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4/19日経 小竹洋之『窮地の米共和党、忍び寄る分裂の危機』について

 

4/19NY州予備選ではトランプとヒラリーが勝ち、ヒラリーは予想通り民主党の指名獲得間違いなしです。トランプの獲得代議員数は847人で、過半数の1237人獲得に望みを繋げたとのこと。

4/21日経には

<クリントン氏、指名「見えた」 NYで勝利 過半数 26日にもメド トランプ氏も望み

the number of delegate in 2016

【ニューヨーク=吉野直也】米大統領選の民主党の候補指名争いは19日のニューヨーク州予備選で、ヒラリー・クリントン前米国務長官(68)が勝利した。ペンシルベニアなど東部5州の予備選がある26日にも指名獲得のめどが立つ。共和党の不動産王ドナルド・トランプ氏(69)も大勝し、7月の党大会前の過半数実現に望みをつないだ。

 「指名争いは最後の直線コースに入り、勝利が見えてきた」。クリントン氏は19日の勝利宣言で、こう力説した。「ニューヨークの皆さんはいつも私を支えてくれた」とも語り、喜びを表した。本命でありながら7連敗中の予備選で、今回の勝ちは流れを再び変えただけでなく、指名に必要な代議員の過半数に大きく近づいたからだ。

Hillary Rodham Clinton

19日、ニューヨーク州の予備選を制したクリントン氏(ニューヨーク)=ロイター

 民主党は特別代議員を含めた代議員総数が4765人で、過半数は2383人だ。米CNNテレビによると、クリントン氏はこの日の勝利で獲得代議員数を1930人に伸ばした。残りの代議員のうち30%弱を取れば、過半数に達する計算だ。逆にバーニー・サンダース上院議員(74)は70%程度獲得しなければならず、不可能な情勢だ。

 「最後の直線に入ってきた」というクリントン氏の発言は、こうした計算に基づいており、決して大げさな表現ではない。26日の東部5州の予備選に割り当てられた民主党の代議員数は462。世論調査ではクリントン氏が優位に戦いを進めており、調査通りの結果になれば、26日の時点で過半数に迫ることになる。

 勢いに陰りがみえていたトランプ氏も19日の勝利で、党大会前の過半数獲得がまだ現実的な目標といえる範囲にとどまった。共和党の代議員総数は2472人で過半数は1237人だ。米CNNテレビによると19日に勝ったことで、トランプ氏の獲得代議員数は847人まで増えた。

the primary election in NY

 19日以前は残り代議員数の61%以上を取らなければ、過半数に達しなかったが、19日に大勝したことで、その比率が57%程度に下がった。26日の東部5州の予備選を巡る共和党の代議員数は172人。トランプ陣営は5州すべてに勝って残り代議員数の50%を獲得すれば、過半数に届く計算をしている。

 トランプ氏が19日の勝利宣言で「最終的に誰の予想も超える代議員を取る」と宣言したのは、この数字が頭に入っているためだ。

 テッド・クルーズ上院議員(45)と競り合う5月3日の中西部のインディアナ州(57人)や同10日のネブラスカ州(36人)でトランプ氏が勝つと、過半数到達のために必要な残り代議員数の比率はさらに下がる。50%未満で、大票田カリフォルニア州(172人)などがある6月7日予備選を迎えれば過半数は可能というのがトランプ陣営の読みだ。

 一方、代議員数で2位につけるクルーズ氏は中西部で開く予備選で番狂わせを狙う。過半数を阻止さえすれば、党大会決選に持ち込めるためだ。

 26日の東部の予備選では3位のオハイオのジョン・ケーシック州知事(63)と票が分散する可能性が高く、これがトランプ氏優位の流れをつくり出している。党大会決選を見据えたトランプ氏とクルーズ氏らの攻防はこれから一段と激しくなりそうだ。>(以上)

共和党は誰が勝っても分裂含みです。GOP“Grand Old Party”の名が泣こうと言うもの。民主党も分裂して、第三、第四の政党が出て来るのを望みます。民主党では中国封じ込めはできないのでは。金とハニーで搦めとられていると思うからです。でも民主・共和とも民意を掴み損ねています。

記事

米南部ケンタッキー州の田舎町ホッジェンビル。ここは第16代米大統領アブラハム・リンカーン(1809~65年)の生誕地として知られる。

■不動産王が揺らす「リンカーンの党」

Trump & Cruz-3

競り合う共和党のトランプ氏(上)とクルーズ氏(4日)=AP

 丸太小屋で生まれた開拓農民の子供と、奴隷解放宣言をなし遂げた共和党初の大統領――。生家を再現した記念館もいいが、街中の広場で向き合う2つのリンカーン像がとりわけ印象に残った。

 約160年の歴史を持つ共和党には「リンカーンの党」という自負がある。それが多種多様な党員を束ねるよりどころにもなってきた。

筆者が注目した記事
・4月12日 日経朝刊9面「共和候補が代議員争奪」
・4月12日 時事通信「トランプ氏、党大会戦略で出遅れ」
・4月2日 日経朝刊6面「共和委員長、離党示唆の真意探る」

 その共和党がかつてない試練にさらされている。11月の大統領選に向けた候補指名争いが迷走し、分裂の瀬戸際に追い込まれかねない。

Hiroyuki Kotake

小竹洋之(こたけ・ひろゆき) 88年日本経済新聞社入社。経済部編集委員兼論説委員を経て、14年3月からワシントン支局長。専門はマクロ経済、財政・金融政策、国際金融。

 米CNNテレビによると、これまでの予備選や党員集会で確保した代議員は、不動産王のドナルド・トランプ氏が約760人、テッド・クルーズ上院議員が約540人、オハイオ州のジョン・ケーシック知事が約150人。首位を走るトランプ氏の代議員数が指名獲得に必要な過半数の1237人に届かず、7月に開く全国党大会の決選投票に持ち込まれる可能性が出てきた。

 全国党大会では過半数の代議員を獲得する候補が現れるまで、決選投票を繰り返す。1回目の投票は予備選や党員集会の結果に縛られるが、2回目以降は拘束が徐々に解けて自由度が増す。共和党の場合、決選投票に進んで1回で決着すれば1976年以来、2回以上続くようなら48年以来になるという。

 移民や女性に対する差別発言を繰り返し、孤立主義的な外交・安全保障政策や保護主義的な経済政策を唱えるトランプ氏。共和党の主流派は「このままでは多くの国民にそっぽを向かれ、大統領選の本選で民主党に敗れる」と懸念し、決選投票での逆転に望みをつなぐ。

候補者選びで2位に甘んじるクルーズ氏も決選投票に照準を合わせ、2回目以降に転向する代議員の取り込みに余念がない。これに憤慨するトランプ氏は「ねじ曲がった不正行為だ」「私の代議員が盗まれている」などと批判。全国党大会で指名を阻まれた場合は共和党を離党し、独立系の候補として本選に臨む考えをちらつかせる。

 トランプ氏が勝てば「反トランプ派」が収まらず、負ければ「親トランプ派」が離反する。共和党にとってはまさに分裂の危機だろう。

 経済格差の拡大や頻発するテロへの不満と、いっこうに問題を解決できない政治への憤り。「トランプ旋風」は、鬱屈した低中所得層の反乱であり、共和党自身が招いた混乱でもある。

■「政界再編のはじまりか」

statue of Lincoln

丸太小屋から大統領に登り詰めた偉人の共和党はどこへ…(米ケンタッキー州のリンカーン像)

 穏健な主流派と保守派の草の根運動「茶会」が不毛な抗争を繰り広げ、上下両院を制しているにもかかわらず党員が望む政策を実現できない。しかも「小さな政府」や「自由貿易」などの原則を振りかざすだけで、いまの低中所得層が抱える不満をくみ取ってはくれない――。共和党の理念や行動と党員の期待がこれほどかい離した時期はなかったようにみえる。

 「民主社会主義者」を自認するバーニー・サンダース上院議員が主流派のヒラリー・クリントン前国務長官を相手に予想以上に善戦している民主党も、程度の差こそあれ、同じ問題を抱える。「私たちが目にしているのは政界再編のはじまりなのかもしれない」。米コロンビア大のジャスティン・フィリップス准教授はこう指摘する。

 共和党は1860年の全国党大会で、3回の投票の末にリンカーンを大統領候補に指名し、党勢拡大につなげた。「リンカーンの党」は忍び寄る分裂の危機を乗り切れるのだろうか。

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4/19日経 The Economist『中国漁船、止まらぬ挑発』について

インドネシアのスシ海洋・水産相はサッチャーの「鉄の女」を髣髴させます。阿漕な中国漁船は爆破するに限ります。資源を強奪=強盗罪を構成しますので、二度とさせないためには漁船爆破が一番良い。インドネシアはモスリムの国家ですので、「目には目、歯には歯」というのが徹底しているのでしょう。「同害報復」です。「盗んだ手」の代わりに「盗んだ漁船」を跡形もなくしてしまうのは、抑止力としても有効と思われます。中国がこれで文句を言わないのは、「盗み」を正当化できないからでしょう。

法的には「国連海洋法条約(UNCLOS)第292条1項 締約国の当局が他の締約国を旗国とする船舶を抑留した場合において、合理的な保証金の支払又は合理的な他の金銭上の保証の提供の後に船舶及びその乗組員を速やかに釈放するというこの条約の規定を抑留した国が遵守しなかったと主張されているときは、釈放の問題については、紛争当事者が合意する裁判所に付託することができる。抑留の時から10日以内に紛争当事者が合意しない場合には、釈放の問題については、紛争当事者が別段の合意をしない限り、抑留した国が第287条の規定によって受け入れている裁判所又は国際海洋法裁判所(ITLOS)に付託することができる。」となっており、保証金を払って解決するようです。日本の尖閣での中国漁船の体当たり事件での釈放は法的には正しかったのかもしれませんが、その後赤珊瑚をごっそり盗まれましたことを考えますと、正しかったのかと。やはり、中国の圧力に屈してはならないという事です。中国は「尖閣」を中国の領土だと言い張り、また南シナ海も九段線内であるから中国の領海という論理を主張しています。それでも、インドネシアは外国漁船(主に中国漁船と思われる)170隻も爆破できるのですから。本記事にありますように人口2万人のパラオですら違法操業の中国船舶を射撃、船員一人を射殺しました。それが国際標準です。

日本は悪い奴に甘い世の中にしてしまった感があります。日弁連、日教組、偏向メデイ等左翼のせいでしょうが、国民も考えねば。大学の寮時代に勇気のない奴を蔑んで「このイ●ポ野郎」と呼んだのを思い出します。日本の男は皆「イ●ポ野郎」に成り下がったのか。

記事

それは抑止力としては無駄が多く、環境を汚染し、挑発的な手段ではあるが、インドネシア政府は極めて効果的な方法でもあると主張する。同国のスシ海洋・水産相は4月5日、インドネシア領海内で違法に操業したとして拿捕(だほ)したマレーシアとベトナムのトロール漁船計23隻が、木っ端みじんに爆破される様子を中継映像で見た。

ジョコ・ウィドド氏が2014年に大統領に就任し、地元の漁業権益を守ると約束して以来、インドネシアは170隻以上の外国船を破壊した。政府は密漁者の数が減り、国内漁業者による漁獲量が増えたとみている。

■違法操業の船押収、インドネシアが怒り

Susi Pudjiastuti

違法漁船の爆沈を待つスシ海洋・水産相(2015年2月、リアウ諸島州)=アンタラ通信

そして今、闘争的で(少なくとも国内では)人気のあるスシ海洋・水産相は、さらに10隻の漁船を破壊するのをインドネシア最高裁に認めてほしいと思っている。いずれも14年に密漁で押収した漁船。船籍は、どの国よりも多くの漁船がアジアの海で違法操業という巨大な成長ビジネスにかかわっている国、中国だ。

インドネシアはすでに、3月に起きた事件での中国の対応に怒りを募らせている。インドネシア当局がナトゥナ諸島沖で密漁していた中国漁船を拿捕し、港に曳航(えいこう)している最中に、中国海警局の監視船に漁船を奪還された一件だ。船員8人を拘束したが、別の1人が監視船に護衛され、漁船を中国南部の北海市の港まで戻してしまった。船員は米ニューヨーク・タイムズ紙に、自分たちがインドネシア領海で操業していたことは「あり得る」と語った。実際はほぼ確実だろう。

ナトゥナ諸島がインドネシアに帰属していることは誰もが認めており、中国の船員らは国際法で定められているナトゥナの排他的経済水域(EEZ)内にしっかり入っていた。それなのに中国は「伝統的な中国の漁場」海域にいたと主張し、船員を擁護した。問題の海域は、中国が南シナ海ほぼ全域に対する領有権を示すため、地図に(そしてパスポートにも)描く広大な「九段線」内に入っている。

中国の漁船員は日本、フィリピン、台湾、ベトナムでも拘束されている。いずれも海洋領有権の主張が中国のそれと重なるか、完全に重なっている国・地域だ。

■資源枯渇し遠洋に、政府は補助金で奨励

しかし、中国漁船が問題を起こすのは係争海域だけではない。中国人は近年、ロシア極東、北朝鮮、スリランカでも拘束されている。11年にはある中国船員が韓国の海洋警察隊員を刺殺した。翌年は太平洋に浮かぶ小さな共和国パラオで中国船員が警察に殺された。昨年12月には、20カ国以上のアフリカ諸国が中国に西アフリカ沖での違法操業をやめるよう要請した。そして4月中旬には、アルゼンチンで拘束されていた中国船員4人が釈放されたばかりだ。

中国の船員がこうした遠隔地に出て行ってまでリスクを冒す背景には、国家主権の問題以上に、同国がなんといっても世界最大の魚の消費国(かつ輸出国)だという事実がある。中国人1人当たりの魚の消費量は世界平均の2倍だ。需要増の大部分を水産養殖で賄ってきたが、漁獲量も圧倒的だ(12年は1390万トンで、インドネシアの540万トン、米国の510万トン、日本の360万トン、インドの330万トンを大きく上回る)。

しかし、乱獲と汚染で中国の沿岸漁業は死に体になった。漁業資源の枯渇ぶりは深刻で、世界の漁獲量の1割を占める南シナ海の沿岸漁場には、今や1950年代当時の5~30%しか残っていない。中国の漁業者はさらに沖合の遠洋へと追いやられているのだ。

中国政府がこの動きを後押ししている。食糧安全保障は優先事項であるうえ、漁業を雇用の源泉と見ているからだ(漁業の雇用者数は1400万人に達する)。習近平国家主席は2013年に中国南部の海南島の漁港、潭門を訪れ、漁業者に「もっと大きな船を造り、もっと遠くの海へ出て、もっと大きい魚を取る」よう奨励した。政府は新しい船や燃料、航行補助設備に補助金を出している。

だからといって、必ずしも漁業者が拡張主義的政策の道具になるわけではない。実際、政府は時折、中国の漁業者をコントロールするのに苦労しており、その軽率な行為にメンツをつぶされてきた。

シンガポールのシンクタンク、RSISの研究員、張宏洲氏はマリーン・ポリシー誌に寄せた「係争海域における中国人漁業者」に関する最近の論文で、潭門など中国の漁港の視察結果を報告している。潭門では多くの漁業者が習主席の激励に従うのではなく、違法だがもうかる商売に手を出していたという。保護の対象になっている絶滅危惧種のカメやオオジャコガイを捕獲していたのだ。

■常習的な海域の侵入、既成事実化が目的

それでも漁業は、戦略的な目的にもなり得る。中国が大量の資金を投入し、南シナ海の岩礁で人工島を建設しているように、係争海域に多数の中国船が常習的に存在すると、それが既成事実化し、争うのが難しくなる。同時に、中国には伝統的に領有権があるという概念を裏付けることにもなる。

実際、領有権の主張を強めるために漁業者が利用されている。1974年、武装したトロール漁船の船団が中国の前衛部隊として活動し、当時の南ベトナム政府から西沙(英語名パラセル)諸島の南部の島々を奪った。南シナ海の別の場所からフィリピンを追い出す際にも似たような作戦を用い、成功した。95年のミスチーフ(中国名・美済)礁、2012年のスカボロー礁(同・黄岩島)だ。

密漁や係争海域での操業に国としてのお墨付きを与えるのは危険だ。東シナ海の無人島、尖閣諸島を巡り、日本との間に緊張が劇的に高まった一件は、10年9月にさかのぼる。違法操業で捕まった中国のトロール漁船が、日本の海上保安庁の巡視船に衝突したのだ。

海の軍事化が進むにつれ、衝突のリスクは高まる。従来、中国海軍はまれにしか関与してこなかったが、一部の中国漁港は「海上民兵」(武装した民間船)を増やしている。中国や他国の沿岸警備隊も武装を強化しつつある。

ナトゥナでの中国の挑発行為を受け、インドネシア政府は海兵隊、特殊部隊、1個大隊、フリゲート艦3隻、新型レーダーシステム、ドローン(無人機)、それにF16戦闘機5機を派遣する方針だ。だが、中国と漁業者が一段と遠方へ網を放つのは、恐らく止められないだろう。

(c)2016 The Economist Newspaper Limited Apr. 16, 2016 All rights reserved.

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4/18日経BizGate 田中直毅『凄まじいバブルの崩壊が起きる』について

本記事は一言で言うと「社会主義市場経済」の矛盾が露呈してきたという事です。社会主義は計画経済で運営されるのに市場経済と言い募る所に言葉上の矛盾、自家撞着があり、また実態で見ても権銭交易で畸形市場経済です。

資源配分がうまく行かず(GDPに占める構成要素として不動産投資が多く、実需を無視したやり方)、また富の分配もうまくいってません(GDPに占める消費の割合が3割から4割というのは経済格差が大きく、党員や役人に富を収奪され、海外へ富が移転されていることを意味します)。共産主義は、本来は経済的に「結果の平等」を目指したはずですがそうはなっていません。やはりマーケット・メカニズムに調整を委ね、「機会の平等」を目指す資本主義の方が健全と思われます。政治的には、共産党統治は一党独裁≠民主主義、基本的人権を蔑ろにし、三権分立・法治の概念はありません。個人の生活においてこんな危険なシステムはありません。中国に8年駐在しての実感です。

中国でビジネスをするには必ず監督官庁に賄賂を贈らないとできません。中国人同士であれば当然と思っているでしょうけど、日本人にはこれは出来ません。雇った中国人が秘密裏にやるしかないでしょう。ですから中国人の金の持ち逃げも当然のように起きますし、財務部には「小金庫」という裏金をプールして、賄賂や接待時に使うようにしていました。中国の収賄側は日本の身分犯と違い、商業賄賂と呼ばれ、民間同士であっても法律上、罪に問われます。実際は皆やっていることですから、そんな例はなかったですが。

http://keieisha.zuuonline.com/archives/2252

田中直毅もやっと中国経済の危うさについて述べ出したかという気がします。宮崎正弘、田村秀男、渡邉哲也、近藤大介、石平氏辺りは1年以上前から「中国経済は危ない」と言ってきました。経営者や経済評論家に要請されるのは「先見性」でしょう。後出しジャンケンなんて誰でもできます。中国の危険性を無視して中国進出を煽った経団連と日経新聞の罪は深い。これらのトップはハニーでも咬ませられたのではと疑ってしまいます。その結果、軍事膨張を続ける「遅れて来た帝国主義国」というモンスターを作ってしまいました。中国支援をしてきた日米は製造物責任があり、中国包囲網を作って、台湾やASEAN、太平洋国家の安寧を守る義務があります。

記事

2009年時点において、中国のバブルの熟成とその崩壊の前兆はすべて整っていたといわねばならない。その前年のリーマン・ショックを受け、中国は4兆元にものぼる公共事業プロジェクトを表明。それまで「民進国退」とうたっていた産業政策が「国進民退」の様相を余儀なくされ、民間企業の収益が逼迫し、不良債権化していった。

早くも「喪失世代」が誕生

 ここで、2009年当時の状況を改めて点検してみよう。それは中国が正面から立ち向かわねばならなかった課題が顕在化していたからだ。バブルの発生はこうした課題から結果として目をそらす作用を及ぼしたといえよう。

 2009年に入ると、中国では2011年からの5ヵ年計画策定にあたって、雇用と賃金の分析が喫緊の課題となった。実際のところ、以下4点に関する問題点の噴出があった。

(1) 急増する大卒者に職場を用意できない。この点については4兆元の投資プロジェクトの緊急増がまったくといってよいほど寄与しないどころか、かえって状況を悪化させたことも明らかとなる。
(2) 沿岸都市部の工場労働者の賃金上昇率が、想定を上回る加速を見せつつあった。内陸部の農村の過剰就労状況に変化が見られない段階から、都市の賃金はしだいに上昇基調となった。「先富論」(可能な者から先に豊かになり、後から来る者を助ける)という不比例的経済発展論が前提としていた論理は、どこかで破綻をきたした可能性があった。
(3) 経済的機会が他の先進国に比して多い中国には、海外からの直接投資が相次ぎ雇用機会が増えるはずであった。しかし他方で、中国の内部で生まれるかなりの利益が、中国の内部で再投資に向かわず海外に流出することにより、雇用増の見通し、とりわけ高度な知識を要する職場の増大が予測外に小さい可能性を無視できなくなった。
(4) こうした大卒者をめぐる雇用市場の悪環境は、他国の経済発展の歴史との比較からすれば、あまりにも早熟な「喪失世代」の誕生に結びつき、中国が不安定な社会になりやすい可能性が出ていた。

 私は2009年秋の段階で中国共産党の内部で「構造改革派」が生まれつつあると実感した。5ヵ年計画の策定担当者と討論を繰り返すたびに、ほんの10年ほど前には「三農(農業、農村、農民)問題」の克服が唱えられたにすぎなかったが、この時点においては、中国は経済発展の全構造を再問しなければならない段階にきたと判断せざるをえなかった。

 当時の胡錦濤・温家宝政権の業績評価が中国の内部で芳しくないのは、この「構造改革課題」に十分な取り組みを見せなかったからである。経済発展の萌芽的段階が終了した以上、雇用については量も質もともに論じられなければならなかったにもかかわらず、見るべきほどの指導性が発揮されることはなかった。習近平総書記には、こうした無為の期間の経過ののちに登場せざるをえないという巡り合わせの悪さがある。

茫漠とした「新常態」構想

 習近平総書記は2014年河南省の視察に際して、「中国は新常態に適応する必要がある」と語り、それ以降、中国経済の進路に関連してこの言葉が頻繁に用いられるようになった。安定的な経済成長、新たな経済発展パターンの実現、市場経済化の改革促進を柱として、新たな経済への移行を謳ったものだとされる。しかし、「新常態」という言葉は登場したものの、その内容については茫漠としたものと言う以外にない。

 ほんの4、5年前までは「保八」という議論が根強くあった。これは、中国において年に1500万人増え続ける新規の労働参入を吸収するためには8%以上の経済成長率が維持されなければならないという意味で掲げられたスローガンである。

 このことは、部分的にはわれわれも見聞きする雇用の実態といえようが、実際にはさらなる精査が必要である。大学を卒業してもそれに見合う職場がないと考える人たちの溜まりがすでに数百万人から1000万人に達するという指摘は中国の諸方面からなされる。したがって、出来上がってしまった人材の皺を伸ばすために、高めの経済成長が不可欠という問題の立て方はたしかにこれまで存在した。

 しかし、さらに幅の広い観察をするならば、中国の労働力人口が2010年をピークに少しずつ減少に向かっていることも事実である。ここから中国における労働需給の全体的なマッチング問題、どのようにして職場を一つひとつ結びつけていくのかという巨大なマッチング課題の存在が明らかとなる。

 中国経済はすでに雇用問題でも従来とは異なる課題を抱えるに至っているが、その解決策を見出せずにいるのだ。

2011年には問題が煮詰まる

 そもそも、第12次5ヵ年計画が開始されようとしていた2011年の時点においても、すでにみたように問題は相当程度煮詰まっていた。5ヵ年計画に対する注目度も従来の計画と比べて飛躍的な高まりをみせていた。それは中国経済がいろいろな意味ですでに転機に入っていたからだ。

 これを改めて見定めるために、その5年前の第11次5ヵ年計画の開始当初との比較が有効と思われる。2006年当時は、民間企業が中国経済の骨格をどのようにして担っていくのかについての関心が非常に高かった。当時の情勢は「民進国退」という言葉で表現された。民有企業が経済の新しい担い手として期待され、事実、民有企業がカバーする領域が急速に拡大していたのである。

これに対し、国有企業は効率改善もままならず、中国経済におけるシェアを低下させつつあった。国有企業はいわゆるリストラに絡む問題も十分に論点整理ができていなかった。他方、民有企業には、どこまでカバレッジ範囲を広げることができるのかという前がかりのところで問題が存在した。

 だが、当時における民有企業の側の内部問題も深刻だった。そのひとつとして業界における供給者の極端な多さが挙げられた。米国でも自動車生産が開始された当初、1000社を超える自動車メーカーが群立していたが、これとほぼ同じ状況が2006年当時の中国に存在した。農業用耕作機に少し工夫を加えた程度のものも乗用車とされ、移動に使えるという意味だけの自動車生産も多かった。

 したがって、業界内の集約化、効率化のためにどのような基準を設けるかという課題が存在した。同様に、製鉄業においても電気炉が非常に多く、製鉄所も数百単位で林立するなど、産業としての合理化課題があり、環境問題の視点から鉄鉱石の過度の浪費がもたらす問題という指摘もあった。

 ところが、2011年から始まる第12次5ヵ年計画をめぐる様相は変貌した。2008年のリーマン・ショック以降、世界の需要が大幅に落ち込み、中国で生産した製品を欧米などに輸出し、そこから所得と雇用の場を確保するというメカニズムがいったん断ち切られることとなり、中国内部で財の新たな循環プロセスを作らなくてはならなくなった。そこで、2年間にわたり合計4兆元の資金を動員するプロジェクトが一挙に開始され、それによって中国経済の様子は一変したのである。

 先に触れたように、それまで「民進国退」と謳っていたものが完全に逆行し、「国進民退」となった。すなわち、政府が前面に出て発注作業を行い、受注するのももっぱら国有企業となった。4兆元のプロジェクトの90%以上を国有企業が受注したといわれる。逆にいえば、競争的市場において入札を競わせるような仕組みが中国では整っていなかった。

 職場を作る場合、民間企業が対応するならばいろいろな予測も可能である。民間企業では、収益条件や競争力維持の観点から必要とする人材についての具体的推計にも踏み込まざるをえない。しかし国有企業となると、その行動原理は中国の人々にとってもそれほど明らかではない。

 中国の国有企業の多くについては、受注して仕事を完了させ、粗利益が企業の内部にいったん入ったとしても、それがその後どこへ向うかがよくわからない面がある。国有企業の株式を保有する政府は支配者・所有者であり、当然、共産党の人材も国有企業に組み込まれる。共産党の諸機関はある時期から厳格な定年制度を採っているため、60歳以上の定年退職した人たちをどこで吸収するのかが大きな問題とならざるをえない。監査や政府とのリレーションシップ管理といった名目で国有企業にこれらの人材を押し付けることもある。

また、剰余金の性格を持つ資金を海外で企業を取得するために使うこともあるし、石油などのエネルギー企業の場合は、やがて来たるべき海外資源確保のための保蔵という名目も立つ。いずれにせよ、中国の国有企業でどのような仕事が増えるかを予測することは、民間企業の場合ほど簡単ではない。そのため国進民退に大きく転換するなかで中国の大卒雇用市場に大きな問題が生じてしまったのだ。その意味でも、第12次5ヵ年計画にいくつかの問題点があったことは明らかだろう。

日本と比較した投資効率は半分以下

investment for real estate in China

過大な不動産投資が工業生産の重荷に(重慶市)

 中国の高い成長率が持続している時期は、大雑把にいってGDPに占める投資比率が7割前後、あるいはさらに高く75%程度にまで達したとの声もあった。成長率が10%を超えた高度成長期の日本において対GDPの投資比率はその半分の30%から35%程度であったが、中国では、おそらくその倍近い投資比率になっていた。

 雑な比較であることを承知の上でいえば、投資額とそこから算出される所得からある種の効率性基準を作ると、日本の高度成長期に比べて中国の投資効率は半分程度だったといえよう。もちろん厳密な計算には相当な作業が必要だが、投資の半分は相当非効率なものである可能性がある。これは中国の分析者たちの指摘でもある。

 たとえば、中国では地方政府が所得を得ようとする場合、土地を処分したり不動産投資を行ったりする。それが地方政府の主要な収入源になっていたためだが、このことは結果として固定資本投資の比率を非常に高くすることにつながる。地方都市においては賃貸借契約に至らない非効率なビルディングが数多く建つ。これが投資効率の低さを掴みで把握するひとつの方法であろう。

 中国の地方政府改革にはさまざまな時機があった。たとえば朱鎔基が首相だった江沢民政権の時代は、地方の財源をいかにして中央に取り戻すかが大きな課題であった。地方政府の中には、自らの開発のために使える資金を朱鎔基改革によって中央政府に吸い上げられてしまったという意識を持つ人々が非常に多い。朱鎔基はその果断な決断力によって西側で非常に高く評価されたが、中国でいまひとつ人気が盛り上がらなかった理由のひとつは、地方政府から財源を奪ったことであろう。

 土地は基本的には公有となっているが、土地の処分については地方政府が圧倒的な力を持つ。ディベロッパーが地方政府と長期の賃貸借契約を結び、土地を借りて建物を建てる場合、ディベロッパーは不動産建設に関する仕事をする。地方政府にはディベロッパーとの契約締結権限を通じたお金が入る構図となる。このように、投資にかかわるかぎり、地方政府の収入が上がる仕組みといえよう。

 このように中国経済の歪みを生み出している重大な要因は、諸権限が圧倒的に国有企業や地方政府の手にあることだ。経済成長への寄与に大きくかかわっているのが投資であるがゆえに、地方政府や国有企業はここに注目するかたちで役割を果たそうとする。

これとは異なり、民有企業の場合はまったく別の視点に立つ。洗濯機やテレビなどで考えるとわかりやすい。消費者の選好に依存する非常に厳しい競争状態に置かれ、実際には過剰能力が存在するため売り値は容易に上げられない。しかも、わずか5年前までは資材価格は確実に上がり、賃金の上昇テンポは期を追ってさらに速まるという、利益を上げることがきわめて難しい情勢にあった。

地方では「取り付け」が発生か

 このような状態が生み出されるに当たって、一体どのような金融事象が随伴するものだろうか。ひとつ考えられることは、過剰な投資をファイナンスすることに適した構造が、国有銀行や地方の小規模な銀行にも当然見受けられるだろうということだ。投資促進のために融資が行われているが、投資の効率は非常に悪く、西側の普通の言葉でいえば不良債権になりがちなものが多い。

 少し前までの中国の金融監督の状況は、お金を借りた側の「あるとき払いの催促なし」が常態で、西側基準からすれば不良債権の定義にそのまま入ってしまうようなものが貸出金として計上された。この状況が是正されないままで銀行のマネジメントのミスがさらに重なったらどうなるか。不良債権比率が極端に高いという噂が出たりすれば、銀行に預金者が押しかけることがありうる。バンク・ラン(取り付け)である。預金通帳を持った人が銀行を取り囲むことになるかもしれない。

 昭和初期のわが国の金融恐慌においてはそうしたことが実際に起きたのだが、どうやら中国の地方都市ではバンク・ランが発生し始めているともいわれる。少なくとも中国人の分析家はそのように指摘する。その意味からも、中国の金融政策運営は、非常に危ういタイトロープを渡るかのごときものになり始めている。

 資源配分を改善するために資本自由化に取り組むべきという点については、中国でも少なからざる人が指摘するところである。だが、現実に資本自由化によって中国の人々が自由にお金を動かすことができるようになると、中国の銀行の不良債権比率が相当高まっている状況においては、海外の口座への資金流出が発生することも考えられる。

 その意味からも、中国における資本自由化は到底進められないという立論も根強い。もしそれを進めるのであれば、金融機関の不良債権問題に片をつけてからだということになるが、他方、投資の比重が高い経済体質が持続するかぎりにおいては、不良債権問題を片付けることは難しいという論理的関係にある。

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4/16JBプレス 古森義久 『米国が問題視、中国の圧力はケニアにも?45人の台湾人を台湾ではなく中国に強制送還』、4/16ZAKZAK 有本香『中国「反日」プロパガンダ溶解危機 ケリー米長官の広島献花の衝撃』について

中国は嫌がらせの名人、レアアースの禁輸、南京虐殺等、人の嫌がることを平気でします。自分たちにとって、その方が利益があると判断すれば果断に実行します。ただ、長期的な視点を持ち合わせているかどうかは別ですが。福田康夫の「人が嫌がることはしない」態度と真逆の態度であります。敵は日本人の人の良さに付け込みます。人の善意を信じる性格で”gullible”と言っても良いのでは。朝鮮人も小中華だけあって中国人と同じです。今度の熊本・大分地震でも人間の発言とは思えない言辞を弄しているのがネット記事にありました。ここに記載するのも憚れます。日本のメデイアは中韓北に籠絡されているので、記事にしないのでしょうけど。こういう国とは友好関係は結べないというのは国民レベルで広がっています。その結果が新聞販売量の結果となって現れています。

古森氏は「92共識」が存在するとの立場ですが、李登輝元総統は認めていません。中国人は文書偽造が得意です。大学の卒業証書や公的領収書も偽造して売っているくらいですから。中国人と台湾・外省人(=中国人)が手を握ってデッチ上げたのだろうと思います。でも、中国は45人を人質に取り、蔡英文次期総統を揺さぶろうと言うのが見え見えです。「92共識」を認めないと人質は返さないと言って来るのでは。日韓基本条約締結時と同じです。人質を取られた日本は、払わないで良い金を払ってしまいました。それが小中華を増長させることになったのです。日本は、小中華は相手にせず、台湾民進党をバックアップすれば良いでしょう。

http://fis.takushoku-u.ac.jp/worldnow/backnumber/17/shimojo.html

オバマ大統領の広島訪問は既定路線になった感があります。反日朝日と同じ反日NYTも賛意を示しました。ワシントン・ポストも賛成ですので、間違いないでしょう。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160416/k10010483611000.html

ケリーだけでなく、オバマが広島に行けば、中国の驚愕度合いはもっと大きくなるという事です。江沢民が反日腐敗大統領のビル・クリントンと会う時に、ハワイの真珠湾に寄り、戦艦アリゾナで「米中は第二次大戦で一緒に戦った」と言う演説をしたことを思い出しました。勿論中国で戦ったのは国民党で、共産党は逃げ回っていただけですが。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B1%9F%E6%B2%A2%E6%B0%91

米国も原爆投下を正当化する意見がまだまだ主流ですが、歴史の見直しが進み、如何にFDRがスターリンに手玉に取られていたのか分かれば、米国世論も変わってくると思います。ハミルトン・フィッシュ著(渡辺惣樹訳)『ルーズベルトの開戦責任』やフーバー大統領の回想録“freedom betrayed”を読めば、日本は嵌められたのが分かります。でも騙される方が悪いと思わねば。キッシンジャーのような中国から買収されている政治屋が居なくなれば米国での歴史の見直しが進むかも知れません。日本のメデイアはGHQのWGIP其の儘の考えで報道していますので。いい加減呪縛から脱却しなければ。

http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/fce93545125696bebb8f2a84f07e56c2

古森記事

Nairobi

ケニア政府はなぜ台湾人を中国に強制措置したのか。ケニア・ナイロビの市街地(資料写真)

 ケニアに滞在していた台湾籍の45人をケニア政府が拘束し、中国に強制送還した。

 この“異常”な措置が、「一つの中国」政策を拡大する中国の強硬戦略の表れだとして、米国で重大な関心を集めている。中国が経済援助の見返りとしてケニアに圧力をかけ、台湾の独立性を骨抜きにする外交攻勢に出ていると警戒されている。

「台湾とは国交がない」とケニア政府当局者

 台湾当局などの発表によると、ケニアに滞在していた45人の台湾人が、4月8日に8人、同12日に37人、中国本土の広州市に向かう中国旅客機に強制的に乗せられ、送還された。

 ケニア政府の発表では、45人はいずれもケニア国内での詐欺事件、サイバー犯罪に関与した疑いがあり、同じ容疑の中国籍約10人と同じ扱いで中国側に引き渡すことにしたという。

ケニア政府当局者は、ケニアと台湾(中華民国)の間には国交がないこと、ケニアは中華人民共和国が唱える「一つの中国」の原則を受け入れていることを強調した。この原則に基づけば台湾籍の人物の身柄を中国に引き渡すことは決して不自然ではないという。それを受けて中国外務省報道官は、「ケニアが『一つの中国』の原則を堅持していることを高く評価する」と言明した。

 8日にケニアを離れた台湾籍の8人はすでに北京に送られて拘留されているという情報もある。台湾政府は中国政府に対して、すべての台湾籍の人物の身柄の引き渡しを求めた。だが中国側は、「ケニアと国交を有するのは中国であり、管轄権は中国にある」と答え、台湾側の要求を拒否した。

 ケニアに拘束されていた台湾人たちは強制送還の先が中国本土であることを通告されると、留置所内部で抗議し、連行されることを拒否した。しかし、ケニア当局により無理やり航空機に乗せられたという。台湾政府はこの留置所内部での抵抗を録画したビデオを入手して一部を公開し、ケニア政府に抗議している。

蔡英文氏へのいらだちを隠さない中国

 米国務省報道官は、中国本土に送られた台湾人の1人が米国籍も有していることから、米国がこの事件に重大な関心を抱いていると語った。

 しかし、米側の中国・台湾問題の専門家たちの多くは、別の点からケニア政府の強硬な措置を問題視している。つまり、ケニア政府は「一つの中国」政策を徹底しようとする中国政府の意向を受けて強制送還を行ったというのだ。

中国と台湾の間には、共に「一つの中国」の原則を認めたとされる「1992年合意」が存在する。だが、2016年1月の総統選挙で当選し、5月に総統に就任する民進党の蔡英文氏は、その合意への態度を鮮明にしていない。むしろ、受け入れることに難色を示しているとも伝えられる。

 中国は蔡氏へのいらだちを隠さず、さまざまな形で「一つの中国」原則を受け入れるよう圧力をかけてきた。今回のケニア政府の措置も、中国が「一つの中国」原則を押し通すために台湾人の身柄を引き渡すようケニア政府に働きかけた結果であり、それによって蔡氏に揺さぶりをかけているという見方がある。

 中国は近年、アフリカへの経済進出を拡大させ、特に鉱山資源や石油資源の豊かな南アフリカ、ザンビアなどへの援助や投資を増加させてきた。東アフリカで最大の経済規模を誇るケニアに対してもインフラ建設などの面で援助を強化してきた。ケニア側はそうした中国の援助に応える形で、台湾人の中国への異常な送還を強行したというわけだ。

 米国では、中国が今後も台湾の民進党新政権に圧力をかけ続け、台湾の国際孤立を深める戦略を進めるだろうという見方が広まっている。

有本記事

Kerry offered flower in Hiroshima

原爆慰霊碑に献花するケリー米国務長官(中央)と岸田外相。右はハモンド英外相=11日午前、広島市の平和記念公園

またもや北京が激怒している。広島市で開かれたG7(先進7カ国)外相会合の後、参加各国の在中国大使らを呼び付けて抗議したほどにである。怒りは主に、南シナ海や東シナ海の件が議論され、声明に盛り込まれたことに対してとされている。これは表向きのことだろう。  国際社会では日々、大小さまざまな国々が、2つの「り」を最大化すべく、しのぎを削っている。1つは「利益(国益)」、もう1つは「理念」だ。理念は、価値観と言い換えてもいい。  今日までの世界は、G7に代表される西欧諸国の価値観によって支配され、それによって彼の国々の利益が最大となってきた。  日本は元来、異分子ながら、西欧グループに肩を並べて、「自由」「人権」「民主主義」「法の支配」などの価値観を共有している。  中国はこれに挑戦しているわけだ。挑戦の過程で、各国にカネをばらまき、中国ビジネスの利権ケーキの切り分けを絶妙に差配しながら、G7の国々を黙らせることに努めてきた。  ところが、広島宣言によって、中国の南シナ海・東シナ海での軍事行動は、アジアローカルの問題から、G7の共有する懸念材料へと格上げされた。だが、中国の「怒り」のポイントをこの件だけと見るのは誤りだ。むしろ、米国のケリー国務長官が、他のG7外相とそろって原爆慰霊碑に献花をし、原爆資料館を訪れたことの方が、大きな衝撃を与えたにちがいない。  なぜなら、中国がこれまで韓国を従えて、米国などを舞台に好き放題やってきた「対日歴史戦」が、方向を見失う可能性があるからだ。「南京で日本軍が40万人を虐殺した」だの、「20万人の朝鮮の少女が強制連行され、性奴隷にされた」という一連のウソは、米国という戦勝国の史観がお墨付きとなって野放しにされてきた。

日本は、中国や朝鮮で散々悪いことをしたのだから、原爆を落とされても当然、原爆投下は戦争を終わらせ、多くの人を救った正当な行為だった-という米国のロジックが、中国・韓国勢のプロパガンダの下支えになってきたのだ。

 今般のケリー長官の広島での言動から、オバマ米大統領の広島訪問が実現すれば、中韓のプロパガンダの根底は溶融しかねないのである。米大統領の広島訪問には、それだけの意義がある。

 「オバマ大統領の最後のパフォーマンスに広島を使うな」とか、「大統領に謝罪を」という声が日本国内にあるが、求めすぎるのは得策ではない。米国内の世論への配慮も必要だ。

 米中が、価値観(理念)の対立を鮮明にしていく。その新たな冷戦を、日本の「り」につなげていくための、強かで着実な前進が今求められているのである。 =おわり

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4/15日経ビジネスオンライン 北村豊『中国ホテル内暴行、「皆が無視」のおぞましさ ネット告発でホテルに非難殺到も、対応に誠意なし』について

中国のホテルのロビーにはそれと分かる女性が屯しています。米系ホテルと雖もです。外から女性を持ち込むと、彼女らの商売の邪魔をすることになり、ホテル側から公安に通報される危険性が高いです。

中国は力の信奉者が多いです。女衒のような輩も、絶対公安に賄賂を贈っています。でなければすぐに逮捕され、安心して商売ができないからです。その為、逆に過信に繋がり、「何をしても大丈夫」という気にさせてしまう訳です。中国駐在時にも日本料理店やカラオケ店に時々、視察と称して公安が回ってきました。裏で金を出していれば別に何も起きません。カラオケ女性は「三陪小姐」(男性客の「食事、遊び、寝る」の3つにつきあうことを生業とする女性の蔑称、①陪你聊天②陪你喝酒③陪你上床、〈備考〉「三陪」は「陪酒、陪舞、陪歌」、「陪吃、陪喝、陪聊」を指すこともある。)とよばれることもありますが、全員が売春する訳ではありません。また、話をしたり、酒を飲むときに女性は男性の横に座ってはいけないことになっていますが、守られることはなかったです。大体取り締まる側の公安が腐敗していますから。中国には立派な法律が通過していますが、守られた試しがありません。賄賂で曲げられてしまうからです。排水中のBOD、COD超過も罰金を払えばそちらの方が、設備投資するより安いので、中国の河川は汚れ放しになる訳です。中国憲法の第35条には「中華人民共和国は、言論、出版、集会、結社、行進、示威の自由を有する」とありますが、守られてないのは、香港・銅鑼湾書店の例を持ち出すまでもないでしょう。デモも官製デモだけです。共産党が認めないデモを許せば、国はすぐに持たなくなるでしょう。共産党は悪逆非道の統治をしていますので。

でも、今はSNSが発達してますので、おかしなことが起きれば、政治的に微妙な問題でない限り、本記事のように反撃できます。権力の横暴に対抗するには、このような手段を活用するしかありません。社会に「悪」を晒すことでしか。日本のメデイアは権力となって、彼らにとって「不都合な真実」は「報道しない自由」の権利を行使します。でもSNSの発達で、メデイアが批判の目に晒されるようになりました。また、玉石の石の情報は炎上するか、淘汰されます。インターラクテイブの凄さです。

記事

ホテルグループ“如家酒店集団(Home Inns Group)”に属する“和頤酒店(Yitel)”は中国国内でチェーン展開する準高級のホテルで、国内24都市に60か所のチェーン店を擁している。「北京望京798和頤酒店」(以下「和頤(わい)ホテル」)は北京市内に9か所あるチェーン店の一つで、北京市北東部に位置する“朝陽区酒仙橋北路”にあり、“望京科学技術園区”と芸術家が集うことで名高い“798芸術区”に隣接することから命名された。和頤ホテルは“首都国際空港”まで北東へ15km、北京市の中心部まで南西へ15kmと、空港と市街区の中間点にあって交通に便利なことから、宿泊客には地方から上京するビジネスマンが多い。

北京の和頤ホテルで暴漢に襲われる

 さて、4月3日の夜、その和頤ホテルに宿泊していたハンドルネームを“彎彎_2016”と名乗る女性がホテルの宿泊階で暴漢に襲われる事件が発生した。その事件の経緯は以下の通り。

【1】彼女が和頤ホテルにチェックインしたのは4月1日だった。彼女は北京市へ業務出張するついでに休日を楽しもうと、3月30日に旅行予約サイト“携程旅行網(ネット)”を通じて首都国際空港に近くて便利な和頤ホテルを4月1日から予約した。北京滞在3日目の4月3日の夜、彼女は北京にいる友人との食事を楽しんだ後、1人でタクシーに乗り、10時50分前に和頤ホテルへ到着した。ホテルの玄関を入ってエレベーターホールに進むと、そこには3人がエレベーターの到着を待っていた。間もなくエレベーターが1階に到着し、上りのエレベーターには彼女を加えた4人が乗り込んだ。

【2】和頤ホテルのエレベーターはセキュリティシステムを採用しており、宿泊客がエレベーターで宿泊階へ上るには、宿泊客が持つカード式ルームキーをエレベーターの停止階表示器に組み込まれたセンサーにタッチする必要がある。彼女の部屋は4階だったが、停止階表示器を見ると、誰かがルームキーをタッチしたらしく、4階の停止表示はすでに点灯していた。エレベーターは4人を乗せて上昇し、3階で1人が降りた後に4階へ到着した。エレベーターが4階に止まって扉が開くと、彼女はすぐにエレベーターを降りたが、停止時間が過ぎて扉が閉まる直前に1人の男が降りた。

【3】彼女がエレベーターホールでバッグから部屋のカードキーを取り出すのに手間取っていると、その男が彼女に近付き、「姉ちゃんは何号室」と声を掛けてきた。これはまずいと思った彼女は、「どうしてあんたにそんな事を言わなきゃいけないの。あんたは誰?」と応じた。すると、男は表情を変えて、「お前の部屋へ行こうじゃないか」と言いながら、彼女の腕をつかんで無理やり部屋のある方向へ引っ張った。彼女は男の乱暴な行動に怯えると同時に、男が凶器を持っていたらどうしようと考えつつ、身体を引っ張られまいと抵抗を続けた。彼女の抵抗が激しいので、男はさらに力を強めた。彼女は「私はあんたなんか知らない。放してよ」と大声で叫び続けたところ、男はその声を他の宿泊客に聞かれては困るとばかりに、彼女の首と顔を押さえつけて声を出せなくさせて、彼女を強引に引っ張った。

【4】彼女は何としても逃れようと、必死の思いで「助けて」と大声で叫び続けた。たまたま部屋のある通路から現れたホテルのボーイが、彼女の叫び声を聞いて近付いてきた。天の助けと考えた彼女はボーイに向かって、「この人は知らない人なの、早く助けて」と叫んだが、これを聞いた男はなおさらいきりたって、彼女の首をつかむ手に力を加えたので、彼女は息ができなくなり窒息しそうになった。この状況を見て、恋人同士の痴話げんかだと思ったボーイは、男の暴力行為を止めようとしないばかりか、優しい声で「ここでけんかしないでください。だめです、こんなことはいけません」と語りかけたのだった。

ボーイも客も傍観、1人の女性が救いの手を

【5】ボーイは助けてくれるわけでなく、ただ傍観しているだけ。どうしようもなくなった彼女は、床に座り込んで男に引っ張られるのを防ぎながら、110番へ通報しようと携帯電話を取り出した。しかし、目ざとくこれを見つけた男は、彼女の手から携帯電話を奪い取ると、彼女から目を離さぬまま、やおら誰かに電話を掛け、電話の相手に応援に来るように依頼したのだった。これを聞いて、彼女は焦った。誰だか知らないが、男の仲間が来たら連れて行かれるかもしれない。彼女は混乱の極にあり、恐怖に打ちのめされて、全身をわなわなと震わせていた。

【6】この間にも数人の宿泊客がエレベーターから降りて来たが、彼らは男女が痴話げんかしているものと思ったのか、見て見ぬふりして通り過ぎて行くだけだった。但し、1人の女性だけは彼女と男のただならぬ様子に不審を覚えたようで、ずっと彼ら2人を見つめながら自分の部屋へ向かった。そうこうする間に、男は再度電話を掛けようと、彼女から手を放して少し離れた場所へ移動した。逃げるなら、今がチャンスだ。一瞬の間隙をついた彼女はエレベーターまで突進して上下ボタンを押したが、これに気付いた男は走り寄ると、有無を言わさずに彼女を捕まえ、髪の毛をつかんで、彼女をエレベーターとは反対の側にある消防用避難通路へ連れ込もうとした。

【7】先に2人の様子に不審を抱いた女性は、一度は部屋に戻ったものの気掛かりで、部屋から出て、彼らの状況をうかがっていた。男が彼女の頭髪をつかんで消防用避難通路へ連れ込もうとした時、見かねて意を決した女性は、彼女に救いの手を差し伸べて、男の手から彼女を救い出すと、彼女の盾となった。すると、形勢不利と見た男は慌てふためき、消防用避難通路から脱兎の如く逃走した。危機を脱した彼女は救い出してくれた女性の腕にすがり、自分を女性の部屋へ連れて行って欲しいと懇願した。ホテルのボーイは男が逃走するまで現場にいたにもかかわらず、最後まで彼女を救出することなく、ただ木偶の坊のように傍観していただけだった。

 上記の事件は4月3日の夜10時50分から54分までの4分30秒の間に発生したもので、その状況は4階のエレベーターホールに設置されていた監視カメラによって全て録画されていた。しかし、和頤ホテルの警備員も管理職員も監視カメラの映像を見ていなかったため、事件の最中に現場へ駆けつける者は誰もいなかった。また、当直のフロント係は事件後に何度も電話を掛けた末に、ようやく彼女の所へ出向くという体たらくだった。彼女が事件を110番通報したことで、派出所の警官が和頤ホテルへ急行し、和頤ホテルでの現場検証と監視カメラのチェックが行われた。その後、彼女は警官とともに派出所へ移動したが、警官が彼女の調書を取り終えたのは午前2時過ぎだった。

 彼女は派出所の警官に、「犯人は27~28歳の男で、黒革の上着にGパンをはき、うりざね顔で凶暴な目つきをしていた。男は酔っておらず、素面だった」と述べて、犯人を早急に逮捕するよう要望した。しかし、警官は、「盗られた物もないし、負傷もしていない。酔っ払いが絡んで来ただけじゃないのか」とまともに取り合うとしなかった。

ホテルへの非難コメント200万以上

 その夜ホテルの部屋に戻った彼女はまんじりともせずに一夜を過ごした。翌4日の朝、ホテルのフロントへ出向いた彼女は、フロント係に今回の事件発生についてホテルはどう考えているのかを質したが、フロント係は事件が発生したことなど全く知らなかった。そこで、責任者に連絡を取るよう要求して、責任者と電話で話したところ、責任者はすでに公安局へ報告済みだから、公安局からの見解を待ちたいと言っただけで、ホテル内で事件が発生したことを謝罪しないばかりか、事件について何らの釈明もなかった。そればかりか、責任者は電話で応対しただけで、彼女の前に姿を現すこともなかった。それでも彼女はホテル側からの誠意を信じて連絡を待ったが、ホテル側は知らぬ顔の半兵衛を決め込み、彼女を一切無視した。このため、彼女は4日中にホテルを引き払い、飛行機で北京を去ったのだった。

 4月5日、彼女は自身のハンドルネーム“彎彎_2016”の“微博(マイクロブログ)”に4月3日夜に和頤ホテルで発生した事件の経緯を書き込むと同時に、ホテルで警官と共に監視カメラの映像をチェックした際にスマホで撮影した、事件発生当時の状況を示す動画を動画共有サイト“優酷(youku.com)”へ投稿した<注>。このマイクロブログの書き込みと投稿された動画は大きな反響を呼び起こし、ネットユーザーによって中国全土へ転送された。この結果、4月6日夜までに“彎彎_2016”のマイクロブログには15億件ものアクセスが殺到し、200万人以上がコメントを書き込んだ。その大部分は和頤ホテルの彼女に対する冷淡な対応を非難すると同時に、ホテルの管理能力と従業員教育に疑問を呈するものだった。

<注>“優酷”に投稿された動画の再生回数は、4月10日夜までに700万回を超えた。

 あるネットユーザーは、和頤ホテルが売春組織と結託して利益を得ているのではないかと疑問を投げかけ、犯人の男は彎彎_2016を自分が呼んだ売春婦と勘違いしたもので、そうならば、男が彼女を無理やり部屋の方へ連れて行こうとした理由が説明できるとした。後に判明したところによれば、和頤ホテルでは宿泊客以外は客室階へ上がれないようにするセキュリティシステムを採用しているというのに、なぜか客室には名刺大で煽情的な女性写真入りの売春ビラが多数配布されていたという。

ホテルの謝罪会見、5時間遅れ、5分のみ

 それはさておき、事件が公になり、大きな騒動に発展したことで、驚いたのは和頤ホテルだった。彼女からの問題提起を無視して、事件をうやむやのうちに終わらせようと考えていたホテル側は慌てた。彼女に電話を入れて、カネを払う代わりに、速やかにマイクロブログの書き込みと動画共有サイトの動画を削除するよう要請したが、彼女からは即座に拒否された。

 4月6日、和頤酒店チェーンを展開する如家酒店集団は、事件のあった和頤ホテルで記者会見を行った。会場となった和頤ホテルのホールにはメディアの記者が大挙して押しかけたが、会見は予定時間より5時間も遅れて始まった。会見には如家酒店集団を代表して2人の女性が出席し、そのうちの1人が原稿を読む形で、事件発生に対する遺憾を表明し、被害者および社会に対して謝罪した。さらに、今後は類似の事件が発生しないように改革を行い、公安局の調査には積極的な協力を行うと述べ、わずか5分で会見を打ち切り、記者たちの質問には全く応じることなく、会場を後にした。

 4月8日、あるメディアの記者が、事件の当事者である“彎彎_2016”は、浙江省“杭州市”にある某企業の従業員であることを突き止めた。彼女は出張で4月1日に北京を訪れ、事件生翌日の4月4日に杭州へ戻っていたのだった。一方、北京市公安局は公式マイクロブログで、4月7日の夜9時頃、和頤ホテル事件の専従班が河南省公安局の協力の下で、河南省“許昌市”で同事件の容疑者として李某(男、24歳、本籍:河南省)を逮捕し、現在取調べ中である旨を公表した。事件に対する世論の沸騰に北京市公安局も犯人逮捕に全力を上げざるを得なかったものと思われる。

 なお、某メディアは、犯人の男は和頤ホテルの客室に売春ビラを配るのを仕事としており、たまたま見かけた“彎彎_2016”を同業者であると思い込んで、彼女を連れ去ろうとしたと報じている。事件発生後、男は和頤ホテルに電話を入れて、彼女が同業者だと勘違いして犯行に及んだと話したと言う。これが本当ならば、北京市公安局が事件発生からわずか4日で北京市から約800kmも離れた河南省許昌市で男を逮捕できたことの説明がつく。

こうして事件は表面的に終わりを告げたが、事件の根は深い。その理由は以下の通り。

義侠心の復活は至難の業

【1】犯人の男が売春ビラを配るのを仕事としていたのならば、連日のように和頤ホテルに通っていたはずで、第一発見者となったボーイと顔なじみだった可能性がある。だからこそ、ボーイは、犯人の暴力行為を止めようとせず、「ここでけんかしないでください。こんなことはいけません」と犯人に呼びかけたものと考えられる。ボーイは“彎彎_2016”と犯人の2人が痴話げんかしているとは思っていなかった可能性が高い。

【2】それよりも、犯人が和頤ホテルの客室階へ自由に出入りできたのならば、彼は客室階へ上るマスターキーを持っていたことになる。恐らく、ホテル内のしかるべき役職にある人物が犯人に便宜を図り、見返りとして客がついた場合にリベートをもらっていた可能性が高い。和頤ホテルは準高級ホテルだから、そんなことはありえないと思うかもしれない。しかし、中国では高級ホテルでさえも売春婦が宿泊していて、館内電話を使って客室に電話をかけ、宿泊客に売春を持ち掛けることがあるくらいだから、客室に売春ビラが配られても決しておかしなことではない。果たして、北京市公安局が本件に関連して和頤ホテルと売春ビラの関係にまで踏み込んだ調査を行うかどうか。4月5日付のメディアは、民間企業である如家酒家集団が、110億元(約1980億円)で国有企業の“北京首旅酒店(集団)股份有限公司(略称:首旅酒店集団)”に合併されて、首旅酒店集団の傘下に入ると報じている。民間企業ならともかく、国有企業となった和頤ホテルの売春問題に北京市公安局が踏み込むことは恐らくないだろう。

【3】上述した事件の経緯を振り返ると、そこに見えてくるのは、人々の他人に対する無関心である。何人もの宿泊客が“彎彎_2016”に対する犯人の暴力行為を目にしながら、阻止しようとせず、無関心を装って通り過ぎた。2011年10月、広東省“佛山市”で2歳の女の子が前後2台の車にひかれて路上に倒れていたが、18人もの通行人が見て見ぬふりで救助せずに通り過ぎ、19人目の老婦人が救助して病院へ搬送したが、女の子は死亡した。また、「中国では老人が倒れていても助けるな」という考え方が一般化し、倒れている老人を見ても誰一人助けようとせずに、死亡する事例が多発している。これは自分の不注意で倒れた老人が、高い医療費を負担できないことから、助けた人に倒されたと主張し、裁判で勝利して医療費を騙し取る事件が多発していることに起因する。

【4】“彎彎_2016”は、今回の事件を踏まえて、こうした風潮に苦言を呈し、他人に無関心を装うことを止めて、困っている人を見たら助けなければならないと述べている。自分がその当事者として苦境に陥った場合を考えれば、誰かに手を差し伸べて欲しいはずではないかと彼女は言っている。かつての中国には「“路見不平,拔刀相助(路上で人の危難を見たら、刀を抜いて助ける)”」という言葉があり、義侠心を起こすという精神が存在していたが、いまでは言葉だけが残って、その精神は全く消え失せた。この精神を復活させることは至難の業だが、それをしない限り、中国社会は個々人がばらばらになり、新たな発展を遂げることはできないのではないだろうか。義侠心が存在しなければ、我々日本人が好きな、三国志や水滸伝に代表される中国古典文学は成立しなかったはずである。

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