『NY、シカゴなど「聖域都市」の惨状で不満渦巻く移民問題、利するはトランプか 迷走するバイデン政権、移民が1年後の米大統領選を左右する要因に』(11/17JBプレス 水野 亮)について

11/16The Gateway Pundit<Speaker Johnson Says Impeachment Inquiry “Already Shown Corrupt Conduct” of Biden Crime Family, Calls for Key Witnesses to Testify Under Oath=ジョンソン下院議長、弾劾調査でバイデン犯罪一家が「すでに腐敗行為を示している」と発言、主要証人に宣誓証言を求める>

捏造されたトランプ弾劾と違い、証拠が挙がっているから、議会で証言させ、偽証罪で告発すればよい。

ジョー・バイデンに対する進行中の弾劾調査における重要な進展として、ジョンソン下院議長は重要な証人に宣誓証言を行うよう求めた。この要請は、下院の調査を主導しているカマー委員長、ジョーダン委員長、スミス委員長からの最新情報を受けて行われた。

ジョンソン議長によると、調査ではすでに憂慮すべき調査結果が明らかになっているという。

「現段階で、私たちの弾劾調査はすでに大統領家族の腐敗行為を示している」と彼は述べた。

「そしてバイデンとWH当局者らは、彼の知識と家族の事業活動への関与について繰り返し嘘をついていた」とジョンソン氏は付け加えた。

「また、外国の敵対者から、大統領の息子、兄弟、およびそのビジネス関係者が支配するペーパーカンパニーに数千万ドルが支払われていたことも暴露された」とジョンソン氏は続けた。

これらの調査結果を踏まえ、ジョンソン下院議長は、重要な証人に宣誓証言をさせることが不可欠であると考えている。

「適切な措置は、記録の欠落を埋めるために、重要な証人を宣誓させ、偽証罪に基づいて尋問することだ」と同氏は主張した。この動きは、証言の完全性を確保し、証言者に発言の責任を問うことを目的としている。

ジョンソン議長はまた、この機会を利用してカマー委員長、ジョーダン委員長、スミス委員長の努力を称賛し、調査チームとその仕事に対する「全面的かつ揺るぎない支持」を表明した。

「カマー委員長、ジョーダン委員長、スミス委員長の功績を称賛します。私たちがこの重要な捜査の転換点に向かって前進するにあたり、彼らは私の全面的かつ揺るぎないサポートを持っています。」

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/speaker-johnson-says-impeachment-inquiry-already-shown-corrupt/

11/16The Gateway Pundit<Secretary of State Antony Blinken’s Reaction to Joe Biden’s Off-Script Comment Calling Xi Jinping a Dictator is Everything! (VIDEO)=習近平を独裁者呼ばわりするジョー・バイデンの台本外のコメントに対するアントニー・ブリンケン国務長官の反応がすべてだ!(ビデオ)>

弱腰民主党!!

アントニー・ブリンケン氏は、バイデン氏が台本から外れたことでパニックに陥った。

ジョー・バイデンが答えを口走ると、アントニー・ブリンケンは首を振って顔を逆立てた。

https://twitter.com/i/status/1724983302992392332

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/secretary-state-antony-blinkens-reaction-joe-bidens-script/

11/16The Gateway Pundit<Not Even BIDEN Protected from Leftist Claims of ‘Disinformation’?=バイデンですら左翼の「偽情報」の主張から守られていないのか?>

DS(=官僚)の一人歩き?検閲ができる体制と言うのは左翼のシステム。

憲法専門家ジョナサン・ターリー氏は、対イスラエル戦争に関するバイデン氏の立場を激しく非難した最近の国務省の「反対メモ」を指摘した。

「このメモで最も注目すべき点は、一部の政権スタッフがジョー・バイデン大統領を『誤った情報を広めている』と非難したことだ」と同氏は説明した。

「バイデン政権の検閲活動に反対する文章を書いたり、証言したりしてきた私たちの何人かにとって、それは衝撃的な皮肉の瞬間だった。問題は、政権独自の基準に基づいて、同政権が我々の『認知インフラ』と呼ぶものを守るために、バイデン大統領を追放すべきかブラックリストに載せるべきかどうかだ。」

同氏は、バイデン氏と他の議会民主党議員は長年、「ある連邦判事が『オーウェル的真理省』と表現した、政府による無秩序に広がる検閲プログラムを暴露しようとするあらゆる努力に抵抗してきた」と説明した。以前にも書いたように、その中にはブラックリストの世界的なシステムを作成し、広告主に保守的なサイトからの支援を撤回するよう圧力をかけるための学術団体や第三者機関への助成金が含まれていた。」

同氏は、下院司法委員会が最近、民主党のシステムの「別の層」である「スイッチボード」を明らかにしたと指摘した。サイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁によって確認されたその内容では、政権は国の「認知インフラ」を管理し、「事実に基づいているが文脈を無視して使用される」情報である誤った情報、偽情報、悪意のある情報を排除するつもりである。

民主党の計画の結果、研究者や政治家、さらには「風刺サイト」も禁止され、ブラックリストに載せられた。

「バイデン大統領にとって、どんなレベルの検閲も十分ではないようだった。バイデン大統領はかつて、ソーシャルメディア企業がより多くの反対意見を沈黙させずに『人々を殺している』と主張していた」とターリー氏は書いた。

現在の問題は、バイデン自身の政権の人々が彼が誤った情報を広めていると非難していることだ。

https://www.thegatewaypundit.com/2023/11/not-even-biden-protected-leftist-claims-disinformation/

11/16Rasmussen Reports<Parties Even on Ethics Issue, But Biden Tops Trump=倫理問題では両党は互角だが、バイデン氏がトランプ氏を上回る>

バイデンの腐敗が左翼MSMで流されていないから。

政府の倫理と汚職の問題では、民主党と共和党の立場は拮抗しているが、ドナルド・トランプ前大統領はジョー・バイデン大統領よりも倫理的ではないと見られている。

ラスムッセン・レポートの最新の全国電話およびオンライン調査によると、米国の有権者と思われる人の42%が政府の倫理と汚職への対処に関して民主党をより信頼している一方、同数は共和党をより信頼していることが判明した。16% は確信がありません。これらの調査結果は1 月以来基本的に変わっていません。

https://www.rasmussenreports.com/public_content/politics/biden_administration/parties_even_on_ethics_issue_but_biden_tops_trump?utm_campaign=RR11162023DN&utm_source=criticalimpact&utm_medium=email

11/17阿波羅新聞網<拜习会 党魁赤裸裸威胁美国 中美关系回到这时的状态【阿波罗网报道】=バイデン・習会談で党魁が米国をあからさまに脅迫、米中関係は以前に復帰【アポロネット報道】>アポロネット唐寧記者の報道:習主席は15日の会談で台湾問題について、米国は台湾独立を支持しない立場を具体的に行動で示し、台湾への武器供与を停止すべきだと強調した。「中国は最終的には統一するだろうし、必ずや統一する」と。

カナダの時事評論家盛雪は11/16、バイデンの発言に強く反対するとXに投稿した。 3つのポイントをあげる:

米国の過去 50 年間の中共に対する政策はほとんどの場合間違っており、中共にとって非常に有益であった。なぜバイデンはその関係に戻りたいのか?

緊急事態になれば、いつでも習近平に電話で話できるというが、習近平のような狂妄な独裁者はあなたの意見を聞くと思うか? 妥協と譲歩に備えるためなのか?

双方の軍が接触を維持することはどんな意味があるのか? 米国統合参謀本部議長のマーク・ミリー将軍は、トランプ大統領の中国への軍事的動きについて密かに中国軍に二度電話をかけた。 このような中共への利敵行為の犯罪は制裁されておらず、むしろ奨励されている。

盛雪は、過去4年間の米中関係は中共と習近平にとって非常に不利だったが、米国の国益、中国国民、自由で民主的な世界にとっては総て有益だったと考えている。

そもそも中共と話し合うのは無駄。中国人は騙すのが得意。

https://www.aboluowang.com/2023/1117/1979116.html

11/17阿波羅新聞網<习晚宴砸了:一大佬未现身,二大佬打完招呼就走 美企都反映失望—习晚宴:一大佬未现身,二大佬打完招呼就走 WSJ:美国企业巨头对习近平未承诺促进商业关系失望=習の晩餐会は悲惨:一番目のボスは現れず、二番目のボスは挨拶後に去った 米国企業の失望を反映―WSJ:米国の大手企業は、習近平がビジネス関係を促進することにコミットしないことに失望している>中共指導者の習近平は15日、「バイデン習会談」を終えた後、夕方からサンフランシスコのハイアット・リージェンシーで米国の著名企業のトップらと夕食を共にした。WSJは16日、夕方の習近平の演説は出席者からスタンディングオベーションを受けたが、一部の米国ビジネスリーダーは習近平がビジネス関係の促進にコミットしなかったことに失望していると報じた。

ザッカーバーグは欠席、マスクとマーク・ベニオフ・セールスフォースCEOは会談後去ったと。

https://www.aboluowang.com/2023/1117/1979017.html

11/16阿波羅新聞網<拜习会后 美中声明差异大—:台湾议题各唱各的调,中共避提乌克兰、以色列战事=バイデン・習会談後、米中声明に大きな違い-:台湾問題ではそれぞれの主張、中共はウクライナとイスラエル戦争への言及を回避>ジョー・バイデン米大統領と中共指導者習近平は水曜日(11/15)のサンフランシスコ首脳会談終了後、共同声明を発表せず、両国政府はそれぞれが発表した文書による声明のみで立場を表明した。両者の声明の相違は、主に 4つの側面に要約できる。

米国と中国は、台湾問題でそれぞれ独自の主張を奏でる

米国:ウクライナ、イスラエルを支持、中国:大国として共同して責任を負担

バイデンは中国の経済・貿易の兵器化を懸念、習近平はチップ開発の封じ込めに不満

習近平はバイデンが中共の人権侵害を懸念していると述べたことで反体制派の批判に遭う

茶番劇を見ているよう。

https://www.aboluowang.com/2023/1116/1979004.html

11/16阿波羅新聞網<党魁惨了 虽然马斯克都说旧金山成中国 但是大逆转了【阿波罗网报道】=党魁は悲惨、マスク「サンフランシスコは中国になった」と言ったが大逆転【アポロネット報道】>アポロネット王篤若の報道:習近平がサンフランシスコに到着し、反習のデモは前例のないほど強力で、親共のカリフォルニア州知事は意図的にデモ参加者を隠すよう手配した。マスクはもう我慢できず、これは中国なのかサンフランシスコなのかと質問した。

https://twitter.com/i/status/1724661060517707972

米国の企業家で共和党海外問題機構の共同創設者、副会長兼最高経営責任者(CEO)の兪懐松は、バイデンの息子が中国銀行から金を受け取ったけれども、習ヒットラーはレッドカーペット待遇にはならなかったと指摘した。これは彼を本当に怒らせるはずである。彼はレッドカーペットも米軍儀仗兵もなしでサンフランシスコに着陸した。しかし、韓国の尹錫悦大統領は両方なされた。

韓国大統領は儀仗兵による歓迎と赤絨毯で迎えられた。ブリンケンの意趣返し?彭麗媛が同行しなかったのもこのせいか?

https://www.aboluowang.com/2023/1116/1978984.html

11/16阿波羅新聞網<习近平访美证明他已经不再重要了=習近平の訪米は、彼がもはや重要ではないことを証明している>習近平の訪米そのものが、中共の歴史の最後のページがめくられようとしていることを証明している。

この人はもう重要ではない。

最近、中共は一連の「方向転換」の態度を取ってており、実際の経済的必要性によるものであるかどうかにかかわらず、中共は再び、改革開放路線、外国投資、米国についてより前向きな見方をしているようだ 宣伝部は「上甘嶺」を中止し、再び「紅河谷」を始め、サンフランシスコでの「文化創造」のニュースは壁の内外に中継された。バイデンも米国の「一つの中国」と「台湾独立を支持しない」を繰り返す準備をしていると言われ、一方、中共によって中断されている米中軍事対話の再開も求めている。

米中関係は改善に向かっているようで、米国は考えを変えたばかりの習近平に微笑んでいる。

しかし、こうしたことはすべて、習近平がこの時期に北京を離れて米国を訪問することは、「それに見合った価値がある」という雰囲気を作り出しているだけだ。

バイデンが国内の政治的圧力に耐え、米国の有権者の前で衰退する独裁者におもねることは不可能である。王毅の前回の訪米時、米国はブリンケンの中国訪問時の座席配置を意図的に模倣したが、これは習に対する強硬な姿勢を維持することにバイデンチームが敏感であることを示している。

今回、習近平が飛行機から降りる際にはレッドカーペットさえなかった。

「100Kg」にとって、高齢のバイデンから何かを得ることは夢である。

腹黒バイデンは習に密約している可能性あり。

https://www.aboluowang.com/2023/1116/1978836.html

11/16看中国<“猛兽”出巡!旧金山密布铁网 习出丑国际(视频)=「野獣」ツアー開催! サンフランシスコは鉄網を配置、習は世界に醜態をさらす(ビデオ)>

中共のイメージは崩壊し、習は歓迎されない

香港の「看中国」のビデオによると、香港、チベット、ウイグル族の多数の団体が、中共による人権弾圧に抗議するため、サンフランシスコの中国総領事館前でデモを行った。現場には三面に巨大スクリーンを備えたコンテナトラックがあり、黎智英の釈放、自由香港、中共終焉などの要求を表示していた。

左翼政権を変えないと対中政策は変わらない。

https://kzg.secretchina.com/news/gb/2023/11/16/1049666.html

何清漣 @HeQinglian 8時間

これは中国の要求であり、当然米国はこれに応じないが、それはまた別の話である。

調査の結果、今回の声明は「一つの中国は、台湾の選挙手続きを尊重するよう中国に要求している。–“手続き”という言葉は曖昧である。台湾憲法には“藍白”のような連立政権を認めないとは規定されていない。少なくとも台湾の世論はそうは言っていない。 …もっと見る

引用

SmallNoDot @SmallnoD 13h

返信先:@HeQinglian

米国版には「中国の平和的統一への支持」を盛り込むべきではなく、面目を保てるのは「台湾独立への反対」だけだ。

何清漣 @HeQinglian 8時間

このツイートは、来年 1 月の結果調査のために保留しておく。

何清漣 @HeQinglian 8時間

今回は報道の目がある、誰かがやり忘れた。

「今回の会談内容は、習がバイデンに吊し上げられたことを示すものではない。ただし、習が記者団の中でバイデンに「独裁者」と言われ続けたことを除けば、これらの人々は下の写真を高精度に拡大して、誰の口が大きいのか測るべきで、大きいというのは、相手の機嫌を取ることを意味する。

もちろん、この種の「ニュース分析」はクリック数も多く、バカが称賛するので、やる価値はある。 …もっと見る

何清漣 @HeQinglian 8時間

言い過ぎた、訂正する。

何清漣 @HeQinglian 34m

今、台湾のメディア(著名人)は皆、あることについて推測している:馬英九の秘書は数週間前に北京から台湾に戻ったが、柯文哲を篭絡するためにどんな秘密兵器を持ち帰ったのか?その夜の会議に出席した 4 人のうち、馬と柯を除いて、他の 2 人はどのくらい知っていたのか? …もっと見る

引用

何清漣 @HeQinglian 6時間

返信先:@Wu_Zhi

運が良いのは本当である。しかし、完全に寝そべっているわけではなく、半分寝そべっているだけで、米国に対してはあらゆる変化に対応して変わらないが、台湾にとっては懸命に水面下で水かきしているアヒルのようなものである。

たとえば、郭台銘は横棒を入れて国民を分断した。

https://twitter.com/i/status/1725346446881288336

何清漣 @HeQinglian 2時間

ところで、なぜ日本はもう少し慎重に行動しないのか?昨年の露ウクライナ戦争以降、多くの議論が交わされたが、中国側は何も変わっておらず、変わったのは完全に日本と韓国である。

引用

ブルームバーグTV @BloombergTV 2時間

日本の岸田文雄首相は中国の習近平国家主席に対し、両国が主導する中でより明るい関係に向けて協力すべきだと語った。

水野氏の記事では、サンクチュアリーシティーとかゼロ$購入、警察予算削減とか民主党が支配する自治体は法と秩序を意図的に軽視する。それがプログレッシブ=進歩派の証しとでも言うように。それは道徳的退歩で、人間ではなく、野獣に近くなることに気づいていない。

北部の富裕層が南部に移動しているのは、治安の悪さが原因。しかし、不法移民が合法移民になれば、民主党のように悪を助長する政党が有利になり、また宗教対立の大きな原因になる。左翼・グローバリストは米国の弱体化を狙っているから、不法移民をどんどん受け入れようとする。

やはり、MAGAのトランプが勝って、グローバリストやDSを放逐しないと、米国はおろか世界が左翼に乗っ取られる。

記事

移民の殺到を受けニューヨークで行われた抗議活動(写真:ロイター/アフロ)

  • 移民問題が米国政治の大きな争点になっている。国境に接し、多数の不法移民が押し寄せる州が、移民に寛容な都市部を持つ州(聖域都市)に対し不満を募らせている。
  • テキサス州では、移民をバスに乗せ、ニューヨークなどに送る「ローンスター・オペレーション」と名付けた作戦を続けてきたほどだ。
  • 移民政策に対する不満の矛先は、迷走するバイデン政権に向かっており、次期大統領選の有力候補とされるトランプ氏に有利に働きつつある。

(水野 亮:米Teruko Weinberg エグゼクティブリサーチャー)

業を煮やしたテキサス州のアボット知事

次期大統領選まで1年を切った米国では、ここへきて移民問題の注目度が高まっている。「タイトル42」が2023年5月に失効して以降、米国南部の国境を越える不法移民*1が増えているからだ。タイトル42とは、トランプ前政権が新型コロナウイルス対策を理由に導入した不法移民の入国制限措置だ。

*1:中南米諸国出身の避難民が多い。合法的な身分が与えられるまでは避難民は不法移民として扱われるため、本稿では不法移民と呼ぶ。

タイトル42の失効以降、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスなどの街角に溢れかえる不法移民のニュースが連日報じられている。背景には、こうした移民に関する規制が緩い都市と国境を接する州との対立がある。

例えば、メキシコとの国境沿いのテキサス州では、不法移民がそのままバスに乗せられて、ニューヨーク、シカゴ、ロサンゼルスといった、いわゆる「サンクチュアリーシティー(聖域都市)」に運ばれている*2

*2:https://gov.texas.gov/news/post/operation-lone-star-sends-over-500-migrant-buses-to-sanctuary-cities

サンクチュアリーシティーとは、厳密には連邦移民局による不法移民の強制出国や起訴に協力しない都市を意味するが、「不法移民を保護する都市」と一般的には捉えられている。

この輸送活動を「オペレーション・ローンスター(「ローンスター」はテキサス州のニックネーム)」と呼ぶテキサス州のグレグ・アボット知事は、2022年のクリスマスイブに移民を乗せたバスをワシントンDCにあるカマラ・ハリス副大統領の公邸前に送りつけた*3ことで話題となった。

*3:https://www.npr.org/2022/12/25/1145481615/busloads-of-migrants-dropped-off-at-kamala-harriss-home-on-christmas-eve

一見すると、アボット州知事の行為は非人道的と思われるかもしれない。彼の極めて保守的な政策を非難する民主党員は後を絶たない。

「オペレーション・ローンスター」を展開したテキサス州のアボット知事(写真:AP/アフロ)

ニューヨークには毎週4000人の移民が押し寄せる

しかし、不法移民がもたらす数多くの問題に国境州の住民が直面している一方、連邦政府による根本的な解決が一向にみられない中、「『サンクチュアリーシティー』にも責任を負わせるべきだ」という考え方は分からなくもない。

タイトル42の失効以降、毎週4000人近くの移民が押し寄せているニューヨークでは、真夏のマンハッタンの歩道で寝泊まりしている人々の映像が繰り返された。マンハッタン郊外の学校近くの広場で寝泊まりしている人々に対して、「出ていけ」と叫ぶ住民のデモも報じられている*4。ニューヨークは学校など公共施設を一時的に不法移民のシェルターに転用しているが、これに対する住民のデモが後を絶たない。

*4:https://www.npr.org/2023/09/27/1201878358/migrants-staten-island-anti-immigration-protests-newyork

ニューヨークで移民向けシェルター開設に抗議するデモ(写真:ロイター/アフロ)

シェルターがパンク寸前になると、ニューヨーク市は成人がシェルターに寝泊まりできる期間を最長60日に制限した。その後、子供がいる家族に対してもシェルター滞在期間を最長60日、家族がいない者に対しては最長30日に削減した*5。寒い冬が近づく中、シェルターから溢れてホームレスとして暮らさざるを得ない家族を危惧する移民保護団体からこの動きを強く非難する声が聞かれている。

*5:https://ny1.com/nyc/all-boroughs/politics/2023/07/19/adams-limits-shelter-stays-for-adult-migrants-to-60-days

収容先がなく路上にあふれる移民(写真:AP/アフロ)

程度の差こそあれ、ニューヨークが直面しているような問題は、他のサンクチュアリーシティーでも発生している。

こうした事態を受け、各地の州知事や市長らはバイデン政権に緊急の移民対策予算や対策を強く求めるようになった。バイデン政権は当初は「移民は各市の問題」と一蹴していた。しかし、イリノイ州のプリツカー州知事のような重鎮から「国境における介入と調整の欠如」と非難する声が上がり、さらには人権派の民主党議員などから突き上げられるようになって初めて重い腰を上げた。

まず、バイデン大統領はベネズエラ出身の不法移民47万2000人に対して一時的に合法的な身分を与え、就業を可能とする措置を2023年9月に発表した(対象は7月31日までに入国した者に限る)。キューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの国民に対して一時的な入国許可を与えていたが、最近の不法移民の多くを占めるベネズエラ人に特別に恩典を追加するかたちとなった。

国境沿いの「壁」の建設再開を命じたバイデン大統領

合法的身分の付与が「アメ」であれば、同時に「ムチ」も与えた。

まず、国防総省から人員800名ほどを追加的にメキシコ国境付近に送り、税関・国境取締局(CBP)の支援を強化した。次に、バイデン大統領は国境沿いの壁の建設の再開を発表した。これは自身の選挙公約で強く否定し、就任後にはすぐに停止を命じたものだった。

建設の再開にあたりバイデン大統領は「(トランプ政権時代に成立した)連邦予算に含まれているから建設は仕方がない」と言い訳していた。

だが、その後に国土安全保障省のアレハンドロ・マヨルカス長官は「米国への不法入国を防ぐため、物理的なバリアや道路の建設が必要」としており、政権内で意見の齟齬が見られる。壁の建設の再開に対しては民主党議員のみならず、環境団体からも強い反発を招くことになった。

国境の壁の建設が進む(写真:ロイター/アフロ)

このように、移民問題を巡ってバイデン大統領が苦悩する日々が続いている。

米国では、もともと経済の発展のために移民は必要とする考えがある一方、犯罪の増加や社会不安の原因と見る向きもある。

調査会社ギャラップの世論調査によると、過去には「移民を減らすべき」と考える回答者の割合が「移民を増やすべき」とする回答者をずっと上回っていたが、2000年以降には両者の差は次第に縮まっていき、2020年5月には「増やすべき」が36%、「減らすべき」が28%と初めて逆転した。

激戦6州のうち、5州でトランプ氏が上回る

しかし、最新の2023年6月のデータでは、逆に「減らすべき」の割合が41%まで上昇し、「増やすべき」の26%を大きく上回った*6

*6:https://news.gallup.com/poll/1660/immigration.aspx

CNNが2023年10月27日~11月2日にかけて実施した世論調査によると、国民にとっての重要課題として「経済」と考える回答者の割合が66%と最高だったが、「移民」も50%と、「投票権」(57%)、「銃規制」(52%)、「犯罪」(52%)に次いで高い。「移民」を重要と考える回答者は共和党員が73%、民主党員が30%であり、共和党員が重視していることが分かる。

同じCNNの世論調査では、「もし今日大統領選挙が実施された場合、バイデン氏に投票する」とした回答者45%だったのに対し、トランプ氏のそれは49%とバイデン氏を上回った。

特に激戦が予想される、いわゆる「スイングステート(ネバダ州、ジョージア州、アリゾナ州、ミシガン州、ペンシルベニア州、ウィスコンシン州の6州)」に限ると、トランプ氏は5州でバイデン氏を上回るという結果となった*7(ニューヨークタイムズ・シエラ大学11月5日発表の世論調査)。

*7:https://emersoncollegepolling.com/swing-state-2024-polling-biden-trails-trump-in-arizona-georgia-and-pennsylvania-and-wisconsin-leads-trump-in-michigan/

このうち、政策課題の「移民」に限った支持率ではトランプ氏が53%、バイデン氏が41%となり、トランプ氏が12ポイント上回った。このほか、トランプ氏は「経済」(トランプ氏59%、バイデン氏37%)」や「国家安全保障(トランプ氏53%、バイデン氏41%)」でも大きく上回っている。

国民の移民に対する見方が厳しくなる中、対応に手を焼くバイデン大統領への不満が強まり、移民問題がトランプ人気上昇の一因になっていることが見て取れる。

2024年の大統領選に向けたトランプ氏の移民政策は、前回の大統領選よりもさらに厳しい内容となっている

枚挙に暇がない強硬なトランプ氏の政策

合法的身分の付与の制限、中東諸国など移民禁止対象国の拡大、移民申請手続きの間、メキシコに待機させる「メキシコ待機」措置の復活、出生地主義の廃止、米国の歴史の中で最大規模の強制退去オペレーションの実施、さらには米軍をメキシコ国境に配備し、麻薬組織を「敵性戦闘員」と見なして攻撃を可能とする…など、枚挙に暇がない。

従来の米国民の感覚では常軌を逸した考え方であり、「正常な状態」であればアレルギー反応は大きかったであろう。しかし、不法移民が日々、ニューヨークやシカゴなどのサンクチュアリーシティーに押し寄せ、国民のあいだで不安が急速に広がっている現在は「正常な状態」とは言えない。トランプ氏が支持を集めているのが何よりの証拠だ。

大統領選まであと1年。勝敗を分ける最大の要因はインフレの動向を含む経済であるとみられるが、移民も選挙を占う上で見逃せない問題となっている。

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