『習近平政権が“掃除”進める「12の黒悪勢力」 結託する悪徳役人と悪徳業者に加え、「人権弁護士」も…』(3/9日経ビジネスオンライン 北村豊)について

3/13ダイヤモンドオンライン<森友問題・佐川氏辞任で財務省は官邸と経産省に「反撃」を始める>

http://diamond.jp/articles/-/163126

3/13ダイヤモンドオンライン<森友文書改ざん問題、粛正吹き荒れ「財務省存亡の危機」へ>

http://diamond.jp/articles/-/163150

財務省の決裁文書の書換問題は日本の劣化を象徴しています。20年近くかけて、あれだけコンプライアンスの重要性を日本全体に訴えて来たのに、民間ではデータ書換問題が多発しています。しかもトップの預かり知らないところで(本当かどうかは分かりませんが)。榊原経団連会長は財務省を非難していましたが、言える立場かどうかは良く考えた方が良いでしょう。日本人の責任感の希薄化が進んでいると思います。日本人の中国人化が進んだと言えます。

モリカケ問題の本質は左翼の憲法改正阻止にあると思います。情弱はまた騙されるのでしょうけど。財務省が書き換えせずに出しても問題ないことばかりだと思います。大阪地検が朝日に書き換えがあると漏らしたという話もありますから、法の番人が法を犯すことをしていることになります。目的の為には手段を選ばないのは左翼の特徴です。日本の腐り具合が分かろうと言うもの。そもそもで言えば決裁文書に政治家の名前や首相夫人の名前を入れることは後々のことを考えれば普通は入れないのではと思いますが。経緯の説明文書は添付文書にして決裁後にははずすようなことを考えるのでは。民間だったらそうしたでしょう。誰が書換を指示したかですが、野党が主張しているような政治家ではないでしょう。佐川か理財局の下の人間か、或は人事を決めていると言われる勝栄二郎元事務次官?そんなことは流石にないと思いますが。でもこれで消費税10%へアップはしずらくなったと思います。

北村氏記事は、中国の賄賂社会を無くさない限り法治は覚束ないし、共産党統治がある限り法治・人権擁護社会にはなりません。党の指導が法や人権に優先しますので。やはり中国国民による共産党打倒が実現しなければ、いくら小手先を変えても根本問題の解決は難しいでしょう。況してや国内矛盾の解消の為、海外で戦争に打って出る可能性が高いのですから。

3/12中国観察<中國官方拆除山西金燈台教堂 1/12NYT中国語版=中国の役人は山西省の金燈台教会を取り壊す

https://cn.nytimes.com/china/20180112/china-church-dynamite/zh-hant/

300万$で建てた福音派の教会で信者は5万人とのこと。米国で福音派は多いので、怒っている人は多いのでは。NYT英語版に載っていればの話ですが。カソリックですがフランシスコ法王はこう言う国と国交を結びたがっています。判断基準がおかしいでしょう。

記事

全人代も厳重な安全対策の中で。習近平政権が目指す「治安維持」の行く先は…(写真:ロイター/アフロ)

3月5日、中国の国会に相当する“全国人民代表大会”(以下「全人代」)の第13期第1回会議が北京市の人民大会堂で開幕した。今回の全人代は3月20日に閉幕予定で、通常の全人代が11⽇間であるのに対して5⽇間延⻑されることになっている。会期が5日間も延長される理由は、次の2項目を含む憲法改正案などを審議するためである。

(1)習近平は2013年3月14日に国家主席に就任し、今回の全人代期間中に任期5年の2期目に入る。このまま行けば、2023年の3月には現行憲法に規定されている国家主席の任期上限である「連続2期10年」に達し、それ以上留任することは憲法違反となる。そこで、現行憲法に「国家主席”の任期は連続2期10年までとする」とある任期上限に関する条文を削除する。

(2)中国共産党中央委員会総書記の“習近平”が2017年10月18日に中国共産党第19回全国代表大会で提起し、同年10月24日に中国共産党の“党章(党規約)”に指導理念として書き込まれたのが、“新時代中国特色社会主義思想(新時代の中国の特色ある社会主義思想)”である。これを“習近平新時代中国特色社会主義(習近平による新時代の中国の特色ある社会主義思想)”として憲法の前文に書き加えること。

251人の高級幹部が失脚

上記の憲法改正案は3月20日までの会期中に可決されて成立する見込みであるが、(1)は何を意味するのか。習近平は国家主席であるだけでなく、中国共産党中央委員会総書記兼“中央軍事委員会”主席でもあるが、これらの役職には任期の上限はなく、国家主席の任期撤廃により、習近平が3つの役職全てを3期以上続投することが可能となり、権力の集中により最高権力者として終身制への道が開けることになる。

2012年11月15日に中国共産党中央委員会総書記となった習近平は、その2週間後の11月29日に、“中国夢(中国の夢)”を提起し、「偉大な復興の実現は中華民族の近代以来最も偉大な夢である」と定義付けた。しかし、総書記就任2日後の11月17日に開催された8期中央政治局第1回集団学習会で演説した習近平は、深刻化する幹部の腐敗に触れて「物が腐れば、後に虫が湧く」と述べて、腐敗問題がより深刻化すれば「最終的には必ず党と国が滅ぶ」と危機感をあらわにした。

要するに、中国の夢を実現しようにも、中国共産党ならびに中国政府の幹部の腐敗が深刻であれば、夢の実現より前に中国共産党と中国が滅びると危機感を表明したのである。それから始まったのが「トラ退治とハエ駆除」を同時に行うと形容した腐敗幹部を取り締まる「反腐敗運動」であり、この反腐敗運動は過去5年間で一定の成果を収め、150万人の腐敗官僚が取り調べを受け、2018年1月までに高級官僚172人、高級軍官64人の計251人の高級幹部が失脚した。

「国防」より「治安維持」

自らの手で中国の夢を実現したいと念願する習近平が最も恐れているのは、中国の歴代王朝のほとんどが民衆の蜂起によって滅亡しているという事実である。そこで、中国政府“財政部”の「全国財政決算・予算資料」で、2016年における中国の国防費と“公共安全費(治安維持費)”の金額を調べてみると、以下の通りであった。

【2016年】
(国防費) 中央:9546億元+地方: 220億元= 9766億元 (約16.6兆円)
(治安維持費) 中央:1742億元+地方:9290億元=11032億元 (約18.8兆円)

公表される中国の国防費には研究開発費などの各種経費が含まれていないと言われているので、国防費の実質的規模は不明だが、少なくとも公表されている資料で見る限りでは、治安維持費が国防費を上回っているのである。この現象は2011年から始まったものであり、関係資料はまだ公表されていないが、恐らく2017年も継続しているはずである。<注1>

<注1>治安維持費が国防費を上回っている件に関する詳細は、2012年3月16日付の本リポート「治安維持費が軍事費を上回る中国社会」参照。

治安維持費が国防費を上回るのはなぜか。それは、中国社会が多くの問題を抱えて不安定だからであり、治安維持を強化して、不満分子を拘束し、人心の動揺を抑制し、民衆の蜂起を防止しなければならないからである。では、多大な治安維持費を投入しないで済むようにするにはどうすれば良いのか。それは、中国国民が中国共産党の統治に不満をいだくことがないように社会を安定させることであり、そのためには中国社会に根付く病根を取り除くことが先決である。

こうした発想から「トラ退治とハエ駆除」運動に続いて打ち出されたのが、2018年1月に中国共産党中央委員会と中国政府“国務院”から出された『“掃黒”・“除悪”特別闘争の展開に関する通知』(以下「掃除通知」)による新たな運動であった。“掃黒”とは“黒社会(暴力団)”を一掃することを意味し、“除悪”は悪人を除去することを意味するから、これは「暴力団一掃と悪人除去」運動と言うことができる。

ところが、報道を通じて掃除通知が出されたことは分かったが、その“掃黒”・“除悪”の対象が何かは具体的には示されていなかった。このため、中国の庶民は掃除通知の鉾先がどこに向けられているのか議論を戦わせていたのだった。

12の「黒悪」とは

2月下旬、中国のネット上に“紅頭文件(中国共産党や政府機関の公文書)”の形式で「“掃黒除悪十二類重点打撃対象(“掃黒”・“除悪”12種類の主要な打撃対象)」と題する“傳単(ビラ)”が掲載され、主要な打撃対象となる12種類の“黒悪勢力(暴力団・悪人勢力)”(以下「黒悪勢力」)の詳細が箇条書きで示された。このビラには公文書に必要な発行機関の押印がないので、その信憑性には疑問符が付くが、その内容から判断して根も葉もないものとは思えないのである。ビラに記載された12種類の黒悪勢力は以下の通り。

  1. 政治の安全、特に政権の安全と制度の安全を脅かす、政治領域に浸透する黒悪勢力
  2. “基層政権(区・郷・鎮・村の人民代表大会と人民政府)”の権力を握る、“基層換届選挙(区・郷・鎮・村の人民代表の改選選挙)”を操作して破壊する、農村資源を独占する、“集体資産(農村の共同資産)”を横領するなどする黒悪勢力
  3. 家族や“宗族(一族)”の勢力を利用して農村でのさばって地方の覇を唱え、庶民を抑圧し痛めつける“村覇(村の顔役)”などの黒悪勢力
  4. 土地収用、借地、立ち退き、事業案件の建設などの過程で、扇動や騒動を引き起こす黒悪勢力
  5. 建築工事、交通運輸、鉱物資源、漁業などの業界や領域で、工事の独占、悪意の競争入札、不法占拠、乱開発・乱採掘を行う黒悪勢力
  6. 市場、卸売り市場、駅や埠頭、観光地などの場所で、不正手段や暴力により商売を独占したり、強引に売り買いさせたり、みかじめ料を徴収したりする“市覇(市場の顔役)”や“業覇(業界の顔役)”などの黒悪勢力
  7. “黄色・賭博・薬物(ポルノ・ギャンブル・薬物)”などの違法犯罪活動を行う黒悪勢力
  8. 違法な高利貸付や暴力的取立を行う黒悪勢力
  9. 民間の揉め事に介入し、闇の法執行を行う黒悪勢力
  10. 中国国内へ入境して発展・浸透した“境外黒社会(国外・境界外の暴力団)”<注2>及び多国籍・境界越えの黒悪勢力

<注2>“境外”には国外のみならず、「一国二制度」で境界外に位置付けられる香港・マカオ、さらには中国が自国の1省としている台湾を含んでいる可能性が高い。台湾の暴力団「竹聯帮」は名高い。

  1. 乱脈なワクチン市場や砂利採取などの業界で活動し、合法的な生産経営を妨害し、正常な市場秩序を破壊する黒悪勢力
  2. “信訪条例(陳情条例)”に違反して、陳情者が違法に上級機関へ直訴する、無理筋の陳情を行う、長期にわたり繰り返し陳情を行う、脅して財物をゆすり取るなどにより組織秩序や社会秩序を著しくかく乱するのを組織・画策・扇動する陰の組織者や指示者

黒悪を5つに分類すると…

上述したビラの内容に信憑性があることを前提に論を進めることとするが、習近平政権が主要な打撃対象とする12種類の黒悪勢力を大別すると以下の5つに分類できる。

【第一類】政治の安定を脅かす、政治領域に浸透する黒悪勢力

【第二類】基層政権の権力を握り、基層改選選挙を操作し、農村資源の独占や農村共同資産の横領を行う黒悪勢力

【第三類】家族や一族の勢力を利用して農村を支配する“村覇”などの黒悪勢力

【第四類】あらゆる場所で利益を求めて活動する悪徳業者、“市覇”、“業覇”および暴力団などからなる黒悪勢力

【第五類】陳情者を組織・画策・扇動する陰の組織者や指示者

第二類の“基層(区・郷・鎮・村)”は下級行政単位を指すが、黒悪勢力が基層の政権を握り、基層選挙を操作してその代表をより上級の人民会議へ送り込めば、黒悪勢力が政治領域に浸透する可能性があり、その延長線上には第一類の黒悪勢力になる可能性が排除できない。こうして見ると、第一類と第二類は同質の黒悪勢力であり、行政単位が上級か下級かの相違に過ぎず、同じ穴の狢(むじな)と言える。

その一方で、第二類の基層政権の権力者と第三類の“村覇”は基本的に結託しており、村役人の職権を濫用することで農村を支配し、逆らう者に容赦ない仕打ちをするのが常である。また、第四類の悪徳業者、“市覇”、“業覇”および暴力団などからなる黒悪勢力も、彼らだけでは各種の規制や抑制を受けることから、第二類や第三類の黒悪勢力と連携して庇護を受けるのが常であり、彼らもまた同じ穴の貉であると言える。

第五類は、冤罪や理不尽な処分を受けて上級機関へ直訴する人々を支援するグループの組織者およびその指導者を指すが、彼らは一般に“維権律師(合法的権利を守る弁護士)”あるいは“人権律師(人権弁護士)”とよばれる弁護士とそのグループである。彼らは常に弱者の側に立って公権力に対抗しているが、常に拘束、監視、資格はく奪などの危険にさらされている。しかし、どれだけ脅されても信念を曲げずに、弱者のために公権力と闘う彼らの姿勢は、公権力にとって目の上のたんこぶとなっているのが実情である。

「悪徳役人殺害」に喝采

ところで、中国の庶民が最も関心を示すのは、庶民が主として第二類と第三類の黒悪勢力に分類される悪徳役人を成敗した事件である。2018年3月2日付の本リポート「22年前に殺された母の仇討ち、その執念の源は」で報じた“張扣扣”は、敵対していた王家の父子3人を殺害したが、殺害された王家の長男“王校軍”は現職の役人であった。このため、この事件は中国で「母の敵討ち殺人」として報じられると同時に、百姓無処申冤導致的民殺官(冤罪を晴らそうにも訴える場所を持たなかった庶民による役人殺し)”の典型的な例として注目されたのである。

中国では公権力および役人による理不尽な扱いに抗議して役人を殺害する事件が報じられると、庶民がこれに共感して喝采を送り、犯人を英雄視する風潮がある。これも今回の掃除通知が出された重要な要因となっているものと考えられる。そうした事件の代表例を2件挙げると以下の通り。

【1】2008年7月、北京市出身の失業者“楊佳”(当時28歳)が上海市公安局の“閘北(こうほく)分局”を単独で襲撃して、警官6人を殺害、警官5人と保安係1人に重軽傷を負わせた。上海市内で登録証の貼っていない自転車に乗っていた楊佳は、警官の職務質問に応じなかったために、連行されて激しい暴行を受けた。後に、自転車は借り物であったことが判明したが、公安局は謝罪しなかったことから、楊佳は公安局ビルを襲撃した事件。楊佳は死刑となったが、人々から忌み嫌われる警官を多数殺害したとして英雄視され、北京市内にある彼の墓には今なお参拝者が絶えない。

【2】2015年2月、河北省“石家荘市”の“長安区”に属する“北高営村”の若者“賈敬龍”が中国共産党北高営村支部書記の“何建華”を春節祝賀会の会場で改造した釘打ち機で殺害した。これは、何建華の指示により改築した新婚住宅を理不尽に取り壊され、結婚も断念させられてすべての夢を打ち壊された賈敬龍が行った報復殺人だった。世論は賈敬龍に味方し、一審で死刑判決が出た後、判決の見直しを求める声が高まったが、二審は一審判決を支持し、2016年11月に賈敬龍の死刑は執行された。<注3>

<注3>この事件の詳細は、2016年10月28日付の本リポート「横暴な権力者を殺害した男の死刑は止められるか」参照。

彼ら2人が犯行に走らざるを得なかったような状況が根絶されれば、中国社会は安定の方向へ舵を切ったことになる。掃除通知の発行によってスタートした「暴力団一掃と悪人除去」運動が、中国社会に根付く病根を取り除くことに成功し、習近平政権が求める社会の安定をもたらすことができれば、中国の夢が実現する可能性は見えてこようが、これは一朝一夕にできることではない。世界のどこの国や地域にも黒悪勢力は存在するし、黒悪勢力の掃除に成功した国は恐らくどこにもないだろう。ただ一つ確実なことは、習近平は反腐敗運動の推進によって多数の敵を作ったが、今回の「暴力団一掃と悪人除去」運動によってさらに新たな敵を増やすということである。

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