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12/14産経ニュース 田村 秀男『日本企業は中国に見切りを』 記事について  

産経の田村記者の記事です。彼は元日経記者ですが日経とは肌が合わなかったのでしょう。日本のマスコミは狂っていますから。他社から産経に移ったのは古森義久氏、伊藤正氏がいます。中国批判の記事は日経では書きにくいのがあるでしょうから。日経は経団連の御用新聞で、経団連が中国進出を煽っていました。中国と言うモンスターを造り、軍事力で日本を制圧しようとする意図を持たせるまでの力を与えたのは間違いなく彼らです。「恥を知れ」と言いたい。会社のトップ連中の集まりがこの程度です。幕末から昭和にかけて真のエリートはいましたが、今は存在しません。自分のことと金儲けだけ。愛国的経営者は殆どいません。三島が言った「無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。」の予言の通りです。

日本人が豊かさを実感できるよう田村記者が言うように中国進出している日本企業は中国から撤退し、日本に工場を作るべきと思います。「海外で稼いだ金は日本人には分配できない」と考える経営者は自分を生んでくれた大地に対して感謝の念が足りません。

記事

今から29年前の1985年9月、ニューヨーク・セントラルパーク脇のプラザ・ホテルで日米欧5カ国の財務相・中央銀行総裁が集まって、ドル高是正で合意した。外国為替市場では円高ドル安が急速な勢いで進行していく。日本の某新興不動産業者一行はナマオケ楽団を引き連れ訪米し、夜はホテルで演歌に興じながら全米を回り、物件を見つけては札びらを切って買い漁った。米側は、日本企業に押されていた自動車や半導体・スーパーコンピューターなどハイテク部門で巻き返そうと躍起になっていた。円高ドル安に加えて、中央情報局(CIA)まで動員して半導体の海外市場のデータを収集して日本の半導体業界のダンピングの証拠をそろえ、通商法を活用して制裁条項を発動するほど徹底していた。結果は、日本の自滅同然だった。不動産業者はことごとく米市場で巨額の損失を出し、軒並み撤退。日本経済自体は成り上がり企業の失敗談で済むはずはなかった。

日銀による金融緩和マネーは株式や不動産市場に流れて、バブルを膨張させ、90年代初めに崩壊。今なお脱し切れていない慢性デフレの淵源(えんげん)はプラザ合意にあると言ってよいだろう。それほど、通貨水準の変更は一国の運命を狂わせる可能性がある。そこで、少し気になったのが、最近の急速な円安ドル高の進行だ。過去の円高期に大変な勢いで日本企業が中国に進出した。その通貨、人民元の方はドルに対して小刻みに上昇している。アベノミクスが始まって以来の1円当たりの元相場と、プラザ合意後の1ドル当たりの円相場の推移を照合したのがグラフである。円・元のトレンドはかなりの程度、プラザ合意後のドル・円に似通っている。プラザ合意当時の日本は今の中国、米国は日本とでも言うべきか。例えば、チャイナ・マネーによる不動産投資だ。カナダ、豪州やシンガポールでは、中国人による買いの影響で、住宅価格が上がり過ぎたとして、市民の間で反発が高まっているほどだ。今後は東京都心などの不動産の買い漁りに拍車がかかるかもしれない。元は円に対して50%以上も高くなったから、中国人にとって東京などの不動産は割安もいいところだ。中国国内の不動産市況が悪化しているのに比べ、中国人投資家の間では2020年の東京五輪に向け、相場が上昇するとの期待も高い。

肝腎なのは、日本企業である。プラザ合意後、米半導体産業はドル安に技術開発戦略の強化などを組み合わせてインテル、マイクロンが息を吹き返した。自動車ビッグ3も小型車開発の時間を稼いだ。今回、日本企業はどうするのか。円安に伴う収益増を国内外の株主への配当に回して喜ばせるだけなら、日本全体への波及効果に乏しい。割高になった中国での生産に見切りを付けて、本国にカムバックする戦略に本格的に取り組んだらどうか。 (産経新聞特別記者)

産経ニュース【お金は知っている】2014.12.14

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12/13日経『中国景気、減速感なお強く 生産など伸び鈍化』記事について

日経にも中国経済の減速記事が載り出すようになってきました。あれだけ中国進出を煽っていたのが様変わりです。7%成長なんてありえないと思います。外国企業の投資誘致と官僚の出世のため、必ず上げ底をしています。前にも書きましたように21兆$もの借金を国の経済主体が負っています。この債務をどのように返済しようとしますか?多分踏み倒すだけでしょう。中国国内でやり合う分にはいいですが、外国企業の債務も勿論踏み倒されるでしょう。みかけ利益が出ている企業は配当、ロイヤルテイで早く資金を日本に還流させた方が良いです。下の若干古い2012年の融資と輸送量のグラフ(夕刊フジより)ですが、趨勢は変わらないと見ていいでしょう。李首相が言ったのは「電力消費、鉄道貨物輸送量、銀行融資を見ないと本当に経済成長しているかどうか判断できない」とのことですが、これを見ますと中国が嘘を言っているのが良く分かります。新規投資は避けるべきで、投下資本を如何に損を少くなくするかを考えた方が良いでしょう。ロイターの記事も似たように書いています。

WRAPUP 2-China’s factory and investment growth flagging, more stimulus seen Fri Dec 12, 2014 4:36am EST

BEIJING, Dec 12 (Reuters) – China’s economy showed further signs of fatigue in November, with factory output growth slowing more than expected and growth in investment near a 13-year low, putting pressure on policymakers to unveil fresh stimulus measures. In a sign that banks were already responding to Beijing’s instructions to reflate the economy, however, new lending jumped 56 percent in the month. Weighed down by a sagging housing market, China’s economic growth had already weakened to 7.3 percent in the third quarter, so November’s soft factory and investment figures suggest full-year growth will miss Beijing’s 7.5 percent target and mark the weakest expansion in 24 years. ”The data bodes ill for GDP growth in the fourth quarter, which is bound to slow further,” said Dariusz Kowalczyk, senior economist at Credit Agricole CIB in Hong Kong.

Growth in real estate investment also slipped for the first 11 months of 2014, though property sales registered their best month this year, buoyed by Beijing’s efforts to revive a sector on which so much of the economy depends.

After September’s move to cut mortgage rates and downpayments for some home buyers, the People’s Bank of China cut interest rates on Nov. 21 for the first time in two years. The surprise rate cut signalled policymakers’ growing concern that a sharper slowdown in the economy would raise the risk of job losses and loan defaults. Factory output rose 7.2 percent in November from a year earlier, down from October’s 7.7 percent, the National Bureau of Statistics said on Friday, and missing analysts’ forecasts of 7.5 percent. Fixed-asset investment, an important driver of growth, grew 15.8 percent in the first 11 months from the same period last year, slipping from 15.9 percent in the first 10 months.

FREER LENDING

The rise in new loans comes after sources told Reuters on Thursday that the People’s Bank of China (PBOC) had instructed banks to lend more and had quietly relaxed the enforcement of loan-to-deposit ratios to further that end. ”The lending numbers give hope that investment will pick up now that there is more funds available to pay for capital spending projects,” said Kowalczyk. Not all the new lending is being put to productive use, however, as some will just replace existing debt, and there is evidence that speculators are ploughing some of it into a wild stock market rally of recent weeks. Other data this week showed China’s export growth slowed sharply in November, while imports unexpectedly shrank. And despite the resulting expansion in the money supply, consumer inflation hit a five-year low, stoking expectations that Beijing may move more aggressively to stave off deflation, including a cut to banks’ reserve requirement ratio (RRR), which would allow them to lend still more. ”We’re ready for an RRR cut at any point. We think there will be 100 basis points of cuts over the next couple of quarters,” said Tim Condon, head of Asia research at ING in Singapore.

The closure of many factories in northern China early in November to reduce air pollution as Asia-Pacific leaders met in Beijing likely curbed industrial output, but demand for products such as concrete and steel was also hit by slackening growth in export orders and the cooling housing market. A bright spot in November was retail sales, where growth ticked up to 11.7 percent from 11.5 percent in October, which was the slowest pace since early 2006. Analysts expect further interventions by Beijing in 2015 after top leaders at the annual Central Economic Work Conference on Thursday pledged to make fiscal policy “more forceful” while keeping monetary policy “not too tight or too loose”. Economists who advise the government have recommended that China lower its economic growth target to around 7 percent in 2015. (Writing by Will Waterman; Editing by Kim Coghill)

China loan transportation

記事

【北京=大越匡洋】中国国家統計局が12日発表した11月の主要経済統計によると、生産と投資の伸びが一段と鈍った。建材や乗用車の生産の落ち込みが目立ち、雇用情勢にも影が差しつつある。中国人民銀行(中央銀行)は11月、2年4カ月ぶりの利下げに踏み切ったが、当面は減速感が強い景気の下支えに向けて緩めの金融政策を続ける構えだ。11月の工業生産は前年同月に比べ7.2%増となり、伸びが前月より0.5ポイント鈍った。住宅販売の不振を受け11月のセメントの1日当たり生産量は4.0%減り、減少幅が前月より2.9ポイント広がった。粗鋼や板ガラスの生産も前年水準を割り込んでいる。乗用車の生産量も4.5%減と、今年初めて前年を下回った。11月に北京で開いたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の影響を挙げる声もある。中国政府は期間中の大気汚染を減らそうと北京、天津、河北省など広い地域で工場の操業や建設を停止・制限した。交通規制で資材を運べず、減産を迫られた企業もある。一時的な減速とは言い切れない面もある。住宅はその典型例だ。1~11月の不動産販売額は前年同期比7.8%減った。1~11月の不動産開発投資は11.9%増と、伸び率はリーマン・ショック後の2009年1~7月以来の低水準に沈んだ。11月の利下げをきっかけに上海など大都市で住宅価格が下げ止まる気配はある半面、住宅市況の不振を背景にした景気の下押し圧力はなお強い。建設・設備投資の合計である固定資産投資も1~11月は15.8%増と、1~10月より伸びが0.1ポイント鈍った。2割近かった昨年通年の伸びを大きく下回る。消費の動向を示す社会消費品小売総額は11月に前年同月比11.7%増と、前月の伸びを0.2ポイント上回ったが、景気減速を押しとどめるほどの力強さはない。「高望みはしていないが、楽観もしていない」。12月初め、重慶市内の就職フェアに訪れた大学4年生の女性は不安げな表情を浮かべた。来年の大学卒業生は750万人近くで前年より20万人以上多いとされ、若者の就職戦線は厳しさを増す。浙江省の金融会社、陝西省の食品会社、広東省の照明会社……。10月以降、中国国内では経営者が「夜逃げ」したニュースが相次いだ。山西省の民営鉄鋼大手も破産した。連鎖倒産が広がるような深刻さはないものの、不振企業の増大によって習近平指導部が重視する雇用の確保に悪影響が及ぶ恐れはくすぶる。景気の一段の悪化を防ぐため、中国政府は鉄道などインフラ案件の着工を矢継ぎ早に認可した。一方で来年の経済成長率の目標は今年の「7.5%前後」から下げ、「7%前後」が軸となる見通しだ。習指導部は安定成長の軌道に軟着陸させる考えだが、中国経済の気流の乱れは増している。

 

 

 

西尾幹二著『アメリカと中国はどう日本を「侵略」するのか』を読んで

西尾氏の本を読んでつくづく感じますのはアメリカの悪意です。一番悪いのは戦後占領政策として採った検閲です。二番は憲法の押付けです。第三は戦中の原爆投下です。一は人権侵害、二と三は国際法違反です。もっと言えば戦前の1941年7月23日、FDR(ローズベルト)はフライングタイガースによる日本本土爆撃計画に署名しました。中立国義務違反です。当然、真珠湾攻撃の前です。検閲政策はアメリカの都合の悪い部分を焚書して日本人を洗脳したわけです。WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の一環です。もういい加減歴史の真実に日本国民は気が付くべきです。アメリカに安全を全面的に委ねるのは危険です。勿論中国と対峙するにはアメリカの力を借りねばなりませんが。

中国は昔から民族的特性は変わりません。韓国もですが。しかし、日本の経済人のレベルは間違いなく下がっています。目先の利益に拘り、自分だけ(或は自分の企業だけ)が良い思いをすればいいという経営者が多いのでは。日本の名誉について無関心、歴史についても学ぼうとせず、ハウツーのものだけ。中国の進出熱は収まったように見えますが、これから投資したものの回収をどうやるつもりなのでしょう。

本の内容

中国の持ち駒となる韓国、北朝鮮、台湾、そしてアメリカ

「中国海軍レーダー照射事件」(ニ〇一三年一月)が起こったとき、私は「盧溝橋事件」一九三七年)に似ていると思った。なんとかして日本に先に手を出させようする、昔の支那人のやり方とそっくりだった。日本国憲法の前文で、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」という言葉がある。この言葉は、中国や韓国や北朝鮮の公正と信義に期待する、ということだとしたら、あまりにもまぬけで馬鹿馬鹿しい条文であることは最近ではみなわかってきている。 しかし、「諸国民」がその三国に限られるなら馬鹿げた前提だと嘲るだけでいいがそこにはアメリカも入っているのではないか。アメリカの公正と信義に信頼して、これらの安全と生存を保持するというのが、日本の現実なのではないか。だとしたら条文を嘲るだけでは済まない。すごく真に迫った、無責任な空手形を頼りにして生きている、薄氷を踏む思いのこの国の「不安の正体」に直面するのである。 アメリカ政府は、日本の安全保障や北朝鮮政策についてはあやふやである。ヒラリー・クリントン前国務長官は「日米安保条約第五条に適応する」と言ったし、バラ ク・オバマ大統領も二〇一四年四月の訪日で、ついにそう明言した。しかし中国は、表向き怒ってみせているが、「アメリカの信頼を勝ち得ているのは、 日本よりむしろわが国だ」と言わんばかりの態度もとっている。日本のうろたえぶりが外目に見えているのであろう。 韓国はすっかり中国寄りになっていて、アメリカの言うことをあまり聞かない。 「日韓秘密情報保護協定」(ニ〇一二年六月)をアメリカが要求したが、韓国は土壇場で拒否している。

翌々月(ニ〇 一二年八月)には、尖閣問題で日本国内が乱れているのを見て、韓国大統領李明博が竹島に上陸した。韓国は、日本がすぐ中国に屈服すると見越した。日本が全面敗北すると想定して、中国に擦り寄ったのだと見ていい。それが李明博の動きだった。韓国は昔もロシアに擦り寄り、清に擦り寄り、日本にも擦り寄り、いつでも事大主義で強いほうにつく。中国は今や労せずして、日韓分断に成功している。北朝鮮もにわかに混乱している。中国とアメリカが裏で動いている証拠ではないか。中国が北朝鮮を制裁するような国連決議にサインした。これはかなりアメリカに同調している。北朝鮮を処理することにおいて、米中で話し合いが進んでいるのかもしれない。しかし現実には、アメリカが中国に北朝鮮の処理を委ねている現状をそう簡単に変えることはできないだろう。北朝鮮が中国に反抗的になることはあつても、中国から完全に離れられないのも現実である。エネルギーと食糧供給で縛られている。ただ、韓国の中国への擦り寄りはかなり決定的で、今後動かない方向のように見える。台湾もまた、馬英九政権になって以来、中国寄りになっている。台湾が尖閣沖で「水鉄砲発射」(ニ〇一ニ年九月)をやったのを覚えている人は多いだろう。台湾がやったことが、私はショックだった。台湾もまた、中国から見ると使いやすい手駒のひとつになっている。台湾を手なづけた中国は、沖縄を奪取するために、利用価値を次第に高めるだろう。中国はずるい国で、威嚇はするが、実際にはなかなか軍事的に行動しない。へタすると、中国共産党が崩壊してしまうからだが、中国は自ら日本を侵略する必要はない。韓国、北朝鮮、台湾に侵略させればいい。その三国も反日勢力になってきている。 「三国(韓北台)を利用すればいい」。中国はそう考えているに違いない。

「真実」より「宣伝力」が物を言う国 (抜粋) 長野朗の『支那三十年』より

習近平はドイツ訪問に先立って、ホロコーストの犠牲者の施設で「反安倍」の演説をやろうと企てたが、さすがにこれはドイツ政府が断った。李克強は「尖閣は日清戦争のドサクサに日本が盗んだ」と、欧州旅行で言って歩いた。こういうとき、中国政府は各国駐在の外交官を総動員する。習近平の先の例において、 五十力国の在外公館が同じ内容の政治宣伝を繰り広げたらしい。何ともおぞましい限りだが、このような宣伝は中国の国内では有効でも、平和な地域の国際社会では、かえって逆効果となることも考えられる。ただ、「南京虐殺」は当時の国民党の「宣伝」がつくった虚構であり、それに「東京裁判」が悪乗りしたのであるが、今に至るも信じている人がいるのは、「宣伝」も激しく長くやれば「現実」になりかねないという恐ろしさがある。

「支那では車賃が非常に安い。一里で十銭ぐらいだから、日本から支那に行った人は、これでは可哀想だというので、二十銭も与える。すると支那人のほうでは、これに感謝するというよりも、「こいつは十銭でいいところにニ十銭も与えるのは馬鹿なやつだ。もう少し催促したらもっとくれるだろう」というので、「少ないからもっとくれ」と言ってどこまでもついてくる。それをくれると、またついてくる。ところが反対に、一里十銭のところに八銭ぐらい与えると、「こいつはなかなか喰えない」とそのまま引き下がっていく。ある米国の宣教師夫妻が山東を旅行しているときに、道に乞食がいたので、可哀想だと思って 一円銀貨を与えた。その乞食は大いに感謝すべきはずだが、彼が考えたのは、「一円あれば一力月くらい食える(普通、乞食が貰うのは、たかだか一銭銅貨一枚くらい)。乞食に一円銀貨を投げ出すような人は、余程の金持ちに相違ない」 というので、早速仲間を語らい、先回りして宣教師夫妻を殺してしまったという事実がある。これらが車夫と同じく、「支那人の考え方が日本人とまったく異なっている」ことを示している。カネのことでちょっと書いておかねばならぬことは、支那人はカネに非常に執着を持っていて、カネを見たら一種の魅惑を感じて頭が変になるらしい。買い物に行って、十円のものを三、四円くらいにまけろと言ってもなかなかまけない。そこで カネを三円出して、これを握らせ、「これでいいだろう」と言っても聞かない。「それならそのカネを返せ、品物はいらない」とやると、もう握ったカネを離したくないのでたいていまけてしまう。支那人にカネを見せるのは危険で、長く使っているボーイでも、カネを見ると気が変わって何をするかわからない。ある日本人の小学校の先生が、月給とボーナスを貰ってきて大金を持っているところを自分のボーイに見られて殺された。〈中略〉 話が脇道に外れたが、車夫の話で知るような支那人の気持ちは、外交の上によく現れている。山東問題が喧しかったときに、山東問題を中心に大正八年以来、排日が支那全国に起こり、九年にも再発して慢性的となり、日支間に一種の暗影を投げかけ、低気圧の中心は山東問題だから、これを解決すれば日支間の暗雲はすべて一掃され、日支親善は期せずして実現するだろうと思われた。そこで華府(ワシントン)会議で山東を日支に返した結果はどうであったか。なるほど返した当座十一一力月は支那側でも日支親善みたいなことを言っていたが、十二カ月すると今度は「旅大回収」を叫び出した。日本人の考え方からすれば、山東を返して支那人の要求を受け人れてやったから、支那人も感謝して日支親善ができるだろうと思ったのは、車夫に車賃を余分にやって車夫が感謝するだろうと考えたのと同じである。ところが支那人のほうでは、われわれがちよっと騒いだから山東を返した。今度はもっと騒いだら、旅順・大連も返すだろうと言うので、また騒ぎ出した。支那人は、日本人が予期した感謝の代わりに、日本に対して軽侮の念を生じたのだ。最近、旅大問題が日支問の癌のように見えるので、旅大を返したら日支関係は一 変するだろうと言っている人がいるが、それは支那人を知らない者の言うことで旅大を返せば、次は台湾、朝鮮と進んでくることは明らかである。」

実に驚くべき洞察で、支那人のこの現代に通じる正体を一九三〇年代に、しっかり見抜いている。靖國参拝で、最初に譲歩したのが間違いだった。中曾根康弘内閣最大の失敗である。このまま日本が首相の靖國参拝をもし止めたら、次に「靖國神を廃社にせよ」と言ってくるだろう。靖國をなくしたら、次に「皇室をなくせ」と言ってくる。それが彼らの論法である。このことをよく知っておかなければいけない。こちらが一歩後退すれば、二歩前進してくる。「相手が一歩後退したのだから、自分は控え目にしよう」とか、「恩義に感じる」という感覚はまったくない。逆に、軽蔑する。下手に出るとカサにかかってくる。日本流に言えば、「雲助の徒輩」の論理である。追い詰められたヤクザや盗人との取引である。こちらは彼らに、徹底して強く対応しなくてはいけない。 謙虚、へりくだり、控え目などの美徳は、露ほどの効果も上げない。

中国サイドからの「経済制裁」なんて笑うべきこと (抜粋)

中国のGDP (国内総生産)の約八割は、官製企業が握っている。内需をつくるのは民間企業である。これでは、内需が拡大するわけがない。そこで中国の成長する官製企業は、アメリカや日本などの先進国に進出し、外貨を稼ごうとし始めている。はっきり言っておきたいのは、中国に対して譲歩する姿勢で領土問題の落としどころを探り合うようなやり方をすれば、必ず相手はカサにかかって威嚇してくる。力で押しまくってくる相手には力で押し返すしかないのだが、日本のカは今のところ軍事力ではない。投資や技術の力である。これを政治の力ードとして、なぜ使おうとしないのか。中国経済は、日本から多額の援助をもらっているときでも、アフリカに援助していた。そして、その援助を楯に恫喝しながらアフリカを味方につけてきた。中国経済はそのあと大きくなってますます牙を持ってきている。アメリカ経済にも当然牙がある。日本経済にだけ牙がない。経済人に言っておきたいが、尖閣諸島を失えば、国際社会の中で日本は軽視される。 国債は暴落し、株は投げ売りされ、国家の格は地に墜ちる。その影響はたちどころに他の経済活勛に影響を及ぼす。経済は経済だけで成り立っているのではない。戦後の日本において「経済力が国家の格を支えてきた」ことは間違いないが、 逆に言えば「“国家の格”が経済力を支えてきた」とも言えるわけである。だからこそ、尖閣諸島は経済のためにも死に物狂いで守らなければいけないのである。そうい ことを、経済人はわかっていない。私はわが国の指導層を見ていると、将来が本当に危ういように思えてならない。

ヨーロツパの「地球分割」とアメリカの「グローバリズム」

今にしてよくわかったことがある。それは、世界帝国アメリカは「地域の覇権国家を許さない」ということだ。まずイギリスをつぶし、次にドイツをつぶし、それから日本をつぶし、ロシアをつぶしてきた。そして今、中国をどうしようかと思案している。一体こんなことがいつまで続くのであろうか。こういうアメリカの体質や思考を一言で表現すると、何と言うのか。これをグローパリズム」と称するのである。グローバリズムは、最近の日本人は何か新しいよいことだと思っているようだがその正体はアメリカン•スタンダードの全面拡大に過ぎない。「世界政府アメリカの基準」を「国際基準」にするということである。そもそも「グローブ」とは「地球」である。地球を人間が全体として支配するといいう発想はアジア人にはまったくない。空間を幾何学的に分割して統治することもアジア人には考えつかないが、これを最初に実行したのは、スペインとポルトガルの間で結ばれた一四九四年の「トルデシリヤス条約」である。両国による統治方式は、カトリックのローマ法王の勅許を得て実現したのである。両国の西海岸から一定の距離を取った地点から地上をずっと縦に真っ直ぐ線を引いて、 その線をぐるっと地球の裏側まで回して、これを分割線とするのである。驚くべき大胆な計画であり、行動であった。どうしてそんなことが起こったか。当時、ヨーロツバ人は東方へ出て行こうと懸命に努力したのだが、地中海の東の出口はイスラム教徒に完全に押さえられていて、インドに抜けたいと思っても抜けられなかった。しかもイスラム教徒は、次第にヨーロ ッパの内部に侵略さえしていた。何とか情勢を脱却したいと考えていたとき、クリストファー・コロンブスとバスコ・ダ・ガマが登場したのである。コロンブスは、スペインを出発して西へ西へと進んで新大陸に到達していた。一方、ポルトガルのバスコ・ダ・ガマは、アフリカの海岸を南へ南へと下って、喜望峰を回ってインド洋へ出てきた。ポルトガルはインド洋を東へ行き、イン ドへ出る。スペインは西へどんどん行って、やがてアジアに出てくる。両者はどこでぶつかるかというとモルッカ諸島、地球の反対側のインドネシアのセレベス島(最近はスラウエシ島と言う)の東側の諸島である。そこは香辛料の集産地だから、世界中の人々がそこを狙っていた。ぶつかって両国の争いになり、やがて線引きで分けっこをしたのである。そして最終の目的地は日本だった。やがてスペインとポルトガルは国力を失い、代わりにオランダが登場し、イギリス が登場し、そしてフランスが登場することになる。この地球分割で面白いのは、南アメリカ大陸にさしかかると、ブラジルに当たるところだけが境界線上にかかって、ポルトガル側に分割されてしまう。大陸の出っ張りにブラジルがあるからだ。そのようにして、ポルトガル領に相当するとわかると、ポルトガルは大喜びして、「ああ、俺のものだ」と言って植民地にした。今でもブラジルの国語がポルトガル語である所以である。他のラテンアメリカの国々の国語は、スペイン語か英語かのどちらかである。こんなとんでもないことが起こったのも、単純に幾何学的に線を引いたからだ。地球を分割するという発想、しかも占有する権利をローマ法王庁が与えたというそのような考え方は、アジア人にはなく、西欧を越えて、アメリカに真っ直ぐつながっている。 グローパリズムとは端的に言ってこのようなことなのである。このグローバリズム思考によって、次の時代にはイギリスとロシアが中近東から東へずーっと線を引いて、地球を南北に分割するように侵略した。どこでぶつかるかというと、再び日本列島である。日本はいつも運命的な位置にある。その結果が、「日露戦争」である。イギリスとロシアの戦いを、日本がいわば代理戦争させられたようなものなのだ。英露が線を引いたとき、どちらにも属さなかった国がある。アフカニス夕ンだった。一九七九年になって突然、ソ連がアフガニスタンを侵略したのは、じっと地図を見て「そういえば、ここはロシアとイギリスのどちらにも入らない場所だったな。それじゃあ、一発やってやろうじゃないか」ということで、ソ連が侵攻したのである。隙を見せると、そういうことが起こる。アフガニスタンは中間緩衝地帯だった。それ以外の国々はすでに一度は分割統治されていて、他国は手出しできないという暗黙の約束になっていたというわけだろう。制空権を決めることは、アメリカが今実行しているが、元をただせばスペィンとポルトガルによる地球分割計画に端を発するのである。それでは次章より、日本を初めとするアジア諸国がいかに、西欧列強やアメリカ、 ロシア(ソ連)に侵略されてきたかを見ていこう。何度も言うが、日本は侵略した国ではなく、侵略された国である。否、侵略された国々の中で、そうされまいと抵抗し、戦った唯一の国である。それで独立は成功したかに見えたが、残念ながら現在、必ずしもそうはなっていない。アメリカに多数の軍事基地を許している国である。これを異常と見做す感覚をすら失っているのは異常である。日本はアジアを西欧列強から解放したと自認しているが、その日本が未だ解放されていない唯一の国なのである。だからこそ今、「歴史観の転換」をしなければならない。

Tratado de Tordesilhas

12/11日経ビジネスオンライン加藤嘉一氏『“周永康逮捕”が経済改革に与える影響は 「四中全会の成果を強調する狙いがあった」』記事について

加藤嘉一氏についてWikiを見ますと「2012年10月31日、中国国内で「東京大学法学部への合格を蹴って中国に留学していた」と発言するなど複数の経歴詐称をおこなっていた事実が『週刊文春』誌上で報じられた」とあります。中国に長く関わっていると騙すのが普通になるので、何の違和感もなくこういうことが言えるのでしょう。まあ、東大法学部と言ったって大したことはありませんが。北京大学、同大学院修了とのこと、習近平だって理科系で最高学府と言われている清華大学に裏口で入ったと言われていますから。中国では裏口は当り前。家族の地位か金を積めば入れます。加藤氏のTVでの発言を聞いていると「自制しているなあ」と感じます。中国の情報を取るには、相手に媚び諂わないと次から情報が取れません。遠藤誉や富坂聰辺りにも言えることですが。操作された情報が日本国内で流通されることになります。よく眉に唾して吟味しましょう。

さて、記事ですが薄熙来は無期懲役(2000万元の収賄)なので、周永康は執行猶予付き死刑(1000億元)になるのではないかと思われます。腐敗撲滅で習近平は「虎も蠅も」と言ってますが、庶民は誰も信じないでしょう。権力闘争の手段で使われているだけです。政敵を倒すため、今回は江沢民一派の権力中枢からの追い出しが狙いです。野中広務と仲が良く裏から実権を握っていた曽慶紅辺りが狙われていると思われます。「法治」重視と言いますが、ご都合主義の国で法で統治できるとは思いません。今回も相手の力を慮って四中全会でのテーマにするかどうかと言ったレベルの話ですから。民主主義国の法治ではなくこれも権力闘争の一環です。贅沢禁止で軍の不満が蓄積していますので、それに江沢民一派が組めば、権力闘争で習近平が打倒されることもあり得ます。考えられるのは暗殺でしょう。

記事

12月6日0時、国営新華社通信は周永康・元政治局常務委員の党籍を剥奪し、刑事責任を追及するという記事を配信した。5日、中国共産党の最高意思決定機関である中央政治局が、中央規律検査委員会(書記は王岐山)から上がってきた《周永康が犯した重大な規律違反に関する審査報告》を審議した上で決定を下した。中央規律検査委員会は政治家・役人の汚職や腐敗に関する捜査・立案を担当する部署。この決定を受けて、最高人民検察院は周氏の逮捕に踏み切った。この記事によれば、中央政治局常務委員会(トップセブン)が2013年12月1日、周氏の容疑を本格的に捜査する旨を決定した。その後、2014年7月29日、中央政治局は周氏の立件・審査を決定。そして、今回の逮捕に至っている。中央規律検査委員会の捜査によれば、周氏は「党の政治規律、組織規律、保秘規律に重大な違反を犯した」。重大な規律違反は、権力乱用、収賄、金銭・女性問題、そして党と国家の秘密漏洩など多岐に及び、同委員会は「周永康の行動は党のイメージを著しく傷つけ、党と人民の事業に重大な損失をもたらした。その影響は極めて悪質である」としている。12月6日、党機関紙《人民日報》が掲載した評論記事《党の規律・規則に厳格に基づき、断じて腐敗を罰する》は全国各地のメディアによって転載された。同記事には以下のパラグラフが含まれている。「全党員が思想・政治・行動すべての分野で習近平同志を総書記とする党中央と高度な一致を保持し、中国共産党の権威を死守する自覚を持たなければならない。党の組織・規律を厳格かつ明確にし、派閥や特定のグループを結成することに断じて反対する。党内におけるいかなる形式の非組織的活動も断じて許さない。党の団結と統一を守るのだ」

習近平国家主席の今後の政権運営を占う上で示唆に富んでいる。筆者が指摘したいポイントは以下の3つだ。

(1)共産党指導部というよりは、習主席のリーダーシップと統率力に重点が置かれている。

(2)習主席は共産党の権威を高めるために反腐敗闘争を行っている。

(3)周氏の党籍剥奪・逮捕にまで至った重要な理由の1つは、周氏が共産党内で自らの地位や権力を濫用し、党指導部内の足並みや求心力を脅かすような動きをとったことにある。

3つ目に関して、周氏は薄煕来・元重慶市共産党委員会書記・政治局委員(当時)を支持していたとされる。同氏は2012年、共産党第十八党大会が開催された年に“落馬”(筆者注:政治家や役人、国有企業の幹部などが、汚職や収賄といったスキャンダルが原因で職を解かれ、かつ中央規律検査委員会による調査を受けること)、その後、刑事責任を追及された。薄氏は重慶の地で“打黒唱紅”というマフィア撲滅運動や毛沢東を過剰に礼賛する宣伝活動などを展開し、一般大衆の心をつかもうとした。そのやり方は文化大革命時代の“極左”を彷彿させ、共産党指導部が実行している改革開放政策に逆行するものと思われた。党指導部の方針に逆らい“路線闘争”を挑もうとしたことが、薄氏が“落馬”した核心的な原因であるとされる。そんな薄氏を、周氏が支持しようとした事実は、共産党指導部にとって脅威に映った。周氏は胡錦濤政権において政治局常務委員(序列9位)を務めた重鎮。加えて、政敵を粉砕する力を持つ公安システムを統括する立場にあったからだ。周氏と故郷を同じくする共産党幹部は“薄煕来落馬”前夜の情景をこう振り返る。「薄熙来が“落馬”する前、周永康はあらゆる場で薄煕来に対する支持を示していた。政治局常務委員が薄煕来の“落馬”を検討する際にも、他の8人が全員賛成するなか、周永康だけは最後の最後まで薄煕来をかばっていた」。共産党内で絶大な権力を握る周氏と、“打黒唱紅”を通じて大衆世論に絶大な人気を誇る薄氏がスクラムを組んだとき、党指導部や知識人、市場関係者の間に深刻な懸念が広まった。党指導部の分裂、共産党の団結力・求心力低下を招くのではないか? 下手をすれば、中国を文化大革命時代に引き戻してしまうのではないか?

習近平は党内権力基盤を強固にした

本稿は、かつて掲載したコラム《“周永康落馬”は中国をどこへ導くか》のアップデート版である。“落馬”から逮捕に至った4カ月強の間に起こった事象を元に、3つの問題を提起し、それぞれ検証を加えたい。まず、“落馬”→逮捕というプロセスを習主席の権力基盤という観点からとらえた場合、その基盤は“落馬”当時よりも強固になったと言える。この4カ月間、筆者が共産党関係者や中国の有識者、市場関係者と意見交換を重ねる中で、様々な意見を耳にした。「習近平は必ず刑事責任追及に踏み切る」、「党内バランスを考えた場合、逮捕は回避するだろう。“落馬”くらいが相当だ」、「なんとも言えない。習近平は何を考えているかわからない」。ただ一つだけ言えることは、周氏逮捕に踏み切るためには、相当程度強固な権力基盤が必要であることだ。江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席をはじめ、周氏に近いと目されてきた大物政治家たちの反発や逆襲に耐えうるだけの権力を持たなければ、逮捕に踏み切った途端、逆に基盤を損ねてしまうリスクがあるからだ。周氏逮捕で習主席の権力基盤や党内統率力が相当程度強固であることが証明された。ただし、いくら習主席といえども、この逮捕によって生じるリスク、即ち反対勢力からの巻き返しには引き続き注意を払っていく必要がある。権力基盤を強化したことは、権力闘争が収束したことを必ずしも意味しない。習主席の権力基盤が万全だと言う根拠はどこにもない。

四中全会の意義を高める習近平の意図

次に、法治を集中討議した四中全会(2014年10月20~23日)と周永康逮捕の関係を考えてみたい。奇しくも、“周永康落馬”と“四中全会で法治を討議”は同じ日(2014年7月29日)に公表された。その後、この関係を巡って3つのシナリオが浮上した。

(1)習主席が、周氏やその側近・グループらの逆襲に遭い、法治を集中討議するというアジェンダが取り上げられなくなる。

(2)周氏を“落馬”させてからも反対勢力を抑えこみつつ権力基盤を固め、四中全会において予定通り法治を集中討議する。

(3)法治を集中討議する四中全会の場で、周氏に対する追加の処分を公表する。

(1)は習主席の権力基盤が最も脆弱な状態を、(3)は習主席の権力基盤が最も強固な状態を指す。今から振り返れば、結果は(2)であった。四中全会では“党による指導”“中国の特色ある社会主義”といった政治色・イデオロギー色の強い前提が付いていたものの、予定通り法治を集中討議した。

四中全会という政治の大舞台で周氏に対する追加の処分を回避した理由に関して、筆者は「反対派からの逆襲を懸念したから」「共産党内の権力均衡の維持することを優先したから」「江沢民・元国家主席や曽慶紅・元国家副主席など周氏に近い長老たちに配慮したから」という3つを考えている。 四中全会が閉幕して1カ月強が経ったタイミングで周永康逮捕を公表した背景として、中国検察関係者は筆者に次のように語った。「法治を扱った四中全会からあまり時間が経っていない時期に周氏に対する法的措置を行使することで、四中全会の成果を強調し、共産党の威信を高揚させる狙いが習主席にはあったのだろう」。ただし、法治が制度として根付くかどうかに関しては、引き続き情勢を注視していかなければならない。今後、薄煕来事件のときと同様、周氏が法廷に姿を現し、裁かれる模様が全国ネットで中継される可能性もある。だが、それでは習主席が“法治”に名を借りて、人民からの支持獲得を画策していることが露呈する。ポピュリズムである。と同時に、習主席が進める反腐敗闘争は依然として権力闘争という側面が強い。

萎縮する経済官僚たち

最後に、反腐敗闘争が経済政策に与える影響を考える。習主席の権力基盤が固まり、党内求心力・統率力が高まることは、改革を進める上で基本的に追い風だと言えるだろう。“法の支配の下で市場の活力を生かす経済政策”を推進するため、既得権や地方の保護主義などを突破するべく、権力を行使する。行政改革、財税改革、都市化、上海自由貿易区(パイロット版)構想などを進めるためには、既得権益層や地方政府を説得するだけの強い権力基盤が求められる。財税改革とは、財政と税制に関する改革を指す。一方でデメリットもある。習主席による“虎もハエも叩く”“腐敗分子を見つけたら断固として捜査する”という反腐敗闘争は、経済政策・改革事業に関わる多くの中央・地方官僚たちを怯えさせている。習主席による恐怖政治が経済官僚たちの事なかれ主義を招き、経済政策・改革事業を停滞させるリスクは軽視できない。北京市のある地方幹部は以下のように述べる。「我々が政策を進めるにあたって、地元の企業に接待されたり、中央の官僚を接待したりすることは不可欠だ。最近は、このプロセスに規律検査委員会による捜査が入る前提で動かなければならない。接待にしても、出張にしても、他機関とのやりとりにしても、全てが対象だ。当然、プロジェクトが進むスピードは鈍る。我々も慎重にならざるを得ない」。また、習主席が反腐敗闘争と同時に贅沢禁止令を進める過程で打撃を受けているのが、政府機関や公務員による消費活動である。政府機関や公務員による消費活動である。接待や贈り物を介して、政府・公務員は依然として重要な消費アクターの役割を担っている。このため、中国の消費市場、ひいては経済情勢の先行きをネガティブに捉える知識人や投資家は少なくない。今年4月、米コーネル大学で開催された中国フォーラムにて、筆者は貴州茅台(マオタイ)酒の季克良名誉会長とご一緒させていただいた。「反腐敗闘争は、多くの政府機関・役人をお客さんとして抱える御社にとって打撃なのではないですか?」と質問すると、季会長はこう答えた。「茅台酒も変わらなければならない。政府ではなく、日増しに購買力をつける一般の消費者に飲んでもらう銘柄になる必要がある。茅台酒は体に良い。茅台酒を飲み続けたおかげで、私の体はこんなに健康だ」。75歳の季会長は胸を張り、習主席による反腐敗闘争への支持を表明した。