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3/30日経 中前忠『中国、その債務の大きさ』3/31日経『人民元安 綱渡りの中国(上)為替介入、市場は疑心 外貨準備、迫る限界』、『凍り付く油田の街・大慶 中国石油失速、現地を歩く 5万人一時解雇の観測も』について
中国の債務の大きさと人民元安、失業の記事です。どれをとっても中国経済の危うさについて触れられています。あれだけ日経は中国進出を煽ったのが様変わりです。身の丈にあった経済成長ができなかった、通貨発行をし過ぎて借金体質になり、期日までに借金が返せず、デフォルト・倒産の構図です。資本主義社会では、ハゲタカが現れ、資産を食い尽くすところでしょうけど、社会主義市場経済と言う自家撞着、畸形の資本主義なので、常識が通用しません。中国国内で経済が完結すれば良いのでしょうけど、不動産投資と純輸出で持っている国ですから、世界経済に与える影響は大きいです。
大慶油田に見られるように、リストラすれば当然失業者が増え、暴動の種となります。況してやマクロ経済で見れば消費へのインパクトは大きいものがあります。失業給付なんて雀の涙です。
http://www.clair.or.jp/j/forum/c_report/pdf/320.pdf
為政者もどこから手を付けて良いか分からないのでは。緊縮財政にすれば失業者増→暴動頻発→社会不安→共産党打倒革命、放漫財政にすれば、①人民元安→キャピタルフライト→外貨準備減少→輸入量減少→資本規制→新規投資減少や②人民元安→インフレ→国民生活困窮→暴動頻発→社会不安→共産党打倒革命の道を歩むのでは。人権意識など微塵も持ち合わせていない共産党幹部は第二の天安門事件を平気で起こすか、対外戦争の道を歩むのでは。1900年の義和団の乱のように大衆暴動を攘夷に使い、大使館や教会、学校を焼き打ちして戦争へ誘うことも考えられます。何せ常識が通用しない国、「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国です。もし、そうなれば、米国はリアルタイムで中国で起きていることを衛星によりキャッチし、全世界に向けて発信すれば良い。中国は衛星をロケットで撃ち落とそうとするかもしれませんが、そうなると、ミサイル防衛で対抗できるかどうかは分かりません。
中国の軍事拡張を抑止するには、先ず経済的に中国を封じ込めることです。豊かにすれば軍事予算に注ぎこみ、世界制覇の野望を実現させてしまうことになります。習近平の言う「中国の夢」とは世界を牛耳り、富を共産党幹部で独占することを意味します。米国が総て正しいとは思いませんが、少なくとも自由の理念には共鳴できます。自由のない、人権のない共産中国をのさばらせたら世界は不幸になるに決まっています。日本企業も目先の利益のことだけ考えるのでなく、長期的な国益を考え、中国を利することのないような行動を取ってほしいです。
中前記事
バブルをもたらすのは債務の異常な増加である。これが限界を迎えるのは、収益見通しが悪化し、貸し手が投融資の拡大に不安を覚えてくるからだ。債務の増加が止まり、投資が落ちてくると、経済は急減速し、債務の過剰と不良化が表面化してくる。
リーマン・ショック直後の2009年から15年第3四半期にかけて、国際決済銀行(BIS)の推計によると、中国の非金融企業の債務は6.2兆ドルから17.4兆ドルへと11.2兆ドル増えた。この間の名目国内総生産(GDP)の増加は5.4兆ドルである。GDPを1兆ドル増やすのに、企業部門だけで2兆ドル強の債務増を必要とした。
これに対して、世界(BIS報告国全体)のGDPは11.7兆ドル、債務は12.4兆ドルの増加だ。中国は世界GDP増加の46%、企業部門債務増加の90%を占める。
この企業部門による11兆ドルの債務増が不動産を含む設備の過剰を生んだ。問題は、設備稼働率が大きく下がり、在庫も増える中で不良債権が増加してきていることだ。生産者物価上昇率が前年比マイナス5.3%で、都市部の1人当たり可処分所得(賃金上昇率に近い)の伸びが6.8%という中では、大半の企業が赤字経営のはずだ。不良債権が増加する銀行の貸し出し余力の低下もあって、企業金融は急速に引き締まってくる。
設備過剰もそうだが、債務の過剰は、その増加額でみても、GDP比でみても、1990年代の日本のバブルをはるかに上回っている。中国経済は明らかに長期停滞に入っている。原油価格などの反発はあっても、これが持続する条件はないのである。
中国の工業化の終わりと共に、モノの世界の収縮は続いていかざるを得ないのだが、そのなかで金融市場の収縮もまた避けられそうにない。世界的な金融不安はこれからが本番なのではないか。
(中前国際経済研究所代表 中前忠)
3/31日経記事
中国の人民元に先安観測がくすぶっている。中国当局が急激な元安を食い止めるため為替介入を繰り返した結果、外貨準備高は2月末時点で3兆2023億ドル(約363兆円)と1年余りで約6千億ドル減少した。介入を続ければ外貨準備の水準が早晩限界に迫るとの見方もあり、市場の疑念は払拭されていない。資本規制の強化が必要との声も出ている。

荷物を抱えた人々でごった返す広東省深圳市の福田口岸。橋を渡れば香港まで徒歩数分の距離だ。厳しい荷物検査はなく、中国税関はほぼフリーパスで渡航者を通す。このためカバンに人民元の札束を詰め、香港で米ドルなどに両替する運び屋の姿が後を絶たない。
中国政府が個人に認めた両替枠は年5万ドルまで。福田口岸は規制をかいくぐるのに格好の場所だ。国営新華社によると、当局は2015年に海外に不正送金する「地下銀行」を60行以上摘発、違法取引額は摘発された分だけで1兆元(約17兆円)を超えた。昨夏以来、人民元や中国株式の相場が不安定になっていることが背景にある。
「正常化してきた」。中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は12日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の期間中に開かれた記者会見で人民元の安定に自信を見せた。米連邦準備理事会(FRB)が16日、年内の利上げ回数2回を示唆したことで人民元は対ドルでやや安定を取り戻したが、その背後にはやはり人民銀の存在がある。
「また為替介入したようだ」。中国・上海外国為替市場。中国人ディーラーが電話越しに人民銀の動向を噂し合う。最近目立つのは単純な元買い・ドル売りではない。
人民銀は金融派生商品を駆使し始めた。相手先にドルの現金を渡すのは数カ月先の契約満期を迎えてから。その間、人民銀はドルを温存し外貨準備を減らさずに済む。「外貨準備のドルを消費せずに、元を下支えできる」(市場関係者)
中国の外貨準備は1月まで毎月1千億ドル規模で減少。外貨準備枯渇への不安がさらなる元安を呼ぶ悪循環を招いていた。介入効果もあり2月の減り幅は前月比286億ドルと市場予想を下回った。
しかし「人民銀が結んだ契約の満期が来れば外貨準備は大幅に減るはず」(仏ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚煒氏)。国際通貨基金(IMF)の指針では中国の外貨準備の必要水準は2兆8千億ドル程度。これまでの勢いで減ると早晩到達する。
貿易黒字国の中国で人民元に強い下落圧力がかかるのはなぜか。英バークレイズは「中国の資本流出の最大の要因は緩和的な金融政策にある」と根本的な理由を指摘する。08年に国内総生産(GDP)の1.5倍だった中国の通貨供給量は15年には2倍を超えた。
人民銀は成長下支えで膨大な量のマネーを発行してきた。全人代財政経済委員会の尹中卿副主任は「あふれ出た資金が株式や不動産などに流れ込み、市場の変動を大きくさせてきた」と金融緩和が過大だったと評する。
中国は過度な元安を容認しない方針を鮮明にしている。ただ元安阻止に外貨準備を使い続ければいずれ資本規制を課さざるを得ない。半面、金融を引き締めすぎれば経済に打撃を与える。中国は通貨政策を巡りジレンマに直面している。
『凍り付く油田の街・大慶 中国石油失速、現地を歩く 5万人一時解雇の観測も』記事
成長に急ブレーキがかかった中国石油天然気(ペトロチャイナ)など中国国有石油大手。膨張するエネルギー需要をまかなおうと各社が掘り進めてきた中国国内の油田に異変が起きている。その代表格が中国東北部の黒竜江省大慶市に広がる「大慶油田」だ。3月中旬、現地を訪れると、稼働を止めた石油掘削機が「墓標」のように並び、人々は不況の影におびえていた。

動きを止めた無数の石油掘削機が点在する(黒竜江省大慶市)
ススキ野原の向こうに音もなく静かにたたずむ石油掘削機が見えた。1年前まではモーター音を響かせ地下から石油をくみ上げていた大慶経済の屋台骨。地元住民の張さん(39)がつぶやく。「あいつら、間もなく取り壊されるんだ」
数万基の石油掘削機が点在する大慶市。今ではその半分近くが稼働を止めている。「習大大(習おじさん)が来てからすべてがおかしくなった」。張さんが声を潜めて言う。
習近平国家主席が中国東北部を視察に訪れたのは昨年7月。黒竜江省幹部との会議で習氏はこう発言したという。「そんなに多くの掘削機を動かしても電気の無駄遣いだ」。景気減速で原油需要が細り価格も下がっている。それでも原油をくみ上げ続ける大慶油田の非合理性を習氏は指摘した。

それから急激な変化が大慶市を襲う。市内の掘削機が次々に緊急停止し、油井が閉められていく。2015年の大慶油田の生産量は3838万トンとピーク時から3割減った。油田運営会社の売上高は964億元(約1兆6700億円)と前年比で半減。同社を傘下に持つペトロチャイナの業績悪化の主因にもなった。
大慶市は域内総生産(GDP)の6割を油田に頼る。270万人の人口の1割が油田運営会社の社員で、その家族や関連産業も含めれば、石油に携わる人たちは人口の半分に達する。原油減産が地元経済に与えるインパクトは計り知れない。

「去年の今ごろは月に80~90台は売れていた。それが今は半分だ」。日産自動車系の「東風日産大慶易嘉店」の営業担当者が顔を曇らせる。油田関係者が現金一括払いで新車を買う例も珍しくなかったが、昨夏以降は客足がぱったり止まった。
市中心部で威容を誇る市政府ビル。「政府は我々の生活を保障しろ」。3月中旬、40人以上のタクシー運転手が大声を張り上げていた。不景気でタクシーを利用する人が急減。その不満のはけ口を政府に求めた。一時は武装警察が出動する騒ぎになったという。
市内最大級の商業施設に入店する米系コーヒーチェーン「スターバックス」では連日苦情が絶えない。「コーヒー1杯22元は高すぎる。こんな時なんだから、安くすべきだ」。収入が減った市民が訴える。

大慶市は270万人の人口のうち半分が石油に携わる
市政府も手をこまぬいていたわけではない。1年半前にはスウェーデンの高級車大手ボルボ・カーの乗用車工場が本格稼働。売れ筋のSUV(多目的スポーツ車)などを生産し、部品メーカーの誘致も活発だ。それでも新たに生んだ雇用は1千人程度にすぎない。
「市民の半分が不眠症にさいなまれている」。21日付の地元紙「大慶晩報」はこう報じた。仕事のストレスが原因という。不安に拍車をかけるのが、大慶油田が今夏に実施するという5万人規模のレイオフ(一時解雇)計画だ。
「あと3年で定年なんだ……」。寒空の下、油井の改修にあたるベテラン作業員(52)に出会った。プレハブに泊まり込み、昼夜問わず働いてきたという。だが今、周囲に連なる石油化学工場で煙を出しているのは半数程度。「何とか30年やってきたんだがね」。あきらめにも似た表情でそうつぶやくのがやっとだった。
▼大慶油田 1959年に発見された中国最大の油田。ロシアに接する黒竜江省のハルビンとチチハルの間に位置する。海外技術に頼らず中国独自に開発をなし遂げた模範職場として、かつて「工業は大慶に学べ」とのスローガンが全国で流行した。最盛期には日本の原油輸入量の3割に相当する年5千万トン以上の生産量を誇った。失脚した共産党の元最高指導部メンバー、周永康氏ら「石油閥」の出身母体としても有名だ。
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3/30NEWSWEEK ルーシー・ウェストコット『中国有力紙の編集者が抗議の辞任、痛烈な辞職届をネットに公開』、3/30産経ニュース『中国の“モノ言う新聞”編集者が抗議の辞職 「共産党の代弁できぬ」 香港紙報道』について
人権抑圧国家が国連人権理事会の裏で、日本の左翼弁護士等を使い、日本について非難させることをやっているのはお笑い種としか言いようがありません。裏で理事国の委員とか左翼弁護士に金を握らせていると思います。
共産主義は一党独裁で、三権分立していませんから、党や行政機関をチエックする仕組みが存在しません。司法も行政機構の一部、メデイアも党の「喉と舌」で党の指導を受けなければなりません。日本の記者クラブ内のインナーサークルという安全地帯で政府を批判していれば高給が食める国とは違います。投獄や死刑覚悟で政府や党に逆らいます。日本の左翼リベラルにはその覚悟は微塵も感じられません。
3/11小生のブログで南方都市報の党との戦いぶりを書きました。
http://dwellerinkashiwa.net/?p=3469
習が改革(改悪?)を進めれば進めるほど、摩擦は大きくなります。経済的に豊かになれば、党がいくら押えようとも、真実に近づく道は沢山出てきます。秋瑾とか汪兆銘が中国でどのように評価されていたとしても、共産党が崩壊したら評価は180度変わるでしょうから。秋瑾の磔刑の時には中国人は饅頭を持って彼女の血を吸いに行ったという本を読んだ記憶がありましたが、定かではありません。また、汪兆銘は墓を爆破されたという日本人にはとてもついていけないレベルの話があります。
中国人・朝鮮人とは距離を置いて付き合うべきです。
NEWSWEEK記事
Chinese Editor Resigns over Communist Party’s Media Crackdown
メディア規制が強化される中、「南方都市報」編集者が挑戦的な辞職届をネットに公開

強まる言論統制 習近平に辞職を求める公開書簡がネットに表れたた3月上旬には、20人以上が逮捕された David W Cerny-REUTERS
中国の有力紙の編集者が中国共産党のメディア規制に反発して辞職した。29日、広東省にある「南方都市報」の文化面編集者である余少鐳(ユィ・シャオレイ)が、マイクロブログの新浪微博(シンランウェイボー)に自らの辞職届を撮影して投稿。辞職の理由欄には「あなたたちの姓は名乗れない」と書かれていた。
これは2月に習近平(シー・チンピン)国家主席が、中国メディアの「姓は”党”である」と言ったことを指している。すなわち、親である共産党に忠誠を尽くし、その意向に従えという意味だ。
余少鐳の投稿は2時間ほどで消去されたが、BBCがそのウェブ魚拓(キャッシュとして保存されたもの)にリンクを張っている。BBCによると、余は投稿の中で「私も年をとった。長年(党に)跪いてきたが、これ以上は膝が持たない」と書いていた。

【参考記事】党を批判したとして編集担当者を解雇――中国「南方都市報」
余の投稿には微博の検閲に関する言及もあった。「私の微博を監視し、どの投稿を消すかを上司に報告している人へ。もう安心していい。この数年、心労をかけてしまっていたのなら申し訳ない。あなたの新しい仕事がうまくいきますように」
神経をとがらせる当局
広州の地方紙である「南方都市報」は、南方日報グループの発行。共産党に許容され得るギリギリのラインを見極めながら報道を続けてきた同グループは、中国で「有数の挑戦的な媒体をいくつも抱えている」とニューヨーク・タイムズは評している。アジャンス・フランス・プレスによれば、余少鐳はこの新聞で16年勤務してきた。
【参考記事】公開状「習近平は下野せよ」嫌疑で拘束か?――中国のコラムニスト
中国ではこのところ、当局が神経をとがらせ、メディア規制を強化している。3月上旬、全人代(全国人民代表大会)の前日に、「習近平は辞職せよ」と勧告する謎の書簡が「無界新聞」に掲載された。無界新聞は新疆ウイグル自治区主管のニュースサイトだ。この書簡を誰が書いたかはわかっていないが、「忠実な共産党員」と署名し、習を独裁者と呼んで、経済運営の失敗を批判していた。この件で20人以上が逮捕され、その家族も身柄を拘束されている。
米NPOのジャーナリスト保護委員会によれば、中国では49人のジャーナリストが投獄されており、昨年は世界最多だった。また、キューバや北朝鮮、イランと並んで、ジャーナリスト保護委員会の選ぶ「最も検閲が厳しい国10カ国」にもランクインしている(8位)。
27日には、ドイツ在住の中国人ジャーナリスト、長平が自身の弟2人と妹1人が四川省で身柄を拘束されたことを発表した。ジャーナリストの逮捕と家族の拘束は、今年も続いている。
産経記事
【上海=河崎真澄】中国広東省をベースに調査報道を手がけるなど「モノを言う新聞」として知られる南方都市報の編集者が、習近平指導部によるメディア統制の強化に抗議して新たに辞職したと、香港紙、東方日報などが30日報じた。
習氏は2月、北京で中国国営中央テレビなど3大メディアを視察した際に「全てのメディアの姓(ファミリーネーム)は中国共産党であるべきだ」などと強調し、共産党の宣伝工作に絶対服従するよう指示していた。これに対し、南方都市報の編集者は、「あなたたちの姓など名乗れない」と書いた自身の辞職届を撮影してネット上に掲載。共産党の代弁はできぬ、と習指導部に対して抗議した。
同紙では、3大メディア視察時の習氏の指示、「中国共産党を代弁する」について報じた際、その見出しのすぐ下に、改革派の地元企業トップが葬儀の後で海に散骨されたとの記事を掲載。「(改革の)魂が海に帰る」とする見出しを上下に並べたことが、習氏に対する皮肉だと判断され、複数の編集幹部が処分を受けた経緯がある。新たに辞職した編集者は、そうした当局側の締め付けにも反発したものとみられている。
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3/30日経ビジネスオンライン 篠原匡『“トランプ大統領”のディールとゼロサム 在日米軍撤退発言の背後にある思考パターン』、3/31日経『トランプ氏「日本、自衛か負担増を」 駐留米軍巡り』について
トランプはタフネゴシエーターというだけで、歴史観や世界観を持ち合わせていないタイプでしょう。ヘタな考えがないから白地のカンバスに絵を描くように周りが支えれば大化けする可能性もあります。日本の核武装についても言及していますが、パンダハガーのキッシンジャーでさえも2007年くらいから「日本の核武装は見たくはないが驚きもしない」とずっと言ってきたくらいですから。非核三原則は法律ではなく政策レベルの話なので、いつでも変えることができます。国是とか言って、国が無くなったら国是も意味を成しません。後は国民の覚悟の問題です。日本共産党は中国の核保有、しかも保有数量も明らかにしない国に抗議もしていません。中国の金で暴力革命を下心として持っているとしか思えません。
トランプに言われるまでもなく、日本は防衛に真剣に取り組み、米軍基地は縮小していくべきと思っています。自衛隊に米軍の肩代わりをさせていくべきです。ただ、日本単独で中国の脅威に対抗は出来ません。ATO(Asian Treaty Organization)を米国中心に、日豪印台+ASEANで作って、中国を封じ込めるのが肝要かと。ロシアは中立か味方に引き入れて包囲網を完成させないと、中国は暴発するでしょう。沖縄の米軍基地は地政学上の戦略要地です。半径2000Kmの円を描けば、アジアのメインの都市が入ります。尖閣・石垣を守るためには米軍基地の存在は大事です。比がスービック基地を米軍再貸与するのと同じです。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM19H14_Z10C16A3NNE000/

共和党主流派もあれほど嫌っていたクルーズを後押しし出しました。トランプの楽勝になるかと思っていましたが、まだまだ先が読めません。
日経ビジネスオンライン記事
“不動産王”が投下した爆弾が波紋を広げている。
米大統領選における共和党候補指名争いで首位を快走しているドナルド・トランプ氏。「メキシコ国境に壁を作れ」など過激な言動で知られるが、3月26日に米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)で掲載されたインタビューで、日米関係の礎である日米安全保障条約の見直しについて持論を展開した。

トランプ氏は、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した(写真:AP/アフロ)
「米国が攻撃を受けても日本は何もしないが、日本が攻撃を受ければ米国は全力で駆けつけなければならない。これはかなり片務的な条約だ」。さらに、大統領に就任した際には、日本が駐留経費負担を大幅に増やさない限り、在日米軍を撤退させる可能性を示唆した。また、「日本が核武装することはそれほど悪いことではない」と、日本の核保有についても容認する姿勢を見せている。
日米安保に爆弾を投下したトランプ氏
これまでトランプ氏は安保条約の不公平感については言及していたが、安全保障や対日外交について具体的に述べたことはあまりない。米軍撤退に触れたのも初めて。それだけに、日本政府関係者に衝撃が走った。菅義偉官房長官は「政府としてコメントを控える」と述べた上で、「日米安保体制を中核とする日米同盟は我が国の基軸。米国と緊密に連携していくことに変わりない」とコメントしている。
トランプ氏がスーパーチューズデーで大勝を収めた直後、ワシントンの日系企業関係者と同氏の対日戦略について議論したことがある。結論から言えば、政策と言えるような政策を提示しておらず、経済面や外交面で日本に対してどういうスタンスを取るのか、材料がなさ過ぎて判断できないという話に終わった。ただ、その時に企業関係者が分析したトランプ氏の“思考パターン”が今回の見直し発言の底流にあるように思う。それは「ディール」と「ゼロサム」だ。
実業家のトランプ氏は1970年代以降、トランプタワーをはじめとするマンハッタンの再開発やカジノ建設などのビッグディールをいくつも実現させてきた。その一端は、1987年に出版した『The Art of Deal』に詳しい。これは、トランプ氏のビジネスにおける鉄則や成功の裏側をつまびらかにした自伝で、彼が数々の不動産取引をいかに成功に導いてきたのかが描かれている。
“優れたディールメーカー”の本質
トランプ氏自身、今回の指名レースで自身を偉大なるディールメーカー(取引交渉者)と位置づけ、自分であれば米国を再び偉大な国にできると喧伝している。だが、ディールという言葉を突き詰めればいかに有利な条件でビジネスを展開するかという話であり、優れたディールメーカーとは、押したり引いたり駆け引きを駆使して最も有利な条件でビジネスを進められる人間のことだ。
今回の在日米軍の撤退についても「ディール」という切り口で捉えることができる。在日米軍は米国のアジア戦略の要であり、負担の多寡で存在意義を語るべきではないが、物事を交渉と捉えてなるべく有利な条件を引き出そうとする彼の考え方が色濃く表われているように見える。
もう一つのゼロサムは、失ったものを取り返すという思想だ。
トランプ氏が商標登録している選挙スローガン、“Make America Great Again”は米国を再び偉大な国にするという彼の強烈なメッセージである。だが、足元を見れば、米国が偉大な国に返り咲く材料はあまりない。
「パイの奪い合い」の結果としての偉大な米国
シェール革命で米国は原油自給の道を切り開いたが、足元の原油安でシェール関連企業は死屍累々の山を築いている。財政悪化も頭痛の種で、世界の警察官として影響力を行使したのも昔の話だ。そもそも米国民自体が政府に、外交面で影響力を行使することよりも、経済など国内問題を解決することを望んでいる。
その状況下で、偉大な米国を取り戻そうと思えば、どうしてもパイの奪い合いにならざるを得ない。奪われた雇用をメキシコや中国から取り戻せ、巨額の貿易黒字を中国や日本から取り戻せ--。その発想は、貿易を通じてウィンウィンを追求するというよりもゼロサムに近い。ウィンウィンという発想そのものに疑問が呈されているという面もあるのだが…。
「トランプ氏が大統領になれば、ギブアンドテイクの面が強まるだろう。日本にとっていいことはほとんどないと思う」と先の企業関係者は語っていた。今回の在日米軍撤退発言にどれだけ深い意図があるのかは分からないが、ディールメーカー、トランプ氏が大統領になれば、この手の牽制球が続くのかもしれない。
日経記事
【ワシントン=川合智之】米大統領選の指名を争う共和党候補者の対話集会が29日開かれ、不動産王ドナルド・トランプ氏(69)は日本が北朝鮮の脅威に対抗するため核武装するのは「時間の問題だ」と述べた。日本が駐留米軍の費用負担を大幅に増やさなければ米軍は撤退するとして「日本が我々に金を払うか、自衛するかだ」と迫った。
トランプ氏は「北朝鮮はすでに核兵器を持っている。我々が(日韓核武装の)引き金を引きたいのではない」と主張。核保有国を増やさない政策は「変えなければならない時が来るだろう」と述べた。
トランプ氏は米国は軍事費などによる巨額の財政赤字国だとして、アジアや欧州を米が防衛することは「米国が破産するほどの大きな利益ではない。もはやそんな余裕はない」と指摘。「日本が自衛すれば我々は裕福になる」と強調した。
トランプ氏は自身の選対責任者が女性記者の腕をつかんで暴行した疑いで29日訴追されたことについては「彼女の方が私を2度つかんだ」と反論した。米CNNテレビによると、監視カメラには選対責任者が女性記者の腕をつかむ様子が映っており、トランプ氏の説明は虚偽だとしている。
29日には米大統領選の共和党候補指名争いから撤退したウィスコンシン州のスコット・ウォーカー知事(48)が、保守強硬派のテッド・クルーズ上院議員(45)への支持を表明した。党内はトランプ氏の指名阻止で結束する動きを加速しており、これまで共和主流派と敵対していたクルーズ氏をあえて支持する異例の事態となっている。
クルーズ氏への支持を表明した主流派は2012年大統領選で共和候補だったミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事や、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事ら。トランプ氏を支持するのはニュージャージー州のクリス・クリスティー知事ら一部にとどまる。
一方、トランプ氏は昨年9月、共和候補に誰が選ばれても結果を支持するとの誓約書を共和党全国委員会に提出したが、対話集会では「支持しない」と表明。お互いの妻を批判するなど対立が過熱しているクルーズ氏への対抗心をあらわにした。
下は3/31日経『米大統領選が映すもの(上) 共和党、原理・価値観の危機 国際秩序、揺らぐ恐れ 久保文明 東京大学教授』記事より

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3/30日経ビジネスオンライン 福島香織『習近平は「十日文革」で“友達”を失った 「鬼平」「軍師」「大番頭」が消え、揺らぐ足元』、3/29ZAKZAK『AIIB、早くも“機能不全” 格付け問題未解決 中国政府内で内紛も』について
3/28小生ブログで石平氏の「王岐山が習近平より上と言うのはwishful thinking」と言いましたが、福島氏記事を読みますと中国内ではいろんな見方がされているという事です。王>習ではないものの習は寂しき王様になっていることが分かります。中国も集団指導体制になり、毛沢東や鄧小平のような建軍時代のカリスマは現れなくなりました。まあ、共産軍は日中戦争時逃げ回っていただけですが。
中国人は「散沙の民」とか「一人の時は龍、三人寄れば豚になる」と言われるだけあって、日本人と違い団結するのが苦手です。自己犠牲の精神が薄く、「俺が俺が」となります。自己主張する民族ですから。
共産党内部が分裂するのは良いことです。このまま友人がいなくなれば、習近平も暗殺されるかも知れません。強権政治の結果が、哀れな末路となって終結するかもしれません。習の代わりに誰がリーダーになっても中国経済の立て直しはできないでしょう。3経済主体で30兆$もの債務を負ってデフォルトの連鎖になるだけでしょう。ハイパーインフレにして国民生活を犠牲にして借金を減らすかと言うとこれも暴動→再革命となって怖くて共産党は出来ないでしょう。中国所有の不動産を外国に売却していけば、借金返済は可能かもしれませんが、生産手段の公有を目的とした共産党統治の否定に繋がります。人権抑圧をしている共産党が潰れることは理想ですが。
ADBはAIIBを助けることはありません。敵に塩を送ることができるのは相手が日本人の時だけです。世界は忘恩の徒で成り立っていると考えた方が良い。軍事膨張主義の中国を経済的に助けることは、やがてブーメランのように日本に跳ね返ってきます。日本共産党や反日民進党は3/29「戦争法案反対」デモを国会周辺でやっていましたが愚かです。「戦争反対」なら日本政府でなく、中国政府に向けて北京でやって見ろと言いたい。偏向マスコミも喜んでデモの様子を映すから始末が悪い。深く考えない人は日本政府が悪いと脳内に刷り込まれてしまいます。マスコミ、野党はどこが戦争法案なのか、国際政治動向(中国の東シナ海や南シナ海での動き)を踏まえて説明する責任があります。煽情的に念仏を唱えorレッテル貼りをして他者を悪者にするのは左翼の常套手段です。騙されないように。
福島記事

写真は2015年3月の王岐山(左)と習近平。今年2月に起きた「任志強バッシング事件」をきっかけに、2人の関係に亀裂が?(写真:ロイター/アフロ)
習近平と王岐山の関係に亀裂が走っている、という話を聞いた。“十日文革”と揶揄される任志強バッシングがそのきっかけだという。任志強は王岐山の幼馴染にして今なお深夜に電話で話し込むような大親友関係であり、2月以降に盛り上がった任志強バッシング報道は実は王岐山バッシングであったことは誰もが感じとっていたことだろう。私は劉雲山VS王岐山・習近平の戦いの文脈でこの事件を読んでいたのだが、現地の中国の政治ウォッチャーたちが読み解く権力闘争構図はそう単純ではないようだ。
任志強がどういう人物か、簡単に説明しておこう。
父親は元商業部副部長まで務めた高級官僚・任泉生。本人は不動産大手・華遠集団総裁を務めたことのある太子党の不動産王である。2014年に企業家から足を洗っているが、中国不動産協会副会長など役職を務める不動産業界のドンであることは変わりなく、また北京市政治協商委員(市議に相当)、北京市西城区人民代表(区議に相当)という役職にも就いている。
「中国のトランプ」を一斉にバッシング
本人がその回顧録でも明らかにしているように、中央規律検査委員会トップの王岐山と幼馴染で、その親密な関係を隠しもしていない。王岐山は言うまでもなく、習近平政権の反腐敗キャンペーンを指揮する“中国汚職改筆頭”の“鬼平”であり、官僚・企業家たちから蛇蠍のごとく嫌われ恐れられている人物であるが、その王岐山の親友であることを背景に、任志強は“中国のドナルド・トランプ”のあだ名がつくほどの放言癖がある。
中国の大手メディアが足並み揃えて一斉に“任志強バッシング”を始めたきっかけは2月19日。習近平が党総書記としてCCTV、人民日報、新華社を視察に訪れたとき、CCTVが習近平に忠誠を誓っていることをアピールするために、テレビ画面に大きく「CCTVの姓は党、絶対忠誠を誓います。どうぞ検閲してください」と卑屈な標語を掲げたことに対して、任志強が「人民の政府はいつ党の政府になった?」「すべてのメディアの姓が党になって人民の利益を代表しないようになったら、人民は忘れ去られて片隅においやられるんだ!」といった批判をネットの微博上でつぶやいた。
この発言は、ネットユーザーらのみならず、体制内知識人にも大いに受けた。任志強は党中央メディアの卑屈な習近平擦り寄りぶりを批判しているのだが、その本質は個人崇拝をメディアを通じて仕掛けている習近平自身に対する批判でもある。
これに対し22日、中国の大手ネットメディアらは「任志強は西側憲政民主の拡声器だ」「任志強は民衆の代弁者のふりをして、民衆の反党反政府の憤怒の情緒を扇動している」などとバッシングを開始した。これは、あたかも、文革のつるし上げの様相であった。
2月28日には、大手ポータルサイト新浪と騰訊の任志強のアカウントも国家インターネット情報弁公室の命令で閉鎖させられた。
「山を隔てて牛を打つ」権謀術数の只中で
だが中国メディアおよび中央宣伝部がかくも威勢よく任志強バッシングを展開した本当の狙いは、別に習近平への忠誠心からではなく、任志強の発言が反党・反政府的であったからでもない、と見られている。
任志強バッシングを最初に開始した「千龍ネット」(北京市党委宣伝部主管のニュースサイト)が掲げた「誰が任志強を“反党”的にさせたか」という一文では「任志強が夜中に頻繁に電話する指導者」(王岐山を指す)を挙げており、要するに任志強が恐れることなく習近平政権批判めいたことを言える黒幕は王岐山だ、ということをほのめかしている。
「指桑罵槐」というか「山を隔てて牛を打つ」というか、権力闘争や権謀術数の激しい中国では往々にして、このようなけんかのやり方をする。つまり、中国メディアと中央宣伝部が任志強バッシングで本当に矛先を向けているのは王岐山だった。あるいは、習近平に忠誠を誓うふりをしながら、習近平と王岐山の中を割こうとする中央宣伝部の画策かもしれない。
中央宣伝部は中国メディアを統括する党中央機関。新華社、CCTV、人民日報は中央宣伝部直属のメディアである。中央宣伝部を指導する党中央政治局常務委員はもともと江沢民派に属し、目下習近平とは微妙に対立関係にある劉雲山であり、中央宣伝部部長は胡錦濤派に属し、やはり習近平とは微妙に対立関係にある劉奇葆。劉雲山も劉奇葆も汚職の噂が絶えず、いつ王岐山率いる中央規律検査委の取り調べ対象となっても不思議はない。彼らが任志強バッシングの体を借りて王岐山攻撃を始めた、あるいは習近平と王岐山の間に亀裂を入れようとしている、というのが中国政治ウォッチャーの見立てであった。
この任志強バッシングを受けて北京市西城区党委員会は、任志強に対して党籍剥奪処分などを行おうとしたのだが、王岐山は2月28日、汚職Gメンこと中央規律検査委員会巡視隊を中央宣伝部に派遣し突然の“ガサ入れ”を行って、中央宣伝部およびメディアを黙らせるとともに、3月1日に中央規律検査委機関紙「中央規律検査監察報」上に「千人が唯々諾々と語るより一人の士の諤々とした発言の方がまさる(千人之諾々、不如一士之諤々)」と題した原稿を発表させる。
タイトルにある“一士”が任志強を指していることは間違いなく、中央規律検査委、つまり、王岐山は習近平礼賛メディアを批判する任志強を表立って擁護したことになる。ちなみに、その直後に前回のコラムで取り上げた「無界新聞・習近平引退勧告公開書簡事件」が起きたのだ。この件については、習近平が激怒して犯人探しが猛烈な勢いで行われているところだという。新疆ウイグル自治区主管の新興ニュースサイト・無界新聞は閉鎖が決まり、この件に関与した疑いで著名コラムニスト賈葭ほか30人前後が、身柄を拘束され取り調べを受けている。私の聞いている範囲では、身柄拘束された人たちのほとんどが事件に無関係の“冤罪”らしいが、取り調べがあまりに厳しいので、あることないこと“自白”してしまい、それが権力闘争に利用される可能性もありそうだとか。
その時、習近平が止めなかったゆえに
この事件の真相はまだ不明であり、任志強バッシング事件とのつながりがあるかどうかも分からないのだが、一つ言えるのは、主だったメディアは“党への忠誠”を声高に叫んではいるが、彼らの言う党への忠誠は必ずしも習近平への忠誠ではない、ということである。3月3日の人民日報は「ある指導者はメンツを失うのを恐れ、群衆の批判の言葉を聞こうとしない」という題の論説を掲載。この“ある指導者”が習近平を指すとしたら、中央規律検査委巡視隊の進駐を受けて、中央宣伝部が王岐山批判から習近平批判に転じた、という見方もできる。
3月23日、新浪微博のあるアカウントが「北京市西城区の規律検査委員会で、ほらふき任(志強)の党籍剥奪が決定された」というコメントを発信。すぐさま削除され、これは習近平と王岐山の対立を煽るための「デマである」との見方が一部消息筋の間で伝えられたが、その一方で、習近平は本気で任志強潰しに動き始めている、という情報もやはり一部消息筋に出回っている。習近平は実はメディアが自分を礼賛しすぎるのを苦々しく思っており、メディアが任志強バッシングを始めた時、自らやめるように指示した、という情報も大紀元など体制外華字メディアで報じられているが、同時に、任志強・王岐山バッシングの時、習近平はメディアを止めようとしなかったので、王岐山と習近平の亀裂はもはや決定的となった、という話も耳に入っている。私はどちらかというと後者の情報を重視している。
実際のところ、政権のメディア・言論統制のひどさ、習近平政権の経済政策や外交政策の危うさに対する不満は、体制内知識人たちや官僚の間に高まっており、歴史学者でコラムニストの章立凡や中央党校教授の蔡霞、独立派の経済学者・茅予軾、上海財経大学教授の蒋洪らが任志強を表立って擁護することで、習近平政権の政策の過ちへの批判姿勢を示している。
“文革”勝ち抜き、王朝滅亡の分析本を推薦
任志強バッシング事件は、中央宣伝部が習近平と王岐山の間に亀裂を入れようという狙いで仕掛けたのは事実かもしれないが、私の観察したところ、王岐山が習近平との関係を修復するために、任志強に批判をやめさせるように働き掛けた形跡はない。結果的に十日文革が、習近平と王岐山の権力闘争の形となったのは否めない。
3月8日の任志強の誕生日の写真を人民公安大学教授の黎津平が微博に流していたが、その時の任志強は紙でできた赤い王冠をかぶり、手にバースデーケーキを持って花束やご馳走に囲まれており、その表情は“文革”を勝ち抜いた自信に溢れていた。3月23日には、公式ブログで推薦図書として清朝が滅亡した理由を分析した「帝国的潰敗」(張鳴著)などを紹介しており、ネットユーザーたちはこれを共産党王朝を滅亡に導こうとしている習近平政権への批判、皮肉と受け取っている。
2月19日の習近平のCCTVなど3大中央メディア訪問を機に始まった三大メディアによる習近平礼賛報道は、一種の“文化大革命”の発動であったと捉えられている。メディアを使って習近平個人崇拝を展開し、一気に習近平は毛沢東的な絶対権威の地位を築く腹積もりだった。毛沢東の文革は10年続いたが、だが習近平の“文革”は、任志強(あるいはそのバックの王岐山)に阻まれ、10日で終わった。だから一部知識人や体制外メディアでは任志強事件は「習近平の十日文革」と皮肉られているわけだ。
この十日文革によって習近平と王岐山の関係に決定的亀裂が入ったかどうかはひとまず置いておくとして、最近、習近平は友達がずいぶん減ってしまった、というのは事実のようである。
話は少し遡るが、劉少奇の息子で解放軍上将であり、習近平の“軍師”の立ち位置にあった親友・劉源が2015年暮れ、軍制改革を前に完全引退を表明したのは、実は劉源自身が習近平と距離を置きたかったためだという。習近平は軍制改革の中で新たに設立する中央軍事紀律検査委員会書記(中央軍事委副主席兼務)のポストに劉源を迎え、彼に軍内汚職の徹底摘発を行わせることで軍を掌握するつもりであったが、それを劉源は辞退した。なぜか。
太子党の大ボス・曾慶紅にこう諭されたという。「軍の汚職摘発の筆頭がどれほど危険かをよく考えないといけない。官僚相手の汚職摘発を行う王岐山ですら何度も暗殺の危機にさらされている。軍の汚職摘発は相手が武器と部隊を持っているのだから、命がいくつあっても足りない。習近平のために、そこまで泥をかぶる必要があるのか」。こう説得されて、劉源は習近平と友達であり続けるのが怖くなったのだという。
「習近平のために泥をかぶる者は、もういない」
もう一人、習近平と友達をやめたそうな動きをしているのが栗戦書だ。栗戦書は習近平が河北省時代から交流を持ち、今は中央弁公庁主任という立場で“習近平の大番頭”とも呼ばれている側近だ。だが、彼は最近、習近平と距離を置こうとしているらしい。聞くところによると、全人代で、栗戦書が「習近平を核心とする党中央」(いわゆる習核心キャンペーン)を提言するシナリオがあった。だが、十日文革の顛末を見た栗戦書は、習近平の求心力が意外に小さいことに気づき、全人代で習核心キャンペーンを打ち出すのをやめたという。
今、共産党中央で何が起きているのかは、外からは非常に分かりにくい。博訊や明鏡といった体制外華字ネットニュースの報じる内容は、参考にはなるが、いざ体制内の情報通に話を聞いてみるとかなり解釈が違ったりする。
一つだけ、はっきりしているのは、習近平政権の経済、外交、軍政そしてイデオロギー政策については、官僚や共産主義青年団派だけでなく、太子党内にも不満が広がっているということ。「習近平のために泥をかぶって仕事しようという政治家も官僚はもういない。あの王岐山ですら愛想を尽かしている」。現地の情報通はこうささやく。
来年の第19回党大会までに、さまざまな権力闘争が展開されるのだろうが、従来のような胡錦濤・李克強派(共産主義青年団)VS習近平派という単純な構図ではなく、習近平派の中から、習近平に引導を渡そうという人物が出てくる可能性も少し頭に入れておく必要がある。
ZAKZAK記事
中国主導で昨年末に設立したアジアインフラ投資銀行(AIIB)が大誤算を重ねている。参加国数の数を誇るが、実態は日米や欧州との協調融資に頼り、独自の資金調達は先が見えないという羊頭狗肉。さらに習近平政権肝いりの別組織との内紛も生じかねない状況だ。 AIIBには創設メンバーとして57カ国が参加したが、中国出身の金立群総裁は、報道各社のインタビューでさらに30~40カ国が参加に関心を示していることを明らかにした。一部は打診レベルだとしながらも「多くの国が参加することになるだろう」と述べている。 規模の上では、日本と米国が主導するアジア開発銀行(ADB)に加盟する67カ国・地域を超える可能性が高まったことを誇りたいようだが、まだ中身は伴っていない。 大きな懸念材料である格付け問題は未解決だ。開発銀行は通常、融資資金を調達するために債券を発行するが、最大の出資国である中国の格付けが反映されるAIIBは、ADBのように「トリプルA」格を取得するのは困難で、当面、無格付けで債券を発行する方針とみられる。 先行して中国とブラジル、ロシア、インド、南アフリカ共和国のBRICS5カ国が設立した「新開発銀行」も、債券発行で「トリプルA格」を取得したのは、中国国内の2つの金融機関だけというお手盛りぶりだ。 米格付け大手のムーディーズ・インベスターズ・サービスは今月に入って、中国の信用格付け見通しを引き下げている。
金総裁は「われわれは既存の国際金融機関のコピーにはならない」と強調し、効率とスピードを重視した「革新的な」新組織を目指すとしているが、確かに開発銀行としてのハイリスクぶりは前例がない。 融資資金を利率の高い借り入れで調達するにせよ、参加国からの出資金でまかなうにせよ限界がある。ADBや欧州復興開発銀行(EBRD)との協調融資で、先進国の助け舟を受けるしかないのが実情だ。 組織運営でも中国のもくろみ違いが生じていると指摘するのは、『米中経済戦争 AIIB対TPP』(東洋経済新報社)の著書がある週刊東洋経済編集長代理の西村豪太氏。 「欧州諸国が雪崩を打ってAIIBに参加したことは中国にとっては“うれしい誤算”。うるさ型の先進国がメンバーとなったことでAIIBのステータスは上がったものの、中国のペースで運営することには限界が出てしまった」と語る。 中国のための銀行だとの批判をかわすために体裁を取り繕ったところ、身動きが取りづらくなっているというのだ。 こうしたなか、AIIBと、中国が別に設置したファンド「シルクロード基金」のさや当てが生じかねないという。西村氏はこう分析する。 「中国政府はストレートに国益を実現する投資はシルクロード基金に任せ、AIIBは国際協調路線の象徴とするという役割分担を考えているのではないか。ただ、AIIBは財政部、シルクロード基金は人民銀行が主導しており、両者は犬猿の仲。きれいなすみ分けが可能かは流動的な要素が残る」 習政権のメンツと野望にまみれた資金が世界を混乱させるのか。
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3/29日経ビジネスオンライン 高濱賛『トランプの外交ブレーンに知日派おらず クルーズ陣営には「ネオコン」が結集』について
トランプが大統領になれば、ゴルバチョフのように米国の世界覇権は崩壊すると言うのが北野幸伯氏の見立てです。勿論トランプの今の発言通りの政策展開をすればという前提ですが。ルトワックが言うようにレーガンの前例もありますから、トランプが大統領になれば現実主義に転換する可能性も勿論あります。
http://archives.mag2.com/0000012950/20160329000000000.html
トランプはモンローイズムを徹底させ、内向きになるのでしょうか?モンローは米大陸への欧州の不当な干渉には徹底的に戦うとしましたが、後には米大陸の西漸金運動に繋がりました。先人たちが営々と築いてきた利権を簡単に放棄することは考えにくい。でも今のスタッフはアジアを知っている人が少ないという事で不安です。また露骨な人種差別が見え、日本人は日系人の強制収容所送りをしたFDRとイメージがダブります。如何に大化けするとしても・・・・。ただ中国から金を貰っていたヒラリーを大統領にするならトランプの方がマシかと。
ジェブ・ブッシュはクルーズを応援とのこと。ネオコンがスタッフと言うのがチト気になりますが。ネオコンは元々のルーツは左翼リベラルなので。でも対中強硬派なので、彼が現時点では一番良いかと。ブッシュ(息子)やレーガンの時のスタッフが多いと言うので。
ヒラリーのスタッフは知日派が多いと言ってもキャンベルを筆頭に日本弱体派です。ビンの蓋論で自主防衛させないと考えている連中です。中国よりも日本を心の中で敵視していると思われます。民主党は日本の旧民主党同様、碌でもありません。
記事

—アリゾナとユタの西部2州の予備選、党員集会ではドナルド・トランプ氏とテッド・クルーズ上院議員とが星を分け合いました。
クルーズ氏の外交ブレーンにはネオコンの面々が名を連ねる(写真:AP/アフロ)
高濱:アリゾナ州は得票率1位の候補が全ての代議員を獲得する「勝者総取り」でしたからトランプ氏は58人を全部取りました。これで獲得代議員数は739人。指名に必要な代議員数は1237人ですからあと498人です。(3月22日現在)
一方ユタ州は「比例配分」です。しかし、今回から1位の得票率が50%を超えた場合には、「総取り」する例外規定が導入されたため、クルーズ氏が代議員40人を制しました。これで獲得代議員数は465人となりました。 (”Live March 22 Election results,” Lily Mihalik, Los Angeles Times, 3/22/2016)
すでに予備選から撤退した保守穏健派のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が23日、クルーズ氏を支持すると公言しました。同氏は共和党保守本流から圧倒的な支持を得て、いわゆるスーパー代議員数を一時は最も多く確保していた。ブッシュ氏がクルーズ氏についたことで、ブッシュ氏の「指名推薦人」がクルーズ氏に大量に流れることが予想されます。「ストップ・ザ・トランプ」の動きに拍車がかかる可能性があるわけです。
予備選をベルギー連続爆破テロが直撃
—ところで22日の予備選の最中に外交面でいくつもの大事件がありました――オバマ大統領の歴史的なキューバ訪問、ベルギーでの連続テロ、北朝鮮のミサイル実験。各候補者はこうした国際情勢にどう反応したのでしょうか。
高濱:これまで予備選では景気や雇用問題、それに不法移民問題など米国民にとって身近な事案が焦点でした。ところがここにきて米国民にも関わり合いのある国際的な出来事が相次いで起こりました。
ベルギーの連続爆破テロは、すでに過激派組織「イスラム国」(IS= Islamic State)が犯行声明を出しており、ISへの対応をめぐって各候補が発言しています。
トランプ氏はISのテロについて、「拘束したテロ容疑者から情報を得るために水責めなどの厳しい尋問をするべきだ」と発言しました。これに対し、マイケル・ヘイデン元CIA(中央情報局)長官が反論すると、「三軍の最高司令官が命じたら軍は従うべきだ」と制した。しかし、「拷問」が国際法(国連拷問等禁止条約=1987年採択)に違反していることを指摘されると、渋々撤回しました。
ベルギーの連続爆破テロが起こると、「(法が許すなら)水責め以上のことをやる。(テロリスト容疑者から)情報を引き出す必要がある」と言い出しました。朝令暮改の繰り返し、です。
民主党の指名を狙うヒラリー・クリントン候補は、さすが国務長官を経験しているだけに「水責めのような拷問に頼るべきではない。テロとの戦いは他の同盟国と一致協力して行うべきだ」とトランプ氏を批判しています。
米主要シンクタンクの上級研究員の一人は筆者にこうコメントしました。「予備選の最中に大きな外交事案が出てくるのは良いことだ。各候補者のステーツマンとしての力量が白日の下にさらされるからだ。このトランプという男の発言は、外交が未経験であるというだけではない。何か大事件があるとすぐ感情的に反応する一般大衆を代弁している、いや、彼自身がその一般大衆の典型的な一人にすぎない」。
—共和党の保守強硬派のクルーズ氏はどのような反応を示していますか。
高濱:クルーズ氏は「もし自分の住んでいる街に(イスラム過激派分子のような)不穏な行動をとる可能性が大きいグループがいるなら、治安当局による監視を一層強めるべきだ」と述べています。これはイスラム教徒が密集して住んでいる地域に対する警察の監視・警戒態勢を強化することを意味しています。具体的には電話・インターネットの盗聴から警官による24時間パトロール体制を考えているようです。
これに対しオバマ大統領は、訪問先のアルゼンチンで記者会見し、「こうした提案(クルーズ氏の提案)は間違いであり非米国的だ。米国が行ってきたイスラム教過激派対策を弱体化させるだけだ」と激しく批判しています。
クリントン氏も23日、スタンフォード大学で行った演説で、イスラム教徒密集地域で監視・警戒態勢を強化することに真っ向から反対しました。返す刀でトランプ氏が主張しているイスラム教徒の米国入国禁止案や「水責め」実施に反対し、「口先のレトリックで我々の共有する価値や安全を強化することはできない」とトランプ、クルーズ両氏の主張を退けています。
テロ対策をめぐる民主、共和両党の意見の食い違いは、本選挙での一つの大きな争点になりそうです。 (”Clinton at Stanford: Global alliances key to ending terrorism,” Clifton B. Parker, Stanford News, 3/23/2016)
指名に向けて一歩一歩前進しているクリントン氏は、ここにきて、対抗馬のバーニー・サンダース上院議員との論争ではなく、本選挙をにらんだ方向に戦術転換を図っています。
キューバとの関係改善支持するトランプ
—オバマ大統領のキューバ政策について各候補はどのような反応を示していますか。
高濱:クリントン氏は08年の大統領選では対キューバ禁輸解除に反対の姿勢をとっていました。しかしその後「禁輸は目的達成には役立たない」との理由から賛成に回りました。
今回は「共和党の対キューバ政策は、この国を冷戦のレンズで見ているようなものだ。対キューバ禁輸は今直ちに解除すべきだ」と主張しています。
そして「もし私が大統領になった時に米議会が禁輸解除に反対していたら、私は大統領令を発動して解除する」とまで言い切っています。
トランプ氏は対キューバ関係を改善することに賛成です。ただキューバの人権抑圧政策を厳しく批判しており、「関係改善はいいことだが、私ならオバマ大統領よりももっといい取引をしただろう」と述べています。
オバマ大統領の今回のキューバ訪問は大々的に報道されているものの、政治体制や人権をめぐる首脳同士の違いを埋めるに至っていません。国交正常化も時間をかけてやるということで画期的な成果があったわけではありません。オバマ大統領は米議会に対して対キューバ禁輸の解除を求めることになりますが、大統領選後の民主、共和両党の対決懸案の一つになることは必至です。
キューバとの関係改善について共和党内にはいろいろ議論があります。真っ向から反対しているのは、トランプ氏を急追しているクルーズ氏です。父がキューバ移民で反カストロ派です。
クルーズ氏の主張は単純明快です。「オバマ大統領のアプローチはカストロが望んでいる経済援助と国際社会での合法性をくれてやるようなものだ。カストロと交渉するときには反カストロ派を参加させるべきだ。禁輸解除は人権抑圧を完全にやめさせるが前提となる」。 (”Cuba: Campaign 2016, The Candidates & the World,” Council on Foreign Relations, 2016)
クルーズは徹底した反中・嫌中
—今月31日には習近平・国家主席が核サミット出席のため、ワシントンを訪れます。各候補者たちの対中姿勢はどのようなものでしょうか。
高濱:クリントン氏は第1期オバマ政権の国務長官として、対中交渉を第一線で担った経験がありますから、今のオバマ対中外交をそのまま継承するでしょう。つまり「米中関係は友でもなければライバルでもない。対北朝鮮問題から温暖化まで国際的なチャレンジを克服するために不可欠な関係」との位置づけです。そのために相互信頼と協力精神を引き続き保たねばならないと考えています。
むろん中国の軍事力増強、南シナ海・東シナ海における海洋権益拡大や軍事進出、さらには中国国内で行われている人権抑圧には厳しい姿勢を終始とっています。
中国に対して最も強硬なのはクルーズ氏です。とくに中国の軍事力増強を警戒しており、台湾にF16戦闘機を供与するようオバマ政権に強く要求しました。また中国のサイバー攻撃に対するオバマ政権の対応を批判し続けています。
クルーズ氏はレーガン政権の「力による平和」という対ソ連政策を高く評価し、「この方式を対中にも適用すべきだ」と主張しています。
15年10月、習近平国家主席が訪米した際には、「在ワシントン中国大使館前の広場を『劉暁波広場』と命名しようではないか」と他の上院議員に呼びかけたりしました。劉暁波・元北京師範大学講師はノーベル平和賞を受賞した人権活動家。クルーズ氏は、中国政府が同氏を投獄したことに抗議したのです。
トランプは日中の為替操作を批判
—北朝鮮のミサイル実験についてはどうですか。
高濱:各候補者は北朝鮮による挑発行為を厳しく批判しています。しかしながら、クリントン氏がより一層厳しい経済制裁措置をとるよう提案している以外、他の候補の発言に具体的なものはありません。
トランプ氏は「北朝鮮をコントロールしているのは中国だ。北朝鮮は中国なしには飯も食えない。北朝鮮の行動をやめさせるのは中国の責任だ」と批判。クルーズ氏は「北朝鮮に核武装させたのはオバマ政権だ。クリントンとオバマは対北朝鮮外交で過去に何度も失敗をおかしてきた」とこき下ろしています。
トランプの時代錯誤な対日批判に米識者も辟易
—対日政策ではトランプ氏が抜きんでて強い対日批判を繰り返しているようですね。
高濱:その通りです。トランプ氏の対日批判について米ニューヨーク・タイムズ(3月7日付)が「トランプ、80年代の対日通商の長広舌を持ち出して日本を手ひどく批判」という見出しで報じています。 (”Donald Trump Laces Into Japan With a Trade Tirade From the ’80s,” Jonathan Soble and Keith Bradsher, New York Times, 3/7/2016)
記事は、米通商代表部(USTR)の副代表だったグレン・フクシマ氏の次の発言を引用しています。「トランプ氏の対日発言は70年代後半から90年代中葉、卓越した米国の経済力を脅かすライバルと日本が見られた時期を思い出させる。日本経済が20年にわたる不況に見舞われたにもかかわらず、米国の雇用を掠め取る経済的ライバルとしてよみがえっていると考えていること自体、興味深い」。
トランプ氏は日米安保体制の在り方についても「もし日本が敵に攻撃されたら米軍は応援にいくのに、米国が攻撃されたときに日本は支援しない、というのは片務的だ」と言い出しています。さらに、中東から日本に原油を輸送するタンカーを守っているのは米軍だとして「そのカネは日本が払うべきだ」とも言っています。
まさに70年代から80年代に米国を席巻した「ジャパン・バッシング」(日本叩き)を21世紀中葉になって持ち出しているわけです。
たまりかねたゼーリック前世銀総裁など100人の共和党系外交・安全保障問題専門家が3月3日に共同書簡を発表して、「トランプ氏の日本へ対する防衛対価要求はゆすり以外の何物でもない」と厳しくいさめています。
トランプ氏の時代錯誤な対日批判に共和党系の学識経験者も辟易としているのです。
—なぜ、トランプ氏はこんな発言をするのでしょうか。
高濱:トランプ氏は日米安保体制や通商問題について詳しいわけではありません。
不動産ビジネスの経営者として耳にしたことやビジネス関係者たちとの話しの中で出てきた「対日不満」をストレートにぶちまけているだけです。それを、中学生でもわかるような表現でアジ演説するので、愛国心に燃えた比較的教育程度の低い一般大衆には受けるわけです。
大統領になったときに日米同盟関係をどう堅持、強化していくのか、といったステーツマンとしての自覚など今の段階ではないということなのでしょう。
しかしトランプ氏もやっと外交ブレーンを集めたようですから、今後はもっと冷静で理路整然とした対日政策を打ち出すことを期待したいところです。
トランプ外交ブレーンはテロやエネルギーの専門家
—外交・安全保障、通商問題が予備選中盤に入ってにわかにクローズアップされてきました。各候補者にアドバイスしているブレーンにはどんな人たちがいますか。
高濱:トランプ氏の外交ブレーンを総括しているのはアラバマ州選出のジェフ・セッションズ上院議員です。
外交チームのメンバーは、まずレバノン生まれで米国に帰化したウォリッド・ファレス博士。反イスラム教でキリスト教信者です。それから米メリルリンチのパートナー、カーター・ページ氏。石油エネルギーの専門家、ジョージ・パパドポウリス氏。元国務省査察官のジョー・シュミット氏、それからケネス・ケロッグ米空軍退役中将らです。
対日、対アジア政策の専門家は今のところ見当たりません。 (”Donald Trump names foreign policy advisors,” Philip Rucker and Robert Costa, the Washington Post, 3/2/2016)
クルーズ陣営には「イラン・コントラ事件」関係者が復活
クルーズ氏の外交ブレーンは、レーガン政権やジョージ・W・ブッシュ政権で外交安保政策を担当したネオコン(新保守主義派)のメンバーが名を連ねます。徹底したイスラム教嫌い、オバマ嫌いの保守強硬派の人たちです。
超保守派シンクタンクの米センター・フォア・セキュリティ・ポリシーを創設したフランク・ガフニー氏がその中心。さらに、エリオット・アブラムス外交問題評議会研究員、フレッド・フレイツ元CIA分析官、アンドリュー・マッカーシー「センター・フォア・ロー&カウンターテロリズム」理事長たちが名を連ねます。
アブラムス氏は、レーガン政権の時、イラン・コントラ事件に直接関与した人物の一人です。イラン・コントラ事件とは、国家安全保障会議(NSC)がイランに対し、85年夏から86年秋にかけてイスラエル経由で対戦車ミサイルや対空ミサイルを秘密裏に輸出し、その代金の一部をニカラグアの反政府右派ゲリラ「コントラ」への援助に流用していた事件です。米国は当時、イランを「テロ支援国家」リストに載せており、武器の輸出は法的に禁じられていました。この事件は、高い人気を誇ったレーガン大統領の統治能力の欠如を浮き彫りにしたものでした。 (”Here Are Five of Ted Cruz’s Most Fanatical Foreign Policy Advisors,” Sara Lazare, Alternet, 3/17/2016)
クリントンは東アジア政策にキャンベル元国務次官補
—国務長官を務めたクリントン氏の外交チームは、大統領候補者の中では一番規模が大きく、充実しているそうですね。
高濱:その通りです。総括者はオバマ政権で国家安全保障担当大統領副補佐官を務めたジェイク・サリバン元プリンストン大学教授です。ヒラリー・クリントン大統領が誕生すれば、国家安全保障担当大統領補佐官になると噂されています。
同氏を軸にシニア・グループがあり、そのメンバーはレオン・パネッタ元国防長官、トム・デニロン元国家安全保障担当大統領補佐官、ミシェル・フロノイ元国防次官(政策担当)、マデレーン・オルブライト元国務長官たちです。
その下に、国・地域別、政策別などに分かれたサブ・ブループがあります。アジア、欧州、中東などから人権問題、テロ、サイバーなど、国務省さながらに細分化されています。
対日、対中政策ではクリントン国務長官の下でアジア政策を取り仕切ったカート・キャンベル国務次官補(東アジア・太平洋担当)が控えています。ということはクリントン政権の東アジア政策はオバマ政権を踏襲することを意味しますね。
関係者の一人は筆者に「サブ・グループは現在進行形のベトナム選挙からベルギーの連続テロまで最新情報を入手して分析している。その結果がクリントン候補の演説や記者会見にも反映している」と指摘しました。
一方、対抗馬であるサンダース候補の外交ブレーンには、ローレンス・コーブ氏やレイ・テケイ博士らが名を連ねています。コーブ氏は、リベラル派シンクタンクの「センター・フォア・アメリカン・プログレス」の研究者。テケイ博士は、外交問題評議会に籍を置く、イラン系米国人の中東専門家です。
クリントン氏の外交チームに比べると規模的にも質的にもちょっと見劣りがします。 (”Inside Hillary Clinton’s Massive Foreign-Policy Brain Trust,” John Hudson, Foreign Policy, 2/10/2016)
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