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『「米国から免罪符を貰った日本」に憤る韓国 「オバマは韓国人慰霊碑を無視した」(1)』、『「コリアン・ロジック」で逆恨みする韓国 「オバマは韓国人慰霊碑を無視した」(2)』(6/9・10日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

6/10日経朝刊で小原凡司氏は中国の軍艦の尖閣接続水域侵入について、「日ロ双方の艦艇に対抗か」として「中国は尖閣を中国領と明記した領海法を制定し、国連海洋法条約に規定する無害通航を認めていない。中国海軍の艦長は中国が主張する「領海」に進出する可能性があるロシア海軍の艦艇と、それを警戒監視する海上自衛隊の護衛艦に対処したのではないか。ロシアと共同で行動したのではないだろう。中国が接続水域に入ったと言っても、尖閣諸島の久米島と大正島の付近をなめるような抑制的な動きだ。中国が事態をエスカレートさせる意図はないように思える」とありました。それなら、南シナ海も無害通航を認めないのでしょう。現実には尖閣も南シナ海も米艦艇、海自艦が遊弋しています。抑止できないのは中国海軍の実力が伴っていないからでしょう。

接続水域侵入はアドバルーンの一種で、当然中国政府と一体となってやっていると思われます。斎木次官が程駐日大使へ「政府と軍は連携を取れているのか」という抗議(6/10日経朝刊)したのは、政府と軍が別々な行動を取っているという前提です。胡錦濤時代は上海派が軍の中枢を握っていて江沢民が嫌がらせで胡錦濤の知らない所で軍を動かしていましたが、習は軍の人事を自派で固めました。勿論、上海派の軍人の怨念は物凄いものがあると思われますが。接続水域侵入は、6/6小生のブログで書いた「サラミ・スライス戦略」の一環で、日本と米国の対応の仕方をジックリ見極めようとしているのでは。ただ「民間漁船」を侵入させてという「キャベツ戦術」には反します。軍艦が出れば海自艦が出動し、ひいては米軍の出動も可能となりますので。

韓国の歴史を加害者と被害者と区別して見る見方はおかしいのでは。それであれば韓国の最大の加害者は中国ではないか。中国に文句も言わず、日本にだけ難癖をつけるのは二重基準です。そもそも、加害者と被害者の区別を誰がするのか?判断基準は法律or道徳になるのでしょう。それは世界各国で違いがあります。中華・小中華の自己中と韓国の事大主義の為せる業でしょう。日本人の誰もがオバマの訪広で免罪符を貰ったなんて思っていないでしょう。「和解が進んだ」とだけ。中韓は日本との歴史戦で日本の名誉を失わせ、金を強請り取ることしか考えていません。欧州の和解はドイツに対して寛容な国があったればこそです。「千年たっても加害者と被害者の立場は変わらない」という国家元首のいる国とは永遠に和解できないだけでなく、正真正銘の敵国と認識すべきです。戦争の善悪はともかく、戦争は人類の歴史上繰り返されて来たもので、今も世界のどこかしこで起きています。国際法上も戦争は「国際紛争の解決手段」として違法ではありません。侵略戦争は違法ですが、自衛戦争と侵略戦争の区別は難しく定義も明確ではありません。実質、戦争は現実的に起きていることを見ると、国際法上合法と見るしかないのでは。石川明人准教授は『戦争は人間的な営みである』という本を書いています。小生は、他の動物には見られない同種の生物への攻撃をするのは多分人間だけと思っています。知的レベルの高い動物としての性かも。

http://okigunnji.com/?p=1052

韓国国民は特異体質の持主です。「妬み」「嫉み」「恨み」「駄々こね」「嘘つき」「強請り」「タカリ」と挙げればキリがありません。「火病持ち」で合理的精神のない未熟な民族です。韓国・中国がここまで増長した原因は日米の甘やかしにもあります。日米両国はもっと毅然たる態度で臨むべし。カーター国防長官の韓国外しは当然です。韓国はレッド・チームも同然な行動を取ってきた訳ですから。もう後戻りはできないのでは。時すでに遅しです。韓国は中国の属国に、北朝鮮は米国と平和条約を結び、捻じれが起きるかもしれません。日本とロシアも対中包囲網として平和条約締結が必要となるでしょう。山縣有朋ですら、ロシアと結んで英米に対抗し、中国には武力を用いて積極的に介入しようという意図を有していたのですから。(川田稔 著『原敬と山県有朋―国家構想をめぐる外交と内政』)

6/9記事

carter in Singapore

6月4日、シンガポールで開催されたアジア安全保障対話で、米国のカーター国防長官が列挙した「安全保障のネットワークに前向きな国」に韓国は含まれなかった(写真=AP/アフロ)

前回から読む)

「やはり、オバマ(Barack Obama)は日本に免罪符を与えた」と韓国で不満が渦巻く。

たった150メートルなのに

—オバマ大統領が5月27日、広島の平和記念公園を訪れました。韓国メディアはどう反応しましたか?

鈴置:どの新聞の社説も「オバマ大統領が韓国人被爆者に十分に気を配らなかったこと」を中心に論じました。

半面「米中の間で韓国が二股外交を展開し得る空間が一気に狭まった」との指摘は見当たりませんでした。

朝鮮日報の姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問が「大局を見落とすな」と懸念した通りになりました(「韓国は『尊敬される国』になるのか」参照)。

保守系紙、中央日報の社説(5月28日、日本語版)の見出しは「惜しまれるオバマ大統領の広島訪問=韓国」でした。

「惜しまれた」のは、韓国人被爆者の慰霊碑に大統領が足を運ばなかったことです。その部分を引用します。

  • オバマ大統領は原爆犠牲者慰霊碑に献花し、故人を追悼した。しかしそこからわずか150メートルの距離にある韓国人犠牲者慰霊碑には足を運ばなかった。演説で「数万人の韓国人」に言及しただけだ。韓国人の慰霊碑に行って韓国人の霊を慰めるべきだった。
  • オバマ大統領は韓半島の非核化にさえ言及しなかった。米国の核兵器が韓国人に残した傷と、韓半島の厳然たる現実に背を向けたまま日本との歴史的な和解に傍点を打った(強調した)広島訪問が、我々を残念な気持ちにさせた。

安倍に与えた免罪符

—オバマ大統領は演説で「数万人」ではなく「数千人の朝鮮半島出身の人々」と語っていませんでしたか。

鈴置:韓国では、広島と長崎を合わせて3万人の韓国人が原爆によって亡くなったとされています。中央日報は米大統領の発言を「韓国説」に合わせて書き変えたと思われます。

東亜日報も5月28日に社説を載せました。日本語版では「原爆慰霊碑を訪れた米大統領、北朝鮮の核を頭上に載せて暮らす韓国」の見出しで掲載されました。

ただ、大元の韓国語版の「日本の原爆慰霊碑を訪れた米オバマ、北の核の解決はどうするのか」と内容がかなり異なります。そこで韓国語版をテキストにし、ポイントを翻訳します。

  • オバマ大統領は韓国人原爆被害者にも言及したが、150メートル離れた韓国人慰霊碑にはついに訪れなかった。我々としては物足りなさを感じる他はない。
  • 彼は原爆投下に対し謝罪の発言はしなかった。しかし安倍晋三総理と並んで献花し、日本人被害者を抱擁する姿を全世界に見せた。
  • これにより「被害者イメージ」を政治的に利用しようとする安倍政権に免罪符を与えたと言えよう。

左派も保守もオバマに不満

—いまだに「日本の被害者コスプレ」「米国から免罪符」と書いているのですね。

鈴置:韓国メディアはオバマ大統領の広島訪問前から、小ずるい日本がうまく立ち回って免罪符を得ようとしている、と報じてきました(「日本の『被害者なりすまし』を許すな」参照)。

広島訪問の後は「オバマが韓国人慰霊碑を無視した」と強調されたこともあって「ずるい日本」と「日本を許した米国」への憤まんが増幅したのです。

左派系紙、ハンギョレの社説は「オバマ大統領は原爆投下で民間人が被害を受けたことに関し明確に謝罪していない」と書きました。これは保守系紙にない批判でした。が、基本的な主張は保守系紙と同じ「韓国にはちゃんと謝らなかった」との難詰でした。

「方向を誤ったオバマ大統領の広島訪問」(5月28日、日本語版)のポイントが以下です。

オバマ大統領が韓国人慰霊碑に足を運ばなかったのは言い訳の余地がない。韓国人被爆者は日本の植民地支配と原爆の被害を同時に受けた、まさに最も罪とは無縁の民間人だ。

オバマ大統領は式典に日本人被爆者を参加させながら、現地を訪れた韓国人原爆被害者とは会おうともしなかった。

安倍政権は早くも今回の訪問を「被害者日本」のイメージ作りに活用している。

なお、「被害者日本のイメージ作り」に関し、この社説は具体例を挙げていません。記事の中でこの文章だけがぽつんと浮いています。

ハンギョレも声を大にして「被害者コスプレ」と批判してきたので、それを裏付ける事実が出て来なくとも「安倍がコスプレに活用し始めた」と書かざるを得なかったのでしょう。

音無しの朝鮮日報

—最大手の朝鮮日報の社説は「広島訪問」をどう書いたのですか?

鈴置:それが何と、社説では一切取り上げなかったのです。ほぼすべての韓国紙が社説で論じたというのに……。異様でした。

冒頭でも触れたように「広島訪問」2週間前の5月13日、姜天錫論説顧問が「広島での米日の平和ショーを見守る韓国人慰霊碑」(韓国語版)を書いたばかりでした。

「我々はオバマ広島訪問に関し『韓国人も謝罪の対象になるのか』という点にこだわっている。米中が対決姿勢を明確にするという世界の大勢の変化を見落とせば、また、国を滅ぼす」との主張です。

大記者がそう論陣を張ってしまった以上「韓国はちゃんと謝ってもらえなかった」ことを軸にした社説はさすがに書きにくかったと思われます。

もちろん「韓国人被爆者」には一切触れずに、姜天錫顧問張りの「大局論」を載せる手もあります。でも、そんな社説を載せたら「韓国人被爆者をなぜ無視したのか」と抗議が殺到したでしょう。

そこで朝鮮日報の論説委員会はこの日「広島」に関してはパスすることにしたと思われます。

保険をかけた?

—少数説は語りにくいのですね。

鈴置:それは日本でも同じことです。反対に、他の人と同じことを言っておけば、誰からも文句は来ない。

ただ、朝鮮日報も「保険」をかけたくなったのかもしれません。5月30日になって「萬物相」という名物コラムに、姜仁仙(カン・インソン)論説委員が「広島のオバマ」(韓国語版)を書きました。

このコラムは「オバマ大統領は150メートル離れた朝鮮人の慰霊碑は訪れなかった」と一言だけ韓国人被爆者に触れた後、以下のように――他紙の社説と同様の主張を展開しました。

  • 原爆で被害を受けた最初の国とのイメージが強くなるほど、日本が第2次世界大戦の加害者であるとの歴史は曖昧になる。
  • 米国は、広島訪問は謝罪ではないと明言した。だが、日本の被害国のイメージを浮き彫りにした。日本が誠意ある謝罪をしていないという事実は薄れた。

一犬、虚に吠ゆれば

—なるほど。大記者、姜天錫論説顧問の「顔」は立てつつも「免罪符論」では他紙に追従したのですね。

鈴置:韓国では一度、被害者に認定してもらえば相手を高みから攻撃できます。だから当然、日本もその作戦で来ると思い込んでいる。

そこでメディアは、謝罪はなかったのに、その事実には目を向けず「また、日本にやられた」と悔しがっているのです。韓国人は「自分の影」に怯えたのです。

でも、皆が怯えたので韓国では「日本が免罪符を得た」ことになってしまいました。まさに「一犬、虚に吠ゆれば万犬、実を伝う」です。

—そう言えば中央日報の社説が、日本の政府だけではなくメディアに対しても「オバマが広島へ行っても、免罪符を貰ったといい気になるなよ」と予め威嚇していましたね。

鈴置:「オバマ大統領の性急な広島訪問は遺憾=韓国」(5月12日、日本語版)です。その部分は以下です。

  • 日本の世論はオバマ大統領の広島訪問自体を謝罪として受け止める可能性が高い。すでに日本メディアはオバマ大統領の広島訪問を「歴史的事件」として特筆大書している。
  • 戦犯国が被害者に化けるという、あきれるような事態が生じないよう、日本政府・メディアは我田引水式の解釈や過度な意味付けを自制しなければいけない。

日経も朝日も

—日本のメディアは「謝罪はなかった」と書いています。

鈴置:実際、そうだったからです。別段、中央日報に脅されたから「謝罪はなかった」と書いているわけではありません。

日経新聞の大石格編集委員は5月28日の1面のコラム「『歴史的訪問』どう生かす」で「オバマ大統領は謝罪のために被爆地に足を運んだのではない」とはっきり書きました。

朝日新聞は5月28日付の社説「核なき世界への転換点」でオバマ大統領が謝罪はもちろん、原爆投下への責任に触れることもなかったとして「失望の声も上がった」と書きました。

日経の記事が「それでもなお、今回の訪問が日米双方の心に残るわだかまりを解きほぐす大きな一歩になった」と前向きに評価したのとは異なります。

でも日本では――米国でもそうですが、広島訪問への評価は様々であるにしろ「謝罪はなかった」という事実は共有されたのです。

というのに韓国だけが「事実上の謝罪により、日本は免罪符を得た」と信じ「自分は外された」とひとり不満を募らせているのです。

始まった「本当の韓国外し」

—韓国は、大丈夫でしょうか。

鈴置:大丈夫ではないと思います。「日米から外された」と韓国が勘違いして怒っているうちに、本当に米国から外され始めました。

カーター(Ashton Carter)米国防長官は6月4日、シンガポールで開かれた安全保障対話での演説で「原則に立脚した安全保障のネットワーク(principled security network )」の重要性を繰り返し強調しました。

米国とアジアの国々が安全保障に関する多国間の協力体制を作る――との構想です。もちろん、軍事力でアジアの海に勢力を拡大する中国が念頭にあります。演説のテキストと動画はこちらで見られます。

カーター長官は安全保障のネットワークに前向きな国の名をいちいち挙げ、その国と米国の具体的な協力の中身も紹介しました。挙げられた国は日本、豪州、フィリピン、インド、ベトナム、シンガポールの6カ国です。

ここには韓国の名は出てこず「北朝鮮の挑発に対応するための米日韓3国協力」のくだりでチラリと登場しただけでした。

米韓同盟はいつまで持つのか

—露骨な「韓国外し」ですね。

鈴置:米国が「外す」のは当然です。韓国は中国と敵対するのを避けようと、米韓同盟を対北朝鮮専用に変えようとしている。韓国自身がこっそりと外れようとしているのです。事実上の対中包囲網の参加国リストに、韓国の名がないのは驚くべきことではありません。

今回のカーター演説のニュースは「韓国は枠外の国」と米国がはっきりとさせたことです。これを聞いて「米韓同盟がいつまで持つか分からない」と考える日本の専門家が増えました。

というのに韓国人は「憎い日本に免罪符を出した米国」に、ひとり身を焦している。お門違いのうえ、世界の流れを見落とした議論に没頭しているのです。姜天錫論説顧問が「韓国人よ、目を覚ませ!」と叫びたくなるのは当然でしょう。

(次回に続く)=6月10日に掲載予定

6/10記事

Abe and OBama in Hiroshima-2

日米両国政府は「謝罪」を抜きにすることで、オバマ大統領の広島訪問を乗り切った(写真=AP/アフロ)

前回から読む)

感情のまま、思い付きで動く韓国外交。それを懸念する声が、さすがに内側から出てきた。

謝罪はオバマでなく安倍に求めよ

前回は、韓国は自分たちだけで通じる独自の世界観と理屈で動いている、との話でした。

鈴置:それを誰かが指摘するのかな……と思って見ていたら、6月1日に朝鮮日報の蘇于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員が「ベトナム、広島、リ・スヨン」(韓国語版)を書きました。

2005年から2010年まで東京特派員を務めた後、国際部長などを歴任した記者で、名文家としても名高い。この記事は実に興味深いのです。

主張の骨格は前回にも紹介した、朝鮮日報の姜天錫論説顧問の「オバマ広島訪問の本質を見落とすな」と同じです。

ただ、枝葉に当たる部分で「韓国人特有のロジックが外国では奇妙に受け止められるであろう」と指摘したのです。

記事の構成上は「枝葉」に当たりますが、その割には書き込んであるので筆者は、本当はこれを書きたかったのではないかと思えます。以下、その部分を引用します。

  • 米大統領の広島行きで日本の戦争責任と植民地支配の責任が薄らぐ可能性がある。だから韓国は反対し、懸念してきた。だが、その思い通りにはならなかった。
  • すると今度は反対側の歴史を持ち出した。米国の原爆により数万人の韓国人が命を落とした。韓国は被害国だ。だから米大統領が広島に行くなら、韓国人慰霊碑も参拝せねばならない、という理屈だ。
  • 我々はこうした論法を当然だと考えている。しかし、支配・被支配の善悪論理に慣れていない他国は二律背反的に聞くかもしれない。
  • 韓国は「原爆投下を招いたのは日本だ」と信じている。「韓国人の犠牲が出たのも日本のせい」だ。
  • そうだとするなら、韓国人慰霊碑への訪問を要求する相手は日本の総理ではないのか。なぜ米大統領に韓国人慰霊碑への訪問を要求するのか。米大統領の広島訪問を懸念して反対する一方で、韓国人慰霊碑への訪問を要求するのは矛盾ではないのか――。
  • こうした視点から、米大統領に様々の要求をする韓国をおかしいと考える人々が世の中には存在する。

日本になら何をしてもいい

—全くその通りですね。日本がすべて悪いと言うのなら、韓国人被爆者への謝罪を米国の大統領ではなく、日本の首相に要求すべきでした。韓国人はなぜ、こんな奇妙な理屈をこねるのでしょうか。

鈴置:蘇于鉦論説委員は理由をはっきりと書いていません。以下はあくまで私の見方です。

オバマ(Barack Obama)大統領が広島に行くかもしれないと聞いて「日米関係が深化する」と恐れ、本能的に反対した。行くことが決まった後は、少しでも「深化」の度合いを減らそうと「謝るな」と米国に要求した。「行くこと自体が謝罪だ」との意見が出たので、今度は「自分がのけ者になる」と慌て「韓国にも謝れ」と言い出した……。

韓国は『尊敬される国』になるのか」で説明したように、韓国という国は日本が得になると見たら、理屈抜きでとにかく邪魔をします。その結果、しばしば言動のつじつまが合わなくなってしまうのです。

蘇于鉦論説委員は「支配・被支配の善悪論理」という抽象的な表現を使っています。これは「我が国を植民地化した日本に対してなら何をしてもよいとの韓国人の行動原理」を指していると思われます。

米国の「うんざり」が「嫌韓」に

—日本が絡むと冷静に考えられなくなる、ということですね。

鈴置:簡単に言えばそういうことです。特に、朴槿恵(パク・クンヘ)政権は条件反射的に動きます。しかし韓国人はその脈絡のなさと言いますか、奇妙さに気づかず「自分を無視する世界」に不満を募らせるのです。

2015年にも朴槿恵政権は、安倍首相の米上下両院議会演説を阻止しようと執拗に米国に働きかけ、失敗しました(「『安倍演説阻止』に向けた韓国の動き」参照)。

「安倍演説阻止」に向けた韓国の動き(2015年)

2月14日 聯合ニュース「在米韓国人、安倍首相の議会演説阻止に動く」と報道
3月4日 訪米した韓国国会の鄭義和議長、安倍首相の米議会演説に関し米下院議長に「日本の真の謝罪と行動が必要」
3月19日 聯合ニュース「米議会、安倍総理の上下院合同演説を許可する方向」と報道
3月20日 韓国外交部「安倍首相は米議会演説で歴史への省察を示すべきだ」
3月29日 韓国の尹炳世外相「安倍首相の米議会演説と70年談話が日本の歴史認識の試金石になる」
4月2日 鄭議長、訪韓した民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務に「日本の首相は米議会演説で過去を認め謝罪すべきだ」
4月2日 尹外相、ペロシ総務に「安倍演説は侵略、植民地支配、慰安婦に関しすでに認めた立場を具体的な表現で触れねばならない」
4月2日 朴槿恵大統領、ペロシ総務に「慰安婦問題の解決は急務」
4月16日 日米韓外務次官協議で韓国の趙太庸第1次官「安倍演説は正しい歴史認識を基に」と注文
4月21日 韓国国会の羅卿瑗・外交統一委員長、リッパート駐韓米大使に安倍首相の歴史認識について懸念表明
4月21日 WSJ「韓国政府が安倍首相の米議会演説に韓国の主張を反映させるべく米広報会社と契約」
4月22日 韓国の柳興洙駐日大使、戦後70年談話で「(侵略、植民地支配、反省の)3つの言葉を使うよう期待」
4月22日 韓国外交部、バンドン会議での安倍演説に関し「植民地支配と侵略への謝罪と反省がなかったことが遺憾」
4月23日 米下院議員25人「安倍首相が訪米中に歴史問題に言及し、村山・河野両談話を再確認する」ことを促す書簡送る
4月23日 韓国系と中国系の団体、元慰安婦とともに米議会内で会見し「安倍首相は演説で謝罪を」と要求
4月24日 韓国外交部「尹外相とケリー米国務長官が電話、歴史対立を癒す努力で一致」と発表
4月24日 ブラジル訪問中の朴大統領「日本に、正しい歴史認識を基にした誠意ある行動を期待」
4月24日 ローズ米大統領副補佐官「安倍首相に対し、過去の談話と合致し、地域の緊張を和らげるよう働きかけている」
4月24日 メディロス米NSCアジア部長「歴史問題は最終解決に達するよう取り組むことが重要」
4月28日 安倍首相、ワシントンでオバマ大統領と会談
4月29日 安倍首相、米上下両院で議会演説。日米同盟の強化を訴え万雷の拍手受ける

「日本の肩ばかり持つ米国」に怒った韓国人は「それなら我々は中国側に行こう」とも言い出しました。逆恨みです(「『ヴォーゲル声明』に逆襲託す韓国」参照)。

一方、日米離間を図る韓国に対し、米国の外交界は大いに不信感を抱きました。安倍演説阻止を狙った官民挙げての活動に「韓国疲れ」(Korea Fatigue)という単語までできたのです(「米国の『うんざり』が『嫌韓』に変わる時」参照)。

なお、韓国独特の奇妙な主張を――つじつまが合わず、時には韓国自らに損をもたらす論理を「コリアン・ロジック」と呼ぶ日本のビジネスマンもいます。

「広島訪問」では「米議会演説」の時ほどには、朴槿恵政権は露骨な反対運動を繰り広げませんでした。ただ、韓国メディアによると、水面下では米国政府に訪問に対し「強い懸念」を伝えたり、韓国人慰霊碑へのオバマ大統領への献花を要求したりしたようです。

「議会演説阻止」の失敗に懲りて政府は表に出ず、メディアに米国説得の応援を頼んだ感もあります。「日本の『被害者なりすまし』を許すな」で説明したように、韓国各紙の「ヒロシマ・キャンペーン」には異様な熱が入っていました。

たった1行も書いてないのに

蘇于鉦論説委員は、こんなことをやっていると世界から――ことに米国から奇異の目で見られるぞ、と警告したのです。このコラムでは、以下のくだりが続きます。

  • ホワイトハウスは、大統領の広島訪問は原爆投下に対する反省や謝罪を意味するものではないと何度も主張してきた。日本の戦争責任に免罪符を与えるものでないとも言った。
  • 日本の政府と主要メディアはやはり、たった一言も、1行もそうした解釈をしなかった。事実、オバマ大統領は謝罪しておらず、頭を下げもしなかった。ひたすら、「核兵器のない世界」を強調した。
  • オバマ大統領が韓国人慰霊碑を訪問しなかったことも、同じ脈絡で理解できる。韓国を無視しているからではなく、自身の訪問が歴史問題、特に植民地支配問題として解釈されたくなかったからではないか。そんな友邦をできるだけ理解すべきではないだろうか。

蘇于鉦論説委員は、韓国は事実関係及び、米国の真意を誤認していると指摘、「現実を素直に見ようではないか」と呼び掛けたのです。

「日本政府と主要メディアはたった一言も、1行もそうした解釈をしなかった」とのくだりに、その思いがこもっています。

勘違いし続ける韓国人

日米両国政府は「謝罪なしの広島訪問」で合意していたのです。「歴史をどう見るか」あるいは「歴史の責任」に関する議論に足をとられることを避けるためでした。

広島訪問は、任期満了間際のオバマ大統領の実績作りの側面が大きかった。しかも日米関係悪化という巨大なリスクもあった。

そこで両国政府は、双方の責任を露骨に問うことのない「謝罪なし」によって乗り切ったわけです(「日本の『被害者なりすまし』を許すな」参照)。

もし、韓国が米国を批判したいのなら「米国が日本に対し謝罪しなかったのは不当だ。それにより日本も謝罪を逃れたではないか」と言うべきだったのです。

というのに韓国人は勘違いして「事実上の謝罪だった。けしからん」と米国へのフラストレーションを高めてしまいました。蘇于鉦論説委員はそれを諌めたのです。

オバマは日本ばかり可愛がる

—韓国人の誤認により、何か問題が起きたのですか。

鈴置:まだ、表面化はしていません。しかし、この手の誤認は、韓国にとって極めて危険です。韓国の唯一の同盟国である米国への不信感をどんどん膨らますからです。

新聞記事はともかく、それへの書き込み欄や交流サイト(SNS)は「オバマは日本に騙されて免罪符を渡した」「結局、米国は日本ばかり可愛がる」「韓国はいつも無視される」「それなら我々は中国側に行こう」といった韓国人の怒りで満ちています。もちろん、韓国メディアの虚報が原因です。

前回、東亜日報の社説の日本語版と韓国語版が大きく異なると説明しました。早版に「まずい部分」があったために大きく書き直した。しかし早版を翻訳して作る日本語版では、そのまま掲載されてしまった――のではないか、と思われます。

以下は、日本語版の「原爆慰霊碑を訪れた米大統領、北朝鮮の核を頭上に載せて暮らす韓国」(5月28日)だけに載っている文章、つまり遅版になって削除されたと見られる部分です。

(1)韓国は、日本が加害者から被害者に化ける状況に拍手することはできないということを米国は知らなければならない。 (2)核のない世界を主張しながらも、いざ北朝鮮の核に対しては「戦略的忍耐」で一貫したオバマ大統領が、今回朴槿恵大統領を招待して北朝鮮(の)核への日米韓共同対応を強調しなかったことは残念だ。

米国に八つ当たり

—米国に対し高飛車ですね。

鈴置:東亜日報もオバマ大統領に対し「韓国人慰霊碑に行け」と強硬に要求していました。5月12日の「米オバマ大統領の初の広島訪問を注視する」(韓国語版)では以下のように書いています。

  • オバマ大統領は韓国人慰霊碑も訪れ、日本の過ちに間接的にでも警告することを望む。

韓国人読者の前でこれだけ突っ張って見せたのに完全に無視された。そこで「高飛車」に書いたのでしょう。ただ、あまりの高姿勢に、どこかからモノ言いが付いて慌てて差し替えたのではないかと思います。

ことに(2)はめちゃくちゃな理屈です。「オバマが広島へ行くなら我が国の大統領も誘うべきだった。誘いがないのはけしからん」との難癖です。

朴槿恵大統領は中国の目を気にして「日米韓」の協調行動を徹底的に避けています。誘われたら広島へ行ったと考える外交関係者は、まずいないでしょう。

今回の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)にも日本から招待されたのに、アフリカ歴訪の先約があることを理由に断ったとされています。もちろん「中国包囲網」に加わったと見なされないためです。

現実から完全に遊離した主張――八つ当たりそのものでした。早版の社説のまま行っていたら、東亜日報はソウルでも物笑いの種になっていたでしょう。

ますます現実と遊離

—韓国人の、現実とはかけ離れた世界観や奇妙なロジック。知れば知るほどに驚きます。

鈴置:前回も話しましたように、米国が韓国を見限る可能性も出てきた。それでも韓国では天動説的な議論が続いているのです。

—6月4日のカーター(Ashton Carter)米国防長官のシンガポール演説のことですね。

鈴置:軍事力で勢力を拡大する中国を念頭に、カーター国防長官は「原則に立脚した安全保障のネットワーク(principled security network )」の結成を呼び掛けました。

米国とすでに協力を進めている国の名を挙げましたが、そこに「韓国」はありませんでした。同盟を結んでいる日本、豪州、フィリピンはもちろん、同盟のないインド、ベトナム、シンガポールまで「リスト」入りしたというのに。

「韓国の天動説」は最近、特にひどくなっている感じです。趙甲済(チョ・カプチェ)ドットコムのヴァンダービルド氏は孤軍奮闘、声をからして警告を発してきました。

こんな中、ようやく大手紙にも自分たちの「奇妙な現実認識」への反省が載り始めたというわけです。懸念するのは蘇于鉦論説委員だけではありません。

(次回に続く)

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『北京震撼、習主席が狙う次の超大物』(6/8日経電子版 編集委員 中沢克二)について

中沢氏は宮崎氏のメルマガを読んで、確認の上で安心して記事にしている気がします。

6/1宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  常軌を逸してきたのか、習近平の反腐敗キャンペーン 次の標的は李源潮(国家副主席)か。団派と正面衝突へ

 江沢民率いた上海派を敵に回して、政敵を次々と葬り、国民の喝采をうけてきた習近平だが、この反腐敗キャンペーンも軍人からは恨みを買い、つぎに連立政権のパートナーだった団派と、正面衝突する愚を犯した。  胡錦涛率いる団派(共産主義青年団)は、李克強首相が経済政策立案のポストから外されて、怒り心頭。ふたりが全人代の雛壇でお互いにそっぽを向いている写真は、ひろく世界に配信された。この写真から読み取れるのは太子党vs団派という対立構造が深化し、後戻り出来ない状況へ陥った現実を象徴している。  さきに習近平は胡錦涛の懐刀だった令計画を失脚させた。この余波で令の弟である令完成が秘密ファイルを持ち出して米国へ亡命した。  そしてまた団派に衝撃が走った。 李源潮(国家副主席、政治局員)の側近六人を、取り調べ、失脚させようとしていることだ。彼は江蘇省書記を務めたキャリアがある。  かつて李源潮が江蘇省書記時代に、かれの周りを固めて「ダイヤモンドの六人衆」と言われたのが、李雲峰(江蘇省副省長兼党委常任委委員)、仇和(雲南省副書記)、王眠(遼寧省書記)、楊玉沢(南京市委員会書記)、季建業(南京市長)、趙少康(江蘇省前秘書長)である。  博訊新聞網(5月30日)によれば、この六人が近く中央紀律委員会の調査対象になると報じている。  李源潮は次期党大会(2017年秋)で政治局常務委員会入りが確実とされる団派のホープである。 もし李の側近連中を失脚させる目的があるとすれば、最終の標的は団派の一角を崩す、習近平の深謀遠慮であり、李克強首相の顕著なばかりの影響力低下とあいまって、団派を正面の敵と見据えたことでもある。  しかし一方において、習近平の反腐敗キャンペーンの元締めとなって精力的な活動をつづけてきた王岐山が、最近、習から離れつつあり、習近平政権の権力基盤は大きく揺らいできたとう観測がある。  王岐山の習近平から離脱ともいえる最近の動きに多くのチャイナウォッチャーが注目している。>(以上)

中国と言うのはつくづく三国志の世界だと思います。昨日の敵は今日の友、くっついたり離れたりです。合従連衡策で独りの強いパワーを持つ国が出ないように牽制し合います。習が党書記になった当初は団派+太子党VS上海派だったのが、今は太子党VS団派+上海派となっています。習+王岐山が本当にしっかり結びついているのかも気になる所です。胡錦濤、江沢民、曽慶紅の反撃が北載河会議を前にしてどのように演じられるかです。共産党宣伝部は劉雲山(上海派)が握っています。習の近辺のスキャンダルが出て来るかも知れません。或は米国にいる令計画の弟・完成が重大機密をリークするかもしれません。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20160607/frn1606071140001-n1.htm

記事

「習近平(国家)主席が狙うのは超大物だ。とんでもないことが起きかねない」。5月末から北京の政治関係者らは、集まればこんなひそひそ話をしている。減速が目立つ経済などそっちのけだ。震撼(しんかん)が走ったきっかけは、5月30日の共産党中央規律検査委員会の発表。江蘇省の常務副省長、李雲峰が重大な規律違反の疑いで拘束された。彼は党中央委員会の候補委員でもある。

 虎退治の隊長、王岐山はどこに――。中国のインターネットメディアは李雲峰の摘発直後にこう発信した。中央規律検査委トップは4月20日に演説をした後、1カ月以上も動静が伝えられていなかった。報道は行間に「王岐山の潜伏は大物摘発の準備」という事実をにおわせた。

■「本丸は国家副主席、李源潮」説

 なぜ、この江蘇省副省長が大物なのか。話は2000年前後に遡る。李雲峰は江蘇省の交通の要衝にして酢の名産地である鎮江市近郊の出身だ。昨年6月、このコラムで「『江沢民を鎮める』 主席の旅に隠された呪文」と題し、鎮江を舞台にした習近平による元国家主席、江沢民けん制の構図を紹介した。この物語に李雲峰は絡んでいる。

Li Yuanchao

全国政治協商会議の開幕式に出席した李源潮政治局委員(3月3日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕

 江沢民への配慮から「江を鎮める」と読める鎮江の名を冠した大橋とするのを取りやめた頃、李雲峰は、江蘇省共産党委員会の副秘書長だった。省内の重要な政治調整を担っており、江蘇省出身の時のトップ、江沢民への様々な根回しにも一役買った。

 その頃、李雲峰が直接、仕えた江蘇省のトップは現在の国家副主席で党政治局委員の李源潮だった。12年の党大会では「チャイナ・セブン」の有力候補だったが、夢はついえ、国家副主席という外向けの顔の地位に就いた。65歳の李源潮は5月5日、自民党副総裁、高村正彦を団長とする日中友好議員連盟訪中団と会談している。9000万人近い共産主義青年団(共青団)要の人物だ。

 李雲峰は江蘇省を基盤とする李源潮の側近として出世の階段を昇った。李源潮の地元、江蘇省での「大秘書」で、言わば官房長官役。カネの流れを含め、全ての秘密を知る人物だ。彼を失った李源潮のショックは大きい。

 習と王岐山のコンビが、李雲峰を通じて李源潮をけん制する真意はなにか。そこには今、習が置かれた厳しい状況が関係する。5月3日、党機関紙、人民日報は、習が4カ月も前に中央規律検査委の会合で演説した全文を公表した。反攻への烽火(のろし)だった。

 「ある者は交代期に組織が彼を処遇しないと知り、なお側近を送って説き伏せ、票をかき集め、非組織活動をする。地方に独立王国を築き、中央の決定に面従腹背の態度をとる。己の政治上の野心のため手段を選ばない」

 極めて激しい口調だ。断罪された元重慶市トップ、薄熙来(前政治局委員)の例が、現状を指摘している。つまり習が口にした活動をしたとみなされれば、すぐに塀の中に送られる。李雲峰はそれに該当した。では誰のためにやったのか……。

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全国政治協商会議の開幕式を終えて習近平国家主席(左)に話しかける王岐山政治局常務委員(3月3日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕

■起死回生の大粛正

 「習近平による大々的な巻き返しだ。夏の『北戴河会議』の時期も近い。王岐山と組み、来年の党大会まで突っ走ろうとしている」。北京の政治ウオッチャーは起死回生に向けた大粛正を予感する。

 習は、今年1月から配下の地方指導者らを通じて、自らが別格の指導者であることを示す「核心意識」を定着させる運動に踏み切った。従来の集団指導制ではなく、習による「一局体制」を目指す練りに練った策だった。

 だが、これはいったん頓挫する。対抗勢力ばかりか、身内のはずの「紅二代」からも「一連の手法は党規約が禁じる個人崇拝の臭いがする」との批判が巻き起こったのだ。メディア締め付け、経済減速の深刻化への不満も相まって風当たりは強まる。習の独走に「待った」がかかった。3年間、飛ぶ鳥を落とす勢いだった習は初めて立ち往生した。

 ここで習と距離がある共青団が揺さぶりをかけた。標的は王岐山だった。共青団の有力者で前国家主席、胡錦濤の側近だった令計画まで手にかけた実動部隊トップへの当て付けである。共青団系のネットメディアは、王岐山一家と極めて親しい任志強を執拗に攻撃した。

 任志強は「紅二代」の不動産王にして、ネット言論界で著名なブロガーだった。歯に衣を着せぬ舌鋒(ぜっぽう)は、党中央宣伝部によるメディア統制を厳しく批判した。ネット上では「正論だ」と注目を集めたが、党中央宣伝部が黙っていなかった。

 加勢したのが共青団系メディア。「任志強が強気なのはなぜか」とあえて指摘したのだ。彼と親しい王岐山の存在を暗示していた。結局、任志強は党の末端組織から一定の処分を受けたが、その結果は、党中央宣伝部系+共青団系VS王岐山、の構図でみると痛み分けの印象だ。

 習の旗色が思わしくない中、注目すべき動きがあった。共青団出身で党序列ナンバー2の首相、李克強がかつてなく活動的になったのだ。李克強は習の母校、清華大学にまで乗り込む。縄張りを侵したばかりでなく、習の専権事項のはずの「反腐敗」にも積極的に言及し始めた。しかし、ここでひるむ習と王岐山のコンビではなかった。それが、いきなりの李雲峰の摘発である。

 李雲峰のボスである李源潮と、李克強は、中国の経済学の泰斗、厲以寧の教え子だ。北京大学で薫陶を受けた同門である。2人には共青団以外に学問上の縁もあった。李源潮への圧力は、李克強へのけん制にもなる。

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全人代が開幕し、政府活動報告をする李克強首相(3月5日、北京の人民大会堂)=写真 小高顕

 とはいえ習が警戒するのは政治センスに乏しいとみる李克強本人より、共青団を仕切る実力者らの動きだ。「胡錦濤が引退し令計画も消された今、共青団の重要な核の一人は李源潮」。共青団関係者が令計画の摘発直後に語っていた。李源潮は党中央組織部長も務めた切れ者である。

 習は既に手を打っていた。党組織部長時代に李源潮が精魂を傾けて作り上げた党幹部登用を規範化するルールを骨抜きにしたのだ。年齢、試験の成績、仕事上の実績・評定などを核とする評価方法は、唯一、絶対的なものではない、との宣言だった。李源潮ルールなら、数に勝る共青団から“成績優秀”な人材が必ず高級幹部の地位に上がって来る。習はこれを良しとしなかった。

 能力ある人材を登用し、能力がないものは首にしたり降格したりできる――。これが習時代の新しい基準だという。つまり、習は自分の近い人材を自在に登用できる。年齢制限に柔軟性を持たせた点も臆測を広げた。

■李克強首相、そして江沢民派へのけん制

 実は、江蘇省の虎退治には、李克強ら共青団へのけん制の他にもう一つ意味があった。同じく江蘇省を基盤にする江沢民グループへの圧力である。

 李雲峰は李源潮の側近ではあるが、江蘇省の地元人脈から江沢民閥にもつながる。江蘇は長く「江沢民王国」だった。習としては、万が一にも、李克強や李源潮が属する共青団系と江沢民系が連携して自分に対抗する事態は避けたい。だからこそ共青団と江沢民の派閥が交錯する江蘇省を再び徹底的に攻めた。

 既に江蘇省無錫出身で江沢民派の元最高指導部メンバー、周永康は断罪した。江沢民や周永康に近い南京市トップだった楊衛沢も塀の中だ。彼らの末路を見た李源潮はおいそれとは動けまい、とみての一手だ。李源潮は側近が拘束された直後の6月1日、あえて共青団中央などが主催する座談会に出席し、健在をアピールした。闘いは始まったばかりだ。

 仮に現職の政治局委員である国家副主席、李源潮本人に手を付けるなら、2012年の薄熙来以来の大事件になる。当時、北京では中南海周辺での銃声事件やクーデター騒ぎもあった。習には二つの道がある。一つは李源潮を実際に摘発する選択肢だ。リスクも高いが、来年に迫る党大会人事を考えれば効果は絶大だろう。一方、李源潮と共青団が恭順の意を示すなら、「寸止め」にする手もある。

 もう一人、鍵を握るのは共青団の裏にいる前国家主席、胡錦濤の動きだ。そして江沢民ら長老の思惑も絡む。夏の「北戴河会議」に向けて、複雑かつ危うい駆け引きが続く。(敬称略)

良ければ下にあります

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『天安門から27年、香港「独立派」乱立の意味 6月4日、混乱の追悼集会で考える香港の今と未来』(6/8日経ビジネスオンライン 福島香織)について

宮崎正弘氏も天安門事件について触れていますので本記事と比較して読んでみると面白いでしょう。

6/7「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」  天安門事件から27年を閲し、学生運動はどこへ消えたか? 香港も東京も反中国共産党の気勢はあがらず 

六月四日、天安門事件から二十七年が経って香港では十三万人規模の集会が開催された。  ただし民主派団体がばらばらで結束せず、学生らは香港大学、中文大学でそれぞれが独自の集会を拓いた。 「反中国共産党」だけが合意点で全体の運動はダイナミズムを欠き、整合性はなかった。  香港の民主諸派の分裂は中国の工作員の潜入や脅し、嫌がらせなどが原因であり、しかし若者達はかえって反抗心を高めた。  欧米でも留学生等による集会があった。  さて日本でも四谷で数百人の在日中国人、留学生、これを支援する日本人が「六四天安門事件27周年記念集会」に集まり気勢を挙げた。  おりから来日中だったラビア・カディール女史も駆けつけ、ウィグルにおける人権弾圧の現状を報告した。このほかダライラマ猊下日本代表のルントック氏も演壇に立った。  なかでも注目されたのが天安門事件当時北京大学一年生、学生指導者として指名手配第一号となった王丹氏が記念講演に立ったことだろう。  ところが、である  筆者は王丹氏の講演を聞いて苛立ちを隠せず、おおきな違和感を抱いた。  彼は六月三日に現場を離れたので、実際に広場で何が起きたかは知らないと言った。また潜伏先に関しては公開しないのがルールだからおくにしても、なぜ米国に亡命できたのか背後の力関係や米国のコネクションに関しては語ることがなかった。  そればかりか中国共産党を「打倒する」との決意表明がなく、語彙はきわめて撰ばれたもので活動家の言辞としては迫力にかけた。本人は自らを歴史学者と言った。  かれは「理想」「勇気」「希望」という三つのキーワードを用い、中国の民主化を説くのだが、「国家は悪」「政府は必要悪」という立場で、中国の学生運動は「五四運動」の影響を受けたと語りだした。  五四運動は、今日の解釈では学生、労働者が立ち上がった反日の原点ということになっているが、実態はアメリカの宣教師が背後で日本のイメージ劣化を仕掛けたもので、当時、中国に学生は少数、企業は殆ど存在せず、したがって労働者はいない。 米国に仕組まれた五四運動が天安門事件の学生運動の思想的源泉というのは納得しがたい。 つまり米国の歴史解釈の立場を援用しているにすぎない。  ▼天安門広場の学生運動の指導者らは詩を忘れたカナリアか さらに王丹氏は「民主主義の基本は三権分立だけでは足りず、第四の権力としてのメディア、そしてメディアを監視する社会運動が必要である」となんだか、日本の左翼が訊いたら喜びそうなことを述べた。  そのうえで台湾の「ひまわり学生運動」と香港の「雨傘革命」が「日本の安保法制反対のシールズ運動に繋がった」と総括し、会場はやや騒然となった。 日本の実情を知らないからか、それとも本質的にこの人物は反日家なのか。いや、あるいはアメリカでの生活が長すぎたためにすっかり民主主義なるものをアメリカのリベラリズムの主張と取り違えたのか。   理想とはなにかと問えば「北斗七星に喩えられ、いつも空を見上げ目標を失わない指標であり、どういう形態であろうが、学生運動は支持する」とした。  アメリカで十年、ハーバード大学で歴史学の博士号を取得し、いま台湾の清華大学で教鞭を取る王丹氏にはアメリカ流の民主主義ドグマが染みつき、市民社会(中国語では「公民社会」)の実現が夢であるという。 「市民」とは、これまた胡散臭い語彙である。  その昔、サルトルが「アンガージュ」(参加)と言いつのって若者を左翼運動に誘う煽動をしたように、あるいはサルトル亜流の大江健三郎のヘイワの念仏のように中国の民主化という大目標はそこで論理が空回りするだけで会場には虚しい空気が漂っていた。  天安門事件当時の学生指導者たちは、ウ(ア)ルカイシが台湾で孤立し、芝(柴の間違いです)玲ともう一人はファンドマネジャーとしてウォール街で活躍し、少数をのぞいて「詩を忘れたカナリア」となった。>(以上)

天安門の生き残りでまともなのはウアルカイシ(ウイグル人)ぐらいで後は堕落した人たちでしょう。ウアルカイシが台湾内で孤立と言うのは、国民党政府が牛耳ってきたせいもあるという気がします。今後、政権は民進党に変わり、香港・チベット・ウイグルとも連携していってほしい。日本も共産党が潰れるようにいろんな工作をして行ったらよい。明石元二郎の例もあるでしょう。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140609/frn1406091140003-n1.htm

王丹は、所詮は中国人でその限界が見えます。SEALDSを評価するなど、余りに無知としか言えず、容共的な姿勢は民主化追求の夢と矛盾します。宮崎氏の言ってるように、ハーバードで歴史を学んだ影響もあると思います。ハーバードで米国の3大原罪であるインデイアン虐殺、黒人奴隷、原爆投下をどう教えているのか王丹に聞いてみたいものです。

福島氏の記事で、香港人の台湾移住が人気急上昇中とのこと、この流れは止まらないでしょう。言葉の問題(広東語と台湾語の違いはありますが、使用する漢字はどちらも繁体字(日本の旧字体とほぼ同じ)、普通話で意思疎通できます)で苦労しなくて済みますので。李嘉誠も香港から英国へ資産を移していると言われていますし、香港に優秀な人材はいなくなってしまうかも。台湾も中国共産党の言う一国二制度がどんなものかハッキリ分かったでしょう。英国との約束も反故にされつつあります。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という国柄ですのでくれぐれも騙されないように。

http://soneaozora.jugem.jp/?eid=1303

本記事中、「解放軍香港駐留部隊に対し、いざというときの覚悟をしておくようにという通達はすでに雨傘革命のときに出されている。」とあり、第二の天安門事件が起きるかも知れません。当時と違い、今はSNSが発達、ましてや米国衛星がその映像をリアルタイムで全世界に発信するでしょう。そうなれば中国共産党の命運は尽きたものになるでしょう。

記事

meeting for a memorial of Tenanmen incident in Hongkong

6月4日、香港で開かれた「天安門事件」追悼集会。参加者減少が意味することとは…(写真:AP/アフロ)

 例年、6月4日の天安門事件紀念日の前後になると中華圏は落ち着きがなくなる。27年目の今年、私は香港でこの日を迎えた。というのも今年の香港はとくにざわついて、不安定な気がしたからだ。2014年秋の雨傘革命はその目的を達成できなかったという意味で“挫折”というかたちで終わったのだが、その後の香港では、民主派とは別の主張の独立派が台頭している。これをどう見ればよいのか。今回は香港の今とこれからについて考えてみたい。

学生会が追悼集会欠席、形骸化を批判

 6月4日の夜、恒例の天安門事件犠牲者追悼のキャンドル集会がビクトリアパークで行われた。キャンドルを掲げながら香港市民たちが天安門事件の犠牲者への哀悼を捧げ、民主と自由への希求の気持ちを新たにする集会だ。主催者の香港市民支援愛国民主運動連合会(支聯会)によれば参加人数は12万5000人。2009年以来最低の参加人数となった。年々天安門事件に対する香港人の記憶が薄れていることは確かで、例えば6月2日のニュース番組で新興香港メディアの香港01の記者が街角で若者らに天安門事件の発生年はいつ? 胡耀邦って誰? と突撃取材しても、正しく答えられる人はほとんどいなかった。

 同時に、天安門事件を追悼するやり方に対しても、異論が出始めており、例えば例年この集会に参加していた学生会(全香港大学専門学院学生会)はこの集会が形骸化していると批判して今年初めて集団欠席を決めた。学生たちは支聯会の根本主張の一つである「中国に民主を建設する」という部分に抵抗感を持っていた。

 民主党や支聯会らいわゆる民主派とよばれる人々の考え方は、香港は中国返還以降、中国の一部でありながら一国二制度のもと民主と自由、法治という核心的価値が守られている高度の自治が保障されるのであって、この「高度の自治」を決めた中英共同宣言の適応期限である2047年までに、中国を民主化させることが、香港の民主と自由、法治という価値を守るただ一つの道というものだ。

 だが、これに対して「独立派」という考え方が、特に雨傘革命以降に台頭してきた。学生会を含む若者たちの多くが、すでに「一国二制度」など崩壊しており、英中共同宣言など無効と考えている。彼らが望むのは、香港の独立、すなわち中国と縁を切ることだという。中国の民主化については口を出さないかわり、香港の中国化に対して激しく抵抗するという立場である。

 今年のビクトリアパークでの追悼キャンドル集会では式典中、この独立派の一番過激な主張の若者たちが数人乱入して、支聯会側ともみ合いになった末、つまみ出されるアクシデントもあった。こんな事件も、前代未聞であった。

この“独立派”とはどんな人たちなのか。

 独立派を名乗る政党・団体の中で、一番過激なのは今年3月に設立した香港民族党だ。代表は陳浩天。香港はいま、中国の植民地状態であると考え、この中国支配から独立すべきだとして、「民族自強」「香港独立」を中心思想に掲げる。独立のために武力革命も辞さないという立場であり、低層の若者に人気がある。

 同じく過激なのは本土民主前線。香港大学文学院の学生である梁天琦が2015年1月に結成し、主に90年代生まれの若者で構成される。梁天琦は2016年1月の立法会新界東地方選挙区補選に出馬し、得票率15・38%、第三位の票数で落選した。非暴力運動の雨傘革命の失敗を反省して「武をもって暴を制す」を戦略の中心におく。「我々の目的は、いかなる手段をとろうとも、完全な自由・正義・平等を確立することだ」といったマルコムXの格言をしばしば標語に掲げる。今年春節の夜に、旺角で警察と暴力衝突を起こしたのもこの団体で、補選の選挙費用の一部でガソリンを購入し放火した疑いも持たれているのだが、一部の若者の間では非常に強い支持を集めている。

「ピカチュウを広東語に戻せ」

 比較的穏健な独立派としては、現在、作家の黄洋達が代表を務める熱血公民。文化による中国共産党への抵抗を掲げて2012年に結成した。任天堂の「ポケモン(ポケットモンスター)ゲーム」の中国語表記が広東語ではなくて普通話(中国語)であることに抗議していた青少年の声を受けて、5月30日に香港の日本領事館前の抗議デモを主催したのはこの熱血公民である。

 ポケットモンスターのキャラクターのピカチュウは過去20年近く、香港で「比卡超(広東語の発音はピカチュウ)」と呼ばれていたが、任天堂は香港を含む中華圏マーケットでの公式名として中国語の皮卡丘(広東語発音はぺイカーヤウ、中国語発音はピカチュウ)とした。香港の若者たちは自分たちの愛するピカチュウを中国語表記で呼びたくない、と大反発し、任天堂宛てに香港で発売する製品の名前を広東語表記に直すように請願書を出していた。

 黄洋達はポケモンゲームのファンでもなんでもないのだが、これを中国による文化侵略ととらえて、抵抗運動を展開。一部のファンからはポケモンの政治利用、と批判もあるのだが、中国の経済圧力によってテレビメディアの字幕が繁体字から簡体字に代わるといった事件がしばしば起きている中国で、広東語・繁体字防衛は香港アイデンティティの根幹にかかわるテーマにもなっている。

現役立法会議員の黃毓民が2011年に社会民主連戦から分裂して創設した普羅政治学苑、「香港城邦論」の著者で元嶺南大学の助教授である陳雲が2014年に香港基本法の改憲を訴えて作った香港復興会も穏健独立派に分類されるだろう。熱血公民と合わせてこの三政党は「独立に反対しない」という立場で、公民投票による行政長官のリコール制度や香港市民による新しい憲法制定を訴えている。

 このほか、雨傘運動参加者が設立した新政党としては、すでに補選で九龍城区の区議1議席を獲得している青年新政、雨傘革命の学生リーダーとしてメディアによく登場した香港学生連盟(香港専上学生聯会=学連)の前事務局長・周永康(アレックス・チョウ)らが結成した香港列陣、やはり雨傘革命で時の人となった元学民思潮のリーダー、黄之鋒らが結成した香港衆志(デモシスト)がある。

「独立派」小政党が大乱立

 彼らは非暴力を主張し、香港前市民による公民投票によって独立するか否かを決める「民主自決」を訴えている。過激派の民族党などよりは比較的幅広い支持を得ているが、一部の若者の間では「(雨傘の失敗で非暴力では何もできないとわかっているのに)何がやりたいのかいまひとつわからない」「雨傘革命のリーダーとして持ち上げられて調子に乗っている」との批判も聞こえた。

 これに加えて人民力量、社会民主連戦などが香港本土化主義(香港こそが本土であるという主張)の穏健派独立派として40代以降の中年層に人気がある。もともと汎民主派に分類されていた新民主同盟も、雨傘以降は香港本土化主義路線に転向した独立派といえる。さらに汎民主派から分離して中間派を名乗る新思維、民主思路などがある。このほか、英国で運動家の馬駿朗が香港独立党を設立し、香港の英国回収による英連邦制を訴えている。

 こうした「汎独立派」の小政党が乱立する中、今年9月の立法会(議会)選挙にどれだけの独立派候補が送り込めるかは、今の段階では推測もできない。しかも、これら「汎独立派」は独立という言葉でひとくくりにするには、その定義の差が「武力革命」から、「赤化(中国化)を防ぐ」、「香港の言語と文化を守る」の程度までと幅が広く、独立派政党・団体同士がその主義主張を批判しあい、微妙にいがみ合っている。旧来の一国二制度維持の前提に立つ民主派とも分裂しているので、実のところ香港市民の中国共産党による支配、政治的経済的影響力に抵抗する団結力という意味ではむしろ弱まっているのかもしれない。

だが、注意すべきことは、2012年以前には「香港独立」という言葉を口にする香港市民などほとんどいなかったのが、雨傘革命をきっかけに、「独立」というものを考える人が出てきたということなのだ。

「D&G」で目覚め、「雨傘の挫折」の先に

 2012年を節目とするのは2012年1月の尖沙咀D&G(ドルチェアンドガッパーナ)事件が、香港本土意識の目覚めのきっかけであったとする説が有力だからだ。これは人気ブランド店D&Gの店内写真を香港人が撮影しようとしたら、「知財権保護」のルールを理由にガードマンに制止されるのに、中国人観光客の写真撮影は許されているという不平等の実態が香港蘋果日報記者らの取材で明らかになり、この香港人と中国人に対する店側の不平等対応に怒った香港市民がD&G店に一斉に写真撮影にいくという抗議活動に発展した。

 D&Gイタリア本社が謝罪声明を出すことで騒ぎは収まったが、これは経済を牛耳る中国人が香港の法を無視できるという現実をあぶりだすことになり、一気に香港人の嫌中感情が高まり、香港と中国は違うという本土意識に火をつけることになったという。この年の夏に、香港人の小中高校生に中国人として愛国心を育成するカリキュラム「国民教育」義務化に抵抗する学民思潮の大規模デモが起き、秋に義務化が撤回されるのだった。

 こうした反中・嫌中感情が次第に高まる中で2014年に中国国務院の香港統治に関する白書の発表、全人代による普通選挙のやり方を規定する選挙改革案の発表が行われ、これに抵抗する雨傘革命が起きるのである。

 この雨傘革命という「非暴力の抗議」は79日という長期にわたって続いたが、中国の強硬な態度を変えることができず、その後、中国公安当局による銅鑼湾書店株主書店員拉致事件という香港の司法の独立を完全に無視した事件も発生。一国二制度はすでに崩壊しているという現実が突き付けられた。

 多くの香港市民が狼狽し、経済力やコネがあるものは海外移住を模索し、金もコネもない低所得層の若者の間では「雨傘のような非暴力でだめなら、暴力で戦うしかないではないか」という過激な考えがでてきた。香港の知人たちにも意見を聞いて回ったが、経済的余裕のない人ほど「戦うしかない」という考えに傾いている。一方、海外脱出できる人たちは、真剣にその算段を考えている。最近はカナダやオーストラリアではなく、民進党政権になった台湾が移民先として人気急上昇中だという。

 熱血公民の黄洋達に直接意見をうかがう機会があったが、彼は「市民の3割前後が広い意味での“独立派”」と分析している。「D&G事件前までは、ほとんどの香港市民は香港が中国の一部であるという現実を踏まえて、香港の将来を考えていた。だが雨傘革命以降は、香港は中国の一部ではない、この現実を変えたい、変えなければという人は増えている。今後、その数は増えていくだろう」。2月半ばから4月5日までに民主思路が外部機関に委託して行った世論調査では18~29歳の若者で香港独立の支持者は20%で、うち多くが暴力的抗争手段を受け入れるという立場だったという。

民主希求の団結力が乱れる一方で、過激な意見の台頭が見えている香港のこうした現状について、中国の良心的知識人から「これはかなり危険な状況だ」と不安を耳打ちされることが多くなった。香港の某大学に客員教授として滞在していたある著名中国人知識人は「香港民族党のような主張が台頭してくると、いまの習近平政権は忍耐力がないので、何をするかわからない。香港は一線を越えようとしている」と警告する。

 実際、全国政治協商会議の委員(中国の参院議員に相当)でもある香港基本法研究センター主席・胡漢清は4月12日の記者会見で、香港民族党の発足について「これは言論の自由の保障の範囲を超えている」「反逆罪、扇動罪に当たる」「香港民族党が(立法会選挙で)勝つようなことがあれば、それは香港人の敗北である」と極めて強い恫喝を行っている。また公民投票で香港独立を問うこと自体が扇動意図の罪に当たるとも言っている。

 こうした中国側の脅しはおそらくは口先だけではない。というのも、この香港の独立派台頭の背景には全米民主主義基金(NED)の支援が疑われているからだ。香港紙巴士的報が今年3月9日の香港本土民主前線の梁天琦と黄仰台の二人と駐香港米国領事館員の密会写真をスクープしており、その後、中国系香港紙「大公報」などが密会内容を匿名のタレこみメールとして報じている。

 それによると米領事館の政治経済部領事が、活動費不足を訴える彼らに対し、NEDを通じた経費支援の申請のやり方をアドバイスしていたという。中国は少なくとも、いまの香港の独立派台頭の背後に米国の仕掛けがあると考えている。万が一「アラブの春」のような状況が香港でおこれば、それを鎮圧することに躊躇はないはずだ。解放軍香港駐留部隊に対し、いざというときの覚悟をしておくようにという通達はすでに雨傘革命のときに出されている。

“革命的”変化は同時多発的に

 香港市民はもともと争いの嫌いな人たちである。動乱があるたびに中国から、戦わずに逃げ延びてきた人たちであり、英国植民地統治のもとで与えられた自由を謳歌してきた人たちだった。もし、本当に今後、過激な独立派が台頭していくとしたら、それは明らかに中国の対香港政策の失策である。中国政府が穏やかな香港人をそこまで追いつめたのである。逆にいえば、中国政府の統治能力はこの数年の間に急激に衰えているということなのか。

 香港滞在中、現役の立法会議員で一番過激な発言で知られる長毛こと梁国雄にお会いし、彼に「独立派が台頭し、中国政府と香港市民の対立が激化して、武力鎮圧がおきるという懸念はないか」と尋ねたら、「香港と中国政府の対立よりも、ウイグル族と中国政府、チベットと中国政府の対立の方がよっぽど危険じゃないか。台湾もあるぞ」と笑っていた。

 香港独立など、普通に考えれば冗談でもありえない。だが、中国政府の統治能力が急激に衰えてきているということはいえるかもしれない。香港の独立派がどれほど広がっていくかは、さておき、中国全体とその周辺に今何か変化の兆しがないか、改めて観察してみることはタメになるかもしれない。過去の歴史を振り返れば、“革命”的変化というのは中核となる勢力の弱体化に伴って同時多発的に起きるものだから。

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『広く伝えたいアフリカに対する日本の貢献 8月27~28日にTICAD(アフリカ開発会議)が開催』(6/6日経ビジネスオンライン 御立尚資)について

6/5日経朝刊記事「風見鶏 なぜ同日選は消えたのか」の中で、最後のセンテンスに「内閣支持率は上昇し、自民党中堅議員はなお悔しげだ。「衆院解散はいつやるのか。絶好の機会を逃したのではないか」」とあるし、また6/6日経朝刊記事には「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ」の記事では早期の衆院解散もあるようです。小生の5/31ブログで衆院解散・参院同日選もあるのではと書きましたが、残念ながらそうなりませんでした。日経記事を読みますと「何故」と思いましたが。公明党の横槍では。何せ法律通り3ケ月だけ住民票を移動して候補者を当選させ、その後また元に戻すことをしていますので。同日選は彼らにしてみれば重点候補選択の余地が狭まる訳で避けたい思惑があります。また、軽減税率(小生は旧民主党の給付付き税額控除の方が優れていると思っています)の手柄を選挙で訴えたかったのに消費税増税延期され、一矢報いたかったこともあるのでは。自民党も公明党の力を借りないと当選できないのでは嘆かわしいですが。

「総裁選も絡む「衆院解散」 浮かぶ3シナリオ

expectation of dissolution of the Diet

安倍晋三首相が7月の参院選に合わせた衆参同日選を見送ったことで、永田町の関心は次の衆院解散・総選挙の時期に移ってきた。2017年4月に予定していた消費税率10%の引き上げは19年10月まで2年半延期され、解散時期の自由度は増した。参院選の結果を踏まえ、18年9月の自民党総裁の任期延長を視野に入れると、衆院選と総裁選の密接な関連が浮かび上がる。

 (1)年内~17年1月の通常国会冒頭

 「確実に勝ちが見込める機会はそう多くない。解散するなら早い方がよい」。首相に衆参同日選の実施を進言していた首相周辺は、経済が比較的好調で、野党の支持率が低いうちに解散した方が有利と主張する。民進党の岡田克也代表も3日、「年内の可能性が高い」との見方を示した。

 議席占有率6割を超える勝利を収めた12年と14年の衆院選はいずれも12月。自民党若手議員は「政治は縁起が大事だ」と話し、参院選で勝利した場合、12月中の選挙が有力との見方を示す。12月に予定するロシアのプーチン大統領の来日時に北方領土問題を前進させ、その成果を掲げて解散に踏み切るとの説も取り沙汰される。

 ただ、次期臨時国会では、環太平洋経済連携協定(TPP)関連法案や、消費増税延期を盛り込む税法改正案など重要法案が山積し、その後には17年度予算編成が控える。政治日程への影響を考えれば、17年度予算の審議が始まる前の来年1月の通常国会冒頭解散も有力になってくる。

 (2)17年通常国会~臨時国会

 首相が17年4月からの消費税率10%への引き上げを再延期したため、これまでは困難とされてきた17年中の解散も選択肢となった。17年度予算を成立させた同年4月以降の衆院選でも増税の影響がないからだ。

 ただ、この場合のハードルは高い。1つが先の通常国会で成立した改正公職選挙法の影響だ。小選挙区を「0増6減」する新しい区割りは来年夏以降の適用となり、一般的に制度変更の前後は解散・総選挙はしにくいとの見方がある。仮に新しい区割りの適用前であれば「定数削減を回避する思惑があるのでは」と批判され、適用後であれば「候補者調整が間に合わない」との問題が出てくるためだ。

 2つ目は連立を組む公明党が国政選挙並みに重視している東京都議会選が17年夏に予定されていることだ。支持母体の創価学会が大規模な組織戦を展開するため、同党はこの時期の衆院解散・総選挙になれば集票力が分散しかねないとして消極的な姿勢を示す。

 (3)18年の自民総裁任期満了前

 現在の衆院議員の任期は18年12月までだが、首相の総裁任期はその前の9月末までだ。自民党則は延長を認めないが、過去には中曽根康弘氏が任期切れまで3カ月となった1986年夏、衆参同日選挙に踏み切って大勝し、その功績が認められ、特例で総裁任期を1年延長した例がある。今回も任期切れ直前で解散し、大勝すれば任期延長にも道を開くとの計算が働く。

 東京五輪を2020年夏に控え、首相が任期中の実現に意欲を示す憲法改正も任期延長が不可欠だ。消費税率10%への引き上げ時期が任期切れ後の19年10月となったことも任期延長論の根拠となる。稲田朋美政調会長は5日のフジテレビ番組で安倍首相の総裁任期延長について「自民党内のルールなので安倍首相が首相(総裁)を続行している可能性は十分ある」と述べた。

 もっとも総裁任期満了前の解散の場合、いったん年内から年明けにかけて衆院解散に踏み切り、さらに総裁任期満了前に2度目の解散に踏み切る「小刻み解散」のタイミングとなる可能性もある。首相は14年に衆院任期を2年以上残して解散して圧勝した。衆院選の間隔を短くして党内の求心力を保つと同時に、野党の選挙準備が整わないようにする狙いだ。

 一方、党内には「衆院で3分の2を失わないために今回は同日選を見送ったのだから当分、解散はないだろう」(ベテラン議員)として18年まで解散できないとの見方もある。ただ同年12月までの衆院の任期満了時期に近づくほど有利なタイミングで解散できる余地が狭まり、実質的な解散権を行使できぬまま「追い込まれ解散」になりかねないリスクをはらむ。>(以上)

TICADは1993年~今度で6回目となり、初のアフリカ開催とのこと、もっともっと外務省はマスメデイアに働きかけてPRすべきです。アフリカに植民地支配のなかった日本、勤勉で親切かつ誠のある日本人はアフリカ人に信頼されていると思います。経済成長著しい上、人口増も予測されている中、日本の持っている資金・技術だけでなく和の精神も伝えられたらと思っています。中韓の得意とする賄賂では一部の人間しか豊かになれず、協調して物つくりに励むことにより豊かになる実感を得て貰えればと思っています。ただいざと言うときの自衛隊の海外派兵の保証と武器使用のネガテイブリスト化は必須です。

2014年9月にチュニジアへカルタゴ遺跡を見に旅行しました。その時のガイドさんはチュニジアの大学の英文科卒のエリートで日本の奨学金を得て日本に留学したことがあるとのことでした。(2009年にトルコに行ったときのガイドさんも英文科卒でした。トライリンガルは当り前のようです)。2008年にエジプトへ行ったときのガイドさんは敬虔なイスラム教徒で、客が我々夫婦二人でしたので宗教の議論をいろいろとした記憶があります。また、小生が支援しています上橋泉柏市議のご子息もチャドで活躍しています。

アフリカも国連の票数で大きな役割を果たします。小生は、日本は常任理事国入りに拘ることはないと思っていますが、(それより国連憲章の敵国条項を早く削除せよ、これはロシアとの平和条約締結後か?)中韓の国連を舞台にした反日活動に大きな抑止力になると思います。中国のように資源奪取だけが目的で、地元の人の雇用もなく=技術移転無し、場合によっては囚人を送り込むような国のやり方と違ったやり方をすれば信頼を勝ち得ると思います。日本のビジネスマンももっと頑張らねば。

記事

TICAD 5

(写真:AP/アフロ)

 今年8月27日から28日の2日間、ケニアのナイロビでTICAD Ⅵ(第6回アフリカ開発会議)が開催される。

 伊勢志摩サミット、そしてそれに続くオバマ大統領の広島訪問という大きな外交イベントの陰に隠れる形であまり注目を浴びていないが、今後10~20年を考えると、G7、G20だけでなく、アフリカ諸国と日本の関係強化につながるTICADに、もっと光が当たってもいいはずだと考えている。

 人類全体にとって重要な貧困や飢餓撲滅、あるいは感染症対策――。こういった課題の解決のためにアフリカの開発が重要であることは論をまたない。

 さらに、今世紀中にも世界全体の人口がピークを打つと考えられる中、数少ない人口増加が見込まれ、所得レベルの向上とあいまって、「次の成長市場」としてのアフリカの重要度は極めて高い。以前のコラムでも紹介したが、2040年にはアフリカの労働人口はインドや中国を上回ると想定されているのだ。総人口も、その頃には20億人を超えると推定されている。

 さて、6回目を迎えるTICAD(Tokyo International Conference on African Development)。この会議は、名称にTokyoと冠している通り、日本政府主導で、1993年以来、5年に一度日本で開催されてきた。共催者として、アフリカ連合委員会、国連、UNDP(国連開発計画)、世界銀行が名を連ねている。

 日本が、国際機関や民間セクターを巻き込み、「アフリカの経済開発」を促進するための会議を20年以上にわたって実施してきたわけだ。

 前回のTICAD Ⅴには、39名の国家元首クラスがアフリカ51カ国から参加、開発パートナーとなる域外諸国31カ国、国際機関72機関、さらにはNGO/NPOも多数参加した。

 植民地時代の旧宗主国ではない日本が主導するということにも大きな価値があるのだが、これだけ続けてくると単に集まって話し合うというだけでなく、さまざまなポジティブな結果が具体的に出てきている。

 アフリカの成長を考える上では、それを担う人材の育成がカギとなる。

500人の若者がTICADプログラムで日本に留学

 たとえば、資源開発の専門的知識を教育するプログラムが設けられ、2016年1月までに2000人以上が参加し、研修を修了している。また、2014年、15年だけでも500人弱のアフリカの若者が、TICADから発生したプログラムで、日本に留学してきている。現地での学校教育環境を改善するプログラムに至っては、2014年末の数字だが、実に770万人の子供たちへの支援が行われてきた。

 これ以外にも、安全な水へのアクセスを担保するための給水整備支援など、単純なODAやインフラ建設だけでなく、実にさまざまな意味のある開発支援が日本主導でおこなわれてきている。

 さて、こういった価値を生んできたTICADなのだが、正直なところ、日本国内では十二分に知られていない。もっと言うと、アフリカの現地、さらには開発やビジネス上のパートナーとなる欧米諸国でも、アフリカにおける日本の貢献は、ごく一部にしか伝わっていないのが実状だと感じている。

 メディア等でも、よく中国や韓国のアフリカ進出との比較がなされるが、こと開発支援とそのポジティブな結果だけに絞っても、日本の貢献が知られていないのはもったいないこと、この上ない。今後一層、ビジネス上も外交上も重要度を増す地域で、日本の国としてのブランド価値を高めていくための、広報・マーケティングへの徹底的な注力が必要なのではないだろうか。

 この広報・マーケティング下手は、アフリカについての日本国内での知識と理解が不足していることもその一因である。アフリカの変化は速く、さらにアフリカ54カ国の中での違いも大変大きいため、具体的なイメージが伝わりにくいのだ。

 旧宗主国だった欧州各国では、メディアでアフリカ諸国が取り上げられる頻度が(日本と比較すると)非常に高い。この点でも、新興経済については、アジア中心の情報流通となりがちな日本では、もう一段深いレベルでのアフリカ各国についての知識獲得と普及を、意思をもっておこなうことが不可欠だ。

経済の成長スピードが速いサブサハラ各国

 少しだけ、実例を挙げておこう。

 まず、変化の速さ。低開発イメージが強いサブサハラ各国。具体的にはサハラ砂漠以南の49カ国を指すのだが、2000年代には、実に年率5.8%の経済成長を遂げている。十数年で、経済規模が倍になるスピードだ。その後、世界的な資源価格下落の影響下でも、2015~17年に年3~4%の成長が予想されている。

 アフリカ各国間の違いも、イメージのずれが生じる原因となる。

 IMFの2014年ベースの統計によれば、購買力平価ベースでの一人当たりGDPアフリカ上位3カ国は、 赤道ギニア 3万2千ドル セイシェル 2万6千ドル ガボン   2万3千ドル と、中進国以上、先進国に極めて近いレベルに達している。

 ところが、下位3カ国を見ると、 中央アフリカ 607ドル コンゴ    704ドル マラウィ   780ドル とアフリカ内上位国の30分の1以下であり、地域内でも極端な違いがあることが明白だ。

 さらに、各国ごとの違いと変化の速さとが掛け算になることも多い。たとえば、1990年代半ばに民族紛争、その後の大虐殺が大きく報道されたルワンダ。21世紀に入り、民主選挙が行われ、政情や治安はまったく違ったレベルで安定している。女性の社会進出も大きく進み、閣僚の26%、国会議員の57.5%が女性だ。世界銀行のビジネスのしやすさのランキング(Doing business)でもルクセンブルグについで62位。中国の84位やベトナムの90位よりもはるかに上に位置づけられている。

 今回のTICAD Ⅵは、実は初めて日本ではなくアフリカ、ケニアで開催される。これに合わせ、日本のさまざまな企業が参画するアフリカ域内の国を超えた地域インフラ整備のイニシアティブも打ち出される模様だ。

 日本で行われたサミットとは違い、放っておくと、メディアでもあまり取り上げられずに終わってしまうかもしれないが、ぜひぜひ、我々も注視し、さまざまな広報・マーケティングを世界各地で行ってほしいと思う。これを通じて、アフリカの変化、そして各国さまざまな実状について、少しでも日本国内での理解が進むことを期待したい。

 さらに、ぜひとも日本のこれまでの貢献も含め、広く日本ブランドを高める機会になれば良いなと考えている。もちろん、読者のみなさまの中にも、非常に詳しい方はいらっしゃるだろうが、より広い方々がアフリカと日本について、知見を高めてくださることを期待してやまない。

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『英離脱が招く破壊ドミノ チーフ・ポリティカル・コメンテーター フィリップ・スティーブンズ』(6/5日経 FT)について

欧米で起きている政治現象は、国民の政治に対する怒りでしょう。米国のトランプ&サンダース現象は正しくそうです。エスタブリッシュに繋がる政治家に対し、国民の望んでいること、特に豊かな生活を送りたいのに格差は広がるばかりで、それを掬い取ることに対して何も手を打てていないことに異議申し立てしているのが本質でしょう。欧州でも極右(実際は移民反対なだけ、国際金融資本のグローバリストに対して国民国家の役割を重く見る)の議席が伸びています。仏では来年の大統領選でマリーヌ・ルペン国民戦線党首が大統領になるかもしれませんし、オーストリアでは極右と言われるノルベルト・ホーファー大統領候補が本当に僅差で敗れました。相手と50:50ですから。

http://www.news24.jp/articles/2016/01/02/10318763.html

http://wien.cocolog-nifty.com/operette/2016/05/post-85bc.html

ドイツはインフレを極度に恐れる(第一次大戦後のハイパーインフレの経験から)体質と法律でナチズムを禁止していることがあります。中国と韓国による日本イジメに通じるものが、欧州諸国のドイツいじめにあるような気がします。でも第四帝国と言われるようにドイツがEUの経済を牛耳るようになりました。

http://thutmose.blog.jp/archives/34662377.html

http://europeanlife.web.fc2.com/other/nazi-verbot.html

ただ真偽のほどは分かりませんが、下記の情報もあります。これが真実でしたら米国のリーマン・ショックどころではないでしょう。単にドイツ銀行だけでなく、欧州全体と中国に大打撃を与え一時的に大パニックになるでしょう。株式市場も大暴落するでしょう。ドイツと中国が誤魔化しきれるかどうかですが。債券の償還期限があってもロールオーバーしてしまえば分からなくなるのでは?中国の債券(サブプライム以下と思われる)にはCDSのような評価する手段はついていないでしょう。一応「検討する」とロイターの記事にありましたが、そうすれば透明度を上げねばならず、誤魔化しが効かなくなると思います。人民元のIMFのSDR通貨バスケット入りは達成されましたが、透明度を上げる義務を負い、また「市場経済国」は鉄鋼の問題で認定されないと思いますが、WTO違反を繰り返し、南シナ海の問題で国際司法裁判所の判決に随うこともしない国に、おいしい所だけを与える必要はありません。経済制裁すべきです。まあ、経済破綻すれば必然的にそうなるでしょうけど。何せ「ない袖は振れない」で通せばよい国ですから。小生も駐在時代そうした経験がありますので。

http://ameblo.jp/eccentricbear/entry-12167137642.html

http://jp.reuters.com/article/china-bonds-cds-idJPKCN0WW20W

http://www.yomiuri.co.jp/world/20160605-OYT1T50052.html

英国のEU離脱は、EU経済について上記の話を知っていて真実に近いと感じているのなら、ありうるかもしれません。ただ国民レベルでの話にはなっていませんので。離脱派は単に欧州をドイツに牛耳られるのが面白くないというだけでしょう。離脱はないと思っています。

記事

 欧州連合(EU)離脱を問う6月23日の英国の国民投票は、EUと英国両方の運命を左右する。離脱となれば、EUの残る27加盟国にも深刻な結果を及ぼす。ドイツとフランスは間違いなく、英国以外の加盟国の結束をどう高めるか必死に考えている。より深刻なのは、離脱によって分裂の危機にさらされる英国だ。

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EU残留を訴えるキャメロン英首相=ロイター

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EU離脱を訴える英国独立党のファラージュ党首=ロイター

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英国の国民投票は今月23日に実施(投票用紙のイメージ)=ロイター

 離脱派の背景には強力なナショナリズムがある。保守党の離脱派は自分たちのロジックを打ち捨て、ファラージュ党首率いるポピュリスト(大衆迎合主義者)の英国独立党と運命を共にしようとしている。両者に共通しているのは移民、支配階級、知識人などあらゆるものへの反発。怒り作戦とでも呼ぶべきものだ。

 結果がどうであろうと、有権者の票は地域によって割れるだろう。ロンドン、北アイルランド、スコットランドの3地域はEUとの関係を維持しようとしているはずだ。ウェールズは予想が難しい。

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 ロンドンが欧州寄りの立場を取るのは欧州と同様、グローバル都市として、欧州や世界から労働者や移民を受け入れてきたからだ。30万人のフランス人を受け入れ、フランス第6の都市とも呼ばれる。イタリア、ポーランド、スペイン、ポルトガルやもっと遠くの国々から来た人々にとっても第2の故郷になっている。

 多様性も享受してきた。5月の市長選では保守党のザック・ゴールドスミス氏が恥知らずな反イスラム運動を繰り広げたが、市民は圧倒的に英国生まれのイスラム教徒、サディク・カーン氏を支持した。

 英国らしさを意識しすぎ、離脱に傾いている周辺地域とは一線を画する。ロンドンには貧困も存在するが、イングランド南部の東海岸の一部の町に見られるような民族対立はない。私が思うに、ロンドン市民は「どちらかを選べ」と迫られたら、ポーランド人医師やインド人技師が来るのを拒絶するよりも、英国の地方から移ってくる英国人の流入を厳しくするはずだ。

 北アイルランドでは、最近の世論調査で残留派が大多数を占めることがわかった。大まかに言うと、カトリックは残留派で、プロテスタントは離脱派と残留派にほぼ二分しているが、全体でみると、この地域は残留を選ぶだろう。

 それでも国民投票で離脱が決まれば、様々な懸念が生じる。かつて北アイルランドが英国に属すべきと主張するユニオニストと、アイルランドへの帰属を訴えるナショナリストを長年の対立から和平に向けて説得できたのは、英国とアイルランドの両国がEU加盟国だったからだ。以来、北アイルランドが経済的発展を遂げてきたのも、アイルランドと開かれた国境を持ち、EUからかなり多くの補助金や投資優遇策を得られてきたことによる。

 しかし離脱となれば、今は無きに等しいアイルランドとの国境が、EU加盟国でなくなった英国とEUの境界線になる。つまり単一市場から離れ、英国として移民制限を強行すれば、アイルランドとの往来にも貿易にも国境審査が必要になる。英国では、北アイルランドを経済的な重荷だという人も出てくるだろう。

 スコットランドは保守党に近いせいか、欧州懐疑派が根付いたことはない。ファラージュ氏の英国独立党も限定的な支持を得ているだけだ。ロンドンや北アイルランドと同様、スコットランドでも残留派が多数を占めそうだ。だが国民投票で離脱が決まれば、英国からの独立を求める一派を勢い付かせることになる。

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 スコットランドの独立は2014年の住民投票で否決された。独立推進派のスコットランド国民党は5月の議会選でも敗北した。過半数を失い、独立を再度問う住民投票を行うことができなくなった。英国の離脱が決まれば、独立を求める議論が再燃するだろう。欧州大陸にバリケードを築くような英国に縛られているぐらいなら、今は英国の一部でいいと思っているスコットランド人も考え直すのではないか。

 英国がEUの一部であり続けるのがいいのと同じように、英国も連合王国として結束しているべきだ。その方が国家としての能力を高められるからだ。イングランドがEUを離脱したなら、スコットランドは英国の一部でいるより、EUに加盟した方がいいと考えてもおかしくない。

 ロンドンの独立の可能性を論じるのは現時点では早すぎるが、離脱が決まればこの都市が自治の拡大を求めるのは当然だ。明白なのは離脱が連合王国の分裂につながっていくということだ。EU加盟国でなくなった英国は、もはや魅力的ではなくなる。

(3日付)

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