湯西川から帰って来ました

WIFIが使えませんでした。
道の駅湯西川にあったのですが
駄目でした。
ホテルから渓流の眺め

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安が森

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     山も雪をかぶっています

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     渓流
 

4/13西村眞悟の時事通信『天皇皇后両陛下をペリリュー島でお迎えして』について

本日(4/15)から17日(金)まで湯西川温泉へ旅行に行きます。ネット環境が悪いのでブログが更新できるかどうか分かりません。ご容赦ください。使えるところがあればスマホで湯西川の景色をお届けしたいと思います。しかし、台湾・阿里山の2000m級のところですら室内でWifiが使えたのに日本の観光業ももっと考えないと、いくら円安で外国人が観光に来ても不便さを感じて帰国することになります。

西村眞悟元代議士(元民社党・民主党、現次世代の党)のホームページからの抜粋です。民社党は民間企業の健全な(階級闘争とか左翼としての政治力行使とかは無縁の)労働組合を母体として組織されていました。民主党がダメなのは社会党と民社党を(左右ごった煮の労組をベース)くっつけたからです。それと小沢のような自民党脱落組(金権政治家が多い)、自民党からは現職がいて出られない元官僚とかがメンバーです。こういう人たちの集まりだから国家意識が薄く、売国でも平気でやります。2010年の尖閣沖での衝突事件でも一色氏が禁を破ってビデオ映像を流さなければ国民に中国のやってることが伝わらなかったでしょう。日本人より共産主義の先輩である「中国様」のやる事が正しいと仙谷官房長官始め社会主義にシンパシーを持っている人たちは考えたのでしょう。何せ全共闘の連中ですから。でも彼らに政権を取らせたのは国民です。マスコミに煽られ、民主党の危険性も考慮せず、政権交代が目的であるかのように選んでしまいました。情報弱者である限り、結果責任を取らざるを得ません。後から騒いだり、後悔しても「後の祭り」です。

パラオはいい所です。2011年末~2012年初にかけて家族と一緒に行きました。海がきれいで、シュノーケルや船底から海を覗たりして楽しみました。シャコ貝の刺身も食べましたが美味しかったです。

通貨は$が流通していますが、日本統治時代の名残で日本語が残っています。我々の時には台湾人が農業指導で多く来ていていました(台湾を国家承認している数少ない国です)が、今は中国人の方が多いとのこと。ダイビングのメッカであり、昔日本が南洋庁を置いた場所でもありますので是非日本人ももっと行って戴きたく願います。天皇、皇后両陛下がアメリカの戦没者慰霊碑に参拝されたのはプリーストキングとはいえ、米国民の心に響くものがあったのではないでしょうか。4/26からの安倍首相のアメリカ訪問、議会演説に必ずやプラスになるでしょう。

記事

天皇皇后両陛下は、四月八日、九日、パラオ国に行幸啓され、9日、同国ペリリュー島において同島の戦いで戦死した日米の将兵を慰霊された。

私は、同志七名と共に、ペリリュー島にて、天皇皇后両陛下をお迎えした。そのご報告をさせて戴く。

八日朝、単身、コロール島からボートでペリリュー島に渡った私は、先着の七名と合流し、まずペリリュー島の南に浮かぶ宇都宮歩兵第五十九聯隊に所属する千二百名の兵士が二万二千のアメリカ軍を迎えて戦った激戦地のアンガウル島に渡って、同島の戦没者に手を合わせ密林のなかに埋もれつつあるアンガウル神社に参った。

人気のない錆びた戦車が波に洗われている戦前からの埠頭から上陸してしばらく歩いていると、現地の人がいるので手を挙げて挨拶を交わした。

その人から水を売る家があると教えられた方向に歩いていると、ドアのないタイヤがつるつるの車に乗っている人と出会った。彼は、私たちが日本人であることを察して、三十分後に戻ってくるので島内を案内してやると言った。

戻ってきた彼に、ジャングルのなかの凹凸の激しい道を案内されて、樹木に覆われたアンガウル神社や避難壕、そして海岸に立つ「砲兵隊慰霊碑」や「しもつけ地蔵像」を訪れることができた。アンガウル島も玉砕の島であり、ペリリューからボートで南下して真っ青な海上から島に近づくと北端にぽつりとアメリカ人が立てた白いマリア像が建っている。

そのマリア像を左手に見てさらに南下して上陸した。

島内のアンガウル神社は、密林のなかに蔓で覆われた鳥居が建っていて左右に石の狛犬が残っているのを見つけた。拝殿はなく、そこに掲げられていた「アンガウル神社」と書いた額が草に覆われた地面に立てかけられていた。

昼食は「現地調達」でアンガウルに渡ったのだが、現地に食料はなく、幸い水のある家に見たこともない銘柄のビールも有ったので、それを昼食代わりにした。蛇特にまむしを見れば、食おうとヨダレを流して捕まえようとする奴が学生時代の山岳部にいた(実は私)のを思い出して、蛇を探したがいなかった。

その後、ペリリューに戻り、古いトタン屋根のガレージのような「食堂」で夕食を食べながら、翌九日に、両陛下を何処でお迎えするか、話し合った。

人口二万人余のパラオ共和国の警察は、ペリリュー島内にかなり厳しい規制線を引いていると教えられたからである。

我々は、まず両陛下の乗られたヘリが着陸する地点の近くと慰霊地の近くの二地点でお迎えし、離陸される地点近くに戻ってお見送りすることにした。

ペリリュー行幸啓の前日のこの日、一日中雨が断続的に降った。斜め前方が晴れた真っ青な空でも、いつの間にか真上に雨雲がきていて全身に雨に打たれる。

四月九日、本日は快晴で青い空がペリリューの上に限りなく広がっていた。

従って、戸外に出た瞬間、顔の皮膚がフライパンのように太陽に焼かれるのが分かった。八時四十五分、黒い背広に黒いネクタイをし、額に「七生(日の丸)報国」と書いた鉢巻きを締めて外に出た。その「七生報国」とまっ赤な日の丸を見て額に巻いたとき、文永の昔に、八十四騎で微笑みながら蒙古の大軍に突撃して玉砕した対馬の宗助國や、その六十年後に湊川で「七生報国」を誓ってからからと笑って自決した楠木正成ら、さらに微笑んで死んでいった大東亜戦争の無量の将兵ら、祖国日本の永遠を信じて国に殉じた多くの人々が、総て!

この陛下の来られるペリリューに集まってきているように思えた。

それ故、西に三十メートルほど歩いて木の枝をくぐって砂浜に出た。そして、海に向かって低く「海ゆかば」を歌った。

魂や髣髴として来たれ、と。

島の南の密林を出ると、ぱっと幅百メートルほどの今は使われていない古い滑走路跡が現れる。ここが陛下のヘリが離着陸される所だ。

雑草の上に俄にアスファルトを敷いたヘリポートが二カ所造られていた。その側に行こうとすると、海上保安庁の作業服を着た若者が離れてくれと要請してきた。そこで我々は密林の道に出てパラオの警察官が一人立っている十字路に出て、そこで両陛下をお迎えすることにした。ヘリポートから三百メートルほど離れた地点である。

約一時間、炎天下で待機した。お迎えする者、我ら八名以外になし。

轟音が聞こえてきて密林のなかから両陛下の乗られたヘリが現れ、午前九時五十四分、密林のなかに降りていった。

しばらくすると、密林に囲まれた道に、陛下の車列が現れ、超低速で走行してきた。両陛下は、車列の中程の中型バスに乗られていた。そのお車の右側に整列した我ら八人、頭を下げてお迎えした。お車は、我らの前でほとんど停車され、そして通り過ぎていかれた。

その車列に、しばらく頭を下げたままお見送りした。

そのとき、一人の声がした。

「皇后陛下と目が合った。すると急に、涙があふれたんや、不思議やなあ」

それから我らは、島の南端の慰霊地に入り、そこから三百メートルほど離れたパラオ警官が一人立っているT字路で、慰霊地に入られる両陛下をお待ちした。

十一時頃、陛下が通られた。皇后陛下は、バスのなかでほとんど立ち上がられて私たちに手を振られた。それから、約一時間、待機した。

その時我らは慰霊地から出られる陛下に万歳三唱をしてお見送りしようと申し合わせた。 何故なら、そこにも我ら八人以外誰もいなかったからだ。そして両陛下のバスが近づいたとき、元陸上自衛隊大佐殿が音頭をとり、我々は万歳三唱をした。もちろん、額には「七生報国」の鉢巻きをして。

頭を下げたまま万歳三唱はできないので、私は初めて顔を上げて両陛下を直視させて戴いた。陛下の何ともにこやかなお顔を拝してお元気そうなのに安心し、バスのなかで、ほぼ立ち上がってご会釈をされる皇后陛下のお姿に言いしれぬ感動を受けた。皇后陛下は、弟橘姫の生まれ変わりのようなお方だ。

思えば、衆議院の委員会委員長として国会の開会日に登院される陛下を、礼服を着て国会正面階段で度々お迎えしたが、五十センチほど前を通られる陛下に対して、こちらは頭を下げているのでお足やお手を拝しても、直に玉顔を拝したことはなかった。

両陛下は、それからアメリカ軍戦没者慰霊碑に参られた。その間に、我々は離陸地点近くの、先ほどの十字路に戻った。するとそこには、ペリリュー島に住む人々が集まってきていた。島の若い娘さんが、白地に赤い日の丸の日本国旗と青地に月の丸のパラオ国旗を配っていて、我々にもくれた。子供も大勢集まってきてはしゃいで遊んでいた。

島から離れられる両陛下のお見送りはペリリューの人々がする。従って我らは「七生報国」の鉢巻きを外した。

午後一時過ぎ頃、両陛下は、二百人ほどのペリリュー島のほぼすべての住民の見送りを丁寧に受けられて、ペリリュー島における総ての日程を終えられて、密林の向こうのヘリポートに向かっていかれた。その陛下の車列を数十人の島の子供達が走ってついて行く。

懐かしい私の子供の時の風景そのものだった。陛下のお車は、その子供達の足より少し速いだけだ。

十字路に一人立っているパラオの警官は、子供達が何処までもお車に付いて行くのを眺めて止めもしない。とうとう、子供達は、陛下の車列と共に、ヘリポートの方に消えていった。そして、しばらくすると、ヘリの翼が回転する音が聞こえだし、その回転音がひときわ大きくなってだんだん遠のいて行く。

このようにして、両陛下は島を離れ、帰国のチャーター機が待つコロールに帰っていかれた。

翌日、コロールに戻って先に帰国する同志を見送って独りになった私は、パラオに二十年以上住む四十歳代の青年から次のことを聞いた。

パラオは二十年前までアメリカ領だったので、天皇陛下の車は、セキュリティーの為に、アメリカ流に空港から晩餐会場まで、百二十キロの高速で突っ走るつもりだった。しかし、陛下は、それではいけない、沿道のパラオの人々と接しながら行きたい、と言われた。

それで、陛下のお車は、最徐行で進まれることになった。

これを聞いたとき、昨日の誰もいないペリリューのジャングルのなかの道を、最徐行で進まれる陛下の車列を思い出し、おもはず涙がにじんできた。

両陛下はたとえ誰もいなくとも、かつて一万一千の日本軍将兵が立て籠もったペリリュー島のジャングルを、あたかも、そこに将兵がいるかのように眺められてお通りになっていたのだ。そして誰もいないジャングルのなかの灼熱の道に立って、我々は両陛下をお迎えできた。

さて、天皇陛下の警備の問題やお召し艦の問題などは、他日触れることにして、本日は、次の一点を述べる。

天皇陛下の、パラオペリリュー行幸啓による戦没者慰霊を、単に、今上陛下御一代、御一人の、「慰霊がしたい」という思いから発したものとして軽く扱ってはならない。

戦後は、政治家やマスコミ人も、「開戦の詔書」を読まないから、ここが分からないのだ。

天皇は、国家と国民の為に「祈る御存在」である。よって陛下は、戦前戦後の揺るぎない連続性のなかで、万世一系の皇祚(くわうそ)を践(ふ)める国家の天皇としての「務め」を果たされる為にペリリューに赴かれたのだ。

即ち、次の命令を天皇が発し、その命令の下に、将兵はペリリュー・アンガウルで戦い玉砕した。従って天皇は、この度、ペリリューにおいて慰霊されたのだ。

ペリリューに押し寄せたアメリカ軍の第一海兵師団は、損耗六十%超に達して、「全滅」という異常な判定を受ける事態となり、アメリカは頑強な日本軍の抗戦に驚愕した。そして、その日本軍の精強の根源は、兵士の天皇への忠誠の故だと思い至り、ペリリュー島を「天皇の島」と呼ぶようになった。

このアメリカの判断は、正しい。ペリリューは、「天皇の島」であった。それ故、天皇は慰霊に赴かれたのだ。これは、国家に対する最深の公務である。

そしてこれほど尊い公務を成せる元首は、世界に天皇しか存在しない。この意味で、我が国は万邦無比である。

では、ペリリューが「天皇の島」となった所以は何か。それは、次の命令による(米国および英国に対する宣戦の詔書、昭和十六年十二月八日)。天皇は、この命令を発し、将兵は、この命令によって、よく交戦してペリリューを「天皇の島」にした。よって天皇は、「天皇の島」で将兵を慰霊するために行幸されたのだ。

天佑を保有し、万世一系の皇祚を践める大日本帝国天皇は、昭(あきらかに)に忠誠勇武なる汝有衆に示す。朕茲に米国および英国に対して戦いを宣す。朕が陸海将兵は、全力を奮って交戦に従事し、朕が百僚有司は、精励職務を奉公し、朕が衆庶は、各々其の本文を尽くし、億兆一心、国家の総力を挙げて、征戦の目的を達成するに遺算なからむことを期せよ。

 

黒鉄 ヒロシ著『韓中衰栄と武士道』について

黒鉄ヒロシは小生が大学時代から漫画を描いていました。風刺の効いたギャグ漫画です。黒鉄氏が認めているように日本は左ブレし過ぎています。GHQの狙い通りと言うか、国民が豊かになる事だけに思いをはせるようになり、心の豊かさを置き去りにしてきたツケが回っていると思います。愛国心なんて誰でも自然に持つものなのに、それを言うと「右翼」と言うのでは、座標軸が左にずれ過ぎだと思います。国歌・国旗に反対する人は、そんなに日本が嫌いなのであれば外国国籍を取ってそちらで暮らせば良いのでは。中国とか朝鮮半島では言論の自由がありませんから、そちらに移って反国歌・反国旗を唱えたらいいと思います。自分の身を安全地帯に置いて、我儘を言うのは成熟した大人の態度とは言えません。

白人優位思想は今でも残っています。表立って人種差別は非難されますが、白人の心の中に人種差別が残っています。白人の驕りでしょう。黒鉄氏の言うように第二次大戦は結果として植民地解放に繋がりました。世界史的な偉業です。白人支配の世界を打破するキッカケになりました。英国のトインビー博士も「第2次大戦において、日本人は日本のためというよりも、 むしろ戦争によって利益を得た国々のために、偉大なる歴史を残したといわねばならない。 その国々とは、日本の掲げた短命な理想であった大東亜共栄圏に含まれていた国々である。 日本人が歴史上に残した業績の意義は、西洋人以外の人類の面前において、アジアとアフリカを支配してきた西洋人が、 過去200年の間に考えられていたような、不敗の半神でないことを明らかに示した点にある。(1956年10月28日/英紙「オブザーバーL)」と述べています。別に誇る事でもなく歴史を淡々と眺めれば良いと思います。今の日本は他国の介在により自虐史観が蔓延しています。もっと冷静に事実を解釈しないと。

「無謊無効」は発音は「wu2huang3wu2xiao4」、意味は「嘘でなければ効き目がない」です。如何に中国人と言うのは「騙す人が賢く、騙される人が馬鹿」という社会かと言うのが分かろうもの。「没有共産党就没有新中国」(=共産党がなければ新中国はなかった、中共を讃える革命歌)と言うのをギャグって「没有共産党就有新中国」(共産党がなければ、新中国ができる)と言った人がいましたが、世界の癌の共産党は滅びた方が良い。

韓国とは古田博司氏の言う「非韓三原則」(=『助けない、教えない、関わらない』)で行けばよいでしょう。

指導者の育成は難しい。確かに昔の日本人の凛とした姿を見せる人は絶滅に近いです。黒鉄氏の言う「武士道」こそがその教材かも。新渡戸の「武士道」を英文で読ませるような教育をしたらどうか。岡倉天心と比べそれ程難しくはありません。ローマ時代にも「執政官」制度があり、緊急事態になれば「執政官」が「独裁官」を選んで全権委任し、平時になればまた共和政に戻るという事を塩野七生が書いていました。今の憲法では非常事態に対応できないのは明らかです。

内容

【歴史を、歴死とする策謀】

自国の歴史をなぞると、ナショナリズムだという。

母国語を持ち、その言語に従って構築された民族固有の文化、更に申せば歴史的領土、共通の神話や記憶に対する愛着の同朋意識がナショナリズムである。 定義に従えば、全ての国家はナショナリズムの上に立たざるを得ないではないか。 正確を期そうと点検に励むと、今度は右傾化じゃと騒ぎ出す。 右とか左とか、その方向ではなく、過剰な傾きの角度こそが問題である。 傾き過ぎた理由は何か。

先の戦争に敗れた時、先人達が懺悔したことは可としても、その反応は今にしてみれば過剰に過ぎて異常であったと云う他はない。

日本民族の特性か或いは特異な文化の影響によるものか、その先天、後天の何れの因であるかはさて措き、一旦、部分に問題有りと認めると、比率も度外視して、全体をも否定してしまう癖は大いに問題である。

この癖の角度から立ち上がり、奇妙な踊りとなったのが、村山談話であり河野談話でもある。

また、この癖は、戦後日本を過剰に過ぎる左傾化へと導いた。

この傾き過ぎた角度を、バランスの取れた正常な位置に戻す努力のどこが右傾であるか。 他国と比べても、古来より日本人は歴史に正直過ぎる民族である。

自らが「誠」を重んじるが為に、他国にも、即ち外交上でも、それが通用するものだと信じ、思い込んできた。

外交下手と云われる因は、つい、この誠を信じてしまう純情さに有る。 正直な歴史を採用してしまう動機も同様である。

凡そ他国は歴史を嘘で紡いで平気である。

特に、近隣の二国は、その代表と云える。

自国に対する嘘なら、悲劇となろうが喜劇となろうが内政の領域であるから知ったことではないが、他国に向かうとなれば外政だから、自衛の対象となる。

如何に噓をつこうが、今のところ、真実を知る世界の多くの国は動揺はしていないようだが、先のことは判らない。

歴史で嘘をつく国の狙いは、十年後、いや百年後には、本当になると嗤っている。 ヒトには寿命があることは、嘘つきのニ国も流石に判っているようであるが、記憶も消せるとの考えは始末に負えない。 百歩譲って、先の戦争での結果を功罪相なかば——とする。 無論、罪の部分を正常化するなどの企みは日本人にはない。

功の部分も誇りはしない。

ただ事実があるだけであるが、それすらも、下品なニ国の策謀によって、未来は判らない。

大東亜戦争の結果、地球上にあった植民地が一九五〇年代初頭までにほぼ消滅したという事実。

過度の左傾化と、戦後教育の異様が功を奏したか、日本人の記憶からも消えかけている今、同朋意識と、バトンタッチの義務感から、具体例を記そう。

【竹の中の二つの栄螺】

歴史を一本の竹と考えると、節目のそれぞれは時代の転換ポイントとなり、縦の流れは前段を踏襲し、関係性は過去から未来へと継承されることが判る害だが、ともすれば分断して見てしまうケースが多い。

世界史的にも〈奇跡〉としか思えない我国の明治維新も、前段の節を省いて関連資料ばかりに虫メガネをあてても全貌は見えてはこない。 維新の芽は、竹の節を大航海時代の辺りにまで遡る必要がある。

専らは、スペインとポルトガルの船が運んだ西洋文明が地球全域を蹂躪し、前時代の文明は悉くその阻止に失敗した。

勇猛で鳴らした西アジアを代表するオスマン•トルコとぺルシヤも、この災厄からは逃れられなかった。

南アジアの大国インドは植民地に転落し、東南アジアも隸属を強いられた。

西洋文明が伸ばす爪はアジアの領域に留まらず、アメリカ新大陸も飲み込んで、大量の移民の流入によって植民地となった。

特に悲惨を極めたのはアフリカ旧大陸で、勝手に分割された上に奴隸として各地に売り飛ばされた。

およそ善悪の基準が未だ曖昧、というよりも疑問の余地なく白人至上主義以外は頭になく略奪し、犯し、殺し、押し進む力こそが神も笑覧する当時の西洋の正義であった。

現在に於いても、この思想(?)は完全に払拭された訳ではなく、至る処で首もたげるというに、能天気というか、お人好しというか、歴史知らずというか、もはや過去形と思い込んで世界の各地で事故となって報道される。

さて、当時に於ける我国だが、〈当時〉といっても伊達政宗の時代から江戸末期にかけての節の間隔は広く、長きに亘って日本は鎖国にあった為に外圧による被害の猶予は伸びた・

東アジアでは、十九世紀中頃まで、清国も朝鮮も鎖国下にあった。

蓋を強く締めた大中小のサザエの外側から西洋が激しく叩いて応答を迫る。

西洋のノックにとうとう蓋を開いた清国はアへン戦争に見舞われる。

その後もアロー戦争、清仏戦争と負け続け、国情は乱れるにまかせて、西洋文明に踏み躙られた。

蓋を開けるに際しての清の傲慢な対応など、全体の結果に対してのジャッジには何の影響もない。

非は断じて西洋の側にある。

当初から抵抗なく素直に通商に応じていたとしても、結果は同じところに着地した筈である。

自と他とを、差別で分かたず、区別に留めたとしても、白人優位を信じ込んできた西洋が、有色種に対して成熟した思考に達するには多くの歳月が必要で、当時に於いては夢のまた夢というものであった。

その上の、圧倒的な文明、特に軍事面の差は、相手を圧して何の痛痒も感じなかった。 蓋を締めた大中小のサザエに対するノックの順番は、単についていたという他はない。大のサザエのアヘン戦争の悲惨を、ちょいと蓋の隙間から覗いた日本サザエは飛び上がった。

大サザエと同じ轍は踏まない。

ならば、どうするか、どうすれば良いか。

ここが明治維新の始まりである。

【さても南京騙す誰】

「南京」を辞書で引くと三つ後に「難癖」が出てくる。

中国が南京大虐殺の記録と従軍慰安婦に関する資料をユネスコに「世界記憶遺産」として登録申請したという。

中国の報道局長の説明が振るっている。

「歴史をしっかりと心に刻み、平和を大切にし、人類の尊厳を守る為で、類似の非人道的行為を防ぐ為——」だと言う。

では、中国に問う。

「一口に南京事件といっても、いくつもあるが、何れのことか」 「歴史をしっかりと心に刻」んでいるのなら答えられる筈である。一つは大正ニ(一九一三)年の南京事件。

かつての貴国の袁世凱軍の張勲率いる軍隊が南京の日本人居留民三人を殺害した事件だ。

ああ、コレじゃないのか。では、昭和ニ年の、これまたかつての貴国の蔣介石の北伐軍が南京に入城した際の事件であるか。 日、米、英、三力国の領事館を襲撃して、略奪、強姦の上、多数を殺害した事件か。 え?これでもないのか。なに?もっとスケールの大きいヤツ?犯罪でも嘘でも貴国は何んでもデ力けりや良いようであるな。そうか白髪三千丈の国か。昭和十二年の? そんなことがあったのか?大虐殺?三十万人?へエ、貴国が殺したのか?え? 日本が?しかし、そりゃ可笑しいだろう。終戦直後に、米国のマーシャル元帥が書いた 『戰闘報告書』ぐらい「歴史をしっかりと心に刻む」ことに熱心なら読んでるだろう。肝腎なところだけを抜き出すと「日本は奉天、上海、真珠湾、バ夕―ンに於ける悪逆に対し充分なる償ひをさせられてゐるのであった-」

これはね、自分が負けちまったもので「バターン・死の行進」なんちゃってデッチ上げて責任を回避しようとしたマッカーサーの意を汲んで過大に書かれているにも拘わらず、「南京」の「な」の字もないではないか。何んだ、その本は?同じ本ではないか。ああ、これは三ケ月遅れで別の訳者によって出版されたもので、大急ぎで「南京」を付け加えた改定版だね。

それでも「ナンキン」があるじゃないかって?この子供騙しみたいなカラクリに気付かぬかね。初版は丁寧にも地名を時系列に従って並べているのに、三力月遅れの方は奉天を押し退けて、いきなりに「南京」をトップに据えるミスを犯してしもうた。雑といおうか大慌てといおうか、入れるなら、上海の次が正しい位置じゃないのかね。この事が逆にデタラメさを証明している。

ナニ?細かいことや正しいことより、有りさえすれば良いって?では、三十万を虐殺したと叫ぶ前に当時の南京の人口はどのくらいかね?もし事件があったとしても、その後、日本軍が南京在住の中国人を組織して南京自治委員会を作っておるんだがね。三 十万人も死んで、よく残っていたもんだねえ。

そのすぐ後には、日本軍は大量の米と小麦を有償無償で南京住民に配給しとるんだよ。 このことは、かつての貴国の公文書にもあるから、今更「嘘だ」とは言えないからね。 え?何んだって?「ウーホワンウーシャオ」って何よ。「無謊無効」と書くの?どういう意味かね。「デタラメを言わないと効果がない」?、コリャ、駄目だ、この国は。

【日本が悪い】

韓国の旅客船「セゥォル号」の沈没事件は悲惨の極みであった。

身分を偽ってまで、まっ先に逃げた船長といい、他の乗組員といい、まさか冗談か、でなければ悪意でも無い限り、とても理解できない報告の連続である。 冗談でもなく、悪意でもなく、特性というものを忘れていた。

あの船長、かつての海難事故で日本の自衛艦に救けられたという過去があった。救けさえしなければ、船長として今回の船に乗ることはなかった。 救けた日本が悪かった。船にしても、日本が造った。

安全などお構いなしに、利益優先に改造しまくるお国の性癖を無視してお譲りしたことは思慮を欠いた。

一九七○年の、三百二十六人の死亡者を出した南営号沈没事件でも、定員を三十六人もオーバーした上に百トンの過積載をしていた。

お国は、せっかくの船の空きスペースを「モッタイナイ」と考えるのであろう。 げに倹約のお国柄というか、命よりも金が大事の潔さ。

九三年の二百九十二人が命を落とした西海ペリー号沈没事件もしかり、もはや習慣とも云える定員百四十一人オーバーの上に、安全無視の金優先の命知らずの運航であった。短絡、いや、他国を圧するシンプルな思考法はお国の独擅場といえる。 かくなるお国に、船を譲った日本が悪い。

船長以下、乗組員がまっ先に逃げ出したとお怒りのようだが、そも、お国のトップ達は 歴代に亘って逃げてきたではないか。

清国建国前の満州軍による朝鮮侵攻の際も、報が入るや否や、李朝の仁祖は江華島へと逃げた。第二次日韓協約の際の高宗も逃げた。韓国初代大統領の李承晩も逃げた。遡って、秀吉の文禄、慶長の役に於いても、トップ達は逃げまくった。

お国は、ことあらばトップが逃げ出すという、雅といおうか、奥ゆかしいというか、何んというか、“逃げの美学”のようなものが育まれてきた。如何なるものであれ、他国の文化は尊重されなければならぬ。

逃げと同じく、お国は近代的な「機械」というものを理解したくないという美徳のようなものも守っておられるようだ。

ニ〇〇三年二月の大邱市の地下鉄放火事件。この一件でも「席を離れるな」と指示したあと、運転士はまっ先に逃げて、百九十二人の死者を出した。

思えば、この地下鉄も日本の援助によって出来ている。力量と性癖というものを考えず、 お国にこんな危険なモノを造って差し上げた日本が悪い。 今回の乗客には修学旅行中の学生が多かった。

これも、日本が悪い。

かつて、お国には全土で小学校が四十ほどしかなかったが、これでは中国からの独立は難しいと伊藤博文が、一気に四千校以上に増やした。

お国が英雄とする安重根が、この伊藤を殺した。学校など創って学問を奨励した伊藤を安重根は許せなかったのであろうか。安重根の決断は正しかったのかもしれぬ。

あの時代のまま、全土で小学校の数を四十校ほどに留めておけば、今日のような修学旅行など出現しなかった害だ。

嗚呼、安重根は正しく、伊藤は間違いでありしかや。

いや、お国の独立の為に西郷さんは城山で死に、続く日清、日露の両戦を戦った日本は、 ほんに余計なお世話を焼いたものであった。

日本が悪い。

【日韓、異観、遺憾、イカン】

近年の、異常とも言える中国と韓国の反日を煎じ詰めれば、相互無理解に辿り着く。

近代化の過程の差から価値観を一にしないのだから摩擦が生じて当然ともいえる。

加えてのエネルギーとして「侵略への怨み」と「文化的優越」の二つの思い込みが更に背中を押している。これとて思考のレベルを上げてみると、前者など侵略戦争〈アグレッシブ•ウオー〉の定義すら未だ曖昧だし、後者に至ると根拠すらおぼつかない。

地政学的な近さと、動物的外観の似通いから、日本人は大いなる錯覚に陥っていた。

日本からすれば中国、韓国が、両国からすれば日本が、今や異なる文化圏の住人の如くにみえる。

中国や韓国の考え方の腑分けなど、もう良い。結論はとっくに出てしまっている。 彼等を理解する努力など無駄である。

日本人がこれから先をどうするかに絞った、覚悟の問題について考えた方が良い。

すると孤立するという。

元より、個人レベルはともかく、水と油の関係の国柄で、対立と離反の歴史こそあれ、実は親しく交わった試し無し。

日本人は圧倒的に西欧寄りの考え方を採用してきた。なにやら、明治維新以降に獲得した特徴のように捉える向きもあるが、なに、とっくの昔からアンコの部分は西欧的であったが、包む皮の部分にアジア的な性質があったから、日本人が自らを騙してきたと考えた方が良い。

ここで云う〈西欧〉とは、科学的、合理的な思考のことである。

彼等は当然に自らの考えを正しいと信じ込んでおり、日本人からすれば、まさかと思うようなことも本気である。疑うこともなく、正義だと思い込んだ場合、フォームは固陋する。

ピッチャーに譬えれば、同じフォームから球種の違うボールを投げる進化した夕イプと、あ、コレはストレート、と判ってしまう差。つまり、 フォームから未来の予測がついてしまう。信じられん!悪い冗談であろう、話せば判るのではないか、等と散々学習してきた結果、日本人は彼等の次に打つ手が判るようになった。

ひとつ予測してみる。

ヒントの助走は、韓国での戦時中の徴用工賠償訴訟にある。

日韓請求権協定で「完全かつ最終的」に解決済みであるのに個人請求権は消滅していないのだと、凡そ文明国では有り得ない発想をする。

次に、何をしてくるか。

日韓基本条約が来年で締結五十年を迎える節目を記念して、これを破棄しようとするであろう。これさえ無ければ、もっとふんだくれるとのこれまた短絡的な発想である。つまり〈条約〉とは何かという基本的なところが判っていないのだ。

次に、どうなるか。

ああ、それなら—と日本が主張する。

条約締結時に、日本が置いてきた韓国内の日本の総資産の返還を求め、その後に続く地下鉄の敷設等を含む経済援助も無効になるから、これも請求する。

すると、どうなるか。

彼等は大慌てで条約破棄を引っ込めるであろう。

一事が万事、かくなる次第であるから、小生は一抜けて、お付き合いをご免蒙る。

【武士道に見るリーダー】

意識するしないに拘わらず、ヒトの目的はおしなべて全てのジャンルに於いてオーソリテイとなることだが、よほどの誇大妄想家でもなければすぐ様に無理であることを悟る。一芸でも奇蹟に近いのに、全てのジャンルに於いてなど、元より神か悪魔の領分の発想である。

歴史に名を残すヒトとは、結果的にはなにかしらのオーソリテイであったわけで、なかには二つも三つも兼ねるタイプもいるが、それでも全ジャンルに比較すれば、ごくごく部分にすぎない。このトップグル—プから時代を、延いては一国を率いるリ—ダーが出現するのであろうか。

<リーダーシップ〉なる言葉が軍事用語であることを識れば、その人材を見つける角度は自ずから見えてくる。<権力>、<経済>、<理論>、<社会>、<芸術>、<宗教>の六つがヒトが求める価値観だが、軍人が属する<権力>の部から〈リーダー〉なる言葉が飛び出した理由。

他の部の代表では資質に弱点有りと気付いていたからである。 関東大震災に於ける後藤新平と、東日本大震災での菅直人の対応の差。 ヒトとしての能力と熟度はさておいてその差は、時代による強権の許され方にある。 その、後藤新平にしても、死者十万人を数えた明暦の大火での保科正之の水際立った処理能力には遠く及ばない。

後藤と保科の能力と熟度が同等だと仮定すると答えはどうであろう。

未曾有の天災、 或いは戦争のような人災的異状事態こそ、リーダーの出番であるが、もはやキャラクターはニの次で、制度の問題であることが判る。 世界史に名を残す多くのリーダー達が封建制度の元に出現している不思議。

封建制度のアナクロな部分も学習した後世の我々は、平時では民主主義を採用し、非常時には特例として特権を許されたリーダーをと、選択できるシステムに切り換えるのがヒトの“知”と思うのだが、前段としてまずもって支える民衆の成熟した理解カが肝要となる。

リーダ—の出現する構図は入れ子、もしくはピラミッド型となっており、その才能の期待は、理解力を高める民衆教育によってかなえられる。

江戸時代に於ける我国の教育システムは、ヒトが採用できる理想と云える程の高みにあった。トップダウンの強権を持つ封建制度の構図にしか許されない景色であろうか。 先述の如く、民衆が成熟し理解しさえすれば今日にも可能なのだが、その為の教育がと、堂々巡りした揚句、振り出しへと戻される。

残る手は、日本中で息も絶え絶えに散らばる武士道の残滓を掻き集めること、すなわち本の中に探す他ない。

4/12日経『日本、参加で役割果たせ 米中心の一極構造に転機』『中外時評 「最年少の政治犯」チベット激動とともに』、4/10 ZAKZAK『AIIBは「絵に描いた餅」 海外からの借金で汲々の中国』記事について

日本はアジアに位置するので欧米とは違うと言うのであれば、地理的位置のことだけを言うのでなく、政治体制が中国の共産体制とも違うことにも触れなければ公平を欠くのでは。中国は外貨準備が3.8兆$あっても外国から金を借りているのは異常ではないですか。出資すべき金もないとも言われています。日本が出資するのは税金からです。歴史的に見れば、西原借款(西原 亀三http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%8E%9F%E4%BA%80%E4%B8%89)について中国から返して貰ってない責任が財務省にはあります。デタラメ融資で返済されないときの責任をこの人はどう考えるのか。すぐに「決めた政治家の責任で官僚は決められたことを実行しただけ」と弁解するのが見えています。それなら新聞等を使って自分の意思を表明すべきではない。IMFで改革できなかったことを棚に上げるような人間が、キチンとAIIBを内部から監視できるとは思えない。国際機関の改革を言うのであれば、先ずやるべきは戦勝国クラブと言われる国連の機構改革をすべきなのでは。特にP5の拒否権の扱いについて議論すべきでは。軍事に疎い学力だけが高い役人の典型と思われます。日本を脅している中国を経済的・外交的に有利にすることは利敵行為としか見えません。

ヒラリーは「20年後には中国は世界で最貧国になる」とまで言っています。3経済主体の債務が膨大なためです。そういう国が主導する銀行に出資しても「ない袖は振れない」で終わりです。小生の中国駐在体験で言えば経理部長の腕は「如何に金を払わないか」でしたから。金は返って来ないと見た方が良い。自分の金だったら中国に投資しますか?それと同じです。

チベットの記事は、中国に隷従すれば、宗教、民族としての誇り、生活も総て奪われてしまうという事です。こういう国が過去の日本、並びに首相の靖国参拝を非難できる資格があると思いますか?創価学会・公明党、ローマン・カソリックの人達に「他の宗教であっても宗教の自由は保護されるべきか?」と聞きたいです。

中国の領土拡張に対する野望、覇権主義が窺われます。チベット族の強制移住、漢民族との混交等、人口の力によって他国を自分の領土とするものです。水資源を含めた資源掠奪の狙いがあります。

日本、参加で役割果たせ 米中心の一極構造に転機

I MF前副専務理事 篠原尚之氏 しのはら.なおゆき通貨外交の要の財務官として金融危機を経 験。10年から今年2月まで国際通貨基金(IMF)副専務理事。62歳。

―中国が準備作業をけん引してきたAll Bをどう評価しますか。

「アジアに新しいスタイルの開発金融機関ができる、という観点でとらえている。世界経済が多極化する中で、新しい構造の国際機関が出てくるのは当然のことだ。1997年のアジア通貨危機に際して、日本が主導しようとしたアジア通貨基金の構想は、米国の反対で頓挫した。今、中国経済は見方によっては米国を追い抜く勢いがあり、米国は抑えようとしても抑えきれなくなっている」

–日米が実質的な筆頭株主であるアジア開発銀行(ADB)と、新設のAIIBは並び立ちますか。

「補完関係にできると思う。 互いに補完しながら、ある意味で競争する。インフラ計画を進める利用者の側に立てば選択肢が増えることになり、悪い話でない」

–日本は3月末の段階でAllBへの参加表明を見送りました。今後どう対応すベきですか。

「タイミングの問題はあるが、参加せざるをえない。A IIBはアジアの機関であり、アジアの一国である日本は米国と立場が違う」

「中国や韓国との関係は大事だがアジア諸国連合 (ASEAN)との関係は日本にとって『命綱』といえる。 ASEANから見ると、日本と中国が拮抗し、けん制し合ってほしいはずだ。地域の枠組みの中で日本の役割を増やさないと、どんどん中国にとられてしまう。ましてや、参加しないなんてことになってはダメだ」

–日本がAllB構想に乗り遅れたとすれば、政府の初動が失敗したとも映ります。実際はどうなのですか。 「答えにくい質問だ。AI IBの統治(ガバナンス)構造や審査について注文を付けるのは重要なことであり、最終的には内部からチエックするのが大事だ。そのためには参加を前提に議論すべきだろう」

–英国をはじめとして欧州の主要国がAIIBへの参加を相次ぎ表明し、日米との対応が明確に割れました。日米欧の主要7力国(G7)の 結束は揺らぎませんか。

「かつてはG7が世界経済における大きなシェアを占め、流れを決めてきた。しかし、主要な議論の場がG7から20力国•地域(G20)に移ってきたように、G7の比重はかなり下がっている。特に開発や環境といったテ—マはG7だけで対応できない状況になった。それなのにG7の結束を議論しても仕方ない。米政府は議会との関係でAIIBに否定的なままだが、欧州は是々非々で臨む判断をしたのだろう」

–中国が近年のユーロ危機に積極対応するなど、欧州との関係を深めたことも欧州各国が参加する判断の背景にありそうです。

「欧州と中国は距離が離れているため、両者の関係は地政学的な要素がなく、経済や貿易の比重が大きくなる。中国との関係を考えるとき、日本と欧州のポジションが違うことはある」

–中国は新興国の発言権 を高めることを目的とした国際通貨基金(IMF)改革の遅れを批判しています。

「批判は当然であり、中国以外の国々からもさまざまな批判が出ている。加盟国が合意したにもかかわらず、拒否権を持っている米国のせいで実現できないことに対する不満は非常に強い。国際機関は加盟国の相対的な経済力を反映して発言権を与えていかないと有効性を失う。IMFだ けでなく、A DBも投票権の配分が変わらず、(見直しに向けた作業を)サボってきた感じがする」

–日本は対米関係を軸とした外交の基本を見直すベきですか。

「ブレトンウッズ体制と呼ばれる、米国中心の一極構造の国際金融の枠組みが確立して70年になる。早い段階で先進国の仲間に入った日本は、この体制での既得権益を確保 してきた。今は新興国がものすごい力を付けてきており、その勢いはしばら<続く。一極構造から多極構造へこの10 年程度で変わった。ブレトンウッズ体制を見直すべき時期に来た」

「我々の頭の中には世界で 第2位の経済大国だった日本のイメージが残っている。しかし、昔の栄光を追っても仕方ない。今の状況で日本の立ち位置をどう決めるかは本当に難しい作業だ。まだ答えは無いが、探っていかざるを得ない」

ZAKZAK AIIBは「絵に描いた餅」 海外からの借金で汲々の中国 

世界50カ国以上が参加を決めたという中国主導のアジアインフラ投資銀行。そうか、じゃあ、アジアのインフラ建設資金需要はいくらか、どう集めるのかね。アジア開発銀行研究所が2009年9月にまとめた見積もりによると、年間平均では約7500億ドル(約89兆7000億円)に上るとか。

 世界銀行、アジア開銀などの国際金融機関は主として国際金融市場で債券を発行して調達した資金を融資する。その場合、各国政府および政府機関が債務返済保証をする。国際金融機関はメンバー国の政府が共同出資しているという信用があり、貸出先は政府が保証するのだから、国際金融機関が発行する債券はトリプルAの格付けが与えられる。

 AIIBは当然、世銀やアジア開銀並みの格付けを狙うわけだが、ちょっと待てよ。

 そもそも、中国主導で年間7500億ドルの資金を市場から調達できるのか。

 国際決済銀行(BIS)が最近まとめた国際金融市場での債券による資金調達である国際債務証券発行額を調べてみた結果がグラフである。13年は全世界で5130億ドル、14年は6740億ドルで、7500億ドルは最近の国際債券市場の規模を上回ることになる。このうち、世銀、アジア開銀など国際金融機関の調達分は13年1140億ドル、14年1387億ドルである。

 アジアのインフラ資金需要に対し、供給能力が追いつかないとなると、市場需給の原理が働き、金利を高くするなど、よほど好条件で投資家を引きつけないことには資金調達できない。資金調達コストが上がれば、借り入れ国もたまったものではない。

7500億ドルと言わないまでも、AIIBが1000億ドル程度の資金を調達するだけでも、市場で消化できそうにない。これでは文字通り絵に描いた餅ではないか。

 中国の国際市場での債券発行額は増加の一途で、途上国全体の5割近いシェア(14年)を占め、国際金融機関の発行額を上回っている。

 北京が4兆ドル近い外貨準備をどんどん取り崩してAIIB資金の原資とするなら、立派だね、とほめてよい。だが、あの利にさとく不正蓄財にばかり走る党幹部が気前よいと信じるのは、不勉強な日本の親中メディアくらいだろう。

 実際には、資金流出のために外貨準備は減る一方で、海外からの借金で穴埋めするのに汲々(きゅうきゅう)としている。BIS統計では、中国は銀行融資で年間2700億ドル(昨年9月末)、債券で1656億ドル、合計で4300億ドルも借り入れているのだ。

 言い換えると、中国はAIIBの看板を掲げて世界を巻き込む形で、資金を自国のために調達し、行き詰まった経済成長モデルを立て直そうと狙っているのが真相だろう。

 中国や国際金融のイロハもわからずに、「AIIBに乗り損ねた日本は孤立する」と騒ぎ立てるメディアや政治家が多いのには、うんざりさせられる。

(産経新聞特別記者・田村秀男)

中外時評 「最年少の政治犯」チベット激動とともに

1995年5月14日。チべッ ト仏教の最高指導者ダライ•ラマ14世は、中国チべット自治区ナクチユでパンチエン・ラマ11 世がみつかった、と発表した。 ゲドゥン・チョエキ•ニマという、6歳の少年だった。

パンチエン•ラマはダライ・ラマに次ぐ高位の「活仏」とされる。89年1月に亡くなった10 世が生まれ変わった「転生霊童」 と認定されたニマ少年は、聖職者の道を歩むはずだった。

3日後、その道は大きくそれた。ダライ・ラマに転生霊童を認定する資格はないと主張する共産党政権の手で、世間から隔離されたのである。

あれから20年になろうとしている。海外メディアから「最年少の政治犯」とも呼ぱれたニマ少年は、25歳の青年になっているはずだ。まれに当局者が「一人の市民として健やかに暮らしている」とコメントすることはあるが、具体的な消息は全くわからないままだ。

この間にチベットの経済、社会、文化は激しい変動を経験してきた。共産党政権は国内のメディアを統制し、海外のジャーナリストのチべット入りを制限しているが、それでも激動を実感させる情報は少なくない。

ひとつはチベット仏教への露骨な干渉だ。ニマ少年とは別のパンチエン・ラマ11世と認定し、共産党政権が期待する「愛国的な活仏」となるよう育成してきた。転生した活仏の認定には当局の批准が必要とする政令を2007年に定めるなど、法的な枠組みも整えてきた。

チべットの経済や社会に影響する変化としては、チべッ卜で初めての鉄道である青蔵鉄道の開通を思い浮かべる人が多いだろう。おそらく、それに劣らず深刻な衝撃をもたらしているのが「安居工程」と呼ばれるプロジエクトである。

青蔵鉄道が開通した06年からチべット自治区の農村部で進められてきた、住宅改造事業だ。 中国メディアによれば、13年末までに累計278億元(約5300億円)を投じて46万戸を改造または新築したそうだ。

「自治区全体の農牧民たちの 1人当たり平均居住面積は20〜 30%増えた」。共産党政権の統 制下にある中国メディアは成果を自賛する。が、チべットの内側からは違った声が届く。

本人の希望を踏まえるという建前とは裏腹に実態は強制だった。伝統的コミユニティーが失われた。転居にともなって日々の暮らしにかかる費用がはねあがった……。

一例をあげれば、チべッ卜の 農村地帯では伝統的に家畜の糞 (ふん)を燃料として利用してきたが、新しい住居では現金によって燃料をまかなわなければならな<なったという。

国際的な人権擁護団体であるヒユーマン•ライツ•ウォッチによると、安居エ程のために転居を余儀なくされたチべット人は200万人を超えた。自治区のチベット人の3分の2に当たる人たちが8年の内に伝来の住居を離れたわけで、伝統的な生活と社会が大きく揺らいだことは容易に想像できる。

チべットでは08年春にラサなどで大観な騒乱が起きた。翌年からは焼身自殺が各地で相次ぎ、これまでに130人以上が亡くなった。やりきれない凄惨な出来事の数々は、チベット人を取り巻く環境が激変した延長線上にあるのではないか。そんな推測を禁じ得ない。

中国全体をみれば、この20年は経済の高成長と国際的な存在感の高まりを実現した、飛躍の 時代だったといえるかもしれない。少くとも共産党政権はそう位置づけているようだ。

その一方、ダライ.ラマが認めたパンチエン・ラマ11世の消息が途絶えたままになっていることは、多くのチベット人にとって苦難の20年だったことを象徴しているようでもある。

「な<なってもいい」「チべットの人たち次第だ」。2日に来日したダライ•ラマは札幌で講演した際、活仏が転生する仕組みについてこう語った。

パンチエン・ラマ11世に対する当局の干渉、チべットの経済や社会の激変を踏まえて、400年を超す歴史を持つとされる仕組みに終止符を打つ可能性を示唆したのだ。

ダライ•ラマは今年7月で80 歳になる。自分が亡くなったあとの生まれ変わり、つまりダライ・ラマ15世を共産党政権が選ぶつもりであることを十分に見越したうえで、けん制球を投げたともいえよう。チべットの未来は濃い霧に包まれている。

4/10 ZAKZAK『習主席ターゲットに爆弾テロ&毒殺未遂「6回」説 国外でも不穏な動き』と4/9大紀元中文版『胡锦涛传拒给曾庆红“背书” 释多个信号』記事について

2012年2月6日、薄熙来の部下だった王立軍が成都の米国大使館に逃げ込み、アメリカに中国の恥部というか機密を漏らした事件で、薄熙来は責任を取らされました。その時に法に従って処分を求めたのは団派で、反対したのは当然上海派でした。中でも周永康が強く反対し、法による処分が賛成:反対=4:4の時にアメリカへ行っていた習が賛成で薄熙来の処罰が「刑不上常委=常務委員は罪に問われず」と言われながらも決定されました。周は薄をチベットに転任させようとしましたが、温家宝が「歴史に逆行するやり方」と応酬、それで周はニューヨークタイムズに温の家族の蓄財の記事を書かせました。しかし、大勢は決していて悪足掻きになりました。周など上海派を裏で取り仕切っていたのが曽慶紅です。野中広務と朋友でした。両方とも金に汚い政治家です。

大紀元の記事では曽が胡錦濤に「背書=裏書」(ここでは不逮捕の意味でしょう)を頼んで、断られたとあります。胡が主席だった10年間にめぼしい実績を上げさせなかった上海派の巨魁ですから、腸が煮えくり返っていて断るのは当然と思います。曽の逮捕も近いのでは(「収官」=寄せ、最終局面)と何清漣が言っています。ただどんな終末になるかは見えないと。

胡が最強の立場になっているような気がします。軍事委員会の副主席は胡の人事で、習より胡の言うことを聞くでしょうから。「政権は銃口から生まれる」国です。習は上海派と団派を相手にしなければならず大変です。暗殺の可能性もあるでしょう。建前は病死扱いになるでしょうが。今やクーデターは隠すことができませんが暗殺はどうにでもなります。闇で殺せば良いので。

でも中国の内紛で日本を巻き添えにするのは止めてほしい。そのうち反日デモか何かををやらかすようになるかも。でもまだ戦争を仕掛けられるよりいいですが。進出企業の見る目がなかったという事ですから。

ZAKZAK記事

中国で独裁体制を着々と築きつつある習近平国家主席の周辺に不穏な空気が漂っている。「反腐敗運動」と銘打った汚職官僚の撲滅を進める同氏を狙った暗殺未遂事件が、これまでに6回起こっていたというのだ。背後には、江沢民元国家主席や失脚した元最高幹部の周永康氏らの存在も取り沙汰される。「国外逃亡した退役軍人らによる反乱計画も浮上している」(専門家)ともいい、身の危険を感じた習氏は周辺警備を強化している。

 「習氏がまた狙われたらしい」

 中国共産党の高級幹部の子弟「太子党」関係者の間でこんな噂が駆け巡っている。反腐敗運動の名の下で、政敵を次々と追い落とし、独裁体制を固めつつある習氏が「命の危険にさらされていた」というのだ。太子党の一員でもある中国人貿易商がこう打ち明ける。

 「習氏が、陝西省への地方視察に出向いた今年2月上旬に爆弾テロの計画があったらしい。地元の治安当局が、習氏が宿泊する予定だった西安市内のホテルに仕掛けられた爆発物を発見。事件は未遂に終わったが、習氏の暗殺を狙っていたのは明らかだ」

 習氏の命が狙われたのはこれが初めてではない。国家主席に就任した2013年3月の前後から何度も暗殺の危機に直面しているという。

 「月刊中国」の発行人である鳴霞(めいか)氏は、「これまで6回の暗殺未遂事件があったとされている。そのうち一部は、香港メディアなどの報道で詳細が明らかになっている」と指摘する。

習氏のトップ就任が確実視されていた12年9月、習氏は公の場から姿を消し、重病説が流れたことがある。その舞台裏では血生臭い事件が起きていた。

 米ニューヨークに本拠を置く中国語専門のテレビ局「新唐人テレビ」(電子版)は、この年の8月初めに開かれた共産党指導部による非公式会議「北戴河会議」で、会議室に時限爆弾が仕掛けられていたと伝えた。

 その直後、習氏は、北京の解放軍総合病院(301病院)に検査入院したが、毒殺の危険に遭いかけたという。いずれも失敗に終わったが、これらの暗殺計画を指示したのは、当時、警察・公安部門のトップだった周永康氏だとも同メディアは報じている。

 鳴霞氏は「この事件以降、習氏は暗殺を異様に警戒するようになった。一時、人民解放軍の関係施設に身を寄せて、そこで寝泊まりしていた時期もある。自分の行動予定を機密扱いにし、移動の際には周囲に何人もの屈強なボディーガードを配置。周辺警護を担当する幹部も自分の息がかかった者に入れ替えた」と話す。

 実際、首都・北京一帯を防衛する「北京軍区」では、司令官に自身と繋がりの深い南京軍区出身の宋普選氏を抜擢(ばってき)するなど、昨年末から大幅な人事刷新が行われた。今年3月には、「中国版シークレットサービス」といわれる中央弁公庁警衛局の局長に、中央軍事委員会副主席在任当時から信任の厚い王少軍氏を据えた。

習氏は「反腐敗運動」で、周氏を失脚させたほか、江沢民元国家主席を後ろ盾とする「上海閥」の幹部を次々と粛清している。ターゲットにされた「上海閥」の残党が、自身の生き残りのために「習氏の命を付け狙う事態も十分想定される」(外交筋)。

 中国国内だけでなく、国外にも不穏な動きが出ている。

 人民解放軍内に独自のネットワークを持つ佐藤守・元空将は、「米国で、習政権の打倒を目指す人民解放軍の退役軍人連盟が組織された。指導者は元北京軍区対外作戦秘書長。中国の民主化を求めて海外に散らばった元軍人らを集めている。彼らは、中国国内の現役軍人ともつながっており、軍事蜂起を呼びかけている。習氏の暗殺も狙っているといわれ、大規模な軍事クーデターに発展する可能性がある」と明かす。

 血で血を洗う熾烈(しれつ)な権力闘争を何度も繰り広げてきた中国共産党。歴史は再び繰り返されるのか。

4/9大紀元中文版

最近深陷“庆亲王”传闻的曾庆红处境更加不妙。港媒透露,胡锦涛执政时期已打掉陈良宇和薄熙来两个政治局委员,薄熙来东窗事发,导致徐才厚、周永康随后倒台;而且胡锦涛曾拒绝给曾庆红“背书”。此外,文中还释放了江泽民已自身难保,曾庆红確確实实被围猎等多个信号。

港媒:曾庆红成习近平首要打击目标

4月8日,海外媒体转载一篇题为《胡锦涛拒绝背书曾庆红》的文章。该文称,习近平上台后的一年半时间里,就打掉了徐才厚、周永康这两个政治局退休委员和政治局退休常委。特别是周永康的倒台,打破了中共内部“刑不上常委”潜规则。而“刑不上常委”只是江泽民“上海帮”的帮规。在胡锦涛执政时期,已连续打掉了陈良宇、薄熙来两个政治局委员。

文章表示,江泽民本是阻碍习近平反腐的最大绊脚石和拦路虎,但江已自身难保,只能断尾求生。其已放弃继续保护“上海帮”残余势力的企图,不求保人,只求自保。很明显,今后“上海帮”会遭受进一步的打击和清算,曾庆红首当其冲。

文章还称,曾庆红是江泽民的“军师”和幕后黑手。曾庆红试图在江死后接管江泽民的政治地盘和势力,成为“上海帮”的新帮主。可惜,薄熙来东窗事发,周永康,徐才厚锒铛入狱。而幕后黑手和操纵人曾庆红则成了习近平首要的打击目标。曾庆红遭围猎已经板上钉钉,千真万确。

曾庆红和江泽民最近被“铁帽子王”和“庆亲王”舆论风波席卷。港媒透露,曾庆红已经被王岐山立案审查等。

胡锦涛拒绝给曾庆红背书

去年4月,已经退休的胡锦涛到访湖南,参观岳麓书院等。港媒曾报导,胡锦涛现身湖南期间,原来湖南省委安排曾庆红与胡锦涛见面,但遭胡拒绝。海外中文媒体的报导称,胡锦涛拒绝给曾庆红背书。

去年5月14日,曾庆红诡异在上海露面。江泽民长子江绵恒及上海市委书记韩正陪同其一起出现在上海韩天衡美术馆。港媒称,此乃无奈之举,曾庆红只好让江的儿子替其背书。

港媒曾披露,去年曾庆红曾借参加中共窃政65周年“十一”庆典时,提出在9月26日、27日到中共中央党校和老教授、学员聚会,遭到中共中央书记处拒绝。

外界指,曾庆红曾连续担任中共中央党校校长,应该说与该校渊源深厚,但其提出的要求遭到拒绝,已说明其处境堪忧。

评论:习近平拿下曾庆红进入收官阶段

旅美学者何清涟女士最近发表的文章《习曾斗:破除“王权虚置”模式的终极战》表示,胡锦涛时期幕后有江、曾等干预政事,台上有九常委掌权,胡锦涛的“王权”虚置。

如今各系统的高官均已落败:周永康案将开审,郭伯雄接受审查,徐才厚身死名裂,令计划进了监狱,马建不仅系狱,其利益链条上的人马均从昔日的强势围猎者变成了被围猎者。

最近“政泉控股”幕后控制人郭文贵公开挑战胡舒立,被视为郭背后的曾庆红叫板习近平、王岐山。

何清涟的文章表示,从郭的滚地式战法中所透露出来的信息,其实是郭的后台手里并没握有让自己免于覆亡的好牌。应该说,习、曾之间的战斗,已经进入收官阶段。结果是清楚的,不清楚的是失败一方将以什么姿态谢幕。

4/9日経ビジネスオンライン 鈴置高史『日米の同時「格下げ宣言」に慌てる韓国 二股外交の提唱者が「朴槿恵の二股」を批判』記事について

カーター国防長官が朴大統領にどのように圧力をかけたかが興味があります。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20150409/frn1504091830006-n1.htm

蝙蝠外交ではそれぞれの相手国が蝙蝠を演じる国を信頼もしないし、尊敬もしないでしょう。内心では侮蔑の対象にしていると思います。韓国は歴史的に事大主義の国ですから、蝙蝠を演じるのは当り前と思っているのかも知れませんが、リアルタイムで情報が流れる時代にあって、相手国もすぐに情報が入ることを考えていません。相手国は面子と国益を損なわされたと思うでしょう。そういう知恵というか常識に近いものですが、韓国にはそれが欠けているという事です。

本記事を読みますと充分に日米が擦り合わせの上、韓国外しを狙ったものと見えます。自由主義陣営に留まるか、専制主義陣営(米国国務省文書でも韓国に対し、「民主主義、人権、法治という価値を共有」の文言を削除したのは韓国国内でも専制体制に向かっていることへの警告と思います)に移るのか瀬戸際でしょう。米国の要求を受け入れてTHAADを配備すれば、中国が怒り、AIIBに入れないでしょうし、裏で中国での韓国企業イジメをやるでしょう。(中国での日系企業イジメと同じように、中国は法の隙間が沢山あり、役人の裁量の度合いが大きい)。韓国がどうするのか、また米中の韓国の扱いについて今後の展開が楽しみです。

本日(4/11)の日経の記事では「韓国、安保で中国配慮 ミサイル配備議論先送り」の記事が出ていましたが裏で米国がTHAADの配備を迫っているのは間違いありません。少し時間的余裕を与えただけと思っています。

記事

 韓国が慌てる。「このままでは米国や日本から仲間外れにされる」と思い至ったからだ。

復活するアチソンライン

鈴置:韓国保守の大御所、朝鮮日報の金大中(キム・デジュン)顧問が「二股外交をやり過ぎて米国に見限られそうだ。海洋勢力側に戻ろう」とコラムで主張しました。

 「 “第2のアチソンライン”を憂う」(3月31日、韓国語)がそれです。もちろん、この金大中氏は元大統領とは同姓同名の別人です。まず、冒頭部分を訳します。骨子は以下です。

  • “第2のアチソンライン”が蘇ったのではないか? 1950年1月、ディーン・アチソン(Dean G. Acheson)米国務長官が米国プレスクラブで演説し、アジアの防衛ラインをアリューシャン列島―日本―沖縄を結ぶ一方、韓国と台湾を除外するいわゆる「島嶼防衛線」に言及した。
  • これが“アチソンライン”だ。6カ月後、北朝鮮の金日成は米防衛線の外にある韓国に侵攻し、朝鮮戦争が勃発した。
  • 65年が過ぎた今、東海(日本海)を境界線に米日と韓中を両分する“アチソンの亡霊”が蘇った。
  • 一方の主人公は安倍政権で、米共和党の主流が相槌を打つ。反対側では台頭する中国が笑い、機会主義の韓国が及び腰で伺う。米国は65年ぶりの「韓国疲れ」

—「アチソンライン」は韓国人にとって悪夢と聞きました。

鈴置:その通りです。「米国は韓国を守らない」と言ったのも同然のこの発言が、朝鮮戦争の引き金になったからです。

 戦争勃発後は、米国は全力で韓国を助けたのですけれど。さらに、金大中顧問は65年前と現在の類似を次のように指摘します。

  • 第2次大戦で戦費を使い尽くした米国の財政、対外介入に疲れ果てた米世論、「韓国と台湾を守る価値があるか」との懐疑、半分が共産化された朝鮮半島の状況、李承晩(イ・スンマン)大統領の強硬路線などが、米国に韓国から手を引かせた。
  • 今の米国の状況も似ている。軍備と対外介入の縮小、中国の勢力拡大、日本の価値の上昇、中国との極端な対峙の回避、韓国内の左傾化と終末高高度防衛ミサイル(THAAD=サード)配備などに見られる朴槿恵(パク・クンヘ)政権の二股外交が米国を疲れさせている。
  • 自国の防衛分担に消極的で、米国にただ乗りしようとする韓国への批判もある。だから米国が一歩後退し、日本を最後の防衛線と見なすのではないか、と憂慮せざるを得ないのだ。

朴槿恵の本心を察知する米国

—「朴槿恵政権の米中二股外交」を批判したのですか。しかし、金大中顧問は「二股」の提唱者だったはずですが(「 保守派も『米中二股外交』を唱え始めた韓国」参照)。

鈴置:2013年に朴槿恵政権がスタートした時は、確かに「二股」を主張しました。でも翌2014年7月の中韓首脳会談で、朴槿恵大統領が習近平主席と一緒になって日本の集団的自衛権の行使容認を批判した直後に、自身の主張を撤回し「米国回帰」を唱えました(「 『中国の属国に戻るぞ』と米国に脅された朴槿恵」参照)。

 金大中顧問から見れば、現政権は「二股」どころか米国から離れ過ぎ、あるいは中国に傾き過ぎ、ということでもあるのでしょう。今回のコラムでも、大統領の対米姿勢を批判しています。以下です。

  • 朴槿恵大統領は機会があるごとに韓米同盟の重要性を語る。しかし、本心からそう言っていると実感できたことはない。
  • 周辺国の事情や多様な国内世論を意識することもあろうが、大統領自らが親米的であるとか、米国への依存を認めることはしないようだ。米国だって、それを感知しないわけがないのだ。

訪韓しなかったオバマ夫人

—“第2のアチソンライン”が引かれる気配はあるのですか?

鈴置:金大中顧問は65年前との類似だけを根拠にしているわけではありません。米国から仲間外れにされそうな証拠として、シャーマン(Wendy R. Sherman)米国務次官の2月の演説をあげています(「 『米大使襲撃』で進退極まった韓国」参照)。

 同次官が「政治指導者が過去の敵を非難することで安っぽい拍手を得ようとすることは簡単だ。だがそれは前進ではなく麻痺を招く」と語ったのは「日本を非難し安っぽい拍手を得ている」韓国への警告だったと書いています。

 また、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人が3月に日本だけ訪問し、韓国には行かなかったことも、韓国が防衛線の外に追いやられる兆しとしています。

—そう言えば、オバマ夫人が来ていましたね。

鈴置:日本人からすれば、夫人の訪日はまさに「そう言えば」といった感じです。でも、韓国のメディアは隣国の話をけっこう大きく取り上げました。「韓国には来なかった」ことを気にしたからでしょう。

 まあ、仮にオバマ夫人が訪韓したくても、周囲が止めたでしょうけれど。訪日(3月18日)直前の3月5日に、反米民族主義者による米大使襲撃事件が起こっていたのですから。

日本は高く評価されたのに

—韓国人は「日本との扱いの差」をすごく気にしますね。

鈴置:実は金大中顧問のこのコラムの少し前に「米国から扱いを一気に落とされた」と危ぶむ、興味深い記事が韓国紙に載りました。

 韓国日報の「 米国、日本と比べ韓国にはますます冷ややかに」(2月24日、韓国語)です。書いたのはチョ・チョルハン・ワシントン特派員。ポイントを以下に翻訳します。

  • 米国務省は「韓米同盟」を「米日同盟」よりも1段階低い等級に扱う雰囲気だ。国務省が最近出した「2015年 韓米関係の現況」では「両国は長い間の友情と協力を共有している」と記している。
  • しかし、2014年にオバマ(Barack Obama)大統領が訪韓した際などに使った「韓米同盟は米国のアジア戦略の核心軸(Linchpin)」という表現は登場しなかった。
  • 一方、「2015年 米日関係の現状」では、米国の世界戦略を物心両面でサポートする日本を高く評価した後、米日同盟を「米国のアジア戦略の礎石(Cornerstone)」と規定した。

消えた「民主、人権、法治」

 「2015年 韓米関係の現況」の原文「 U.S. Relations With South Korea」(英語、2015年2月5日)を読むと、米韓関係に関しては「共通の価値観と利益を基にし、長い間、友情と協力を分かち合ってきた」との記述に留まっているのが分かります。米韓同盟についても「深く広範なグローバル・パートナーシップ」と記されているだけです。

 これを「2015年 米日関係の現状」の原文「 U.S. Relations With Japan」(英語、2015年2月4 日)と比べると、確かに見劣りします。

 後者では日米同盟を「礎石(Cornerstone)」と表現したうえ「共有された不可欠の利益と価値観を基にし、アジア太平洋の安定、政治的かつ経済的自由の尊重と増大、人権と民主体制をサポートし、個人と国家、国際社会の繁栄を担保している」と、称賛の言葉を長々と連ねているのです。

 韓国日報の指摘通り、この差は偶然ではないでしょう。オバマ大統領の訪韓時の「Joint Fact Sheet: The United States-Republic 0f Korea Alliance: Global Partnership」(2014年4月25日、英語)では「我々の同盟はアジア太平洋の平和と安全の核心軸(Linchpin)である」と規定したうえ「米韓両国は民主主義、人権、そして法治という価値を共有している」と謳いあげていたのですから。

 普通なら「2015年 韓米関係の現況」にも「民主主義、人権、法治という価値を共有」を入れるはずです。この10カ月で、米国の韓国に対する評価が大きく変わった――落ちたことは間違いありません。

 2014年10月に産経新聞の前支局長を起訴したうえ、出国停止にしたことが大きな「減点」対象となったと思われます。普通の民主主義国ではあり得ないことですし、米国務省も明確に懸念を表明していました(「北朝鮮にどんどん似てきた韓国」参照)。

礎石は4つもあるが……

—日米同盟が「礎石」とは知りませんでした。韓国人は大国から“称号”を貰うのが好きなのですねえ。

鈴置:ええ、新羅が唐の冊封体制に入った時からの伝統です。最近は「核心軸(Linchpin)」という言葉に思い入れがあるようです。

 米国は少し前までは、この言葉を日本との同盟に使っていた。しかし日本が民主党政権になって以降は、これを米韓同盟に使い始めた。韓国人は「米国が日本に与えていた“称号”を奪った。日本よりも上に扱われた」と大喜びしたのです。

 その後、安倍晋三政権になってからは、米国は日米同盟を「礎石(Cornerstone)」と規定しました。韓国風に言えば「再び称号を与えた」のです。

 でも、韓国外務省は「礎石(Cornerstone)は4つもあるが、核心軸(Linchpin)は1つである。依然として韓国が上の扱いだ」とメディアに説明していました。

 それが2015年版の「韓米関係の現況」で韓国は無称号に落とされてしまった。さぞかし、ショックだったでしょう。

「日韓称号変遷史」の研究

—そんな経緯があるのですか。日本ではほとんど知られていませんが。

鈴置:私も韓国メディアで「日韓称号変遷史」と言いますか「米国務省による格付けの変化」について勉強したのです。

 “教科書”の1つが中央日報「オバマ、安倍には『コーナーストーン』、朴槿恵には『リンチピン』……その意味は?」(2012年12月21日、日本語)です。

 日本人は「そんなことをいちいち気にするのはみっともない」と思うものです。でも今回、米国務省が「民主主義、人権、法治という価値を共有」との表現を、韓国の項に入れなかったことには注目すべきです。国際情勢を読む貴重な手掛かりになるからです。

 思い出して下さい。日本の外務省も3月2日に「HPの韓国に関する項」から「自由と民主主義など基本的価値観を共有する」との表現を削除しているのです。4月7日に閣議で報告された外交青書もこれにならいました。

 これを韓国人は異様に気にしています。新聞は「我が国をまた見下すのか」といったノリで日本を批判しています。韓国の外交官は「本意は何か」と日本の外交官にしつこく聞いてくるそうです。「ついに日本人を怒らせてしまった」と慌てているようです。

—そうでした。日本と米国がほぼ同時に韓国の「格付け」を落としたということになりますね。日米が“談合”したのでしょうか。

鈴置:その点は取材中です。現在、手持ちの情報では“談合”なのか、偶然なのか判断できません。ただ、日米の変化を注意深く見ている韓国人なら、不気味なものを感じているはずです。

 ほぼ同じ時期に日韓通貨スワップも終了しています。この時、米国が「日韓スワップを続けないと、韓国は2国間のドルスワップを失う」などと、説得に動いた形跡がまるでないのです(「韓国の通貨スワップ」参照)。

韓国の通貨スワップ(2015年4月現在)

中国 3600億元/64兆ウォン(約560億ドル) 2014年 10月11日 2017年 10月10日
UAE 200億ディルハム/5.8兆ウォン(約54億ドル) 2013年 10月13日 2016年 10月12日
マレーシア 150億リンギット/5兆ウォン(約47億ドル) 2013年 10月20日 2016年 10月19日
豪州 50億豪ドル/5兆ウォン(約45億ドル) 2014年 2月23日 2017年 2月22日
インドネシア 115兆ルピア/10.7兆ウォン(約100億ドル) 2014年 3月6日 2017年 3月5日
CMI<注> 384億ドル 2014年 7月17日  

<注>CMI(チェンマイ・イニシアティブ)はIMF融資とリンクしない場合は30%まで。 資料:ソウル新聞「韓国の経済体力は十分」(2015年2月17日)から作成

反米を煽った韓国紙

—1997年の通貨危機の際、米国は日本に日韓スワップの締結を許さなかったということでしたね。

鈴置:ええ、韓国にお灸を据えるためです。韓国にお仕置きをする時は日本も参加させる――という米国の手口から考えて、当時と今を重ね合わせて見る人も多いのです(「 『人民元圏で生きる決意』を固めた韓国」参照)。

 そして、先ほど話題になったシャーマン国務次官の異例とも言える警告。2月以降、米日両国が韓国に対し、これまでにない厳しい姿勢で接するようになっているのです(「韓国に厳しくなった米日」参照)。

韓国に厳しくなった米日(2015年2-4月)

2月5日 米国務省、韓国に関するHPの記述で「米韓同盟は中心軸(Linchpin)」を使わず
2月19日 ラッセル米国務次官補、産経前支局長の出国禁止に関し韓国に懸念伝えると日本に意向表明
2月23日 日韓、最後の2国間通貨スワップ枠(100億ドル)を延長せず
2月27日 シャーマン米国務次官「過去の敵を非難することで得た安っぽい拍手は麻痺をもたらす」
3月1日 朴大統領「慰安婦は必ず解決すべき問題。日本の歴史教科書の歪曲で関係悪化」
3月2日 日本外務省、韓国に関するHPの記述から「自由と民主主義など基本的価値観を共有する」を削除
3月4日 韓国国会議長、安倍首相の米議会演説に関し米下院議長に「日本の真の謝罪と行動が必要」
3月5日 韓国の反米民族主義者、リッパート駐韓米大使をナイフで襲撃、ほほに80針の傷負わせる
3月12日 米韓連合司令部「THAAD韓国配備に向け候補地を非公式に調査済み」と公表
3月16日 訪韓した中国の劉建超外務次官補「THAAD配備に憂慮」「AIIBに参加を」
3月16日 中国、抗日戦争勝利70周年記念行事に朴大統領を招待
3月17日 ラッセル米国務次官補「軍には北朝鮮の弾道弾の脅威に備えたシステムを考慮する責任」
3月18日 ミシェル・オバマ米大統領夫人、ファーストレディとして初の日本訪問(20日まで)
3月26日 韓国企画財政部「AIIBへの参加を決定。インフラ事業への参加拡大を期待する」
4月2日 朴大統領、来韓した民主党のナンシー・ペロシ下院院内総務に「慰安婦問題の解決は急務」
4月7日 日本、外交青書の韓国の項目から「自由と民主主義など基本的価値観を共有する」を削除
4月9日 カーター米国防長官が訪韓

 というのに3月5日、韓国は「米大使襲撃」という反撃に出てしまった。金大中顧問の今回の記事は事件に触れていません。しかし、この事件こそが「第2のアチソンライン」の引き金になったと判断しているのではないかと思われます。

 なぜなら、この事件は偶発的なものではなかったからです。シャーマン発言に対し、韓国社会が激高する中で起きた事件でした。

 韓国の多くのメディアは発言を妄言と決めつけ「シャーマン次官は直ちに釈明すべきだ」と報じていたのです。朝鮮日報も社説「米国務次官の誤った歴史発言、これは見過ごせない」(3月3日、韓国語)で反米感情を煽りました。

 一連の流れを米国人が見れば「韓国を守る価値や意味が果たしてあるのか」と、同盟に疑問を感じたでしょう。そして知米派の韓国人なら、容易に米国人のこの心境の変化を察したはずです。

「天才的な朴槿恵外交」の終わり

—日本では、韓国の「離米従中」により自分たちが大陸に向き合う最前線になる可能性が出てきた、との認識が広がっています。『中国に立ち向かう日本、つき従う韓国』という本が出たのが2013年2月――もう、2年以上前です。

鈴置:しかし韓国では、ようやく今それが――米国から捨てられるかもしれないとの恐怖が、活字化されたのです。

 少し前まで韓国メディアでは「天才的な朴槿恵外交により、米中の力を背景に日本を孤立させている」「米中双方から大事にされ、笑いをかみ殺すのが難しい」と小躍りする記事が定番でした。1年も経たないのに様変わりです。

 金大中顧問はコラムの結論部分で以下のように訴えています。

  • 今、東アジアで米国の存在感が弱まれば危険な事態が起こり得る。北朝鮮という好戦的な集団が身構えているのだ。加えて、我が領土への野蛮な欲望を隠さない中国と日本もいる。
  • 東海(日本海)に東と西を分かつ線が引かれようとしていることを、朴大統領は責任感を持って受け止めているのだろうか。大統領は将来に禍根を残してはならない。

馬耳東風だった大統領

—朴槿恵政権は「離米従中」路線を修正して、米国側に戻るのでしょうか。

鈴置:微妙なところです。確かに“第2のアチソンライン”を恐れる空気が韓国には高まってきました。しかし中国も「米国の言うことを聞けば核攻撃の対象だ」などと脅すようになっているのです。

—THAADと並び去就が注目されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)では、韓国は米国の制止を無視して中国側に付きましたしね(「『AIIB』で中国陣営に飛び込んだ韓国」参照)。

鈴置:2014年7月の中韓首脳会談の直後も、金大中顧問をはじめ韓国保守言論の大物が一斉に「離米従中」に異を唱えました(「『三面楚歌』にようやく気づいた韓国」参照)。

 保守運動の指導者の1人、趙甲済(チョ・カプチェ)氏は「日本の集団的自衛権の行使容認を批判すれば、米国から中国の使い走りと見なされる」との激しい口調で親中政策の軌道修正を求めました(「ルビコン河で溺れる韓国」参照)。

 しかし、この時も朴槿恵大統領は馬耳東風。その後も「離米従中」に邁進しました。だからこそ、今年になって米国の警告が相次いだわけです。

米国防長官の訪韓が岐路に

 4月9日、カーター(Ashton B. Carter)米国防長官が訪韓します。THAADについて「米国の言うことを聞いて在韓米軍への配備を受け入れるのか、中国の言いなりになって拒否するのか」と韓国に二者択一を迫るのではないか、と韓国人は恐れています。

 もしそうなれば「THAADに関し米国から何の申し入れもない」と言い逃れてきた朴槿恵政権も、ついに決断を迫られることになります。それはもちろん「これまで通り米国との同盟を頼りに生きるのか、中国側に行くのか」を決める決断になるのです。

4/7日経夕刊『中国「一人っ子政策」の歪み、男性の結婚難深刻』記事について

china traffickingこれこそ今そこにある“trafficking”ではないか。日本のメデイアも安倍首相の「人身売買」発言についてとやかく言うのであれば中国にもっと文句を付けたらどうかと思う。彼らリベラルの発想は時間と空間を超えて現在の正義・価値観を押し付けようとしているのでは。でなければ70年以上前に起きた事を現在の価値観で断罪できるはずもない。(事後法で裁くのと発想は一緒)。そうであれば空間の枠も超えて中国の人権抑圧、“trafficking”に対して声高に非難すべき。それができないのは臆病者、卑怯者と言われても仕方がない。我が身を安全地帯に置いて非難する輩と一緒。そういう連中の発言は信用するに値しない。

中国では外国から花嫁を拉致するだけでなく、国内でも当然のように拉致するビジネスがあります。

福島香織女史の2007年のブログです。

http://kaorifukushima.com/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%A5%B3%E6%80%A7%E4%BA%BA%E8%BA%AB%E5%A3%B2%E8%B2%B7/

次は、中国人が日本に来て驚いた最近の印象の記事です。サーチナの4/9「日本で「衝撃の待遇」!・・・中国人が語る「訪日録」=中国メディア 」と言う記事です。中国人も日本に来て日本人の日常生活の道徳的高さ(日本人は感じていません。当たり前のことですから。いつも言いますように「騙す方が賢く、騙される方が馬鹿」という価値観というか社会通念がある国民には驚きなのでしょう)に吃驚の様子。共産党とか蒋介石が言いふらしてきたことが如何にデタラメか少し考えれば分かるでしょう。戦争中の日本人が毛や蒋の言うような日本人だとしたら、今の日本人の行動は取れないでしょう。先祖から受け継いで今の日本人があるのです。よくよく自分の頭で考えてほしい。中国人の尻馬に乗る日本人も一緒ですが。

http://www.msn.com/ja-jp/news/world/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%a7%e3%80%8c%e8%a1%9d%e6%92%83%e3%81%ae%e5%be%85%e9%81%87%e3%80%8d%ef%bc%81%e3%83%bb%e3%83%bb%e3%83%bb%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e4%ba%ba%e3%81%8c%e8%aa%9e%e3%82%8b%e3%80%8c%e8%a8%aa%e6%97%a5%e9%8c%b2%e3%80%8d%ef%bc%9d%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%83%a1%e3%83%87%e3%82%a3%e3%82%a2/ar-AAaCCWS?ocid=LENDHP#page=2

記事

 中国の一人っ子政策による人口構成の歪(ゆが)みが、思わぬ波紋を広げている。男女比の不均衡が招く「結婚難」が“人身売買ビジネス”の温床となり、東南アジアに住む女性が次々と中国の農村地域に連行され、現地男性と強制結婚させられているのだ。中国で未婚男性を意味する「剰男(売れ残った男性)」という言葉が広がるなか、中国の結婚問題が国境を越えた影響を及ぼしている。 

■韓国行きが一転

 カンボジア南東部のプレイベン州。「再びカンボジアに帰れるとは思わなかった」。スレイ・パンさん(仮名、29)は今も1年前の「悪夢」を思い出す。昨年、彼女は親族から「韓国に良い仕事がある」と声をかけられた。地元の縫製工場で働いていたが、給与は当時の最低賃金水準である月100ドル程度。韓国の工場で働けば「月1千ドル稼ぐことができる」との誘いに心が動いた。

 昨年4月、仲介役の親族に手配を任せて渡航したが、なぜか到着した先は中国・上海。戸惑う彼女に現地ブローカーは「カンボジアには帰れない。中国人男性と結婚するんだ」と告げた。パスポートやお金などを取り上げられた彼女に、抵抗する手段はなかった。

 連れて行かれたのは辺ぴな農村。そこで初めて会った中国人男性と「結婚」させられた。言葉も分からぬまま、男性は彼女を「妻」として昼夜こき使い、ギャンブルに負けて機嫌が悪いと暴力もふるった。目を盗んで何度も逃げ出したが、地元警察は見て見ぬふり。それでも諦めず、ビザ更新を拒否し続けたことで中国に滞在できなくなり、最後は「どこへでも行け」と男性が諦めた。自国に戻れたのは昨年11月のことだ。

 カンボジアの非政府組織(NGO)、ADHOCは昨年7月、「中国に人身売買されたカンボジア女性」というリポートを発表した。2014年1~6月に同組織が介入した被害件数のうち、全体の約4分の1が中国向けの人身売買だった。「14年通年の被害件数は約50件。13年の同8件から大幅に増えている」と、ADHOC女性・児童人権局のチャン・ソクンティア主任は指摘する。

 カンボジアだけでなく、ミャンマー、ベトナムでも近年、中国で「強制結婚」させられた事例が数多く報告されている。なぜ、こうした被害が増えているのか。その理由を読み解くには、中国の人口構成を考える必要がある。

 1979年に一人っ子政策を始めた中国。働き手や後継者となる男児を求める傾向が今でも強い。この結果、男女の人口割合の不均衡が広がった。20年までに、中国の結婚適齢期の成人男性は女性よりも3千万人多くなると見込まれる。

■脱不均衡に時間

 農村部の「嫁不足」は特に深刻だ。そこで妻となる女性を、農村に「輸入」する人身売買ビジネスが拡大する温床が広がった。中国の結婚難が顕著になるにつれて、貧困女性の多い、東南アジアの新興国に被害が拡散したもようだ。

 中国では「剰男」「剰女」と呼ばれる、結婚適齢期を過ぎた未婚者が増え、婚活ビジネスが盛況だ。地方政府や国有企業が音頭を取る「お見合い大会」も開かれている。だが、都市部で働く独身女性に比べて、農村部の独身男性は概して収入が低い。収入格差によって結婚相手が見つからないという悪循環が起きている。

 中国政府は2014年から一人っ子政策の緩和にかじを切り、条件付きで第2子出産を認め始めた。将来は人口構成のゆがみが是正される可能性もあるが、男女比の不均衡が今すぐ解消されるわけではない。一人っ子政策の導入以降、1980~90年代に生まれた「80後」「90後」と呼ばれる若年世代は約4億人。彼らの「結婚難」は当面続く。

 中国のいびつな人口構成が招いた人身売買ビジネス。その根源を絶つには長い時間が必要だ。(企業報道部 伊藤学)

 ▼中国の一人っ子政策 中国政府が1979年、人口急増を抑制するために導入した。夫婦1組に子ども1人だけを認め、違反者には多額の罰金が科せられる。食料不足に備えて出産制限する狙いだったが、少子高齢化を加速させ、労働力不足など負の影響を招いた。

 このため中国政府は方針転換し、2014年に政策を緩和した。夫婦のどちらかが一人っ子なら第2子まで出産を認められる。緩和効果で年160万~200万人の出生数押し上げが見込まれる。

4/3高島 康司メルマガ『中国よ、何を考えている。AIIBの背後にある新シルクロード経済圏構想』と4/6冷泉彰彦メルマガ『中国投資銀、それでも日本が加盟を求められる理由は「中国はカネがない」』記事について

冷泉彰彦はアメリカ在住でリベラルな立場の人間です。日本人と言うよりはアメリカの国益を優先するタイプです。そういう風に見ると、今回のAIIBへの眼差しはクールです。アメリカの国益に反するからでしょう。分かり易いと言えば分かり易い。でも彼の言う様子見は正しいと言うか、ずっと入ることは必要ないと思っています。軍拡に熱を上げる中国を経済的に支援してどうするのか?宮崎正弘氏に言わせれば、中国国内の在庫処分のために他国へのインフラ投資促進するための銀行という事で、何で日本が中国にとって有利になることをしなければいけないのか訳が分かりません。日本のメデイアは狂っているというか座標軸がずれていて、軍事について全く無理解なため、そこまで頭を巡らすことができません。相手にしないことです。

鈴木氏の記事で見るべきところはカザフにロスチャイルド系銀行が投資していると言ったところです。ロスチャイルドとロックフェラーの争いという事でしょうか?でも「中国ーウクライナ友好協力条約」でウクライナが中国の核の傘に入ることをロシアが認めたというのは俄かには信じ難いです。1.同じ正教会の国で、ベラルーシと東スラブ3兄弟の国と言われている。2.軍事的にもウクライナはヨーロッパへの緩衝地帯。3.地政学的にウクライナが中国と同盟関係になればロシアは封じ込められる。今でもシベリアに中国人の入植が多くて困っているのに。でも米国覇権の延命を図っているというのは正しいでしょう。アメリカも基軸通貨を中国に奪われないためにはいろいろ画策するでしょうから。

高島記事

中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が世界に衝撃を与えています。一部では「アメリカの世紀」が終わり、中国の新しい秩序が始まると言われるなど、歴史的に大きな転換点となるかもしれません。世界の未来を独自の視点で斬る「未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」のヤスさんは、その先には「中華経済圏」という野望があると言います。

中華経済圏の出現、新シルクロード経済圏構想

アメリカの圧力にもかかわらず、中国が立ち上げた「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」には多くの国々の参加が殺到し注目されている。50カ国以上が創設メンバーとして参加することが決まり、これからこの組織がアジア全体のインフラ投資のひとつの重要な機軸になることがはっきりした。

当面は参加しないことにした日本も、数カ月後には圧力に押され、参加せざるを得ない状況におかれるだろうとの観測が強い。

新シルクロード経済圏構想

AIIBは、平均成長率が6.6%で世界経済のけん引力となっているアジアのインフラ投資を加速し、さらなる成長を実現するために創設された機関だ。しかしながら、AIIBの創設の背後には、中国による「中華経済圏」とも呼べるような、新しい経済圏の構想があることは意外に知られていない。AIIBとは、この構想を実現するための機関であると見られている。

その「中華経済圏」構築に向けた計画こそ、「新シルクロード経済圏構想」である。これは、中国から中央アジアと中東を通ってヨーロッパまで至る鉄道を付設する陸路のシルクロードと、中国からインド洋を経由してペルシャ湾と紅海まで至る海のシルクロードという2つの交易路を整備する壮大な構想だ。

これが完成すると、中央アジア、中東、そしてヨーロッパのユーラシア全域の貿易が活性化し、この地域で最大規模の中国経済の影響力が、ユーラシア全域にまで及ぶことが期待されている。

すでに一部が完成している鉄道路線

「新シルクロード経済圏構想」は、これから実施が計画されているプロジェクトではない。すでに昨年の11月には、中国東部の工業都市、義烏とスペインのマドリッドを結ぶ貨物路線が開通している。これは、シベリア鉄道よりも長い1万キロの世界最長の鉄道路線である。

さらに、工業都市の重慶からドイツのデュースブルグを結ぶ路線は開通しており、今後、北京とモスクワを結ぶ7000キロの路線や、中国の諸都市をトルコ経由でヨーロッパ各国の諸都市と結ぶ路線も計画されている。

このように「新シルクロード経済圏構想」はすで走りだしており、これから計画が作られるというものではない。AIIBには、この構想の実現に向けて資金を調達する目的があると見て間違いないだろう。その意味ではAIIBは、「中華経済圏」の構築に向けて設立された機関としての目的を有している。

ハブとなるカザフスタン

そして、こうした「新シルクロード経済圏構想」の鉄道網の重要な中継地となっているのが、中央アジアのカザフスタンだ。カザフスタンの首都、アスタナには投資が集中的に集まっており、見たこともないような近代的な都市が出現している。以下のYouTubeで見ることができる。

ちなみにカザフスタンの新都市建設には、ロスチャイルド系の金融機関が支援していると言われている。

もうひとつのハブ、クリミア

さらに、中国とヨーロッパを結ぶ路線のもうひとつのハブが実はクリミアであった。周知のようにウクライナは、2014年2月に親ロシアのヤヌコービッチ政権が抗議運動で打倒され、親欧米の政権が成立した。この政変は自然に発生したものではなく、米ネオコンと軍産複合体、ならびにウクライナの極右勢力が画策したものであったことはよく知られている。

ところがヤヌコービッチ大統領は、政権が打倒される直前、北京で習近平主席と会い、「中国ーウクライナ友好協力条約」を調印していた。これは、中国がクリミアに100億ドルを投じてインフラ整備などを行い、クリミアを「新シルクロード経済構想」のハブとして整備する計画であった。それには、ロシア黒海艦隊の母港、セバストポリに大型港を新たに建設し、それを「新シルクロード経済構想」の鉄道網につなげる計画も含まれていた。

さらに「中国ーウクライナ友好協力条約」には、ウクライナが核の脅威に直面した場合、中国が安全保障を提供するとの一節が含まれていた。これはウクライナが、事実上中国の「核の傘」に入るとも受け取れる条項である。

このように中国とウクライナの関係は、水面下で同盟関係にまで発展しつつあった。そして、中国とウクライナの緊密な関係を、ロシアは肯定的に評価しており、中国に対抗する意思はまったく見せていなかった。むしろロシアは、「新シルクロード経済圏構想」をユーラシアにおける中露同盟の一環として認識していたふしがある。

金融資本の支援

さて、カザフスタンの首都、アスタナの建設のみならず、「新シルクロード経済圏構想」全体が中国単独ではなく、ロスチャイルドのみならず、欧米の名だたる金融資本が積極的に支援していることは、筆者が情報交換している外資系シンクタンクやコンサルティング会社のアナリストたちが、口をそろえて指摘していることである。

ロスチャイルドをはじめとした欧米の金融資本は、成長限界にきたアメリカの覇権の秩序から、これからも高い成長が期待できる中国を中心とした新しい秩序への転換を行う計画だと言われている。もしこれが事実であれば、「新シルクロード経済圏構想」は、まさにこのような意図をもつ欧米の金融資本による新しい秩序を反映した構想と見ることができる。

アラブの春、ウクライナ政変、イスラム国

さて、このように見て行くと奇妙なことに気づかないだろうか? ウクライナ政変によって、「中国ーウクライナ友好協力条約」は現在頓挫した格好になっている。また、ウクライナ東部の親ロシア派とキエフの政府軍との内戦の影響で、クリミアを「新シルクロード経済圏構想」のハブとする構想は進んでいない。

ウクライナ政変は自然に発生したものではなく、米ネオコンと軍産複合体が画策したものであることは、あまたの証拠から明らかだ。とするなら、ウクライナ政変を画策した目的のひとつは、「新シルクロード経済圏構想」という「中華経済圏」形成に向けた動きをつぶし、米国覇権を延命させることにあったのではないだろうか?もちろん、これが目的のすべてではないだろうが、目的にひとつである可能性は高い。

さらに、2010年12月に始まった「アラブの春」は、米国務省の意図で結成されたNGO、「CANVAS」が深く関与し、中東各地の騒乱を指導したことも明らかになっている。

また、最近注目を集めている「イスラム国」の活動には、米軍とイスラエル軍が深く関与し、支援している実態はすでに広く知られるようになっている。

「アラブの春」や「イスラム国」が招いた結果は、中東全域の混乱状態であった。過去の記事に何度も書いているように、これには、中東を小集団に分裂させることで、イスラエルに挑戦する国家を周辺地域から消し去るというオデット・イノンの「大イスラエル化計画」があった。

しかし、混乱している中東の一部の地域には、「新シルクロード経済圏構想」の鉄道路線、ならびに中国からの海路の拠点港となる地域が含まれている。今回の中東の混乱状態で、計画の一部は進まなくなっているに違いない。

このように見ると、「アラブの春」、「ウクライナ政変」、「イスラム国」など米国務省や軍産複合体が関与して仕掛けた一連の出来事は、やはり中国の「新シルクロード経済圏構想」を挫折させて中国の覇権化を押さえ、米国覇権を延命させる目的があったのではないだろうか?

冷泉記事

中国が主導して設立されるアジア・インフラ投資銀行。日本は参加しておりませんが「置いてきぼりをくうのでは?」と心配しております。アメリカ在住の作家・冷泉 彰彦さんは自身のメルマガで読者からの質問に答える形で、「心配無用」と斬っています

アジア・インフラ投資銀行、日本は加盟をしなくても大丈夫?

—中国はアジア・インフラ投資銀行(AIIB)に日本が加盟するように誘っています。

参加すれば中国に屈することになりますし、かといって日本とアメリカだけが「カヤの外」というのも、置いて行かれるようで不安です。どうすべきなのでしょうか?

冷泉 彰彦の回答

余り深刻に考えることはないと思います。

AIIBというのは銀行ですから、カネを貸して戻ってくれば生き延びますし、貸したカネが焦げ付いて戻ってこないようですと、倒れてしまいます。

では、どうして中国は多くの国を誘っているのでしょうか?

それはカネが足りないからだと思います。

覇権を広げるためには子分になる国にカネを融資しなくてはなりません。

ですが、カネが足りないし、万が一の場合に融資が焦げ付いた場合に、自分たちだけ困るのはイヤなわけです。

こういう言い方をすると語弊があるかもしれませんが、下手をすると失敗した「新銀行東京」のような話になる危険性もあります。

またAIIBが世銀やIMFあるいはADBなどと協調して「リスクを広範囲で受け止めれば」安全かというと、例えばリーマンショックやギリシャ危機のように、「カネの凹みが巨大」になると、広く薄く「仲良し同士がお手てつないで」いても、その仲良しグループ全体が穴に吸い込まれてしまうわけです。

そんなわけで、余り深く考えずに、通常の経済行為、投資活動として妙味があれば参加し、危険性が大きければ最初からは入らないでおいて、タイミングを見計らって白馬の騎士のように「後だしジャンケン」で行けば良いのではないでしょうか?

同時に、韓国が入ろうが、欧州が軒並み入ろうが、余り気にしないことです。

高山正之著『アジアの解放、本当は日本軍のお蔭だった!』について

高山氏の話は本で読んでも、講演を聞いても面白いです。快刀乱麻と言うのがピッタリです。いつ読んでも思うことは、白人、特にアメリカ人の残虐さは群を抜いています。そうでなければ原爆投下は絶対できないでしょう。Limited war からAll out warに変わったのも南北戦争からと言われています。要は強姦・略奪・殺人何でもありです。口ではきれいごとを唱えながら、裏では悪いことを平気でできる人達です。選民意識の強い人たちです。ヒトラーを悪く言えません。同類です。しかし、「世界は肚黒い」のは当り前です。日本はこれに中国と朝鮮半島があるのですから大変です。防衛を考えると米国と手を結ぶしかありません。100年後は分かりませんが、現時点と近未来に於いては別な選択肢は採れません。アコギな共産主義の国とは手を結べませんので。

しかし読めば読むほど白人の人種差別はヒドイ。それが表向きは「そんなことはありません」みたいなフリをする訳ですから。中国・韓国も似たり寄ったりです。中華・小中華ですので。東夷西戎南蛮北狄の考えを持っています。福建省は閩南で門の中に虫がいる意味です。倭は漢和辞典では「背が曲がって丈の低い小人の意」とあります。閩より人間扱いしているからまだ良しとしないといけないのかもしれませんが。しかし、こんな国に道徳的に劣っているとは言われたくありません。

他の章も面白いので是非買うか借りるかしてお読みください。

内容

第10章「白人はいつも肚黒い」

【残忍比べ】

毎年八月十五日が巡ってくると日本の新聞は先の戦争を振り返って特集を組むのが一つの形のようになっている。二十世紀はまさに日本の世紀だった。白人が君臨し、そして世界を支配する形を日本が崩したからだ。その流れを止めようとする白人国家と日本の対決が二十世紀の半ばにあった「先の戦争」だった。

そのあとオーウェン•ラティモアの言葉を借りれば白人国家は日本国中を焼き払い、カルタゴと同じに塩を撒いて消滅させたかった。ただローマ時代とは異なるから、そう堂々と民族浄化作戦は取れない。「軍隊も取り上げ無抵抗な農業国に落とす」はずだったのが、気がついたら世界第二位の経済大国に成長していた。先の戦争は何だったのか 十分に振り返って検証する意味はある。

その意味の特集なら分かるが、例えば朝日新聞の「化学兵器廃棄始まる」。日本軍が毒ガス兵器を使った、そのまま遺棄した、と言わんばかりの「日本の大罪」後遺症を取り上げる。コラムでは山ロ瞳の「わが生涯の幸運は戦争に負けたことと憲法九条に尽きる」という言葉をただ意味もなく書く。

日韓併合百年では「日本は朝鮮半島を支配し、言葉や名前も奪った」の見出しをつけた。 「世界の僻地」(黄文雄『近現代史集中講座』)だった半島に文化の火を灯したのは日本だ。 支那にかぶれ、支那語に創氏改名した民族が今度は勝手に日本名を名乗った。そういう検証もしない。一刀両断で日本を「大罪を犯した者」と断ずる。

何が嬉しくて日本を貶めるのか、その心理行動を聞きたいぐらいだが、実はこの謂れない日本非難は朝日新聞だけではない。『ニユーヨーク・夕イムズ』もまた終戦記念日を前に広島原爆についてフイリピンの作家F ・シオニル・ホセに「マニラに進駐してきた日本軍兵士にひっぱたかれた」「マニラを破壊した」と日本軍の残忍さを回顧させ、だから「広島原爆は当然だ」と、朝日新聞と同じ論調で日本の大罪を告発していた。

日本人の名誉のために言えば、マニラを無差別に破壊したのは帰ってきたマッカーサーの部隊だ。日本軍はフイリピン人の家を接収することもせず、市内の競馬場に宿営し、大方は米軍の侵攻前に市外に出ている。

夏が来ればこのフイリピン人作家に再びの出番はあるだろう。そのときのために一つ忠告しておきたい。バターン死の行進の被害者というレスター・テニーの自伝を読んだほうがいい。テニーはM3戦車でバターンに退却中「フィリピン人と日本人の区別がつかない」から通過する村々を片っ端から破壊し、動くものはすべて殺した、つまりべトナムのソンミ村事件と同じことをやったと書いている。ピン夕よりひどいことをした。

あるいは米国が二十世紀初頭、この作家の国に侵攻したときの米上院公聴会の記録も読むがいい。そこには戦争倫理を一切かなぐり捨てた米軍がフィリピン人捕虜に泥水を飲ませる拷問や、毎日、急所を外して一発ずつ銃弾を撃ち込み、苦しませて五日目に殺した処刑記録が山とある。バタンガス、サマールでは住民を皆殺しにし、「低めに見て二十万人は殺した」と公聴会の記録は結ぶ。

『ニユーヨーク•タイムズ』はいくらでも米国に媚びるアジア人作家を抱え、折を見て「日本の大罪」を捏造させる。白人記者も折あるごとにもっと陰湿な「侵略国家•日本」 の告発記事を書く。

【マイク.ホンダとは何者だ】

九○年代、つまり載後半世紀たったころ、米国特派員に出た。そのときに一番驚いたのが、『ニユーヨーク•タイムズ』の陰湿な書き方だった。ごく普通の社説に「朝鮮」という単語が出てくると必ず「日本の柄民地だった( where Japan once colonized))という枕詞をつけていた。別に戦前の話ではなく、今、進行形の北朝鮮の飢餓についての論評だ。 同じように「東南アジア」が出てくれば「かつて日本が残虐行為を働いた(where Japan had conducted atrocities) 」とつける。

オランダは四百年インドネシアを植民地にしながら、学校も病院も作らなかった。フランスはベトナムで学校の代わりに刑務所をつくり、薬の代わりに阿片を売り付けた。彼らはそれを植民地と呼ぶ。日本は朝鮮に学校を作り、病院を置き、鉄道を敷き、電気を通した。それを植民地という一言で日本もまた朝鮮を残忍に搾取したという印象を故意に植え付けようとしていた。

これは『ニユーョーク.・タイムズ』に限らない。『ロサンゼルス・タイムズ』も英紙『インデイペンデント』も同じだ。そしてこういう新聞が一番大きく書き立てるのが、日本軍の従軍慰安婦と南京大虐殺、そして東南アジアでの残虐行為だ。

南京では日本軍は掠奪をほしいままにして六週間にわたって市民を毎日七千人ずつ殺し続け、ニ千人の女を毎晩強姦したことになっている。それなら強姦につきものの日本人の子種を宿した妊娠騒ぎがあっていい。現に韓国兵が出たベトナムでは三万人もの混血児を残しているが、南京に日系混血児は一人もいない。三十万人分の骨も出てこない。 目撃者もなぜか「ニユーヨーク・タイムズ」の記者と米国人教授とオ-ストラリア人の 『マンチエスター・ガーデイアン』紙の記者に限られる。オ-ストラリアといえば米国におべっかを使う元囚人国家だ。

従軍慰安婦は吉田清治の慰安婦強制連行の嘘を参考にして朝日新聞の植村隆記者が捏造した。「日本軍が無辜の朝鮮人女性を強制連行して戦場で将兵相手の慰安婦にした。 女子挺身隊と呼ばれた」と書いた。実際は朝鮮人女衒が置き屋に売った。

それをまたオーストラリアのジャーナリストが増幅し、米下院議員マイク・ホンダが 「日本軍はアジア女性二十万人を性の奴隸にした」ことにして非難決議案まで出した。 この男は創氏改名でホンダを名乗っているようにも見える。

「東南アジアでの掠奪と残虐行為」も新聞では日本の枕詞に使われるのに、まったく真実味に欠ける。前述したようにフイリピンで目を覆う残虐行為を働いたのは米国人だ。ベトナム人を阿片漬けにしたのはフランス人だ。インドネシア人女性を裸にして鞭打ち、 傷口に辛子を塗ったのはオランダ人だ。わずかにシンガボールで日本軍は華僑を殺した。

華僑のリー・クワンユーがそう言い立てるが、彼自身が認めるように日本軍がマレーに上陸すると、華僑は白人のご主人様英国について戦った。インド兵などと同じだ。

しかし英軍が負けると華僑の一部はタイに逃げ、残りは兵装を解いて無辜の市民を装った。いわゆる便衣隊だ。逃亡兵よりあくどい。狩り出されて処刑されるのは戦時法では当たり前だ。日本軍はしかし全員は殺さなかった。リー・クワンユーはじめ多くを見逃してやった。結果的にそれが仇になった。彼らは戦後、被害者面し、あることないこと吹聴してマレー人の海に浮かぶ島シンガポールに居座って支那人の素性を隠し、 マレー語の国歌を歌い、キリスト教とイスラム教の祭日を休日として「シンガポーリアン」を名乗る。虐殺を言い立てる彼らの言葉にはあまりにも嘘が多い。

【支那人みたいなロ本人像】

だいたい東南アジアは欧米列強が長い間、残忍な統治をしてきた現場だから、日本を非難するにはそれらしい事件を捏造しなければならない。知恵がない彼らに代わってそれをやってきたのが朝日新聞御用達の大学教授、林博史みたいな連中だ。

彼はマレーの華僑から「日本軍は赤ん坊を投げ上げ、銃剣で刺した」という話を拾ってきて日本軍の大罪に付け加えた。「赤ん坊を云々」は第一次大戦のおり、ドイツ軍がブリユツセルの産院を襲って妊婦を強姦し乳児室の赤ん坊を放りあげ銃剣で刺したという話と酷似する。

ドイツ軍はまた「将来の敵になるベルギー人の男の子を見つけると片端から手首を切り落とし、銃が持てないようにした」といわれ、それが米国参戦の口実になった。

米国の参戦でドイツは敗れたが、戦後、この残虐行為を検証したら「赤ん坊を銃剣で」も「子供の手首切り落とし」も「英国の作り話」(アーサー・ボンソンビー『戦時の嘘』)だ た。インデイアンを虐殺し、黒人奴隸を昨日まで使っていた米国が人道などちゃんちゃらおかしいが、 おかしいだけあって、参戦のロ実もインチキだったわけだ。

実は湾岸戦争の折にもこの「赤ん坊を銃剣で」話を目撃したという少女が米議会公聴会で証言した。やっぱりイラク軍は獣だと。戦後の検証で少女は在米のクウエート外交官の娘で、証言も作り話と判明した。

しかし嘘と分かっても、それがどうしたみたいに誰も何の反応も示さず、イラク軍の不名誉はそのまま放置された。

いわば定番の嘘といっていい。それを日本兵がマレーでやったという。そういう話を聞けば林博史はまず日本人の名誉のために華僑が嘘を言っていないか、該当する日本の部隊名はどこか、生存者を捜して話を聞くとか、華僑よりバイアスのかかっていないマレー人の目撃者はいなかったかとか、きっちり検証作業をするものだ。個人的な体験で言えば嘘を言わない華僑になど会ったこともない。しかし彼がそういう検証をしたという話は聞かない。

東テイモールは中立国ポルトガルの植民地で住民と日本軍とのトラブルは皆無だったが、ここで日本軍が島民を掠奪し五万人を殺したと早大教授後藤乾一が朝日新聞に書いた。朝日は日本の悪口ならどんな噓でも歓迎した。この話は米タイム誌の年鑑『Time Almanac 2006』に「日本軍の占領期間に五万人の島民が死んだ」と転載された。日本はやっぱり残虐だったと。

しかし島民はポルトガルの圧政下でふんどし一丁の暮らしをしていた。鋸も鎌も反抗の武器になるからと所持も禁止されていた。日本軍が彼らから掠奪するとしていったい何を奪ったというのか。この話は後藤乾一がオーストラリア人外交官ジエームス・ダンに「戦後、島民の人口が減っている」といわれ、それで創作したことがやがて判明する。

しかし宗主国のポルトガルですら人口調査をやっていない。いい加減な豪外交官の言葉に何の根もない。むしろ日本人と島民は友好的で侵入してくる豪軍間課を日本軍と島民が「協力して捕え、彼らの暗号を使って偽情報を出し続けた」(兵卒として進駐していた山下信一元昭和女子大教授)という証言すらある。

日本の悪ロなら何でも大歓迎の『タイム』誌もさすがに後藤論文が全くの虚構と知って二○○七年版ではボツにしている。

『ニユーヨーク・タイムズ』は「東南アジアで日本軍は残虐な行為をした」と半世紀、日本の枕詞にしてきたと前に述べた。ただ枕詞に使うだけで具体的な実例はない。結局、朝日新聞記者や朝日のお雇い学者がそれらしい話を捏造するのを待って、それを米国側が利用してきたという構図が浮き出てくる。

なぜそこまでして「殺戮と掠奪と強姦をほしいままにする」支那人みたいな日本人像を描きたがるのか。

【米軍と支邯人の残忍さ】

日本人にしてみればそういう嘘を並べたがる彼らの感覚が不思議でならない。前述したフイリピン植民地化の折に見せた米軍の行動はまさに残忍の極みをゆく。彼らの戦術は南北戦争当時の北軍将軍ウイリアム•シャーマンのそれを範としている。戦争とは相手の軍を負かすだけでなく銃後を守る兵士の妻子までやっつけ、相手民族を滅ぼすことにあった。

これは約一千万人いたアメリカインデイアン浄化作戦で実施され、彼らの九五%が淘汰された。彼らが共棲していた数千万頭のバイソンも糧道を断つ目的でほぼ淘汰した。 フイリピン平定も同じ。米国の植民地化に抵抗したアギナルド将軍以下の独立義勇軍は一万八干人だったが、米軍が殺したのは公称二十万人、実際は数十万人に及び、その多くはアギナルド軍兵士の家族だった。

米軍の残忍さは圧倒的だ。世界が認めるその残忍な国民が、「いや日本人のほうが凄い」と嘘を並べて謙遜している。それが分からない。

支那もその点では引けを取らない。彼らの残忍さに日本人が初めて遭遇したのは日清戦争だった。牙山で敗れた支那軍は漬走を始めるが、「逃げながら朝鮮人の家々に押し入り、掠奪、強姦、虐殺をほしいままにした」と日本軍と行動していた仏フイガロ紙カレスコー記者が記録している。支那人の残虐さに日本兵は驚いていたと。

金州城では日本軍の三倍の勢力を持った支那軍が攻めてきたが、反撃され死傷者を残して逃げた。入れ替わるように支那人農民が現れ、死者の衣服をはぎ取り、息のあるものは殺して所持品を奪っていった。

土城子の戦いで日本軍斥候を捕らえた支那兵は「日本兵の耳を削ぎ、鼻を削ぎ、さらに顔の皮を剥ぎ、男根を切り落としたうえで、鈍刀で首を切り落とした」と秋山好古の副官が報告している。

その支那人がこれまた根拠なく「日本人は残酷だ」と米国と口裏を合わせる。 彼等は敵が残忍な手法を仕掛けたらもっと残忍な手法で仕返ししてきた。シャーマン将軍は騎兵隊がやられた報復にインデイアンの妻や子を残らず殺させた。蒋介石も毛沢東も残忍にはより残忍で応じたが、ただ日本だけは違った。

いい例が日清戟争の最中に出された第一軍司令官山縣有明の訓辞だ。

「(敵)軍人といえど降る者は殺すベからず。然れどもその詐術(降参したふり)にかかるなかれ。かつ敵国(支那)は古きより極めて残忍の性を有す。誤って生擒(生け捕り) に遭わば必ず残虐にして死に勝る苦痛を受けついには野蛮惨毒の所為をもって殺害せらるるは必然なり。決して生擒する所と成るべからず。むしろ潔くー死を遂げもって日本男児の名誉を全うすべし」

後に東條英機の戦陣訓の一節「生きて虜囚の辱めを受けず」となったとされる訓示だが、徒に死ねと言っているのではない。支那人のような常軌を逸した残忍な民族相手でも日本側は正々堂々と戦え、そういう相手だから手を上げて降伏するな、むしろ死ぬまで戦えといっている。

相手と残忍さを競わない、残虐行為はするなと訓示している。日本軍はこの精神でもっと残忍な米軍とも戦った。こんな宣言をする軍隊は他にない。日本の戦争観がよそのどの国ともまったく違うことの証左だろう。

【掠奪に加わらなかった日本軍】

戦争は自国権益保護という表向きと掠奪と強姦という裏の面があって初めて成立してきた。掠奪強姦は命をかける兵士へのインセンテイブ、当然の報酬だった。それがなければ兵士は動かないとアラビアのロレンスことトーマス・ロレンスが自伝に書いている。 彼はベドウインの兵士を率いてオスマントルコ支配のダマスカス攻略に向かうが、ベドウインはゆく先々で村を襲う。そこで掠奪と強姦を心ゆくまで堪能しない限り動かない。大きな街を襲うと「また二週間は足止めか」と嘆くセリフが繰り返し出てくる。

そのべドウインが信ずるイスラムの教えは戦争中の掠奪は当然のことと規定し、ただ掠奪品は公平に分けろとあるだけだ。

これはキリスト教徒も同じ。十三世紀、十字軍は東方正教会の都コンスタンチノープルを襲って陥落させると「恒例により兵士に三日間の掠奪を認めた」と歴史書にある。 清朝の末期、義和団の乱が起きた。日本のほか英米仏独.露など八カ国の軍隊が出て義和団と清の軍隊に包囲された北京の各国公館を解放した。籠城戦で見せた日本の柴五郎中佐の奮戦はビクトリア女王を感激させ感状をときの林薫公使に伝達している。

戦いが終わった後、八カ国連合軍の総司令官だったドイツのワルデルゼー将軍が北京に入る。国王ウイルヘルム二世に宛てた報告書には「各国軍隊に三日間の掠奪を許可した。そのあと(今度は将兵の)私物とするための掠奪を許した。この破壊と掠奪による支那の損失の詳細な数量は永久に調べがつかないだろう」とある。

支那の歴史教科書にはその掠奪のひどさについて永楽大典(明代の類書=百科事典)の消滅など文化財の喪失に加え、「財務省の金蔵、銀庫、金庫はすべて盗まれ、放火された」とある。

これが二十世紀の入口で起きた。ドイツ人も英国人も喜んで掠奪に加わった。中でもロシア軍はリネゥイツチ将軍自ら掠奪して回った。何より驚きなのは三日間の掠奪が国家のためで、そのあとに兵士の個人的な掠奪が別にあるということだ。それを白人国家は当然のようにやった。

二十一世紀に入ってのイラク戦争のおり、陥落したバグダッドの博物館が掠奪にあってシュメール文化の貴重な文化財が奪われた。盗品の多くはやがて米国の空港や港で発見された。米軍人やジャーナリストが盗んで持ち帰ったものだった。掠奪のDNAが彼らの血にしっかり組みこまれている。

日本の名誉のために言えば、日本軍は北京の掠奪には加わらず、紫禁城を守り、金蔵を押さえたが、これは清王朝の財政を保全する目的だった。日本軍が仕切った区域は治安が行き届き、多くの支那人が白人の暴虐を逃れて避難してきた。

こうした掠奪とほぼ一体なのが強姦になる。支那人と米国人が合作した南京大虐殺も虐殺と掠奪だけあって強姦がないのはおかしいから無理やり「南京の安全地帯で二千人が毎晩強姦された」ことにした。それは彼らの描く戦争の形だからだ。

しかし強姦はそんな付随的行為として描かれるべきものではなく、歴史を見ればむしろ最も有効な征服の手段とされてきた。

【マヤ族の悲劇】

例えばマヤだ。彼らの文化には高度な建築学や天文学が生きていた。しかし現在その片鱗すら生き残っていない。 マヤは今グアテマラ国境のジャングルにいて焼き畑農業を営んでいたが、最近の定住化政策で幾つかの村をつくった。チアパスに近いそんな村でほとんど日本人にしか見えない少女をインタピユーしたことがある。

十六世紀、スペイン人が侵攻し、多くのマヤ族は殺され、女は犯された。彼女の祖先はジャングルに逃げ込み、それから五百年、マヤの血を守った。純粋のマヤ族だった。

女はそんな祖先を「恨む」といった。もし逃げずに祖先がスペイン人に犯されていれば、白人の血が入ったメスチソ(混血児)になれた。「そうだったら堂々と街に降りて、 メキシコシテイのハードロックカフェにもいけたのに」なまじインデイオの純血を保ったためにこんなところで一生を終えるのだと。

黄色くてもいいじゃないかと慰めたが、彼女には慰めにもならなかったようだ。 このときの通訳はかなり白人の血が濃いメスチソだったが、このインタピユーのあとしみじみ「私たち上等なメスチソも」と言った。「赤ん坊が生まれるときはものすごく心配する」。「上等なメスチソ」にも何パーセントかのマヤの血が混じる。それがなんかの拍子に先祖返りみたいに出てくる。「インデイオの血が濃い顔つきだと、いい学校にもいけない。いい就職口もなくなる」。さっき彼女の言ったハードロックカフェは「少しでもインデイオっぽいと入れてくれない」のだと。あの輝かしい文化を持ったマヤは滅 び、その民の末裔はマヤであることに嫌悪さえ見せる。

実はこれに似た話をテへラン特派員時代に聞いたことがあった。支局に出入りしていたタクシー運転手の姉が出産した。助手のマスゥッドが「そうか。何色だった」と即座に聞いた。運転手は嬉しそうに「白だ」と答えた。助手はそこで改めて男の子か女の子を聞いた。

それを糺すと「あなたには答えにくいが、イランはアーリア系民族で国名もそこから来ている。しかしネファベントの戦いでササン朝ペルシャが敗れ、薄黒いアラブ人に支配された」。軽蔑するアラブ人の血が少し人ったという意味だ。そして十三世紀にはフピライの弟フラグが攻め込んでイル・ハン国をつくる。治世は百余年続くが、「モンゴル人はこのとき徹底的にぺルシャ人の血を汚した」。

「血を汚す」という表現が少し引っ掛かったが、要するにアーリア系民族にモンゴロイドの血が混じった。それがたまに出てくる。目の細い黄色い子供が生まれる。メスチソの通訳と同じ。だから赤ん坊が牛まれればまず色を聞くのだという。

実際、そういう例はあるのかと聞くと、頷く。彼等は家族からも差別され、まともな就職口もなければいい結婚もできない。「イランでは最低の職業がパン焼き職人だ。炭を熾した壺でパンを焼く。暑くて辛くて低賃金で知られる。その職人はほとんどが一目でフラグの末裔と分かる」と。

同じイラン人でも征服者の血を巡って嫌悪と差別が生まれる。それが少数の場合は小さな偏見で終わるが、その度合いが大きければ国家としての団結力、求心力にも問題を生むことは容易に想像できる。

ハイチがいい例だ。フランスが黒人奴隷を入れて砂糖とコーヒーのプランテーションをここにつくった。しかしナポレオンの時代に採算が取れなくなり放棄される。それが初の黒人国家として独立した。奴隸出身という虐げられた境遇をばねに強い団結力を誇るのかと思ったら、成立から現在に至るまでハイチ人同士の信じ難いほどの残忍な殺し合いが続いている。

理由は人口の三〇%ほどが白人混血、いわゆるムラートで、彼等は白人の血を誇り、祖国フランスを崇め、フランス語を国語に採用した。フランス人は彼らに教育など便宜も図ってやった。彼等は見た目は同じなのに純粋黒人を見下し、それがもとで対立している。白人の身勝手に団結して抗議し、奴隸植民地の歴史を償わせるという動きは生れようにも生まれてこない。

強姦は掠奪のついでに行うものではない。強姦はその民族の純血性を奪い、それによってマヤのように滅びるかハイチのように永遠の混乱をもたらす破壊力も秘めている。

先の大戦でスラブ人や夕タール人で構成されるソ連軍はエルべ川を渡ってドイツ領に入ると率先して強姦を兵士にやらせた。

アントニー・ビーヴァー『ベルリン終戦日記』にその辺は詳しいが、ドイツ全土で約 二百万人の女性がソ連軍に凌辱された。

よく引用されるが、産院を兼ねた修道院ダーレムハウスでは修道女、妊婦から付き添いの女性まですべてが犯された。第一次大戦のときに英国がデマで流した産院の凌辱そのものをソ連軍は実際にやった。

統計がしっかりしているのはべルリンで、ここでは十三万人が犯され、うち九万ニ千人が市内のニつの病院で手当てを受けた。うちニ万人が不法妊娠していて、多くが中絶手術を受けたが、約ニ千人が出産している。

【日本の純粋さ】

日本に進駐した米軍も最初に要求したのが女だった。性の防波堤として三業地の女性らが文字通り挺身して米国兵の相手をした。

ビルマ、シンガボールでは日本の慰安所をそのまま連合軍が接収して連合軍兵士用に継続利用している。

しかし日本に入った米兵は日本政府に用意させた慰安所だけでは足りなかった。一般の民家に押し入って女を漁った。蒋介石軍の兵士と同じだった。押し入った米兵を論そうとした家人が暴行され、殺されるケースもあった。米軍の占領期間に殺された日本人は二千五百三十六人(調達庁調べ)に上り、その中にはこうした強姦の絡むものが多かったという。

この時期、日本に来たシカゴ・サン紙の特派員マーク・ゲインは『ニッボン日記』の 中で「日本人は女を武器に連合軍の占領統治に抵抗しょうとした」といったくだりがある。これほど尊大で恥を知らないジャーナリストも珍しい。 これが彼らの戦争の本当の姿になる。

しかし日本に限っていえば、彼らとは全く別の戦争を戦っていた。前述したように残忍な報復はしなかったし、日本人は彼らが常とする掠奪も強姦も戦争から排除していた。上海事変から南京に退く蒋介石の軍隊は前述した金州城のときと同じく民家に押し入り奪えるものは奪い、犯し、火を放って逃げた。

南京陥落後、蒋介石軍は長江の上流九江に逃げ、ここに陣を張る様子が石川達三『武漢作戦』に描かれている。彼等は九江の民家を接収し、食糧を勝手に調達し、住民は自分の街で難民にされてしまった。

日本軍がここに迫ると蒋介石軍は長江の堤防を決壊させて街を水浸しにし、井戸にはコレラ菌を撒いて逃げた。防疫と堤防の修理は日本軍がやった。

彼らを追って南京に進軍する日本兵が農家から買った鶏を笑顔で抱えている写真が朝日新聞に載った。南京にある例の三十万人虐殺記念館にこれが長らく「日軍兵士が鶏を掠奪した図」として展示されていた。

彼らにしてみれば掠奪は当然と信じて疑わなかつた。写真を提供した朝日新聞もずっとそれを黙っていた。だが、それが違うと分かってきて、南京事件七十周年に当たる○七年十ニ月にこの写真をこっそり外した。

それほど日本人の行動は彼らの理解の及ばないところにある。

日本は十九世紀末に世界に見参した。そしてハワイ王朝を乗っ取った米国に軍艦を出して抗議し、その翌年には支那と戦ってこれを倒した。そしてその十年後には白人国ロシアを倒し、さらにその十年後の第一次大戦では白人の叡智の象徴である航空機を持つドイツに彼らの三倍の航空兵力で戦いを挑んでやっつけてしまった。 しかも日本が戦う戦争は彼らの常識にない純粋さがあった。さらに衝撃だったのが日本の経営する「植民地」の姿だった。

とくに満洲だ。リットン調査団は英国の元インド総督ビク夕―・リットン、フランスからはアルジエリア統治に関わったアンリ•クローデル植民地軍総監、ドイツからは独領東アフリカ総督ハインリッヒ・シュネーら「搾取する植民地」のベテランが満洲を見た。そして驚いた。国際連盟規約ニ十条に「遅れた地域の民の福利厚生を図るのは(先進国の)神聖な使命だ」とある。しかし現実は後進地域の民の愚民化を進め、米英は支那、マレーシアに、フランスはベトナムに阿片を売り付け、ひたすら搾取してきた。

しかし満洲では肥沃な大地の実りと地下資源を背景に学校が作られ、ユダヤ人スラブ人も含めた多くの民族が日本の指導のもとで自由と豊かさを満喫していた。

植民地搾取のベテランたちは満洲自体が彼ら白人の植民地帝国主義への告発に見えたのだろう。国際連盟への報告書は日本を放り出し、満洲は白人経営でいただきましょうという趣旨で貫かれている。

奴隸をもち、残忍な戦争をし、掠奪と強姦を喜びにしてきた国々にとって掠奪も強姦もしない、奴隸も植民地ももたない日本は煙たいどころか、存在してもらっては困る国に見えた。その伏流を見落とすと、近代史は見えてこない。

日本対白人国家プラス支那という対立構造ができ、先の戦争が起きた。日本を制したのが中でも最も邪悪な米国であり、その米国がいま丸腰日本の保護者となっているのは 歴史の皮肉というより、もはやたちの悪い冗談でしかない。

 

4/4JBプレス 井本省吾『「韓国を助けるな、教えるな、関わるな 古田博司氏に聞く「東アジア3カ国との付き合い方」』記事について

全く古田氏の意見に賛同します。そもそも韓国は悪友にすらなりえない。悪友には良いイメージが残っています。そうではなく韓国は中国同様敵国です。自国の反日活動だけで飽き足らず、世界に嘘とデッチ上げを吹きまくっているではないですか。これを敵と言わないとしたら「敵」の定義は何になるのでしょう?彼らは「歴史を鑑に」近現代史を勉強してほしい。また多数の日本人も歴史を知らないから彼らに手もなく騙されるのです。政治家とメデイアの劣化(メデイアは戦前から劣化していましたが)が甚だしいから、国民を領導(中国では指導者・幹部のことを言います。読み方はling3dao3)することができないでいるのです。

韓国はAIIB参加表明しても中国がまだ認めてないとのこと。裏でTHAADで踏み絵を迫っていると睨みます。配備を止めなければAIIBには入れてやらないよという事でしょう。これで韓国が配備を止め、韓国産MD配備でお茶を濁すと米国は怒るでしょう。在韓米軍は撤退、北の侵攻は中国が抑え、朝鮮半島の属国が進むか?ロシアがそうなると手を拱いているかどうか?古田氏の言う通り「北も南も反中運動」をするようになれば面白いです。彼らの特徴はヤクザのしつこさですから。反日以上のエネルギーをかけてやってほしいです。でも彼らにそんな根性があるかどうか。日米とも優しいが中国にはありませんから。

記事

日韓関係は冷却したまま。中国ともあつれきが絶えず、北朝鮮とは緊張関係が続いている。東アジア3カ国とどう付き合うべきか。左翼・リベラル派の政治家、マスコミ、研究者はもとより、保守派の政治家、外交官、ジャーナリストでも大方は友好関係維持が基本的な考え方だ。極力、対話を続け、譲るところは譲ることが日本の長期的な平和と安全につながる、という意見が多い。

 だが、長年、朝鮮半島の歴史や政治を研究してきた筑波大学大学院教授の古田博司氏は「韓国に対しては『助けない、教えない、関わらない』を『非韓三原則』にして日本への甘えを断ち切ることが肝要」と説く。

 助けても教えても恩を仇で返すのが彼の国の性格で、関わらないのが日本のためになるという。中国、北朝鮮に対してもほぼ同様に接するのが賢明だと主張する。

 「『それでは日本はアジアで孤立する』などと恐れることはない。日本は多くのアジア諸国から支持されている。孤立しているのは東洋的専制国家の東アジア3カ国の方だ。ただ、韓国と手を切る戦略について日本の最大の同盟国である米国を納得させることが肝要だ」

 こう主張する古田教授に、韓国を中心に東アジア3カ国との付き合い方を聞いた。

なぜ「非韓三原則」なのか

古田博司(ふるた・ひろし)氏 筑波大学大学院教授。1953年横浜生まれ。慶応大卒、1980年から6年間、韓国の延世大、漢陽大で日本語講師。帰国後、下関市立大専任講師、筑波大学助教授を経て2000年に筑波大学教授就任。著書に「東アジアの思想風景」(サントリー学芸賞受賞)、「東アジア・イデオロギーを超えて」(読売・吉野作造賞受賞)、「東アジア『反日』トライアングル」、「醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!」など。

井本 「非韓三原則」を説く理由からお聞きします。

古田 助けてもロクなことがないから。教えても感謝せず、むしろ「ちゃんと教えない」などと難癖をつけてさらに要求してくる。

 日本は幕末から明治維新にかけて初めて西洋に出会った、とよく言われますが、実は当時、東洋にも初めて出会ったのです。

 何も知らないのに、自分も東洋人だから、東洋のことはよく知っていると思い込んでいた。それが間違いのもとだった。

 明治期の朝鮮は驚くほど遅れた貧しい国家で、針一本作れない。木を丸くする技術もないので樽もクルマの車輪も作れない。染料がないので、衣服はすべて白衣でした。近世でも中世でもなく、古代に近かった。

清国(中国)は大国ではあったが、古代王朝の世界に沈潜していた。ウソ、ごまかし、裏切り、汚職が横行する。それが東洋であり、実は日本は東洋ではなかった。それなのに、東アジアの現実を何も知らず、「日本は東洋の国々と連携して西洋列強に対抗しなければならない」と考えるアジア主義が広がっていました。それは今でも続いていますが。

 戦後は、戦前に中韓に迷惑をかけたという贖罪意識もあって友好第一ということになった。でも、援助しても教えても、反日運動は強まるばかり。プライドが高く、日本を見下しているからです。だから関わらないことが日本にとって一番なんです。

井本 では戦前、韓国を併合したのも間違っていた?

古田 いや、当時は帝国主義の時代でロシアの南下を防ぐために、朝鮮を確保せざるを得ませんでした。朝鮮半島をロシアに取られたら、日本列島まで攻め込まれる危険が大きかった。

井本 日露戦争に勝利した後、韓国を併合せずに独立させていれば韓国は日本に感謝し、その後良好な関係が続いたはずだ、という見方もありますが。

古田 それは当時の朝鮮の経済、社会状態を知らない人の意見です。古代のような貧しい朝鮮は清国の属国として全面依存しており、とても独立できるだけの経済・社会基盤はなかった。朝鮮の国庫は空だったのです。

 で、日本は対ロ防衛のために朝鮮を近代化させる必要があった。莫大な投資をして教育水準を高め、民生を向上させねばならなかった。その負担が大きすぎ、日本の朝鮮経営は大赤字が続きました。

日韓通貨スワップ協定も平昌オリンピック支援も必要なし

井本 後知恵ですが、それならロシアとは戦わず、朝鮮併合もせず、日本海側の防備だけを固めておくという政策もあったのではないか。ロシアに朝鮮を支配されたとしても、ロシアは朝鮮経営に足を取られて疲弊し、日本に攻め込む余力はなかったかもしれません。

古田 当時は帝国主義の時代ですよ。ロシアには奴隷制の歴史もあり、囚人をシベリア送りにする国でした。面倒なことになるなら、朝鮮人を農奴にするだけのことです。朝鮮民族を全滅させる方法を取ることもできた。インカ帝国などはそうして滅びたではないですか。民族の征服、滅亡があちこちで起こっていた時代です。

井本 なるほど。話を元に戻すと、2月に金融危機の際に外貨を融通し合う日韓通貨スワップ協定が終了しましたが、韓国の金融事情には不安があり、イザというときは韓国が協定復活を頼みこんでくる可能性があります。これも助けない方がいいと・・・。

古田 韓国は日本の金融支援に対し感謝しないどころか、韓国の金融危機は日本に原因があったような言い方をする。恩を仇で返し、同情すると、すぐにたかってくる国です。関わらないに越したことはない。

 韓国が通貨協定終了で強気なのは、イザとなれば中国に助けてもらえると考えているからでしょう。中国も今はその構えですが、でも、そうなれば中国が韓国にたかられ、韓国は中国に首根っこを締め上げられる関係になります。だから、こちらは傍観していればいいんです。

井本 2018年冬の平昌(ピョンチャン)オリンピックも経済面、運営面で準備不足と言われ、日本の支援を求めてくるとも予想されています。

古田 助けてはなりません。支援してもオリンピックが円滑に運ばないと、日本のせいにされるのが落ちで、少しも日本のプラスになりません。2002年のサッカー・ワールドカップの日韓共催でも、いろいろ苦い思いをさせられたではありませんか。

井本 慰安婦問題で朴槿恵(パク・クネ)大統領は「日本が誠意を見せなければ首脳会談はできない」と言い続けていますが。

古田 これこそ日本は日韓基本条約で解決した問題だとする従来の毅然とした態度を貫くべきです。どんなに譲歩しても必ず、まだ誠意が足りないと言ってきます。今の韓国は反日が国是で、日本に謝罪を続けさせることが、自らの政権維持につながるからです。

韓国の中国接近は必然

井本 古田さんは雑誌「WiLL」2月号で元外交官でキヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦氏と対談しました。宮家氏は「(韓国が日米韓の枠組みを離れ)中国に寄り過ぎないように牽制する必要がある・・・そのためには(日本は)韓国と付き合っていかなければならない」と強調しています。これに対し、古田さんは「無駄でしょうね」と応じています。

古田 韓国は中国との貿易が最大となり、経済的に弱体化していることもあって中国への経済依存がどんどん強くなっています。地政学的、歴史的な経緯もあって中国にすり寄らざるを得ない状況です。

中韓首脳会談、朴大統領「北朝鮮の非核化で合意」

 また、韓国は民主的な政治体制が崩れ、強権政治になりつつある。独裁体制の北朝鮮と似てきています。

 朴大統領の任期は2018年2月まで。急速に人気が衰えていることから、それ以前に大統領の座を追われる可能性もあるが、いずれしろ、今の情勢では次期大統領は最大野党である新政治民主連合になるでしょう。

 こちらの方が、文在寅(ムン・ジェイン)代表や、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長など、人材がそろっています。

 2人とも確信犯的な親北朝鮮派です。すると、金大中(キム・デジュン)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代のように北朝鮮に資金援助するようになり、両国はもっと近づいていくでしょう。これに、中国も加わって3国連合になっていく可能性が高い。だから、日本がいくら韓国に接近しようとしても無駄な努力に終わると見ているのです。

井本 北朝鮮が金正日(キム・ジョンイル)氏の元側近で中国と近しかった張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑して以来、中国と北朝鮮の関係は冷却化していますが。

古田 中国は重油の対北朝鮮輸出を止めていますが、石油精製品の輸出は増やしている。そういう馴れ合いがあるんですよ(笑い)。関係が悪化しても中国が北朝鮮を経済的な支配下に置く関係は変わってません。

井本 南北朝鮮が一緒になり、中国が両国を支配するようになったら、強大な専制国家が誕生し、日本の平和と安全保障が危うくなるという見方についてはどうですか。

古田 それほど心配する必要はありません。まず北主導の南北統一はあり得ない。韓国は北朝鮮に従属するなんて関係を認めません。

井本 でも、次期大統領の有力候補は親北派で、韓国民の多くも北朝鮮になびいているのでしょう。

古田 それは1990年代以降、北朝鮮の韓国への思想工作が奏功したこともあって「北朝鮮は抗日戦争の結果、誕生した。歴史的正当性を持っている」と多くの韓国民に思われているからです。戦ったと言っても日本の討伐隊に追われて極東ソ連領に逃げ込むような状況でしたが、戦ったことは間違いない。

 一方の韓国は米軍に解放されたのであって、自ら独立を勝ち取ったわけではない。だから対北朝鮮コンプレックスがある。「北の方が立派なんじゃないか」と。

 しかし、経済も軍事も韓国の方が格段に優位。韓国民は自分たちの方が上だというプライドも強い。だから、韓国が北朝鮮に支配される形の南北統一はあり得ません。

井本 北朝鮮は核兵器やミサイルを持っていますが、朝鮮半島が日本にとって危険な国家に統一されることはないと?

古田 北が核兵器やミサイルを保有していると言っても、それだけのこと。米国と軍事同盟を結んでいる日本に攻め込むなどということは考えられませんね。

中国による朝鮮半島支配は恐るるに足らず

井本 でも、中国が朝鮮半島を飲み込む形で支配すれば、日本への脅威が増すのではないですか。

古田 中国は経済的、政治的に朝鮮半島を支配下に置いておけばいいんです。領土として欲しいわけではない。また、朝鮮が政治的に南北統一されるのはいいけれども、DMZ(38度線・非武装中立地帯)がなくなるのは困るのです。

 朝鮮半島は北東側に険しい山脈がありますが、西側はほとんど平坦な土地で、いわば「廊下」です。中国の遼東半島から平壌(ピョンヤン)、ソウルを通り半島南西部の海岸まで抜ける廊下。だから、朝鮮戦争では一度韓国軍が半島南部まで一気に追い詰められたものの、南から米軍が上陸し「廊下」を伝わって、これまた一気に押し戻した。これに中国があわてて、参戦してきた。

地政学的に言って、朝鮮半島は中国の弱点なのです。歴史的にも北からモンゴルなどに攻め込まれています。弱点を補強するにはDMZを保持し、廊下に壁を作る必要がある。だから、中国は南北統一があっても38度線が残るように、1国2制度のような形を支持する可能性が高い。

 連邦形式にして北、南双方の自治権を残す。この仕組みは北朝鮮、韓国双方にとっても都合がいい。結果として韓国が緩衝地帯となるので、米国にとっても悪くない。だから、中国は「中国優位のもとで南北連合はするけど、1国2制度にして38度線は置いておくという線でどうか」と、米国と交渉するかもしれない。

井本 それは日本にとってもいい?

古田 そうです。第一、中国主導の朝鮮統一が実現したとしても、強大な統一国家にはなり得ません。一緒になったら、朝鮮半島では必ず南北双方で仲違いを起こすとともに、両者で別々に反中国運動が起こります。

 歴史的に朝鮮は中国に従属し、様々な経済援助を受けながらも、いろいろと文句をつけ、難題を吹っかけ、もっと援助を寄越せと注文するなど、ゴタゴタが絶えなかった。中国、北朝鮮、韓国の三つ巴の内部争いが続き、疲弊し、日本に脅威を与える余力などほとんどでてきませんね。

 だから、3国連合を不安視することはない。ほっておけばいいのです。韓国が中国側に行くように積極的に仕向けて一緒にし、その後のゴタゴタで双方を疲れさせるようにするぐらいでちょうどいい。

米国を説得する方法

井本 米国は東アジアの緊張が高まるのを懸念し、「韓国と仲良くしろ。慰安婦問題なども譲歩せよ」と日本に圧力をかけてきています。

古田 日本政府は韓国の問題点を具体的に米国に説明すべきです。

 第1に、韓国は日本の領土(竹島)を奪い、日本を仮想敵国として軍事演習を行っている。第2に、韓国は日本の元首(天皇)を侮辱し、邪悪な対日敵対宣伝行為を全世界的に繰り広げている。

 第3に、日韓基本条約など国際的な基本条約、協定を反古にする韓国の司法に政府が加担し、三権分立を悪用するのみならず、反日の過去訴求法を実施し、自由民主主義に反する国民弾圧を行っている。

 その上でマーク・リッパート駐韓米国大使がソウルで暴徒に襲われ、大けがをした例を示しながら「韓国は法治国家でなく、日米と共通の価値観もない。助けるは必要ない」とはっきり言えばいいんです。米国も最近は自分勝手で一方的に甘えてくる韓国に嫌気が差してきている。軍事予算を削減する必要もあって、駐留韓国軍は早く撤退させたいとも考えています。

 ただ、中韓が結束したら困るとも思っている。だから、「結束してもすぐに仲違いを始めるから心配する必要はない、歴史的にそうだった」と、米国を説得すればいいんです。

井本 先ごろ、外務省はホームページで韓国に関する記述のうち「我が国と自由と民主主義、市場経済等の基本的価値観を共有する」という項を削除しました。

古田 あれは産経新聞の前ソウル支局長を起訴して出国禁止にするなど、およそ民主国家にあるまじき行動があったことなどが原因です。もっとも、あの削除程度では韓国は動じないでしょう。

 ただ、安倍晋三首相が昨年7月に「朝鮮半島有事の際、日本の基地にいる米軍を出動させるには日本の了解が必要」とした発言は、かなり韓国に利いたと思う。韓国はこれまでどんなに日本にひどい態度をとっても、必ず最後は助けにくると、日本に甘えてきた。米国の要求もあり、日本は韓国を助けざるを得ないはずだと。

 安倍首相はこれに対し「常に助けるわけではない、韓国次第だ」と暗黙に歯止めをかけたことになる。適切な発言ですね。

安倍首相の戦後70年談話も米国重視が基本

井本 安倍首相と言えば、夏に発表する戦後70年談話にも、戦争の反省などについて海外の注文がついています。

古田 中韓は何を言っても文句をつけてきます。だから、無視すればいい。問題はやはり米国で、米国が納得する形での談話にする必要があります。基本は日米同盟です。

 今、軍事的にも危ないのは尖閣諸島ですね。あそこは石油ルートの要だし、中国海軍が西太平洋に出るための要衝で、中国が支配しようと狙っている。でも、日米同盟が万全ならば恐れることはない。このため、安倍政権が集団的自衛権の行使容認に踏み切ったことは適切でした。

井本 貿易など中韓との経済的な関係はどうするのですか。

古田 今まで通り、続ければいい。ただし、過去に迷惑をかけたからなどと変な贖罪意識を持って、こちらが損するような技術・金融支援は一切、行わないこと。つけ込まれて要求水準を高めてきますから。双方が納得いくギブ&テイクの取引を淡々と進めることが肝心です。