『ナチスの「選別センター」と同じ犯罪を繰り返しているプーチン 戦争犯罪に時効はない:ナチス協力者「看守のイワン雷帝」の末路』(5/16JBプレス 伊東乾)について

5/16The Gateway Pundit<Biden Secretly Orders U.S. Troops to Somalia, Reverses Trump Pull-Out>

米国の主敵は中共なのに。

Joe Biden secretly ordered several hundred U.S. ground forces back to Somalia earlier this month, the New York Times reported Monday. Biden’s order reveres the pull-out of U.S. forces ordered by President Trump in December 2020 and completed before he left office the next month.

https://www.thegatewaypundit.com/2022/05/biden-secretly-orders-u-s-troops-somalia-reverses-trump-pull/

5/16The Gateway Pundit<True the Vote Announces They Now Have Footage of the 2020 Green Bay Drop Boxes – Are Working with Law Enforcement in Wisconsin (VIDEO)>

オバマは本当に悪い奴。

Catherine and Gregg claim that Obama-affiliated NGOs spent billions to steal the 2020 elections.

https://www.thegatewaypundit.com/2022/05/true-vote-announces-now-footage-2020-green-bay-drop-boxes-working-law-enforcement-wisconsin-video/

5/15The Gateway Pundit<“To Obama, the Threat to Democracy Doesn’t Come from Government Power, But the Lack of It” – Daniel Greenfield Eviscerates Barack Obama’s Stanford Speech>

オバマはエリートが牛耳る強い政府によって、大衆支配しようとしているのでは。

Obama gave a speech at Stanford University where he claimed that the answer to the destruction of the US government is more government.  This is what communists think.

https://www.thegatewaypundit.com/2022/05/obama-threat-democracy-doesnt-come-government-power-lack-daniel-greenfield-eviscerates-barack-obamas-stanford-speech/

5/17看中国<5月17日美国五州八场初选值得关注(图)=5/17、米国の5つの州で行われる8箇所の予備選挙は注目に値する(写真)>今年の米国中間選挙は、これまでで最も忙しい予備選挙の日になるだろう。ペンシルベニア州、ノースカロライナ州、オレゴン州、アイダホ州、ケンタッキー州の5つの州の有権者は、鍵となる指名レースの投票のために投票に向かう。それはまた、トランプ前大統領の影響力の新しい試練となるだろう。この日は、8つの予備選挙が特に注目される。

ペンシルベニア州共和党上院議員予備選

ペンシルベニア州民主党上院議員予備選

ペンシルベニア州共和党知事予備選

ノースカロライナ共和党上院議員予備選

ノースカロライナ州の第11議会地区共和党予備選

オレゴンの第5議会地区民主党予備選

アイダホ共和党知事予備選

ケンタッキー州の第3議会地区予備選

https://www.secretchina.com/news/gb/2022/05/17/1006605.html

5/16看中国<川普夫人接受专访 不排除再次入住白宫(图)=トランプ夫人は独占インタビューを受け、WHに再び入ることを除外しない(写真)>元米国ファーストレディのメラニア・トランプは、WHを去った後の最初のメディアインタビューで、偏見のためにヴォーグの表紙を飾ることは決してないかもしれないと述べたが、彼女は再びWHに入ることを除外しなかった。

ワシントンD.C.を去ってからの最初のインタビューで、元ファーストレディーは夫のトランプの2024年の計画に対してオープンに回答した。

「私はWHの世話をするのが大好きです。そこはしばらくの間私の家でした。それは人民の家であることを知っていました。そこに住むことは栄誉でした」とメラニア・トランプは5/15のインタビューでフォックスニュースのピート・ヘグセスに語った。「それは再び私の家になるかもしれませんが、絶対と言うことはありません」

ヴォーグの表紙を飾ったファーストレディーは、ヒラリー、ミシェル、ジルと皆民主党。そんなことよりやるべきことは沢山あると。

https://www.secretchina.com/news/gb/2022/05/16/1006598.html

5/16阿波羅新聞網<毛泽东指示惊现《政协报》!竟然与备战有关【阿波罗网报道】=何と毛沢東の指示が「政治協商会議ニュース」に掲載された!実は戦争の準備に関係している[アポロネット報道]>アポロネット秦瑞記者の報道:4月、毛沢東の「6月26日の指示」が中共の「政治協商会議ニュース」の一面に掲載され、毛沢東の指示は当時の彼の「戦争準備」思想に関連していた。中共の喉と舌から出されたこの特別な信号は懸念材料で、注視する必要がある。

この記事は、1960年代半ばに毛沢東が「戦争が始まろうとしている」と状況判断し、「戦争の準備、飢饉の準備、人々への奉仕」というスローガンを掲げたことを指摘し、国は3つの前線の大規模な建設を始めた。

戦争準備と言うより医療充実にウエイトがあるのでは。

https://www.aboluowang.com/2022/0516/1749348.html

5/16阿波羅新聞網<俄军坦克遭乌军发射“标枪导弹”“开罐头” 爆炸=ロシア軍の戦車はウクライナ軍の「ジャベリンミサイル」で「缶を開けるように」爆発>ロシアはウクライナに侵攻し、ウクライナ軍に頑強な抵抗に遭っている。UAV、ジャベリンミサイル等の軍事装備で反攻奇襲をかけ、ロシアの戦車を痛撃し、ロシア軍に大きな損失をもたらした。ツイッターは、ウクライナ軍がジャベリンミサイルを発射する場面を流し、ロシア軍のT-72B3の上部を「缶を開ける」ようにヒットさせたビデオである。

https://twitter.com/i/status/1525854085232185345

https://www.aboluowang.com/2022/0516/1749262.html

5/16阿波羅新聞網<乌东攻击不利、又从哈尔科夫撤退 北约:俄军正面临失败命运=ウクライナ東部への攻撃は不利で、ハリコフから撤退 NATO:ロシア軍は正に失敗の運命に直面している>英国国防省は5/15に最新の情報を発表した。ロシア軍は既に勢いを失い、進捗は計画からほど遠い。2月の戦争開始と比べると、ロシア軍はその部隊の3分の1を失った可能性がある。英国国防情報局がそのような情報をどのように入手したかは不明である。ロシアは、ウクライナ東部のドンバスでの攻撃に約100個の大隊レベルの戦術チームを投入したと考えられている。西側当局者は、多くの戦術チームの作戦能力は弱いと言う。

https://www.aboluowang.com/2022/0516/1749268.html

5/16阿波羅新聞網<被炸船只40秒内沉入海底!美军新型“快沉”炸弹构成中共舰艇“致命”威胁=爆撃された艦艇は40秒以内に海底に沈む!米軍の新型「急速沈没」爆弾は、中共の艦艇に対する「致命的な」脅威となる>フォーブスによれば、「急速沈没」爆弾はハイエンドの戦争ニーズを満たすようには設計されていないが、本質的に中共のローテクに対し、重点を艦艇の生存に脅威をもたらすようにした。報道は、米国の「急速沈没」爆弾が中国の12,000トンの巨大なZHAOTOU級沿岸警備艇を脆弱にしただけでなく、中共が他国の主権を侵害する遠洋漁船団を支援し、すべての大型で比較的動きの速い船-支援船、移送船、監視プラットフォームを派遣しているが、これで致命的な脅威に直面し、中共の防衛コストをより高価にしている。

https://www.aboluowang.com/2022/0516/1749258.html

5/16阿波羅新聞網<上海今起复商!社区却加封铁板 网友嘲讽:根本是在骗人=上海は本日営業を再開!コミュニティは却って封鎖の鉄板を加える ネチズンは嘲笑:それはまったく騙しである>中国での疫病はまだ広がっている。ゼロコロナを達成するために、上海は3/28から封鎖され、2ケ月後に、上海市副市長陳通は、昨日(15)に、5/16徐々に生産営業を再開していくと発表した。しかし実際、上海のネチズンは、コミュニティが隔離壁を取り除かないだけでなく、鉄板を追加していることさえも写真に撮った:Weiboでは、多くのネチズンはそれを嘲笑し、これは基本的に騙しであると。

▲上海は生産営業を再開すると言われているが、実際には鉄板で封鎖されている。 (写真/ iPaulのTwitterから取得)

https://www.aboluowang.com/2022/0516/1749263.html

何清漣 @HeQinglian 53m

バイデンは5/15の議会議事堂の式典で、前日のNY州バッファローのスーパーマーケットでの銃乱射事件を非難し、「憎しみは米国人の魂の汚点である」と述べた。銃撃で少なくとも10人が死亡、3人が負傷し、容疑者は逮捕された。

–バイデン民主党は、CRT理論が人種的憎悪を助長し、BLMがこの理論の結晶であり、その結果は顕著であるという事実を反省していないのではあるまいな。

何清漣 @HeQinglian 7h

エリック・ホッファーは、彼の古典的な本「真の信徒」で次のように述べている。「大衆運動は、進歩への欲求を満たすことができるからではなく、自己否定への情熱を満たすことができるために、グループを引き付け、追随者を確保できるからである。 自分の生命は助からないと思っている人は、進歩の過程で価値ある目標を見つけることができない」

何清漣 @HeQinglian 7h

エリック・ホッファーはまた、「それ以外の大衆運動は、社会に適応し、幸せで、成功している個人に敵対する、怒りと陰気な運動である」と述べた。

この現象は、アンティファ、ブラック・ライヴズ・マター、その他の左翼社会運動で明らかである。

ところで、米国の価値ある思想のほとんどは、グローバリゼーションの前に生まれた。

伊東氏の記事で、ナチだろうがソ連共産党だろうが、全体主義者は人権を考えないと言うことでしょう。ここでいう「看守のイワン」もアイヒマン同様、ハンナ・アーレントのいう命令に忠実に従っただけの人でしょう。ドイツ人、ユダヤ人、ウクライナ人は関係ない。生き延びようと思えば、仲間を裏切ることは多くあるでしょう。仕方がないことですが。でも人間の弱さを利用する専制政治の毒をシカと見据えて、世界からそういった社会を無くしていく努力をしませんと。

ナチス戦犯に時効がないのは一つの考え方で、法技術の問題だけでは。日本のように水に流す文化が憎しみの反復連鎖を防ぐにはちょうど良いのかもしれません。別に欧米の考えが優れているわけではないと思います。

選別センターと言うのは、それを造った人間の最も下卑た性質の発露ではないか。まあ、自分の野心のために、戦争をおっ始める連中だから精神が狂っているのも仕方がないのかもしれませんが。

記事

ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所

5月9日のお通夜パレード以降、今現在ロシアが進めている戦争犯罪を考えてみたいと思います。

不凍港アゾフ海に「カルミウス河」が注ぐ河口地域は歴史的戦略的に重要な位置を占めてきました。

13世紀チンギス・ハーンとキプチャク遊牧民+ロシア加勢軍が激突しロシアが負けた「カルカ河畔の戦い」から、20世紀ロシア革命でのソ連軍まで、現在「マリウポリ」と呼ばれるエリアは軍靴で踏みにじられてきた800年余の歴史があります。

(こういう基本が報道や解説に載らない。そのようなことでは状況の理解に限界が明らかです)

冷戦期はウクライナ・エリアに莫大な数の核兵器を配備、旧ソ連政府は河口のアゾフスタリ製鉄所地下には巨大な核シェルターも設置した。

そして、今そこに立てこもる一般市民を、強固な要塞を元来造った側のロシアが現在も攻めあぐねているのは、自縛の紐の側面があるでしょう。

そのマリウポリでは、ロシア軍が連行した一般市民を「選別センター」で「親ロシア住民」「愛国者」「裏切者」などに振り分け、「裏切者」はどこかに連れ去られ消えて行きます。

その劣悪そのものと言っていい実態が報道(https://news.ntv.co.jp/category/international/4efae2b2ffd744c6927a7824931fb804)されていました。

原稿を読み上げているアナウンサー/声優は元より、外電を受け取ったメディア自体が、実情を理解して放送しているとは思えません。

この「選別センター」とは、いったい何なのか?

「選別センター」という地獄

例えば、どうして「トイレより酷い臭い」に、気温も湿度も低い5月のウクライナで「選別センター」の内部がなるのか?

一つは、ホームレス同様の状況を想起すれば分かりやすい。

下着も上着も着替えがなく、シャワーも浴びることができず風呂もない。着の身着のまま空爆から逃げてきた人々を生活インフラのない状況に置いていれば、ホームレス特有というより、本来は「人間特有」の悪臭を放ち始めます。

またトイレの使用が1日1回しか許されないなど「警備上の理由」で衛生状態が劣悪化させられます。

トイレの、特に「大」の個室は監視の目が行き届きません。不穏な行動の元になりますからこうした強制収容施設では武装兵士がチェックしながら使用制限するのが普通です。

典型的な虐待です。

しかし、人間の生存には水分供給が必須、かつ水交換で数時間に一度は生理的な排尿がありますから、トイレを使えないとなると、生活空間で立小便などせざるを得ない。

また弱ってきた高齢者などは就寝スペースで垂れ流しになったりもする。

そういう場所に意図的に押し込め「転向」圧力をかけるのも、ナチス~スターリニズム・ソ連以来の確立された手法、プーチンも踏襲するお決まり「手口」の一部です。

日本の報道にもぜひ認識をもってもらいたいと思います。

そういう劣悪な「選別センター」強制収容所の「看守」に、戦争中のナチスやソ連は「貴重な兵力」を割いてきたと思いますか?

私の父はシベリア抑留で強制収容所の経験がありますが、看守はソ連国内の犯罪者だったそうです。

つまり国内でシベリア流刑とされたロシア人が、流刑地では日本兵を虐待していた。実に「経済的」。スターリニズム国家経営の典型的一断面です。

これと同様の手口はナチスが先行開発していました。

5月1日、すでにヤキの回った老ラブロフ外相が漏らしてしまった「賢いユダヤ人」とそうでない者との「選別」が何を意味するか、現実のウクライナで発生したナチス犯罪の例でご説明します。

いまプーチン戦争指導部が進めるウクライナ人の「選別」。

これこそがナチスの行為そのもの、ファシズム戦争犯罪の核心にほかなりません。

選別センターは、生き残っても「地獄」、命を失えばもちろん「地獄」。ほかに行き場のない最低最悪の地獄を今現在再生産し続けている可能性が高い。

21世紀にあってはならない生き地獄の「強制収容所」ラーゲリにほかなりません。

ウクライナ人ナチス戦犯「看守のイワン」

改めて、戦時中のナチスが、このような劣悪な状況にあった強制収容所を管理するにあたって、「看守」をどのように調達していたか、ちょっと考えてみてください。

貴重なドイツ軍人、ナチスの戦力を、このようなところに多く割きたくはない。まあ管理職は仕方ありません。しかしその他は「経済的」に済ませたい。

そこで、何事にも非情で合理的なナチスは「現地調達」を工夫します。

ポーランド中北部にあるトレブリンカで、「イワン雷帝」のあだ名をもって恐れられた、極悪非道なナチス「殺人看守」がいました。

ナチスといっても、「イワン」はロシア語を話し、出自としてはロシア人あるいはウクライナ人であったと考えられています。

なぜウクライナ人が「ナチスの看守」なのか?

「選別センター」で親ナチス的と判断されたソ連軍捕虜のウクライナ兵青年が、「矯正教育」の上「ユダヤ人問題の最終解決」に投入されていたのです。

日本のマスコミは本当に薄い報道に終始し「ナチス」「ヒトラー」は悪、それ以外は思考停止が固定化しています。

特にテレビバラエティでは、これを超える水準は「視聴者に分かりにくい」「混乱する」などとして却下される傾向が、少なくともかつては存在しました。

かつ、しゃべっているのは芸能人で、何の根拠も責任もない。現実の国際情勢は、そんな漫画で説明のつくものではありません。

「水戸黄門」式の勧善懲悪、悪代官や「ナチス」あるいはそれが「オウム」などに置き換わっても同様ですが、「悪い奴は悪いから悪い」「正義の味方は常に正しい」「弱い立場の被害者は常に被害者」が分かりやすい。

「助さん」「格さん」が実は悪事も働いていたなどという描写は、キャラクターや出演タレントのイメージ商戦も含め、画面に描かれることはありません。

しかし、現実がそんなに簡単なことはあり得ない。

ヒヴィ(Hiwi)という言葉をご存じでしょうか?

元来はヒルフスヴィリゲ(Hilfswillige)というドイツ語の略、「志願協力者」を意味します。

何を志願?・・・協力を、です。何に協力?・・・ナチスに。

Hiwiとは独ソ戦の最中にナチスドイツに「自ら志願して」協力したロシア、ソ連側の軍人や民間人、つまりプーチンの大好きな「裏切者」を意味します。

なお、フランスでは同様のナチス協力者はコラボラシオンと呼ばれます。

ちなみに私は、こうしたコラボラシオンを許さない戦後芸術倫理の音楽を40年来の生業として、アムステルダム・アンネ・フランク・ハウスなどと仕事する、コンテンポラリーの作曲家・演奏家というのが、本当の本来の仕事です。

「専門」が好きな方には、これが私の本当の「専門」です。

さて、「看守のイワン」はポーランド南部のアウシュビッツではなく、中部に集中して設けられた絶滅収容所で勤務し、その凄絶な拷問、虐待、殺人行為で名を知られた、若いロシア人/ウクライナ人看守でした。

そして戦後は、行方が全く分からなくなりました。

それから30年が経過した時でした。ソ連時代のウクライナ共和国内で作成されたHiwi戦犯のリストに、1975年「イワン・デミャニュク」(1920-2012)の名が登録されました。

裏切者「看守のイワン」の誕生

イワン・デミャニュクは1920年4月、ウクライナ北部のジトーミル州で生まれました。

ロシア革命直後、混乱期のウクライナで育った彼は、幼児にユダヤ人虐殺「ポグロム」を目撃したらしいという話も伝わります。

成人後はしばらく集団農場のトラクター運転手として働きますが、やがて1941年、ソ連赤軍に志願して、独ソ戦に兵士として投入されます。

翌42年、アゾフ海の黒海への出口にあたる、クリミア半島東端の岬である「ケルチ」の戦いで独軍に負け、ナチスの捕虜となりました。

ここでソ連のウクライナ人兵士だった彼は、ナチスの捕虜「選別センター」に送られるのです。

22歳のイワン・デミャニクはまだ若く柔軟だったのでしょう、「選別センター」で親ナチス細胞として教育できると判断され「選別」されました。

もしそんなことがなければ、その後の彼の人生は、全く違うものになっていたでしょう。

ナチスに「選別」されたウクライナ青年の彼はポーランドのルブリンにあった「トラブニキ訓練収容所」に送致されます。

そこでナチス協力の「転向教育」を受けトレーニングを修了、「Hiwi」として配属されます。

「看守のイワン」の誕生です。

元来が敵で、自他ともに認める裏切者のイワンは、ナチスに忠誠を誓ってみせる必要があったのでしょう、派手にユダヤ人を虐待、殺害し、しっぽを振って見せました。

愚かな、悲しい22歳です。

しかしそんな裏切者の犬に虐殺された側にとっては、とんでもない話でしかありません。

戦後の調査で、22~25歳にかけての「ウクライナ人ナチス看守のイワン」はポーランドのソビボルマイダネク、ドイツ国内、ニュルンベルク北東120キロほどにあるフロッセンビュルクなどの強制収容所に勤務した事実が判明しています。

さて、1945年「5月8~9日」プーチンが無理やり祝祭に仕立て上げたドイツ敗戦のタイミング、「看守のイワン」は混乱に乗じて脱出し、ポーランド・ドイツに進駐してきたソ連軍に救済を求め、まんまと赤軍入隊に成功します。

さらに1952年(32歳)には、戦後に出会った妻、妻と設けた子供とともに、ドイツから米国に亡命。

ニューヨークからオハイオ州クリーブランドに新天地を見出し、イワンというかつての名を捨て「ジョン・デミャニュク」としてフォード自動車に勤務。

1958年には米国籍を取得して40代、50代と米国でごく普通の市民生活を続けました。

時効のないナチス戦犯

フォード自動車の「ジョン」こと元「イワン」に転機が訪れたのは、先ほども触れたように1975年でした。

ソ連邦ウクライナ側の戦犯リストに「イワン・デミャニュク」の名が掲載され、同姓同名の米国籍を持つ移民が米国内で確認されます。

米司法省は捜査を開始、本人と確認されます。ジョンはすでに50代後半、フォードで定年を迎えつつありました。

かくして1981年「ジョン」デミャニュクは米国籍を剥奪、国外退去命令を受けます。

同時にイスラエル政府が身柄の引き渡しを要求し、1986年、すでに66歳になっていたデミャニュクはエルサレムに連行されます。

名高い「アイヒマン裁判」以来のナチス事犯国際法廷で1988年一審、死刑の宣告を受けます。その瞬間に十字を切るデミャニュクの映像が残っています。

しかし、イスラエルというのは中々奥の深い国家で「看守のイワン」は最高裁で「トレブリンカの<イワン雷帝>」であるか、証拠が不十分とされ、審理はやり直しとなりました。

結局1993年、証拠不十分とされ、73歳になっていた「イワン=ジョン」は無罪放免となり、クリーブランドに戻されます。

68歳の死刑判決、73歳での解放、そして78歳を迎えていた1998年には、再び米市民権も(一時的にでしたが)回復します。

ところがこの間、1991年のソ連崩壊で、新たな強制収容所関連の重要資料がKGBなどの管理を離れ、西側のチェックするところとなったのです。

資料の精査の結果「イワン・デミャニュク」は「トレブリンカ」での勤務は確認できなかったけれど、別の絶滅収容所「ソビボル」での犯罪を証拠づける資料が発見されました。

これに注目したのはドイツ司法当局でした。

1943年にオランダのヴェスターボルク「中継収容所」からソビボルに移送された元ドイツ国籍のユダヤ人殺害に、デミャニュクは明確に関与していたのです。

ちなみに私と長年協働制作するオランダの映画作家フランク・ダイアモンドも、ヴェスターボルクからベルゲンベルゼン強制収容所に移送されました。

「中継収容所」意味分かりますか?

「選別センター」です。

幼児だった彼は家族と共に「ベルゲンベルゼン」に送られます。のちにアンネ・フランクと姉のマルゴーも、ヴェスターボルクで「選別」され、劣悪な衛生状態のベルゲンベルゼンで、チフスのため病死しました。

アンネ・フランクのお父さん、オットー・フランクはヴェスターボルク「中継収容所」で「選別」され、アウシュヴィッツに送られます。

「搬入時」に「労役可能」と「選別」され、戦後まで生き残り、帰還後、娘の日記を発見、出版するに至ります。

私はフランク・ダイアモンドの家に長逗留して、金子兜太さんの俳句36句を一緒に各国語に訳したことがあります。その中の1日を使ってヴェスターボルク「中継」収容所跡を訪ねたことがありました。

サバイバーは今現在も生きています。いや、もっと切実なことを記すなら、私には、トラウマのため極く最近、自ら命を絶ったユダヤ人友人もあります。

こうした犯罪は、全く終わっていないのです。

だからナチス犯罪に時効はありません。日本のように英霊の復権といった議論も、絶対に出てきません。

結局「ジョン」デミャニュクには2002年2度目の米国籍の「永久剥奪」が宣告され、米国は「生地ウクライナへの退去」を命じます。

しかし、最終的にはドイツが身柄を引き取り、2009年5月、ミュンヘンのシュタデルハイム刑務所に移送され、89歳の「イワン」は再び「ソビボル」で2万人余の虐殺に加担した罪で裁判を受け、禁固5年の有罪判決を受けました。

私は2011年、読売新聞記者の田中史生氏などと共に、EU本部が主催しドイツ連邦共和国政府がホストする「死刑問題」の長期講習に参加しました。

ベルリンのテーゲル刑務所では、機転の利く田中記者と共に独房の中に入れてもらい、そこで収監者と話したりもし、ニュルンベルク裁判で検事を務めた老裁判官ご本人からお話を伺う、貴重な機会も得られました。

そして、この時点では91歳のデミャニュクはいまだ存命、刑は確定したものの白血病を病んでおり、民間の医療施設に身柄は移されていました。

ドイツは徹底して「人道的な処遇」を老「イワン」に準備しつつ、ホロコースト犯罪そのものについては、決して歴史を曖昧にすることはありませんでした。

2012年3月、「看守のイワン」の逝去はドイツ国内で広く報じられ、私も滞在中のベルリンでこのニュースに接し、今でも印象深く覚えています。

「選別センター犯罪」を繰り返させるな!

イワン=ジョンの91年間に及ぶ数奇な人生と運命に紙幅を取りました。ここで改めて「選別センター」の外道ぶりを考えてみます。

まず最初に、欧州では、日本と全く異なる時間の流れがあることに注意しましょう。

プーチンが力なく祝ってみせた「77年目の対ナチス戦勝利」。

日本では「先の太平洋戦争中のABC級戦犯」について、21世紀の現在、いまさら裁かれることなどあり得ないというのが普通の意識でしょう。

でも2009年、ミュンヘンの法廷は白血病を病む89歳の「看守のイワン」を改めて法廷の場に立たせ、禁固5年の有罪判決とともに、民間医療施設に収容という倫理の一線を守りました。

これが「倫理」です。

ドイツでも、イスラエルでも、またウクライナでもロシアでも、ナチス協力の裏切者Hiwiやコラボラシオンが発見されれば、たとえ90歳でも100歳を超えていても必ず法的責任が追及されます。

日本と違って「ミソギ」とか「もみ消し」とかの「終わり」がない。

強烈な一神教的単線史観、価値観、生命観、宇宙観が、戦争中の軍事作戦から戦後の司法判断まで、徹底しています。

1941年、独ソ戦に投入された21歳のウクライナ人青年。42年にドイツの捕虜となったソ連兵は「選別センター」で「選ばれ」「看守のイワン」になった。

裏切者、Hiwiのイワンは23~25歳にかけての時期、ナチスへの点稼ぎとして人一倍「任務に精励」した。

それが本人かどうかはいまや永遠の謎ですが、公共事業であった大量殺人で「イワン雷帝」の異名を取った「ソ連からの転向者・裏切者看守」は間違いなく存在していた。

ナチス犯罪の「実行犯」として現地で「選別」された「BC級戦犯」の一人、イワンは32歳で妻子を連れて米国に亡命。

壮年期をフォード自動車勤務で「ジョン」として別の人生を定年まで過ごしたのち、決して諦めないユダヤ人社会の追及でイスラエル移送。

いったんは死刑を宣告されつつ、恩赦に近い形で米国に生きて送還。こんな度量を見せるイスラエルの横顔も、日本の粗挽きな報道ではまず出てこないでしょう。

ところがクリーブランドに戻ったのち、冷戦崩壊で公開された文書から改めて犯罪が立証、89歳で20代前半の罪を問われ、21世紀に入ってからでも、はっきり有罪宣告、91年の生涯をドイツで閉じました。

改めて22歳のソ連兵「イワン」が送られた「選別センター」を考えてみましょう。

食べ物はほとんどなく、トイレは1日1回、そこら中汚物だらけの環境。多くの大人が力なく横たわる中、若く元気で、また思慮がなく、軽率で戦闘経験のあった「イワン」青年。

そんな彼に「転向すれば食事もあるぞ。清潔な服もベッドもあるぞ」と悪魔のささやきで誘った、ナチスの手口の汚らしさを考えて見てください。

いま現在プーチン指導部がウクライナで続けているのが、これです。

2022年5月、いま現在も「ウクライナ人のイワン」を作り続けているのが、プーチンのロシアにほかなりません。

少なくとも西側で兵士に「プーチンを裏切れ」と強要する拷問は存在しない。それが国際法の遵守というものです。

翻ってマリウポリなどのドンバス地域では「ロシアに寝返れば、極東に広い土地と1人90万円の開拓保障もあるから、無駄な抵抗はやめて投降しなさい・・・」というアジテーション・ビラも撒かれている。

身柄を拘束したウクライナ人を「トイレより劣悪」な環境に押し込め、そこで「選別」し「裏切者」をコンスタントに作り続けているロシア指導部。

「ウクライナ人のイワン」は、今日もまた明日も再生産され続けている。

これこそ「ナチズム」つまりドイツ語でいうナツィオナールゾヅィアリスムス(Nationalsozialismus=国家社会主義)そのものの外道と看破せねばなりません。

プーチンのロシアは「裏切者は許すな」と国内を恫喝しつつ、ウクライナ人には「さぁ、裏切ってこっちにおいで」と毒入り饅頭で誘う、その現場が「選別センター」にほかなりません。

こうした犯罪を一秒でも早く止めさせることが、本来、国際機関の急務です。

日本のメディアは、どうか外電を咀嚼して、もっときちんとした報道に努めてほしい。

国連拷問禁止条約(https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/gomon/zenbun.html)の主張が何を意味しているか、痛みを理解しない棒読みでは、社会の木鐸としての意味は何もありません。

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