画を取り消した」と指摘した。社説は「平昌と東京が一部の種目を(相手国に)移し、費用を削減する現実的な方法があるのか考える必要がある」と主張した。

宮崎正弘著『台湾烈烈 世界一の親日国家がヤバイ』を読んで

親日国家台湾にも外省人の反日教育が少しずつ効いてきて、学生は日本よりはアメリカへ向かうそうです。ただ、お年寄り世代から孫の代に日本統治時代の良さが口伝として伝わっているようでもあり、この財産を活かさねばなりません。11/29の6大市長選(閣僚級)では国民党は一市しか取れませんでした。宮崎氏の12/1メルマガによれば「6つの直轄市で中国国民党候補が勝ったのは新北市のみ。それも民進党候補に約2万4千票差に迫られる接戦だった。この直轄市6市を含む22の県・市で、中国国民党は15席から6席となり、民進党が6席から13席に倍増、無所属も1席から3席に増えた。中央選挙委員会によると、投票率は67.59%、有権者数は1851万1356人。29日夜11時25分にすべての開票作業が終わった。今回選挙の最大の特徴は台北市に現れている。組織に頼らない無所属の柯文哲候補が24万票もの大差をつけ、中国国民党の連勝文候補を下した。連候補は、中国国民党の正統を象徴する連戦・中国国民党名誉主席の御曹司。一方の柯候補は台湾大学医学部の外科医で無所属。いわゆる藍(ブルー)と緑(グリーン)という2大政党によるイデオロギーのぶつかり合いとはならなかった」とのこと。実は2010年の5大市長選(台北、新北、台中、台南、高雄)では辛うじて国民党が勝利したが、得票率では民進党が5%上回った。国民党は336万9052票(44.54%)に対して民進党は377万2373票(49.87%)であった。選挙区割りの妙と国民党の選挙テクニックのうまさが勝因とのこと。今年の選挙は流れから言って民進党系が勝つ方向であったということ。馬総統が余りに中国に近づきすぎたため、3月から4月には「太陽花運動」と呼ばれる国会の占拠を学生が中心になって行い、中国との「サービス貿易協定」に反対する「反服貿」集会が開かれました。この後の選挙であるから民進党系の勝利は動きませんでした。台湾のマスコミは日本以上にひどく、9割が国民党系とのこと。それでも民進党を選んでいるのですから。中国人ではなく台湾人という意識の人が増えているそうです。2016年の総統選では蔡英文女史(民進党)が勝つかも知れません。香港のデモも正しく「太陽花運動」に影響を受けていますが、悲しいかな一国二制度を認めたため、中国が将来分裂しない限り、香港の自治はあり得ないでしょう。宮崎氏によれば台湾独立も中国分裂のタイミングでと考えているようです。台湾は中国に近づけば近づくほど香港と同じ運命を辿ります。日本と台湾は運命共同体(中国の太平洋覇権の抑止という意味で)なのに、アメリカ・日本の政府とも台湾に優しくありません。中国のハニーと賄賂工作が実を結んでいると思われます。

本の内容紹介

中国崩壊が独立最大のチャンス

台湾独立論は奇矯な言論ではない。可能性としては中国そのものが将来、大分裂をおこすときが最大のチャンスになるだろう。 かつてソ連帝国が頑強な軍事力の下に外見的な「団結」を誇っていた頃、外交評論家の那須聖は『ソ連の崩壊』を予測してベストセラーとなった。同じ頃、フランスで本格的な社会学的研究によるソ連解体論、分裂予測がでた。エマニュエル・トッドというフランス人の人口学者の予測の基軸は軍事力の負担に耐えかねるという一般論ではなく、ソ連国内でロシア人の出生率が異様に低い反面でイスラム圏に人口爆発があり、いずれ民族間の軋櫟が統一国家の維持を難しくするという、データ重視の予想だった。最近、このトッドは「中国共産党は脳幹が腐り始めた」と中国を批判している。ニ〇〇八年には「アメリカが六つに分裂する」という衝撃的な文明論がロシア人学者からなされ、世界的評判を呼んだ。欧米や台湾・香港、シンガポールなどではハンチントンの『文明の衝突』並みに持て囃された。しかし日本ではさっぱり評判を呼んでいない。日米同盟を重視する余り、この論を黙殺するのだろうか。提唱者はパナリン(元KGBアナリスト)、現在ロシア外交学院長というれっきとした学者である。そんじょそこらのセンセーション狙いとは違い本格的研究なのだ。

趣旨は大多数の新移民に大不況の失業が重なり、社会からモラルが消える。2010年6月から7月にかけて米国に大規模な内戦が勃発し、 (もう過ぎていますが)

㈠アラスカはロシアの影響下に戻り、

(ニ)カリフォルニアから西海岸、ユタ州からアリゾナ州を含めての地域は中国の影響を受けた「カリフオルニア独立国」となる。

(三)北東部(メーン州からNY、ワシントンを経てサウスカロライナ州の、昔のコモンウェルズ)は「大西洋アメリカ」になる。

(四)中西部からモンタナ、ワイオミング、コロラド州は「中北アメリカ」となってカナダの数州を包摂する。

(五)テキサス、ルイジアナ、フロリダなど南部アメリカは旧メキシコ領をふくめて独立する。

(六)ハワイは中国と日本の影響下に入る

という壮大なシナリオである。

米国マスコミは「あまりにバカバカしい予言のたぐいで問題に値しない。こういう荒唐無稽のシナリオを大不況、株価低迷の米国に対してロシアがなすという、このタイミング はロシア国民の喝采受けを狙うもの」と冷ややかだった。当のパナリンは「資料は米国情報担当部署やFAPSI (ロシア政府通信情報局)のデータを使った。この予言的中率は四五~五五パーセントの間だ」と冷静である。また「連邦政府の予算配分が地域的に不平等であり不況対策、とりわけ地域振興の予算配分を巡る対立が生じ、アメリカ人の多くも『分裂が最適』と思うようになるだろう」という。台湾の『自由時報』が大きく取り上げて、「一九七六年にソ連崩壊を予言したフランス人学者エマニュエル・トツドの説を当時、誰もが笑ったように、このロシア人学者、じつはクレムリン宮殿にも呼ばれて講演し、テレビにも出演する、ロシア有数のアメリカ通。笑って済ませるだけで良いのか」とコメントしている。中国が分裂するというシナリオを本書で詳しく論ずる紙幅はないが(ご興味の向きは拙著『中国大分裂』(文春ネスコ刊)を参照)、歴史的に見ても歴史の空間の半分近くは中国は分裂していた。南北朝、三国志、群雄割拠、燕朝一六国等々。戦後もウィグル、チベット、南モンゴルなど不釣り合いな地域を無理矢理に地図に算入しているため、統合力がいったん失われ、放心力が加わると分裂は加速度的に、旧ソ連型のようになるだろう。そのときは自動的に台湾は独立を宣言するだけでよい。

激変する中国人女性の人生観

女性の人生観も凄まじいほどに荒んできた。ちょっと綺麗な女は外国人の伴侶を捜す努力を惜しまず、「たとえ禿げでもジジイでも構わない。海外へ出たい」というのが最大の人生目標である。このことは筆者が過去四〇年、合計二百回は渡航した中華圏で、カラオケに限らずホテルの従業員や売り子らとの会話からの結論である。「なぜ外国へ出たいか」という質問には公害、貧富の差、独裁という理由を挙げず、彼女らが鸚鵡返しに逆質間してきたのは「日本の女性もそうでしょ?」というものだった。「日本ほど外国に住みたがらない民族は珍しいですよ」と答えるとキョトンとしていた。 彼女らが目的とするのは、たとえば新聞王のルパート・マードックの三番目の後妻にまんまと納まったウェンデイ・デンである。彼女の波瀾万丈の上昇人生、その生々しくも野心的な生き方が彼女らの目標である。実際のテインは徐州生まれの貧乏娘、苦労してアメリカに渡り世話になったスポンサーの老人を寝取って戸籍を取得したらバイバイ。当時、マードックが世界の新聞王を目指して英国から米国へ進出し、FOXテレビ、ウオールストリート・ジャーナルなど次々と買収していた時期に香港のテレビに通訳で入るや、色仕掛けでマードックに近づいたと噂されたが三二年連れ添ったアンナ失人を離婚させ正妻の地位を得た。四○近い年齢差がある。前妻の子らとは新たに子供を作らないと誓約しながら、堂々と二人の子供を産んで、マードック死後の世界一のマスコミ帝国の財産相続を担保した。その凄まじいまでの腕前(性技?)、このデンこそが彼女らの人生目標の一つ、生き方の規範である。女性の勝ち組のなかには「愛人業」も盛んである。スポンサーがいくら小遣いをくれる、マンションを買ってくれた、私は名勝地にリゾ—トも買って貰ったわーなどとあからさまに自慢しあう。自家用飛行機でどこへ連れて行ってくれた、今度は日本の富士山と箱根にファ.―ストクラスでつれていってくれる、って。北京師範大学門前は「愛人」を週末に迎えにくる黒塗り高級車がならぶ。カリフォルニアにはれっきとした中国人だけの「妾村」がある。そして若い女性は権力者、金持ちなら愛人でも構わないというあっけらかんと割り切る人生観なのである。こういう短絡的、単細胞思考は中国人がいかにカネと権力を愛しても、純愛を信じていないかの証拠でもある。

しかし勝ち組など例外的で大方は負け組である。美貌にも恵まれず愛人として自分を高く売り込めなかった女性らは売春街へでて稼ぐ。カラオケ、マッサージ、怪しげなサウナ、曖昧宿。目的はカネだけである。「からだが売れるうちに金を得たい」と呻くような生き様は福島香織の『中国の女』(文藝春秋)に譲るとして、こうなると男性側も相手の遊び方は露骨でえげつなく、バアでの会話は「やるか、やらないか。 いくら」だけの世界だ。即物的、情緒がはいりこむ余地はない。のんびり文学論議などする銀座の文壇バーは中国では存在しない。手も握らないで会話を楽しんで数万円を支払う銀座紳士なんて中国人男性からみれば宇宙人だ。こうした状況下に渡辺淳一が切り込んだわけだから斬新、新鮮な衝撃と捉えられた。これまで考えられない世界が中国人の若者世代に提示されたのだ。なにしろ渡辺作品の主人たちと言えば、左遷された編集者とか、うだつの上がらない建設会社の部長とか、冴えない男たち。他方、女性主人公らは性愛で開発され男に惹かれる時期もあるが、 人生の姿勢に凜としたところがあり、そのうえ自己を確立した女性が多いのでカネとか 権力は興味の対象ですらない。言ってみれば中国的価値判断からは「落ちこぼれ」である。ところが全編、「愛」というテ ―マをめぐる心理の変化が克明に描かれ、人生始まってから経験をしたことのない世界だから、 若い中国人が読み始めたのだ。文革体験とその後遺症が残る習近平、李克強世代から上は読まない。青少年は圧倒的に日本のアニメ、二○代前半の中国人はゲームとスマホに狂うが。