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『プーチン大統領が「シンゾー」と言わないワケ プーチン・安倍会談に垣間見えたすれ違い』(5/12日経ビジネスオンライン 池田元博)について
北朝鮮がまたもや弾道ミサイルを発射しました。高度2000Kmを越え、30分飛翔後、日本海に落下とのこと。2/14TV「新報道2001」に出演していた香田洋二元司令官は「ICBMではないか」とのことです。トランプがどう出るかです。中国は結局北を抑えることはできないと思っているのでは。南も大統領府秘書室長には逮捕歴のあるガリガリの左翼の任鍾晳を選びました。機密は間違いなく、北へ漏れるでしょう。米軍の北への攻撃は、韓国軍無しで米軍と後方支援の自衛隊で行われる可能性が高まりました。勿論、北が南を攻撃して来れば韓国軍は、応戦するでしょうけど。戦時作戦統制権は米軍にありますので、国内での戦闘行為だけで、北への攻撃は認めないというか、韓国軍そのものが進撃する意欲もないのでは。韓国の国民情緒だけで物事がうまく行くと思うのは妄想に過ぎません。まあ、日本も憲法9条があれば戦争にはならないと思っている似非平和主義者がゴマンといますので、他国を笑えませんが。
北が何故この時期にミサイルを撃ち、しかも30分後に落下させたかです。ノルウエーで非公式ながら外交交渉もしているというのに。やはり、金正恩の面子の問題とクーデターを抑える狙いがあったのでは。また一帯一路の会議初日にぶつけたことで、習近平の面子も潰せました。飛行距離を伸ばせば、米国からICBMと思われるので、瀬戸際でわざと自爆させたと思っています。米軍の攻撃の大義名分を逸らす形です。
さて、本記事ですが、プーチンも相当国内の圧力が強くなっている感じがします。次の大統領選が来年の3月にはあります。メドヴェージェフの腐敗の問題が暴露され、「上はうまいことやっている」と国民に思わせたのは失点です。大統領選までは自分の失点に繋がることは避けるでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=_eAkoZPVSQw
トランプも議会やメデイアの牽制で、ロシアと近づき、中国と対峙することがしにくい状況です。ユダヤ・グローバリストの力が相当強いという事でしょう。金に汚いという意味で中国人と一緒です。クシュナーがいてもあれだけトランプの粗探しに狂奔するのですから。ヒラリー民主党程悪いのはいないのに頬かむりし続けます。その中で、西側でプーチンと話ができ、トランプにも繋げることができるのは安倍首相だけです。この利点を生かし、来年の大統領選挙後を見据えて、ロシアと交渉して貰えば良いのでは。
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モスクワで4月27日に開かれた日ロ首脳会談。プーチン大統領と安倍晋三首相による会談後の共同記者発表は、質問を一切受け付けない形式だった。それでも互いの思惑の違いを垣間見させるものがあった。

4月27日、モスクワで開かれたプーチン大統領・安倍首相の会談ではすれ違いが垣間見えた(写真:ロイター/アフロ)
「尊敬する皆さん!尊敬する首相! 日本の首相である安倍晋三氏との会談は建設的な雰囲気で行われました」――。
ホスト側として最初に発言したプーチン大統領はまず、昨年12月の大統訪日以降の日ロ協力の現状に言及。今年になって両国間の貿易額が増え、2015年は13億ドルだった日本の対ロ投資額も昨年は17億ドルに増加したと、具体的数字も示しながら成果を強調した。
今回の会談結果に関しても、エネルギーや原子力協力、文化交流など経済・人道分野の話を延々と続けた後、ようやく北方領土での共同経済活動や元住民の墓参などに触れ、続いて緊迫する北朝鮮情勢に言及した。
こうした話の順序もさることながら、プーチン大統領の記者発表を聞いていて、気になったことがある。「安倍さん」「安倍首相」「首相さん」と、安倍首相について終始、敬称で通したことだ。結局、大統領の口からは「シンゾー」というファーストネームは聞かれなかった。
対する安倍首相の記者発表はどうか。最初は「プーチン大統領」と呼んでいたが、途中から「ウラジーミル」とファーストネームを連呼するようになった。
特に日ロの平和条約問題に触れたくだりでは熱が入った。「双方の努力の向こうに、私とウラジーミルがめざす平和条約がある」「ウラジーミルと手を携えて、平和条約締結への道を2人で進んでいきたい」といった具合だ。
安倍首相とプーチン大統領の会談は、第1次安倍内閣の時代も含めると通算で17回目。首相からすれば個人的な関係づくりも進み、互いにファーストネームで呼び合える深い仲になったと強調したかったのだろう。だが、プーチン大統領の冷静な対応ぶりをみると、両首脳の温度差はやはり否めない。
「北方領土は渡したくない」というプーチン大統領の本音
プーチン大統領も確かに、平和条約問題に一切触れなかったわけではない。「日本はロシアにとって重要で有望なパートナーだ」とし、「両国間の最も難しい問題」も解決する用意があると述べた。
さらに平和条約問題の解決策は日ロの「戦略的な利益に合致し、両国民に受け入れられる」ものでなければならないと指摘。この脈絡で北方領土での共同経済活動について話し合ったとし、共同経済活動や元島民らの墓参などの往来簡素化を進めることが「両国間の信頼と相互理解を醸成する」と強調した。

出所:日本外務省
プーチン氏は2000年の大統領就任以来、日ロの北方領土交渉を進めるための基軸として、1956年の日ソ共同宣言を掲げてきた。この宣言は北方4島のうち、歯舞、色丹両島を平和条約締結後に日本に引き渡すと規定している。大統領は「どのような条件で引き渡すかは明記されていない」としつつも、共同宣言そのものは両国議会が批准しており、「法的に有効だ」としていた。
ところが、今回のモスクワ会談後の共同記者発表では、プーチン大統領から日ソ共同宣言に関する言及は一切なかった。これまで持論としてきた共同宣言を封印し、北方領土での日ロ共同経済活動の成否で平和条約締結の有無を判断しようという思惑が明らかにうかがえる。
いくら国内で強大な権力を持つとはいえ、国民の批判が集まる領土の割譲はたとえ1ミリであってもしたくないというのがプーチン氏の本音だろう。
共同経済活動が失敗すれば北方領土交渉の継続は困難
大統領にとって幸いなことに、昨年12月の日本での首脳会談合意を受け、北方領土での共同経済活動をめぐる交渉が平和条約締結交渉とほぼ同義語になった。仮に共同経済活動がうまくいかなければ、「日本は北方領土に関心がない」とみなし、領土問題を含めた平和条約交渉を打ち切ることもできるわけだ。
実は、日ロは過去にも共同経済活動を議論した経緯がある。1998年11月、当時の小渕恵三首相がモスクワを訪問し、エリツィン大統領(当時)と会談した際に、北方領土での共同経済活動に関する委員会の設置で合意。それに基づいて実務レベルの日ロ協議が重ねられたが、結局は実現しないまま立ち消えとなった。
ただ、当時の小渕・エリツィン会談の合意には、共同経済活動委員会とともに国境画定に関する委員会の設置も盛り込んでいた。仮に共同経済活動が実現できなくても、領土交渉を継続できるように“保険”をかけていた。
昨年末の合意にはこうした“保険”がない。日本としては北方領土に関する日ロの「法的立場を害さない」という厳しい条件下で、共同経済活動を是が非でも実現せざるを得ない状況に追い込まれたともいえる。
こうした危機感もあってか、日本側が提案している事業案は北方4島周辺のクルーズ船観光など、法制度の問題を比較的クリアしやすいものを中心に並べている。まずはひとつでも何とか事業案を具体化し、平和条約締結交渉の追い風としたい考えだ。
ところがロシア側は、現地のインフラ整備に利用しようという思惑もあってか、島民の住宅改修、ホテル建設、発電所の設置など、「法的立場」の問題で難航しかねない事業案を数多く掲げる。もともと「(4島が)ロシアに帰属しているのだから、ロシアの法律で実施するのは当然だ」(ウシャコフ大統領補佐官)との意見が根強いことも背景にある。
日本側は5月中にも官民調査団を現地に派遣。日ロ双方はその上で共同事業案を固め、個別プロジェクトごとに法制度を含めて実現に向けた協議を進めていく予定だ。実際に具体化できれば人的交流や相互理解も進み、平和条約締結に向けた環境整備に寄与するだろうが、実現に向けた道のりは険しそうだ。
ロシアは安倍首相を「他の西側諸国の首脳とは違う」と評価
今回の安倍首相の訪ロは、日ロ関係とともに国際情勢をめぐる協議も焦点となった。特にシリアと北朝鮮情勢だ。
シリア情勢をめぐっては、ロシアが後ろ盾となっているアサド政権による化学兵器使用疑惑が浮上。米国のトランプ政権がアサド政権軍への巡航ミサイル攻撃に踏み切った。ロシアはこれに反発し、ただでさえ冷え込んでいる米ロ関係に大きな亀裂が走った。
核やミサイルの挑発を繰り返す北朝鮮に対しても、米トランプ政権は原子力空母「カール・ビンソン」を朝鮮半島付近に派遣するなど軍事的圧力を強めた。米国は中国にも北朝鮮への圧力を求め、中国は北朝鮮が核実験を強行すれば制裁を強めると警告したとされる。こうしたなか、貨客船「万景峰号」によるロ朝間の新定期航路の新設を決めるなど、国際社会の結束を乱すような動きをみせたのがロシアだ。
安倍政権はトランプ政権によるシリアや北朝鮮への対応を、いずれも積極的に支持した。逆にロシアとの立場の違いが浮き彫りになる中での訪ロだっただけに、注目されたわけだ。
今回の首脳会談の会談時間は合計で約3時間10分。このうち国際情勢は約90分間に及んだ最初の少人数会合で協議し、続く約50分間の通訳だけを交えた首脳間のサシの会談は、主に日ロの平和条約問題を話し合ったという。
安倍首相は会談後の共同記者発表で「北朝鮮に対して国連安全保障理事会決議を完全に順守し、さらなる挑発行為を自制するよう働きかけていくことで一致した」と表明した。ただ、「万景峰号」の問題には触れなかった。シリア情勢に関しても「ロシアの建設的な役割」への期待を示しただけだ。
安倍首相の訪ロ後、トランプ大統領とプーチン大統領による電話会談があり、首相が仲介したとの説もあるが定かではない。むしろ日本では国際情勢をめぐる日ロの立場の相違、とりわけ日本の米国寄りの姿勢が日ロの平和条約交渉の先行きをより一層暗くするとの観測が大勢だった。
ところが、これについてはロシア側の見方は異なる。ロシアの政権与党「統一ロシア」の幹部の一人は「安倍首相は他の西側の多くの首脳と違い、独自の外交政策をみせている」と指摘。米ロ関係が冷え込むなかで、あえて訪ロした首相の姿勢を評価した。
カーネギー財団モスクワセンターのドミトリー・トレーニン所長も「たとえ米ロ関係が対立したとしても、日本との関係はより良くなる」と強調。ウクライナ危機を受けた米欧の対ロ経済制裁が続く見通しのなか、日本との投資・技術協力をロシア経済の再生にいかすべきだと主張する。
たとえ各回の成果が乏しくても、安倍首相がプーチン大統領と頻繁に会談を重ねていくことは、日ロ関係の将来に寄与する可能性があることも留意しておくべきなのだろう。
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『鄧小平一族の企業「安邦」、急ブレーキの意味 習近平政権の干渉は、金融自由化とは異なる方向へ』(5/10日経ビジネスオンライン 福島香織)について
5/12新唐人電視台の『台媒:朝鮮握中共太多把柄 金正恩才是最危險爆料人=台湾メデイア:朝鮮は中共の多くの弱みを握っている。金正恩は秘密を暴露するには最も危険な人物である。』の中に、「台灣《自由時報》5月10日發表署名評論文章表示,當前中共顯然還不想與朝鮮〝決裂〞,是因為中共還有許多把柄在朝鮮當局手裡,〝一旦被爆出,也是一場核爆,可能比朝鮮的核爆還厲害。〞
文章分析指稱,早在三、四十年以前,在中共的默許下,澳門成為了朝鮮間諜實施跨國謀殺、綁票等惡行的基地。震驚世界的朝鮮間諜綁架韓國藝人案、仰光爆炸案、中東韓國客機爆炸案、印製假美鈔以及洗黑錢等等案件,中共都是直接或間接的〝幫凶〞甚至炸韓國客機的金賢姬就是在中國培訓的。
此外,在近十幾年間的所謂〝六方會談〞期間,中共和朝鮮當局暗中勾結,〝耍弄美國〞。
文章指,上述內幕都是握在朝鮮當局手中的〝把柄〞,一旦被金正恩抖出來,中共的〝恐怖份子面目〞就將〝無處藏身〞。
5/10台湾の「自由時報」は署名記事を発表、中共は当面朝鮮と決裂したいと思っていないのは明らかとした。これは朝鮮当局に多くの弱みを握られているためで、“暴露されれば、核爆弾のようになる。恐らく朝鮮の持つ本物の核爆弾より威力がある”と。
その文章曰く「3,40年前に中共の黙認の下で、マカオを朝鮮のスパイ基地として、外国での謀殺や拉致を実施してきた。世界を驚かせた韓国の映画監督や女優を拉致、ラングーン爆破事件、中東での大韓航空機爆破事件、偽$印刷とマネロン等の事件について中共は直接・間接的に支援し、あまつさえ大韓航空機爆破事件の金賢姫は中国で訓練を受けた。
この他に、この10数年間の6者会談で、中共と朝鮮当局は手を結び、「米国を弄んでやろう」としてきた。此の内幕は、朝鮮当局に弱みを握られているため、金正恩が一旦ばらせば、中共の「テロリスト」の姿は隠すところがなくなる。」と。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2017/05/12/a1324364.html
北を動かして世界に悪いことをしてきたのが、中共という所でしょう。マッチポンプでマッチを北が、ポンプを中国が果たしてきたという所です。まあ、同じ悪辣な共産主義体制ですから。米国もグローバリストが世界的に「民主主義」を広めることを大義名分として、政権転覆の策動をして来ました。トランプはそれに乗らないために、メデイアからバッシングされる訳です。当初トランプが考えていた米ロの関係改善が、メデイア・議会(特に野党・民主党)・法執行機関の反発により、うまく行きません。それに引き換え、米中間は貿易で中国に点数を稼がせています。グローバリストの思惑通りになっている気がします。「一帯一路」は経済面の中国の影響力拡大もさることながら、軍事的な意味合いも大きいと考えます。海上封鎖されても、石油を陸上から運べるようにとか、兵士の大量派遣とか、金やモノを支援して、諸外国に言う事を聞かせるようにすることが狙いです。早く中国のバブルがはじけることを願っています。
本記事は、中共の権力闘争の一コマです。習派VS江派で、秋の党大会までに安邦の呉小暉は解任・逮捕されるのでは。習は鄧小平越えを狙っているとの福島氏の見立てです。鄧は社会主義市場経済を導入し、経済強国にしたものの、貧富の格差が米国以上に拡大しました。結果の平等を保証するシステムなのに、おかしいでしょう。政治的には三権分立がない、民族的にはバクチ好き、長い腐敗の伝統からこうなることは予測できたはずです。でも習が高潔であるはずがありません。中国人である限り、必ず賄賂は付いて回ります。大躍進・文革で自国民を大虐殺した毛沢東(ヒットラー、スターリン以上に殺戮)に憧れているようですから、彼が力を持てばそのような独裁者になることは見えています。米国、特にグローバリストに反対のトランプが良く中国を見て、対応することを望んでいます。
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急成長してきた安邦保険集団。習近平政権が急ブレーキをかける意図とは(写真:AP/アフロ)
中国の代表的“紅色企業”安邦保険集団が揺れている。
紅色企業とは、革命に参加した主要ファミリーが経営や資本にかかわっている企業を指すが、この企業のCEOは鄧小平の孫娘・鄧卓芮の婿・呉小暉。つまり、鄧小平一族の企業という、中国最強と見られる免罪符を持っていた。しかも、中国建国十大元帥のひとり陳毅の息子・陳小魯も董事を務めている。鄧小平と陳毅という最強の革命ファミリーの名前を背景に、呉小暉は“中国のバフェット”と呼ばれる手腕で一民間企業・安邦集団を巨大化し、中国2位の保険収入を誇るまでに成長させた。
だが、この安邦の躍進に習近平がブレーキをかけている。その意図はどこにあるのだろうか。
保監会が処罰、財新が暗部報道
5月5日午後、中国保険監督管理委員会(保監会)は安邦保険集団傘下の安邦人寿保険株式会社に対して、三カ月の新規製品の発売禁止処分を決定した。これは安邦人寿の発売する安享5号というハイリスクユニバーサルライフ保険が、規制・監督を逃れて市場秩序を乱しているなど、二種類の保険商品に違反が見られたことに対する処罰ということになっている。
その前の4月、安邦による米保険会社のフィデリティ・ギャランティ生命買収などに保監会がストップをかけた。香港紙蘋果日報によれば、安邦の海外資産比率が高すぎるのが理由という。キャピタルフライトを食い止めるために、中国当局が海外投資を抑制しているにもかかわらず、安邦が言うことを聞かないので、本格的に圧力をかけ始めた、と見られている。
一方、この動きに呼応するように中国の国際経済情報紙・財新週刊が安邦保険の暗部に関するキャンペーン報道を張ったが、呉小暉はこの報道が事実無根、名誉棄損として財新傳媒集団の主筆で著名女性ジャーナリスト、胡舒立に対して訴訟を起こすと言い始めている。
安邦といえば、2014年、名門・ウォールドーフ・アストリア・ニューヨークホテルを19.5億ドルで爆買いしたことで、世界の注目を浴びるようになった。たしか、2016年も、米プライベートエクィティファンドのブラックストーンの所有するストラジック・ホテルズ・アンド・リゾーツ株の買収に合意している。
そのほかにもスターウッドホテルズ・アンド・リゾーツワールドワイドをめぐるマリオットとの買収合戦(頓挫)や、ブラックストーンが所有する日本不動産の買収交渉(決裂)や、米大統領トランプの娘婿クシュナーのファミリー企業とのマンハッタンオフィスタワー「666フィフス・アベニュー」の再開発計画(中止)など、“海外の爆買い”のニュースが話題となった。その勢いは、向かうところ敵なし、安邦を誰も止められない、といわんばかりのものだったが、今年春になって急ブレーキがかかった。
3回の結婚で駆け上がる
安邦とはどんな会社なのか。
設立は2004年。保険金融業界においては“新兵”と呼ばれた安邦保険が設立わずか13年で総資産1.9兆元の帝国となった最大の理由は、設立者メンバーでCEOの呉小暉が、2003年、鄧小平次女・鄧楠の娘、鄧卓芮のハートを射止めたことが大きいといわれている。
ちなみに彼女は三番目の妻で、すでに離婚している。その前の妻は、浙江省副省長、杭州市長の娘。その前の最初の妻は地元官僚の娘。1966年生まれ、浙江省の農民出身の呉小暉が、こうした紅色ファミリーの仲間入りができたのは、彼が有能であったことと同時に、相当の色男で、婚姻のチャンスをフルに出世に利用してきたからだといえる。
県の工商局で働いたのち、時の下海ブーム(公務員から民営企業家になる改革開放時のブーム)に乗って、自動車セールスの仕事を開始。浙江省で上海汽車の自動車のセールスで業績を上げ、上海汽車最大の代理店に成長させた。また陳毅の息子、陳小魯が運営する上海のインフラ建設投資会社で働いていた縁で、鄧卓芮を紹介され彼女と結婚、その翌年に陳ファミリー、鄧ファミリーの後押しを受けて安邦保険を設立したわけだ。一部では朱鎔基の息子の朱雲来も、江沢民の息子の江綿恒も、董事の席に名を連ねていたという。
そういう“訳あり”の企業だから、これまでも強引な手法でビジネスを展開しても、許されてきた。
たとえば、2015年暮れに明らかになった、広東省の不動産最大手・万科集団に対する広東省のコングロマリット・宝能投資集団による敵対的買収、俗にいう「万宝の戦」のとき、ホワイトナイトとして万科株を買ったのが安邦だった。だが、この買収後の安邦の帳簿上の赤字は20億元以上と囁かれた。つまり、帳簿上、明らかに無理のあるような買収も、意に介さぬ企業ということだ。そういう無茶ができるのも鄧小平ファミリー企業という看板のおかげとも言える。
そもそも安邦の扱う保険は、短い期間で高利回りを提供するハイリスク商品が主流。一方、資産運用は流動性の低い長期株式投資が中心で、もし、信用不安などにより保険払い戻しラッシュが起きたら、すぐに資金ショートするリスクが潜在している、とは言われていた。安邦の信用は、鄧小平と陳毅のファミリーがかかわっている、という看板だけに担保されているとも言える。
大掃除の狼煙も意に介さず
習近平政権が4月9日、保監会トップの項俊波を重大な規律違反で取調べ中と発表したことは、いよいよ、最大の利権の温床となっている金融・保険業界の大掃除に取り掛かるぞという狼煙とも受け取られている。
だが金融・保険業界の最大の問題は、太子党、紅二代と呼ばれる、革命英雄一族の利権が絡んでいることだ。習近平の反腐敗キャンペーンはなんのかんの言っても太子党仲間を避けてきた。習近平自身が習仲勲の息子、堂々たる紅二代であり、姉をはじめ彼のファミリーも、ごく最近までこうした利権の恩恵に思いっきり預かってきたのだ。
しかし、多くの紅二代ファミリーは、習近平の反腐敗キャンペーンがいつか紅二代、太子党にも向くやも知れぬと感じて、徐々に株を譲渡したり、撤退を始めている。また、習近平政権が必死でキャピタルフライトを制御しようとしているのを受けて、多少とも海外買収を自粛しようという動きになってきた。太子党たちの海外への資金移動や資金洗浄を請け負ってきた香港の大富豪が謎の失踪を遂げた影響も大きい。
ところが、一部企業は、習近平の指導など意に介しない。そのひとつが安邦であった。
この安邦をターゲットにする裏の意味として、可能性は二つあると思われる。
鄧小平越え、上海利権塗り替えの野望
一つは、鄧小平や陳毅がなんぼのもんじゃい、といわんばかりの習近平の強気を示した、ということ。呉小暉は2015年の段階で鄧卓芮と夫婦関係を解消しているので、鄧家とは無関係となっているとはいえ、ごく最近まで安邦の信用の担保は鄧ファミリーだったのだ。鄧小平ファミリー企業ですら、習近平はヤルときはヤルぞ、という姿勢を見せれば、いまだ資産の逃亡をあの手この手で講じている他の太子党および紅色企業への威嚇は十分すぎるほどだろう。
なにより、習近平は密かに自分が鄧小平を超えるということを目標にしているフシがある。自分を“核心”と呼ばせるキャンペーンを仕掛けたことも、鄧小平が作り上げた共産党秩序を破壊しようとしている点も、毛沢東リスペクトを過剰に行うことも、香港一国二制度に対する暴力的な揺さぶりも、どこか鄧小平への対抗意識を感じさせる、というのは気のせいだろうか。
もう一つは、権力闘争の文脈で見る安邦叩きというセンである。
安邦の設立には、江沢民の利権企業であった上海汽車とのかかわりがあった。そのことからもわかるように、上海閥とのつながりはもともと深い。その関係で、曾慶紅とも深い関係があると言われている。2015年の財新や南方週末の記事によれば、2010年に安邦が成都農商銀行へ56億元を出資した背景に、当時の成都市書記・李春城が絡んでいることをほのめかしている。李春城は周永康の腹心であり、すでに失脚しているが、曾慶紅を頂点とする四川閥に含まれている。
そもそも金融・保険業界は上海閥勢力が幅を利かせている。90年代から金融都市として発展を遂げてきた上海出身の官僚がなんのかんの言っても経験値もあって優秀である。大卒エリート共産党官僚の集団である共青団もその優秀さゆえ、この業界では幅を利かせている。こうした上海閥系、共青団系の利権を習近平派に塗り替えていこうという動きはかねてからあるのだが、こうした大掃除を速やかにするためには、彼らのバックとなっている太子党、紅二代の有力者には速やかに退いてもらわなくてはならない。
思い出すのが、2015年に民生銀行の若き頭取、共青団のホープの毛暁峰が失脚した事件。これを機に安邦は民生銀行の株を20%近く手に入れた。じつは、このとき、安邦の内幕暴露バッシング報道が、南方週末などによってかなり力を入れて展開された。だが、この時点では、呉小暉をつぶすことはできなかった。勘ぐれば、このとき安邦の整理もするつもりだったが、当時はまだ鄧小平ファミリーによる庇護の力が強かったので、呉小暉は生き残った。
王岐山の指示? さらに混沌
だが、やがて安邦も粛清の対象になるという警告は十分に出されていた。鄧小平や陳希、朱鎔基の一族らは、急いで安邦の持ち株を整理し、あるいは離婚をし、沈む予定の船から降りた。習近平は一応身内的な紅二代たちが、船を下りたのを見届けて、安邦叩きを始めたとも言える。
在米亡命中国人政治評論家の陳破空は、財新の執拗なまでの安邦叩き報道の背景には、王岐山との権力闘争も絡んでいるとの見方をラジオフリーアジアで語っている。
財新の胡舒立は王岐山との関係が深いといわれる。郭文貴事件報道でも言えるのだが、財新のバッシング記事は往々にして王岐山の代理権力闘争的な面も見られる。
今回、安邦集団(呉小暉)が財新(胡舒立)に宛てた抗議の手紙にはこうある。
「我々はすでにあなたと財新に対し訴訟を起こすことを決定した。胡舒立女士は、利益集団のために事実を捏造し世論を間違って誘導することをやめるべきだ。あなた方がさらに、“人を探して圧力をかけてくる”ようなことをしないように願う」
人を探して圧力をかける、の人とは王岐山を指していることは、誰もが考えることである。
暗にこの報道が王岐山の指示であることをほのめかせているのだ、と呉小暉は訴えているのである。
ならば、王岐山と安邦にどういった利害対立があるのか。王岐山は郭文貴の告発によって、まさに海南航空集団との癒着疑惑が表面化しつつある。そこから、国内外の目をそらすために安邦を攻撃しているのか。あるいはもっと、深い理由があるのか。
いずれにしても、習近平政権の安邦叩きの目的が、腐敗を厳罰に処すとか、金融・保険業界の権力との癒着を断つとか、金融引き締めでバブル退治とか、そういう単純な話ではないと思う。そして、この金融・保険業界における反腐敗キャンペーン強化によって、業界の濁りが消えて、外国の投資も増えて、金融改革が進み、活性化するのか、と言うと当然、そうもならないだろう。
要するに共産党の指導という名の、習近平政権の干渉がきつくなり、本来向かうべき金融の自由化と真逆の方向へ舵を切っているのだから。
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『日本は北朝鮮の特殊部隊やテロリストの上陸を阻止できるのか』(5/9ZAKZAK)について
トランプも北朝鮮とノルウエーで非公式協議をしたり、「金正恩と会っても良い」と言ってみたりと、外交で問題解決しても良いとのスタンスも見せています。一方、空母ロナルド・レーガンを横須賀基地から出して硫黄島で訓練するなど軍事的圧力もかけ続けるなど、硬軟両様です。
トランプは、コミーFBI長官を解任し、昨年大統領選で不法移民の不正投票の調査への大統領令にも署名しました。FBI長官の更迭は、ヒラリーのメールサーバー事件(国家機密を外国に売り渡し、クリントン財団に寄付させるため)やベンガジ事件(ISへの武器引き渡しの情報が漏洩し、リビア大使が暗殺される)を炙りだす可能性があります。不法移民の不正投票は民主党の伝統的な手段で、今後これが使えないようにすることが共和党の勝利への道です。本当に民主党と言うのは日米ともにヒドイ政党です。日本は民進党と名前を変えましたが。次の選挙では社民党と同じく消滅するかもしれませんが。
北朝鮮のテロリストだけでなく、日本に巣食う朝鮮総連や民潭(ここにも北の工作員が潜り込んでいると思われます)もテロを起こす可能性があります。自衛隊や警察で鎮圧できれば良いでしょうけど、手薄になる可能性もあります。民間人を監視の目として使うようにシステム化しておくことが良いのでは。スマホや携帯の写真が地元警察にアップでき、それで警察が警官を差配、足りなければ自衛隊の出動も要請するような仕組みを考えて行かねば。テロリストの武器が何かによっても一般国民が撮影できるかという問題はあります。また、毒ガス散布の時に警官用のガスマスクと化学知識は必要と思われますが、大丈夫かどうかです。平和に狎れ、ずっと危機を考えて来なかったためやることは沢山あります。与野党で協力してと言ったって、「共謀罪」辺りで審議拒否するくらいですので(野党は慌てて別案を出すとのこと。妨害以外の何物でもない)。こんな政治家を当選させる国民が悪いでしょう。立法府は法律を作るのが仕事です。妨害して法律を作らせないのであれば職務怠慢で賃金カットしろと言いたい。
今の所、米朝戦争にまで行きませんが、猶予は秋の共産党人事までと思っています。その間に①金正恩が亡命②核・ICBM放棄が実現すれば戦争は起きないでしょうけど、確率はかなり低いと考えます。南の文大統領の北ヘのアプローチの仕方も変数の一つとなります。渡邉哲也氏のfacebookによれば「制裁破りを韓国がすれば米国の金融制裁を受け、$が使えなくなる」とのこと。日本企業もウオンを貰っても仕方ないでしょう。早々と韓国から撤退すべきです。
本記事のように、自衛隊のテロへ見積りが甘い可能性もあります。敵国・中国の揺さぶりも考えられますので、自衛隊員の配置には目配りが必要とは思いますが、精度を上げて行ってほしいです。
記事
核実験の継続を示唆するなど、予断を許さぬ北朝鮮情勢。日本政府はミサイル攻撃時に国民をいかに守るのかといった防衛策や、有事の際に日本に大量流入するかもしれない難民をどうやって保護するのかといった対応策を急ぎ検討しているという。 だが、仮に有事につけ込んで北朝鮮国内で訓練を積んだ軍の特殊部隊が日本への侵入を企てたら、果たして上陸を「阻止」することなどできるのだろうか--。朝鮮半島問題研究家で近著に『北朝鮮恐るべき特殊機関』がある宮田敦司氏がシミュレーションする。 * * * 安倍晋三首相は4月17日に開かれた衆院決算行政監視委員会で、北朝鮮難民が大量に日本へ漂着した際に、工作員や特殊部隊員が混ざっている可能性について触れている。 〈日本政府は最大数万人の難民が船で日本海を渡ってくると想定しており、日本海側に数カ所の拠点となる港を選定し、その拠点港において身元や所持品を調べ、北朝鮮の工作員やテロリストの入国を防ぐ。また、北朝鮮が韓国を攻撃した場合は韓国からも難民が来ると想定し、臨時収容施設の設置計画を検討するとしている〉(毎日新聞・電子版/2017年4月28日) つまり、特殊部隊員が難民を装って日本へ侵入する可能性があるのだ。政府は「工作員やテロリストの入国を防ぐ」としている。テロリストとは人民軍偵察総局に所属する特殊部隊員を指していると思われるのだが、どのように「入国を防ぐ」のか筆者には想像できない。 工作員やテロリストが、武器や爆発物などを所持したまま検査を受けることは考えにくいし、そもそも、工作員やテロリストが民間人と一緒に検査を受けることはないだろう。最後まで難民を装って侵入するつもりならともかく、漂着した海岸に上陸する可能性が高いからだ。
2003年から2005年にかけて、防衛庁(当時)と陸上幕僚監部が、北朝鮮軍の特殊部隊員が侵入した場合の対応について検討したことがある。現在の防衛省が新たな対応策を策定したという報道がないため、おそらくこの計画は現在も踏襲されていると思われる。 防衛庁は、日本海沿岸に高速艇や潜水艇で侵入を試みる特殊部隊に対し、海上自衛隊が80パーセントを撃退、陸上自衛隊が沿岸部で残る勢力の4分の3を撃退。残り5パーセントが内陸部への侵入に成功すると想定している。 侵入する人数については、防衛庁は数百人、陸上幕僚監部は800~2500人と想定している。 防衛庁はもともと数千人の特殊部隊員による侵攻を想定していたのだが、米軍が「多くても数百人」と主張したため、日本側が歩み寄って「数千人」を「数百人」に変更し、基本的に自衛隊が単独で対処することにしたという経緯がある。 ◆特殊部隊の捜索 特殊部隊員が内陸部に侵入した場合、陸自は6000人で対応するとしている。その内訳は、上陸地点を囲む第一次包囲環(網)に3000人。第一次包囲網の内側に普通科、戦車部隊など約1000人が二次包囲網を形成して追い詰める。このほか、包囲する部隊の戦闘を後方で支援する施設、対空防護部隊などに2000人を配備するというものである。 本稿では防衛庁が想定している「十数人」というのを12人と仮定して計算する。偵察総局の特殊部隊員の最小行動単位は3人といわれているため、上陸した兵員が12人の場合、4組のグループに分かれる可能性が高い。このため、4組が侵入したとするとして計算すると、捜索に2万4000人(6000人×4組)が必要となる。
◆帳尻合わせの机上の空論 防衛庁の想定では、海自が80パーセントを「撃退」するとしているが、日本へ接近する北朝鮮海軍の艦艇の数がわからないうえ、漁船で上陸を図るだろうから、「80パーセント」とする根拠となる数字が分からない。 また、「撃退」の方法も分からない。「撃沈」するのは簡単だが「撃退」するのは相当難しい。体当たりして妨害するのだろうか。 それに、漁船をいきなり撃沈するわけにはいかないだろうから、停船させて「護衛艦付き立入検査隊」が船内を調べることになる。しかし、もしこの漁船に特殊部隊員が乗り組んでいたら、海自は死傷者の発生を覚悟しなければならない。 陸自も沿岸部で残る勢力の4分の3を「撃退」するとしているが、海自と同様にその手段がわからない。海岸から威嚇射撃しても一時的に沖合に逃げるだけだろう。 それに、「撃退」したからといって、素直に北朝鮮へ戻るという保証はない。燃料が続く限り、何度でも上陸を試みるだろう。自衛隊に妨害されたからといって、おめおめと北朝鮮へ戻ったら、どんな処罰が待っているかわからない。 防衛庁が参考にしたという韓国での上陸事件「江陵潜水艦座礁事件」では、座礁した潜水艦の乗組員および工作員計26人に対し、韓国陸軍は東京都の3倍の面積を約50日間にわたり1日最大6万人を投入して掃討作戦を実施した(実際には、潜水艦乗組員は上陸直後に集団自殺したため、捜索対象は工作員3~4人。最終的に1人を発見できないまま捜索終了)。 東京都の3倍の面積を捜索した理由は、偵察局所属の工作員が山岳地帯を一日で移動できる距離を考慮した結果である。 このような大規模な捜索が行われた「江陵潜水艦座礁事件」の、どの部分を参考にしたら6000人という数字になるのか、その根拠が全く分からない。韓国と同様に6万人というのなら理解できるのだが。
◆通じない朝鮮語 上陸した特殊部隊員との戦闘の主力は、陸自の中央即応集団(約4500人)となるだろう。陸自は小平学校で韓国語の教育を行っているため、中央即応集団の一部の隊員も韓国語の教育を受けているだろう。しかし、小平学校の教育内容は「韓国語の標準語」であるため、最前線で韓国語が通じることはないだろう。 北朝鮮特殊部隊員との戦闘の主力は、陸自の特殊作戦群(約300人)と西部方面普通科連隊(約660人)となるだろう。特殊作戦群の一部の隊員は韓国語の教育を受けている。しかし、最前線で韓国語が通じることはないだろう。 自衛隊が不審者を発見した場合、その人物が北朝鮮の特殊部隊員である可能性があったとしても、いきなり射殺するわけにはいかない。特殊部隊は韓国へ侵入する場合は、民間人を装うか、韓国軍を装うことになっている。このため、日本でも民間人を装って行動するだろう。 相手が特殊部隊員であることを確認するために、自衛隊は日本語と韓国語で「誰何(すいか)」することになる。しかし、相手が朝鮮語で返答してきたら、おそらく意味が分からないだろう。 最前線では怒号のようなやり取りになるだろうから、特殊作戦群の通訳を担当する隊員はかなり高度な語学力が必要となる。 ◆“非現実的”な想定 防衛庁の計画は、特殊部隊の能力を十分に考慮しているとは思えず、非現実的であると言わざるを得ない。陸上幕僚監部が出した数字のほうが現実的だ。 陸自に有事に迅速に対処するための「中央即応集団」、海自に特殊部隊である「特別警備隊」が創設されたことで、自衛隊は将来起こりうる事態に対処することが可能となりつつある。これらの部隊の訓練は厳しく、隊員個人の能力も高い。アメリカ軍の特殊部隊とは規模が違うため単純に比較することはできないが、個々の隊員の能力はアメリカ軍に匹敵しているだろう。 しかし、隊員の能力がいくら高くても、数字を合わせるだけでは、北朝鮮の特殊部隊の上陸を阻止できないし、上陸した部隊を壊滅させることもできない。防衛庁は侵入する特殊部隊員の人数を「数千人」から「数百人」に1ケタ減らしているわけだが、政治的な理由で簡単に減らしていいのだろうか? これまでは現場(制服組)の意見を無視した、政治家や官僚主導による数字の帳尻合わせで良かったのかもしれないが、そろそろ現実を直視しなければならない時期に入っているのではないだろうか。 ここに書いたことが、筆者の杞憂であることを願いたい。 ●みやた・あつし/1969年愛知県生まれ。朝鮮半島問題研究家。1987年航空自衛隊入隊。陸上自衛隊調査学校修了。北朝鮮を担当。2005年航空自衛隊退職。2008年日本大学大学院総合社会情報研究科博士後期課程修了。近刊に『北朝鮮恐るべき特殊機関』(潮書房光人社)がある。
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『中国の「ブタ少将」が突然持ち上げられ始めた不思議 祖父は毛沢東、ネタ将軍をもう笑ってはいけない』(5/8JBプレス 安田峰敏)について
毛新宇はすっとぼけた男との印象を受けます。それが人気キャラになっているのに、共産党は無理に神格化するつもりでしょうか。無粋の一言です。共産党は経済がダメになりそうなので強権を以て人民を弾圧するつもりです。「人民的名义=人民の名に於いて」というTVドラマが3月~4月にかけて放映されて人気を博したとのこと。何となく王岐山のやっていることをプロパガンダのために創作劇として放映したとしか思えません。ただ「人民的名义」は最高検察庁が作ったので、王岐山は不満に思い、中央紀律検査委員会でTVドラマ「脊梁=背骨」というのを対抗して作ったとのこと。権力争いの一部でしょう。
中共は「五毛帮」や「スパイ密告への奨励金制度」等、市民監視を強化しています。裏を返せば、習がそれだけ焦りを感じているという事でしょうけど。日本の左翼メデイアは共産党の危険性については一切報道しませんが。
本記事にありますように、中国と北朝鮮が戦争になった場合、或は米国が北朝鮮を攻撃するときに備えて、毛新宇を神格化して、「あの当時は中国が参戦したので今の北朝鮮があるのに、恩を忘れて」と国民に刷り込むためなのでしょう。共産主義は文化・芸術・歴史・経済・政治、総ての分野においてプロパガンダします。嘘が多く含まれるため、価値のないものになります。プロレタリア文学や彫刻などその最たるものでしょう。
記事

さんざんネタにされてきた毛沢東の孫はなぜいきなり賞賛され始めたのか?
中国に『環球人物(グローバル・ピープル)』という、グローバルな人物を特集するコンセプトの国際時事誌がある。登場するのは、トランプ、朴槿恵、カストロといった各国の元首や、孫文や溥儀などの歴史的人物が多い。
ただ、『環球人物』は党中央機関紙『人民日報』の傘下メディアだけに、国家元首である習近平がしばしば表紙を飾るほか、国策ドラマの主役俳優などが登場することも少なくない。特に中国国内の存命人物が特集される場合は、党中央から政治的に正しいと認定され、政策的に後押しをしたいという意図を反映している場合が多いようだ。
今年4月、そんな『環球人物』誌の表紙を意外な人物が飾った(下の写真)。毛新宇(もうしんう)、すなわち新中国建国の父である毛沢東の男系唯一の孫である。

『環球人物』。毛新宇が登場したのは20174月1日号(右)である。
(*配信先のサイトでこの記事をお読みの方はこちらで本記事の図版をご覧いただけます。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/49937)
党中央党校の修士号と中国軍事科学院の博士号を持ち、2008年には全国政治協商会議(日本の参議院に相当)の議員に就任、2010年には40歳にして当時の中国で最も若い少将に任官するという、華やかな政治経歴と軍歴で知られる「エリート将官」だ。
いじられ続けてきた「ブタ少将」
もっとも、この毛新宇は従来、中国のネット世論上で有数の愛されキャラとして知られてきた。理由は彼の華やかな経歴ゆえではない。ストイックな革命戦士の子孫にしてはユーモラスすぎる外見と、メディアの取材を受けた際に発する独特の“カンピューター”発言の数々に加えて、書法家としても知られた毛沢東の子孫とは思えないほど個性的な文字を書く点がネタとしてバカ受けしていたためである。

中国のネット上において、毛新宇はしばしばネタにされてきた。
有名なところでは、2010年12月にフェニックステレビのインタビューを受けた際の以下の動画が秀逸だ。
当時、私は毛新宇ウォッチャーの1人としてこのインタビュー内容を意訳したことがあるので、一部を以下に紹介しておこう。
* * * *
インタビュアー:現代社会にはさまざまな問題があります。特に20~30代の若者が非常に関心を持っている、例えば不動産価格の高騰といった問題についてですね、閣下は平時よりご関心をお持ちになっておられるのでしょうか。
毛新宇:あーん、うーむ・・・。不動産となあ・・・。いや、実のところを言うと、自分はこの手の話にはあんまり詳しくないのだなあ。わははは。
インタビュアー:そうですか。
毛新宇:まあ不動産について言うなら、こういうことは重視するべきではないこともないのではないかな。うん。
インタビュアー:あの、『カタツムリの家』という中国の人気ドラマをご覧になったことはございますか?
毛新宇:あーん、見たことないなあ。
インタビュアー:はあ。
毛新宇:あーん、しかしだな、不動産の問題とはいわゆる1つの現実的な問題だと思うし、いわゆる1つの気づきのようなものを自分に与えてくれるなあ。自分はだね、教育問題と生態環境問題と国防軍隊の建設問題と企業の発展問題に興味を持っているわけだが、今後は君が指摘してくれた例のあの、民生の方面についてもだね。実のところ自分はこの問題について強調しておきたいことがあるのだよ。ええと、民生の方面ではやはり医療問題を重視するべきだと思うね。医療と不動産こそ、民生の方面で特に重要な二大問題だ。
インタビュアー:ええ、最近は「房奴(=不動産奴隷)」という言葉も非常に流行していますね。
毛新宇:そうだなあ・・・。いわゆる1つの不動産、いわゆる1つの医療がだね、最も現実的で困ったことなのだよ。
インタビュアー:はあ。
毛新宇:特に両者を比べると、やっぱり医療の問題が重要なんだがね。だって、人間の健康に関わるからな。
インタビュアー:閣下は不動産については・・・。
毛新宇:医療の問題というのはいわゆる1つの、つまり薬代の問題だよ。薬ね。薬代の問題。まあ実のところ医療と教育の問題というのはだな、やはりいわゆる、1つのまあカネの問題からは不可分の問題だなあ。病院に行ってもカネがかかる。特に、やはり薬代の問題だ。
インタビュアー:はあ、ははは・・・。
* * * *
彼の個性について大体ご理解をいただけたかと思う。ゆえに従来、中国のネット上では毛新宇をネタにした数多くのコラージュ画像や爆笑動画が数多く作られてきた。あだ名はずばり「ブタ少将」である。
上記のフェニックステレビのインタビュアーの姿勢からも分かるように、2010年代の前半ごろまではネット世論のみならず政府系の正規メディアですらも、彼を小馬鹿にしたような報じ方が目立った。
「エリート将官」毛新宇の華やかな学歴や肩書きは、彼の血筋に敬意を払った中国政府による一種の恩恵処置にすぎない。従来、毛新宇が本当にそのキャリアにふさわしい能力の持ち主だと思っていた中国人は、きっと彼本人をのぞけば世界に誰一人としていなかったことだろう。
表紙を飾りベタ褒めという異常事態
それゆえに、今年4月の『環球人物』で毛新宇が巻頭18ページを使って特集されて表紙を飾ったのは、通常ならば到底ありえない異常事態だった。しかも、記事の内容は一貫してベタ褒め調であり、従来のようなネタ扱いはまったくなされていない。例えば冒頭のリードは以下のような文面である。
“毛新宇は中国人民解放軍軍事科学院軍事戦略研究部の副部長であり、少将でもあり、また部隊を率いつつ科学研究をおこなう学者でもある。学術研究と政治協商会議の調査研究のことを語りだせば、彼は常に理路整然としており、話は滔々として絶えることがない。もちろん、記者と彼との何回かの面談では、話の内容は彼の学問と職務のみにとどまらず、彼の家庭と生活にも及んだ。話題が祖父(注.毛沢東)や両親・伯父(注.毛沢東の長男・毛岸英)のことに及ぶたび、彼の談話は深い情緒で満たされた”
本物の毛新宇が「常に理路整然と」話をする人物か否かは、先に引用したインタビュー内容を一見しただけでも明らかだろう。
おまけに毛新宇は、普段の『環球人物』で特集が組まれている「グローバル人材」の政治家や企業家と比べて、能力や政治的な地位・人望などのいずれの面も比較にすらならない。なんせ公人としての彼は、『爺爺激励我成長(祖父は私の成長を応援してくれた)』といった一連の毛沢東関連書籍の刊行や、同様の内容の講演ぐらいしか業績がないのだ。
『環球人物』の今回の特集がいかに不自然か、すでにおわかりいただけたかと思う。
突然の賞賛報道が意味するもの
今回、毛新宇がやたらに持ち上げられはじめた背景の1つは、やはり習近平体制の成立後の中国における、イデオロギー面での締め付けが関係していると思われる。
そもそも従来の中国における「毛新宇いじり」は、当局による言論統制環境がユルみ、婉曲な形さえ取ればネット世論やメディアが政府批判をかなり活発に行うことができた胡錦濤政権時代(2003~2013年)ならではの出来事だったと見ていい。だが、毛沢東の縁者をお笑いのネタにする行為は、ひいては中国共産党・人民解放軍の権威や紅二代(革命元勲の師弟、習近平もこれに属する)の名誉を傷付ける。ゆえに現在のおカタい習近平政権のもとでは、彼をバカにするのはまかりならぬというわけである。
また、記事からはもう1つの怪しいメッセージも読み取れなくはない。キーワードは朝鮮戦争だ。かつて中国は北朝鮮を援助して朝鮮戦争を戦い、中国国内でこの戦争は「抗美援朝戦争」(「美」はアメリカの意)と呼ばれている。毛沢東の長男で、毛新宇の伯父にあたる毛岸英がこの戦争に従軍・戦死したいわくつきの戦争でもある。
『環球人物』の毛新宇特集は、朝鮮戦争についてしばしば言及している。毛新宇が1986年に他の高級幹部の朝鮮戦争戦死者遺族とともに北朝鮮を初訪問したこと、このときと1990年に金日成に2度会ったこと、従来の訪朝経験は5回あって最新の訪朝は2010年であることなどを記しているほか、毛岸英の戦死についても再三紹介している。
北朝鮮の核危機の進展と中朝関係の悪化が伝えられる現在、わざわざ毛沢東の孫の口から、北朝鮮の建国時に中国が払った犠牲や中国側が売りつけた恩義、往年の金日成とのつながりについて詳しく語らせたのは、やはり中国当局による国内向けの一種のメッセージが含まれていると見るべきだろう。
5月3日、北朝鮮の朝鮮中央通信は「敵対勢力(=アメリカ)とぐるになっている」と中国を名指しで批判する異例の主張を行った。今後、中朝関係のさらなる悪化や局地的な軍事衝突が発生した場合に備えて、中国当局が「恩知らずの北朝鮮」という国内向けの宣伝を展開していく小さな布石の1つであったと考えてもいい。
従来は中国ネット世論の「楽しいおもちゃ」だったネタ将軍が、最近になってシャレにしづらい政治的な意味を担わされはじめたのは、個人的には実に世知辛い思いがする。面白がって大爆笑するしかないネタなのに「笑ってはいけない」。そんな近年の中国のイデオロギーの締め付けを反映する話だと言えるのではないだろうか。
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『米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国 同盟の義務を放擲したうえ逆恨み』、『文在寅大統領が誕生。米韓同盟は「持つ」のか 反米親北政権」が招く北東アジアの更なる混乱』 (5/9日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『中朝関係崩壊、正恩氏暴挙に北内乱寸前 懸念は韓国大統領選、米国重大決断も』(5/9ZAKZAK)について
人の不幸を願い、嘘に塗り固められた妄想に生きる民族が朝鮮人です。北も南も一緒です。韓国の大統領には予想通り文在寅が選ばれました。今後、米・中・北・南の思惑がどういう展開になるのかは全く分かりません。南の軍部の中には北に内通するのもおり、文に対し、クーデターを起こす力はないでしょう。日本の自衛隊は、民主主義的手続きを経て共産主義政権が樹立された場合(万が一にもないと思いますが、5/9参院・予算委で安倍首相は小池晃共産党書記局長に「小池さんが総理になったら、私が自衛隊は違憲ですかって訊くんですよ。その時違憲って答えたら、その瞬間、自衛隊は解散ですね」と煽ってましたが)、クーデターが起こせるのでしょうか?三島の死を無駄にはしてほしくありません。毛・スターリン・ポルポト等の共産主義国家の虐殺・粛清・密告等、人を人とも思わないことが為されてきた歴史を振り返れば、軍事国家が未だマシに見えます。共産主義が日本に蔓延るとすれば中共の侵略以外にはないと思いますが。国民が一致団結して中共の侵略を撥ね返さないと。
今後の展開で、北が核とICBMを諦められるのかどうか?金正恩がクーデターで打倒されるのかどうか?米軍が空爆でなく、斬首作戦を実行するのかどうか?ただ、文と南の軍部が、国連軍の作戦行動を洩らす可能性があります。裏切りには「お仕置き」が必要です。戦時作戦統制権を米軍が握っている間に、米軍単独で行動し、北の金正恩を排除すれば良いでしょう。在韓米軍と日本にミサイルが飛んでこなければ、ソウルが北のロケット砲で火の海になろうと知ったことではないと米国は思うのでは。ただ金正恩を排除しても北の軍が核とICBMを諦められるかどうかがポイントですが。
米朝戦争の影の主役と言われる中国がどう出てくるかも見物です。経済制裁で本当に石油を止められるかどうか?(青山繁晴氏の情報に依れば、中国はハリス司令官のクビを差し出さないと制裁しないと本気で言ってるそうです。http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2052.html)止めれば、金正恩は狂って中南海に核ミサイルをぶち込むかもしれません。米国にミサイルが届かなくとも、北京でしたらノドンかテポドンで充分届きます。中国は「なんちゃってミサイル防衛システム」しか持っていません。データリンクしていなければ、マッハで飛んでくるミサイルは撃ち落せません。報復で核ミサイルをお見舞いするだけです。でも北の核ミサイル発射後、瀋陽軍が北京に進軍するかもしれません。米国も中朝の争いには関与できないでしょう。秋の中国共産党大会と米軍の動きに注目しておきましょう。いろんな動きが出て来る筈です。でも日米の目標は、第一ステップは北の脅威の排除、第二は中国の脅威の排除です。
http://www.thutmosev.com/archives/67097279.html
鈴置記事

「北朝鮮の核問題を解決するためのすべての選択肢がテーブルの上にある」とする米国に対し、韓国は明確な支持を表明しない。ペンス副大統領と黄教安大統領代行の会談でも、進展はなし(写真:ロイター/アフロ)
(前回から読む)
国家の存亡がかかる時というのに、韓国は米国から「捨て駒」扱い。日本に八つ当たりして憂さを晴らすのが関の山だ。
「属国扱い」で大騒ぎ
—「中国の属国扱いされた」と韓国人が怒っている、という話で前回は終わりました。
鈴置:ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)との会見でトランプ(Donald Trump)大統領が「韓国は歴史的に中国の一部だった」と語りました。「WSJ Trump Interview Excerpts: China, North Korea, Ex-Im Bank, Obamacare, Bannon, More」(4月12日、英語版)です。
韓国メディアは大騒ぎ。記者会見などを通じ、米中両国政府に発言の真意を質しました。保守系3紙はこぞって社説で怒りを表明しました。
中国政府にも質したのは「(4月6、7日の)米中首脳会談で習近平主席からそう説明を受けた」とトランプ大統領が語ったからです。
—韓国人は「属国ではなかった」と言い張るのですか?
鈴置:「属国問題」に関し、韓国には定番の「説明」があります。今回も東亜日報がその理屈を展開しています。
4月20日の社説「『韓国が中国の一部だった』との習近平の認識 韓中関係の障害に」(韓国語版)から引用します。
- 近代以前、中国と周辺国は朝貢関係を結んでいた。知識のない人が見れば、帝国と植民地の関係に見えるが、実態は西洋の主権国家同士の関係と変わらないというのが歴史学界の定説である。
貢女も独立門も
—本当ですか?
鈴置:強弁です。朝鮮半島の歴代王朝は中国の歴代王朝に朝貢し、冊封体制下にありました。王が即位するには中国の皇帝の承認が要りました。若い女性も制度的に貢いできました。それを指す「貢女」(コンニョ)という言葉もあります。
これらからすれば「主権国同士の関係だった」とはとても言えません。「歴史学界の定説」部分も「韓国の歴史学界の定説」と言うべきでしょう。
ソウルには1897年に建てられた「独立門」という名の建造物があります。日清戦争(1894―1895年)の結果、朝鮮朝は清の冊封体制を離脱することができました。
その「独立」を内外に示すために作られた門です。韓国人もそれまでは「独立していなかった」と認識していたことを証明しています。
—なるほど。
鈴置:ただ、朝鮮半島の人々は「中華帝国の一部」であることを誇りとしてきました。韓国語のSNS(交流サイト)では「日本人は劣った民族である」といった会話が盛り上がります。日本人が中華帝国の外の「化外の民」――野蛮人だったとの認識からです。
一方で、韓国人は中国に根深い恐怖心を抱いています。地続きの超大国、中国との戦争で負け続け、支配されてきたためです。
韓国メディアが「天皇」を「日王」と表記するのは、「皇」という漢字を使えるのは中国だけなのに、日本ごときに使っては中国から叱られると考えるからです。
日本の植民地になったこともない
—昔、朝貢していたにしろ「今はもう、属国ではない」と主張すればいいのではないですか。
鈴置:そう思います。誰しも過去は変えられないのですから。しかし韓国人はそう考えません。理由は2つあります。
韓国が豊かになるほどに「我が国はずうっと独立国だった」と思いたくなったのです。「系図買い」の心境です。
だから日本の植民地支配も「なかったこと」にしようと「あれは日本の不法占拠だった」と強調し始めたのです。
もう1つは中国が再び強くなるに連れ、その言うことに逆らえなくなったことです。「属国に戻りつつある」と内心忸怩たるものがあるからこそ「昔は属国だった」と指摘されると、逆切れするのです。
米中が対立する案件の多くで、同盟国の米国ではなく中国の言いなりになる(「米中星取表」参照)。そんな韓国を見て、米国人が首を傾げます。「世界最強の同盟国をないがしろにして、何であんな非民主主義国にゴマをするのか」というわけです。
| 米中星取表~「米中対立案件」で韓国はどちらの要求をのんだか (○は要求をのませた国、―はまだ勝負がつかない案件、△は現時点での優勢を示す。2017年5月8日現在) |
| 案件 | 米国 | 中国 | 状況 |
| 日本の集団的自衛権 の行使容認 | ● | ○ | 2014年7月の会談で朴大統領は習近平主席と「各国が憂慮」で意見が一致 |
| 米国主導の MDへの参加 | ● | ○ | 中国の威嚇に屈し参加せず。代わりに「韓国型MD(ミサイル防衛)」を採用へ |
| 在韓米軍への THAAD配備 | △ | ▼ | 韓国は「要請もなく協議もしておらず決定もしていない(3NO)」と拒否していたが、朴槿恵大統領の弾劾訴追後の2017年2月28日にようやく米軍への用地提供を決定 |
| 日韓軍事情報保護協定 (GSOMIA) | △ | ▼ | 2012年6月、中国の圧力もあり韓国が署名直前に拒否。締結を望む米国に対し、朴槿恵大統領は「慰安婦」を理由に拒否。しかし下野要求デモが激化した2016年11月突然に締結 |
| 米韓合同軍事演習 の中断 | ○ | ● | 中国が公式の場で中断を要求したが、予定通り実施 |
| CICAへの 正式参加(注1) | ● | ○ | 正式会員として上海会議に参加。朴大統領は習主席に「成功をお祝い」 |
| CICAでの 反米宣言支持 | ○ | ● | 2014年の上海会議では賛同せず。米国の圧力の結果か |
| AIIBへの 加盟 (注2) | ● | ○ | 米国の反対で2014年7月の中韓首脳会談では表明を見送ったものの、英国などの参加を見て2015年3月に正式に参加表明 |
| FTAAP (注3) | ● | ○ | 2014年のAPECで朴大統領「積極的に支持」 |
| 中国の 南シナ海埋め立て | ● | ○ | 米国の「明確な対中批判要請」を韓国は無視 |
| 抗日戦勝 70周年記念式典 | ● | ○ | 米国の反対にもかかわらず韓国は参加 |
(注1)中国はCICA(アジア信頼醸成措置会議)を、米国をアジアから締め出す組織として活用。 (注2)中国はAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立をテコに、米国主導の戦後の国際金融体制に揺さぶりをかける。 (注3)米国が主導するTPP(環太平洋経済連携協定)を牽制するため、中国が掲げる。
彼らに「冊封体制」下の人々の旧・宗主国への恐怖心を説明すると、ようやく疑問が解けたという顔をします。トランプ大統領がWSJにわざわざ「韓国は中国の一部だった」と語ったのも、そんな納得感からかもしれません。
なお、ベトナム人には韓国人のような鬱屈はありません。ベトナムの王朝も中国の王朝に朝貢したことがありましたが、戦争でしばしば勝ったからです。最近では中越戦争(1979年)で、中国の侵略軍を散々に打ち負かしました。
中国人も「ベトナムは属国だった」などと下には見ません。そんなことを言えば「属国に負けたのか」と笑われてしまうからです。
THAADの代金を払え
—韓国人は「本当のことを言ってしまった」トランプ大統領に不信感を持ったでしょうね。
鈴置:不信感は膨らむ一方です。「トランプの暴言」がその後も続いたからです。トランプ大統領は4月27日、ロイターに対し「韓国政府はTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)の代金として10億ドル(約1100億円)払うべきだ」と語りました。
記事は「Exclusive: Trump vows to fix or scrap South Korea trade deal, wants missile system payment」(4月28日、英語版)です。
在韓米軍へのTHAAD配備問題は、韓国が米中の間で板挟みになったいわくつきの案件です。結局、北朝鮮との緊張が高まる中、4月26日未明に慶尚南道星州(ソンジュ)に緊急配備されました。
この発言も、これまた各紙が一斉に取り上げる「社説ネタ」になりました。韓国政府は国民に対し「土地は韓国が提供するが、THAADの機材は米国が負担する」と説明していたからです。
中央日報の社説「理解できないトランプ大統領の『THAAD費用10億ドル要求』=韓国」(10月29日、日本語版)は韓国人の当惑を隠しませんでした。ポイントは以下です。
- 韓米は昨年、THAAD展開および運営費は米国が負担し、韓国は場所を提供することで合意している。ところが突然、国家間の合意を無視して韓国に追加負担を要求した。
- THAADのために防衛費分担金(韓国側負担駐留経費)を増額するのも限界がある。昨年は9441億ウォン(約940億円)だった。トランプ大統領の内心は分担金の大幅引き上げのようだ。今年末に始まる防衛費分担金交渉で相当な増額は避けられない見通しだ。
保守候補は不利に
—トランプ大統領が要求した10億ドルは韓国の防衛分担金の1年分に相当します。
鈴置:ええ、巨額の負担増となります。韓国人にとって、もっとショックだったのは、この発言が大統領選挙で左派候補を勢い付かせるものだったことです。
THAAD配備で韓国は中国からいじめられています。韓国製品の不買運動や中国人の韓国向け観光旅行の制限が続いています。
THAADの配備場所を提供したロッテグループは、消防法違反として中国全土の量販店を閉めさせられました(「中国が操る韓国大統領レース」参照)。
THAADを容認する保守・中道候補はただでさえ苦しい立場にあります。そこに米国大統領が「巨額の代金を支払え」と命じてきたのです。選挙戦でますます不利になるのは確実です。
すかさずというべきか4月28日、配備に反対する「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補は、配備容認に転じた中道の「国民の党」の安哲秀(アン・チョルス)候補に対し「10億ドルを我々が負担しても配備に賛成するのか」「(韓国が配備に)無条件で賛成するから、費用も出せということになる」と攻撃しました。
その様子は日経の「THAAD配備費1100億円 トランプ氏、韓国に要求」(4月29日)が報じています。
米国は同盟を打ち切るつもりか
韓国人の心をよぎったのは「米国から見捨てられる不安」でした。文在寅候補が当選すれば、親北反米政策にカジを切ると見られている。というのに、国民の反米感情をかき立てる「中国の一部」発言や「THAADの代金を払え」発言で、韓国の反米派の当選を後押しするトランプ大統領……。
もう、米国には韓国との同盟を維持する意思はないのではないか――と韓国人、ことに親米保守は絶望的な心境に陥りました。
韓国経済新聞の社説「トランプ大統領の相次ぐ対韓圧力、『韓米同盟見直し』の信号弾か」(5月2日、日本語版)が、そんな懸念を吐露しています。
- トランプ大統領発言は、妙なことに北朝鮮を扱う最近の中国の動きとも重なる。北核阻止レベルでは望ましいが、中国の対北朝鮮警告・メッセージも非常に激しく直接的だ。
- あたかもトランプ―習近平会談で、両者間に方法論的な共感が形成されたのではという考えになるほどだ。
- 血盟の韓米同盟であっても運営方式や発展方向ではいくらでも変わる可能性がある。韓国には費用負担増加以上になることも考えられる。
オブラートに包んで書いていますが、要は「中国が北朝鮮に核を放棄させる一方、米国は韓国との同盟を打ち切るか、形骸化する」との談合が進んでいるのではないか、との恐怖感です。
そうした米中の「大きな取引」の可能性は、すでに世界のメディアが指摘しています(「『米韓同盟』も『中朝』も賞味期限切れだ」参照)。
同盟国の義務にそっぽ
—なぜトランプ政権は突然、韓国に冷淡になったのでしょうか。
鈴置:韓国の自業自得です。この肝心な時に、米国の同盟国としての義務を果たそうとしないし、今後も果たすつもりがないことを韓国が明らかにしたからです。
米国政府は「北朝鮮の核問題を解決するためのすべての選択肢がテーブルの上にある」と繰り返し表明しています。「対話を捨てたわけではないが、軍事行動も辞さない」との宣言です。
日本政府は当然、「テーブルの上にある」表明を支持しました。米国と足並みをそろえることで対北、対中圧力を増すためです。
例えばペンス(Mike Pence)副大統領が4月18、19日に日本を訪れた際の安倍晋三首相の発言は以下でした。外務省のホームページの「ペンス米国副大統領による安倍総理大臣表敬」から引用します。
- 安倍総理からは、外交を通じて平和を守ることが重要であることは言うまでもない、同時に、対話のための対話では意味がない旨述べつつ、北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、圧力をかけていくことが必要である旨発言し、トランプ政権が、これまでの「戦略的忍耐」という考え方をとらず、「全ての選択肢がテーブルの上にある」という考え方に立って問題に対処しようとしていることを、我が国として評価している旨述べました。
「テーブルの上」表明を支持せず
—確かに、日本は明快に米国の軍事行動を支持しています。
鈴置:ところが韓国政府は「すべての選択肢がテーブルの上にある」との表明を支持しないのです。ペンス副大統領は訪日前の4月16、17日に韓国を訪れて、大統領権限代行の黄教安(ファン・ギョアン)首相と会っています。
不思議なことに、韓国の国務総理室のホームページの「報道・解明資料」欄(韓国語)に、普通なら載るはずのペンス副大統領との会談に関する報道資料が見当たりません。
会談後の記者会見で、ペンス副大統領は「テーブルの上」発言を繰り返し、先制攻撃も辞さない姿勢を明確にしました。が、黄教安首相は北朝鮮の軍事行動への「反撃」は強調したものの、「先制」には言及しませんでした。
朝鮮日報の「ペンス『戦略的忍耐は終わった 北はトランプを試すな』」(4月18日、韓国語版)などでそれが分かります。
—なぜ、韓国政府は「テーブルの上」を支持しないのでしょうか。
鈴置:第2次朝鮮戦争の勃発を恐れているのです。
—いくら戦争が嫌といっても、このまま行けば北朝鮮は核武装します。韓国にとって国の命運がかかった問題のはずです。
鈴置:韓国人は戦争を決意できないのです。全面戦争となれば、ソウルは北朝鮮の長距離砲やロケット砲の攻撃にさらされる可能性が高く、日本以上に被害が大きいと考えられています。
それに米国の軍事行動を支持しただけで、中国との対立が深まるからです。中国は米国の軍事行動に反対していますから、賛成すれば、中国からどんなしっぺ返しをされるか分かりません。今でさえTHAAD配備問題で、中国から激しくイジメられているのです。
「スクラム拒否」の候補者ばかり
—そうは言っても、国の存亡がかかっている問題です。
鈴置:韓国には、前にも説明したように「旧・宗主国」への服従心と絶望的なまでの恐怖感があるのです。
今回の大統領選挙に出馬した有力候補者5人全員が軍事攻撃には及び腰で、「あくまで話し合いで解決すべきだ」と主張しています。
4月13日、5人を集めた1回目の討論会が開かれました。聯合ニュースの「大統領選挙討論 米国の対北先制攻撃を仮想した質問に多様な処方―1」(4月13日、韓国語版)で関連部分を読めます。
司会者は真っ先に「もし、米国が北朝鮮に軍事行動を実施しようとした際、どうするか」と聞きました。
5人の候補者のうち4人が「米中と電話で協議する」と答えました。この答は答になっていません。韓国がいくら米中と相談しても、煮詰まった状況下で米国の軍事行動は止められないからです。
保守の「正しい政党」の劉承旼(ユ・スンミン)候補だけが「北朝鮮による我々への攻撃が差し迫った時は、米国による先制攻撃は自衛権的な措置だ」と語りました。
が、「テーブルの上」を支持するとまでは言わず、「米国と緊密に協議する」と答えました。要は「話し合い」路線です。
5人の発言をトランプ大統領が聞いたら、韓国という国に落胆したことでしょう。なぜなら現時点で必要なのは、米日韓がスクラムを組んで北朝鮮と中国に圧力をかけることです。
というのに、誰が大統領に当選しても韓国の次期政権は「テーブルの上」に賛同しないことが明らかとなった。
中国や北朝鮮から「最大の利害関係者でお前の子分の韓国が、軍事オプションに反対しているぞ」とあざけ笑われてしまいます。
トランプ大統領が「韓国は中国の一部だった」と見下すような発言をしたのも、「THAADの代金を支払え」と安保のただ乗りは許さない姿勢を明確にしたのも無理はないと思います。
米国兵士の命をかけて米韓共同の敵に立ち向かっているのに、韓国は中国の顔色を見てそっぽを向いているのです。
北朝鮮に通報する
—「ただ乗り」に米国が怒るのは当然ですね。
鈴置:それどころではありません。反米親北の「共に民主党」の文在寅候補の答は米国を激怒させるものでした。先の記事から引用します。
- まず、米国の大統領に電話し、我々との同意がない米国の一方的な先制攻撃は認めないことを知らせ、留保させる。次に、全軍に非常命令を下し、国家非常体制を稼働する。
- ホットラインを初めとする複数のチャネルを通じ、北朝鮮に対し米国の先制打撃の口実となるような挑発を即刻中断するように要請する。その過程では中国とも協調する。
—「米国が先制攻撃するぞ」と北朝鮮に知らせるというのですね。
鈴置:そこです。それでは奇襲を旨とする先制攻撃になりません。驚きの発言です。文在寅候補は無意識のうちに語ったのでしょうが「北朝鮮側の人」と見なされても文句は言えません。
—韓国では文在寅候補への非難の嵐が起きたでしょう。
鈴置:いいえ。そんな非難の声は高まりませんでした。普通の韓国人も「北朝鮮へのタレこみ」が問題とは考えなくなっているのです。
「テーブルの上」を支持しないことに関しても同様です。韓国メディアで、これに対する疑問は全くといってよいほど提議されていません。韓国人は米国と共に戦うつもりなどないのです。
米空母に怯える韓国人
—「米国への裏切り」を批判する記事が出ないというのもすごい話ですね。
鈴置:厳密に言うと、ほんの数本ありました。「韓国の弱腰」に関しては、朝鮮日報の鮮于鉦(ソヌ・ジョン)論説委員の「米空母が来るといってなぜ我々が怯えるのか」(4月12日、韓国語版)です。
- 一昨日の夜、日本のNHKが朝鮮半島の緊張状況を報告した。米原子力空母艦隊の移動をレポートしたうえで「北爆説」を紹介した。米政府の強硬姿勢から見て、デマと片づけるわけにはいかないとのニュアンスだった。
- だが、NHKは実行されにくいとも報じた。韓国政府が自国民の被害を懸念し北爆に反対するからということだった。これを裏付ける発言が直ちに韓国政府から出た。統一部は「北爆説はさほど心配する必要はない」と言った。
- 外交はゲームだ。ゲームには戦略がある。強攻策は相手の恐怖心を刺激して譲歩を誘導する戦略だ。空母の再配備と北爆説もこれに該当する。
- 先日、米国は、シリアを爆撃した。「妥協か、さもなくば爆撃」という明確なシグナルを北朝鮮に送ったのだ。その時、世界は(米国の強攻策を)信じた。
- ところが、今はそう確信しない。北爆説によって北朝鮮よりも深い恐怖に陥って動揺し、反対する韓国という国があるからだ。敵国を脅そうとした時に同盟国がまず怯えるというのなら、どんな強攻策も通じない。
「米国を裏切る」自覚なし
—米国の脅迫が北ではなく、南を怯えさせてしまったとは……。
鈴置:文在寅候補の「北へのタレこみ」を批判したのは中央日報のコラムニスト、チョン・ヨンギ氏でした。「韓国、平和だけを叫べば周辺国から蔑視される」(4月17日、日本語版)です。
- 文在寅候補は米国が先制攻撃を準備する場合「北朝鮮にホットラインを通じて挑発を直ちに中断することを要請する」とした。戦争を防止するという忠実な気持ちは理解する。
- だが、金正恩委員長にとって文候補は攻撃の情報を事前に知らせる有難い韓国人で、米国にとっては戦争秘密を敵国に渡す信じられない同盟になり得る。
—チョン・ヨンギ記者の言う通りですね。
鈴置:でも「米国への裏切り」を指摘する空気はほとんどないのです。それこそが韓国の危機です。
「米国を裏切っている」との自覚が全くないから、「米国に見捨てられかけている」という現実に目が行かないのです。
だからトランプ大統領が「韓国は歴史的に中国の一部だった」とか「THAADの代金を支払え」などと韓国を見放すと、韓国紙は筋違いの怒りに身を焦がすのです。
前者に関しては「韓国は大統領が不在だ。そのすきを突いて中国や日本が米国に嘘を吹き込んでいる」といった論調が主流です。
後者は「トランプはしょせん商売人。ゼニカネでしか世界を見ていない」といった説明がなされることが多い。韓国という国の迷走に従い、メディアの論調もますます冷静さを欠いてきました。日本に対する「八つ当たり」です。
戦争を煽る憎き安倍
—また、ですか。今度はどんな「八つ当たり」ですか?
鈴置:日本が戦争を煽っている、との主張です。今や、韓国紙の社説の定番です。典型的なのが中央日報の「半島の不安感あおる日本、自制すべき」(4月19日、日本語版)です。
- 最近、日本が韓半島(朝鮮半島)危機を利用し、度が過ぎる姿を見せている。韓国外交部の報道官は昨日、「仮想状況を前提に誤解を引き起こしたり、韓半島の平和と安定にマイナスの影響を及ぼす言及は自制しなければいけない」と指摘した。
- 外交部が韓半島有事の際の過度な対応を示唆した日本側の発言に遺憾を表明したのは当然のことだ。
連日のように韓国紙が「日本が戦争を煽る」と書くものですから、韓国政府も日本批判に乗り出したのです。中央日報の引用を続けます。
- 安倍首相は4月12日、「さまざまな事態が起こった際、拉致被害者の救出に向けて米側の協力を要請中」と述べた。他人の不幸を利用して実益を得ようという話として聞こえる。
- 安倍首相は翌日、「北朝鮮がミサイル弾頭にサリンを装着して発射する可能性もある」と主張した。確認されていないことを話して軍事力増強を合理化しようとの疑いを招く発言だ。
- さらに韓半島有事に関連し「上陸手続き、収容施設の設置および運営、 わが国が庇護すべきものにあたるか否かのスクリーニングといった一連の対応を想定している」と述べた。戦争勃発を前提に韓国人が難民になって押し寄せる状況を想像したのだ。隣国の国民の自尊心に触れる発言だ。
日本の大地震を願う
—なぜ、日本の危機対応を非難するのでしょうか。
鈴置:日本人は半島危機を望んでいる、と韓国人は信じています。韓国のSNSでは何かあるたびに「日本に大地震が起こればいい」との希望が口々に語られます。自分が他人の不幸を望んでいるので、他人もそうに違いない、と韓国人は考えるのです。
それに「日本人は悪い奴だ」と八つ当たりしていれば、第2次朝鮮戦争の恐怖から目をそらすこともできます。米国や中国から馬鹿にされたり、脅される憂さも晴らすことができるのです。
—韓国人が現実を見つめることはあるのでしょうか。
鈴置:5月9日投票の選挙で、よほどリーダーシップの強い大統領が当選し「北朝鮮の核武装という国難に立ち向かおう」「米国とスクラムを組み、戦争のリスクをとっても戦争を防ごう」と国民に呼び掛ければ、そうなるかもしれません。
しかし5人の有力候補者を見渡しても、国民の力を結集できそうな人は見当たらない。「米国の軍事力行使をどう考えるか」と聞かれ「話し合う」と答える人ばかりなのです。
ただ、韓国の保守の間では「とにかく親北反米の候補の当選だけは阻止しよう」との思いがあります。「文在寅大統領」が登場すれば直ちに米韓同盟が崩壊する恐れがあるからです。
中道候補の凋落
その恐怖感が保守政党「自由韓国党」の洪準杓(ホン・ジュンピョ)候補への支持率を一気に押し上げました。当初、保守派の一部は、文在寅候補ほどには「左」でなく、保守候補よりも当選可能性が高い安哲秀候補に投票するつもりでした。
しかし初回の討論会が開かれた4月13日以降、安哲秀候補の支持率はつるべ落とし。THAAD問題でも姿勢がいまひとつ不鮮明で、強いリーダーシップが求められる時に、それを示すことができなかったのです。

安候補に票を投じようと考えていた保守派はその姿を見て、暴言を吐くけれど指導力がありそうに見える洪候補に鞍替えしたのです。
在野保守の指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏も一時期は「次悪の選択」として安候補への投票を呼び掛けていました(「文在寅が大統領になったら移民する」参照)。が、4月30日を期に、洪候補支持に切り替えました。
とりあえずは5月9日投票の大統領選挙に注目です。
(次回に続く)
(前回から読む)

5月9日投票の韓国大統領選挙で、左派「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)候補の当選が確実となった。当選が確定し次第、準備期間を置かず直ちに大統領に就任する。北朝鮮の核武装を巡り、米朝の軍事的緊張が高まる中で「反米親北政権」がどう動くかが焦点となる。
「北との融和」唱える文在寅
文在寅候補は5月9日午後11時50分過ぎ、ソウルの中心部の光化門広場で「国民の念願する改革と統合という2つの課題すべてを果たす」と演説した。
文在寅氏の勝利は、2期9年間続いた保守政権への幻滅が原動力となった。韓国では朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領を弾劾する過程で、政府や財閥など「力を持つ者」への不満が噴出。「進歩・革新」を掲げる文在寅氏はその波に上手に乗った。
保守勢力は文在寅政権の登場を防ごうと、自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)氏に期待をつないだ。同候補は選挙終盤で支持を急速に伸ばしたが、及ばなかった(「韓国大統領候補の支持率の推移」参照)。
今後の展開を読むためのポイントは2つ。まずは外交だ。文在寅氏は「当選したら米国よりも北朝鮮に先に行く」と語るなど「融和」を対北政策の柱に掲げる。
選挙の討論会でも「米国が対北軍事行動を起こそうとしたら、北朝鮮に連絡しその挑発を抑える」と述べ、「先制攻撃を北に通報するのか」と批判されたこともある(「米国に捨てられ、日本に八つ当たりの韓国」参照)。
警戒強める米国
米国も文在寅政権に警戒感を強める。「反米親北」で名をはせた盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の盟友で、同政権(2003―2008年)では大統領秘書室長を歴任したからだ。
米議会が設立した自由アジア放送(RFA)は「北朝鮮、中国の代わりに韓国の新政府と密着可能性」(5月4日、韓国語版)で、北朝鮮が韓国の次期政権との経済協力を模索するとの専門家の予測を引用した。
CSISの中国専門家のグレーザー(Bonnie Glaser)中国学部長兼先任研究員が語ったもので、ポイントは以下だ。
- 米国の要請に応え、中国が北朝鮮への圧迫に乗り出したのは確かだ。ただ、まだ原油供給の中断などには乗り出してはいない。
- 北朝鮮が中国の役割の身代わりにロシアを選ぶのは容易ではない。しかし来週にもスタートするであろう、進歩的な傾向の強い韓国の次期政権との積極的な経済協力を通じ、北朝鮮は中国の圧迫に耐えることができるだろう。
- 韓国の新政権が新たな政策を打ち出し、より大きな経済支援に出るなど南北交流を活発化すると北朝鮮の指導者、金正恩は期待できる。
中国は「反米政権」を利用
北朝鮮へのドル送金のパイプとなっていた開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光事業に関し、文在寅氏は「再開を検討する」と表明してきた(「『市街戦が始まる』と悲鳴をあげた韓国紙」参照)
文在寅新政権がこれらをテコに北朝鮮との関係改善に動けば、米国が主導する北朝鮮包囲網に大きな穴が開く。
トランプ(Donald Trump)政権はそれを防ぐため、韓国の新政権を圧迫すると思われる。しかし反対に、トランプ政権が北朝鮮との対話を始める契機になる可能性も少しだが残る。
「反米政権」の誕生を中国が利用するのは確実だ。在韓米軍へのTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)配備に関し、撤去を求め中国は韓国に圧力をかけ続けている(「中国が操る韓国大統領レース」参照)。
文在寅氏は選挙期間中、一貫して「THAAD配備の可否は新政権が決めるべきだ」と主張してきた。中国がこの問題で文在寅新政権を自陣営に引き込めば、米韓の間に亀裂が入るのは確実だ。それは中国にとって念願の在韓米軍撤収につながる道である。
保守政権の不正を暴く
「文在寅政権」を占う、もう1つのポイントは激しい左右対立だ。対北朝鮮政策、THAAD配備など政策面で新政権と親米保守派が激突するのは間違いない。
その対立に油を注ぐのが左右の政治勢力の間の「遺恨」である。文在寅氏は「大統領になれば積弊清算特別調査委員会を立ち上げる」と繰り返し述べている。「過去9年間の保守政権の不正の責任を追及する」との宣言だ。
韓国では政権が変わるたびに前政権の非を暴いて貶めることが定例化している。政権末期になると大統領の家族の不正がメディアによって報じられ、次期政権の顔色を読んだ検察が摘発に乗り出すこともあった。
このため初代の李承晩(イ・スンマン)以降、第11代の朴槿恵まで、名目的な大統領2人を除き、権力を振るった9人の大統領全てが国外追放になるか、暗殺されるか、自殺するか、不正事件の摘発で名誉をはく奪されるという悲惨な末路を迎えている(「韓国歴代大統領の末路」参照)。
- 韓国歴代大統領の末路
| ①李承晩(1948年7月―1960年4月) | 不正選挙を批判され下野、ハワイに亡命。退陣要求のデモには警察が発砲、全国で183人死亡 |
| ②尹潽善(1960年8月―1962年3月) | 軍部のクーデターによる政権掌握に抗議して下野。議院内閣制の大統領で実権はなかった |
| ③朴正煕(1963年12月―1979年10月) | 腹心のKCIA部長により暗殺。1974年には在日韓国人に短銃で撃たれ、夫人の陸英修氏が殺される |
| ④崔圭夏(1979年12月―1980年8月) | 朴大統領暗殺に伴い、首相から大統領権限代行を経て大統領に。軍の実権掌握で辞任 |
| ⑤全斗煥(1980年9月―1988年2月) | 退任後に親戚の不正を追及され隠遁生活。遡及立法で光州事件の責任など問われ死刑判決(後に恩赦) |
| ⑥盧泰愚(1988年2月―1993年2月) | 退任後、全斗煥氏とともに遡及立法により光州事件の責任など問われ、懲役刑判決(後に恩赦) |
| ⑦金泳三(1993年2月―1998年2月) | 1997年に次男が逮捕、懲役2年判決。罪状は通貨危機を呼んだ韓宝グループへの不正融資関与 |
| ⑧金大中(1998年2月―2003年2月) | 任期末期に3人の子息全員が斡旋収賄で逮捕 |
| ⑨盧武鉉(2003年2月―2008年2月) | 退任後、実兄が収賄罪で逮捕。自身も2009年4月に収賄容疑で検察から聴取。同年5月に自殺 |
| ⑩李明博(2008年2月―2013年2月) | 2012年7月、実兄で韓日議員連盟会長も務めた李相得氏が斡旋収賄などで逮捕、懲役2年 |
| ⑪朴槿恵(2013年2月―2017年3月) | 2016年12月9日、国会が弾劾訴追案を可決。2017年3月10日、憲法裁判所がそれを認め罷免。3月31日に収賄罪などで逮捕され、4月17日に起訴 |
盧大統領自殺の恨み
保守系で、最大手紙の朝鮮日報は5月2日の社説「文候補は『盧武鉉の悲劇』を報復するために執権するのか」を載せた。以下、要約だ。
- 文在寅候補は遊説で「朴槿恵前大統領の友人が国家権力を利用して不正に蓄財した財産はすべて国家が環収する。李明博(イ・ミョンバク)政権による4大河川をめぐる不正などすべて改めて調査し、不正に蓄財された財産があれば環収する」などとした。
- 裁判が終了した事案を再び取り上げ問題視する文氏の狙いは、もしかすると李明博政権で行われた盧武鉉政権に対する捜査、盧元大統領の自殺に対する恨みを晴らすことにあるのではないだろうか。
韓国社会には不安感が広がる。左右対立の激化に加え、米韓同盟廃棄への恐怖からだ。「米国に守ってもらえない韓国には住みたくない」と明かす韓国人が増す(「文在寅が大統領になったら移民する」参照)。
東北アジアは激動の時代に
もちろん、「反米親北」の新政権に真っ向から立ち向かおうと決意する保守派もいる。その1人、在野の保守運動指導者、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は「国民抵抗権」の発動を主張する。
自由と民主主義をうたう大韓民国憲法を否定する政権に対しては実力で戦う権利が国民にはある、との呼び掛けだ。
親米保守派の中にはクーデターも念頭に置く人もいる。建国以来、韓国では2度クーデターが成功したが、いずれも社会が混乱し急速に左傾化した時だった(「『民衆革命』は軍事クーデターを呼んだ」参照)。
北朝鮮の核武装を阻止しようと動く米国と日本。その真っ只中に登場した韓国の「反米親北」政権。展開を読むのは難しい。1つ言えるのは、どう転んでも東北アジアの混乱がより深まることだ。
(次回に続く)
ZAKZAK記事

北朝鮮はゴールデンウイーク中の5日、「米国と韓国の情報機関が、北朝鮮の最高首脳部を狙った生物・化学テロを企てた」と主張し、米韓両国は完全否定した。背景には、世界最強の米軍に包囲された金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が追い詰められ、国内でクーデターや内乱の兆候が出てきたことがあるという。中国の習近平国家主席による制裁強化の動きと、米国の対北戦略を無にしかねない韓国大統領選(9日投開票)後の動きとは。米国は、韓国新大統領の言動次第で「在韓米軍撤退」「同盟解消」の重大決断に踏み切るのか。ジャーナリストの加賀孝英氏による独走リポート。 「正恩氏は、習氏を『裏切り者』『無能』などと罵(ののし)っている。北朝鮮メディアも中国を直接批判するなど、中朝関係は崩壊した。正恩氏は、米軍特殊部隊の『斬首作戦』や『限定空爆』に異常におびえて、側近すら疑い、わめき散らしている」 旧知の米情報当局関係者はこう語った。そして、「正恩氏は狂乱状態だ」と明かした。 ご承知のように、北朝鮮の秘密警察、国家保衛省は5日突然、「正恩氏を狙った暗殺計画が最近発覚して、粉砕した」「主導したのは、CIA(米中央情報局)と、韓国の国家情報院(国情院)」「米国はテロ国家だ」と、激しく非難した。国営メディア「朝鮮中央通信」が伝えた。
北朝鮮が主張した「暗殺計画」は驚くべきものだ。概要は次の通りだ。 《CIAと協力した国情院が2014年、ロシア極東で働く北朝鮮労働者1人を買収した。主導したのは国情院の李炳浩(イ・ビョンホ)院長だ。韓国の工作員は、北朝鮮労働者と直近で4月20日に接触した》 《80回以上の指示があり、計12万ドル(約1350万円)以上の工作資金が渡された。正恩氏が軍事パレードに出席したときなどに、放射性物質や毒性を含む生化学物質を使う計画だ。標的に接近する必要がなく、死に至るのは半年か1年後。CIAにとっては最善の方法だ》 米韓両国は、即座にこれらを否定した。 言っておくが、北朝鮮は、国連安保理決議を無視して核・ミサイル開発を強行し、今年2月には異母兄の金正男(キム・ジョンナム)氏を猛毒の神経剤VXで暗殺した。そんな凶悪テロ暴走国家、北朝鮮に、他国を批判する資格などない。 旧知の外事警察幹部は「実は十数年前から、米韓情報当局は北朝鮮の軍内部に協力者をつくり、北朝鮮の民主化、金王朝転覆工作を仕掛けてきた」といい、続けた。 「だが、今回の『暗殺計画』はデタラメだ。笑い話だ。北朝鮮は米国をテロ国家呼ばわりして、米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定し、制裁強化に動くのを阻止したい。それで話をつくった。それだけ、正恩氏は追い詰められ、必死ということだ」
事実、北朝鮮内部で大変なことが起きている。以下、複数の米韓情報当局、米軍関係者から入手した情報だ。 「正恩氏は11年に3代目を世襲してから、4回以上の暗殺未遂に遭っている。朝鮮人民軍の犯行とされる。危機感を覚えた正恩氏は、中国から極秘裏に高級ジープなどを輸入し、金日成(キム・イルソン)主席の生誕記念日(4月15日)に、軍幹部にプレゼントして忠誠心を買ってきた。その数、2000台以上という。ところが、昨年から途絶えた。一方で、残酷な粛清と処刑を繰り返し、軍部の怒りは爆発寸前だ」 私(加賀)は前回連載(4月24日発行)で、次の情報を報告した。 (1)正恩氏は、4月15日に「6回目の核実験」を強行する予定だった。だが、米国に「核実験をやれば先制攻撃する」と脅かされて、震えあがり、直前で延期した。 (2)口先だけのぶざまな姿を見て、軍の一部が憤慨し、クーデターの兆候が出てきた。正恩氏は「核実験をやらなければ名誉回復はできない」と追い込まれて、半狂乱になっている。 核実験は8日現在、行われていない。 さらに、北朝鮮人民が怒りを爆発させている。 「軍が、人民から『慰問』名目で、食糧や日用品を強制徴用し始めた。飢餓が始まっている。ガソリン価格も高騰した。農作物に不可欠な肥料も、石炭輸出とバーターで中国から輸入していたが、制裁で断たれた。今年秋の収穫は絶望的だ。朝鮮労働党庁舎の前で、市民が抗議の割腹自殺をした。人民が怒りの声をあげ始めた」
そして、情報は次のように続いている。 「正恩氏がいつどこにいるのか、極秘情報がリークされている。ミサイルの秘密基地の位置、地下秘密基地網の地図、正恩氏の隠れ家…など。米軍の攻撃を受けたら、正恩氏は逃げられない。丸裸だ」 ドナルド・トランプ米大統領は、中国を使って、北朝鮮に「核とミサイル開発の完全放棄」を求めている。妥協はない。加えて、5月末まで、日本海に世界最強の原子力空母「カール・ビンソン」を中心とする第一空母打撃群を展開させる。事実上の海上封鎖を行い、北朝鮮をしめ上げる。さらに、中国がパイプラインを通じた原油の禁油に踏み切れば、北朝鮮は3カ月ともたない。クーデターが起きて、正恩体制は100%倒れる。 だが、重大な懸念がある。韓国の問題だ。 米政府関係者は「悪夢の事態が考えられる」といい、続けた。 「韓国大統領選で、最大野党『共に民主党』の文在寅(ムン・ジェイン)氏が当選すれば、韓国は『反日反米』『従北』路線に突き進む。文氏は『当選直後の訪朝』『南北首脳会談』『北朝鮮への経済支援』を正恩氏に約束している。これが実行されれば米国の努力は水の泡だ。米国内には在韓米軍撤退、韓国との同盟関係解消論も出ている。韓国の真意を問うことになる」 まったく迷惑な国だ。朝鮮半島情勢は依然として緊迫している。正恩氏が玉砕、自滅覚悟で暴走する危険は消えていない。日本は不測の事態に備えなければならない。 ■加賀孝英(かが・こうえい) ジャーナリスト。1957年生まれ。週刊文春、新潮社を経て独立。95年、第1回編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム大賞受賞。週刊誌、月刊誌を舞台に幅広く活躍し、数々のスクープで知られている。
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