『中国・追加関税がもたらした輸入大豆の供給不足 11月以降の不足予想は1500万トン』(11/2日経ビジネスオンライン 北村豊)について

11/3阿波羅新聞網<习近平豪赌美选举不再幻想?川普刚抛出一个烟雾弹?反制中共美朝野差别大?=習近平が中間選挙に賭けるのは幻想に終わる? トランプは発煙弾を投げた 中共に反対するのは米国の朝野で差が大きい?>中間選挙が終わって、民主党が勝ったとしても、議会の反中は変わらない。但し、民主党の場合、トランプと比べ、判断力と実行力で劣る。民主党が議会を制すれば、トランプは民主党とぶつかる議題は引っ込め、コンセンサスを得やすい反中共のような議題に焦点を充てるだろう。北京が「共和党が負ければ、貿易戦が終わる」というのは幻想に過ぎない。11/1のトランプ・習電話会談は、中間選挙対策で、関係悪化はしていないという発煙弾を投げただけである。中共をWTO加入させたのに、この20年近く市場を開放せず、外資を公平に扱うと言ってもやらず、米国企業と政治家も長く不満に思ってきた。米国企業は中共の外資への圧迫に対し、怒るだけで何も言ってこなかった。ロビー活動をして、「北京と交渉してくれ」とだけ。

http://www.aboluowang.com/2018/1103/1198668.html

11/3阿波羅新聞網<川普暗指习近平来求和 专家:中共进退都是伤 川习会难有大突破=トランプは習に「来て講和を求めよ」と 専門家:中共は進むも退くも傷がつく トランプ・習会談は突破するのは難しい>南カロライナ大学の謝田教授は「貿易戦で中共は進退窮まれり。それだけでなく存亡の危機に直面している。進むにしろ退くにしろ傷がつく。G20で会談できなければ、それも問題にされ、会っても進展が無ければ責められる」と述べた。11/3トランプは記者の質問に「(関税の影響で中国経済が下降するのは)非常にまずいのでは。彼らは合意に達せると思っているが、大変なことだよ」と答えた。これは「中国が早くコントロールしたいなら、習近平が来て講和を求めない限り無理。公平な貿易をしないと駄目」というのを暗示している。

評論家やアナリストは、貿易戦は長く続くと見ている。

http://www.aboluowang.com/2018/1103/1198767.html

北村氏の記事で、中共が大豆輸入をどう取り扱うか見物です。関税賦課を止めるのか、止めずに米国から輸入するのか、大豆の代替品を探すのか?いずれの場合も困難な道です。中共の権威を傷つけるのは間違いないでしょう。トランプの中間選挙対策で打ち出した政策で自縄自縛に陥りました。策士策に溺れるというものです。松岡洋右のように米国の出方を読み間違えました。

11/4阿波羅新聞網<中南海激斗 邓朴方庆亲王联手 批习近平倒退 ——暗批习近平倒退 邓朴方讲话遭封杀 庆亲王发全文 残联官网休克=中南海は激闘に 鄧撲方(鄧小平の長男、文革時に紅衛兵に襲われ、窓から飛び降り、身障者に。身障者連合会の名誉主席)は曽慶紅と手を結ぶ 9/16身障者連合会の大会で、鄧は「習は逆行している」と批判 身障者連合会のネット全体は削除・封殺された 10月下旬、習が港・珠・澳大橋開通式参加の為南巡した時に、曽慶紅管理のサウスチャイナモーニングポストにその全文を載せたとあります。まあ、嫌がらせ程度でしょうけど。馬雲も派閥間闘争が激しくなるのを見込んでアリババを辞めたのでしょう。

まあ、このまま貿易戦が継続して行って、中国経済がガタガタになれば、少なくとも軍事費の膨張は抑えられ、海外展開している基地や尖閣に姿を現している艦艇や飛行機も維持できなくなるでしょう。それでも、軍事を維持するとしたらソ連の二の舞でしょう。その前に国民経済を圧迫し、真の革命が起きるかもしれません。中国を経済的に封じ込めて行くのが一番良いと思っています。トランプは期待を裏切らないでほしい。中国は嘘つき民族ですので、約束しても守ることはありません。「騙す方が賢い」と思っている連中ですから。変な妥協は禁物です。

記事

米中貿易戦争は米国の穀物業界にも不安をもたらしている。2018年4月5日撮影(写真:AP/アフロ)

中国政府の“国家糧油信息中心(国家穀物・食用油情報センター)”は、“国務院”の管理下にある“国家糧食和物資儲備局(国家食糧・物資備蓄局)”に所属する機関で、国内外の“糧油(穀物・食用油)”市場の動向を観測し、“糧油”の需要と供給の関係を分析し、市場の未来展望を予測し、政策的な意見を提出し、国家の“糧油”マクロ管理に情報を提供している。

9月11日から12日まで北京市で開催された「一帯一路世界農産品トップフォーラム」および「第14回“糧油”・飼料大会」で講演した“国家糧油信息中心”部長の“張立偉”は、中国の大豆輸入に関して次のように述べた。

【1】2017年10月から今年7月までの我が国の累計大豆輸入量は7695万トンで、前年度同期の7694万トンと同一水準であった。今年8~9月における我が国の大豆輸入量は1600~1700万トンで、昨年同期の1656万トンとほぼ同一であった。これに基づいて推計すると、2017/2018年度の我が国の大豆輸入量は9300~9400万トンで、前年度輸入量9350万トンと同水準になる。

【2】中国と米国の貿易衝突が我が国の第4四半期と来年度における大豆輸入に与える影響は大きい。2017年に我が国が輸入した米国大豆は3285万トンであったが、中国・米国の貿易戦争は米国大豆の輸入コストを他の国よりも大幅に引き上げ、米国大豆の輸入量を大幅に減少させ、今年の第4四半期と2018/2019年度の我が国の大豆輸入量に影響を与えることになろう。

【3】世界の大豆貿易の構成から見て、別の国で1000~1500万トンの米国大豆を代替することは可能だが、もしも我が国の大豆輸入量が大幅に減少しないならば、依然として1500万トン前後の米国大豆を輸入する必要がある。このため、大豆の消費需要を引き下げることを通じて大豆輸入量を減少させ、米国大豆を輸入しない、あるいは輸入削減による中国国内の影響を軽減させることが必要になる。

【4】毎年10月から翌年の3月まで、中国の輸入大豆は主として米国産であり、同一期間中に米国産大豆が占める割合は一貫して50%以上である。もし中国・米国間の貿易戦争が解決出来ぬまま推移すれば、米国大豆の輸入量は大幅に減少することになるだろう。我々は国内の“油籽(油用種子)”と“油料(搾油用植物)”の生産を奨励、支援し、国産の“蛋白粕(植物油の搾り粕)”の供給量を増加させ、ムラサキウマゴヤシ(別名;アルファルファ)などの高蛋白飼料作物の作付面積を増加させる。飼料や養殖企業に低蛋白配合を促進させ、合成アミノ酸の用量を増加させる。それによって飼料中の豆粕を代替する、あるいは豆粕の使用量を減少させる。

【5】事実上、8月26日までに米国大豆の優良生育率は65%で、昨年同期の60%よりも高く、今年の米国大豆が豊作になることはすでに確定的である。USDA(米国農務省)の8月予測では、大豆の単位収穫量は51.6ブッシェル/エーカーで、昨年の49.5ブッシェル/エーカーよりも高かったので、今年の米国大豆の収穫量は1億2480万トンで昨年の1億1950万トンよりも530万トン増大するものと予測される。

米国だけが大豆1500万トンを輸出できる

中国・米国間の貿易戦争は、6月15日に米国政府が中国による知的財産権侵害に対する制裁措置として、米国が中国から輸入している中国製品500億ドル分に対して25%の追加関税を課すと発表し、その第1弾として7月6日に340億ドル分の中国製品に制裁関税の適用を開始するとしたことにより勃発した。これに対し、中国政府は同じく6月15日に米国と同規模・同等の追加関税措置を取るとの声明を発表し、米国が7月6日に制裁関税を発動すれば、同時に340億ドル分の米国製品に追加関税を課すとして応戦する意思を表明した。

中国政府が米国政府に対する報復として7月6日に追加関税25%を適用したのは545品目の米国製品であったが、その中には主要な輸入品目である大豆が含まれていた。中国税関総署の統計によれば、2017年における米国からの“糧油”類の輸入総量は3550万トンであり、このうち大豆は3285万トンで全体の92%を占めていた。中国では大豆に対する輸入関税は従来3%であったから、25%の追加関税が適用された後の輸入関税は28%に増大した。

上記の張立偉部長の話にあったように、米国大豆は25%の関税が追加されたことで他国産大豆に比べて価格競争力を失った。しかし、今年、全世界の大豆生産量は4.85億トンであるのに対して、全世界の大豆貿易量は2.1億トンに過ぎず、そのうちに占める中国の大豆輸入量が9300~9400万トンとすれば、約45%が中国によって占められることになる。一方、上述したように2017年における中国の大豆輸入量は9350万トンであったが、その国別輸入量は【表1】の通り。

【表1】2017年中国の国別大豆輸入量

(出所)中国税関統計

2017年の米国からの大豆輸入量は3285万トンであったが、張立偉も述べているように、1000~1500万トンを別の国から輸入することで代替することは可能かもしれないが、たとえそれができたとしても、依然として1500万トンの大豆を輸入する必要がある。但し、1500万トンもの大豆を輸出できるのは米国だけで、その他の国にはそれだけの余力がない。
ましてや、張立偉が述べているように、今年の米国は大豆が豊作で収穫量は昨年よりも530万トンも増大すると見込まれているのである。

なお、中国税関総署の統計によれば、2018年1月から9月までの大豆輸入量は7001万トンで、その月別輸入量は【表2】の通り。

【表2】2018年中国の月別大豆輸入量

<万トン>

(出所)中国税関総署・月別統計

大豆に対する25%の追加関税が実施されたのは7月6日からなので、7月以降は大豆輸入量が減少してしかるべきだと思われるが、輸入量が減少した形跡はない。張立偉が述べているように「2017年10月から今年7月まで累計大豆輸入量7695万トンは、前年度同期の7694万トンと同一水準」であるということだから、影響は何もでていない。しかし、業界筋によれば、11月以降は南半球にあるブラジルやアルゼンチンでは大豆の供給が端境期に入り、本来これに代わって大豆を中国へ供給するのが米国であったという。その米国大豆が高関税のために中国へ輸入されないとなると、中国は1000万トン以上の大幅な大豆不足に陥り、中国企業は高関税に目をつぶってまでも米国大豆の輸入に踏み切る可能性が強いと海外メディアの多くが予想している。

中国の大豆自給率は20%程度と言われているが、中国国産大豆は輸入大豆に比べて価格が高く、遺伝子組み換えが行われていないことから、主として食用に使われている。これに対して輸入大豆は価格が安く、油分が多いことから、ほぼ100%が大豆油の抽出に使われる。大豆から油分を抽出した後に残る“豆粕(脱脂大豆)”は、豚、牛、羊、鶏などの家畜に良質な植物性蛋白質を供給する重要な栄養素であり、“豆粕”を混ぜた飼料で育てられた家畜は食肉に加工されて国民の食卓に供される。

中国の2017年における飼料用脱脂大豆の需要は6700万トンで、脱脂大豆総需要の98%を占め、そのうち養豚飼料に用いられる脱脂大豆は49%を占めている。中国には大豆供給不足による脱脂大豆の不足に対処するため、国産の油用種子や搾油用植物の生産を奨励し、国産の植物油搾り粕や高蛋白飼料作物の増産をはかり、飼料に含める脱脂大豆の量を削減すると、張立偉は上記の通り述べている。

ASF感染拡大に懸念の声

ところで、中国では8月3日に遼寧省“瀋陽市”で“非洲豬瘟疫(アフリカ豚コレラ)”(略称:ASF)に感染した“猪(豚)”が発見されたのを皮切りに、10月23日までの時点で黒龍江省、吉林省、内モンゴル自治区、河南省、江蘇省、安徽省、浙江省、天津市、山西省、湖南省、雲南省の計12の一級行政区(省・自治区・直轄市)の54カ所でASFに感染した豚が確認され、感染のさらなる拡大が懸念されている。

日本でも9月9日に岐阜県の養豚農場で「豚コレラ」(略称:CSF)の発生が確認されたが、これは日本で1992年以来26年振りであった。農林水産省消費・安全局動物衛生課が10月29日付で発表した内容によれば、「CSFは、豚やイノシシが感染する病気であり、強い伝染力と高い致死率が特徴で、日本では家畜伝染病予防法で家畜伝染病に指定されている」とあった。日本でCSFの発生が確認されたのを受け、中国政府は9月末に日本からの豚・イノシシの輸入を直接・間接を問わず禁止する旨の公告を出して即日実施した。

一方、中国で感染の拡大が懸念されているASFはCSFとは異なるウイルスに起因するもので、CSFと同様に豚やイノシシが感染する病気だが、専門家によれば、「感染すると出血熱を発して暴れるようになり、最終的には死に至る。人には感染しないが、有効な治療法やワクチンはいまだに開発されておらず、殺処分するしか解決方法はない」という厄介な代物である。

中国ではASFに感染して死んだ豚の肉を食肉市場へ供給する不届き者が横行しており、中国国内で大きな問題となると同時に、ASFが沈静化するまで豚肉を食べないとする人々が急増している。10月22日には中国・北京市から北海道の新千歳空港に到着した中国人観光客が、携帯品として持ち込んだ豚肉ソーセージからASFウイルスの陽性反応が出たという。当該ソーセージにはラベル表示がなく、原産地は不明だと言うが、中国製であることは間違いないだろうし、ソーセージのような肉加工品に化けると発見が難しい。日本政府はASFウイルスの侵入を恐れて検疫を強化しているが、人間がASFに感染した豚肉や加工品を食べても問題ないとはいえ、ASFウイルスは糞便に混じって排出され、そこから豚やイノシシが感染することが予想できるので防疫は重要である。

避けられない豚肉の値上がり

中国国内でASFが沈静化するまで豚肉を食べないという人々が増大し、養豚業者は苦境に陥っている。そこに大豆の供給不足による脱脂大豆の値上がりが追い打ちをかけ、養豚業者は正に泣き面に蜂という状況にある。このまま行けば、養豚業者は豚の飼育数を削減する、あるいは廃業するといった形で対応するはずで、将来的には豚の飼育数が回復するまでは豚肉の値上がりは避けられず、豚肉を好む庶民の反発は大きなものとなるだろう。

折悪しくASFの蔓延と時を同じくして大豆の供給不足問題が中国世論を賑わせているが、中国政府は米国政府に対する報復関税の対象品目に大豆を含めたために、“搬起石頭砸自己的脚(石を持ち上げて自分の脚に落とす=自業自得)”の結果になったと、中国の批評家は述べている。

10月11日、中国政府“農業部”は毎月定例で発表する『中国農産品需給形勢分析報告』10月分の発表を技術問題を理由に中止した。当該報告は主要な農作物の生産量、輸入量、消費量の月別予測を行うもので、主たる対象には大豆、トウモロコシ、綿花、食用植物油などが含まれている。海外メディアは、この発表中止は米国に代わる大豆の供給国が見つからないことに起因しており、11月以降に中国は米国大豆を輸入せざるを得ないのではないかと分析している。果たして、この結末はどうなるのか。ASFの感染がこれ以上拡大しないことを祈りつつ見守ることにしたい。

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『文在寅政権は「現状を打ち壊す」革命政府だ 「民族の核」を持つ北と組めば怖いものなし』(11/2日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『韓国徴用工判決、投資と観光客が激減する恐れ』(11/2日経ビジネスオンライン 向山英彦)について

10/29本ブログで「馬渕睦夫著の『2019年世界の真実』には、「ジャック・アタリは2025年までに中共の一党支配は終わると予言」(P.120)とありました。グローバル勢力が中共を見放したことになります。」と書きました。読み終わりましたので、その他の部分も紹介します。

①返還された北方領土にロシア軍の駐留を認めるのも一案。沖縄に米軍が未だに駐留していることを考えれば、何も不思議でない。(P.144~146)

②安倍政権時代にトランプ大統領が靖國神社に参拝することも大いにありうる。(P.147)

③「アメリカの伝統破壊はエスタブリッシュメントの交代に象徴的に表れています。ユダヤ系のブレジンスキーが自著『THE CHOICE』で指摘しているように、WASP (ホワイト、アングロサクソン、プロテスタント)をエスタブリッシュメントの座から弓き摺り下ろして新たにエスタブリッシュメントになったのはユダヤ系の人々です。その手法は黒人やヒスパニックなど少数派と組んだことだと、同書は種明かしをしています。つま り、移民(少数派)と組んで同じく少数派のユダヤ系がアメリカのエスタブリッシュメントに上り詰めた。移民はアメリカ社会変遷のために利用されたともいえます。

トランプ大統領はこうした事実に直接言及することは慎重に避けながら、アメリカ国民に対しアメリカを取り戻そうと訴えました。その意味で、トランプ大統領の挑戦は世界グローバル化勢力との戦いであるのです。」(P.166)

④「少数者優遇は多数者に対する差別である

では、国連による政治、思想分野での「世界統一」活動はどのように行われているのでしようか。この疑問に答える鍵はロシア革命にあります。

二〇一七年はロシア共産革命百周年でしたが、ロシア革命はまだ終わっていません。 私たちは一九九一年のソ連邦崩壊によってロシア革命は使命を終えたと無邪気に信じがちです。しかし、そうではありません。ロシア革命の思想を受け継ぐ革命家たちは、暴力的手段による共産主義革命から、文化を乗っ取ることによる内部崩壊方式に戦術を変更しました。この新しい戦術の理論的支柱になっているのが、先述のフランクフルト学派による秩序批判理論です。既存のあらゆる秩序を批判することによって社会を崩壊に導くという単純な理論ですが、この秩序破壊工作が明確に目に見える形で行われるわけではないので、私たちが社会の崩壊に気づくのが手遅れになる危険があるのです。

たとえば、昨今EUやアメリカを襲っている移民の波も、元はといえばフランクフルト学派の批判理論に基づき、先進国の社会秩序を破壊することを狙ったものです。しかし移民擁護者は自らの正体を明かさずに、移民の人権や人道問題の側面を強調することによって、人々の移民に対する疑問や不信感の表明を抑圧し、移民の受け入れが世界の理想に合致するものだとの印象操作を続けてきました。

近年、国連は移民に関する特別会合を開催し、移民は保護される権利があるとして各国に移民受け入れの促進を訴えました。この「移民の権利」擁護キャンペ—ンの尖兵となったのが各国のメディアであり、メディアに巣喰う知識人です。

彼らはポリテイカル・コレクトネス(政治的正しさ)という巧妙な口実を発明しています。これは少数者優遇であり、多数者に対する「逆差別」なのです。言うまでもなく、ポリテイカル・コレクトネスを推進しているのは世界の少数者グループです。フランクフルト学派の批判理論を言い換えれば、「既存の秩序は多数者の秩序であり、多数派から疎外されている少数者はこの秩序を破壊せよ」という革命的扇動になるのです。

移民を奨励する国連の移民条約の草案には「移民は移民した国の中で文化的にも社会的にも同化する必要はない」「移民は移民した国の国民と同等の権利を主張できる」という内容があります。あまり過激だから、誰も相手にしていませんが、国連はそういうことをやっているところです。」(P.182~183)

⑤「では、二十世紀最大の謎を解く鍵は何か。答えは前述したロシア革命です。ロシア革命は決してロシア人による帝政打倒の革命ではありません。ユダヤ系の職業革命家によるロシアにおけるユダヤ人解放のための革命だったのです。そのためにマルクスの共産主義革命理論が利用されたに過ぎません。この真実は世界の眼から隠蔽されてきました。

ソ連共産主義体制下、ニ千万人のスラブ系住民が反革命や階級の敵という口実で、問答無用に殺害されましたが、このテロの恐怖による強権的支配の革命を支援したのは米英の金融資本家たちです。彼らは融資した資金を回収し、革命家たちはロシア人労働者を弾圧し、搾取する一方でスイスの銀行口座を持ち、私的に富を蓄えた。このような共産主義独裁政権がプロレタリアートのための政権であるはずがありません。革命から七十四年でソ連という人工国家は崩壊しましたが、この事実が共産主義体制の矛盾を如実に証明しています。

共産主義の悪行がこれほど明確に示されているにもかかわらず、なぜかロシア革命の実態について、私たちは知ることを阻まれています。それはロシア革命をプロレタリアート革命と持て囃した勢力によってです。彼らはプロレタリアート革命のロ実で行われた大量虐殺の協力者であり、人類史上最悪の虐殺行為が暴露されるのを隠蔽しなければならない人たちです。

結論を言えば、ロシア革命を支援した人々がアメリカやイギリスのメディアを握り、ロシア革命の虐殺の実態が明るみに出ないよう、ヒトラーという極悪人を糾弾することによって隠蔽してきたのです。「ロシア革命でユダヤ人が□シア人を大虐殺した」「ユダヤ人がロシア人を強制収容所で働かせた」。それを隠さなければいけないから、ユダヤ人を強制収容所に入れ、虐殺したヒトラーを極悪人として糾弾しつづけるのです。もちろんヒトラーは悪い奴でしよう。しかし、それ以上の大虐殺を無視するのはニ枚舌というしかありません。

今、アメリカの歴史学者の大御所は、だいたいユダヤ人です。そういう人が、自分たちに都合のいい歴史をつくっていて、ユダヤ系が多いメディアはそれに加担する。 安倍首相も「歴史修正主義者」というレッテルをそういう人たちから貼られましたが、本当のことがわかったら困るから、本当のことを言いそうな人を、「歴史修正主義者」といって抑えているわけです。」」(P.186~188)

⑥「また、外国人のベビーシッターになると、日本の子どもたちが日本語を覚えられなくなります。言うまでもなく、赤ん坊はまず耳から日本語を覚えるからです。子育てのような子どもの人生を左右する重要なことを外国人にやらせてはいけません。それどころか、「子どもをむやみに保育園に入れてはいけない」と私は主張しています。子育ては親がやるべきです。「待機児童」問題が大きな行政課題になっていますが、児童が保育園を待機しているのではありません。待機しているのは会社で働きたい母親です。今、そういう正論が通じない社会になっています。

「少なくとも生まれてまもない子どもは、また、できれば三歳ごろまでの子どもは、お母さんが自分で育てたほうがいい」というと、フエミニストから批判されたりする。しかし、そのフェミニストもかつてはお母さんに育てられたのでしょう。自分は母親に育てられておきながら、周りの人たちに「母親が育てるな」とどうして言えるのか。そういう反論をできない今の政治家、あるいは保守系の知識人はだらしないと言わざるを得ません。これでは日本の社会がだんだん劣化していくのを止められません。

昔は一人の働き手で家族を支えましたが、今は夫婦二人で働かないと経済的にも支えられなくなっています。簡単に言えば、一人頭の収入が半分に減っているのです。しかし、両親がともに働かなければならないから子どもを保育園に入れるというのは、本末転倒です。母親が働かなくてもいいと言ったら極論だから、百歩譲って、少なくても三年間は育児に専念できるような社会システムにすればいいのです。そうしないと、日本人がだめになっていきます。日本の小学校が荒れているのは、母親が育児をしないからです。母親がご飯をつくらないからです。教育心理学の難しい理論は必要ないのです。」(P.206~207)

11/2ZAKZAK<「徴用工判決」で韓国致命傷 ヒト、モノ、カネ…もはや関わることがリスクに>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181102/soc1811020004-n1.html

11/3ZAKZAK<韓国「徴用工判決」に米国、台湾の識者も異常性指摘 エルドリッヂ氏「約束守れない国」 黄氏「追い詰められているのでは」>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/181103/soc1811030001-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

まあ、韓国を甘やかしてきた勢力が悪いのでしょうね。「共産主義の防波堤」の論理は既に破綻しています。朝鮮民族は事大主義者です。強きに媚び諂い、弱きを虐めるとんでもない民族です。中国のように動物をしつけるようなやり方でしか付き合うことはできません。何せ忘恩の徒ですから。日本人とは余りにかけ離れています。日本も国際司法裁判所提訴何て悠長に構えず、できる制裁はやっていくべきです。鈴置氏の言う「韓国は米国から断交を言わせる」作戦のように、日本も早く韓国から日本への断交を言わせるように持って行きませんと。国際社会に説明できる原稿を今の内から作って置けばよい。外務省は能力があるのか?中国人・朝鮮人は嘘つき民族ですから、捏造したアピールを出される可能性がありますので、事実でキチンと反論できるようにしておきませんと。

この期に及んでも、日本企業は韓国で商売やりたいor世界のサプライチエーンを利用したいと考えているとしたら、愚かでしょう。韓国は法治国家でないことを示しました。法的安定性が望めない国でビジネスするなら、自己責任でしょう。まあ、経営者は株主総会で糾弾されればよいでしょう。

鈴置記事

文在寅大統領は「徴用工判決」翌々日の11月1日、国会で施政方針を演説したが、「判決」に言及はなかった(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

文在寅(ムン・ジェイン)政権は革命政府だ。「現状」は全て打ち壊す。核を持つ北朝鮮と一体になるのだから、怖いものはない。

「歴史カード」を奪回した

—韓国はいったい、何を考えているのでしょうか。日韓国交正常化の際の合意をいとも簡単に踏みにじりました。

鈴置:驚くことでもありません。文在寅政権は革命政権なのです。国内外を問わず、気にくわないものは全て破壊します。この政権を生んだ2016年から2017年にかけての朴槿恵(パク・クネ)打倒劇を、大統領自身がフランス革命に例えています。

10月30日の韓国の大法院――最高裁の「徴用工判決」は「日本の上に君臨する」ことを宣言する“革命的”なものでした(「新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判」参照)。

政権に近いハンギョレの社説「『裁判取引』で遅らされた正義…徴用被害者もあの世で笑うだろうか」(10月31日、日本語版)は「法的にも日本を下に置いた」と勝利をうたい上げました。

(最高裁)全員合議体の多数意見は「強制動員被害者の損害賠償請求権は『朝鮮半島に対する不法な植民支配および侵略戦争の遂行と直結した日本企業の反人道的不法行為を前提とする慰謝料請求権』であり、請求権協定の適用対象ではない」と宣言した。

「反人道的不法行為」による個人請求権は消滅していないとする最高裁の判断は、強制動員はもちろん、韓国人原爆被害者や日本軍慰安婦被害者など他の「人道に反する不法行為」にも適用されるものとみられ、注目される。

この判決さえあれば、慰安婦合意で失いかけた「歴史カード」を取り戻し、これまで以上に日本を思う存分に叩ける――との喜びがひしひしと伝わってきます。

韓国はICJで勝てない

—では、次は個人請求権の発動ですね。

鈴置:ただ、それは現実には難しい。元・徴用工ら原告団が差し押さえようにも、今回の裁判で被告となった新日鉄住金の韓国における資産はほとんどありません。

それに差し押さえに入れば、日本政府が国際司法裁判所(ICJ)に提訴するでしょうが、そこで韓国側が敗訴する可能性が高い。

文在寅政権含め、韓国の歴代政権は日本政府と同様「元・徴用工の請求権は1965年の日韓請求権協定で完全に消滅した」との立場をとってきたからです。

中央日報の「強制徴用問題で国際訴訟に向かう日本…ICJは独の軍配を上げた」(10月31日、日本語版)はドイツの先例を引いて「韓国敗訴」の可能性を指摘しました。日本語を整えて引用します。

イタリア最高裁は2004年、戦争中に強制労働に動員されたイタリア人がドイツ政府を相手取って起こした損害賠償訴訟で原告勝訴判決を確定した。

これを不服とするドイツ政府はICJに提訴。ICJは2012年2月「イタリア裁判所はドイツの自主権を侵害した」としてドイツに軍配を上げた。平和条約で問題はすでに解決済みとの意味だ。ICJの判事15人中12人が主権免除原則により判決に賛成した。

なお、この記事の見出しに「強制」とあるのは、韓国側の用語です。日本側は「当時の朝鮮人――いわゆる半島出身の日本人は法的に日本国民だったのだから、戦争中の国民の義務として徴用された」との立場です。一方韓国は「韓日併合自体が違法だったから、徴用は『強制労働』だったのだ」と主張しています。

さらになお、今回の裁判の原告4人は徴用ではなく日本製鉄(当時)の募集に応じた人たちです。判決にもそう書いてあります。強制的に連れて行かれたわけではありません。そもそも裁判を「徴用工裁判」と呼ぶこと自体が間違っています。

中央日報は別の記事「韓国政府『歴史・未来ツートラック』慎重…日本がICJ提訴すれば外交的負担に」(10月31日、日本語版)でもICJへの提訴を取り上げ、韓国政府が苦境に陥ったと指摘しました。

ICJでの裁判は拒否できるが、国際世論戦を仕掛けられたら韓国が不利になる――との解説です。

日本のカネで財団を作れ

—韓国政府はどうやって苦境を脱出するつもりでしょうか。

鈴置:日本の政府や企業がカネを出して「徴用工財団」を作れと要求して来ると思われます。韓国紙には早くもそれを示唆する記事が載り始めています。

例えば、東亜日報の「ドイツ政府―企業、財団を作って個人被害を補償」(10月31日、日本語版)です。書き出しを引用します。

ドイツは第2次世界大戦でナチス政権が行った強制労働に対する賠償問題を解決するために、政府と企業による共同の財団を作った。170万人にのぼる被害者が補償金として計44億ユーロ(約5兆7千億ウォン)を受け取った。

なお、ドイツと比べるのは無理があります。ドイツ――厳密に言えば西ドイツは日本とは異なり、関係国との国交正常化の際に政府として補償金を支払っていないからです。

そこでドイツの例には触れず、「現実的な案」として「徴用工財団」の設立を主張する人もいます。中央日報の「強制徴用問題で国際訴訟に向かう日本…ICJは独の軍配を上げた」(10月31日、日本語版)は結論部分で、そうした専門家の意見を紹介しました。

建国大法学専門大学院のパク・イヌァン元教授は「強制徴用被害者が概略25万人と推算される」として「25万人の訴訟を司法府が行政力で処理することもできず、数十兆ウォンに達する賠償額も企業が負担するには現実的に難しい」と指摘した。

同時に、「両国が妥協できる接点を探して財団を通じて被害者の痛みを癒すのが正しい方向」と話した。

日本企業に加え、POSCOなど韓国企業が一緒になって救済のための財団を作り元・徴用工におカネを支給する――とのアイデアはかなり前からありました。

韓国企業も負担するのは本来、元・徴用工らに支払われるべきおカネを韓国政府が代わりに受け取って、浦項総合製鉄(現・POSCO)などを設立したからです。

朝日新聞は財団派?

—日本は支払い済みなのだから、韓国企業だけが財団に出資すべきでは?

鈴置:正論です。ただ、韓国側は「それでは面子が潰れるから日本企業もカネを出してくれ」と泣きついてくるわけです。韓国との融和を重視する日本人はそうした意見に耳を傾けがちです。外務省にも「日韓共同で出資する財団」を作ろうとの意見がありました。

朝日新聞では、未だにそちらに話を持って行きたいようです。社説「徴用工裁判 蓄積を無にせぬ対応を」(10月31日)の最後のくだりをご覧下さい。

日本政府は小泉純一郎政権のとき、元徴用工らに「耐え難い苦しみと悲しみを与えた」と認め、その後も引き継がれた。

政府が協定をめぐる見解を維持するのは当然としても、多くの人々に暴力的な動員や過酷な労働を強いた史実を認めることに及び腰であってはならない。

負の歴史に由来する試練をどう乗り切り、未来志向の流れをつくりだすか。政治の力量が問われている。

はっきりと書いてはいませんが、見出しと合わせると「日韓共同財団の設立により解決すべきだ」との声が、喉まで出かかっている感じです。

韓国への配慮は逆効果

—日本政府は?

鈴置:もう、相手にしない可能性が高い。「韓国の顔を立てる」などという甘い姿勢をとってきたからこそ関係が悪化した、と安倍晋三首相が考えているからです。

安倍氏は2012年夏、産経新聞のインタビューに答え、以下のように語っています。「単刀直言 多数派維持より政策重視」(2012年8月28日)から引用します。

自民党が再び政権の座に就けば東アジア外交を立て直す必要がある。過去に自民党政権時代にやってきたことも含め、周辺国への過度の配慮は結局、真の友好にはつながらなかった。

この思いは多くの日本人に共通するでしょう。私に対し「韓国に甘い顔をしたのがいけなかったですね」と言って来る日本人が相次いでいます。

その多くが昔は「日本は韓国に悪いことをしたから……」と言っていた人たちです。リベラルを気取っていた人こそが韓国を憎むようになった。

そもそも、財団を作っても根本的な解決策にはなりません。韓国人にとって「歴史カード」は「自分たちが日本人よりも上に立つ」ための切り札です。

「徴用工財団」を作れば文在寅政権の間は、問題は収まるかもしれません。が、次の政権が「この財団では不十分だった」と言い出しかねない。

21世紀に入ってから韓国は日本を下に見下すことに全力を挙げているのです(『米韓同盟消滅』第3章第2節「『反日』ではない、『卑日』なのだ」参照)。

「日韓」を無法状態に

—「慰安婦財団」は消滅しかかっています。

鈴置:その通りです。朴槿恵政権当時に日韓合意の下で設立した「慰安婦財団」が、現政権の気にくわないとの理由で事実上、消滅したのがいい例です。

「徴用工財団」を作れば、冒頭に引用したハンギョレの社説が小躍りしたように「原爆被害者財団」とか「新・慰安婦財団」を作れ、ということになるでしょう。韓国人に「歴史カード」を手放す気はないのです。

それに今回の最高裁判決は状況を根本から変えました。日韓国交正常化の際の合意の中核部分、日韓請求権協定を全否定したのです。日韓関係を定める協定が否定され、無法状態に陥ったのです。この問題を放っておいて「財団」でもないでしょう。

1965年に結んだ日韓請求権協定では国家と個人は、協定の締結後は請求権を行使できないと繰り返し明記しました。以下です。

両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。

締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする。

日本政府が韓国の個人に支払おうとした補償金を韓国政府は「すべて政府に渡して欲しい」と懇願。日本は韓国政府の意を汲んで受け入れました。

しかし将来、韓国人から「自分は貰っていない」と訴えられると懸念し、協定で「すべての請求権は消滅した」と2度も念押ししたのです。このため文在寅政権を含め、歴代政権も「元・徴用工の請求権は消滅した」との立場をとってきました。

この鉄壁の文言をすり抜けるため、韓国最高裁は詭弁を弄しました。判決は49ページに及ぶので、その要旨を翻訳しながら解説します。

「慰謝料」にすり替え

最高裁は判決で「原告(元・徴用工)の損害賠償請求権は請求権協定の適用対象か」を問題にしました。「適用対象でない」ことにすれば、被告の新日鉄住金に賠償を請求できるからです。そのうえで「適用対象ではない」理由を展開しました。以下です。

原告が求めているのは未支払い賃金や補償金ではなく、日本政府の朝鮮半島に対する不当な植民地支配や侵略戦争の遂行に直結した日本企業の反人道的な不法行為を前提とした強制動員被害者の慰謝料要求である。

請求権協定は日本の不当な植民地支配に対する賠償のためのものではなく、サンフランシスコ条約第4条に基づく韓日両国の財政的、民事的な債権、債務関係を政治的な合意により解決するものと見える。

請求権協定の第1条により日本政府が大韓民国政府に支給した経済協力基金と、第2条による権利問題の解決とが、法的に対価の関係にあるとは明らかではない。

請求権協定の交渉過程で日本政府が植民地支配の不法性を認めず、強制動員の被害の法的な賠償を原則的に否認したため、認めなかったため、韓日両政府は日帝の朝鮮半島支配の性格に関し、合意できなかった。この状況から強制動員の慰謝料請求権は請求権協定の適用対象に含まれると見るのは難しい。

要は、元・徴用工が求めているのは植民地支配に対する精神的な慰謝料であり、請求権協定の締結時に日本政府が植民地支配を謝罪していない以上、慰謝料もまだ支払われていないことになる。今、それを支払え――との理屈です。

ちなみに、ここでも職の募集に応じた人たちを「強制動員被害者」に仕立て上げてしまっています。事実認定からしておかしいのです。

韓国は法治国家ではない

—「慰謝料」問題と規定し直したのがミソですね。

鈴置:でも、そこが判決の弱点でもあるのです。それなら1965年の請求権協定の締結時に韓国政府は「精神的な慰謝料」を求めるべきだった。しかし、現政権に至るまで要求してこなかった。

そして今になって「慰謝料」を持ち出すことにより、日韓関係の法的な基盤をひっくり返したわけでもあります。

当然のことながら、河野太郎外相もここを批判しました。「河野外務大臣臨時会見記録(平成30年10月30日16時22分)」から引用します。

日本と韓国は1965年に日韓基本条約並びに関連協定を結び、日本が韓国に資金協力をすると同時に請求権に関しては完全かつ最終的に終わらせたわけであります。

これが国交樹立以来の日韓両国のいわば関係の法律的な基盤となっていたわけでありまして、今日の韓国の大法院の判決はこの法的基盤を韓国側が一方的かつかなり根本的に毀損するものとなりました。

差し押さえの危機に直面する新日鉄住金はもちろん、無法状態の韓国に進出した日本企業や日本人が今後、どんな目にあうか分かりません。河野外相はその点もクギを刺しました。

日本の企業あるいは国民がこの判決によって不当な不利益を被ることがないように韓国政府において毅然とした必要な措置をとっていただきたいというふうに思っております。

さらに、2国間の取り決めを平気で破るのなら、韓国は法治国家ではないと難詰しました。

法の支配が貫徹されている国際社会の中ではおよそ常識で考えられないような判決でありますので、韓国側には韓国政府にはしっかりとした対応を取っていただきたいと思いますし、日本としてはまず韓国政府のしっかりとした対応が行われるということを確認をしたいというふうに思っております。

政権に近い人を最高裁長官に

—文在寅政権は重荷を背負い込んだ?

鈴置:日本との間に立つ外交部は困惑していると思います。最高裁の判決を実行しないよう要求されたのですから。もし原告が差し押さえに動けば、世界から「法治国家ではない」と認定されてしまう。

ただ文在寅政権の中枢は、日韓摩擦は織り込み済みと思われます。この政権が発足した2017年、大統領は人権派として有名で、自身の考え方と近い金命洙(キム・ミョンス)氏を大法院長(最高裁長官)に任命しました。

春川(チュンチョン)地裁裁判長からの就任という異例の人事異動でした。当時から「徴用工裁判で日本企業の責任を問うための最高裁長官人事」と見られていました(日経「韓国最高裁長官に人権派の金命洙氏 徴用工裁判へ影響も」参照)。

—しかし、これでは日韓関係が完全におかしくなってしまいます。

鈴置:むしろ、それを望んでいると思います、政権の中枢部は。この政権は北朝鮮との融和を最優先しています(「北朝鮮と心中する韓国」)参照)。

すると、北朝鮮を共通の仮想敵としてきた米国との同盟が邪魔になります。米韓同盟を何とか廃棄に持って行きたい、というのが文在寅政権の本音でしょう。

そして米韓同盟は、良好な日韓関係があってこそ十分に機能します。つまり、日本との関係を悪化させることが米韓同盟廃棄の伏線となるのです。

ただ、こうした手口は韓国の保守派の一部からは見ぬかれている。政権としては自分の手を汚さず、最高裁をして日本との関係を破壊させるのがベストの解決策なのです。

本性を現わした文政権

韓国が露骨に北朝鮮の非核化の邪魔をするようになったので、米国メディアは「文在寅は金正恩(キム・ジョンウン)の首席報道官」と書き始めました(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。

でも、この政権はそんな“雑音”は無視し、北朝鮮との共闘にオールインしています。北朝鮮の非核化を阻止したうえ、南北が一体化を進めれば「民族の核」を持つ強国として米国から独立できるのです。

文在寅政権はすっかり、その革命政権としての本性を現わしたのです。ただ、怖いのは保守派の「反革命」でしょう。

もし今、文在寅政権が「米国との同盟を打ち切る」と宣言すれば、青瓦台(大統領官邸)は大群衆に包囲され、弾劾されかねない。しかし、米国にまず「同盟を打ち切る」と言わせれば、保守派も文句は言えなくなります。

日韓関係の破壊はその一里塚です。革命政権の米国からの独立作戦は着々と進んでいるのです。

(次回に続く)

向山記事

元徴用工が新日本製鉄(現・新日鉄住金)を相手に起こした損害賠償請求訴訟で、同社に賠償を命じる判決を韓国大法院が確定した(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

韓国大法院(最高裁)は10月30日、韓国の元徴用工4人が新日本製鉄(現・新日鉄住金)を相手に起こした損害賠償請求訴訟の再上告審で、4人にそれぞれ1億ウォン(約1000万円)を賠償するように命じる判決を確定した。

判決後、新日鉄住金と日本政府はこの問題は65年の「日韓請求権ならびに経済協力協定」(略称)で解決済みであり、本判決は極めて遺憾であるとのコメントを表明した。今後の韓国政府の対応次第では、日韓関係に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

盧武鉉政権の見解を覆す

日本政府・企業にとって衝撃的な判決となった。というのは、「日韓請求権並びに経済協力協定」の規定に反するだけでなく、従来の韓国政府の見解とも異なるからである。

65年に、日本と韓国との間で「日韓基本条約」(略称)、「日韓請求権並びに経済協力協定」などが締結され、国交が正常化した。正常化のネックとなっていた請求権問題については、日本が韓国に経済協力することで「政治的決着」が図られた。この背景に、当時の朴正煕(パク・チョンヒ)政権側に、日本から資金供与を受けて経済建設を推進したかったことがある。

具体的な内容をみると、同協定の第1条で、日本が韓国に対して、3億ドルの無償供与、2億ドルの低利融資、3億ドルの商業借款を供与すること、第2条で、「両締約国は、両締約国及びその国民(法人を含む)の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題が、…(中略)…完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と規定された。

日本政府はこの規定を拠り所に、個人の請求権問題は「解決済み」との立場をとっている。同様に、韓国政府もこの協定で解決ずみとの見解を示してきた。盧武鉉政権(ノ・ムヒョン、文在寅=ムン・ジェイン=大統領は当時秘書室長)も、日本政府が同協定に基づき供与した無償3億ドルのなかに請求権問題を解決する資金が含まれているとの見解を示した。

今回の裁判でも、一審、二審は基本的に政府と同様の見解を示したが、12年5月に大法院が個人の請求権は消滅していないとの判断を示して、二審判決を破棄した。13年7月の差し戻し控訴審で高裁は、新日鉄住金に対して1人当たり1億ウォンの支払いを命じる判決を下した。新日鉄住金はこれを不服として上告。この後、5年間審理が行われなかった。

そして10月30日、大法院が新日鉄住金の上告を棄却し、判決が確定した。

大法院の見解の変化と5年間の空白の理由

今回の一連の動きには、二つの疑問が浮かぶ。一つは、大法院の見解が12年になぜ変わったのか、もう一つは、上告審で5年間審理が行われなかった理由は何かである。

大法院の見解が変わった背景に、国民による過去の問題に対する問い直しがあったと考えられる。韓国では80年代後半に民主化が進み、情報公開を求める動きが広がるなかで、過去の日韓会談関連の外交文書が公開されるようになった。これを機に、過去の政府が不問にした問題に対する問い直しが始まり、いわゆる慰安婦問題や徴用工問題が再浮上した。こうした世論に押されるかのように、65年に形づくられた日韓の法的枠組みそのものを司法が問題にしたと考えられる。日本からすれば、「ちゃぶ台返し」である。

他方、5年間審理が行われなかったのは、おそらく朴槿恵(パク・クネ)政権下で改善し始めた日韓関係への影響に配慮(政府から求められた可能性も)したものと推測される。しかし、その後の「ろうそく革命」による朴大統領の弾劾、文在寅政権の誕生(17年5月)によって状況が変わった。とくに歴史問題に対して原則的な立場を採る文在寅政権下で、慰安婦問題に関する日韓合意を再検証する作業が進められたことにより、大法院は日韓関係への影響に配慮する必要がなくなったと考えられる。

日韓経済関係に及ぶ3つの影響

今回の判決を受けて、今後相次いで同様の訴訟が起こされることが予想される。日本企業が賠償に応じなければ、韓国内の資産を差し押さえられる可能性がある(その場合、日本企業が国際的な仲裁措置を求める可能性も)。

他方、韓国政府も難しい対応を迫られる。判決後、韓国政府は司法の判断を尊重しつつも、日韓関係に否定的な影響を及ぼすことがないように取り組むと表明したが、どのような具体策を出してくるかは現時点では不明である。日本政府はそれをみて、今後の対応を決定することになる。国際司法裁判所への提訴を含めて厳しい姿勢で臨むことも予想される。

今回の判決は今後の日韓関係、とくに経済関係にどのような影響を及ぼすのであろうか。この点に関しては、以下の3点を指摘したい。

第1は、日韓の企業間関係への影響は限定的にとどまることである。

日本と韓国の企業がサプライチェーンで結びついている。日本企業は韓国企業に対して、高品質な素材、基幹部品、製造装置を供給している。東レが韓国で炭素繊維を生産しているのは、生産コストの低さもあるが、グローバルな事業活動を行っている韓国企業が顧客として存在していることが大きい。

また韓国企業も、半導体や鉄鋼製品、自動車部品を日本企業に供給している。こうしたサプライチェーンは日韓の枠を超えて、世界に広がっている。日韓企業は長年の取引を通じて信頼関係を築いているため、今回の判決がこの点でマイナスの影響を及ぼすことはないだろう。

第2は、韓国経済にマイナスの影響が及ぶことである。

まず、日本企業による投資が減少する。訴訟対象になる企業を中心に、韓国での投資計画の先送りや新規投資の見送りが生じるほか、韓国の法的安定性への信頼低下により、日本から韓国への新規投資が減少する可能性がある。

日本からの投資は近年、素材、部品、研究開発分野に広がっており、韓国の産業高度化に寄与しているため、日本企業による投資減少の影響は大きい。

つぎに、観光への影響である。判決後、日本企業の韓国からの撤退、韓国との断交を求める投稿がネット上で増え始めた。日本国内で「嫌韓ムード」が広がれば、日本から韓国への観光客数が減少する可能性がある。中国からの観光客が本格的に回復していない状況下で、日本人観光客が減少すれば、韓国の観光業界には大きな痛手となる。ちなみに、日本の訪韓者数は今年に入り増加基調で推移し、1~9月は前年比21.9%増であった。

韓国ツートラック戦略に危機

第3は、日韓の政府間協力の動きが停滞することである。

文在寅政権発足後、慰安婦問題に関する日韓合意(15年12月)が「白紙化」されたのに続き、今回の判決が出たことにより、日本政府の韓国政府に対する信頼は著しく低下したと考えられる。今後関係が悪化すれば、各分野における政府間協力の動きが停滞するのは避けられないだろう。米国の保護主義の強まりや利上げなどを背景に、新興国では資金流出が始まった。韓国でも、日本との間で通貨スワップ協定を再締結して、セーフティネットを強化すべきとの意見が出ているが、その実現が遠のくことになる。

さらに、政府間関係の悪化は民間レベルの交流にも少なからぬ影響を及ぼすであろう。文在寅政権は歴史認識問題に関して原則的な立場を採る一方、「ツートラック戦略」に基づいて、日本との間で経済協力(第4次産業革命での連携や人材交流など)を進める方針であるが、それが難しくなる。

韓国経済に及ぶマイナスの影響は、おそらく韓国政府が想定している以上のものとなる。このような事態に陥ることを避けるためにも、韓国政府には従来の政府見解に基づいて、政府が事実上個人の賠償に応じるなど、日本企業に実害が及ばない策を講じることが求められる。

向山 英彦(むこうやま・ひでひこ)

日本総研 調査部 上席主任研究員
中央大学法学研究課博士後期過程中退。 ニューヨーク大学で修士号取得。 専門は、韓国経済分析、アジアのマクロ経済動向分析、アジアの経済統合、アジアの中小企業振興。

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『7年ぶりの日中首脳会談で得したのは誰?日本と中国、双方に成果はあったのか』(10/31日経ビジネスオンライン 福島香織)、『日本は対中「注文外交」をできるのか?中国の対日微笑み外交は「米中関係の従属変数」』(10/31日経ビジネスオンライン 細川昌彦)について

10/31ダイヤモンドオンライン<米中新冷戦は「中国近代史」を押さえればより深く理解できる>

https://diamond.jp/articles/-/183890?utm_campaign=doleditor

「アヘン戦争の屈辱以降、太平天国の乱や義和団事件などが起き、最終的に共産党革命につながるが、その一連の努力にもかかわらず、中国は香港から英国を追い出せただけ。自らの勢力圏だと思っていた韓国、台湾、沖縄などから西洋を追い出せなかった。」と沖縄を入れているのは意図的としか思えません。

11/1希望之声<习近平与川普到底谈了啥?李克强大敲边鼓做暗示=11/1習近平とトランプは一体何を話したのだろうか?李克強はそれを暗示している>新華社は両人の談話の内容を報道した。「トランプは首脳会談に期待を示しただけでなく、中国への輸出が増えるよう上海での国際輸入博覧会に米国企業が参加するのを支持すると述べた。国営メデイアの報道は、海外の中国語メデイアに「電話会談は貿易戦が緩和されることを示している」と結論付けさせている。但し、中共メデイアの報道は真実性or正確性に疑いの目を向ける人もいる。

つまり、数日前に海外メデイアは駐中国米国大使館の広報官の発言を引用して、「トランプ政権は今回の博覧会に高級幹部の派遣を拒絶した」と。これはトランプが中共に強硬に対抗している態度を表していると読み取れる。もし、その数日後にトランプが電話で態度を変えたとしたら、外交辞令の可能性が高い。しかし、国営メデイアの報道の仕方は却ってトランプに博覧会という基礎を造ってあげたことになる。

親中共の海外中国語メデイアの報道は米中の相互の譲歩に重点を置いている。これはもしかしたら李克強の功績によるものかもしれない。李克強は昨日北京で米国議員団と面談中に、「米中は貿易、安全及びその他の問題で争っているが、両者ともに譲るべき」と述べたと。

ある評論には「李克強はトランプ・習会談の前に、救いの手を差し伸べ、習と一致して米国に向け譲歩の用意があると説明したのでは。これは10/30崔天凱駐米大使がワシントンでリンカーン大統領の「良き天使」(われわれは敵同士ではなく、友であります。われわれは敵であってはなりません。神秘なる思い出の絃(いと)(mystic chords of memory)が、わが国のあらゆる戦場と愛国者の墓とを、この広大な国土に住むすべての人の心と家庭とに結びつけているのでありまして、(この絃が)必ずや時いたって、われわれの本性に潜むよりよい天使(the better angels of our nature)の手により、再び触れ(奏で)られる時、その時には連邦の合唱が重ねて今後においても高鳴ることでありましょう(yet swell the chorus of the Union)。— リンカーンの第一次大統領就任演説、1861年3月4日のことと思われます)の話を引用し、古き譬えを以て今の米中に和解を促したのに一致する」と指摘した。

譲歩の内容は今の所皆目見当がつかず、憶測だけである。ある評論家は「トランプが主動的に電話をして米国が全部下りたのでは。中国の面子文化を熟知しているトランプだから、鍵となるときに自ら動いて、習にもこの機会に降りるよう勧め、承諾を得た」と。(“wishful thinking”としか思えませんが)

マテイスにしろ、ポンペオにしろ、中国は米国の国家安全に対する最大の脅威と認識している。勿論、大統領も、米国のエリート層もである。

トランプが電話で友好的な態度を示したのは「もし北京が不公平な貿易行為を是正しようとし、口先でない実質的な譲歩をすれば、米国議会も受入、ある範囲では協力できる部分も出て来る。クドロー顧問は最近も、北京をこういう方向で纏め上げようとした。彼は「トランプはあるTVで、もし北京と合意に至れば、部分的に関税を取消すことはありうる」と述べた」と。

但し、軽く見ることができないのはマテイスもポンペオも北京への批判は貿易問題の範疇を超えた所にあるからである。マテイスは「中共は世界に権威主義体制を広めようとし、朝貢体制をも打ち立てようとして周辺国家の抵抗を引き起こしている」と指摘した。ポンペオは「中共は国内では宗教の自由を剥奪し、投資を使ってアフリカ、中央アジア、ラテンアメリカの国々を債務の罠に陥れている。中国にはビジネス上、正常な国家になってほしいし、国際法も遵守してほしい」と批判した。

ある見方では「習近平が、貿易戦に名を借りて経済と政治改革をしなければ、米中関係で貿易戦は緩和できない。今の所習の体制や社会変革の決心の跡は見られない」と。この報道を発表した時点ではWHはトランプの電話の内容をまだ発表していない。

中国人に善意を期待しても無理というもの。元々の発端は中国が汚い手を使って、世界制覇(=米国に替わって覇権を握る)を目指すのを阻止するために貿易戦争を始めた訳でしょう。中途半端では米国の覇権維持は難しくなります。そんなことは、WHはとうに知っているでしょうけど。崔天凱駐米大使のリンカーンの話もそれは米国内の話であって、外国の侵入の場合には敵国認定されるという事です。もう既に国防上は中露とも修正主義国として敵国認定されているではないですか。リンカーンは共和党大統領でしたが、トランプは共和党の異端ですから。歓心を買おうとしても無駄でしょう。中国人は「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と言う民族であることをゆめ忘れないように。彼らは口先だけで恭順の意を示すかもしれません。でも裏では舌を出すに決まっています。一たび世界制覇の野心を明らかにしたのですから、今の内に徹底的に叩き潰しませんと。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/11/01/n2335587.html

11/1希望之声<中国留学生“台湾一统就完了”爆红后 后果竟然这么严重=中国の米国留学生が「台湾統一は既にない話」と youtubeは爆発的人気に しかし結果は酷いものに>ロサンゼルスに留学中の江蘇省出身の留学生がyoutubeに「台湾は何故中国と一緒にならないといけないのか?」と述べ、すぐに人気を博した。それは28万もの視聴を受け、昨日(10/31)再びyoutubeにアップし、「この数日は多くの体験をした」と。

彼は「統一派、独立派、大中国主義、分裂主義、いろんな立場の人がいると思うけど、国際社会で中国と台湾は独立した政治実体を持つことは否定できない。両者は完全に別な政府である。誰かがすることをもう一人は止められない。これは客観的な事実である。台湾統一は終わった話。Youtubeやfacebookを見るのにファイアウォールがあり、Googleは使えず、使えるのは百度のみ。選挙での投票もできず、蔡英文を罵ることもできず、公務員の財産についての質問もできず、更には地溝油(廃棄した油をさらってもう一度使う)をも食べさせられる。中国人は草莽の民であり、賎民、奴隷で党の為に働かされる。台湾人が統一したいと思わないのは当り前、統一してどうなるの?」と。

このYoutubeは注目を浴び、多くのネチズンは賛意を示したが、28日からいろんな圧力を受けた。「派出所や公安局が実家や父母、先生方を使い、私に削除させようとしたが、無駄と言うもの。発した以上、転載される。覆水は盆に返らずである。どうすることもできない」と述べた。ある教師は彼に言った。「売国の言論だ」と。彼は反論し、「先に言うが私は売国奴でないし、国を売ることはできない。皇帝のみが売国できる」と。

また「実家の住所、電話番号、学校、教師等全部調べ上げられた。この監視能力は大変なものがある。先生が「中国の自分の足跡は全部残る。顔識別のせいである」と教えてくれた」と。

あるネチズンは「見た所、2000人強はあなたを支持し、60人強があなたを踏みにじっている。あなたの発言は正義の挙である」と。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/11/01/n2334021.html

福島氏の記事にしろ、細川氏の記事にしろ、日本の外交はなっていない気がします。何を交渉しているのか、その跡が窺えません。まあ、11/1トランプ・習会談の中味が分かりませんので一方的に米国側に立つのも危険とは思いますが。それでも、ウイグル人の人権問題について言及したと言いますが、日本は世界から「口先だけ」の国で、何もできないからと舐められています。抗議したって、ペナルテイなしでは、自己満足だけでしょう。こんな外交は止めませんと。

大体中国人が約束を守るという前提がおかしい。習はオバマの前で、公開で「南シナ海の人工島は軍事基地化しない」と言った男ですよ。また、南京や慰安婦で世界に向けて反日活動に勤しんでいる国です。何故それを止めさせない。何故それなのに協力するのか分かりません。米国との同盟との理由以外でも、日本は中国に協力し、助けてやる必要はサラサラありません。聖徳太子以降の中国との付き合い方を忘れてしまったのかと言いたい。

世界に残っている共産主義の恐怖を取り除くために、インド太平洋戦略を掲げたのではないのか?安倍内閣はこのところ、口先だけで実が伴わないのが多すぎです。ウイグル人・チベット人・モンゴル人を助けてほしい。それには中共を潰さないと駄目でしょう。戦後、先人がインドネシアやベトナムに残り、独立運動に身を捧げ、「五族協和」や「王道楽土の建設」の理想に殉じたことを考えますと何をしているのかと言いたくなります。

福島記事

10月26日に開催された日中首脳会談(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

7年ぶりの安倍晋三・日本首相の公式中国訪問が無事に終わった。中国の公式メディアとしてはそれなりに手厚く報じていたが、26日のCCTVの夜のニュース(新聞聯播)のトップニュースは、習近平・中央軍事委員会主席が南部戦区(南シナ海や台湾をカバーする)を視察して戦争準備を呼びかけた、という前日の出来事の報道であり、安倍晋三と習近平の会談は二番手であった。とりあえず、どうしても日中首脳会談をトップ記事にしたくない中国の意地みたいなものを感じた。また習近平の表情もCCTVカメラに対しては意地でも笑顔を見せまい、という印象だった。

日本に頼らざるを得ないのは中国にとってはやはり屈辱なのだろうか。

ただ、知識人や中間層以上の中国庶民の反応はおおむね好意的だったように見受けられる。安倍の“おっかけ”をしていた知り合いの話では、わざわざリアル安倍晋三を見たいがために、長富宮ホテルのロビーに待機していた中国人も結構いたらしい。「天皇訪中はいつ実現するのか」といった期待を私に聞く知識人もいた。SNSでは「日本が米国の支配から抜け出し、中国とパートナーになることを選んでくれた」といった評価のコメントが並んだ。それだけ中国社会には米国にイジメられているという自覚と、経済的に相当追い込まれているという危機感が漂っているといえる。米国が完全に敵に回った今、日本まで敵に回すわけにはいかないのだ。

さて今回の日中首脳会談の中身である。先週の拙コラム「意外に安倍政権好きな中国知識人」で報じた予測内容がほぼアタリであったので、いまさら繰り返す必要もないかもしれない。日中関係の新時代が強調され、通貨スワップ再開、一帯一路戦略に対する第三市場での日中協力表明、北朝鮮問題で拉致問題の中国からの協力、福島事故以来の東北地域の日本食品輸入規制の撤回、RCEP加盟に向けた交渉加速、海空連絡メカニズムの運用など予定されていたテーマはきちんと消化された。「反保護貿易」といった米国の神経を逆なでしそうな表現は避けることになったが、自由貿易擁護の立場を表明した。

また訪中に合わせて、北京で行われた初の日中第三国市場協力フォーラム(“一帯一路”日中官民協力協議会)では、日中企業、金融関係者ら1400人が参加し、52のプロジェクト(180億ドル)について調印された。さすがにAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参与は避けたが、5月の李克強訪日の際に、日本の金融機関によるRQFII(人民元適格国外機関投資家)の枠組みを使っての投資を可能にしており、また中国・財経誌などによれば、野村ホールディングスや中国の投資機関が合資基金を作って、第三市場に進出する日中企業を支援する仕組みなどを準備しているという。こうしてみると、中国にとっては間違いなく大変ありがたい大盤振る舞いであった。

会談における両首脳の発言

一方、日本が中国に手を差し伸べる、という珍しく日本が優位に立ったように見える外交であった。今回の日中首脳会談で謳われた日中新三原則「競争から協調へ」「パートナーとなって、脅威にならない」「自由で公正な貿易体制を発展させていく」は安倍から提示されて、習近平が承諾するという形になった。習近平主催の晩さん会で安倍は丁寧にもてなされ、米中関係について不安そうな表情を見せる習近平に、安倍が「トランプ大統領はあなたのことを信頼している」と慰める場面まであった。

では、今回の日中首脳会談では日中どちらがより多くのものを得たのだろう。外交に勝ち負けをつけるのも変かもしれないが、勝者とよべるのは日中どちらなのだろうか。

新華社によれば、会談における習近平の発言はこんな感じだ。

「……今年は中日平和友好条約締結40周年だ。1978年、両国の先輩指導者たちは平和友好条約を結び、法律形式をもって両国の長期的和平友好の大方針を確定した。双方がこれに協力して互いの利益を発展させるために、共同発展および歴史、台湾などの敏感問題の妥協をはかり、堅実に従い保障する。双方の共同の努力のもと、中日関係は目下、正常な軌道を回復し、再び積極的な情勢となっている。これは双方にとって得難いものである。双方とも四つの政治文書が確立した原則に従い、平和と友好の大方針を堅持し、互恵互利の協力の深化を持続し、中日が回復した正常軌道の基礎の上で新たな発展を推進していくであろう」

「新情勢のもと、中日両国はお互いの依存を日増しに深め、多面的により広範な共同利益および共同の関心において、より深い戦略的コミュニケーションと多層的な次元で、多くのチャンネルによる対話メカニズムを通じて、相手の戦略的意図を正確に把握し“相互に協力パートナー”であること、“お互いを脅威としない”とする政治的共通認識を切実に徹底して実践し、ポジティブな相互作用を強化し政治的相互信頼を増進させよう。さらにハイレベルの実務的協力を展開し、十分な協力の潜在力を開放しよう。中国の改革はたゆまず深化しており、開放の大門はますます大きく開かれている。これは、中国同胞および日本を含む世界各国が協力を展開するために、より多くのチャンスを提供するであろう。ともに“一帯一路”を打ち建て、中日の相互利益協力のために新たなプラットフォームとテストケースを提供しよう。

中国としては日本が新時代の中国発展プロセスにさらに積極的に参与し、両国のさらなるハイレベルなウィンウィン関係を実現することを歓迎する。さらに広範な人文交流を展開し、相互理解を増進し、両国の各階層、特に若者世代の活発な中日友好事業への参加を応援しよう。さらに積極的な相互安全のための行動を展開し、建設的な相互安全関係を構築し、ともに平和発展の道を行き、地域の平和安定を維持しよう。さらに国際協力を緊密にし、共同利益を開拓し、地域経済の一体化を推進し、ともにグローバル的な挑戦に応対し、多極主義を守り、自由貿易を堅持し、世界経済の建設開放を推進しよう……」

新華社によれば、これに対し安倍晋三の発言は以下の通り。

「中日平和友好条約締結40周年のこの重要な時期に正式に訪中できたことを非常にうれしく思う。この訪問を通じて、双方が競争から協調に変わった日中関係新時代を始めていきたい。日中はお互い隣国であり、お互いの利益協力、お互いが脅威にならない精神に照らして、両国の四つの政治文書を根拠に両国関係を推進していく共通認識を確認し、同時に国際社会及び地域の平和のために自由貿易を擁護していくために貢献していくべきだ。

これは国際社会とこの地域の国家の普遍的期待である。日本は中国がさらに一歩対外開放を拡大することを歓迎、支持し、継続して積極的に中国発展のプロセスに参与していきたい。日本は中国側と道を同じにし、ハイレベルおよび各レベルでの交流を密接にし、両国の友好的な民意を基礎に双方の意見対立をうまくコントロールし、日中の戦略的互恵関係の深化発展を推進し、地域の安定と繁栄に力をあわせていきたい。“一帯一路”はポテンシャルのある構想であり、日本側は中国側と、第三市場の共同開拓を含めて広範な領域で協力を強化していきたい」

安倍晋三・李克強の首相会談の文言も見てみよう。

李克強の発言は以下の通り。

「双方が両国関係を積極的な流れにもっていき、さらに一歩良好な相互作用を強化し、歴史、台湾、東シナ海などの敏感な問題をうまく処理し、両国関係をたゆまず前進させ続けるよう望む」

「中国側は日本側と政治、経済領域の対話を行い、政策上のコミュニケーションと協調を強化し、科学技術とイノベーション、省エネ環境保護、医療老人介護、財政金融、防災と農業などの領域での協力を深め、開放、透明化、市場化の原則に従って、第三国市場における中日の実務協力の新たな支柱として打ち建てたい」

「海空連絡メカニズムのホットラインをできるだけ早く設置し、海上執法部門の対話を強化し、東シナ海を平和と協力、友好の海にしたい」

「両国の青年、体育、地方などの領域でお互いを鑑に交流し、双方の人的往来の利便をはかる友好的措置をとりたい」

「目下の国際情勢のもと、中日は世界主要経済体として、多極主義と自由貿易を共に庇護し、開放型世界経済を推進していくべきだ。中日韓自由貿易区と地域経済のパートナーシップ協定(RCEP)、の交渉を加速推進させ、地域貿易投資の利便化を促進したい。東アジア経済共同体をともに建設し、アジア太平区域の一体化プロセスの助けとしよう」

これに対し安倍晋三の発言。

「李克強首相の5月の訪日で日中関係は正常な軌道を回復した。これを契機に、競争を協調に変える日中関係新時代が始まった。日中は重要な隣国であり、双方が戦略的パートナーで、お互い脅威とならない。中国の発展は日本にとって重要なチャンスであり、日本はハイレベルの交流を強化し、四つの政治的文書を基礎に戦略的コミュニケーションを強化し、両国の経済貿易、投資、金融、イノベーション、第三市場での協力、青少年、スポーツ、地方の各領域での協力交流強化を望む。日中が手を取り合い時代の潮流に順応することは世界が直面する共同の課題解決の助けとなろう。双方は共同の努力をしてRCEP交渉の実質的な進展を推進し、自由で公正な国際経済秩序の建設を推進し、自由貿易と世界経済の発展に貢献していくべきだ」

中国は一帯一路、日本は拉致問題で成果

中国にとっての成果の一つは、安倍に一帯一路を評価させたことだろう。一帯一路戦略は中国人専門家ですら挫折説を囁く人がいたのだが、日本が関わることで息を吹き返す可能性がでてきた。党規約にまで書き入れられた一帯一路戦略が失敗となってはそれこそ政権の存続が危ぶまれかねないので、習近平としては胸をなでおろしたことだろう。ただし、日本企業が一帯一路で利益を見込めるかというと、そう簡単な話ではかろう。しかも安全保障的な観点でみると、一帯一路戦略は失敗した方が、むしろ日本の国益にかなうのではないかと、私は思っているので、この点に関しては、安倍政権の本当の狙いがよくわからないでいる。

日本にとっての成果は、まず習近平の口から北朝鮮の拉致問題に対して「理解と支持」発言を引き出したことで、この部分は新華社記事発表の公式発言には出ていない。中国の北朝鮮に対する影響力がどれほど残っているかはわからないが、行き詰まっている拉致問題に新しいアプローチを提供してくれる可能性はあるかもしれない。

避けられた歴史認識や領土問題への言及

次に安倍が提案した日中新三原則の一つである「お互いが脅威とならない」と言う表現。中国はこれまで自分たちは脅威でないと主張してきたが、相手が脅威に感じているという前提は認めたわけだ。その上で戦略的コミュニケーションが重要という共通認識に至った。さらに双方とも歴史認識問題や領土問題についての言及は避けるという配慮をみせた。

外相の河野太郎が26日に王毅と会談した際に、尖閣周辺に設置されたブイを撤去するよう要請したとき、王毅はいつものように青筋たてて反論するようなことはなく、「意見の対立は妥当に処理する」と答えるのみだった。一部で、日本を味方につけるために、尖閣問題の対立を当面棚上げにする意見も党内で出ているという噂があり、本当にそうであれば日本にとってはありがたいことかもしれない。

もっとも25日に習近平は南部戦区視察をしているし、尖閣周辺に海警船を連日派遣している。発言と行動はまた違う。安倍は習近平に“スパイ容疑”で中国に拘束されている日本人の解放を直接求めたが、習近平は「法律に照らして適切に処理する」としか答えていない。「中国の脅威」は口で言うほど簡単には解消されまい。

李克強との会談はかなり実務的な話が出ていたが、今の市場管理強化姿勢を打ち出している習近平政権に開放、透明化、市場化原則を言わせたことは重要だ。自由貿易とセットで自由で公正な国際経済秩序の建設が語られた。もっとも中国側のいう市場化、自由貿易という言葉と、日本がイメージしている市場化、自由貿易はかけ離れていると思われ、共通認識をもっているようで、同床異夢という気がしないでもない。

中国の報道にはないが、安倍が李克強との会談でウイグルの人権問題に言及した。これは日本が国際社会の普遍的価値観を共有している国家であることの表明でもある。ウイグル問題は一帯一路地域が現場でもあり、日本が一帯一路に参与する以上は口を出す立場にある。

こうして総じてみると、実入りは中国の方が大きい。だがメンツを重んじる中国にしてみれば、日本に対して屈辱的なまでに下手に出た、という感覚だろう。日本人は相手が下手に出てくると、ついついお人よしの優しい性格がでてくるが、中国は日本に助けてもらったとしても、心から感謝するどころか、いつか立場を逆転してこの屈辱を晴らそうと思うタイプの人が多い。中国は徹底した強者主義の国だ。

現在の安倍政権の対中外交方針の真の狙いはわからないが、もし今の中国が米国からの圧力によってしおらしくなって日本にすり寄ってくるというなら、こういう時は簡単に手を差し伸べるよりも、むしろ圧力を上乗せしてかけるくらいのほうが、日本の国益に合致するのではないか、と思う。とはいえ、外交のプロたちが考えぬいた今回の対中外交方針のシナリオだ。中国がしおらしい顔を見せている間に、日中間の核心的利益を争う領土、歴史、台湾の問題を日本の有利に導くよう、総じて日本の外交勝利が導ける事を期待して今しばらく冷静に観察したいと思う。

細川記事

10月26日に北京で開かれた日中首脳会談。米中の「貿易戦争」を背景に「微笑み外交」で日本に迫る中国に対し、日本の対応はどうだったのか。安易な「日中関係改善」では不十分で、知財問題や一帯一路に関して「注文外交」を展開する必要がある。

(写真=新華社/アフロ)

これほど思惑がわかりやすい首脳会談もない。10月26日、安倍総理が北京を訪問し、習近平国家主席との日中首脳会談が開催された。この首脳会談に対する中国側の意気込みはやはり米中対立の裏返しであった。

2017年半ばから習主席は日本との関係改善に動き始め、昨秋の共産党大会を終えて以降、対日外交は「微笑み外交」に明確に転じた。習近平体制の権力基盤の強化もあるが、基本的には米中関係の悪化が大きく影響している。

米中関係が厳しさを増してくると、日本との関係は改善しておき、日米の対中共闘を揺さぶる、といういつもながらの思考パターンだ。

これまでの歴史を振り返ってもそうだが、「日中関係は米中関係の従属変数」という要素が大きい。

もちろん日中の関係改善は歓迎すべきことで、これを機に建設的な対話をするチャンスだろう。しかし、これを永続的なものと楽観視すると中国の思うつぼだ。あくまでも中国側の事情、打算による関係改善である。将来、仮に米中融和に向かえば、どうなるかわからない脆い基盤だ。残念ながらそれが日中関係の現実だ。日本政府も「従属変数としての日中関係」を頭に置いた対応が求められる。

日本企業にとっても注意を要する。

米中間の関税合戦もあって、外国企業の対中投資が見直しの機運で、現に中国での生産拠点を他国に移転する動きも出てきた。これに中国は強い危機感を持ちだした。そこで、日本企業を引き留めるだけでなく、更には対中投資に向けさせたいとの思惑が働いている。

最近、中国は共産党指導部の意向を受けて、各地の地方政府が熱心に日本企業に対する投資誘致に奔走しているのは、そうした背景による急接近だ。これは中国側の状況次第でいつでも風向きが変わるリスクがあることを忘れてはならない。

知的財産権での注文外交とは

こうした中国の「微笑み外交」に対して、日本は中国に対して「注文外交」ができるかが問われている。

具体的に日中首脳会談の経済面での成果を見てみよう。

その一つが、先端技術分野での連携のための新たな枠組みとして「イノベーション協力対話」を作ったことだ。これも米国との技術覇権争いを背景として、中国がハイテク技術で日本に接近する思惑が見え隠れする。

5月、李克強首相が訪日した際、安倍総理に投げたボールが、イノベーション分野での対話・協力であった。日本は中国の思惑にそのまま乗るわけにもいかない。中国の知的財産権の扱いについては欧米とともに日本企業も懸念を有している。そこで、これを知的財産権問題とパッケージにして扱う場に仕立て上げた。

米国は中国への技術流出を止めようとしている矢先に日本が抜け穴になることは看過できない。日本政府も米国政府に懸念払拭のために事前説明したようだ。

今後、この対話の場をどう動かしていくか、まだ決まっていない。だが、日本としては中国にお付き合いしている姿勢を示しつつも、具体的な案件ごとに安全保障上の懸念がないか慎重にチェックすることが必要だ。

日本企業も恐る恐る対応することになる。協力案件が米国から問題にされることがないよう、企業にとって保険になるような、政府ベースでの仕掛けづくりが大事だ。

習主席訪日を「人質」に取られ、日本はWTOに提訴できず

またこの対話を進める前提として、中国の知的財産権のあり方に注文をつけることが不可欠だ。中国の不公正な知的財産権のあり方については、欧米が歩調を合わせて世界貿易機関(WTO)への提訴を行っている。ところが日本は今回の安倍総理の北京訪問、来年の習主席の訪日を人質に取られて、中国へのWTO提訴をしていない。

先月の日米首脳会談での共同声明にあるように、中国の知的財産の収奪、強制的な技術移転などの不公正さには日米欧で共同対処するとなっている。にもかかわらず、日本が中国に対してWTO提訴できないでいるのだ。これには欧米からは冷ややかな目で見られていることは重大だ。

特に日本政府はルール重視と口では言っていても、中国のルール違反に対しては甘い姿勢でいることに、言行不一致との指摘もささやかれている。これではこれからの国際秩序作りに日本が主導して日米欧が共同歩調を取ることを期待できないだろう。

日本も中国に対してWTO提訴を行ったうえで、こうした対話の場を活用して、中国に対して民間企業が直面している懸念をぶつけて、改善のための協議をすることが、イノベーションの協力を進めるための政府の役割だろう。日本企業もこれまで知財での不公正な扱いに対して、中国政府に睨まれないよう、目をつぶっていた体質を変える必要があるが、それも日本政府の対応がしっかりしていることが前提だ。

一帯一路への「注文外交」を

そしてもう一つの柱が、日中の「第三国市場でのインフラ協力」だ。

中国の思惑は、日本をいかにして一帯一路への協力に引き込むかにあるのは明白だ。一帯一路も相手国を「借金漬け」にする手法に、欧米だけでなくアジア諸国からも警戒感が高まり、一時の勢いが見られない。パキスタン、ミャンマー、マレーシアなど事業の縮小、見直しが相次いでいる。そうした中で、日本の協力を得ることは、一帯一路の信頼性を高めるうえで大きい。

他方、日本は「量より質」で勝負しようと、相手国のニーズと案件を精査して「質の高いインフラ整備」で対抗しようとしている。米国とともに提唱している「インド太平洋戦略」がそれだ。

しかし単に対抗するだけではなく、圧倒的な資金量を誇る中国とは協調も必要ではないかとのスタンスに徐々に舵を切り始めたのだ。もちろん民間企業のビジネスチャンスへの要望もあるだろう。

むしろ日本に優位性のあるプロジェクト・マネジメントやリスク管理のノウハウを活用して、一帯一路を軌道修正させていこうとの思惑だ。日本のメガバンクはこうした面での強みを特にアジアにおいては有している。中国企業の安価な製品、サービスと結びつけば補完関係にある。

ただし、一帯一路への協力となると、米国も黙ってはいない。神経をとがらせて当然だ。日本もそれを意識して、「一帯一路への協力」とは一言も言っていないのだ。しかし当然のことながら、中国側は早速、「一帯一路に日本の協力を取り付けた」と宣伝している。

日本は本来、米国とともに主導している「インド太平洋戦略」でインフラ整備を進めていることになっているはずだ。日本も中国同様、「インド太平洋戦略に中国の協力を取り付けた」と宣伝するぐらいの厚かましさがあってもよい。

日中首脳会談直後に来日したインドのモディ首相にもその協力で合意している。今回の中国との第三国市場でのインフラ協力は、こうしたインド太平洋戦略との関係をどう整理して国際的に説明するのか不透明なのが問題だ。それはそもそも、インド太平洋戦略の中身が明確になっていないことにも起因している。

「危険な案件」の見極めが必要

言葉がどうであれ、今後、大事なことは具体的なプロジェクトの進め方で中国に注文をつけていくことができるかどうかだ。日本も米国政府に事前にそう説明して、米国の批判、誤解を招かないように手を打ったようだ。そうでなければ、中国の思うつぼであり、米国からも厳しい目で見られるだろう。2018年4月には欧州もハンガリーを除くEU大使が連名で一帯一路への警戒感から中国に改善を申し入れている。日本も安易な対応は国際的に許されない状況にある。

問題はこれからだ。

今回の首脳会談の際には、民間ベースでも52件の案件を合意して、成果に仕立て上げた。日中間の協力と言っても、具体的なビジネスは様々なパターンがある。

例えば、日中企業が共同で太陽光発電事業を受注して運営するケース。日本企業が発電所建設を受注して、中国企業から安価な機器を調達するケース。日中の合弁企業が中国で発電機器を製造して第三国の発電所に納入するケース。日本企業が基幹部品を供給して中国企業が組み立てた機械を輸出するケース。日本企業が中国と欧州を結ぶ鉄道を活用して物流事業を展開するケース。日中企業が協力してヘルスケアなどのサービス市場の展開をするケースなど、さまざまな形態が含まれている。

政府は高速鉄道案件のような象徴的な大プロジェクトに飛びつきがちだが、最近の中国側のずさんな対応を見ると、それはリスクが高い。むしろ地道なプロジェクトを積み上げていくべきだろう。

日本企業の中にはビジネスチャンスと捉える向きもあるが、事はそう単純ではない。今後、協力案件を慎重に見定めなければ、中国の影響力拡大の戦略を利することにもなりかねない。また、民間企業にとっても中国側の国有企業特有の甘いリスク判断は受け入れがたい。そうした“危険な”案件の見極めも必要だ。

今後、日中間では官民合同の委員会で議論して進めることになっているが、官民ともに甘い見通しを持つことは禁物だ。今回、日中間で開放性、透明性、経済性、対象国の財政健全性といった国際スタンダードに沿ってプロジェクトを進めていくことが合意されたと言うが、こうした原則の合意だけで安心していてはいけない。原則の美辞麗句だけでなく、これらが具体的にどう適用されるかを注意深く見ていく必要がある。

今回の安倍総理の北京訪問を受けて、来年には習近平主席の来日を求めて、日中首脳の相互訪問を実現したいというシナリオだ。しかし、だからと言って、友好だけを謳っていればいい時代ではない。知的財産権にしろ、インフラ整備にしろ、中国に対して注文すべきことは注文するのが重要だ。前述したように、中国に対するWTO提訴を躊躇しているようではいけない。それでは国際秩序を担う資格はない。

米中関係が長期的な経済冷戦の様相を呈している中、中国に対して、かつての冷戦モードのような「封じ込め政策」でもなく、「関与政策」でもない第3のアプローチを模索する時期に来ているのだろう。日本も米国の中国に対するアプローチとは違って、「注文外交」をきちっとすることによって、時間をかけて中国の変化を促すような、腰を据えた中国との間合いの取り方が必要になっている。

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『なぜトランプ人気は衰えないのか、中間選挙を前に考えてみた』(11/2ダイヤモンドオンライン 塚崎公義)、『中国から尖閣など離島奪還するのは愚の骨頂 3倍の兵力がいる奪還より防衛を優先すべし、そのための法整備を』(10/30JBプレス 森清勇)について

トランプのツイッターです。習近平と電話会談し、特に貿易問題と北朝鮮について話合ったとのこと。G20で継続協議するようです。11/2日経朝刊には上海の国際輸入博覧会に日系企業が一番多く出展、450にも上ると。いじましい商人根性としか感じませんが。そう言う立場で言うのは何ですが、トランプは米中冷戦を妥協することなく戦ってほしい。ウイグル人の強制収用や臓器摘出問題を見れば分かるように、中共は悪の帝国です。これが世界を牛耳る前に叩き潰しませんと。

11/1阿波羅新聞網<中南海路线斗争公开化 川普政府表态 中共高层军心大乱=中南海の路線闘争がオープンに トランプ政権の貿易戦争で中共の高層は大乱に>台湾メデイアの評論は、「毛沢東から鄧小平を経て今の習近平の時代に至るが、中共内部にはずっと経済で二方面での路線闘争があった。目下、習派(輸出モデル)と鄧派(市場経済)が争っている。鄧派が習派に妥協しているのは、トランプのボトムラインが読めず、代わりになるのがいないため」と。阿波羅新聞網のコメンテーターの王篤然は「トランプ政権で中共への要求のバーは高くはないが、ペンス演説は習に態度を改め、鄧の路線に戻るよう希望すると明言した。反習勢力は中共が鄧路線に戻って政権を維持することを希望している。但し、鄧の開放政策は国民の価値観を表したものでなく、実際は米国に取って代わるだけの力量を蓄積するためのものである」と。

ある分析によれば、「中国のBSを見れば、全債務を返済すれば、国の保有する企業の株式は全部失われる」と。

塚崎氏の記事は、中間選挙での共和党の勝利を予言したものと小生には映ります。米国メデイアも日本のメデイア(民主党支持の米国左翼メデイアの記事を翻訳・転電しているだけですから)も当てになりません。下院での勝利も願っています。

森氏の記事では、日本の役人のサラリーマン化、志の無さが浮き彫りになっているのでは。自衛隊や海保の現場が動きやすい環境を政治家を動かしてキャリア組は作らなければいけないのに、できていません。まさに「省益あって国益なし、局益あって省益なし」の状態では。タコツボにドップリ嵌まっている感じです。新人時代に国益の為に働くことを教えても、先輩や事務次官の姿(前川事務次官の買春等に対する自己弁護の酷さ)を見ると初心を忘れてしまうのでしょう。悲しいことです。日本は「法治国家」ならぬ「放置国家」になり果ててしまっています。

中国漁船に乗っている民兵は南京での便衣兵を思い起こさせます。国際法にうまく抵触しないように立ち回る訳です。南京虐殺は架空で、便衣兵が殺されただけでしょう。何せどんな汚い手を使ってでも勝てば良いという民族です。蒋介石が黄河花園口を決壊させ、日本軍の進軍を阻もうとしたときに、日本軍は溺れる中国人を救出しました。こういう事実を鑑みれば南京虐殺何てするかと思いませんか?日本人はもっと歴史を勉強して、常識を働かせて判断すべきです。民族性の違いを見たら分かりそうなもの。

「戦争を防ぐには抑止力が必要」というのが、GHQによって洗脳されたままの日本人の頭には理解できないようです。「戦争反対」を叫ぶ人は戦争を呼び込む人か、イザと言う時に戦わず奴隷への道を歩むと見て良いでしょう。中共に侵略を許せば、今のウイグル、チベット、モンゴルのようになります。強制収容所送りになって、闇の中で生きたまま臓器を取られる、こんな奴隷になりたいと思いますか?憲法改正しないで戦うことになれば、憲法は停止、超法規的に戦うしかありません。政治家はいつでもその覚悟をもって政治をしてほしい。憲法より国民の生存権の方が上位にあるはずです。

塚崎記事

photo:The New York Times/Redux/AFLO

米中間選挙の劣勢が伝えられても依然人気の高いトランプ大統領

米国の中間選挙が迫っている。今回は、トランプ大統領の信任投票という性格を持った中間選挙だ。与党は若干の苦戦が予想されているようだが、米国の中間選挙で与党が不利なのは珍しいことではない。国民が、政権の暴走をけん制する役割を野党に求めるからだろう。

2年前の大統領選挙では、「史上最悪の大統領が選ばれてしまった」と嘆いた読者も多いかもしれないし、今でもトランプ大統領の問題点を挙げ始めればいくらでも原稿が書けそうだ。筆者も批判したいことは多い。

しかし米国では、依然としてトランプ大統領の支持者は多い。なぜ、数多くの問題点にもかかわらず、人気があるのか。

そこで本稿ではあえて発想を転換し、「米国の大統領として、優れたところが数多くあるはずだ。それを米国民が支持しているのだろう」と考えて、あえて米国民の視点からトランプ大統領を絶賛してみよう。

どこの国でも、景気がよければ政府は褒められる。トランプ大統領についても、まさに景気が好調である点が最大の絶賛ポイントだろう。

景気を誰にでも一目で理解してもらうためには、失業率の数字を引用するのが普通だ。そこで失業率を見てみると、直近はこの49年間で最低となる3.7%となっている。大統領就任時点で4.8%であったことを考えると、2年で1ポイント以上の低下をもたらしているのだ。

経済成長率については、大統領就任前年が1.6%だったのに対し、2018年は2%台後半が見込まれている。インフレ率も、エネルギー価格の変動などの影響はあるものの、おおむねFRB(米連邦準備制度理事会)が目標としている2%近辺で推移している。

株価についても、NYダウは選挙前に1万8000ドル近辺であったものが、最近では2万5000ドル近辺で推移している。株価が上がって悲しむ人はいないから、大統領として米国民に巨額の“プレゼント”をしていることになる。

経済の好調は大統領だけのおかげではないが、政府の最重要任務の1つがインフレなき経済成長であることを考えれば、実によくやっている政権だといえるだろう。

アメリカファーストは国民にとって悪いことではない

トランプ大統領の特徴は、国際協調よりも米国の利益を優先していることだ。これは一般論として、世界の利益に反する。米国に利益をもたらす一方で、他国には大きな不利益をもたらす場合が多いからだ。

例えばトランプ大統領は、世界各国が地球温暖化を阻止するために協力しようという「パリ協定」を離脱する意向を表明している。米国が離脱すれば、米国企業は温暖化ガスを自由に排出しながら利益を追求することができるが、それによって地球の温暖化が加速することになる。米国だけが利益を得て、他国が損失を被るわけだ。

仮に、米国の離脱を契機としてパリ協定が崩壊し、地球温暖化が進むようなことになれば、「結局、アメリカファーストは、米国の得にもならないからやめておこう」ということになりかねないが、トランプ大統領はそう考えない。

米国の視点に立てば、米国以外の国々は引き続き温暖化防止に努めるわけだから、米国にとっては最高の結果が得られると考えているのだ。これは、他国に何と言われようと米国民にとって悪い話ではない。

しかも、興味深い点もある。トランプ大統領は「パリ協定の内容が米国に著しく不利なので、内容の修正を求め、修正されなければ離脱する」と言っている。つまり、離脱を決めているのではなく、条件交渉をして、各国の負担割合が変更されれば復帰するというのだ。もしも交渉が成立すれば、温暖化は防止されることになる。米国と他国の負担割合が変わるだけの“ゼロサムゲーム”なのだ。

もう1つ興味深いのは、米国が実際に離脱するのは、次の大統領選挙の翌日だということだ。つまり、「トランプ大統領が次の大統領選挙で負ければ離脱しない」という可能性も米国には残っているのだ。

ハードネゴシエイトで有利な条件を引き出す商売人

筆者は、トランプ大統領の本質は“商売人”だと理解している。契約が成立しなければ双方の損なので最終的に契約は成立させるが、その条件をできるだけ自身に有利になるようハードネゴシエイトをするからだ。

その過程で「交渉決裂をほのめかす」というのは、1つの優れた戦略である。交渉を決裂させるつもりがないので、これは「ハッタリ戦略」と呼んでもいいだろう。

これは、ガキ大将が「オモチャをよこさないと殴るぞ」と弱虫を脅すようなもの。本当に殴ると自分の手も痛いので、殴らずにオモチャを奪うことが本当の目的なのだ。

また、トランプ大統領は日欧などからの自動車輸入に高率関税を課すと宣言した。これには世界中から「世界の貿易を縮小させる愚策だ」という批判が浴びせられたが、ふたを開けてみれば高率関税は課されていない。

日欧各国と、「関税ゼロなどを目指した大がかりな貿易交渉を行なう」ことで合意したというのが現状で、当然ながら「米国は少し輸入を増やし、日欧は大量に輸入を増やす」ことで決着するのだろう。

それにより、世界貿易は縮小ではなく拡大することになる。日欧にとっては不満は残るが、世界経済は発展し、その果実を主に得るのが米国だという結果が待っているわけだ。

これは、メキシコやカナダ、韓国などとの交渉も、本質は同じだと考えていいだろう。だとすると、トランプ大統領の通商政策は、米国に大きな利益をもたら素晴らしい政策だということになり、「トランプ大統領万歳」となるのだ。

米中冷戦は米国勝利の可能性大 歴史に名を残すかも

一方、米中貿易戦争は激しさを増しているが、これは日欧との関係などとは全く異なる。相手からオモチャを奪うのが目的ではなく、相手をたたきつぶすのが目的だからだ。

米国は、中国が安全保障上の脅威であると位置づけ、「中国をたたいておかないと米国が覇権争いに敗れてしまう」との危機感を抱いている。しかも、「中国の急速な成長が、米国などから技術を盗むといった不公正な行為によってもたらされている」との認識も広まっている。

米国は、敵が不正をしていると考えると、国内が一致団結して戦える国だ。しかも、自らの覇権がかかっているとなれば、真剣さが格段に違ってくる。つまり、米中は単なる貿易戦争ではなく冷戦なのであり、米国としては「肉を切らせて骨を断つ」戦いなのだ。

これは、トランプ大統領が単独で行っているのではなく、米国議会の多数の支持を受けてやっていることだから、仮に中間選挙で負けても大統領選で負けても、米中冷戦の大枠は変わらないと考えておいた方がよさそうだ。

そう考えるとトランプ大統領は、対中政策において弱腰だったこれまでの米国を、強気に転換させる原動力になったといえる。議会の姿勢が変化したとしても、やはり大統領がそれを推進するとすれば、それは大きなパワーとなる。

しかも、こうした米中冷戦は、米国の勝利に終わる可能性が高い。それを主導し、米国の覇権を守った功労者がトランプ大統領だったということになれば、彼は歴史に名を残す大統領だったといえる時代がくるのかもしれない。

冒頭でお伝えしたように、本稿はあえて米国民の視点に立って、トランプ大統領を礼賛するとどうなるかという“頭の体操”を試みたものだ。誤解のなきようにお願いしたい。

(久留米大学商学部教授 塚崎公義)

森記事

中国海軍の海上演習で、空母「遼寧」に駐機されたJ15戦闘機(2018年4月撮影)。(c)AFP PHOTO〔AFPBB News

国土交通省の分類では本州・北海道・四国・九州・沖縄本島の5島を除くすべてが離島である。日本には離島が6847あり、このうち有人は421で、ほとんど(6426)が無人離島である。

少子化の影響もあって、対馬に見るように有人離島でも人口減少が続いている。しかも振興策の不備などから外国勢力によって占拠されるかもしれないという不安に晒されている。

領土・領海・領空を守るために海上保安庁や自衛隊は日夜努力しているが、不毛な論戦に明け暮れる政治の不作為から、領域保全に必要な議論が行われず、各種法制の不備が指摘されている。

そうした結果、現場に関わる海上保安庁や自衛隊の努力だけではいかんともし難い状況が現出する。

離島防衛に関わる自衛隊の専門部隊として、平成30(2018)年3月27日に水陸機動団(約2100人)が編成された。

10月14日に朝霞駐屯地で行われた「自衛隊観閲式」では、最新鋭のステルス戦闘機「F-35A」のデモフライトとともに、特に注目を浴びたのが水陸機動団に関わる「V-22オスプレイ」や水陸両用車「AAV7」などであった。

最高指揮官の訓示

観閲式に参加した自衛隊員約4000人を前に、最高指揮官の安倍晋三首相は「24時間、365日。国民の命と平和を守るため、極度の緊張感の中、最前線で警戒監視にあたり、スクランブル発進を行う隊員たちが、今、この瞬間も日本の広大な海と空を守っています」と訓示して、任務を称えた。

「領土・領海・領空、そして国民の生命・財産を守り抜く。政府の最も重要な責務です。安全保障政策の根幹は、自らが行う継続的な努力であり、立ち止まることは許されません」

これは「国を守る大切さ」の国民へのメッセージであり、同時に「国民の協力が不可欠」という要請でもある。

「この冬に策定する新たな防衛大綱では、これまでの延長線上ではない、数十年先の未来の礎となる、防衛力の在るべき姿を示します」

「日々刻々と変化する、国際情勢や技術の動向に目を凝らし、これまでのやり方や考え方に安住せず、それぞれの持ち場で、在るべき姿に向かって、不断の努力を重ねていってください」と述べた。

首相が節目ごとに強調してきた日本を〝真ん中″に据えて共生する国際社会の建設に尽力するという意思表明であり、その中での自衛隊への期待を示したものと理解できる。

最後は不甲斐ない政治によって「厳しい目で見られ」てきた自衛隊(隊員)が「強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える」と述べ、「これは、今を生きる政治家の責任であります。私はその責任をしっかり果たしていく」と、自衛隊の違憲性を解消する決意を示した。

国民の9割以上が自衛隊の存在を認めているとされながらも、違憲とする学者もいる。また、「軍隊」でないことから国際法や慣習上の権利に疑義が挟まれ、PKO活動や外国軍隊との共同訓練・演習などにおいて共同歩調が取れない現実も散見されてきたからである。

以下では、水陸機動団とグレーゾーン事態対処などについて言及する。

なぜ「離島奪還」なのか

最近のマスコミ報道では、「離島奪還」という用語が多用されている。

「離島奪還 初の訓練場」「離島奪還を想定した訓練」「離島奪還 陸海空の連携急務」「離島奪還へ万全」などである。

離島防衛の専門部隊である「水陸機動団」の任務も、「島嶼侵攻を許した場合、奪還作戦の先陣を切る役割を担う」とされ、ここでも侵攻を許した場合の「奪還」である。

オスプレイや輸送ヘリが運んでくる機動団の隊員が予定地に降着できるように、航空攻撃や艦砲射撃で進攻者に砲撃を加えて援護する。

同時に、輸送艦(本来は強襲揚陸艦であるが自衛隊は装備していない)で運ばれて来た隊員が水陸両用車やボート、エアー・クッション・ヴィークルなどで上陸し、侵攻者を掃討するというものである。

北海道では多くの山林やレジャー施設が主として中国系資本に買収されている。買収地の多くがアンタッチャブルな状態に置かれ、しかも水源なども豊富なところから衣食住を賄え、自己完結型の生活ができる。

他方で、留学や技能実習で来日した外国人のうち5万人超が不法滞在の状況で、その中の8割は中国人が占めているとされる。

無人離島では国民の目がほとんど届かず、場合によっては上記のような不法滞在の外国人も含めた勢力に占拠されて、陣地化や要塞化しているかもしれない。

占拠ではなかったが、昨年11月、北海道の無人島、松前小島には北朝鮮の漁船員が漂着し仮住まいをしていた。

相手が武力をもって占拠した場合、当然のことながら、奪還が必要となる。近年の「奪還」は尖閣諸島を対象にした”隠語″のように聞こえなくもない。

尖閣諸島は本来日本の領土であるが、1970年代から中国が自国領と主張し、90年代に入り領海法を制定して自国領に組み込み、習近平政権になると台湾などと同様に「核心的利益」を有するとした。

爾來、中国は同島を係争地として、日本を協議の場に引き摺り込もうと画策し、公船や軍用艦艇などを接続水域に侵入させ、時には領海を侵犯してきた。

ちなみに、有人島の対馬も過疎化の進行で「島が危ない」と叫ばれてから久しく、その後も韓国系資本による土地などの買収が進んでいる。

こうした経緯を踏まえ、本来日本の領土であり島であるが、何らかの事情によって普段の警戒・監視や防衛が思うに任せず、占拠を許す結果をもたらしかねない。

そこで、訓練や演習では「占拠された離島を奪還する」という名目で訓練などが行われることになる。

グレーゾーン事態とは何か

そもそも、「奪還作戦」をせざるを得ない状況に追い込まれるのは、偏に海保や管轄する地方自治体で対応できないにもかかわらず、海自を含めた防衛力が十分に機能しないからである。

いや機能できない法体制になっていると言った方が適切であろう。そうした状況をもたらす最大の事案がグレーゾーン事態である。

英国では沿岸警備隊は不法侵入船に対して、監視・通報の権限のみを有し、実際の取り締まりは通報を受けた海軍が担当している。

東シナ海でのEEZ(排他的経済水域)の中間線をめぐる日中間の摩擦や、尖閣諸島を核心的利益とする中国は、警備にあたる海警局の公船を大型化し、また倍増するなどしてきた。

それでも係争は海保と中国国家海警局が管轄する警察権に基づく水準にとどまっていた。

ところが、「海洋強国」を目指す中国は、フリゲート艦や情報収集艦などの軍艦による違反も稀ではなくなってきた。

同時に領海警備等を担当する海警局が中国軍を指揮する中央軍事委員会の指揮下にある中国人民武装警察部隊(武警)に編入され、「(武警)海警総隊」(対外呼称は中国海警局)となった。

「軍隊の一部に変貌し、人民解放軍や民兵と一体化して戦う組織に変わった」(「産経新聞」10月24日付、山田吉彦「防衛力持つ『海洋警備隊』創設を」)のである。

また尖閣諸島に最も近い浙江省温州には、海警局艦船の係留のための大型基地が建設されているという。

尖閣諸島に多数押し寄せる漁船には、民兵が同乗することも多く、彼らの拠点は東シナ海及び南シナ海に面した浙江省、福建省、広東省、海南省の海岸沿いに点在し、10万人以上とみられている。

軍事的訓練を受けた民兵と特殊GPS搭載の漁船による海上ゲリラ行動などに加え、海警局の公船の武装強化、さらには組織改編によって、日本側は警察機能としての海保だけではとても対応できない状況になっている。

こうして自衛隊が防衛出動する有事には当たらないが、警察や海上保安庁だけでは対処が難しい「隙間」の事態があり得るし、昨今の状況からは、生起の可能性が高いケースとさえみられている。

過去にも幾つかの事例が起きている。

(1)1997年2月、下甑島(鹿児島県)に中国人密航者が漂着し、山中に逃亡した。住民は緊張に包まれ、島内所在のレーダーサイトで勤務する自衛隊員も捜索に加わった。

しかし、密航者の捜索は防衛出動でも治安出動などの対象でもない。そのため、隊員は「調査・研究」の名目で出ている。早速「自衛隊法違反ではないか」という指摘がなされて政治問題化した。

(2)2012年7月、五島列島(長崎県)の荒川漁港に「台風からの避難」の理由で中国漁船100隻以上が押し寄せた。

中国は民兵としての教育を受けた乗組員の乗った漁船をまず送り込み、その保護を口実に漁船監視船や海軍艦艇が出動し実効支配を確立していくとみられていることから、「中国による尖閣諸島攻撃の予行演習ではないか」と疑問視された。

ざっくり言って、尖閣諸島が現在のような状況になっているのは、日本が自国を守る軍隊を有せず、「国有化」はしたが、住民を住まわせ、事業を起こし、自衛隊を堂々と派遣できないできたからである。

「自分の国は自分で守る」ということを言う人が多くなっているが、「守る」力の実在としての「軍隊」が日本にはない。解釈改憲でやってきたが、無理を重ねた矛盾が今日のグレーゾーン事案となっている。

グレーゾーン事態に対処するために

(1)平時において最も重要な活動である「警戒・監視」を自衛隊法の自衛隊の行動として規定

(2)グレーゾ-ン事態における新たな権限を自衛隊に付与する法制の検討

などが民間の防衛関係団体からも提議されている。しかし、法的整備や運用面での改善には時間がかかるとみられる。

問題点があると分かっていながらも、国民の理解が進まなければ法の制定や改定は進まない。

そうこうしているうちに、相手が尖閣に上陸し施政権を主張しないとも限らない。日本は「日本の施政権下にある」としながらも、上陸を許す最悪の状況しか想定できないのだ。

そのために、本来であれば事前に準備できる「離島防衛」のはずが、無人で放置して置かざるを得ない。上陸を許す結果は「奪還」しかあり得ない。マスコミなどで報道される「離島〝奪還″」は、こうした考えからである。

国家の安全に関わる重要事で、生起する事案によって過不足なく円滑かつ段階的に対応できる仕組みが必要であるが、省庁の権限をめぐる縦割り意識が根底にある。

縦割り行政が国益を毀損する

2018年1月6日、上海沖合300キロの東シナ海でパナマ籍タンカー・サンチ号(8万5000トン)が香港籍のバラ積み船CFクリスタル号(4万トン)に衝突され、炎上した。

衝突場所は、日中中間線の西方の中国側であったが、サンチ号は中国が開発を進めている油ガス田の近くを炎上したまま漂流し、14日に中間線東方の日本側の海底に沈没した。

事故対処にあたっては外交的配慮が必要であることは言うまでもないが、この事故は人命救助、海洋環境、海運・海上交通、漁業資源、EEZ・大陸棚の境界画定など様々な問題と関連しており、海上保安庁・環境省・運輸省・農林水産省・外務省などの官庁が絡んでくる。

日本は、かねて日中間の大陸棚の境界を中間線であると主張してきた。サンチ号の沈没場所は、日本の大陸棚上でもあるので、排他的管轄権を行使できたはずであるが、日本はそのように行動しなかった。

髙井晋氏は「日中間で大陸棚の範囲や境界を争っているのであれば、日本は積極的にサンチ号事件に対する関心を表明し、同号のサルベージを積極的に推進し、沈没場所が日本の大陸棚であることを国際的にアピールするべき」(JBpress2018.9.18「中国にまたしてもやられた日本政府 日中境界線付近でのタンカー『サンチ』沈没事件で問われる日本外交」)であったと述べる。

また、サンチ号の海難事故を報道したのは、第10管区海上保安本部と地方紙主体で、政府が官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置したのは、ようやく2月2日のことであったという。

サンチ号事件における日本政府の対応は当初から消極的で、事故の経過に関する発信は透明性に欠け限定的であったともいう。

こうしたことから高井氏は「縦割り行政の弊害以外の何者でもなく、各行政機関も専ら海上保安庁の対応に任せてきた印象を受ける。サンチ号事件などの海洋問題は、主権や国益が直接絡む多くの問題を含んでいることに留意しなければならない」と述べている。

さらに、次のように危惧する。

「中国が日本の了解を得ずしてサルベージを行ったのであれば、そして日本が何も抗議していなければ、国際社会は、沈没場所が中国の大陸棚であると認識することになるのではないか」

「今後、日本が中間線以東の大陸棚を自国の大陸棚であるといくら主張しても、サンチ号事件に対する日本の消極的な対応と中国の積極的な対処活動の印象から、国際社会が中国に軍配を上げる可能性は否めない」

日本は「尖閣諸島の領有権とそれに伴う日中中間線以東の周辺海域のEEZおよび大陸棚を自国のものと主張しているので、このことを諸外国に発信し賛同の輪を広げるためには、一つひとつの行動が常に外交の一貫性に沿ったものでなければならない」と注文する。

自衛艦の活用は?

北方領土が占領される以前の話である。日本の管轄下にあった海域にロシアの漁民が侵入して密漁し、また日本の漁民を脅して獲物や金品を略奪することがあった。

ロシアの漁民ともめ事を起こしているまさにその時、日本の軍艦がはるか向こうに姿を見せるだけで、件のロシア人たちは何事もなかったかのように、「さーっ」と消えていったそうである。

中国は節目ごとに市民や漁民を動員してくることが知られている。

昭和47(1972)年に日中が国交を回復し、条約の締結交渉を重ねていた。交渉が山場に差しかかっていた昭和53(1978)年、尖閣諸島の日本領海に200隻を超える中国漁船が殺到し、数日後に一隻残らず姿を消した。

中国側は「漁船が魚を追っているうちに潮に流された」と説明したそうである。

平成26(2014)年には小笠原諸島や伊豆諸島周辺に200隻を超す中国のサンゴ密漁船が集結した。台風で一時去ったが、再度結集してきた。

時あたかも日中首脳会談の実現をめぐって虚々実々の駆け引きが展開されているさなかであった。

小笠原の赤サンゴが荒らされ、漁民に莫大な損失をもたらしたことから政府は重い腰を上げ、違法操業の取り締まり強化や罰金引き上げなどを検討するが、日本の対応が甘いことに変わりはない。

「産経抄」(平成26年11月8日付)が提案したのは、尖閣沖で奮闘している海保が小笠原沖などで200隻以上の漁船を相手にする余力はないだろうから、自衛艦が悠悠と漁船の脇を通るのは如何だろかという歴史の教訓であった。

平成28(2016)年8月5日以降、中国は海警局の公船を尖閣諸島海域に派遣し、漁船400隻、公船15隻を動員した。漁船には民兵が乗船していたことも判明した。

日本の漁船が他国の領海で違法操業したら拿捕されるばかりでなく、いきなり銃撃されることも頻繁であった。

しかし、日本は、自衛艦を遊弋させるというような「軍事的圧力」と思わせる行動をとることはなかった。もっと活用してもいいのではないだろうか。

攻撃に要する兵力は防御の3倍

軍事の常識として、防御は地形などを利用することができるために、攻撃(離島奪還もその一つ)の3分の1の兵力で済む。従って、可能な範囲で攻撃ではなく、防衛(戦術的には防御)で地域を守ることが大切である。

もっとも、敵の攻撃できる経路がいくつもある場合は、防御兵力が各径路に分散されるために、各々の経路に分散配置が必要となり、全体的には防御兵力が多く必要となりかねない。

そこで偵察・監視により主力が接近してくる経路を判断し、配備の重点を絞ることが重要になってくる。

いくつもの攻撃ルートがあるような場合は、1つに集約させるために、他のルートには兵力に代わる接近阻止(または拒否)装置などが必要となる。

以前は地雷などがそうした役割を担い、敵の行動を制約していた。しかし、今は人道上から国際条約で破棄することになっており、現実に日本はすでに破棄して装備していない(条約無視をする近隣国は定かでないが、多分保有しているに違いない)。

ともあれ、離島の奪還は攻撃の一種で、相手の3倍の兵力が最小限必要というのが戦術の原則である。

この原則に照らしても、基本的に「奪還」ではなく、占拠されるのを阻止する「防衛(または防御)」に注力すべきである。あるいは、上陸戦闘を許さないための接近拒否戦略が望ましい。

防衛白書(29年版)は水陸機動団について、「(敵の」攻撃に対応するためには、安全保障環境に即した部隊の配置とともに、自衛隊による平素からの常時継続的な情報収集、警戒監視などにより、兆候を早期に察知し、海上優勢・航空優勢を獲得・維持することが重要」と強調している。

そして、「(敵の侵攻の)兆候を得たならば、侵攻が予想される地域に、陸・海・空自が一体となった統合運用により、敵に先んじて部隊を展開・集中し、敵の侵攻を阻止・排除する」としている。先述の接近阻止であり、または「防御」ありきである。

続けて、こうした対応が取れず万一「島嶼への侵攻があった場合には、航空機や艦艇による対地射撃により敵を制圧した後、陸自部隊を着上陸させるなど島嶼奪回の作戦を行う」と白書は述べている。

このように、「奪回」は起死回生の手段である。

水陸機動団が「離島奪還」作戦を練り、訓練し、演習しているからと言って、日本が離島などの防衛を疎かにしてはならない。

最も厳しい状況下の訓練(すなわち奪還訓練)を行うことで、部隊の練度を最高に高めることにより、低烈度の状況対応は容易となるからである。

おわりに

尖閣諸島が国有化されたのは野田佳彦政権の2012年9月のことであった。その2年前の2010年9月には、尖閣諸島を巡視している海保の巡視船が中国の漁船に追突される事件が起きた。

国有化される前は島の近傍まで行き清掃し、時には上陸して国旗を持ち込むなどの行為も見られたが、今では海保の警備が厳しく、海保の警戒線より内側に近づくことはできないとのことである。

他方、海保の統制を受けない中国の漁船は海保の警告を無視して悠然と島の近傍を遊弋する逆転現象が起きていると仄聞した。これでは国有化が仇になっているとしか言いようがない。

実のところ、国家主席になりたての習近平は権力固めに、就任直後の2012年末から2013年初めにかけて、尖閣諸島の奪取を本気で考えていたという(矢板明夫著『習近平の悲劇』)。

この時期の事象を振り返ってみると、公船の領海侵犯は頻繁に起きていたが、2012年12月13日、国家海洋局所属のプロペラ機が初めて尖閣諸島上空で領空侵犯した(なお、この日は日本が南京で大虐殺をしたとする南京攻略の75周年記念日でもあった)。

2013年1月になると、19日と30日の2度にわたり、東シナ海で中国海軍のフリゲート艦が海上自衛隊の護衛艦に火器管制レーダーを照射する。戦闘準備完了さえ示唆する行動で、何時戦闘開始になってもおかしくない態勢を意味する。

いずれにしても、安倍政権が過激に反応しなかったため、中国は口実を見つけることができなかったようだ。

当時はホットラインもできていなかったが、政権の冷静沈着な行動が、大事を防いだということができよう。

法律がなければ行動できない自衛隊である。グレーゾーンなどと称して放置できない認識が必要だ。

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『新日鉄住金が敗訴、韓国で戦時中の徴用工裁判 日韓関係は「無法」状態に』(10/30日経ビジネスオンライン 鈴置高史)、『徴用工判決も、韓国で日本の国民感情を逆なでする行為が相次ぐ理由』(11/1ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

10/31ZAKZAK<日本政府に“韓国疲れ”蔓延 外務省幹部「戦略的に無視していく」 徴用工判決問題>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181031/soc1810310012-n1.html

11/1ZAKZAK<「国家としての体をなしていない」徴用工判決で実質“日韓断交”も 政府高官「韓国は前近代的な情治国家」>

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/181101/soc1811010006-n1.html?ownedref=feature_not%20set_newsTop

ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」から11/1のブログ主の意見を2つ紹介します。

「これ、昨晩の質問ね。

『俺も日本を許せないのに、俺は賠償金貰えないのか?』という韓国人の問いは、たまに見る。

多くはないが、少なくもない。新日鉄の敗訴を受け、今後の三菱2審も敗訴すると思う。

この質問者も賠償されると聞いて、俺も貰える、貰いたいと思ったタイプ。

今後、この手の韓国人を騙す『あなたも憎い日本から賠償金を取って懲らしめよう』詐欺、韓国で流行ると思う。

前もあったんですよ。『親族に被害者いなくても賠償金貰えます。日本を訴えよう』って。

本気で言ってるのもあったし、詐欺のもあった。

賠償金に関しては韓国は相続できるとしてますからね、徴用工に子供3人孫6人いて亡くなったら、9人全員が『賠償金よこせ』と言い出す。

しかも慰安婦財団が『全員が納得しないと解決と認めない』と前例作ったから、200万人では終わらないでしょう。

韓国人のメンタルでは、万が一日本が支払ったとしても『2019年は子供だった。生まれてなかった。だが貰う権利がある。第5次賠償金支払いを求める』って後で言い出すでしょ。

最終的には、韓国人全員が言い出しますよ。

『韓国が植民地になったのは、俺が生まれる100年前だがプライドが傷ついた。賠償して謝罪しろ』って。

そんなの通らないと感じるのは、日本人だから。彼らには通用する。そういう国民性です。

本丸は三菱判決。新日鉄もニューヨーク市場で買った株式だから、韓国が差し押さえられるかは疑問。

アメリカに執行を求めても拒否される可能性は高い。

そうなると売り上げを押さえなくてはならず、労組のような人間に取り囲まれる事になる。

まぁ日韓関係は、経済に関してはほぼ終わると思いますね。」

「日本政府も対抗策を打つと思いますけど、対応策にも打ち方というものがあると思います。

安倍ちゃんや河野さんの『受け入れられない』という事は、別に牽制にもなってない事は判決で分かりますからね。

要は韓国に実害を与える手段と、心理的なインパクトですよ。

大使召還ったって、普通の韓国人に関係ないですからね。

一番は『韓国国内の日本企業に資本引き揚げ勧告』を出す事と思います。

今後、韓国政府による日本資本の差し押さえが実行できる目途が立ちましたからね。

次に、中間資材の輸出停止処置と、韓国製品に対する100パーの関税。完全な経済制裁としてね。

更に韓国人に対するビザ復活、更に竹島上陸経験のある韓国人の入国禁止(政治家含む)。

そして最後に韓国に対する技術提供・通貨スワップなどの無期限凍結。

この順が、韓国人に与える心理的なインパクトとして良いかと思います。

韓国は激怒するでしょうが、ならば韓国も同様の処置を日本に対して行えばいい。

殆どの日本人は、韓国が日本に制裁しても生活に影響は出ず、気が付かないままで終わるはず。

大使館は残して、韓国が日韓断交と言い出すのは待てばいい。こっちから言うべきじゃない。

なに、ほっておいても韓国はそのうち、北朝鮮とともに『独島防衛南北共同訓練』でも始めてくれますから。

大使召還なんて軽いジャブではなく、資本引き揚げと100パー関税と中間財の輸出停止という強烈なレバー打ちを最初に打つべき。

初手はインパクトの強いもので、韓国経済に直結するものでないと、韓国人の批判を韓国政府に向けられない。

試合は出だしで先手を打って、試合のペースを作り、心理的にプレッシャーを与えた方がいい。

韓国人の心理特性を考えると、基本『自分は悪くない』に帰結しますから、全部人のせい。

パク・クネの親中路線に『誇らしい、大当たり』と称賛していたのに、手のひら返したように、今は『ムン・ジェイン誇らしい』と言ってても、実害が出れば『ムン・ジェインが考えなしにやったから、ムン・ジェインの責任、私たちは悪くない』と手のひら返す。

ムン・ジェインの狙い自体は、日韓の離間・米韓の離間ですから、それと同時に韓国人だけが理解できるレベルの方法で、韓国の反日を煽るように仕向ける。

来年夏の安倍総理の靖国訪問とかね。中国も不快と言っても、元安で外貨失いつつある中で小泉政権時のような反日暴動は起こしづらく、起こされても日本として損はない。

北朝鮮の非核化問題で、対立してますからね。

韓国に対しての判決への制裁も、非核化の国際合意に違反してるからと転嫁してもいい。

とにかく韓国経済に実害を与え、インパクトの強いものを最初に放つべき。

どの道、最高裁が判例作った以上、これは覆らない訳ですから、これを口実として韓国からの総撤退と、韓国との断交ではなく経済的な断絶までのきっかけとすればいい。

それで韓国が開き直って反日暴動や、対馬に対する軍事的圧力を見せてきたら、初めて日本側から日韓断交を口に出せるようになる。

まずボディ打ちで弱らせて、相手が窮して反則を使って来たら、これ幸いと無効試合にして絶縁すればいいと思いますよ。」

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/

昨日、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」を引用させて戴き、官邸と自民党にコメントを送りました。やはり、庶民目線で長く韓国を見て来た人の話は説得力があります。(ご本人の了解は取らずに送っていますが)

「韓国の新日鉄の強制徴用問題に対する最高裁判決への対応について

韓国の新日鉄の強制徴用問題に対する最高裁判決が出ましたが、それに対し日本としてどういう手を打つのが良いのか、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のブログ主の考えに賛同しておりますのでそれを紹介します。是非実行して戴きたい。先ず、大使召還は生ぬるいし、韓国人全体に痛みを感じさせないと駄目です。

1.『韓国国内の日本企業に資本引き揚げ勧告』を出す。

2.中間資材の輸出停止処置と、韓国製品に対する100パーセントの関税。

3.韓国人に対するビザ復活、更に竹島上陸経験のある韓国人の入国禁止(政治家含む)。

4.韓国に対する技術提供・通貨スワップなどの無期限凍結。

これを順繰りに発動していく。

なお、ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のURLは http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/

です」と。

韓国民は蛮族で近代法の原理が分かっていません。事後法の禁止とか、除斥期間や消滅時効の概念、条約遵守義務(こんなのは法律以前の問題で、約束をまもるかどうかという所。日本は不平等条約改正に57年もかけて是正しました)が理解できない民族です。

日本が韓国統合後にしてやった近代化のプロセスを逆恨みし、いつまでも悪態をつき続ける忘恩の徒ですから、畜生にも劣るとしか言いようがありません。

ロウソクデモで民主的に選ばれた代表を政権の座から引き摺り下ろし、得意になっているのですから。これは血を流さない革命でしょう。普通ならクーデターが起きる筈ですが、国民情緒に汚染された軍も当てになりません。自衛艦の旭日旗問題でも韓国海軍は掲揚を認めないとしました。如何に大統領府が言って来ても断れたはずです。彼らも世論を気にしているのでしょう。所詮は反日国家の軍隊です。

韓国には中国がしているのと同様、厳しい調教が必要です。体で痛みを感じさせないと理解できない蛮族です。政府は国際司法裁判所に提訴したとしても、韓国政府が裁判に同意しないでしょう。それでは駄目で、二の矢、三の矢、次々と繰り出す手を今から用意しておかないと。ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」のように打つ手を前もって決めておいてほしい。外務省の言う「戦略的無視」は「放置国家」になるという事です。真の「法治国家」になるためには、法(約束)を破ったものにはペナルテイが課せられて当然でしょう。外務省は幣原以降軟弱外交ばかり。真面な人材育成できるような仕組みを考えてほしい。

まあ、今の段階では中国も韓国に味方する訳にも行かないでしょう。THAADの件だけでなく、日中首脳会談をしたばかりで、「競争から協調」と確認しましたので。米中貿易戦争の真っただ中にあって、朝鮮半島にかまけている暇はありません。

鈴置記事

仁川市に建てられた日本植民地時代に徴用された朝鮮人労働者を称える像。2017年8月12日撮影(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

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10月30日、韓国の大法院(最高裁判所)は新日鉄住金に戦時中の韓国人徴用工4人に対する賠償金を支払うよう言い渡した。国交正常化の際の基本的な合意を覆すもので、日韓関係は「無法」状態に突入した。

日本は国際司法裁判所に提訴も

韓国・最高裁は新日鉄住金に対し、元・徴用工に1人当たり1億ウォン(約990万円)を支払うよう命じた。

原告側弁護士は資産差し押さえに動くと見られるが、新日鉄住金の韓国内での資産では不足する可能性が高い。そこで日本などで差し押さえを提訴する模様だ。

この判決の及ぼす影響は極めて大きい。新日鉄住金以外にも三菱重工、不二越、横浜ゴムなどの日本企業を1000人近い元・徴用工が訴えている(日経「賠償なら日韓企業のビジネスに影響も 徴用工裁判」参照)。それらの裁判でも日本企業が敗訴する可能性が高まった。

外交的な衝撃も計り知れない。この判決は1965年の国交正常化にあたり、日韓基本条約とともに結んだ日韓請求権協定を完全に踏みにじった。

日本政府は今回の判決を国際司法裁判所(ICJ)に提訴する方向だ。一方、韓国では正常化交渉が不平等な状況下での間違った交渉だったとの見方が増えており、これを機に日韓基本条約そのものを破棄せよとの声が出よう。

請求権協定を踏みにじった

日韓請求権協定では日本が韓国に有償・無償合わせて5億ドルの経済支援を与える見返りに「両締結国及びその国民の間の請求権に関する問題が(中略)完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する」と明記した。

そのうえ「締結国及びその国民の(中略)すべての請求権であって、同日(署名日)以前に生じた事由に基づくものに関しては、いかなる主張もできないものとする」と念を押してある。

当時の外務省幹部によると当初、日本側は個人に対する賠償方式を提案した。だが開発資金への転用を狙った韓国側が、政府が一括して受け取りたいと希望。

日本は韓国の事情を汲んで受け入れたが、韓国の個人が「自分は貰っていない」と蒸し返すことが十分に考えられたため、個人の請求権は消滅すると明記した。

このため韓国の官民委員会も2005年8月、「徴用工問題で日本企業に賠償を求めるのは困難である」との見解を表明。だが、2012年5月に韓国最高裁が三菱重工と新日鉄が被告の上告審で「個人の請求権は消滅していない」と判断した。

2013年7月には、この判断を受けた差し戻し審でソウル高裁が新日鉄に、釜山高裁が三菱重工にそれぞれ賠償命令を出した。10月30日の最高裁判決は新日鉄の上告を受けたものだ。

約束を破ってこそ「日本より上」

最高裁での審理は2018年8月まで約5年間止まっていた。日韓関係の悪化を懸念する朴槿恵(パク・クネ)政権の意向を受けたとされる。

風向きが変わったのは、2017年5月に左派の文在寅(ムン・ジェイン)政権がスタートしてからだ。前政権の積弊追及運動の中で、審理遅延も問題となり、2018年8月に最高裁は審理を再開した。

10月27日には審理遅延の犯人として、最高裁の付属機関、法院行政庁の判事・林鍾憲(イム・ジョンホン)前次長が逮捕されている。

この意味では今回の判決も左派政権ならではのものに見える。しかし、ソウル高裁などが日本企業に賠償命令を出したのは保守の朴槿恵政権下の出来事だった。

21世紀に入る頃から韓国では「日本を超えた」との意識が高まった(『米韓同盟消滅』第3章「中二病にかかった韓国人」参照)。

自分たちに力がない時に結んだ日韓国交正常化に関する合意を踏みにじって見せる――。これこそが保守、左派を問わず韓国人の夢である。韓国では「約束を破ってこそ強者」との意識が根強い。

始まった資本逃避

もっとも韓国人の自画像のように、韓国が強者かは疑わしい。韓国の株式指数、KOSPI(韓国総合株価指数)は年初来、20%も下がっている。10月29日には心理的抵抗線とされる2000ポイントを割り込んだ。22か月ぶりのことだ。

世界的な株安だけが原因ではない。中央日報は「韓国株価、10月は世界最大の下落・・・アルゼンチンより大きく」(10月29日、日本語版)で以下のように分析した。なお、翻訳の誤りは韓国語版を基に修正した。

・10月26日のKOSDAQは663.07で取引を終え、先月の最終営業日だった9月28日の終値(822.27)に比べ19.36%も下落した。同じ期間、世界の主要指数のうち最高の下落率だ。
・KOSPIも同じ期間に13.48%下落し、台湾加権指数(-13.78%)に続く世界3番目の下落率となった。
・米国・中国株式市場が少しでも下がれば急落し、これら株式市場が反騰してもそれほど上昇しない。 外国人の売りに歯止めがかからないのが一次的な原因だ。
・外国人は10月に入って26日までに4兆5012億ウォン(約4500億円)の記録的な売り越しとなっている。3年前の2015年8月(4兆2950億ウォン)以来最も大きい。

ホットマネーが韓国から逃げ出すのは当然だ。米国の利上げに伴い、米韓の金利差は開くばかり。韓国は利上げしようにも、景気と家計負債の悪化懸念から動きにくい。

中長期的には、少子高齢化による成長力の減退が次第に明確になった。そのうえ政治的にも米国と関係が極度に悪化した(「北朝鮮と心中する韓国」参照)。

米国は韓国の反米政権に対しては必ずと言っていいほど、金融を使って「お仕置き」してきた。米国の格付け会社が韓国の評価を下げるだけで、左派政権は動きが取れなくなった(『米韓同盟消滅』第2章第4節「『韓国の裏切り』に警告し続けた米国」参照)。

スワップを蹴り飛ばした韓国

資本逃避への特効薬は通貨スワップ協定の締結だ。10月22日、韓国銀行の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が日本との通貨スワップ締結に言及した。

中央日報の「韓銀総裁『日本との通貨スワップ、いくらでも再開できる・・・条件はまだ整わず』」(10月23日、日本語版)によると国会の国政監査の席で以下のように語った。

・韓米・韓日通貨スワップがあれば外国為替の健全性の次元で良い装置となる。米国の場合、基軸通貨国以外の国と通貨スワップを締結していないため難しい。が、日本の場合いくらでも再開できる可能性があるが、まだ条件は整っていない。

日韓関係が悪いため、スワップは結んで貰えないと告白したのだ。そのうえ10月30日の最高裁判決。市場は「日韓スワップの可能性はゼロ」と踏んだだろう。

現在、韓国が結んでいる通貨スワップでは急激な資本逃避に対応できるか、市場は疑っている。すぐに米ドルに替えられる、国際通貨建ては豪州とスイスとのスワップぐらい。それも合わせて170億ドル前後に過ぎない。

中国とのスワップは500億ドル強相当であるものの、2017年10月10日に協定が切れている。韓国銀行は「延長した」と口頭で発表したが、中国の金融当局は「韓国側に聞け」と言うだけで、延長に関し肯定も否定もしていない。

韓国が米国のTHAAD(=サード、地上配備型ミサイル迎撃システム)の配備を容認するなど中国に逆らったため「お仕置き」していると見られる。

仮に中国が突然に広い心を持ったとしても、韓国とのスワップに応じられるかは怪しい。中国自体が資本逃避に直面しているからだ。中韓スワップは人民元と韓国ウォンを交換する。発動すれば、大量の人民元売りが一気に発生してしまう。

通貨スワップという傘がもっとも必要な時に、韓国は日本の傘を蹴り飛ばしてみせたのだ。

韓国の通貨スワップ(2018年10月29日現在)

相手国 規模 締結・延長日 満期日
中国 3600億元/64兆ウォン(約518億ドル)終了→再開? 2014年
10月11日
2017年
10月10日
豪州 100億豪ドル/9兆ウォン(約71億ドル) 2017年
2月8日
2020年
2月7日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約76億ドル) 2017年
3月6日
2020年
3月5日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約36億ドル) 2017年
1月25日
2020年
1月24日
スイス 100億スイスフラン/11.2兆億ウォン(約100億ドル) 2018年
2月20日
2021年
2月19日
CMI<注1> 384億ドル 2014年
7月17日
カナダ<注2><注3> 定めず。通貨はカナダドルとウォン 2017年
11月15日
定めず

<注1>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)は多国間スワップ。IMF融資とリンクしない場合は30%まで。

<注2>カナダと結んだのは「為替スワップ(bilateral liquidity swap)」で市中銀行に外貨を貸すのが目的。中央銀行に対し市場介入用の外貨を貸す「通貨スワップ(bilateral swap)」ではない。

<注3>カナダとは「規模も満期日も定めない常設協定」と韓銀は発表。英文の発表文では、発動は「市場の状況が許せば」「必要に応じて」としているところから、規模などはその都度協議して決めるものと見られる。

<注4>カッコ内は最近の為替レートによる米ドル換算額
資料:韓国各紙

(次回に続く)

武藤記事

韓国の最高裁で元徴用工4人に計4000万円の支払い命じる判決

10月30日、第2次世界大戦中に強制労働をさせられたとして韓国人4人が新日鉄住金(旧新日本製鉄)を相手取り、損害賠償を求めた訴訟の差し戻し上告審で、韓国の最高裁に当たる大法院は、同社の上告を退ける判決を言い渡した。これにより、4人に合わせて4億ウォン(約4000万円)の支払いを命じたソウル高裁の判決が確定した。

日本政府は、元徴用工への請求権問題は1965年の日韓請求権協定で解決済みとの立場で、同社も同様の主張をしたが、認められなかった形だ。

元徴用工やその遺族は、2005年に旧新日鉄を相手取りソウル中央地裁に提訴した。しかし当時の盧武鉉政権が、日韓請求権協定や関連の外交文書を検証した結果、個人が企業に賠償を求めるのは事実上困難との見解を表明。1、2審は原告が敗訴した。

しかし大法院は、韓国政府には賠償請求権はないものの「個人請求権は消滅していない」との判断を示し、審理をソウル高裁に差し戻した。これを受け同高裁は2013年、計4億ウォンの賠償を命じた。

だが、大法院は控訴審判決が出てから5年以上、判断を保留してきた。背景には、後述するが、韓国政府が日本政府同様、日韓請求権協定によって両国民の間の請求権は「完全かつ最終的に解決」したとの解釈を示してきたことがある。

ところが最近、大法院の担当次長が判決を遅らせたとして逮捕された。これは、文在寅政権として「早く判決を出すように」との意思表示であり、今回の判決も文政権の意向に沿ったものと見ることができる。

個人補償は韓国政府が拒んできた経緯 判決を受けて訴訟乱発の恐れ

そもそも65年の日韓国交正常化交渉の過程において、日本政府は個人補償も検討したが、当時の朴正熙政権が一括して韓国政府との間で解決するように求め、無償3億ドル、有償2億ドルで決着した経緯がある。

盧武鉉政権も2005年に、日本による無償3億ドル協力には「強制動員被害補償の問題解決という性格の資金が包括的に勘案されている」として、責任は韓国政府が持つべきだとの認識を示している。文大統領は、このときの高官だった。しかし、文大統領は昨年の光復節直後の記者会見で、「個人請求権は消滅しない」「司法判断を尊重する」と述べた。

韓国政府が、長年にわたり「個人の請求権は消滅した」との立場を取っていたのだから、外交交渉の経緯を最高裁に説明、説得するのが行政府の責任ではないか。文大統領が国内的に歴史の見直しに力を入れるとするのは構わないが、外交的には相手方の強い反発を理解すべきで、日本の反応を過小評価したとしか思えない。

今回の判決を受け、これから各地で訴訟が活発化することが予想される。既に70社を相手取り、15件の裁判が進行中であり、約1000人が原告となっている。そして、“訴訟予備軍”も20万人以上いるといわれる。この全員が日本企業に1000万円を求めたら、その総額は2兆円に上る。新日鉄住金が賠償を支払わない場合、原告の弁護士は差し押さえを求めることを検討中ともいわれ、そうなれば日韓経済関係には甚大な影響を与える。

しかし、より根本的な問題として、日韓政府間合意から50年以上経った今、政権が変わったからといって一方的に約束を反故にされては、安定した国家関係は望めない。韓国政府は裁判所の意向と言うのだろうが、これまでの韓国政府は合意内容を擁護してきたし、これは韓国政府の責任であると言ってきた。

日韓請求権協定で相互に争いがある場合には紛争解決の手続きが決められており、まず2国間協議、それで解決しない場合には第三国の委員を加えた仲裁委員会での話し合いを求めることができることになっている。韓国の裁判所もこうした手続きを尊重し、一方的に判断するのではなく、こうした国際的なルールに従って解決するよう勧告するのが妥当ではないか。

文大統領は昨年、大統領就任後の光復節(終戦記念日)演説で、「過去の歴史が未来志向的な発展の足を引っ張るのは好ましくない」と述べていたが、この発言は何だったのかと疑いたくなる。

今の韓国政府内には、日韓関係について造詣の深い人はほとんどいない。李洛淵(イ・ナギョン)国務総理は東亜日報の東京支局長を務めており、韓日議員連盟の野党側の責任者をしていた人物。だが、そもそも外交にはあまり縁のない職責であり、彼をサポートする人間が政府内にいないとなれば影響力はないと考えていい。韓国外交部において日本通は常に要職にいたが、今は日本擁護をすると排斥される恐れがあり、勇気を持って発言できる人はいない。こうしたことも影響したのではないだろうか。

文政権になってから相次ぐ日本の国民感情を逆なでする行為

文政権は、日本の国民感情を逆なでするような行為を繰り返してきた。

例えば、慰安婦問題に関する日韓合意に基づいて設立された慰安婦財団の解体の示唆を始め、日本の海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請、そして国会教育委員会の超党派議員による竹島上陸などである。

そうした流れの中、今回の判決が出たことにより、歴代政権下で日本に対して取り上げてきた歴史問題をほぼ網羅することになった。しかも、文大統領の訪日も先延ばしにされており、日本との関係を重視しているようには見えない。

このうち、まずは慰安婦財団の解体示唆について見ていこう。

文大統領は、常に元慰安婦に寄り添ってきた。ただ、文大統領が言っている「当事者の意思が反映されておらず、真の解決にならない」という理屈には納得がいかない。アジア女性基金が運用されていた際、韓国内で批判があったのは、元慰安婦に支給される見舞金が、日本政府からの直接の資金ではなく国民募金によるもので、これでは日本政府の責任を認めたことにならないという点だった。

しかし、今回の財団への拠出は、全て日本政府の財政から支出されたものだ。しかも、「被害者の名誉・尊厳回復への努力、自発的な真の謝罪を要求する」という点に関しては、アジア女性基金の際にすでに反省と謝罪を記した総理の書簡を添付している。

文大統領の主張が妥当性を欠くのは、朴槿恵政権当時の財団理事長が全ての元慰安婦の下を訪れて説得に努めた結果、7割の元慰安婦が納得していたということだ。要するに、反対しているのは文大統領に近い慰安婦財団に属する元慰安婦などであり、この人々は自分たちの主張が120%満足されなければ納得しないことである。

もっと言えば、日本と対立していることに“存在意義”を感じている人々だ。文大統領は、こうした元慰安婦団体と手を組んでいるのだ。仮にそういう人々が反対しても、大多数の元慰安婦が納得していれば、この日韓合意は十分正当性があるものといえるにもかかわらずだ。

慰安婦財団の解体は、日韓の政府合意の根幹をなすもの。韓国政府は、公式合意があったことは否定できず再交渉は求めないとしているが、日本政府として当然のことながら、再交渉する気など毛頭ないだろう。

慰安婦合意を事実上反故にするこの措置は、徴用工の扱いと同じで政府間の合意を一方的に放棄するに等しい。

海上自衛隊による旭日旗掲揚の自粛要請

続いて、韓国済州島で行われた国際観艦式に、日本の海上自衛隊の艦船が参加するに当たり、旭日旗掲揚の自粛を求められた問題。海軍の艦船が海軍旗を掲揚して航行するのは国際慣例になっているにもかかわらずだ。

旭日旗については、1998年と2008年の観艦式の際には掲揚して参加している。それ以降、旭日旗に対する韓国の国内世論が敏感になっている点はあろうが、韓国政府としては国際慣例に則るものであることを指摘し、国内世論を静めるのが筋だろう。ちなみに韓国も李舜臣将軍が使った亀甲の旗を掲げたようだ。李舜臣は豊臣秀吉の水軍を破った英雄であり、韓国の誇り。こうした韓国の行動は、日本に対する当てつけだといえる。

日本だけに国際慣例は適用されないのか。旭日旗は、日本の法律で掲揚が義務づけられているものだ。これを拒否されると、北朝鮮の核問題でより日米韓の協力を深めなければならないときに、日本は韓国との安保協力がやりにくくなる。韓国の海軍は日本との防衛協力に前向きだが、韓国の大統領府が足を引っ張っている形だ。

今回、韓国は全ての参加国に対し、自国と韓国の国旗の両方を掲揚するように求めたもようだが、多くの国は海軍旗も合わせて掲揚して参加した。これは韓国の対応が、国際慣例に反するものであることへの抗議とも考えられよう。

そして、韓国国会教育委員会の竹島上陸訪問。韓国では、日韓に歴史問題が持ち上がると、必ずといっていいほど竹島を訪問する政治家などが現れる。慰安婦問題で窮地に陥っていた李明博元大統領が竹島に上陸したのがそのいい例だ。

今回も、一連の問題が持ち上がったタイミングで、国会教育委員会の超党派議員団が竹島に上陸している。ポイントは教育委員会の議員だったという点で、韓国の若者に竹島に関する教育をより徹底しようという意図が垣間見えるのがより深刻だ。

韓国は、日本と交渉する際、世論を刺激して世論を味方につけて交渉するが、今回も同じ構図といえる。竹島問題は、これまでもたびたび日韓関係悪化のきっかけを作ってきたが、こうした傾向は今後も続くだろう。

「日韓パートナーシップ宣言」20周年は日韓の困難な時代の始まりか

今年は、日韓の友好促進と協力拡大をうたった小渕恵三・金大中両首脳による「日韓パートナーシップ宣言」の20周年。これを機に、改めて日韓関係の促進ムードを盛り上げようというタイミングだった。

この宣言の趣旨は、日本が文書で謝罪と反省を述べる代わりに、韓国政府はこれ以上、歴史問題を提起しないようにしようというもの。韓国政府としても勇気のいる決断だったが、宣言できたのは、日本が戦後、多大な努力を重ねて民主国家になったことを韓国側が認めたということが前提にある。

日本人にとって、日本が民主国家であるというのは当たり前のこと。だが、韓国人はそう捉えていない。日本には、折に触れ軍国主義の亡霊が現れるかのように言われているからだ。そうした誤解を晴らし、当たり前の事実を素直に受け入れることが日韓関係ではいかに重要かが分かる。

韓国の国益を考えれば、日本との関係を強化することが望ましいはずだ。文大統領が「過去の問題が未来志向的な日韓関係の足を引っ張るのは望ましくない」と述べたのは、まさに的を射た発言だ。また、日本にとっても韓国との関係は国際政治上も、安全保障上も、切っても切れない関係だ。さらに、経済や文化の面においても関係の強化に多くのメリットがある。

日韓両国は今一度、小渕・金大中の日韓パートナーシップ宣言の精神に立ち返るべきではないだろうか。そのためにも韓国には、安定した日韓関係の構築に何が必要なのかいま一度考えてもらいたい。

民間レベルでは順調に発展 戦後の日本の協力に関する教育必要

日韓関係は、民間レベルでは順調に発展している。昨年、韓国から日本を訪問した人は700万人を超え、1位の中国に迫る勢いだ。日本から韓国への訪問客も、ピョンチャンオリンピック以降回復の兆しを見せている。また韓国では、日本の小説は常にランキング上位に登場しているし、日本食もブームだ。こうしたことにより、日本を知る韓国人は増加しており、日本の本当の姿を伝える環境は整っている。

しかし韓国には、あえて歴史問題や政治関係を取り上げ批判する人が一部にいる。しかも、そうした人々の声は大きい。それに反対すれば親日と批判されるため、声を潜める傾向にある。したがって、反日が主流かのような印象を与えてしまう。

そうした声を抑え、正しく日本の姿を伝えるには、韓国政府、特に文大統領のリーダーシップが不可欠である。文政権にこうした能力が欠けていることが、日韓関係に暗い影を落とす結果になっているのだ。

日本は、戦後の韓国の復興のため誠意をもって協力してきた。だが、韓国ではそうした事実はほとんど語られていない。むしろ意識的に隠ぺいされてきた。筆者は韓国に感謝してほしいから言うのではない。戦後の日本の協力を理解すれば、韓国は日本と関係について直視できるようになると思うから言っているのだ。韓国の人々は、戦後の日本の協力の歴史について、もっと学んでほしいと思う。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『中国を後にする日本企業、希望の地ベトナムへ アジア的混沌に商機あり、20年後にハノイは「上海」になる』(10/30JBプレス 安田峰敏 )について

10/30阿波羅新聞網<王岐山吃台湾豆腐!赠书以总理竟称送「我们台湾省印的」=王岐山は台湾をからかう! イスラエル首相に本を贈り返すのに何と「我々の台湾省の印刷バージョンを送りましょう」と言った。>先週、王岐山がネタニヤフ首相と会った時に、首相から“The Lessons of History”(1966年出版、著名な米国人歴史家のWill Durantと夫人のAriel Durantの共著)を貰った。ネタニヤフは王に「我々の過去・現在・未来を理解するのにはこの本がピッタリである。中国語を勉強するためにこの本の中国語版を送って貰えないだろうか」と頼んだ。

王は「喜んで」と応え、突然「我々台湾省の印刷バージョンを送ります」と言った。わざとこのような話をすることによって、台湾は中国の一省と言うのを刷り込もうとしている。王は「訳本は台湾版が大陸版より良いと思う」と言った。ネタニヤフは笑って「両方とも英語版より良いと思う」と返した。

http://www.aboluowang.com/2018/1030/1196549.html

10/30阿波羅新聞網<中南海祸不单行 50%中资要跑路 进博会遭西方国家抵制 川普新年送“大礼”=中南海の災難は1つだけではない 50%の中国資本が海外に出ようとする 輸入博覧会は欧米のボイコットに トランプは新年には大きなプレゼントを送る>米国メデイアは「もしトランプ・習会談が貿易戦争を緩和できないのであれば、米国は中国のあらゆる商品に関税を賦課しようと考えている。米国は中国が別な国からの輸出で乗り切ろうとしている問題についても解決を図ろうと準備をしている。

華南の米国商工会議所の最近の調査に依れば、米中貿易戦争がヒートし続けているため、中国の南部に投資している米企業の内、70%が投資を控えるか延期を検討し、一部か全部を別な国に移そうとしている。中国企業の半数も同じ積りである。この他11/5~10上海で開催される第1回中国国際輸入博覧会は欧米の大多数のリーダーの欠席に遭い、言葉を変えれば、ボイコットに遭ったと。参加するのは皆発展途上国のリーダーばかり。

http://www.aboluowang.com/2018/1030/1196724.html

10/31日経朝刊<蜜月演出、中国を意識 日インド最大の通貨スワップ

政府は29日、インドと通貨危機を予防するため、750億ドル(8兆円強)の通貨交換(スワップ)協定を結んだ。金額は2国間で結んだスワップとしては最大規模で、蜜月を演出した。日中首脳会談直後にあえて結んだ思惑は何か。

日印スワップは2015年に失効し、約3年ぶりの再開。アジア通貨危機のように外貨準備が急減し経済不安につながることを防ぐため、いざというときに両国で外貨を融通する。経済成長や両国の関係を踏まえ、前回の500億ドルから1.5倍に積み増した。

今回の合意はインドが要請し、日本が短期間で応じた。なぜインドは急ぎ、日本は応じたのか。

インド側は米利上げで資金流出が強まり、将来のドル不足も懸念する状況だ。ルピーは今年に入り対ドルで1割以上下落した。投機的な動きが強まり、経済が不安定になるリスクがある。

日本にとって「日印は世界で最も可能性を秘めた2国間関係だ」(安倍晋三首相)。インドはインフラ開発など経済の協力余地が大きいからだ。日本は1.2兆ドルの外貨準備があり、原資は潤沢だ。早めに安全網を拡充しておきたいインドに対し、協力強化への有効な切り札になる。

26日に中国と結んだスワップはインドと性格が異なる。上限3.4兆円としたのは、日本の銀行や企業が人民元を調達しやすくするもの。危機時に中国を救う意味合いはない。日本が長く働きかけて実現したもので、日印間とは事情も異なる。

日本もインドもインフラ投資で影響力を拡大する中国に警戒感を強めている。日印金融協力の大幅強化は、中国を意識した動きと言えそうだ。>(以上)

10/31日経朝刊<米中「冷戦」をどう生きるか   本社コメンテーター 秋田浩之

長年にわたり、日本外交にとって最大のリスクは米中が頭越しに手を握り、自分が外されてしまうことだった。

1971年、ニクソン政権は中国との和解を電撃発表した。何も知らされていなかった日本は大騒ぎとなり、当時の佐藤政権の瓦解につながった。

98年には、中国の求めに応じてクリントン大統領が日本を素通りして訪中し、米中蜜月に走った。さらにオバマ政権の初めには、世界秩序を米中で仕切るという米中G2論までささやかれた。

今後、日本が直面するのは、正反対の試練だ。冷戦と呼ぶかどうかは別にして、米中は深い対立の時代に入ろうとしている。

日本に必要なのは米中両にらみの態度をとることではなく、米国と一緒に中国に働きかけ、責任ある行動を促していくことだ。

知的財産権の侵害、サイバースパイ、南シナ海での軍事拠点づくり。トランプ政権が問題視している中国の行動は、世界に共通の懸念だからである。

ペンス副大統領は10月4日の演説で、中国を甘やかす時代は「もう終わった」と宣言し、厳しく対抗していく路線を示した。米政権の外交ブレーンによると、ペンス氏や一部側近が書いた演説ではなく、ホワイトハウスや国務省、国防総省を交えて入念に検討し、練り上げた政策だという。

野党・民主党やビジネス界も、ペンス演説の趣旨を支持しており、トランプ氏が退任した後も、対中強硬路線は変わらない。米外交サークルではこんな見方が広がっている。

こうしたなか、安倍晋三首相は10月25~27日に訪中し、日中関係を「競争から協調」に転じることで一致した。数年前の米国なら、アジアの緊張が和らぐとして、歓迎したに違いないが、いまは構図が異なる。

安倍首相の訪中について、米政権は踏み込んだ論評を控えている。安倍氏との関係が良好なため、トランプ氏も今のところ、神経をとがらせてはいないという。そもそも7年間、首相の単独訪中がなかった日中と異なり、米中は首脳交流が定期化している。

ところが、米政府内の視線は複雑だ。日中が海外のインフラ建設で協力を推進することについて、こんな声も漏れる。

「日本は事実上、中国の『一帯一路』構想を応援するつもりか」

「これは日本が中国に接近する布石か……」

米中の対立がこのまま深まれば、対中政策をめぐる日米のあつれきも強まるに違いない。東京やワシントンでささやかれるのは当面、次のようなシナリオだ。

■米国は日米豪インドによる中国軍の包囲網の引き締めに動く。自衛隊による東・南シナ海への一層の関与を求めるほか、日本の防衛予算の拡大も迫る。

■米国や豪州は国内の主要な通信インフラから、中国大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を排除しつつある。現在、何の規制もしていない日本にも同調を求める。

■米国は北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定(USMCA)で、カナダやメキシコが中国と自由貿易協定(FTA)を結ぶのを制限する条項を入れた。対中圧力を強めるため、日欧とも同様の合意を交わそうとする。

いずれも実行すれば、中国が反発するのは目に見えている。それでも、前者の2つなどは日本にも共通の懸案であり、米国と協調して対応すべきだ。

米中対立が一過性の現象にとどまるなら、日本には台風をやり過ごす道もある。しかし、現実はそうではなく、10年、20年単位で続くとみるべきだ。

なぜなら、1970年代以降、米中を約40年近く結びつけてきた、次のような「接近の法則」が、崩れてしまったからだ。

米大統領は選挙中に共産主義の中国を敵視し、ホワイトハウス入りする。ところが就任後、12~18カ月以内に中国と折り合い、米中は協力に軸足を移していく――。

冷戦中、ソ連という共通の敵が米中を結びつけた。91年のソ連解体後は、「豊かになれば、中国は民主化に向かう」との思いが、米国を中国への協力に走らせた。

ところが、こうした求心力はもはや存在しない。中国は民主化せずに強大になり、2049年までに米国にとって代わり、最強の超大国になる目標をかかげる。

では、日本はどうすればよいのか。まず大切なのは、組むべき相手を間違えないことだ。日本は米国に安全保障を頼っている。この原点に立ち返り、日米同盟を維持し、強める努力を尽くすことが最優先だ。

一部には米中の対立が過熱しないよう、日本が仲介役を果たすべきだという意見がある。だが、日米同盟が強固でなければ、米国が日本に耳を傾けるはずがないし、中国も日本を本気では相手にしないだろう。

10月15日、1951年に署名されたサンフランシスコ講和条約当時の秩序を考えるシンポジウム(日本国際問題研究所主催)が都内で開かれた。話題になったのが、米国と中ソの対立が深まり、世界が東西陣営に割れていく50年代と、現在が似ているということだ。

当時、決して人気があったとはいえない米国との安全保障条約を首相の吉田茂氏が決断したおかげで、日本は米ソ冷戦に耐えられた。いま、同じくらい重要な局面に日本は立たされている。>(以上)

10/30杉浦正章ブログ<中国の対日大接近は「強国路線」の一環>

https://thenagatachou.blog.so-net.ne.jp/archive/20181030

日経記事の「日本の銀行や企業が人民元を調達しやすくするもの。危機時に中国を救う意味合いはない」と言うのは詭弁であるし、前提が間違っています。そもそもで言えば、投資判断は自己責任で行うべきであって、最初から日本企業の救済のスワップと論じて恥じない所に、精神の倒錯を感じます。経営者にモラルハザードを引き起こすだけでしょう。そんな「都合の良い時だけ政府を利用するな」と言いたい。もう一つ、今の経営者に聞きたいのは、憲法改正についてです。海外赴任の駐在員は中国や韓国を含め、リスクにさらされています。憲法9条を改正して、海外邦人の救出が法的にできるよう整備するつもりがあるのかどうか。自分は海外赴任せず、身は安全な所に置いて、何も発言しないのでは卑怯者そのものです。「恥を知れ」と言いたい。志のない商人が揉み手をして嵐の過ぎ去るのを待つことはできません。

杉浦氏の論考は、中国に対してナイーブ過ぎです。「日中関係は安倍訪中により戦後まれに見る良好な関係へと入りつつある。」とは。中国人に善意を期待するのは無理というもの。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観の民族と言うのが分かっていません。やっと米国が気が付いたというのに、日本はずっと騙され放し。本当に頭が悪すぎです。中国でどの程度儲けて、日本に還流していますか?10年以上前に中国にいたときに、董事会では利益還元はなく中国国内への再投資の話ばかりでした。今はどうなっているか分かりませんが、今度、米中戦争がもっと激しくなれば、利益を配当の形で日本に還流させるのは益々難しくなるのでは。撤退するときの株の売却だって、中国の外貨準備がタイトになれば、行政指導でストップされるでしょう。米中が行くところまで行って、相手方の資産接収に及べば日本企業は打撃を受けます。覚悟を持つべき。

安田氏の記事で、ベトナムが中国に替わって経済的に飛躍できるかどうかは米国及び日本がどの程度支援するかによるでしょう。上述の阿波羅新聞の記事によれば、中国資本の第三国経由での輸出も制限されるようですから。米国と日本がベトナムに投資すべきです。中国は米日の投資があって、あれだけの経済成長を短時日の内に成し遂げた訳です。それを前提にしなければ、中国の経済発展と比較しても意味がないのでは。ただ、東南アジアにとって米中戦争は経済成長にとって良いチャンスであることは間違いありません。

記事

ベトナム・ハノイのロッテマート店内。奥に見えるのはレジの順番を待つ長蛇の列(筆者撮影、以下同)

ベトナムの首都ハノイ。日差しの強さに加え、歩行者の存在などおかまいなしで突進してくるバイク、道路を横断するのも命がけ――。ハノイに住む日本人は「アジアの上級者」の部類に入るのではないだろうか。この地で生活するのは、相当過酷だといっても過言ではない。インドやバングラデシュも過酷だが、決して負けてはいない。

ハノイは、フランス植民地時代の面影が色濃く残る都市だ。旧市街地のホアンキエム湖の周辺は、商業施設やホテルが集中し、最もにぎやかなエリアである。道という道に洋品店や飲食店が軒を連ね、街全体に活気があふれている。クルマ、バイク、ゴミ、でこぼこ道、濁った湖面、絡まった電線・・・人々はこうした“アジア的混沌”の中で生きている。

ハノイでは大量のバイクが走り回っている

上海とハノイは20年の隔たり?

かつては、中国もこうしたアジア的混沌にあふれていた。筆者が住み始めた1990年代後半の上海には、ハノイと同じような混沌があった。だが、今はすっかり便利で機能的な街に生まれ変わった。上海に限らず中国の大都市からアジア的混沌はほとんど姿を消しつつある。

筆者から見ると、上海とハノイはちょうど「20年の隔たり」があると感じられる。

例えば、ホアンキエム湖周辺は週末に歩行者天国となるのだが、その歩行者天国では学生と思しき若者たちが輪になって羽根蹴りに興じていた(ジェンズという羽根を蹴る遊び。ベトナム語で「ダーカウ」、中国語では「踢毽子:ティージェンズ」)。90年代の上海でも、戸外で羽根蹴りを楽しむ子供たちの姿をよく目にしたものだ。

また、近くのハンバイ通りにあるマクドナルド1号店は2017年にオープンしたばかりだ(下の写真)。上海の1号店は1994年にオープンしたので、やはり約20年の開きがある。

2017年にオープンしたマクドナルド

カウザイ区のファムフン大通りは、オフィスビルや住宅が集積する新市街地だ。その中核を成すのが、韓国の企業が開発した、ベトナムで最も高いビル「カンナム・ハノイ・ランドマークタワー」である。外銀や外資コンサル、日本のIT企業などがこの新市街地に拠点を構えている。だが、ここでの生活が「気に入っている」という声はあまり聞かない。旧市街地まで約40分と距離があることが大きな要因だ。現地に住む日本人も「ここは何もないところだから」と繰り返す。

上海では、浦東新区がそうだった。浦東は中心部の陸家嘴でさえ90年代初頭は農地だった。日本人駐在員は休日ともなると、無味乾燥な浦東を避け、旧市街地の浦西で過ごしたものだ。高層ビルが立ち並び、分譲マンションができ、人が移住し、ショッピングセンターの建設が進むようになったのは2000年代中盤以降のことだ。

ヤオハンを思い出させる韓国のランドマーク

ベトナムで最も高いビルは韓国企業が開発したと述べたが、ハノイでは韓国企業のプレゼンスが高い。韓国ロッテグループは2014年にリエウザイ通りにオフィス、住宅、ホテル、百貨店、食品スーパーなどから成る複合商業施設「ロッテセンター・ハノイ」を開業した。

これを見て思い起こすのは、1995年に日本のヤオハンが上海・浦東に開業した「ネクステージヤオハン」だ。当時、何もない浦東に出店したヤオハンに、日本のマスコミや小売業界は「大丈夫か」と懐疑的だった。だが、ヤオハンは「これからは中国の時代」と豪語し、先陣を切って進出した(結局ヤオハンは1997年に経営破綻)。

ハノイのロッテセンター・ハノイの地下には食品スーパーの「ロッテマート」がある。週末に訪れてみたところ、買い物客で大混雑していた(冒頭の写真)。在住の韓国人向けの輸入食材を充実させ、品ぞろえも豊富だ。韓国人のみならず地元富裕層にも支持されているようだ。

ロッテマートでは、万引き防止のため、手荷物をロッカーに入れなければならない。財布とスマホを入れた小さなバッグでさえも、ビニール袋に入れ、がっちりとホチキスで封をされる。これも90年代後半の上海を彷彿とさせる。住民が豊になった上海では、今は見られない光景だ。

上海のデパートもかつてはガラガラだった

一方、ロッテセンターの地上階(百貨店フロア)は閑古鳥が鳴いていた。とりわけ婦人服のフロアはガラガラだった。

これもかつての上海とまったく同じ光景だ。90年代後半、上海・徐家匯のデパート「太平洋百貨」も外国人ぐらいしか買い物客がいなかった。2004年に香港から進出した「久光百貨」(元そごう)も、当初フロアはガラガラだった。だがほどなくして、久光百貨は上海の新興富裕層で賑わうようになる。

ハノイでは、日本人がピザ屋を開業して人気店になったり、ハリーポッターをテーマにした喫茶店ができたり、続々と新スポットが出現し、街の雰囲気も都会的になりつつある。これから何かが始まる、そんなワクワク感がハノイの街にはある。市民の消費力が高まるのも時間の問題だろう。

振り返れば、上海の経済は急速に膨らみ過ぎた。地価や人件費が高騰し、企業の事業継続が困難な状況にまで到達してしまった感がある。

日本から上海に進出するのは、手探りで事業を進める、「国外は初めて」という企業が多かった。そのため、撤退するにあたって、積み残した課題に忸怩たる思いを抱く日本人経営者も少なくない。こうした日本人経営者の一部や「海外は二度目」という駐在員が、現在ベトナムに向かっている。新興国の発展パターンには共通項が多いので、先を読める彼らのアドバンテージは大きい。きっと中国での経験を基に次々とサクセスストーリーを生み出すはずだ。

「海外は二度目」という駐在員も増えている。日本のサムライたちの新興国でのチャレンジに期待したい。商機は“アジア的混沌”の中にある。

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『核廃棄条約破棄はプーチン政権の痛手に 核軍拡競争で米国に対抗できず』(10/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

10/29看中国<安习会后态度大转变 朝鲜遭中方切割?(图)=安倍・習会談後中国は態度を変えた 朝鮮は中国から切られる>26日、安倍・習会談で、安倍は拉致問題を共同で解決するよう要求し、習は27日に「問題解決の為、日本と朝鮮との対話を促すようにするし、経済制裁も継続させる」と回答した。北京が拉致問題で協力するのは、米中貿易戦が経済に打撃を与え、もし朝鮮問題で日米離間を図れるなら、上策と考えたから。

まあ、中国のことですから、口先だけでしょう。日本の通貨スワップも口先だけと言い返せばよい。でも、スワップはMOUにしてしまったのでしょうけど。本当に愚かです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/29/874885.html

10/30看中国<美拟2570亿新关税 北京想让步恐朱镕基前车之鉴(图)=米国の2570億$の追加関税は北京に朱鎔基の譲歩の例を思い起こさせる>11月のブエノスアイレスでのG20で、トランプ・習会談で貿易問題が解決しなければ、米国は12月から中国の全部の商品に関税をかける準備をする。12月の初めにリストを公開し、公聴会を開く手続きを踏んで2月春節前後には開始される。それは2570億$になる見込み。また既に賦課されている関税2500億$は、来年1月より10%から25%にアップさせる。

WSJは中国側の情報として、「中国が正式な解決案を出すには2つのリスクが存在する。①中国の交渉の立場が明らかになる②トランプがツイッターで中国の案を披露してしまう、これでは中国の退路を断ってしまう」と。

北京の心配は歴史に原因がある。1999年、米国と中国がWTO加盟交渉をした時、朱鎔基総理は重大な譲歩と経済改革案を提出し、クリントン大統領に拒絶された。クリントンはそれを公表したため、北京は元に戻すことができなかった。朱鎔基は党内の強硬派の攻撃に晒され、数カ月にわたる交渉の結果、米国は北京が最初の案に似たものを受け入れるよう説得した。

北京が謀り事をするのは当り前、トランプが言った通りにやるとは思わなかった。何でも明らかにしてしまうトランプだから、北京も打つ手はない。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/10/30/875002.html

10/30WSJ<U.S. to Restrict Chinese Chip Maker From Doing Business with American Firms

Washington raises the stakes in a battle with Beijing over intellectual property=米国は中国のチップメーカーが米国企業とビジネスするのを制限 ワシントンは知的財産についての北京との戦いで賭け金を上げた>具体的には「福建晋華集成電路」に対してです。米国・マイクロンは昨年12月福建晋華に対し、自社技術を盗んだとしてカリフォルニア連邦裁に訴えた。福建晋華は却って今年1月に福建省で訴訟を起こし、両社が特許権を争っている中で、マイクロンは中国市場での一時販売停止の判決を出された。こんな不公平はない。中国政府は外国企業も中国企業と同待遇にすると言っているが、言っていることとやっていることが違うと。

中国企業と付き合う日本企業もその内標的になるでしょう。第二次COCOMの発動です。日本の企業経営者は中国から撤退すべきです。ウイグル人を虐殺している勢力に協力するなんて、ヒットラーのユダヤ人狩りに協力するのと同じとどうして考えないのでしょうか?

https://www.wsj.com/articles/u-s-restricts-state-owned-chinese-chip-maker-from-doing-business-with-american-firms-1540837561

渋谷のハロウインでの乱暴狼藉を言えば、沖縄の成人式の酷さも同じで、暴力行為を大目に見て来たから。米国の「聖域都市」と同じで、違法行為を放置すれば精神がおかしくなるのは必定。警察は地方自治体管轄ではなく国家公務員とすべき。地方の首長に任せるべきではないと考えます。広域捜査と治安維持は地方の責任ではなく、国の責任だからです。

池田氏の記事では、米国のINF 条約破棄はロシア相手と言うより、やはり中国でしょう。でも、中国人民がいくら死んでも、中共幹部が生き残れれば良いと考える民族ではMADは成り立ちません。勿論、軍事的備えは必要ですし、中距離核ミサイルを日本の地上に配備し(潜水艦だと米国が心配するので)、ニュークリアシエアリングして行くのが良いと思いますが、経済的に中共幹部の資産公表・凍結が一番効き目があるのでは。中共を国民に打倒させるためにも公表・凍結し、倒せば自由で民主的な中国になった暁に返還すると約束すれば良いでしょう。

記事

米国のトランプ大統領がロシアとの中距離核戦力(INF)廃棄条約を破棄する意向を示した。ロシアによる条約違反がその理由という。実際に条約が破棄されるようならロシアも大手を振って開発・配備に取り組めるわけだが、プーチン政権は内心では穏やかではないようだ。

1987年12月に中距離核戦力(INF)廃棄条約に調印したソ連のゴルバチョフ書記長(当時)とレーガン米大統領(当時)(写真:AP/アフロ)

トランプ米大統領によるINF廃棄条約破棄の表明を最も嘆いているのは、この人かもしれない。

「軍拡競争に終止符を打ち、核兵器の廃棄を始めたことは極めて重要な決定であり、我々の偉大な勝利となった」――。ゴルバチョフ元ソ連大統領はロシアの通信社を通じてさっそくコメントを出し、「条約の破棄は決して認めてはならない」とクギをさした。

INF廃棄条約はソ連時代の1987年に米ソが締結し、翌1988年に発効した。条約に調印したのは米国のレーガン大統領と、当のソ連のゴルバチョフ書記長(いずれも当時)だった。

それに先立つ1970~1980年代は、東西冷戦のまっただ中。米ソは激しい核軍拡競争を続けていた。とくにソ連は北大西洋条約機構(NATO)への対抗策として、核弾頭を搭載する短・中距離弾道ミサイル「SS-20」(ピオネール)、「SS-23」(オカ)を配備。一方の米国も「パーシング2」ミサイルを西独など西欧各地に配備して対抗し、欧州を舞台に米ソの対立が先鋭化していた。

こうした軍事的な緊張を緩和すべく、米ソはレーガン政権の発足直後からINF削減交渉に着手するが、話し合いは難航した。ようやく局面が変わったのはゴルバチョフ氏がソ連共産党書記長に就任(1985年)してからだ。

両首脳は1986年のアイスランドのレイキャビクでの会談で突っ込んで討議した。この会談は決裂に終わったものの、ゴルバチョフ氏の初めての米国訪問となった1987年12月、ワシントンで開いた首脳会談でINF廃棄条約の調印にこぎ着けた。

「歴史の教科書に残るようにしましょう」と調印時にゴルバチョフ氏が述べたように、条約は極めて画期的だった。双方が射程500~5500kmの核弾頭搭載可能な短・中距離の地上配備の弾道、巡航ミサイルを発効から3年以内に全廃すると規定。欧州の緊張緩和と東西冷戦の終結、さらには米ソの核軍縮に向けた大きな一歩となった。

ちなみに米ソは1991年6月までに条約義務を履行し、「SS-20」や「SS-23」、「パーシング2」は廃棄された。破壊された兵器システムは米国が846基、ソ連が1846基に上ったという。

中間選挙前に支持層へアピール

トランプ大統領は今回、条約調印から30年以上が経ったとはいえ、核軍備管理の要石ともいえる歴史的な条約にクレームをつけたわけだ。大統領は「我々は条約を守っているのに、ロシアは違う」と指摘。ロシアや中国が核弾頭搭載可能な中距離ミサイルの開発をやめない限り、「我々も作らざるを得ない」と述べ、対抗して中距離核戦力の開発・増強に動く構えも示した。

米大統領のこのタイミングでの強硬発言は、11月6日に迫った米中間選挙をにらんだとの見方が根強い。また、米ロ間に限定されるINF廃棄条約の枠外で、着々と中距離核戦力を開発し配備する中国をけん制するのが真の狙いではないかとの見方も出ている。

現に米国のボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)はロシアのコメルサント紙とのインタビューで、ロシアが条約違反したと非難するとともに、「(INF廃棄条約に加わっていない)中国やイラン、北朝鮮が条約に違反する方法によって軍事的な潜在力を高めている」と言明。世界で米国だけが条約を順守しているという状況は「受け入れられない」と述べている。

とくに中国に関して、ボルトン補佐官は「現在では中国の保有するすべての弾道ミサイルのうち、3分の1から半分はINF廃棄条約に抵触している」と分析した。従って15年ほど前であれば、米ロの2国間条約を中国なども加えた多国間の条約に衣替えすることも可能だったかもしれないが、今や中国の政権が「半分以上の自国の弾道ミサイルを廃棄するというのは全くもって非現実的だ」と強調した。

中国が条約に抵触する核兵器を廃棄するのは非現実的なうえ、条約に加わっている肝心のロシアも“条約破り”によって開発・配備した兵器を廃棄する可能性が「ゼロ」である以上、トランプ大統領が条約破棄の意向を撤回することはほとんどない、というのがボルトン補佐官の見立てだ。

トランプ大統領はこれまでも度々、とっぴな言動で世界を騒がせてきた。今回もトランプ流の唐突な発言で世界の核軍縮の流れを逆行させたと受け止められがちだが、INF廃棄条約を巡るロシアへの不満は、オバマ前政権時代から米国内に根強くあった。

とくに米政府やNATO幹部はかねて、ロシアが開発し欧州向けに実戦配備した新型の地上発射型巡航ミサイル「9M729」(SSC-8)がINF廃棄条約に違反するとして厳しく非難してきた。

トランプ政権下でも「射程が500kmを超える9M729は条約違反」として、ロシアへの警告を続けてきた。米国務省は2017年12月にはINF廃棄条約調印から30年の節目に合わせた声明を発表。「ロシアの条約違反」を改めて非難するとともに、今後のロシアの対応次第では米国も対抗措置として、地上発射型の中距離弾道ミサイルの研究開発に乗り出す考えを示していた。

対するロシアは「条約違反ではない」とことあるごとに反論してきた。ただし、明確な証拠は示していない。他方でロシアは、米国が欧州で進めるミサイル防衛(MD)計画の一環として、2016年にルーマニア南部で運用を始めた地上配備型の迎撃ミサイル発射基地などをやり玉に挙げる。「迎撃ミサイルの代わりに短・中距離の弾道、巡航ミサイルを簡単に装備できる」(プーチン大統領)として、INF廃棄条約に違反しているのは米国のほうだと非難してきたのだ。

軍拡競争に身構えるプーチン大統領

米国にはかつてブッシュ政権下の2001年末、米ソが1972年に締結した弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約からの離脱を一方的に宣言した“前科”もある。米国は弾道ミサイルの迎撃を目的としたミサイルシステムの開発を厳しく制限した同条約がMD計画の障害になると主張。条約は2002年に失効した。

プーチン大統領はこのため、米国がロシアのINF廃棄条約違反を提起するのは「いずれ自らが一方的な条約廃棄を表明するための情報・宣伝工作だ」などと非難。ロシアは米国と違って「国際安全保障の要である主要な軍縮条約から脱退することはない」と断言していた。

INF廃棄条約を巡っては、プーチン大統領が過去の“秘話”を明かしたことがある。2017年10月、内外の有識者らを集めてソチで開かれた国際会議「バルダイ・クラブ」の討議に登壇した時のことだ。

ソ連が条約に従って短・中距離ミサイルの廃棄を進めていた当時、ミサイル開発の設計責任者が「これは祖国に対する裏切りだ」として、抗議の自殺をしてしまったというのだ。大統領はこれを「歴史の悲劇」と称した。

その上でプーチン大統領は、米国がINF廃棄条約からの脱退を求めるようなら「ロシアは瞬時に、かつ鏡のように(同様の措置で)対抗する」と警告していた。今回、トランプ氏が条約破棄の意向を示したことで、それがいよいよ現実のものとなりつつあるわけだ。

仮にINF廃棄条約が失効すれば、ロシアも「9M729」の配備問題などで欧米の批判を浴びることもなくなり、新型の兵器開発もしやすくなる。核弾頭搭載可能な短・中距離弾道ミサイルは欧米のみならず、軍事力を急拡大する中国に対する安全保障の面でも有効となる。このため条約が失効したほうがロシアにとって有利になるとの見方もある。

ただし、米国との新たな軍拡競争の予兆に危機感を募らせているのがプーチン政権の本音ではないだろうか。

仮にINF廃棄条約が失効するようだと、米ロが2010年に調印した新戦略兵器削減条約(新START)にも負の影響を与えかねないからだ。両国が配備する戦略核弾頭数を大幅に制限した同条約は2021年に有効期限が切れる。ロシアは5年間の効力延長を主張するが、かねて「悪い合意」と批判的なトランプ大統領が新STARTの延長に応じず、失効する恐れがある。そうなれば米ロの核管理体制はほぼ野放しの状態になってしまう。

米ロは世界の核弾頭の9割以上を保有する。ロシアは核戦力では米国に比肩するとはいえ、経済規模は米国の10分の1にも満たない。ただでさえ既存の核兵器の維持・管理に膨大な予算がかかるのに、冷戦期のように核開発競争が再燃すれば、今のロシアの国力ではとても太刀打ちできない。米ロは11月にパリで首脳会談を開く見通しとなったが、自らの政権の最終章を迎えているプーチン大統領にとって、米国との核軍備管理をめぐる駆け引きは極めて頭の痛い懸案になりそうだ。

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『中国・建物強制撤去に反発、車突入で死者2人 「窮鼠猫を噛む」所有者が怒りの行動に』(10/26日経ビジネスオンライン 北村豊)について

10/23NTDTV<共産主義思想は形を変えて米国に浸透しつつある(日本はどうなの?)>

10/28阿波羅新聞網<北京改善对日关系六大原因难长久 美欧日施压改规则 美高校叫停中国学者=北京の対日改善は6つの原因で長く困難に 米欧日はWTO規則を変えて北京に圧力  ジョンズ・ホプキンス大学は中国学者の受入を停止>6つの原因というのは①日米安保が最優先②日本は中国に自由で公正な貿易を要求。欧米日共に相互の貿易はゼロ関税で、中国を市場経済国と認定せず③日本はインドとインド太平洋戦略を以て中国に対抗④日本と東南アジア各国との協力も中国との対抗に。10/9日メコン首脳会議が東京で開催。ミャンマー、カンボジア、ラオス、タイ、ベトナムが参加。⑤安倍は台湾と最も友好的な首相と思われている⑥最も重要なのは、世界の多くの国が「社会主義は人類が放棄すべき邪悪な制度」と言うのが分かってきたため。

10/24、25にカナダ・オタワに13名の大臣クラスが集まり、WTOの改革案について共同歩調を取り、解決に向けて協調することを確認した。

ジョンズ・ホプキンス大学の調査で多くの学者の資金由来証明が偽物と分かった。それで受入中止とするが、今いる学者には影響を与えない。

http://www.aboluowang.com/2018/1028/1195797.html

10/28希望之声<安倍访华没“蜜月” 莫迪访日才大秀亲密堕“爱河”=安倍の訪中は蜜月ではない モデイの訪日は出色の緊密さで、二人で愛の河に入る>

日本の安倍首相の3日間に亘る訪中は、微妙な問題はわずかに指摘するにとどまり、微笑外交の裏には同床異夢があると分析する。安倍の訪中は決して蜜月ではない。それとは反対に、安倍の帰国の翌日、モデイ首相とは二人で愛の河に入った。

安倍訪中時、河野外相は王毅と会い、「尖閣周辺の10mの高さのブイを撤去するよう」に要求した。王毅は意見の違いは善処するとお茶を濁し、正面から答えなかった。

上の習近平との写真と比べて見て下さい。本当に中国人と言うのは扱い難しです。モデイとは両方とも本当の笑顔で向き合っています。河野外相も今までのポンカスの外相と違い、言うべきことは言ってくれています。日本のメデイアの報道には無かった気がしますが。まあ、どうせ嘘つき中国人ですから、約束しても守らないでしょうけど。

https://www.soundofhope.org/gb/2018/10/28/n2317974.html

10/28阿波羅新聞網<川普重大决策 打开中共的“地狱之门” 北京国家恐怖主义遭曝光=トランプは重大決定 中共の地獄の門を開ける 中国は国家テロを仕掛けているというのが明らかに>米国のINF条約破棄計画後、26日米軍はミサイル防衛システムのテストをして成功した。米国には中国、朝鮮、イランからの中距離ミサイルを撃ち落とす能力があると表明した。時事評論家の陳破空は「米国のINF条約破棄は中共の地獄の門を開けたことになる。中国がもしINFに署名したとしても、WTOと同じで守ることはない。況や、条約に入っていないので好き放題。89天安門事件鎮圧後、軍事費は1990年から2桁の伸び。最初の標的は中国国民で、でも余力が出て来たので台湾向けになった。台湾向けから余りが出て、米国とか日本などの民主国家に向けられるようになった。「環球時報」は驚く勿れ、「米国のINF条約破棄は地獄の門を開けた」と宣うが、その実中共の地獄の門を開けたことになる」と。

最新の報告では中共のハッカーは国家テロと同じである。中国電信は2015年9月の米国との協議にも拘らず無視してBGP攻撃を継続した。偽のURLを作り、正当な信号の流れを阻害した。また、フィッシングやパスワード窃取等の行為も働いた。

米国メデイアによれば「中共海軍の艦艇数では米軍を追い抜いているが、その品質及び作戦能力で、米軍は依然として中共軍とははるかに遠いところにある」と報道。

http://www.aboluowang.com/2018/1028/1195803.html

10/29日経朝刊<消費増税「賛成」47% 世論調査 内閣支持横ばい48%、   首相の訪中、71%が評価

日本経済新聞社とテレビ東京による26~28日の世論調査で、安倍内閣の支持率は48%となり、前回の10月初旬の緊急調査の50%から横ばいだった。不支持率も42%と横ばいだった。2019年10月に予定する消費税率の10%への引き上げについては賛成が47%で、反対は46%だった。>(以上)

10/29日経朝刊<外国人受け入れ「賛成」54% 世論調査 日本永住も過半が支持、若年層ほど肯定的 

日本経済新聞社の世論調査で、人手不足の分野での外国人労働者の受け入れ拡大について賛成が54%と半数を上回った。外国人労働者の日本での永住に関しても賛成が54%にのぼり、反対の34%を上回った。18~29歳の6割超が賛成するなど年齢が低いほど賛成意見が多かった。自民党支持層より、野党第1党の立憲民主党の支持層で賛成意見が目立った。(1面参照)

政府は外国人労働者の受け入れ拡大に向けた入国管理法改正案を今国会に提出する。新たな在留資格の創設で単純労働者を含む外国人材にも裾野を広げる。高度な試験に合格した「特定技能2号」の労働者は定期的な審査を条件に回数の制限なく更新を認め10年滞在すれば永住資格の要件の一つを満たすことになる。

受け入れ拡大への賛否を年齢別にみると18~29歳の65%が賛成だった。永住には76%が賛成した。年齢が上がるほど賛成が減る傾向で、70歳以上は受け入れ拡大に賛成は42%、反対は46%。永住への賛成意見は34%にとどまり反対が51%にのぼった。反対が上回ったのは70歳以上だけだ。

男性は受け入れ拡大、永住ともに賛成が59%だった。女性も賛成が多いが、それぞれ47%、48%にとどまった。

自民党支持層は受け入れ拡大への賛成が54%、永住への賛成は50%と反対を上回った。立憲民主党の支持層は賛成がそれぞれ7割近くに達した。枝野幸男代表は「事実上の移民政策だ」と法案の矛盾点を指摘しているが、多様性を重視する同党では外国人の受け入れ自体には前向きな議員が多い。

一方、自民党内では慎重論が目立ち、党法務部会では治安が悪化した時に受け入れを停止できるよう法案に盛り込むべきだという意見も出ている。安倍政権は外国人の受け入れのほか、これまでも幼児教育・保育の無償化や女性の就業促進など従来の保守層の傾向とは異なる政策に幅を広げてきた。

全体の47%が賛成した2019年10月の税率10%への消費増税を支持政党別にみると自民党支持層は61%が賛成し、反対は35%だった。立憲民主党の支持層も5割超が賛成した。

消費増税時にキャッシュレス決済ならポイント還元をする政策は年齢が低いほど賛成が多かった。18~29歳は賛成が68%で反対は27%だった。40代以上は反対のほうが多く、70歳以上では反対が68%にのぼった。賛成は16%にとどまった。>(以上)

10/29日経朝刊<憲法改正、慎重論強まる 「反対」が9ポイント上昇

日本経済新聞社の26~28日の世論調査で、安倍晋三首相(自民党総裁)が意欲を示す憲法改正への慎重論が強まった。国民投票の時期はいつがいいか聞いたところ「憲法改正には反対だ」が最多の37%で、前回の10月初旬の緊急調査の28%より9ポイント増えた。「2021年以降」が24%、「19年中」が16%といずれも前回より2ポイント減り、「20年中」は12%と4ポイント減少した。

首相は24日の所信表明演説で「憲法審査会において、政党が具体的な改正案を示すことで、国民の理解を深める努力を重ねていく」と述べた。

立憲民主党や共産党などの野党は自民党の改憲案に反対している。

首相に期待する政策(複数回答)で最も多かったのは「社会保障の充実」で48%。「景気回復」が43%、「教育の充実」が31%、「財政再建」が30%、「外交・安全保障」が26%だった。「憲法改正」は9%にとどまった。

安倍内閣を支持する理由(複数回答)は「安定感がある」が39%、「国際感覚がある」が35%、「指導力がある」が24%、「自民党中心の内閣だから」が23%だった。

不支持の理由(複数回答)では「人柄が信頼できない」が53%と最も多かった。「自民党中心の内閣だから」が40%、「政策が悪い」「政府や党の運営の仕方が悪い」がともに32%だった。>(以上)

この日経朝刊の記事を読めば中国は物凄く安心するでしょう。日経読者は世界の動きに鈍感、世界覇権の争奪戦が米中で今行われているのに気が付かないのでしょうか?余りにも愚かすぎます。100万人に及ぶウイグル人の強制収容所送りの事実をこの人たちは知らないのでしょうか?人権侵害に対して見て見ぬふりをすればやがて災いは自分に降りかかってくるというのに気が付かない。学力レベルがいくら高くても、本質を見抜く力、想像力と先を見通す力がなければ、国や会社を率いていくことはできません。昨日の本ブログで紹介しました當田晋也氏の「頂けないのは安倍首相に随行した経済人たちです。こういう唾棄すべき人たちが千人もいるとは驚きです」というのは、皆日経の読者でしょう。経団連・日経とも中国現地の事情を知らずに進出を煽っているのですから。事実を知って煽っているとしたら犯罪に近いでしょう。経営者の劣化も極まれりです。外国人の受入に若者が賛成しているというのは、未熟なのでしょうけど、海外経験させれば一発で分かると思います。特に中国では自殺する人も出るくらいですから。それに若者は治安についてもっとセンシテイブになった方が良いでしょう。愛社心だけでなく、広く愛国心も持つべき。今の経営者の言うことだけを聞いて忠誠を誓っていたら、精神的な社畜、精神的イ●ポになることは間違いありません。働き方改革が形だけで、長時間働かされ、自分の頭で考える時間が持てないでいるのかもしれませんが。数字の改竄、稟議書の改竄等、今の日本社会は目を覆いたくなることばかりです。まあ、上の言うことを素直に聞く人間が上に行くシステムですから劣化は益々酷くなり、経営者や役人のレベルは縮小再生産となります。

北村氏の記事で、揚州は交通の要衝地(水運)であり、それがため美人の産地でもあります。土地の強制収用のトラブルは古くからかつどの地域でも起こっています。やはり、共産党の土地所有が問題です。為政者の腐敗を止めるための監視するシステム、三権分立や言論の自由、法治が存在しないためです。やはり、共産主義は「歴史のゴミ箱に放り入れる」事が必要と思います。そうでなければ、中国に住む人々はいつ逮捕され、闇で殺され、臓器摘出され、遺骨も家族に戻らないということが起きます。安心して眠ることができないのが共産主義独裁です。早く日米印豪・欧州協力して中共を壊滅させるべきです。

記事

官が絶対的な力を誇る中国でも、死に物狂いになった弱者が逆らうことがある(写真はイメージ)

江蘇省中部に位置する“揚州市”は、人口約500万人の中都市であり、市街地は2500年の歴史を誇る文化都市でもある。揚州市は中国共産党の元総書記である江沢民の出身地としても知られているが、日本では創業者の祖父が中国の揚州出身であることにちなんで命名されたラーメンチェーンの「揚州商人」でなじみ深い。

10月15日の午前7時30分頃、揚州市“広陵区”の“杭集鎮”に所在する“中心広場(センター広場)”付近で建物の強制撤去が行われ、撤去作業者側と当該建物の所有者である男性との間で衝突が発生した。撤去作業者側の理不尽な対応に怒った男性は妻の車に飛び乗ると、車を猛スピードで走らせて撤去作業中の作業員たちに衝突させ、さらに車を後退させた上で念を押すかのように再度車を作業員たちに衝突させた。この2度の衝突事故によって2人が死亡、8人が重軽傷を負った。所有者の男性は作業員たちに殴られた後に、駆け付けた公安局の警官によって逮捕された。中国のメディアが報じた事件の概要は以下の通り。

【1】事件が発生した杭集鎮は、揚州市“生態科技新城(生態科学技術ニュータウン)”の管轄下にある主要な工業鎮で、歯ブラシの生産で名高く、5000軒近い商店が軒を連ねている。強制撤去された建物はその中の1軒で、建物の所有者は地元の杭集鎮出身で49歳の“韋剛(いごう)”であった。彼の家族は妻の“王琴”(49歳)と1人娘の大学生である。強制撤去された建物は、2010年頃にリフォームした200平方メートルの鉄筋コンクリート2階建ての建物で、1階は旅行用品販売の“万瑞達旅游用品有限公司”、2階はホテル用のスリッパを製造する小型工場として使われていたが、土地は韋剛の父親が残した“農村宅基地(農村宅地)”であった。

【2】2017年8月、揚州市生態科技新城の管理事務所は立ち退き公告を公布した。それは、都市建設の必要性から生態科技新城内の建物の一部や附属物を撤去するとし、その範囲は杭集鎮の小運河沿線東側のバラック改造計画の赤線内にある集団所有の土地上にある建物とその付属物となっていて、韋剛の建物はこの撤去を必要とする範囲に含まれていた。本来の計画では、立ち退き期限を2017年8月24日から10月23日までと定めていたので、ほとんどの住宅は居住者が立ち退いて取り壊され、残留しているのは立ち退き料で合意に達していない数軒の住宅だけだった。2018年7月、上述の建物の一部や附属物の撤去を担当する杭集鎮の“防汛防旱指揮部(洪水防止・旱魃防止指揮部)”は小運河沿いにある違法建築物の全面的撤去を行う旨の通知を出したが、その中には韋剛の建物を含む8軒の住宅が含まれていた。

安すぎた立ち退き料

【3】2017年に揚州市が提示した立ち退き料は、面積230平方メートルまでは1平方メートル当たり7160元(約11.7万円)とし、230平方メートルの上限を超えた部分は1平方メートル当たり数百元の補償を支払うというものだった。しかし、杭集鎮では高速鉄道の駅が建設されることになり、駅付近の不動産物件は値上がりし、1平方メートル当たり1.3~1.4万元(約21~23万円)になっている。そのような相場から考えると、7160元は安すぎて話にならない。そう考えて提示された立ち退き料を拒否した住民たちは、2018年7月に防汛防旱指揮部が出した違法建築物完全撤去の通知を無視して、残留を決め込んでいた。彼らは揚州市政府が立ち退き料で譲歩して、幾分なりとも増額を検討してくれるのではないかと甘く考えていた節がある。

【4】ところが、事態はそんなに甘い状況ではなかったのである。杭集鎮防汛防旱指揮部は、「揚州市広陵区成功家屋解体有限公司」(以下「成功解体公司」)という名義で“陶冉(とうぜん)”という男との間で解体工事委託契約を結び、韋剛の建物を含む8軒の住宅の解体を委託した。10月15日、陶冉は日当200元(約3260円)で多数の解体作業員を臨時に雇い入れ、彼らに解体用の工具を持たせて中心広場に近い現場へ投入すると同時に、作業現場周辺の秩序を守るために雇い入れた20~30人のガードマンを配備し、大型の油圧ショベルも動員して、朝6時頃から立ち退きを拒否する住宅の解体を始めたのだった。

【5】店舗とは別の場所に住む韋剛と王琴は朝6時過ぎに友人からの電話で、彼らの建物が作業員によって解体されようとしており、すでに建物内の物品が運び出されているとの連絡を受けた。彼ら2人は自家用車で慌てて現場へ到着したが、そこで彼らを出迎えたのは20~30人の制服を着た男たちであった。韋剛が車の中から「何の手続きも終わっていない状況下では、解体はまかりならない」と叫ぶと、男たちは車を取り囲み、韋剛と王琴を車から引きずり降ろした。彼らは韋剛に軍隊のコートを被せると手にした棍棒で滅多打ちにしたが、それでも飽き足らないのか、リーダー格の男は地面に倒れている韋剛を足蹴にした。一方、リーダー格の男は王琴を捕まえるよう命じ、彼女に立ち退き同意書にサインするよう迫ったが、彼女はこれを拒否して命からがら現場から逃げ出した。

【6】突然に建物の解体作業を始めた上に、問答無用とばかりに暴力を振るう解体業者に対して怒り心頭に発した韋剛は、午前7時30分頃に老若男女の臨時作業員が解体作業を行っている現場を目掛けて車のアクセルを一気に踏み込んで突入し、一度は車を後退させた上で再度アクセルを全開にして現場へ突入させた。車は緑地帯で止まったが、車が突入したことで、作業員および周囲の野次馬が跳ね飛ばされ、死者1人、重軽傷者9人を出した。ところが、その後搬送された医院で負傷者の1人が死亡したため、死者は2人に増え、重軽傷者は8人となった。解体業者が韋剛に暴行せず、冷静な対応で事情を十分説明したならば、このような悲惨な事故は発生することなく済んだはずである。

公安局による事件の説明

ところで、“揚州市公安局”の“生態科技新城分局”は10月18日付で、次のような“案情通報(事件内容通報)”を発表して、揚州市民に事件の経緯を説明した。

(A)2018年10月15日午前6時頃、揚州市生態科技新城の杭集鎮防汛防旱指揮部が成功解体公司に委託した、同鎮裔廟村車5組の韋剛の建物を違法建築物として解体する案件は、韋剛の建物が不動産権利書と土地権利書を持っていることから解体されるべきではなかった。韋剛(男、49歳、揚州市生態科技新城杭集鎮出身)およびその妻である王某(女、49歳)は解体を阻止しようとして、解体作業員との間で対立が起こり、解体阻止ができなかった結果、韋剛は運転する車で解体作業員と群衆に向けて2回の衝突を行い、死者2人、負傷者8人を出した。

(B)事件の通報を受けた後、揚州市公安局生態科技新城分局は直ちに警官を現場へ派遣して現場の処置を行うと共に法に基づき立件して調査を行った。調査の結果、2018年7月の『揚州市生態科技新城洪水防止排水計画』と揚州市都市汚水環境整備行動の要求に基づき、杭集鎮防汛防旱指揮部は7月5日に公告を発布し、川の流れを妨げる違法な建築物や構築物などを5日以内に自主的に撤去するよう要求し、7月7日と8月13日の2度にわたって当該施設の所有者に撤去を督促する告知書を発行していたが、韋剛はこれを無視していた。

(C)2018年10月12日、陶冉(男、44歳、安徽省蒙城出身、暫定住所:揚州市広陵区某小区)は成功解体公司の名義で杭集鎮防汛防旱指揮部と解体工事委託契約を締結した。10月15日早朝6時頃、陶冉は雇い入れた一群の人々に解体用の工具を持たせて解体作業に当たらせると同時に、“張志勇”(男、38歳、江蘇省興化市出身)と“顔金”(男、28歳、揚州市出身)に20人ちかい秩序維持を行う男たちを雇わせた。現場では、陶冉が作業員に指示してガラスのドアを破壊させ、建物内の物品を運び出させ、監視カメラを破壊させた。

(D)王某は車で現場に到着して建物の撤去作業を阻止しようとしたが、4~5人の女性作業員によって片隅へ追いやられた。その後、韋剛が亜鉛メッキの水道管を持って現場へ現れたが、作業員たちに阻まれて路傍へ押しやられた。建物の室内にあった物品が基本的に搬出されたのを見極めて、油圧ショベルによる建物の解体が始まると、韋剛がスマホで写真を撮りだし、それを止めさせようと陶冉を始めとする作業員たちが韋剛に飛び掛かった。地面に倒された韋剛と作業員たちの攻防が続いた後に、韋剛は王某に向かって自動車の鍵を投げるよう要求した。

(E)作業員たちから逃れて車の鍵を受け取った韋剛は、車に飛び乗るとアクセルを全開にして作業員たち目掛けて車を衝突させた。それから車を一度後退させた上で、再度車のアクセルをふかして作業員たちに向かって車を衝突させたのだった。その結果、1人は即死、9人が重軽傷を負った(そのうちの1人は医院で応急手当を施されたが、薬石効なく死亡した)。韋剛は車から降りたところを作業員に殴られ、その直後に現場へ到着した警官によって取り押さえられた。

(F)以上の判明した事実に基づき、公安機関は法に照らして、韋剛に対し「危険な方法で公共安全に危害を及ぼした罪」の容疑で刑事強制措置を採り、陶冉、張志勇、顔金に対し“尋衅滋事罪(故意に騒動を起こした罪)”の容疑で刑事強制措置を採った。目下、その他の容疑者と違法犯罪の手掛かりを全力で調査中である。

数千人が即時釈放を要求

文頭に述べた中国メディアが報じた内容と、上記の揚州市公安局生態科技新城分局が発表した“案情通報”との間には、いくつかの相違点があるものの、事件の全体像は理解できると思う。中国メディアが報じたのは事件直後の10月15日時点の状況であるのに対して、“案情通報”が報じたのは3日後の10月18日時点であるから、陶冉、張志勇、顔金の3人に対する犯罪事実が確認されたのだった。なお、事件で死亡した2人は臨時に雇われた“民工(出稼ぎ農民)”であり、負傷者8人の中には84歳の野次馬の老人が含まれていた。

事件が報じられると、事件発生の要因が揚州市の提示した低水準の立ち退き料であることが表面化し、揚州市民たちの反発を招いた。さらに、事件の直接原因となった成功解体公司が“黒社会勢力(反社会的勢力)”に連なる企業であり、陶冉は反社会勢力の頭目の1人であることが判明したのだった。これを受けて、韋剛が拘留されている杭集鎮派出所の前には数千人の市民が集まり、韋剛の即時釈放を要求した。

一方、韋剛は“特種兵(特殊任務執行兵)”部隊の退役軍人であり、13年間を軍人として生活し、昨年には国家から「“光栄人家(光栄ある人の家)”」と書かれたプレートを授与されていた。8月17日朝には韋剛事件の発生を知った元上官が特殊兵部隊の戦友を引き連れて杭集鎮派出所に到着し、すでに韋剛の釈放を要求している市民たちを支援する形で揚州市公安局へ圧力をかけた。その結果、戦友たちは韋剛の釈放を勝ち取り、負傷していた韋剛を医院へ送り込むと同時に、市政府の役人と韋剛の処遇について交渉を行った。

なお、その後の調査によれば、立ち退き料の算定には不公正がまかり通り、多い人もいれば少ない人もいて、評価者と知り合いだと算定価格が高くなる傾向にあった。また、たとえば、ある住宅の算定価格が240万元(約3910万円)だとすると、市政府は成功解体公司に住宅所有者との交渉を委託し、成功解体公司は220万元の立ち退き料を提示して所有者の合意を取り付け、浮いた20万元は成功解体公司が懐にいれる図式が成立していたのだという。

多発する復讐事件

10月19日の夜、揚州市生態科技新城の管理委員会は同委員会のウェブサイトに次の内容を発表した。すなわち、問題となった成功解体公司との委託契約を推進したとして、杭集鎮の鎮長、2人の副鎮長、人民武装部部長、農水総合サービスステーションの副ステーション長の5人を停職とし、彼らに対してはさらなる取調べを行うというものだった。

メディアが10月19日付で報じたところによれば、韋剛は肋骨を数本折り、右手の親指も大きく負傷していたことから、依然として医院に入院しているとのことだった。韋剛は一時的に釈放されているが、今後は検察機関からは「危険な方法で公共安全に危害を及ぼした罪」で起訴されるはずであり、裁判でどの程度の処罰を受けることになるのか分からない。

韋剛の事件で怒りの対象となったのは建物を解体していた作業員だったが、中国では地方政府によって住宅を強制的に解体された住民が、それを指示した役人や現場の作業員に復讐する事件がたびたび発生している。最近の例を挙げると以下の通り。

(1)2018年9月19日、広東省“肇慶市”の管轄下にある“懐集県”の“藍鐘鎮”で、鎮政府の幹部5人が“佛甘村”に出向いて違法な建物を自主的に撤去するよう勧告を行ったところ、これに反発した戸主を含む5人が鋭利な刃物で襲い掛かり、幹部2人が死亡し、1人が負傷した。幹部5人が乗って来た白色の乗用車もガソリンをかけられて燃やされた。

(2)2018年8月29日、貴州省“畢節市”で取締官が“織金県”で違法建築物を撤去している時に、村民と殴り合いのケンカになり、頭に血が上った村民の1人がジープで現場の作業員に襲い掛かり、死者3人、負傷者10人を出す惨事となった。

官が絶対的な力を誇る中国では、民は常に弱者だが、「窮鼠猫を噛む」で、死に物狂いになった弱者は強敵である官にさえも逆らうことがある。「窮鼠猫を噛む」を中国語では“狗急跳墙(窮地に追い込まれた犬は高い塀も飛び越える)”と言うが、血の気が多い中国人は我々日本人には考えられない突飛な行動に出るケースが多いように感じられるのである。

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『彼らがトランプ氏を憎む本当の理由』(10/25ダイヤモンドオンライン WSJ David Gelernter)、『トランプ氏、FRBは「米経済に最大のリスク」』(10/25ダイヤモンドオンライン WSJ Michael C. Bender他)について

10/27自由インド太平洋連盟(Free Indo-Pacific alliance)(10/26設立)主催「沖縄、台湾、そのはざまの尖閣」フォーラムに参加しました。会長はラビア・カーデイル氏です。

ウイグル、南モンゴル、チベット人

満洲亡命政府(アメリカ国籍保持者)

講師の宮崎正弘氏は「米中戦争は貿易戦争に止まらず、金融戦争、通貨戦争にまで至る。ペロポネソスやポエニ戦争のように50~100年かかって決着するのでは。安倍政権はアベコベをしている。米国は議会民主党の方が中国に厳しい。国として中国に覇権を取らせないことのコンセンサスはできている」と。

仲村覚氏は「ジュネーブの国連人種差別撤廃委員会で有田芳生や糸数慶子が琉球人は先住民族で日本政府から差別を受けていると主張している。これにはIMADR(The International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism)と部落解放同盟が絡んでいる。もっと言えば中共の支援が裏にある。沖縄を本土復帰させて沖縄の米軍基地を無くそうとしたのが第一弾、それが狙い通りに行かなかったので、沖縄を独立させて米軍基地を追い出そうとしている」と。

王明理女史は「台湾は歴史的に中国の統治を受けたことは一度もない。出先機関が一つあっただけで全土を行政管理していない。そもそもで言えば、昔統治したことがあるのが自分の領土だと主張できるなら、オランダ、日本にもその権利はある。親日国家の台湾人として日本にお願いしたいのは①台湾を国として認める②台湾を国際組織の一員にするよう働きかける③日本版「台湾関係法を作ること」と。

藤井厳喜氏は「10/4ペンス演説は中国への宣戦布告であった。ビル・クリントン、ブッシュ、オバマの24年間で中国を大きくしてきてしまった。本来はブッシュの時に気付くべきだった。Congagement=軍事的にはcontainment、 経済的にはengagement 政策を取って来た。ウサマ・ビン・ラーデインは中国の同盟国のパキスタンにいた訳で、中国がかくまっていたのも同然。去年の11月にISが片付いたので、テロ戦争ではなく、本格的に中国に目が向けられるようになった。宮崎氏は、決着は長期間になるとのことでしたが、私はもっと短くなることを願っている。南シナ海で戦争が起きるだろうから」と。

小生の読んだ馬渕睦夫著の『2019年世界の真実』には、「ジャック・アタリは2025年までに中共の一党支配は終わると予言」(P.120)とありました。グローバル勢力が中共を見放したことになります。やはり今の政府のやっていることはおかしい。中共の延命に手を貸しているとしか思えません。

10/27サンケイビズ<対中ビジネス、拡大か縮小か 日本政府、インフラ協力も開放性など前提>今の経営者には米中は死に物狂いで覇権争いしているのが見えないようです。上述の藤井氏の言にあるように米国は中国に宣戦布告したというのに。戦後の平和教育のせいでしょうか。

https://www.sankeibiz.jp/macro/news/181027/mca1810270500002-n1.htm

10/27阿波羅新聞網<中共不宣而战 川普军贸一起打 日本有三个无法撼动=中共は宣戦布告無しで戦争してきた トランプは軍事・経済両面で負かそうとしている 日本は3つ動かすことができないものがある>トランプは絶対に譲歩しない。習は王岐山をイスラエルに派遣、また日本を取り込もうとした。ある学者は「日本とイスラエルは米国の主要な同盟国。米国を裏切って中共を助けることはできない」と。陳破空氏は「日本は3つ動かすことができないもの(①尖閣問題②安倍長期政権③日米同盟)があり、日米離間を図りたいと思っても、成功しないだろう。中共は現実を直視せざるを得ない」と。

チイエニー副大統領の安全保障の顧問だったStephen Yatesは新冷戦が始まっているかどうかについて「中華人民共和国ができてから、中国は米国に冷戦活動を展開して来た。米国政府がテロに対して国民に説明したのと同じで、「我々がどう行動すべきか決める前に、彼らは既に戦争を起こしていた。中共の統治する中華人民共和国は既に欧米文明に戦いを挑んでいた。現在の問題はそれに欧米文明が有効な対応が取れるかどうかだけである」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/1027/1195325.html

10/27阿波羅新聞網<北京是这样替美国民主党骗票的=北京はこのように騙して民主党に投票するように誘導している>トランプは支持者に必ず投票に行ってくれと呼びかけている。「米国は今まさに繁栄の道を歩んでおり、もう一度元のアメリカに戻ることができる。最近至る所で民主党は罪深い政党に変わったと見受けられることをしている。フェイクニュースを流すメデイアを含め、私の言うことを疑う人はいない。我々は上下両院で共和党が多数を占める必要があり、あなたたちの投票が必要だ。カバナー判事に対する民主党の振る舞いは国辱モノであった。」と述べた。

今年の10/10に、1942年2月14日ボストン生まれのブルームバーグ前NY市長は民主党に加わり、2020年大統領選に出るかどうかは11/6中間選挙の結果がでたらすぐに決定する。もし彼が参戦するなら、自分の金10億$を携え、トランプの再選を阻止すると言った。

2015年にアリババが買収した香港紙“south China Morning Post”を使い民主党を助けようとした。10/21同紙は米国民に向けて報道した。「もしあなたたちが民主党議員に投票して、両院が民主党多数派になっても心配するには及ばない。両党とも中共の目標に反対しているので」と。意味するところは今のワシントンの政治状況であれば、譬え民主党が国会の多数を押えても、中共への態度は強硬策が続くと。

“south China Morning Post”は英語版と中国語版があったが、アリババ買収以降、ネット中国版は削除された。英語版は一定の水準に達しないと見ても分からない。同紙は英語版の党の喉と舌になった。外国人を洗脳するためである。

それでも、党の喉と舌の部分を隠し、「ある中共の政府顧問は、譬えトランプが中間選挙に負けても、ワシントンで(中国と)戦う姿勢は継続するだろう」と報道した。トランプがこんなにも魅力がある以上どうして中間選挙に負けるのだろうか?正しく北京は何もしないクズを養っていることになり、すぐに習近平に国際的な恥をかかせることになる。

http://www.aboluowang.com/2018/1027/1195177.html

流石にWSJはバランスの取れた記事を書くと思いました。David Gelernter氏は左派の傲慢さ=自分は知識人で賢いという考え方を打ち砕いてくれています。上述しました通り、民主党は悪の政党に変貌しています。カバナー判事の選出の仕方も恥ずかしかったと。小生も権威を辱めるものと思います。左派は破壊するだけで何ら新しい価値を創造できないとも。

10/28宮崎正弘氏メルマガから書評と読者の意見を紹介します。

「ケント・ギルバート『「パクリ国家」中国に米・日で鉄槌を!』(悟空出版)

いま店頭に並ぶ『NEWSWEEK』日本語版(2018年10月30日号)は、なんと「ケント・ギルバート現象」特集である。
なぜ「ケント本」が書店にうずたかく積まれベストセラーを続けるのかの秘訣を探ろうとし、同誌の結論は、とどのつまり白人のアメリカ人が、日本の保守論客になりかわって左翼リベラルをぶっ叩いていることが小気味良いので、読書人も釣られて買うのだという底の浅い分析である。
そんなことよりケントさんは、日本人が露骨に批判しないところを、まっすぐに批判するというポイントを見逃してはならない。そのうえ、言い分はあくまでも論理的であり、さすがに弁護士だけあって、日本の左翼特有の感情的な批判ではなく、論拠を明示した論の組み立て方に、注意するべきではないかというのが評者の感想である。
それはそれとして、アメリカ人が、なぜ中国に怒りを表明しているのか。日本はあれほど中国に苛められ、莫迦にされ、顔に泥を塗られ、利用されるだけ利用され、技術もカネも盗まれても、中国を非難しない。
そればかりか、安倍首相訪中でも「競合から協調へ」などと唐変木な言辞を吐いて、中国の狙う日米分断に策略に引っかかろうとしている。エドワード・ルトワックは、米国は対中認識では与野党、右翼・左翼、メディアを問わず「反中というコンセンサス」があって、中国を潰すという戦略で結束しているという(今月号の「HANADA」と「WILL」を参照)
ケント・ギルバート氏は、この背景を詳述してはいないが、米中貿易戦争はトランプ大統領がしかけた「大英断」(76p)という。
「勝てる間に勝つことが重要」と判断したトランプは、中国は対面を重視するという弱点があるため、「中共は、負ける戦争では、できるだけ権威が傷つかない形で早めにダメージ・コントロールしようと考えます。そこがアメリカの狙いどころであり、オールマイティーなカードにもなる」
これによりアメリカは北京から多くの譲歩を獲得できると説く。その上で、ケントさんは米中貿易戦争を批判している人に問いたいと反論する。
「現在ですら貿易ルールを守らない中共が、今後さらに経済成長した結果、誰も逆らえない技術力や軍事力、政治力を手にした場合、自由貿易やWTO体制を破壊し、世界大戦を脅し文句に、もっと傍若無人に振る舞うのは、火を見るよりも明らか」
「私たちは、肥大化した中共の下で、彼らの言いなりになって暮らすことを拒否したい」。
それゆえに戦いは早いほうがよく、「いま戦うしかない」という結論が導かれる。
ちょっと日本人評論家が書かないような語彙(たとえば「大英断」とか「中共」など)、その力強き言辞に感心しながら読み終えた。」

「(読者の声3)第5869号で安倍首相の訪中に関して書かれていました。概ね宮崎先生と同意見ですが、私はこの訪中は米国のトランプ政権と綿密にすり合わせた結果のものと考えます。例えば3兆円の通貨スワップ協定です。
この程度の金額では大規模場投機筋の売りがあった場合、全く役に立ちません。
ただし、市場への心理的圧力とはなり、売り浴びせを防ぎ、人民元の為替レートがゆっくりと下がることになります。何故なら市場参加者の多くは、この協定が日米間で事前に協議した結果であり、日米両政府が急激な人民元安を望んでいないということであろうとの観測をもつからです。
急激な人民元安が起きたとき二つの可能性があります。一つは中国国内の物価急上昇と金融ひっ迫が起きて経済崩壊、長期的には政権崩壊につながるというシナリオです。
もう一つの可能性は、人民元の暴落による問題を中国政府が何とかマネージして、人民元安によって中国の輸出競争力が強くなり、その結果中国経済と共産党政権を利することになるというものです。
この二つの可能性のどちらも日米両政府首脳が望んでいないということです。むしろ人民元安がじわじわと進み、米国からの経済制裁の効果を相殺できず、中国経済の世界経済で占める役割が徐々に弱まることを望んでいるということです。
もう一つ通過スワップ協定には日系企業に良い面があります。中国で金融がひっ迫して貸し渋りが起きたとき、日系企業が運転資金用の短期借り入れを中国の金融機関から断られ、黒字倒産に追い込まれる可能性があります。
その時、通貨スワップ協定があれば、日本にある親会社が円で在中子会社に資金を送りそれを人民元に変えてくれるように要求することができるからです。おそらく今回の協定の実務レベル協議では具体的にどのような手順で行うかも話し合われているのではないのでしょうか。
頂けないのは安倍首相に随行した経済人たちです。こういう唾棄すべき人たちが千人もいるとは驚きです。    (當田晋也)」

FRBが中間選挙前に金利を上げたのはユダヤ・グローバリストにFRBが支配されていて、アンチグローバリズムのトランプの足を引っ張っているとしか見えません。

David Gelernter記事

Photo:Reuters

――筆者のデービッド・ゲランター氏はイエール大学のコンピューターサイエンス学の教授で、テクノロジー企業ディタッチの主任科学者。最新の著書は「Tides of Mind(仮訳:思考の流れ)」

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米国の大型選挙はどれも興味深いが、来月の中間選挙が特に興味深いのには理由がある。ほとんどのコメンテーターは指摘し忘れているが、その理由とは民主党には主張すべき争点がないことである。経済は好調で、国際的にも米国は強い立場にある。外交面ではぎりぎりのところでマキャベリが5世紀前に王子たちに授けたアドバイス「愛されようとするな。恐れられることを求めよ」を思い出したところだ。

善良な左派にしてみれば、オバマ政権時代との違いがありすぎて見るに堪えないに違いない。ブレット・カバナー氏の連邦最高裁判事承認をめぐる争いは、ダッシュボードでガソリン切れを知らせる赤い点滅ライトのように、将来の世代にとって民主党の知性の破綻を示す出来事になるだろう。左派は打ちのめされている。

同じようなことは1980年代にも1990年代にも2000年代初めにもあったが、金融危機が自由主義を破滅の道から救った。左派は今、ロバート・モラー特別検察官がスーパーマンのかっこうをして助けに来てくれますように、と祈っている。

しかし今のところ、左派のテーマは「トランプ氏が憎い」ということだけだ。この憎しみは大いに参考になる。左派にとってドナルド・トランプ氏の何が気に入らないのかを問うことはまさに、彼らにとって米国のどこが気に入らないかを問うことだからだ。それが意味するところは重要で、痛ましくもある。

だからといって左派の誰もが米国を憎んでいるわけではない。しかし筆者が知る左派の人々は、トランプ氏の下品さ、争いから引き下がろうとしないところ、遠慮のなさ、米国は特に優れた国であると疑うことなく信じているところ、知識人への不信、単純でうまく行くアイデアを好むところ、男女の性別が変更可能なものであるのを信じないところを目の敵にしている。何より厄介なのはトランプ氏には仕事を成し遂げる以外のイデオロギーがないことだ。トランプ氏の目標は目の前の仕事を成し遂げること、あれこれと指示を受けないこと、それ以外では人生を楽しむことである。要するにトランプ氏は典型的な米国人なのだ。米国人の典型としては行き過ぎているが、それはトランプ氏には自分でつくった制約以外に自らのやり方を束縛する制約がないからだ。

トランプ氏に制約がないのは、トランプ氏が今も昔も超がつくほどの大金持ちだからで、しかも他の金持ちとは違い、豊かさを満喫していて、申し訳なく思う必要をこれまで一度も感じたことがないからだ。トランプ氏が本音を自分の胸にしまっておこうと思ったことはないのは、その必要がなかったからだ。男性として当たり前の傾向を持っていることに戸惑いを感じるようにもならなかった。トランプ氏は女性に対してひどい扱いをしたことがあり、この点について国民は、右派にしろ左派にしろ、ジョン・F・ケネディ元大統領やビル・クリントン元大統領を恥ずかしく思ったのと同じくらいトランプ氏を恥ずかしく思っている。

しかし有権者としての筆者の仕事は米国のために最善を尽くす候補者を選ぶことだ。トランプ氏が何の制約もない平均的な米国人の下品な部分を世間に発信していることは残念に思う。この下品さは大統領にふさわしいものではなく、他国が持つ米国のイメージにも悪影響を及ぼす。その一方で、トランプ氏の敵の多くは他人にどう思われるかを気にしすぎている。筆者自身はフランスやドイツ、日本が得ている尊敬は素晴らしいとは思うが、尊敬されるかどうかが気がかりで眠れないというわけではない。

トランプ氏を毛嫌いする国民と受け入れている国民――トランプ氏が大好きな人であろうと、大目に見ているだけの人であろうと――の違いは結局、典型的な米国人――農業従事者、工場労働者、自動車修理工、機械工、商店の店主、事務員、ソフトウエアのエンジニア、歩兵、トラックの運転手、主婦――に対する考え方の違いである。筆者が知る左派の知識人が言うには、こうした人達が気に入らないのは保守的な共和党支持者が多いからだそうだ。

ヒラリー・クリントン氏とバラク・オバマ氏は彼らの真の罪業を承知している。両氏は腹立たしい銃や忌まわしい教会について、そうした人々のあきれるような現状を知っている。こうした人々には他人に関心を持ってもらうようにするための金も、一生消えることのない不満もない。これといったツイッターのフォロアーもいない。ダボス会議には関心がなく、テレビで見るのはフォックスニュースだ。こうした人々の中で最も賢い人ですら、(民主党上院院内総務の)チャック・シューマー氏のようなまばゆいばかりの才能を持たない。ミシェル・オバマ氏のような人材がいないのは言うまでもない。実際のところ、彼らは羊のように愚かだ。

トランプ氏を見ると、平均的な米国人がどういうものかを考えずにはいられない。平均的な米国人とは平均的な米国人男性でもなく、平均的な白人の米国人でもない。2020年になればトランプ氏に投票する女性や黒人の多さに知識人があ然とすることは今から分かっている。トランプ氏は政治の勢力図を塗り替えて、「あらゆるタイプのありふれた平均的な米国人VS特別な米国人」といった構図をつくり上げるかもしれない。

多くの左派系の知識人はテクノロジーのおかげで昔ながらのトラック運転手のような人々の生活を支える仕事が必要なくなると考えているが、見当外れもいいところだ。インターネットを使って食料や衣料を運んだり、妻や恋人、子どもを抱きしめたり、親友の隣にただ静かに座ったりすることなどできない。おそらくそれは誰が見ても分かることだが、知識人であるということは、見れば分かることなど何もないということだ。トランプ氏は天才でもなんでもない。しかし見れば分かることを身につけて、あとは常識があれば、勝負があったも同然だ(学問は素晴らしいが、典型的な現代の知識人は政治によって自らの知識の価値を下げていて、破綻した左派のうわごとで自らの教育を変質させたことに誇りを持っている)。

ここである一つの重要な疑問が浮かび上がる。今は憤然と否定されるだろうが、長い目で見た場合、歴史家は見過ごさないだろうその疑問とは、ドナルド・トランプ氏を憎み、平均的な米国人を憎まないなどということは可能なのか、ということだ。

確かにトランプ氏は「のびのびとした」平均的な米国人だ。トランプ氏には、ツイッターへの投稿では子どものように自分を抑えることができなかったり、子どものいじめのようにやり返したりするところがあり、トランプ氏のそういうところが嫌いだけれども、そうした傾向のない平均的な米国人を憎くは思わない、ということがあってもおかしくはない(この2つの傾向について、トランプ氏は以前よりましになってはいる)。全部をひっくるめてトランプ氏が嫌いということもあるかもしれない。筆者も友人としてトランプ氏を選ぼうとは思わないし、それは向こうも同じだろう。しかし筆者には、左派の人々が往々にして、単純かつ無条件の憎しみを抱き、彼ら――神よ、トランプ氏を憎む人を許したまえ――はその憎しみを誇りに思っているように見える。それは残念なことであり、不快でさえある。それはトランプ氏を憎む人々が実際に、平均的な米国人――男性であっても女性であっても、白人でも黒人でも――を憎んでいることと同じだと筆者は考える。そうした人間はたいてい、米国も憎んでいる。

もちろんトランプ氏は平均的な米国人を面白おかしく演じているだけで、平均的な米国人そのものではない。トランプ氏を受け入れないのは問題ない。しかし心底憎んでいる場合はそれが表に現れる。ロナルド・レーガン氏が大統領に選出されたとき、多くの米国人は映画スターが大統領になるなんて、と恥ずかしく思っていた。しかしレーガン氏が選んだ米国の新たな方向は全体としては大成功で、レーガン氏は偉大な大統領になった。どうやらこの国は素人――弁護士や官僚だけではなく普通の国民――が動かすように出来ていたようだ。

トランプ氏に投票した人や、トランプ氏が応援する候補者に来月投票する人々は米国のイメージではなく、米国そのものを心配している。トランプ氏が国民の尊敬に値するのは米国人が尊敬に値する存在だからだ。これまでに米国を偉大な国に押し上げ、今後さらに偉大な国にしていくのはテレビ局のコメンテーターや社会主義者の高校教師、著名な教授といった気取ったエキストラではなく、普通の人々である。

Michael C. Bender他記事

Photo:Reuters

【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は23日、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は米国の経済成長を脅かしており、利上げを楽しんでいるように見えると指摘し、同議長への批判を強めた。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで語った。

トランプ氏は、FRBが経済政策の立案で長らく独立性を享受してきたことを認めながらも、利下げを望むという直接的なメッセージをパウエル氏に意図的に送っていることを明確にした。

トランプ氏は「私が何か素晴らしいことをするたびに彼は金利を引き上げる」とし、「(パウエル氏は)あたかも利上げを楽しんでいるように見える」と述べた。トランプ氏から詳しい説明はなかった。FRBの報道官はコメントを控えた。

トランプ氏は、パウエル氏を指名したことを後悔しているかどうかについて「判断するのは早すぎるが、そうかもしれない」と述べた。

またトランプ氏は、オバマ前政権下での経済成長は低金利によって持ち上げられたものだと強調。その上で、足元の経済に対する最大のリスクは何かとの質問には、「FRB」だと答えた。

「私にとってFRBは最大のリスクだ。金利はあまりに速く引き上げられていると思う」。トランプ氏はこう言うと机の上の赤いボタンを押し、冷えたコーラを持ってくるよう求めた。

トランプ氏は金利上昇が債務を増大させ、経済成長を押し下げると指摘。FRBは「理論上」独立した存在であるべきだが、自身の直感では金利引き上げは急すぎるとの認識を示した。

どのような状況になったらパウエル氏を解任するのかとの質問には口ごもり、「分からない」と答えた。「私はこう言っているだけだ。オバマはゼロ金利だった。だからFRBには大いに不満だ」

金利上昇について語るトランプ氏は「どうやって(前政権の実績と)競争しろと言うのか。オバマはゼロ金利だった。これはとても重要だから覚えておいて欲しい」と繰り返した。

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『北朝鮮と心中する韓国 文在寅はローマ法王まで“動員”し暴走した』(10/24日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

10/27日経朝刊<日中協調 経済前面に 通貨交換協定/第三国を開拓 安保は中国が慎重

【北京=原田逸策、永井央紀】26日の日中首脳会談で新たな段階の関係構築を確認した両政府は、経済分野を中心に実務協力を加速させる。対米摩擦を背景に中国が求める第三国市場開拓での連携や金融分野の協力で合意。戦後最悪といわれた状況を正常化させ、「競争から協調」という新たな関係の象徴とする考えだ。ただ安全保障分野は中国側が慎重姿勢を崩さず「半歩前進」にとどまった。(1面参照)

会談を前に握手する安倍首相と中国の習近平国家主席(26日、北京の釣魚台迎賓館)=浦田晃之介撮影

「中日両国はより幅広い共通利益を持つようになっている。中日関係発展を新しい歴史的な方向にしなければならない」。習近平(シー・ジンピン)国家主席は26日、安倍晋三首相との会談の冒頭、こう語りかけて笑みを浮かべた。4年前の安倍首相の訪中時の険しい表情とは一変した。

転機の一帯一路

李克強(リー・クォーチャン)首相も安倍首相と食事を2度ともにするなど、前回に比べて厚遇ぶりは明らか。その成果と言えるのが今回の経済分野での合意案件であり、特に第三国市場開拓では合意事業は52件に上り「事業金額は200億ドル(約2兆2千億円)に達した」(李氏)。

目玉案件はタイの工業団地の再開発だ。エネルギー効率を高めて環境に優しい団地をめざし、共通インフラとなるゴミ処理場やゴミ発電設備の整備で日中が協力する。第三国であるタイのアマタ社も参加し、日中企業の利害を同社が調整する場面もあるとみられる。

背景にあるのは中国が海外でインフラ建設を進める「一帯一路」が曲がり角にあるという事情だ。順法意識の低さ、現地文化への理解の欠如――。中国政府系シンクタンクは海外投資の失敗案件をこう分析する。日本企業が補える部分は少なくない。逆に経営判断の早さ、コストは中国企業が優位だ。

金融協力も新段階に入った。日中の中央銀行は危機時などに人民元と日本円を交換する通貨交換(スワップ)協定の再開で一致した。両国の企業が円や人民元を取れなくなった場合、中央銀行経由で調達できる。

融通額の上限は3兆4千億円(人民元の上限は2千億元)と以前の10倍超に膨らむ。日本企業の人民元調達に万一、支障が出ても、通貨協定があれば日本銀行が最後の貸し手になれる。日本企業が中国事業を拡大しやすい経営環境が整う。

前回の公式訪中となった2011年12月に日中は世界に先駆けて金融協力で合意したが、沖縄県の尖閣諸島(中国名・釣魚島)を巡る問題で棚上げされ、13年には通貨協定も失効。逆に欧米は協力を加速し、日本は周回遅れとなっていた。

「来日時に期待」

日本の幸運はこの7年で中国の金融市場の開放が思ったほど進まなかったこと。米国との貿易戦争で中国は証券や保険でも外資の過半出資を認めた。野村ホールディングスは過半出資する証券子会社の設立を中国当局に申請。日本勢もスタートラインに並んだ。

日中両政府は26日、証券市場を巡る包括協力で合意した。監督当局や市場関係者が参加するフォーラムを毎年開き、実務協力の場とする。上場投資信託(ETF)の相互上場もめざす。

ずらりと並んだ協調案件にも懸念はつきまとう。メンツを重視する中国は合意の数や金額を重視し、実行は二の次になりがちだ。約1年前には米中首脳会談でも巨額商談の調印式があったが、多くは棚上げとなった。

一方、安全保障分野では、中国軍と自衛隊の偶発的衝突を防ぐ「海空連絡メカニズム」をめぐる防衛当局同士の初会合を年内に開くことを確認。火種となっている東シナ海のガス田開発問題は協議の「早期再開」を目指すことで一致し、一定の前進を見せた。

不測の事態が発生した際に防衛当局が連絡を取り合う「ホットライン」開設時期は依然決まらず、ガス田協議への対応も従来から「早期」の文言が加わったにすぎない。日本政府高官は「今回は半歩前進。来年の習近平国家主席の来日時に大きな成果を目指す」と語った。>(以上)

10/27日経朝刊<米、国益反しなければ静観 中国の行動是正へ期待

【ワシントン=永沢毅】トランプ米政権は今回の安倍晋三首相の中国訪問を契機とした日中協力の進展が、中国の行動是正につながるよう期待している。注視しているのは、対中けん制に向けて日本との協力をさらに強化しようとしている経済分野だ。米国の国益に真っ向から反しない限り、日中の接近を問題視しない構えをとっている。

首相は中国の広域経済圏構想「一帯一路」への協力も選択肢に入れる。ユン・スン米スティムソン・センター東アジアプログラム研究員は「一帯一路のプロジェクトを環境に配慮したり、(現地労働者の雇用確保など)社会的に受け入れやすい形にしたりするよう日本が後押しすれば、米国にとって悪い話ではない」と指摘した。

一帯一路はかねて環境保全対策の不備などの問題点が指摘されてきた。首相は26日、日中のインフラ協力については透明性の確保が前提になるとの認識を表明。インド太平洋地域のインフラ整備の支援に向けて米が設けるファンドでも透明性や持続可能な開発を重んじる方針を掲げており、日米の足並みはそろう。

トランプ政権は軍事技術に転用可能なハイテク技術の中国への流出阻止にも腐心している。9月のニューヨークでの日米首脳会談の後にまとめた共同声明では、知的財産の収奪や強制的な技術移転といった第三国による「不公正な貿易慣行」への対処での協力推進をうたった。名指ししてはいないが、中国が念頭にあるのは明らかだ。

米中は経済、安保を含めた幅広い分野で緊張関係にあり、「新冷戦」の瀬戸際に立っている。ペンス米副大統領は4日の講演で「公正かつ互恵主義にのっとった米中関係になるまで(圧力の)手を緩めることはない」と宣言、中国抑止に向けた対抗策をとり続ける方針を表明した。>(以上)

10/27宮崎正弘氏メルマガ<安部訪中、「競合から協調へ」スタンスを本気で変えたのか?  米国メディアは慎重に批判。「危機にヘッジした」とNYタイムズ>「しかし一帯一路への日本の協力に関しては、声明文に明確な付帯条件があって、「ルールに則り、透明性のあるプロジェクトへの協力」となっており、諫言すれば、その両方を欠いている中国の遣り方が続く限り、日本の協力はないという意味に取れる」

http://melma.com/backnumber_45206_6749776/

10/26ZAKZAK<「パンダより尖閣」 安倍首相が中国に通告すべき数々の“事案” 長谷川幸洋氏「直ちに撤退要求を」>

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/181026/soc1810260007-n1.html

10/26ZAKZAK<消費増税でまんまと習主席の狙い通りに!? 中国にちやほやされ踊らされる日本の金融エリートたち>

http://www.zakzak.co.jp/eco/news/181026/eco1810260008-n1.html

しかし、日本はどうしてこうも愚かなのでしょうか?反日教育をし、核ミサイルを日本に向けている国に通貨スワップなんて正気の沙汰ではありません。外務省出身の谷内辺りに交渉を任せる所が基本的に間違っています。日本が今回何を得たのか?まさかパンダのリースとでも言うのでしょうか?少なくとも「尖閣は日本の領土」、「日本に照準を合わせた核ミサイルの撤去」を要求したらどうですか。財務省が裏で動いたのでしょうけど。今回は貸付ではありませんが第二の西原借款と同じです。中国の外貨準備は実質底を突いているという時に、助けるなんて利敵行為そのものです。しかし、日本人は中国人の本質が分かっていません。彼らは、約束は相手が守るもので、自分は守らなくて良いという考えの持主です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」というものです。日本人は「武士に二言なし」の精神で生きて来ましたから、中国人に利用されるだけです。いい加減、聖徳太子以降の歴史から学ばないと。安倍政権は少なくとも来年の消費税増税は凍結して、財務省にコントロールされていないことを見せたらどうですか。

10/10ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」<#韓国 外交部『南北軍事合意書にアメリカ激怒という日本報道は大嘘!』>

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/77215704.html?ref=popular_article&id=6203697-1151254

10/23ブログ「日本と韓国は敵か?味方か?」<#韓国 国境地帯非武装化に伴い、米軍ヘリの米軍基地への着陸に北朝鮮の許可を求める事態に。>

http://blog.livedoor.jp/japan_and_korea/archives/77338326.html

左翼と朝鮮人は平気で嘘をつきます。恰も本当のように報道して既成事実化を図ります。日本のメデイアもちょくちょくこの手法を使います。やはり、あらゆる情報は多角的に見て真偽の程を確かめねばならないと思います。

米国は韓国も制裁対象にすれば良いのに。中国同様、第二次制裁を課すことはできるでしょう。日本もそうならないように、充分米国と緊密協議をして、中国と付き合いいませんと。第二次大戦の同盟相手を間違えたことが再現されないようにしませんと。

記事

バチカンで10月18日、ローマ法王(右)と会談した文在寅大統領(写真:ロイター/アフロ)

前回から読む)

文在寅(ムン・ジェイン)大統領が欧州を訪問、主要国首脳に北朝鮮に対する制裁の緩和を求めた。だが完全に無視され、米韓関係をますます悪化させただけだった。

欧州歴訪は大失敗

鈴置:文在寅大統領の訪欧が大失敗に終わりました。10月13日から21日までフランス、イタリア、ベルギー、デンマークを歴訪。19日にはブリュッセルで開かれたASEM(アジア欧州会合)首脳会議に出席しました。

仏、英、独などの首脳と会談しては強引な理屈をこねて北朝鮮への制裁をやめさせようとしたのです。ハンギョレの「文大統領、英独首脳と会談し『対北制裁の緩和』を公論化」(10月20日、日本語版)から大統領の発言を拾います。

(10月15日、マクロン仏大統領に対し)少なくとも北朝鮮の非核化が後戻りできない段階まで進んだと判断される場合は、国連制裁の緩和を通じて、北朝鮮の非核化をさらに促さなければならない。安保理の常任理事国として、このような役割を果たしてほしい。

(10月19日、メイ英首相に対し)少なくとも北朝鮮が後戻りできないほど非核化を進展させた場合、北朝鮮に対する人道的支援や制裁緩和が必要であり、国連安保理でそのプロセスに関して議論することが必要だ。

無視された屁理屈

—どこが強引なのでしょうか。

鈴置:これだけ聞くともっともらしい。しかし「北朝鮮の後戻りできない非核化」の定義が問題なのです。文在寅大統領はメイ首相に、以下のようにも語りました。ハンギョレの同じ記事から引用します。

北朝鮮は昨年11月以降、核とミサイル実験を中止し、豊渓里(プンゲリ)核実験場の廃棄や東倉里(トンチャンリ)のミサイル実験場と発射台の廃棄を約束したのに続き、米国が相応の措置を取った場合は、プルトニウムの再処理とウラン濃縮核物質を作る寧辺(ヨンビョン)の核施設を放棄する用意があることを明らかにした。

北朝鮮が引き続き非核化措置を推進できるよう、国際社会が国連安保理を中心に促進策に関する知恵を集めなければならない。

文在寅大統領の理屈は「北朝鮮が核・ミサイル実験を中断し、核実験場などの廃棄を約束した」から「北にさらに非核化を推進させるよう、制裁解除を検討しよう」ということです。北朝鮮の口約束を「後戻りできない非核化」に認定してしまったのです。

こんな屁理屈に騙される人はいません。英独仏の首脳は「北朝鮮はCVID(完全かつ検証可能で不可逆的な非核化)のため、より確実な行動を示す必要がある」と口をそろえました。

北朝鮮は核弾頭やミサイルを保有したまま。実験場を廃棄したぐらいで非核化したとは認められない、と文在寅提案を一蹴したのです。

そして10月19日、ASEM首脳会議は「安保理決議に従い、核およびその他の大量破壊兵器、弾道ミサイル及び関連する計画と施設の、完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な廃棄を要求」との議長声明を採択しました。

CVIDを強調、文在寅提案などは完全に無視したのです。外務省のサイトで「議長声明のポイント」を読めます。

北の顔色を見るな

—韓国は大恥をかきましたね。

鈴置:ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は「Moon’s Push to Ease North Korea Sanctions Falls flat」(10月19日)との見出しで報じました。

「対北制裁緩和を狙った文のごり押し、完敗で終わる」と酷評したのです。世界で恥をさらした韓国。保守系紙は文在寅外交を痛烈に批判しました。

朝鮮日報は10月22日の社説の見出しを「文大統領の欧州歴訪、事実上の外交事故ではないか」(韓国語版)としました。

「外交事故」とは韓国メディアがしばしば使う表現で、日本語に訳せば「外交上の大チョンボ」といった感じです。ポイントを訳します。

ASEM首脳会談は北朝鮮の核に関し、議長声明で「CVID方式で廃棄するよう」求めた。CVIDの核心は検証だ。北朝鮮はCVIDを極力避けようとする。

我が国の政府はいつの間にかCVIDの代わりに「完全な非核化」だけを言うようになった。「検証」を取り除いたのだ。議長声明に盛り込まれた、北朝鮮の生物化学兵器の廃棄に関しても政府は声をあげたことがない。韓国民の声を韓国政府ではなく、アジアと欧州の首脳が代弁したのである。

文大統領が英仏首脳に対北制裁の緩和を訴えたのは今、国際社会がこの問題をどう見ているかを理解していないからだ。韓国の外交は「南北」に足をとられ、方向感覚を失った。今回の訪欧は事実上の外交事故である。

なお「南北に足をとられ」とあるのは「北朝鮮の顔色を見て」との意味です。朝鮮日報はそこまで露骨に書くのを避けたのでしょう。こう書けば韓国人なら誰でも「忖度外交」の意味と分かりますし。

姑息な文在寅外交

—他の保守系紙も批判しましたか?

鈴置:もちろんです。東亜日報も社説「欧州のCVIDの壁にぶつかった『制裁緩和』、遅れる北朝鮮核の時刻表」(10月22日、日本語版)で「文在寅政権の姑息な手法」を非難しました。

文氏は9日間の欧州歴訪で、北朝鮮に対する制裁緩和の必要性を繰り返し強調した。大統領府は「制裁緩和を公論化する成果があった」と評価するが、実際はCCVIDに対する欧州諸国の明確な意思を確認し、壁にぶつかったと見るのが正しいだろう。

もし非核化促進に向けてある程度の制裁緩和が避けられないと判断したとすれば、米国と膝を突き合わせて協議して説得し、北朝鮮の誤った判断と非核化意思の後退を最小化する戦略を設けるべきだった。他の安保理理事国に対して公開的に「反制裁連合戦線」を構築しようとする外交の動きを見せたことは適切でなかった。

米国は対北制裁を緩和しようとする韓国の動きを苦々しく見ています。トランプ大統領自身が警告を発したほどです(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

そこで文在寅政権は欧州を説得することで、制裁緩和に応じない米国を孤立させる作戦に出た――と東亜日報は読んだのです。もちろん、そんな稚拙な小陰謀はたちどころに頓挫しました。

そのうえ米国の怒りに油を注ぎましたし、世界をして「韓国は北朝鮮の核武装を幇助するつもりだな」と疑わせるに至りました。

今や文在寅政権は、北が開発した核を分けて貰う作戦に出ていると見なされ始めています。詳しくは『米韓同盟消滅』の第1章第4節をご覧下さい。

米国を怒らせる姑息なやり方は、南北関係にも悪い影響――例えば、年内に予定される金正恩(キム・ジョンウン)委員長の訪韓計画も危くすると東亜日報の社説は指摘しました。

非核化が少しも履行されていない状態での正恩氏のソウル訪問に対して賛否の論議を激しくする可能性がある。南北関係は非核化に関係なく動いてはならず、そうすることもできない。

問題をすり替えた左派系紙

—ハンギョレは?

鈴置:さすがに左派系紙も「成功」とは書けませんでした。そこで「バチカン訪問では大成果をあげた」と話をすり替えたのです。ハンギョレの10月21日の社説の見出しは「文大統領の欧州歴訪、最大の成果は『ローマ法王の訪朝受諾』」でした。

文大統領の歴訪の最大の成果はフランシスコ法王の北朝鮮訪問受諾を勝ち取ったことだった。世界12億人のカトリック世界の精神的な指導者であり、平和と和解の象徴である法王は18日、法王庁での文大統領との単独面談で「(金正恩委員長からの)招待状が来たら無条件で受け、行くことができる」と快諾した。

ローマ法王の訪朝は南北朝鮮が画策。「金正恩委員長が望んでいる」と文在寅大統領が広報しています。「北朝鮮は普通の国」とのイメージを世界に広めるのが狙いです。そうなれば国連の制裁も緩和しやすくなるし、非核化圧力も弱まると踏んでいるのでしょう。

もっとも、法王が本当に訪朝を受諾したのかははなはだ怪しい。朝鮮日報は「イタリア語で語った法王の訪朝関連答弁は英語で言えば『available』」(10月20日、韓国語版)で以下のように指摘しました。

青瓦台(大統領府)と与党は法王訪朝を既成事実化した発言を繰り返している。だが、法王が平壌訪問に関して語った言葉は英語で言えば「available(可能だ)」との意味だ。原則論として答えたに過ぎない。

米政府系のVOAはさらにはっきりと「訪朝」を否定しました。法王庁『訪朝の口頭要請は受けたが、多くは語っていない』」(10月20日、韓国語版、談話部分は英語)で、法王庁報道官の発言を伝えたのです。

From the Vatican side, we have not said a lot, although we did confirm that an invitation arrived orally.

「口頭での訪問招請は受けたが、法王庁としては多くを語ってない」つまりは「訪朝するとは言っていない」と述べたのです。

実際、法王庁の文在寅大統領との接見に関する発表(10月18日、英語)は、訪朝には全く触れていません。

なぜ「話を盛った」のか

—韓国政府が話を盛ったのですね。

鈴置:そう見るのが普通でしょう。

—なぜ、すぐにばれる嘘をついたのですか。

鈴置:すぐにばれようが、法王訪朝が北朝鮮の意向である以上、強引に推し進めるしかなかったのでしょう、韓国としては。

制裁解除も同じことです。核廃棄も進まないうちから制裁解除を言っても、欧州が「そうですね」と受け入れるわけがない。それは韓国政府も分かっていたと思われます。しかし、北の指令である以上は実行せねばならなかったのでしょう。

—文在寅政権は金正恩委員長の言いなりですね。

鈴置:青瓦台の中枢部は北朝鮮こそが民族の正統性を維持していると信じる人々が占めています。彼らにとって北の指示は絶対なのです。

朝鮮日報は「『運動家の青瓦台』…秘書官クラス以上の36%が学生運動・市民団体の出身」(8月8日、韓国語版)で「青瓦台・秘書室の秘書官クラス以上の参謀陣のうち、学生運動出身者と各種市民団体の出身者が61%(19人)に達する」と報じています(「北朝鮮の核武装を望む韓国」参照)。

9月18日の南北首脳会談は平壌の朝鮮労働党本部庁舎で開かれました。「労働党のソウル支部長である文在寅が、労働党の最高指導者である金正恩委員長から本部に呼びつけられたも同然」と苦々しげに表現する保守派もいます。

米軍機関紙も「不仲」

—でも、こんなことを続けていれば、韓国は北朝鮮の使い走りと世界中から見切られてしまいます。

鈴置:その通りです。9月18日の南北首脳会談で米国に断りなく飛行禁止区域を定めたため、米国は烈火のごとく怒りました。米軍機関紙の星条旗紙は「Rare public discord between US, S. Korea raises concern about rift」(10月14日)との見出しで、はっきりと「米韓の不仲が表面化」と書きました。

9月下旬の国連総会への出席を期に、文在寅大統領は米国で「金正恩の首席報道官」と見なされるようになりました(「『北朝鮮の使い走り』と米国で見切られた文在寅」参照)。

さらに10月10日、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官が北朝鮮への制裁解除方針を打ち出したため、米韓関係は完全におかしくなってしまいました(「『言うことを聞け』と文在寅を叱ったトランプ」参照)。

そして今や、欧州を抱き込んでの米国孤立作戦。文在寅政権の暴走は止まりません。もう確信犯です。「北朝鮮と手を組んでどこが悪いか」と本性を現わしたのです。

韓国の保守派の中には「そのうちに『北が核武装してどこが悪い』と文在寅政権が言い出すのではないか」とハラハラして見ている人もいます。

予想外に厳しい経済難?

—異様ですね。

鈴置:北朝鮮の経済難が外から見ていた以上に深刻で、今年の冬を越せないからではないか、との見方が急浮上しています。

2017年10月以降にさらに厳しくなった国連による経済制裁の効果が出て、食糧、エネルギー、外貨の不足に北は悩んでいる。下手すると体制を揺るがす騒動が起きかねない。

そこでなりふり構わず韓国に制裁解除の旗を振らせている、との見方です。もう先がない以上、今、韓国を使い殺しても仕方ない、と判断したのかもしれません。

(次回に続く)

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