『米ロ対立の深刻化で「核軍縮合意」も風前の灯に 中距離核戦力(INF)廃棄条約めぐり非難合戦』(1/26日経ビジネスオンライン 池田元博)について

1/29日経朝刊<ロシア大統領選「ノー」 プーチン政権抗議デモ、各都市で 当局、主導者ら拘束

【モスクワ=小川知世】首都モスクワなどロシア各都市で28日、プーチン政権への抗議デモがあった。3月の大統領選への出馬を却下された反体制派指導者、アレクセイ・ナワリニー氏が選挙のボイコットを訴えて開催を呼びかけた。同氏はデモ中に当局に身柄を拘束された。プーチン大統領の4選は動かない見通しだが、国民の「プーチン疲れ」を映した大規模デモで当局が多くの拘束者を出したことで、影響は長引く可能性がある。

28日、モスクワ中心部の広場はデモに集まった市民で埋め尽くされた

ナワリニー氏(中)はデモ参加直後に当局に拘束された(モスクワ)=AP

モスクワ中心部の広場には午後、若者らが集まり「これは選挙じゃない」とシュプレヒコールをあげた。治安部隊が広場から出るよう繰り返し警告。参加者は「去るのはプーチンだ」と声を張り上げ、大統領府があるクレムリンへと行進した。行進は黙認された。モスクワでのデモ参加者は数千人規模とみられる。

ナワリニー氏はデモ参加中に拘束された。同氏は自身のツイッターで「(拘束は)無意味だ」と抗議運動の続行を呼びかけた。現地メディアによると全国では250人以上が拘束された。デモに参加した大学生のニキータさんは「選挙の結果は変えられなくても抗議を諦めたらロシアはさらに悪くなる」と訴えた。

ナワリニー氏陣営によると、デモはサンクトペテルブルクやウラジオストクなど110都市以上で計画された。街頭運動で大統領選ボイコットの世論を高めて投票率を下げ「国民が真の選挙と受け止めていない」(同氏)ことを示す狙いだ。28日はホームページでも各地のデモを中継。警察がモスクワの同氏の事務所に押し入り、中継が中断する様子も映し出した。

ロシア中央選管は2017年12月にナワリニー氏の大統領選への立候補申請を却下した。過去に受けた有罪判決を理由としたが、同氏は「プーチン政権は(対決を)恐れて出馬を阻止した」と政治的判断だと反発している。欧州連合(EU)も「民主的選挙の見通しに深刻な疑いがある」と声明で懸念を表明した。

選挙を控え、プーチン政権は反体制派への圧力を強めている。ナワリニー氏や陣営の拠点を警察が何度も捜査し幹部らを拘束。モスクワの裁判所は22日、同氏の活動を支援する基金の閉鎖を命じる決定を出した。

大統領選は当選が確実視されるプーチン氏の事実上の信任投票となる見通し。実質的な対抗馬は不在で国民の関心は薄い。政権は目標とする「投票率7割、得票率7割」を達成し、高い支持を内外に印象づける狙いだ。

1999年の首相就任以来、プーチン氏はロシアを20年近く率いてきた。同氏を引き継ぐ指導者の不在を政治的停滞とみる世論は一定数ある。今回のデモへの対応が政権への失望を招き大統領選での投票率や得票率が下がれば、プーチン氏の指導力に疑問符がつく。

ナワリニー氏は政権汚職を追及するブロガーで、17年3月と6月に呼びかけた反政府デモは全国に広がった。過去のデモでも同氏や多数の参加者が一時拘束された。>(以上)

1/29ダイヤモンドオンライン北野幸伯<絶対権力者プーチンの再選が決して「楽勝」とは言えない理由>

http://diamond.jp/articles/-/157404

中国が民主化した暁には、今のロシアと同程度の民主主義になるのではと想像される記事です。敵を立候補させないのは香港と同じやり方です。プーチンは投票率70%、投票率70%目指すとしていますが金正恩ではあるまいし、そんなに高い支持率が必要なのかどうか。1/29日経朝刊に依れば安倍内閣の支持率は55%、不支持率は37%とのこと。これでも普通の民主主義国では支持率は高い方でしょう。長期政権になればなるほど支持率は下がりますから。

北野氏の記事で、共産党のグルディニンが対立候補として2位につける可能性は高いとのこと。メドほどではなくてもプーチンも隠し資産があるような気がしますが。それが暴露されない限りプーチンは安泰と言う所でしょう。

池田氏記事でロシアのラブロフが「イージスアショア」で日本に文句を言ってきているとのことですが、「自衛の権利は各国が持つ」し、「そもそもロシアは日本を標準にした核ミサイルを撤去すべき」、「イージスアショアは防御用武器」というのを強く主張しないと。

1/29JBプレス 渡邊 光太郎<ロシアなしでは日本も世界も自動車を作れない 世界の自動車産業はスターリンの遺産に依存する>「ノリリスクの鉱脈が特殊なのは、含まれる白金族元素の量が通常ではあり得ないほど多いことである。」「パラジウムは1つの狭い地域で世界の40%を超える産出量をもたらしており、ノリリスクの鉱山は世界最良のパラジウム鉱山と言ってよい。

 なお、パラジウムはプラチナと類似の性質を持つ白金族元素で、化学的に安定、触媒として機能するという性質を共有する。」「例外的な時期を除き、プラチナの方がパラジウムより高価なのだが、現在は価格が逆転し、パラジウムの方が高価である。」「そんな立派な資源が全くない日本からするとひたすら羨ましい話である。もっとも、ノリリスクは金属産業による汚染により、ロシアで最も汚染された町と呼ばれているというオチがある。」「窒素酸化物は還元、有機物や一酸化炭素は酸化という真逆の反応で無害化するが、触媒コンバーターには酸化・還元の両方を一度に行う三元触媒という優れものの触媒が仕込んである。この触媒に白金族元素のプラチナ、パラジウムなどが使われている。」「プラチナというと宝飾品のイメージが強いが、2016年のリサイクルを含めた世界のプラチナ需要量244トンのうち、自動車触媒用は102トンを占めている。

 一方宝飾品は68トンであり自動車用よりも少ない。パラジウムでは需要量304トンのうち、自動車触媒用は229トンであり、4分の3が自動車産業によって消費されている。 ちなみに、日本の自動車産業は2016年にプラチナ10.3トン、パラジウム26.7トンを使用した。」「プラチナ産出量は1位南アフリカ、2位ロシア、3位ジンバブエである。南アフリカだけで産出量の7割を超え、ロシアが加わると8割を超え、ジンバブエが加わると9割を超える。 もちろん日本やその他工業国でのリサイクルもあるが、リサイクルによる供給量はプラチナ供給量の2割ほどなので、世界はプラチナの7割を南アフリカ、ロシア、ジンバブエに依存しているのである。」「パラジウムでは、産出量1位ロシア、2位南アフリカ、3位カナダである。しかし、カナダはロシアと南アフリカに比べると5分の1程度の産出量しかなく、ロシアと南アフリカだけで産出量の7割5分、リサイクル分2割を足してもロシアと南アフリカに供給量の6割を依存している。」

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/52179

いくら資源があっても、資金と技術が無ければ宝の持ち腐れでは。価格が高騰すれば中国のレアアースと同じく代替品開発競争が激しくなり、使用されなくなる可能性もあります。

1/28日経朝刊<欧州、強まるポピュリズム 独仏は下院選の得票20%超 イタリアでは第1党うかがう>

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26239490X20C18A1SHA000/

1/29宮崎正弘氏メルマガ<チェコ大統領に「反移民」、「反EU」、「反NATO」のゼマン氏が再選

中欧に政治の地殻変動が始まっている。>

http://melma.com/backnumber_45206_6639180/

欧州は反EUの流れは止まらないのでは。そもそも難民受け入れに甘く、自国民の犠牲が大き過ぎます。日経は相変わらず大衆迎合主義(ポピュリズム)とか極右とか言って非難じみた言葉を使ってイメージを貶めようとします。でも選んでいるのは国民だという事をお忘れなく。記者が高みに立って論評する話ではないでしょう。共産主義国に住んでいる訳でもないのに。国民の選択が第一です。

記事

米ロ関係はトランプ米政権発足後も一向に改善の兆しがみえない。米大統領選へのロシアの介入疑惑の影響がやはり大きいが、ここにきて一段と関係を冷え込ませかねない懸案が持ち上がっている。核戦略を中心にした安全保障問題をめぐるあつれきだ。

1987年12月、当時のゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(左)とレーガン米大統領(右)は中距離核戦力(INF)全廃条約に調印した(写真:ロイター/アフロ)

「現在のような複雑な国際環境にあって、ロ米間の建設的な対話は世界の戦略的安定強化に欠かせない」――。プーチン大統領は昨年末、米国のトランプ大統領に宛てた新年のメッセージで、関係改善への期待を示した。

米大統領選でロシアとの関係改善の必要性を訴えたトランプ氏が大統領に就任してから1年。米国では大統領選への介入の有無を含めたロシアとトランプ政権の不透明な関係をめぐる「ロシア・ゲート」疑惑への追及が続き、関係改善どころではない。トランプ、プーチン両大統領による公式の首脳会談も、ドイツのハンブルクでの国際会議の場を利用して昨年7月に一度開かれただけだ。

ロシアでも対米関係修復への期待は急速にしぼんだ。プーチン大統領も昨年末の記者会見では、いわゆる「ロシア・ゲート」疑惑の影響を指摘しつつも、トランプ大統領が今でもロシアとの良好な関係を望んでいるのか、あるいは希望を完全に失ってしまったのかは「本人に聞いてみなければわからない」と述べていた。

一方で、関係正常化によって米ロが「共通の脅威」に立ち向かう必要性も強調。その具体例として国際テロや環境対策、大量破壊兵器の拡散防止、中東や北朝鮮など世界各地で起きている危機の克服を挙げていた。こうした自らの意向をトランプ大統領への新年のメッセージにも込めたわけだ。

当然、外交辞令の要素は無視できないが、ロシア大統領選後の今年5月からの次の任期を踏まえれば、極端に冷え込んだ米ロ関係をそのまま放置しておくわけにもいかないという思いもあるのだろう。

とはいえ現実は厳しく、米ロの確執は今後一段と先鋭化しかねないのが実情だ。米政界を揺るがす「ロシア・ゲート」疑惑もさることながら、両国の国益に直結する安全保障問題をめぐる対立が鮮明になりつつあるからだ。

トランプ政権の「核兵器重視」で「核軍縮」が台無しに

トランプ米大統領は昨年12月、安保政策の指針となる「国家安全保障戦略」を発表した。新戦略は中国とともにロシアを、米国の国益や国際秩序に挑戦する「修正主義国家」と断じ、競争勢力と位置づけた。ロシアについては軍備力も再び蓄積しているとし、強い警戒心もあらわにした。

国家安保戦略の発表を受け、米国防総省は今年1月中旬に「国家防衛戦略」を公表。中ロを「戦略上の競争相手」とし、大国間の競争が最優先の懸案になるとして核抑止力やミサイル防衛といった米軍の体制増強を進める必要性を強調した。ロシアが核戦力の増強・近代化を進めていることもあえて指摘した。

トランプ政権はさらに、米国の核戦略の指針となる「核体制の見直し(NPR)」を近くまとめる予定だ。米メディアなどの報道によれば、「核なき世界」を唱えたオバマ前政権が2010年にまとめた前回のNPRを大幅に修正し、核兵器を再び「重要な要素」と位置づけてその役割を拡大する方針を明記。核戦力の優位性を保つことで、中国やロシアの脅威に対抗する姿勢を強調するという。

冷戦時代に米ソが核軍拡を競った名残で、世界の核弾頭の9割以上をいまだに米ロが保有する。経済規模、国防支出額、生活水準、国際社会への影響力などほとんどの分野で米ロ間に圧倒的な差が生じるなか、核戦力はほぼ例外的に双方の力が均衡する分野だ。両国間の核軍縮交渉は当然、最重要の懸案となり、緊張緩和と関係改善を印象づける象徴ともなる。

ところが、トランプ政権が中国とともにロシアを「戦略上の競争相手」とみなし、特に核戦略の分野でロシアへの対抗姿勢をむき出しにするようなら、核軍縮に向けた米ロの歩み寄りは望み薄だ。それどころか、両国間の既存の核軍縮合意の継続もおぼつかなくなる。既にその兆候が垣間見られている。

米国務省は昨年12月、ソ連時代の1987年に米ソ間で締結し、翌88年に発効した中距離核戦力(INF)廃棄条約についての声明を出し、ロシアが条約に違反していると非難。今後のロシアの対応次第では対抗措置として、米国も中距離ミサイルの研究開発に乗り出す意向を示した。

INF廃棄条約はアイスランドのレイキャビクでの首脳会談を経て、レーガン米大統領とゴルバチョフ・ソ連共産党書記長(いずれも当時)がワシントンで調印した画期的な核軍縮条約だ。射程500~5500キロメートルの短・中距離の地上配備の弾道、巡航ミサイルを発効から3年以内に全廃すると規定したもので、欧州の緊張緩和とその後の東西冷戦終結に向けた大きな一歩となった。

米国務省の声明は、その歴史的な核軍縮条約の調印からちょうど30年の節目に合わせて出された。米政府はオバマ前政権時代からロシアの条約違反を指摘。トランプ政権も昨春、ロシアが欧州向けに新型の地上発射型巡航ミサイル「SSC8」を実戦配備したとし、INF廃棄条約に抵触すると非難してきた経緯もある。ただ、米国が今回の声明通りに中距離ミサイルの開発に着手するようであれば、INF廃棄条約の形骸化は避けられない。

ミサイル防衛を巡る米ロの対立が日ロ関係に飛び火

プーチン大統領は昨年末の記者会見で、こうした米国の批判に真っ向から反論し、「我々は国際安全保障の要である主要な軍縮条約から脱退することはない」と断言した。逆に米国はかつて、弾道弾迎撃ミサイル(ABM)制限条約から一方的に脱退しており、INF廃棄条約についても「米国が離脱に向けた情報・宣伝工作をしている」などと非難した。

米ソ間で1972年に締結したABM制限条約は、弾道ミサイルの迎撃を目的としたミサイルシステムの開発を厳しく制限したものだ。米国はブッシュ政権下の2001年末、ミサイル防衛(MD)計画の障害になるとして一方的に脱退を宣言し、同条約は2002年に失効している。INF廃棄条約もまた、米国の一方的脱退という形で失効せざるを得なくなる懸念があると警告したわけだ。

それだけではない。プーチン大統領は「彼ら(米国)は何とかして我々を叱責し非難しようとするが、自らは一体何をしているのか」と苦言を呈し、米国が2016年5月にルーマニア南部で運用を始めた地上配備型の迎撃ミサイル発射基地をやり玉に挙げた。

ルーマニア基地のシステムは米国が主導する欧州でのMD計画を構成する一部となっているが、プーチン大統領は弾道ミサイルを追跡する艦載イージスシステムを地上に設置したものだと強調。迎撃ミサイルの代わりに短・中距離の弾道、巡航ミサイルを装備するのは容易で、「米国は既に実質的にINF廃棄条約から離脱している」と主張した。

プーチン大統領は昨年末に開いた国防省幹部との会合でも同様の主張を展開し、米国の行動は「欧州や世界の安全を損なう」と非難。米国がもたらす潜在的脅威に適切に対処する必要性も強調している。

ロシアが米国のMD構想とINF廃棄条約問題を絡めて批判し始めたことで、思わぬ影響が日ロ関係にも飛び火している。ラブロフ外相は今年1月の記者会見で、日本政府が導入を決めた地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」について、ルーマニアなどに配備されたシステムと同様、「攻撃兵器も装備できる万能型の発射システム」とみなしていると明かした。

日本政府はイージス・アショアを日本が運用する、巡航ミサイル「トマホーク」などの装備は不可能だ、などと説明するが、ロシア側は全く納得していない。そもそもイージス・アショアの導入は北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するためだとする日本の主張も、ロシアでは説得力を欠く。むしろロシアや中国を標的にした米国の世界的なMD網配備の一環とみなしている。

いささか古いが、政府系の全ロシア世論調査センターが昨年5月の世論調査で、ロシアに対して核兵器など大量破壊兵器を使う恐れがある国・組織はどこかを聞いたところ、回答者の50%が米国を挙げ、北朝鮮は13%にすぎなかった。こうした日ロの認識の差異も背景にあろうが、イージス・アショアの日本配備に警戒を強めるロシアが今後、INF廃棄条約の無力化に加担しているとの主張を軸足に据えて日本批判を強める恐れは十分にある。

話を米ロに戻そう。核戦力をめぐる対立が今後激化するようだと、INF廃棄条約だけでなく、米ロが2010年に調印した新戦略兵器削減条約(新START)の行方にも負の影響を与えかねない。両国が配備する戦略核弾頭数を大幅に制限した同条約は2021年に有効期限が切れる。最大5年の延長が可能だが、トランプ大統領は「悪い合意」「一方的な取引」などとしばしば批判している。

プーチン大統領は「もし米国が新STARTからも一方的に離脱するようなら、世界の安定と安全の維持という観点から大きなマイナスになる」と警告するが、先行きは一段と不透明さを増す。米ロの長引く冷たい関係は、両国が長年にわたって積み上げてきた核軍縮合意も台無しにしかねない危うさを抱える。

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『これからのジャーナリズムを考えよう The Future of Journalism』(1/29日経主催学生応援プロジェクト)について

表題にあるセミナーに参加しました。初めて安田講堂に入りましたが、思ったより小さめでした。学生が前の座席且つ日経社長が東大・慶應・早稲田・上智・其の他の学生と紹介したのを見て、人気のないメデイアの募集活動の一環なのではという気がします。写真を見て分かる通り、林香里東大大学院教授が司会で出ていました。朝日新聞の慰安婦問題の第三者委員会で悪名を轟かせた人物です。こんな人がフェイクニュースについて論評できる資格があるかどうかです。もっと言えば東大大学院教授にレベルが低い人物を選んだ感があります。まあ、東大はアカの巣窟だから仕方がないのかもしれませんが。

<朝日新聞第三者委員会で特にひどいのが林香里東京大学大学院情報学環教授だ。2015/3/15 花田紀凱 >

https://news.yahoo.co.jp/byline/hanadakazuyoshi/20150315-00043859/

小生はAIに興味がなかったので、18:00前に出ました。全文英語で聞き通しましたけど分かり易かったです。コル・コロンビア大学ジャーナリズム学院長の話は、話すのが早かったけどクリアに発音していましたので。またトランプについて抑制的に話していたのも好感が持てました。元WPの記者とのこと。バーバーFT編集長の話はユーモアがあって面白かったです。日経の話は20年先なら兎も角、日本は宅配制度があり紙媒体もしっかり守られるのではというニュアンスでした。「押し紙はどうした」とツッコミを入れたいところです。「押し紙」を放置しておいてフェイクも糞もないと思いますが。自分達のやっていることが客観的に見えないのでしょう。まあ、本人達もマスゴミと呼ばれている自覚はありましたが。

コル氏「米国憲法で保障されている報道の自由が危機に直面している。この20年で地方紙が消え、SNSに取って代わられた。フェイクで汚染されている記事もある。今学校がメンターになり、メデイアに就職した人間の支援をしている。ファクトベースで、ミスをなくすようにと指導」

バーバー氏「FTはデジタルが91万部。ウチの娘も読んでいるからエリート向けとは言えない。問題なのは記者がPCに向かって仕事をしている。現地取材に行って人の話を聞かない。フェイクの防止として2つの独立した見方でチエックしている。個人の見方がブランドとなる。特集として、中国は海軍大国になり、南シナ海への進出もハリウッドを利用したソフトパワーの活用、プロパガンダをしている」とのことでした。

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『中国「6歳の宅配少年」は美談ではない 父は死去、母は再婚、無戸籍で学校へ行けず…』(1/26日経ビジネスオンライン 北村豊)について

1/26看中国<百年謊言:“華人與狗不得入內”(組圖)=百年の戯言:”中国人と犬は入るべからず“>「“此公园建筑之初,西人亦本有中外与共之意,因华人既人数众多,占其良好之坐位,复因无公德心之华人,箕踞眠卧,遍地吐痰,以致见憎于西人。”この公園(上海の外滩(バンド)公園)が建った当初は西洋人も中国人と共にと思ったが、中国人は数が多く、良い場所を取り、且つ公徳心がなく、地べたに座ったり寝たり、所構わず痰を吐き(今でもそうですが)、西洋人にとっては見たくないこと“

好吧,极有可能是华人素质较低,公德心较差,就像和今天出国旅行时“爱国放水”、“偷马桶盖”、“随地便秘”、“浪费自助餐”的某些国人类似,其行为习惯破坏了公园的环境与秩序,所以被洋人下了逐客令。在1903年,公园将这一限制写入公园的规则以明文规定,这也许就是“华人与狗不得入内”谣言的雏形,原文是这样的:そう、中国人の資質が低く、公徳心もなく、まさに今時の海外旅行時の「愛国放水」(王楠(卓球選手)が愚かにも日本のホテルで水を流し放しにして夫がSNSで愛国行為と叫んだ)、「ウオッシュレットの窃盗、2016年に名古屋の東横インに泊った中国人が自分の部屋のベッドの下に部屋のウオッシュレットがあったので持出(?)、東横インから旅行団に連絡、次の場所から宅急便で東横インに返送」「所構わず大小便をする(便秘でなく便溺では?)」「バイキングの無駄な取り方」でどこかの国の人がすること同様、その行為習慣は公園の環境や秩序を破壊し、西洋人に中国人を追い出す命令を出させた。1903年に公園規則で中国人の入場制限したのが「中国人と犬は入るべからず」の雛型になったのかもしれない。原文は次の通り。

第一条,自行车及狗不得入内;第一条、自転車と犬は入園禁止 …… 第五条,除外国人佣仆外,华人一概不准入内;第五条 外国人の使用人を除いて中国人は入園禁止 まあ、西洋人にしてみれば中国人はこの上なく汚く見えたのでしょう。日本は貧しくともこぎれいにしていていつも楽しそう、子供が愉快に遊びまわっている情景が西洋人からも評価されていたと渡辺京二の『逝きし世の面影』にあったと思います。「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という社会と「和と信用を重んじる」社会とどちらが暮らしやすいかです。でも、もっと日本人は「世界には悪い奴が沢山いる」と気づかないと。日本の学界・メデイアはその悪人の手先になって日本人を洗脳しています。民主主義は強い個人が多くならなければ衆愚に陥るだけです。

https://www.secretchina.com/news/gb/2018/01/26/847779.html

1/28日経朝刊<日中韓首脳会談、迫る「リミット」  河野外相訪中 政権浮揚へ春開催探る

【北京=地曳航也】河野太郎外相は27日、中国の王毅外相らとの会談のため北京に到着した。日本で早期開催をめざす日中韓首脳会談の日程を調整する。安倍晋三首相は日中韓首脳会談を契機に首脳往来の再開を狙う。2018年秋の自民党総裁選や憲法改正の実現に向けた政権浮揚につなげたい考えだ。ただ中国側がどう出るかは不透明な部分も残り、望ましい政治日程の幅も狭まっている。

河野氏は28日に王毅外相のほか、李克強(リー・クォーチャン)首相、中国外交トップの楊潔篪国務委員とも会談する。日中韓首脳会談の中国側メンバーである李氏には直接、早期来日を要請する見通し。首脳往来を巡っては安倍首相が17年11月、ベトナムでの習近平(シー・ジンピン)国家主席との会談で相互訪問を提案。習氏は「首相の訪中やハイレベルの往来を重視する」と応じた。

「今年は中国だ」。首相周辺は指摘する。対中関係は内閣支持率の向上に結びつく数少ない外交案件だ。北朝鮮による日本人拉致問題は北朝鮮の核・ミサイル開発で交渉の糸口がみつからないままだ。ロシアとの間で抱える北方領土問題も大きな進展がない。中国との関係改善は日本の経済界の期待も大きい。

首相は18年秋に自民党総裁選、19年夏に参院選を控える。早ければ19年初めに憲法改正の国民投票も狙うとみられ、大きな政治イベントを前に、日中関係改善を政権浮揚につなげたい意向だ。首相は「関係が大きく改善したと両国民が認識できる年にしたい」と語る。

ただ、日中関係改善を総裁選や憲法改正に向けての支持率向上につなげたいと考えれば、期待されるスケジュールは限られてくる。日中韓首脳会談と、安倍首相の訪中、習氏の来日をタイミングよく日中両国の政治日程の間に埋めていかなければならないためだ。

まず先延ばしになっていた日中韓首脳会談については、政府は4月ごろの開催をめざしている。日本では18年度予算案の国会審議、中国も3月の全国人民代表大会(全人代)が終わり、両国の政治が落ち着いた時期に、李氏が初来日する段取りを描く。

続く首相の訪中は秋までの実現を狙う。12年12月に第2次政権を発足させて以降、国際会議以外で中国を訪れたことはない。2国間訪問として中国を訪れ、習氏に来日を招請する方針だ。首相官邸には総裁選の時期に近づけて訪中する案もある。他候補との「格」の違いを見せつけ、選挙戦を有利に運ぶ思惑がある。

習氏の来日は年内か19年初めをめざすとの見方が強い。19年は日本で20カ国・地域(G20)首脳会議を開き、習氏も来日する見通し。G20の時期は政府内で検討中だが、来日がずれ込むと、中国が会議とセットにしようとする可能性がある。国際会議出席での来日では意義が薄まりかねない。

憲法改正の国民投票や参院選の前までに習氏の来日を実現できれば、支持率向上への効果は大きいと想定される。政府関係者は首相が狙う9条改正について中国側に「中国を念頭に置いたものではない」と説明し理解を得ているとしている。>(以上)

相変わらず日経は中国様様の姿勢ですね。戦後の経済界は短期志向で、国との運命共同体であることを忘れてしまったようです。軍事に疎い人間がリーダーになり、彼らが後任を選んで来たわけですから、リーダーの縮小再生産が行われて来たと見るべきでしょう。金儲けだけに励んで、精神陶冶して来なかったのが今の経済人です。米中と同じ。況してや中国なぞ臓器摘出等の犯罪や人権侵害を国家ぐるみで行っている国です。どこが良いのか小生には分かりません。敬して遠ざけるべきというか自由の敵であるので叩き潰すべきです。彼らが言う「南京」や「慰安婦」をそのまま信じている日本人は愚かとしか言いようがありません。日本は反論材料を沢山挙げていますが、メデイアは報じません。自分でネットや書籍で調べればすぐ分かることです。自分で調べずに、「あった」と思っている日本人は既に洗脳にドップリ浸かっているのに、その自覚すらない人達という事です。

北村氏記事では、中国メデイアも共産党の指導を受けるので、都合の悪いことは書けないという事です。少なくとも自主規制或は「忖度」して書いているのでしょう。「軍事費を減らして貧困家庭に愛の手を」とか「賄賂の分を貧者へ配分せよ」とか書いたら、間違いなく牢屋行です。まあ、記者も自分で賄賂を沢山取っていますから。日本のブラックジャーナリズムと一緒です。近頃の日本のメデイアはブラックジャーナリズム以下ですが。

日本人はこういう記事を読んだら、こういう国が世界にのさばって来たら大変なことになると危機意識を持たないと。「朱に交われば赤くなる」です。中国人民が共産党を打倒し、民主化できるようにした方が良いでしょう。

記事

6歳の少年が凍える手で大きな荷物を運び回る…子どもたちの辛苦は美談ではなく社会が抱える課題だ

1月9日から10日にかけて、中国メディアは雲南省“昭通市”の“魯甸県”に出現した8歳の“氷花男孩(霧氷少年)”<注1>に関する記事を挙って報じた。そのほとぼりが冷めやらぬ1月14日から15日にかけて、中国メディアは山東省“青島市”に出現した6歳の“快逓男孩(宅配少年)”に関する記事を一斉に報じたのだった。8歳の少年の後は6歳の少年、中国メディアがこれら少年に関する事項を報じるのは大いに結構だが、彼らはそこに含まれる問題点を掘り下げることをせず、最終的に美談で終わらせるのが常である。

<注1>霧氷少年の詳細は、2018年1月19日付の本リポート『「霧氷少年」が露わにした中国“留守児童”問題』参照。

凍える手とチェスセット

さて、“快逓男孩(宅配少年)”が報道される契機となったのは下記の経緯だった。

1月9日の夜、山東省“青島市”に住む“王青偉”は、自宅のドアがせわしなくノックされる音を聞いた。何事だろうとドアを開けた王青偉がそこに見たのは、荷物を載せたカートの横に立つ少年だった。少年は「おじさん、王青偉さん宛ての宅配荷物です。サインをお願いします」と言うと、伝票を差し出した。不審に思った王青偉が「君は何歳だい」と尋ねると、彼は「6歳だよ」と答えた。王青偉がふと彼の手を見ると、その小さな手は凍えて真っ赤になっていた。

これを見かねた王青偉は、少し暖まって行くようにと少年を自宅へ招き入れた。暖房が効いた室内で一息ついた少年は、テーブルの上に置かれている奇妙な物に目を止めて、「おじさん、これは何」と尋ねた。王青偉が「これは西洋の“象棋(将棋)”で“国際象棋(チェス)”<注2>という物だよ。君はチェスができるかな」と聞くと、少年は「できないよ」と答えたので、「将棋は好きかい」と尋ねると、少年は「うん、将棋は好きだよ」と応じた。王青偉が少年に「それじゃあ、君にチェスのセットを1組あげよう」と言うと、少年は「おカネが要るの」と心配そうに尋ねた。王青偉が「おカネは要らないよ。君にプレゼントするよ。先ず君に駒の動かし方を教えないといけないね」と言うと、少年は「わーい、面白そう」と言ってにっこり笑った。

<注2>チェスを中国語で“国際象棋”あるいは“西洋棋”と呼ぶ。チェスは中国でスポーツに数えられており、“中国国際象棋協会(中国チェス協会)”は中国の半官半民の全国的スポーツ組織である。

王青偉が「暇な時にお父さんと一緒に習いにおいでよ」と言うと、少年は「うん、だけどもう家へ帰らなくちゃ。今は仕事がなかなかはかどらないから」と答えた。そこで、王青偉が「故郷はどこなの」と尋ねると、少年は「山東省の“棗荘市”だよ」と答えた。王青偉が「そうなのか。チェスが習いたければ、私の所へおいで。君の故郷の棗荘市にも知り合いの先生がいるから紹介するよ」と言うと、少年は「うん、ありがとう。僕はまだ配達があるから、これで失礼します」と答えるとドアを開けて外へ出た。一緒に室外へ出た王青偉が見送っていると、少年は慣れた手つきでカートを押して去って行ったが、その手にはチェスセットの入った袋が大事そうに握られていた。

王青偉は“中国国際象棋協会”に属する“青島国際象棋協会(青島チェス協会)”の会長である。従い、彼の自宅にあったチェス盤と駒に少年の目が留まり、少年が「これは何」と尋ねたのは極めて自然の流れだった。王青偉はわずか6歳の少年が宅配便の配達員をやっていることに違和感を覚えると同時に同情を禁じえず、思わずチェスセットを贈呈し、チェスを教えることを申し出たのだった。少年が去った後、王青偉は少年に対する同情を友人たちと共有しようと、中国最大のSNSである“微信(WeChat)”のグループ情報サービス“微信群”に上述の内容を簡潔にまとめた文章を“快逓男孩(宅配少年)”という題名を付けて投稿した。

小長江のために

この投稿は人々の注目を集め、「わずか6歳で宅配便の配達員、考えただけでも心が痛む」、「感動した」、「貧乏人の子供は早く独り立ちするのには理由がある」、「昔、農村の学校で教員をした時に、農村の子供は物事の理解が都市の子供より早いと感じた」、「こんなに小さいというのに働くなんて本当に切ない」などのコメントが多数書き込まれた。一方、王青偉がチェスを教えている生徒の親からは「その子が団地内で宅配荷物を運んでいるのを何度も見ているし、私の同僚がその子の“大爺(おじさん)”を知っている」との連絡があった。連絡を受けた王青偉は、あの子はどうしておじさんと一緒なのかと疑問を覚え、あの子に何かしてやれるのではと考えて、生徒の親に少年の叔父さんへの連絡方法を探してくれるよう依頼した。

すると、翌10日の朝に生徒の親から“微信”で、「あの少年の名前は“長江”と言うのだそうです。彼のおじさんの電話は○○○です」という連絡が入った。王青偉は早速に長江のおじさん宛てに“微信”のチャットで呼びかけたところ、間もなく「私が宅配少年のおじです。時間があればお会いしたい」という返事が来た。そこで、王青偉が「長江君に何か困ったことがあるのなら、助けたいと思っています。ところで、彼の父親は青島市にいますか」と問いかけると、おじさんからは「あの子の父親はすでにこの世にいません」と回答があった。王青偉が「そうなんですか。それなら貴方から簡単に事情をお話しいただけませんか」と打診すると、おじさんからは「時間を調整しますのでお待ちください」と返事があった。

王青偉が長江少年のおじさんを探し出すまでの経緯を書いた文章を彼自身が持つ“微信”の公式アカウントで発表すると、当該文章は“微信”の各種機能を通じて拡散され、「6歳の宅配少年」の存在は瞬く間に世間に知れ渡り、青島の各メディアが注目するところとなったのである。1月12日の夜、地元の“青島電視台(青島テレビ)”は、長江少年を特集した「6歳の少年が寒冬に宅配荷物の配達」と題するドキュメンタリー番組を放映した。そこで報じられた内容の概要は以下の通り。

両親は失踪、戸籍もなく

【1】1月12日の午前11時、青島市の気温は氷点下8℃。記者は厚いダウンのコートを着ていても寒く感じるのに、薄い外套しか着ていない少年が1人で黙々と宅配荷物を団地内の住宅へ配達している。少年の名前は“長江”、今年6歳の子供なので“小長江”と呼ばれている。小長江は彼が“大爺(おじさん)”と呼ぶ“顔世芳”と一緒に暮らしているが。今の小長江にとっては、顔世芳だけが身近にいる唯一の“親人(身内のように親しい人)”なのである。

【2】顔世芳は小長江の父親ではない。顔世芳と小長江の父親である“李連龍”は“工友(仕事仲間)”で、2009年に彼ら2人が山東省棗荘市にあるブライダル業界で働いていた時に知り合った。当時、彼らは結婚式の会場で主に演奏や奇術、歌を歌ったりするのが仕事で、収入は不安定だった。李連龍とその妻は共に孤児で、それぞれ小さい時から赤の他人に育てられた。顔世芳と知り合って以降、李連龍とその妻はずっと顔世芳の家に住み、李連龍は仕事があるとあちこちを転々としていた。

【3】その後、李連龍夫妻には江西省の“蓱郷市”で子供が生まれた。それが小長江だが、李連龍には戸籍がなかったので、顔世芳も小長江の正確な年齢を知らない。結婚後、李連龍は長らく身体を悪くしていたが、好きな酒を止められなかった。その妻は日に日に体調の悪化を来す李連龍をずっと世話していた。しかし、2013年冬のある日、李連龍の妻が抱いていた小長江を顔世芳に手渡し、「貴方がこの子の面倒を見てくれれば、私は安心だわ」と言ったので、顔世芳はてっきり冗談を言っているのだと思っていたが、数日後に彼女は小長江を残して失踪して連絡が取れなくなった。

【4】それから3か月後、李連龍は失踪した妻を探しに行くと言い出し、何度止めても聞かずに、小長江を顔世芳に預けて出て行ってしまった。最初の1カ月が過ぎた頃に、李連龍から電話がかかって来たが、その後は連絡が途絶えた。当時、李連龍の病状は相当に悪かったので、誰にも世話してもらえずに、どこかで死んだ可能性が高い。こうした訳で、小長江は法的な婚姻関係にない男女間に生まれた“非婚生子(私生児)”であり、なおかつ父親の李連龍も戸籍を持たなかったため、6歳になった現在まで戸籍登録ができず、小学校にも通えず、顔世芳に頼って活きるしかないのが実情である。

【5】その後も顔世芳は棗荘市にある結婚式場を転々として働いていたが、過去2年間は仕事がうまく行かず生活が苦しかった。遂には妻と離婚して子供が1人残され、顔世芳は自分の子供だけでなく、小長江の面倒も見ながら棗荘市で暮らすことを余儀なくされた。2017年7月、友人の紹介で、顔世芳は青島市“徐州北路6号”にある宅配業者の“申通快逓点”で責任者の職を得た。こうして、棗荘市を離れた顔世芳は、2人の子供を連れて青島市へ移り住んだ。宅配便の仕事は毎月約3000件の荷物を配達して、平均4000元(約6万8000円)の収入になる。

【6】戸籍を持つ顔世芳の子供は小学校に通えているが、無戸籍の小長江は小学校に通えない。小長江を家に残そうにも、世話をしてくれる人がいない。仕方なく、顔世芳は宅配荷物の配達をする時に小長江を帯同し、忙しい時には配達を手伝ってもらうようになった。それがいつの間にか常態化し、今では小長江が戦力となって配達を手伝ってくれている。この間、顔世芳もただ手をこまねいていたわけではなく、小長江を小学校に通わせようと手づるを探したが、今に至るも何も見つからずにいる。

青島テレビが小長江の特集番組を放映した翌日の1月13日、番組を見て関係状況を知った所轄の“青島市北公安分局敦化路派出所”の警官が、顔世芳に小長江を連れて派出所へ出頭するよう命令を出し、派出所で関連事項の確認を行った。初歩的調査の結果、顔世芳がテレビ番組で述べていたことは基本的に事実であることが確認され、顔世芳に対する児童誘拐の嫌疑は晴れた。一方、警察は、顔世芳が提供した氏名や年齢などの情報に基づき、小長江の両親を探すべく調査を行ったが、父親の李連龍が無戸籍であったため、調査は困難を極めた。最終的に、李連龍に関する情報は何も見付からなかったものの、母親については棗荘市に在住し、すでに再婚して子供がいることが判明した。警官が入手した母親の写真を小長江に見せたところ、小長江は一目で自分の母親であると認めたが、すでに3年間も会っていない母親に対する小長江の気持ちは醒めたものだったという。

1月14日を誕生日に

1月14日夜、青島市“北区人民政府”の広報部門は公式ブログを通じて次の内容を発表した。すなわち、今年7歳<注3>と自称する小長江は、父親が世を去り、母親は再婚している。父親の生前に仕事仲間であった顔世芳は小長江を連れて故郷の棗荘市から青島市へ出稼ぎに来て、市内徐州北路6号にある申通快逓点に住んでいる。状況把握後の1月13日、青島市北区人民政府は直ちに救助プロセスを開始し、1月14日には、小長江を“青島市児童福利院(青島市児童福祉園)”に収容し、専任の付き添いを手配した。15日には、小長江の小学校入学手続きを行い、同時に北区の関係部門が棗荘市の派出所および母親と連絡を取り、法に基づき小長江の後見と戸籍の問題につき協議を行う予定である。これより前に北区は小長江の学校生活を適切に手配し、同人の心身の健康を確保する。

<注3>北区人民政府が発表したブログには「今年7歳と自称する」とあり、6歳とは書かれていない。

青島市北区“民政局”の職員は新聞記者に対して上記の情報を確認した上で、小長江を収容した後の措置について、「国家戸籍属地化管理の関係政策」に基づき、原籍のある棗荘市で通学することになるだろうと述べ、結局のところ、母親は依然として小長江の第一後見人なのであると言明した。なお、青島市児童福祉園に収容された14日当日、小長江は王青偉に招かれてチェスの養成クラスに参加したが、王青偉はこの日を小長江の誕生日とみなし、チェス仲間で小長江を囲んで彼の誕生日を祝ったのだった。

小長江が青島市福祉園に収容され、小長江が注目される発端を造った王青偉が彼をチェス養成クラスに参加させた上で誕生日を祝ってくれたということで、中国メディアの報道はハッピーエンドの美談で終わっている。果たしてメディアとしてそれで良いのだろうか。

誰のための最善策か

2017年12月20日付の「新華網(ネット)」は、中国政府“公安部”から得た情報として、2010年11月1日に行われた“第6次人口普査(第6回国勢調査)”を通じて判明した1300万人余りの“無戸口人口(無戸籍人口)”の問題は、基本的に解決されたと報じた。これは、2015年12月9日に,中国共産党中央委員会の“全面深化改革領導小組(改革の全面深化指導グループ)”第19回会議で採択した『無戸籍人口の戸籍登録問題解決に関する意見』に基づいて、無戸籍人口に新たな戸籍登録を行った結果とされる。

しかし、無戸籍人口が1300万人余りというのは推計であり、専門家によれば、その実数は3000万人とも5000万人とも言われていて、依然として無戸籍人口は大量に残存しているものと思われる。さらに、小長江のように父親が無戸籍(母親が無戸籍かどうかは不明だが)である子供は、父親が死亡や行方不明、あるいは家族離散により、依然として無⼾籍のまま放置されている可能性が⾼い。

小長江の場合は、王青偉という奇特な人物が年端もいかない子供による宅配荷物の配達に不審を抱いたことが発端で道が開けたが、他の人々は配達を行う小長江に何も違和感を覚えなかったのである。それは中国には小長江のような子供の労働者が依然として当たり前のように存在していることを意味しているのかもしれない。毎度繰り返しになるが、中国は世界第2位の経済大国である。その経済大国で霧氷少年や宅配少年の出現が大々的に報じられることは、中国人が最も恐れる“丟面子(面子を失う)”の事態なのではないだろうか。

考えてみれば、報道管制がますます厳しくなる中国では、霧氷少年や宅配少年の事件を美談で終わらせ、そこに隠された問題点を追究しないことが、中国でメディアが生き残るための最善の策なのかもしれない。

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『米国が静かに進めている北朝鮮「軍事攻撃」の準備 グアム島に集結する主力爆撃機、日本も心の準備を』(1/25JBプレス 北村淳)について

1/27アンデイチャン氏メルマガ<FBI内部の秘密結社>やはりロシアゲートをでっち上げた頭目はオバマではないかと言う推論です。最初は違ったとしても自分が罪を受ける可能性があり、「臭いものに蓋」と考えたのかも。或は最初から旗振りしていたのかもしれません。モラー特別検察官のトランプ周辺の捜査は止めるべきです。民主党に焦点を充てた捜査をすべきです。そうしなければ正義は実現できません。

http://melma.com/backnumber_53999_6638731/

facebookの記事から。昨日に続いて中国の神をも恐れぬ所業について。こういう国に侵略されたら日本国民はどういう扱いを受けるか想像して見て下さい。沖縄県民は良く自覚することです。

悪魔の取引—-中共は法輪功信者の臓器を生きたまま摘出

1.退勤時に違法に拉致→2.強制採血、移植に適するかチエック→3.いつ移植するかとの問いに医者は10日以内に患者を探すと返事。病院と労働教養所がグルになり、暴利を貪る→4.臓器摘出→5.遺体を火葬(闇で処理するため、行方不明のまま永遠に見つからない)

北村氏の記事で、地上戦は必至とありますが、本ブログで何度も紹介した通り、中国との話し合いが進んでいれば、地上部隊派遣は中国が請け負うことになるのではと。米軍は空からGBU-57大型貫通爆弾or戦術核B61-11かB61-12を投下して地下深くある核施設のみを破壊するだけにすれば良いのでは。狂人三代目の豚の為に、米国人の血を流す必要はありません。

攻撃はあるとすれば、平昌パラが終わった3/18以降となるでしょうが、北も身構えるでしょう。4月の米韓合同演習は取りやめて、米軍は先制攻撃に移るかもしれません。今度のペンス・安倍VS文の結果がトランプの最終判断の基礎になるのかもしれません。まあ、文は裏切り者ですから、トランプは韓国がどうなろうと知ったことではないでしょうが、在韓米国人・日本人・外国人の救出をどうするかです。最大限の努力をしなければ国際世論を味方につけられないでしょうから。

記事

米空軍のB-1B爆撃機。グアム島アンダーセン空軍基地にて(2017年2月撮影、資料写真、出所:米空軍)

北朝鮮が韓国文在寅政権に対して平昌オリンピック参加を餌に揺さぶりをかけることにより、南北直接対話が開始された。その結果、アメリカ軍による挑発的な軍事圧力や軍事攻撃(予防戦争)は一見して遠のいたかに見える。日本のメディアによる北朝鮮騒ぎも、ひとまず下火になっているようである。

しかしながら、北朝鮮が、アメリカ本土を直接攻撃可能な核搭載長距離弾道ミサイル(ICBM)を取り揃えようとする限り、トランプ政権が対北朝鮮軍事オプションを放棄することはあり得ない。

実際、昨年(2017年)末から現時点にかけても、米軍では来たるべき対北朝鮮「予防戦争」発動に備えた訓練や具体的準備が静かに進められている(もちろんペンタゴンとしては、できうる限り避けたい事態であるのだが)。

地上軍の投入が必要

アメリカ国防当局が決して望まない事態であるとはいえ、トランプ政権が決断を下した場合には、米軍による対北朝鮮軍事攻撃は現実のものとなる。

この「予防戦争」の戦端を開くのは、ICBMを中心とする核・弾道ミサイル関連施設に対する米空軍爆撃機部隊、戦闘攻撃機部隊によるピンポイント猛爆撃であり、それとタイミングを合わせて着弾するように米海軍艦艇からも大量の長距離巡航ミサイルが発射される。引き続いて、空軍爆撃機部隊の第二波爆撃と共に、海軍や海兵隊の戦闘攻撃機による爆撃も実施され、韓国内からも巡航ミサイルや長射程火砲による砲撃が実施される。この段階で、「予防戦争」の戦争目的である北朝鮮のICBM戦力や核戦力は壊滅することになる。

だが、それらの目標を空爆しただけでは目的を完遂することにはならない。海兵隊の少数精鋭部隊を先鋒として、それに引き続く大規模な陸軍侵攻部隊が北朝鮮領内に侵攻して核施設を接収していかなければ「予防戦争」は終結しない。

このように地上軍を投入しなければならないという点が、米軍首脳が「予防戦争」実施を躊躇する大きな要因の1つである。

訓練を開始した米陸軍

米軍は過去10年間以上にわたってイラクやアフガニスタンでの戦闘に従事してきたが、主たる敵はテロリスト集団が組織する武装勢力であって、いわゆる国家の軍隊ではなかった。そのため、猛爆撃により大打撃を与えた後とはいえ、北朝鮮に侵攻して朝鮮人民軍(以下、北朝鮮軍)という正規の陸軍部隊と戦闘を交えるのは米軍陸上部隊にとっては久しぶりということになる。

もっとも、あらゆる状況下でアメリカの尖兵として敵地に乗り込む役割を負っている海兵隊は、海岸線沿岸地帯の敵勢力を撃破し、後続する陸軍部隊を迎え入れる、といった類いの訓練は常に実施している。だが、米陸軍がこれまで対処してきたのは、イラクの砂漠、アフガニスタンの荒野や山岳地帯でのテロリスト武装集団や非正規叛乱軍などの武装蜂起やテロ攻撃である。北朝鮮に侵攻して、テロリスト武装集団より格段に訓練が行き届いた正規陸軍と戦闘を交えるためには、これまでとは異なった訓練を実施しなければならない。

そこで昨年暮れには、ノースカロライナ州で48機の攻撃ヘリコプターと輸送ヘリコプター、それに多数の将兵が参加して、実弾砲撃の中で陸軍部隊と大型兵器資機材を移動させる実戦さながらの訓練が実施された。それに引き続いて、米陸軍の精鋭部隊である第82空挺師団は、ネバダ州で100名以上の隊員による夜間降下侵攻訓練を実施した。これらの限りなく実戦に近い訓練が北朝鮮侵攻を念頭に置いたものであることは明らかである。

そして間もなく、1000名もの米陸軍予備役将兵が参加する、緊急時における予備役動員訓練が実施されることになっている。また、平昌オリンピック・パラリンピック開催期間中には、韓国に駐屯している米陸軍特殊部隊を大幅に増強する予定も明らかになった。それらの特殊部隊は、予防戦争勃発と共に北朝鮮領内に侵入して、空爆目標の誘導や各種破壊活動などを実施する役割を持っている。

大型貫通爆弾で地下施設を攻撃

前述したように、米軍による対北朝鮮「予防戦争」は、空軍爆撃機部隊による北朝鮮のICBM関連施設への奇襲空爆によって開始される。この第一波攻撃で、アメリカ領域を攻撃できるICBM関連施設を破壊しなければ、アメリカ本土に対する報復核攻撃が実施される可能性もある。

北朝鮮のICBMをはじめとする弾道ミサイル関連施設や移動式ミサイル発射装置は、いずれも地下施設や山岳地帯の洞窟式施設などに潜んでいる。そのため、先制奇襲攻撃では、地下深くの攻撃目標を破壊するために開発されたGBU-57大型貫通爆弾(MOP:最大60メートルのコンクリートを貫通した後に爆発し目標を破壊する)を使用する必要がある。

巨大なMOPを搭載することができる爆撃機は、B-52戦略爆撃機とB-2ステルス爆撃機のみである。米空軍爆撃機部隊が北朝鮮攻撃の主たる前進拠点としているグアム島アンダーセン米空軍基地に常駐しているB-1B爆撃機には、MOPを搭載することはできない。よって、B-2ステルスを奇襲攻撃に投入し、B-52とB-1Bが共に第二波攻撃で大量の各種爆弾を投下する役割を担うことになる。

グアムに15機の主力爆撃機が勢揃

いずれにせよ、米軍による対北朝鮮軍事攻撃が敢行される場合には、グアム島アンダーセン米空軍基地に、B-1B爆撃機、B-2ステルス爆撃機、それにB-52戦略爆撃機が集結していなければならない。B-2もB-52も、アメリカ本土から北朝鮮上空に飛来して爆撃を実施し、日本やグアムの基地に帰還することは十二分に可能であるが、攻撃のタイミングや兵員の疲労などを考えると、できるだけ多くの爆撃機を、できるだけ攻撃目標に近い基地から発進させる必要がある。

そのため、アンダーセン空軍基地や、場合によっては日本の米軍基地などにも、B-2やB-52が展開している状況を作り出し、予防戦争開始のタイミングを敵にも味方にも悟らせないようにする準備態勢作りが肝要になっている。

米太平洋空軍がグアムに展開したB-2ステルス爆撃機(出所:米太平洋空軍)

実際に、1月8日には、ミズーリ州ホワイトマン空軍基地から3機のB-2ステルス爆撃機と200名の関係要員がアンダーセン航空基地に展開し、現在配備されている6機のB-1爆撃機部隊と合流した。超高価なため米空軍といえども20機しか保有していないB-2ステルス爆撃機を前方に配備するのは、専門スタッフの配置も必要であることから、まさに実戦を想定した動きに近いといえる。

引き続いて1月16日には、ルイジアナ州バークスデール空軍基地から6機のB-52H戦略爆撃機と300名のスタッフがアンダーセン航空基地に到着した。これによってグアムには、合計15機の3種類のアメリカ空軍主力爆撃機が勢揃いしたことになる。

B-52戦略爆撃機(出所:米太平洋空軍)

これらの爆撃機部隊増強は、平昌オリンピック開催期間中の不測の事態を抑止するための威圧目的で、期間限定の展開とされている。ただし、上述したように、対北朝鮮「予防戦争」を念頭に置く米空軍、そして米太平洋軍司令部としては、奇襲攻撃が迫りつつあるサインを北朝鮮側に悟らせないためにも、今後恒常的にB-2ステルス爆撃機やB-52をアンダーセン航空基地に展開させるものと思われる。

このように、南北会談や平昌オリンピック・パラリンピック開催といった動きと平行して、静かながらも着実にアメリカによる「予防戦争」実施準備は推し進められている。現実に「予防戦争」が開始された場合、北朝鮮軍による報復攻撃として弾道ミサイルの飛来が十二分に予想される日本としても、心の準備を怠ってはなるまい。

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『トランプ大統領のこの1年は「幸運」だったのか? 反トランプの保守派重鎮が政権につけた“複雑”な通信簿』(1/24JBプレス 古森義久)について

1/27facebook記事<朱雪琴

看看城管怎麼執法的?與老人過不去,老、幼、殘是這個社會最需要幫助與關愛的。老人腰都伸不直出來賣菜維生,是這個社會的恥辱。貪官貪污千萬、億萬計,可百姓生活步步為艱,連好好過日子的權利都被剝奪,房屋遭強徵,買賣經營遭干擾亂收費,共慘黨還給老百姓一條活路嗎?

市工商局の法執行のやり方を見てください。老人を困らせ、高齢者・幼児・障害者は、社会で最も助けやいたわりが必要な人達です。この老人は腰が伸ばせず、野菜を売って生計を立てているのに、これは社会の恥です。腐敗した役人は、千万、億と賄賂を取っているのに大衆の生活は少しずつ困っていき、しっかり生きていく権利さえ奪われています。建物は強制収用され、取引には地方が勝手に税を課し、共惨党は大衆に生きる術を与えてくれているのでしょうか?これは中国で普通に行われていることです。前に何度も説明していますが、中国では自由にものを作って売ることができません。営業許可証が必要となります。個人の場合であっても同じです。登録には時間が懸るうえ、登録料を取られます。早くかつ安く済ますには役人に賄賂を渡すしかありません。それでも貧しい人々にはそんな金すらないのです。共産主義システムは貧しい人々を虐待するシステムです。

https://www.facebook.com/100013649473166/videos/386572861807693/

1/26facebook記事<土屋 たかゆき ·

「中国における臓器移植を考える会」設立記念シンポジウム 参議院議員会館 に参加しています。 政界からは 山田宏参議院議員 田沼隆元衆議院議員が参加 【中国では党主導のもとで、年間6万から10万の移植が行われている。外国では議会も動いている。生きたままの移植は無条件で停止される。この「犯罪」を止める為に我が国も積極的に発言しなければならない】

1/26facebook記事<Lee Hang

The sale of children’s organs(CHINA) 兒童器官盜賣 器官買賣不是菜市場交易,還必須有醫師和醫院的配合 可是在中共統治下,死的永遠是老百姓, 躲在後面操控這一切的黑手仍然逍遙法外!!

子供の臓器の販売(中国) 子供の臓器の売買 臓器取引は食品市場の取引ではなく、医者と病院が必ずや協力している。 しかし中共の統治の下では、死ぬのは常に大衆である。 後ろに隠れ操っているヤクザは依然として不可罰である。

https://www.facebook.com/99gogo123/videos/1563894096992034/

法輪功信者の臓器摘出が訴え続けられてきましたが、日本人には信用されて来ませんでした。以前は議員会館前に行けば毎日のように法輪功信者が信者の臓器移植ストップをアピ-ルしていました。大多数の日本人は信じられないでしょうがこれこそがチャイナです。金を儲けるためには何にでも手を染めます。悪の権化です。

1/27日経朝刊<中国 北極海でも「一帯一路」 権益拡大へ白書発表>中国の領土拡張の野心が北極海にも表れて来たという事です。ロシアがこれをどう見るかです。日米ともに中露分断のいいチャンスなのですが。トランプはロシア・ゲートで苦しんでいます。米議会とマスメデイアが愚かと言うか、中国の金に籠絡されている可能性があります。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26195000W8A120C1EA1000/

1/27産経ニュース<トランプ米大統領、TPP復帰検討を表明>

http://www.sankei.com/world/news/180127/wor1801270002-n1.html

トランプは悪の帝国・中国と戦おうとしています。古森氏記事のコーエン氏の評価が何であれ、今までの発想の延長線上では中国と戦おうとはしないでしょう。それが共和党主流派の限界です。先ずは北朝鮮の非核化、これは軍事攻撃も厭わずという姿勢を見せ続けてきました。次には中国と裏切り者韓国に対するセーフガード発動をし、じわりじわり中国への経済制裁の道を歩んでいるように見えます。TPPに復帰の可能性と言いますが、無条件での復帰はあり得ず、また11カ国も今更米国の言い分を聞く訳もないので、単なるアピールだけに終わるのでは。加入するにしても何年か先になるのでは。

記事

ドナルド・トランプ米大統領。首都ワシントンで(2017年12月18日撮影)。(c)AFP PHOTO / SAUL LOEB〔AFPBB News

ドナルド・トランプ氏が米国大統領に就任してから1年が経った。米国では、大統領のこの1年の働きについて、さまざまな総括がなされている。

内政、外交の両面で大方の予想を上回る成果をあげたようにみえるのはたぶんにラッキー(幸運)だったからに過ぎず、2年目はもっと苦しい局面に遭遇するだろう――。こんなやや屈折した評価を下したのは、保守派重鎮の国際政治学者である。

同学者は基本的にトランプ政権の政策全般に反対の立場をとるが、同政権のこの1年の軌跡に対しては「幸運」という表現で結果的には前向きな評価を与えている。

反トランプ宣言に署名したコーエン氏

ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際関係大学院(SAIS)の教授、エリオット・コーエン氏といえば、ワシントンでは共和党保守系の大物国際政治学者として名高い。ハーバード大学教授としても国際政治や外交戦略について多数の著作を発表し、注視を集めてきた。共和党のジョージ・H・W・ブッシュ大統領時代に国務長官顧問となり、クウェートを占拠したイラク軍の撃退作戦や、その後の米国によるクウェートの国づくりの立案にも深く参画した。

コーエン氏はこうした活動の結果、共和党保守主流の国際問題専門家として歴代共和党政権から重用されてきた。

しかしトランプ政権の誕生にあたっては、トランプ氏の外交政策が共和党保守派の思考から離れ過ぎているとして反対を表明した。2016年後半には「トランプ政権が誕生しても、政権には加わらない」という反トランプ宣言に、他の共和党系安全保障関連の学者、専門家約50人とともに署名した。

そのコーエン氏が、1月下旬に発行された大手外交問題雑誌「フォーリン・アフェアーズ」(2018年3・4月号)に「トランプ氏の幸運な1年」と題する論文を発表した。

コーエン氏はこの論文で、就任から丸1年を迎えたトランプ大統領の対外政策を分析し、批判していた。副題に「トランプ大統領の幸運な流れは就任2年目には消えるのか」とあるように、この1年は幸運だったと総括し、ただし2年目以降はその幸運は続かないだろうと予測する。以下では、同論文の概要を紹介しよう。

保守主義の主流派が指摘するマイナス面

まずコーエン氏は、この1年のトランプ大統領の軌跡のうち対外面でマイナスとみられる部分を次のように指摘する。

・トランプ大統領はツイッターで外国の指導者たちを侮辱し、国務長官との信頼関係を毀損し、FBI(連邦捜査局)やCIA(中央情報局)を攻撃した。

・エジプトのシーシー大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領のような独裁者を賞賛した。

・北大西洋条約機構(NATO)が集団自衛権を行使するNATO条約第5条の支持を、ある時期まで明らかにしなかった。

・トランプ政権全体として孤立主義や反ユダヤ主義ではないと否定しながらも、強硬な「米国第一主義」を唱え続けた。

これらは反トランプ陣営側の批判としては、ほんの氷山の一角だろう。だが、コーエン氏は、民主党支持の典型的な反トランプ論者ではなく、基本的な思考は保守主義で共和党支持という点がユニークである。米国の保守主義の主流派が、就任後1年のトランプ大統領をどうみるかというところもコーエン論文の面白い点といえよう。

認めざるをえない「幸運な1年」

一方、コーエン論文はさらに以下の諸点を指摘していた。

・トランプ大統領は欠点が多いとはいえ、第3次世界大戦を引き起こすような大きなミスはなかった。

・トランプ統治は、共和党の正統派からすると、気まぐれ、不快な面が多い。とはいえ、国防強化、必要な際の力の行使、同盟諸国への防衛誓約の保持などは確実に遂行した。

・トランプ大統領は経済政策でも米国の利益優先が過剰である。とはいえ、全体としては共和党の伝統的な政策の範囲内に留まっている。

・トランプ大統領は自分を天才だと称し、この1年間の実績を最高だと自賛している。だが単に幸運だっただけという側面があることは間違いない。

コーエン氏はトランプ大統領のこの1年の実績はまあまあだったという評価を与えながらも、その結果は単にトランプ氏の運がよかったからだろう、と主張する。そのうえでコーエン氏はトランプ大統領の今後に対して以下のような警告を述べていた。

・トランプ大統領にとって2017年という年は重大な危機がたまたまなかっただけだともいえる。2001年の同時多発テロや2008年の経済大不況というような事態は何も起きなかったのだ。

・同大統領はこの1年は真の試練にさらされなかったが、米国の主要な外交問題をみると、2018年はより深刻な課題が明らかに危機を深めながら迫ってきている。

・しかし、悪化が確実視される国際情勢に対して同大統領が2017年よりも巧みに賢く対処する能力を身につけたという形跡はない。2018年にトランプ大統領の立場がより危うくなることは確実だろう。

コーエン氏はこんな警告を発する。しかしその背後には、トランプ大統領が就任後の最初の1年でなんとか無難な統治をしてきたことを渋々ながら認めるという態度も浮かんでいる。まさに屈折した総合評価といえそうである。

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『米中激突を予感させるマティスの「国防戦略」 2018年米国国家防衛戦略を読み解く』(1/24JBプレス 渡部悦和)について

渡部氏の見方に賛成です。いくら良い国防戦略ができても実行できなければ何もなりません。特に真の敵は中国ですから、それに対抗するものとして封じ込めを考えれば良いのでは。そのためには

①軍事同盟国を増やす。(ネットで調べましたらNATOに加盟していない米国の同盟国は「MNNA(Major non-NATO ally)はアフガニスタン アルゼンチン オーストラリア バーレーン エジプト イスラエル 日本 ヨルダン クウェート モロッコ ニュージーランド パキスタン フィリピン 韓国 タイ チュニジア 自由連合盟約国 パラオ マーシャル諸島 ミクロネシア連邦、 同盟国は中華民国 スウェーデン サウジアラビア カタール バーレーン ジブチ」とのこと)。ここにインドやASEAN諸国を入れれば良いのでは。

②ロシアを中国に対し中立化する努力をすべきでは。

③中国に金融制裁をして$で貿易決済できなくする。最悪の所まで行けば機雷による海上封鎖。

中国は貿易で自由かつ民主主義国からの便益を最大限利用し、富を得てそれを原資に世界各国へ配って陣地取りに勤しんでいます。国の要人に賄賂やハニーを仕掛けるやり方です。中華世界では通じることができても、それが21世紀に生きる人類の普遍的な価値や理念とすべきかと聞けば誰も賛成しないでしょう。

本ブログで何度も報じています通り、中国国内では人権弾圧が平気で行われ、富の格差は広がるばかりです。自由の敵・中国を如何に封じ込め、中国国民を中共の魔の手から救うかが今世紀の世界の最大の課題です。自由主義諸国は連帯して中国封じ込めに協力しませんと。

1/26首相官邸と自民党に「首相の平昌オリンピック出席反対の件」としてメールしました。内容は「首相は平昌オリンピックに出席の意向と報道されています。文政権と慰安婦合意について念押しするためとのことですが、いくら話し、約束しても裏切る民族であることは歴史が証明しています。そもそも慰安婦合意は先人たちの名誉を汚したのに、韓国に配慮して今回出席することは恥の上塗りになるだけです。韓国は日韓首脳会談に消極的と言われているのに、のこのこ行くのでは韓国に折れたからとの印象をまた世界に植え付けるだけです。首相に聞きたいのは行くことの成果は何でしょうか?はっきり言って文政権が日本の言い分を飲むとは思えません。米軍の北朝鮮攻撃で韓国に犠牲が出ても仕方がないとでも伝えに行くのでしょうか?その際は邦人救出を優先し、韓国人の難民は引き受けませんとでも言うつもりでしょうか?或は完全に慰安婦問題で強制性はなかったことを世界に発信するつもりなのでしょうか?そういうつもりがなければ行くのは止めた方が良いと思います。」というもの。

首相官邸

https://www.kantei.go.jp/jp/forms/goiken_ssl.html

自民党 

https://www.jimin.jp/voice/

記事

ジェームズ・マティス米国防長官(2017年11月28日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / JIM WATSON 〔AFPBB News

米国防省は1月19日、「2018年米国国家防衛戦略(2018 National Defense Strategy)」(以下「国防戦略」)を発表した。

2008年版の国防戦略が発表されて以来10年間のブランクを経て久しぶりに発表された2018年版の国防戦略(NDS)は、私にとって気持ちよく読める文書であった。

バラク・オバマ政権の8年間において、国防戦略が発表されなかったことを考えると、ドナルド・トランプ政権下でまっとうな国防戦略が発表された意味は大きい。

私は、昨年末に国家安全保障戦略(NSS)が出されるまで、「トランプ政権は戦略を持たず、海図なき航海をしている」と批判してきた。

しかし、国家安全保障戦略と国防戦略が公表され、今後、「核戦力体制の見直し」や「弾道ミサイル防衛見直し」も矢継ぎ早に出されるという。もはや、トランプ政権に戦略がないと批判することはできない。

今後の焦点は、この国防戦略をいかに具体化するか、特に米国に並ぶ覇権国家を目指す中国に厳しく対処できるか否かだ。

以下、国家安全保障戦略の公表バージョンである“Summary of the 2018 National Defense Strategy of The United States of America ”とジェームス・マティス国防長官のジョーンズ・ホプキンス大学での講演を中心に記述していきたいと思う。

2018国防戦略を読んでの感想

  • 「America First」や「Make America Great Again」などのトランプ色の強いスローガンが全く入っていないために、違和感なく受け入れやすい国防戦略になっている。

12月末に発表された国家安全保障戦略では、わざわざ「アメリカ・ファースト国家安全保障戦略」と命名したために、トランプ色が付きまとうNSSになってしまった。

マティス国防長官は、トランプ大統領の不規則発言とは一線を画す、プロ好みの国防戦略に仕上げた。

  • 大統領就任後1年を経てもカオス状態にあるトランプ政権にあって、着実に任務を遂行している組織が国防省であることを改めて認識できる国防戦略となった。

トランプ大統領は、国防省のことについてはマティス国防長官にほぼ全権委任していて、そのために国防省は、マティス国防長官という優れたトップの存在もあり、トランプ政権下にあって数少ない安定感のある組織である。

気になるのは、国防省とは対照的に評価の低い国務省である。本来ならば、外交と軍事が混然一体となって機能すべきところではあるが、そうなっていない。

  • 戦略的環境に関する認識において、「米国と中国およびロシアとの大国間競争への回帰」を明示したことは高く評価できる。今後、中国とロシアに対しては厳しく対応することを期待したい。

バラク・オバマ政権下においては、中国への過度の配慮のために、「米国と中国の大国間の競争」という言葉を使うことはタブーであった。

当時のスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官は、この言葉を国防省が使わないように露骨に干渉した(JBpress記事「大国間競争を否定するホワイトハウスの大問題」参照)。この中国への過度な配慮が、中国の南シナ海人工島建設などの問題行動を許す要因となった。

  • 同盟国と友好国(パートナー国)との連携を重視した多国間主義は適切だ。

「互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、米国の競争相手やライバルが追随できない戦略的利点を提供する」と適切な記述となっている。

これは、トランプ大統領の対外政策が消極的な「対外不干渉主義」から米国単独でも軍事力の行使をいとわない「単独主義」に大きく振れる傾向を是正するものである。同盟国や友好国(パートナー国)との協調により諸問題を解決しようとする多国間主義の表明は妥当だ。下図参照。

マティス国防長官のジョンズ・ホプキンズ大学での講演

マティス国防長官は、1月19日にジョンズ・ホプキンズ大学において国防戦略について講演をしたところ、国防戦略を理解するうえで参考になるので紹介する。

  • 2018国防戦略の特徴

・2018国防戦略は、新しい国防戦略は時代に合致したものである。 ・単なる防衛戦略ではなく、米国の戦略である。

・昨年末に発表されたトランプ大統領の国家安全保障戦略を根拠としている。 ・中国およびロシアとの大国間競争への回帰を強調している。しかし、他の脅威(ならず者国家である北朝鮮とイラン)についても触れている。

  • 米軍の任務

・米軍は、我々の生き方を守るが、思想の領域も守っている。地形を守っているだけではない。この国防戦略は、すべての領域における努力の指針となるものだ。

・軍事の役割は、平和を維持すること。平和をあと1年、あと1か月、あと1週間、あと1日平和を維持すること。問題解決にあたる外交官に力を背景とした解決を可能にさせ、同盟国に米国に対する信頼感を付与すること。

・この自信は、外交が失敗したとしても、軍が勝利するという確信に裏打ちされている。

  • 脅威認識

・過去に発表した戦略の時代から脅威は変化している。ロシアと中国が出現し、グローバルな移ろいやすさ、不確実性が増大している。

・テロリズムではなく、大国間競争が米国の国家安全保障の焦点だ。

・我々は、修正主義大国である中国とロシアからの増大する脅威に直面している。中国およびロシアは、全体主義的なモデルに一致する世界を作ろうとし、他の諸国の経済的、外交的及び安全保障上の決心に拒否権を行使しようとしている。

・北朝鮮とイランは、ならず者国家であり続けている。イスラム国(ISIS)の物理的な実体はもはや存在しないが、他の過激主義組織が憎悪の種をまいている。

  • 米軍の現状と改善の方向

・米国の軍事力はいまだに強力ではあるが、米国の競争における優越性はすべての作戦領域(空・陸・海・宇宙・サイバー空間)において劣化し続けている。

・16年間のテロとの戦い、急速な技術的変化、国防費の上限枠、絶え間ない決議のために、伸び切った軍隊、資源の欠乏した軍隊になっている。

・米国の軍事力の卓越性は、当然の前提ではない。もしも国家が自らを守るためには、より強力な軍隊を持たなければいけない。

・もっと強力な統合軍を構築すること、古い同盟を強化し、新たな同盟を構築すること。国防省のビジネス慣行を改革すること。

・成功は、新技術を開発した国ではなく、それを統合し、より迅速に戦い方に応用した国に与えられる。

  • 議会への要望

・この国防戦略は、資源が与えられないと意味をなさない。いかなる戦略も、必要な予算、安定し予測可能な予算なくして成立しない。軍隊を近代化しないと、過去には勝てた軍隊も今日の安全保障には不適になる。

・16年間にわたる対テロ戦争において、米軍の即応性を傷つけたのは、予算統制法による予算削減とそれに関係する多くの議会決議だ。

・米軍は、議会が通常やるべきことをやらなかったために、不十分で不完全な資源(人・物・金)にもかかわらず、休むことなく任務を遂行している。

・我々は、自らの命を懸け、自発的に白紙の小切手にサインをする軍人たちに誠実であるべきだ。議会は、予算決定の運転者席に座るべきで、予算制限法による自動的な削減の傍観者の席に座るべきではない。

・我々は予算が必要だし、米軍の卓越性を維持するのであれば、予算の予測可能性が必要だ。

2018国防戦略の概要

  • 国防省の任務

国防省の変わらない任務は、戦争を抑止し、国家の安全を保障するに必要な信頼できる戦闘能力を備えた軍事力を提供することだ。

もし抑止が失敗したとしても、統合軍は勝利する準備ができている。

米国の伝統的な外交ツールを補強しつつ、国防省は、大統領と外交官が「力を背景とした立場」で交渉するために軍事的選択肢を提供する。

今日、我々は、米国の軍事的競争における優位性が劣化していることを認識する時代つまり「戦略的衰退(strategic atrophy)の時代」を生きている。

我々は、長期的なルールに基づく国際秩序の後退が特徴である、グローバルな無秩序に直面している。その無秩序が、安全保障環境を過去に経験した以上により複雑かつ流動的にしている。

テロリズムではなく、大国間の戦略的競争が米国の国家安全保障の主要な懸念になっている。

  • 戦略的環境

・中国

中国は、戦略的競争相手である。

中国は、軍事の近代化、影響作戦、略奪的な経済を使い、近隣諸国を脅し、南シナ海における軍事化を推進している。また、インド太平洋地域の秩序を自分に都合のいいように再編している。

中国は、引き続き経済的、軍事的台頭を続け、挙国一致の長期的戦略においてパワーを強調し、引き続き軍事近代化計画を推進し、近い将来にインド太平洋地域の覇権を追求し、米国を追い出し、将来におけるグローバルな卓越(global preeminence)を獲得しようとしている。

中国やロシアは、システムの内側から、その利益を利用しながら、同時にその諸原則の価値を貶め、国際的な秩序を密かに傷つけている。

米国の国防戦略の最も遠大な目的は、米中両国の軍事関係を透明で、非侵略的な道に導くことである。

・ロシア

ロシアは、NATO(北大西洋条約機構)を害し、欧州と中東の安全保障及び経済の構図を自国に有利になるように変えていこうとして、隣接国の政治的、経済的、外交的、安全保障上の決定を拒否する権力を追求している。

ジョージア、クリミア、東ウクライナにおける民主的プロセスを貶め、転覆するために最新の技術を使うことは大きな懸念であるし、それが核戦力の拡大および近代化と結びつくとその脅威は明らかだ。

・北朝鮮

ならず者国家である北朝鮮やイランは、核兵器の追及やテロリズムを支援することにより地域を不安定にしている。

北朝鮮は、政権の生き残りの保証および核・生物・化学・通常及び非通常兵器を追求することによる影響力の増大に努め、また弾道ミサイル能力の向上により韓国、日本および米国に威嚇的な影響力を及ぼそうとしている。

  • 国防省の目標

・国土を攻撃から守る。 ・統合戦力の軍事的優位性を全世界及び重要な地域において保持する。

・米国の死活的に重要な国益に対する敵の侵害を抑止する。 ・国防省と関係の深い他省庁による米国の影響力および国益を増進する努力を援助する。

・インド太平洋地域、欧州、中東、西半球における地域的な力の均衡を有利に保つ。

・同盟国を軍事的侵略から防護し、脅迫に対してパートナー国を支援し、共通の防衛の責任を公平に担う。

・敵性国家や非国家組織が大量破壊兵器を獲得し、拡散し、使用することを思い止まらせ、予防し、抑止する。

・テロリストが米国本土、米国市民、同盟国、友好国に対して作戦を実施したり、支援したりすることを予防する。

・国際的な公共ドメイン(宇宙、サイバー空間など)をオープンかつ自由にする。 ・継続的に国防省の思考態度、文化、管理システムを変えていく。

・21世紀の国家安全保障上のイノベーション基盤―効果的に国防省の作戦を支持し、安全と財政を付与する基盤―を確立する。

  • 戦略的アプローチ

・戦略的に予測可能ではあるが、作戦的には予測不可能であれ。 ・米国の各省庁の能力を統合して、国力のすべてを活用せよ。

・威嚇や破壊に対抗せよ。 ・競争的な思考態度を涵養せよ。

①より強力な統合軍の建設による即応性の再建 ②新たな友好国との同盟関係の強化 ③より大きなパフォーマンスと適正な費用負担のための国防省ビジネス改革

  • より強力な軍事力を整備する

①戦争準備に優先順位をつけよ。 ②中核となる能力を近代化せよ。

・核戦力

核の三本柱および核の指揮・統制・通信・支援インフラを近代化する。核戦力の近代化は、競争相手の威嚇的な戦略(脅迫のための核戦力の使用または戦略的な非核攻撃)に対抗するための選択肢の開発も含む。

・戦争遂行領域としての宇宙及びサイバー空間

強靭性、再編成、米国の宇宙能力を確実にするための作戦に対する投資を優先する。サイバー防御、強靭性、全スペクトラムの作戦にサイバー能力を継続的に統合することに投資する。

・C4ISR

戦術レベルから戦略計画レベルまでの強靭で残存性が高いネットワークと情報エコシステムの開発を優先する。

・ミサイル防衛

多層のミサイル防衛および戦域ミサイルと北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処する能力に投資を集中する。

・混沌とした環境下における統合致死能力

統合戦力は、機動可能な戦力投射プラットフォームを破壊するために、敵の防空及びミサイル防衛ネットワークの中に存在する多様な目標を打撃することが可能でなければいけない。複雑な地形における近接戦闘致死性を強化する能力が含まれる。

・前方展開戦力の機動及び体制の強靭性

敵の攻撃間における全てのドメインにおいて展開し、生き残り、作戦し、機動し、再生することができる陸・空・海・宇宙戦能力に優先して投資する。

・先進自律システム

国防省は、軍事競争を優先し、自律システム、人工知能、機械学習の軍事への幅広い適用及び迅速な民間のブレークスルー技術の適用のために投資をする。

・強靭で機敏な兵站

前方事前集積物資・弾薬、戦略機動アセット、友好国及び同盟国の支援を優先する。

③革新的な作戦コンセプトを作り上げる。 ④強力で敏捷で強靭な戦力態勢および運用を開発する。 ⑤全構成員の能力を開拓する。

  • 同盟を強化し、新たなパートナー国を引きつける

互恵的な同盟やパートナーシップは、米国の戦略にとって必要不可欠なものであり、競争相手やライバルが追随できない長続きする非対称な戦略的利点を提供する。

・相互の尊敬、責任、優先順位、説明責任を支持する。 ・地域的協議メカニズムや共同計画を拡大する。

・インターオペラビリティ(相互運用性)を深化させる。 ・インド太平洋地域の同盟とパートナーシップを拡大する。

・NATOを強化する。 ・中東において持続可能な連合(coalition)を形成する。

・西半球における優位性を維持する。 ・アフリカにおける重大なテロリストの脅威に言及する関係を支持する。

トランプ政権は中国に毅然と対処できるか?

トランプ大統領は、選挙期間中の公約を律儀に一つひとつ実現しようとしてきた。

移民の規制、メキシコとの国境沿いの壁の建設、オバマケアの廃止、税制改革などであるが、1つ全く手をつけていないのが中国に対する通商問題や安全保障面での厳しい対応である。

国防戦略で横暴な中国との対峙を明示したが、本当に強敵である中国と対峙できるか否か、トランプ政権の真価が問われている。

習近平主席の野望は、2013年に中国の国家主席に就任した時に掲げた「偉大なる中華民族の復興」である。

彼は、昨年10月の第19回党大会における演説の中で、20回以上も「強国」という言葉を使い、建国100周年に当たる2049年頃を目途に「総合国力と国際的影響力において世界の先頭に立つ『社会主義現代化強国』を実現する」と宣言した。

そして、「2035年までに、国防と人民解放軍の近代化を基本的に実現し、今世紀半ばまでに人民解放軍を世界トップクラスに育成する」と強調した。

彼の野望は、まず米国と肩を並べる大国になること、そして最終的には米国を追い抜き世界一の大国として世界の覇権を握ることである。

彼の野望に待ったをかけるのは米国と日本をはじめとする同盟国や友好国との連帯である。米国が今回発表した国防戦略に則り毅然とした行動をとることを期待する。

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『中国の「反貧困キャンペーン」はどこへ向かうか 「苦い銭」のリアルと「脱貧困」統計への称賛、その狭間で』(1/24日経ビジネスオンライン 福島香織)について

1/21facebook投稿記事<城管追擊 “人民警察愛人民,人民警察保衛人民的財產安全。中國是全世界最安全的國家,中國是一個把人民權益寫進憲法裡的,你們都沒有來過中國,沒有權利對中國說三道四,中國人民最有發言權。”這些話熟不熟悉?感不感動?

“人民警察は人民を愛し、人民警察は人民の財産や安全を守り、中国は世界で最も安全な国であり, 中国は人民の権益を憲法に定めている国家である。あなたたちは中国に来たことがないし、中国につべこべ言う権利はない。中国人民のみ発言権がある。知っていましたか? 感動しましたか?>ウイグル人を暴行する中国官憲です。逮捕状なしかつ冤罪の現行犯逮捕の可能性が高いです。

https://www.facebook.com/groups/235420070250956/permalink/562312607561699/

1/22facebook投稿記事<城管追擊 青岛一个强拆户,对政府的控诉!青島市が1/20夜に1コミュニテイ全棟を強制解体 政府に訴え相変わらずの人権無視。共産主義は私有財産を認めないからです。土建国家でGDPを上げるため造っては壊し、造っては壊しするだけです。その度毎に役人に賄賂が入る訳ですから。

https://www.facebook.com/Jfartptihecas.2.0/videos/2047864372161185/

1/23ダイヤモンドオンライン 谷崎光<中国社会の深い闇、極貧から這い上がったあるエリート社員の死>自殺でなく他殺の可能性を匂わせています。何より筆者の最後の文が「現在、日本では“中国スゲー論”が勃興しているとか。事実、中国のIT関係の発展のすさまじさは、北京に17年暮らす私も認める。しかし、その“中国スゲー”は、さまざまな“中国コエー(怖えー)”に支えられていることをお忘れなく」とありますので。中国に進出している企業、これから進出しようと考えている企業は社員の安全に十分配慮すべきです。行かないのがベストですが。

http://diamond.jp/articles/-/156774?page=6

1/25日経朝刊 春秋「最初は驚き、やがて、怖くなる。最近、中国発のニュースで伝えられる人工知能(AI)やインターネットを駆使した監視システム「天網工程」のことだ。14億人の身分証などを中心としたデータベースと、全国各地の2千万台もの街頭カメラがその根幹をなしている。

▼個人を識別する機能で、信号無視といった違反の取り締まりや犯罪者の摘発に威力を発揮するそうだ。それだけならまだしも、スマートフォンの位置情報や買い物の履歴から、市民の日常もつかめるようになるらしい。北京市の公園のトイレには顔認証でぺーパーが出る仕組みまで導入されたと聞けば、空恐ろしくもなる。

▼雑踏に投網を打つような情報収集は、人々の幸福な暮らしに役立つものなのだろうか。「習近平国家主席の思想を憲法に書き込む方針」といったニュースを合わせて耳にすると、事態は正反対のようだ。政権にたてつく人物や予備軍をマークする目的が見え隠れする。ネットでの検閲対象語「敏感詞」も増加の一途という。

▼人間を労役から解放し、情報格差をなくすはずのAIやネットが、人の自由を縛りつつあるとみえる。歴代の王朝は国内の統治や思想の統制に知恵を絞ったが、今、現れ始めたのは、電脳の宝刀を手にした新たな装いの国のようだ。手法を学ぼうという指導者が出てくるかもしれない。願わくは、世界の標準にならぬよう。」(以上)

日経も中国進出の煽り記事だけでなく、少しは真面な記事も載せるようになったのかどうか。アリバイ作りの可能性もありますが。

福島氏の記事を読んで感じることは、習近平が貧困の撲滅を唱えるのであれば「軍拡」と「賄賂」を止めて、貧困家庭に金が行き渡る工夫をしなければ。農民に学を求めても無理で、工場労働者にはなかなかなれないでしょう。土地をただ同然で強制収用すれば明日からの生活に困窮することになります。共産党幹部がその上に建物を建てれば賄賂が入り、GDPが上がるので出世も叶うことになります。縮軍は益々習の暗殺の可能性を増やし、反腐敗を推し進めていけば役人のサボタージュに合い、バブルが弾ければ革命が起きる公算が高くなります。安倍首相はそれでも「一帯一路」に協力するのでしょうか?敵が自壊するのに手を差し伸べるのは愚かなことです。平昌オリンピック出席同様。

1/25宮崎正弘氏メルマガ<トランプ、「グローバリズムの巣窟」=ダボス会議に乗り込む>の中に書評として「ジェイソン・モーガン『日本国憲法は日本人の恥である』(悟空出版)」が載っています。小生は麗澤大学の聴講生としてモーガン先生の授業”international relationships overviews”(英語)を取ってきましたが、本日で終了です。翌年度も取る予定ですが。なお、「幼少の頃より、親の押しつけるカソリックの価値観に馴染めなかったという出発があるのだが」というのは事実と違うようです。

http://melma.com/backnumber_45206_6637791/

記事

第73回ヴェネチア映画祭で王兵監督の「苦い銭」はヒューマンライツ賞と脚本賞を同時受賞した(写真:Shutterstock/アフロ)

2月3日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムなどで全国ロードショーが始まる王兵監督のドキュメンタリー映画「苦い銭」のサンプルDVDを先日見た。これは貧困農村から地方都市に出稼ぎにでてきた農民たちの「働けど働けど楽にならざりけり」という厳しい現実に密着取材したフィルムだが、その登場人物たちの言葉や表情が非常にドラマチックだとして、ヴェネチア映画祭ではドキュメンタリー映画としては異例な脚本賞をヒューマンライツ賞と同時に受賞した。改革開放40年目を迎え、世帯資産増加スピードが世界二位とも言われる中国の「貧困」のリアルを突きつける秀作だと思うので、機会があれば、ぜひみてほしい。

この映画がことのほか、私にとって印象深かったのは、ちょうど習近平政権二期目の政策の柱の一つとして“反貧困”が掲げられており、大晦日の習近平の祝辞の中でも「2020年までに農村の貧困人口の脱貧困を実現する。一諾千金」と強い調子で宣言していたことが頭に残っていたからだった。

習近平政権は、長期独裁政権を実現するために国防・軍事に軸足を置いているが、本当のところ最大の鍵は「経済」であろう。それは単純にGDPを増やすという事ではなく、中国の根深い貧困を撲滅することができるかどうか、という点にかかっている。仮に、GDP成長率が多少鈍化しても、大衆の中にある貧富の差に対する不満や、まだ各地に残る絶対的貧困を解消することができれば、大衆の政権に対する支持は高まり、共産党体制の正統性は留保されることだろう。

だが、もし、習近平政権になってさらに人々の暮らしが悪化し、貧困を切実に感じるようになれば、どれほどスローガンで「中華異民族の偉大なる復興」を掲げても、習近平政権の求心力は失われ、その足元から揺らいでいくだろう。今回は、中国の「貧困」の現実について考察したい。習近平の宣言どおり貧困は撲滅できるのか。

「大晦日の大号令」で全国的キャンペーン

2017年12月31日、中国国家主席として習近平は新年の祝賀メッセージを発表した。そこで、彼は次のように語った。

「2020年までに我が国の規定する水準以下の農村貧困人口を貧困から脱出させることを厳粛に約束する。一諾千金である。2020年までわずか3年しかないが、全社会で行動を開始し、全力で戦い、緻密に政策を行い、新たな勝利を勝ち取り続けるのだ。3年後に脱貧困を勝ち取れば、これは中華民族数千年の歴史の中で初めて完全に貧困現象が根絶されるということであり、我々がともに中華民族、いや全人類にとって重大な意義のある偉業を完遂したということである」…

これを受けて、中国全土で新年早々から具体的な貧困撲滅目標や計画が次々と打ち出されている。例えば遼寧省は、2017年に25.3万人の貧困人口の脱貧困を実現し、566の貧困農村および4つの貧困県の貧困問題を解決したので、2018年はさらに15万人の貧困人口を貧困から脱出させ、500の貧困農村と6つの貧困県から“貧困”の二文字をとると、表明した。また江西省は2018年には269の貧困農村で道路建設を重点的に行い、年末までには貧困村の孤立を無くし、脱貧困および郷村振興のために省として援助を行う、としている。このように習近平の“大号令”によって、各省、自治区では貧困対策を打ち出し、全国的に「反貧困キャンペーン」が展開されつつあるのだ。

この背景には今年が改革開放40周年という節目であること、2020年までに所得倍増を掲げた「二つの百年」計画の一つ、建党100年目の2021年までに「小康社会を実現する」という政権としての約束のリミットまで期限が迫っているということ、がある。2020年までに「脱貧困」を実現しなければ二つの百年計画の一つが失敗に終わった、ということになってしまい、習近平としてはメンツがつぶれることになる。

工場のオーナーになっても

では現状はどうなのか。王兵のドキュメンタリー映画をみれば、少なくとも、農村の貧困は今なお深刻であるばかりか、都市部の新たな貧困問題が、一層人々の社会に対する不満と絶望を生んでいることに気づかされるだろう。

「苦い銭」は、雲南や安徽など貧困省から浙江省湖州という、子供服の生産拠点と知られる地方都市に出稼ぎに出てきている労働者たちの姿を追ったドキュメンタリー。撮影時期は2014~16年であり、ほとんど今現在起きている話だ。

出稼ぎ労働者たちは、それぞれの事情でこの町に出稼ぎにきた。中には子供を故郷において夫婦で出稼ぎに出ている者もいる。農村に残された子供に会いに行きたくともお金がなくて帰れない。夫婦はいつも金の問題で激しい夫婦喧嘩を繰り返している。縫製工場では厳しい納品ノルマに追われる労働者たちが深夜11時までミシンを踏み続けるが、それでも得られる金は知れている。一日の稼ぎが70元(約1200円)しかノルマをこなせない男はクビになり、1日に150元(約2500円)稼げる人間を羨みつつ自分を卑下する。

では人からうらやまれる1日150元稼げる労働者は生活に余裕を持てるレベルだろうか。一カ月30日間、休みなく働いても10万円にも満たない給料ではないか。

アイロンがけの重労働が時給16元。工場長は最低でも12元はかかる一枚の子供服の製造費を9元でやれ、と迫られる。その値段で利益がでるわけがないが、渋れば他の工場に仕事の発注を奪われる。工場オーナーになっても決して経済の勝ち組には入れない。

いや、この地方都市の経済に従事しているほとんどの人たちが誰も勝ち組ではない。世界の子供服の大半がメードインチャイナである背後に、「苦い銭」に一喜一憂する中国の労働者の貧困、中国経済の限界が浮かび上がっている。こうした風景は私自身、地方都市を歩き回る中で目撃した姿であり、誇張でも過剰表現でもない。

もちろん、ドキュメンタリーに登場する労働者たちはみなスマートフォンを持ち、身ぎれいで、一見、そこそこ、暮らしに余裕があるように見えるかもしれない。わずか60年前には飢餓で数千万単位で人が死に、人肉にも手を出すこともあったほど壮絶な貧困があったことを思えば、中国はすでにある程度の「小康社会」を実現した、と言うこともできるかもしれない。

だが、この映画から見て取れるのは、飢餓で生存が危ぶまれるような農村の絶対的な貧困問題とはまた違った次元で、都市の出稼ぎ者が味わう人としての尊厳が傷つけられるような貧困もまた、絶望を深くし、そうした相対的貧困はむしろ中国経済・市場の拡大とともに深まっているということだ。皆がスマートフォンを持つ時代に、スマートフォンを持たないことは耐えがたい貧困だ。皆が飢餓に苦しんでいた時代に、わずかながらの食糧を手に入れられれば、それは至福をもたらすこともある。

農民VS都市民から地方居民VS大都市民へ

中国における現在の貧困人口定義は、2016年に定められた中国貧困標準ライン(年収3000元)以下をさすが、2017年6月当時の報道を参考にするとおよそ4335万人いるという。年初の国務院新聞弁公室の記者会見によれば、2012年から2017年の5年間で6600万人を貧困から脱出させ、その数字はおよそ貧困人口全体の三分の二にあたるとしているので、1億人いた貧困人口が今は3000万~4000万人にまで減っているということになる。

統計上の貧困人口激減は農村人口の急減とセットになっているといえる。中国の実質農村人口は2011年末の段階で史上初めて都市人口を下回り、2018年1月の国家統計局の発表では5.7億人にまで減っている。ただし、これは農村戸籍を持ったまま都市居住している人口も都市人口に含めたものである。いわゆる流動人口は2.4億人いるので8億人前後が農村戸籍かそれに類する居民戸籍ということだ。

いわゆる中国の二元社会構造・搾取構造の元凶といわれている農村戸籍・都市戸籍を区別した1958年以来の戸籍制度は農村の都市化にともなう農村戸籍者の都市戸籍への転籍や、2014年以降に一部都市で導入された都市出稼ぎ者への居住証(グリーンカード=地元都市民と同等の待遇を保証する)制度、また統一居民戸籍導入を求めるように国務院としての意見が発表されたことを受けて一部省・市・県で統一戸籍導入が段階的に始まったことなどから、その区別、対立は以前よりは緩和されたように見えている。農村戸籍者数自体は確実に減っている。

だが、農村戸籍がたとえ居民戸籍に統一されても、流動人口2.4億人の暮らしが安定するというわけではない。農村戸籍者だけでなく地方居民戸籍者の移動の自由にも大きな制限があり、農民VS都市民ではなく、地方居民VS大都市民のような形で対立の形が変わるだけだ。その証左が、北京市人口抑制政策として地方からの出稼ぎ者を「低端人口」として強制退去させる当局のやり方に表れているといえるだろう。

貧困標準線以下の人口ゼロを実現するために、たとえば貧困村の村民全員を都市部に移住させたとしても、実のところ、彼らの暮らしが豊かになったといえるかは、微妙であろう。物価の高い都市部での地方居民、出稼ぎ農民が増えれば、今定められている貧困標準線は事実上もっと上に設定されなければならない。数字がゼロになったかどうかでは、貧困が撲滅されたと簡単には言えないだろう。

偉業と讃えられるデータの陰で

クレディ・スイスが2017年11月に発表した2017年度版グローバル・ウェルス・リポートによれば、中国の世帯資産額の伸びが前年比6.3%で米国に次ぐ世界二位。2000年から計算すると世帯資産増加はこの17年で6倍という。同リポートは資産(不動産、車を含む)1万~10万ドルを中産階級と定義しているが中国の中産階級は2017年段階で世界11億人の中産階級人口の実に35%、およそ3.85億人。さらに所有資産100万ドル以上の富裕層もすでに200万人で世界の富裕層の5%を占める。

こういうデータをもって、中国が経済発展した、中国は豊かになったという人がいるのは不思議ではない。日本の4倍にあたる巨大市場こそ、世界経済のけん引力であると期待する声も当然あるだろう。だが、同時に気づいてほしいのは、中国の世帯資産急増の原動力は、実は不動産(土地)の高騰であり、その不動産高騰の背後には農地を奪われた失地農民(もちろん、潤沢な保証金をもらった農民がいなかったとは言えないが)と、土地を失って都市に出稼ぎに出ざるを得ない流動人口が存在する。そして、その出稼ぎ者たちが超低価格で都市インフラ・サービスを底辺で支えるからこそ、中国4億人の中産階級は、さまざまな圧力に押しつぶされそうになりながらも、なんとか中産階級らしいややゆとりある暮らしを享受できる。

だが、実はそのバランスは非常にあやうい。バブル崩壊、金融のシステミックリスクで根こそぎ崩れる可能性もある。その一方で、留守児童問題に象徴されるように、農村社会は事実上の崩壊の危機に直面している。単純に貧困人口が統計上減少した、中産階級が増加した、ということをポジティブに受け取めきれない、中国社会構造のいびつさがそこに垣間見えている。経済成長が農村の伝統的な貧困を破壊する代わりに、都市部の新たな貧困と搾取構造を生んでいる。

中国の貧困を2020年までに根絶するという目標については、昨年から米クリスチャンサイエンスモニター紙はじめ欧米メディアが好意的に報じ、中国から本当に貧困がなくなるかも、という楽観的な見方をする学者もいる。世界銀行も中国のこれまでの8億人に上る脱貧困を偉業だとして讃えている。絶対的貧困が中国からなくなる、ということ自体を批判するつもりは私にも毛頭ない。

ヒリヒリするような不安の中で

だが、私はここにきて「貧困撲滅」のスローガンが繰り返されることに、むしろ不穏なものを感じる。2020年の所得倍増を達成するために出したGDP目標を実現するために、必要のない都市開発や鉄道インフラに資金を投じ経済統計数字を引き上げた結果、農村にゴーストタウンや赤字を垂れ流す高速鉄道網が建設され、農村社会を崩壊寸前に追い込んだ。

こうしたメンツを重視して目標を設定して、それに向かって指導者が大号令をかけて邁進するやり方は、かつての大躍進のときと同じく、そのやり方が誤っていても誰もブレーキを掛けられない。共産党の徹底したヒエラルキー構造のなかでは、現場が上部組織に問題を提起したり、大衆の不満を政府機関がくみ上げて政策に反映させる器用さがない。年末に北京を揺るがした「低端人口強制排除」問題と同様、手段を択ばない貧困撲滅運動はむしろ、深刻な人権問題を引き起こしたり、搾取するものと搾取されるものの対立を先鋭化させたりするのではないか。それは実際に年末に中国の北京や地方都市を訪れたときに、そこで出会う人々の不満やヒリヒリするような不安を体感した私の直感にすぎないのだが。

本当の「貧困を脱した」と「小康社会」と言える状況は、おそらく、どのような貧困な状況にあっても希望が持てる社会のことを言うのではないか。たとえ、何かの理由で働けなくとも、最低限の生活保障と教育の機会を奪われない。人としての尊厳を踏みにじられない社会。実はそれはトップ指導者の大号令に従うだけでは叶えられない、社会全体のもっと有機的な作用が必要なのだと思う。今の習近平政権のやり方では、それが叶えられるとは私には思えない。

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『日本に決定的に欠けている宣伝工作の絶大な効力 慰安婦像が世界に及ぼす力を侮るな』(1/22JBプレス 横山恭三)について

1/22ダイヤモンドオンライン<「韓国よ、日本人は怒っている」元駐韓大使が日韓合意反故を嘆く

武藤正敏:元・在韓国特命全権大使>「文政権は、こうした日韓合意について、「秘密合意があった」と言うが、「最終的不可逆的なものにする」という項目を、そもそも韓国側が言い出した、という点は秘密であったろう。

その他、韓国側が秘密合意と主張する、(1)「挺対協」への説得を要求、(2)第3国での慰安婦像などの設置をしないことを要求、(3)「性奴隷」という表現を用いないことを要求、というのはいずれも韓国側が、「困るから秘密にしてほしい」といったことであろう。国内的に、前政権を批判したいがために、日本側に合意の不当性を提起するのはさらさらおかしい話だ。」

「ただ、日本側が対応しないとなると、また挺対協を中心に米国で日本批判をするであろう。「日本に圧力をかけるために米国を味方にする」というのがこれまでの韓国である。

となると日本としては、挺対協が慰安婦支援団体でなく、過激思想に取り込まれ、北朝鮮寄りの活動をする政治団体(幹部の夫や妹で北朝鮮と繋がりのある人もいる)であることを、米国でもっと発信していくこと必要があるだろう。米国の少女像撤去を求めても、米国では支持は得にくいであろうが、挺対協がいかに日韓関係をむしばんできたかと発信すれば理解を得やすいであろう。

日本はもっとうまく立ち回っていく必要がある。」(以上)

http://diamond.jp/articles/-/156556?utm_source=daily&utm_medium=email&utm_campaign=doleditor

文在寅は北の手先であることは間違いない所なので、日本の主張を認めることはないでしょう。というか韓国は反日を国是としているので誰が大統領になっても同じです。保守派と言われた李明博や朴槿恵もガリガリの反日だったでしょう。それでいて安倍首相がのこのこと平昌オリンピックに出席するのは、韓国に「日本は屈した」と誤ったメッセージを送ることになります。いくら米国の頼みであっても断るべきです。元々の慰安婦合意も米国の仲介で結ばれた経緯があります。保守派は反対であったにも拘らず。米国こそが、慰安婦問題の仲介人の顔を潰されたとして韓国に圧力をかけるべきでは。ヤクザの手打ちでもそうするでしょう。安倍首相は米国にもっと強く言うべきです。文大統領との会談後、慰安婦は単なる売春婦だった事実、朝日新聞が吉田清治を使ってでっち上げした事実を世界に向けて発信するのであれば、出席も良いと思いますが、安倍首相の胆力では無理でしょう。憲法改正で公明党の協力を得やすくする狙いがあるのかもしれませんが、昨年の大使召還を無にする行為です。米国からも韓国からも舐められるだけ。もっと毅然として韓国から断交に踏みからせた方が良いのに。もう韓国には反共の砦の意味はなく、反日だけの国なので。

1/24産経ニュース<安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦の日韓合意を終わったことにさせない」>

http://www.sankei.com/politics/news/180124/plt1801240005-n1.html

横山氏と武藤氏の記事はプロパガンダを打ち破る大切さを説いています。宣伝工作ではなく、事実に基づいた政治工作であれば、カウンター・プロパガンダだけでなく、日本ももっと積極的に使って行った方が良いと思います。特に役人、中でも外務省は。「良いものを作れば売れる」という発想で事業を起こしても失敗するのと同じ。キチンと消費者に伝えるために宣伝しなければ誰も買ってくれません。国際関係でも同じで、「良いことをしていれば皆分かってくれる」と言うのでは、嘘を交えたプロパガンダに対抗できません。

民間での事実に基づいた政治工作は資金力や動員力でなかなか思うに任せません。が、少しずつ日本の名誉や日本人の安全・安心を担う組織が育ってきております。名誉や安全・安心に無関心で無自覚な左翼プロパガンダに洗脳させられている人はまだまだ沢山います。ネットの発達で若い人は騙されませんが、新聞・TVの旧メデイアでしか情報が取れない人はそのままの状態です。日本のメデイアは中共と言う外国の手先となってプロパガンダしているだけです。それに気づかなければ中国の日本侵略を許すという事に気付きませんと。横山氏の記事の中にありますように中国は三戦を仕掛けている訳ですから。武力を用いるよりこちらの闘いの方が中国は昔から得意です。

1/24ロイター<米政権、洗濯機と太陽パネルのセーフガード発動 アジア・欧州で反発高まる>

https://jp.reuters.com/article/trump-signs-safeguard-measures-idJPKBN1FC2XZ

1/23宮家邦彦<米、南シナ海「航行の自由作戦」>

http://japan-indepth.jp/?p=38171

ロイター記事では「韓国の梨花女子大学校の国際通商法専門家、Choi Won-mog氏は「トランプ政権では安全保障と通商は一体化している」と指摘。」とありますが、当然でしょう。中国は米国への貿易輸出で稼いだ金を軍拡に使っている訳ですから。軍拡させないためには米国が輸入できないようにし、米国で生産できなければ他国から輸入すれば良いでしょう。韓国の生産品の輸入ストップは、韓国政府の米国への裏切りに対する見せしめでしょう。

宮家氏の記事は、オバマ時代の「航行の自由作戦」は腰が引けていましたが、トランプに替わってやっと中国が領有権を主張するスカボロー礁の12海里内を、航行させたと言うもの。

やはりトランプに替わって良かったというべき。日米ともメデイアはトランプたたきに余念がありませんが。人民を監視して弾圧する中共を、Pax Sinicaにさせるのに手を貸している自覚がないのか、金かハニーで転んだのかです。いずれにせよ、彼らの言うことは信じない方が良いでしょう。

記事

韓国・釜山の日本領事館前に設置された慰安婦を象徴する少女像(2017年1月2日撮影)。(c)AFP/YONHAP〔AFPBB News

昨年末、米サンフランシスコ市が、民間団体が設置した慰安婦像を正式に受け入れたのに続いて、フィリピンのマニラでも慰安婦を象徴する像が建てられた。

これらの事象に対して現地総領事のロビー活動の不足や政府の対応の遅さを指摘する新聞論調が見られた。

国際社会では国益の対立を背景としてプロパガンダ戦が目に見える形あるいは目に見えない形でし烈に繰り返されている。

眼に見える形で行われているものとしては、上記の米国などでの慰安婦像・碑の建立、朝鮮半島の軍事境界線付近で行われている拡声器による宣伝放送、外国の刊行物への意見広告の掲載、自らの利益を守るための政策決定者への働きかけ(ロビー活動)などがある。

眼に見えないものには、その行為の後に暴露・周知されたものとして湾岸戦争時に世界の耳目を集めた「油にまみれた水鳥の映像」や「ナイラ証言」などがある。

プロパガンダとは、「直接または間接に発信者を利するために、受信者(個人・集団)の考え方や感情、態度、行動などに影響を与えることを目的とした情報発信である」と定義できる。

プロパガンダは、政府や企業、個人によっても実行される。通常は意図的に実行されるが、時には無意識で実行された行為が思わぬ人々に大きな影響を及ぼすことがある。本稿は各国の政府機関の実施するプロパガンダに焦点を当てている。

1 政治手段としてのプロパガンダ

国家間の国益は往々にして対立する。対立は時として闘争になる。闘争の本質は自らの意志を相手に強要することである。

闘争の結果は、政権の命運のみならず国家の命運を左右するに至ることすらある。このため諸外国は合法・非合法を問わずあらゆる手段を公然あるいは隠密に使って自らに有利な立場を作ろうとするのである。

これらの手段の1つがプロパガンダである。プロパガンダは対外政策の遂行を表面あるいは裏面から助けるために実行される。

ゆえに、表面の対外政策とプロパガンダが連携・統合されて実行された時に大きな成果を生み出す。ところが、日本ではプロパガンダが忘れ去られて久しい。

プロパガンダは宣伝と翻訳される。しかし、日本語の宣伝には広報や広告といった意味が含まれるため、プロパガンダという意味が薄れてしまう。

さらに。プロパガンダが「ナチのプロパガンダ」を想起させるなどのマイナスのイメージがあるため宣伝の代わり広報が広く使用されている。

例えば、外務省は「宣伝外交」でなく「広報外交」を標榜している。日本は言霊の国である。

宣伝の代わりに広報を使用しているといつの間にか「相手に影響を与え、我の意図した方向に誘導する」という宣伝の本旨が忘れられ、「日本への関心を高め、理解と信頼・親近感を深めてもらうことが不可欠である(出典:外務省HP広報文化外交)」という広報のレベルで満足してしまう恐れがある。

これは外務省に限らず全政府機関に共通することである。本稿では広報などと区別するために、プロパガンダに「宣伝工作」という用語を当てる。

宣伝工作は、国内宣伝工作と国外宣伝工作に分類されるが、本稿では国外宣伝工作に焦点を当てている。

2 宣伝工作と事例

宣伝工作は、目的や内容、実施要領(公然・隠密など)、実施機関などによりいくつかに分類される。

主要なものには、我の士気を昂揚させ、敵の士気を阻喪させるための戦時宣伝工作、意見が対立する政治的・経済的・社会的問題をめぐって、世論を我に有利な方向に操作しようとする政治宣伝工作、消費者に対する購買心をそそるための商業宣伝工作がある。

政治家に直接働きかけるロビー活動は政治宣伝工作に含まれる。以上は一般宣伝工作と呼ばれる。これに対し謀略宣伝工作と呼ばれるものが存在する。

謀略宣伝工作とは積極的かつ悪意のある作為的な宣伝行為である。通常一般宣伝工作は秘密裏に行うことが困難であるが、謀略宣伝工作は実施の企図、手段、発信者の存在の全部若しくは一部を秘匿して行われる。

このため謀略宣伝工作の成果は時に絶大である。その実例が「ナイラの証言」である。

その少女は「クウェートに侵入したイラク兵達が、保育器に入った未熟児を投げ出して殺すのをこの目で見た」と、涙ながらにTVで訴えた。

それまで多くが戦争反対であった米国民の8割が、そのTV放送の後、戦争に賛成したのである。のちに、この証言がクウェート政府に雇われた広告会社の捏造であったことが明らかになっている。

諸外国の謀略宣伝工作は、いわゆる諜報機関(スパイ機関)によって実行されている。ところが日本には諜報活動を実施する根拠法律が制定されておらずかつ専門機関が設置されていないことからこのような活動は行われていない。

ちなみに、諸外国が保有するような諜報機関の設置について、かつて外務省の「対外情報機能強化に関する懇談会」が「特殊な対外情報収集活動を行う固有の機関の設置は、政府全体として取り組んでいくべき今後の重要な検討課題である」とする提言を行っている。

この提言に関する議論は全く進んでいない。次に、日本に関係した歴史的な宣伝工作の事例をいくつか紹介する。

(1)満州事変における日中宣伝工作戦

満州事変は、第1次世界大戦後において、日本が世界諸国に対し、その行動の説明を求められる、すなわち宣伝工作の必要に迫られた初めてのケースであった。

柳条湖事件発生後、日中両国は、それぞれ宣伝工作を開始したが、機先を制したのは国民政府であった。国民政府は、国際連盟理事会や総会を自国に有利な国際世論を醸成する場として活用した。

一方、日本は関東軍の独走という突発した事態に際し、連盟事務局をはじめとして日本の在外公館では、情報不足のため宣伝工作が展開できない状況にあった。そのため、日本は早い段階で、諸外国に対し、自国の立場を説明することができなかった。

その結果、国際連盟臨時総会で日本に満州国承認を撤回するように求める勧告案が採択され、この採択を受け松岡全権は総会の場から去りに至り、日本政府は国際連盟から脱退し、国際社会から孤立するのである。

満州事変における日本の宣伝工作は「政治宣伝工作などでなく広報もしくは啓蒙」であったという指摘がなされている。さる研究者は、当時の日本の外交当局者には「宣伝工作の概念自体が致命的に欠落した」と批判している。

その背景には、宣伝工作と言う姑息な手段でなく、日頃から培われた国際的信用が大事であるという外交官の自負があったことも指摘されている。

(2)国民政府の戦時宣伝工作

南京陥落前の1937年11月、国民党は中央宣伝部を設立し、その下部機構に対外宣伝を目的にする「国際宣伝処」 を設置した。

国際宣伝処は、国民党政府の日本に対する「対敵宣伝工作」の一環として、南京事件を世界に告発する書籍を、中国の宣伝工作であることを隠蔽するために外国人に金を提供し出版させたり、日本軍の無差別爆撃をイメージさせる捏造写真を外国通信社を通じて世界に配信させたりした。

この書籍とは、英マンチェスター・ガーディアン紙記者ティンパーリーによる『戦争とは何か』(1938年7月出版)である。この書籍は当時英米だけで12万冊出版され、日本軍の残虐行為を知らしめ、戦後の戦犯裁判では検察側の主要な証拠として採用された。

同書籍は、中国による南京大虐殺の政治宣伝工作の原点とされている。また、ティンパーリーは「南京事件」の当時、国際宣伝処の「顧問」を務めていたことがすでに明らかになっている。

この捏造写真とは米国の写真週刊誌『LIFE』1937年10月4日号に掲載された、日本軍の無差別爆撃後の上海南駅で一人泣き叫ぶ赤ん坊の写真、いわゆ「上海ベイビー」と呼ばれるものである。

国民政府は対外的な情報発信に外国通信社を介在させ情報の中立性を偽装していた。欧米の世論はこの写真を契機に日本に反感を持つようになったとされる。

今日では、「上海ベイビー」が国民政府の対外宣伝工作戦略を背景として撮影されていた事実が指摘されている。

(3)レフチェンコ事件

1975年2月、ソ連国家保安委員会(KGB)の少佐であったレフチェンコはソ連誌ノーボェ・ブレーミヤの東京特派員に偽装しKGB東京駐在部に赴任した。

同少佐はジャーナリストなどと接触し、日本の政財界や官僚、ジャーナリストなどの人物を情報提供者としたスパイ網を構築した。

同少佐は、1979年10月、米国へ亡命し、1982年7月に米下院情報特別委員会の秘密聴聞会で東京での工作活動を暴露した。

その公聴会において同少佐が、ソ連に有利な政治状況を作るために「周恩来の遺書」を捏造し、産経新聞編集局長・山根卓二氏に工作して紙面に掲載させることに成功したとの証言を行った。

(1976年1月の周恩来中国首相の死亡後に産経新聞が同月23日付朝刊「今日のレポート」欄に、ある筋からの情報として周首相の遺書とされる文書を掲載した)

レフチェンコ証言は国会でも取り上げられる事態となり、当時の警察庁警備局長が「その信憑性は全体として高い」と答弁している。

3 日本が取るべき対応

21世紀に入り、米国の国際的な影響力の低下と、これと対照的に、中国の力の増大により世界のパワーバランスは急激に変化している。

このような状況下において、日本を取り巻く安全保障環境は中国の海洋進出、北朝鮮による核・ミサイルの開発など一層厳しさを増している。また、日中・日韓の歴史認識をめぐってしばしば激しい対立が繰り返されている。

さる安全保障の専門家は、現状は、第1次大戦前夜に似ていると見なしている。今まさに対外政策を円滑かつ効果的に進めるための宣伝工作の重要性がこれまで以上に増していると考える。

以下、各政府機関が宣伝工作を実施する際に着意すべき事項について簡単に述べる。

  • 宣伝の本旨を正しく理解し、積極的な情報発信を行う

「相手に影響を与え、我の意図した方向に誘導する」という宣伝の本旨を正しく理解して、宣伝工作にあたることが肝要である。参考になるのが中国の三戦である。

中国は2003年、軍事や戦争に関して、物理的手段のみならず、非物理的手段も重視するとして、「中国人民解放軍政治工作条例」を改正し、「輿論戦」、「心理戦」および「法律戦」の展開を政治宣伝工作に追加した。

なお、同条例は共産党の政治経済を統括する中央委員会で採択されたことから、単に軍のみではなく、国家を挙げて三戦を遂行することが決定されたものと見られる。三戦の主旨は次の通りである(出典:平成21年版防衛白書)。

・「輿論戦」は、中国の軍事行動に対する大衆および国際社会の支持を築くとともに、敵が中国の利益に反するとみられる政策を追求することのないよう、国内および国際世論に影響を及ぼすことを目的とするもの。

・「心理戦」は、敵の軍人およびそれを支援する文民に対する抑止・衝撃・士気低下を目的とする心理作戦を通じて、敵が戦闘作戦を遂行する能力を低下させようとするもの。

・「法律戦」は、国際法および国内法を利用して、国際的な支持を獲得するとともに、中国の軍事行動に対する予想される反発に対処するもの。

  • 国連における宣伝工作を重視する

現在の国連の集団安全保障体制下においての対立・闘争の解決手段には、交渉・仲介・調停などの平和的手段、武器禁輸・渡航禁止・経済制裁・金融制裁・外交関係の断絶などの非軍事的措置および海上封鎖・武力行使などの軍事的措置がある。

ただし、手段の選択について安保理が絶大な権限を有している。

安保理の常任理事国でない日本の対立・闘争解決手段の選択への影響力は限定的である。そこで重要なのが国際世論、なかんずく常任理事国の世論である。

加えて米国ほどの強大国であれば国連総会での自国への非難決議を無視することができるが、たとえ加盟国政府に対する法的拘束力のない決議であっても、日本がそれを無視することは非常に困難である。

かつて松岡全権が演じた国際連盟からの名誉の脱退劇を決して再現してはいけない。それゆえ、日本の対外政策を推進する上で国際世論の動向は極めて重要なものとなっている。

  • 米国における宣伝工作、なかんずくロビー活動を重視する

米国第一主義を掲げるドナルド・トランプ政権の対外政策は「予測不能」である。しかし、日本の唯一の同盟国である米国における世論は、国の対外政策の策定・遂行に大きな影響を持っている。

上記「ナイラの証言」で見たように米国の政治家・国民はマスメディアの影響を受けやすい。いくら強気のトランプ大統領であっても、国民が選挙権を有する米国においては世論の動向を無視できない。

事実、トランプ大統領は世論調査の数字に敏感であり、「否定的な調査結果」を「フェイクニュース」だとして感情的に攻撃している。

米国においてメディアを通じて情報発信することは必要不可欠であるが、それ以上に重要なのは政治家に直接働きかけるロビー活動である。

日本では、ロビー活動に対してネガティブなイメージを抱いている人が多いが、米国ではロビイング開示法(Lobbying Disclosure Act)という法律に基づきロビー活動が大々的に展開されている。

日本にとって不利な世論を形成されてしまうのは、中国や韓国のロビー活動によるものであることをしっかり認識すべきである。

  • 宣伝工作専門機関を設置し、専門要員を育成する

宣伝工作専門機関を設置して専門要員を育成することが喫緊の課題である。効果的な宣伝工作を実施するためには、第1に相手を知ること、第2に効果的な情報発信をすることが必須である。

相手をよく理解するためには、継続的、組織的な情報収集(その大部分は公然の情報収集)と相手国の歴史、地理、経済、政治、言語、文学、文化に関する健全な知識と造詣がなければならない。すなわち、優れた要員を育成するには相当な時間が必要となる。

専門機関が、国外に向けた政治宣伝工作としての情報発信を一元的に行うことは当然として、さらに諸外国が日本に対して仕掛けてくる政治宣伝工作や謀略宣伝工作を看破・打破することが求められる。

企図や存在などを秘匿して実行される政治宣伝工作や謀略宣伝工作を看破・打破するためには、まず、その存在の看破が第1であり、次にその内容の把握が必要である。

例えば、反日的な団体の存在を事前に察知し、その団体がどのような宣伝行為(慰安婦像の設置や新聞への反日広告の掲載)をしようとしているかを事前に把握することである。

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猫魔温泉について

1月21(日)~23(火)まで福島県の猫魔温泉に行ってきました。

ホテル正面、雪がかなり積もっています。

ホテルから見た檜原湖、真っ白でした。

21日に途中(那須高原SA)で陸自の車隊と会いました。スキーの訓練でしたのでしょうか?

草津の陸自の隊員が訓練中に亡くなられたのは残念です。哀悼の意を捧げたく。

『「トランプ批判」こそ真の「親米」だ 世界を混乱に巻き込んだ1年』(1/19日経ビジネスオンライン 岡部直明)、『トランプ政権1年、政治コンサルがつけた通信簿 「内政は及第点、でも外交は…」。ユーラシアグループの評価は?』(1/22日経ビジネスオンライン ジェフリー・ライト ジョシュア・ウォーカー)、『トランプ政権のアジア担当要職に反中のベテラン シュライバー氏の起用でトランプ政権は共和党保守本流路線へ』(1/21JBプレス 古森義久)について

岡部氏の記事はリベラルの代表のような記事です。何故欧米で「国民第一主義」が起きているのか分からないから選挙の予想をはずすのです。“shithole countries”も1/19本ブログで紹介しました堀田佳男氏によれば、誤訳していて「肥溜め」ではなく「汚い」と訳すべきとありました。況してやトランプが本当に言ったのかどうか真偽の程は分かりません。民主党の人間が「言った」と言っているだけです。ロシアゲートと同じく民主党がでっち上げている可能性もあります。

「地球の敵」はトランプのアメリカではなく、人民監視を強化する中国ではないですか。見方がおかしいとしか言いようがありません。1/22宮崎正弘氏メルマガ<「中国のビッグデータは国民を見張っている」と「デジタル・レーニン主義」の名付け親  「もはや中国の監視態勢は『オーエルの世界』を超えた」>とありました。リベラルと言うのはピンクで左翼の隠れ蓑になっています。日経は中国進出を煽っていますから身過ぎ世過ぎの為には中国に反対の論陣は晴れないのでしょうけど、不甲斐ないとしか言いようがありません。

http://melma.com/backnumber_45206_6636627/

ユーラシアグループの記事も自由の真の敵が中国と言う大局から眺めていませんのでコメントが皮相的です。まあ、岡部氏のコメントよりはましですが。

古森氏記事こそ多くの日本人に読んでほしい記事です。日本のメデイアは偏っていて中国に都合の悪い記事は発信しません。日中記者交換協定とかのせいがあるのかもしれませんが、朝日なぞは自ら中共の手先となって、慰安婦やら南京等を事件として捏造してきました。罪深い新聞ですが、何の疑問も持たずに未だ購読している人が一番悪いのです。自覚なく中共の日本侵略を許しているというのに気付いていませんので。

岡部記事

トランプ米大統領は、ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱。米国の分断を一層深めた (写真:AFP/アフロ)

ドナルド・トランプ米大統領は最初の1年で、ただでさえ不安定な「主役なき世界」をさらなる混乱に巻き込んだ。その排外主義は欧州に台頭した極右ポピュリズム(大衆迎合主義)と見まがうほどだ。環太平経済連携協定(TPP)離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)見直しなど保護主義・2国間主義を打ち出し、パリ協定からの離脱で「地球の敵」になった。エルサレム首都宣言やイランの核合意批判で、中東危機をあおっている。反イスラムの姿勢は「文明の衝突」を招く危険がある。英国やカナダという最友好国からも批判される有り様だ。そのトランプ大統領に100%の信を置くのは間違いだ。「トランプ批判」こそ真の「親米」なのである。

極右ポピュリズムに通じる排外主義

「米国第一主義」(アメリカ・ファースト)という名のトランプ流排外主義は、欧州に台頭する極右ポピュリズムと通じるものがある。極右のスティーブ・バノン氏は政権を去ったが、大統領本人が排外主義を身をもって実践している。トランプ大統領は欧州の極右ポピュリストと同列視されることを警戒するが、フランス国民戦線のルペン党首やオランダ自由党のウィルダース党首らの反国際主義・自国第一主義と共通項は多い。

むしろ、これら欧州の極右ポピュリストたちが主張を国民に受け入れやすくするよう極端な排外主義を棚上げするなどソフト路線を取っているのに対して、トランプ大統領の言動は、ますますあからさまな差別主義に傾斜している。ハイチやエルサルバドル、アフリカ諸国からの移民を「肥溜めのような国から来た人たち」と侮辱したのは、本音が出たととらえるべきだろう。

なぜ米国の大統領にこうした品格を欠く人物が選ばれたのか。大統領の支持率の低さは戦後最低ではあるが、何と非難されようとトランプ大統領を支持するという強力な基盤があることも事実である。トランプ候補に投票した人の実に82%がまたトランプ氏に投票すると答えた調査もある。中西部の中低所得白人層を中心に、トランプ支持はなお強固だとみておかなければならないだろう。

保護主義・2国間主義の代償

トランプ大統領が打ち出した保護主義・2国間主義の代償は極めて大きい。世界経済が成長テンポを速め、世界貿易も拡大しているだけに、いまのところその影響は見えにくいが、いずれ訪れる世界経済の成長鈍化とともに、深刻な打撃となって跳ね返ってくるはずだ。それは、トランプ大統領を支持してきた白人の中低所得層を直撃するだろう。

最も打撃が大きいのは、NAFTAの見直しである。トランプ大統領の強硬姿勢からみて、NAFTA離脱からNAFTA分解といった事態も想定しておかなければならない。最友好国であるカナダのトルドー政権は米国が相殺関税や反ダンピング関税など貿易制裁措置を乱用しているとして世界貿易機関(WTO)に提訴した。この異常事態は、NAFTA再交渉をめぐる情勢の緊迫化を物語っている。

トランプ大統領に「壁建設」を突きつけられているメキシコでは、7月の大統領選で新興左派勢力のロペスオブラドール氏が優勢になっている。NAFTA再交渉をやり直すと主張しており、米墨関係はさらに悪化する恐れがある。NAFTAの混迷は、自由な北米市場を前提に、メキシコに進出してきた日米欧などの多国籍企業やその関連企業のサプライチェーンを分断することになる。まさに北米版の「ハードBREXIT」(英国の欧州連合=EU=離脱)である。

TPPからの離脱も影響は大きい。米国を除く11カ国で存続することにした意味はたしかにあるが、存在感の低下は隠しようがない。とりわけ、米国と肩を並べようとする中国へのけん制効果は薄れる。この点で、トランプ大統領もTPP離脱が失策だったことを痛感しているはずだ。

TPPだけでなく、米EUの自由貿易協定交渉も宙に浮いたままだ。保護主義・2国間主義を打ち出すトランプ大統領と、「反トランプ」に傾くEUとの溝は深まるばかりである。

こうしたトランプ大統領による保護主義・2国間主義のなかで、唯一の救いは日本とEUとの間で経済連携協定の基本合意が成立したことである。これは保護主義を防止し、自由貿易を推進するうえで大きな防波堤になりうる。自由な世界貿易体制は、日本とEUの連携強化で「トランプ抜き」で動き出している。

「地球の敵」に「トランプ抜き」連合

地球温暖化防止のためのパリ協定からの離脱でトランプ大統領は「地球の敵」になった。パリ協定に加盟していないのは、戦乱が続くシリアなど数えるほどしかない。パリ協定を主導してきたフランスのマクロン大統領は米国の離脱を受けて、「トランプ抜き」の体制作りを構築しようとしている。事実、米国内にはカリフォルニア州などトランプ大統領のパリ協定離脱に反発する自治体は多く、州や市を中心に、温暖化防止に積極的に取り組もうとしているのは、皮肉な「トランプ効果」である。環境意識しだいで資金調達にも響いてくるだけに、米企業も「脱トランプ」の戦略を打ち出さざるをえない。

地球温暖化防止のカギを握るのは「脱石炭」である。トランプ大統領はこの潮流に逆行するように石炭産業への規制緩和を打ち出した。「環境より目先の雇用」を優先したのである。

国際社会からの非難の目は、トランプ大統領だけでなく、石炭火力に回帰する日本にも向けられている。たしかに日本の石炭火力は温暖化ガスの排出抑制につながる技術がほどこされているが、いくら効率がよくても石炭火力は石炭火力である。これでアジアに輸出攻勢をかけるという戦略は、地球温暖化防止の潮流に明らかに逆行する。

環境先進国だったはずの日本が「トランプ抜き」連合ではなく、トランプの側に立つようになれば、地球の将来を危うくしかねない。

中東危機を増幅、「文明の衝突」あおる

トランプ大統領がイスラエルの首都をエルサレムとし、大使館の移転を宣言したことで中東和平は遠のいた。それどころか米国の歴代政権がこれまで担ってきた中東和平の仲介者としての立場を喪失することになった。あえて乱を起こすトランプ流は、サウジアラビアなど中東の親米諸国まで困惑させている。

イランの核合意を批判するのは、米英仏ロ中の国連常任理事国にドイツを加えた6カ国とイランとの合意形成に水をかけ、中東だけでなく国際政治の根幹を揺さぶるものといえる。国連安保理事会でも米国は孤立を深めている。トランプ大統領の登場で、米国は冷戦時代のソ連のように「ノーという国」になってしまったのだろうか。

深刻なのは、白人至上主義で反イスラム色をあらわにするトランプ大統領の登場で「文明の衝突」が深刻化しかねないことだ。「文明の融合」こそが求められる時代にあって、多様性を認めず、寛容さを欠くトランプ大統領の言動は、世界中にリスクを拡散している。

同盟国としてどう付き合うか

そんなトランプ大統領とどう付き合うべきか。11月の中間選挙で共和党はトランプ大統領による混乱で相当な苦戦を強いられるのは必至である。しかし、ロシア疑惑しだいだが、弾劾決議から大統領解任にいたる可能性はそう高くない。だとすれば、トランプ大統領を前提に、友情ある説得を続けるしかない。それが厳しい批判を伴っても当然である。

米国が日本にとって最も重要な同盟国であることは揺るぎようがない。とりわけ北朝鮮が核・ミサイル開発をエスカレートするなかでは、日米韓の連携は死活的に重要であり、中国、ロシアとの協調も欠かせない。この地域に戦争が起きれば、日本が最大の被害国になるのは目にみえている。そうならないように、経済制裁など圧力を最大限に高め、朝鮮半島の非核化をめざして北朝鮮を対話の場に引き出すしかない。

危険なのは、偶発的な紛争が起き、それがエスカレートすることだ。その引き金になりかねない挑発的な言動は慎まなければならない。安倍晋三首相は「圧力」を繰り返すだけでなく同盟国の友人として、この点はまずトランプ大統領に忠告すべきである。

そのうえで、保護主義・2国間主義の防止を強く求めることだ。まず北米市場での日本企業のサプライチェーン確保に直結するNAFTAの見直しに注文をつけることだ。相互依存を深めるグローバル経済の現実を考えるとき、域外の交渉であっても遠慮は無用である。この点でEUと連携することだ。

次に、TPPへの参加を求め続けることだ。先進的な自由貿易の枠組みをアジア太平洋で主導することこそ、米国の国益であることを説き続けるしかない。

地球環境問題では、パリ協定への「復帰」を求め続けることだろう。それには環境先進国として「脱石炭」でトランプ大統領との違いを立証するしかない。

カナダは米国をWTOに提訴し、英国はエルサレム宣言を受けてトランプ大統領の訪問を事実上、拒否した。同盟国、友好国だからこそのトランプ批判である。同じ同盟国、友好国として日本の姿勢が試されている。それを世界が見守っている。

Jライト他記事

2017年1月20日のドナルド・トランプ政権の誕生から1年。看板政策の頓挫や共和党議員との舌戦、税制改革の実現、腹心との絶縁など、トランプ政権はジェットコースターのように揺れ動いた。ツイッターでの奔放な発言を含めた一挙手一投足が話題となるが、この1年間の実績に米国の識者はどんな「通信簿」をつけるのか。今回は政治リスクコンサルティング会社、米ユーラシアグループのジェフリー・ライト米国担当アソシエイト、ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長の2人に連名で寄稿してもらった。

(写真:代表撮影/UPI/アフロ)

2016年の大統領選で予想外の勝利を果たして以降、トランプ大統領は米国政治のスタイルをひっくり返し、彼の行動に対する人々の意識も変えてきた。いくつかの選挙公約を実現したが、ワシントンに対する理解力不足もあり、頓挫しているものもある。この1年で”ニューノーマル(新常態)”が醸成されたが、選挙の結果がどうであろうと、以前の状況に戻ることはないと認識されている。以下、トランプ大統領が最初の1年で成し遂げたことと2018年の見通し、さらに日本企業に対する影響を見ていこう。

ユーラシアグループ ジョシュア・ウォーカー・グローバル戦略事業部長

ユーラシアグループ ジェフリー・ライト米国担当アソシエイト

国内政策は入り交じった評価

トランプ大統領の優先事項は、国内政策に関しては米医療保険制度改革法(オバマケア)の撤廃だった。共和党の指導部は最初に税制改革をやるべきだと進言したが、オバマケアの撤廃を選択したのだ。

その後、様々なことが起きた数カ月を経て、その努力は一人の上院議員の反対票によって水泡に帰してしまう。トランプ大統領をしばしば批判していたジョン・マケイン上院議員である。

上下両院の多数を共和党が占める状況、共和党には是が非でも政策を実現しなければならないというプレッシャーがかかっていた。オバマケアの頓挫によって、大統領と共和党指導部の不安定な関係は大きな試練に直面したと言える。

ところが、その切迫感が税制改革の原動力になった。

税制改革法案が年末に署名された結果、法人税の大幅な引き下げやレパトリ減税(企業が海外に持つ利益の本国還流にかかる税金の減税)が可能になった。同様に、大半の個人や非公開会社に対する減税、富裕層に対する不釣り合いな恩恵も与えている。

支持者や献金家、さらに大統領自身の圧力にさらされた共和党議員は政策の中身よりも、税制改正を実現させるという政治的な義務を優先させた。税制改革の成功によって、共和党は2018年の中間選挙に向けて大きな実績を手に入れたことは間違いないが、共和党を取り巻く厳しい政治的環境が改善する可能性は低そうだ。

それ以外の国内政策に関して言うと実績はまちまちだ。

1兆ドルのインフラ投資計画は共和党の反対によって法案になる可能性は極めて低い。トランプ大統領は米国に雇用をもたらすとツイッターで盛んに喧伝してきたが、彼が言及した数字は実現していない。

「メキシコ国境の壁」についても議会は予算案に建設コストを盛り込むことを拒否している。トランプ政権は不法移民の国外退去を増加させる一方、物議を醸した大統領令によってイスラム教徒が多数派を占める特定の国の移民をターゲットにしている。

議会を通して法案にする必要のない分野を見ると、トランプ大統領が挙げている成果は多い。オバマ政権の時に導入された規制は多くの業界に影響を与えたが、トランプ大統領は高官の任命を通して規制の緩和や撤廃を進めている。もっとも、その恩恵は金融セクターや石油・ガス、教育サービスなど特定の業界の企業に偏っている。

気まぐれなスタイルは米国の外交政策をひっくり返す

伝統的な共和党の政策を継続している国内政策とは異なり、トランプ大統領は伝統的な外交政策の多くと決別している。

オバマ前大統領は無条件の支援で同盟国を安心させたが、トランプ大統領は同盟国の負担が少なすぎるとして頻繁に批判している。第2次大戦後、米国は国際機関によるリベラルな国際秩序を重視してきたが、トランプ大統領が注力しているのは取引関係に基づく2国間関係だ。

さらに、トランプ大統領は人権の代弁者という伝統的な役割を放棄する一方、外国の指導者とのプライベートな交渉を好む。予算カットや外交官を過小評価することで国防総省に国務省以上の権限を与える半面、「北朝鮮との交渉は時間の無駄」だとティラーソン国務長官に対して警告している。

伝統の逸脱という点では北朝鮮政策を超えるものはないだろう。これまでの大統領は北朝鮮の“口撃”は同国に対処する一部であり、安定のために無視するということを理解していた。ところが、トランプ大統領は“fire and fury(炎と怒り)”と脅した後に、金正恩・朝鮮労働党委員長のことを「小さなロケット野郎」などとツイートしている。

大統領になってすぐ、トランプ氏は核実験やミサイル実験のペースを速める北朝鮮の問題に直面したが、その後のリアクションは北朝鮮との対立をかつてないレベルまでエスカレートさせた。適切な軍事オプションが欠如しているにもかかわらず、軍事行動の可能性をはばかることなくつぶやいている。戦争が起きる可能性は低いが、自分が助長している緊張関係をうまく管理できるかどうかは定かではない。

周辺を見ても、韓国の文在寅大統領との関係は悪化している。貿易に関して中国から譲歩を引き出そうとしているが、一方で北朝鮮での協力を求めており、その効果を減衰させている。

国連制裁を中国が支持したのは平壌に圧力をかけるという点でポジティブだが、それが北朝鮮の行動を変える可能性は低い。トランプ大統領は最終的に北朝鮮が核保有国になることを認めざるを得ないかもしれない。だが、その決定には彼がいまだ見せたことのない忍耐と戦略的思考が必要になる。

世界各国の首脳にとって、トランプ大統領の誕生によってある種の難題に直面している。不人気なトランプ大統領と近いと思われることなく、そういった国々に必須と言える米国との関係を維持できるのかどうか、という問題だ。

安倍首相はトランプ大統領と親しくなる道を選び、日本に招待する前にトランプタワーやワシントン、(トランプ氏の別荘である)マル・ア・ラゴに足を運んだ。中国に対する不信感や北朝鮮への懸念を共有したことで二人は絆を深めた。もっとも、貿易における米国と中国の緊張がエスカレートした場合、あるいは米国でトランプ大統領の人気が大きく下がれば、両国との貿易に依存している日本は試練に見舞われる可能性がある。

アジアの外に目を向けると、トランプ大統領はイランの核合意からの離脱を望んでいるが、米国企業や欧州の同盟国から異論が上がる中で、公約を実現するかどうか中途半端な状況に置かれている。

またトランプ大統領はエルサレムをイスラエルの首都と承認、公約だった大使館移転を実行に移すと発表した。この決定に実際のメリットはほとんどないが、反トランプのコミュニティを糾合させることには成功している。一方、選挙期間中は孤立主義的な傾向を見せていたが、アフガニスタンやイラクにおける米軍のプレゼンスを維持している。

恐らく、最も重要なのはトランプ大統領が多くの政治課題で米国のリーダーシップを放棄したことだ。気候変動に対する国際的な枠組み、パリ協定からは離脱を発表した。米国と世界にとって重要な外交ポストを埋めることも拒否している。

貿易関係の作り替え、その成否はまだら模様

貿易はトランプ大統領が自身と貿易を支持するエリートを分けるために活用されたテーマだった。NAFTA(北米自由貿易協定)や中国との貿易に疑念を持つ労働者との同盟関係を可能にしたのも貿易だ。

だが、「米国の貿易を作り替える」という公約は根本的な試練に直面している。大半の共和党議員や企業は自由貿易を支持しているためだ。貿易に関しては、トランプ大統領の「味方」が制約になっている。

就任式の直後に離脱したTPP(環太平洋経済連携協定)はトランプ大統領が一方的にできる簡単な決断だった。米国市場へのアクセスを期待していた日本や他のアジア諸国との関係は損なわれたが、トランプ大統領は米国で政治的代償をほとんど払っていない。

もう一つの公約、NAFTAの再交渉は状況がかなり複雑になっている。交渉は昨年9月に正式に始まったが、進展はかなりスローだ。今年7月にメキシコ大統領選があるため交渉を急ぐ必要があるが、メキシコとカナダが受け入れ不可能な提案を続けている。

2018年のリスクとして考えられるのは、トランプ大統領がNAFTA離脱の意思を発表することで再交渉のプロセスを大混乱に陥れる可能性だ。あくまでも交渉の駆け引きであり、実際にNAFTAから離脱するかどうかは疑っているが、離脱宣言は果断で劇的な決断という面でトランプ大統領の直感に訴えかけている。仮に離脱を宣言すれば企業や議員の抵抗は激しくなるだろう。

日本にとってとりわけ重要なのは、起こりうる米国と中国の貿易摩擦だ。

トランプ政権の1年目、両者の緊張関係は北朝鮮に対する交渉と協力によって抑えられていた。だが、中国の知的財産侵害に対する通商法301条の調査結果は遠からず出る見込みだ。その報告は中国企業に関税を課すトリガーになるかもしれず、そうなれば北京は米国のテック企業や農産物の輸出業者に報復措置を取る恐れがある。

両国の利害関係は十分にあるので純然たる貿易戦争は始まりそうもないが、トランプ大統領を抑制している穏健派のアドバイザーが政権を去る可能性もある。大統領の「反中国」という直感が2018年に首をもたげてくるかもしれない。

大統領に迫りくる2018年の脅威

2018年にトランプ大統領が立法面で何ができるかという点には曖昧なところが残っている。場合によっては共和党に相反するような動きもあるかもしれない。

トランプ大統領は2018年初めにインフラ投資に関する計画を進めると語っている。だが、共和党は大規模な支出につながる政策を承認することに関心はなさそうだ。また、オバマケアの撤廃に再挑戦することにも関心を示しているが、共和党の議会指導部は中間選挙前に党を割るようなテーマに気乗りではない。

ライアン下院議長は社会保障や医療制度の改革を長期的に推し進めようとしているが、トランプ大統領は選挙期間中、そういったプログラムのカットはしないと繰り返し述べている。

可能性が高いのは、立法面での活動がなくなることだ。移民と教育に関して小規模な動きはでるだろうが、大きなイニシアチブはほとんどなくなる。

2016年の大統領選におけるトランプ陣営とロシアとのつながりを調べているロバート・モラー特別検察官はホワイトハウスを脅かしている。選対の本部長だったポール・マナフォート氏は海外でのロビー活動に関して虚偽の説明をした疑いで10月後半に起訴された。彼は今後、新たな証言を迫られる可能性が高い。

また、前国家安全保障担当補佐官で大統領の友人だったマイケル・フリン氏が捜査に協力すると発表している。これはトランプ大統領にとって危険だ。フリン氏は大統領を失脚させる可能性がある2つの取り調べに直接関わっている。

近い将来という意味で言えばトランプ大統領は安全だ。ホワイトハウスにいる間に刑事責任を問われて起訴される可能性は低い。共和党は議会によるいかなる監視からも大統領を守る意思を持っているようだ。義理の息子のジャレッド・クシュナー氏など親族を含めて。

もっとも、FBIのコミー長官を解任したように、トランプ大統領の衝動的なリアクションが長期的にはダメージを与えるかもしれない。仮に、モラー特別検察官を解任すれば、トランプ大統領の状況は悪化するだけだろう。

トランプ大統領を弾劾するには議会が動く必要がある。政権の内幕を描きベストセラーになったマイケル・ウォルフ氏の『Fire and Fury』でも話題になっているように、様々な不安があるにもかかわらず、議会共和党は大統領を守り続けている。それはトランプ大統領が自分たちよりも支持者に人気があると分かっているからだ。

だが、共和党による議会のコントロールは2018年の中間選挙後に変わる可能性がある。仮に民主党が上下両院の多数派を占めれば、トランプ大統領の弾劾も可能になる。民主党が上下両院を支配するというのはまだ可能性の低いシナリオだが、トランプ大統領の不人気が可能性を高めている。民主党が下院の多数派を占めるのには25議席が必要だ。これは困難だが不可能ではない。一方で上院はより険しい道のりだ。昨年の大統領選でトランプ大統領が勝利した州のうち、民主党の上院議員が再選に臨む選挙区は10あるが、その中で民主党は2議席を取らなければならない。上下両院のねじれというのが最も可能性のあるシナリオだ。

2018年の新常態

全体として、2018年は2017年と同じような年になるだろう。ただ、トランプ大統領に対する期待感は変化し、ワシントンにおける“New Normal”が醸成されている。

トランプ大統領のスタイルは今ほどには報道価値がなくなるかもしれない。2018年は中間選挙モードで大半が費やされるだろうが、北朝鮮問題の進展やモラー特別検察官の調査が2018年のトランプ政権に劇的な影響を及ぼしうる。ワシントンを変えるという過剰な期待はもはや新常態ではない。企業経営者はその状況に対応しなければならない。

古森記事

中国・北京の天安門広場。ランディ・シュライバー氏は中国こそ歴史を捏造、悪用していると非難する

米国のトランプ政権が、国防総省のアジア担当の要職にランディ・シュライバー氏を任命した。シュライバー氏は歴代政権のアジア専門ポストで活躍してきたベテラン戦略家である。共和党保守本流と位置づけられる同氏の起用によって、トランプ政権の対アジア政策は保守、現実志向へと向かうことが予測される。

中国に対する抑止政策の必要性を主張

2017年12月、トランプ政権はランディ・シュライバー氏を国防総省のアジア太平洋問題担当の次官補に任命し、この1月、連邦議会に正式に通告した。議会では上院外交委員会が主体となって人事を審議し、そこで承認されれば最終的な就任が確定する。

現在、民間のアジア安全保障研究機関「プロジェクト2049研究所」の所長を務めるシュライバー氏は、ワシントンのアジア安全保障の関係者の間できわめて知名度が高い。

シュライバー氏はハーバード大学で中国研究の修士課程を終えて海軍士官となった後、民主党クリントン政権下の国防長官補佐官、国務省中国部員や国防総省中国部長、在北京米国大使館武官などを歴任した。その後、共和党のジョージ・W・ブッシュ政権では、政治任命の次官補代理(東アジア太平洋担当)や国防次官補代理(同)を務めている。

シュライバー氏は、ブッシュ政権で国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏との絆が強く、両氏が共同で2005年に創設した民間のアジア関連コンサルタント機関、「アーミテージ・インターナショナル」の副代表も務める。

政治面では一貫して共和党支持を表明し、共和党議員のアジア政策への助言を続けてきた。自ら創設した「プロジェクト2049研究所」でも、中国の軍拡や領土拡張を主要な研究テーマとして、中国に対する厳しい抑止政策の必要性を主張してきた。同時に対日関係の重要性を強調し、日米同盟の強化を一貫して訴えてきた。また、台湾への支持も顕著だった。こうしたシュライバー氏の基本政策は、共和党保守本流の見解と一致する部分が多い。

それでもシュライバー氏を任命した大統領

ただし、シュライバー氏が親しいアーミテージ氏は、2016年の大統領選挙中に共和党員であるにもかかわらず、トランプ候補を支持せず民主党候補のヒラリー・クリントン氏に投票する意向を宣言していた。当時、共和党主流派の間ではトランプ氏に反対する動きが顕著だった。また、アーミテージ系の共和党の専門家や活動家の間には、トランプ氏の大統領就任後もトランプ政権への参加を拒む向きが少なくなかった。

そんな背景の中で、シュライバー氏は反トランプ宣言こそしなかったが、アーミテージ氏とのつながりからトランプ政権への起用が疑問視される時期があった。

それでもなお、トランプ大統領はシュライバー氏の任命に踏み切った。その背景としては、政権のアジア政策部門を充実する目的に加えて、昨年12月の「国家安全保障戦略」で打ち出した中国への強固な抑止政策の遂行にシュライバー氏のような専門家が必要だったことが挙げられるだろう。

いずれにせよ、この人事は、トランプ政権の対アジア政策、対中政策が保守本流の方向へ確実に舵を切る動きだといえそうだ。

「歴史を悪用しているのは中国」

シュライバー氏は、歴史問題を持ち出して日本を非難する中国に対して手厳しい批判を表明してきたことでも知られる。たとえば2015年10月に「プロジェクト2049研究所」がワシントンで開いた、中国の対外戦略についての討論会では、次のような諸点を指摘していた。

・中国の習近平政権は歴史を利用して日本を叩いて悪者とし、日米同盟を骨抜きにしようとしている。だが歴史に関しては中国こそが世界で最大の悪用者なのだ。中国ほど歴史を踏みにじる国はない。

・中国が歴史を利用する際は、1931年から45年までの出来事だけをきわめて選別的に提示し、その後の70年間の日本が関わる歴史はすべて抹殺する。日本の国際貢献、平和主義、対中友好などは見事に消し去るのだ。

・中国の歴史悪用は、戦争の悪のイメージを現在の日本にリンクさせ、国際社会や米国に向けて、日本は今も軍国主義志向がありパートナーとして頼りにならないと印象づけることを意図している。

・中国はそうした宣伝を、中国と親しく頻繁に訪中する一部の政治家らを巻き込んで日本の一般国民にも訴える。だがこの10年間、防衛費をほとんど増やしていない日本が軍国主義のはずはない。中国の訴えは虚偽なのだ。

・中国は日本に「歴史の直視」を求めるが、大躍進、文化大革命、天安門事件での自国政府の残虐行為の歴史は、教科書や博物館ですべて改竄し隠蔽している。朝鮮戦争など対外軍事行動の歴史も同様だ。

こうした見解を堂々と表明してきた人物が、トランプ政権の国防総省のアジア政策面での実務最高責任者のポストに就く。日本にとって大きな意義があることは明白といえよう。

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