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12/17日経ビジネスオンライン 福島 香織氏『周永康は死刑になるのか?中国法治、権力闘争、その先は恐怖政治か』記事について
周永康が本当に死刑になるとすれば、権力闘争は激しくなるでしょう。彼以上に悪いのはいっぱいいる訳で、枕を高くして眠れなくなりますので。「虎も蠅も」と言っている習近平、追及の先頭に立っている王岐山だって周ほどではないにしろ賄賂を取っていることは中国人だったら誰でも知っています。そうしなければ権力の中枢には絶対行けませんので。受領拒否した時点で仲間はずれです。そういう清廉な人が出世を重ね、権力を握るのは中国の歴史では絶対無理です。『清官三代』なる言葉もあるくらいです。それでも日本の賄賂の額とは桁違いです。何清漣によれば「中国共産党は歴代王朝の中で一番腐敗が進んだ統治機構」だそうです。習が狙っているのは多分曽慶紅(上海派)でしょう。江沢民は実権を握っていなかったので。団派がどう動くか見物です。胡錦濤は党主席時代、上海派の横やりになす術もなく、自分の思いを実現できなかった恨みがあるので、上海派は潰したいと思っているはずです。しかし、習の独り勝ちを認めると次は彼らの番になりますので兼合いが難しいです。軍を団派が取るか、習近平が取るかで決まるでしょう。上海派の復活はないでしょう。彼らは共産党のエリート(団派)でも太子党(革命の相続人)でもなく、天安門事件の後に鄧小平から選ばれた利権集団ですので正統性がありません。もっと言えば時代の遺物である共産党なんて正統性があるはずがありません。悔しかったら中国でも真の民主選挙をしたらどうでしょう。香港にすら与えないのですから。多様な価値観を認めない社会は、この科学が進んだ世界にあっては長い目でみれば存続できません。
記事
かつて中国で警察・武装警察権力のトップにいた元政治局常務委員の周永康の党籍剥奪と逮捕がこのほど、ついに発表された。周永康については、元重慶市党委書記の薄熙来失脚に連座する形で転落への道筋が見えてはいたが、党籍剥奪と司法機関への身柄送致の正式発表を聞くと、さすがに習近平政権はここまでやりきったか、という感慨がわいてくる。しかも、その容疑の中に収賄などと並んで、女性関係、党と国家の機密漏洩といったきな臭いものが並び、「反党的な重大規律違反」を犯したという。国家機密漏洩がかかわっているとなると、おそらくは周永康の裁判は非公開となるのではないか。薄熙来は中国の法治国家ぶりをアピールする見世物サーカス的な公判で、結局は執行猶予付き死刑という判決であったが、新華社や人民日報の報道ぶりをみれば、周永康については死刑判決が出るのではないか、という憶測も流れている。周永康の死刑はありえるのか、考えてみたい。
党員は厳格な規律を要求され、それ自体が党の本質
新華社で周永康の処分が発表になった後、人民日報の微信アカウントが出した論評がすこぶる厳しく、周永康死刑説の裏付けになっている。以下抄訳をあげる。12月5日、習近平の虎狩りはさらに劇的な状況を更新した。中央政治局会議は中央規律検査委「周永康に関する重要規律違反審査報告」を審議、採択し、周の党籍剥奪とその犯罪容疑について、司法機関に身柄を送致することを決定。中央が発表した周の紀律違反行為の中で、「重大な反党的政治紀律、組織紀律、秘密保持紀律に違反した」「党と国家の機密を漏えいした」という部分は注目に値するだろう。かつて政治局常務委として、国家指導部幹部として、周が党と国家のどんな機密を誰に漏洩したというのか? 党の政治紀律、組織紀律、秘密保持紀律とはどのようなものか? 目下は知るすべもないが、周がしでかしたことは、党の歴史においてかつて出現した「叛徒」と大した差はないだろう。中国共産党と世界の多くの政党は同じではない。党員は厳格な規律を要求され、それ自体が党の本質であり、長期の闘争の経験における総括なのだ。このため、今日の入党誓詞の中に、「党の秘密を守る」「永遠に党に謀反を起こさない」「党への忠誠」「常に党と人民のために一切の犠牲を払う覚悟」などの言葉が散見するのである。党史上、多くの命を懸けて信条を守る誓いがあり、党の秘密を守った英雄的人物があった。しかし、敵の拷問に耐えられず、誘惑に負けて変節した叛徒もあり、その中には党の高級幹部も少なくなかった。…
こういう論評とともに、1930年代に党中央秘密特務組織の責任者でありながら国民党に投降し大量の党機密を漏えいした顧順章など党歴代の叛徒5人の名前を列挙している。「叛徒」「売国奴」というのは、中国共産党政治において死刑に値する罪であり、フェニックステレビなどが、この激しい論評が何を意味するのか、盛んに取り上げて解説している。「周永康が叛徒であると決めつける文章のあと、中国共産党史上の高級幹部叛徒5人の名を列挙し、その5人がいずれも死刑になっている。…では、この5人が例外なく死刑になっているということは、周永康の最後はどうなるのか? 非常に意味深な文章である」
巨額汚職、愛人たちが情報収集
ところで周永康はいったい何をしたと言われているのだろうか。もう一度整理してみたい。まず巨額汚職である。これまで中国メディアに報じられているところを総合すると、周永康は石油企業トップから政界入りし、党中央に石油閥を形成し、石油企業との癒着により巨万の富を得ていた。その汚職規模は数千億元に上るといわれている。また四川省の書記時代に築いた人間関係を四川閥と言う形でまとめあげ、後に周が中央政法委員会書記(公安・武装警察のトップ)の地位につくと公安関係人事も把握し、石油閥、四川閥、公安閥、そして彼の秘書経験をもつ側近たちのグループを束ねて、広範囲の利権グループを掌握していた。また家族・親族、友人、愛人たちを汚職や情報収集の手駒にも使っていた。中でも「百鶏王」と呼ばれる精力絶倫の周永康には大勢の愛人がおり、その中には軍属歌手で習近平国家主席夫人の彭麗媛の妹分にあたる湯燦や、CCTVの美人キャスター葉迎春、沈冰といった軍や報道の中枢にいる女性たちも多くいた。こういった女性たちをパイプに使い、軍との関係強化やメディアコントロールも行っていたと見られている。
また殺人容疑も噂されている。周永康の最初の妻・王淑華は不審な交通事故で死亡。これは周永康が仕組んだ謀殺ではなかったかといわれている。もちろん、裏のとれていない話ではあるが、当時、周永康は別の愛人と付き合っており、その愛人が今の妻でCCTV編成部に勤務していた賈暁燁で、彼女が妊娠した(後にウソだとばれた)と言ったことから、いつまでも離婚してくれない王淑華を殺害したというのがもっぱらの噂である。一説によると賈暁燁が、江沢民の妻の王冶平の妹の娘であり、江沢民の親戚になり中央権力へのコネを得るために、周永康が長年連れ添った妻を殺害したという見立てもある。
殺人容疑、クーデター首謀、機密漏洩…
周永康の妻が江沢民の親族であるという噂はかねてから流れていたが、それが最初の妻か二番目の今の妻かは情報が錯そうしていた。以前、このコラムでは王淑華が王冶平の姪であるという噂を紹介したと思うが、最近信じられているのは、四川省党書記時代の周永康に2001年に後妻に入った賈暁燁が、周永康と江沢民をつなげる女性であったという話である。また彼女の姉・賈暁霞は、中国石油カナダ支社の首席代表というポスト(現在離職、行方はしれず)についており、周永康事件の石油閥汚職に連座しかねない立場にある。そして、すでに失脚、服役中の薄熙来とともに、習近平政権からの権力奪取の計画に加担していたという噂がある。いわゆるクーデター首謀説である。もし「反党的」と言われる謀反の疑いがあるとしたら、このことではないか、とみられている。これらの容疑はすでに、中国メディアでも海外メディアでもふれられていたが、新華社発表では「党と国家の機密漏洩」という、いままでにあまり聞かなかった容疑がふくまれている。これは、何を指すのか。一つ推測されるのが、2012年6月にブルームバーグが報じた、習近平ファミリーの不正蓄財疑惑で、習近平の姉らが3.76億元を蓄財しているというスクープだ。この報道が習近平の逆鱗に触れ、ブルームバーグが強制捜査を受けたことはすでに報道されているとおりである。ブルームバーグのネタ元は、香港紙蘋果日報が報じているように李東生・元公安副部長(失脚済)らしい。李東生は元CCTV局長でテレビマン時代に周永康にCCTV美人キャスターらを愛人にあっせんした功績で、公安副部長に取り立てられた周永康の側近中の側近。また同じキャスターの愛人を共有する“義兄弟”関係にあり、また周永康と賈暁燁を引き合わせて結婚させた“仲人”とも言われている。李東生に習近平スキャンダルをブルームバーグに流させたのが周永康ではなかったか、と言われている。
もう一つは、2014年1月に世間を騒がせた「中国オフショア金融の秘密」報告。これは国際調査報道ジャーナリスト連合に匿名で送り付けられたデータを連合に加盟するメディア記者たちが手分けして裏をとり、習近平や温家宝の親族がどれほどの財産を租税回避地のオフショア金融に隠し持っていたかを報じたもの。誰がこの特ダネデータを送り付けたかは不明ながら、このオフショア金融リストに、当然入っているはずだと思われてきた江沢民、周永康、曽慶紅の名前が入っておらず、上海閥、つまり周永康筋がネタ元であるという推測はされていた。
愛人のスパイ容疑もリンクか
もう一つ興味深いのは、今年に入って、周永康や徐才厚・元中央軍事委員会副主席(失脚済)らの愛人であった軍属歌手の湯燦が、実は生きていて国家機密漏洩などのスパイ容疑で懲役15年の判決で服役中という情報が相次いで香港メディアに流れたことである。彼女については拙著『現代中国悪女列伝』(文春新書)でも紹介しているが2011年12月以降、突如行方不明となっており、秘密裡に処刑されたという噂も流れていた。だが、周永康の処分が発表される前後から香港紙で彼女が実は生きており、湖北省武漢の刑務所に服役中で、囚人たちに声楽指導をしているという情報が流れ始めた。報道によると、彼女は軍や党の幹部との愛人関係を通じて得た、中南海内の最高指導部の居宅や事務所の地図、軍事・経済情報を米国に渡していたという。彼女は米国に遊学中に、米国から工作員としての教育を受けたという話も伝えられている。 また最近、湯燦が周永康の秘書の一人・余剛(失脚し服役中)と同棲していたという情報も流れており、彼女のスパイ罪と周永康の国家機密漏洩がリンクする可能性もあるかもしれない。
在米亡命華人学者の何清漣氏が自分のブログでこんな指摘をしている。「少し前に中国が反スパイ法を発表し、すべての兆候からみると周永康が極めて重い刑を受ける可能性はあるだろう。類似事件ではこの10年以上の間、中共高官で外国への機密漏洩で死刑に処せられたのは劉連昆少将だけ。台湾に情報を漏らしたかどで1999年に死刑にされた。ほかに姫勝徳少将がアモイ遠華密輸事件で軍事情報を売って2000万以上の暴利を得たという事件では、検察側は収賄、汚職、公費横領罪など多数の罪名で起訴したが、軍事法廷一審では執行猶予付き死刑だった。姫勝徳の量刑はその父親が共産党元老の姫鵬飛であることを考慮し処置を軽減したものと思われる。周永康が、これまでの共産党の暗黙のルール“常務委員は罰せず”を考慮するかどうかによってその刑の重さが決まる」
恐怖政治の始まりか、権力闘争は続く
文革の終結とともに江青ら四人組が逮捕され1981年に裁判が行われたが、江青は死刑にはならなかった。この裁判について人民日報などは当時「法治国家到来の始まり」と評価している。とすれば、周永康に死刑判決が出るようなことがあれば、文革以前に戻るという言い方もできるかもしれない。“常務委員は罰せず”という最高権力者だけが優遇される暗黙のルールがなくなり法の平等が実現するというよりは、共産党体制内に、不満分子が増え、“死刑”という厳しい見せしめ無しでは、党の団結が守れない“恐怖政治”時代に入ってきたともいえないか。だが、実力を伴わない強権の発動は、内なる敵をさらに増やす可能性もある。周永康事件で江沢民氏の連座は免れたとしても、胡錦濤の大番頭と呼ばれた令計画・党中央統一戦線部長への包囲網はじりじりと狭まっているという話も聞く。反腐敗キャンペーンを建前にした権力闘争はまだ続くはずだ。こういう状況で、周永康事件は、中国法治の行方と共産党体制の盤石さを占う上でも重要な裁判になりそうだ。
12/11日経ビジネスオンライン 鈴置高史『閉塞感広がる韓国社会 「分水嶺の韓国」を木村幹教授と読む』について
日経記者の鈴置高史氏は日経の記者の中で春原剛氏と共に反日に染まっていない優れた記者です。鈴置氏の書いた『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』を読みましたが日米韓の問題を浮き彫りにした素晴らしい著作です。日経は経済専門紙のように思われますが、政治記者の汚染度はひどく、例の「富田メモ」なるものを全文掲載せずに憶測で報道したりしています。本日(12/17)の日経1面で秋田浩之記者が「安倍政権への注文」の中で「経済を入口に ならば、まずは経済交流の「血液」を循環させ、日中関係の体温を上げつつ、首脳交流を回復していくのが次善の策だ。その間、衝突を防ぐため、危機管理の体制づくりも急ぎたい。従軍慰安婦問題でぶつかる日韓関係にも、同じことが言える。すぐに打開できないなら、とにかく経済から、両国の氷を溶かすしかない」と述べております。今の世界の国際力学が全く分かっていません。現在武力を用いての戦争は国際世論のバッシングに遭い、なかなかできません。アメリカ、ロシアがやっているのは局地戦です。それで各国は通商外交で「武器なき戦争」を戦っているのです。韓国が以前外交通商部を持っていたのはそれが分かっていたからです。日本を慰安婦問題や南京虐殺で貶め、不道徳な民族の烙印のイメージを世界に広めることで直接戦争しなくても彼らには強い日本製品へのダメージを与えることができます。そこが丸きり秋田氏というか大半の記者が分かっていません。相手国を経済的に富ませればそれが軍事力の拡大に繋がることが脳内お花畑の人達には見えないのです。日本は「中国・韓国と付き合わなくても経済的に困ることはない」ことを三橋貴明氏が論理的に証明しております。両国とも法治国家でなく暴力団国家です。個人で考えれば誰がヤクザに進んでみかじめ料を払いますか?自分の家の名誉を傷つける輩と付き合いたいと思いますか?今度の衆院選で自民党が圧倒的に支持を受けたのは他の政党では中韓にまともに対峙できないという国民の判断があったからです。中韓と経済面で付き合って日本にいいことは少しもありません。技術をパクられ、低価格・不安全な商品が日本に流入してきます。池尾慶大教授は「経済成長は資本の投入、労働力の投入、生産性の向上よりなる」と言っております。田村日経記者の言うように中国での工場を日本に回帰させ、池尾教授の言う3要素を伸ばすようにするのが正解と思います。
記事
韓国社会に急速に広がる閉塞感。木村幹・神戸大学大学院教授と読み解く(司会は坂巻正伸・日経ビジネス副編集長)。
名門大学も就職難
木村:2014年9月、高麗大学で1カ月間教えました。「韓国の早稲田」と言われる私立の名門校です。韓国の大学からは時々、講義を頼まれるのですが、以前と比べ、学生に元気がなくなったとの印象を強く持ちました。ひとことで言えば、閉塞感が漂っているのです。直接的な原因は卒業しても職に就けないことです。高麗大学は大規模の大学の中では一番就職率が高いのですが、それでも70%に達しません。非正規職を入れてです。3分の1弱の学生に職がないのです。 ただ、若者の就職難は5年ほど前――李明博(イ・ミョンバク)政権の時も同じでした。しかし、当時の学生はまだ、何かしらの希望を持っていた気がします。例えば、次のような感じです。入るのは難しいけれど、サムスン電子のような大財閥に入れば前途が大きく開ける。財閥企業は世界の強豪の一角として、成長し続けているのだから……。財閥に入らなくともベンチャー企業を起こせばよい。韓国は世界に誇る情報技術(IT)を持っているのだ……。彼らはこう考えていたのです。でも今や、財閥企業のフラッグシップたるサムスン電子でさえ、中国企業に押され、かつての勢いがなくなりました。 ベンチャーの方はもっと深刻かもしれません。一時期もてはやされたITベンチャーブームは、すっかり過去のものとなりました。その象徴が、ベンチャーの旗手的存在だった安哲秀(アン・チョルス)氏の権威失墜でしょう。政界入りして以降の彼は、人が変わったかのように輝きを失ってしまいました。
盛り上がらなかったアジア大会
–韓国の若者は元気がいい、というのが日本での通説でした。米国や中国の大学に、日本人とは比べものにならない大量の若者が学んでいます。
木村:「グローバル化」に関しても挫折感が広がっています。確かに韓国からは、大量の学生が米国や中国に留学します。でも当然ながら、すべての人が外国で成功できるわけではありません。海外で取得した学位を持っている人も増えましたから、希少価値も減りました。苦労して海外で勉強しても、韓国で簡単に就職できる状況ではなくなっています。だからこそ、不景気もあいまって韓国から留学する人の数さえ、この数年間、減少を続けています。韓国の若者は「脱出口をどこにも見いだせない」状況に陥っています。だから強い「閉塞感」を抱いているのです。
鈴置:若者だけでしょうか。
木村:「閉塞感」は韓国社会全体に広がっています。2014年9月から10月に仁川でアジア競技大会が開かれました。韓国でのアジア大会は1986年のソウル、2002年の釜山に続き3回目です。でも、今回は全く観客が集まりませんでした。韓国人からも「これだけ盛り上がらないのは予想外だった」との声があがりました。アジア大会はしょせん“ローカルな大会”だから、というのも原因でしょうが、それだけでは説明できません。今回の大会では南北が対決するサッカーや、韓国選手が大活躍するアーチェリーなど見どころがいくつかありました。注目すべきは、そのような会場にも観客がさほど集まらなかったことです。
「突破口」がない
鈴置:それはニュースですね。韓国選手が金メダルを取りそうな競技を韓国人が見に行かないとは。
木村:簡単に言えば、今の韓国人はスポーツイベントを通じてさえ、夢を見ることが難しくなっているのだと思います。 2002年のワールドカップでは「テーハンミング(大韓民国)!」と叫ぶ人々がソウルの中心街を埋め尽くしました。当時の韓国人は躍進する韓国チームに、自らの将来を重ねて興奮したのです。それに比べ、今の韓国人は明らかに白けています。
鈴置:ワールドカップは1997年の通貨危機の少し後でした。韓国社会には「国も個人も大きな犠牲を払いながら、力を合わせ危機から脱出した。世界よ、見よ」――との高揚感がありました。
木村:あの頃と比べ、今は韓国という国家の信用も高まったし、経済規模も飛躍的に拡大しました。でも、皮肉なことに国の安定感が増すと同時に、閉塞感も高まっているのです。
–なぜでしょうか。
木村:韓国は大きく、強くなりました。しかし「突破口が見いだせない」という、これまで経験しなかった悩みに直面しているのです。
タプタプハダ
鈴置:通貨危機の脱出法は自明でした。金融部門の不良債権を処理し、ゾンビ企業を潰し、残った企業も従業員を整理解雇する――。大きな苦痛を伴いましたが、進むべき道は分かっていました。実行力の有無だけが問題でした。韓国人の自信の源泉である、1960年代以降の急速な経済成長は、もっと簡単でした。すぐ隣に日本というお手本があって、その通りにすればいいのですから。でも、今抱えるのは「解決策が見当たらない問題」ばかりです。朝鮮日報の楊相勲(ヤン・サンフン)論説主幹のコラム「タプタプハダ」(韓国語、10月30日)が、それを鮮明に描いています(注1)。
(注1)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。
「タプタプハダ」という韓国語の形容詞は、日本語の1つの言葉には置き代えにくいのですが「心配事があるのだが、解決する方法もないのでますます憂鬱になる」といったニュアンスです。コラムの骨子は以下です。
中国製スマートフォンに負ける
•韓国が世界に誇ったスマートフォンも、中国の無名の企業が恐ろしく安い価格で売るようになった。産業研究院は4年以内に半導体と自動車を除いた全産業が中国に追い越されると予想している。
- 1990年前後に生まれた子供は、小学校に入る頃、通貨危機に出会った。高校を卒業する頃、リーマンショックを経験した。受験地獄を乗り越えて入った大学を卒業しても、いい職に就くのは難しい。これが世界最低の出生率と、世界最悪の高齢化を生み出している。
•過去10年間で廃業した自営業は800万社に肉薄する。韓国銀行総裁は「家計負債が1000兆ウォン(約108兆円)を超え、消費を委縮させる段階に至った」と診断する。
•ある経営者は「我が国はピークを越えたようだ」と言う。国内外ともに低成長の今、官僚も「打てる政策手段はない」と打ち明ける。
•一時は世界で11位の規模だった韓国経済が15位に後退した。ブラジル、ロシア、インドに抜かれたのだ。さらに落ち込むのは時間の問題だ。
–問題は中国からの追い上げと少子高齢化で未来がない、ということですね。
高齢化への備えがない韓国
鈴置:ええ。いずれの問題も「未知との遭遇」です。韓国は日本の産業構造と技術を模倣することで成長を実現しました。常に追う側だったのですが、初めて追われる側に回ったのです。今度はお手本にすべき青写真がありません。ことに追撃者が巨大な中国ですから、恐怖感もひとしおでしょう。後者の少子高齢化も日本が“先輩”なのですが、その日本にも解決策がない。ことに韓国は公的年金や介護保険など、高齢化への備えが不十分です。このままでは国全体が、日本とは比べものにならない悲惨な状況に直面することは目に見えています。 楊相勲論説主幹が自営業の廃業数に触れたのは理由があります。韓国の民間企業の社員は、多くが50歳代半ばで退職を余儀なくされます。しかし、年金だけでは生活できない人がほとんど。そこで慣れない自営業に手を出し、失敗するケースが相次いでいます。大量の廃業は少子高齢化問題の、韓国独特の症状なのです。膨れ上がる家計負債を指摘したのは、低成長で所得が増えないため借金する人が増え、社会問題になっているためです。低成長も少子高齢化が最大の原因です。このところ、韓国紙に「タプタプハダ」を訴えるコラムが増えていました。ただ、韓国人は喜怒哀楽が極端です。新聞も一喜一憂します。昨日「韓国経済は絶好調」と書いていた新聞が、今日は「お先真っ暗」と嘆くのです。韓国紙を額面通り受け取ると間違えます。しかし、楊相勲論説主幹がそう書いたので「閉塞感は一時的な感情論ではなく、根深い問題になったのだな」と確信しました。楊相勲論説主幹は韓国には珍しく、情緒に流されないで記事を書く記者だからです。
財閥の総帥は悪者
木村:今回のソウル滞在中に驚いたことがあります。それはサムスン電子の李健熙(イ・ゴンヒ)会長の入院を、多くの韓国メディアが大事件として報じていたことです。会長の健康回復を、普通の韓国人が心から祈っているように見えました。
鈴置:興味深い観察ですね。韓国で財閥のオーナーは“悪者”。李健熙会長の父親で、サムスングループの創業者の李秉喆(イ・ビョンチョル)氏が1987年に亡くなりました。この時、ほとんどの韓国紙は訃報を1面トップで扱いませんでした。 その少し後に松下幸之助氏が亡くなったのですが、日本の各紙は当然、1面トップ。対照的な報道ぶりでした。当時ソウルに住んでいた私は、日本をよく知る、韓国有力紙の編集局長に「日本における幸之助の存在よりも、韓国における李秉喆の存在の方がはるかに大きい。だのになぜ、1面トップにしないのか」と聞いたものです。答えは「確かにそうだが、韓国では財閥は政権と癒着して儲けた悪い奴、というイメージが強い。大きく扱えば、読者から必ず反発を食う」でした。
木村:鈴置さんの指摘通り、韓国では財閥の総帥は「悪い奴」として扱われてきました。でも、今では多くの韓国人が「李健熙会長後のサムスン」に懸念を抱き、このカリスマ経営者の回復を心から祈っているのです。「この先どうなるか分からないのに、これでサムスンまでこけたら大変だ」という韓国人の不安が現れているように思います。
「人口オーナス期」に突入
–少子高齢化はもっと前から予測できたのではありませんか?
鈴置:その通りです。グラフは『老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき』を書いた日本総研の大泉啓一郎・上席主任研究員が作ったものです。グラフ1を見ると、日本と同様に韓国で急速な高齢化が進んでいることが分かります。
グラフ1:日中韓の高齢化率の比較
グラフ2からは、人口構成が経済成長にマイナスの影響を与える「人口オーナス」の時期に韓国も突入し始めたことがよく分かります。働かない年代の人口の数を働く年代のそれで割った「従属人口比率」が底を打ったのです。
グラフ2:日中韓の従属人口比率の推移(中位推計)
大泉さんは「韓国の専門家が真剣な顔で日本の状況を聞いてくるようになった」と語っています(「日本より重い『日本病』に罹る韓国」参照)。2012年には韓国の一部メディアも、日本の例をあげて警告を発しました(「『日本病にかかった』とついに認めた韓国」参照)。卸売物価上昇率も前年同月比で、2012年9月から2014年5月まで20カ月連続でマイナスを記録するなど、明らかに少子高齢化の症状が出ていました。ただ、その警告は世論に火を付けませんでした。「日本を追い越した」と韓国メディアは大声で謳いあげていたので「あの落ちぶれた日本と同じ道をたどる」ことを意味する予測は嫌われたのです。
「下り坂の韓国」に気づく
木村:韓国人は言わば「坂の上の雲」を目指し、ひたすら走ってきました。それは日本の背中を追うことでもあったのですが、ある日突然、前を走る日本の姿がかき消えた。 おかしいな、と思いながら走り続けていると突然、下り坂を降りていく――人口減少という名の坂を転げ落ちている――日本が視野に入った。「ああ、自分も今、峠を越えたのだ、後は下るしかないのだ」と、ようやく気がついた感じでしょうか。
鈴置:保守論壇の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問も2014年11月11日に「韓国の行き詰まり」を書いたのですが、そのコラムの見出しが、まさに「我々は下り坂を行く」(韓国語)でした(注2)。(注2)この記事は朝鮮日報の有料会員だけが読める。なお、韓国の高齢化のスピードはこれから加速するので、“下り坂”では日本を追い越してしまうかもしれない、との恐怖感が韓国の専門家の間には生まれています。
セウォル号のトラウマ
–ではなぜ、少子高齢化が今になって、ようやく語られ始めたのでしょうか。
木村:現在の韓国の不安感、閉塞感の「公論化」のきっかけは、2014年4月の旅客船「セウォル号」沈没事件だと思います。
鈴置:悲惨な事故でした。テレビが中継する中、300人以上を乗せた船がなすすべもなく沈んでいく。多くは高校生で、船長以下多くの船員がわれ先に逃げ出す中、「船に留まれば安全だ」との指示を無心に信じて死んでいったのです。
木村:「若者が死んでいくというのに何もしてやれない」という無力感が国全体を覆いました。韓国の人たちが自らの国を見つめ直す、大きな契機になったと思います。
鈴置:韓国のメディアは「発展途上国型の事故だった」と声をそろえました。転覆しやすい構造に改造しても、簡単に荷崩れするやり方で貨物を積んでも、国の検査を通っていた。救命ボートも使える状態にはなかったのに、これも検査をパス。 そして船長以下の船員は乗客に向かって「船内にいれば大丈夫」と言い残して先に逃げたのです。救命ボートを使えないことが発覚するのを恐れたためだ、と指摘した韓国紙もあります。これら一連の無責任な行動に対し、韓国人は「我が国は一流の先進国になったはずではなかったのか」と怒り始めたのです。
より攻撃的になる韓国人
木村:事故の処理でも韓国人のトラウマは広がりました。国会で真相究明委員会を立ち上げようとしたのですが、一部の強硬な遺族の要求もあって、与野党は半年間近くも委員会を構成できなかった。その間、国会は完全にマヒし、経済活性化など緊急に処理せねばならない重要法案はたなざらしになりました。韓国人はここでも「我が国は本当に大丈夫なのか」と考え込みました。セウォル号による極めて深刻な「社会的ショック」を契機に、韓国人は少子高齢化や中国の追撃といった、これまであまり目を向けてこなかった問題に関して議論を始めたのです。
鈴置:木村先生と同じ時期に訪韓し、韓国の記者から「閉塞感の蔓延した韓国」を聞いた日本の専門家がいます。韓国記者は「この重苦しさを振り払うために、韓国人は攻撃的になるだろう」と予測したそうです。
閉塞感のはけ口は?
–今以上にですか? さらに反日をやるのですか?
鈴置:反日も続けるでしょうが、それに限らないと思います。政権としては、閉塞感へのはけ口が自分に向かないようにできるのなら何でもいいのです。歴代政権の定番の手口ですが、前の大統領を叩こうと考えるかもしれません。あるいは国内の左翼集団の“陰謀”を暴き、北朝鮮に対する国民の怒りに火を付ける手もあります。
木村:「反日」は今や、国内的に人気のあるテーマではない――正確には「あまりにしばしば用いられたために、飽きられつつあるイシュー」になってしまいました。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が使うとしたら「北朝鮮カード」ではないかと思います。このところ韓国政府の対北政策が強硬姿勢に振れており、南北関係は悪化しつつあります。国民の「憂さ晴らし」を実行するにはちょうどいい環境が生まれつつあります。
決断できない大統領
–対北強硬策をさらに強める可能性があるということですね。
木村:ええ。ただ、こうした機会主義的ではあるものの、政権にとっては合理的でもある判断を、今の韓国政府が実行に移せるかは疑問が残ります。北朝鮮カードを使うなら「セウォル号事件」で政権批判が高まっていた時にこそ使うべきだったのに、そうはしなかった――あるいはできなかったのです。少子高齢化や中国の追い上げなどの経済問題も同様です。2013年2月に発足して以来、大統領選挙で公約したことを含めて、この政権は大きな成果をほとんどあげていません。 もちろんこれらは難問です。だから解決するには利害対立を調整する強いリーダーシップが必要なのです。ただ、朴槿恵大統領がそれを発揮しているとは見られていません。この「何も決断できない」朴槿恵大統領への不安こそが今、韓国社会で膨れ上がる閉塞感の温床になっているのだと思います。 はたして、分水嶺にある韓国をいい方向に引っ張っていく指導力が朴槿恵大統領にあるのか――。韓国の人々は今、青瓦台(大統領府)を不安の眼差しでじっと見つめているのです。
(次回に続く)
12/14産経ニュース 田村 秀男『日本企業は中国に見切りを』 記事について
産経の田村記者の記事です。彼は元日経記者ですが日経とは肌が合わなかったのでしょう。日本のマスコミは狂っていますから。他社から産経に移ったのは古森義久氏、伊藤正氏がいます。中国批判の記事は日経では書きにくいのがあるでしょうから。日経は経団連の御用新聞で、経団連が中国進出を煽っていました。中国と言うモンスターを造り、軍事力で日本を制圧しようとする意図を持たせるまでの力を与えたのは間違いなく彼らです。「恥を知れ」と言いたい。会社のトップ連中の集まりがこの程度です。幕末から昭和にかけて真のエリートはいましたが、今は存在しません。自分のことと金儲けだけ。愛国的経営者は殆どいません。三島が言った「無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。」の予言の通りです。
日本人が豊かさを実感できるよう田村記者が言うように中国進出している日本企業は中国から撤退し、日本に工場を作るべきと思います。「海外で稼いだ金は日本人には分配できない」と考える経営者は自分を生んでくれた大地に対して感謝の念が足りません。
記事
今から29年前の1985年9月、ニューヨーク・セントラルパーク脇のプラザ・ホテルで日米欧5カ国の財務相・中央銀行総裁が集まって、ドル高是正で合意した。外国為替市場では円高ドル安が急速な勢いで進行していく。日本の某新興不動産業者一行はナマオケ楽団を引き連れ訪米し、夜はホテルで演歌に興じながら全米を回り、物件を見つけては札びらを切って買い漁った。米側は、日本企業に押されていた自動車や半導体・スーパーコンピューターなどハイテク部門で巻き返そうと躍起になっていた。円高ドル安に加えて、中央情報局(CIA)まで動員して半導体の海外市場のデータを収集して日本の半導体業界のダンピングの証拠をそろえ、通商法を活用して制裁条項を発動するほど徹底していた。結果は、日本の自滅同然だった。不動産業者はことごとく米市場で巨額の損失を出し、軒並み撤退。日本経済自体は成り上がり企業の失敗談で済むはずはなかった。
日銀による金融緩和マネーは株式や不動産市場に流れて、バブルを膨張させ、90年代初めに崩壊。今なお脱し切れていない慢性デフレの淵源(えんげん)はプラザ合意にあると言ってよいだろう。それほど、通貨水準の変更は一国の運命を狂わせる可能性がある。そこで、少し気になったのが、最近の急速な円安ドル高の進行だ。過去の円高期に大変な勢いで日本企業が中国に進出した。その通貨、人民元の方はドルに対して小刻みに上昇している。アベノミクスが始まって以来の1円当たりの元相場と、プラザ合意後の1ドル当たりの円相場の推移を照合したのがグラフである。円・元のトレンドはかなりの程度、プラザ合意後のドル・円に似通っている。プラザ合意当時の日本は今の中国、米国は日本とでも言うべきか。例えば、チャイナ・マネーによる不動産投資だ。カナダ、豪州やシンガポールでは、中国人による買いの影響で、住宅価格が上がり過ぎたとして、市民の間で反発が高まっているほどだ。今後は東京都心などの不動産の買い漁りに拍車がかかるかもしれない。元は円に対して50%以上も高くなったから、中国人にとって東京などの不動産は割安もいいところだ。中国国内の不動産市況が悪化しているのに比べ、中国人投資家の間では2020年の東京五輪に向け、相場が上昇するとの期待も高い。
肝腎なのは、日本企業である。プラザ合意後、米半導体産業はドル安に技術開発戦略の強化などを組み合わせてインテル、マイクロンが息を吹き返した。自動車ビッグ3も小型車開発の時間を稼いだ。今回、日本企業はどうするのか。円安に伴う収益増を国内外の株主への配当に回して喜ばせるだけなら、日本全体への波及効果に乏しい。割高になった中国での生産に見切りを付けて、本国にカムバックする戦略に本格的に取り組んだらどうか。 (産経新聞特別記者)
産経ニュース【お金は知っている】2014.12.14
12/13日経『中国景気、減速感なお強く 生産など伸び鈍化』記事について
日経にも中国経済の減速記事が載り出すようになってきました。あれだけ中国進出を煽っていたのが様変わりです。7%成長なんてありえないと思います。外国企業の投資誘致と官僚の出世のため、必ず上げ底をしています。前にも書きましたように21兆$もの借金を国の経済主体が負っています。この債務をどのように返済しようとしますか?多分踏み倒すだけでしょう。中国国内でやり合う分にはいいですが、外国企業の債務も勿論踏み倒されるでしょう。みかけ利益が出ている企業は配当、ロイヤルテイで早く資金を日本に還流させた方が良いです。下の若干古い2012年の融資と輸送量のグラフ(夕刊フジより)ですが、趨勢は変わらないと見ていいでしょう。李首相が言ったのは「電力消費、鉄道貨物輸送量、銀行融資を見ないと本当に経済成長しているかどうか判断できない」とのことですが、これを見ますと中国が嘘を言っているのが良く分かります。新規投資は避けるべきで、投下資本を如何に損を少くなくするかを考えた方が良いでしょう。ロイターの記事も似たように書いています。
WRAPUP 2-China’s factory and investment growth flagging, more stimulus seen Fri Dec 12, 2014 4:36am EST
BEIJING, Dec 12 (Reuters) – China’s economy showed further signs of fatigue in November, with factory output growth slowing more than expected and growth in investment near a 13-year low, putting pressure on policymakers to unveil fresh stimulus measures. In a sign that banks were already responding to Beijing’s instructions to reflate the economy, however, new lending jumped 56 percent in the month. Weighed down by a sagging housing market, China’s economic growth had already weakened to 7.3 percent in the third quarter, so November’s soft factory and investment figures suggest full-year growth will miss Beijing’s 7.5 percent target and mark the weakest expansion in 24 years. ”The data bodes ill for GDP growth in the fourth quarter, which is bound to slow further,” said Dariusz Kowalczyk, senior economist at Credit Agricole CIB in Hong Kong.
Growth in real estate investment also slipped for the first 11 months of 2014, though property sales registered their best month this year, buoyed by Beijing’s efforts to revive a sector on which so much of the economy depends.
After September’s move to cut mortgage rates and downpayments for some home buyers, the People’s Bank of China cut interest rates on Nov. 21 for the first time in two years. The surprise rate cut signalled policymakers’ growing concern that a sharper slowdown in the economy would raise the risk of job losses and loan defaults. Factory output rose 7.2 percent in November from a year earlier, down from October’s 7.7 percent, the National Bureau of Statistics said on Friday, and missing analysts’ forecasts of 7.5 percent. Fixed-asset investment, an important driver of growth, grew 15.8 percent in the first 11 months from the same period last year, slipping from 15.9 percent in the first 10 months.
FREER LENDING
The rise in new loans comes after sources told Reuters on Thursday that the People’s Bank of China (PBOC) had instructed banks to lend more and had quietly relaxed the enforcement of loan-to-deposit ratios to further that end. ”The lending numbers give hope that investment will pick up now that there is more funds available to pay for capital spending projects,” said Kowalczyk. Not all the new lending is being put to productive use, however, as some will just replace existing debt, and there is evidence that speculators are ploughing some of it into a wild stock market rally of recent weeks. Other data this week showed China’s export growth slowed sharply in November, while imports unexpectedly shrank. And despite the resulting expansion in the money supply, consumer inflation hit a five-year low, stoking expectations that Beijing may move more aggressively to stave off deflation, including a cut to banks’ reserve requirement ratio (RRR), which would allow them to lend still more. ”We’re ready for an RRR cut at any point. We think there will be 100 basis points of cuts over the next couple of quarters,” said Tim Condon, head of Asia research at ING in Singapore.
The closure of many factories in northern China early in November to reduce air pollution as Asia-Pacific leaders met in Beijing likely curbed industrial output, but demand for products such as concrete and steel was also hit by slackening growth in export orders and the cooling housing market. A bright spot in November was retail sales, where growth ticked up to 11.7 percent from 11.5 percent in October, which was the slowest pace since early 2006. Analysts expect further interventions by Beijing in 2015 after top leaders at the annual Central Economic Work Conference on Thursday pledged to make fiscal policy “more forceful” while keeping monetary policy “not too tight or too loose”. Economists who advise the government have recommended that China lower its economic growth target to around 7 percent in 2015. (Writing by Will Waterman; Editing by Kim Coghill)
記事
【北京=大越匡洋】中国国家統計局が12日発表した11月の主要経済統計によると、生産と投資の伸びが一段と鈍った。建材や乗用車の生産の落ち込みが目立ち、雇用情勢にも影が差しつつある。中国人民銀行(中央銀行)は11月、2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、当面は減速感が強い景気の下支えに向けて緩めの金融政策を続ける構えだ。11月の工業生産は前年同月に比べ7.2%増となり、伸びが前月より0.5ポイント鈍った。住宅販売の不振を受け11月のセメントの1日当たり生産量は4.0%減り、減少幅が前月より2.9ポイント広がった。粗鋼や板ガラスの生産も前年水準を割り込んでいる。乗用車の生産量も4.5%減と、今年初めて前年を下回った。11月に北京で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の影響を挙げる声もある。中国政府は期間中の大気汚染を減らそうと北京、天津、河北省など広い地域で工場の操業や建設を停止・制限した。交通規制で資材を運べず、減産を迫られた企業もある。一時的な減速とは言い切れない面もある。住宅はその典型例だ。1~11月の不動産販売額は前年同期比7.8%減った。1~11月の不動産開発投資は11.9%増と、伸び率はリーマン・ショック後の2009年1~7月以来の低水準に沈んだ。11月の利下げをきっかけに上海など大都市で住宅価格が下げ止まる気配はある半面、住宅市況の不振を背景にした景気の下押し圧力はなお強い。建設・設備投資の合計である固定資産投資も1~11月は15.8%増と、1~10月より伸びが0.1ポイント鈍った。2割近かった昨年通年の伸びを大きく下回る。消費の動向を示す社会消費品小売総額は11月に前年同月比11.7%増と、前月の伸びを0.2ポイント上回ったが、景気減速を押しとどめるほどの力強さはない。「高望みはしていないが、楽観もしていない」。12月初め、重慶市内の就職フェアに訪れた大学4年生の女性は不安げな表情を浮かべた。来年の大学卒業生は750万人近くで前年より20万人以上多いとされ、若者の就職戦線は厳しさを増す。浙江省の金融会社、陝西省の食品会社、広東省の照明会社……。10月以降、中国国内では経営者が「夜逃げ」したニュースが相次いだ。山西省の民営鉄鋼大手も破産した。連鎖倒産が広がるような深刻さはないものの、不振企業の増大によって習近平指導部が重視する雇用の確保に悪影響が及ぶ恐れはくすぶる。景気の一段の悪化を防ぐため、中国政府は鉄道などインフラ案件の着工を矢継ぎ早に認可した。一方で来年の経済成長率の目標は今年の「7.5%前後」から下げ、「7%前後」が軸となる見通しだ。習指導部は安定成長の軌道に軟着陸させる考えだが、中国経済の気流の乱れは増している。













