『天災トランプは中国を滅ぼすか ある工場経営者の告白』(4/17日経ビジネス)について

中国は上から下に至るまで賄賂を取るのが当たり前の国です。米国のチップのように感じているのかも知れません。ただ当然ながら賄賂は中国でも違法です。商業賄賂と言って私人間であっても禁止されています。法は建前に過ぎず、その通り運用されることが少ない国です。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%95%86%E6%A5%AD%E8%B3%84%E8%B3%82

地方の役人が名目を付けて金をとるのは乱収費と呼ばれています。このところ余り話題に上っていませんでしたが、今回出てきたのは習近平の反腐敗運動と関係があるのかも知れません。規則を自分達で勝手に作り、その通りに協力しないと、様々な嫌がらせを受けることになります。それで仕方なくいう事を聞き、泣き寝入りする(吃了个哑巴亏)しかありません。

フェイフェイ氏のように工場をミャンマーに移すのが正解でしょう。共産党王朝が崩壊するのが現実の問題になりつつあります。実需を無視した都市計画で、経済発展させようとしてきた咎めが出てきています。バブルは崩壊するでしょう。

更に中国が北朝鮮をうまくコントロールできなければトランプから45%の関税が課せられる可能性もあります。習近平が制裁強化しようとしても、瀋陽軍閥が船で闇夜に紛れて必要物資を供給するでしょうから。4/17TV朝日のモーニングショーでは「米国が勝手に戦争するな」とアホの玉川が言っていました。米国からすれば日本に巻き込まれて戦争するとしか思っていないのでは。本来であれば北朝鮮は日本の脅威ですので、日本が脅威除去しなければならないはず。こんな簡単なことも分からないで解説しているのですから、お気楽なものです。戦後の平和ボケ、脳内お花畑の人間は現実が見えていません。戦争しないで解決(北の核放棄、ICBM放棄)できれば良いのですが、このままいくと衝突は不可避です。

記事

天災と人災が重なる時、王朝が滅ぶ。それが中国の歴史だという。広東・東莞で工場を営む経営者は、「今がその時」と危機を感じ国外移転へと動き始めた。中国を激しく攻撃するトランプ米大統領は果たして天災なのか。

操業を停止し、借り手を募る紙が貼られた広東省東莞市内の工場。東莞には新たな借り手を募集している工場が目立つ(写真=Lam Yik Fei/Getty Images)

「中国には『天災人禍』という言葉がある」と男は言った。中国にとって米国のドナルド・トランプ大統領は天災なのだろうか。

天災人禍、つまり天災と人災が絶え間なく続く時、王朝が滅びるのが中国の歴史なのだという。そして、今、中国にその時が近づいていると男は言う。

彼は名前を名乗らず、仲間からは「飛飛(フェイフェイ)」と呼ばれていた。台湾の大学を出た後、親戚の仕事を手伝うために、広東省東莞市にやって来た。1978年に中国が改革開放に政策のかじを切って以降、製造拠点を求めて東莞に移ってきた台湾人は多い。

フェイフェイも2003年に自らの工場を手にし、海外に売る製品を作るようになった。「(リーマンショックが起こった)08年までは事業をどんどん拡大できた」と言う。

フェイフェイが作るのはプラスチックやガラスを使った季節物のインテリアだ。日本の大手家具チェーンにも商品が並んでいるが、欧米への輸出が大半を占める。中でも米国向けが多く、米小売り最大手のウォルマート・ストアーズや同じく大手のコストコ・ホールセールはフェイフェイの重要顧客だ。

「腐敗していない官僚はいない」

「ビジネスをしている我々にとって天災とは経営環境の悪化だ」とフェイフェイは言う。リーマンショックの影響で欧米向けの輸出は大きく落ち込んだ。その後も先進国経済は低成長が続く。

中国はその間も成長を続けたが、それに伴って人件費などのコストも上昇。フェイフェイのように、欧米への輸出品を生産する工場にとっては痛手だ。

この10年で多くの知り合いが東莞を去った。コストの安い東南アジアへ転じた者もいれば、中国の別の場所に移った者、台湾に帰った者もいる。

幸いウォルマートやコストコといった大きな顧客を抱えるフェイフェイの事業は順調で、東莞を去る必要はなかった。欧米の大きな取引先は購買や検品の拠点を中国国内に置いているため、中国国外に工場を移転すれば、むしろ事業が煩雑になる恐れがある。

であるにもかかわらず、フェイフェイは今、工場をミャンマーに移す計画を立てている。歴史に照らせば「王朝」つまり中国共産党政権の崩壊もあり得ると感じているからだ。

経営環境悪化という天災に加え、人災も目に余るようになってきたという。

習近平国家主席は腐敗を徹底して取り締まることで求心力を得てきた。だが、フェイフェイは「腐敗していない官僚など中国にいない」と言い切る。そして、中央で盛り上がる反腐敗の大号令に反して、東莞市での腐敗は以前にも増してひどくなったと感じている。

「例えば、役人が村人から全部で100元を集めていたとしよう。村人が100人いたら1人が払う金額は1元だ。だが、大きな天災が起き、村人が10人に減ってしまった。良い役人であれば、まず集める額を減らすだろう。しかし、腐った役人は100元の収入を維持するために10人の村人に10元ずつ要求する。今、東莞で起こっているのはそういうことだ」

ゴミ処理に関する規制が強化された際には、政府の担当者が指定する回収ボックスを買わざるを得なかった。工場の規模を考えると1つで十分だったが、担当者から「2つ買わなければ回収しない」と言われたので、仕方なく2つ買った。さらに回収ボックスの「管理費」も定期的に払うことになった。

フェイフェイは言う。「彼らは中央で新たに決まった規定などを持ち出して、様々な費用を要求してくる。領収書をもらえない支払いも多い。政府の規則にからむ費用はこの3年ほどの間に3倍に増えた。いくら本業で利益を出しても、これではやっていけない」

50兆円を「人質」に

現在の地方政府の公務員には、親も公務員という人が多い。こうした公務員2代目を「官二代」と呼ぶ。金持ちの2代目を指す「富二代」から派生してできた言葉のようだ。

フェイフェイは「官二代は生まれた時からなんでも与えられ、庶民の気持ちなど分からない。自分の地位と利益を守ることしか考えていない」と憤る。 彼が海外を目指すのは、さらなる天災が事業環境を悪化させる恐れがあるからだ。米国のトランプ大統領である。

トランプ大統領と中国の習近平国家主席は現地時間の4月6日、米フロリダ州パームビーチにあるトランプ大統領の別荘「マール・ア・ラーゴ」で、同氏が大統領に就任してから初めての米中首脳会談を開いた。トランプ氏は中国との「不公正な貿易」を是正するよう訴えており、中国からの輸入品に45%の関税をかけると公言してきた。

会談では米国の対中貿易赤字の是正に向け「100日計画」を策定することで合意したが、溝はなお深い。

フェイフェイは「トランプ氏の発言はショーのようなもの。我々の製品のような安価で付加価値の低いものに関税をかければ、困るのは米国民の方だ。そんな関税を導入するのは、実際には難しいのでは」と話す。

だが、一方で「こじれた時が心配」と付け加えた。報復的な関税が現実のものとなれば、4628億ドル(約50兆円、2016年)に上る中国から米国への輸出は大きな打撃を受ける。

やはりトランプ大統領は、中国を王朝崩壊に追い込むべく天から降ってきた災いなのか。一方で、トランプ大統領という災いが、転じて、停滞していた中国経済の変革を促す可能性もある。PART1からその可能性を追う。

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