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『半島急変:中露の衛星使い北朝鮮が誘導ミサイル発射 現実から目を逸らす韓国、非現実的な南北融和にあくまで固執』(5/13 JBプレス 西村 金一)、『北朝鮮の狙いは米国への挑発ではなく新兵器訓練だ 米韓日の無策をよそに、実戦的な実働訓練と新型兵器の試験を実施』(5/11JBプレス 黒井文太郎)について

5/14阿波羅新聞網<中国经济未爆弹 13家上市房企总负债逾2千亿人民币=中国経済はまだ爆発しない、13の上場不動産企業は2000億元以上の負債を抱えている>「人類史上最大のバブル」と称されている中国の不動産市場は現在風雨に晒されており、上場不動産開発業者の財務状況は悪化し続けている。 中国メデイアの報道によると、中国のA株上場不動産会社123社が負債規模と平均資産負債比率を上げ続けており、上場不動産会社13社の負債合計は2,000億元を超えている。

「中国不動産報」によると、2018年末時点で、A株上場企業123社の負債総額は8.14兆元に達し、そのうち流動負債は5.87兆元であり、平均資産負債比率は80.07%で、現金資産はわずか1.21兆元であった。 しかし、第1四半期末現在、123の上場不動産企業の総負債は8.5兆元に達し、流動負債は6兆元を占め、平均資産負債比率は80.12%であり、そして現金資産はたった8347億元でした。 これはまた、中国の上場不動産会社の財務状況が悪化し続けていることを示している。

現金資産が減っているのは、不動産市況が悪く、買い手がつかないことと、貸し倒れを心配する銀行が融資に慎重になっているからでしょう。日本同様、不動産バブル崩壊から経済停滞が始まるのでは。早く弾けてほしい。

https://www.aboluowang.com/2019/0514/1288714.html

5/14阿波羅新聞網<台湾5大电子代工厂 加速撤离中国大陆=台湾の5大電子工場が中国本土から撤退を加速>和碩の童子賢会長と仁宝の陳瑞聡副会長は、「米中貿易戦がないとしても、東南アジアに出て生産するのが、会社集団の将来の方向性である。中国の人件費は年々高くなり、募集や転職率の問題をもはや軽視することはできず、徐々に生産コストと経営上の課題になってきた」ことを明らかにした。

仁宝の分析によれば、「米中貿易戦争を解決するのは容易ではない。顧客は仁宝が先ず準備しておくことを表明、ベトナムが今後2〜3年で開発の重点になる。米国と中国がどんな状況になろうとも、すぐにベトナムでの生産量を上げれば良い。現在、台湾とベトナムの生産ラインは準備が整った」と。

和碩と仁宝は米中貿易戦を口実に中国から撤退したように見えます。そうでないと嫌がらせされるからです。でも中国から早く脱出した方が賢明と言うもの。出遅れれば、損失が膨らみます。

https://www.aboluowang.com/2019/0514/1288730.html

5/13阿波羅新聞網<歧视国人!中共对台湾统战手段惹众怒 网友怒批共产党「犯贱」=中國人を差別! 中共の台湾統一の手は民衆の怒りを買った ネチズンは共産党に怒り、「下種」と批判した>江蘇省・無錫市の南京医科大学付属無錫人民病院は、最近中国のネチズンの間で不満を持たれた。病院の受付前に「台湾同胞の診療を優先する」と書いてあり、民衆は共産党を「下種」と批判しているが、この状況が広く知られるようになっても、去年から何も変わっていない。

これがどの程度台湾人の心を掴むかです。でも間違いなく中国人は怒るでしょう。中国人は今や台湾人を低く見ているでしょうから。まあ、経済が崩壊するまでですけど。

https://www.aboluowang.com/2019/0513/1288352.html

西村氏と黒井氏の記事は、北のミサイル発射は新型兵器の実験で、韓国制圧用との見立てです。韓国がどうなろうと知ったことではありませんが、米国の基地が打撃を受けるのは避けたい。

北の誘導ミサイルは中露の衛星を使っているとのこと。これが問題では。北の軍事ミサイルを誘導させる衛星の借用を、国連決議をして禁じては。守らなければ、両国にドンドン制裁をかければ良いと思いますが、拒否権を使われてお終いになるのでしょう。国連は平和に何ら役に立っていません。日本人の国連信仰はナイーブです。良く現実を見た方が良い。

西村記事

北朝鮮で今月4日、長距離多連装ロケット砲と戦術誘導兵器の「攻撃演習」を指導する金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長。国営朝鮮中央通信提供(2019年5月4日撮影、5日公開)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

北朝鮮の金正恩労働党委員長の立場から現状を見たとしよう。

米朝協議は進展しない、国連制裁解除の糸口もない、そしてロシアのウラジーミル・プーチン大統領との直接会談では、相応の待遇を受けず、要求したことも何も実行してもらえそうにない・・・。

焦りと孤立を感じたのだろう。米国を再び交渉に引きずり出すことを狙って、北朝鮮が短距離弾道ミサイルを発射した。

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5月4日、「北朝鮮は、大口径長射程ロケット砲および戦術誘導兵器を発射、金正恩委員長は火力打撃訓練を指導した」と発表し、写真を公開した。

その内容と韓国国防省の情報を総合して分析すると、発射されたのは、

(1)ソウルを火の海にすることが可能な240ミリ多連装ロケット

(2)中国のAR-3型とほぼ同型(搭載車両が別の中国製のトラックが使用されている)の300ミリ多連装ロケット

(3)ロシア製の「イスカンデル(9K720)」短距離弾道ミサイルと全く同型のもの

と評価できる。今回射撃が実施されたこれらの兵器は、極めて特殊なものであることから、まず、兵器の軍事的特色を理解してから、政治外交的な狙いを考察することが重要であろう。

ソウル市街地や軍事基地を破壊するための近代兵器

240ミリ多連装ロケットの最大射程は、約45~60キロであり、ソウルの市街地に打ち込むことができる。トラックには22発のロケットを装備しているので、連続して22発発射できる。

このロケットは、1発の命中精度は悪いものの、22発が適当に広がって落下するので、広い範囲の人員を殺傷し、建物を燃やすことができる。

北朝鮮はこの砲を30~60門保有しているので、同時に700~1300発をほぼ同時に発射できる。ソウル市街地に撃ち込み、市街地を火の海にするには最適の兵器である。

300ミリ多連装ロケットは、中国製のAR-3多連装ロケットに類似しているが、搭載車両が中国の兵器とは異なっているものの、中国製の別のトラックを使用している。

射程は、70~220キロまでのものがあり、韓国中部の大田(テジョン)付近まで撃つことができる。

米陸軍の第2師団が所在する議政府、米空軍戦闘航空団が所在する烏山(オサン)、在韓米軍司令部や在韓米陸軍司令部が所在する平沢(ピョンテク)に向けて射撃すること可能だ。

GPS誘導(北斗衛星測位システム:GNSS)兵器であり、命中率が極めて高い。

イスカンデル(SS-26 Stone)とみられるこのミサイルは、米国の研究機関などの情報によると、ロシア軍用と輸出用がある。

輸出用は性能が落ちるとはいえ、射程は280キロ(最低射距離50キロ)であり、韓国の群山(クンサン)付近まで届き、在韓米軍最低射距離ではソウルにも届く。

300ミリ多連装ロケットよりも遠距離で第8戦闘航空団がある群山(クンサン)まで到達できる。

諸元では核兵器搭載可能だがペイロード(弾頭を運搬できる重量)480キロであり、北朝鮮の核兵器を搭載することは、現段階では不可能であろう。

固体燃料を搭載していることから、発射までの時間は、ミサイルを設置した状態からは約4分、行進から発射までは、たったの約16分しかかからない。

目標が発見されたならば、5~20分の間に、このミサイルが飛んできて、命中すると考えるべきだ。

3つのミサイル・ロケット兵器による韓国制圧範囲

出典:各種データに基づき筆者作成

ロシアや中国の衛星測位システムを使用

各国の軍事衛星では、偵高度1000キロ以内察衛星が敵国内の軍事情報を収集し、高度約3万6000キロの静止軌道にある早期警戒衛星が敵国のミサイル発射時の光を瞬時に探知する。

高度約3万6000キロの静止軌道にある通信衛星は無人機が収集した情報、地上の電波受信局が受信した情報および各種衛星が受け取った情報などを中継して本国に送信している。

高度約2万キロにある測位衛星システムの情報は、例えば、位置情報が各種ミサイルの誘導(GPS誘導)に利用されるなど、艦艇・航空機の航法や武器システムに使用される。

各種軍事衛星の配置

出典:各種データに基づき筆者作成

中国やロシアは、地球の表面から高度約2万キロに測位衛星を打ち上げている。全世界で使用するために、基本的に中露とも24基から構成されている。

中国は、2000年から北斗衛星を打ち上げ、2018年末には中国独自の北斗衛星測位システム(GNSS)の全世界での運用を開始した。ロシアは、2011年に全世界で運用を開始した。

イスカンデルミサイルは、精度(半数必中界、CEP)は、通常30~70メートルであるが、ロシアのグロナス(GLONASS)衛星測位システム(米国のGPSと同じ機能)を使用すれば2~7メートルとなる。

2発発射すれば、直径4~14メートルの円の中に1発は命中できる。

朝鮮中央通信(5月5日)の金正恩の火力打撃訓練指導の写真には、海面に出ている岩に弾が命中して爆発している映像がある。

金正恩委員長は、この映像を強調したかったのか、そのテレビ画面を指さしている。最初からこの岩を狙って命中させたと考えられることから、命中精度は極めて高い。

ロシアのグロナスを使用していると見るべきだ。

中国製のAR-3多連装ロケットに類似している300ミリ多連装砲もイスカンデルミサイルと同様に、中国の衛星測位システム(北斗)を使用して誘導(一般的にはGPS誘導を呼称される)している。

この兵器は、命中率が高く半数必中界(CEP)は50メートルであり、直径100メートルの円の中に、2発撃ち込めば、1発は命中する精度である。

もし、韓国所在の米軍施設の射撃を受ければ、地下の施設は大丈夫だが、地上にある施設は多く破壊されることになるだろう。

240ミリ多連装ロケットは、ロケットを誘導できないために、もともと精度が悪く、目標に命中させる兵器ではなく、地域を制圧する兵器だと言われている。

過去の事例では、北朝鮮が延坪島にロケット砲を撃ち込んだが、半数近く海に落下している。

しかし、GPS誘導することにより、目標に概ね命中させることができることになる。

今回の朝鮮中央テレビの映像では、島にロケットが撃ち込まれて、地表面が破裂している。これが、この300ミリ多連装ロケットの射撃の成果だったとみられる。

韓国の南北融和を優先した非現実的な評価

外交の駆け引きのなか、韓国国防省は、北朝鮮に発射時の映像を見せつけられ、実際にミサイルが高度約20~60キロ、240キロ飛翔したことを実際に確認していた。

当然、米国情報機関の電波情報や偵察衛星情報、過去のパレードの写真などを含めて総合的に判断するのは当然のことだ。

北朝鮮は今回発射したミサイルを「新型戦術誘導兵器」だと発表。そして、「軍事合意の趣旨に背く」「北に対し、軍事的な緊張を高める行為を中断するよう求める」と述べた。

だが、韓国国会国防委員会委員長は次のように述べた。

「短距離ミサイルでない可能性が高い」

「戦略兵器ではなく戦術兵器を試験している段階ではないか」

「挑発が狙いというより火力打撃(攻撃)訓練だった」

「軍部など内部の不満を和らげ、結束を図る目的があったのではないか」

北朝鮮との融和を優先するばかりに、韓国の軍事・政治施設の大部分を正確に叩き潰すことができるミサイルだという実際の脅威から目を逸らしていると言わざるを得ない。

約5000万人の国民を騙し、その人命を軽視し、国防の責任を放棄している。当委員会の能天気な評価には、呆れるばかりだ。

今回のミサイル等発射の外交上の狙いには、朝鮮半島情勢が過去のような危機な局面に戻り得ると「警告」するとともに、米国の譲歩を引き出すために圧力をかける意図がある。

米国が、北朝鮮の要求を呑む交渉に応じない場合には、徐々にエスカレートしていくと見るのは当然のことだ。

2月の米朝会談後、今年の4月17日に地対艦ミサイルを発射、今回の発射は2回目だ。

この2つの発射は、基本的に半島有事で韓国向けに使用されるものだ。

韓国向けのミサイル発射を何度か続け、それでも北朝鮮が要求する交渉に米国がのってこない場合には、日本向けのミサイル、グアムや沖縄向け、ハワイ向け、そして潜水艦発射弾道ミサイル、核実験、ICBMの発射といった具合に階段を駆け上がるだろう。

この場合、米国は、北朝鮮の要求を受け入れないのであれば、国連制裁を強化しつつ、マレーシアのクアラルンプールで暗殺された金正男氏の息子ハンソル氏を利用して金正恩政権を崩壊させるか、あるいは、斬首作戦などの軍事作戦を奇襲的に実施することになるだろう。

黒井記事

5月9日に発射された北朝鮮版イスカンデル(出所:労働新聞ウェブサイト)

(黒井 文太郎:軍事ジャーナリスト)

5月9日、北朝鮮が2発の短距離弾道ミサイルを発射。翌10日早朝、国営メディアである朝鮮中央通信と労働新聞が、さっそくその様子を伝えた。

それらによると、この日の発射は「西部前線防御部隊」の「火力打撃訓練」で、「複数の長距離打撃手段」が試されたという。訓練の目的は「西部前線防御部隊の迅速反応能力を判定、検閲するため」とされた。つまり、実戦的な即応訓練である。

視察した金正恩委員長は、「国の真の平和と安全は、自己の自主権を守れる強力な物理的力によってのみ保証される」と訓示し、「現情勢の要求と党の戦略的意図に合わせて最前線と西部前線防御部隊の戦闘任務遂行能力をさらに向上し、いかなる不意の事態にも主動的に対処できるように万端の戦闘動員態勢を整えていなければならない」と指示したという。つまり、北朝鮮の説明では、この発射は純粋に国の防衛に必要な戦力強化のための訓練ということだ。

2種類の新型兵器が登場

両メディアは、この訓練の写真も発表した。そこに写っていた兵器は、3種類。「240ミリ多連装ロケット砲」「自走榴弾砲」「短距離弾道ミサイル」である。

このうち240ミリ多連装ロケット砲は、1990年代から運用されている従来型の兵器だ。長年にわたって運用されてきたものであり、兵器としての信頼性は十分なため、これについては、従来の部隊の実働訓練ということだろう。

注目すべきは、他の2種類がいずれも新型兵器だということだ。

新型の自走榴弾砲は、従来の北朝鮮軍の自走砲より大型の152ミリの榴弾砲を搭載した自走砲で、2018年9月の軍事パレードで初めて登場したものだ。当時と比べると、若干の仕様変更はある。

この新型自走砲は、これまで実際に試射をしたり、実射訓練をしたりする画像が公表されたことはない。まったく発射したことがないなどということはないだろうが、大規模な実戦的訓練はおそらく今回が初なのではないか。

5月9日の訓練に登場した新型自走砲(出所:労働新聞ウェブサイト)

また、3つ目の兵器は、5月4日の発射訓練の際の写真にも写っていた新型の短距離弾道ミサイルである。外観がロシア製の高性能な短距離弾道ミサイル「イスカンデル」に酷似している。ほとんどコピーと言っていいレベルだが、詳細にみると、モーターのノズル部分がオリジナルのロシア軍「イスカンデル」と若干違う。また、オリジナルにはみられない配線が本体外殻にみられる。まったくイスカンデルと同じというわけではないようだ。

これはつまり、完全にオリジナルの技術を入手してコピーしたわけではないことを意味する。しかし、どれほどオリジナルの性能に近づいているかは、これだけでは不明だ。

また、専用の自走発射機も、ロシア軍のオリジナルとは違っている。しかも、5月4日に使われた自走発射機は装輪式(タイヤ式)だったのに対し、今回使われた自走発射機は装軌式(キャタピラー式)」になっていた。つまり今回のほうが悪路や不整地での運用に強いということになる。この2つの自走発射機は、同時期に使われていることからすると、2種類を使っているということになりそうだ。

いずれにせよ、今回の訓練では少なくともこの3種類の兵器が使用され、うち2種類は新型の兵器だった。他の兵器でも参加したものがあったのかもしれないが、北朝鮮が公表した写真からは判断できない。

実戦的な実働訓練と「新型兵器」試験を同時実施

また、5月4日の東海岸・元山近傍での訓練でも、北朝鮮側が公表した写真から少なくとも3種類の兵器が使われたことが確認できる。今回と同じ240ミリ多連装ロケット砲、イスカンデル酷似の新型短距離弾道ミサイルに加え、300ミリ多連装ロケット砲(KN-09)である。

この300ミリ多連装ロケット砲も比較的新しい兵器で、おそらく現在も改良が加えられている。したがって、300ミリ多連装ロケット砲の発射については、実戦的な即応訓練と、改良バージョンの試験が兼ねられていた可能性がある。

こうしてみると、5月4日の東部前線部隊の訓練も、9日の西部前線部隊の訓練も、きわめて実戦的な実働訓練と、新型兵器の試験を兼ねたものであったことがわかる。

北朝鮮版イスカンデルの実力は?

北朝鮮は2017年11月にICBM「火星15」を発射した後、これまで弾道ミサイルの発射を行っていない。対米対話路線に転じていたことから、大規模な軍事演習も自粛してきた。しかし、その間も技術的な開発・改良は進められており、この1年半の間に、様々な新技術が新たな兵器に導入されていたはずである。

そうした新兵器は、実際に試してみてこそ信頼性が担保され、実戦配備できる。したがって、北朝鮮はたとえばこの新型自走砲と北朝鮮版イスカンデルについては、実戦的な射撃訓練をすぐにでも実施したがっていたはずだ。

とくに北朝鮮版イスカンデルは、北朝鮮軍のミサイル戦力の中でも、画期的な戦力になるものだ。まず、固体燃料式で即応性がきわめて高い。さらに誘導性能も、どこまでオリジナルのイスカンデルの性能をコピーできているかは不明だが、仮にオリジナル(イスカンデルにはいくつかのバージョンがあるが、高性能の「イスカンデルM」)と同等レベルであれば、慣性誘導や衛星誘導に加えて弾頭のレーダー・シーカーや光学センサーなどでの誘導により、命中精度が格段に向上している可能性が高い。

こうした誘導システムの性能は外部からはわからないが、外部からわかる性能もある。燃料とロケットモーターの性能で決まる推力のレベルだ。今回、驚いたことに、9日に発射したミサイルの1発目(北朝鮮が発表した写真から、2発のミサイルはいずれも北朝鮮版イスカンデルであることが確認できる)が、最高高度約40キロメートルで、飛行距離約420キロメートルを達成しているのだ。これはロシア軍のイスカンデルMとおそらく同等レベルのパワーと言っていい(なお、最高高度は9日の韓国軍の発表では約50キロメートルだったが、10日に約40キロメートルと訂正された)。

5月4日に発射したものは約240キロメートル、9日の発射でも2発目は約270キロメートルしか飛んでいないが、その理由は不明だ。しかし、少なくとも1発はロシア軍のイスカンデルMとおそらく同等レベルの性能を実証したのだ。

これは、米国や日本は射程的に無関係だが、韓国や在韓米軍との戦闘を考えた場合、北朝鮮軍の戦力を大幅に強化する兵器といえる。ならば当然、北朝鮮はその性能と信頼性を実証し、実戦配備したいと熱望するのは自然なことだ。

今回の2回の訓練は、北朝鮮自身が説明するように、おそらく純粋に戦力強化を狙って、軍事訓練として行われたものだろう。

北朝鮮にとっては今がチャンス

では、なぜ“今”か?

この答えは簡単だ。前々からやりたがっていたことが、今なら可能だからである。

前述したように、北朝鮮は1年半もの間、大規模な軍事訓練を自粛していた。米国と対話・交渉が続いており、その流れを止めたくなかったためだ。

とくに、トランプ大統領が盛んに「金正恩委員長とはうまくやれる」とリップサービスをぶち上げていたため、北朝鮮側としても、トランプ大統領をおだてあげておけば、自分たちがそれほど譲歩しなくとも、大きな利益が得られるのではないかと期待していたはずだ。しかし、2019年2月末のハノイ首脳会談の決裂で、それほど期待できないことを思い知らされた。それならば、しばらくそう事態が動きそうもないことを利用して、それまで自粛してきた新兵器中心の軍事訓練を再開しよう考えたのだろう。

しかも、トランプ大統領自身は、自分の実績とアピールしている米朝交渉の枠組みを壊すつもりがなさそうだ。それなら、今こそ北朝鮮にとってはチャンスと言える。

このように、5月4日と9日のミサイル発射は、“非常に高性能な新型兵器の実戦的な発射訓練”という、北朝鮮軍が戦力強化のために実施したがっていた訓練を、米国との交渉が停滞している間隙を利用して実施したのだろうというのが、北朝鮮側の主張とも符合する合理的な見方ではないかと思われる。

対米挑発・国内引き締めのため、という見方は妥当か

しかし、メディアにおいては、そうでない見方も多い。とくに目立つのが「北朝鮮は米国を交渉に引き戻し、譲歩させたいから今回のミサイル発射を強行して米国を挑発した」という見方と、「米朝交渉が不調で不満を持っている軍部に報いると同時に、国内を引き締めるため」との見方が多い。

このうち、前者は合理的に説明がつかず、誤認識ではないかと思う。

北朝鮮は公式に「自分たちはこれ以上、譲歩するつもりはない。米国が譲歩すべきで、2019年度末までに受け入れよ」と主張している。したがって、一向に譲歩しない米国にしびれをきらし、ミサイル発射で脅しているという見方があるわけだ。

しかし、今、北朝鮮がミサイルを発射したからといって、トランプ大統領が「金正恩委員長が本気なのがわかったので譲歩しよう」とか「制裁解除するから、頼むからもう発射しないでくれ」と折れることは考えられない。むしろ逆に、トランプ政権は北朝鮮の軍事的行動が上がるに応じて、強硬路線に転じていくだろう。それは北朝鮮にとっては「損」な話であるし、そのくらいのことは北朝鮮も理解しているだろう。つまり、北朝鮮はミサイル発射で米国を挑発している、との仮説は成立しないのではないか。

他方、国内引き締め説については、たしかにそうした効果は多少はあるだろう。しかし、それが今回、金正恩委員長がミサイルを発射した最大の目的かというと、それを裏づける根拠情報は皆無である。北朝鮮自身、そんな趣旨のことに言及したことはない。

北朝鮮の思惑を推測するのはたしかに難しい作業だが、北朝鮮にとって何が利益になるのかを合理的に検証し、それに北朝鮮自身の言動を突き合わせることで説明がつけばそれはそう外してはいないと考えていい。そこに矛盾が生じるとなれば、北朝鮮には言葉とは違う裏の狙いがあるのかもしれないという話になる。

金正恩委員長個人の心の内を「絶対にこうだ」とは断定できないが、今回の連続のミサイル発射は、「新兵器の実働訓練が目的だった」という仮説が最も説得力があるようにみえる。少なくとも対米挑発が目的という仮説は誤りであり、国内引き締めが目的という仮説もメインの動機説明としては弱いと言えよう。

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『韓国経済を破壊し独裁化する文在寅、就任2年で露呈した限界』(5/10ダイヤモンドオンライン 武藤正敏)について

5/12希望之声<华为又有麻烦了 被控窃取美国公司技术=華為はまた面倒が 米国企業の技術を盗んだとして告発>先週、米国のスタートアップ企業は、中国の技術大手・華為が研究プロジェクトに携わっている中国の大学教授を雇い、同社の技術を不当に取得したと告発した。

Voice of Americaによると、本社がカリフォルニアにあるCNEXは、先週テキサス連邦裁判所に、毛波・厦門大学教授が同社の回路基板のプロジェクト技術を盗んだと告発した。

同社は、回路基板に関する「厳格な機密保持契約」に署名するよう毛波に要求したが、厦門大学が華為と協力していることを知らず、回路基板を教授に送った後、その製品に関する技術の詳細は華為の手に落ちた。

CNEXは法廷提出資料に次のように書いている。「華為はCNEXの特許および商業上の機密情報を盗み、それを華為のハードドライブコントローラーの開発者と共有し、CNEXの要求に違反し、またCNEX技術情報の拡散の制限に違反した」と。

中国人を信じるとこうなるというパターンです。でも日本の大学、企業はザルのように盗まれているのでは。リーダーに危機意識がなさ過ぎです。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/12/n2877948.html

5/13阿波羅新聞網<撑不下去?中国移动面临5大危机=持ちこたえられない? チャイナモバイルが5(3の間違いでは?)つの大きな危機に直面>5/9、米国連邦通信委員会(FCC)は、国家安全保障上の理由で中国の通信事業者であるチャイナモバイルが米国市場に参入し、米国と海外との電気通信サービスを提供することを正式に拒否した。中国メデイアによれば、 チャイナモバイルは利益の減少、市場の切断、人材流出など、3つの大きな危機に直面している。

今年の第1四半期には、チャイナモバイルの4G利用増が1067万件、4Gスマホのパケット量は前年同期比162%増加し、ブロードバンドが1034万件増加したにもかかわらず、純利益が史上初めて8.3%減少した。 会社の発展は歴史的な転換点を迎えた。利益はもはや高速で成長していかず、減少または赤字になる可能性もある。

ドンドン締め出しを図っていってほしい。中国国内では失業も増え、打倒中共の機運が高まれば良い。

https://www.aboluowang.com/2019/0513/1288239.html

5/13阿波羅新聞網<中国家庭债务触目惊心 远超国际水准 经济发展未爆弹=中国の家計債務は衝撃的で、国際基準をはるかに超えている 経済発展はまだ爆発せず>捜狐ネットによると、家計債務のGDPに占める割合と家計債務の可処分所得に占める割合は2大指標であり、中国の家計債務の状況は衝撃的なレベルに達しており、米国が40年で達した債務の水準まできている。 中国は10年もたたず暮らしと社会経済の長期的発展に深刻な影響を与えてきたが、住宅価格の暴騰が主な原因である。

報道では「1996年の中国の家計債務はGDPの3%に過ぎず、2008年には18%にまで増加したが、2017年上半期には47.5%と2008年に比べて30パーセント近く増加し、国際基準をはるかに上回った。 しかし、この数字には住宅積立基金のローンやP2Pなどのローンは含まれておらず、これらのデータをすべて統計に含めると、2017年上半期の中国の家計負債のGDP比率は53%を超える。

米国の家計債務が20%から50%に増加するのに40年近くかかったのに対し、中国は10年も費やしていない。

また、可処分所得に対する家計債務の比率も急上昇しており、2006年から2017年にかけては18.3%から78.1%に激増しているが、これは銀行統計のデータにすぎない。 78.1%よりはるかに高いはずである。

中国の借金は持続可能ではありません。それを瀬口清之氏のような中共御用達のエコノミストや共産主義シンパが提灯記事を書いて日本国民を騙してきたと言う訳です。日本人はもっと懐疑的にならなければ。権威を信じすぎるのは禁物です。

下の宮崎正弘氏のメルマガによれば、朱鎔基の息子のグループは中国全体の債務総額は9900兆円もあるとのこと。債権者は誰?

https://www.aboluowang.com/2019/0513/1288237.html

5/12阿波羅新聞網<媒体:边打边谈?只打不谈! 中国知识分子热赞特朗普 中共各级官员退党保平安=棍棒外交?交渉せず打つだけにして!中国の知識人はトランプを称賛 中共の各クラスの役人は、身を守るために党を離れる>台湾メディア《中央社》の分析では「トランプの忍耐力は限られているので、トランプと習が話し合ったとしても、米国が要求している水準に達していなければ、トランプはその場を去り、貿易戦争は“話し合うのではなく、争うだけ”に変わる。 米中貿易戦争が激化して、中国の知識人たちは喝采を送り、“米国が貿易戦争を使って、中国の政治の根本的な変化を促してほしい”と。 同じ期間に、党からの撤退、団体からの撤退、隊からの撤退の3つの後退は止められず、中共の各レベルの役人もまた身を守るために党を離れた。

トランプが6月のG20サミットで習と会談しても、習は政敵との関係もあり、米国の要求はのめないでしょう。それこそ売国奴呼ばわりされ、責任を自身で引き受けざるを得なくなりますので。うまいやり方です。習は逃げる可能性もあります。習は行くも地獄、退くも地獄が待っています。

https://www.aboluowang.com/2019/0512/1288220.html

5/13日経<中国マネー、巨象の虚像 編集委員 滝田 洋一  黒字大国なのにドル不足

対中貿易交渉の遅れに業を煮やし、トランプ砲がさく裂した。中国からの輸入品2000億ドル分への関税を10日、10%から25%に引き上げた。

確かに中国の貿易黒字は巨額だ。2018年は米国の対中輸出が1203億ドルで、中国の対米輸出は4.5倍の5395億ドル。米国の対中貿易赤字は4192億ドルだった。

米国のトランプ政権のいら立ちはここに根ざしている。ところが貿易収支にサービス収支や所得収支を加えた経常収支をみると、黒字大国中国というイメージは一変する。

15年に3000億ドルあまりあった経常収支の黒字は、18年には500億ドルを下回るまでに落ち込んだ。この減少は一時的な現象ではない。

国際通貨基金(IMF)の予測では、中国の経常収支の黒字は19年に600億ドル弱に持ち直すものの、20年に400億ドル強、21年は200億ドル強へと減少。22年には経常収支は60億ドルあまりの赤字に陥る見通しなのである。23年以降は赤字が続く予想だ。

日本やドイツで経常収支の黒字が続く見通しなのと、中国は好対照だ。日本の貿易収支はこのところほぼトントン。企業が海外で稼いだ収益が所得収支で国内に還流することで、経常収支の黒字を維持している。

一方、中国はサービス収支の赤字が目立つ。貿易黒字が約4000億ドルなのに対し、サービス収支の赤字は3000億ドル規模まで膨らんだ。

海外旅行での”爆買い”が、中国のサービス収支の巨額赤字となって表れている。もちろん爆買いのなかには、中国での転売を目的とした買い付けも多い。形を変えた輸入ともいえる買い付けだ。

かくて経常黒字が細っているが、国際収支でもうひとつ目を引くのが誤差脱漏だ。

誤差脱漏とは国際収支でハッキリとは分類できない資金の流れだ。どこの国でもその時々で大きく振れるのだが、中国の場合、15年以降は年2000億ドル前後と奇妙に安定している。

その中身は何か。ひとつの可能性として、外貨準備の運用損が指摘されている。中国の外貨準備の6割は米国、欧州、日本の国債などに投資されている。残りの運用先は不明である。特別目的会社を通じ、新興国や資源国に向かっているかもしれない。

中国当局は新興国向け投融資について詳しい中身を公表していない。だが天網恢々(かいかい)疎にして漏らさず。米ジョンズ・ホプキンス大学のアフリカ・中国研究チームは借り手と貸し手の個別の公表資料から、詳細なデータベースを作成した。

それによれば、2000年から17年にかけて中国のアフリカ向け融資額は1430億ドルにのぼった。米ボストン大学も中国の中南米・カリブ諸国向け融資を集計したが、その額は05年以降1400億ドルに達した。中国による融資はアフリカと中南米だけで合計30兆円を超える勘定となる。

債務のワナ。中国の新興国向け投融資に、トランプ米政権は神経をとがらせる。借金で首が回らなくなったスリランカから、同国のハンバントタ港を中国が99年も運営することになったのは、まさに債務のワナといえるだろう。

ならば中国は、借金を返せなくなった国々から、次々と資産を手に入れているのだろうか。米経営コンサルティング会社のロジウム・グループが、過去10年間に中国が24カ国との間で実施した、38件の債務の再交渉を追った。再交渉の金額は500億ドル。

その調査によれば、スリランカのほか、タジキスタンでも中国は1158平方キロメートルの土地を差し押さえた。でも、こうした資産の差し押さえは極めてまれなケースという。

借金が返せなくなった国に対する最も一般的な措置は債務免除。キューバ、ジンバブエ、カメルーン向けなどで16件実施した。次は支払い猶予で、エチオピア、カザフスタン向けなどで11件。ほか借り換え、返済条件変更、追加融資が4件ずつとなっている。

19年4月、北京での一帯一路サミット。習近平主席は参加企業が合意した640億ドルの協力事業の新規案件に胸を張りつつ、プロジェクトの持続可能性を強調した。「借り手の借金漬け」という米国などからの批判に応えたばかりではない。中国自身が、持続可能性の乏しい案件で、不良債権の山を抱え込むことを警戒しだしたのがうかがえる。

海外融資の担い手である銀行の資金繰りにも異変が生じている。国際業務が主力の中国銀行は、18年末時点でドル建て債務が同資産を700億ドル上回るドル不足に陥った。

理由はハッキリしている、と米紙ウォール・ストリート・ジャーナルはいう。中国当局は海外で主要な資金の貸し手となりたいと考えているが、借り手の人民元建て融資への関心は低い。一帯一路に基づく開発案件も圧倒的にドル資金で手当てされている。こうして中国の銀行がドル不足に陥ってしまう分は、外貨準備で穴埋めするほかない。

バブルが頂点を極め、崩壊に向かった1990年代の日本が思い起こされる。米国との貿易摩擦はいわずもがな。日本からは海外不動産の購入などで直接投資が膨らんだが、その多くは焦げ付いた。国内でも不良債権が膨らむなか、邦銀の格付けは低下し、海外での資金繰りの足元が揺さぶられた。

米国などがいら立つ無敵の巨象。中国のそうしたイメージは、今や虚像に転じつつあるのではあるまいか。>(以上)

5/10宮崎正弘氏メルマガ<IMFに続きADBも対中国向け融資に「チャイナ・プレミアム」を適用へ  誰も知らない負債総額。ひょっとして9900兆円か?>

http://melma.com/backnumber_45206_6816573/

日経もやっとジャーナリズムの責務を果たしたかと言う感じ。でもこの内容は宮崎正弘氏が数年前からメルマガや本で主張してきたことばかり。こんなに遅いのでは情報感度の高い人の新聞購読は減るばかりでしょう。「機密情報の98%は公開情報から得られ」ますので。 新聞・TVだけで情報を取る人はガラパゴス時代を生きることになります。

5/13宮崎正弘氏メルマガ<「中国はグアダル開発をやめろ」。BLAがヴィデオで警告 BLAは豪華ホテル襲撃、カラチ中国領事館自爆テロの武装集団>泣き面に蜂でしょう。ムスリムは、中共がウイグル人をエスニッククレンジングしているのに何もしないのはおかしい。

http://melma.com/backnumber_45206_6817654/

武藤氏の記事では、情緒優先の韓国民の合理的判断は期待できないと言うものでしょう。中国が米国に圧迫されている現在、経済で中国を当てにしても無理と言うのが分からないのでしょう。今韓国では徴用工像反対集会が行われているようですが、気付くのが遅かったと思います。もう、北と一緒に滅ぶしかないのでは。ウオンも下がっているし(先月初め1ドル=1130ウォン→5/10には1182.90ウォン)、IMF管理目前では。左翼は経済が分からないから、そういう人をリーダーに選ぶことが間違いです。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190511-00010004-nishinpc-int&fbclid=IwAR0WkLgdkh6BlhT13I0cda6D1UggaKpi8PNE6fReiNR8n3chQRoUXACC1Gk

https://japanese.joins.com/article/268/253268.html

記事

写真:ユニフォトプレス

文在寅政権は5月10日で発足2周年を迎える。過去2年間の政権の評価を朝鮮日報、中央日報等、韓国の主要紙の記事を基に分析し、解説したい。

文在寅大統領の支持率と主要政策への評価には大きな乖離

政権発足2周年を迎えるに当たり、韓国ギャロップが4月10日に行った世論調査によると、文大統領の支持率は45%で、就任当時の84%と比べると大幅に低下したが、それでも就任後2年時点の比較では、歴代大統領の中でも金大中氏に次ぎ2位である。

しかし、同政権の経済・外交・対北朝鮮政策などを肯定する評価は就任1年時点と比べほぼ半減し、朝鮮日報によれば落第点に近い評価であった。

各政策を肯定する評価と否定する評価は、経済政策が「肯定23%:否定62%」、公職人事が「肯定26%:否定50%」、雇用労働政策は「肯定29%:否定54%」であった。文政権が力を入れる北朝鮮政策でも、過去1年間で肯定的評価が83%から45%に、外交政策でも74%から45%に大幅に低下している。

このように、文政権の政策への支持が急降下しているにもかかわらず、支持率が依然として歴代2位にあるのには韓国特有の事情があるからだ。

韓国では朴正煕(パク・チョンヒ)、全斗煥(チョン・ドファン)大統領と軍事政権が続き、軍事革命や光州事件といった暗いイメージが付きまとっている。これを打倒すべく立ち上がったのが、金泳三(キム・ヨンサム)、金大中(キム・デジュン)といった民主政治家であり、「民主政治家=革新系」とのイメージができているのである。韓国人は、「頭ではなくハートで考える」といわれるが、頭で考えれば、文政権の政策は韓国の多くの人々に受け入れられていないが、無条件で革新系を支持する市民がいまだに多いということであろう。

製造業の「脱韓国」が進む経済・雇用政策の破綻

朝鮮日報は「発足2年で国民を生活苦に追い込んだ文在寅政権」と題する社説を掲載している。朝鮮日報と韓国経済研究院による世論調査で、文政権発足後、生活が苦しくなったと感じている人が58.9%、1年前の調査時点(28.8%)の倍に達している。特に自営業者は82%が文政権の発足後、生活状況が悪化したと回答した。昨年廃業した自営業者は100万人を超えた。所得主導成長政策が弱者の財布を補うどころか、貧しさを増幅させた。それでも政府の対応は税金をつぎ込み、見せかけの雇用を作り出し、福祉名目で現金をばらまくだけである。

さらに中央日報は「文政権の反市場政策2年間で…製造業が『脱韓国』」と題する記事を掲載している。韓国の海外直接投資は07年から17年まで毎年80億ドル前後を維持してきたが、18年はその倍の164億ドルに達した。それは国内生産環境、経営環境の悪化による生産拠点の海外脱出である。賃金の上昇、労働時間の制限、法人税の引き上げ、規制強化または法制度の変革など国内の事業環境は悪化しており、「今韓国で事業を拡張する者は『愛国者』」だと皮肉る声も聞く。こうした企業の脱出は韓国の質の高い雇用を奪っている。

さらに東亜日報は、4月1ヵ月間のウォン安は金融不安のトルコに次いで2位であり、これは韓国内外の投資家が韓国経済の減速ぶりが尋常でないと受け止めているからであるとの分析を紹介している。

このように、文政権の経済政策は韓国の経済力を弱体化させ、雇用を奪い、国民を生活苦に追いやっている。韓国国民の経済、雇用政策に対する肯定的評価がいずれも20%台に低迷しているのも理解できる。

対北融和姿勢が米朝会談の物別れの一因

過去2年間の中で、文在寅大統領、韓国国民ともに一番失望したのが北朝鮮との関係だろう。文政権としては、米朝首脳会談を成功させ、これをきっかけに北朝鮮への経済協力に乗り出す腹積もりであった。しかし、2月末のベトナムにおける米朝首脳会談は物別れに終わった。

韓国は米朝双方から、これまでの役割を否定されている。北朝鮮は4月27日の南北首脳会談1周年記念に姿を見せなかった。加えて、北朝鮮は、文氏は米朝の仲介役ではなく米国の同盟者であると反発した。文氏は米韓首脳会談の単独会談が実質2分に終わり、米国からも仲介者としての役割を事実上否定されている。それはこれまで韓国が米朝対話を促すため、聞き心地の良いことを言い、双方をミスリードしてきたからであろう。

これまで文政権の最大の“売り”は北朝鮮との関係改善によって、南北の緊張緩和を図ってきたことである。しかし、韓国が実際にやったことは、一方的な北朝鮮に対する軍事力の削減である。昨年の南北首脳会談の際の軍事合意で、38度線付近での偵察飛行と合同軍事演習の中止は、韓国軍の作戦能力を一方的に低下させるであろう。また、最近では軍事装備の強化をおろそかにしつつ、米韓連合軍の指揮権を韓国に返還させる動きを示している。

国の安全保障を維持強化するのは大統領の責務である。それをおろそかにし、北朝鮮との接近を図ることは韓国の安全を脅かすもとになりかねない。

文大統領が進める積弊清算は就任演説になかった

大統領の最も重要な任務は、国民の融和を図り、国民の団結をもたらすことである。しかし、文大統領は北朝鮮との融和に熱心であるが、国民の融和に対する関心がないのではないか。

大統領は2日、各方面の有識者を招いた懇談会で、「ある方たちから、もう積弊清算はやめて、統合に向かって進むべきだとよく言われる」とした上で、「生きて動く捜査に対し政府は統制できないし、また統制すべきでもない」と述べた。積弊精算とは、朴槿恵前政権が行った政策を正し、精算するという意味だ。朴槿恵前政権の不正疑惑の捜査もこれに当たる。

文大統領の言葉は、積弊清算やその捜査が文氏の意向とは関係なく捜査機関独自の判断で始まり、今も続いているように聞こえる。

しかし、文大統領は、「時効が過ぎた事件でも事実関係を究明せよ」と指示を出している。文大統領にとって、積弊清算は就任直後に挙げた国政課題の第一であり、「自分が最も重視するのは積弊清算」なのである。ちなみに、就任演説では「積弊清算」という言葉は1回も使われず、国民統合をやたら強調していたという(朝鮮日報)。

このやり取りを聞いていると、徴用工問題に関し、「司法判断を尊重する」と述べただけで、問題の解決を投げ出しているやり方と同じである。このように自分にとって面倒なことは他人に押し付け、逃げている大統領を国民が心底から尊敬できるであろうか。

うまくいかない焦りからますます独裁志向に

文政権はますます独善的な政策を進めている。民主主義の基本である議会を無視し、言論弾圧に走っている。

文政権の特徴の1つが、行政に関して未経験の人材でも、文大統領の考えに近い政治活動家を要職に就けていることである。そのため、強引なやり方で人事を断行しており、公職者の任命に関する評価が低い。現政権になって国会の報告書採択なしに任命された人事聴聞対象者は計15人。直近では「高額株投資」で物議をかもした、李美善(イ・ミソン) 氏を憲法裁判官に任命した。また、開城工団、金剛山観光事業の実施に情熱を燃やす金錬鉄(キム・ヨンチョル)氏を統一部長官に任命した時も、野党の反対を押し切って強行した。

言論に対しても今年3月、与党である共に民主党が、ブルームバーグ記事の見出しで文在寅大統領を「金正恩(キムジョンウン)氏の首席報道官」と表現した韓国系の記者を公の席で非難した。さらに警察は、ソウル大学、延世大学、釜山大学など全国100以上の大学で文在寅大統領を「王」に例え、「経済王」「雇用王」「太陽王」と表現し、「彼(文大統領)の偉大な業績に酔ってみましょう」などと風刺したことに対し、厳しい捜査を行った。この風刺では現政権による「自分がやったら恋のロマンス、他人がやったら不倫」式の時事に対する批判も込められている。

こうした与党や警察の締め付けに関し、米国の知韓派有識者は文大統領に公開の書簡を送り、「韓国政府は名誉棄損を乱用し、政治的に反対の意見を検閲している。この点を懸念する」と憂慮を示した。また、「国境なき記者団」や国際新聞編集者協会も、「記者は政府の応援団ではない」「記者の役割は公益の事案に対し独立かつ批判的に報じることだ」と批判している。

韓国では、現政権の施策がいずれも壁にぶち当たっており、打開の道も見当たらなくなってきている。また、大統領周辺や政権幹部、与党関係者を巡るスキャンダルが頻発している。そのため、大統領や政権に対する批判には極めて敏感になっており、批判を抑圧する傾向を強めている。

与党、共に民主党が目指すのは20年政権

文大統領とその与党は、大統領の任期が終わった後、保守派が政権を奪回すれば、今度は自分たちがたたかれることを恐れ、革新政権の存続にきゅうきゅうとしている。

文大統領を擁立する革新政権は、今後20年間政権を維持することをもくろんでいるといわれる。そのために行おうとしているのが、「選挙法」の改正と「高位公職者不正捜査処設置法 」の成立である。これは地域区の議席数を大幅に減らす代わりに、比例代表の議席を増やすことを骨子としている。新しい選挙法に基づき選挙を実施した場合の結果をシミュレーションしたところ、「自由韓国党」はマイナス20議席に対し、弱小与党の議席は大幅増になるという。また、「高位公職者不正捜査処設置法 」は、検察と裁判官、警察などの高級公職者の不正を捜査し、起訴できるもう1つの「司法機関」を設置する法案である。

これらの与党にとって都合のいい法律が、ファーストトラック(迅速処理案件指定)で審議する法律が、自由韓国党を除く与野党4党の合意で先月国会に上程されたが、共に民主党はこれを押し切る意向ではないかとみられている。

政権存続のための備えは、政権発足以降継続して進めてきている。青瓦台主導の国政運営を行い、国防部、外交部などを思うように動かしている。主要政府機関の局長以上のポストには政治活動家を送り込んでおり、あらゆる行政事項をコントロールしている。そして、国家情報院、検察、警察、国防部などの権力機関の改革を行い、革新系の支配を強めている。

司法は憲法裁判所、大法院とも文大統領が任命した裁判官が主流となっている。マスコミに対しても放送局人事を行い、文政権支援の放送を行わせている。

文在寅政権がこのまま権力基盤を固めていけば、革新系の地盤が一層強固なものになりかねない。

文政権と過去の軍事政権はどこが違うのか?

過去の軍事政権に正統性がなく、国民の反発があったのは、朴正煕氏、全斗煥氏がともに、軍事クーデターで政権を奪取したこと、そして朴氏の場合、国民の反対を押し切り日韓国交正常化を果たしたこと、全氏の場合は光州事件で市民を弾圧したことが挙げられる。

文氏の場合には、民主労組や全教組など、北朝鮮との関連が疑われる革新系の主導によるローソク革命で朴槿恵氏を政権の座から追い出したが、そこには市民の絶大な支持があったため、逆に市民の文氏に対する蜜月期間が長くなったといえる。しかし、実際には朴氏は清廉な人物であり、発端となった崔順実(チェ・スンシル)氏とのやり取りを記録したとされるPCも偽物であったといわれ、同氏に対する嫌疑にはでっち上げの側面があった。そこから見えるのは、軍事力は使わないまでも巧妙に仕組まれた「革命」であるという点では共通性があることである。

過去の政権は、軍事的な力を背景に独裁的な政権を築き、特に朴正煕氏の場合には生涯大統領を目指したとされている。ただ、それは、国の発展のため、自分がやらなければとの強い思いが背景にあったともいわれている。現に朴氏、全氏の時代には韓国は高度経済成長を続けてきた。文大統領が韓国の教科書から「漢江の奇跡」に関する記述を削除させた(朝鮮日報)といわれるが、いかに隠そうとしても朴氏の実績は消えるものではなく、歴代大統領の中でいまだに最も評判の高い大統領である。

文氏の場合、これまで述べてきたように、三権分立を否定し、行政府ばかりでなく立法、司法を掌握し、政権を20年存続させようとしている。そこには軍事政権と同じように、独裁政権の延命の意図が見える。ただ、大きな違いは韓国経済を破壊していることである。

いかなる政権を選択するかは韓国国民の問題ではあるが、韓国国民が情緒的に文政権を支持するのではなく、文政権の現実を理解し、判断することが極めて重要になっている。文政権に対する後世の評価が見たい。

(元・在韓国特命全権大使 武藤正敏)

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『シュンペーターも絶賛!「脱獄した天才経済学者」の末路 「リフレ政策」発明者の栄光と挫折』(5/10日経ビジネスオンライン 玉手 義朗)について

5/11阿波羅新聞網<贸战升级:新征关税涉及主要产品有哪些?一图看清!=貿易戦争のレベルは上がる:新関税に関わる主な製品は何か? 図を見れば一発で分かる!>米国は魚、ハンドバッグ、衣類および履物を含む2,000億米ドル相当の中国製品に関税を課しており、税率は10%から25%に引き上げられる予定である。下図は、新しい関税となる主な商品を列挙している。

https://www.aboluowang.com/2019/0511/1287444.html

5/11阿波羅新聞網<刘鹤刚走 川普雷厉风行 发两个大招釜底掏心 难怪他对贸易协议无所谓=劉鶴は去ったばかり トランプは疾風怒濤 2つの心温まる大きな手を打つツイートを発信 トランプが合意を気にしないのはもっとも>中共の交渉代表の劉鶴は5/10(金)の午後にワシントンを離れ、米中双方とも何らの声明も発表しなかった。 トランプはツイッターで、「1000億ドルの関税収入はアメリカの農産物を購入したり、貧困国の人道的援助のために使われる」と述べた。 トランプは疾風怒濤、話せば即実行する。米国政府は、中国製品の残りの3,000億ドルにも関税を課す行程を開始すると発表した。 農産物の政府購入については、同日、パーデユー農務長官が「トランプ氏の要請を受けた」と述べた。 阿波羅ネットの評論家の王篤然は、「トランプの戦略は心温まる戦略だ」と分析した。

パーデューは5/10(金)ツイッターで、「中国は裏切る可能性があるが、米国の農家をしっかりと支え、農務省に迅速な計画立案を指示する」と述べた。

米国農民はトランプの大きな支持層であり、中共の報復関税によって最も深刻な打撃を受けた団体の1つである。 しかし、今年初めにCNNによって行われたインタビューでは、「多くの米国農民は短期間の苦痛に苦しんでも長期的な利益に置き換えられると言った」と報道した。

https://www.aboluowang.com/2019/0511/1287812.html

5/11阿波羅新聞網<中共封锁消息 四川「美女部长」劳动节前夕自杀身亡=中共は情報封鎖四川省の「美人部長」がメーデーの前夜に自殺した>四川省邛崃市委常任委員で美人部長として知られる藍海鷹は、5/1のメーデー前に死亡し、43歳で「自殺」であることが確認された。しかし自殺の原因は明らかではない。 当局は詳細を明らかにしなかった。

まあ、賄賂絡みでしょう。習の反腐敗に引っかかったのでは。中国人だったら誰でもしていることですが。

自殺したのは左から2番目の女性

https://www.aboluowang.com/2019/0511/1287434.html

5/12阿波羅新聞網<贸易大战 中共反制措施有3招 但都要付出代价=貿易戦争に中共は3つの対策があるが、代償を払う必要がある>中国商務部は10日、「対抗措置を採らざるを得ない」と述べたが、詳細は明らかにしなかった。外国メディアは、「中共の採りうる対抗策で可能性の高いのは3つある」と報じた。「①人民元の下落→制裁強化、②米国債の売却→その資金の運用先&米国債の下落で損を被る③米国産大豆の完全な禁輸→豚の餌不足、中国の大豆の虫害、アフリカ豚コレラで豚肉価格の上昇」という代償を払う必要があるかもしれない。

https://www.aboluowang.com/2019/0512/1287824.html

5/12阿波羅新聞網<25%的关税其中20%可转嫁给中国 专家:加税后中国经济保6难=25%の関税の内20%は中国に転嫁 専門家:関税上げ後に中国経済は6つの困難が>①中国の経済成長率は1.6~2%は低下するだろう。 中共の公式資料によると、中国の経済成長率は6%未満(昨年は6.6%増)となるだろう。 関税の引き上げに伴い、②産業チェーンは移転し続け、③中国の失業圧力は強まり、④不動産、⑤債務などにも影響を及ぼし、最終的に⑥銀行の不良債権の増加につながる。

https://www.aboluowang.com/2019/0512/1287836.html

5/12阿波羅新聞網<中美贸易战短期难了? 港媒:因川普有民意背书=米中貿易戦争の短期決着は難しい? 香港のメディア:トランプは世論の支持に裏書きされているから>トランプは、米中貿易戦争のレベルを上げることを前もって警告せず、世界を震撼させた。最近、外国のメディアの世論調査では、米国民の半数近くがトランプの弾劾を主張していることを表していた。 しかし、香港メデイアは「11日、日本メデイアは“トランプの対中強硬策は事実上共和、民主両党、そして国民によって支持され、恐らく米中貿易戦争の短期決着は難しいだろう“」と報道した。

《香港経済日報》は「米国の民意は貿易戦争を後押しして短期決着は困難」と題した社説で、イプソスの3月の世論調査を紹介。この1年の間、中国を好感している米国人の割合は53%から41%に減少し、46%の米国人は、中国は今後10年間で米国にとって最大の脅威であると考えていると。

https://www.aboluowang.com/2019/0512/1287827.html

悪の共産主義がソ連に続き、中共も打倒される機会がやっと訪れたという気持ちです。このチャンスを活かさねば。自由主義国は挙ってトランプを応援しませんと。火事場泥棒的行為は見苦しい。中共には日本も厳しい手を打って行くべきです。優しくしても感謝する民族ではなく、こちらを愚かとしか思わない民族なので。

5/11ZAKZAK<日銀“ホンネ”は消費増税「無理」 経済評論家・三橋貴明氏が分析 安倍首相見送り「二度あることは三度ある」>米中貿易戦争で景気が悪くなるのを予想して日本の株価も下がり続けているのに、これで消費税を上げることはできないでしょう。上げるのは愚かと言うものです。衆参同時選挙にして信を問えば良い。憲法改正は間に合わないでしょうけど。

http://www.zakzak.co.jp/soc/news/190511/soc1905110008-n1.html?ownedref=not%20set_main_newsTop

玉手氏の記事は読み物として、非常に面白く感じました。ただ、リフレ政策批判と中央銀行の独立性の確保の論点は裏に財務省の存在を感じてしまうのですが。何故このタイミング(消費税増税)でこの記事が出て来たかです。安倍官邸指名の黒田日銀批判と消費税凍結論議防止の為のような気がします。

記事

お尋ね者の脱獄犯から、フランス財務大臣と中央銀行総裁を兼任するまで成り上がった、ジョン・ロー(詳しくは、前回を参照)。経済学の巨人シュンペーターも絶賛した奇才は、いかにして破滅したのか。
ギャンブルで荒稼ぎしたローには、天性の経済学的センスがあり、冷え切ったフランス経済をバブルの熱狂に導いた。だが、その末路は――。
18世紀を鮮やかに彩った「ミシシッピバブル」と、昭和の「NTT株」をめぐる狂騒が重なる。

十八世紀のフランスで、今でいう「リフレ政策」を展開したロー。紙幣をどんどん発行することでデフレ不況を克服し、国営企業ミシシッピ会社の株式売却で、国家財政の赤字を削減すると同時に、景気をさらに浮揚させた。

ローが編み出した金融緩和策「ロー・システム」がもたらした華々しい成果に政府は狂喜し、フランスは諸外国の羨望の的となった。しかし、その成果はバブルがもたらした一時的なものであり、その崩壊は驚くほど早く始まるのである。

「素朴な疑問」が、崩壊の始まり

「ローの銀行券って、本当に信用できるの?」
「いざとなったら、本当に金貨か銀貨に換えてもらえるの?」
「ミシシッピ会社って、何をする会社なんだっけ?」
「金を採掘するって言っていたけど、金は出たんだっけ?」

ロー・システムの崩壊は、こうした素朴な疑問から始まった。

一部の貴族たちが、銀行券をバンク・ロワイアルに持ち込んで、金貨や銀貨に交換をし始める。これを知った他の人々も不安心理に駆られ、我先にと銀行券を正貨に交換しようとした。「取り付け」が起こったのだ。しかし、バンク・ロワイアルが発行する銀行券は不換紙幣であり、その全てを正貨に交換することは到底できない。

一七二〇年七月、バンク・ロワイアルは、正貨への交換を求める人々の激しい取り付けに対応できずに大混乱となり、十五人もの死者が出る事態となる。

激怒した七千人を超える人々が、担架に乗せた遺体と共にパレ・ロワイヤルの庭園までデモ行進し、ローやオルレアン公フィリップに惨状を見せつけようとした。ローが乗っていた馬車を破壊するなど、群衆の一部が暴徒化したことから軍隊が出動、オルレアン公フィリップが出てきて、遺体を責任を持って埋葬すると約束したことでようやく沈静化した。

バンク・ロワイアルの取り付けに合わせるように、ミシシッピ会社の信用も急速に失われ、株価の急落が始まった。少し前まではミシシッピ会社の株式を手に入れようと血眼になっていた人々は、大慌てで売り始め、本当に価値がある金貨や銀貨を手に入れようとしていた。

こうした状況を見たローは、驚きの株価対策を打ち出した。

ジョン・ロー(1671-1729)。18世紀のフランスで、史上初といわれるリフレ政策を実行。空前のバブルを生んだが……(写真:Roger-Viollet/アフロ)

ローが編み出した、驚きの株価対策とは何か。

パリにいた数千人ものホームレスを集め、シャベルなどの道具を持たせて港まで行進させたのだ。「ミシシッピに金が見つかりました。これから掘りに行きます!」と、ミシシッピ会社による開発計画が順調であることをアピールし、信用を取り戻そうとしたのである。

ホームレスを動員した“株価対策”

ところが、ホームレスたちは途中で行進を止めて逃げだし、渡されていた道具は換金されてしまった。ローの弥縫(びほう)策はミシシッピ会社の惨状を物語るものであり、その信用は更に失われる事態となった。

ローはその後も様々な株価維持策を打ち出したが効果は全くなく、むしろ株価の下落を加速させてしまう。一七二〇年一月に最高値の一万八千リーブルをつけていたミシシッピ会社の株価は、十月には二千リーブルにまで大暴落し、株式市場は人々の阿鼻叫喚(あびきょうかん)で覆われた。バンク・ロワイアルの銀行券の信用も完全に失われ、誰も受け取ろうとはしなくなったため、経済取引は元の金貨と銀貨の取引に逆戻りしてしまう。ロー・システムは完全に崩壊し、フランス経済は未曾有(みぞう)の大混乱に陥ったのである。

このときの状況を風刺した詩が残されている。

月曜日には株を買い、
火曜日には大儲け。
水曜日には家財道具をそろえ、
木曜日には身なりを整えた。
金曜日には舞踏会、
そして土曜日には病院行き。

死刑を求める大衆を前に、国外逃亡

一七二〇年十二月、死刑を求める民衆の叫び声に生命の危険を感じたローは、命からがらパリを脱出する。財産の大半はフランス国内の不動産であったこともあり、持ち出すことはできなかった。ローの出国後、保有していた不動産などは全て没収され、残された妻子は年金証書まで取り上げられてしまったという。

再びお尋ね者となったローは、ベルギーのブリュッセル、ドイツのハノーバー、デンマークのコペンハーゲンなど、およそ八年もの間ヨーロッパ各地を転々とした。そして、たどり着いたヴェネチアで死を迎えたのだった。

その墓碑銘にはこう記されていた。

高名なるスコットランド人、ここに眠る。
計算高さでは天下一品、
訳の分からぬ法則で、
フランスを病院へ送った。

人類史上初めてとなる金融緩和策を、「訳の分からぬ法則」と批判されたロー。失われた栄光を取り戻すことなく、フランス経済の破壊者という汚名を着せられたまま、生涯を終えることになってしまったのである。

リフレ政策の発明者、バブルに飲まれる

ジョン・ローは驚くほど短期間にフランス経済を回復させた。ところが、その状態を維持できず、更に深い傷を負わせることになってしまう。その原因はローが自ら発明したリフレ政策の制御に失敗したことと、それによってバブルを発生させたことにある。

失敗の本質 ① デフレ対策が暴走
ローが打ち出した金融緩和政策は、大量の紙幣を発行して意図的にインフレを起こすリフレーション、いわゆる「リフレ政策」だ。

物価を建物の「室温」と考えるとインフレは「異常な高温」、デフレは「異常な低温」と考えられる。当時のフランスは深刻なデフレ状況にあり、冷え切った部屋で経済活動が鈍り、国民は凍死寸前に追い込まれていたのだ。

そこでローは、部屋を暖めるための政策を打ち出した。それがリフレ政策だ。バンク・ロワイアルを通じて、紙幣である銀行券を大量に発行し、それを燃料にした「たき火」を始めたのだ。売り出したミシシッピ会社の株価が急上昇、これに対応するための紙幣発行が増加したことで、火の勢いは更に強まる。ロー・システムを使ったリフレ政策によって、フランス経済の室温は瞬く間に上昇、見事にデフレを克服してみせたのだ。

ガルブレイズをもうならせた才能

ところが、ローはやり過ぎてしまう。デフレが克服された後もリフレ政策を継続した。これが必要以上の紙幣が供給される「過剰流動性」を招く。行き場を失った紙幣は、株式市場をはじめとした資産市場に流れ込み、ミシシッピ会社の株式を中心とした資産価格を押し上げてバブルを生み出したのだ。膨れ上がったバブルは遂に破裂して、経済は大混乱に陥ってしまう。部屋が十分に暖まったにもかかわらず、大量の燃料を供給し続けた結果、たき火がバブルとなって爆発し、フランス経済を炎上させてしまったのだ。

「ローがもしそこに留まっていたならば、彼は銀行業の歴史にささやかな貢献をしたという程度に記憶されただろう」と指摘するのは、経済学者ジョン・ガルブレイズ。 ローはデフレが解消された時点で「留まり」、リフレ政策を収束させるべきであったのだ。

人類史上初めてとなるリフレ政策を断行、フランス経済を立ち直らせたロー。しかし、その後は制御に失敗してバブルを生み出し、その崩壊が経済を破壊してしまった。これがローの失敗の第一の本質なのである。

失敗の本質 ② 政治的圧力に負けてコントロールを失う
ジョン・ローのリフレ政策によってもたらされたミシシッピ会社の株価暴騰は「ミシシッピバブル」と呼ばれ、オランダの「チューリップバブル」、イギリスの「南海バブル」と並ぶ世界三大バブルの一つに数えられている。しかし、その規模と影響の大きさにおいて、ミシシッピバブルは、ずば抜けて巨大なバブルであったといえるだろう。

バブルは崩壊する運命にあることは、今でこそ多くの人が認識している。しかし、当時は「バブル」という言葉すらなかった時代であり、こうした知見も経験も乏しかった。人々は知らず知らずのうちに、バブルの熱狂の渦に巻き込まれてしまったのである。

危険を察知しても押し切られる

ロー自身はその危険性を認識していた。ミシシッピ会社の株価上昇に危機感を持ったローは、株価抑制策を数度にわたって打ち出している。その一つが「プレミアム」の販売だ。株式を購入できない人のために、株式購入の権利だけを売るという現代のオプションに類似したデリバティブ商品で、株式の追加発行に代わる手段として販売したのだ。ところが「プレミアム」は、権利だけではあっても、わずかな金額で購入できることから、その価格は販売直後に二倍に跳ね上がり、結果的に株価の上昇に拍車をかけてしまった。

ローは紙幣を発行しすぎると、信用力が低下することも認識していた。設立当初のバンク・ロワイアルは、銀行券を保有している正貨の範囲に収める兌換(だかん)紙幣とすることで、発行の上限を設定していた。「紙幣を良質の硬貨で償還するのに十分な支払い準備を保有しない銀行家は死に値する」。そんな信念を語っていたというロー。これが守られていたからこそ、人々は紙切れにすぎないローの銀行券に資産価値を認めていたのだ。

もし、ローが兌換紙幣にこだわり続けていれば、過剰流動性が生まれることはなく、バブルが発生することも、銀行券の信用が失われることもなかっただろう。しかし、兌換紙幣に固執し続ければ、経済成長の足かせになることも事実であり、いずれは不換紙幣に移行せざるを得なくなる。

そこで重要になるのが紙幣発行量の調整、つまり金融政策だ。経済の成長に合わせて適切な紙幣の発行量を維持し、過剰流動性を生まないように金融政策を遂行していく。これを実現するためには、紙幣を発行する中央銀行の独立性が求められる。政府は景気対策や財源の確保などの目的から、紙幣の発行量を増やすことを求めてくることが多い。しかし、これに安易に応じると、過剰流動性が生まれて、インフレ、さらにはバブルを生み出す恐れがある。こうした事態を避けるために、中央銀行は確固とした独立性を持つことが必要となるのだ。

中央銀行総裁であったローは、この独立性を守ることができなかった――。

ここに第二の失敗の本質がある。

バンク・ロワイアルの成功に気をよくしていた政府は、ローに更なる銀行券の発行を迫った。ローはこの圧力に耐えきれず、不換紙幣に切り替えた上に、銀行券の大量発行に踏み切ってしまう。この結果、銀行券の信用力が失われると同時に、巨大なバブルが生み出されてしまったのである。

しかし、ローはリフレ政策や債務の株式化を発明した天才であったことは間違いない。優れた洞察力で知られる経済学者のジョセフ・シュンペーターも、「あらゆる時代の貨幣理論家のなかで、最上の貨幣理論を構築した人物である」と、ローに賛辞を贈る。また、新古典派経済学の基礎を築いた経済学者アルフレッド・マーシャルも、「向こう見ずで、並外れた、しかし最も魅力的な天才」と、ローを高く評価しているのだ。

リフレ政策という画期的な金融緩和策を編みだしたものの、そのコントロールに失敗して沈んでしまったジョン・ロー。あまりに惜しまれる天才の過ちであった。

ローが作り出した人類史上最大のバブルであるミシシッピバブルだが、人類は同じような失敗をその後何度も繰り返してきた。一九二九年の「暗黒の木曜日」で破裂したアメリカの株式バブルは、全世界を巻き込む大恐慌を招いた。その後もITバブルなど、人類は幾度もバブルを生み出し、その崩壊によって辛酸を嘗めてきた。

NTT株とミシシッピ会社の重なり

一九八〇年代後半、プラザ合意に伴う急激な円高による景気悪化に対応して、日本銀行は通貨供給量を急激に増やす金融緩和政策を展開した。あふれ出したマネーは、株式や不動産に流れ込み、価格を押し上げていった。その象徴が、政府が売り出したNTT株の株価暴騰だった。バンク・ロワイアルを日本銀行に、NTTをミシシッピ会社に置き換えれば、その構図が全く同じであったことが分かる。また、政府がNTT株式の売却代金を、歳入の足しにした点でも同じといえるだろう。

「バブルの恩恵を一番受けたのは誰だと思う? それは政府だよ」。こう語ったのは、筆者がテレビ局で記者をしていた時代に知り合った大蔵官僚だ。バブル景気のおかげで所得税や法人税、固定資産税などの税収が急増したことで、一九九一年度からの三年間は赤字国債の発行がゼロになっている。大蔵省がローと同じく、財政赤字削減のためにバブルを起こしたのかと疑いたくもなる。

ジョン・ローはギャンブルの天才であった。「儲けたい!」という人の心理を巧みに読み取り、確実に勝利をものにしてきたのだ。そのローが仕掛けたとてつもなく大きなギャンブルがロー・システムであり、ミシシッピバブルだったのかもしれない。デフレ不況が長引く日本では、ジョン・ローのようにリフレ政策からバブルを起こしてその解消を図るべきとの声もある。その理非はさておき、ジョン・ローの亡霊は、今も世界各地に出没し、人々の心を揺り動かしているのである。

■参考文献
『ジョン・ローの虚像と実像 ― 18世紀経済思想の再検討』(中川辰洋著/日本経済評論社)
『熱狂、恐慌、崩壊 ― 金融恐慌の歴史』(チャールズ・P・キンドルバーガー著、吉野俊彦・八木甫訳/日本経済新聞出版社)
『ジョン・ローの周辺』(中村英雄著/千倉書房)
『狂気とバブル ― なぜ人は集団になると愚行に走るのか』(チャールズ・マッケイ著、塩野未佳・宮口尚子訳/パンローリング)
『マネー その歴史と展開』(ジョン・K・ガルブレイス著、都留重人訳/ TBSブリタニカ)
「日本経済新聞」2012年3月14日「やさしい経済学 危機・先人に学ぶ ジョン・ロー(8)」(北村行伸)
「甲南経済学論集」2015年3月「ジョン・ローの貨幣理論」(古川顕)

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頼清徳医師・前台湾行政院院長講演会参加の件

5/12(日)12:00~メトロポリタン池袋で2020民進党総統予備選候補の頼清徳氏の講演会が開かれ参加しました。

その前に、5/6の本ブログで紹介しました史明の「新珍味」に行き、ターローメンを食べました。

頼氏

TPPに入りたいのとWHOを含めた国際組織に加入したいとのこと。

中国の武力行使の危険性を訴え、インド・太平洋戦略構想に加わりたいと。ただ、中国とは交流はする。

自由で民主的な社会を守り、繁栄したいと。

金美齢氏。櫻井よしこ氏も来ていました。

 

 

『「台湾は中国の一部」と言い切る郭台銘のヤバさ 「台湾」を中国に売り飛ばすかもしれない中国版トランプ』(5/9JBプレス 福島香織)について

5/10希望之声<消息:如无协议 4周后中国5000亿美元商品全征25%关税=ニュース:合意がなければ、4週間後に中国の5,000億米ドルの物品全部に25%の関税が課される>情報筋によると、5/10(金)午前の米中交渉で、米国は「双方4週間以内に合意しない場合、未だ賦課していない3,250億ドルの商品も含め、すべての中国製品に25%の関税を課す」と北京に語ったと。

エミー賞を受賞したジャーナリスト、エドワードローレンスは金曜日にそのようにツイートした。

早く全商品に高関税を賦課してほしい。日本のアホな経済評論家は「米国の企業や個人が関税負担するだけ」とトランプの政策を批判していましたが、5/11日経によれば“「中国からの輸入品の米国での販売価格が関税で押し上げられている」様子は見えない。むしろ感じられるのは「中国企業が輸出価格を引き下げている」可能性だ”とありました。これこそトランプの狙い通り、中国企業の利益を減らし、且つ米国の関税収入を増やすことができ、一石二鳥なのでは。しかし、米国が如何に中国企業を儲けさせていたかです。25%でも儲けが出るようだったら、50%関税にしたら。でないと軍拡や人権弾圧の治安維持費の原資となりますので。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/10/n2875155.html

5/10阿波羅新聞網<中南海翻盘只是策略?会让步?华为之后 美禁央企巨头入市 个税税收锐减 失业问题浮现=中南海の卓袱台返しは策略なだけ?それとも譲歩?華為の後にも米国は中国の大企業が米国市場に参入することを禁止 中国の個人所得税の税収は減り、失業問題が浮かび上がる>米連邦通信委員会は5/9(木)チャイナモバイルの米国市場参入申請を全員一致で拒否し、チャイナテレコムとチャイナユニコムが米国市場に参入するという以前の承認を再検討する。 政治評論家の横河は、「中共の突然の卓袱台返しは交渉の策略で、トランプの関税の圧力の下で、中共は譲歩を続ける。 中国は対等に関税賦課できないので、口先だけのものを国民に聞かせて譲歩はできないと思わせる。協議の合意書に米国がサインしなければ、中国の勝ちのように思える」と。中共当局は5/8(水)に「減税政策は効果を上げ始めているが、個人所得税収入は前年比30%以上減少した」と述べた。しかしある学者は「これは逆に経済の下降傾向を反映している」と考えている。

米国は同盟国にも同じようにすることへの協力を要請すれば良い。日本もそれがないとやらないのでは。

https://www.aboluowang.com/2019/0510/1287400.html

5/11阿波羅新聞網<钱进台湾!美中贸易战港商受害「一定要搬离中国了!」=台湾にお金が入って来る(銭“qian2”進と前“qian2”進は音が同じ)! 香港の商売人は米中貿易戦争でダメージ 「中国から去らなければならない!」>米国が10日、中国の2000億ドルの商品に対する関税を25%に引き上げたことに対し、香港中小企業連合会の名誉会長である劉達邦は、「中国に工場がある製造業者は状況を悲観的に見ており、高い関税で注文を受ける気はなく、中国から逃げ出し、台湾に行き、工場を移す考えを持っている」と述べた。

韓国瑜、郭台銘のように中国にくっつく方が不利になるのでは。米国企業も日本企業も中国から脱出し始めていますので。

https://www.aboluowang.com/2019/0511/1287429.html

5/10希望之声<五星旗在台北街头摇旗呐喊台湾人火冒三丈 蔡英文下令…=五星紅旗を台北の路上で揺らし騒ぐ 台湾人は激怒 蔡英文は命令を下す>中共の組織が近年台湾の路上で五星紅旗を掲げているのは論議を呼んでいる。“486集団購買ネット”社長の陳延昶は蔡英文総統との会談の時に、「台湾人は非常に不快に感じる」と述べた。蔡英文は蘇貞昌行政院長に「警察はもっと厳重且つ積極的に法を執行するように求める」と述べた。

昨年の統一地方選挙で台北市長選に出た民進党の姚文智は「《国の象徴・国旗法》の精神に基づき、互恵の原則を実行すれば、台湾の国旗が北京と上海で掲げられて初めて、対等の尊厳が得られる。台北市は中共の五星紅旗を辺り構わず翻すことを許すべきではない」と述べた。

台湾監察院が昨年12月22日に行政院を視察した時、中共の周辺組織が台湾の路上で五星紅旗を掲げている問題を取り上げた。監察委員の陳師孟は「これは言論の自由の問題ではなく、狼を部屋に招き入れることだ。法務部は《国家安全法》に基づき対処するよう提案した」と指摘した。

日本でも2008北京オリンピックの時に、長野で五星紅旗を揺らし、挙句は暴力行為を働いたのを、福田康夫の命令か知りませんが、警察は放置した事件がありました。台湾のように国家安全法を制定し、スパイも取り締まれるようにしなければ。野党議員の殆どはスパイだから反対するでしょうけど。

https://www.soundofhope.org/gb/2019/05/10/n2874111.html

5/9アンデイ・チャン氏メルマガ<混沌たる台湾の総統選挙>“「台湾独立と中国統一」と「自由経済特区」が来年の総統選挙の主題となるに違いない。”とあります。来年1月の総統選で韓国瑜、郭台銘、蔡英文、頼清徳、柯文哲の誰が総統になるのか?米国は動くかどうかです

http://melma.com/backnumber_53999_6816047/

福島氏の記事では、中共は硬軟両様で2020台湾総統選に介入するという事です。台湾人の独立の気概が足りないと責めるのは酷と言うもの。中共をこんなに強大にした米国と日本にその責任の大部分があります。トランプ・安倍で「中共が台湾を武力侵攻した場合、共同で撃退する」と宣言したら、台湾国民も安心して総統選びができるのでは。

記事

台湾・台北にある超高層ビル、台北101(2013年2月25日撮影、資料写真)。(c)Mandy Cheng / AFP〔AFPBB News

(福島 香織:ジャーナリスト)

中国版トランプ、というべきか。台湾の大実業家、郭台銘(テリー・ゴウ)が国民党の総統候補選びの予備選挙に4月17日に出馬表明をしてから、その動向に注目が集まっている。独特のカリスマ性に加えて、言うことなすこと大仰で、ついつい目が離せない。

台湾の民意調査では、いまのところ一番総統に近い男。世新大学が17日に発表した民意調査では、郭台銘と現職総統の蔡英文が一騎打ちになった場合、郭台銘が20ポイントリードして、郭台銘支持50.2%、蔡英文支持27.1%。蔡英文の代わりに元行政院長の頼清徳が候補になったとしても、やはり郭台銘が9ポイントリードしているという。郭台銘は総統選挙のたびに出馬の噂があり、そのたびに民意調査では、圧倒的な支持率を得ている。

昨年(2018年)の統一総統選で民進党の牙城・高雄市長の座を奪った韓国瑜もそうだが、ああいうほら吹きタイプのいかにも強いリーダー風のキャラクターは、台湾では人気が出やすい。私も郭台銘は出馬すれば勝てるタイプの候補だと思う。だから、彼は危険だ。特に国民党から出馬すると非常に危険だ。なぜなら彼は真の大中華主義者であり、習近平の親友であり、そして習近平政権の「中国製造2025」成功の鍵を握る人物だからだ。

大言壮語の傾向といい、相手を振り回す言動の変化といい、実業家から大統領になったパターンといい、カリスマ性といい、トランプに非常によく似ているが、トランプのアイデンティティは完全に白人国家としての米国である。だが、郭台銘には「台湾」に対する忠誠心はない。大中華主義達成のためなら「台湾」を売り飛ばす可能性だってあるだろう。

中国が育て上げた工作員?

郭台銘について簡単に説明しておこう。世界最大手の電子機器請負生産(EMS)企業、鴻海(ホンハイ)精密工業の会長であり、2018年のフォーブス誌が選ぶ長者番付では台湾一の資産家に返り咲いた大富豪。米アップルのiPhoneの最大サプライヤーとしてもよく知られ、中国における子会社フォックスコンの工場では中国に100万人の雇用をつくった。最近はアップルからの受注減もあって、中国の工場も縮小中、最盛期のことを思えば資産は2割以上目減りしているし、鴻海の事業の勢いも少し落ちているものの、今でも欲しいものは何でも手に入る大セレブ。

そんな大セレブだから、本当なら台湾総統といっためんどくさいポストに就きたくないだろう。2016年に出馬の噂がたったときは「一番なりたくない職業は総統」と言い切っていた。それが「媽祖(中国の航海の守護神)が夢枕に立って2020年の台湾総統選に出馬せよ、とお告げがあった」として4月17日に出馬表明していた。だとしたら、その媽祖の顔は習近平に似ていたかもしれない。

というのも郭台銘は「中国が台湾支配のために時間をかけて育て上げた工作員」(米国に亡命中の元政商・郭文貴の発言)とも囁かれているからだ。

郭文貴も放言癖があるので、その発言の鵜呑みは要注意だが、確かに郭台銘と中国共産党との付き合いは深い。1988年に中国に進出、2001年以来、鴻海傘下のフォックスコン深セン工場に共産党委員会が設置されて以来、すべての中国内グループ会社に党支部があることは周知の事実だ。さらに昨年はフォックスコン党校まで作って、自らの企業で共産党エリートを育てる方針を打ち出した。

歴代指導者との関係も深く、習近平からは「老朋友(親友)」と呼ばれている。工場では連続自殺事件や、暴動といった問題を何度も起こしているが、共産党の介入で丸く収めてきた。郭台銘は2013年11月5日の両岸企業家紫金山サミットの会場で、習近平の「中華民族の偉大なる復興」という「中国の夢」について、その話を聞いたとき「血が沸き立った」と絶賛して語るほど習近平の新時代思想に傾倒している、らしい。

そもそも郭台銘の出馬表明は当然社内の党委員会を通じて、党中央が了承しているはずである。また2014年のひまわり学生運動のときは「民主主義で飯が食えるか」「民主主義はGDPに何の役にもたたない」と発言して学生運動を完全否定したことがある。

中国は当初、韓国瑜を国民党総統候補の本命とみて賢明に根回していたフシがある。だが、韓国瑜は4月の訪米中に「国防は米国に頼り、科学技術は日本に頼り、市場は大陸に頼る」と公言。この発言に、習近平が韓国瑜を見限った、という噂がある。

「台湾は中国と不可分の一部だ」

年初からの台湾に対する恫喝の様子をみるに、習近平は自分が総書記の座にある間に台湾の統一を実現すると決意しており、次の選挙で国民党が政権をとったら「和平協議」、民進党がとったら「武力統一」といった踏み絵を台湾有権者に踏ませるつもりでいるようだ。国民党主席の呉敦儀はすでに、次に政権をとったら「和平協議」の方針を表明している。民進党の総統候補になるかもしれない現職の蔡英文は「和平協議」は受け入れないとしている。つまり国民党が勝てば「和平協議」。民進党が勝てば「武力統一」と、中国は迫りたいのだ。

だが、国民党が政権をとり「和平協議」に進んでも、「国防は米国」という韓国瑜が総統であれば、これは中国の望む「和平協議」の形にはならない。中国としては、和平協議の着地点は中台統一以外になく、中台統一は共産党政権の指導のもとの一国二制度しかありえないので、台湾が国防で解放軍と敵対する米軍と組むことは絶対に許せない。郭台銘は日ごろから、中国との平和安定的関係が一番の国防策だと言っている。そこで、中国の意にそってくれる郭台銘というカードをここで切ろう、ということになったのではないか。

彼は5月1日に、トランプと会談しているのだが、その時、中華民国の旗である「晴天白日旗」のついたキャップを被り、同じものをトランプにプレゼントしたそうだ。「私が総統になったら中華民国の総統として訪米する」などと会談後、記者たちに語っている。そして、中国の報道が、彼の帽子の「青天白日旗」にモザイクをかける、として、大陸・中国への不満を語ってみせた。

米国・ワシントンのホワイトハウス前で、米大統領のサインがデザインされた品々を披露する鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘(テリー・ゴウ)会長(2019年5月2日撮影)。(c)CNA / AFP〔AFPBB News

だが、彼は中華民国と中国が別の国だ、と米国に向かってアピールしているように見えて、実のところ両岸統一支持者なのだ。

その証拠に訪米から台湾に戻る飛行機の中で随行の記者たちに「台湾は中国と不可分の一部だ。その強調すべき意味は、両岸は同じ中華民族だということだ」と語っている。彼の場合は、中国への不満を言って見せることも、中国から許されているくらい信用されている、と見るべきだ。

トランプは台湾を中国に統一させないために台湾旅行法はじめ、数々の手を打っている。台湾は米国のアジア戦略における要であり、台湾が中国に統一されてしまったら、米国のアジア戦略自体が根底から崩れてしまう。郭台銘は自分が出馬するとなれば、米国が妨害しかねないと見て、トランプの警戒を解こうという目的で、中国と違う国としての「中華民国」をアピールして見せたのだろう。

だが、今現在、中華民国憲法が定めるような「中華民国」というものはフィクションの世界にしか存在しない。あるのは「台湾」という島を中心にした島嶼国で、中国とは完全に違う国である。郭台銘が言う「中華民国と中国は(概念上)違う国だ」というのと、普通の台湾人が「台湾と中国は(現実の国境線で区切られた)違う国なのだ」というのと、実はかなり意味が違うのだ。トランプにそれが伝わっただろうか。

ホワイトハウスの広報によれば、この会談でトランプは、郭台銘の出馬に対しては特に支持も不支持も言わなかった。ただ、トランプと会って話せる郭台銘、というブランドを台湾有権者にアピールする意味は大きかっただろう。

郭台銘と中国共産党の利益供与関係は、さらに「中国製造2025」の成功、ひいては米中の5G覇権、次世代通信覇権争いを左右する。鴻海・シャープが珠海に建設する半導体工場は、直径300ミリシリコンウェハーを使う最新鋭工場。建設費用1兆円規模で、珠海市が半分以上負担する。中国が米国との新冷戦構造で必ず克服しなければいけない「半導体の完全国産」は郭台銘率いる鴻海集団が買収したシャープが鍵を握る、かもしれないわけだ。

独立か統一か、台湾人の心の内は?

ここまで中国共産党と密接な郭台銘が総統選に出馬して、台湾有権者が彼を選ぶということがあるのか、と思う方もあろう。

だが、最近の民意調査を見てみよう。聯合報4月9日付けで、台湾生まれの米デューク大学教授、牛銘実が行った台湾民意調査結果が報じられている。それによると、「台湾が独立を宣言すれば大陸(中国)の武力侵攻を引き起こすが、あなたはそれでも台湾独立に賛成するか?」という質問には、賛成は18.1%、非常に賛成は11.7%と合わせても3割に満たなかった。一方、「大陸が台湾を攻めてこないならば、あなたは独立宣言に賛成か?」という質問には賛成が25.9%、非常に賛成が36.1%と、62%が賛成。

台湾と大陸の未来について、両岸統一が比較的可能か、独立が比較的可能か、どちらだと思うかという問いには、48.1%が独立より統一の方が可能と答え、29.6%が独立の方が可能と答え、回答拒否が22.2%あった。

牛銘実の分析では、台湾人はコストの概念が強く現実主義で、独立はしたいが、戦争という高いコストがかかるようなら、独立か統一かという二者択一を迫られた場合は統一を選ぶという傾向があるという。習近平政権が本気の戦争モードで圧力をかけながら、統一か戦争かを迫り、現状維持という選択肢を許さないようであれば、世論は統一に傾く可能性があるということだ。

また郭台銘はあまりにも親中的だが、晴天白日旗の帽子をかぶってホワイトハウスに訪問するパフォーマンスもでき、日本の大企業も買収しており、世界各国にパイプを持つ。民主主義と衆愚政治は紙一重、そういう表面の魅力に一票を入れてしまう有権者は多いだろう。

さて、日本にとっては、国家安全保障上も台湾に対する心情からしても、今度の選挙は民進党に勝利してもらい、民主主義国家の体を維持してほしい。だが、民進党の人気のなさよ。

もっともこの台湾の総選挙の本質も米中新冷戦構造の代理戦争だと考えれば、米国の今後の出方によって世論も候補も変わってくる可能性は大いにある。日本としてできることは、台湾が直面している不安や恐れを少しでも和らげられる国際環境のために尽力することだろう。

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