4/12日経『日本、参加で役割果たせ 米中心の一極構造に転機』『中外時評 「最年少の政治犯」チベット激動とともに』、4/10 ZAKZAK『AIIBは「絵に描いた餅」 海外からの借金で汲々の中国』記事について

日本はアジアに位置するので欧米とは違うと言うのであれば、地理的位置のことだけを言うのでなく、政治体制が中国の共産体制とも違うことにも触れなければ公平を欠くのでは。中国は外貨準備が3.8兆$あっても外国から金を借りているのは異常ではないですか。出資すべき金もないとも言われています。日本が出資するのは税金からです。歴史的に見れば、西原借款(西原 亀三http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E5%8E%9F%E4%BA%80%E4%B8%89)について中国から返して貰ってない責任が財務省にはあります。デタラメ融資で返済されないときの責任をこの人はどう考えるのか。すぐに「決めた政治家の責任で官僚は決められたことを実行しただけ」と弁解するのが見えています。それなら新聞等を使って自分の意思を表明すべきではない。IMFで改革できなかったことを棚に上げるような人間が、キチンとAIIBを内部から監視できるとは思えない。国際機関の改革を言うのであれば、先ずやるべきは戦勝国クラブと言われる国連の機構改革をすべきなのでは。特にP5の拒否権の扱いについて議論すべきでは。軍事に疎い学力だけが高い役人の典型と思われます。日本を脅している中国を経済的・外交的に有利にすることは利敵行為としか見えません。

ヒラリーは「20年後には中国は世界で最貧国になる」とまで言っています。3経済主体の債務が膨大なためです。そういう国が主導する銀行に出資しても「ない袖は振れない」で終わりです。小生の中国駐在体験で言えば経理部長の腕は「如何に金を払わないか」でしたから。金は返って来ないと見た方が良い。自分の金だったら中国に投資しますか?それと同じです。

チベットの記事は、中国に隷従すれば、宗教、民族としての誇り、生活も総て奪われてしまうという事です。こういう国が過去の日本、並びに首相の靖国参拝を非難できる資格があると思いますか?創価学会・公明党、ローマン・カソリックの人達に「他の宗教であっても宗教の自由は保護されるべきか?」と聞きたいです。

中国の領土拡張に対する野望、覇権主義が窺われます。チベット族の強制移住、漢民族との混交等、人口の力によって他国を自分の領土とするものです。水資源を含めた資源掠奪の狙いがあります。

日本、参加で役割果たせ 米中心の一極構造に転機

I MF前副専務理事 篠原尚之氏 しのはら.なおゆき通貨外交の要の財務官として金融危機を経 験。10年から今年2月まで国際通貨基金(IMF)副専務理事。62歳。

―中国が準備作業をけん引してきたAll Bをどう評価しますか。

「アジアに新しいスタイルの開発金融機関ができる、という観点でとらえている。世界経済が多極化する中で、新しい構造の国際機関が出てくるのは当然のことだ。1997年のアジア通貨危機に際して、日本が主導しようとしたアジア通貨基金の構想は、米国の反対で頓挫した。今、中国経済は見方によっては米国を追い抜く勢いがあり、米国は抑えようとしても抑えきれなくなっている」

–日米が実質的な筆頭株主であるアジア開発銀行(ADB)と、新設のAIIBは並び立ちますか。

「補完関係にできると思う。 互いに補完しながら、ある意味で競争する。インフラ計画を進める利用者の側に立てば選択肢が増えることになり、悪い話でない」

–日本は3月末の段階でAllBへの参加表明を見送りました。今後どう対応すベきですか。

「タイミングの問題はあるが、参加せざるをえない。A IIBはアジアの機関であり、アジアの一国である日本は米国と立場が違う」

「中国や韓国との関係は大事だがアジア諸国連合 (ASEAN)との関係は日本にとって『命綱』といえる。 ASEANから見ると、日本と中国が拮抗し、けん制し合ってほしいはずだ。地域の枠組みの中で日本の役割を増やさないと、どんどん中国にとられてしまう。ましてや、参加しないなんてことになってはダメだ」

–日本がAllB構想に乗り遅れたとすれば、政府の初動が失敗したとも映ります。実際はどうなのですか。 「答えにくい質問だ。AI IBの統治(ガバナンス)構造や審査について注文を付けるのは重要なことであり、最終的には内部からチエックするのが大事だ。そのためには参加を前提に議論すべきだろう」

–英国をはじめとして欧州の主要国がAIIBへの参加を相次ぎ表明し、日米との対応が明確に割れました。日米欧の主要7力国(G7)の 結束は揺らぎませんか。

「かつてはG7が世界経済における大きなシェアを占め、流れを決めてきた。しかし、主要な議論の場がG7から20力国•地域(G20)に移ってきたように、G7の比重はかなり下がっている。特に開発や環境といったテ—マはG7だけで対応できない状況になった。それなのにG7の結束を議論しても仕方ない。米政府は議会との関係でAIIBに否定的なままだが、欧州は是々非々で臨む判断をしたのだろう」

–中国が近年のユーロ危機に積極対応するなど、欧州との関係を深めたことも欧州各国が参加する判断の背景にありそうです。

「欧州と中国は距離が離れているため、両者の関係は地政学的な要素がなく、経済や貿易の比重が大きくなる。中国との関係を考えるとき、日本と欧州のポジションが違うことはある」

–中国は新興国の発言権 を高めることを目的とした国際通貨基金(IMF)改革の遅れを批判しています。

「批判は当然であり、中国以外の国々からもさまざまな批判が出ている。加盟国が合意したにもかかわらず、拒否権を持っている米国のせいで実現できないことに対する不満は非常に強い。国際機関は加盟国の相対的な経済力を反映して発言権を与えていかないと有効性を失う。IMFだ けでなく、A DBも投票権の配分が変わらず、(見直しに向けた作業を)サボってきた感じがする」

–日本は対米関係を軸とした外交の基本を見直すベきですか。

「ブレトンウッズ体制と呼ばれる、米国中心の一極構造の国際金融の枠組みが確立して70年になる。早い段階で先進国の仲間に入った日本は、この体制での既得権益を確保 してきた。今は新興国がものすごい力を付けてきており、その勢いはしばら<続く。一極構造から多極構造へこの10 年程度で変わった。ブレトンウッズ体制を見直すべき時期に来た」

「我々の頭の中には世界で 第2位の経済大国だった日本のイメージが残っている。しかし、昔の栄光を追っても仕方ない。今の状況で日本の立ち位置をどう決めるかは本当に難しい作業だ。まだ答えは無いが、探っていかざるを得ない」

ZAKZAK AIIBは「絵に描いた餅」 海外からの借金で汲々の中国 

世界50カ国以上が参加を決めたという中国主導のアジアインフラ投資銀行。そうか、じゃあ、アジアのインフラ建設資金需要はいくらか、どう集めるのかね。アジア開発銀行研究所が2009年9月にまとめた見積もりによると、年間平均では約7500億ドル(約89兆7000億円)に上るとか。

 世界銀行、アジア開銀などの国際金融機関は主として国際金融市場で債券を発行して調達した資金を融資する。その場合、各国政府および政府機関が債務返済保証をする。国際金融機関はメンバー国の政府が共同出資しているという信用があり、貸出先は政府が保証するのだから、国際金融機関が発行する債券はトリプルAの格付けが与えられる。

 AIIBは当然、世銀やアジア開銀並みの格付けを狙うわけだが、ちょっと待てよ。

 そもそも、中国主導で年間7500億ドルの資金を市場から調達できるのか。

 国際決済銀行(BIS)が最近まとめた国際金融市場での債券による資金調達である国際債務証券発行額を調べてみた結果がグラフである。13年は全世界で5130億ドル、14年は6740億ドルで、7500億ドルは最近の国際債券市場の規模を上回ることになる。このうち、世銀、アジア開銀など国際金融機関の調達分は13年1140億ドル、14年1387億ドルである。

 アジアのインフラ資金需要に対し、供給能力が追いつかないとなると、市場需給の原理が働き、金利を高くするなど、よほど好条件で投資家を引きつけないことには資金調達できない。資金調達コストが上がれば、借り入れ国もたまったものではない。

7500億ドルと言わないまでも、AIIBが1000億ドル程度の資金を調達するだけでも、市場で消化できそうにない。これでは文字通り絵に描いた餅ではないか。

 中国の国際市場での債券発行額は増加の一途で、途上国全体の5割近いシェア(14年)を占め、国際金融機関の発行額を上回っている。

 北京が4兆ドル近い外貨準備をどんどん取り崩してAIIB資金の原資とするなら、立派だね、とほめてよい。だが、あの利にさとく不正蓄財にばかり走る党幹部が気前よいと信じるのは、不勉強な日本の親中メディアくらいだろう。

 実際には、資金流出のために外貨準備は減る一方で、海外からの借金で穴埋めするのに汲々(きゅうきゅう)としている。BIS統計では、中国は銀行融資で年間2700億ドル(昨年9月末)、債券で1656億ドル、合計で4300億ドルも借り入れているのだ。

 言い換えると、中国はAIIBの看板を掲げて世界を巻き込む形で、資金を自国のために調達し、行き詰まった経済成長モデルを立て直そうと狙っているのが真相だろう。

 中国や国際金融のイロハもわからずに、「AIIBに乗り損ねた日本は孤立する」と騒ぎ立てるメディアや政治家が多いのには、うんざりさせられる。

(産経新聞特別記者・田村秀男)

中外時評 「最年少の政治犯」チベット激動とともに

1995年5月14日。チべッ ト仏教の最高指導者ダライ•ラマ14世は、中国チべット自治区ナクチユでパンチエン・ラマ11 世がみつかった、と発表した。 ゲドゥン・チョエキ•ニマという、6歳の少年だった。

パンチエン•ラマはダライ・ラマに次ぐ高位の「活仏」とされる。89年1月に亡くなった10 世が生まれ変わった「転生霊童」 と認定されたニマ少年は、聖職者の道を歩むはずだった。

3日後、その道は大きくそれた。ダライ・ラマに転生霊童を認定する資格はないと主張する共産党政権の手で、世間から隔離されたのである。

あれから20年になろうとしている。海外メディアから「最年少の政治犯」とも呼ぱれたニマ少年は、25歳の青年になっているはずだ。まれに当局者が「一人の市民として健やかに暮らしている」とコメントすることはあるが、具体的な消息は全くわからないままだ。

この間にチベットの経済、社会、文化は激しい変動を経験してきた。共産党政権は国内のメディアを統制し、海外のジャーナリストのチべット入りを制限しているが、それでも激動を実感させる情報は少なくない。

ひとつはチベット仏教への露骨な干渉だ。ニマ少年とは別のパンチエン・ラマ11世と認定し、共産党政権が期待する「愛国的な活仏」となるよう育成してきた。転生した活仏の認定には当局の批准が必要とする政令を2007年に定めるなど、法的な枠組みも整えてきた。

チべットの経済や社会に影響する変化としては、チべッ卜で初めての鉄道である青蔵鉄道の開通を思い浮かべる人が多いだろう。おそらく、それに劣らず深刻な衝撃をもたらしているのが「安居工程」と呼ばれるプロジエクトである。

青蔵鉄道が開通した06年からチべット自治区の農村部で進められてきた、住宅改造事業だ。 中国メディアによれば、13年末までに累計278億元(約5300億円)を投じて46万戸を改造または新築したそうだ。

「自治区全体の農牧民たちの 1人当たり平均居住面積は20〜 30%増えた」。共産党政権の統 制下にある中国メディアは成果を自賛する。が、チべットの内側からは違った声が届く。

本人の希望を踏まえるという建前とは裏腹に実態は強制だった。伝統的コミユニティーが失われた。転居にともなって日々の暮らしにかかる費用がはねあがった……。

一例をあげれば、チべッ卜の 農村地帯では伝統的に家畜の糞 (ふん)を燃料として利用してきたが、新しい住居では現金によって燃料をまかなわなければならな<なったという。

国際的な人権擁護団体であるヒユーマン•ライツ•ウォッチによると、安居エ程のために転居を余儀なくされたチべット人は200万人を超えた。自治区のチベット人の3分の2に当たる人たちが8年の内に伝来の住居を離れたわけで、伝統的な生活と社会が大きく揺らいだことは容易に想像できる。

チべットでは08年春にラサなどで大観な騒乱が起きた。翌年からは焼身自殺が各地で相次ぎ、これまでに130人以上が亡くなった。やりきれない凄惨な出来事の数々は、チベット人を取り巻く環境が激変した延長線上にあるのではないか。そんな推測を禁じ得ない。

中国全体をみれば、この20年は経済の高成長と国際的な存在感の高まりを実現した、飛躍の 時代だったといえるかもしれない。少くとも共産党政権はそう位置づけているようだ。

その一方、ダライ.ラマが認めたパンチエン・ラマ11世の消息が途絶えたままになっていることは、多くのチベット人にとって苦難の20年だったことを象徴しているようでもある。

「な<なってもいい」「チべットの人たち次第だ」。2日に来日したダライ•ラマは札幌で講演した際、活仏が転生する仕組みについてこう語った。

パンチエン・ラマ11世に対する当局の干渉、チべットの経済や社会の激変を踏まえて、400年を超す歴史を持つとされる仕組みに終止符を打つ可能性を示唆したのだ。

ダライ•ラマは今年7月で80 歳になる。自分が亡くなったあとの生まれ変わり、つまりダライ・ラマ15世を共産党政権が選ぶつもりであることを十分に見越したうえで、けん制球を投げたともいえよう。チべットの未来は濃い霧に包まれている。

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