『トランプ、ヴァンス、マスクが引き寄せられる「暗黒啓蒙」、その教祖が語る民主主義批判の核心と新しい君主制 【著者に聞く】『ネオ君主論』のカーティス・ヤーヴィンが語る米国政治と統治思想の現在地』(7/2JBプレス 長野光)について

7/4The Gateway Pundit<Watch: Tokyo, Japan, Puts Blue States, Cities to Shame with July 4th Celebration=動画:日本の東京、7/4の祝賀行事で民主党支持の州や都市に恥ずかしい思いをさせる>

日本は個人の自由を尊重しているから、米国の理念に賛同して、お祝いをした。筆者が勘違いしているのは、日本は明治から立憲君主国で、議会制民主主義国家として発展してきた。米国に教わったわけでない。

意外なことに、日本の東京は、米国独立250周年記念式典を盛大に祝う姿勢で、NYのゾーラン・マムダニ市長のような民主党支持の強い州や都市の市長たちを恥じ入らせるほどだ。

木曜日、米国大使館はソーシャルメディアに「明日東京にいらっしゃいますか?東京タワー、レインボーブリッジ、東京アクアシンフォニーのライトアップを見て、アメリカ建国250周年をお祝いしましょう!赤、白、青のライトアップで夜空が彩られる様子を写真や動画に収めてください。皆さんの写真をぜひシェアさせてください!」と投稿した。

金曜日の祝賀行事では、花火が打ち上げられたほか、ドナルド・トランプ大統領と高市早苗首相を描いたドローンによる光のショーも行われた。

https://x.com/rosarinn/status/2073013602311930120/video/1

なぜ日本は、米国の多くの左派指導者よりも米国に対して誇りを持っているように見えるのだろうか?私の新著『我々はこれらの真実を堅持する:国家と世界を変革する力を持つ二つの信念』で詳述しているように、日本は実際には独立宣言に見られる理想、とりわけ神から与えられた不可侵の権利が存在するという真実の恩恵を受けてきたのである。

私の著書は、米国史における主要な3つの時代――独立戦争、南北戦争、第二次世界大戦――を扱っており、各章の最後には「正義の確立」と題された章を設けています。最終章では、社会主義の台頭など、現代米国が直面する諸問題について掘り下げています。

正義の確立という点では、独立戦争後、権利章典を含む憲法の採択が大きな転換点となった。南北戦争後、米国は奴隷解放、法の下の平等な保護の保障、そして人種に関係なく投票する権利を保障する修正条項を追加した。

そして第二次世界大戦後、米軍はドイツと日本を占領し、両国を民主主義へと導く手助けをした。憲法には独立宣言に謳われた理想に沿った条項、つまり生命、自由、幸福追求の権利を保障する条項が含まれていた。

私の祖父は、第二次世界大戦中にフィリピンとドイツで従軍した後、連合国最高司令官ダグラス・マッカーサー将軍の下、日本の占領軍の一員として従軍しました。

日本人が感謝の気持ちを表したがるのも当然だ。第二次世界大戦後、我々は彼らを罰するどころか、ファシズムと貧困から解放し、自由市場資本主義と自由へと導いたのだから。日本は世界第4位の国内総生産を誇り、失業率はわずか2.5%だ。

NY市長のゾーラン・マムダニ氏は、米国の自由企業制度が過去2世紀半にわたり何億もの人々を貧困から救い出し、アメリカンドリームを実現させてきたことを称賛すべきものとは考えていない。それどころか、マムダニ氏は独立記念日の週末の演説で、徹底的なマルクス主義的な発言をした。

「建国250周年を迎えるにあたり、私たちは何を目にするでしょうか?矛盾に満ちた国家の中に、矛盾に満ちた都市が存在します。世界史上最も裕福な国でありながら、子どもたちが空腹のまま眠りにつく一方で、世界初の兆万長者がさらなる富を貪っているのです」と、マムダニ氏は金曜日に述べた。

「私たちは、工場で汗水垂らして働き、石を削る、たこのできた手で莫大な富を築き上げた国を目にしています。そして、その富の多くが、ごく少数の人々の甘い手に握られている現状を目の当たりにしているのです」と市長は付け加えた。

市長が述べているような米国の富は、まさに自由企業を奨励し、雇用を生み出す革新者に対して課税しないという政策のおかげなのだ。

一方、ニューズウィーク誌は、少なくとも10人の民主党支持州知事と民主党支持州知事が、ワシントンD.C.のナショナル・モールで開催される「グレート・アメリカン・ステート・フェア」への参加をためらっていると報じた。これはおそらく、このフェアがトランプ政権の発案によるものだからだろう。

それらには、コネチカット州、イリノイ州、メイン州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州、オレゴン州、ロードアイランド州、バーモント州、ワシントン州、ペンシルベニア州が含まれる。実に些細なことだ。

ペンシルベニア州の場合、同州選出の連邦上院議員である共和党のデイブ・マコーミック氏と民主党のジョン・フェッターマン氏が介入し、民主党のジョシュ・シャピロ州知事が作り出した空白を埋めるために、ペンシルベニア州の企業や個人を動員したことは注目に値する。

改めて言うが、多くの民主党政治家が党派性を脇に置いて、建国250周年を祝うことができないのは、実に嘆かわしいことだ。

日本が左翼にやり方を教えてやったのは素晴らしい。

この記事はもともとThe Western Journalに掲載されたものです。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/watch-tokyo-japan-puts-blue-states-cities-shame/

7/4The Gateway Pundit<Actor Matthew McConaughey Shares Inspiring, Patriotic Speech for Independence Day 250th Celebration (Video)=俳優マシュー・マコノヒーが独立記念日250周年記念日に感動的で愛国的なスピーチを披露(動画)>

マシュー・マコノヒーはジョン・グリシャム原作の映画『評決のとき』で主役の弁護士を演じたのが印象的。

ハリウッドから発せられるいつもの米国批判とは一線を画し、俳優のマシュー・マコノヒーは、米国独立250周年を祝う前に、感動的で愛国的なメッセージを発信した。

マシュー・マコノヒーはXでこう語った。「建国250年!やあ、アメリカ。多くの人にとって、国として250年というのは長い年月のように思えるかもしれないが、実際はそうでもない。でも、言っておくけど、アメリカという国にとって、250年は決して長すぎる時間ではない。米国はまさにそういう国だ。まだ存在したことのない土地なんだ。」

「そして、私たちが追い求めているもの、それが全てなのです。それは決して到達できない場所です。そして、それは失敗ではありません。なぜなら、私たちは到達できないからです。それは意図的なものです。考えてみてください。私たちは、いかなる証明があって、この国を始めたわけではありません。」

「私たちは、戦う価値のある信念、賭ける価値のある賭け、自治を行う民族が価値ある存在となり得るという信仰に基づいて、この事業を始めました。そして250年経った今も、その賭けはまだ有効です。私たちはまだその賭けに勝っていませんし、これからも勝てないことを願っています。」

「懐疑論者は必要だ。確かに必要だ。しかし、皮肉屋は必要ない。」

「一方は疑問を抱くほど関心を持っている。それは当然のことだ。もう一方は既に諦めている。君たちは必要ない。こうして私たちは独立250周年を祝っている。周りを見渡そう。私たちは何を築き上げてきたのか?何を復興させてきたのか?何が今も残っているのか?何が衰退してしまったのか?何が永遠に失われてしまったのか?私たちの中の最良の人々には、少なくとも250年間、ここに立ち続けてきた姿が見える。」

「議論し、愛し、失い、許し、やり直し、自分自身が何者であり、何者になれるのかを信じること。それが私たちが追い求めているものです。だからこそ、今日私たちはここに集まり、火を灯し、パンを分け合い、家族や友人、そしてもしかしたら意見の合わない隣人にも乾杯するのです。」

今日は子供たちを暗くなってから裸足で走らせてあげるよ、ベイビー。それがお祝いさ。」

「どこかにたどり着いたというわけではなく、まだ旅の途中だということだ。」

「鏡に映る自分と、そして二人で、自分自身を見つめ直そう。勇敢な人々の故郷で、これからも踊り明かそう。アメリカ建国250周年、おめでとう。」

「ただ生き続けなさい。」

https://x.com/McConaughey/status/2073013891937034425/video/1

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/actor-matthew-mcconaughey-shares-inspiring-patriotic-speech-independence/

7/3The Gateway Pundit<Billionaire Tech Mogul Peter Thiel Warns Woke AI Company Anthropic Could Rig 2028 Election for Democrats=億万長者のテクノロジー界の大物ピーター・ティール氏、覚醒したAI企業アントロピックが2028年の選挙を民主党のために不正をする可能性があると警告>

左翼は不正をするのが正しい事と思っているから、可能性はある。

https://www.thegatewaypundit.com/2026/07/billionaire-tech-mogul-peter-thiel-warns-woke-ai/

中国副大統領とあるのは韓正・国家副主席のこと。趙小蘭(Elaine Chao)は夫(ミッチ・マコーネル)の死後も利権を確保する狙いで韓正と会ったのでは。

日中関係とあるのは米中関係の誤り。

7/5阿波羅新聞網<拼了!日本全数封杀中企—日本祭封杀大招 华为、宁德时代全落榜=とことんやる!日本が中国企業を全面的に締め出し、華為やCATLも対象外に>

アポロネット王篤若の報道:日本政府は日本の送電網関連プロジェクトに関与する主要な中国企業を対象に、サイバーセキュリティ認証の審査を実施し、その結果、すべての企業が不合格となり、華為、BYD、CATLなど、中国企業は一社も承認されなかった。

日本経済新聞の報道によれば、中国の電池メーカーはこれまで、日本のサイバーセキュリティ認証「JC-STAR」を取得できていない。2027年度からは、日本の送電網に接続されるすべての機器にこの認証の取得が義務付けられる。世界市場で大きなシェアを占める中国企業はこの動きに強く反発しており、事実上の中国企業排除であり、外交問題に発展しかねないと批判している。

JC-STAR認証は、IoT機器のサイバーセキュリティを保証するために経済産業省が設けた制度であり、送電網へのサイバー攻撃やデータ漏洩の防止を主な目的としている。今年の審査では、日本のPowerX、サムスン(Samsung)関連会社、テスラ(米国)、SMAソーラー・テクノロジー(ドイツ)など約30社が認証を取得した。しかし、華為、Sungrow(陽光電源)、BYD、CATLといった中国企業は一社も認証されなかった。

経済産業省は、この決定が企業データや政府が保有する情報に基づく総合的な評価によるものだと説明している。中国企業側は、日本が中国の「国家情報法」を口実にしているのではないかと疑っている。同法の第7条は、組織や市民に対し「国家の情報活動に協力する」ことを義務付けている。日本政府は、中国企業が日本の重要インフラに関する情報にアクセスできるようになれば、将来的に北京(中国政府)からデータの引き渡しを要求された際、それを拒否できなくなることを懸念していると思われる。

注目すべきは、日中関係が現在、外交上の摩擦から経済分野へと拡大している点である。中国は、高市早苗首相が昨年「台湾有事」について言及したことを内政干渉と見なし、すでにレアアースの輸出制限といった経済的な報復措置を開始している。日本経済新聞の分析によると、JC-STAR認証をめぐる問題が外交紛争に発展した場合、中国当局が経済的な圧力を強める可能性があり、経済安全保障とコストをめぐる綱引きが今後も続く見通しである。

USBにマルウエアを仕込む国が何を言っても・・・。経産省の措置は当然。ドンドン両国でデカップリングに進めば良い。

https://www.aboluowang.com/2026/0705/2404180.html

7/5阿波羅新聞網<赴中国危险!美驻华使馆连发10条预警=中国への渡航は危険! 在中国米国大使館が立て続けに10回の警告を発出>

6月中旬以降、在中国米国大使館は1ヶ月足らずの間に10回もの警告を立て続けに発出し、中国で米国人が直面するリスクについて注意を喚起した。この一連の動きは、世間の大きな注目を集めている。

警告の内容は、宗教活動、ソーシャルメディアの監視、報道の自由に関するもの。罪をでっち上げるのが中共のやり方。旅行も行かない方が安全。

https://www.aboluowang.com/2026/0705/2404156.html

長野氏の記事では、カーティス・ヤーヴィンの言うことは尤もと感じました。トランプ大統領とマスクは権力に対する野心が足りないと。二人とも金持ちだから、政治権力に拘りがないのかもしれない。純粋に正しい事だけやろうとしている(オールドメデイアの報道と全然違うが)。

ただそれでトランプは人事で失敗している。特に司法長官。またFDRが法案を作って議会に認めさせた話を踏襲すればよいのに、彼はそうしない。まあ、政治のアウトサイダーだからというのもありますが。

トランプはイスラエルや米国の福音派を全面的に配慮するのでなく、世界の左翼退治に邁進してほしい。テック右派も協力すべき。

記事

「トランプ大統領には野心が足りない」とヤーヴィン氏は語る(写真:UPI/アフロ)

目次

 次期米大統領選の有力候補として呼び声高いヴァンス副大統領、シリコンバレーのカリスマ投資家ピーター・ティール氏、圧倒的な影響力で世界を揺さぶり続けるイーロン・マスク氏など、今日のアメリカで最も注目を集めるキーパーソンたちが共鳴する思想が「暗黒啓蒙(闇の覚醒)」であり、これを提唱した実業家で思想家のカーティス・ヤ―ヴィン氏だ。彼はなぜそれほど共感を得ているのか。『ネオ君主論 民主主義の敗北とテック右派の時代』(PHP研究所)を上梓したカーティス・ヤ―ヴィン氏に聞いた。(聞き手:長野光、ビデオジャーナリスト)

https://www.youtube.com/watch?v=F7pGTobsKfo

──本書の中で「君主制」のほうが「民主主義」よりも望ましいと書かれています。なぜ君主制が望ましいのですか。また君主制にする場合、どのようにリーダーを決めるのでしょうか?

カーティス・ヤ―ヴィン氏(以下、ヤ―ヴィン): アメリカでは1776年に、最初の憲法に当たる連合規約が制定されました。でも、その試みは1780年代には失敗に終わりました。1780年代には、多くの人がジョージ・ワシントンを国王にしようと考えたのです。

それ以前の混乱した社会状況にうんざりしていた人々は、その後、大統領制を導入しました。つまり選挙で王を決める制度です。

以来、アメリカの政治がどのように機能してきたかというと、過去約250年間にわたり、あるサイクルが繰り返されてきました。大統領が政権を掌握し、その権力が徐々に失われ、危機が起こり、新たな君主的大統領が登場する。この繰り返しです。

日米の制度を比べると、両国は大きく異なりますが、戦後どちらも自由民主主義の政党が台頭しました。アメリカではルーズベルト元大統領の民主党です。それは恒久的な官僚機構や行政機構と結びついていました。つまりルーズベルトは王のような大統領でした。

彼が亡くなった後どうなったかというと、彼が築いた巨大なニューディール的官僚機構が国の行政を継ぎました。そこには有能な人材が多数在籍し、とても効果的な成果をあげました。核爆弾の開発や第二次世界大戦の勝利がその一例です。

こうした事柄を単純に好き嫌いでは語れません。ルーズベルトとその政権をいくらでも批判できますが、成果をあげたことは否定できない。

後任の大統領であるトルーマンは弱く、確固たる政治的基盤を持っていませんでした。しかも、彼はあまり賢い人物でもなかった。そのため、大統領が持つべき権限は下へと流れ、官僚機構の中に埋没してしまいました。以降、その状態が延々と続くことになりました。

日本を含めた戦後の体制において、民主的に選出された政治家が存在する一方で、官僚機構に対して政治家の権限が弱いシステムが定着しました。こうした変化は、さまざまな国でそれぞれに見られます。

「トランプ氏は米国の大統領とは言えない」

ヤーヴィン:例えば、トランプ氏は「世界の大統領」ですが、アメリカの大統領とは言えません。「世界の大統領」だと言えるのは、彼が外交を掌握しているからです。憲法上、戦争の行使を決定するのは議会のはずですが、議会はその権限を失っており、大統領が権限を握っています。

一方、大統領は行政の長なので本来は行政府のCEOですが、実際にはその役割を議会が担っています。行政部門全体の予算や人事制度は議会が定めており、彼らを解雇することができません。この国の官僚は極めて強力で安泰な地位にいます。

日本には天皇がいるので、一見すると君主制を装っているように見えますが、実際は議会制民主主義で、議員は民主的な選挙で選ばれています。ただ、選挙区割りの操作や年功序列システムによって選挙ではいつも決まった政治家や政党が優勢になり、馴れ合いの関係にある官僚機構は選挙の影響をほぼ受けないのが通例です。

もし官僚機構が完璧で有能ならば、この仕組みは非常にうまく機能するでしょう。問題は、時間の経過とともに行政組織の能力が低下していくことです。彼らに何をすべきか指示する上位の権力はほぼ存在していない状況下、アメリカでも日本でも、一見民主的な選挙は実際には官僚機構にまず影響を与えません。

──確かに、日本で官僚政治はずっと問題視されてきました。

ヤ―ヴィン:政府が国民よりも賢明ならばそれもいいでしょう。問題は国民が賢くなったり、分別を身につけたり、政府を運営する能力を高めたわけではないのに、官僚機構の方がむしろ劣化してしまった場合です。それでも官僚たちはさまざまなことを決め続けます。

私たちは多くの面で無能で巨大な官僚機構を抱えており、それは説明責任を負わない存在と化している。

日本でも移民問題が政治的な争点ですが、新しい首相を選んで、首相が「私は移民受け入れに反対だ」と言います。ところが、移民の流入は変わらず続いている。

イタリアでも同じことが起きています。メローニ首相が選出され、人々は移民を入れないために彼女を選んだのに、実際には移民の流入が続いている。そうしたシステムを目の当たりにすると「これは本当に民主主義なのか」という疑問が浮かびます。

最大の弱みは「支配階級の言葉を使いこなせないこと」

ヤーヴィン:この状況は人類の歴史全体で見れば例外的な状態で、本来の標準的なシステムは君主制です。大規模な組織や集団に目を向ければよく分かります。企業はCEOがいるので君主制です。映画製作だって監督がいるので君主制です。レストランであれ軍隊であれ、機能している組織はトップを頂点とする君主制の構造をしている。

「だから君主制が答えだ」と言いたいところですが、明らかにこのシステムもまた、人類の歴史を通じて完璧な統治を実現してきたわけではありません。そのことも認めます。なぜ20世紀にあれほど常軌を逸した君主制的な政府が存在したのか。その理由を理解する必要があります。

でも、同時に次のことも理解するべきです。英語の諺(ことわざ)にあるように「穴に落ちたらそれ以上掘るのをやめろ」ということです。

我々は250年間この民主主義という政治システムを実験的に運用してきました。その結果は、必ずしも素晴らしいものとは言えません。世界的に普及した政治システムではありますが、本当に実用面でうまくいっていると言えるのでしょうか。

現在のアメリカの制度は18世紀に設計されました。当時のアメリカ人は現代とは全く異なります。18世紀と現代の日本人も違うでしょう。文化は多くの面で明らかに変わりました。私たちは今どこにいてどこへ向かっているのか。どうやってここまで来たのか。今こそ統治のあり方について真剣に考える時です。

──本書の中で、トランプ大統領の政治的方針を評価しています。また、ヴァンス副大統領を「最重要人物」と書いています。加えて、イーロン・マスク氏のことを「完璧に近い人物である」と書かれています。この3人について、あらためてお考えを教えてください。

ヤ―ヴィン:トランプ大統領の強みは、彼が強くて直感的なリーダーであることです。論理的に考えるのではなく、定説に惑わされず、現実を直感的に把握する感覚は非常に優れている。また彼はリーダーとしてリスクを恐れません。

一方で彼は、深く物事を考えるタイプではありません。論理的な思考の持ち主ではないし、知識人でもない。彼の周りには多くの知識人がいて、そんな彼の弱みを補っている。最大の弱みは支配階級の言葉を使いこなせないことです。

トランプ氏は『七人の侍』の三船敏郎のような存在」

ヤーヴィン:エリート層のアメリカ人から見ると、彼はまるで『七人の侍』の三船敏郎の役のような存在です。道化のようで本物の侍ですらない。でも、映画の終盤にはその道化の真価が見えてくる。彼の能力やユーモアのセンス、そして体制を笑い飛ばす力は本当に素晴らしい。

ヴァンス副大統領の大きな強みは、彼が思考する人であるという点です。とても思慮深く知的な人物で、イェール大学のロースクールを出ている。出自は庶民的だけれどエリート教育を受けている。どの食器を使うべきか、どう話すべきかを心得ています。

トランプ氏がハーバード大学のパーティーに行って普通のふりをしてもうまくいかないでしょうが、ヴァンス氏ならすぐに溶け込んで適切な意見を持った人の振る舞いができる。支配層と対話できるという点は極めて重要です。この国に必要な力を持つリーダーは大衆とエリートの双方と対話ができなければなりません。

マスク氏は起業家として天才です。彼が世界一の富豪であることにはそれなりの理由があります。彼には気まぐれなところがあり、直感で動くリーダーというところはトランプ氏とも似ていますが、トランプ氏よりもはるかに深い。特に機械的な仕組みを理解する思考の持ち主です。

欠点は、トランプ氏もマスク氏もそうですが、さまざまな意味で思考がとても20世紀的なのです。マスク氏は根っからのリバタリアンです。リバタリアンや保守の問題は、野心が欠けていることにあります。

マスク氏を「野心的ではない」と表現すると奇妙に聞こえるかもしれませんが、私の考えではトランプ氏とマスク氏、とりわけマスク氏の主な欠点の一つは、彼が政治的な権力を求めていない点にあります。

それはシステムにおいてとても危険なことです。政治的な文脈ではプレーヤーなのに権力を求めなければ、周囲はその人から何かを奪おうとしたり、傷つけようとしたりするでしょう。

──マスク氏は野心的に見えますが。

ヤ―ヴィン:その通り、多くの人は彼に対してそんな懸念は持たないでしょう。AIや宇宙開発といった分野の競争で彼は圧倒的な力を持つ有能なプレーヤーです。でも、政治の場においては「狼の群れの中の羊」のような状態にあります。

なぜマスク氏は「狼の群れの中の羊」なのか?

ヤーヴィン:彼自身は必ずしも気づいていないと思いますが、2029年に民主党政権が誕生すれば、彼らは全力を挙げて彼のビジネスを奪おうとするでしょう。会社が上場した今では、それは以前よりはるかに容易です。上場企業のCEOを排除する手段は無数にあり、相手はアメリカ屈指の弁護士を何百人も動員してきます。

トランプ大統領も今持っている以上の権力を求めていないように見えます。それが危険なのです。「トランプは強大な権力を持っている」と世間は言います。確かに第二次トランプ政権は、第一次トランプ政権と比べると ゆうに10倍は力強い。でも、ルーズベルトの権力と比べれば100分の1程度です。

トランプ大統領はよく大統領令を出しますが、あんなものは意味のないツイートみたいなものです。ルーズベルトはホワイトハウスで自ら法案を起草して議会に承認させました。彼が「これが法律だ」と言えば、議会も「その通りです」と言うしかなかった。トランプ大統領にはそのような権力はありません。

そのことも問題ですが、より大きな問題は彼がその権力を手に入れようとさえ考えないことです。メディアがトランプ大統領とマスク氏について語ることは事実と真逆で、彼らは野心が足りません。それこそが危険なのです。

カーティス・ヤーヴィン(Curtis Yarvin)
思想家・実業家
1973年、米国生まれ。ブラウン大学卒業。カリフォルニア大学バークレー校コンピュータサイエンス博士課程中退後、テック企業に就職。2007年に「メンシウス・モールドバグ」のペンネームでブログを開始。13年、分散型インターネットの構築プロジェクト「アービット」を開発するスタートアップを設立、ピーター・ティール氏のファンドから出資を受ける。現在は実名で「サブスタック」に長文を投稿し、5万人以上の購読者がいる。2010年代に台頭した暗黒啓蒙(Dark Enlightenment)や新反動主義(Neo Reactionary)と呼ばれる右派の思想を代表する論客であり、「テック右派の教祖」。2025年1月にはトランプ大統領の就任祝賀会に招かれて出席し、「影の主賓」と呼ばれた。

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