『米民主党は上院奪還へ、下院でも大躍進の兆し 共和党候補は「疫病神トランプ」のため次々と討ち死』(10/27 日経ビジネスオンライン 高濱賛)について

米国大統領選はヒラリーの圧勝との予測が出て、つまらないものになりました。本記事によればヒラリーの勝利の確率が93%というのですから。トランプの「猥褻発言」が大きなダメージになったとのこと。日本の大臣候補者のように共和党は身体検査はしないのでしょうか?出たいという人を止めることはできない?日本人から見ると、あれだけ当たり前のように不倫をして、離婚をする米国人が「猥褻発言」で非難するのかが分かりません。道徳的なモノの見方が違っているのかもしれませんが。片一方でパートナーを裏切り、個人の欲望を追求していくことは非難されずに、「猥褻発言」が非難されるのは違和感があります。罪で言えば、背徳の方が重いのでは。

でも、トランプの発言は「猥褻」が問題ではなく、「女性蔑視」=「性差別」の所にあるのでバッシングを受けたのでしょう。「人種差別」を平気でする人間ですから、「性差別」も当たり前なのでしょう。

ただ、ヒラリーが国家機密を自分のメールサーバーから外国に売り渡していた方が「猥褻発言」よりずっと罪は重いと思いますが。彼女は完全に売国奴と言えるでしょう。それがメデイアのバッシング対象にならないし、FBIも無罪放免するのですから、米国社会も相当おかしいと感じますし、大きな力が働いているような気がします。火病を起こす韓国民は案の定、朴槿恵大統領の一民間人への国家機密流出でバッシングをして、大統領の支持率も10%台に下落したケースとヒラリーとは違い過ぎます。しかし、日本だって民間人の有識者に外交問題でアドバイスを受けることはあると思います。ただ、朴槿恵大統領が添削を受けていた?のが証拠として出てくる方が、行政府の管理のまずさを表していると思います。

10/29日経電子版には<クリントン氏メール問題、FBIが捜査再開 現地報道、投票日まで11日

【ワシントン=共同】米大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に使っていた問題で、米メディアは28日、連邦捜査局(FBI)がメール問題の捜査を再開する方針を決めたと一斉に報じた。

投票日が11日後に迫る中、クリントン氏には痛手となりそうだ。選挙情勢で劣勢の共和党候補トランプ氏はメール問題を徹底的に取り上げ、反撃に出る構えだ。

FBIのコミー長官が議会に宛てた書簡で、クリントン氏の私用サーバー利用に関して追加のメールが見つかり、機密情報を含むかどうかなどを「捜査することが適切と判断した」と明らかにした。捜査に必要な時間は「予測できない」という。

トランプ氏は28日、ニューハンプシャー州で演説し、捜査再開に「敬意を払いたい」と述べ、歓迎した。国務省のトナー副報道官は記者会見で「(FBIの)要請があれば協力する」と述べた。

FBIは7月、クリントン氏が私用メールを使って「意図的に違法行為をした証拠は見つからなかった」として、訴追を求めない方針を決定。クリントン氏は刑事責任の追及を免れ、メール問題を巡る捜査はいったん終結していた。フォームの始まり

>(以上)とあり、

FBIも副長官が買収されたイメージを払拭しようとしてのことと思います。ただ、如何せん遅すぎの感は否めません。単なるFBIのアリバイ作りかも。

TPP推進議員は落選するとの予想ですが、米国の内向き姿勢は相当のものがあるようです。日本は今次臨時国会でTPPを批准するようですが、米国抜きでは、中国経済包囲網としての意味合いが薄れるのでは。世界は警察官としての地位を降りようとしている米国の姿を見て、野心を顕わにする国が増えて来るでしょう。既存の秩序が守れず、弱肉強食の世界に戻る可能性もあります。今の中国の姿を見ていると、露骨に「力は正義なり」を押し通しています。賄賂とハニーが横行する悪徳が栄える国が世界の中心となったら、人類にとって不幸としか言えません。日本人はもっと世界で何が起きているかを事実や真実を追求した上で判断していく必要があります。

記事

—共和党議会のトップ、ポール・ライアン下院議長がトランプ大統領候補を見限って、同時に行われる上下両院選で議席を死守することに集中していますね。上下両院の議席について現在の予想はどうなっていますか。

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米下院議長を務める米共和党のポール・ライアン議長。トランプ現象が議会選に与える影響に危機感を募らせている(写真:AP/アフロ)

高濱:ライアン氏の危機感は大変なものです。大統領選は最終段階で米民主党のヒラリー・クリントン候補が米共和党のトランプ氏に大きく水をあけています。クリントン氏が勝利する確率を93%と予測する世論調査まで出ています。 (“Who will win the presidency?” 2016 Election Forecast, FiveThirtyEight, 10/24/2016)

「女性蔑視発言」から露骨な人種差別発言まで様々な暴言が積もり積もって、「大統領としての資格なし」といった「査定」が下されたようです。こうした見方は民主党支持者や無党派層ばかりでなく、共和党支持者の一部にも浸透しています。

その火の粉は、2014年以降、上下両院で過半数を占めてきた共和党にも広がっています。共和党としては、たとえホワイトハウスを奪還できなくても、議会の「城明け渡し」だけは阻止したいところ。しかし「共和党が上院での過半数を堅持するにはもはや手遅れ」(米主要紙の政治記者)といった声すら聞こえてきます。

最新の予想では、民主党が上院で過半数を得る確率は74.1%、共和党は25.9%。どうやら「城明け渡し」となる可能性が出てきました。 (“Chance of winning control,” 2016 Election Forecast, FiveThirtyEight, 10/26/2016)

共和党カリフォルニア州支部の幹部の一人は、筆者にこうホンネをぶちまけています。「トランプ以外のある程度まともな大統領候補を立てていれば、共和党勢力が強い下院はもちろん、上院だって過半数を守れた。『疫病神トランプ』のお陰でひどい目に遭っている共和党現職候補がそこら中にいる。トランプの『セクハラ』のイメージが共和党候補に乗り移っているのだ」。

「女性を敵に回して選挙には勝てない」

—トランプ氏の「わいせつ発言」のインパクトは「女性を尊重する国・米国」の国民にとっては想像以上に大きいのですね。それで、上院はどうなりそうですか。

高濱:上院は任期6年で、2年ごとに3分の1の議席を改選します。今回の改選数は共和党24議席、民主党10議席の合計34議席です。

選挙前の両党の勢力は以下の通りです。

  民主党 共和党 独立系
現議席数 44 54 2(民主党寄り)
改選数 10 24  

選挙予想・分析の分野で全米屈指の存在である、バージニア大学政治センターのラリー・サバト教授の予想を紹介しましょう。

同教授が、上院での勝敗を決める決め手と見ているのは、オハイオ州など共和党現職議員を選出している9州(オハイオ、アイオワ、アリゾナ、フロリダ、ニューハンプシャー、ペンシルベニア、ノースカロライナ、イリノイ、ウィスコンシン)です。

共和党は現在のところ、これらの州で4議席を“確保”しています。オハイオ、アイオワ2州はロブ・ポートマン(オハイオ)、チャック・グラスリー(アイオワ)両候補が「当選確実」。ジョン・マケイン候補(アリゾナ)も「ほぼ当確」、マルコ・ルビオ候補(フロリダ)も「有力」です。

一方、ケリー・アヨット(ニューハンプシャー、)、パット・トゥーミー(ペンシルベニア)、リチャード・バー(ノースカロライナ)が民主党候補と激しく競り合っており、当落は最後の最後まで分かりません。 (“With 19 Days to Go, Clinton’s Lead Is Bigger Than Ever,” Sabato’s Crystal Ball, Larry J. Sabato, www.centerforpolitics.org., 10/20/2016)

共和党のTPP推進派も次々と落選か

トゥーミー、バー両候補はこれまで上院財政委員会のメンバーでした。同委員会はTPP(環太平洋経済連携協定)など通商法案を扱う委員会です。二人ともTPP支持派でした。アヨット氏らの落選はTPPの推進に大きな痛手になりそうです。

他の共和党現職に目を移すと、マーク・カーク(イリノイ)、ロン・ジョンソン(ウィスコンシンの両候補も、世論調査の支持率で民主党の候補に10%前後リードされています。どちらもTPP推進派です。党関係者は二人とも落選する可能性が大と見ているようです。

TPP反対を唱えてきた“クリントン大統領”と民主党が過半数を握る上院が誕生すればTPP批准はどうなるのか。米国によるTPP批准が大幅に遅れるのは間違いないでしょう。再交渉の話も出てくるでしょう。

サバト教授の読みはこうです。「民主党はこの9議席のうち4議席を取るだけで、非改選議席と合わせて51議席(共和党49議席)を得られる。3議席取るだけでも50議席。対決法案の採決で50:50となっても副大統領が1票持っているから法案を可決できる」。

特に、重要なのは最高裁判事をめぐる上院の承認です。リベラル派を推す民主党が過半数を取れば、最高裁のリベラル色を一気に強めることになります。

トランプの「わいせつ発言」、下院にも影響

—下院はどうなると予想していますか。

高濱:共和党は第112議会(2011~2013年)以降、下院で230~40議席(総議席数は435)を堅持してきました。下院は予算に関する法案を先議する権限を有しています。オバマ政権は2013年以降、経済財政政策をめぐって、共和党が支配する下院に何度も煮え湯を飲まされてきました。民主党議員が増えれば、法人税減税や海外法人の売上高・資産への課税などで、どのような論議が繰り広げられるか、注目されるところです。

選挙前の民主、共和両党の議席数は以下の通りです。11月8日には435の全議席(過半数218議席)が改選されます。

民主党 186議席
共和党 246議席
欠員 3議席

民主党としては、クリントン圧勝のムードに便乗することで、共和党との議席差を縮めたい考えです。

トランプ氏の「わいせつ発言」が露呈するまで各種世論調査は、共和党は下院ではかなり議席を減らすだろうが、引き続き過半数を制するとの予測で一致していました。ところが「わいせつ発言」以降、情勢は激変しました。

世界の投資家が注目を集める予想会社「プリディクトワイズ」によれば、共和党が231~240議席を取る確率は、「わいせつ発言」以前は46%(10月4日)でしたが、同発言後には31%(10月13日)に急降下しています。共和党は辛うじて過半数を維持することはできても、民主党との議席差が大きく縮まる可能性が出てきました。 (“Overall House Control After 2016 Election,” predictwise.com., 10/13/2016)

共和党、下院でも20議席前後失う可能性

—現段階で民主党は下院で何議席ぐらい取れそうですか。

高濱:前述のサバト教授はこう予想しています。共和党で「当選確実」の議席は204議席、「優勢」が11議席、「有力」が10議席で、合わせて225議席。一方の民主党は、「当選確実」が182議席、「優勢」が1議席、「有力」が10議席で、合わせて193議席。現時点で激戦を続けている「接戦区」は17議席です。

ということは、共和党が「接戦区」すべてを落としても共和225議席、民主210議席で過半数は維持できます。民主党が下院を奪還するには、「接戦区」を全て取り、なおかつ共和党が「有力」としている10議席のうち8議席を取らなければなりません。ということは、共和党は惨敗したとしても、下院での過半数はなんとか維持できそうです。

止まらない主婦や若い女性の「共和党離れ」

—トランプ氏は下院において、どの程度、共和党候補者たちの足を引っ張っているのでしょうか。

高濱:9月末の段階で共和党は「当選確実・優勢」議席が231議席と予想されていました。それが10月20日段階では225議席に減っています。

例えば、筆者の住んでいるカリフォルニア州第10区の共和党候補のジェフ・デンハム氏(現職)、第49区のドレル・エイサ氏、第25区のスチーブ・ナイト氏らは9月末には「有力」でしたが、現在では民主党の対立候補と大接戦を演じています。

デンハム陣営の運動員の一人は筆者にこう話しました。「『トランプと同じ党の候補は嫌だ』という共和党支持の中年主婦が増えている。若い女性は最初から振り向いてもくれない。民主党候補は『女性蔑視のトランプ=デンハム』という政治コマーシャルを連日流している。(トランプ氏の言動の)影響は州議会選の共和党候補にまで及んでいるらしいね」。

大統領選、上下両院議員選、州知事選の投票日まで2週間を切りました。「トランプ現象」のあおりを受けて、2016年の選挙は議会の力学をも大きく変えそうです。

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