A『知ってはいけない、世界の《残酷な常識》日本人は気付かない、ゼレンスキー英雄説の「危ない実態」…専門家が警告』(7/31川口マーン恵美、福井義高)、B『知ってはいけない、世界の《残酷な常識》日本メディアは報じない、“正義のアメリカ”国家解体「やりたい放題」の実態』(7/31川口マーン恵美、福井義高)について

7/30The Gateway Pundit<WAYNE ROOT: The Biggest Gaslighting Scam Yet: Kamala Isn’t Winning. She’s Doing Worse Than Biden. Trump is Winning a Landslide. Here is the Proof.=ウェイン・ルート:これまでで最大のガスライティング詐欺:カマラは勝っていない。バイデンよりも悪い状況だ。トランプが圧勝している。これが証拠だ。>

小生がずっと言ってきたように、左翼の世論調査はサンプル数で民主党支持者の割合を増やして調査してきている。

主流メディアで現在目にしている世論調査が完全な詐欺であるという証拠がここにあります。長年にわたり、国内で最も正確な世論調査は、パトリック・バシャムが運営するデモクラシー研究所によるものでした。

民主主義は「投票する可能性のある人々」のみを世論調査するが、他の偏った世論調査会社(民主党に好意的)は電話に出た登録有権者全員を世論調査することを選択する。登録有権者の最大 3 分の 1 は投票しない。そして、民主党に大きく偏る。

これらの他の世論調査も民主党員を過剰にサンプリングしている。そのため、カマラ・ハリス氏についてこのようなばかげた数字が出ているのだ。もちろん、民主党員を主に調査すれば、民主党候補に有利なばかげた偽の数字が出るだろう。

デモクラシーと他の世論調査会社が使用した正確な数字は次のとおりです。デモクラシーは、この最新の世論調査で民主党 +2 を使用しました。つまり、世論調査会社のバシャムは、民主党の有権者に +2 ポイントの優位性を与えています。これは、2020 年の大統領選挙の正確な数字です。パトリックは、今日の真の数字は民主党 +1 だと考えています。しかし、彼は常に慎重なので、+2 にとどまりました。

しかし、現在メディアで見られる、カマラが突然人気を集め、トランプを追い上げている、あるいはトランプを負かしていると主張する世論調査では、民主党 +6、民主党 +8、場合によってはばかげた民主党 +10 が使われている。この不合理でばかげた偏った幻想が「カマラ奇跡」を生み出している。ほら、突然、彼女は人気者になったのだ。

では、真実とは何でしょうか? この選挙の本当のスナップショットは何でしょうか?

最新の100%正直、倫理的、正確なデモクラシー研究所の世論調査では、有権者は民主党に+2ポイントの重みをつけていても、トランプ氏が8ポイントの大差で勝利している。

私が「圧勝」という言葉を使ったのは、ほぼ半世紀前のロナルド・レーガン以来、これほど大きな差で大統領選挙に勝利した共和党員はいなかったからだ。

そしてもちろん、重要なのは選挙結果だけだ。トランプ氏は一般投票で1ポイント差で負けたとしても、選挙で大勝することはほぼ確実だ。

バシャムのデモクラシー研究所の世論調査では、トランプ氏が白人有権者、男性有権者、無党派層、高齢者層から圧倒的な支持を得て勝利しているため、8ポイント差で勝利している。

カマラ氏は若年層の有権者の間ではかろうじてリードしている。トランプ氏はヒスパニック系有権者で51%対48%、郊外住民で49%対47%で勝利し、黒人票の22%を獲得した。

有権者全体の中で最大の投票グループは労働者階級の白人です。トランプ氏は彼らの票の75%を獲得しました。

トランプ氏は男性の間ではなんと35ポイントの差で勝利したが、女性の間ではカマラ氏がわずか3ポイントの差で勝利した。

また、全有権者の62%がカマラ・ハリスがバイデンの健康状態について嘘をついたと信じていることも注目すべき点だ。

バシャムは、最も重要なポイントは、トランプ氏が歴史的に常に世論調査を上回る成績を収めているということだと私に語った。トランプ氏の支持者の多くは、当然ながら電話で知らない人に誰を支持しているかを言いたくないからだ。したがって、現実には、トランプ氏が10ポイント以上リードしていることはほぼ確実だ。それはレーガン以来最大の圧勝となるだろう。

もう少し「バックアップ」が欲しい。私はいつもラスムセンが最も正確な世論調査会社だと思っている。彼らの最新の世論調査では、トランプが7ポイントリードしている。

つまり、これが真実だ。現実だ。トランプが勝っている。大勝利だ。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/07/wayne-root-biggest-gaslighting-scam-yet-kamala-isnt/

7/30The Gateway Pundit<BREAKING: OMG: DNC Manager Trashes Kamala: “I Don’t Think Kamala Harris Would Win” – Admits to Making Empty Promises to Donors (VIDEO)=速報:なんてことだ:民主党全国委員会のマネージャーがカマラを酷評:「カマラ・ハリスが勝つとは思わない」 – 寄付者への空約束を認める(動画)>

普通に考えて国境皇帝が大統領として有能な働きをするとは思われない。民主党幹部も内心はそう思っているということ。

https://x.com/i/status/1818377737599410433

https://www.thegatewaypundit.com/2024/07/breaking-omg-dnc-manager-trashes-kamala-i-dont/

7/29The Gateway Pundit<LIBERAL NARRATIVE FAIL: WSJ Poll Finds JD Vance is More Popular Than Kamala Harris=リベラルな物語は失敗:WSJの世論調査でJD・ヴァンスがカマラ・ハリスより人気があることが判明>

民主党は不正をしないと選挙に勝てない。極左のマドウロみたいに。

民主党とメディアは、トランプ大統領の副大統領候補であるJD・ヴァンス氏をどう定義するかに躍起になっている。彼らはここ数日、ヴァンス氏が「変人」だという馬鹿げた主張を広めているが、明らかに効果がない。

WSJの最新の世論調査によると、ヴァンス氏はカマラ・ハリス氏よりも人気がある。

ハリス氏はバイデン氏の副大統領として一度も人気がなかったのに、なぜ民主党は彼女が大統領選に出馬しないできたというだけで好感度が変わると考えるのだろうか?

ブライトバート・ニュースは次のように報じている。

フェイクニュースが崩壊:世論調査でJD・ヴァンスがカマラ・ハリスより人気

世論調査によると、共和党の副大統領候補であるJD・ヴァンス上院議員(オハイオ州)の人気は、民主党の大統領候補と目されているカマラ・ハリス氏よりも高く、既存メディアの報道を覆している。

CNNの上級政治データ記者ハリー・エンテン氏は最近、ドナルド・トランプ前大統領がなぜヴァンス氏を副大統領候補に選んだのか「理解できない」と述べ、ヴァンス氏の純好感度が平均以下だと主張した。

しかし、WSJの世論調査によると、ヴァンス氏の方がハリス氏よりも人気がある。

調査によると、登録有権者の42%がヴァンス氏に好意的であり、44%が好意的でないと考えている。

対照的に、52%がハリス氏を好ましく思わない一方で、46%が好意的に見ている。これは、2024年の選挙サイクルでハリス氏にとって最も良く出た結果だ。

民主党にとってなんと恥ずかしいことか。

https://www.thegatewaypundit.com/2024/07/liberal-narrative-fail-wsj-poll-finds-jd-vance/

7/30Rasmussen Reports<Diversity? Most Americans Think It’s Great=多様性?ほとんどの米国人はそれを素晴らしいと思う>

「多様性」という言葉は政治的論争の種となっているが、実際にはほとんどの米国人はそれに何の問題も感じておらず、この意見は過去5年間変わっていない。

ラスムセン・レポートの最新の全国電話・オンライン調査によると、米国人の成人の51%が、米国の人種的・民族的多様性はおおむね国にとって良いことだと考えている。多様性がおおむね悪いことだと考えているのはわずか18%で、20%は影響がないと答え、11%はわからないと答えた。これらの調査結果は 2022年以降、 いや 2019年以降もほとんど変わっていない。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/lifestyle/general_lifestyle/july_2024/diversity_most_americans_think_it_s_great

いよいよPlan C発動か?

7/31阿波羅新聞網<内斗高潮?军报高喊清除“江湖习”气 喉舌头版现崇祯自缢处=内部闘争は最高潮?軍報は「江湖習」の気風根絶を叫び、党の喉と舌は、崇禎帝が首を吊った場所を一面に>Xアカウント「徳潤メディア」は本日(30日)、中共公式メデイア「解放軍報」が27日に中共内の「パターナリズム」「ツルの一声」「個人主義」などの問題を厳しく批判していると指摘した。

記事は直接名前は出していないが、内容は明らかに中共の習近平国家主席の意思決定スタイルに焦点を当てていた。この記事が発表されるとすぐに、習近平は深刻な政治的課題や健康上の問題に直面するのではないかという憶測が世間に広まった。

崇禎帝は、明の第17代(最後)の皇帝。首を吊ったのは景山の槐樹の木とのこと。

https://www.aboluowang.com/2024/0731/2085611.html

7/31阿波羅新聞網<中共想的美!印度直接打脸—允许中国投资印度?印度贸易部长否认=中共が望む美!インドは顔面を直接平手打ちする――中国のインドへの投資を認めるのか?インド貿易大臣は否定>インドのピユシュ・ゴヤル貿易大臣は火曜日(7/30)、インドは中国のインドへの投資を認めない問題を再考するつもりはないと述べた。

ついでに中共からの輸入も少なくするよう、西側の投資をやりやすくする政策を推進していったらどうか。

https://www.aboluowang.com/2024/0731/2085684.html

7/31阿波羅新聞網<视频流出!羞于启齿?习会晤意女总理时罕改口—自知之明,习会晤意总理时罕见改口=動画流出!言うのが気恥ずかしい?習近平はイタリア女性首相との会談で珍しく言い方を変えた – 習近平はイタリア首相との会談で珍しく言い方を変えたのは身の程をわきまえている>イタリアが中共の「一帯一路」計画からの離脱を発表してから半年が経ったが、最近中共指導者がイタリア首相と会談した際、「一帯一路」について一言も言及しなかった。彼らはその代わりに「シルクロードの精神」と呼んだ。

まあ、恥ずかしいのでしょう。

https://twitter.com/i/status/1818151730787614950

https://www.aboluowang.com/2024/0731/2085541.html

7/31阿波羅新聞網<北京碰上硬茬 被35个国家直接无视—被他们直接无视还“得寸进尺” 北京碰上硬茬=35ケ国から直接無視され、北京は手ごわい相手にぶつかった–彼らに直接無視され、次々「拡大し」ているのは、中国政府は手ごわい相手にぶつかっている。>35ケ国の何百人もの国会議員で構成される中国に関する列国議会同盟(IPAC)は、火曜日(7/30)に年次総会のために初めて舞台を台北に移し、台湾の頼清徳総統を招待して講演を行った。その中には、開会前に中共に脅された者もいたが、それにひるむ者はなく、会議後は台湾を新たな加盟国として受け入れた。

どんどん新しい国際組織を作って台湾を入れていけばよい。

https://www.aboluowang.com/2024/0731/2085500.html

何清漣 @HeQinglian 13時間

パリオリンピック開会式:Woke文化によるフランス文化の衝撃的な脱構築

https://upmedia.mg/news_info.php?Type=2&SerialNo=207388

この記事では、フランスが脱構築を顕著な教義として受け入れて以降、資本主義が依存する強力に発達してきた基盤である言語、信仰、制度、システム、学術規範や権力ネットワークなどを、継続的に解体してきた。パリでの開会式は、歴史から現実へ、物質から精神へ、フランスが世界の前で自らを解体したと言える。

upmedia.mg

パリオリンピック開会式:Woke文化によるフランス文化の衝撃的な脱構築―上報

2024 年パリオリンピック開会式のブーメランはすぐにやって来る。Woke文化を利用してレオナルド・ダ・ヴィンチの有名な絵画「最後の晩餐」を茶化した小品には、トランスジェンダーが含まれていた・・・。

何清漣が再投稿

天降偉人包由検 @fading_you1 15h

ベネズエラはついに米国から何かを学んだ。

しかし、米国は将来ベネズエラからさらに多くを学ぶことになるだろう。

引用

イアン・マイルズ・チョン @stillgray 7月29日

マドゥロは最高のものから学んだ。

何清漣が再投稿

米国暁言フォーラム Cheyenne’s Forum Q TOWN @cheyennexli 13 時間

主人公のビガーノは多くの人が思っていたことを語った。

この開会式でのパフォーマンスの中には確かにキリスト教の信仰を侮辱するものもあったが、さらに恐ろしいのは基本的な人間性と公序良俗に対するあからさまな軽蔑だった。

たとえどんな信念があっても、人前で裸を見せることはできないですね?未成年が見ているときに3Pをほのめかすこともできないね?

これは信仰の違いではなく、人間と獣の違いである。

qtown.mediaより

https://x.com/i/status/1818353764371153153

https://x.com/i/status/1816974609637417112

何清漣が再投稿

L JM @zhixiangziyou 6h

連邦裁判所の勝利:今朝、NYの連邦判事は、プロジェクト・ベリタス対オキーフ事件で私に有利な判決を下しました。私とOMG は、裁判の費用とリスクを回避するために、彼らの不法な要求に屈することもできたが、私は自分の原則を守り、昨日 2 時間以上宣誓証言した。

本日、プロジェクト・ベリタスの私に対する残酷な弾圧禁令の申請が却下された。

現在もまだ

引用

James O’Keefe @JamesOKeefeIII  8h

連邦裁判所での勝利:NYの連邦判事は今朝、プロジェクト・ベリタス対オキーフで私に有利な判決を下した。私とOMGは裁判の費用とリスクを回避するために彼らの違法な要求に屈することもできたけれども、私は私の原則に立ち、そして昨日立場を表明した。

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何清漣 @HeQinglian 13時間

比べてみないと分からない。以下は文化大革命の童謡である。

【夜中に弟が笑っている。なぜ笑っているのか彼に尋ねてみて。毛主席の夢を見ました。はは、はは、ははははははは、毛主席の夢を見ている。 】

——上記の歌詞は一言も変えていないし、ハハの文字数も元のままである。米国の民主党集会で使うと、夢に見た指導者の名前を変更するだけで済み、状況に完全に適合する。

引用

イーロン・マスク、@elonmusk、7月27日

これはすごいですね😂

何清漣 @HeQinglian 4時間

王書君の事件に恐れをなして中国に帰国した「反体制派」も何人かいる。

引用

DW 中国語 – ドイチェ・ヴェレ @dw_chinese 7月 30日

【彼は中国の工作員なのか、それとも民主主義に身を捧げているのか? 】

76歳の中国系米国人男性 #王書君が中国のスパイ容疑で告発され、29日にNYで裁判にかけられた。米国🇺🇸検察は、王書軍は二重の人生を送り、表面的には民主主義を支持する学者であり活動家であるが、実際にはNYの華僑コミュニティでの影響力を利用して海外の反体制派の情報を収集し中国政府に売っていたと見ている。

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何清漣 @HeQinglian 6時間

この記事は、少なくともバイデンがなぜ突然選挙戦から撤退することを決めたのかを説明している非常に重要な文章である。

引用

「北米保守評論」NACR  @NAConservative9  6h

「クーデター:『日曜の朝食後』、オバマはジョー・バイデンに再選運動を中止させるため合衆国憲法修正第25条を発動すると脅迫」

https://nacr.info/WordPress/index.php/2024/07/30/barack-obama-forced-joe-biden-to-end-reelection-bid-by-thringing-25th-amendment/

このドラマは私たちにとってあまりにも馴染み深いものである。 1966年、中共主席は次のような手を打ち出した。(文革発動。劉少奇追い落とし)

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川口・福井氏の記事では、やはり情報の取り方によって見方は大分変るものと。西側メデイアはグローバリストの手先で、米左翼メデイアに牽引され、ネオコンや戦争屋の言いなりになってきた。

戦後の米露中の国際法違反を見ると、国連は役立たずの組織と思う。力対力で物事が決せられるので、力があり、価値観も合っている国と多国間同盟を結ぶのが良い。

A記事

かつては「小ロシア」と呼ばれていたウクライナだが、ソ連から独立した後は、高い貧困率と政権の深刻な汚職体質に苦しんでいた。ところが皮肉にもロシアとの戦争で初めて国家としてのまとまりが実現した。

ロシアがウクライナに侵攻する前、ウクライナの政治体制は腐敗していて、国際社会から非難されていた。

ゼレンスキーも今のような「英雄」などではなく、国内はもとより海外からも厳しく批判される“貧しい国”の大統領だった。だが、大国ロシアの侵攻を受けて、国民はまとまり、ゼレンスキー自身も大きく変わっていった。

そんな、ウクライナという国とロシアの侵攻について、ドイツ在住のベストセラー作家・川口マーン惠美氏と青山学院大学教授・福井義高氏が語り合う。

※本記事は、『優しい日本人が気づかない 残酷な世界の本音—移民・難民で苦しむ欧州から、宇露戦争、ハマス奇襲まで』より一部を抜粋編集したものです。

日本人が知らない、世界の《残酷な常識》連載はこちら

国内外から非難を浴ていたゼレンスキー

福井義高(以下福井):ウクライナ戦争に関するメディアの報道はあまりに単純な図式に基づいています。プーチン・ロシア=悪、ゼレンスキー・ウクライナ=善とか、権威主義あるいは独裁国家vs.民主国家といったように。

しかし、ウクライナはかつては「小ロシア」と呼ばれ、帝政時代はロシアの一部とみなされていたし、近代以降、第一次大戦の混乱期を除いてソ連崩壊までロシアと別の国になったことはありません。

写真:gettyiamges

2014年にウラジーミル・プーチンが奪ったとされるクリミア半島にしても、1954年、同半島をニキタ・フルシチョフがソ連を構成する15の共和国のなかでロシアからウクライナへ帰属替えしたことが禍根を残したわけですが、日本でいうと熱海を静岡県から神奈川県に移したくらいの感覚です。そもそも同じ国だったわけですから。

独立し別の国となった後も、ウクライナは貧しいうえ、政権が腐敗していたため仕事を求めロシア、ドイツ、ポーランドなどに働きに出る人が多く、このままでは国として持たないとさえ言われていました。

その出稼ぎ労働者の多さから「移民津波」と評されたほど。皮肉にもウクライナ戦争により、初めて国家としてのまとまりが実現したような国です。

戦争が始まる直前の2021年末まで、その腐敗した政治体制は国際社会から非難を受けていたし、大統領のウォロディミル・ゼレンスキーは今のような英雄などではなく、国の内外から厳しく批判されていました。そのようなウクライナを日米欧と同じ民主陣営に位置づけるのは無理があります。

川口マーン惠美(以下川口):特にドイツをはじめ西欧では、かなりの言論弾圧を民主主義と言いくるめて、次第に全体主義に向かっている気がして仕方がありません。

だから、政治家とメディアが「ゼレンスキーを支援しなければならない」と言うと、国民は一気にそれを信じてしまう。日本も同じです。その点、むしろかつてソ連の軛(くびき)の下で、自らも共産主義体制を布いた東欧諸国のほうが敏感で、現在のEUの全体主義化に警鐘を鳴らしています。

深刻なドイツとポーランドの関係

福井:共産主義体制の下に置かれたことがない日本人にはその本当の恐ろしさがわからないんですね。

日本ではアドルフ・ヒトラーの国民社会主義、いわゆるナチズムばかりが絶対悪として批判され、ベニート・ムッソリーニのイタリア・ファシズム、日本の軍国主義と、一括りに「ファシズム」とみなす主張が根強くありますが、すべて別物といってよい。むしろ、ナチズムは全体主義としてのソ連共産主義と類似した体制です。

両者を実際に経験した東ヨーロッパの人たちは、ナチズムも悪いがヨシフ・スターリンの共産主義も同様に悪だと骨身に染みてわかっています。しかし、東欧諸国をヒトラーとスターリンの一方的な被害者とみるのも正しくない。

特に、第二次大戦勃発の責任はヒトラーだけに帰することはできません。英米の後ろ盾の下、「東欧の盟主」たらんとしたポーランドが対独強硬外交によって、ヒトラーを挑発したことも開戦の大きな要因です。

第一次大戦後に誕生した多民族国家ポーランドは、戦争で疲弊したドイツとソ連をよそに東欧の覇者として大国路線を追求します。これが欧州に第二次大戦をもたらす悲劇となるのですが、ヒトラーに戦争責任のすべてを押し付けた今日の正統歴史観ではこの事実が見えません。

ポーランドは戦間期に、ラトビアとルーマニアを除き国境を接するドイツ、ソ連、チェコスロバキア、リトアニアと領土紛争を抱える好戦的な国家でした。特にリトアニアに対しては首都ヴィリニュスを占領しています。

そして、1920年から30年代にかけてソ連が第一の敵国とみなしていたのは、実はポーランドでした。

ロシア革命直後、国力が疲弊したなかで行われた対ポーランド戦争に敗北し、ウクライナとベラルーシの西部がポーランド領となったことから、ソ連指導部は反ポーランド一色だった。ポーランド領内に住む多数のウクライナ人とベラルーシ人のポーランドへの反感も大きかった。

ポーランドからすれば戦間期にイタリアが英独仏と並んで欧州政治を主導する4大国として扱われたのに、自分たちが小国扱いされることが、悔しくて仕方がなかった。実際、今でも人口は4000万人近くおり、国土面積も大きい。

大国意識といえば韓国も似たところがあります。ポーランドとドイツの関係は韓国と日本の関係によく似ていて、第二次大戦後はドイツも日本も謝罪一辺倒です。表向きはどうあれ、日独の国民感情は複雑です。

独ポ関係が、ある意味、日韓関係より深刻なのは、日本統治時代の朝鮮半島にいた日本人は多くなく、ほとんどがいずれは日本に帰る前提だったのに対し、敗戦後にドイツとポーランドの暫定国境となったオーデル川・ナイセ川より東に数世紀にわたって住んでいたドイツ人はほぼすべて、意に反して追放されました。こういうことは日韓関係にはなかったことです。

B記事

欧米世界で高まるパレスチナ人への同情――ハマスのイスラエルへの奇襲攻撃は、耐え難い犠牲を伴ったものの「政治的」に見れば成功だったともいえる。だがその代償は大きく、イスラエル軍の凄まじい反撃によってガザ地区は焦土と化した。

アメリカがこれまで行ってきた世界各地での軍事介入政策は、特に中東諸国の国家崩壊をもたらし、無政府状態と混乱を引き起こした。それゆえ、今では「中東で一番嫌われているのはアメリカ」といえる状況となっている。

イスラエル軍が配った住民に移動を促すビラを見せるパレスチナ人男性(写真:gettyimages)

だが、そんな嫌われ者・アメリカの中東での影響力は次第に弱まってきている。そんな状況のなかで、中東で新たな戦争が起こってしまった。

ドイツ在住のベストセラー作家・川口マーン惠美氏と青山学院大学教授・福井義高氏が、「ハマスのイスラエル奇襲攻撃」とこれに対するイスラエルの凄まじい反撃について語り合う。

※本記事は、『優しい日本人が気づかない 残酷な世界の本音―移民・難民で苦しむ欧州から、宇露戦争、ハマス奇襲まで』より一部を抜粋編集したものです。

日本人が知らない、世界の《残酷な常識》連載はこちら

世界各地で混乱をまき起こすのは、いつもアメリカ

福井義高(以下福井):アメリカは世界中で同じようなことを繰り返しています。

特に中南米ではやりたい放題です。1898年の米西戦争ではキューバの独立を支援すると称して開戦したのに、スペインを追い出した後は、キューバを事実上、保護国にします。その状態はフィデル・カストロに追い出されるまで続きました。

1903年には、運河建設をめぐりアメリカの意に沿わないコロンビアから、パナマ共和国を独立させたうえで、パナマ運河を建設したのみならず、運河両岸地帯を米領土としました。1999年にやっとアメリカはパナマに運河両岸を返還しました。

川口マーン惠美(以下川口):リューダースに言わせれば、2001年9月11日の同時多発テロ以降、アフガニスタン、イラク、シリア、リビア、イエメンに至るまで、アメリカが行ってきた軍事介入政策は、中東諸国の国家の崩壊をもたらし、無政府状態と混乱を招いた。そして、イスラム国のようなテロ組織の台頭もこの介入政策と因果関係があるとみています。

彼の観点から眺め直せば、今の国際情勢はまったく違った風景に見えてきます。

イラクについても非常に詳しく、イラクがアメリカのせいで混乱状態になって以来、50万人もの子供たちが無惨にも死んでいった責任はアメリカにあると断言しています。ところが普通のメディアではそういう意見がなかなか出てこない。

福井:そのことは当のアメリカでも、主流派ではない左翼と伝統的保守が取り上げて、自国政府を批判しています。アメリカ指導者の非人道性を示す例が、1996年5月、当時国連大使で後に国務長官となるマデレーン・オルブライトがCBSの報道番組《60Minutes》に出演した際の発言です。

これまで対イラク経済制裁でヒロシマより多い50万人の子供が死んだとされていることを問われたオルブライトは、「難しい選択だったけれども、犠牲に見合う価値があったと思う(we think, the price is worth it)」と断言したのです。

この発言にはさすがに大きな批判が巻き起こりました。オルブライトは「50万人」という数字にも異議を唱えませんでした。

川口:そう、いつも冷静なリューダースが、その話のとき、怒りで身を震わせるようになったのが印象的でした。

イスラエルに「ノー」と言った最後の大統領

福井:アラブ世界では英仏に植民地とされた歴史があるので、長年にわたり反英仏感情が広がっていたのに対し、アメリカは植民地支配とは無縁で、政治的関わりがあまりなかったので、反米感情は希薄でした。

モサデク追放の少し後、1956年に「スエズ動乱」という軍事紛争がありました。エジプトのガマール・アブドゥル=ナセル大統領がスエズ運河国有化を宣言し、これに反対して英・仏・イスラエルが出兵した「第二次中東戦争」あるいは「スエズ戦争」とも言われる軍事紛争です。

このとき、軍事力行使に慎重なアイゼンハワー大統領は、力による現状変更は認めないという観点から、事実上、ソ連とともにナセル側に立ち、英仏そしてイスラエルに断固とした態度で撤兵を迫ります。

アイゼンハワーはイスラエルに明確に「ノー」と言った最後の米大統領といえるでしょう。おそらく、このときがアラブ世界のアメリカへの好感情が頂点に達した時期です。

しかし、せっかく築き上げた親米感情を、アイゼンハワー以降の米歴代政権が崩していき、今では中東で一番嫌われているのはアメリカといえる状況となっています。

川口:力に任せて勝手なことをしすぎたのですから、自業自得ともいえますが、アメリカは今では嫌われているだけでなく、中東での影響力も弱まってきていますから、そのアメリカに庇護されていたイスラエルとしては、不都合な状況でしょう。

福井:イラクが国家として完全に崩壊し、リビアも同様の運命をたどり、中東の混乱は収拾がつかない状態となったのですが、イスラエルの安全は相対的に高まったともいえます。

イスラエルからすれば、人口で自国を圧倒する安定した国民国家が周囲にあることは、ただちに武力衝突とはならないにしても、潜在的脅威ですから。ただし、最大の敵イランは残っています。

川口:先にも話に出ました「アブラハム合意」ですが、これはすでに2020年8月に結ばれて、イスラエルはUAEと国交正常化を実現しました。そして、スーダンとモロッコもこれに続きました。

しかも、今年(2023)になって、イスラエルとサウジの国交正常化という、絶対に不可能だと思われていたことが中国の仲介で成立。エジプトやヨルダンは、すでにイスラエルと国交がありますから、これはイスラエルとアラブ諸国の本格的な雪解けの始まりといってもよい画期的な動きです。

ただ、そうなると、パレスチナは置いてきぼりにされる可能性が確実ですので、今回のハマスのイスラエル急襲は、その焦りに突き動かされた急進的な行動だったのではないでしょうか。

福井:ハマスは当初、これほどの大事になるとは想定していなかったとも言われています。イスラエルから人質を連れ去り、イスラエルで拘束されているパレスチナ人奪還の交渉材料にするのが目的だったというのです。

この説が正しいかどうかはともかく、今回の奇襲の大成功は、世界中で畏怖されているイスラエル軍と情報機関モサドの威信を大きく傷つけました。攻撃を予測できなかったばかりか、やすやすとハマスの侵入を許しました。

当初、現地部隊はほとんど抵抗できず、兵士と民間人に1000人強の犠牲者が出ました。面目をつぶされたイスラエル軍による反撃はすさまじいスケールのものとなり、カザ地区は焦土と化し、ハマスの攻撃によるイスラエル人犠牲者の10倍以上の犠牲者が出ています。ほとんどが子供を含む一般民衆です。

ただし、これまでイスラエルとの対立でパレスチナ人が犠牲になっても、欧米主流メディアではほとんど取り上げられなかったのが、今回のガザ地区の惨状は大々的に報道されています。

そのため、アラブ諸国だけでなく、欧米でもパレスチナ人に同情が広がっており、結果的にハマスの無謀ともいえる攻撃は、耐え難い犠牲を伴ったものの、政治的には成功だったということもできます。

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