6/24・25日経ビジネスオンライン 呉善花『「統治者がつくった反日」の重いツケ』記事について

昨日に続き韓国の記事ですが、米国の慰安婦像、東京オリンピック、世界遺産、水産物の輸入禁止とか日本の足を引っ張る事ばかりやっている国は普通に考えたら敵国でしょう。何も言わないから嘘が世界に撒き散らされるのです。外務省は何をしているのでしょうか?無能としか言いようがない。今度も軍艦島の世界遺産に「強制徴用」の事実を書き込むとか韓国外相は韓国国内で嘘を言っているようですが、外務省は約束していないのであればキチンと「そんなことは約束していない」と即座に否定しないとダメです。古森義久氏によれば裏で韓国に金を出して反日で動かしているのは中国と言っていますが、さもありなん。中国人の方が韓国人より数倍賢い。自分の手を汚すことなく日本と言う敵国を弱体化できるのですから。

韓国は愚かにも北朝鮮が戦争を始めるのを中国が抑えてくれると思っているようですが、甘すぎです。宮崎正弘氏によれば「習近平は軍をグリップしてないので、言うことを聞かせるために戦争を起こすかもしれない」と言っていますが、どことやるかというと米国・日本連合軍と戦っても勝目がない(日本単独でも核使用がなければ勝つとのこと)ので、想像ですが北を唆して韓国を攻めさす可能性があります。北は核保有国で北京に核を落とされるのは困るし、戦争しなくても援助をストップすれば金王朝は潰れるでしょうから。南北は休戦しているだけで、名目を付ければいつでも攻撃できます。韓国はTHHADも配備しないし、戦時作戦統制権は米軍はいつでも韓国に返せますので、米軍は本気で守るかどうかです。米中で裏取引するかも知れません。鄧小平は米国と話してベトナムと戦争したわけですから。中国は金王朝打倒・転換・核放棄の名目ができるし(侵略国家として、最後には勿論中国が裏切る訳ですが)、米軍は韓国撤退(Korea fatigue)、38度線は維持するため軍事政権復活(痛い目に遭えば韓国民も真実に目覚めるでしょう)、韓米同盟は維持とか。南北は統一されずにいた方が緩衝地域として軍事的に良いという判断でしょう。ソ連が東欧を直接領土としなかったように。或は南シナ海ですがこれは米軍と直接対峙する危険性があります。米軍でなくとも人民解放軍が戦闘で負ければ中共は崩壊するので相手を選ぶでしょうが、米軍が兵器をドンドン与えるでしょうから、格下と思っていると痛い目に遭うでしょう。日本は早く安保法制を通すべきです。

記事

1965年の日韓国交正常化から50年が経った。

これを機に、冷え切っている両国の関係を改めて“正常化”したいところだ。

しかし、拓殖大学の呉善花(オ・ソンファ)教授は「非常に難しい」と断じる。

韓国の歴史に刻まれた、「反日の土壌」は容易には変わらないからだ。

反日の土壌はいかにして出来上がったのか。

—日韓国交正常化から50年を迎えました。これを機に、李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が2012年に竹島に上陸して以来停滞している両国の関係を改めて“正常化”したいところです。まず、今の日韓関係をどのように評価されていますか。

呉:国交正常化から50年の間で、最悪の状態だと思います。しかも、朴槿恵(パク・クネ)大統領が今後、簡単に方針を変えることはないでしょう。さらに、仮に、他の人が大統領になっても変わるのは難しいと思います。

—かなり厳しい情勢ですね。それは、なぜですか。

呉:韓国の歴史に刻まれた「反日の土壌」があるからです。最も古くから続いているのは華夷思想。これに、反日教育が重なりました。金泳三大政権を初めとする文民政権が親北朝鮮に政策を転換する中で、反日がさらに加速しました。朴槿恵大統領について言うと、反日教育を受けて育ってきたことに加えて、彼女の個人的な性格と国内の政情が、反日をさらに徹底したものにしています。

—順番にご説明いただけますか。

朝鮮は日本を教え導く立場にある

呉:華夷思想は、中国で発生した世界観です。中国は「中華」、すなわち文明の中心。周辺の国は「夷」、中華から感化・訓育を受ける対象であるという考え方です。韓国は、この中華思想に基づくヒエラルキーにおいて、「朝鮮諸国は、中国の忠実な臣下であり、正当な継承者である。日本を教え導く立場にある」と自らを位置づけてきました。竹島問題であれ、慰安婦問題であれ、本来なら朝鮮民族の下に位置する日本人が、朝鮮をバカにして行っているとみなし、反発を感じているのです。

—確かに、仏教は朝鮮を経て日本に伝わりました。6世紀半ばに百済の聖明王が日本の欽明天皇に仏像や経典を伝えたとされています。

呉:そうですね。儒教もそうです。

 ちなみに、正当な継承者であるとの認識は、中国の清王朝にも向けられていました。清は満州民族が建国した国で、漢民族の国ではありません。朝鮮から見れば、清王朝は「夷」が立てた国であるわけです。なので、表面上は服従していても、心の中では「朝鮮が中華の正当な後継者である」として清を見下していました。

 華夷思想をベースにしたヒエラルキー重視に加えて、韓国には潜在的なエスノセントリズム(自民族優越主義)があります。朝鮮民族は優れた存在、日本は「生来の野蛮で侵略的な資質をもった民族」と見なす考え方です。神功皇后による三韓征伐、豊臣秀吉による朝鮮侵略、明治の征韓論、韓国併合などを「一連の」ものと捉え、その原因が日本民族の資質にあると断じています。

朴槿恵大統領の父・朴正熙時代に広まった反日教育

—華夷思想の上に反日教育が積み重なっているわけですね。

呉:はい。戦後、韓国は「反日」を大義名分として建国されました。反日独立運動家だった李承晩(イ・スンマン)が米国の支援を得て権力を掌握したからです。韓国の憲法は前文で「三・一運動により建立された大韓民国臨時政府の法統」を継承するとうたっています。三・一運動というのは1919年にソウルで行われた大規模な独立運動です(本誌注:日本は1910年に韓国を併合していた)。大韓民国臨時政府は、李承晩らが設立した組織です。

初代の大統領に就いた李承晩は反日主義を徹底して進めました。対馬を韓国領だと主張する一方、李承晩ラインを設定して竹島を実効支配しました。左派勢力との激しい権力闘争が背景にあったからです。反日の姿勢を弱めれば、反米・親ソ中・従北朝鮮の勢力に民意が移ってしまう懸念がありました。

 この一環として反日教育を始めたのです。国家の政策として、反日=愛国と位置づけました。国家が定めた歴史認識だけを「正しいもの」として、国民に押しつけたのです。

 反日教育が本格化したのは1961年から始まった朴正熙(パク・チョンヒ)政権においてです。経済成長を背景に、中学への進学率が高まりました。これが反日教育の効果を後押しし、韓国民の間に反日を根付かせることになりました。

 日本統治時代を知っている高齢の方は、それが悪いことばかりではなかったことを理解していました。しかし、机上で反日を学習した世代は日本による統治の実態を知ることなく、イデオロギー的に反日になっています。私自身を振り返っても、日本への生理的な嫌悪の情に満ちた強固な反日感情が根付きました。朴槿恵大統領はこうした世代の始まりに位置しています。

桜の木を切り倒し、日本語由来の言葉を禁止

—李承晩や朴正熙といった軍人出身の大統領が続いた後、1993年に金泳三が大統領となり、文民政権が始まりました。それでも反日は変わらなかった。

呉:変わらないどころか、文民政権により反日はさらに強いものになりました。

金泳三は、旧朝鮮総督府の建物を解体したり、韓国各地に植えられていた桜の木の一部を切り倒したりしました。どちらも日本の象徴だったからです。竹島に沿岸警備隊を常駐させるようにしたのも金泳三です。“日本語狩り”も行いました。それまで普通に使っていた「割り箸」「楊枝」といった日本由来の言葉の使用を禁止したのです。

—金泳三、金大中(キム・デジュン)の後に登場した盧武鉉(ノ・ムヒョン)時代には「過去の清算」も行いました。日本が統治していた時代に親日行為――幹部として日本軍に協力したり、創氏改名を主唱したりするなど――をした人たちを断罪しました。戦時中に日本に協力した人のリストを作り、彼らやその子孫の財産を没収した。軍事政権時代は、戦時中の状況では日本に協力するのも致し方なかったとして、目をつぶっていましたが、この姿勢を転換しました。

呉:おっしゃる通りです。

「反北」では国民の支持を集められない

—李明博氏が大統領に就任し、保守の政権が誕生しました。同政権は日本と良好な関係を保っていましたが、政権が末期が近づくにつれ、竹島に上陸するなど反日が目立つようになりました。これはなぜだったのでしょう。

呉:反北朝鮮の政策が、国民を引きつけるものではなくなったからです。

 軍事政権時代は「反日」と同時に「反共=反北朝鮮」を掲げていました。そして、軸足を置いていたのは「反共」です。彼らにとって親北朝鮮勢力との争いは、事実上の内戦でした。例えば李承晩が大統領になれたのは、彼の反共・親米路線を支持するアメリカが支援したからです。彼は反日の旗を振る一方で、知日派を政権の重要ポストに登用し、親北朝鮮の勢力を排除していました。

 その後、政権に就いた金泳三、金大中、盧武鉉と続く左派文民政権は、軍事政権とは異なり「親北」でした。盧武鉉時代に小学4年生向けに使用された教材にこんなエピソードが載っています――ロミオとジュリエットが川を挟んで引き離されており、そこにいる悪い竜のせいで結婚できない。ロミオとジュリエットは韓国と北朝鮮。川は非武装地帯。竜はアメリカを表しています。南北朝鮮が統一できないのはアメリカのせいだという意味です。

 左派文民政権が親北であったことには社会的な背景があります。当時の韓国はアメリカ化が進んでおり、それに対する反動で「我が民族を取り戻す」という考えが力を得ていました。アメリカ化とは経済格差の拡大、個人主義の普及などを指します。個人主義の普及は、家族を大切にする姿勢とか、年長者や老人を敬う倫理を崩壊させた。こうした流れに対する反発が高まったのです。

 そんな時に周囲を見回すと北朝鮮は主体思想を掲げて、我が道を歩んでいる。文民政権は「北朝鮮のようになりたくはない」けど、その取り組みは評価するべきと考えました。彼らが政権を担った15年の間に、北朝鮮を敵視する民意は急速に衰退。40歳以下の世代には、そういう人はほとんどいないでしょう。

 李明博大統領(当時)を擁した保守の基本的な政策は「反北」です。しかし、反北政策は国民を訴求する力がなくなってしまった。このため、同大統領は任期が終りに近づきレイムダック化するにつれて、反日を強調せざるを得なくなりました。

 これに関連して興味深いのは、2003年に大統領に就任した盧武鉉時代に、民主化=民族主義=親北・反日=愛国という構図が出来上がったことです。

 文民政権にとって、軍事独裁政権と対立してきた自らの立場、すなわち「民主」は是とすべきものです。これまでにお話ししたような経緯で「親北」も是。そして「反日」は当然ながら是。ここから「民主化=親北・反日」は是という考えが出来上がります。そして、なぜか、その対局である「反民主(軍事独裁)=反北・親日」という等式も成立するようになりました。本来なら、国内で民主化を進めることと、親日であるか反日であるかは関係がありません。しかし、盧武鉉時代にこうした捉え方が韓国社会に広まったのです。

—李明博(イ・ミョンバク)政権が終わり、2013年に朴槿恵(パク・クネ)氏が大統領に就任しました。

呉:朴槿恵大統領は2012年の大統領選を、得票率52%対48%の接戦を制して当選しました。李明博大統領(当時)の末期と同様、政権に力がないので、必然的に「反日」を強調せざるを得ない面があったでしょう。

 しかし、私はそれとは別の本質的な部分で、彼女のことを評価していません。

 まず1952年生まれの彼女は、父である朴正熙(パク・チョンヒ)が推し進めた反日教育を受けて育ちました。そのくびきから逃れることはできません。彼女は事あるごとに「日本は正しい歴史認識に基づいて誠意ある行動を見せ周辺国の憂慮を払拭する」べきと語っています。

朴槿恵大統領が言う「正しい歴史認識」とは

 「正しい歴史認識」とは何でしょう。彼女が言う「正しい歴史認識」は、彼女もしくは韓国が正しいと考えている歴史認識です。彼女が信じる認識だけが正しい歴史認識で、日本はそれを受け入れるべきだと主張しているのです。

 韓国人は物事を二元論で考えます。善でないものは悪。是か非かしかありません。韓国人の中でも特に朴槿恵大統領はこの傾向を強く持っています。加えて、彼女は原則を守ることを重視しており、決して譲ることがありません。それが人生訓であり、彼女の誇りなのです。しかし、自分の考えだけが正しいという態度はいかがなものでしょう。

彼女が野党ハンナラ党の党首だった時、訪日したことがあります。小泉純一郎首相や麻生太郎氏と会談した後の記者会見で「竹島をどうする」との質問が出ました。これに対する回答は「独島(ドクト。竹島の韓国名)は韓国のもの。日本はそれを認めればよい」。

 朴槿恵大統領はこの時のことを振り返って、「韓国人記者から歓声と拍手が起こり、日本人記者たちは、虚をつかれたような笑いをした」と言っています。日本人記者たちはあきれて苦笑いをしたに違いないのですが、彼女はそうした反応を理解することができず、自伝にこう書いています。「戦わないで勝つことがまさに外交の力である……」。つまり、日本を言葉で懲らしめることができたと満足していたのです。

日本の統治時代、朝鮮の人口は倍増した

呉:韓国併合以降の日本の統治がどのようなものであったのか。日本は三・一独立運動以降、武力を伴う圧力で朝鮮を統治することはありませんでした。人口は増え、識字率も向上しました。日本軍の軍人として戦うべく志願する人も数多くいたのです。

 数字を挙げて説明しましょう。日本が1910年に韓国を併合した時の人口は1312万人でした。1944年の人口は2512万人に増大しました。この背景には経済の成長があります。農地改革により、米の収穫高は1910年の1000万石から1940年の2200万石に拡大しました。収奪、弾圧が相次ぐ統治だったら、人口がこんなに伸びるものでしょうか。

 1910年から1943年の間に識字率は6%から22%に向上しました。この間に国民学校は100校から5960校に増えています。学校で日本語を強制していたイメージがありますが、実際には朝鮮語(ハングル)も教えていました。日本史の授業だけでなく、朝鮮史の授業もあったのです。

 1945年には選挙法が改定され、朝鮮半島に住む朝鮮人も選挙権が行使できるようにしました。ただし、これは終戦のため実施されることなく終りましたが。

 さらに、1943年までは中国やアメリカとの戦争に朝鮮人が意に反して狩り出されることもありませんでした。日本人の男子が徴兵で戦争に投入される中、朝鮮では志願制度が取られました。通常なら植民地の住民から先に戦地に送るのではないでしょうか。

 1938年は2946人の応募に対して採用は406人。倍率は7倍です。1943年には30万3394人の応募に対して採用が6300人。倍率は48倍に拡大しました。給料が良かったことが応募が増えた原因の一つです。しかし、日本のために戦いたいと考える人も数多くいたのです。

 志願制は1944年に徴兵制に切り替えられました。これは日本人と朝鮮人を区別しない同化・一体化政策の表れです。異民族が異民族を支配する関係で強制する施策とは異なるものでした。

日韓関係を再び“正常化”できるか

—この4月に行われた安倍=習近平会談、そして安倍晋三首相の訪米を機に韓国の世論が変化してきました。韓国メディアにおいて「韓国が日本叩きをしている間に、韓国そのものが孤立してしまった」という論調が目立ちます。こうした変化は朴槿恵大統領の外交方針に変化をもたらすでしょうか。

呉:それはないと思います。「中国は強くあり続ける。中国を頼るべきだ」という朴槿恵大統領の姿勢は簡単には変わらないと思います。中国が主導するアジアインフラ投資銀行の動向についても「さすが中国だ。参加しないアメリカと日本だけが孤立する」と捉えているように見えます。

—最近、日韓両国の政府高官の交流が活発になってきました。6月21日には尹炳世、(ユン・ビョンセ)外相が来日し、岸田文雄外相と日韓首脳会談を行いました。韓国の外相が来日するのは約4年ぶりのことです。慰安婦問題についても話し合いが進んでいることを日本経済新聞が伝えています。これがまとまれば関係改善が進むでしょうか。慰安婦問題の話し合いの議題として次のことが挙がっています。

■日本側が取る措置

(1)財政支出による元慰安婦への支援

(2)安倍首相が謝罪や責任への言及を含む声明 …など

■韓国側が取る措置

(1)朴槿恵政権が慰安婦問題の最終解決を保証 …など

呉:日本側が取る措置として挙がっているものを、安倍首相が受け入れることはないでしょうし、日本国民も納得しないと思います。日本は、1965年に結んだ「日韓請求権並びに経済協力協定」で請求権問題は終了したと考えていますから。慰安婦を強制的に連行したことを裏付ける話に不備があったことを朝日新聞が報じた後でもありますし。

—韓国側が取る「最終解決」も、過去の例を振り返ると難しそうですね。

呉:全くそうです。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領(当時)が、解決済みだった請求権問題を蒸し返しました。2005年の三・一独立運動記念式典の席で、「日本は過去を真相究明して謝罪、反省し、賠償することがあれば賠償し、和解すべきだ」と語ったのです。

 金大中(キム・デジュン)大統領(当時)も同様です。「韓国政府は今後、過去の歴史問題を持ち出さない」といったん約束しました。しかし、いまだに続いているわけです。

 日本は安易な妥協をするべきではありません。

—アメリカが日本との関係を改善するよう韓国に強い圧力をかけているようです。この効果の程はいかがでしょう。5月にはジョン・ケリー国務長官が訪韓し、尹炳世外相と会談しました。

呉:そうとう強い圧力が加えられていると思います。しかし、朴槿恵大統領が方針を変えることはないでしょう。もし変えれば、野党が強硬に攻めてくることは必至です。

 朴槿恵大統領は就任当初から日本に対して強い姿勢を示してきました。2013年の三・一独立運動記念式典では「加害者と被害者という歴史的立場は1000年の歴史が流れても変わることはない」と発言。同年6月には、韓国大統領として初めて、日本より先に中国を訪問しました。さらに9月にはドイツのアンゲラ・メルケル首相と会談し、「歴史の傷を癒やそうとせず、たびたび傷に触れるようでは解決は困難」と語りました。

 野党から厳しい追及を受けた場合、朴槿恵大統領の場合は逃げ道がありません。李明博大統領(当時)のように親日的な姿勢を取っていれば、反日に転換することで支持率向上させられる可能性も残されていましたが。

 ただし、この蒸し返しに関して、日本にも責任があると私は考えています。韓国の望みに応えて、謝罪したり、お金を払ったりするから、いけないのです。

関係が改善できるのは危機が前面に出る時

—こうしてお話を伺うと、歴史に刻まれた「反日の土壌」は厚く、正常化から50年が経ちはしたものの、容易に変わるものではなさそうですね。しかも、朴槿恵政権が別の政権に変わっても、この土壌は変わらない。

呉:そうですね。関係改善はそうとうに難しいでしょう。

 留学経験が長く、反日イデオロギーを払拭できた人が政権に就けば変わるかもしれません。韓国では、人々がリーダーの方針に従う文化があります。上の地位にある人の立場は非常に強く、皆が機嫌を取り、悪い印象を与えないように配慮します。朝鮮の李朝が中国に対して取った事大主義――中国に対して徹底した礼を尽くすことで国土の安泰を図る――を、個人のレベルでも実行しているわけです。なので、トップが反日をやめる方針を明確にすれば、それが広く浸透する可能性は考えられます。

 ただし、多くの韓国人は反日が“完成”してから海外に出るので、海外で暮らしたとしても反日イデオロギーを捨てることは難しいかもしれません。

 関係改善が進みうるのは、経済か安全保障の面で問題が生じた場合かもしれません。

—日韓関係が改善するのはうれしいことですが、北朝鮮による核の脅威にさらされるのは遠慮したい事態です。