トランプがチャ駐韓大使の内定取消をしたのは良かったです。米国にいる朝鮮半島人は、国籍がアメリカであっても朝鮮半島に忠誠を誓いますから(日本の在日は国籍も韓国(隠れ北朝鮮もいる)で日本に居て反日活動に勤しんでいます)。そこが日系米国人とは違います。第二次大戦時の442部隊の欧州戦線での活躍ぶりは語り草になっています。ダニエル・イノウエ上院議員はこの戦闘で腕を無くしました。
大体、韓国は第二次大戦中は日本と共に日本人として戦ったのに、今や歴史を捏造改竄し、現憲法前文には当時各国が承認していなかった上海臨時政府(正確には「3.1運動で建立された大韓民国臨時政府」となっています)から説き起こししています。韓国にそんなに興味を持っている外国人はいないでしょうから、慰安婦の嘘同様信じ込まされる訳です。彼らは、中国人同様、平気で嘘がつける民族と思った方が良いでしょう。
https://ameblo.jp/sincerelee/entry-11350561128.html
2/4マイケルヨン・ブログ<韓国人、ついに「慰安婦のペテン」を叫びはじめる>
https://michaelyonjp.blogspot.jp/2018/02/blog-post_4.html?spref=fb
中国の国歌も抗日起源です。それを今でも国歌として使っているのは韓国の憲法同様、そうしなければ統治の正統性がなくなるからでしょう。明らかな反日国家に日本は支援すべきでありませんし、治安上入国も制限すべきです。彼らの反日教育が、やがて「日本人殺害」無罪となる事態を引き起こすことを恐れます。在日で反日活動をしてきた人たちは、吟味の上、強制送還すべきです。
鈴置氏ブログを読みますと、米軍の攻撃は必ず行われるだろうと踏んでいます。「鼻血作戦」だけでなく、全面戦争になる可能性もありますが、外交で妥協することはないとのこと。但し、NEOは必ずやって何か月後かに攻撃するとの読みです。そうなれば平昌パラが3/18に終わり、米韓合同軍事演習を4月に実施、終了後すぐにNEOを発動し、中間選挙前の9月辺りに攻撃かと思われます。ルトワックの言うように韓国が攻撃を受けても「自業自得」です。NEOを実施すれば、韓国民が大量に日本に移動してくることも考えられます。彼らはテロの手先になる可能性があります。反日民族を受け入れる必要はありません。NEO発動と共に韓国からの入国は全面禁止、日本に居る韓国人旅行者も還すようにしないと。
古森氏記事ではブラウンバック氏が国務省の国際宗教自由大使になったとの記事です。ローラバッカー氏同様、中国の法輪功信者の臓器移植問題を取り上げるかもしれません。日本も米国と呼応して中国の人権弾圧を止めさせるよう動いたら良いと思います。山田宏参院議員がこの問題に取り組んでいますので。ブラウンバック氏は法輪功以外に地下教会の問題(信仰の自由がないこと)も取り上げるかもしれませんが。
今ジョン・ネイスンの『ニッポン放浪記』を読んでいますが、翻訳者として三島には圧倒され、大江は付き合いやすいとのことで、三島からは離れて行ったことが書かれています。多分麻薬もやるネイスン氏と大江は左翼という事で気があったのでしょう。「私たちは毛沢東とフィデル・カストロのために乾杯した」(P.131)とありましたから。今英語で彼が翻訳した『午後の曳航』を読んでいますが、それほどうまい訳とも思えません。『豊饒の海・四部作』の内の『暁の寺』の訳者はCecilia Segawa Seigleですが、日本人なので日本語表現の理解度が高いのは当り前ですが、英語も素晴らしかったです。ネイスンの本に戻しますと、安部公房と大江はずっと仲が良く、兄弟のように付き合っていたそうですが、三島が文革時の紅衛兵に抗議の声を上げたときに、安部もそれに賛同したため、政治的な立場の懸隔が原因で別れたとのことです(P.132)。左翼は人が虐殺されるのを見ても何も感じないのでしょう。こんな人物がノーベル文学賞を受賞するのですから。共産主義は歴史の審判を受けたにも拘らず、大江は態度を改めることもありません。正しい道を知らない真正のバカです。
鈴置記事
北朝鮮の軍事パレードに米国はどう応じるのか (写真:ロイター/アフロ、2017年4月撮影)
(前回を読む)
米朝間で「五輪休戦」を結んだはずが、急にきな臭くなってきた。
軍事作戦を念頭に語ったトランプ
鈴置:2月1日、韓国メディアが一斉に「戦争の危機」を訴えました。保守系大手紙が社説で「北朝鮮に対し米国が軍事行動に乗り出す可能性が高まった」と口をそろえたのです。
トランプ(Donald Trump)大統領の一般教書演説と、駐韓米大使の内定撤回という2つのニュースからです。確かに、1月30日の米議会でのトランプ大統領の一般教書演説は北朝鮮への先制攻撃を予感させるものでした。
大統領は「自国の市民を弾圧することにかけては世界で最も残忍な体制」と金正恩(キム・ジョンウン)政権を非難。さらに「無謀にも、米本土を威嚇する核ミサイルを間もなく持つ」と、北朝鮮の危険性を訴えました。原文は以下です。
no regime has oppressed its own citizens more totally or brutally than the cruel dictatorship in North Korea. North Korea’s reckless pursuit of nuclear missiles could very soon threaten our homeland.
そして「それを防ぐためにかつてない強力な圧力をかけている」「譲歩は攻撃と挑発を招くだけ」「過去の(米)政権のような過ちは繰り返さない」と述べて、北朝鮮とは一切、妥協しないと宣言したのです。
We are waging a campaign of maximum pressure to prevent that from ever happening.
Past experience has taught us that complacency and concessions only invite aggression and provocation. I will not repeat the mistakes of past administrations that got us into this very dangerous position.
ある専門家は「waging a campaign」との言葉使いから「トランプ大統領はすでに軍事作戦を展開中との意識にあるのだろう」と分析しています。「campaign」は元々、軍事行動を指す単語です。
「USA!」の声に満ちた議場
—トランプ大統領はこれまでもツイッターを使い、激しい言葉で北朝鮮を脅してきました。
鈴置:今回の演説は過去のツイッターによる威嚇とは完全に異なります。一般教書演説は1年で最も重要な演説です。加えて、議場の傍聴席には「残虐非道な北朝鮮」を象徴する人々を招いたのです。
北朝鮮を旅行中に拘束され、死に追いやられた米国の大学生の家族。それに、子供の時に飢えに苦しみ、片足を失い、当局に拷問されながらも北朝鮮から脱出した難民です。
大統領が演説で彼らに触れた瞬間、議員らは一斉に立ち上がって拍手しました。彼らと大統領に共感を示したのです。そして米国人と世界の人々はテレビを通じ、その画像(北朝鮮に関する部分は開始後1時間8分22秒から)を見たわけです。
演説が終わると議場は「USA! USA!」の声で満ちました。大統領が「人権蹂躙の金正恩政権の打倒」を呼び掛け、議員がそれにも応えたのです。もう、米国は「核・ミサイル開発の凍結」などといった安易な妥協はできないでしょう。
朝鮮中央通信は2月2日「朝鮮外相が国連事務総長に手紙」(2月1日付、日本語版)を配信しました。ポイントは以下です。
李容浩(リ・ヨンホ)外相が1月31日、米国の核戦争策動を止めて欲しいとの手紙を国連事務総長に送った。
北朝鮮の当局も一般教書演説を読んで「米国が本当に攻めて来る」とおびえたと思われます。
新たな挑発には報復攻撃
—国連に泣きつくとは、相当にぎょっとしたのですね。
鈴置:だから韓国紙もトランプ演説で騒いだのです。東亜日報は社説「北朝鮮に譲歩する『失敗』はもうしない…『平昌以降』を伺うトランプ」(2月1日、韓国語版)で「米国は北朝鮮を最強度で圧迫するつもりだ」と演説を分析しました。ポイントを訳します。
具体的には明かさなかったが、圧迫を最高度に引き上げるとの北朝鮮へのメッセージと読める。
無謀な挑発を防ぐには軍事的な選択も辞さないとの意思を明確にした。
最近の平昌五輪を期にした南北の解氷ムードにもかかわらず、トランプ大統領の北朝鮮への姿勢はさらに強硬になった。
朝鮮日報の社説「注目すべき米駐韓大使の内定者の落馬」(2月1日、韓国語版)は演説に加え、ワシントンの空気も「軍事行動」に向かっていると指摘しました。
トランプは昨年4月、化学兵器を使用したシリアに対し、人権問題を前に出して爆撃したことがある。
ブレア(Denis Blair)前・国家情報長官も1月30日、米上院の朝鮮半島関連の聴聞会で「北朝鮮が新たな挑発をした場合、限定的な報復攻撃で応じるべきだ」と述べた。
ポンペオ(Mike Pompeo)CIA長官は1月29日、BBCに「北の核危機を非外交的に解決する手段に関する情報を大統領に上げている」と語った。
韓国系米国人の落馬
—日本の新聞とは比べものにならないほどの緊迫感ですね。
鈴置:普通、日本のメディアで一般教書演説をカバーするのは朝鮮半島を専門としない記者です。記者というものは不案内な領域では、表面的な動きの有無でニュース価値を判断しがちです。
東亜日報も指摘したように、今回のトランプ演説に北朝鮮に関する「ニュース」はありませんでした。でも、半島専門家が議場の雰囲気を含め、じっくりと読めば「米国はノーリターンポイントを越えた」と考えます。少なくとも「それを越えたと演出した」と読みます。
韓国紙が危機感を高めたのにはもう1つ理由があります。同じ1月30日にワシントンポスト(WP)が、駐韓米国大使に内定していたビクター・チャ(Victor Cha)氏の人事案が撤回された、と報じたからです。
チャ氏は韓国系米国人で、ジョージタウン大教授や米CSIS(戦略国際問題研究所)韓国部長も歴任した北朝鮮問題の専門家です。
「Disagreement on North Korea policy derails White House choice for ambassador to South Korea」という見出しの特ダネです。世界のメディアが後追いしました。
米政府も2月1日になって韓国政府に「内定取り消し」への理解を求めました。聯合ニュースの「駐韓米大使の人事案撤回 米側が理解要請=韓国外交部」(2月1日、日本語版)などが報じました
急浮上する「鼻血作戦」
—大使人事の撤回は珍しいのですか?
鈴置:世界のメディアが驚いたのは2点。まず、韓国政府のアグレマン(任命同意)まで得ていた人事の撤回だったこと。もう1つはその理由です。WPの記事によると、トランプ政権が検討する「鼻血(bloody nose)作戦」に対し、チャ氏が反対したためです。
「鼻血作戦」は北朝鮮に「核武装は絶対に認めない」意思を示すのが目的です。例えば、ミサイル発射台を1台だけ攻撃する方法です。
それで米国の意思は十分に見せつけられる。一方、それぐらいの攻撃に北朝鮮は反撃して来ないだろうから全面戦争にはならない、という理屈です。
—「反撃して来ない」のは確かですか?
鈴置:確かではありません。「反撃すれば全面戦争に突入し、自分が消滅する」と北朝鮮が予測するであろうから「反撃の可能性は減る」と見積もることは可能ですが。結局「鼻血作戦」を実施する際も、日米は反撃に備えることになります。
中央日報の社説「異例の米大使内定撤回、米の強硬策の信号か」(2月1日、韓国語版)も「鼻血作戦」の可能性が高まっていると警鐘を鳴らしました。
(米国政府が適格者かどうか)検証した後に、アグレマンまで得た内定者の人事を取り消すのは例がない。それだけトランプ政権が「鼻血作戦」に執着しているということだ。
私の見た限りですが、北朝鮮への「鼻血作戦」に初めて言及したのは昨年12月20日の英紙テレグラフでした(「2018年『北の核』は軍事攻撃か体制崩壊で決着」参照)。その後、米メディアでしばしば言及されるようになっています。
死ぬのは向こう側
—チャ氏はなぜ「鼻血(bloody nose)」に反対したのでしょうか。
鈴置:同じ1月30日のWPにチャ教授は「Victor Cha: Giving North Korea a ‘bloody nose’ carries a huge risk to Americans」を寄せ、それを説明しました。
「死ぬのは向こう側だから攻撃のリスクは取る価値がある、と言う人がいる。だが、韓国と日本住む多くの米国人非戦闘員が、北朝鮮の長距離砲とミサイルの雨から逃れるのは困難だ」と主張しました。原文は以下です。
Some have argued the risks are still worth taking because it’s better that people die “over there” than “over here.”
On any given day, there are 230.000 Americans in South Korea and 90,000 or so in Japan.
Given that an evacuation of so many citizens would be virtually impossible under a rain of North Korean artillery and missiles (potentially laced with biochemical weapons), these Americans would most likely have to hunker down until the war was over.
トランプ大統領は「死ぬのは向こう側」と語ったと報じられています(「中国にも凄んで見せたトランプ」参照)。チャ氏は大統領の発言を真っ向から否定したわけで、米政府もこういう人を大使にはできないでしょう。
強襲揚陸艦が2隻に
—米国籍の非戦闘員の退避は難しいのですか?
鈴置:チャ氏のその主張には、多くの専門家が首を傾げます。米国は非戦闘員の退避計画(NEO=Non-combatant Evacuation Operation)をきっちり定めていて、訓練も年中実施しています。
韓国に住む米国籍の市民は、身近な米軍基地に駆け込めば、米軍はあらゆる手段で戦地となる韓国から脱出させてくれます。
通常は朝鮮周辺海域に1隻しかいない米海軍の強襲揚陸艦が、2017年末から2隻に増強されています。強襲揚陸艦は空母のように広い甲板を持ち、韓国脱出用のヘリコプターの発着に適しています。
日本の横田基地にも宿舎が急きょ建設されたそうです。関係者は在韓米国市民を収容する目的もあると見ています。米国は平和ボケした日本とは異なるのです。
米国が北朝鮮への何らかの攻撃をしようと決意した際にはまず、NEOを発動するはずです。もちろん北朝鮮は身構えるでしょうが、緊張は長期間維持できません。北朝鮮の軍民が疲れたころに攻撃する手があります。
ことに、どこか1カ所を象徴的に攻撃する「鼻血作戦」なら、北朝鮮がNEOにより事前に察知しても攻撃地点を予測できないので、防ぎようがありません。
朝鮮日報のユ・ヨンウォン軍事専門記者は「米、北朝鮮の1、2カ所の象徴をいつでも打撃可能…鼻血を流させる恐怖の作戦」(2月2日、韓国語版)で攻撃対象の候補をいくつか挙げています。以下です。
▼平安北道・寧辺(ニョンビョン)の核施設▼咸鏡北道・豊渓里(プンゲリ)の核実験場▼「火星15」型ICBM(大陸間弾道弾)などを生産する平壌(ピョンヤン)山陰洞(サンウムドン)ミサイル工場▼咸鏡南道のSLBM(潜水艦発射弾道弾)搭載型の潜水艦基地
韓国の自業自得
—なぜ、NEOを無視して議論するのでしょうか。
鈴置:そこです。その点からも「米国の先制攻撃を防ぎたい韓国政府とチャ氏は歩調を合わせているのではないか」との疑いがわきます。朝鮮半島の専門家にNEOは常識だからです。
チャ氏は韓国への反撃に関し、ことに懸念を表明しています。「日本は米国のMD(ミサイル防衛)で守られるかもしれないが、韓国はそうではない」とWPへの寄稿にも書いています。
While our population in Japan might be protected by U.S. missile defenses, the U.S. population in South Korea, let alone millions of South Koreans, has no similar active defenses against a barrage of North Korean artillery (aside from counterfire artillery).
この辺から、ますますチャ氏の議論が怪しくなります。「米国のMDで在日本の米国人は守られている」というのは誤りで「日本のMDで守られている」のが真実です。
—どうして、そんないいかげんなことを書くのでしょうか。
鈴置:本当のことを言えば「韓国の自業自得」が露見するからです。日本が自前でMDを保有すると書けば、韓国が自前のMDを持っていないことに光が当たってしまいます。
韓国は米国とMDを構築するのを拒否したうえ、ソウルを含む韓国北部へのTHAAD配備も拒否しています。いずれも中国の顔色を見た結果です(「中国に『降伏文書』を差し出した韓国」参照)。
戦略家のルトワック(Edward Luttwak)氏は「中国の言いなりになってMDを導入しない韓国」が北朝鮮の攻撃にさらされても自業自得だ、と言い切っています(「『五輪外交で主導権を握った』と小躍りする韓国」参照)。
チャ氏は「鼻血作戦」の不当性を強調するために「韓国の自業自得」と「NEO」には触れないのでしょう。
米国を騙した南北
—急にワシントンで「鼻血作戦」に焦点が当たり始めたのは、なぜでしょうか。
鈴置:平昌五輪開会式の前日の2月8日に、北朝鮮が平壌で大規模な軍事パレードを実施する可能性が高まったことが大きいと思います(「平昌で『米日VS南北』の戦いが始まる」参照)。
北朝鮮の核・ミサイル施設をすべて叩く、大規模な軍事攻撃に踏み切るハラをトランプ政権はまだ、固めていないようです。
しかし軍事パレードに対しては何か報復せねばならない。その結果、反撃されにくい「鼻血作戦」が注目された、ということではないでしょうか。
米国は「北朝鮮が五輪に参加を表明した。緊張を緩和し核問題を解決するために、五輪期間中の米韓合同演習は延期してほしい」との韓国の要請を受け入れました。
というのに五輪の始まる前日に北朝鮮が大規模の軍事パレードを実施したら、米国はまんまと騙されたことになります。
こんな小賢しい挑発を許したら、北朝鮮は米国をますますなめて核・ミサイル実験に動く――と誰しも考えます。
だからトランプ大統領が一般教書演説で「もう、譲歩はしない」と宣言し、朝鮮日報が2月1日の社説で指摘したように米政府や議会から「北朝鮮の次の挑発は絶対に容赦しないぞ」との声が漏れてくるのでしょう。
後ろに引けない金正恩
—韓国も米韓合同軍事演習の再延期と北朝鮮の軍事パレードの中止を取引させようと動く……(「平昌で『米日VS南北』の戦いが始まる」参照)。
鈴置:しかし、北朝鮮も容易には後ろに引けません。軍事パレードは4月に開催することが多かった。ただ緊張が高まる今年は、下手に実施したら米国から「挑発」と見なされ攻撃される可能性が大きい。
軍事パレードには金正恩(キム・ジョンウン)委員長も出席しますから、攻撃は斬首作戦――空爆による暗殺の場になりかねない。かといってパレードを中止すれば、金正恩委員長が米国に屈したことになってしまう。
そこで「親北」の文在寅(ムン・ジェイン)政権と組んで五輪休戦を演出し、その間に軍事パレードを開こうと知恵を絞ったのでしょう。
米韓の演習延期とは直接の関係はありませんが、国連の「平昌五輪停戦決議」が定めた停戦期間は五輪・パラリンピック期間と、その前後1週間です。
軍事パレードを米韓合同軍事演習よりも前に設定することにより、北朝鮮は「合同演習を永久に停止するならパレードを中止してもいい」と言い出せる余地も作ったわけです。
軍事パレードを食い逃げ
—でもそんな、せこい手を使うと逆に米国を怒らせませんか?
鈴置:そうなる可能性が大です。実際「鼻血作戦」が議論されるようになったわけです。でも、米国がそれを実施するとしても軍事パレード当日ではありません。国連停戦決議を尊重して、パラリンピックの後になるでしょう。
となると、金正恩委員長は自らの居場所を隠し続けさえすれば、斬首される心配はない。ミサイルの発射台1台くらいは破壊されるかもしれませんが。結局、北朝鮮は、軍事パレードを食い逃げできるのです。
そうこうするうちに米国まで届くICBMが完成する。そうすれば米国が「鼻血作戦」程度でも実施する可能性は一気に減る、と北朝鮮は読んでいるでしょう。
2月8日のパレードに今後の展開がかかっています。2月2日、北朝鮮を脱出した人々をホワイトハウスに招いた席で、トランプ大統領も「五輪の後に何が起こるか。すぐに分かることだと私は思うが」と思わせぶりな発言をしています。
「Remarks by President Trump in Meeting with North Korean Defectors」(2月2日)で読めます。
(次回に続く)
古森記事
ドナルド・トランプ米大統領はホワイトハウス大統領執務室に脱北者6人を迎えた。通訳を挟み談笑するドナルド・トランプ大統領(右)と脱北者のチ・ソンホ氏(左、2018年2月2日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / ANDREW CABALLERO-REYNOLDS 〔AFPBB News〕
サム・ブラウンバックという名前を聞けば、日本の拉致問題関係者の多くは瞬時に前向きな反応を示すはずである。
10年ほど前、日本側の人たちが、北朝鮮に拉致された日本国民を救出するために米国の支援を得ようと動き始めた。その際、米国議会上院の共和党有力議員として活発に助力してくれたのがブラウンバック氏である。
そのブラウンバック氏がこの2月から、“宗教の自由問題”担当の特別大使として、トランプ政権の国務省に加わった。同氏は北朝鮮の宗教弾圧も追及することになる。
任務は世界の宗教弾圧への対処
サム・ブラウンバック氏(出所:Wikipedia)
トランプ政権は、カンザス州知事のサム・ブラウンバック氏が2月1日に国務省・国際宗教自由担当の大使に就任したことを発表した。
国際宗教自由大使の任務は、世界の宗教弾圧への対処である。ワシントンの国務省本省に拠点を置きながら、移動大使という形で世界規模で活動する。
米国歴代政権は、国務省を主体に、世界各国の宗教の自由を守るための超党派の対外活動を続けている。同大使はその活動の中枢となる。
ブラウンバック氏といえば、日本の拉致問題の解決に米国議会を代表して積極的な支援を続けてきたことで幅広く知られている。現在61歳の同氏はカンザス州の弁護士出身の共和党政治家で、1995年から96年まで同州選出の連邦下院議員を務めた。96年には上院に転じ、2011年まで上院外交委員会などで活動した。
ブラウンバック氏は2008年の大統領選挙にも共和党予備選に出馬した。2011年には地元カンザス州の知事となった。その後、再選を果たし、2019年1月まで任期が残されていたが、このたびトランプ大統領の要請で政権入りした。同氏は敬虔なカトリック教徒として知られ、議会でも北朝鮮や中国の宗教抑圧への抗議を再三表明してきた。
「北朝鮮人権法」の制定に尽力
ブラウンバック氏が日本人拉致事件の解決への支援の活動を顕著にしたのは、2003年以降、上院外交委員会の「東アジア太平洋問題小委員会」委員長となってからである。同氏はそれまでアジアとの関わりは特に深くはなかったが、人権弾圧非難という観点から北朝鮮や中国に注意を向け、活発に動くようになった。
たとえば2003年6月には独自に記者会見を開き、北朝鮮の人権弾圧や、北朝鮮難民を抑圧する中国の行動を非難した。日本人拉致問題についても指摘し、北朝鮮当局を激しく糾弾した。
私もこの記者会見に出ていたが、静かな口調ながらも熱をこめて「北朝鮮工作員による日本国民の拉致」に言及するブラウンバック議員に好感を抱いたことをよく覚えている。
同議員はその後、米国の国政の場で、北朝鮮の残虐な行為の典型として日本人拉致を繰り返し指摘するようになった。そして「北朝鮮人権法」の制定へと動く。この法律は文字通り、北朝鮮の人権弾圧を阻むために米国政府が多様な支援行動をとることを規定していた。対象とする北朝鮮の人権弾圧には日本人拉致事件も含めている。この法律は2004年10月に成立した。
拉致被害者のために事務所を提供
当時のブッシュ政権は北朝鮮を「テロ支援国家」に指定しており、それに基づき2005年9月にマカオの中国系銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」の北朝鮮関連口座を凍結するという経済制裁措置をとった。ブラウンバック議員はこうした措置を積極的に支援していた。
ちょうどそのころ、日本側の拉致問題の「家族会」「救う会」「拉致議連」などがブッシュ政権の支援を得ようと動き始めていた。ブラウンバック議員はそうした各会の代表たちのワシントン訪問を温かく迎えるようになった。
「家族会」の横田早紀江、増元照明両氏、「拉致議連」の平沼赳夫会長や「救う会」の西岡力会長、島田洋一副会長らが訪米するたびに、ブラウンバック議員は上院外交委員会の代表として面会していた。日本側代表たちが緊急記者会見を開く必要が起きた際には、自分の事務所を即座に開放して提供するほどの協力ぶりだった。2008年10月に当時のブッシュ政権が北朝鮮のテロ支援国家指定を解除すると、ブラウンバック議員は誰よりも強い反対を表明した。
このようにブラウンバック議員は米国連邦議会の歴代のメンバーのなかでも、日本人拉致事件の解決のために、最も深く、最も長く協力してきた人物である。そうした人物がトランプ政権の国務省に加わり、世界の宗教弾圧に対峙するという展開は、北朝鮮による拉致事件の解決を目指す日本にとっても歓迎すべき動きといえるだろう。
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