『「失業率、賃金、GDP成長率」がトランプ大統領の行動原理』(7/29日経ビジネスオンライン 池松由香)、『対中国「存亡をかけた戦い」は米国を衰退させるか 勢いを増す強硬派』(7/26日経ビジネスオンライン 池松由香)について

7/27希望之声<遭民主党构陷多年 川普反击:要求调查奥巴马和希拉里=何年もの間、民主党の濡れ衣に遭う トランプの反撃:オバマとヒラリーの調査を要求>何年もの間、民主党に濡れ衣を着せられていたトランプ大統領は7/26(金)WHでオバマ前大統領とヒラリー・クリントン元国務長官の調査を呼びかけ、反撃を開始した。 オバマは出版社との取引について召喚されるべきであり、ヒラリーはクリントン財団が行ったことについて召喚されるべきだとトランプは思っている。

下院司法委員会委員長のJerrold Nadlerは、トランプ大統領のWH元顧問であるDon McGahnを起訴し、召喚することを計画している。 それを聞いて大統領は非常に腹を立てて言った。「彼らが今していることは恥ずかしいことだ。これは我々の国に打撃を与えることである。 だからこそ我々は下院を取り戻さなければならない」。「彼らは調査したい、そして釣りたい。私はムラーの調査を観察したが、彼らは何も見つけられなかった。これは一種の恥辱である。今、我々は民主党元大統領がしたことを見たい。 彼らがした調査を元に我々がオバマを調査する。初日(私が就任した日)から、彼らは我々がしてきたすべてのことを虎視眈々と見ていた」

「彼らはオバマ大統領と出版社との間の取引を調査することができる。彼の記録のすべてを召喚できる。ヒラリー・クリントンが関わっている退屈な記録、クリントン財団に関連するすべての記録や他の記録も召喚できる」

保守的な非営利団体「American Turning Point」の職員であるBenny Johnsonが、トランプ大統領の反撃計画をTwitterのビデオにまとめた。 トランプ大統領の支持者の多くは一貫して拍手を送り、「今こそ彼らの番である」と言っている。

《週刊出版ビジネス》のデータによると、オバマが2017年に大統領を下りてから、ミシェル夫人と共にペンギンランダムハウスと6500万ドルもの出版契約に署名した。 しかしその契約の内容は未だ一般に公開されていない。 ミシェルの回顧録は2018年末に出版され、オバマの本は2020年まで延期された。

トランプ大統領は先月、「オバマ大統領はあなたの選挙運動チームを監視していたと思いますか」と尋ねられたとき、「オバマは諜報機関が自分の選挙運動チームを監視していることを知っていたかもしれない。しかし、今は結論を出したくない。真実を探し出す。答えを見つけたい」と答えた。

さらに、今年5月末に特別連邦検察官がクリントンの捜査を間もなく終えるだろうと伝えた。

いよいよオバマ、ヒラリー、民主党、デイープステイトに正義の鉄槌が下される時が来たのでは。

https://twitter.com/i/status/1154854056894054400

https://www.soundofhope.org/gb/2019/07/27/n3063380.html

7/28阿波羅新聞網<中共要在香港动手 3个信号!=中共は香港で動き出す 3つの信号が!>7/21香港警察とマフィアの協力で元朗駅での流血事件の後、台湾のアメリカ協会は米国のメディアを引用して、「香港のギャングリーダーは中国共産党の傭兵である」と述べた。 香港の人々は28日、上環地区でデモを開始したが、警察により禁止された。 主催者は、これが最後の合法的な「反犯罪人引渡条例」デモになるかもしれないと思っている。 香港警察は、元朗デモと集会での異議申し立て通知の申請者である鐘健平を逮捕したと発表した。

中共は、香港・マカオ事務局が月曜日に香港情勢での立場と見解を表明するために記者会見を開いて発表すると通知した。 アポロネットの評論員は、「これは中共がさらに取り締まりを強化するという3つのシグナル(マフィアと警察の協力、合法デモの禁止、異議申立者の逮捕)である」と分析した。 さらに、中共の暴力のレベルが上がるに伴い、香港政府と共産党政権が分裂し、弁護士が参戦した! 香港司法部の職員は次のように述べている。「基本法を断固として擁護する」と。

https://www.aboluowang.com/2019/0728/1321605.html

7/29阿波羅新聞網<特朗普点名抨击 香港经济兵凶势危=トランプは名指しで攻撃 香港経済は戦乱状態で危険>米中貿易交渉は今週「対面」しての会議を再開するが、トランプ大統領は再び彼の得意技を披露し、極限までの圧力を加えて、中共に譲歩を迫ろうとしている。今回はWTOで途上国or地域を再定義するよう要求し、その矛先は当然中国、香港、マカオに向いている。 これは、香港が取引材料の一つであり、社会の雰囲気があまりよくないことを反映して、経済見通しは確かに危険水域である!

香港に関しては、輸出志向型の経済であり、国際情勢に大きく依存しているが、WTOでの立場に変化があると、ビジネスや投資家の信用に影響を与えるだろう。 政府当局は、第2四半期の経済成長は予想を下回り、失業率は上昇気味と警告している。

今年の6月まで、香港の失業率は15ヶ月連続で2.8%で、1998年1月以来の最低水準であり、明らかに「完全雇用」の水準に達している。しかし、失業率は景気の遅行指標であり、値が低いほど、景気拡大サイクルは終わりに近づいている。 歴史を繙くと、失業率は比較的低い水準まで到達してから上昇することになり、これは景気後退がそれほど遠くないことを示している。 例えば、1997年8月に失業率が2.1%まで下がった後、10月に上昇し、経済は98年の第一4半期より悪くなった。2000年12月の失業率は4.4%、翌年の2月には上昇し、その年の第4四半期には経済が悪化した。 2008年6月の失業率は3.2%に低下し、8月に上昇し、第4四半期の金融津波(リーマンショック)で経済は苦しんだ。

https://www.aboluowang.com/2019/0729/1321611.html

7/29阿波羅新聞網<中国经济势必下滑!德媒:威权经济奇迹不可持续=中国経済は必ず衰退する ドイツメディア:権威主義経済の奇跡は持続可能ではない>中国の今年の第2四半期のGDP成長率は6.2%に減速し、27年ぶりの最悪の数字となった。ドイツメディアの分析によると、「米中貿易戦争は中国の経済減速の最も重要な要素ではない。 それは“権威主義経済の奇跡は持続可能ではない”ということなので、中国の経済成長は必然的に衰退するだろう」と。

《ドイツの声 中国語ネット》の報道では、ドイツメデイアの《時代週報》の発行元Josef Joffeが、「中国経済はかつて2桁成長を達成したが、同時期の米国の経済成長率は約3%にすぎなかった。アジアの四小龍も二桁成長を遂げたが、今日の台湾の成長率は3%しかない」と最近指摘した。

評論は、「中国の発展モデル、すなわち、投資を拡大して消費を抑え、輸出を促進するため為替レートを下げる、農民を都市に呼び込んで賃金水準を下げる:投資過熱は限界利益の逓減、都市化の加速に伴い、必然的に人件費が高騰し、その結果、多国籍企業は新しい低コストの国を探しており、且つ中国は「富まない内に老齢化が始まる」という人口動態の変化が、経済的圧力を強めるだろう。

「現在、中国の総負債比率は中国の総経済量の3倍に達しており、習近平の支配下では、民間経済が活躍する場は縮んでいる。自由な資本取引市場がないため投資総額の半分を占める預金は不動産に流れ、中国には現在、総計6500万戸の空き家がある。“彼らは借金をする以外に何も使っていない。史上最大のバブルが形成されている”」と。

「権威主義政府は工業化の奇跡を実現することができるけれども、その後の経済成長は必然的に“日本、韓国、台湾のように”低下し、中国経済は当時のアジアの4小龍より早く下降するだろう」と考えている。

https://www.aboluowang.com/2019/0729/1321619.html

7/27yahoo ニュース サンケイビズ<韓国への輸出管理強化 高まる中国依存、技術移転の結果か>

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190727-00000507-fsi-bus_all

7/27防人と歩む会主催『深田萌絵氏講演会』で深田氏(CIAと繋がりが強い印象)は、韓国への輸出管理厳格化は

①米国の要請

②韓国経由でフッ化水素等が中国に渡り、半導体の自製化が進んでしまう恐れを払拭する

③中国は貿易戦争で負けても、世界に5G設備を設置できれば、世界中を中国のサーバーで監視でき、特に自由主義国の政治家のスキャンダルも容易に手に入れることができ、恫喝することにより世界支配を実現できると思っている

とのこと。中共をこのまま放置することが世界にとって如何に危険かです。

池松氏の記事では、米国の最近の状況、特に農家の現状、中国の大豆輸入の状況や、米国政府の補助金のことが分かって良かったです。

グローバリストと違い、トランプは貧しい人にも仕事を与え、生活できるよう考えて行動しています。そこがエリート集団には分からないのでしょう。鼻持ちならない民主党支持者は今度の大統領選で臍を噛むでしょう。

米国の学界は共産主義に対して無防備と言うか、わざと浸透を容易にしているとしか思えません。現在でも人権弾圧しているのは香港、ウイグル、チベットを見れば分かる筈。彼らも人権弾圧に加担している輩としか思えません。

日本も中共に宥和姿勢を取っているのは人権弾圧主義者と看做すべきです。アンチ・中共を応援すべきです。

7/29記事

「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大な国に)」を掲げ、保護主義に傾く米国のドナルド・トランプ大統領。米アップルや米インテルなどには中国との貿易戦争の影響も出始めている。一方で、米国内には中西部を中心にトランプ大統領を支持する人たちが数多くいる。
※この記事は日経ビジネス7月29日号特集「アメリカの実相 保護主義でも生き残る日本企業」の関連記事です。詳しくは特集をお読みください(有料会員限定)。

 かつて米国を代表する自動車メーカーの拠点として栄えたデトロイト。そこからクルマで2時間ほど南に下ると、オハイオ州を東西に貫く州道309号線に突き当たる。州道といっても反対車線のクルマがギリギリ行き交えるほどの狭い道。左右には広大なトウモロコシ畑と大豆畑が広がり、いつも通りの夏であれば人の背の高さほどのトウモロコシが黄色の実をたわわにつける。

トウモロコシや大豆の畑は豪雨の被害で荒れ地になっていた

 だが、今年は様相が違う。「6月に何度も大雨が降って洪水に見舞われたから、トウモロコシも大豆も大打撃を受けた。だからこの辺りの畑は荒地になっているだろう? 雨にやられたのさ」

 祖父の代から農業を営み、自身も農業に従事した後、数カ月前にリタイアしたというデービッド・シリングさんは、こう言って苦笑いを浮かべた。災害で打撃を受けたうえに、大豆やトウモロコシはトランプ政権の対中関税の報復で中国政府から25%の追加関税をかけられた(7月24日、中国政府は300万トン分の大豆輸入で関税を適用外に)。さぞ頭を抱えているかと思いきや、あっけらかんとした表情でこう言った。「この辺りの農家はこういう時のために皆、保険に入っている。災害と認められれば何も仕事をしなくても想定収入の4割はもらえるからね。たいていは何とかなる」

 これに加えて、ドナルド・トランプ大統領が進める農家保護策の一環として補助金が入る。しかも農務省は、関税による収入減かどうかを証明しなくても、収穫量を報告しさえすれば1農家当たり最大12万5000ドルを支給する。

 トランプ大統領の関税政策は、米国の農家を傷つけているとの報道が米国でも流れている。だが、シリングさんのあっけらかんとした表情が物語る通り、手厚い補助金が共和党支持者の多い中西部の農家の心をつかんでいる。

民主党支持者が流した涙

 これまで国内製造業の低迷で仕事を失っていた人ともなれば、トランプ支持の傾向もより顕著だ。中西部の日系部品メーカーで総務部長を務めるジュリア・ジョーンズさん(仮名)は、トランプ氏が中国からの自動車部品にかける関税が勤務先の利益を圧迫していることを知っている。それでも「関税が米国内の製造業を守ってくれている。トランプ氏はアメリカの経済発展のために尽くしている」と話す。

 トランプ氏のおかげで失業中だった夫が仕事に復帰できたことも大きい。オハイオ州の州道309号線上に位置するライマという街にある陸軍の戦車製造施設。トランプ氏が7億ドル以上を費やして174台の戦車を新規発注したことで、閉鎖寸前だった工場が息を吹き返した。

 ジュリアさんの夫は1990年代からこの工場に勤務し、景気に合わせて解雇と再雇用を3度も繰り返した。この施設をトランプ氏は今年3月に訪問。「本当は民主党支持者」(ジュリアさん)という夫もトランプ氏の演説を間近で聞き、感涙したという。

2019年3月、オハイオ州ライマの戦車製造施設を訪れたトランプ大統領(写真:Andrew Spear / Getty Image)

 中国や時には日本に対しても厳しい要求を突きつけるトランプ大統領。一見、支離滅裂にも見える同氏の行動原理は、上記のような国民の支持をより大きなものにすることにある。

 「失業率、賃金、国内総生産(GDP)成長率」。トランプ政権に近いといわれる保守系のシンクタンク、ヘリテージ財団のジェームズ・カラファノ副所長は、トランプ氏が注視するこれら3つの指標を挙げた。トランプ氏は今年5月から7月にかけて、連邦準備理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長を「いつでも解雇できる」と数回にわたってけん制。利下げを間接的に要望した。利下げは今、市場が最も期待する景気喚起策。これまで報われなかった人たちに補助金や仕事を与えて支持を増やしたトランプ氏にとって、2020年の大統領選に向けて、現在の好景気を維持することは最重要テーマだ。

 20年の大統領選の行方は米中貿易戦争や日本経済にも影響を与える可能性がある。例えば、トランプ氏が討論会を経ていく中で自身が優勢だと判断すれば、日本や欧州などと進める自動車関税の交渉や対中の追加関税の交渉において、あえて結論を出さない可能性が高い。自身が大統領に就任してから成果を出した方が国民の人気を勝ち取れるからだ。

 一方で劣勢と見れば、冒頭で触れたような支持者を意識して、何らかの成果を早い段階で出そうとするだろう。例えば、自動車関税のカードをちらつかせながら日本政府に兵器を購入させたり、中国に米国産の農作物を購入させたりすることが考えられる。大統領選が近づくにつれ、トランプ氏の言動がより過激になる可能性があることは頭に入れておいた方がよさそうだ。

7/26記事

「存亡をかけた戦いだ」。米国内の対中強硬派が勢いを増している。経済成長により力をつけた中国を米国の覇権を脅かす存在と見ているためだ。一方で、中国を排除することは長期的に米国の衰退を招くと戸惑う人たちもいる。

2000年代後半から中国が迫ってきた
●米中のGDPの推移と国のトップ

(写真左から=トランプ氏:ロイター/アフロ、Historical/Getty Images、Chip HIRES/Getty Images、South China Morning Post/Getty Images、Kyodo News/Getty Images、習近平氏:AP/アフロ)

 「これはただの貿易戦争ではない。米国の存亡をかけた戦いだ」

 米鉄鋼大手ニューコアの元CEO(最高経営責任者)で、ドナルド・トランプ大統領の政権移行チームで貿易政策を担当したダン・ディミッコ氏は、日経ビジネスの取材に対し、激しい口調でこう語った。政権移行チーム時代の“同志”には、ロバート・ライトハイザー通商代表部代表やウィルバー・ロス商務長官がいる。対中関税の「生みの親」の一人でもある同氏は、なおもまくし立てた。

 「中国を世界貿易機関(WTO)に入れたら、世界の貿易ルールに従って他の国々と同じように振る舞うかと思ったらとんでもない。中国が2000年に1億トンだった粗鋼生産を15年に8億トンにまで増やしたから、世界の鉄鋼価格は崩壊したのだ。他人の市場は破壊するのに、自国の市場は開放しない。もうたくさんだ。関税をかけるしか米国を守る方法はない」

 米国の政治の中心地、ワシントンが今、怒りにも似た中国への敵対心に燃えている。20年の大統領選を前に様々な場面で意見をぶつからせる共和党と民主党も、こと中国政策に関しては意見が一致している。

 「今が中国をたたきのめす最後のチャンス。そう考える強硬派がトランプ氏の周囲も含めてワシントンに数多くいることは確かだ」。地政学リスクの分析を得意とするシンクタンク、ユーラシアグループで国際貿易アナリストを務めるジェフリー・ライト氏が明かす。

 「デカップリング(切り離し)」。強硬派の狙いは、中国からの輸入品に関税をかけたり米国からの輸出品を規制したりすることで、中国を世界経済から孤立させることにある。成功すれば、中国は自由貿易からの恩恵を受けられなくなり、経済力は落ちる。

 中国を経済面から追い込もうとしているのは、覇権を握るために不可欠な技術力にも直結しているためだ。

AIなどの新技術が国力を左右

 今年6月に米ロングビーチで開かれた世界的な画像認識の学会、CVPR。AI(人工知能)が人のように画像を認識する「コンピュータービジョン」と呼ぶテクノロジーの専門学会だ。同技術は、自動運転の実現や店舗の無人化などに欠かせない最先端領域。ここで中国の躍進が際立っている。

 CVPRでは、学会とはいえグーグルやフェイスブックなど企業による展示も目立つ。中国のネット大手、百度(バイドゥ)が推進する自動運転プラットフォーム「Apollo」に関する発表は、一日中人だかりができる人気だった。米国による禁輸制裁の渦中にある通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のブースでも、論文のみの展示にもかかわらず、それを読み込もうとする技術者の行列ができていた。

 「1990年代の石油がそうであったように、今後はAIや自動運転、顔認識といった新技術領域が国力を左右するようになるだろう」。そうライト氏が指摘するように、次世代技術で他国の先を行くことが今後、強硬派の言う「国の存亡をかけた戦い」に勝つポイントになると考えられる。

ところが米国は、一部の新技術領域で中国に並ばれているか、先行を許している。ファーウェイに対する制裁が象徴的だ。

 ファーウェイは大容量のデータを高速でやり取りできる次世代通信規格「5G」の技術で先端を行く。5GはあらゆるモノがインターネットにつながるIoT時代に欠かせない、まさに今後の勝敗を決める重要な技術領域の一つである。米政府が米企業に、ファーウェイと許可なく接触することを禁じる制裁措置を取るのは、この領域でトップの技術力を持つファーウェイの勢いを抑えるためだ。

 貿易にとどまらず技術分野にまで広がる米国の中国包囲網。ワシントンが総力を挙げて中国の強大化を食い止めようとしているのは、中国が米国にとってこれまでにない脅威になりつつあるからだ。

 過去には、91年のソビエト連邦(現ロシア)崩壊まで続いた冷戦、80~90年代にかけて半導体や自動車などに米国が関税など制裁措置を行使した日米貿易摩擦などがあった。だが、米国にとって、かつてのソ連や日本との争いと中国との争いは異なる。

中国は米国の史上最大のライバル
●米国が過去に貿易摩擦や経済制裁を実施してきた国との関係

出所:人口はワールド・ポピュレーション・レビュー(2019年7月現在)、GDPは世界銀行(18年)、防衛費はストックホルム国際平和研究所(SIPRI)(18年)

 70年代にカーター政権下で国際問題担当の財務次官補を務めていた経歴を持つ、民主党系シンクタンクのピーターソン国際経済研究所(PIIE)名誉所長のフレッド・バーグステン氏によると、当時のソ連は米国に比べて経済力で及ばなかったため、米国がソ連の台頭を抑えるのは比較的簡単だったという。また日本は軍事力で米国にかなわず日米安保条約もあるため、米国が主張を通すことができた。だが、中国は違う。経済と軍事の両面で米国に迫りつつあるからだ。

ドア閉じれば、我々が凡人に

 一方で、米ソの冷戦とは別の意味で異なる点もある。貿易だけでなく人材などでも米国と中国が深く結びついていることだ。そのため、中国製品への関税引き上げや中国への輸出規制は米国にも影響を与える。

 足元の米国経済は好調だ。2019年5月の失業率は3.6%と、49年ぶりの低水準だった。ダウ工業株30種平均は7月15日に、前週末比27ドル高の2万7359ドルと過去最高値を記録している。この経済状況が対中強硬派に勢いを与えている。

 だが、個別の企業を見ていくと事情は異なる。冒頭のディミッコ氏がCEOを務めていたニューコアは18年12月期に過去最高の利益をたたき出すなど、中国製品に対する関税引き上げの恩恵を受けている。一方で、アップルやインテルは米中貿易摩擦の激化による中国の景気悪化の影響で売上高の見通しを引き下げた。フォード・モーターは関税引き上げなどによるコスト増が業績に影響したと公表している。

アップル、フォードなどには悪影響も
●米中貿易戦争による米企業への影響

 またトランプ政権下で外国からの米国企業への投資を制限する機運が高まったことから、特に中国からの投資が遠のいている。中国企業や投資家の動向を調査するシリコン・ドラゴンのレベッカ・ファニン氏は「中国の投資が続々と米国から撤退している。中国の目は今、イスラエルや東南アジアの企業に向いている」と話す。中国企業による米国技術系企業のM&A(合併・買収)は、件数こそ17年の89件から18年の80件へと微減にとどまったものの、金額ベースでは105億ドルから22億ドルにまで減少したという。

対中強硬派からすれば技術流出の恐れがある中国企業からの投資を抑えることは正しい施策だろう。だが、世界中から資金と人材を集めて、技術力で世界をリードしてきた米国が保護主義に傾くことは将来的な技術力と経済力の衰退につながりかねない。

 「中国の野心に対応するためにドアを完全に閉じれば、我々自身を凡人にしてしまうことだろう」

 マサチューセッツ工科大学(MIT)のリチャード・レスター教授は講演会で、同大のラファエル・リーフ学長の発言として上記の言葉を紹介した。レスター氏はこうも述べている。

 「すべてのMITの教授は優秀な中国人の学生を米国に連れてくることで、MITや米国を強くすると理解してきた。実際、AIの最高峰の学会でも中国人が貢献していることが分かる。ただ、テクノロジーの搾取に対する懸念もあり、内部でのリスク評価を強化している。中国、ロシア、サウジアラビアに関しては、共同研究が米国の安全保障を脅かさないことを確認している」

 MITは4月、ファーウェイや中国の中興通訊(ZTE)との協力を打ち切ることを決めた。その一方で、通信の無線化を予言したことで知られるMITメディアラボ創設者のニコラス・ネグロポンテ氏は「ファーウェイを排除するなど全くばかげている」と米国の対応を嘆く。「米国がやるべきは、むしろファーウェイを積極的に受け入れ彼らから学ぶこと。自分よりも優れた者から学ぶのは、どんな技術分野でも自身を成長させるうえで最高の近道だ」(ネグロポンテ氏)

ファーウェイ創業者の任正非氏(上)は米国からの供給が止まる事態に備え、自前の半導体(左)を開発してきた(写真=左:Imaginechina/アフロ、右:ロイター/アフロ)

 米国の大手半導体メーカーのエンジニアは「部署によってはファーウェイとは新たな商談などは控えるようにと言われている」と話す。完全に関係を断ち切るのではなく、個別の商品ごとに対応しているところに米国企業の苦渋がにじむ。

 そもそも対中強硬策の旗を振るトランプ大統領と強硬派は大きく見れば同じ方向を向いて歩いているものの、目的地は異なる。強硬派の目的はこれまで説明してきた通り、中国の脅威を今のうちにねじ伏せて、世界の覇権を奪われないようにすることにある。

 一方のトランプ大統領は20年の大統領選で再選を果たすことが大きな目的だ。強硬派は目的達成のためなら多少の経済的な代償を払うことをいとわないとしても、トランプ氏にそのつもりはないだろう。票を落とす予兆を感じ取れば方針転換して譲歩する。

 6月の米中首脳会談。トランプ氏がファーウェイに対する禁輸措置を緩和する発言をしたことは、強硬派にとって寝耳に水だったはずだ。実際、強硬派の中心人物であるピーター・ナバロ大統領補佐官やライトハイザー通商代表部代表が、緩和するのは米国の安全保障に脅威のないものに限ることなどの説明に追われた。

 トランプ政権に近い保守系シンクタンクのヘリテージ財団で副所長を務めるジェームズ・カラファノ氏は「トランプ氏がどんな決断をするかを読むのはほとんど不可能だ。ポーカーゲームのようなもので、彼の手の内にあるカードをいつどう切るかを知っているのはトランプ氏本人だけ。我々に分かるのは、彼がポーカーゲームをしているという事実だけだ」と話す。一つだけ間違いないのは、トランプ氏の切るカードにかかわらず、中国との覇権争いは簡単には終わらないということだろう。

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