ブログ
ブログ一覧
12/25童倩 BBC中文网驻东京特约记者『日本学者:中共与日军共谋对抗国军』について(BBC東京特派員 『日本の学者:「中共と日本軍が共謀して国民党軍に対抗』について」)
中国語で書かれた記事ですので、日本語に訳してみました。正確性については保証の限りにあらずですが。でも久しぶりに訳しましたので面白かったです。日本も日本語だけでなく、英語・中国語で発信していく必要があると思います。日本語は外国からの進出のバリアになりますが、出ていくときも同じようにバリアになります。グローバル時代には、日本の伝統文化を大切にしながら、他の言語で日本の立場を主張することが大事と思います。その国の人達に媚びずに淡々と事実に基づき論理的に説明するのが良いと思います。
この本は読んでいませんが、いろいろ気づかせられることがありました。日本は中国に工作資金をたくさん出したにも拘わらず、実を結ぶことはなかったという事。戦後も中国に支援しても反日を強化させ、一番の敵国になったことを考えますと、日本人と言うのは本当に歴史から学んでいないという事。
この本を、中文だけでなく英文で出版すれば良いのでは。日本は共産党に利用されていたのが分かるでしょう。天安門の「毛」の肖像画を崇拝する中国人はこれを読んでなんと感じるか?国民党と日本軍を騙して最終勝利を得た「毛」はやはり最高の将軍と思うのかも知れませんが。しかし、「南京虐殺」のようにありもしないことを中国が世界遺産に載せるのであれば、世界の法輪功信者を動かし、江沢民のやってきた信者の臓器移植を世界遺産に載せるように動けばよい。昔の日本人だったらやれたでしょうけど。今の日本人はエリートが金に転ぶだけ。寂しい限りです。
記事
今年抗日战争结束七十周年之际,中台双方围绕国共两党当时谁才真正抗日发生争论。
虽然在中国9月3日“纪念抗战胜利七十周年”大阅兵时,日本各大传媒均指出,在抗战胜利时,中华人民共和国还没诞生,当时中国的中央政府是国民党领导的中华民国政府,抗战的主流不是中共,但日媒也没有提出证据来说明共军在抗战中的表现。
今年11月,日本筑波大学名誉教授远藤誉撰写的《毛泽东 与日军共谋的男人》一书在日本出版。作者远藤根据她收集的中国、台湾、日本三方面资料,来论证中国国民党军队抗日时,前中共领导人毛泽东率领的中共与日本驻上海的特务机关-岩井公馆合作打击国民党的史实。
远藤的这本书在出版后立即引起不少日本国民的关注,一个月内增印了5次。
日本《每日新闻》、《富士晚报》等媒体也就此书发表了书评,富士电视台、朝日电视台等更邀请远藤介绍其这本历史书。
「今年は抗日戦後70年、中台双方が国民党、共産党いずれが日本軍と正当に戦ったのかを巡り論争した。
9/3中国で抗日戦勝利70周年記念の閲兵式があったにも拘わらず、日本のメデイアは「戦争に勝利した時には中華人民共和国はなかった。当時の中国の中央政府は国民党に指揮された中華民国で抗日の主流は中共ではない」と大々的に宣伝した。しかし、抗戦中に共産軍の存在を説明する証拠も出さなかった。今年の11月、筑波大学の遠藤誉名誉教授の書いた「毛沢東 日本軍と共謀した男」が日本で出版された。遠藤は中国、台湾、日本で資料を集め、国民党が抗日していた時に、毛に率いられた共産党と日本の上海特務機関の岩井公館が協力して国民党を打倒しようとした史実を論証した。この本は出版後、多くの日本人の注目を浴びる所となり、一ケ月で5回増刷した。毎日新聞、夕刊フジは書評を発表し、フジテレビやTV朝日は本の紹介のため、本人を番組に呼んだりした。」
Image copyrightBBC ChineseImage caption远藤誉的书《毛泽东 与日军共谋的男人》正以一个月增印5次的速度在日本畅销。
BBC中文网则成为了专访远藤誉的全球首家中文媒体。
远藤对BBC中文网记者说,她是读了《潘汉年传》等中国书籍后,开始怀疑中共的解释,然后着手准备写书的。她希望通过日本方面的资料来解开有关疑问,而结果则令她自己也震惊了。
中共特务与日本特务
《毛泽东 与日军共谋的男人》叙述说,“1937年日中全面战争开始后不久,毛泽东就向上海和香港派遣中共特务,与日本外务省旗下的特务机构‘岩井公馆’的岩井英一、设置日本陆军参谋部特务机构‘梅机关’的影佐祯昭等接触”。
远藤收集的中方资料对此解释说,这一切的目的都是为了取得抗战胜利,收集日本秘密情报,为八路军和新四军勇敢地与日军作战发挥了作用。
但远藤收集的岩井回忆录《回想的上海》中则明确说,“事实完全相反,是中共特务把通过国共合作得到的蒋介石为首的国民党军队的情报提供给日方,目的存在弱化国民党的意图”。
远藤的书详细记述了1932年作为日本驻上海领事馆情报部副领事的岩井赴任后,因汉语流畅,负责接待记者中日双方20多名记者,包括后来被称作“五重间谍”的新声通讯社中国记者袁殊(袁学易)。当时中共报章上不时有岩井和影佐的名字,在延安的毛泽东也获悉。岩井还建议在上海加强收集情报工作、并获准设置了“公使馆情报部”。
1935年6月岩井解救了被国民党逮捕的袁殊,更增添了两人交情。岩井虽知袁殊多重间谍身份,但不介意并援助袁殊再次留学日本,直至西安事变后才回到中国。岩井本人也在1937年回国,1938年2月重返上海,目的是“早期结束军方挑起的战争”。
「著作権:BBC中文のキャプション 遠藤誉の「毛沢東 日本軍と共謀した男」は一ケ月で5回増刷したくらい良く売れている。
BBC中文ネットは遠藤の最初の世界向けインタビューの中文メデイアとなった。彼女が記者に言ったのは「中国の『藩漢年伝』等中国の書籍を読んでから、写本の準備をした。日本の資料を通して疑問を解明しようとしたところ、自分をも驚かせる結果となった。
中共特務と日本特務
「毛沢東 日本軍と共謀した男」の中で「1937年日中全面開戦後、間を置かず、毛は上海と香港に特務を派遣、日本外務省傘下の特務機関である「岩井公館」の岩井英一と陸軍参謀本部の「梅機関」の影佐偵昭と接触させたとあった。遠藤が集めた中方の資料では戦争勝利のため日本の秘密情報を収集し、八路軍や新四軍に日本軍との作戦で勇敢に戦えるようにしたと説明があった。しかし、遠藤が集めた岩井の回想録「追憶上海」の中では「事実は逆である。中共は国共合作を通じ、国民党の情報を日本軍に流して国民党の弱体化を図ろうとした」と明らかにした。更に「1932年岩井が上海の情報部副領事として赴任してから、中国語が流暢のため、20名強の日中記者の相手をした。中には後に5重スパイと言われた新声通信社の袁殊(袁学易)記者も含んでいた。当時の中共の新聞には度々岩井と影佐の名があり、延安にいた毛も知るところとなった。岩井は情報収集の強化のため、上海の公館内に情報部設置の意見を提案した。35年6月に袁殊が国民党に捕まったのを岩井が救い、両人の付き合いは深まった。岩井は袁殊がダブル・トリプルエージェントであるのを知っていても意に介さず再度日本に留学させた。彼は西安事変後に中国に帰って来た。岩井は37年に日本に帰国、38年2月に軍が起こした戦争を早期に終わらせる目的で上海に戻った。」
共产党人与岩井公馆
Image copyrightBBC ChineseImage caption2002年旅美中国学者谢幼田的《中共壮大之谜》也根据中文资料叙述中共向岩井出卖国民党情报得以壮大的史实。
岩井在上海领事馆设置了特别调查班,搜集蒋介石政府内部情报,寻求“讲和”的机会。岩井全权委托袁殊组织新党,并说:“为了达成全面和平的共存共荣日中新关系理念,不光是党名,还要以真正理解这一理念的民众、知识分子为对象,前身是蓝衣社、中统团、以及其它党派相关者,共产党员都不要紧”。
结果袁殊招募了大批中共地下党员,而所有经费由岩井取得公使馆情报部长河相达夫同意,由日方支付。不过最终新党运动演变成“兴亚建国运动”,并在袁殊建议下,兴亚建国运动总部起名“岩井公馆”。
这个时期,袁殊还把匿名为胡越明,直接在毛泽东指挥下从事特务活动的前中共特工头子潘汉年介绍给岩井,袁殊形容潘汉年地位相当于周恩来(中国前总理)。
岩井在《回想的上海》中描写首次见潘汉年的印象是“非常稳重的知识人,却又是潇洒的都市人而令人好感”。并回忆说,此后每次都是潘汉年求见、提供国民党政府和国军情报,且以岩井公馆作据点,扩大中共在香港的间谍活动。
「共産党人と岩井公館
著作権:BBC中文のキャプション 米国駐在の中国人学者謝幼田の『中共の強くなった謎』にも中共は岩井に国民党の情報を売った壮大な史実があるとの叙述がある。
岩井は上海領事館に特別捜査班を置き、蒋介石政府内部の情報を集め、講和の機会を窺った。岩井は袁殊に全面的に新党を作るのを任せ、全面的な平和かつ共存共栄のための日中新関係の理念に達するために、党名だけでなく、この理念を正しく、民衆や知識階級にも理解させる。前に、藍衣社や中統団、その他の党の関係者、共産党であっても関係なし。結果、袁殊は地下共産党員を大量に入れ、経費は情報部長の河合達夫の同意の下、岩井が払った。しかし、新党は結局「興亜建国運動」に変わり、袁殊の意見で「興亜建国運動本部」を「岩井公館」と呼ぶようにした。この時期、袁殊は胡越明と言う名で毛の指揮の下、前中共の特務のボスの潘漢年を岩井に紹介した。袁殊は潘漢年の地位は周恩来に相当すると。岩井は「追憶上海」の中で潘漢年の第一印象を「非常に穏やかな知識人かつ、洗練された都会人でもあり、好感が持てる」と。その後潘漢年は岩井公館を拠点として、香港でのスパイ活動を拡大し、国民党と国民軍の情報を提供した。また、岩井公館を拠点とし、中共の香港でのスパイ活動を拡大させた。」
日本情报费资助中共
岩井委托日本驻香港领事馆的小泉清一每月向潘汉年支付2000港元作为收购情报费,加上由潘汉年筹办多种定期出版的刊物费等,每次另支付潘汉年1万港元。
当时,2000港元相当于一名香港华人警员5年的薪水,而日本每年向潘汉年支付的费用相当于一名香港华人警员60年薪水,而且尚不包括刊物费,最终这笔可观的收入落入中共手中。
远藤在书中指出“这就是谢幼田(美国斯坦福大学胡佛研究中心前客座研究员)著书《中共壮大之谜》的中共壮大理由”,而日本支付的费用大部分源自外务省机密费,岩井回忆说,支付的总额达30多亿日元(超过2500万美元)。
1937年,面对入侵的日军,中共八路军和新四军希望抗战,但毛泽东则坚持只拿出10%兵力用于抗战。岩井《回想的上海》还披露,潘汉年通过袁殊向岩井提议,商谈共军与日军在华北战场上“停战”的事宜,岩井因不懂军事,把该建议转手影佐,潘汉年从此开始直接与日军接触。
「日本の情報費が中共を助ける
岩井は香港領事館の小泉清一に毎月2000香港$を情報収集費として潘漢年に払うのを任せた。更に、多くの定期出版物刊行代として年10000香港$を払った。当時の2000香港$は警備員の5年の年収であり、日本が毎年潘漢年に払う分は警備員の60年の年収である。その中には刊行物は含まず、結局この収入は全部中共の手に落ちた。遠藤が本の中で「これこそ謝幼田(スタンフォード大学フーバー研究所、前客員研究員)の「中共の強くなった謎」で書いた中共が強くなった理由である。日本の払った費用の大部分は外務省の機密費で、岩井の記憶では総額は30億円(米2500万$)強である。37年日本軍の侵入に対し八路軍と新四軍は戦いたかったが毛は10%の戦力しか出さなかった。岩井の「追憶上海」の中で、潘漢年は袁殊を通して岩井に提案した「共産軍と日本軍との華北の戦場で停戦」について、岩井は軍事について分からず、影佐に意見を伝えたことにより、潘漢年と日本軍がこのときから直接接触するようになった。
曾著书谈在华经历
远藤1941年出生在中国长春,父亲在长春经营自己研制的戒毒药品“吉福德禄”的制药厂,父母都是日本人,本来还有哥哥和弟弟。但在1948年八路军围困长春之战中,远藤的哥哥和弟弟都饿死,而她也几近饿死并遭遇流弹受伤,导致两臂残疾。
1953年,12岁的远藤回到日本,又受到日本本地人的欺凌。她取得物理学博士以后,从1983年起从事指导中国留学生的工作至今,并从那时起还兼任中国社科院社会研究所客座研究员、教授,上海交大客座教授。
1983年远藤在日本出版《不合理的彼方》,自述其当年在长春的生活经历,获得《读卖新闻》女性人类记录优秀奖。
后来,远藤应《读卖新闻》邀请,在1984年再著书《卡子-没有出口的大地》,描述她在中国12年的苦难经历。90年代,她希望此书译成中文版,可是中国出版社一直以“过于敏感”的理由拒绝和拖延此事,去年她觉得年事已高,不能再等下去,于是选择在台湾出版中译本。
「著作と中国での経歴
遠藤は1941年長春の生まれ。父親は長春で、自分で開発した麻薬を止める薬「ジフドル」を工場で作って経営した。両親とも日本人で、兄と弟がいたが、48年の八路軍の長春包囲戦で、兄弟は餓死、彼女も流れ弾に当たり、ほぼ餓死寸前だった。今でも両腕に弾の跡がある。53年、遠藤が12歳の時に日本に戻ったが、日本人からイジメを受けた。物理学博士を取ってから、1983年より今まで中国からの留学生の受け入れの仕事に従事し、その間中国社会科学院社会研究所の客員研究員、教授、上海交通大学の客員教授を歴任。83年に「不合理な彼方」と言う本を日本で出版し、自身の長春での生活体験を描いて読売新聞の女性人類記録優秀賞を受けた。後に遠藤は読売新聞の勧めにより、「卡子 出口のない大地」を著し、12年の苦労を描いた。彼女はこれを中国語にする希望があったが、中国の出版社は「微妙な問題がある」ということで断るか、引き延ばしした。去年、彼女の年もあり、待てないので、台湾で、中国語版で出版した」
“只想追求历史真相”
远藤对BBC中文网记者说,“我对中国爱恨交集,但到了这个年龄,我只想追求历史真相”。
远藤说,《毛泽东 与日军共谋的男人》“最大的难题是找日本有关岩井的记载,我去了外务省和防卫省研究所都找不到,后来在网络上偶然看到岩井出版过回忆录《回想的上海》,于是开始找,并终于在网络上买到,我如获至宝!现在觉得我小时候没饿死、活到现在,就是为了找到这本书”。
当记者问到,日本是否也刻意抹去当年岩井与中共合作的记录,远藤则说“不是,岩井对中国来说重要,但日本当时对他重视不够”。
对于台海两岸官方有关谁是真正抗日力量的争论,远藤表示“日本不知道也不关心,我在防卫研究所里看战史资料,厚厚的一本防卫研究所编写的战史资料,居然是引用中共党史来编写,简直令人大失所望,所以我才要挖掘真相,来填补真实的历史空白”。
(责编:李文)
「ただ歴史の真相を追い求めたいだけ
遠藤がBBCの記者に言ったのは、「中国には愛憎入り混じっているが、この年になれば、歴史の真実を知りたいだけ。」「毛沢東 日本軍と共謀した男」を書くときに一番問題だったのは、日本の記録に岩井の件がないこと。外務省や防衛研究所にも見当たらなかった。後にたまたまネットで岩井の書いた回想録「追憶上海」が出版されたという記事を見つけ、探して求め得た。私の宝です。私が小さいときに餓死せず、今に至るのはこの本と出合うためでした。記者が問いて、「日本は当時の岩井と共産党の協力を無かったものとしようとしたのか」と。遠藤は「違う。岩井は中国にとって重要人物であったが、日本は岩井を重視しなかった」。中台の抗日の正統性の争いは、遠藤が言うに「日本は知らないし、関心もない。防衛研究所の厚い戦史資料を見れば、意外にも中国共産党史から写したものがあり、ずっとガッカリしてきた。それで私は真相を深掘りしようと思った。真の歴史の空白を埋めようと。」
初詣について
明けましておめでとうございます
12/25日経ビジネスオンライン 高濱賛『躍り出たキューバ系候補! トランプを超えるか』について
慰安婦合意も米国の圧力からだったと思われます。でも、韓国政府が挺対協(親北団体、左翼)と前面に向かう責任を負いました。うまく行かなければ韓国政府の責任ですし、「日本が慰安婦問題解決に向き合わないから」とアメリカに言い逃れができなくなりました。韓国が約束を果たさないときに、はっきり「強制連行はなかった」ことを世界に向けて発信すべき。
来年の米大統領選で民主党のヒラリーが候補として選ばれるのは間違いないでしょう。こんな、嘘つき(ベンガジ事件)・強欲(ビルとのホワイトウオーター事件)・腐敗(中国人よりの違法献金事件)した人間が「世界の警察官」のトップになるのは見たくありません。民主党はどの国でもダメな政党です。
共和党はGOP”Grand Old Party”と呼ばれる偉大な政党ですが、ブッシュの中東介入以降パッとしません。白人の構成比率が下がっていることもあると思います。ヒスパニック人口が増えていますので、こちらを取り込んでいかないと今後ますますGOPから大統領を出すのは難しくなっていくでしょう。それと、中国系米国人の動向にも注意していかないと。中国は戦争するより、こちらの方が簡単に世界を征服できると思っていますので。
トランプの支持が下がっていかないのは、オバマの無能が米国人の心にイライラを生じさせているためです。フランスでは国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペンが次の大統領選の足がかりを先般の地方選で掴みましたし(オランドとサルコジがFNの大統領を阻止するでしょうけど)、ドイツでも難民を無条件に受け入れることはなくなりました(ガウク大統領)。リベラルなメデイアの言うことを聞いていたら、国民の安全が守れないという事に国民が気付き始めました。トランプもそういった米国民の気持ちをうまく捉えているのでしょう。でも人種差別主義者です。行きつくところはムスリムの強制収容所送りです。移民の国・アメリカの理念が揺らぎます。テッド・クルーズは茶会の支持を受けていて、これも極端主義者のように思われます。やはり、高濱氏の言うマルコ・ルビオが一番良いかと。対中強硬派ですし。ただ、トランプがペローのように独自で出馬すれば民主党を利することになります。でもトランプは金持ちなので共和党候補にならなければ、単独で出馬するでしょう。自由の国・アメリカですので仕方がないですが。
記事
—注目を集める米共和党の次期大統領候補選び。11月末から12月中旬までの各種世論調査を見ると、全米レベルでは依然として、不動産王のドナルド・トランプ氏が支持率で独走していますね。2位の候補に5~27%の差をつけています。トランプ旋風はまだまだ続きますか。
共和党の討論会で並ぶドナルド・トランプ氏(左)とテッド・クルーズ氏(写真:ロイター/アフロ)
高濱:トランプの支持率は、物議をかもしている「イスラム教徒入国禁止」発言をして以降も下がっていません。カリフォルニア州サンバナデーノで起こったイスラム教徒による殺戮に対する米国民の怒りがまだ冷めないためです。
ただ来年2月に全米で最初に党員集会が行われるアイオワ州の世論調査では、7つのうち4つで1位の座から滑り落ちています。黄色信号です。専門家の中には「トランプ・バブルが弾けるのは時間の問題」と分析する人もいます。 (”Iowa Republican Presidential Caucus,” Real Clear Politics)
息子ブッシュの子飼いのクルーズ
—アイオワ州でトランプ氏を抜いたのは上院議員のテッド・クルーズ氏ですね。この人はどんな人ですか。かなりタカ派のようですが…。
高濱:そうです。テキサス州選出の当選1回の上院議員です。44歳。キューバ移民の父とデラウエア出身の母との間にカナダで生まれました。元大統領、息子ブッシュ子飼いのタカ派です。
プリンストン大学を卒業した後、ハーバード大法科大学院に進学。卒業後は連邦控訴裁判所や最高裁判所長官付の調査官、政治家の顧問やアドバイザーをしていました。2000年の大統領選では息子ブッシュの国内政策担当アドバイザーを務めています。2001年には息子ブッシュの任命によって司法省の副次官に就任。2013年の上院議員選では「ティーパーティ」(茶会)の公認候補として出馬して、当選しました。
2016年の大統領選に向けて真っ先に出馬表明しました。3月23日のことです。立候補声明は宗教保守、いわゆるエバンジェリカルズ(キリスト教原理主義)系の本山、リバティ大学で行いました。
21時間のフィリバスターで一躍有名に
全米に名を馳せたのは、2013年9月の予算審議でオバマケア(医療保険制度改革)に反対するために行ったフィリバスター(議事妨害)です。本会議場でなんと21時間以上にわたって演説し、連邦政府機関を閉鎖させる立役者になりました。
共和党は中間選挙で上下両院の過半数を握り、政権担当能力のある野党であることを国民に示したい時でした。予算成立を阻止しようとするクルーズの単独行動に共和党幹部たちは苦虫を噛みつぶしたようでした。
とくに共和党エスタブリッシュメント(保守本流)からは嫌われています。しかしそのことが逆にエバンジェリカルズや茶会の人たちから喝さいを浴びることにつながりました。 (”Ted Cruz,” Right Web, 9/14/2015)
トランプらに流れていた宗教保守の票を奪取
—クルーズ氏はなぜここにきて、支持率を急伸させているのですか。
高濱:宗教保守への働きかけが功を奏し出したのでしょう。
エバンジェリカルズとは、「Born Again Christian」(ボーン・アゲイン・クリスチャン=神と出会って生まれ変わったとするキリスト教徒)ともいわれている人たちで、聖書に書かれていることを一字一句、忠実に信じるキリスト教徒です。とくに南部、中西部に多く住んでいます。この票田は、茶会とも重なり合っています。
アイオワ州の有権者の25%はエバンジェリカルズです。アイオワ州共和党員の57%がエバンジェリカルズだとするデータもあります。 (”Evangelicals again poised to play key role in Iowa GOP Caucus,” Michael Patrick Leahy, Breitbart, 8/21/2015)
—宗教保守の票田を狙っているのは、クルーズ氏だけではありせんね。
高濱:その通りです。快進撃のトランプ、黒人の元神経外科医ベン・カーソン、元宣教師のマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事が狙っています。カーソンは11月頃から自らの経歴に関する疑惑や安全保障に関する知識不足などが露呈して宗教保守層における支持率が激減、その票がクルーズに流れ込んだと言えそうです。ハッカビーの支持率は2%前後で低迷しています。
それとクルーズの若さと雄弁さは、12月15日に行われた共和党候補者によるテレビ公開討論でも遺憾なく発揮されました。同じタカ派でもトランプにはどこか危うさが付きまといます。暴言も多いし、具体的なことには言及していません。イスラム教徒入国拒否にしても本当に実現すると思っている人は少ないでしょう。
共和党の「草の根」の根底に「ポピュリズム」
それともう一つ、「トランプ旋風」の本質は、いわゆる「ポピュリズム」(大衆迎合主義)です。アメリカの衰退に対する米国民の苛立ちをストレートに吐き出している。トランプの言っていることに共鳴している人たちは、総じて教育レベルの低い、しかも落ち目の産業で働くブルーカラーや零細農民が多いという分析結果が出ています。 (”Here’s The Lowdown On Who Supports Donald Trump,” Emily Ekins, The Federalist, 8/5/2015)
そしてもう一つは東部、西部のエスタブリッシュメントを形成するウォール・ストリートやリベラル派メディア、学者たちに対する反発です。にじみ出ているのは東部エリートや名門校出身者への反発です。そこには学歴に対する劣等感を痛いほど感じます。
名門ペンシルバニア大学を出たトランプやプリンストン、ハーバードを出たクルーズがエバンジェリカルズや茶会の側に立っているのは、一見矛盾するようですが、実はそこがトランプやクルーズの強みです。知性でも学歴でも東部エリートに立ち向かうことができるポピュリストというわけです。
もう1人のキューバ系候補者も反共のタカ派
—もう1人、キューバ系のマルコ・ルビオ上院議員も「第一走者グループ」につかず離れず、走っていますね。この人はどんな人ですか。
マルコ・ルビオ氏(写真:AP/アフロ)
高濱:ルビオはキューバ系移民2世です。カストロ政権の抑圧政策から米国に逃げた両親の長男としてフロリダ州マイアミで生まれました。フロリダ大学、マイアミ大学法科大学院を卒業して、弁護士を開業。2000~2009年までフロリダ州下院議員を務め、一時は下院議長になっています。2010年に上院議員選挙に出馬して見事当選しました。
2012年の大統領選挙の際にはミット・ロムニー共和党大統領候補の副大統領候補の一人に名が挙がりました。上院では商業委員会と外交委員会に属し、後者では東アジア太平洋小委員会の筆頭理事として日本にも訪問しています。安倍首相とも会っています。
—ルビオ氏の政治スタンスや政策はどんなものものですか。
高濱:キューバ系保守派という点ではクルーズと同じですが、ルビオのほうは「自制心のある、思慮深いタカ派」といったイメージがあるようです。
キューバ系移民の大半は反カストロ、つまり反共産主義者です。その2世ということでカストロ政権には厳しい対応をとっており、オバマ政権によるキューバとの国交樹立には激しく反発しています。
ルビオに政治資金を提供する人の中にはフロリダ州に住むユダヤ系億万長者もいるため、中東政策は親イスラエル。イランとの核合意にはむろん猛反対しています。
政策面はビル・クリストル(「ウィークリー・スタンダード」編集主幹)やロバート・ケーガンらが支えているようです。クリストルは、息子ブッシュ政権を陰で操ったとされるネオコンの大御所です。特に、個々の具体的な政策では、息子ブッシュ政権で国家安全保障会議(NSC)核拡散防止担当部長をしていたジェイミー・フライが国家安全政策顧問としてアドバイスしています。
今回の大統領選挙で面白いのは息子ブッシュが3人の候補者それぞれに、その陰を落としていることです。まず弟のジェブ・ブッシュ。この兄弟は性格も違い、そりが合わないのですが、やはり「ブッシュ」という同姓。イラク戦争という兄の「負の遺産」を背負ってジェブは苦戦しています。
次に子飼いのクルーズ。息子ブッシュの時に内政外交で政策を立案していたネオコンの一部が選挙対策チームに入り込んでいます。別のネオコンの一部はルビオ陣営に参画しています。 (”Marco Rubio,” Right Web, 12/10/2015)
ルビオは中国の海洋権益拡大に猛反発
ルビオ氏の話に戻りましょう。外交委東アジア太平洋小委員会の筆頭理事ということもあって、候補者の中では誰よりも対中政策に言及しています。
8月に「ウォール・ストリート・ジャーナル」に寄稿した論文でこう指摘しています。「自分が大統領になったら中国に対して優柔不断で軟弱な宥和政策ではなく、力を基盤にした政策を推進していく。中国が南シナ海やその他の地域で軍事力を行使して不法に領海領土を主張するならば、これに対抗する行動をとることも躊躇しない。ただ米国は中国のパワーに対抗するすべての責任を一人で背負うことは無理だし、その必要もない。私は我々の同盟国との協力を推進していく」。
こうした見解の下敷きを書いたのは、ランヒー・チェンという中国系の政治学者だと言われています。現在スタンフォード大学フーバー研究所の上級研究員で、ルビオ陣営における政策立案の中心人物とされています。 (”How My Presidency Would Deal With China,” Marco Rubio, The Wall Street Journal, 8/27/2015)
ヒスパニック系の大半はキューバ系候補に投票せず?
—クルーズ氏、ルビオ氏ともにキューバ系、すなわちヒスパニック系ということになりますね。2人のどちらかが共和党大統領候補になると、本選挙でヒスパニック系の票はキューバ系候補に流れるのでしょうか。
高濱:ヒスパニック系の人口は5400万人(2014年)。全米人口の約17%です。内訳はメキシコ系が64%と断トツです。次いでプエルトリコ系が9.4%、キューバ系は3.7%です。 (”Hispanic or Latino Population,” Minority Health, Centers for Disease Control and Prevention[CDC])
ヒスパニック系といっても政治スタンスはみな異なり、十羽一絡げというわけにはいきません。メキシコ系はどちらかというとリベラルです。一方キューバ系は保守的で徹底した反共です。プエルトリコ系など中南米系は概してメキシコ系に賛同する傾向があります。従って本選挙の際にはメキシコ系などヒスパニック系の多数はキューバ系候補には投票しないでしょう。
クルーズが突出すれば共和党本流はルビオに肩入れ?
—予備選が進む中でクルーズ氏とルビオ氏との一騎打ちになったらどちらが勝つでしょう。
高濱:「ブルムバーグ・ビュー」のジョナソン・バーンスタインというベテラン・ジャーナリストは、「ルビオは予備選のどの段階からスパートをかけるだろうか」と自問自答しています。つまりどのような展開になろうとも、最終的にはルビオが共和党大統領候補に指名されるだろうと大胆な予想しているのです。
バーンスタインは「ルビオがアイオワ州で10%以上の票をとれれば、他の40州はとれる」とまで言っています。万一、超保守のクルーズが独走しそうになった場合は、共和党エスタブリッシュメントが必ず妨害して、流れをルビオのほうに引き寄せてしまうというのが、その理由のようです。 (”How Rubio Wins Anyway,” Jonathan Bernstein, Bloomberg View, 12/3/2015)
12/25日経ビジネスオンライン 森永輔『一帯一路構想は、中国にとってペイするものか 米ブルッキングス研究所のミレヤ・ソリス日本部長に聞く』について
一昨日の慰安婦合意に関して、昨日朝のTV朝日は朝日新聞の誤報についてコメントなしでした。一番国益を損ねた責任は朝日新聞にあるのに頬かむりです。共産党無謬説と同じ考えの持主ですから仕方ないのかも知れませんが。懲らしめるためには
①不買する。経営に打撃を与えない限り、真の反省はしない。他人にも不買を勧める。
②change.org「慰安婦見舞金は朝日新聞が払え」に参加する。
③ブログ「ぼやきくっくり」の中で紹介された長谷川煕元朝日記者の著作『崩壊朝日新聞』を購入、他人にも勧める。
http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1821.html
さて、TPPですが、米国が言わなくとも中国に対する経済的封じ込めであることは間違いありません。「慰安婦」で日韓を結び付けようと言う動きもその流れでしょう。やっと米国も中国の脅威に気付いたのでしょう。シエール・オイルが米国内で産出されれば中東に関心はなくなり、目下の敵中国にどう対抗していくかに精力を傾けるでしょう。でも米要人も金とハニーで汚染されていますから、一直線ではなく、行きつ戻りつの展開になるのでは。中国に肩入れする人は汚染されていると見た方が良いでしょう。
12/27産経ニュースに 「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の参加12カ国が、来年2月にニュージーランドで協定文書の署名式を開く方向で調整していることが26日、分かった。」とありました。保守派はTPP反対論者が多いようですが小生は賛成です。食糧自給率、ISD条項等の問題はありますが、大局で中国包囲網が敷かれるのであればその方が良い。何せ2001年に中国をWTOに日米で加盟させ、国際ルールの中で中国の経済発展を支援しましたが、中国はルールを守らず、いいとこどりだけして現在に至る訳です。だから、中国を仲間はずれにして、「勝手にやれ」というところでしょう。しかし、敵もさるもの、AIIBや「一帯一路」で反撃してきました。でも、前の大前氏の記事のように成功は期待薄でしょう。
中国の日米離間策、韓国抱き込み策は益々強くなることでしょう。中韓が日本を歴史戦で弱らせるのを、米国が見て見ぬ振りをすれば、日本国民は正しく米国に対して不信感を持つでしょう。経済政策だけで結びついている訳ではありません。それが中国の狙いでもあります。米国が「ポイントオブノーリターン」を渡ってしまったと言われる韓国に飴を渡しても、「遅かりし由良之助」になるのでは。オバマは決断が遅く、無能です。「世界の警察官を止める」発言が物凄く米国の国力低下に影響していると思います。でも日本は単独で生きれる訳ではない。米国とスクラムを組む必要があります。但し、独立国の矜持を持って主張すべきは主張せよと言いたい。
記事
TPPが大筋合意に至り、焦点は中国やインドなど新興国が講じる次の一手に移った。中国はTPPに対してどのようなスタンスで臨むのか。米ブルッキングス研究所で日本部長を務めるミレヤ・ソリス氏に聞いた。同氏は日米の政府関係者や専門家らが対話する「富士山会合」(日本経済研究センターと日本国際問題研究所が共催)第2回年次大会に参加している。
—TPPが大筋合意に達しました。まず、その意義についてお伺いします。
ソリス:経済的な視点から見ると、ブレトン・ウッズ体制に基づく現行の貿易体制・ルールと、国際経済の現実との間にあるギャップを埋める意義があります。
ミレヤ・ソリス 米ブルッキングス研究所日本部長。アメリカン大学の准教授も務める。日本の対外経済政策の専門家。日本と東アジアの交易に関する書籍を多数執筆。
この20年の間に、地域生産ネットワーク、グローバルバリューチェーンが急速に発展しました。残念ながらWTO(世界貿易機関)はこの動きと現行ルールとの間にある溝を埋められていません。このため我々はTPPやその他のメガFTA(自由貿易協定)を通じて、現在必要とされる新しい形のガバナンスのあり方を考えているのです。
TPPは一般的な経済利益ももたらします。米国、日本、そして他の産業国はサービス産業において競争力を有しています。例えば米国のサービス貿易黒字は巨額です。サービスに関する条項を設けたTPPは経済的なメリットをもたらすのです。
日本の参加は米国にもう1つの便益をもたらします。TPPは日米間の最初の自由貿易協定だからです。これまで両国間に真の自由貿易協定はありませんでした。
誰が21世紀の貿易ルールを作るのか
ソリス:加えて、地政学的な意義もあります。誰がルールを作るのかを示しました。
アジアには中国が主導するメガFTA(自由貿易協定)のRCEP(東アジア地域包括的経済連携)があります。これは経済大国も、まだ自由化が進んでいない途上国も参加するもので、意義のある取り組みです。しかし、RCEPは高い基準のルールを持つものではありません。
TPPが批准されない一方で、RCEPが批准された場合、我々が信じるものとは異なる貿易ルールが出来上がることになります。だから米国は、21世紀の経済の現実に適合する体制、つまりTPPをアジアの国として提案したのです。
「中国を排除しない」とのメッセージ
—ソリスさんはある論文の中で「TPPは、太平洋の国として米国のパワーを統合する」という表現を使っています。これはどういう意味ですか?
ソリス:アジアは21世紀において最も活力のある地域となるでしょう。太平洋国家である米国にとって重要な地域です。一方、中国の台頭によって、大きなパワーシフトが起きている地域でもあります。従って、地政学的な意味においても、米国はこの地域に関与していくでしょう。
オバマ大統領がアジア・リバランスを進める背景にはこうした事情があります。米国はアジアに改めて関与し、アジアの一部であり続けるということです。
リバランスには2つの異なる面があります。私はこれを2本の“足”と呼んでいます。1本は軍事の足。もう1本は経済の足です。
経済の足は不可欠なものです。かつ、軍事の足よりも訴求力があるでしょう。この経済の足によって2つのことができるからです。1つは経済的繁栄を共有し、この地域全体に利益をもたらすことです。ここで言う「地域」は広いものでアジア・太平洋地域を指します。
加えて、経済の足によって、米国のリバランスが中国を排除しようとするものでも、囲い込もうとするものでもないというメッセージを効果的に発することができます。
—TPPは中国囲い込み策ではない。
ソリス:ありません。
中国もTPPに関する見方を変えつつあります。中国は当初、TPPを「囲い込み」や「排除」と見て身構えていました。しかし、今はそのようなことはありません。国内改革とTPPへの加盟を調和させる可能性について考えようとしています。
TPPの究極の目的は、中国に国内改革を進める意欲を持たせ、国際的な貿易と投資のルール――バランスが取れていて、誰にとってもフェアなルール――に則って行動できるようにすることにあります。
我々が話し合いに基づいてルールを作るのはこのためです。線を引き、いつ何時でも中国はお断り、という考えではありません。それとは反対に、我々はまず、このルールに合意することができるこのメンバーで始める。その後、加盟国拡大を考えるという筋道を考えています。
TPPとTTIPには巨大新興国が参加していない
—米国はTPPに加盟するよう中国を促しますか。
ソリス:米国は、中国が高いレベルの基準を受け入れるならば、中国がTPPに加わる可能性を歓迎するとのシグナルを発していると思います。時々「米国は中国がTPPに加わることを公式に歓迎することはない」と言う人がいます。しかし、それではTPPがうまく機能しなくなってしまいます。TPPはその基準に基づいて行動するすべての国に対して開かれています。
米国の通商政策には矛盾があります。それはTPPとTTIP(環大西洋貿易投資協定=米国と欧州諸国が参加するメガFTA)が存在することです。どちらの取り組みも新興国に対して直接関与していません。インドも、ブラジルも、中国も加盟していないのです。それゆえに我々は、TPPや TTIPの次に来るものについて考える時、新興国に対して責任ある役割を担うよう、そして我々のルールに沿って行動するよう促す必要があります。
森さんの質問に戻ってお話しすると、中国がTPPに加盟するよう促す方法は、まずもってTPPを批准し発効させることです。
中国がFTAAP を支持する理由を考える
ソリス:一方、昨年のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の場で、議長国を務めた中国はFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)*を支持し始めました。このため、FTAAPが新たな選択肢になる可能性があります。
*:APEC加盟国が参加するメガFTA
中国がFTAAPを推すと決めたのは興味深いことです。FTAAPは米国が作ったコンセプトですから。中国がFTAAPに積極的になる一方で、米国が「FTAAPは脇に置いて、まずはTPPに集中しよう」と言っているのは非常に面白い状況ではないでしょうか。逆転現象が起きているのです。
なぜ中国はFTAAPの推進に興味を示しているのでしょう? 中国はRCEPを推しています。なのに、なぜFTAAPも推すのでしょう。
今からお話しするのはただの仮説です。実際に起きているかどうかは分かりません。もし中国がTPPへの参加を希望した場合、その交渉は中国にとってタフであるとともに一方的なものになるでしょう。中国が加盟することに関して既に加盟した国々の承認を求める交渉となるからです。中国は多くの譲歩をせざるを得ない。さらに、TPPは既に出来上がっているものなので、そのあり方について、中国がどうこう言うことはできません。
しかし、中国がFTAAPを推し、次のようなイメージを抱いているなら、中国は重要な地位を得ることができます。まずTPPとRCEPがそれぞれ実現する。その後、これらをFTAAPの大きな傘の下で統合するかを考える。この時、TPPのリーダーである米国・日本と、RCEPのリーダーである中国がこの地域のより広いアーキテクチャーのあり方について相互に話し合うことになります。
ただし、TPPとRCEPを統合するための交渉は容易なものではありません。非常に多様な国々が加盟するFTAAPの本質を定めることは困難だからです。
TPPの交渉に対する米国の反応を見れば分かる通り、米国内には様々なステークホルダーが存在します。その一部は、TPPが定めた高いレベルのルールを引き下げることに賛同しません。彼らはTPPについても、既に多くの譲歩をしたと感じています。
もし中国もしくは他の途上国が、FTAAPを考える時に、TPPより低い水準のルールを想定するならば、米国のこうした勢力はどう反応するでしょう。
FTAAPは考慮すべき道筋の1つです。この先、どう展開していくのか、興味を持って見守っています。
TPPのルールはレベルが高すぎ?
—TPPが求める高いレベルのルールには賛否両論があります。これを受け入れるよう米国に強要されたと見る人々もいます。中国がRCEPを進めるならば、そちらにつこうという動きが出るのではないかと心配しています。
ソリス:その可能性はありますね。TPPが求める基準に則るのは容易ではありません。TPP交渉にこれだけ長い時間がかかったことが、その難しさを示しています。TPP参加国は非常に多様です。TPPは知的財産権やバイオ医薬品、著作権、投資の保護などの条項を設けています。これらは、協議に参加したすべての国が米国の立場に賛同したわけではない困難な問題です。そして、これらの国々には、TPP以上に現状に適した、満たすべき要求の少ない選択肢を中国が処方してくれると考えたい誘惑もあります。
なので、これらの国々にとって、低い水準の貿易協定の方が参加が容易だというのは確かに正しいでしょう。しかし、それでは得られるものも少ないのです。その国が低い水準の貿易協定に加わらないと決めた時、外国企業はその国を投資すべき魅力的な国と見なすようになるのです。
TPPとNAFTAは異なる
—米議会はTPPを批准できますか。
米国はかつて、NAFTA(北米自由貿易協定)を締結することでカナダやメキシコとの間にあった貿易赤字を縮小したいと考えていました。しかし実現できなかった。それゆえ、TPPがもたらす効果にも疑念を持っているのではないでしょうか。
ソリス:森さん、議員たちはまさに、いま指摘された貿易赤字をTPPの評価軸に用いようとしています。しかし、貿易赤字は適切な評価軸ではありません。貿易赤字の多寡をもって通商合意を考えることが正しい方法ではないことをより多くの人に理解してもらいたいと思います。
NAFTAは米国に多大な貿易上の利益をもたらしました。北米において一体化した生産拠点を作り出したのです。カナダやメキシコが何かを輸出する時、その中には膨大な数の米国製部品が使われています。つまり、米国経済にも多大の恩恵がもたらされるのです。
NAFTAのお蔭で3国間の貿易は3倍になりました。NAFTAはとても素晴らしい利益をもたらしたのです。NAFTAに対する先ほど言われたような批判は「経済的な真実」を表わしていません。「政治的な戦い」なのです。
TPPで大筋合意するため米国はいくつかの妥協をしました。この点は、医薬業界や、それと関係を持つ米上院のキーパーソンを満足させていません。
それゆえ、民主党議員はTPPを支持していません。彼らの選挙基盤が危機にさらされるからです。大統領に通商交渉権限を一任する「貿易促進権限(TPA)」法案に賛成票を投じた民主党議員は28人しかいませんでした。このためTPPの批准に関して、共和党議員の動向が重要になっています。私が不安を感じているのは、幾人かの共和党議員が、TPPの成果に対し「非常に満足しているわけではない」と言っていることです。
ただし、私は批准できると考えています。TPPがもたらす経済的・地政学的な利益は非常に大きいので、民主党議員からの批判は解決することができるでしょう。
とは言え、批准は容易ではありません。いつできるのか、あらかじめ知ることはできません。2016年は大統領選があり、普通の年ではないからです。
AIIBの取り組みにリビジョニストの意図はない
—次の質問はAIIBについてです。中国は米国に加盟するよう言っています。米国がAIIBに加盟することはありますか。
ソリス:可能性が非常に高いとは考えていません。今はAIIBがどのように展開するか観察することが大事でしょう。ウェイト・アンド・シー・アプローチ(wait and see approach)ですね。
AIIBは中国が国際経済を運営する上で最も重要な構想です。中国はブレトン・ウッズ体制が行ってきたことに不満を抱き、改革を強く求めました。これに対して米国はIMF(国際通貨基金)の出資割当額の変更などを行うことができませんでした。そのことが中国に、独自の機関を設立する時だと思わせたのです。
私はAIIBの取り組みにリビジョニストの意図があるとは思いません。新興国が活躍する場を作ろうとしているのだと思います。中国がより大きな発言権を求めるのは理解できることです。
我々はブレトン・ウッズ体制下の諸機関をどう改定するか考えなければなりません。もし、これらの機関がグローバル経済の現実と合っていないにもかかわらず、そのままにしておくならば、我々と新興国とは分断に至るでしょう。そして、我々が同意することができないような改革の動きが生じかねません。
ただし、AIIBが持つ融資基準には疑問が浮かびます。中国は次のことを知っています――すべての人がAIIBの動向に注目しており、それゆえAIIBは最善の基準と最善の実践をする必要がある。中国のリーダーシップがどれほどのものか、AIIBの活動を基に世界が判断するからです
中国は、世界銀行や他の開発銀行が非常に官僚主義的になっている、インフラ開発に対する融資とは別の目的に取り組んでいると考えています。これは的を射たものだと思います。
しかし、中国ならこうした課題を解決できるのか、我々は見極める必要があります。そして中国は、既存の開発銀行には困難だった諸問題をどうすれば解決できるのか我々に示す必要があります。
我々は、環境や人権を犠牲にするつもりはありません。融資の審査に長い時間がかかるのは、これらの規範を守ろうとしていることが1つの理由です。中国は迅速さと規範の順守をどう両立させるのか。この点が不透明なので、ウェイト・アンド・シー・アプローチを取る必要があるのです。
一帯一路構想は、中国にとってペイするものか
ソリス:だから、AIIBについて私はあまり懸念していません。心配しているのはむしろ一帯一路構想です。この構想は何をするものなのか非常に不透明です。この取り組みをてこに、中国がこれまで以上に声高に権利を主張するようになると考えるのは自然なことでしょう。
—中国は一帯一路構想を進めることで、中国独自のルールが通用する地域を作ろうとしているのでしょうか。
ソリス:たくさんのルールができるのかどうか、率直に言って確信が持てません。私の理解では、インフラ開発がけん引役となるでしょう。一帯一路構想は巨大なインフラ開発プロジェクトで、中国が主導する開発銀行はその前線であり中心でもあります。中国は興味深いことに西を向いています。
ただ、何が優先政策なのか、どれだけ明確なのか、一帯一路構想とAIIB構想はどのように連携するのか、といった点が明確でないのです。こうしたやり方が中国の戦略的な手法で、我々の注意を引きつけるのでしょう。
中国は他の国とどのように協働するのか、特に中央アジアの国々とどのように関係を築くのかは、注目ポイントです。しかし、この構想によって、中国が簡単に影響力を高められるとは思いません。構想されているすべてのインフラ開発計画を成功させ、利益を上げ、うまく運用するのは容易なことではありません。したがって、中国にとっても野心的なものと言えます。だからこそ、我々は中国がどう展開するのか見極める必要があるのです。
—一帯一路構想は政治的な目論みではなく、経済的な取り組みなのですね。
ソリス:いえ、両方の要素があると思います。この地域においてより大きな役割を手にするための取り組みでしょう。中国の取り組みにはいつも政治的もしくは外交的な理由があります。それに加えて経済的な理由もあります。三位一体の政策です。
しかし、中国がインフラ開発計画への融資を通じて、巨大な債権者になった時、中国はその収益性を考えるようになるでしょう。そして、どのプロジェクトは先に進め、どのプロジェクトはやめるかを選択するようになるでしょう。








