「チベット本土からインドへ亡命した子供たちの絵」という絵本があります。
穢れなき子どもの願いとして「いつかは中国人と仲良くしたい」とありますが、朴大統領ではありませんが、1000年経っても無理でしょう。拝金教の中国と人生を深く考え、慈悲の心を大事にする仏教のチベットでは合う訳がありません。
リチャード・ギアは敬虔な仏教徒と聞いています。同じ仏教徒として何かを言わなければならないという強い責務が感じられます。翻って日本の仏教界でこのような動きはありません。国会周辺でドンツクやっている憲法9条派の僧侶がいますが。日蓮も政治に首を突っ込みましたが、宗教とは現世利益でなく、魂の救済がその使命ではないかと思います。政治とは離れた世界が正しいのでは。酒を飲む、女を囲う生臭坊主よりタチが悪い。だから葬式仏教とか揶揄されるのです。本業から離れたことをしているので。
中国はチベット族だけではなく、ウイグル族、モンゴル族も人権蹂躙、抑圧しています。彼らの土地を奪うため、子供を産めない体にしたり、強制移住させたりしています。18~19世紀のアメリカみたいなものです。さらに、漢民族でも法輪功信者を生きたまま臓器摘出して売買したり、貧しい人々は虫けら同然の扱いを受けます。
日本は毅然として中国の人権弾圧について批判しなければなりません。70年以上前のことを中国が何と言おうとも「今起きている人権蹂躙の問題解決の方が大事である」と突っぱねれば良い。過去には欧米とて臑に傷を持つ身。日本の方が論理的に勝てるでしょう。
記事
中国・迪慶(デチェン)チベット族自治州香格里拉(シャングリラ)で、草原を眺めるチベット人女性(資料写真)。(c)AFP/Dale de la Rey〔AFPBB News〕
「チベットで多くの人々から尊敬されていた高僧、テレジン・デレク・リンポチェ師が中国政府に13年間も投獄された末、この7月12日に獄中で亡くなりました。彼はチベット社会で市民を救い、教育を広め、信仰を深めた高潔な宗教指導者でした。中国共産党政府はそんな人物を残酷にも終身刑に処していたのです」
映画スターとして国際的な人気を誇る米国人俳優のリチャード・ギア氏が熱をこめて語った。7月14日に開かれた米国議会の公聴会での出来事である。
公聴会の課題は「チベットと中国=新しい前進の道の模索」とされていた。米国の連邦議員たちが、中国政府によるチベットの民族や宗教に対する弾圧の実態を、専門家や当事者たちから聴取して、政府や議会へ政策勧告する際の指針にするのだという。
米国でのこうした動きは、日本が対中外交の政略を立てるうえでもぜひとも知っておくべきだろう。
ラントス氏のホロコースト体験とチベット弾圧
公聴会を主催したのは下院の「トム・ラントス人権委員会」という超党派の常設機関だった。現在の米国の国政では、オバマ政権が中国の人権弾圧を正面から非難することはそれほど多くない。だが議会では、民主、共和の両党が連帯して、中国の人権状況に厳しい視線を向け、辛辣な批判を表明することが頻繁に行われている。
この委員会は、下院外交委員長として長年、人権問題などで活躍した故トム・ラントス議員の名をとった人権専門の機関である。ラントス氏はハンガリー生まれのユダヤ人で、少年時代にナチスの強制収容所に入れられ、脱出したという異色の経歴で知られる。
一方、今回、チベットでの人権弾圧についての証人となったリチャード・ギア氏は仏教を信仰し、特にチベット仏教の弾圧に抗議して、これまで長きにわたって「チベット国際キャンペーン」という国際人権擁護組織の会長を務めてきた。
そのギア氏が証言の冒頭で、個人的にも親交の深かったラントス氏の思い出を語った。
「私のよき友人でもあったラントス氏は、ホロコーストの生き残りとして、自らの体験を語ってくれました。彼が最も強く覚えているのは、母親とともに強制収容所へ向かう特別の列車に乗せられるとき、駅でその光景をじっと見ていた一般の人たちの表情だったといいます。何が起きているかを知りながら、何もしない。本当はそのことを恥(shame)と感じている意識が、その人たちの表情には明白だったそうです。私は、そのような恥を、今のアメリカ人たちが感じることがあってはならないと思います。チベットの良心的で優しい同胞たちが弾圧されていることを座視してはならないのです」
ギア氏はチベット仏教最高指導者のダライ・ラマ14世についても語った。
「ダライ・ラマはこの7月6日に80歳の誕生日を迎えました。チベット人の誰もがその誕生日を心から祝いたいと願いました。しかし中国当局はその種の活動のすべてを禁止しました。中国政府はダライ・ラマを邪悪な存在とみなし、抑圧を続けています。しかし、ダライ・ラマを祝賀するチベット人たちの広範な動きを抑えることはできませんでした」
ギア氏は用意した文書にもほとんど視線を向けず、声量の豊かな、よどみない口調で証言を進めた。中国政府によるチベット弾圧の全体状況についても報告していく。
「中国共産党はチベット人の宗教、言論、結社の自由を奪い、少しでも服従しない人間を根拠のない刑法違反の口実で逮捕し、長期、拘束しています。拷問や虐待も頻繁に行われます。体力を失った人間は早期に解放されますが、中国当局が獄中での死を少なくすることを計算しているからです」
「チベットでは、中国の弾圧に抗議して2009年以来少なくとも合計140人の僧侶らが焼身自殺をしました。中国共産党の弾圧にはなんの正当性もありません。チベット人のすべての宗教的、文化的アイデンティティーの表明を『ダライ一派の国家分裂活動』だとして弾圧するのです。この行為は、中国政府が調印した世界人権宣言や中華人民共和国の憲法にも違反しています」
ギア氏はこうした証言を踏まえて、米国の政府と議会に中国側への抗議や制裁措置をとることを求めた。
最も迫力を感じさせたリチャード・ギア氏の証言
この「トム・ラントス人権委員会」は、ジェームズ・マクガバン議員(民主党)とジョセフ・ピッツ議員(共和党)を共同委員長とし、超党派の下院議員40人で構成される。だが、この委員会の前身を仕切っていたトム・ラントス氏が民主党だったためか、いまも民主党議員が多い。14日の公聴会には、委員である議員10数人のほか下院民主党院内総務のナンシー・ペロシ議員も顔を出していた。
証人としては、オバマ政権の国務省のチベット問題担当特使や、民間人権団体の「人権ウォッチ」代表も登場した。しかしその中でも、「チベット国際キャンペーン」会長である俳優のリチャード・ギア氏の証言が最も強い迫力を感じさせたことを、最後に報告しておきたい。