『米中激突を予感させるマティスの「国防戦略」 2018年米国国家防衛戦略を読み解く』(1/24JBプレス 渡部悦和)について

渡部氏の見方に賛成です。いくら良い国防戦略ができても実行できなければ何もなりません。特に真の敵は中国ですから、それに対抗するものとして封じ込めを考えれば良いのでは。そのためには

①軍事同盟国を増やす。(ネットで調べましたらNATOに加盟していない米国の同盟国は「MNNA(Major non-NATO ally)はアフガニスタン アルゼンチン オーストラリア バーレーン エジプト イスラエル 日本 ヨルダン クウェート モロッコ ニュージーランド パキスタン フィリピン 韓国 タイ チュニジア 自由連合盟約国 パラオ マーシャル諸島 ミクロネシア連邦、 同盟国は中華民国 スウェーデン サウジアラビア カタール バーレーン ジブチ」とのこと)。ここにインドやASEAN諸国を入れれば良いのでは。

②ロシアを中国に対し中立化する努力をすべきでは。

③中国に金融制裁をして$で貿易決済できなくする。最悪の所まで行けば機雷による海上封鎖。

中国は貿易で自由かつ民主主義国からの便益を最大限利用し、富を得てそれを原資に世界各国へ配って陣地取りに勤しんでいます。国の要人に賄賂やハニーを仕掛けるやり方です。中華世界では通じることができても、それが21世紀に生きる人類の普遍的な価値や理念とすべきかと聞けば誰も賛成しないでしょう。

本ブログで何度も報じています通り、中国国内では人権弾圧が平気で行われ、富の格差は広がるばかりです。自由の敵・中国を如何に封じ込め、中国国民を中共の魔の手から救うかが今世紀の世界の最大の課題です。自由主義諸国は連帯して中国封じ込めに協力しませんと。

1/26首相官邸と自民党に「首相の平昌オリンピック出席反対の件」としてメールしました。内容は「首相は平昌オリンピックに出席の意向と報道されています。文政権と慰安婦合意について念押しするためとのことですが、いくら話し、約束しても裏切る民族であることは歴史が証明しています。そもそも慰安婦合意は先人たちの名誉を汚したのに、韓国に配慮して今回出席することは恥の上塗りになるだけです。韓国は日韓首脳会談に消極的と言われているのに、のこのこ行くのでは韓国に折れたからとの印象をまた世界に植え付けるだけです。首相に聞きたいのは行くことの成果は何でしょうか?はっきり言って文政権が日本の言い分を飲むとは思えません。米軍の北朝鮮攻撃で韓国に犠牲が出ても仕方がないとでも伝えに行くのでしょうか?その際は邦人救出を優先し、韓国人の難民は引き受けませんとでも言うつもりでしょうか?或は完全に慰安婦問題で強制性はなかったことを世界に発信するつもりなのでしょうか?そういうつもりがなければ行くのは止めた方が良いと思います。」というもの。

首相官邸

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

自民党 

https://www.jimin.jp/voice/

記事

ジェームズ・マティス米国防長官(2017年11月28日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / JIM WATSON 〔AFPBB News

米国防省は1月19日、「2018年米国国家防衛戦略(2018 National Defense Strategy)」(以下「国防戦略」)を発表した。

2008年版の国防戦略が発表されて以来10年間のブランクを経て久しぶりに発表された2018年版の国防戦略(NDS)は、私にとって気持ちよく読める文書であった。

バラク・オバマ政権の8年間において、国防戦略が発表されなかったことを考えると、ドナルド・トランプ政権下でまっとうな国防戦略が発表された意味は大きい。

私は、昨年末に国家安全保障戦略(NSS)が出されるまで、「トランプ政権は戦略を持たず、海図なき航海をしている」と批判してきた。

しかし、国家安全保障戦略と国防戦略が公表され、今後、「核戦力体制の見直し」や「弾道ミサイル防衛見直し」も矢継ぎ早に出されるという。もはや、トランプ政権に戦略がないと批判することはできない。

今後の焦点は、この国防戦略をいかに具体化するか、特に米国に並ぶ覇権国家を目指す中国に厳しく対処できるか否かだ。

以下、国家安全保障戦略の公表バージョンである“Summary of the 2018 National Defense Strategy of The United States of America ”とジェームス・マティス国防長官のジョーンズ・ホプキンス大学での講演を中心に記述していきたいと思う。

2018国防戦略を読んでの感想

  • 「America First」や「Make America Great Again」などのトランプ色の強いスローガンが全く入っていないために、違和感なく受け入れやすい国防戦略になっている。

12月末に発表された国家安全保障戦略では、わざわざ「アメリカ・ファースト国家安全保障戦略」と命名したために、トランプ色が付きまとうNSSになってしまった。

マティス国防長官は、トランプ大統領の不規則発言とは一線を画す、プロ好みの国防戦略に仕上げた。

  • 大統領就任後1年を経てもカオス状態にあるトランプ政権にあって、着実に任務を遂行している組織が国防省であることを改めて認識できる国防戦略となった。

トランプ大統領は、国防省のことについてはマティス国防長官にほぼ全権委任していて、そのために国防省は、マティス国防長官という優れたトップの存在もあり、トランプ政権下にあって数少ない安定感のある組織である。

気になるのは、国防省とは対照的に評価の低い国務省である。本来ならば、外交と軍事が混然一体となって機能すべきところではあるが、そうなっていない。

  • 戦略的環境に関する認識において、「米国と中国およびロシアとの大国間競争への回帰」を明示したことは高く評価できる。今後、中国とロシアに対しては厳しく対応することを期待したい。

バラク・オバマ政権下においては、中国への過度の配慮のために、「米国と中国の大国間の競争」という言葉を使うことはタブーであった。

当時のスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官は、この言葉を国防省が使わないように露骨に干渉した(JBpress記事「大国間競争を否定するホワイトハウスの大問題」参照)。この中国への過度な配慮が、中国の南シナ海人工島建設などの問題行動を許す要因となった。

  • 同盟国と友好国(パートナー国)との連携を重視した多国間主義は適切だ。

「互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、米国の競争相手やライバルが追随できない戦略的利点を提供する」と適切な記述となっている。

これは、トランプ大統領の対外政策が消極的な「対外不干渉主義」から米国単独でも軍事力の行使をいとわない「単独主義」に大きく振れる傾向を是正するものである。同盟国や友好国(パートナー国)との協調により諸問題を解決しようとする多国間主義の表明は妥当だ。下図参照。

マティス国防長官のジョンズ・ホプキンズ大学での講演

マティス国防長官は、1月19日にジョンズ・ホプキンズ大学において国防戦略について講演をしたところ、国防戦略を理解するうえで参考になるので紹介する。

  • 2018国防戦略の特徴

・2018国防戦略は、新しい国防戦略は時代に合致したものである。 ・単なる防衛戦略ではなく、米国の戦略である。

・昨年末に発表されたトランプ大統領の国家安全保障戦略を根拠としている。 ・中国およびロシアとの大国間競争への回帰を強調している。しかし、他の脅威(ならず者国家である北朝鮮とイラン)についても触れている。

  • 米軍の任務

・米軍は、我々の生き方を守るが、思想の領域も守っている。地形を守っているだけではない。この国防戦略は、すべての領域における努力の指針となるものだ。

・軍事の役割は、平和を維持すること。平和をあと1年、あと1か月、あと1週間、あと1日平和を維持すること。問題解決にあたる外交官に力を背景とした解決を可能にさせ、同盟国に米国に対する信頼感を付与すること。

・この自信は、外交が失敗したとしても、軍が勝利するという確信に裏打ちされている。

  • 脅威認識

・過去に発表した戦略の時代から脅威は変化している。ロシアと中国が出現し、グローバルな移ろいやすさ、不確実性が増大している。

・テロリズムではなく、大国間競争が米国の国家安全保障の焦点だ。

・我々は、修正主義大国である中国とロシアからの増大する脅威に直面している。中国およびロシアは、全体主義的なモデルに一致する世界を作ろうとし、他の諸国の経済的、外交的及び安全保障上の決心に拒否権を行使しようとしている。

・北朝鮮とイランは、ならず者国家であり続けている。イスラム国(ISIS)の物理的な実体はもはや存在しないが、他の過激主義組織が憎悪の種をまいている。

  • 米軍の現状と改善の方向

・米国の軍事力はいまだに強力ではあるが、米国の競争における優越性はすべての作戦領域(空・陸・海・宇宙・サイバー空間)において劣化し続けている。

・16年間のテロとの戦い、急速な技術的変化、国防費の上限枠、絶え間ない決議のために、伸び切った軍隊、資源の欠乏した軍隊になっている。

・米国の軍事力の卓越性は、当然の前提ではない。もしも国家が自らを守るためには、より強力な軍隊を持たなければいけない。

・もっと強力な統合軍を構築すること、古い同盟を強化し、新たな同盟を構築すること。国防省のビジネス慣行を改革すること。

・成功は、新技術を開発した国ではなく、それを統合し、より迅速に戦い方に応用した国に与えられる。

  • 議会への要望

・この国防戦略は、資源が与えられないと意味をなさない。いかなる戦略も、必要な予算、安定し予測可能な予算なくして成立しない。軍隊を近代化しないと、過去には勝てた軍隊も今日の安全保障には不適になる。

・16年間にわたる対テロ戦争において、米軍の即応性を傷つけたのは、予算統制法による予算削減とそれに関係する多くの議会決議だ。

・米軍は、議会が通常やるべきことをやらなかったために、不十分で不完全な資源(人・物・金)にもかかわらず、休むことなく任務を遂行している。

・我々は、自らの命を懸け、自発的に白紙の小切手にサインをする軍人たちに誠実であるべきだ。議会は、予算決定の運転者席に座るべきで、予算制限法による自動的な削減の傍観者の席に座るべきではない。

・我々は予算が必要だし、米軍の卓越性を維持するのであれば、予算の予測可能性が必要だ。

2018国防戦略の概要

  • 国防省の任務

国防省の変わらない任務は、戦争を抑止し、国家の安全を保障するに必要な信頼できる戦闘能力を備えた軍事力を提供することだ。

もし抑止が失敗したとしても、統合軍は勝利する準備ができている。

米国の伝統的な外交ツールを補強しつつ、国防省は、大統領と外交官が「力を背景とした立場」で交渉するために軍事的選択肢を提供する。

今日、我々は、米国の軍事的競争における優位性が劣化していることを認識する時代つまり「戦略的衰退(strategic atrophy)の時代」を生きている。

我々は、長期的なルールに基づく国際秩序の後退が特徴である、グローバルな無秩序に直面している。その無秩序が、安全保障環境を過去に経験した以上により複雑かつ流動的にしている。

テロリズムではなく、大国間の戦略的競争が米国の国家安全保障の主要な懸念になっている。

  • 戦略的環境

・中国

中国は、戦略的競争相手である。

中国は、軍事の近代化、影響作戦、略奪的な経済を使い、近隣諸国を脅し、南シナ海における軍事化を推進している。また、インド太平洋地域の秩序を自分に都合のいいように再編している。

中国は、引き続き経済的、軍事的台頭を続け、挙国一致の長期的戦略においてパワーを強調し、引き続き軍事近代化計画を推進し、近い将来にインド太平洋地域の覇権を追求し、米国を追い出し、将来におけるグローバルな卓越(global preeminence)を獲得しようとしている。

中国やロシアは、システムの内側から、その利益を利用しながら、同時にその諸原則の価値を貶め、国際的な秩序を密かに傷つけている。

米国の国防戦略の最も遠大な目的は、米中両国の軍事関係を透明で、非侵略的な道に導くことである。

・ロシア

ロシアは、NATO(北大西洋条約機構)を害し、欧州と中東の安全保障及び経済の構図を自国に有利になるように変えていこうとして、隣接国の政治的、経済的、外交的、安全保障上の決定を拒否する権力を追求している。

ジョージア、クリミア、東ウクライナにおける民主的プロセスを貶め、転覆するために最新の技術を使うことは大きな懸念であるし、それが核戦力の拡大および近代化と結びつくとその脅威は明らかだ。

・北朝鮮

ならず者国家である北朝鮮やイランは、核兵器の追及やテロリズムを支援することにより地域を不安定にしている。

北朝鮮は、政権の生き残りの保証および核・生物・化学・通常及び非通常兵器を追求することによる影響力の増大に努め、また弾道ミサイル能力の向上により韓国、日本および米国に威嚇的な影響力を及ぼそうとしている。

  • 国防省の目標

・国土を攻撃から守る。 ・統合戦力の軍事的優位性を全世界及び重要な地域において保持する。

・米国の死活的に重要な国益に対する敵の侵害を抑止する。 ・国防省と関係の深い他省庁による米国の影響力および国益を増進する努力を援助する。

・インド太平洋地域、欧州、中東、西半球における地域的な力の均衡を有利に保つ。

・同盟国を軍事的侵略から防護し、脅迫に対してパートナー国を支援し、共通の防衛の責任を公平に担う。

・敵性国家や非国家組織が大量破壊兵器を獲得し、拡散し、使用することを思い止まらせ、予防し、抑止する。

・テロリストが米国本土、米国市民、同盟国、友好国に対して作戦を実施したり、支援したりすることを予防する。

・国際的な公共ドメイン(宇宙、サイバー空間など)をオープンかつ自由にする。 ・継続的に国防省の思考態度、文化、管理システムを変えていく。

・21世紀の国家安全保障上のイノベーション基盤―効果的に国防省の作戦を支持し、安全と財政を付与する基盤―を確立する。

  • 戦略的アプローチ

・戦略的に予測可能ではあるが、作戦的には予測不可能であれ。 ・米国の各省庁の能力を統合して、国力のすべてを活用せよ。

・威嚇や破壊に対抗せよ。 ・競争的な思考態度を涵養せよ。

①より強力な統合軍の建設による即応性の再建 ②新たな友好国との同盟関係の強化 ③より大きなパフォーマンスと適正な費用負担のための国防省ビジネス改革

  • より強力な軍事力を整備する

①戦争準備に優先順位をつけよ。 ②中核となる能力を近代化せよ。

・核戦力

核の三本柱および核の指揮・統制・通信・支援インフラを近代化する。核戦力の近代化は、競争相手の威嚇的な戦略(脅迫のための核戦力の使用または戦略的な非核攻撃)に対抗するための選択肢の開発も含む。

・戦争遂行領域としての宇宙及びサイバー空間

強靭性、再編成、米国の宇宙能力を確実にするための作戦に対する投資を優先する。サイバー防御、強靭性、全スペクトラムの作戦にサイバー能力を継続的に統合することに投資する。

・C4ISR

戦術レベルから戦略計画レベルまでの強靭で残存性が高いネットワークと情報エコシステムの開発を優先する。

・ミサイル防衛

多層のミサイル防衛および戦域ミサイルと北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処する能力に投資を集中する。

・混沌とした環境下における統合致死能力

統合戦力は、機動可能な戦力投射プラットフォームを破壊するために、敵の防空及びミサイル防衛ネットワークの中に存在する多様な目標を打撃することが可能でなければいけない。複雑な地形における近接戦闘致死性を強化する能力が含まれる。

・前方展開戦力の機動及び体制の強靭性

敵の攻撃間における全てのドメインにおいて展開し、生き残り、作戦し、機動し、再生することができる陸・空・海・宇宙戦能力に優先して投資する。

・先進自律システム

国防省は、軍事競争を優先し、自律システム、人工知能、機械学習の軍事への幅広い適用及び迅速な民間のブレークスルー技術の適用のために投資をする。

・強靭で機敏な兵站

前方事前集積物資・弾薬、戦略機動アセット、友好国及び同盟国の支援を優先する。

③革新的な作戦コンセプトを作り上げる。 ④強力で敏捷で強靭な戦力態勢および運用を開発する。 ⑤全構成員の能力を開拓する。

  • 同盟を強化し、新たなパートナー国を引きつける

互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、競争相手やライバルが追随できない長続きする非対称な戦略的利点を提供する。

・相互の尊敬、責任、優先順位、説明責任を支持する。 ・地域的協議メカニズムや共同計画を拡大する。

・インターオペラビリティ(相互運用性)を深化させる。 ・インド太平洋地域の同盟とパートナーシップを拡大する。

・NATOを強化する。 ・中東において持続可能な連合(coalition)を形成する。

・西半球における優位性を維持する。 ・アフリカにおける重大なテロリストの脅威に言及する関係を支持する。

トランプ政権は中国に毅然と対処できるか?

トランプ大統領は、選挙期間中の公約を律儀に一つひとつ実現しようとしてきた。

移民の規制、メキシコとの国境沿いの壁の建設、オバマケアの廃止、税制改革などであるが、1つ全く手をつけていないのが中国に対する通商問題や安全保障面での厳しい対応である。

国防戦略で横暴な中国との対峙を明示したが、本当に強敵である中国と対峙できるか否か、トランプ政権の真価が問われている。

習近平主席の野望は、2013年に中国の国家主席に就任した時に掲げた「偉大なる中華民族の復興」である。

彼は、昨年10月の第19回党大会における演説の中で、20回以上も「強国」という言葉を使い、建国100周年に当たる2049年頃を目途に「総合国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ『社会主義現代化強国』を実現する」と宣言した。

そして、「2035年までに、国防と人民解放軍の近代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民解放軍を世界トップクラスに育成する」と強調した。

彼の野望は、まず米国と肩を並べる大国になること、そして最終的には米国を追い抜き世界一の大国として世界の覇権を握ることである。

彼の野望に待ったをかけるのは米国と日本をはじめとする同盟国や友好国との連帯である。米国が今回発表した国防戦略に則り毅然とした行動をとることを期待する。

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『中国の「反貧困キャンペーン」はどこへ向かうか 「苦い銭」のリアルと「脱貧困」統計への称賛、その狭間で』(1/24日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/21facebook投稿記事<城管追擊 “人民警察愛人民,人民警察保衛人民的財產安全。中國是全世界最安全的國家,中國是一個把人民權益寫進憲法裡的,你們都沒有來過中國,沒有權利對中國說三道四,中國人民最有發言權。”這些話熟不熟悉?感不感動?

“人民警察は人民を愛し、人民警察は人民の財産や安全を守り、中国は世界で最も安全な国であり, 中国は人民の権益を憲法に定めている国家である。あなたたちは中国に来たことがないし、中国につべこべ言う権利はない。中国人民のみ発言権がある。知っていましたか? 感動しましたか?>ウイグル人を暴行する中国官憲です。逮捕状なしかつ冤罪の現行犯逮捕の可能性が高いです。

https://www.facebook.com/groups/235420070250956/permalink/562312607561699/

1/22facebook投稿記事<城管追擊 青岛一个强拆户,对政府的控诉!青島市が1/20夜に1コミュニテイ全棟を強制解体 政府に訴え相変わらずの人権無視。共産主義は私有財産を認めないからです。土建国家でGDPを上げるため造っては壊し、造っては壊しするだけです。その度毎に役人に賄賂が入る訳ですから。

https://www.facebook.com/Jfartptihecas.2.0/videos/2047864372161185/

1/23ダイヤモンドオンライン 谷崎光<中国社会の深い闇、極貧から這い上がったあるエリート社員の死>自殺でなく他殺の可能性を匂わせています。何より筆者の最後の文が「現在、日本では“中国スゲー論”が勃興しているとか。事実、中国のIT関係の発展のすさまじさは、北京に17年暮らす私も認める。しかし、その“中国スゲー”は、さまざまな“中国コエー(怖えー)”に支えられていることをお忘れなく」とありますので。中国に進出している企業、これから進出しようと考えている企業は社員の安全に十分配慮すべきです。行かないのがベストですが。

http://diamond.jp/articles/-/156774?page=6

1/25日経朝刊 春秋「最初は驚き、やがて、怖くなる。最近、中国発のニュースで伝えられる人工知能(AI)やインターネットを駆使した監視システム「天網工程」のことだ。14億人の身分証などを中心としたデータベースと、全国各地の2千万台もの街頭カメラがその根幹をなしている。

▼個人を識別する機能で、信号無視といった違反の取り締まりや犯罪者の摘発に威力を発揮するそうだ。それだけならまだしも、スマートフォンの位置情報や買い物の履歴から、市民の日常もつかめるようになるらしい。北京市の公園のトイレには顔認証でぺーパーが出る仕組みまで導入されたと聞けば、空恐ろしくもなる。

▼雑踏に投網を打つような情報収集は、人々の幸福な暮らしに役立つものなのだろうか。「習近平国家主席の思想を憲法に書き込む方針」といったニュースを合わせて耳にすると、事態は正反対のようだ。政権にたてつく人物や予備軍をマークする目的が見え隠れする。ネットでの検閲対象語「敏感詞」も増加の一途という。

▼人間を労役から解放し、情報格差をなくすはずのAIやネットが、人の自由を縛りつつあるとみえる。歴代の王朝は国内の統治や思想の統制に知恵を絞ったが、今、現れ始めたのは、電脳の宝刀を手にした新たな装いの国のようだ。手法を学ぼうという指導者が出てくるかもしれない。願わくは、世界の標準にならぬよう。」(以上)

日経も中国進出の煽り記事だけでなく、少しは真面な記事も載せるようになったのかどうか。アリバイ作りの可能性もありますが。

福島氏の記事を読んで感じることは、習近平が貧困の撲滅を唱えるのであれば「軍拡」と「賄賂」を止めて、貧困家庭に金が行き渡る工夫をしなければ。農民に学を求めても無理で、工場労働者にはなかなかなれないでしょう。土地をただ同然で強制収用すれば明日からの生活に困窮することになります。共産党幹部がその上に建物を建てれば賄賂が入り、GDPが上がるので出世も叶うことになります。縮軍は益々習の暗殺の可能性を増やし、反腐敗を推し進めていけば役人のサボタージュに合い、バブルが弾ければ革命が起きる公算が高くなります。安倍首相はそれでも「一帯一路」に協力するのでしょうか?敵が自壊するのに手を差し伸べるのは愚かなことです。平昌オリンピック出席同様。

1/25宮崎正弘氏メルマガ<トランプ、「グローバリズムの巣窟」=ダボス会議に乗り込む>の中に書評として「ジェイソン・モーガン『日本国憲法は日本人の恥である』(悟空出版)」が載っています。小生は麗澤大学の聴講生としてモーガン先生の授業”international relationships overviews”(英語)を取ってきましたが、本日で終了です。翌年度も取る予定ですが。なお、「幼少の頃より、親の押しつけるカソリックの価値観に馴染めなかったという出発があるのだが」というのは事実と違うようです。

http://melma.com/backnumber_45206_6637791/

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第73回ヴェネチア映画祭で王兵監督の「苦い銭」はヒューマンライツ賞と脚本賞を同時受賞した(写真:Shutterstock/アフロ)

2月3日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムなどで全国ロードショーが始まる王兵監督のドキュメンタリー映画「苦い銭」のサンプルDVDを先日見た。これは貧困農村から地方都市に出稼ぎにでてきた農民たちの「働けど働けど楽にならざりけり」という厳しい現実に密着取材したフィルムだが、その登場人物たちの言葉や表情が非常にドラマチックだとして、ヴェネチア映画祭ではドキュメンタリー映画としては異例な脚本賞をヒューマンライツ賞と同時に受賞した。改革開放40年目を迎え、世帯資産増加スピードが世界二位とも言われる中国の「貧困」のリアルを突きつける秀作だと思うので、機会があれば、ぜひみてほしい。

この映画がことのほか、私にとって印象深かったのは、ちょうど習近平政権二期目の政策の柱の一つとして“反貧困”が掲げられており、大晦日の習近平の祝辞の中でも「2020年までに農村の貧困人口の脱貧困を実現する。一諾千金」と強い調子で宣言していたことが頭に残っていたからだった。

習近平政権は、長期独裁政権を実現するために国防・軍事に軸足を置いているが、本当のところ最大の鍵は「経済」であろう。それは単純にGDPを増やすという事ではなく、中国の根深い貧困を撲滅することができるかどうか、という点にかかっている。仮に、GDP成長率が多少鈍化しても、大衆の中にある貧富の差に対する不満や、まだ各地に残る絶対的貧困を解消することができれば、大衆の政権に対する支持は高まり、共産党体制の正統性は留保されることだろう。

だが、もし、習近平政権になってさらに人々の暮らしが悪化し、貧困を切実に感じるようになれば、どれほどスローガンで「中華異民族の偉大なる復興」を掲げても、習近平政権の求心力は失われ、その足元から揺らいでいくだろう。今回は、中国の「貧困」の現実について考察したい。習近平の宣言どおり貧困は撲滅できるのか。

「大晦日の大号令」で全国的キャンペーン

2017年12月31日、中国国家主席として習近平は新年の祝賀メッセージを発表した。そこで、彼は次のように語った。

「2020年までに我が国の規定する水準以下の農村貧困人口を貧困から脱出させることを厳粛に約束する。一諾千金である。2020年までわずか3年しかないが、全社会で行動を開始し、全力で戦い、緻密に政策を行い、新たな勝利を勝ち取り続けるのだ。3年後に脱貧困を勝ち取れば、これは中華民族数千年の歴史の中で初めて完全に貧困現象が根絶されるということであり、我々がともに中華民族、いや全人類にとって重大な意義のある偉業を完遂したということである」…

これを受けて、中国全土で新年早々から具体的な貧困撲滅目標や計画が次々と打ち出されている。例えば遼寧省は、2017年に25.3万人の貧困人口の脱貧困を実現し、566の貧困農村および4つの貧困県の貧困問題を解決したので、2018年はさらに15万人の貧困人口を貧困から脱出させ、500の貧困農村と6つの貧困県から“貧困”の二文字をとると、表明した。また江西省は2018年には269の貧困農村で道路建設を重点的に行い、年末までには貧困村の孤立を無くし、脱貧困および郷村振興のために省として援助を行う、としている。このように習近平の“大号令”によって、各省、自治区では貧困対策を打ち出し、全国的に「反貧困キャンペーン」が展開されつつあるのだ。

この背景には今年が改革開放40周年という節目であること、2020年までに所得倍増を掲げた「二つの百年」計画の一つ、建党100年目の2021年までに「小康社会を実現する」という政権としての約束のリミットまで期限が迫っているということ、がある。2020年までに「脱貧困」を実現しなければ二つの百年計画の一つが失敗に終わった、ということになってしまい、習近平としてはメンツがつぶれることになる。

工場のオーナーになっても

では現状はどうなのか。王兵のドキュメンタリー映画をみれば、少なくとも、農村の貧困は今なお深刻であるばかりか、都市部の新たな貧困問題が、一層人々の社会に対する不満と絶望を生んでいることに気づかされるだろう。

「苦い銭」は、雲南や安徽など貧困省から浙江省湖州という、子供服の生産拠点と知られる地方都市に出稼ぎに出てきている労働者たちの姿を追ったドキュメンタリー。撮影時期は2014~16年であり、ほとんど今現在起きている話だ。

出稼ぎ労働者たちは、それぞれの事情でこの町に出稼ぎにきた。中には子供を故郷において夫婦で出稼ぎに出ている者もいる。農村に残された子供に会いに行きたくともお金がなくて帰れない。夫婦はいつも金の問題で激しい夫婦喧嘩を繰り返している。縫製工場では厳しい納品ノルマに追われる労働者たちが深夜11時までミシンを踏み続けるが、それでも得られる金は知れている。一日の稼ぎが70元(約1200円)しかノルマをこなせない男はクビになり、1日に150元(約2500円)稼げる人間を羨みつつ自分を卑下する。

では人からうらやまれる1日150元稼げる労働者は生活に余裕を持てるレベルだろうか。一カ月30日間、休みなく働いても10万円にも満たない給料ではないか。

アイロンがけの重労働が時給16元。工場長は最低でも12元はかかる一枚の子供服の製造費を9元でやれ、と迫られる。その値段で利益がでるわけがないが、渋れば他の工場に仕事の発注を奪われる。工場オーナーになっても決して経済の勝ち組には入れない。

いや、この地方都市の経済に従事しているほとんどの人たちが誰も勝ち組ではない。世界の子供服の大半がメードインチャイナである背後に、「苦い銭」に一喜一憂する中国の労働者の貧困、中国経済の限界が浮かび上がっている。こうした風景は私自身、地方都市を歩き回る中で目撃した姿であり、誇張でも過剰表現でもない。

もちろん、ドキュメンタリーに登場する労働者たちはみなスマートフォンを持ち、身ぎれいで、一見、そこそこ、暮らしに余裕があるように見えるかもしれない。わずか60年前には飢餓で数千万単位で人が死に、人肉にも手を出すこともあったほど壮絶な貧困があったことを思えば、中国はすでにある程度の「小康社会」を実現した、と言うこともできるかもしれない。

だが、この映画から見て取れるのは、飢餓で生存が危ぶまれるような農村の絶対的な貧困問題とはまた違った次元で、都市の出稼ぎ者が味わう人としての尊厳が傷つけられるような貧困もまた、絶望を深くし、そうした相対的貧困はむしろ中国経済・市場の拡大とともに深まっているということだ。皆がスマートフォンを持つ時代に、スマートフォンを持たないことは耐えがたい貧困だ。皆が飢餓に苦しんでいた時代に、わずかながらの食糧を手に入れられれば、それは至福をもたらすこともある。

農民VS都市民から地方居民VS大都市民へ

中国における現在の貧困人口定義は、2016年に定められた中国貧困標準ライン(年収3000元)以下をさすが、2017年6月当時の報道を参考にするとおよそ4335万人いるという。年初の国務院新聞弁公室の記者会見によれば、2012年から2017年の5年間で6600万人を貧困から脱出させ、その数字はおよそ貧困人口全体の三分の二にあたるとしているので、1億人いた貧困人口が今は3000万~4000万人にまで減っているということになる。

統計上の貧困人口激減は農村人口の急減とセットになっているといえる。中国の実質農村人口は2011年末の段階で史上初めて都市人口を下回り、2018年1月の国家統計局の発表では5.7億人にまで減っている。ただし、これは農村戸籍を持ったまま都市居住している人口も都市人口に含めたものである。いわゆる流動人口は2.4億人いるので8億人前後が農村戸籍かそれに類する居民戸籍ということだ。

いわゆる中国の二元社会構造・搾取構造の元凶といわれている農村戸籍・都市戸籍を区別した1958年以来の戸籍制度は農村の都市化にともなう農村戸籍者の都市戸籍への転籍や、2014年以降に一部都市で導入された都市出稼ぎ者への居住証(グリーンカード=地元都市民と同等の待遇を保証する)制度、また統一居民戸籍導入を求めるように国務院としての意見が発表されたことを受けて一部省・市・県で統一戸籍導入が段階的に始まったことなどから、その区別、対立は以前よりは緩和されたように見えている。農村戸籍者数自体は確実に減っている。

だが、農村戸籍がたとえ居民戸籍に統一されても、流動人口2.4億人の暮らしが安定するというわけではない。農村戸籍者だけでなく地方居民戸籍者の移動の自由にも大きな制限があり、農民VS都市民ではなく、地方居民VS大都市民のような形で対立の形が変わるだけだ。その証左が、北京市人口抑制政策として地方からの出稼ぎ者を「低端人口」として強制退去させる当局のやり方に表れているといえるだろう。

貧困標準線以下の人口ゼロを実現するために、たとえば貧困村の村民全員を都市部に移住させたとしても、実のところ、彼らの暮らしが豊かになったといえるかは、微妙であろう。物価の高い都市部での地方居民、出稼ぎ農民が増えれば、今定められている貧困標準線は事実上もっと上に設定されなければならない。数字がゼロになったかどうかでは、貧困が撲滅されたと簡単には言えないだろう。

偉業と讃えられるデータの陰で

クレディ・スイスが2017年11月に発表した2017年度版グローバル・ウェルス・リポートによれば、中国の世帯資産額の伸びが前年比6.3%で米国に次ぐ世界二位。2000年から計算すると世帯資産増加はこの17年で6倍という。同リポートは資産(不動産、車を含む)1万~10万ドルを中産階級と定義しているが中国の中産階級は2017年段階で世界11億人の中産階級人口の実に35%、およそ3.85億人。さらに所有資産100万ドル以上の富裕層もすでに200万人で世界の富裕層の5%を占める。

こういうデータをもって、中国が経済発展した、中国は豊かになったという人がいるのは不思議ではない。日本の4倍にあたる巨大市場こそ、世界経済のけん引力であると期待する声も当然あるだろう。だが、同時に気づいてほしいのは、中国の世帯資産急増の原動力は、実は不動産(土地)の高騰であり、その不動産高騰の背後には農地を奪われた失地農民(もちろん、潤沢な保証金をもらった農民がいなかったとは言えないが)と、土地を失って都市に出稼ぎに出ざるを得ない流動人口が存在する。そして、その出稼ぎ者たちが超低価格で都市インフラ・サービスを底辺で支えるからこそ、中国4億人の中産階級は、さまざまな圧力に押しつぶされそうになりながらも、なんとか中産階級らしいややゆとりある暮らしを享受できる。

だが、実はそのバランスは非常にあやうい。バブル崩壊、金融のシステミックリスクで根こそぎ崩れる可能性もある。その一方で、留守児童問題に象徴されるように、農村社会は事実上の崩壊の危機に直面している。単純に貧困人口が統計上減少した、中産階級が増加した、ということをポジティブに受け取めきれない、中国社会構造のいびつさがそこに垣間見えている。経済成長が農村の伝統的な貧困を破壊する代わりに、都市部の新たな貧困と搾取構造を生んでいる。

中国の貧困を2020年までに根絶するという目標については、昨年から米クリスチャンサイエンスモニター紙はじめ欧米メディアが好意的に報じ、中国から本当に貧困がなくなるかも、という楽観的な見方をする学者もいる。世界銀行も中国のこれまでの8億人に上る脱貧困を偉業だとして讃えている。絶対的貧困が中国からなくなる、ということ自体を批判するつもりは私にも毛頭ない。

ヒリヒリするような不安の中で

だが、私はここにきて「貧困撲滅」のスローガンが繰り返されることに、むしろ不穏なものを感じる。2020年の所得倍増を達成するために出したGDP目標を実現するために、必要のない都市開発や鉄道インフラに資金を投じ経済統計数字を引き上げた結果、農村にゴーストタウンや赤字を垂れ流す高速鉄道網が建設され、農村社会を崩壊寸前に追い込んだ。

こうしたメンツを重視して目標を設定して、それに向かって指導者が大号令をかけて邁進するやり方は、かつての大躍進のときと同じく、そのやり方が誤っていても誰もブレーキを掛けられない。共産党の徹底したヒエラルキー構造のなかでは、現場が上部組織に問題を提起したり、大衆の不満を政府機関がくみ上げて政策に反映させる器用さがない。年末に北京を揺るがした「低端人口強制排除」問題と同様、手段を択ばない貧困撲滅運動はむしろ、深刻な人権問題を引き起こしたり、搾取するものと搾取されるものの対立を先鋭化させたりするのではないか。それは実際に年末に中国の北京や地方都市を訪れたときに、そこで出会う人々の不満やヒリヒリするような不安を体感した私の直感にすぎないのだが。

本当の「貧困を脱した」と「小康社会」と言える状況は、おそらく、どのような貧困な状況にあっても希望が持てる社会のことを言うのではないか。たとえ、何かの理由で働けなくとも、最低限の生活保障と教育の機会を奪われない。人としての尊厳を踏みにじられない社会。実はそれはトップ指導者の大号令に従うだけでは叶えられない、社会全体のもっと有機的な作用が必要なのだと思う。今の習近平政権のやり方では、それが叶えられるとは私には思えない。

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『日本に決定的に欠けている宣伝工作の絶大な効力 慰安婦像が世界に及ぼす力を侮るな』(1/22JBプレス 横山恭三)について

1/22ダイヤモンドオンライン<「韓国よ、日本人は怒っている」元駐韓大使が日韓合意反故を嘆く

武藤正敏:元・在韓国特命全権大使>「文政権は、こうした日韓合意について、「秘密合意があった」と言うが、「最終的不可逆的なものにする」という項目を、そもそも韓国側が言い出した、という点は秘密であったろう。

その他、韓国側が秘密合意と主張する、(1)「挺対協」への説得を要求、(2)第3国での慰安婦像などの設置をしないことを要求、(3)「性奴隷」という表現を用いないことを要求、というのはいずれも韓国側が、「困るから秘密にしてほしい」といったことであろう。国内的に、前政権を批判したいがために、日本側に合意の不当性を提起するのはさらさらおかしい話だ。」

「ただ、日本側が対応しないとなると、また挺対協を中心に米国で日本批判をするであろう。「日本に圧力をかけるために米国を味方にする」というのがこれまでの韓国である。

となると日本としては、挺対協が慰安婦支援団体でなく、過激思想に取り込まれ、北朝鮮寄りの活動をする政治団体(幹部の夫や妹で北朝鮮と繋がりのある人もいる)であることを、米国でもっと発信していくこと必要があるだろう。米国の少女像撤去を求めても、米国では支持は得にくいであろうが、挺対協がいかに日韓関係をむしばんできたかと発信すれば理解を得やすいであろう。

日本はもっとうまく立ち回っていく必要がある。」(以上)

http://diamond.jp/articles/-/156556?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

文在寅は北の手先であることは間違いない所なので、日本の主張を認めることはないでしょう。というか韓国は反日を国是としているので誰が大統領になっても同じです。保守派と言われた李明博や朴槿恵もガリガリの反日だったでしょう。それでいて安倍首相がのこのこと平昌オリンピックに出席するのは、韓国に「日本は屈した」と誤ったメッセージを送ることになります。いくら米国の頼みであっても断るべきです。元々の慰安婦合意も米国の仲介で結ばれた経緯があります。保守派は反対であったにも拘らず。米国こそが、慰安婦問題の仲介人の顔を潰されたとして韓国に圧力をかけるべきでは。ヤクザの手打ちでもそうするでしょう。安倍首相は米国にもっと強く言うべきです。文大統領との会談後、慰安婦は単なる売春婦だった事実、朝日新聞が吉田清治を使ってでっち上げした事実を世界に向けて発信するのであれば、出席も良いと思いますが、安倍首相の胆力では無理でしょう。憲法改正で公明党の協力を得やすくする狙いがあるのかもしれませんが、昨年の大使召還を無にする行為です。米国からも韓国からも舐められるだけ。もっと毅然として韓国から断交に踏みからせた方が良いのに。もう韓国には反共の砦の意味はなく、反日だけの国なので。

1/24産経ニュース<安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦の日韓合意を終わったことにさせない」>

http://www.sankei.com/politics/news/180124/plt1801240005-n1.html

横山氏と武藤氏の記事はプロパガンダを打ち破る大切さを説いています。宣伝工作ではなく、事実に基づいた政治工作であれば、カウンター・プロパガンダだけでなく、日本ももっと積極的に使って行った方が良いと思います。特に役人、中でも外務省は。「良いものを作れば売れる」という発想で事業を起こしても失敗するのと同じ。キチンと消費者に伝えるために宣伝しなければ誰も買ってくれません。国際関係でも同じで、「良いことをしていれば皆分かってくれる」と言うのでは、嘘を交えたプロパガンダに対抗できません。

民間での事実に基づいた政治工作は資金力や動員力でなかなか思うに任せません。が、少しずつ日本の名誉や日本人の安全・安心を担う組織が育ってきております。名誉や安全・安心に無関心で無自覚な左翼プロパガンダに洗脳させられている人はまだまだ沢山います。ネットの発達で若い人は騙されませんが、新聞・TVの旧メデイアでしか情報が取れない人はそのままの状態です。日本のメデイアは中共と言う外国の手先となってプロパガンダしているだけです。それに気づかなければ中国の日本侵略を許すという事に気付きませんと。横山氏の記事の中にありますように中国は三戦を仕掛けている訳ですから。武力を用いるよりこちらの闘いの方が中国は昔から得意です。

1/24ロイター<米政権、洗濯機と太陽パネルのセーフガード発動 アジア・欧州で反発高まる>

https://jp.reuters.com/article/trump-signs-safeguard-measures-idJPKBN1FC2XZ

1/23宮家邦彦<米、南シナ海「航行の自由作戦」>

http://japan-indepth.jp/?p=38171

ロイター記事では「韓国の梨花女子大学校の国際通商法専門家、Choi Won-mog氏は「トランプ政権では安全保障と通商は一体化している」と指摘。」とありますが、当然でしょう。中国は米国への貿易輸出で稼いだ金を軍拡に使っている訳ですから。軍拡させないためには米国が輸入できないようにし、米国で生産できなければ他国から輸入すれば良いでしょう。韓国の生産品の輸入ストップは、韓国政府の米国への裏切りに対する見せしめでしょう。

宮家氏の記事は、オバマ時代の「航行の自由作戦」は腰が引けていましたが、トランプに替わってやっと中国が領有権を主張するスカボロー礁の12海里内を、航行させたと言うもの。

やはりトランプに替わって良かったというべき。日米ともメデイアはトランプたたきに余念がありませんが。人民を監視して弾圧する中共を、Pax Sinicaにさせるのに手を貸している自覚がないのか、金かハニーで転んだのかです。いずれにせよ、彼らの言うことは信じない方が良いでしょう。

記事

韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像(2017年1月2日撮影)。(c)AFP/YONHAP〔AFPBB News

昨年末、米サンフランシスコ市が、民間団体が設置した慰安婦像を正式に受け入れたのに続いて、フィリピンのマニラでも慰安婦を象徴する像が建てられた。

これらの事象に対して現地総領事のロビー活動の不足や政府の対応の遅さを指摘する新聞論調が見られた。

国際社会では国益の対立を背景としてプロパガンダ戦が目に見える形あるいは目に見えない形でし烈に繰り返されている。

眼に見える形で行われているものとしては、上記の米国などでの慰安婦像・碑の建立、朝鮮半島の軍事境界線付近で行われている拡声器による宣伝放送、外国の刊行物への意見広告の掲載、自らの利益を守るための政策決定者への働きかけ(ロビー活動)などがある。

眼に見えないものには、その行為の後に暴露・周知されたものとして湾岸戦争時に世界の耳目を集めた「油にまみれた水鳥の映像」や「ナイラ証言」などがある。

プロパガンダとは、「直接または間接に発信者を利するために、受信者(個人・集団)の考え方や感情、態度、行動などに影響を与えることを目的とした情報発信である」と定義できる。

プロパガンダは、政府や企業、個人によっても実行される。通常は意図的に実行されるが、時には無意識で実行された行為が思わぬ人々に大きな影響を及ぼすことがある。本稿は各国の政府機関の実施するプロパガンダに焦点を当てている。

1 政治手段としてのプロパガンダ

国家間の国益は往々にして対立する。対立は時として闘争になる。闘争の本質は自らの意志を相手に強要することである。

闘争の結果は、政権の命運のみならず国家の命運を左右するに至ることすらある。このため諸外国は合法・非合法を問わずあらゆる手段を公然あるいは隠密に使って自らに有利な立場を作ろうとするのである。

これらの手段の1つがプロパガンダである。プロパガンダは対外政策の遂行を表面あるいは裏面から助けるために実行される。

ゆえに、表面の対外政策とプロパガンダが連携・統合されて実行された時に大きな成果を生み出す。ところが、日本ではプロパガンダが忘れ去られて久しい。

プロパガンダは宣伝と翻訳される。しかし、日本語の宣伝には広報や広告といった意味が含まれるため、プロパガンダという意味が薄れてしまう。

さらに。プロパガンダが「ナチのプロパガンダ」を想起させるなどのマイナスのイメージがあるため宣伝の代わり広報が広く使用されている。

例えば、外務省は「宣伝外交」でなく「広報外交」を標榜している。日本は言霊の国である。

宣伝の代わりに広報を使用しているといつの間にか「相手に影響を与え、我の意図した方向に誘導する」という宣伝の本旨が忘れられ、「日本への関心を高め、理解と信頼・親近感を深めてもらうことが不可欠である(出典:外務省HP広報文化外交)」という広報のレベルで満足してしまう恐れがある。

これは外務省に限らず全政府機関に共通することである。本稿では広報などと区別するために、プロパガンダに「宣伝工作」という用語を当てる。

宣伝工作は、国内宣伝工作と国外宣伝工作に分類されるが、本稿では国外宣伝工作に焦点を当てている。

2 宣伝工作と事例

宣伝工作は、目的や内容、実施要領(公然・隠密など)、実施機関などによりいくつかに分類される。

主要なものには、我の士気を昂揚させ、敵の士気を阻喪させるための戦時宣伝工作、意見が対立する政治的・経済的・社会的問題をめぐって、世論を我に有利な方向に操作しようとする政治宣伝工作、消費者に対する購買心をそそるための商業宣伝工作がある。

政治家に直接働きかけるロビー活動は政治宣伝工作に含まれる。以上は一般宣伝工作と呼ばれる。これに対し謀略宣伝工作と呼ばれるものが存在する。

謀略宣伝工作とは積極的かつ悪意のある作為的な宣伝行為である。通常一般宣伝工作は秘密裏に行うことが困難であるが、謀略宣伝工作は実施の企図、手段、発信者の存在の全部若しくは一部を秘匿して行われる。

このため謀略宣伝工作の成果は時に絶大である。その実例が「ナイラの証言」である。

その少女は「クウェートに侵入したイラク兵達が、保育器に入った未熟児を投げ出して殺すのをこの目で見た」と、涙ながらにTVで訴えた。

それまで多くが戦争反対であった米国民の8割が、そのTV放送の後、戦争に賛成したのである。のちに、この証言がクウェート政府に雇われた広告会社の捏造であったことが明らかになっている。

諸外国の謀略宣伝工作は、いわゆる諜報機関(スパイ機関)によって実行されている。ところが日本には諜報活動を実施する根拠法律が制定されておらずかつ専門機関が設置されていないことからこのような活動は行われていない。

ちなみに、諸外国が保有するような諜報機関の設置について、かつて外務省の「対外情報機能強化に関する懇談会」が「特殊な対外情報収集活動を行う固有の機関の設置は、政府全体として取り組んでいくべき今後の重要な検討課題である」とする提言を行っている。

この提言に関する議論は全く進んでいない。次に、日本に関係した歴史的な宣伝工作の事例をいくつか紹介する。

(1)満州事変における日中宣伝工作戦

満州事変は、第1次世界大戦後において、日本が世界諸国に対し、その行動の説明を求められる、すなわち宣伝工作の必要に迫られた初めてのケースであった。

柳条湖事件発生後、日中両国は、それぞれ宣伝工作を開始したが、機先を制したのは国民政府であった。国民政府は、国際連盟理事会や総会を自国に有利な国際世論を醸成する場として活用した。

一方、日本は関東軍の独走という突発した事態に際し、連盟事務局をはじめとして日本の在外公館では、情報不足のため宣伝工作が展開できない状況にあった。そのため、日本は早い段階で、諸外国に対し、自国の立場を説明することができなかった。

その結果、国際連盟臨時総会で日本に満州国承認を撤回するように求める勧告案が採択され、この採択を受け松岡全権は総会の場から去りに至り、日本政府は国際連盟から脱退し、国際社会から孤立するのである。

満州事変における日本の宣伝工作は「政治宣伝工作などでなく広報もしくは啓蒙」であったという指摘がなされている。さる研究者は、当時の日本の外交当局者には「宣伝工作の概念自体が致命的に欠落した」と批判している。

その背景には、宣伝工作と言う姑息な手段でなく、日頃から培われた国際的信用が大事であるという外交官の自負があったことも指摘されている。

(2)国民政府の戦時宣伝工作

南京陥落前の1937年11月、国民党は中央宣伝部を設立し、その下部機構に対外宣伝を目的にする「国際宣伝処」 を設置した。

国際宣伝処は、国民党政府の日本に対する「対敵宣伝工作」の一環として、南京事件を世界に告発する書籍を、中国の宣伝工作であることを隠蔽するために外国人に金を提供し出版させたり、日本軍の無差別爆撃をイメージさせる捏造写真を外国通信社を通じて世界に配信させたりした。

この書籍とは、英マンチェスター・ガーディアン紙記者ティンパーリーによる『戦争とは何か』(1938年7月出版)である。この書籍は当時英米だけで12万冊出版され、日本軍の残虐行為を知らしめ、戦後の戦犯裁判では検察側の主要な証拠として採用された。

同書籍は、中国による南京大虐殺の政治宣伝工作の原点とされている。また、ティンパーリーは「南京事件」の当時、国際宣伝処の「顧問」を務めていたことがすでに明らかになっている。

この捏造写真とは米国の写真週刊誌『LIFE』1937年10月4日号に掲載された、日本軍の無差別爆撃後の上海南駅で一人泣き叫ぶ赤ん坊の写真、いわゆ「上海ベイビー」と呼ばれるものである。

国民政府は対外的な情報発信に外国通信社を介在させ情報の中立性を偽装していた。欧米の世論はこの写真を契機に日本に反感を持つようになったとされる。

今日では、「上海ベイビー」が国民政府の対外宣伝工作戦略を背景として撮影されていた事実が指摘されている。

(3)レフチェンコ事件

1975年2月、ソ連国家保安委員会(KGB)の少佐であったレフチェンコはソ連誌ノーボェ・ブレーミヤの東京特派員に偽装しKGB東京駐在部に赴任した。

同少佐はジャーナリストなどと接触し、日本の政財界や官僚、ジャーナリストなどの人物を情報提供者としたスパイ網を構築した。

同少佐は、1979年10月、米国へ亡命し、1982年7月に米下院情報特別委員会の秘密聴聞会で東京での工作活動を暴露した。

その公聴会において同少佐が、ソ連に有利な政治状況を作るために「周恩来の遺書」を捏造し、産経新聞編集局長・山根卓二氏に工作して紙面に掲載させることに成功したとの証言を行った。

(1976年1月の周恩来中国首相の死亡後に産経新聞が同月23日付朝刊「今日のレポート」欄に、ある筋からの情報として周首相の遺書とされる文書を掲載した)

レフチェンコ証言は国会でも取り上げられる事態となり、当時の警察庁警備局長が「その信憑性は全体として高い」と答弁している。

3 日本が取るべき対応

21世紀に入り、米国の国際的な影響力の低下と、これと対照的に、中国の力の増大により世界のパワーバランスは急激に変化している。

このような状況下において、日本を取り巻く安全保障環境は中国の海洋進出、北朝鮮による核・ミサイルの開発など一層厳しさを増している。また、日中・日韓の歴史認識をめぐってしばしば激しい対立が繰り返されている。

さる安全保障の専門家は、現状は、第1次大戦前夜に似ていると見なしている。今まさに対外政策を円滑かつ効果的に進めるための宣伝工作の重要性がこれまで以上に増していると考える。

以下、各政府機関が宣伝工作を実施する際に着意すべき事項について簡単に述べる。

  • 宣伝の本旨を正しく理解し、積極的な情報発信を行う

「相手に影響を与え、我の意図した方向に誘導する」という宣伝の本旨を正しく理解して、宣伝工作にあたることが肝要である。参考になるのが中国の三戦である。

中国は2003年、軍事や戦争に関して、物理的手段のみならず、非物理的手段も重視するとして、「中国人民解放軍政治工作条例」を改正し、「輿論戦」、「心理戦」および「法律戦」の展開を政治宣伝工作に追加した。

なお、同条例は共産党の政治経済を統括する中央委員会で採択されたことから、単に軍のみではなく、国家を挙げて三戦を遂行することが決定されたものと見られる。三戦の主旨は次の通りである(出典:平成21年版防衛白書)。

・「輿論戦」は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とするもの。

・「心理戦」は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとするもの。

・「法律戦」は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するもの。

  • 国連における宣伝工作を重視する

現在の国連の集団安全保障体制下においての対立・闘争の解決手段には、交渉・仲介・調停などの平和的手段、武器禁輸・渡航禁止・経済制裁・金融制裁・外交関係の断絶などの非軍事的措置および海上封鎖・武力行使などの軍事的措置がある。

ただし、手段の選択について安保理が絶大な権限を有している。

安保理の常任理事国でない日本の対立・闘争解決手段の選択への影響力は限定的である。そこで重要なのが国際世論、なかんずく常任理事国の世論である。

加えて米国ほどの強大国であれば国連総会での自国への非難決議を無視することができるが、たとえ加盟国政府に対する法的拘束力のない決議であっても、日本がそれを無視することは非常に困難である。

かつて松岡全権が演じた国際連盟からの名誉の脱退劇を決して再現してはいけない。それゆえ、日本の対外政策を推進する上で国際世論の動向は極めて重要なものとなっている。

  • 米国における宣伝工作、なかんずくロビー活動を重視する

米国第一主義を掲げるドナルド・トランプ政権の対外政策は「予測不能」である。しかし、日本の唯一の同盟国である米国における世論は、国の対外政策の策定・遂行に大きな影響を持っている。

上記「ナイラの証言」で見たように米国の政治家・国民はマスメディアの影響を受けやすい。いくら強気のトランプ大統領であっても、国民が選挙権を有する米国においては世論の動向を無視できない。

事実、トランプ大統領は世論調査の数字に敏感であり、「否定的な調査結果」を「フェイクニュース」だとして感情的に攻撃している。

米国においてメディアを通じて情報発信することは必要不可欠であるが、それ以上に重要なのは政治家に直接働きかけるロビー活動である。

日本では、ロビー活動に対してネガティブなイメージを抱いている人が多いが、米国ではロビイング開示法(Lobbying Disclosure Act)という法律に基づきロビー活動が大々的に展開されている。

日本にとって不利な世論を形成されてしまうのは、中国や韓国のロビー活動によるものであることをしっかり認識すべきである。

  • 宣伝工作専門機関を設置し、専門要員を育成する

宣伝工作専門機関を設置して専門要員を育成することが喫緊の課題である。効果的な宣伝工作を実施するためには、第1に相手を知ること、第2に効果的な情報発信をすることが必須である。

相手をよく理解するためには、継続的、組織的な情報収集(その大部分は公然の情報収集)と相手国の歴史、地理、経済、政治、言語、文学、文化に関する健全な知識と造詣がなければならない。すなわち、優れた要員を育成するには相当な時間が必要となる。

専門機関が、国外に向けた政治宣伝工作としての情報発信を一元的に行うことは当然として、さらに諸外国が日本に対して仕掛けてくる政治宣伝工作や謀略宣伝工作を看破・打破することが求められる。

企図や存在などを秘匿して実行される政治宣伝工作や謀略宣伝工作を看破・打破するためには、まず、その存在の看破が第1であり、次にその内容の把握が必要である。

例えば、反日的な団体の存在を事前に察知し、その団体がどのような宣伝行為(慰安婦像の設置や新聞への反日広告の掲載)をしようとしているかを事前に把握することである。

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猫魔温泉について

1月21(日)~23(火)まで福島県の猫魔温泉に行ってきました。

ホテル正面、雪がかなり積もっています。

ホテルから見た檜原湖、真っ白でした。

21日に途中(那須高原SA)で陸自の車隊と会いました。スキーの訓練でしたのでしょうか?

草津の陸自の隊員が訓練中に亡くなられたのは残念です。哀悼の意を捧げたく。

『「トランプ批判」こそ真の「親米」だ 世界を混乱に巻き込んだ1年』(1/19日経ビジネスオンライン 岡部直明)、『トランプ政権1年、政治コンサルがつけた通信簿 「内政は及第点、でも外交は…」。ユーラシアグループの評価は?』(1/22日経ビジネスオンライン ジェフリー・ライト ジョシュア・ウォーカー)、『トランプ政権のアジア担当要職に反中のベテラン シュライバー氏の起用でトランプ政権は共和党保守本流路線へ』(1/21JBプレス 古森義久)について

岡部氏の記事はリベラルの代表のような記事です。何故欧米で「国民第一主義」が起きているのか分からないから選挙の予想をはずすのです。“shithole countries”も1/19本ブログで紹介しました堀田佳男氏によれば、誤訳していて「肥溜め」ではなく「汚い」と訳すべきとありました。況してやトランプが本当に言ったのかどうか真偽の程は分かりません。民主党の人間が「言った」と言っているだけです。ロシアゲートと同じく民主党がでっち上げている可能性もあります。

「地球の敵」はトランプのアメリカではなく、人民監視を強化する中国ではないですか。見方がおかしいとしか言いようがありません。1/22宮崎正弘氏メルマガ<「中国のビッグデータは国民を見張っている」と「デジタル・レーニン主義」の名付け親  「もはや中国の監視態勢は『オーエルの世界』を超えた」>とありました。リベラルと言うのはピンクで左翼の隠れ蓑になっています。日経は中国進出を煽っていますから身過ぎ世過ぎの為には中国に反対の論陣は晴れないのでしょうけど、不甲斐ないとしか言いようがありません。

http://melma.com/backnumber_45206_6636627/

ユーラシアグループの記事も自由の真の敵が中国と言う大局から眺めていませんのでコメントが皮相的です。まあ、岡部氏のコメントよりはましですが。

古森氏記事こそ多くの日本人に読んでほしい記事です。日本のメデイアは偏っていて中国に都合の悪い記事は発信しません。日中記者交換協定とかのせいがあるのかもしれませんが、朝日なぞは自ら中共の手先となって、慰安婦やら南京等を事件として捏造してきました。罪深い新聞ですが、何の疑問も持たずに未だ購読している人が一番悪いのです。自覚なく中共の日本侵略を許しているというのに気付いていませんので。

岡部記事

トランプ米大統領は、ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱。米国の分断を一層深めた (写真:AFP/アフロ)

ドナルド・トランプ米大統領は最初の1年で、ただでさえ不安定な「主役なき世界」をさらなる混乱に巻き込んだ。その排外主義は欧州に台頭した極右ポピュリズム(大衆迎合主義)と見まがうほどだ。環太平経済連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど保護主義・2国間主義を打ち出し、パリ協定からの離脱で「地球の敵」になった。エルサレム首都宣言やイランの核合意批判で、中東危機をあおっている。反イスラムの姿勢は「文明の衝突」を招く危険がある。英国やカナダという最友好国からも批判される有り様だ。そのトランプ大統領に100%の信を置くのは間違いだ。「トランプ批判」こそ真の「親米」なのである。

極右ポピュリズムに通じる排外主義

「米国第一主義」(アメリカ・ファースト)という名のトランプ流排外主義は、欧州に台頭する極右ポピュリズムと通じるものがある。極右のスティーブ・バノン氏は政権を去ったが、大統領本人が排外主義を身をもって実践している。トランプ大統領は欧州の極右ポピュリストと同列視されることを警戒するが、フランス国民戦線のルペン党首やオランダ自由党のウィルダース党首らの反国際主義・自国第一主義と共通項は多い。

むしろ、これら欧州の極右ポピュリストたちが主張を国民に受け入れやすくするよう極端な排外主義を棚上げするなどソフト路線を取っているのに対して、トランプ大統領の言動は、ますますあからさまな差別主義に傾斜している。ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱したのは、本音が出たととらえるべきだろう。

なぜ米国の大統領にこうした品格を欠く人物が選ばれたのか。大統領の支持率の低さは戦後最低ではあるが、何と非難されようとトランプ大統領を支持するという強力な基盤があることも事実である。トランプ候補に投票した人の実に82%がまたトランプ氏に投票すると答えた調査もある。中西部の中低所得白人層を中心に、トランプ支持はなお強固だとみておかなければならないだろう。

保護主義・2国間主義の代償

トランプ大統領が打ち出した保護主義・2国間主義の代償は極めて大きい。世界経済が成長テンポを速め、世界貿易も拡大しているだけに、いまのところその影響は見えにくいが、いずれ訪れる世界経済の成長鈍化とともに、深刻な打撃となって跳ね返ってくるはずだ。それは、トランプ大統領を支持してきた白人の中低所得層を直撃するだろう。

最も打撃が大きいのは、NAFTAの見直しである。トランプ大統領の強硬姿勢からみて、NAFTA離脱からNAFTA分解といった事態も想定しておかなければならない。最友好国であるカナダのトルドー政権は米国が相殺関税や反ダンピング関税など貿易制裁措置を乱用しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴した。この異常事態は、NAFTA再交渉をめぐる情勢の緊迫化を物語っている。

トランプ大統領に「壁建設」を突きつけられているメキシコでは、7月の大統領選で新興左派勢力のロペスオブラドール氏が優勢になっている。NAFTA再交渉をやり直すと主張しており、米墨関係はさらに悪化する恐れがある。NAFTAの混迷は、自由な北米市場を前提に、メキシコに進出してきた日米欧などの多国籍企業やその関連企業のサプライチェーンを分断することになる。まさに北米版の「ハードBREXIT」(英国の欧州連合=EU=離脱)である。

TPPからの離脱も影響は大きい。米国を除く11カ国で存続することにした意味はたしかにあるが、存在感の低下は隠しようがない。とりわけ、米国と肩を並べようとする中国へのけん制効果は薄れる。この点で、トランプ大統領もTPP離脱が失策だったことを痛感しているはずだ。

TPPだけでなく、米EUの自由貿易協定交渉も宙に浮いたままだ。保護主義・2国間主義を打ち出すトランプ大統領と、「反トランプ」に傾くEUとの溝は深まるばかりである。

こうしたトランプ大統領による保護主義・2国間主義のなかで、唯一の救いは日本とEUとの間で経済連携協定の基本合意が成立したことである。これは保護主義を防止し、自由貿易を推進するうえで大きな防波堤になりうる。自由な世界貿易体制は、日本とEUの連携強化で「トランプ抜き」で動き出している。

「地球の敵」に「トランプ抜き」連合

地球温暖化防止のためのパリ協定からの離脱でトランプ大統領は「地球の敵」になった。パリ協定に加盟していないのは、戦乱が続くシリアなど数えるほどしかない。パリ協定を主導してきたフランスのマクロン大統領は米国の離脱を受けて、「トランプ抜き」の体制作りを構築しようとしている。事実、米国内にはカリフォルニア州などトランプ大統領のパリ協定離脱に反発する自治体は多く、州や市を中心に、温暖化防止に積極的に取り組もうとしているのは、皮肉な「トランプ効果」である。環境意識しだいで資金調達にも響いてくるだけに、米企業も「脱トランプ」の戦略を打ち出さざるをえない。

地球温暖化防止のカギを握るのは「脱石炭」である。トランプ大統領はこの潮流に逆行するように石炭産業への規制緩和を打ち出した。「環境より目先の雇用」を優先したのである。

国際社会からの非難の目は、トランプ大統領だけでなく、石炭火力に回帰する日本にも向けられている。たしかに日本の石炭火力は温暖化ガスの排出抑制につながる技術がほどこされているが、いくら効率がよくても石炭火力は石炭火力である。これでアジアに輸出攻勢をかけるという戦略は、地球温暖化防止の潮流に明らかに逆行する。

環境先進国だったはずの日本が「トランプ抜き」連合ではなく、トランプの側に立つようになれば、地球の将来を危うくしかねない。

中東危機を増幅、「文明の衝突」あおる

トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムとし、大使館の移転を宣言したことで中東和平は遠のいた。それどころか米国の歴代政権がこれまで担ってきた中東和平の仲介者としての立場を喪失することになった。あえて乱を起こすトランプ流は、サウジアラビアなど中東の親米諸国まで困惑させている。

イランの核合意を批判するのは、米英仏ロ中の国連常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランとの合意形成に水をかけ、中東だけでなく国際政治の根幹を揺さぶるものといえる。国連安保理事会でも米国は孤立を深めている。トランプ大統領の登場で、米国は冷戦時代のソ連のように「ノーという国」になってしまったのだろうか。

深刻なのは、白人至上主義で反イスラム色をあらわにするトランプ大統領の登場で「文明の衝突」が深刻化しかねないことだ。「文明の融合」こそが求められる時代にあって、多様性を認めず、寛容さを欠くトランプ大統領の言動は、世界中にリスクを拡散している。

同盟国としてどう付き合うか

そんなトランプ大統領とどう付き合うべきか。11月の中間選挙で共和党はトランプ大統領による混乱で相当な苦戦を強いられるのは必至である。しかし、ロシア疑惑しだいだが、弾劾決議から大統領解任にいたる可能性はそう高くない。だとすれば、トランプ大統領を前提に、友情ある説得を続けるしかない。それが厳しい批判を伴っても当然である。

米国が日本にとって最も重要な同盟国であることは揺るぎようがない。とりわけ北朝鮮が核・ミサイル開発をエスカレートするなかでは、日米韓の連携は死活的に重要であり、中国、ロシアとの協調も欠かせない。この地域に戦争が起きれば、日本が最大の被害国になるのは目にみえている。そうならないように、経済制裁など圧力を最大限に高め、朝鮮半島の非核化をめざして北朝鮮を対話の場に引き出すしかない。

危険なのは、偶発的な紛争が起き、それがエスカレートすることだ。その引き金になりかねない挑発的な言動は慎まなければならない。安倍晋三首相は「圧力」を繰り返すだけでなく同盟国の友人として、この点はまずトランプ大統領に忠告すべきである。

そのうえで、保護主義・2国間主義の防止を強く求めることだ。まず北米市場での日本企業のサプライチェーン確保に直結するNAFTAの見直しに注文をつけることだ。相互依存を深めるグローバル経済の現実を考えるとき、域外の交渉であっても遠慮は無用である。この点でEUと連携することだ。

次に、TPPへの参加を求め続けることだ。先進的な自由貿易の枠組みをアジア太平洋で主導することこそ、米国の国益であることを説き続けるしかない。

地球環境問題では、パリ協定への「復帰」を求め続けることだろう。それには環境先進国として「脱石炭」でトランプ大統領との違いを立証するしかない。

カナダは米国をWTOに提訴し、英国はエルサレム宣言を受けてトランプ大統領の訪問を事実上、拒否した。同盟国、友好国だからこそのトランプ批判である。同じ同盟国、友好国として日本の姿勢が試されている。それを世界が見守っている。

Jライト他記事

2017年1月20日のドナルド・トランプ政権の誕生から1年。看板政策の頓挫や共和党議員との舌戦、税制改革の実現、腹心との絶縁など、トランプ政権はジェットコースターのように揺れ動いた。ツイッターでの奔放な発言を含めた一挙手一投足が話題となるが、この1年間の実績に米国の識者はどんな「通信簿」をつけるのか。今回は政治リスクコンサルティング会社、米ユーラシアグループのジェフリー・ライト米国担当アソシエイト、ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長の2人に連名で寄稿してもらった。

(写真:代表撮影/UPI/アフロ)

2016年の大統領選で予想外の勝利を果たして以降、トランプ大統領は米国政治のスタイルをひっくり返し、彼の行動に対する人々の意識も変えてきた。いくつかの選挙公約を実現したが、ワシントンに対する理解力不足もあり、頓挫しているものもある。この1年で”ニューノーマル(新常態)”が醸成されたが、選挙の結果がどうであろうと、以前の状況に戻ることはないと認識されている。以下、トランプ大統領が最初の1年で成し遂げたことと2018年の見通し、さらに日本企業に対する影響を見ていこう。

ユーラシアグループ ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長

ユーラシアグループ ジェフリー・ライト米国担当アソシエイト

国内政策は入り交じった評価

トランプ大統領の優先事項は、国内政策に関しては米医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃だった。共和党の指導部は最初に税制改革をやるべきだと進言したが、オバマケアの撤廃を選択したのだ。

その後、様々なことが起きた数カ月を経て、その努力は一人の上院議員の反対票によって水泡に帰してしまう。トランプ大統領をしばしば批判していたジョン・マケイン上院議員である。

上下両院の多数を共和党が占める状況、共和党には是が非でも政策を実現しなければならないというプレッシャーがかかっていた。オバマケアの頓挫によって、大統領と共和党指導部の不安定な関係は大きな試練に直面したと言える。

ところが、その切迫感が税制改革の原動力になった。

税制改革法案が年末に署名された結果、法人税の大幅な引き下げやレパトリ減税(企業が海外に持つ利益の本国還流にかかる税金の減税)が可能になった。同様に、大半の個人や非公開会社に対する減税、富裕層に対する不釣り合いな恩恵も与えている。

支持者や献金家、さらに大統領自身の圧力にさらされた共和党議員は政策の中身よりも、税制改正を実現させるという政治的な義務を優先させた。税制改革の成功によって、共和党は2018年の中間選挙に向けて大きな実績を手に入れたことは間違いないが、共和党を取り巻く厳しい政治的環境が改善する可能性は低そうだ。

それ以外の国内政策に関して言うと実績はまちまちだ。

1兆ドルのインフラ投資計画は共和党の反対によって法案になる可能性は極めて低い。トランプ大統領は米国に雇用をもたらすとツイッターで盛んに喧伝してきたが、彼が言及した数字は実現していない。

「メキシコ国境の壁」についても議会は予算案に建設コストを盛り込むことを拒否している。トランプ政権は不法移民の国外退去を増加させる一方、物議を醸した大統領令によってイスラム教徒が多数派を占める特定の国の移民をターゲットにしている。

議会を通して法案にする必要のない分野を見ると、トランプ大統領が挙げている成果は多い。オバマ政権の時に導入された規制は多くの業界に影響を与えたが、トランプ大統領は高官の任命を通して規制の緩和や撤廃を進めている。もっとも、その恩恵は金融セクターや石油・ガス、教育サービスなど特定の業界の企業に偏っている。

気まぐれなスタイルは米国の外交政策をひっくり返す

伝統的な共和党の政策を継続している国内政策とは異なり、トランプ大統領は伝統的な外交政策の多くと決別している。

オバマ前大統領は無条件の支援で同盟国を安心させたが、トランプ大統領は同盟国の負担が少なすぎるとして頻繁に批判している。第2次大戦後、米国は国際機関によるリベラルな国際秩序を重視してきたが、トランプ大統領が注力しているのは取引関係に基づく2国間関係だ。

さらに、トランプ大統領は人権の代弁者という伝統的な役割を放棄する一方、外国の指導者とのプライベートな交渉を好む。予算カットや外交官を過小評価することで国防総省に国務省以上の権限を与える半面、「北朝鮮との交渉は時間の無駄」だとティラーソン国務長官に対して警告している。

伝統の逸脱という点では北朝鮮政策を超えるものはないだろう。これまでの大統領は北朝鮮の“口撃”は同国に対処する一部であり、安定のために無視するということを理解していた。ところが、トランプ大統領は“fire and fury(炎と怒り)”と脅した後に、金正恩・朝鮮労働党委員長のことを「小さなロケット野郎」などとツイートしている。

大統領になってすぐ、トランプ氏は核実験やミサイル実験のペースを速める北朝鮮の問題に直面したが、その後のリアクションは北朝鮮との対立をかつてないレベルまでエスカレートさせた。適切な軍事オプションが欠如しているにもかかわらず、軍事行動の可能性をはばかることなくつぶやいている。戦争が起きる可能性は低いが、自分が助長している緊張関係をうまく管理できるかどうかは定かではない。

周辺を見ても、韓国の文在寅大統領との関係は悪化している。貿易に関して中国から譲歩を引き出そうとしているが、一方で北朝鮮での協力を求めており、その効果を減衰させている。

国連制裁を中国が支持したのは平壌に圧力をかけるという点でポジティブだが、それが北朝鮮の行動を変える可能性は低い。トランプ大統領は最終的に北朝鮮が核保有国になることを認めざるを得ないかもしれない。だが、その決定には彼がいまだ見せたことのない忍耐と戦略的思考が必要になる。

世界各国の首脳にとって、トランプ大統領の誕生によってある種の難題に直面している。不人気なトランプ大統領と近いと思われることなく、そういった国々に必須と言える米国との関係を維持できるのかどうか、という問題だ。

安倍首相はトランプ大統領と親しくなる道を選び、日本に招待する前にトランプタワーやワシントン、(トランプ氏の別荘である)マル・ア・ラゴに足を運んだ。中国に対する不信感や北朝鮮への懸念を共有したことで二人は絆を深めた。もっとも、貿易における米国と中国の緊張がエスカレートした場合、あるいは米国でトランプ大統領の人気が大きく下がれば、両国との貿易に依存している日本は試練に見舞われる可能性がある。

アジアの外に目を向けると、トランプ大統領はイランの核合意からの離脱を望んでいるが、米国企業や欧州の同盟国から異論が上がる中で、公約を実現するかどうか中途半端な状況に置かれている。

またトランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と承認、公約だった大使館移転を実行に移すと発表した。この決定に実際のメリットはほとんどないが、反トランプのコミュニティを糾合させることには成功している。一方、選挙期間中は孤立主義的な傾向を見せていたが、アフガニスタンやイラクにおける米軍のプレゼンスを維持している。

恐らく、最も重要なのはトランプ大統領が多くの政治課題で米国のリーダーシップを放棄したことだ。気候変動に対する国際的な枠組み、パリ協定からは離脱を発表した。米国と世界にとって重要な外交ポストを埋めることも拒否している。

貿易関係の作り替え、その成否はまだら模様

貿易はトランプ大統領が自身と貿易を支持するエリートを分けるために活用されたテーマだった。NAFTA(北米自由貿易協定)や中国との貿易に疑念を持つ労働者との同盟関係を可能にしたのも貿易だ。

だが、「米国の貿易を作り替える」という公約は根本的な試練に直面している。大半の共和党議員や企業は自由貿易を支持しているためだ。貿易に関しては、トランプ大統領の「味方」が制約になっている。

就任式の直後に離脱したTPP(環太平洋経済連携協定)はトランプ大統領が一方的にできる簡単な決断だった。米国市場へのアクセスを期待していた日本や他のアジア諸国との関係は損なわれたが、トランプ大統領は米国で政治的代償をほとんど払っていない。

もう一つの公約、NAFTAの再交渉は状況がかなり複雑になっている。交渉は昨年9月に正式に始まったが、進展はかなりスローだ。今年7月にメキシコ大統領選があるため交渉を急ぐ必要があるが、メキシコとカナダが受け入れ不可能な提案を続けている。

2018年のリスクとして考えられるのは、トランプ大統領がNAFTA離脱の意思を発表することで再交渉のプロセスを大混乱に陥れる可能性だ。あくまでも交渉の駆け引きであり、実際にNAFTAから離脱するかどうかは疑っているが、離脱宣言は果断で劇的な決断という面でトランプ大統領の直感に訴えかけている。仮に離脱を宣言すれば企業や議員の抵抗は激しくなるだろう。

日本にとってとりわけ重要なのは、起こりうる米国と中国の貿易摩擦だ。

トランプ政権の1年目、両者の緊張関係は北朝鮮に対する交渉と協力によって抑えられていた。だが、中国の知的財産侵害に対する通商法301条の調査結果は遠からず出る見込みだ。その報告は中国企業に関税を課すトリガーになるかもしれず、そうなれば北京は米国のテック企業や農産物の輸出業者に報復措置を取る恐れがある。

両国の利害関係は十分にあるので純然たる貿易戦争は始まりそうもないが、トランプ大統領を抑制している穏健派のアドバイザーが政権を去る可能性もある。大統領の「反中国」という直感が2018年に首をもたげてくるかもしれない。

大統領に迫りくる2018年の脅威

2018年にトランプ大統領が立法面で何ができるかという点には曖昧なところが残っている。場合によっては共和党に相反するような動きもあるかもしれない。

トランプ大統領は2018年初めにインフラ投資に関する計画を進めると語っている。だが、共和党は大規模な支出につながる政策を承認することに関心はなさそうだ。また、オバマケアの撤廃に再挑戦することにも関心を示しているが、共和党の議会指導部は中間選挙前に党を割るようなテーマに気乗りではない。

ライアン下院議長は社会保障や医療制度の改革を長期的に推し進めようとしているが、トランプ大統領は選挙期間中、そういったプログラムのカットはしないと繰り返し述べている。

可能性が高いのは、立法面での活動がなくなることだ。移民と教育に関して小規模な動きはでるだろうが、大きなイニシアチブはほとんどなくなる。

2016年の大統領選におけるトランプ陣営とロシアとのつながりを調べているロバート・モラー特別検察官はホワイトハウスを脅かしている。選対の本部長だったポール・マナフォート氏は海外でのロビー活動に関して虚偽の説明をした疑いで10月後半に起訴された。彼は今後、新たな証言を迫られる可能性が高い。

また、前国家安全保障担当補佐官で大統領の友人だったマイケル・フリン氏が捜査に協力すると発表している。これはトランプ大統領にとって危険だ。フリン氏は大統領を失脚させる可能性がある2つの取り調べに直接関わっている。

近い将来という意味で言えばトランプ大統領は安全だ。ホワイトハウスにいる間に刑事責任を問われて起訴される可能性は低い。共和党は議会によるいかなる監視からも大統領を守る意思を持っているようだ。義理の息子のジャレッド・クシュナー氏など親族を含めて。

もっとも、FBIのコミー長官を解任したように、トランプ大統領の衝動的なリアクションが長期的にはダメージを与えるかもしれない。仮に、モラー特別検察官を解任すれば、トランプ大統領の状況は悪化するだけだろう。

トランプ大統領を弾劾するには議会が動く必要がある。政権の内幕を描きベストセラーになったマイケル・ウォルフ氏の『Fire and Fury』でも話題になっているように、様々な不安があるにもかかわらず、議会共和党は大統領を守り続けている。それはトランプ大統領が自分たちよりも支持者に人気があると分かっているからだ。

だが、共和党による議会のコントロールは2018年の中間選挙後に変わる可能性がある。仮に民主党が上下両院の多数派を占めれば、トランプ大統領の弾劾も可能になる。民主党が上下両院を支配するというのはまだ可能性の低いシナリオだが、トランプ大統領の不人気が可能性を高めている。民主党が下院の多数派を占めるのには25議席が必要だ。これは困難だが不可能ではない。一方で上院はより険しい道のりだ。昨年の大統領選でトランプ大統領が勝利した州のうち、民主党の上院議員が再選に臨む選挙区は10あるが、その中で民主党は2議席を取らなければならない。上下両院のねじれというのが最も可能性のあるシナリオだ。

2018年の新常態

全体として、2018年は2017年と同じような年になるだろう。ただ、トランプ大統領に対する期待感は変化し、ワシントンにおける“New Normal”が醸成されている。

トランプ大統領のスタイルは今ほどには報道価値がなくなるかもしれない。2018年は中間選挙モードで大半が費やされるだろうが、北朝鮮問題の進展やモラー特別検察官の調査が2018年のトランプ政権に劇的な影響を及ぼしうる。ワシントンを変えるという過剰な期待はもはや新常態ではない。企業経営者はその状況に対応しなければならない。

古森記事

中国・北京の天安門広場。ランディ・シュライバー氏は中国こそ歴史を捏造、悪用していると非難する

米国のトランプ政権が、国防総省のアジア担当の要職にランディ・シュライバー氏を任命した。シュライバー氏は歴代政権のアジア専門ポストで活躍してきたベテラン戦略家である。共和党保守本流と位置づけられる同氏の起用によって、トランプ政権の対アジア政策は保守、現実志向へと向かうことが予測される。

中国に対する抑止政策の必要性を主張

2017年12月、トランプ政権はランディ・シュライバー氏を国防総省のアジア太平洋問題担当の次官補に任命し、この1月、連邦議会に正式に通告した。議会では上院外交委員会が主体となって人事を審議し、そこで承認されれば最終的な就任が確定する。

現在、民間のアジア安全保障研究機関「プロジェクト2049研究所」の所長を務めるシュライバー氏は、ワシントンのアジア安全保障の関係者の間できわめて知名度が高い。

シュライバー氏はハーバード大学で中国研究の修士課程を終えて海軍士官となった後、民主党クリントン政権下の国防長官補佐官、国務省中国部員や国防総省中国部長、在北京米国大使館武官などを歴任した。その後、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権では、政治任命の次官補代理(東アジア太平洋担当)や国防次官補代理(同)を務めている。

シュライバー氏は、ブッシュ政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏との絆が強く、両氏が共同で2005年に創設した民間のアジア関連コンサルタント機関、「アーミテージ・インターナショナル」の副代表も務める。

政治面では一貫して共和党支持を表明し、共和党議員のアジア政策への助言を続けてきた。自ら創設した「プロジェクト2049研究所」でも、中国の軍拡や領土拡張を主要な研究テーマとして、中国に対する厳しい抑止政策の必要性を主張してきた。同時に対日関係の重要性を強調し、日米同盟の強化を一貫して訴えてきた。また、台湾への支持も顕著だった。こうしたシュライバー氏の基本政策は、共和党保守本流の見解と一致する部分が多い。

それでもシュライバー氏を任命した大統領

ただし、シュライバー氏が親しいアーミテージ氏は、2016年の大統領選挙中に共和党員であるにもかかわらず、トランプ候補を支持せず民主党候補のヒラリー・クリントン氏に投票する意向を宣言していた。当時、共和党主流派の間ではトランプ氏に反対する動きが顕著だった。また、アーミテージ系の共和党の専門家や活動家の間には、トランプ氏の大統領就任後もトランプ政権への参加を拒む向きが少なくなかった。

そんな背景の中で、シュライバー氏は反トランプ宣言こそしなかったが、アーミテージ氏とのつながりからトランプ政権への起用が疑問視される時期があった。

それでもなお、トランプ大統領はシュライバー氏の任命に踏み切った。その背景としては、政権のアジア政策部門を充実する目的に加えて、昨年12月の「国家安全保障戦略」で打ち出した中国への強固な抑止政策の遂行にシュライバー氏のような専門家が必要だったことが挙げられるだろう。

いずれにせよ、この人事は、トランプ政権の対アジア政策、対中政策が保守本流の方向へ確実に舵を切る動きだといえそうだ。

「歴史を悪用しているのは中国」

シュライバー氏は、歴史問題を持ち出して日本を非難する中国に対して手厳しい批判を表明してきたことでも知られる。たとえば2015年10月に「プロジェクト2049研究所」がワシントンで開いた、中国の対外戦略についての討論会では、次のような諸点を指摘していた。

・中国の習近平政権は歴史を利用して日本を叩いて悪者とし、日米同盟を骨抜きにしようとしている。だが歴史に関しては中国こそが世界で最大の悪用者なのだ。中国ほど歴史を踏みにじる国はない。

・中国が歴史を利用する際は、1931年から45年までの出来事だけをきわめて選別的に提示し、その後の70年間の日本が関わる歴史はすべて抹殺する。日本の国際貢献、平和主義、対中友好などは見事に消し去るのだ。

・中国の歴史悪用は、戦争の悪のイメージを現在の日本にリンクさせ、国際社会や米国に向けて、日本は今も軍国主義志向がありパートナーとして頼りにならないと印象づけることを意図している。

・中国はそうした宣伝を、中国と親しく頻繁に訪中する一部の政治家らを巻き込んで日本の一般国民にも訴える。だがこの10年間、防衛費をほとんど増やしていない日本が軍国主義のはずはない。中国の訴えは虚偽なのだ。

・中国は日本に「歴史の直視」を求めるが、大躍進、文化大革命、天安門事件での自国政府の残虐行為の歴史は、教科書や博物館ですべて改竄し隠蔽している。朝鮮戦争など対外軍事行動の歴史も同様だ。

こうした見解を堂々と表明してきた人物が、トランプ政権の国防総省のアジア政策面での実務最高責任者のポストに就く。日本にとって大きな意義があることは明白といえよう。

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『トランプ政権の評価は「良」、よくやっている 発足1周年、保守系シンクタンクのヘリテージ財団副所長に聞く』(1/19日経ビジネスオンライン 篠原匡)について

1/21アンデイチャン氏メルマガ<FBIと司法部の選挙介入>ヒラリー民主党がロシアゲートなるものをFBIと共にでっち上げたと言うもの。議会には資料が解除され、後に国民に解除されるようです。如何にヒラリーだけでなく民主党が腐っているかを表しているかです。でっち上げで作られた事件なので、これ以上の捜査は無意味でしょう。

http://melma.com/backnumber_53999_6636227/

1/19日経朝刊<トランプ減税、米100社超が賃上げ 260万人恩恵

【ワシントン=河浪武史、ニューヨーク=平野麻理子】2017年末に決まったトランプ米政権の大型税制改革を受け、米企業が国内投資と雇用増に一気に動き始めた。アップルは17日、300億ドル(約3兆3千億円)を米国内で投資すると表明。「トランプ減税」を契機に雇用増や賃上げを決めた企業は100社を超える。トランプ大統領は成果を強調するが、景気が過熱し、一段の金融の引き締めを招く可能性もある。

米連邦準備理事会(FRB)は17年12月、減税効果を見越し、18年の経済成長率予測を2.1%から2.5%に引き上げた。三井住友アセットマネジメントの試算によると、米国の税制改革が18~19年の成長率を0.4%分押し上げる。

与党・共和党のライアン下院議長は「賞与や賃上げ、米国内投資といった施策を公表した企業は160社を超す」と語った。賃上げなどの対象となる米労働者は既に260万人を超すという。

アップルが今回表明した投資計画は(1)米国内の人工知能(AI)などの事業に5年で300億ドル投資(2)雇用を2万人積み増し(3)先進製造業への投資基金も50億ドルに増額――が柱。低税率国に2500億ドルもため込んだ海外資金を原資とする。

米国の法人税率はこれまで35%と高く、海外で稼いだ利益も米国に戻した時点で35%を課税する仕組みだった。ただ、17年末に決まった税制改革では18年から法人税率を21%に下げ、さらに海外所得は米国に資金還流しても原則非課税とした。こうした措置が今回の巨額投資の決断を促したのは間違いない。

米国は05年にも時限立法で国内に還流する所得への税率を大幅に引き下げた。この結果、当時の米企業の海外内部留保額の3割にあたる2千億ドルが国内に戻ったとの推計もある。クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司外国為替部長は「数年かけて全体の1割程度の2千億ドル超が米国内に戻り、ドルを押し上げる要因になりうる」と指摘する。

減税で浮いた資金を従業員に還元する米企業も相次いでいる。米ウォルマート・ストアーズは最低賃金を時給10ドルから11ドルに引き上げ、最大1千ドルのボーナスも支給する。

日本企業ではトヨタ自動車の北米営業利益は全体の15%に相当し、減税の恩恵も大きくなりそうだ。設備投資が活発になれば産業機械の需要が増え、日本企業の業績を改善させる要因にもなる。

ただ、米経済は失業率が17年ぶりの水準となる4.1%まで下がり、完全雇用に近い。労働市場が一段と逼迫すればインフレにつながり、FRBは利上げを加速して逆に景気を冷やさなくてはならなくなる。

トランプ氏は「大型減税で成長率を3%に引き上げる」と主張する。ただ、米国に企業とカネが回帰すれば周辺国の空洞化を招き、各国との通商摩擦が激化するリスクもある。>(以上)

日経記事は米経済が過熱し、インフレ懸念でFBRが金利を上げるようになるのではとマイナスイメージで捉えています。強い米国の復活は歓迎すべきこと。日本もインフレ目標を2%に定めてずっとやってきましたが、なかなか目標に達しません。企業の投資と賃金上昇が少なく、内部留保にのみ金が退蔵されているからです。日本の企業経営者の責任は大きいです。

カラファノ氏の見方は正鵠を射ています。篠原氏もうまく質問して良い回答を引き出しています。故・筑紫哲也だったらこうはいかなかったでしょう。小生もオバマの8年間は弱腰で、中露に好き勝手やらせてきて評価がFというのも頷けます。いまのトランプ政権はオバマの尻拭いをし、立て直しを図っている所です。メデイアの偏向報道はやればやるほど信用を失うという事です。日本も同じです。

記事

2017年1月20日のドナルド・トランプ政権の誕生から1年。看板政策の頓挫や共和党議員との舌戦、税制改革の実現、腹心との絶縁など、トランプ政権はジェットコースターのように揺れ動いた。ツイッターでの奔放な発言を含めた一挙手一投足が話題となるが、この1年間の実績に米国の識者はどんな「通信簿」をつけるのか。保守系シンクタンクのヘリテージ財団、ジェームス・カラファノ副所長に聞いた。

(聞き手はニューヨーク支局、篠原匡)

—トランプ政権の1年をどう評価する?

ジェームス・カラファノ氏(以下、カラファノ):A(優)、B(良)、C(可)、D(落第寸前)、F(落第)の5段階で評価するとBだ。

外交政策については2つのカテゴリーに分けられる。一つは危機対応で突きつけられた状況への対応。もう一つは慎重に計画されたもので、意図的に実行している政策だ。危機対応に関してはかなりうまくできていると思う。

昨年4月、シリアによる化学兵器の使用があった時は政権を取ってそれほど時間がたっていなかったが、政権は明確な対応をした。北朝鮮が弾道ミサイル実験を始めた時もある程度の対処ができていた。

ジェームズ・カラファノ氏 ヘリテージ財団副所長。2003年にシニアリサーチフェローとしてヘリテージ財団に参加後、他の研究所を経て2012年に同財団の防衛・外交政策チームを率いる。外交・安全保障の専門家としてトランプ政権の政権移行チームに参画した。米軍に25年間の従軍歴がある。

その週に、大統領は中国の習近平・国家主席を含む3カ国の指導者と会合を持った。ティラーソン国務長官もロシアの大統領と初会談を開いている。こういったことは国家安全保障担当補佐官が交替したすぐ後のことだ。政権の危機対応能力を明確に示していると思う。

慎重に計画された政策という観点を見ても、政権は成果を出している。安全保障チームが選挙後に立ち上げられたということを考えればなおさらだろう。

北朝鮮に対する戦略を打ち立て、アフガニスタンへの増派という決定を下した。欧州の同盟国に米国のNATO(北大西洋条約機構)へのコミットメントを再確認してもらうために多くの時間も費やした。

また、トランプ大統領はイランが核合意を順守していないと批判したが、それも敵対強国としてのイランにどう対応するか、という戦略の第一歩だ。イスラム国(IS)やアルカイダに対する戦略、ロシアや中国に対する枠組みもある。政権は外国政策の重要な議題に対して、今後の戦略がどうあるべきかということを決断している。

—議会との連携、税制改革の成立で自信を深めた外交・安全保障政策の課題は?

カラファノ:課題があるとすれば政治任用職が完全に埋まっていないところだ。国防総省と国務省の両方で任命が遅れており、悪影響を及ぼしている。

他国は対話できる上級の窓口を必要としているが、現政権にはその窓口が不足している。誰もが国防長官や国務長官、大統領や副大統領と直接話せるわけではない。だからこそ、次官や次官補レベルの政治任用職は必要だ。政権の動きを制限する要因になっていると思う。

また、撤退するところと積極的に攻めるところのバランスが取れていない。政権はアジアや欧州、中東の平和と安定に焦点を当てており、積極的に関与する必要があると考えている。それは正しいことだと思う。問題は今の軍事力でそれが維持できるかどうかだ。

外交政策は問題ないと思っているが、米軍は20年間、乏しい予算の中で酷使され続けている。軍事力を維持できる水準まで防衛予算を増やす必要があるが、まだそれができていない。

—国内政策についてはどうか?

カラファノ:大統領にとっては政策を法案として実現させることが課題だった。率直に言えば、議会との関係という面ではうまくスタートが切れなかったと思う。大統領のアドバイザーが同じ方向を向いていなかったことが原因だが、大統領の経験不足も影響していた。もっとも、税制改革法案の成立によって政権は議会との連携で自信を深めたのではないか。

—あなたから見て政権のいいところと悪いところはどこか?

カラファノ:外交・安全保障政策という面でいえば、優れたシニアチームの存在だ。とくに国家安全保障会議のスタッフはとてもいい。マティス国防長官、ケリー首席補佐官、マクマスター国家安全保障補佐官はうまく協力して大統領の構想を支えている。

この政権は過去の2政権の間を取るという明確な構想があると思う。ブッシュ政権は重要な問題をすべて解決しようとしたためにアグレッシブになりすぎた。オバマ政権は逆に、引き下がろうとしたために競争相手に空白を与えてしまった。そういう見解を持っていると思う。

トランプ大統領は人気のない人々の中で最も人気がある人物

今の政権は世界の諸問題を解決し、民主主義を促進させるようなことはしないが、世界で不在になるわけではない。米国の利益を守りながら前進していくことになるだろう。

現に、トランプ政権は国益と米国の価値観のバランスを上手に取っている。米国は営々と培ってきた価値観を捨てたと批判されているが、(ミャンマーで迫害されている)ロヒンギャ問題を見れば分かるように、米国は毅然とした対応を取っている。北朝鮮をはじめ人権問題には引き続きタフだ。

正直言って、米国の外交政策は変更されたことよりも継続していることの方が多い。全体として、外交・安全保障政策は正しい方向に向かっている。

—それがなかなか認識されないのはなぜか?

カラファノ:怒りに満ちたレトリックのせいだ。それについてはトランプ政権にも野党と同じくらい責任がある。

大統領選では国民の怒りと分断を加速させるような言葉が行き交った。その状態を選挙後も維持しようと、大統領と野党は考えたのだろう。ある意味で、両者はそれぞれに対する国民の怒りを糧にしている。

大統領支持率が低いと言われるが、高い支持率を得ている人はどこにもいない。メディアも、政治家の大半も人気がない。トランプ大統領は人気のない人々の中で最も人気がある人物だと思う。

恐らく野党は怒りが政権の弱体化につながると考えたのだろう。それは政治的には成功するかもしれないが、コンセンサスの構築や外交政策へのサポートという点では事態を悪化させるだけだ。

レトリックと政策は別物

—怒りのレトリックによって実際の政策が見えづらくなっている、と。

カラファノ:レトリックと政策は別物だとみるべきだ。誰もが選挙中の公約やツイート、怒りに満ちた言葉に注目する傾向にあるが、米国の政策を理解するには実際に実行していることを考察する必要がある。実際、多くの場合でトランプ政権は保守で一貫している。

例外があるとすれば経済政策だろう。トランプ大統領は選挙中にクレージーなことを語っていたが、今のところまだ実行に移していない。NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉の後にどうなるのか。これは現在進行形ということだろう。

—確かに、トランプ政権は選挙中のレトリックに比べれば現実路線にシフトしているように見えます。

カラファノ:私がこう言ったとしよう。「選挙中に話したことと実際に政権を運営する際に実行することは異なります」と。それを聞いた人は恐らくほぼ全員が「もちろん、それはそうでしょう」と言うだろう。日本や韓国、中国でさえも。

だが、米国人は執拗なまでに選挙中の言葉にこだわる。その理由はトランプ大統領がこれまでの政治家とは異なるからだろう。他の政治家であれば、それまでの長い実績があり、その政治家がどういう行動を取るか有権者は分かっている。

例えば、民主党の候補だったヒラリー・クリントン氏は選挙遊説で、私が思うにかなり馬鹿げたことを言っていた。ところが、誰も「オー・マイ・ゴッド」とは言わなかった。国務長官や上院議員、ホワイトハウスにおける彼女の経験をもとに判断しよう、と考えたわけだ。

トランプ大統領の場合はそういう前後関係がないため、人々は意味のない彼の言葉をそのまま受け取ってしまう。選挙後、米国人は相当な怒りを感じているので、大統領の意味のない言葉を無視できない。

これまでの外交政策を仔細に見ると、トランプ大統領の外交政策はブッシュ政権やオバマ政権よりもトラディショナルだということが分かる。

トランプ政権はUNESCO(国連教育科学文化機関)から脱退したが、過去を振り返れば、米国は脱退と再加盟を繰り返している。米国は国連の組織改革には関心を示すが、国連の馬鹿げた振る舞いには我慢できない。その傾向は共和党政権が強く、民主党政権は弱い。この浮き沈みが共和党と民主党の流れだ。

国連でトランプ大統領がやっているのはこの流れの中の話で、国際機関を軽視するというシフトではない。

—トランプ大統領は衝動的にものごとを決断しているという批判もある。外交・安全保障政策について、トランプ大統領の特徴や傾向はあるだろうか。

カラファノ:「アメリカ・ファースト」とたびたび語っているように、大統領が米国の利益を優先しているのは間違いない。米国の利益を守ることは大統領の重要な仕事だ。ただ、「アメリカ・ファースト」は「アメリカ・アローン」ではないとも述べている。

彼が平和と安定を重視しているのも事実だと思う。そして、世界で優先する3つの地域はアジア、中東、欧州で一貫している。そこで米国の存在感を高めたいという意識を持っているが、行きすぎたことはしたくない。また、他国の国家建設や紛争に巻き込まれるようなことも望んでいないが、孤立主義ということでもない。

ある程度の辛抱強さも見て取れる。アフガニスタンは好例だろう。

米国はアフガンに増派するという決断をした。容易な解決策がないということをアドバイザーは明確に示していた。撤退のスケジュールがあるわけでもない。丸8年間、駐留する可能性もある。だが、米国の利益を見据えた合理的な計画であれば前向きに実行すると大統領は語った。

大統領は極端に直線的でもない。一般的な方向で政策を選び、まず動いてみて、その後は反応を確認しながら進める。大統領の対処法には柔軟性と機敏性が見られる。

北朝鮮問題、時間とともに事態は好転に向かう

—北朝鮮は核・ミサイル開発をエスカレートさせている。現政権の北朝鮮対応をどう評価するか。

カラファノ:ある戦略に決めたと思う。それは「力強い封じ込め政策」とでも呼べるもので、核による抑止、ミサイル防衛、通常兵力による抑止、日本と韓国との強固な同盟関係、さらなる制裁のコンビネーションだ。

この戦略は北朝鮮を交渉の場に呼び戻すためのものでなく、彼らの兵器製造能力を阻止することを目的としている。大統領の過激な言葉の大部分は米国が自国を防衛するという意思表明であり警告だ。

時間がたてば事態は安定に向かうと思う。この戦略を継続させることで、核による北朝鮮の脅迫や同盟国への攻撃を阻止し、北朝鮮の兵器開発を遅らせることができる。北朝鮮からの攻撃を防ぐ米国の防衛力と北朝鮮の能力は差が広がっていくだろう。

実際には対立を激化させる道を歩んでいるのではなくむしろ逆。安定した未来への道を歩んでいる。

問題は、多くの人がこの危機を直線的に捉えているところだ。今日、怒りのツイートをすれば、明日はさらに激しいツイートが来る。そうこうしているうちに最終的に戦争になってしまう、と。

私は非直線的な危機だと考えている。北朝鮮の目標は体制の維持であって、戦争を始めればあの国は崩壊してしまう。韓国も多くの犠牲者が出るため戦争を望んでいない。中国も戦争を望んでいない。日本も同じだ。誰も戦争を望んでいない。

次のミサイル実験によって事態はさらに悪化すると誰もが予想しているが、先ほど述べた道のり、つまり制裁とミサイル防衛、核抑止、通常兵力による抑止を進めていけば、時間とともに事態は好転する。

—北朝鮮対応に関して、以前の政権との違いはどこにあると思うか?

カラファノ:違いは一貫性の欠如だと思う。米国が必要としているのは、北朝鮮の予測可能な行動パターンに対応できるだけの一貫性のある戦略だ。今まではそれがなかった。北朝鮮は従来のやり方を踏襲し、他国は北朝鮮をつついてみて、反応があればそれに対応するために様々な戦略を試した。それがこれまでのやり方だ。

—米国は北朝鮮に対する中国のさらなる圧力を期待しているが、中国は北朝鮮の崩壊を望んでいない。米国がすべきことは?

カラファノ:中国は米国との関係を悪化させない程度の最小限の協力をすることになる。米国からの圧力が増せばより協力するだろうし、米国が求めなければそれ以上の協力はしない。結局、米国は北朝鮮への圧力を継続することになる。

米国はこれまで、北朝鮮問題に関してどんな交換条件も出したことがない。米国は北朝鮮への圧力に関して中国に支援を求め、それを主張し、実際に中国の企業に対する制裁を始めた。その際に、「北朝鮮で協力してくれれば台湾については大目に見よう」、あるいは「南シナ海に関してクレームをつけるのはやめよう」などと提案したことはない。

米中の本質的な考え方はお互いは別々の道を進んでいるということだ。台湾の帰属、南シナの領有権、一帯一路、北朝鮮危機――。中国と協調し、対立を避ける方法を探すというより、中国との対立の根源を特定し、それを熟慮していく。お互いの意見が合わない場所を突き止め、そこを強調するわけだ。そうすれば、中国に米国の関心を認識させ、受け入れさせることができる。

対中国戦略、オバマ政権より視野は広い

実際のところ、米中関係は全体的に悪化していくと見ている。ただ、必ずしもエスカレートしていくとは限らない。中国を戦争に追い込むわけではなく、米国が身をひいて中国にやりたい放題させるわけでもない。米国は中国と競争し、利害がぶつかった場合には理解してもらい、米国の利益を守る。こうすることで、長期的に中国と安定した関係になる。

—北朝鮮だけでなく貿易赤字など米国と中国は別の課題も抱えている。トランプ政権はどのように中国と関わろうとしているのか。

カラファノ:先ほど話したように、こうした課題はそれぞれの道筋に沿って進む。それぞれに必ずしも強いつながりが出るとは思わない。北朝鮮にはすべきことをする。経済面では中国に圧力をかけるだろう。南シナ海では航行の自由を主張する。今後、南アジアとインド洋により多くの焦点を当てていくことになるだろう。

—中国に関して、オバマ政権とトランプ政権の間に違いはある?

カラファノ:2つある。オバマ政権の場合、中国により望ましい行動をさせるように対立を避けて中国に合わせるという方法を採っていた。だが、それはうまくいかなかった。この点がまず違う。

もう一つは、トランプ政権はオバマ政権よりも戦略的視野が広い。オバマ政権は中国への方向転換、あるいはアジアへのピボットを進めた。それはある意味で、北東アジアと太平洋で中国との共存を模索するような、視野の狭いデザインだった。

トランプ政権はインド・太平洋について発言している。このことからも、中国との関係を寄り広い概念で捉えていることが分かるだろう。背景には、米国が欧州、中東、アジアに関して慎重にならなければならないということがある。

実際、中国は全地域に影響力を及ぼそうとしており、米国はすべての地域に関与し、そこでの活動を管理する必要がある。インド・太平洋を認識しているということは、アジア地域への米国の関与について広い概念を持っているという証左だ。東アジアだけでなく、東南アジアと南アジアにおける米国の関心と行動を結びつける必要があるので、インド洋の重要性は高い。

—中国の拡大路線をどう見ている?

カラファノ:中国は自分たちの力を過大評価している。アグレッシブで拡張的なビジョンを進めることでアジア太平洋地域に多くの懸念を生み出している。結果として、国々は釣り合いを取るための対抗勢力として米国に関心を示している。

ご存じのように、米国の政策は「米国」を取るのか、「中国」を取るのかという二者択一ではない。ベトナムとタイに、米国の味方になるのか、敵になるのかという選択を迫ることはない。冷戦時代ではないからね。

米国も中国と関係を持っているように、どの国も中国と関係を持つようになると認識している。彼らは二者択一の関係を求めていないが、中国の要求によって主権を割譲するような状況も望んでいない。アジアとの関与を増やそうとしているトランプ政権のやり方はアジアの国々が求めていることに合致していると思う。

—-中東ではイランが影響力を高める一方、サウジアラビアではムハンマド・ビン・サルマン皇太子が権力を握り、湾岸諸国はカタールとの国交を断交した。中東の状況はどう見ているか?

カラファノ:米国が重視している3地域、アジア、中東、欧州の中で中東は最も困難な地域と言える。その困難の源は地域を不安定化させるイランの影響力と核拡散の脅威、そしてISとアルカイダ。つまり国境を越えるテロの脅威だけでなく、その地域の政府と人々に対する脅威、その地域を不安定化させる脅威だ。米国がすべきことは、この2つの課題に焦点を当てることだ。

このタイミングのエルサレム首都承認は疑問

トランプ大統領はイスラエルの米大使館をエルサレムに移すと発表した。賛否両論あるがこの点はどう見ている?

カラファノ:正直言って、私の中でも意見が割れている。イランの勢力を弱め、ISやアルカイダに対処することが米国の政策だとすれば、この地域での他の事項は後回しにすべきだ。エルサレムへの大使館移転という決断がその目標にどう貢献するのかということを考える必要がある。

ここには議論の余地がある。米国とイスラエルの関係を考えれば、米国がイスラエルの首都としてエルサレムを承認することに疑問を持つ人はいないだろう。また、イスラエルとパレスチナの和平プロセスにおいて、米国が真に中立的なパートナーだと信じている人は誰もいない。和平プロセスがうまくいくと思っている人もいない。したがって、大統領の決断が問題だとは思っていない。

ただ、疑問なのはなぜ今なのか。今回の決断によって米国は何ができるようになるのかという点だ。

今回の決断が、国内の政治的な目的を果たすためだというのは考えにくい。選挙中の公約を果たすためだとも思えない。米国とイスラエルの関係が良好だということを示すために、エルサレムを首都と承認する必要は全くない。

単に長年の宿題を片付けただけだという人もいる。誰もがいつかはするだろうと思っていたことだからね。和平プロセスに真剣に取り組むようパレスチナを脅したのかもしれない。間違いなく、衝動的な決断ではなかったと思うが、ここは議論の余地がある。

—イランに対抗するために、サウジアラビアとイスラエルが協力し合うという可能性は?

カラファノ:十分にある。イランが地域の大きな脅威ということはどの国も認識している。問題はどう対処するかだ。

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は上から「アラブの春」を強要しようとしている。他国と同様に、サウジは人口の増加に対して富の分配が拡大できないという問題を抱えている。皇太子はそういった課題にトップダウンで対応すると同時に、イランの影響力拡大に対抗するために各国のパワーバランスをリセットしようとしていると思う。

戦略的な意見で日米首脳は一致している

—現在の日米関係をどう見ているか。安倍首相とトランプ大統領は良好な関係を築いているように見える。

カラファノ:効果的なパートナーシップを結んでいると思う。ある部分では2人の指導者のおかげだが、それだけでなく、アジア太平洋地域の平和と安定に関して、米国と日本の間に戦略的な意見の合致があるからだ。

日本とインドのパートナーシップが拡大していることと、米国とインドのパートナーシップが拡大しているのも同じ理由で、それぞれが世界を同じように見ているためだ。北朝鮮は当面の安全保障上の問題であり、対処しなければならない。中国の勢力拡大も地域の平和と安定を損ねる可能性がある。米国、日本、インドは同じ問題意識を共有している。

—トランプ大統領は日本に何を求めている?

カラファノ:その多くは既に日本がやっていることだ。もちろん、第一には安全保障における真の貢献者になってもらうことだろう。これは日本も前向きだと思う。米国、インド、オーストラリアとともにリーダーシップを発揮して、アジア太平洋地域で中国にうまく対処できるような安全保障の枠組みを作ること、これにも日本は前向きだと思う。

また、大統領は米国と日本で雇用を拡大させたいと思っているだろう。大統領は日本経済の悪化を望んでいない。お互いにとってウィン・ウィンとなるような経済機会を求めている。

—ロバート・モラー特別検察官が大統領選におけるトランプ陣営とロシアとの共謀について調べている。今後の展開をどう見ているか?

カラファノ:分からない。いろいろな声があるようだが、信頼できる予測はできないだろう。何が起きるのか、捜査の展開を待って見届けるしかない。恐らく、トランプ政権は何も悪いことはしていないと信じているのではないか。捜査が終わるのをひたすら待つ。それが彼らの方針だろう。

ロシア疑惑、大統領弾劾はあり得ない

弾劾はあり得ない。大統領を解任するプロセスは政治的なもので刑事上のプロセスは存在しない。そして、大統領を弾劾するだけの勢力を野党が得るような政治状況になることはないと思う。どう考えてもあり得ない。

—この捜査は政治的にダメージを与えると思うか?

カラファノ:今のところはそうは見ていない。なぜかというと、今回の捜査が党派的に偏ったものだと誰もが思っているからだ。この捜査は既に怒っている人々をさらに怒らせているだけ。人々の大統領に対する見方を変えているわけではない。

—政権とメディアの対立も増している。

カラファノ:まず、米国のメディアは概して中道左派だ。それに、批判することで読者の注意を引こうとしているという面もある。大統領もメディアと戦うことで、支持者の信頼を深めている。お互いに利用し合っているだけだ。だが、結果としてメディアの正当性は失われつつある。事実、メディアへの信頼度は大統領よりも落ち込んでいる。

大統領が報道の自由を損ねていると批判する人もいるが、私はそうは思わない。みんな言いたいことが発言できており、憲法上の危機などということはない。馬鹿げている。

大統領はある面で報道のクレディビリティ(信頼性)を攻撃している。それについては2つのことが言える。報道が信頼性を失っているということが一つ、そうしなければ大統領の政治生命が危なくなるということがもう一つだ。大統領は従来型の政治体制から出てきた政治家ではない。大統領の人気は彼の個人的なネットワークが基になっている。

大統領はSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通して、あるいはメディアとの衝突を通して、支持者とのつながりを維持している。大統領は自分を憎むメディアによって、支持者とのコミュニケーションにフィルターがかかるというようなことは望んでいない。支持者も大統領の言葉は直接聞きたいと思っている。メディアと大統領の衝突はお互いの目的に合致しており、両者ともに対立を鎮めようと思っていない。

—最後だが、オバマ政権の8年間をどう評価する?

カラファノ:過去8年間を思い出してみれば明らかだろう。米国人は分裂し、大きな怒りを感じている。これは選挙結果によるものではない。選挙前から既に分裂し、怒りを感じていた。

オバマ氏が選出された2007年も米国は怒りを感じていたが、オバマ氏が米国人を一つにまとめることはなかった。不況からの回復にも時間がかかった。彼が経済に素晴らしい貢献したとは言いがたい。外交政策についてもオバマ政権の8年間で米国は欧州や中東、アジアで地位を失った。オバマ氏が大統領を退いた時と就いた時を比べればテロ攻撃も増えている。

もちろん、米国とインドの関係のように過去3人の大統領を通じてうまくいっているところもあるが、概していえば米国は外交でも地位を失った。経済、外交、そして市民社会においても基盤を失ったということを考えれば、どう考えても成功を収めたとは言えない。

—オバマ政権に成績をつけるとすると?

カラファノ:外交政策は「F(落第)」だろうね。北朝鮮は一夜にして核保有国になったわけではない。ISのカリフはオバマ氏が就任した時には存在していなかった。アフガニスタンもオバマ氏が退陣した時はひどい状況だった。またオバマ政権は軍隊を酷使した。外交・安全保障にはいい点はつけられない。

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『髪凍る雲南の少年とあかぎれ留守児童の10年後 大人になっても都会に行ってもついて回る貧困の連鎖』(1/18日経ビジネスオンライン 山田泰司)、『「霧氷少年」が露わにした中国“留守児童”問題 親不在の農村児童が2300万人、改善資金は着服されて…』(1/19 北村豊)について

1/19看中国<外媒:中国数据造假无法反映经济复苏(图)>1/18中国国家統計局の発表した数字は地方政府の改竄数字を基にしているので経済が良くなっているとは言えないと外国メデイア(FTのこと)が報じた。2012~16年北部3地区では数字を水増しした実績がある。経済好転かどうかは石油・石炭・鉄鋼価格に基づいたCO2排出量の数年間のトレンドを見れば良い。BBCは中国経済の原動力は貿易と報道。まあ、嘘で塗り固められた社会ですから、何が真実かを見抜く目を持ちませんと。中共の発する言葉は総てプロパガンダと思えば間違いないです。お人好しの日本人は騙されないように。慰安婦や南京、正定事件等歴史を改竄するのも得意です。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/19/847502.html

1/19看中国<美国两党同批中国贪婪的贸易政策>NY州選出の民主党上院議員の チャック・シューマーは1/17上院で「広州汽車集団がデトロイトで発表した計画は中国の貿易規則が明らかに不公平なことを示している。貪欲な貿易政策の典型でもある」と述べた。中国車の米国輸入関税は2.5%に対し、逆は25%である。トランプは「我々は中国の経済建設を助けて来た。両国の貿易で中国を利した面が大きい。中国やその他の国では我が国の製品に50%関税を課しているが我々は何も取っていない。これは不公平だ」と。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/19/847499.html

雲南省は「四季如春」と言われて首府の昆明市で世界花博も開かれ、高山地帯(1892m)なので日本のマラソン選手も昆明市でトレーニングに励んだこともありました。また、雲南省にある玉龍雪山は5596mもありますので寒冷な地方もあると思います。山田氏や北村氏の写真の子供は雲南省魯甸県に住むとあります。地図で調べますと麗江と貴陽市(貴州の首府)の中間ぐらいです。上の地図では昭通の所。中国駐在時代、小生はちょくちょく雲南には旅行で行きました。玉龍雪山も見ましたけれど、主には南の方で、昆明、石林、虎跳峡、怒江、瀾滄江、大理、麗江、迪慶(英国人作家ジェームスヒルトンから桃源郷と称された香格里拉)、西双版納等です。西双版納ではタクシーと交渉して一日借切り回りました。少数民族が沢山いて、傣族もいましたから元々民族的にはタイの人ではないかと思われます。

本両記事の感想は、北村氏の「国営通信社の「新華社通信」が1月12日付で配信した記事の表題は、『中国の霧氷少年を見て、外国人はついに中国がどうして強大かを知った』であった。これを見て、筆者はあっけにとられ、中国がどうして脆弱なのかを知ったのだった。」という言葉に表わされています。中共の価値判断のおかしさをいみじくも象徴しています。結果の平等を追求する共産主義で格差がこのように広がり(北京大学の調査ではジニ係数は0.73)、貧しい人々に対する思いやりもなく、富は賄賂と軍拡に使われるだけ。こんなおかしなことが罷り通るのは一党独裁、為政者の勝手が許されるからです。今こそ農民工は共産党打倒の動きを見せないと。でも、習近平は弾圧で臨むでしょう。中国の歴史で徳のある政治家は神話時代の尭舜禹くらいしかいないのでは。後は私腹を肥やし、人民を苦しめるだけの政治が続いてきたような気がします。ですから中国人の性格が悪くなる訳です。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」と。だから善意で寄付した金もくすねる輩が出る訳です。日本でも注意しないと。

山田記事

ネットで拡散した髪と眉が霜で覆われた中国雲南の小学生の写真(写真:Imaginechina/アフロ)

今月上旬、寒さで髪の毛と眉毛を霜で真っ白に凍らせて小学校に登校する中国人の8歳の男の子の写真が中国のネットに出回り拡散し、中国で改めて内陸部の農村に住む子供たちの貧困問題がクローズアップされた。その後、Yahoo!JAPANや英BBC、米ニューヨークタイムズ等、日本や欧米のメディアも相次いでこれを伝えたため、この少年の写真を見たという読者も少なくないことだろう。

報道をまとめると、話の概要はこうだ。この少年は雲南省魯甸県の農村に住む王福満くん。自宅から小学校まで片道4.5キロの山道を毎日歩いて通っている。写真が撮られた日の気温はマイナス9℃だったそうだが、写真に写る王くんは、ダウンジャケットどころか綿も入っていないような薄手のシャツジャケットに丸首のシャツという薄着。真冬なのに秋口のような服をまとっている王くんの出で立ちを見れば、彼が厳しい経済事情に置かれていることは容易に想像がつく。

冬になると冷え込む土地とは言え、髪の毛も眉毛も真っ白になるほど凍えることは珍しかったのだろうか、担任の先生が教室に入ってきた王くんを見るに見かねて写真を撮り、校長をはじめ何人かにこれを送って、現地の子供たちの窮状を訴えた。これがSNSやミニブログで転送やいいね!が繰り返され、これをきっかけに中国では、王くんのような厳しい暮らしを余儀なくされている子供たちの存在と、子供の貧困問題についての関心が高まりつつある。

王くんは祖母と姉の3人暮らし。父親は都会に出稼ぎに出ていて、年に数回しか王くんの住む自宅に戻ってこれない。母親は、王くんがもっと小さいころに家を出て行ったまま、帰ってこなくなったのだという。

霜少年も留守児童

中国では、王くんの父親のような農村からの出稼ぎ労働者を「農民工」、王くんのような農村の自宅で親の帰りを待つ子供たちを「留守児童」と呼ぶ。中国国家統計局が2017年4月に公表した統計によると、農民工は全国に約2億8000万人というから、中国の約5人に1人が農民工ということになる。一方、留守児童は、2010年に実施された最新の人口センサスで、全国に6102万人いるとされている。

子供を置いて働きに出ざるを得ない理由は大きく分けて2つある。1つは、出稼ぎ者たちの自宅がある農村部では現金を稼げる仕事がなく、子供を進学させることはおろか、着るもの履くものも満足に買うことができないこと。もう1つは、中国の戸籍制度により、農村で生まれた農村戸籍の子供たちは、戸籍地の高校からしか大学を受験できない、つまり親たちの働く都会で受けることができないためである。

では、都会に出れば十分な金が稼げるのかと言えばもちろんそんな保証はない。

2001年から上海に住んでいる私は、安徽省や河南省といった内陸の農村から上海に出てきて肉体労働やウェーター、物流倉庫等で働いている何人かの農民工と縁あって知り合い、友だち付き合いをしながら10年以上にわたって見てきた彼らの生活を『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』として1冊にまとめた。なので、農民工たちの暮らしぶりについてはいささか知見があるのだが、例えば上海の場合、中卒などの学歴でも働けるビルの清掃の仕事の報酬は現状、月額3000元(1元=約17円)程度。上海の中心部でワンルームのアパートを借りようと思えばこの金額ではもはや無理だ。出稼ぎ先の上海で住まいを自前で借りるのであれば、夫婦共稼ぎで6000元の月収があってようやく幾ばくかの仕送りができる程度しか手元には残らない。母親がいなくなったという王くんの場合は稼ぎ手が父親だけ。上海で働く私の農民工の知人にも、田舎に残した1人娘を家政婦をして女手一つで育てているシングルマザーのチャオさんという女性がいるが、その彼女の境遇や、王くんの出で立ちから想像しても、王くん一家の経済的環境は困窮を極めているだろうと思う。

今まで誰も描くことのなかった中国版ヒルビリー・エレジー3億人の中国農民工 食いつめものブルース

この連載「中国生活「モノ」がたり~速写中国制造」が『3億人の中国農民工 食いつめものブルース』として単行本になりました。  各界の著名人から好意的なレビューをいただいています。

  • 中国が熱さを忘れつつある中で、中国に対する熱い思いに満ちた本と言えるだろう。さまざまな読み方、活用法がある本と思うが、私には何より著者、山田氏のその「熱さ」が魅力的だった。 (中国問題の研究家遠藤誉氏によるレビュー「執念の定点観測で切り取った、中国農民工の心?」より)
  • もうひとつの違いは、ロウソクの味がするパンしか食べられない貧しい農民工たちの心の豊かさだ。外国人である山田氏と友情を築いた彼らは、自分が食べていくことさえ困難なのに、必ず「ご飯を食べに来て」と招待する。そこに、ホロリとした。 (米国在住のエッセイスト渡辺由佳里氏によるレビュー「繁栄に取り残される中国の『ヒルビリー』とは?」より)
  • しかし、奇妙なことだが、同書を読後、陰鬱な印象かというと、実はそうでもない。同書には、絶望的な内容があふれてはいる。それなのに、なぜか一抹の希望を感じさせられる。おそらく、それはn=1の農民に愛情を込めて付き添ってきた著者の生き様に、読むものが感動を受けるからだ、と私は思う。 (調達・購買コンサルタント/講演家坂口孝則氏によるレビュー「年収3万の農民に未婚の母、中国貧民の向かう先」より)

あかぎれだらけの手

あかぎれで痛々しい少年の手(写真:Imaginechina/アフロ)

ネットに拡散した王くんの写真には、髪の毛と眉毛を霜で真っ白にしたカット以外のものも何枚かある。その1枚が、王くんの手をアップで撮った写真だ。

あかぎれだらけで赤黒く浮腫んだ、王くんの幼い手。

この写真を見て、私は2007年、ある若い農民工の手を写真に撮らせてもらった時のことを思い出した。10年前の彼は、王くんそっくりのあかぎれだらけの手をしていたのだ。あれから10年後のいま、彼はいったいどんな手をしているのだろうか。

彼の名前はチョウシュンという。安徽省農村出身の1991年生まれ。今年27歳になる一児の父親だ。高校受験に失敗した彼は、15歳で母親が働く上海に出てきて、親戚の紹介で花市場で働き始めた。彼の両親は1965年生まれの私とほぼ同世代だが、2人とも、小学校しか出ていない。15歳で花市場に就職したチョウシュンだったが、仕事の辛さに音を上げて2週間で辞め、父親が農業をして暮らす実家に帰った。その後、東北地方は遼寧省の瀋陽で親戚の子守、浙江省の海沿いの町・寧波の海鮮レストランでウエーター、再び上海に戻ってきて美容師と、職も住む土地も転々とした後、2012年に上海の浦東空港に近い物流倉庫で軽作業の仕事に就いた。給料は残業の度合いで変動したが、平均すると4000元にはなった。

その年、近所の電子機器組立工場で工員をしていたやはり安徽省の農村出身の17歳の少女と知り合い翌2013年に結婚、この年に娘も生まれた。妻の給料と合わせ世帯収入は当時7000元。「仕事でパソコンの操作も覚え、昇給もした。初めて仕事が面白いと思えるようになった」(チョウシュン)。ゆくゆくはマイカーも買って、娘をドライブに連れて行きたい、そのためにはまず免許だと、2015年には1万元をかけて自動車の免許も取得。一児の父親になり、仕事に手応えも感じ始めた。2015年の半ば頃までの2年あまり、すなわち22~24歳のチョウシュンは社会人になって初めて、生活に充実感を覚え、自分の将来に夢も描ける生活を送っていた。

ところが、3年あまり務めた物流倉庫が2015年に不景気で突然閉鎖になり、その後勤めた別の物流倉庫も不景気で半年でクビ、再度見つけた別の倉庫では、給料は前職の2800元から2500元に下がってしまった。過去4年、仕事は一貫して空港の物流倉庫だが、3年前の4500元をピークに下がる一方で、5年前の給料だった3000元になかなか届かないでいた。

チョウシュンは、彼に初めて出会った15歳の時からしばらくの間、いつ会っても赤黒く浮腫んだあかぎれだらけの手をしていた。実家にいたころは、上海で働いている母親の代わりに炊事洗濯など家事の一切を、蛇口からお湯の出ない自宅で15歳の彼が担っていたためであり、上海に出てきてからは、花市場、レストラン、美容師と冷たい水を扱う仕事をしていたためだろう。高校生活を謳歌しているはずの年齢の少年が頻繁に、痛む手をさすり顔をしかめる様子を目の当たりにした私は、農民工を取り巻く厳しい現実の象徴として、さらに何年か後、チョウシュンの状況が好転し「あのころはこんな手をして頑張って働いていたね」と笑って振り返ることができるようにとの願いを込めて、チョウシュンに手を撮らせてほしいと頼んだのだった。

手は白くなったけれど

2007年、上海で再び働き始めたあかぎれだらけの16歳のチョウシュンの手(上)と、26歳になった彼の手

今回、雲南の王くんの手の写真を見て、私はチョウシュンのあかぎれの手を久々に思い出した。そしていつの間にかチョウシュンの手に関心が行かなくなっていたことにも気付いた。おそらく彼の生活が軌道に乗り始めた2012年頃から手が荒れないような生活を送ることができるようになっていったのではないかと思う。ただ、先にも書いたとおり、彼の生活水準は下降線をたどっている。彼と最後に会ったのは去年の4月。チョウシュンは今、どんな手をしているのだろうか。

そう思った私は、雲南の王くんの手の写真を見た数日後の朝、チョウシュンのSNSに、「16歳だった君の手だよ。覚えているよね? できれば、今朝の君の手を写真に撮って見せてほしい」と頼んだ。するとすぐに、彼から写真が送られてきた。赤黒く浮腫んでいたあかぎれが痛々しかったのと同じ手とは思えない、細い指に結婚指輪をはめた白い手がそこにはあった。ピーク時に比べれば給料は減ったのだろうが、少なくとも、いつでも手が荒れていた10年前よりは体に優しい環境に身を置けているのだろう。

チョウシュンから送られてきた写真には、靴を履いた足が写っていた。だから私は、「出勤の途中で撮ってくれたの?」と尋ねた。

彼から帰ってきた返事は、予想だにしていないものだった。

「いま働いてないんだ。『腎積水』になって1カ月前に仕事を辞めて、いまは実家で療養してるんだ」

腎積水、腎臓疾患のネフローゼである。

突然の閉鎖で3年務めた物流倉庫の職を失ったチョウシュンは、それを機に下がり始めた収入を少しでも増やそうと、24時間3交替の倉庫ばかりを選んで働いてきたとのことだった。先週は昼勤、今週は前夜勤、来週は夜勤とすべてのシフトをこなさなければならないため体力的にはキツいが、昼勤のみよりも割がいいのだという。いったいいくら収入が増えるのかと尋ねると、「月額にして200元程度」だと、チョウシュンは答えた。日本円にして3400円である。

成人のネフローゼは、過労とストレスが原因になることが多いのだという。これから子供の教育にお金がかかり始めるというのに収入は20代半ばから減り続けているというストレスや、月額200元を余分に稼ぐために酷使した体がついに悲鳴を上げたのだろうか。収入減で食生活も切り詰めざるを得なかったのかもしれない。

一方で、私にはなかなか理解できない農民工の行動が、このチョウシュンのケースでも起きた。それは、実家で療養する夫に付き添うため、チョウシュンの妻も上海の仕事を辞めてしまったことである。実家にはチョウシュンの両親もいるのだし、妻1人だけでも働いて現金を稼ぐべきではないかと思うのだが、こういう時、彼ら農民工はあっさりと仕事を辞めてしまうことが多いのだ。その背景には、農村の実家には田畑があるため、食べるものは何かしらあるから飢えはしないし、ボロ屋だが住む家もある、という現実がある。ただそれをいいことに働かないと、子供に教育を受けさせるだけのお金は稼げない。結果、子供は進学をあきらめ、親と同じ道をたどる。すなわち貧困の連鎖が続いてしまう。ここに、中国の農村とその貧困を解決する問題の難しさがある。

ただチョウシュンが、手があかぎれてしまう生活を脱して、白い手になろうと懸命に働いてきたのは事実だ。雲南の王くんが大人になるころ、農村の貧困の負の連鎖を断ち切る道筋は見えているだろうか。

北村記事

頭髪が霧氷で真っ白になった王福満君の写真をきっかけに、“留守児童”問題への関心も高まることに(写真:Imaginechina/アフロ)

1月8日、雲南省東北部に位置する”昭通市”に属する“魯甸県”の“新街鎮”に住む小学3年生の“王福満”(8歳)は、同鎮内にある“転山包小学(転山包小学校)”で行われる期末試験に遅れないよう、朝7時50分に家を出た。当時の外気温は零下9℃、家から学校まで山道は4.5km。王福満は舗装されていない泥道を懸命に歩いた。普通なら42分で学校に到着するのだが、この日は非常に寒く、山道は凍って滑りやすく、転ばないように注意して歩いたので、王福満が学校に到着した時には家を出てから1時間が経過していた。

少年の頭髪には“氷花”が

まだ期末試験は始まっていないはずだがと、王福満が心配しながら教室の後ろのドアを開けて中に入ると、すでに着席していた級友たちが一斉に後ろを振り返り、彼を指さして笑い声を上げた。それもそのはずで、薄手の服を着た王福満の頭髪には“氷花(霧氷)”が付着して真っ白くなっていたのだ。頭髪のみならず、眉毛とまつ毛にも霧氷が付着して真っ白だったので、級友たちにはあたかも白髪の老人が突然教室へ入って来たように見えた。一方の王福満は、どうして級友たちが彼を見て笑うのか理由が分からなかった。王福満は学校への道を急いで必死に歩いたから、薄着であっても汗をかいた。頭から出た汗は水蒸気となって蒸発し、外気に当たった水蒸気が瞬時に氷結して頭髪に付着し、霧氷を形成した。少しでも早く学校に到着して期末試験の準備をしようとひたすら先を急いだ王福満には、頭が冷たいという感覚はあったものの、一度も頭に触れなかったため、頭髪に霧氷が付着しているとは思いもしなかった。

当時、教室は期末試験が始まる直前で、級友たちだけでなく、“班級老師(クラス担任の教師)”(以下「クラス担任」)もいた。霧氷を頭髪に付着させて白髪となった王福満を見たクラス担任は、極寒の中を必死で歩いて来たのだと感動を覚え、8時50分に持っていたスマートフォンで王福満の姿を撮影した。そして、クラス担任はその写真を校長の“付恒”に転送すると同時に、感動を分かち合いたいとして同写真に“氷花男孩(霧氷少年)”という題名を付けて、中国最大のSNSである“微信(Wecha)”に投稿したのだった。当該写真は微信ユーザーたちから注目を受け、盛んに転送されて中国全土に知られることとなった。この結果、霧氷少年の写真は中国メディアによって報じられることになり、さらには全世界で知られることになったのである。

“希望小学”に通う“留守児童”

中国メディアが報じた霧氷少年に関する記事の要点を取りまとめると、以下の通り。

【1】王福満の家は赤貧洗うが如しで、古くてボロボロの日干しレンガの家に住んでいる。父親は少しでもカネを稼ごうと省都の“昆明市”へ出稼ぎに行っていたし、赤貧を嫌った母親は家を出て行ってしまっていた。父親は数カ月に1回帰って来るだけなので、王福満は2歳上の姉である“王福美”(10歳)と年老いた祖母の3人暮らしである。“留守児童”<注1>である2人の姉弟は身体の悪い祖母を助けながら明るく日々を送っている。霧氷少年の写真の中の王福満は薄着であったが、それは3着しかないコートを王福満がずっと洗っていなくて汚かったからで、当日は薄い服2着を重ね着して学校へ行ったのだった。

<注1>“留守児童”とは、両親あるいは一方の親が出稼ぎに行き、家に残された学齢期の子供を意味する。

【2】王福満が通う「転山包小学校」は、元の名を“転山包力輝苗圃希望小学”と言い、山間部に建設された“希望小学(希望小学校)”<注2>の一つである。転山包小学校の“付恒”校長は次のように紹介した。すなわち、全校生徒は167人で、彼らの大部分が“留守児童”である。同校には宿舎はなく、全員が通学しており、最も近い生徒で徒歩10分、最も遠い生徒は徒歩で2時間近くかかる。王福満の家から学校までは4.5kmだが、学校まで彼より遠い生徒は30人以上いる。2013年から現在までに、転山包小学校は教室棟、運動場、食堂、実験室などを順次整備し、生徒1人当たり年間800元(約1万4000円)の給食を提供しているが、現状のところ、学校には暖房施設はない。但し、遠距離通学の生徒のための無料宿舎を建設するための寄付をずっと募って来ており、新校舎の建設が完成したので、2月の“春節(旧正月)”以降は学生に宿舎を無償で提供できる予定である。

<注2>“希望小学”は、“中国青年基金会”が貧困地区にいる学校に行けない子供たちを復学させることを目的に、社会大衆から集めた寄付を原資に小学校の新設や老朽校舎の改築を行った小学校。

【3】王福満は算数が得意で、期末試験の算数は99点だった。1月9日付の中国メディアは、付恒校長から提供を受けた、「霜焼けでひび割れ、赤黒く膨れ上がった王福満の両手が、99点を取った算数の答案用紙の上に置かれている写真」を報じたが、そこには日々の暮らしの過酷さや、寒さをしのぐ防寒服や手袋、帽子を持たない貧困児童の悲しい現実が明確に示されていた。一躍有名人となった王福満であるが、彼にはそんな自覚は全くなく、冬休みになったら昆明市へ行って遊ぶのが希望であり、もっと勉強して将来は全国大学統一試験を受けて北京にある大学へ行きたいと夢を語るのだった。

さて、1月9日の夜9時、“昭通市党委員会”副書記で、“昭通市長”でもある“郭大進”が「全市の市民に冬季の生産と生活の安全を保障するためのテレビ会議」を急きょ開催した。地元メディアが報じたその概要は以下の通り。

(1)会議の冒頭で郭大進が「霧氷少年」に関する状況報告を行い、次のように述べた。すなわち、1月7日の夜から強い寒冷気流に襲われた影響で、昭通市は今冬最高の気温低下を来し、多数の県がある高海抜地区では普遍的に“小雪(1日の積雪量が2.5mm以下)”や“中雪(同2.5~5mm)”が降った。調査によれば、霧氷少年は魯甸県新街鎮にある転山包小学校の3年生で、自宅は学校から4.5km離れている。1月8日当日の気温は比較的低く、徒歩で通学した少年が教室に到着した時には、頭髪や眉毛が全て霧氷に覆われていた。その時の写真は8時50分にクラス担任が撮影したもので、学校長に転送された後にネット上に投稿された。当該写真はネットユーザーたちの注目を集め、各メディアによって報じられた。霧氷少年に関心を寄せてくれたメディアと社会各層に対し感謝を表明する。

(2)副市長の“呉静”は、8日当日に現場となった転山包小学校へ出向き、その後に霧氷少年の家を訪問したことを報告し、転山包小学校の在校生全員と留守児童が冬を安全に暖かく過ごせるよう必要な措置を講じるよう指示を出したと述べた。また、魯甸県県長の“馬洪旗”は、副県長の“梁浩波”と共に迅速に転山包小学校と霧氷少年の家に赴き実情を把握したと述べ、市政府から受けた指示を着実に実行中である旨を表明した。

(3)“習近平”総書記の「“以人民為中心的(人民を中心とする)”発展思想」を貫徹し、必要な措置を採り、市民の冬季における生産と生活の安全を保障し、とりわけ、優秀な学生や留守児童が暖かく安全に冬を過ごせるようにする。市の各部門は寒冷地区の学校に対し暖房設備や校舎の整備、医療班による霜焼け治療、道路の安全通行措置などを行うことを決議した。

「寄付横取り」「貧困放置」に抗議の声

一方、霧氷少年の写真を見たネットユーザーが霧氷少年に対する寄付を呼びかけたところ、1月8日だけで20万元(約340万円)を突破する勢いで寄付金が集まった。ところが、このニュースを知った地元の昭通市政府は、「寄付金の受け取りは“中国青年基金会”の傘下にある雲南省および昭通市の“青年基金会”が統一的に行い、当地にいる多数の貧困学生の援助に当てる」との通達を出し、ネット上の寄付呼びかけに歯止めをかけた。

この通達が出されるや、これに反発する抗議の声がネットユーザーのみならず多数の知識人から巻き起こった。知識人2人の発言を例に挙げると以下の通り。

【A】この種の組織は一般的には“清水衛門(甘い汁を吸えない組織)”と言われるが、そこで働く多くの職員は凶悪で、他人の寄付を見れば願ってもないことだと思って私腹を肥やす。君たちは彼らが寄付金の全てを貧困学生に供与すると思いますか。たとえ供与するとしても、それは大幅に減額されるだろう。

【B】地元の政府は霧氷少年を利用して外部から寄付を集めようとし、しかも寄付は青年基金会という組織を通じて行うよう要請した。このニュースを知って、私は真から悪態をつきたいと思った。子供が凍傷になった時、これら政府機関は一体何をしていたのか。王福満の状況は国外では基本的に発生せず、もし発生したなら一大スキャンダルで、地元の県長は引責辞任し、当該県政府は瓦解する。霧氷少年の事件が発生したことについて、政府は長年にわたる人々の生活に対する政策の誤りを反省しなければならない。メディアも今回の事件について貧困という問題の根本原因を追究せず、王福満が将来大学に行きたいと希望しているという美談に方向を転じようとしているが、彼が大学に進学できる可能性があるというのか。

中国農村に留守児童2300万人

ニュースサイト“網易新聞”の“数読(Data Blog)”欄は2017年8月1日付で「中国に留守児童は2300万人」という記事を掲載した。その概要は以下の通り。

(1)最近、公益組織“上学路上(勉学途上)”は『2017年中国留守児童精神状況白書』を発表した。同白書によれば、中国の義務教育段階にある農村の小中学生総数を4000万人と推定して、父母の一方あるいは父母双方が出稼ぎに出ている農村学生の数を計算すると、中国の農村には合計2300万人の留守児童がいることになる。

(2)中国における留守児童の具体的な数は推計方式によって相違が大きい。2013年に“全国婦女聯合会”が、2010年に実施された“第六次人口普査(第6回国勢調査)”のデータに基づき推計した結果は、農村留守児童の総数は6103万人であった。2016年に政府の多部門が連合して展開した「農村留守児童徹底調査」による統計では、全国の16歳未満で、父母双方が出稼ぎにでている農村留守児童の数は902万人であった。

(3)同白書は全国17の省・直轄市・自治区の一部学生に対してアンケート調査を行ったもので、有効回答1万4868部中の82.8%が農村の学校から提出されたものだった。農村学生の中で父母双方が出稼ぎにでている“完全留守状態”にある学生の比率は26.1%を占め、これに父母の一方が出稼ぎに出ている学生を加えると、留守児童の比率は58.1%に達している。

(4)農村地区における完全留守児童の多くは年老いた祖父母の世話を受けたり、親戚に預けられたりして、家庭の温かみを感じることが難しい。10%以上の農村留守児童が1年に1度も父母に会えておらず、3.9%の父親、8.5%の母親がそれぞれ1年に1度も子供と連絡を取っていない。

霧氷少年として一躍有名になった王福満とその姉の王福美には、昆明市へ出稼ぎに行っている父親しかいないが、母親は家を出たので、彼らは完全留守児童である。但し、彼らは決して特別な存在ではなく、上述した白書に基づけば、全国の農村地区には父母双方不在の完全留守児童が1000万人、父母の一方不在の留守児童が1300万人いる計算になる。こうした実情を勘案すれば、昭通市政府が王福満に対する寄付の受け入れ窓口を青年基金会に一本化し、集まった寄付金を王福満だけに限定せず、昭通市内の貧困学生のために使おうとするのは決して間違ったことではない。しかし、人々は感動を与えてくれた王福満のために寄付をするのであり、それは彼を含めた転山包小学校の全校生徒のために使われるべきである。そればかりか、人々は寄付に青年基金会のような公的組織が介在すると、寄付金額が大幅に目減りし、実際の受贈者には微々たる金額しか届かないことを過去の経験から知っている。だからこそ、人々は昭通市政府が出した通達に激しく反発したのだが、この決定が覆ることはないだろう。

“国家級貧困県”にはびこる不正

ところで、王福満が暮らす昭通市の魯甸県は、全国に564カ所ある“国家級貧困県”の1つである。“国家級貧困県”は“国家扶貧工作重点県”とも言い、「国家が資金を供与して貧困人口の救済と自立支援を行う重点県」を意味する。魯甸県は2014年8月3日にマグニチュード6.5の地震により大きな被害を受け、死者617人を出した。当時の統計によれば、魯甸県の人口は41万人で、その中の15万人以上が貧困人口であったが、地震の被害により貧困人口は増大したものと思われる。当然ながら、王福満の家族はこの貧困人口の中に含まれる。

中国政府が国家級貧困県に提供する資金を“扶貧資金”と言うが、この扶貧資金にも不正が確認されている。“国家審計署(日本の会計監査院に相当)”が発表した2018年の第1号公告には、監査結果で問題が発見された34件の状況報告が記載されているが、その中に2012年から2015年の間に雲南省の“硯山県”、“麻栗坡県”など11県の“扶貧辦公室(事務所)”が680万元(約1億1600万円)の扶貧資金を騙し取っていたことが判明し、29人の責任者が処罰されるとあった。

しかし、これは氷山の一角に過ぎない。1月9日付の中国メディアは次のように報じた。すなわち、国家審計署が2016年と2017年の2年間に374カ所の国家級貧困県を抽出して監査を行い、1万8200戸の貧困家庭を訪問して調査を行った結果、これら貧困県に供与された総額738億元(約1兆3310億円)の扶貧資金の中、70億元(約1190億円)以上の資金に問題のあることが判明し、各地に命じて回収などの方式で改善を促している。昨年10月末までに32億元(約544億円)を改善し、970人が責任を追及されている。

国家級貧困県の改善を支援するための扶貧資金が、資金の受け入れ窓口として実務を行う扶貧事務所の人々によって騙し取られていては、貧困人口が削減できるはずがない。本来なら中国メディアは霧氷少年を報じると同時に、留守児童と貧困人口に関する問題を論じるべきだが、国営通信社の「新華社通信」が1月12日付で配信した記事の表題は、『中国の霧氷少年を見て、外国人はついに中国がどうして強大かを知った』であった。これを見て、筆者はあっけにとられ、中国がどうして脆弱なのかを知ったのだった。

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『中国はなぜ「2020年、台湾武力統一」を目指すか 外資企業に“踏み絵”、一気に狭める包囲網』(1/17日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/18ロイター<インタビュー:米大統領、北朝鮮問題でロシア非難 中国に罰金も>米国が中国の知財侵害に対して巨額の罰金を課そうとしていますが、中国は米国債の購入停止を目論んで対抗しようとしています。その時は日本が引き受ければ良いのでは。担保は中国大陸にだけ届く核ミサイルのシエアリング(実質日本の意思で発射できる)密約を結ぶことです。1/15虎ノ門ニュースで、青山繁晴氏は、中国は日本の人口30万人以上の都市に核ミサイルの照準を合わせているとのこと。小生の住む柏市も当然入ります。以前から10大都市に向けて照準を合わせているとは聞いていましたが、やはり日本を敵国としているという事でしょう。「一帯一路」に協力するのはもっての他です。福島氏が言うように日本企業も良く考えませんと。レーニンの言った「資本家は利益の為には、自分の首を吊るす縄さえも売っている」ことにもなりかねません。

https://jp.reuters.com/article/usa-trump-trade-idJPKBN1F700L

http://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid2142.html#sequel

1/19日経朝刊<勢い増す中国、最大のリスクに イアン・ブレマー氏 米ユーラシア・グループ社長

中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記(国家主席)は2017年10月、第19回党大会の活動報告で、中国は世界の先頭に立つ国家になるという演説をした。ゴルバチョフ・ソ連大統領(当時)が1991年12月、(自らの辞任に伴う)ソ連の消滅を認めて以来最も重要な演説で、世界的な意味を持つ。

Ian Bremmer 世界の政治リスク分析に定評。著書に「スーパーパワー――Gゼロ時代のアメリカの選択」など。48歳。ツイッター@ianbremmer

5年の任期の2期目に入った習氏は国内の権力基盤を固め、中国の対外環境を再定義し、国内の新しいルールを設定できるようにもなった。政治的な攻撃にさらされ本来の職務に集中できないトランプ米大統領が、伝統的な同盟国や同盟関係への関与を縮小するなか、中国は前に歩み出している。中国には、米国が自ら作り出した力の空白を埋める用意がある。

欧米の指導者は長年、中国の指導者はいずれ新たな中間層の要求に屈し、政治の自由化を余儀なくされると考えてきた。だが今では、包囲されているのは欧米の民主主義のようにみえる。欧米の市民は、グローバリズムが自分たちの生活に及ぼした負の影響に怒り、変化を求めている。政府は求めに対応できないでいる。既成政党や公開情報などへの一般市民の信頼感が薄れ、民主主義そのものが脅威にさらされている。

対照的に中国の指導者は、国内を繁栄させ、世界における中国の重要性を着実に高めた。抑圧や検閲、汚職、公害といった昔からの問題はまだ残っている。しかし生活の多くの分野でかなりの進歩があったことから、中国の人々は、欧米がなくしてしまった指導者への信頼感を失っていない。

こうした流れは、世界にとってどのような意味を持つだろうか。中国は今では、以前ほど抵抗を受けずに国際標準を設定できるようになった。

まず貿易・投資では、中国は世界戦略を持つ唯一といえる国だ。中国は広域経済圏構想「一帯一路」を掲げ、政治的な前提条件を設けずにあらゆる地域の途上国へ進んで投資することにより、野心を強めている。欧州は欧州地域の問題にかかりきりで、米国では、「貿易」が政治における否定的な言葉になってしまっている。アジアや中南米、アフリカ、中東の政府は、中国と連携する可能性が高まっている。

第2に、世界ではテクノロジーを巡る攻防が繰り広げられ、とりわけ米国と中国が人工知能(AI)への投資を競い合っている。米国ではAI分野は民間部門が主導しているようにみえるが、中国では国家が主導し、有力企業や機関に対し国家の利益にかなうようなやり方を指示しているといえる。貿易・投資戦略と同様、国内の社会不安を最も恐れる国々は、中国の発展モデルを魅力的と感じるだろう。小国などのハイテク部門は、中国や中国企業の求める技術標準と連携することになりそうだ。

最後に、価値観の問題がある。中国の魅力はイデオロギーではない。中国の輸出する政治的な価値観は、他国への不干渉という原則だ。経済援助と引き換えに政治・経済改革を要求する欧米に慣れている他国の政府にとっては、魅力的だ。欧州の首脳が多くの問題を抱え、トランプ氏が「米国第一」主義の外交政策を掲げる中、欧米的な価値観に基づかない中国の経済や外交へのアプローチに対抗するものは何もない。

もっとも、中国の国際的アピールに限界があるのは明らかだ。中国の周辺国は、自国付近での中国の軍事力の誇示に懸念を深めている。だが中国が米国のような軍事力を世界に展開できるようになるには、まだ数十年かかる。中国は地域大国にとどまり、米国との軍事支出の格差も縮まっていない。

ただグローバル化が進んだ世界では、経済的な影響力という武器やサイバー空間での不明瞭な勢力バランスが、国家の安全保障の脅威になっている。国際的な影響力の行使について、従来型の軍事力は今までほど重要でない。

18年以降の世界的な事業環境について、中国企業は国内だけでなく存在感を強める。中国政府が影響力を拡大する国においては、中国が推進する新たなルールや標準、慣行に従わねばならなくなるだろう。

中国のアジア太平洋地域における勢力拡大を制限するために日本とインド、オーストラリア、韓国が協力を強めることが予想される。摩擦や紛争のリスクが生まれる。米中関係の状況によっては、トランプ政権がアジア太平洋での活動を活発化させるかもしれない。中国が内外で不名誉な挫折に直面するようなことがあれば、壮大な野心を抱く習氏が、共産党内のライバルから攻撃を受けやすくなる可能性もある。

世界は18年、中国に注目し、中国と欧米のモデルを比較するだろう。欧米にとって、中国のシステムはほとんど魅力がない。ほかの地域の大多数の国に対しては、中国のモデルはもっともらしい、欧米に代わる選択肢を提供する。習氏が選択肢を進んで提供する準備ができていることが、18年の世界最大の地政学リスクだ。>(以上)

共産主義が世界に広がるのは悪夢としか言いようがありません。毛沢東が目指した世界永久革命の名を借りて、習は中華の復興をしようとしているのでは。而も武力だけでなく資本の象徴であるお金の力を借りて。これから見ても結果の平等を目指す共産主義は名ばかりで、中国人が世界制覇して資源を独り占めしようとしているのが分かります。これを防ぐには中国経済を崩壊させる必要があります。渡邉哲也氏が言う金融制裁と海上封鎖で貿易できなくすることです。中国の富の大部分は米国への輸出ですから、それをできなくして軍拡原資を無くすことです。習の反腐敗運動で軍の粛清が続けられ、軍内部には習に対する不満が募り、昨年末には習の9回目の暗殺が企てられたとの話もあります。(1/14ZAKZAK 習近平氏 9回目の暗殺未遂にショックを受け一時入院か)。クーデターが起きるように、軍に金が回らないように、かつ石油も手に入らないように締め上げれば良いのでは。イアン・ブレマー氏の見立てでは習の昨年の党大会の活動報告は世界史的な意味を持つとしていますが、一種の警告だと思います。自由世界に住む人々が中国の陣地取りを許して良いのかどうか、やはり国際ルールと違った行動をする中国は仲間はずれにしなければ。要人に裏で賄賂を贈るかハニーで誑かして、中国に有利な契約を結ぶのはスリランカやパキスタンでも見られました。世界は悪に靡こうとしています。もっと危機感を持って中国と対峙しなければ。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/180114/soc1801140007-n1.html

記事

米国系大手ホテルチェーン・マリオットインターナショナルは、台湾を「国扱い」したことを中国に謝罪した(写真:AP/アフロ)

習近平政権がいよいよ台湾統一にむけた攻勢を強化してきた。たとえば、年明けから中国に進出する外資系企業に対する“踏み絵”を踏ませている。マリオットホテル、米デルタ空港、スペインのアパレル大手ZARAなど、中国に大きな市場をもつ外資系企業に対し、台湾、香港、チベットを「国扱い」していることに対して、謝罪を要求し、今後国扱いさせないことを確約させているのだ。台湾と中国の統一世論を国際社会に誘導させようというのが狙いだが、巨大市場を失いたくない中国進出企業は次々と、中国の狙いどおり、謝罪し、「中国の分裂を支持しない」ことを表明。年初に香港英字紙サウスチャイナモーニングポスト上で、華人政治評論家の鄧聿文が、中国に2020年に武力統一を実現する計画があることを指摘しているが、その目標にむかって、国際環境を整えに入っているという見方もある。

「国扱い」で謝罪も「イイネ」で再炎上

1月9日、中国のSNS微博で、米国系大手ホテルチェーン・マリオットインターナショナルが会員向けに出しているメールによるアンケートの選択肢で、香港、マカオ、台湾、チベットを国扱いしている、と中国人会員が告発し抗議した。このことが中国のネットで炎上、「人民の金で儲けているのに、中国を分裂させようとしている!」と不買運動を呼びかけるまでに広がった。

マリオット側は微博公式アカウントですぐさま「深くお詫びいたします。マリオットの中国会員を失望させる過ちを犯したと思い至りました」と謝罪。さらに、上海に所在するマリオットの大中華区責任者が、マリオットの行為が「サイバーセキュリティ法」および「広告法」違反として、上海市黄浦区の市場監督管理当局から立件調査を受ける事態にまでなった。マリオットインターナショナルはすぐさま自主的にサイトおよびアプリケーションソフト上で発表したすべての情報精査を約束し、台湾やチベットを国扱いした記述をすべて消去、アプリも更新し、全面的に謝罪した。

だがその翌日の1月10日、チベット独立支持のNGO「フレンズ オブ チベット」のツイッターオフィシャルアカウントが「マリオットインターナショナルが、チベットを香港、台湾とともに国扱いしてくれたことを祝う」とツイートしたのに対し、マリオットの公式アカウントがイイネ(Like)を押していたことが、やはり中国人ユーザーに見つかり、またもやネットで炎上。マリオット公式アカウントはまたもや「我々は中国の領土や主権を損なういかなる勢力も絶対に支持しません。さらなる誤解をまねく行動については深刻に謝罪いたします」と平謝りさせられた。マリオットはこの一週間の間、実に5回も謝罪させられた。

同じように12日、米デルタ航空のサイトおよびアプリで、チベット、台湾を国家扱いして表記していたことが中国人ネットユーザーに告発されネットで炎上、それに対してデルタ航空が謝罪させられただけでなく、中国の民航局は、中国便をもつすべての外国の航空会社に対してサイトおよびアプリ上でチベット・台湾を国扱いしてないか調査を要求、その結果、ユナイテッド航空、KLMオランダ航空、エアフランス、アエロフロートなど24航空がチベット・台湾・香港などを国扱いしており、記述の変更が命じられた。

サイト上やアプリ上でチベット・台湾を国扱いしたとして中国人ネットユーザーから難癖をつけられ謝罪に追い込まれた中国進出外資企業はほかにも、米メドトロニック、スペインのZARA、仏シャネル、伊ブルガリなど20社以上にのぼったが、ほとんどが謝罪し、記述を国・地域に変更するなどに追い込まれた。

クイズ番組の「三択」でも炎上

また、中国大手ネットライブ配信アプリ花椒直播がクイズ番組で、カナダと並べて台湾、香港の名前を放送したことも、ネットユーザーからの抗議で炎上。「ジョイ・ウォン(台湾人女優)が住んでいるのはどこの国?」という問題の三択の答えに「香港、台湾、カナダ」と並べたことが問題視され、ネット情報管理弁法、ネットライブサービス管理規定に違反したとして番組の全面改正を命じられた。

中国に進出している企業において、顧客アンケートの選択肢などで、中国と台湾を同列の国家扱いで並べて表記することは実際よく見られることで、これまでは、中国は一国二制度や「一つの中国」原則などを打ち出してはいるものの、外国企業に対してはそこまで厳密な取り締まりはしていなかった。またおそらくは外資系企業も、あえて中国の政策に抵抗するというよりは、事実上、中国と台湾が、政治制度も文化も異なる“国”として分ける方が、企業が必要とする顧客資料、データとしては意味があるというところだろう。

だが、習近平政権になって、こうした細かい部分を見逃さなくなってきた。ささいな記述の差であるが、いわゆる“ネット紅衛兵”と呼ばれる愛国的ネットユーザーたちをけしかけることで、主だった企業のこうした“過ち”を見つけ出しては、謝罪させ、他の企業の見せしめとすることで、国際世論に強いメッセージを出している。

中国外交部は定例記者会見で、「香港、マカオ、台湾、チベットが中国の一部であることは客観的事実であり国際社会の共通認識。北京は外国企業の対中投資を歓迎しているが、中国に進出する外国企業は当然、中国の主権と領土の保全を尊重し、中国の法律、民族の感情を尊重してもらわねばならない」と改めて企業に対するイデオロギーチェックの必要性を強く打ち出した。

バチカンと関係修復、戦闘機侵入は倍増

中国がネットなどを通じて大衆をけしかけて、不買運動や抗議活動を起こさせることは依然からちょくちょくあり、たとえば、2017年、THAADミサイルの配備問題で、韓国のロッテ系列のスーパー約80店舗を閉店に追い込んだり、2012年の尖閣諸島国有化で、日系企業への焼き討ち暴動を扇動したりした。一見、民衆の怒りが爆発したようにみえるが、こうした動きは、実際のところ、当局の世論誘導によるものである。これは当局が大衆の言論や暴力を外交圧力に利用しようという政治的意図と同時に、大衆のガス抜き効果も兼ねていた。

だが、習近平政権二期目に入って、韓国や日本との関係改善の必要性が迫られてくると、こうした世論のガス抜きの矛先も、韓国や日本にばかり向けてもいられない。同時に、第19回党大会で強く打ち出した「偉大なる中華民族の復興」の今世紀半ばまでの実現へのファーストステップは、台湾統一に照準を定めるとみられている。

企業などに対する踏み絵だけでなく、その他の外交攻勢も強化されている。中国は目下、台湾と国交があり中国と断交中のバチカン市国との関係修復を模索しており、3月には双方が40点ずつ美術品を交換して展示ツアーを行う美術外交が計画されている。もし、バチカン市国が万一にでも中国と国交を結ぶことがあれば、台湾は最も影響力を持つ国との外交関係を失うことになる。

また解放軍の台湾に対する圧力自体も高まっている。2017年、中国戦闘機が台湾海峡の中間線を越えてきたのは少なくとも20回、2016年の8回の倍以上。また今年になって、中国の民間航空局は、台湾との事前協議なしに、一方的に台湾海峡の中間線より7.8キロしか離れていない民間航空路線の使用を開始、これは明らかに台湾に対する威嚇でもある。昨年は、台湾人NGO職員李明哲が政府転覆容疑で逮捕された事件もあった。

中国の民間シンクタンクに所属する政治評論家で、元中央党校機関紙・学習時報編集者の鄧聿文による論文が1月3日のサウスチャイナモーニングポストに掲載されたが、それによれば、中国は2020年に台湾を武力で統一する可能性がある、と改めて指摘している。

「手ごろな戦争」の現実味は

いわく、これまで曖昧模糊としてきた台湾統一のタイムスケジュールは、第19回党大会の“新時代”目標の一つとして“祖国統一”の実現が打ち出されたことではっきりしてきた。習近平の計画では2050年ごろまでに中華民族の偉大なる復興を実現するということだが、そのためには遅くとも、次の台湾総統選が行われる2020年までに台湾をコントロール下に置かねばならない。台湾統一以前に、“復興”などありえないからだ、という。

さらに、習近平政権は武力統一計画を進めるつもりだという。その要因は、台湾独立派のパワーが以前より高まってきたこと。この数年、経済を切り札に台湾人を取り込もうとしてきたが、むしろ両岸関係は悪化し、台湾人の中国に対するアイデンティティはむしろ淡化の傾向にある。また、たとえ国民党が再び政権に返り咲いたとしても、中台統一を指導するだけの力量はなく、中国人自身が台湾に対する武力統一を望みはじめたこと。政権は表面上、平和統一をスローガンとしているが、事実上、すでにこの理念は放棄している、と指摘している。

2020年というのは、中国が二つの100年計画の一つ「小康社会の全面的実現」目標の期限である建党100周年の2021年より一年前であり、もしこの時点で台湾統一が実現できれば、習近平政権にとっては長期独裁を全党および人民に納得させるだけの効果を持つ歴史的偉業となる。さらに、今は中国に比較的融和的にみえる米トランプ政権だが、昨年末に中国とロシアに対する定義を「戦略的ライバル」とする国家安全戦略を公布し、台湾との緊密関係を維持する姿勢を改めて打ち出したことを受けて、中国としては武力を使ってでも早期に台湾統一計画を実現する必要がある、と考えたかもしれない。

執政党としての正統性や軍の求心力がゆらぐ習近平政権が、そのパワーを回復するために“手ごろな戦争”を行う可能性はかねてから指摘されていたが、米国が北朝鮮問題で中国の協力を要請しているうちに、台湾統一を一気に進めるという考えは十分にありえる。そもそも、北朝鮮の核武装自体、江沢民政権が関与していたと見られているが、その動機は米国と台湾問題で駆け引きに使うためであったという説がある。こうした武力統一論を盛り上げることで、台湾を威嚇する一方で、国際世論の圧力を利用して台湾に“無血開城”させようということかもしれない。

ここで、問われるのは、日本と日本企業の姿勢だろう。

「次は日本だ」の覚悟を

日本では新版広辞苑が掲載地図で台湾を「台湾省」と表記し、台湾当局から強い抗議を受けたが、もともと親中派の岩波書店は記述に誤りはない、と開き直った。日本の場合、台湾の表記に関しては、必要以上に中国寄りになっている企業の方が多いかもしれない。その一方で、台湾シンパの日本人も多く、2020年の東京五輪で台湾をチャイニーズ・タイペイではなく、台湾という正名で参加を求める日本人による署名運動が民間で徐々に拡大している。どういう姿勢をとるかは、個々の歴史に対する理解、解釈とビジネス上の利益との兼ね合いの問題かもしれない。

だが、台湾が“平和統一”であれ“無血開城”であれ“武力統一”であれ、中国の一部となってしまうと、次に脅かされるのが日本の領土、尖閣であり沖縄である、という事は忘れてはならないだろう。価値観を共有する台湾の“民主主義国家”としての存在が、日本の安全保障に不可欠であるということも。

日本企業は、中国を刺激、挑発するような言動をする必要はないが、少なくとも世論が台湾の人々の意に反して中台統一の外交圧力に利用されるような状況に加担するような真似をしないことが、単なるビジネス上の利益以上に、切実な日本人にとっての利益であることを忘れないでほしい。

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『「五輪外交で主導権を握った」と小躍りする韓国 知米派は「豹変するトランプ」を警戒』(1/17日経ビジネスオンライン 鈴置高史)について

1/18首相官邸と自民党に「首相の平昌オリンピック出席反対の件」としてメール送付しました。内容は、「自民党・公明党が首相の平昌オリンピック出席を促しているように見えますが、1/15読売新聞世論調査で「韓国の追加要求拒否、支持83%」、同じく1/15JNN世論調査で「日韓合意での韓国側対応「理解できない」が85%」とありました。日本国民の大多数が韓国の対応はおかしいと考えている証左です。そういう時に、韓国の招聘があるからと言って首相がオリンピックに出席すれば、韓国に誤ったメッセージを送ることになり、益々韓国を増長させるだけです。所謂従軍慰安婦は朝日新聞の誤報が元になっているので、それをキチンと国際的に謝罪させないとこの問題は永遠に続くだけです。自公両党は「出席の努力をしている」アリバイ作りをしているだけでしたら良いのですが。次の選挙のことを考えれば、上記の数字を見る限り出席はあり得ないと思います。」と。

首相官邸

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

自民党 ご意見

https://www.jimin.jp/voice/

1/15レコードチャイナ<日本人の83%が「韓国の慰安婦追加要求を拒否すべき」、調査結果に韓国ネットが落胆「日本人たちの良心はどこへ?」「許しを得られる機会なのに」>

http://www.recordchina.co.jp/b253995-s0-c10.html

反日教育で洗脳された頭では批判精神が持ちうる訳がありません。韓国は「反日有理」「反日無罪」の国で反日であれば何でも許されると思いこんでいる反近代のおぞましい国家です。こんな国民と無理して付き合う必要はありません。『非韓三原則』で行くべきです。反共の橋頭堡としての役割も放棄してレッドチーム入りしている訳ですから。

まあ、韓国民が北と一緒になり、自分が虐殺される段になって初めて共産主義の恐ろしさに気付くのでしょうけど。後の祭りです。ルトワックの言う通り、自業自得です。日本も民進党と希望の党の合流話が壊れましたが、民進党と立憲民主党は合流する可能性があります。先の選挙で何故分かれて戦ったのかの説明もなく、選挙民を愚弄しています。彼らは左翼で、選挙で勝つことだけを念じて離れたりくっついたりします。中共・韓国と同じく平気で嘘がつけるのが特徴です。日本も選挙と言う民主的手続きを経て民主党を政権につけて如何に国益を損ねたか体験したにも拘わらず、まだまだ左翼議員が多すぎます。そんなに左翼がいいという人は是非中国人か北朝鮮人になってほしい。思想・信条に忠実であればそうすべきです。その勇気がない人は、左翼政党の微笑路線に騙されているのでしょう。もっと自覚を持って投票所に行かないと。

記事

1月9日の南北閣僚級会談実現で韓国は「主導権を握った」と胸を張るが…(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

前回から読む)

韓国人の「妄想」が激しくなってきた。

米中の支持で「運転席」に

鈴置:韓国人が「平昌(ピョンチャン)冬季五輪をテコに、我が国が朝鮮半島の主導権を握った」と大喜びしています。

聯合ニュースの「米中、文大統領を『運転席』に座らせる……南北をつなぐ北の核外交が始動」(1月11日、韓国語版)が典型です。書き出しを訳します。

南北対話を呼び水に北朝鮮の核問題を解決しようとする文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対し、米中両国の首脳が確かな応援に乗り出した。

朝鮮半島周辺の力の秩序を導くG2(主要2カ国)である米国と中国が支持する中で、文在寅大統領の「朝鮮半島運転席論」が力強さを増している。

(この政権で)南北初の閣僚級会談を開いた翌日の1月10日、文大統領はトランプ(Donald Trump)大統領と電話で協議した。これに続き翌11日午後には習近平主席と通話、南北閣僚級会談の結果を説明したうえ今後の対応に関し協議した。

金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長と「間接対話」をした後に連日、米中首脳とその結果を迅速に共有し、対応を協議したと言える。

「五輪休戦」で一挙に挽回

—すごい喜びようですね。

鈴置:韓国人は、朝鮮半島の行方を決める時でさえ、自分たちは蚊帳の外に置かれてきたとの不満を持っています。

米韓首脳会談(2017年6月)を終えた文在寅大統領は「我々が対話を通じ朝鮮半島問題で主導的に動くことへの支持を取り付けた」と説明しました。

トランプ大統領を説得し、ついに運転席に座った、と誇ったのです(「早くも空回り、文在寅の『民族ファースト』」参照)

ところがその後、韓国は「運転席に座る」どころか、北朝鮮はもちろん、米中からもまともなプレーヤー扱いされませんでした。そこで韓国では「文大統領が座る運転席にはハンドルが付いていない」といった自嘲の声があふれました。

でも今、韓国は「五輪休戦」を唱えることで、自分中心に世界が回り始めたと考えています。これまでの「ふがいない韓国像」を一気に覆す快挙です(「『五輪休戦』で金正恩の窮地を救う文在寅」参照)。

北朝鮮が平昌冬季五輪に参加を表明。それをテコに韓国は米国に合同演習の延期を飲ませました(「五輪休戦を巡る動き」参照)。

  • 五輪休戦を巡る動き
2017年
11月29日 北朝鮮、ICBM「火星15」試射、「核武装を完成」
12月19日 文在寅大統領、米NBCに「五輪期間中は合同演習を中断するよう米国に提案した」
2018年
1月1日 金正恩委員長、新年の辞で「平昌五輪に代表団派遣の用意ある。核のボタンは常に私の机の上にある」
1月2日 文在寅大統領、南北対話の速やかな実施を指示。韓国、北朝鮮に「閣僚級会談の1月9日開催」を提案
1月3日 北朝鮮、南北連絡チャネルを再開、五輪参加を協議と発表
1月4日 米韓首脳、電話協議で合同軍事演習の延期に合意
1月5日 北朝鮮、閣僚級会談の開催を受諾
1月6日 トランプ大統領、会見で「いつも(北朝鮮との)対話を望んでいる」「(無条件での対話は)しない。それは彼(金正恩)も分かっている」
1月9日 板門店で南北閣僚級会談
1月10日 文在寅大統領、新年記者会見
1月10日 米韓首脳、電話で南北会談に関し意見交換
1月10日 トランプ大統領、会見で「南北対話が世界のためになることを期待する。今後、数週間、数カ月の間に起こることを見守ろう」
1月11日 中韓首脳、電話で南北会談に関し意見交換
1月11日 トランプ大統領、WSJに「金正恩とはたぶんいい関係がある」
1月15日 南北、五輪に関する局長級実務協議
★   ★   ★
2月9-25日 平昌冬季五輪
3月9-18日 平昌冬季パラリンピック

注)トランプ大統領はWSJ報道の「いい関係がある」との発言は「いい関係になるだろう」を誤って報じたと1月14日、ツイッターで主張

さらに、南北閣僚級会談の開催にこぎつけた文在寅大統領は、米中首脳にその結果を説明する快感を味わいました。それを見た韓国人は「やはり我々は運転席に座っていたのだ!」と小躍りしたのです。

韓国の顔色を見る日本

いつもは冷静な筆致の中央日報のコラムニスト、チョン・ヨンギ記者も「中国と日本が韓国の顔色をうかがうようになった」と文在寅外交を褒めたたえました。「『平昌開幕式』の夢のような場面」(1月8日、日本語版)から引用します。

文在寅大統領は金正恩が新年の辞で差し出した平昌五輪の出席カードを握って、トランプ大統領に電話をかけ韓米合同軍事演習の延期を確定させた。

驚くべき機敏で大胆な行動だ。中国と日本も戸惑い、朝鮮半島のハンドルを握った文大統領の顔色をうかがっている。

韓国語の元記事を読むと「顔色をうかがう」部分は、やや上から目線の翻訳で「様子をうかがう」くらいのニュアンスと思います。が、いずれにせよ韓国人の高揚感が伝わってきます。

韓国の通信社、NEWSISも1月15日「日本、南北対話の進展で『日本外し』を憂慮」(韓国語)を報じました。

南北対話が進み始めたうえ、米国もこれに理解を示している。このため日本政府が「外される」と恐れていると東京の外交筋が明かした、との内容です。

安倍は五輪を拒否できない

文在寅外交の勢いに押され、安倍晋三首相も平昌五輪に出席せざるを得ないだろう、と書くメディアも出てきました。聯合ニュースの「『謝罪不可』を繰り返した安倍……2年連続で新年早々『慰安婦挑発』」(1月11日、韓国語版)です。

配信先のメディアでは今も読めますが、記事が差し変わったようで現在、聯合ニュースのサイトにこの記事は見当たりません。そこで韓国日報のサイトから引用、翻訳します。

平昌五輪を控え南北間の対話ムードが造成されたうえ、トランプ大統領も対話を支持する立場を明らかにするなど、状況が変わった。

南北対話局面が続く状況で韓日関係が悪化すれば、日米同盟を通じ対北圧迫路線に重点を置いていた自分の立場が弱まる可能性があると懸念せざるを得ないだろう。

少し説明が要るかと思います。韓国人は今「周辺国のトップが1人も平昌五輪に出席しないのではないか」と心配しています。

安倍首相も来る雰囲気にはない。1月9日に発表した「従軍慰安婦に関する日韓合意への新方針」で韓国政府は「日本の謝罪が不十分」と主張したからです。日本政府は同日、この蒸し返しに対し「合意で『不可逆的に解決』と約束したではないか」と抗議しました。

翌10日に記者会見した文在寅大統領は「日本に対し慰安婦問題の真実と正義に立脚した解決を求めるということだ」と述べ、明確に追加措置を求めました。この発言は朝鮮日報の「質疑応答全文・文大統領の新年記者会見」(1月10日、韓国語版)で読めます。

こうした状況から、聯合の記事も「安倍は来ないだろう」とまずは書きました。しかしその後に「だが、我々の肩をトランプが持った。これまで米国と組んで強腰だった日本も変わらざるを得ない。安倍が来る可能性が出てきた」と気を取り直したのです。

同じノリで「安倍の五輪出席」を要求する韓国の外交関係者が目立ちます。「トランプを味方に付けた。日本には強く出られる」との気分が国全体に広がっているのでしょう。

トランプは冷血漢だ

—しょげかえっていた韓国人が突然、舞い上がったのですね。

鈴置:「舞い上がる韓国人」に危機感を抱く韓国人もわずかながらいます。知米派です。朝鮮日報の趙儀俊(チョウ・ウィジュン)ワシントン特派員は「豹変するトランプに気を付けろ」と書きました。 「トランプの南北対話に関する本音」(1月8日、韓国語版)を訳します。

トランプ大統領はNYT(ニューヨーク・タイムズ)やWP(ワシントン・ポスト)を「フェイクニュース・メディア」と激しく攻撃する。が、一方でその記者に対しては優しく名前を呼び、時には直接電話で自らの考えを伝えたりするという。目的の達成に必要なら、いつでも敵と同衾できるのだ。

あるシンクタンクに属する専門家は「トランプ大統領は実業家出身。プラス思考で、勝つのは自分の側と考える性格だ」としたうえ「平昌五輪をテコに使うため今は対話派の手を上げているが、結果が気に入らなければ一瞬にして強硬派に力を与えるだろう」と予想している。

青瓦台(大統領府)は平昌五輪を通じ、北朝鮮を対話の場に引き出し、それにトランプ大統領の支持を得たと喜んでいるのかもしれない。しかしトランプ大統領は朝鮮半島の非核化という目標に集中するだけで、必要なら手段をいつでも変えられる冷血漢だ。

青瓦台による対話の推進が結果的に平和の定着どころか、逆に米国の軍事行動を早める結果をもたらす恐れさえある。

数カ月は見守る

—「逆に軍事行動を早める」とは?

鈴置:文在寅大統領はトランプ大統領に「合同演習を延期すれば北朝鮮は対話に出てくる。その場を使い、非核化を話し合う米朝対話を実現するよう努力する」と説いて、延期を受け入れてもらったと思われます。

もちろん、米政府は文在寅政権を信用していません。北朝鮮の言いなりになり、国連制裁を破ってカネやモノを渡したり、あるいは南北対話を引き延ばして北朝鮮に核開発の時間稼ぎをさせるのではないかと疑っています。

1月4日の米韓電話協議で合同軍事演習の延期を決めた後、ホワイトハウスはそれに関する発表文で「過去の過ちを繰り返さぬため、北朝鮮に対する最大限の圧力を続けることで両首脳は合意した」とクギを刺しています。

The two leaders agreed to continue the campaign of maximum pressure against North Korea and to not repeat mistakes of the past.

これだけ念を押されているのです。もし「文在寅の裏切り」が明らかになれば、トランプ大統領が突如、北朝鮮の空爆に出かねない――と、趙儀俊特派員ならずとも考えます。

なお米国は「米朝対話」、あるいは「非核化要求」に対する「回答期限」を、パラリンピックが終わる3月18日頃に設定しているフシがあります。

トランプ大統領が1月10日、記者団に「数カ月待つ」と語ったからです。ロイターの「Trump, on possibility of North Korea talks, says: ‘Who knows where it leads?’」から引用します。

Hopefully it will lead to success for the world, not just for our country, but for the world. And we’ll be seeing over the next number of weeks and months what happens.

南北閣僚級会談の結果に関し、文在寅大統領と電話で話し合った直後の会見です。記者の質問は当然、南北会談が米朝会談につながるのか、に集中しました。

トランプ大統領は「それが世界のために成功することを望む。今後、数週間――数カ月の間に何が起こるか見守ろう」と答えたのです。

早くも裏切り

—韓国が裏切る兆しはあるのですか?

鈴置:あります。1月9日の南北閣僚級会談で韓国側が「非核化に関する対話」を提案したところ、北朝鮮側は強い不満を表明し、無視しました。

韓国側は「非核化」をそれ以上強く推しませんでした。それどころか米韓合同軍事演習の中断の布石となる合意も交わしました。

「南北閣僚級会談・共同報道文の骨子」の③「南北関係で提起されるすべての問題を、我が民族が朝鮮半島問題の当事者であるとの立場で対話と交渉を通じ解決する」です。

南北閣僚級会談・共同報道文の骨子

  1. 平昌冬季五輪・パラリンピックが成功裏に進展し、民族の地位を高める契機となるよう積極的に協力する
  2. 軍事的緊張状態を緩和し、朝鮮半島の平和的な環境を醸成し、民族の和解と団結を図るために共に努力する。緊張状態を解決するため、軍事当局者会談を開催する
  3. 南北関係で提起されるすべての問題を、我が民族が朝鮮半島問題の当事者であるとの立場で対話と交渉を通じ解決する。関係改善のための南北閣僚級会談と各分野の協議も開催する

米国の目には、南北が裏でつるんで米国を騙しているように映ったはずです。というか、実際そうなのですが。

翌1月10日の文在寅大統領の会見は異様でした。「南北関係の改善とともに北の核問題を解決せねばならぬ」「この2つは別々に処理できる問題ではない」「核問題解決に誠意を見せない場合は、国際社会は制裁、圧迫を続けることだろう」と「非核化」をしつこいほどに強調したのです。米国から相当の圧力がかかったのでしょう。

韓国メディアも驚きました。「親北」の文在寅大統領がせっかく南北対話を実現したのに、北朝鮮を怒らせる「非核化」をこれほどしつこく持ち出すのは意外だったのです。

中央日報系のテレビ局、JTBCの「文大統領『会談自体が目標ではあり得ない』……『非核化』を強調」(1月10日、韓国語、動画付き)は、「大統領は『北朝鮮の核』『非核化』に23回も言及した」と切り出しました。

親米保守派は米国に配慮した大統領の発言に安堵しました。中央日報の社説「会見で確認された文大統領の現実的な対北朝鮮認識」(1月11日、韓国語版)はこう書きました。

非核化が抜けた対話は北朝鮮・米国の葛藤と同盟の離間を煽り、北朝鮮に核武装の時間だけ与える最悪の手だ。

「審判の時」が来る

この社説も「豹変するトランプ」を警戒するよう呼び掛けました。その部分を訳します。

トランプ大統領は韓米合同演習を延期したうえ、南北対話を100%支持すると表明し、文大統領が久しぶりに「運転席」に座るよう力を尽くしてくれた。

しかし、南北対話が非核化に進めず、北朝鮮に時間稼ぎする舞台に転落すれば、米国の態度は急変し得る。南北対話が北・米対話につながらなければ、今年の半ばに「審判の時間」が来る、との海外メディアの警告を聞き流してはならない。

—「審判の時間が来る」とは?

鈴置:WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)の「Amid Signs of a Thaw in North Korea, Tensions Bubble Up」(1月9日)を指すと思われます。

記事の最後に「外交的な展望が開けるか否かによって、2018年の半ばに審判の時(a time of reckoning)が来る」とあります。

—今年7月には米国は軍事行動に出る、というのですね。

鈴置:北朝鮮が核を放棄しなければ、です。一応、韓国に交渉させ、国連制裁の効果も見る。しかし、あまりに時間をかけると北朝鮮が米国まで届くICBM(大陸間弾道弾)を完成して空爆がやりにくくなる。7月が限界だろう、との根拠でしょう。

韓国は自業自得

—7月まで待てるのですか?

鈴置:「今すぐ攻撃せよ」と主張する人もいます。「手をこまねいていれば手遅れになる」との理由です。

その1人が日本でも戦略家として有名になった、米CSIS(戦略国際問題研究所)シニア・アドヴァイザーのルトワック(Edward Luttwak )氏です。Foreign Policyの「It’s Time to Bomb North Korea」(1月8日)で「即時空爆」を主張しました。

完訳ではありませんが、ニューズウイーク日本版の「南北会談で油断するな 『アメリカは手遅れになる前に北を空爆せよ』」(1月9日)でも読めます。

韓国人が読んだら気が滅入る内容です。「北朝鮮が韓国に対しロケット砲で反撃するだろうが、それは気にするな」と書いています。

—なぜ「気にするな」なのでしょうか。

鈴置:韓国の自業自得だからです。ルトワック氏は「ソウルは北朝鮮の攻撃に脆弱だから官公庁を南方に後退させ、民間企業にも移動のインセンティブを与えよ、と米国は前々からアドバイスしてきた。しかし韓国政府は耳を貸さなかった。ミサイル防衛網を作るべき予算も、日本を攻撃するための戦闘爆撃機につぎ込んできた」と説明しています。

見抜かれた「離米従中」

—「韓国は捨て駒」ということですね。

鈴置:その通りです。ルトワック氏は韓国が「離米従中」の国になった、とも書いています。同盟国をいとも簡単に裏切る国の安全を、米国が考慮する必要はないのです。

米国人は韓国人が考えるほど馬鹿ではありません。韓国の「離米従中」に外交関係者はとっくに気がついている。ルトワック氏のようにはっきりと言う人が少ないに過ぎません。

米国が「五輪休戦」に合意したのだって、韓国を疑いながらも北朝鮮に核を捨てるよう呼びかける最後のチャンスを与えたのです。

「必要なら手段をいつでも変えられる冷血漢」はトランプ大統領だけではないのです。国の安全に責任を持つ人は皆、そうです。

そこを勘違いして「トランプの力添えを得た。文在寅外交の大勝利だ」と韓国人同士でハイタッチ。日本人に対しては「俺の後ろにはトランプがいるぞ。恐れ入ったか。安倍を五輪に送れ」と肩をいからす――。

「根拠なき有頂天」を懸念する韓国人も、いるにはいるのですが、さて、どうなることやら。

(次回に続く)

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『金正恩氏はトランプ氏に「尊敬の念」を伝えた? 「『平昌冬季五輪休戦』は『ニューヨーク・チャンネル』で実現」説が浮上』(1/16日経ビジネスオンライン 高濱賛)、『世界中が呆れるトランプを辞めさせられない理由 大統領弾劾はほとんど不可能と民主党が判断』(1/16JBプレス 堀田佳男)について

1/13ロイター<焦点:消えぬ米朝戦争懸念、トランプ政権にくすぶる先制攻撃論>

https://jp.reuters.com/article/northkorea-missiles-usa-idJPKBN1F10L5

1/18NHKニュース12:04<米国防長官「北朝鮮との戦争計画ある」と発言>「日米外交筋によりますと、アメリカのマティス国防長官は、カナダで開かれた北朝鮮問題をめぐる関係国の外相会合に先立つ夕食会で、「北朝鮮との戦争計画もある」という趣旨の発言をしたということです。一方でマティス長官は、外交努力による平和的な解決を優先させるべきだという従来の立場も併せて示したということです。

北朝鮮問題をめぐる関係国の外相会合は、日本時間の17日未明からカナダのバンクーバーでアメリカとカナダの共催で開かれ、日本や韓国など合わせて20か国の外相らが出席し、北朝鮮が非核化に向けた意思を示すまで圧力をかけ続ける方針を確認しました。

これに先立って日本時間の16日には、アメリカのティラーソン国務長官やマティス国防長官、日本の河野外務大臣らが出席して夕食会が開かれ、日米外交筋によりますと、この席でマティス長官は「アメリカには北朝鮮との戦争計画もある」という趣旨の発言をしたということです。

一方でマティス長官は「外交努力がうまくいかない場合は、国防相会合を開くことになる。そうならないように外交で頑張ってほしい」と述べ、外交努力による平和的な解決を優先させるべきだという従来の立場も示したということです。

官房長官「コメントすべきではない」

菅官房長官は、午前の記者会見で、「具体的な内容について承知しているわけではないので、政府としてコメントすべきでない」と述べました。

そのうえで、菅官房長官は「今回の会合を通じて、北朝鮮の核保有は決して受け入れられず、国際社会が一致結束して圧力を最大限まで強めていくというメッセージを全体で発出できたことは極めて有意義だった」と述べました。」(以上)

第二次朝鮮戦争のための大義名分作りで20ケ国の外相が集まり、河野外相は「二度目はない」と断言し、またマテイス長官が「次は国防相会議を開催」と言ったとのことですが、米軍が攻撃するのであれば機密が漏れるので単独行動とするのでは。勿論韓国には連絡せず、ロジや在日米軍の活用があるので日本とは緊密に連絡を取り合うと思います。

この高濱氏の記事にもあるとおり、米朝ともオリンピックとは関係なく、着々と軍事的な意味を持った行動を重ねています。オリンピックだからといって、日本が浮かれて準備を怠ってしまうことが無いよう注意しておかないと。

1/18日経ビジネスオンライン The economist<トランプ政権ではびこるロビー活動 公約とは真逆、透明性は失われる一方だ>1/17の本ブログでも紹介しましたように、ロビー活動は請願権の一種であり、総てが悪ではありません。悪と思うのは、政治や行政と企業が癒着してきたからなのでしょうけど。でもグリシャムの『陪審評決』には、たばこ企業(被告)と癌患者の遺族(原告)の両方の弁護士が陪審員を買収しようという場面が出てきます。民主主義先進国と言われる米国の司法ですらこんな現状です。やはり国民の監視、特にメデイアは事件をでっち上げるのではなく、事実に基づいて三権を監視しなくては。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/011600147/?n_cid=nbpnbo_mlpus

2017/3/1まぐまぐニュース<在米日本人作家が警告する、トランプ・リスク「最悪のケース」 冷泉彰彦『冷泉彰彦のプリンストン通信』>1年近く前の記事ですが、今回の堀田氏の記事や昨年12/21本ブログで紹介しました高濱氏の記事とは真逆です。如何にリベラルが“wishful thinking ”で判断しているかです。彼らにしてみれば気に入らない大統領、言うことを聞かない大統領は政治的に抹殺を図ろうと考えているかが分かろうと言うもの。事実に基づかず、世論を盛り上げて追い落とし・、倒閣を図ろうとするのは日本も同じで、朝日が捏造した「モリカケ」騒動はその典型でしょう。こんな記事を読んで有難がっているようでは、おれおれ詐欺の被害者を笑えないでしょう。

http://www.mag2.com/p/news/241285

http://dwellerinkashiwa.net/?p=7855

高濱記事

北朝鮮に対する姿勢が定まらないトランプ米大統領(写真:AFP/アフロ)

—金正恩朝鮮労働党委員長が「平昌冬季五輪」を軸についに動きましたね。朝鮮半島での軍事対決の危険性は急速に和らいできた感がしますが、米国は一連の動きをどう見ていますか。ドナルド・トランプ大統領はどう出るのでしょうか。

高濱:金正恩委員長が元旦に演説して以降、トランプ大統領の言動は微妙に揺れ動いています。というより支離滅裂で本心が奈辺にあるのか分かりません。

 ワシントンの政治問題専門家の一人は、筆者に「トランプ大統領が何を考えているかは精神科医か心理学者にしかわからない」とメールしてきました。(笑)

 これは金正恩委員長についても言えることかもしれません。もっとも同委員長の目標は「国体護持」(つまり「金王朝存続」)という点ではっきりしています。その点、トランプ大統領の方は何をしたいのか、いっそうわかりませんけど。(笑)

 同委員長は、「新年の辞」で韓国との関係改善に意欲を示しました。その一方で米国に対しては「核のボタンが机の上にいつも置かれている」と表明。硬軟両様というか、真意はどちらにあるのか。米朝ともに相手の真意を探り合いです。

 トランプ大統領は2日、この金演説に対してツイッターにこう書き込みました。  「ロケットマン(金正恩委員長のこと)は韓国と話がしたいと初めて言い始めた。これはよいニュースかもしれないし、そうではないかもしれない。様子を見てみよう。制裁やそのほかの手段による圧力は北朝鮮に大きな影響を及ぼし始めている」

 「北朝鮮は疲弊して食糧も底をついているか。私も核のボタンを持っていることを、彼(金正恩委員長)の政権の誰かが彼に知らせてくれないだろうか。しかも私のボタンは彼のものよりもはるかに大きく、より強力で、実際に機能するということを」

—つまりトランプ大統領は、北朝鮮が変化したのは経済制裁と軍事的圧力の結果だと言いたいわけですね。なにも文在寅韓国大統領の「宥和政策」が功を奏したわけではない、と言いたげですね。

トランプ「俺がいなければ閣僚級会談は実現せず」

高濱:それから8日後、トランプ大統領は文在寅大統領と電話会談。

 トランプ大統領は、同日開かれた閣議の冒頭で南北閣僚級会談に触れ、こう述べています。「世界にとっての成功になるよう期待する。今後数週間、数か月に何が起こるか注視する。われわれの(強い)姿勢がなければ、(南北閣僚級)会談は決して実現しなかった」

—その一方でトランプ大統領は「金正恩委員長とはおそらく、いい関係にある」と北朝鮮との対話を受け入れる用意があるような発言をしていますね。

高濱:トランプ大統領の朝令暮改的な発言は今に始まったことではありません。この発言については後程、詳しく見てみたいと思います。

 北朝鮮の動きを米国が今どう見ているのか。これまで長年、朝鮮半島問題に関わりを持ってきた国務省元高官は以下のように分析しています。「おそらく金正恩委員長は、対話を開始するタイミングとして去年から『平昌冬季五輪』に的を絞っていたのだろう。五輪にアスリートを参加させることで北朝鮮の『ヒューマン・フェイス』(まともな人面)を世界中にみせ、ミサイルと核で近隣諸国を脅す『ならず者国家』とのイメージを払拭したいにちがいない。返す刀で朝鮮民族主義を鼓舞することで南北統一を韓国民に訴える筋書きだ。それにはオリンピックは最適の場だ」

 「五輪休戦中に、これまで行ってきたミサイル・核実験の結果を総点検し、次に備えるつもりだろう。今は厳寒の候でミサイル発射実験もままならない。未確認情報だが、2017年9月3日に核実験を行なった際に地下施設が損害を受け、科学者数人が犠牲になったともいわれている」

 「外交的には、ミサイル・核実験を一時中止することで、これまで北朝鮮を説得し続けてきた中国の顔を立てることができる。また、これまで終始一貫して宥和政策をとってきた文在寅大統領の『本気度』を試すこともできるだろう。文在寅大統領が、対北朝鮮経済制裁措置や軍事的圧力を弱めさせるよう米国に真剣に働きかけられるかどうか、その判断材料になりうる」

米国は「朝鮮民族ナショナリスト・文在寅」に懐疑的

—米国は文在寅・韓国大統領の宥和政策をどう見ているのですか

高濱:リベラル派の中には、文在寅大統領が進める対北朝鮮路線に理解を示す者もいます。しかし、この路線では北朝鮮にミサイル・核を放棄させるのは難しいとみる米専門家が大半です。一部には、文在寅大統領に懐疑的な専門家もいます。 (“North Korea Is Walking Back War–And Pundits Are Strangely Disappointed,” John Feffer, Foreign Policy in Focus, 1/10/2018)

 その理由として、中国の顔色を窺って高高度防衛ミサイル(THAAD配備)を延期したり、平昌冬季五輪が終わるまで米韓合同軍事演習を延期することを提案したりしている文在寅大統領の政治スタンスが挙げられます。合同演習の中止は中国とロシアがこれまでずっと主張してきたアジェンダでもあります。

 ウラジミール・プーチン ロシア大統領が金正恩委員長を「成熟した政治家」と称賛し、一連の動きについて「北朝鮮が勝った」と言っているのもそのためでしょう。つまり、これまで米国が頑強に突っぱねてきた合同演習の中止を、一時的であるにせよ実現させたのですから。プーチン氏にとっては、「金正恩よ、でかした」ということになるんじゃないですか。

 米韓首脳は、直接会っても電話で話し合っても、そのあとの記者発表はどこかしっくりしていません。例えば、10日に行った電話会談の後も、韓国側は「トランプ氏は南北対話が行われている間、いかなる軍事的行動もしないと述べた」と発表していますが、米側はその点について一切言及しませんでした。

トランプ「俺が金正恩だったら米韓間に楔打つ」

 トランプ大統領は11日行われたウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「米韓合同軍事演習の中止」に言及しました。しかし「南北対話が行われている間」とは言っていません。“Transcript of Donald Trump Interview with The Wall Street Journal,”1/12/2018)

—そのインタビューで、トランプ大統領は「俺が金正恩だったら同じことをやっただろう」と発言していますね。

高濱:そうです。北朝鮮の対韓アプローチについてのくだりで出てきたものです。

 「北朝鮮が米韓関係を分断しようとしているのは分かっている。もし私が北朝鮮の人間だったら同じことをやっていただろう。だが、私は米国の大統領だ。それに私はウェッジ(楔)について、この地上に住む誰よりもよく知っているよ」

—ウェッジについて自分が一番熟知しているとは、どういう意味ですか。

高濱:一種のジョーク、掛詞です。トランプ氏の言っている「ウェッジ」とは、頭部がクサビ形のゴルフクラブのこと。グリーン手前からオンを狙うときによく使うクラブです。プロ並みの腕前だと自負するトランプ氏がクラブ捌きと楔を打つこととをひっかけたのでしょうが、あまりうまい掛詞とは言えませんね(笑)

米国も北朝鮮も軍事的準備は怠らず

—もう一つ。先ほども出ましたが、トランプ大統領は「金正恩委員長とのとてもよい関係」についてことさら強調しました。直接対話したかどうかについては言葉を濁しましたが……

高濱:金正恩委員長(あるいは同委員長の意を受けた北朝鮮政府高官)とトランプ大統領(あるいは同大統領の意を受けた米政府高官)との間になんらかの接触があったかどうか、です。

 トランプ大統領を嫌う米主要紙の国務省担当記者は冗談めかして筆者にこうコメントしています。「北朝鮮と接触する者がいるとすれば、ジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表(国務次官補)しかいない。お相手は、北朝鮮国連本部のパク・ソンイル米国担当大使だ。パク大使が『金正恩委員長は<非凡な才能を持ったトランプ大統領>*に敬意を表したい』とかなんとかユン特別代表に言い、それがトランプ大統領の耳に入ったのかもしれないね。トランプ大統領は褒められるのが大好きだから。それで『平昌冬季五輪休戦』につながったのだろう」

*:マイケル・ウルフ氏がホワイトハウスの内幕を描いた暴露本『Fire and Fury』(炎と怒り)の中で、側近たちがトランプ大統領は「大統領不適格者だ」と噂しているくだりがある。トランプ大統領はこれに対して「俺は非凡な才能を持った腰の据わった人間だ」(I am very stable genius)と反論した。

 ユン特別代表とパク大使との定期的な接触は、通称「ニューヨーク・チャンネル」と呼ばれる米朝間の非公式外交チャンネルです。

—金正恩委員長による「平昌冬季五輪」攻勢で緊張緩和ムードが漂っています。米国はすべての軍事的デモンストレーションは控えているのですか。

高濱:とは言えません。米太平洋軍は10日、グアムのアンダーセン空軍基地に核兵器搭載可能、かつレーダーに捉えられにくいB2ステルス戦略爆撃機3機と200人の要員を派遣したと発表しています。派遣の時期については公表していません。

 一方、北朝鮮もミサイル・核開発を中止したわけではありません。米ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院の米韓研究所は11日、人工衛星からの画像に基づき、北朝鮮北東部・豊渓里にある核実験場の西側坑道で掘削作業が活発化していると分析しています。

堀田記事

米首都ワシントンにあるトランプ・インターナショナル・ホテルに映し出された「shithole(シットホール)」の文字。(c)Sorane Yamahira / Bellvisuals.com 〔AFPBB News

 ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)は1月20日で就任1年を迎える。目の前にはいくつもの難題が待ち受けている。

 北朝鮮問題や中間選挙もあるが、政治生命にかかわる最大の問題は何と言ってもロシア疑惑である。トランプ本人が訴追される可能性が消えていないばかりか、連邦議会での「弾劾」という言葉はいまでも米国で飛び交っている。

 筆者は昨年、当欄で何度か「トランプ弾劾」の可能性について記した。ロシア政府による2016年の大統領選介入はすでに確定的であり、トランプ陣営との共謀が疑われている。

弾劾される可能性はほとんどゼロ

 同時に、ジェームズ・コミー前FBI長官を解任したことが司法妨害にあたる疑いもある。

 ところが年明けに関係者を取材すると、少なくとも短中期的にトランプが弾劾される可能性はほとんどないことが分かってきた。どういうことなのか。

 まず明確にすべきことがある。それは大統領を起訴する動きと弾劾の動きは別である点だ。起訴はトランプ本人が明らかに違法な行為をしたことで、刑事訴追されるということだ。

 現在、元FBI長官のロバート・モラー特別検察官がトランプの周辺を洗っている。司法妨害を含め、ロシア政府との違法な共謀の有無が捜査されている。

 モラー氏の下には16人の検察官がおり、最近新たにコンピューター犯罪を専門にする検察官が加わったばかりだ。

捜査の内容は公表されていないし、簡単に漏れ出ない。しかし、ロシア側のサイバー攻撃との関連性がここにきて精査されており、新たな事実が浮上してくる可能性はある。

 ところが米大統領は刑事事件からの免責特権を持っている。大統領の任期中は公判から逃れられるのだ。しかし裁判所の判断によっては、任期中であっても出廷が求められることもある。

 検察チームによる捜査で、ロシア政府とトランプ陣営と間に共謀がなかったとの結論に至る可能性もある。

上院は多数決ではなく弾劾裁判に

 検察側が「トランプに違法行為はなかった」と結論づければ、トランプ政権は4年間続くだろう。いずれにしても、ロシア疑惑の進展次第でトランプの政治生命は大きく変わってくる。

 次に弾劾について述べたい。

 弾劾は現職の大統領や副大統領を罷免するための手続きで、連邦議会で行われる。議員が弾劾法案を提出するところから始まるため、検察官による起訴とは違う。

 弾劾プロセス、連邦下院(定数435人)で過半数の議員が弾劾への賛成票を投じて進行させる。大統領が犯罪行為をしていなくとも、非行や職務怠慢などでも弾劾の対象になる。ここが刑事裁判とは違うところだ。

 下院で過半数の議員が弾劾に賛成した時は、法案は上院に行く。上院では多数決ではなく弾劾裁判になる。

最高裁判所長官(現在はジョン・ロバーツ氏)が裁判長になり、上院議員(100人)が陪審員となって裁判を行う。そして3分2以上の議員が弾劾に賛成すれば大統領は職を奪われる。

 実は昨年、連邦下院には弾劾法案が何度か提出されている。だが成立していない。つまり現時点で、過半数の下院議員は「トランプは弾劾に値しない」との考えでまとまっているのだ。なぜなのか。

 まずは下院の人数構成を眺めたい。トランプの政党である共和党は、定数435人中239人を占めている。民主党議員は193人で空席が3だ。民主党議員が全員弾劾へと動いても、共和党から多くの造反議員が出ない限り法案は成立しない。

党議拘束のない米国

 米議会には日本の国会のような党議拘束がないため、共和党議員でもトンラプ弾劾に票を入れる議員がいても不思議ではない。

 ましてや中間選挙が近くなり、不人気のトランプと距離を置こうとする議員が増えてくれば、弾劾に賛成する議員もでてくるだろう。

 昨年5月、ジェームズ・コミー前FBI長官がトランプに解任された時、連邦議員の中には解任の理不尽さを説く者が大勢いた。同長官は当時、マイケル・フリン大統領補佐官のロシアとの関係を調査していたからだ。

 解任直後から、民主党議員の間でトランプ弾劾の機運が高まり、7月(法案HR438)、11月(HR621)、12月(HR646)と3回、下院で弾劾法案が提出されている。

 米議会では弾劾法案に限らず、法案が提出されるとまず、担当する委員会に法案が回される。外交問題であれば外交委員会、今回であれば司法委員会で審議・採決される。

ただ委員会の採決段階で否決されると本会議場まで至らない。7月と11月は委員会レベルで潰されていた。だが12月に提出された法案は本会議場で採決さている。結果は364対58で「弾劾の必要なし」との判断だった。

 トランプに反旗を翻しているはずの民主党議員も、100人以上が弾劾に反対したことになる。日本であれば安倍内閣不信任案の採決で、野党でありながら自民党側に寄りそったということになる。

 なぜなのか。

今年11月の中間選挙が試金石

 ワシントンへの取材で見えてきたのは、冷静な民主党執行部の判断があったからだった。現在の勢力図では、下院で弾劾法案を成立させることは最初から無理で、弾劾に動く時期ではないという考えなのだ。

 共和党から造反議員を多数動員しなくては法案の成立はない。現時点では、共和党の牙城を崩すことはできない。山が動くとすれば、今年11月の中間選挙で民主党が上下両院で多数党となった後である。

 それでも弾劾には難しさがある。中間選挙後に新たな弾劾法案が提出され、下院で可決されて法案が上院にいったとしても上院で3分の2以上の票を集めることは多難である。そこまで共和党と民主党の議席数が開くことはなさそうなのだ。

 ワシントンの知人ロビイストは「上院で弾劾裁判が行われ、賛成票が3分の2に届かなかった場合、再び弾劾裁判が行われることはまずないです。だから民主党は慎重に時期を見極めないといけない」と説明した。

 しかも米政治史上、2度開かれた弾劾裁判ではいずれも大統領を罷免できていない。法制上、弾劾というシステムを組み入れたことは民主国家として真っ当であるが、簡単に大統領を辞めさせることもできないのだ。

今月12日、トランプはホワイトハウスで行われた連邦議員との会合で、ハイチやアフリカ諸国を指して「Shithole(野外便所)のように汚い国」と発言した。

 名指しされた国だけでなく、この言葉を聞いた方は「やはりトランプは差別主義者だった」との思いを抱いたはずだ。この発言だけからも、大統領としての資質に欠ける人物であるとの見方がさらに広がった。

 だが実は、Shitholeの件については誤訳なのである。日本の特派員を含めて、多くの国の記者は「shit(糞)hole(穴)」を直訳してトイレ・便所とした。

 だが米国では口語で「汚い場所」という意味で使う。だから野外便所という意味ではない。汚い場所と言っただけでも差別的ではあるが、ニュアンスが違う。

 いずれにしても、「トランプ弾劾」の動きは確実に広がりつつあるが、実際にはほとんど無理というのが現実なのである。

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