本記事にありますように、日本は台湾とも連携、米・豪・印+ASEAN+(できれば露、韓国は入れません、敵国ですから)で中国封じ込めをして軍事膨張を防がねばなりません。この包囲網が完成すれば中国は内陸部しか活用できず、ランドパワーの大国だけに止まります。
日本の一国平和主義を唱える人は「非武装中立論」と同じく、スーパーパワーの餌食になり、簡単に隷従させられるだけです。少なくともスイスは国民皆兵で「永世中立」を唱えていますので「武装中立論」です。こんなことすら想像できないのは幼稚園児の頭の持主か、外国の手先となって動いているかのどちらかです。集団安保法制が通過しましたが、自衛隊員の安全を言うのであればポジテブリストではなくネガテイブリストにして現場の判断で臨機応変に対処する必要があります。その次のステップとして憲法改正でしょう。また日本もスパイ防止法を作るべきです。ただ、中国の反スパイ法のように構成要件が特定されていない法律にはならないでしょうけど。反スパイ法を見れば中国が如何に近代法の精神を理解していないかが分かります。
台湾が中国の手に落ちれば、台湾海峡はおろかバシー海峡も自由に航行できなくなります。石油タンカーのコストだけでなく東シナ海が中国の内海にされてしまう危険性もあります。台湾としっかり手を携え、悪の帝国の野望を挫かねばなりません。
国民党は今、洪秀柱総統候補を引きずり降ろそうと躍起です。本人が朱立倫党主席・新北市長の説得に応じず、10/17の国民党大会で決めるとのこと。異例と言えば異例。「最終的には中国との統一」と洪候補が言って(馬総統も考えは一緒だが明言はしてこなかった)、来年1月16日の総統選はおろか同日の立法委員選挙で1/3も取れないのを恐れて朱党主席と交代させるとのこと。1/3取れないと憲法も変えられる恐れがあるので心配している様子。中国の武力侵攻の理由を与えるので民進党もそこまでしないと思います。李登輝元総統がおっしゃるように「実質的に独立している」(通貨発行、独自の軍隊、パスポート発行)のだから、憲法までいじる必要はないでしょう。それより「中華民国」の欺瞞的な名を止め、「台湾」にすれば良いです。英語でも“Taiwanese”で、”Chinese”と区別しています。(ただ、2005年の反国家分裂法の武力侵攻の理由になるかもしれませんが。でも、中国とか中華の名前と比べれば響きが良いでしょう)
10/6キャピタルホテル東急で蔡英文民進党主席の歓迎会が開かれ200名程集まったとのこと。今の世論調査では48%の支持率で、翌年の選挙で総統は確実視されています。蔡英文氏は講演で日本と「産業同盟」を作りたいと言っていました。民進党は国民党とは違う価値観(抗日とか慰安婦記念館とか李総統以前の秘密警察重用)で、自由・民主主義・法治・人権と言う点では日本統治時代から築かれて来たものと思います。同じく日本の統治を受けた韓国には総て欠けている要素です。中国の属国の韓国とは基本的な価値観が違うのですから、台湾は中国の一部であるはずはありません。あるとすれば、朝鮮半島でしょう。まあ、韓国は国連の票数の関係で独立国扱いにしているだけと思いますけど。
10/13『中国から見た安倍・蔡英文の“極秘会見”の演出』記事
■中国が敵視する蔡主席が安倍首相と極秘会見
来年一月に行われる台湾総統選挙での最有力候補と目される民進党の蔡英文主席が十月六日から九日にかけ日本を訪問。この人物が当選して国民党から政権を奪えば、日本や中国を含むアジア情勢にも変化がもたらされることだろう。
しかしそれでありながらも日本のメディアが一部を除き、これをあまり大きく取り上げなかったのは中国への配慮からか。
日本では一部メディアしか注目しなかったが、台湾や中国では重視された安倍・蔡英文両氏による“極秘会見”
何しろ中国は蔡氏率いる民進党を敵視し警戒している。「一つの中国」(台湾は中国の一部)なる虚構を掲げる国民党と異なり、台湾を独立した主権国家であることを明確する同党を、中国は台湾独立勢力と看做し、憎悪の念を隠さない(台湾はもともと中国の支配を受けておらず、「独立」も何もないのだが)。
さてその蔡氏は日本滞在中、中国が最も見たくなかったこと、つまり日本の首相、安倍晋三氏との会見を達成している。
「極秘会見」と表現するメディアもあったが、産経新聞によれば二人は、「8日昼、都内の同じホテルに居合わせた。日本政府と蔡氏側の双方とも会談を否定しているが、非公式に接触したとみられる」という。
「菅義偉官房長官は8日の記者会見で首相と蔡氏との接触について『そうした予定はなかった』と強調。蔡氏も記者団に『(安倍首相と会ったというのは)雲をつかむような話だ』と否定している」が、「ともに否定するのは、中国が蔡氏の来日に強く反対しており、接触が公になれば、中国の反発を招くためだとみられる」とのことだが、それがすでに「公」になっている今、中国はこれをどう見ているのか。
■さっそく反応を示した人民日報
中共機関紙人民日報の海外版が十二日、早速この問題に関する論説を配信しているので見てみよう(中共中央宣伝部の指導下の香港紙文匯報なども転載している)。
そこには、まずこんなことが書かれている。
―――蔡英文が訪米に続き、東京も訪問。総統選挙前に日米を訪れるのは民進党候補者の必修科目。日米で誰と会い、何を話したが選挙に深く関わってくるという。
―――民進党は、安倍首相と会見できれば最も体面を保つことができる。しかし中国外交部はすでに蔡英文の訪日活動に対し、「厳重な関心と断固たる反対」を表明しており、日本もそれを十分に承知している。そしてその結果、蔡と安倍との某ホテルでの「偶然の出会い」が発生したのだ。
―――安倍は八日正午、実弟で衆議院議員の岸信夫と東京のザ・キャピトルホテル東急の二階で食事をしたが、蔡英文はまさにそのホテルに宿泊していた。同じ時間に蔡は一階で交流協会の代表と食事をしていた。フジテレビは安倍が十三時二十分に、蔡が十四時にそれぞれホテルを離れているのを映しており、二人は会見を行ったと推測された。日本のメディアは、二つのレストラン間は行き来が可能であり、二人は食事中に会見したと見ている。
―――日本のメディアは、安倍は最近中国との関係修復を求めており、面会を認めることはないという。
論説はこのように、事実関係を書き綴った後、安倍、蔡両氏の思惑をさまざま分析するのである。
■あながち間違いとは言えない中国人の詮索
―――「偶然の出会い」の演出は蔡英文のアイデアではない。二か月前に李登輝もザ・キャピトルホテル東急に宿泊し、安倍はその時そこで食事をとりながら、双方はそれぞれ密会を否定した。蔡英文はかつて李登輝の「二国論」(台湾と中国は国と国との関係)を案出するなど台独理念で共通している。
これなどは、安倍氏が台湾の「台独」勢力(台湾を主権国家と主張する反中勢力)と水面下で結託し、中国への挑戦を図っていると言わんばかりの書き方だが、しかしあながち間違いともいえないだろう。
実際は李登輝氏の時も含め、「密会を行った」というより、「密会を演出した」というべきではないか。事実、これらの会見はともに、メディアにすぐ気付かれる形で行われている。
つまり中国に抗議の口実を与えて混乱を広げないよう、口頭では会見を否定する一方で、メディアに暴露報道をさせ、中国に「日本は台湾との関係を軽視しない」とのメッセージを送り付けたように見えるのだ。
論説はさらに、安倍、蔡両氏の思惑に対する詮索を続ける。
―――「思わぬ出会い」の前日、蔡英文は安倍の故郷、山口県を訪問し、それに岸信夫が同伴した。
―――山口県は安倍の故郷であるだけでなく、下関条約を締結した伊藤博文と、台湾人を懐柔した総督である児玉源太郎という、台湾の親日派が常に慕ってやまない人物も輩出している。農業が盛んな山口県は台湾とは密接な関係があり、蔡は更なる産業交流を訴えたが、真の目的は明らかに日本の右翼と台湾の親日派へのアピールだった。
伊藤博文だとか児玉源太郎だとか、想像もここまで度が過ぎると滑稽だが、しかしそれでも、何かしら本質を穿つような部分もある。
■中国が警戒してやまない日本と台湾の反中連帯
ここで中国人が言う「日本の右翼」とは「中国を恐れない日本人」で、「台湾の親日派」とは「反日思想=中国人意識に染まらない台湾人」といったところだ。蔡氏が山口県を訪れ、その「日本の右翼」の代表たる安倍首相との関係の緊密さをアピールし、所謂「台湾の親日派」に希望を抱かせようとしたというのは、事実ではないだろうか。
―――民進党伝統の「聯日抗中」(日本と連帯して中国に抵抗する)政策はあまり変わっていない。民進党は対日政策において党内独立派大老の反中思想を継承する一方で、李登輝の媚日史観の統括を受けている。
―――民進党の「聯日抗中」は日本右翼と利害が一致している。日本は台湾を海上生命線の要衝と見ており、台湾と中国が釣魚島(尖閣諸島)、南海(南支那海)問題で連携するのを恐れている。日本は親日的な民進党が政権を取り、そしてそれが中国を牽制するのを望んでいる。
国民党が「聯共制台」、つまり「中共と連帯して台湾人勢力の台頭を制する」ことに躍起になって来たのに対し、民進党は「聯日抗中」が伝統なのだという。
それであるなら所謂「日本右翼」とは自ずと利害が一致するわけだ。いや、今後更に一致させて行かなくてはならないというべきだろう。
中国はそれを警戒している訳だが、だからなおのこと。それができるかどうかで、日本政府の勇気と叡智が問われることになる。
■今が安倍政権であることは日台にとり幸運
―――日本が今回蔡英文を厚遇したのも、安倍が戦後七十周年談話でアジアの隣人に触れた際、「台湾、韓国、中国」と述べたのも、台湾を序列第一位に置くためであることは明らかだ。
安倍談話が「台湾」を韓中の前に置いたのは、本当にそのためなのかも知れない。なぜならこれまでの日本政府なら中国の顔色をうかがい、台湾を中国と対等に並べて表現することすら憚って来たからだ。
だからこの論説が批判することが事実なら、中国の脅威に対抗するため日台連携の強化を進める以外にない日本としては喜ぶべきである。台湾で蔡英文政権が発足し、敗北主義的な対中宥和路線が修正されそうな今、日本が安倍政権で本当に好かったと。
もし往年の民主党政権だったら、断じてこうはならない。
安倍、蔡両氏が密かに日台関係強化を目指しているのを陰謀と呼ぶなら呼んでいいだろう。そしてその陰謀が持つ目的、意義がどのようなものであるかを知る上で、世界一陰謀に長けると言われる中国人による分析がとても参考になる。
もちろんこの論説も含めてだ。
10/11『中国が憎む蔡英文氏が来日! 安倍政権は厚遇しNHKは思考停止』記事
■中国が抗議する中で蔡氏を厚遇した安倍政権
来年一月に行われる台湾総統選挙の最有力候補で野党民進党主席の蔡英文氏が、十月六日から九日まで日本を訪問した。
台湾総統選挙の民進党公認候補、蔡英文氏(左2)が来日。写真は安倍首相の地元、山口県で
歓迎を受ける蔡氏。現地を案内したのは首相の実弟、岸衆院議員(左1)
目的の一つは日本の政界との関係の深さを有権者にアピールすることだろう。これまで中国傾斜を強めて来た国民党政権だが、台湾の安全保障にとって、やはり重要な国は日米。両国の支持を取り付けた候補に、やはり有権者は安心するわけだが、その蔡氏の期待に、安倍政権はしっかりと答えた。
蔡氏はすでに五月、訪米も行っている。
国民党と異なり、「一つの中国」(台湾は中国の一部)なる虚構を認めず、台湾が主権国家であるとの現状を強調する民進党を、中国は台湾独立の分裂勢力と位置付けており、台湾海峡の緊張を望まない米国は、これまで民進党を「トラブルメーカー」視して冷淡。むしろ国民党の対中宥和姿勢に期待を寄せていた。
だがこの時の訪米で蔡氏は、ホワイトハウスや国務省で政府高官に迎えられるなど、厚遇を受けた。米国が中国の反撥を覚悟で蔡氏を厚遇した背景には、米中関係が南支那海問題等々で悪化している情勢もあると見られる。
それでは今回の訪日はどうだったか。
ちなみに中国は、これについて苛立ちを隠さず、日本に威圧を加えていた。たとえば中国外交部の報道官は九月二十五日、「我々は蔡英文が日本へ赴き活動することに厳重な関心を寄せ、断固反対する。日本側は一つの中国の原則を堅持し、台湾問題における中国側との約束を遵守し、いかなる人物、いかなる名義、いかなる口実であれ、台湾独立の言論の散布に空間を与えてはならない」と、まさに「断固」とした口調で、厚遇しないよう牽制している。
だが日本政府は、そうした恫喝圧力を無視し、やはり蔡氏を厚遇した。
今回の「訪日の全スケジュールを組み立てたのは日台若手議連の会会長の岸信夫氏」(台湾紙自由時報)だという。言うまでもなく岸衆議院議員は安倍晋三首相の実弟。岸氏は蔡氏を安倍氏の地元である山口県にも案内している。
■安倍首相と見え見えの「極秘会見」
そして都内では安倍氏との会談も行ったとされる。これについて産経新聞は、両者は八日、「都内の同じホテルに居合わせた。日本政府と蔡氏側の双方とも会談を否定しているが、非公式に接触したとみられる」とし、「ともに否定するのは、中国が蔡氏の来日に強く反対しており、接触が公になれば、中国の反発を招くためだとみられる」と報じる。
もっとも、「同じホテルに居合わせ」るなど、あまりに出来すぎている(しかも安倍氏には岸氏も同行していた)。
自由時報は当日、次のように速報している。
「信頼できる筋の情報によると、安倍首相は今日正午、弟の岸信夫氏とホテル東急で食事をした。同じホテルでは蔡英文氏も交流協会幹部と食事をしており、途中で席を離れている。安倍首相と会見のために違いないという」
「極秘」は演出だったのではないか。おそらく安倍氏は、中国に抗議の口実を与えないため会談を「否定する」一方で、あえて会見したことを見せつけ、それを台湾と中国へのメッセージにしたのではないか。
つまり「これからは従来のように、中国の顔色ばかりを気にして台湾との繋がりを無視、軽視することはしない」といったメッセージをだ。
「軟らかい土を深く掘る」(弱い相手だけに手を下す)ことばかりに精を出すのが中国という国だ。今後あの国が台湾問題を巡ってあれこれ大騒ぎしそうな中、「日本は最早軟らかくない」とのメッセージを送ることは有効だ。台湾に対しても大きな激励になろう。
また自由時報によると蔡氏は九日、「訪日で重大な突破を見せた。秘密裏に内閣府に入ったのだ。慣例では、台湾は日本と国交がないため、台湾の政治家が日本で日本の政府関係者と会うのは通常、国会議員会館においてだけだ。しかし今回、直接内閣府を訪問することができたのは、破格の厚遇を受けたということだ」とのことである。
なお同紙は「内閣府で訪問した相手は菅義偉官房長官との情報もあるが、しかし未確認だ」という。
■中国と同じ立場で蔡氏を疑うNHK
さて、今回の訪日についてはNHKの報道番組「国際報道2015」が九日に取り上げた。
キャスターは民進党を紹介するに「独立志向が強いと中国から看做されているのが最大野党の民進党」と表現した。
これまで日本のマスコミ各社は「独立志向の(志向が強い)民進党」と言い表して来た。そもそも台湾独立とは「中華民国体制からの台湾人民の独立」との意味だが、中国は勝手に「中華人民共和国からの独立」と定義している。そして各社も、どうもそれに沿って「独立」という言葉を使用しているようなのだ。
しかしそれは、虚構宣伝を受け入れたがた故の誤報ということになる。なぜなら台湾は中国に帰属しておらず、そこからの独立というのはあり得ないからだ。
だから、「独立志向が強いと中国から看做されている」としたNHKの今回の表現は正確なのだ。
さて報道の内容だが、NHKは蔡氏に「中国とどう向き合って行くのか」と質問し、次のような回答を引き出している。
「民進党の重大な責務は平和・安定のため対中関係の現状を維持することです」
それではその「現状維持」とは何か。蔡氏は「“現状維持”とは台湾の自由で民主的なライフスタイルを変えないことです」と答えた。
これまでも「現状維持」という言葉を繰り返して来た蔡氏だが、彼女に「台湾独立を企図して現状を破壊しようするトラブルメーカー」とのレッテルを張りたい中国や国民党などは、額面通りに受け取らないというか、あえてそれを否定しようとするのだが、面白いことにこの番組のキャスターまで、この言葉を疑って見せたのだ。
こう言ったのだ。
「蔡主席の言う“現状維持”。これはちょっと曖昧で、誤魔化されているようなニュアンスもある。これはどう意味なんでしょうか」と。すっかり蔡氏を嘘つき扱いだ
■日本のメディアは中国の宣伝に洗脳されている
これに対し、出演していた台湾問題の専門家である松田康博・東京大学教授は次のように説明した。
「簡単な言葉で言えば、“安心して下さい”というメッセージになります」
「民進党政権になりますと中国との関係が緊張して経済関係がうまく行かなくなるのではないか、軍事的な緊張、あるいは本当の紛争に発展してアメリカや日本も巻き込まれるのではないかという懸念がないことはない。それに対して、“決して台湾の方から中国を挑発し、そうした経済、安全保障にマイナスになるようなことはしません。安心して下さい”というメッセージです」
とても適切な説明と言えるだろう。
これを聞かされてキャスターは、ハッと目が覚めたようだ。少し慌てて、「なるほどね。ちょっと今、“誤魔化す”などと…。違いましたね!冷静なアプローチだということだと思います」などと、蔡氏擁護へと態度を変えた。
まさにキャスターが、中国の洗脳宣伝から解放された瞬間だった、と私には見えた。
ちなみにキャスターの名は有馬嘉男氏。特派員経験が豊富な割には、簡単に独裁国家の宣伝に踊らされるなど、甘っちょろい。きっとNHKは日頃の中国迎合の習慣により、中国が「独立志向が強いと看做す」のに歩調を合わせ、民進党に対して同じような見方、感情を持ってしまうのだろう。
他のマスコミも、だいたい同じような雰囲気があるのではないだろうか。
中国の脅威増大の前で、台湾問題を巡って日米が姿勢を変えつつある中、メディアが旧態依然たる思考(台湾問題に対する思考自粛と言うべきか)のままでは、あまりに心許ない。