『元スパイ暗殺未遂はロシアによる「みせしめ」か 相次ぐ変死。英ロの対立に欧米も”参戦”し「新・冷戦」の懸念』(3/23日経ビジネスオンライン 池田元博)について

3/24阿波罗新闻网<在俄被控毒害前间谍事件上 欧盟力挺英国=ロシアの前スパイ毒殺未遂事件でロシアを告発 EUは英国を断固支持>EUは駐モスクワ大使を召喚、リトアニア、ポーランド、デンマークはロシア外交官の追放を検討中で、独・メルケル首相は「我々はこれが我々の共同安全に対する挑戦だと思っている」と述べた。

http://www.aboluowang.com/2018/0324/1089311.html

3/18阿波罗新闻网<俄谍案延烧 英国重启调查14起死亡案件=ロシア元スパイ暗殺未遂事件が延焼 英国は14人の死亡事件を再調査>AFPが伝える所に依れば「米国のBuzzfeedは不審死した14人の死亡について再調査」と報道。CIAもロシアの手に因るのではと疑う。MI5が警察と協力して7人を再調査。①Nikolai Glushkov・・・頸部圧迫死②Boris Berezovsky・・・浴室で首吊り自殺③Alexander Perepilichnyy・・・散歩後路傍で死体発見④Badri Patarkatsishvili・・・心臓病死⑤Gareth Williams・・・浴槽内で袋を被された姿で発見⑥Gareth Williams・・・ヘリコプター事故死⑦Scot Young・・・4階から飛び降り。ベレゾフスキーとニコライ・グルシコフは池田氏記事にも出て来る件です。これだけ不審死が挙げられるのであれば、普通はロシアの関与を疑います。欧米の経済制裁を受けているというのに、プーチンも何を考えているのだか。

http://www.aboluowang.com/2018/0318/1086182.html

欧米がロシアと敵対関係になって一番喜ぶのは中国です。サッカー・ワールドカップ後に欧米とロシアが新冷戦と言うのは相手が違うと言いたい。ロシアと経済制裁は継続しても良いので、中国に対する経済制裁を課さねば。少なくとも南シナ海の侵略問題があることを理由に。そうでなければロシアとバランスが取れません。

記事

ロシア大統領選で再選を決めたプーチン大統領に、早くも外交上の難題がのしかかっている。英国で神経剤を使ったロシア人の元スパイ襲撃事件が起き、英ロ関係が急速に悪化。英国は他の米欧諸国などとも連携し、反ロ包囲網を築こうとしているからだ。

英国で起きたロシア人の元スパイ暗殺未遂事件。メイ英首相は現地を訪問し、ロシアへの対決姿勢を強めている(写真:AFP/アフロ)

「ロシアが関与した可能性が極めて大きい」――。英国のメイ首相は今月12日、在英ロシア人への襲撃事件について「英国への無差別で無謀な攻撃」だと表明した。ロシアのプーチン政権を激しく非難し、即刻、真相究明のための説明を求めた。さらに首相は14日、ロシアから真摯な対応を得られなかったとして、ロシア外交官23人の追放などの制裁措置に直ちに踏み切った。

メイ首相が問題視した事件は、今月4日に英南部のソールズベリーで起きた。ロシア人の男女がショッピングセンター前の野外ベンチで、口から泡を吹き、意識不明の状態で発見された。直ちに病院に搬送されたが、いまだに意識不明の重体。救助に当たった英国人の警官も入院したという。

被害に遭ったロシア人は、セルゲイ・スクリパリ氏(66)と娘のユリアさん(33)と判明した。スクリパリ氏はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の元大佐だった。ロシアメディアによれば、1999年にGRUを退役し、2003年までは外務省に勤務。その後はビジネスを営んでいたが、ロシア連邦保安庁(FSB)によって2004年末、スパイ容疑で拘束された。モスクワで英外交官と頻繁に接触していたことが問題視された。

スクリパリ氏は逮捕後、1995年からスパイとして英秘密情報部(MI6)に協力し、主に欧州で活動していたGRUの職員や協力者の名前などを提供したと証言。見返りに10万ドルを超える報酬を得ていたと明かした。ロシアでは当時、同じくGRU出身の旧ソ連の大物スパイで、MI6などに機密情報を流して処刑されたオレグ・ペンコフスキーの再来とも言われた。

モスクワの軍事裁判所は2006年、スクリパリ氏に懲役13年の有罪判決を言い渡した。ただし、服役中の2010年にメドベージェフ大統領(当時)によって恩赦を受けた後、米国とのスパイ交換で国外追放となり、同年から政治亡命者として英国に移住していた。

ロシア人外交官23人を国外追放

メイ首相はこの2人が「ノビチョク」と呼ばれる神経剤によって襲撃されたと言明した。ノビチョクは旧ソ連で開発された軍事用の神経剤で、致死性は極めて高いとされる。この種の神経剤はロシア以外で調達することが難しいとの理由から、「ロシアが襲撃事件に直接関与したか、国家による神経剤の管理がずさんだったかのいずれかだ」と首相は断じた。

英国が間髪を入れずに打ち出した対ロ報復の制裁措置は、かなり厳しい内容だった。ロシア人外交官23人の国外追放のほか、閣僚・高官レベルの外交交流の中断、6月に開幕するサッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会への英王室や政府要人の派遣見送りなどを盛り込んだ。追放対象の23人はいずれも「外交官として英国に駐在していた情報機関員」としている。

英ロ間では昨年末、英国のジョンソン外相が英外相として5年ぶりに訪ロしたばかりだ。年内にはラブロフ外相の訪英が計画されていた。また、サッカーのW杯ロシア大会を巡っては、英王室のヘンリー王子らが応援のために訪ロする予定だった。いずれも見送りになるとみられる。

当然、ロシアは反発した。ラブロフ外相は「無礼千万であり言語道断だ」などと批判。ロシア外務省は17日、英国の駐ロ大使を呼び、「英国による挑発行為とロシアに対する根拠のない非難」に報復措置を講じると表明。モスクワの英大使館に勤務する23人の英外交官の国外追放、サンクトペテルブルクの英総領事館の閉鎖などに踏み切ると伝えた。

ロシアはとくに、英政府が明確な証拠もなしにロシアを非難したほか、神経剤の使用で化学兵器禁止条約に違反したと断じたことに反発している。1993年に調印され、1997年に発効した同条約はあらゆる化学兵器の開発、生産、保有を禁止するとともに、保有国には全廃を義務付けている。プーチン大統領は2017年9月末、「歴史的な出来事」として化学兵器の廃棄を完了したと内外に宣言したばかりだ。それに疑問符が付けられたことに、とくに憤慨している。

英国はロシアへの制裁をさらに強化へ

ロシア側は、英政府が神経剤「ノビチョク」の使用をロシアの仕業とする根拠にしている点にも反論。この神経剤が旧ソ連で開発されたことは認めつつも、国内では全廃済みと主張する。一方で、1990年代半ばに米欧の特殊機関が研究文書を持ち出し、米英やチェコ、スウェーデンなどで研究が続けられたとし、米欧で製造された「ノビチョク」が使用された可能性を示唆している。

互いの主張は真っ向から対立したままだ。仮に英国が断定したようにロシアの仕業だとすれば、祖国を裏切るスパイは決して容赦しないというみせしめなのだろう。プーチン大統領は大統領選を前にインターネットで公開された新作のドキュメンタリー映画「プーチン」の中で、「私は(他人を)許すことはできるが、決して許せないのは裏切りだ」と述べてもいる。ただし、神経剤を使った今回の暗殺未遂事件の真相が明らかになることはまずないだろう。

メイ首相は今後、ロシアにさらなる制裁措置に踏み切る構えを示している。ロシアにことさら厳しい態度で臨むのは、これまでもロシア人の変死事件が英国内で相次いできたからだ。中でも、FSBの元中佐で英国に亡命したアレクサンドル・リトビネンコ氏が2006年、ロンドン市内で放射性物質のポロニウム210を盛られて毒殺された事件は、世界を震撼(しんかん)させた。

リトビネンコ氏は生前、プーチン政権を度々批判し、1999年にモスクワなどで起きたアパート連続爆破事件を、プーチン氏が長官を務めたFSBによる「自作自演」だったと告発したこともある。ちなみにこの爆破事件は、当時首相に就任したばかりのプーチン氏がチェチェン武装勢力の犯行と断定。チェチェンへの大規模な武力攻撃に踏み切り、知名度を上げるきっかけとなった。

英当局はリトビネンコ氏暗殺事件の捜査を半年余り続けたうえで2007年、FSBの前身の旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元職員、アンドレイ・ルゴボイ氏の犯行と断定した。同氏は事件の直前にリトビネンコ氏と面会していた。英政府はロシア政府にルゴボイ氏の引き渡しを求めたが、ロシアがこれを拒否したことから、ロシア外交官4人の追放に踏み切った。英ロ関係も長らく冷え込んだ経緯がある。

リトビネンコ氏の暗殺事件をめぐっては、英内務省の公開調査委員会が2016年、ルゴボイ氏らがFSBの指示で暗殺を実行したと断定するとともに、プーチン大統領と当時のFSB長官だったパトルシェフ安全保障会議書記が「恐らく承認した」とする報告書を公表している。この報告書が公表された際、キャメロン内閣で内相を務めていたのがメイ現首相だ。

ロシアと米欧の対決ムードはW杯後に本格化か

ちなみにリトビネンコ氏の毒殺事件は、ロシアでも大きく報じられた。ロシアの独立系世論調査会社のレバダ・センターは折に触れ、「リトビネンコ氏の暗殺にロシアの特殊機関が関与したと思うか」という設問で世論調査を実施している。2016年9月の調査では「そう思う」が28%、「そうは思わない」が36%だった。当のロシア国内でも、FSBの犯行ではないかと疑う人々が相当数いることは留意すべきだろう。

英国ではリトビネンコ氏の後見人で、同じくプーチン政権批判の急先鋒(せんぽう)だったロシアの政商、ボリス・ベレゾフスキー氏が2013年、ロンドン郊外の自宅で死亡しているのが見つかった。警察当局は首つり自殺と判断した。

ところが今月、アエロフロート・ロシア航空の元幹部でベレゾフスキー氏の友人だったニコライ・グルシコフ氏が、ロンドン郊外の自宅で死亡しているのが発見された。警察当局は首を絞められたような跡があることから、今度は殺人事件とみて捜査に乗り出している。メイ首相が疑心を強めるように、英国に亡命したロシア人の変死事件が相次いでいるのは事実だろう。

今後、ロシアにとって大きな痛手となりかねないのは、英国が他の米欧諸国や北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)などに同調を呼びかけ、今回の暗殺未遂事件を欧州全体の安全保障にかかわる深刻な国際問題とし、プーチン政権への攻撃を一気に強めようとしていることだ。

現に英国、米国、ドイツ、フランスの4カ国首脳は15日、「欧州が戦後初めて神経剤で攻撃された」とし、「ロシアに責任がある可能性が非常に高いという英国の分析を共有する」とする共同声明を発表している。

対するプーチン大統領の反応はどうか。再選確定後の記者団との会見で、ロシア大統領選の最中でサッカーのW杯も控えているのに、ロシアが暗殺未遂事件に関与したと疑うのは「全く馬鹿げており、ナンセンスだ」と大統領は述べている。この発言から察すると、6~7月に開くW杯ロシア大会の終了までは、米欧との対決ムードを極度にあおらないよう努める構えのようだ。米欧との「新冷戦」は、W杯後にいよいよ本格化するのかもしれない。

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