2/28The Gateway Pundit<Here is the Reaction of Ukraine’s Ambassador Oksana Markarova After Zelenky’s Tough-Guy Act Backfires Spectacularly=ゼレンスキーの強面ぶりが見事に裏目に出た後、ウクライナ大使オクサナ・マルカロワの反応はこうだ>
ゼレンスキーは、意に沿わなくても署名を約束してWHに来たのだから、外交儀礼に反することはすべきではない。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が国際舞台で強面ぶりを発揮しようとした最近の試みは、外交上の恥辱の炎の中で爆発的に失敗した。
ウクライナの希少鉱物資源に関する二国間協定を強化することを目的とした、大いに期待されていた会談は、激しい対立へと発展した。
トランプ大統領は、J・D・ヴァンス副大統領とともに、米国の援助に対する恩知らずとロシアとの和平交渉への消極的な姿勢についてゼレンスキー大統領を非難した。
トランプ大統領はゼレンスキー大統領が「第三次世界大戦に賭けている」と非難し、外交への取り組みに疑問を呈した。白熱したやり取りの末、トランプ大統領は突然会談を終了した。
ゼレンスキー氏: 「[質問は]たくさんある。最初から始めよう。まず第一に、戦争中は誰もが問題を抱えている、あなたもそうだ。しかし、あなた方には[その間に]素晴らしい海があり、今はそれを感じないが、将来は感じるだろう。神のご加護がありますように。」
トランプ氏: 「私たちがどう感じるかなんて言わないで。私たちは問題を解決しようとしている。私たちがどう感じるかなんて言わないで…だって、あなたにはそれを指図する立場にないんだから。覚えておいて。あなたは私たちがどう感じるか指図する立場にないんだ。私たちは気分が良くなる。私たちはとても気分が良くなり、とても強くなる。」
ゼレンスキー氏: 「あなた方はその影響を感じるでしょう。今、あなた方はその影響を感じるだろうと言っているのです。」
トランプ氏: 「あなたは今、あまり良い立場にありません。良い立場にありません。あなたは今、我々に対して有利な立場にありません。」
ゼレンスキー大統領: 「私は今トランプをやっているわけではありません。私は非常に真剣です、大統領。私は戦時中の大統領なのです。」
トランプ氏:「あなた方は何百万人もの人々の命を賭けている。第三次世界大戦を賭けている。あなた方は第三次世界大戦を賭けている。あなた方のしていることは、多くの人々が言うべきことをはるかに超えて、この国、この国に対する非常に無礼な行為だ。」
この騒乱の遭遇の間、ボイス・オブ・アメリカのWH特派員ミシャ・コマドフスキーは、ウクライナの駐米大使オクサナ・マルカロワの心を打つ反応を捉えた。
首脳らの近くに座っていたマルカロワ大使は、ゼレンスキー大統領の威勢のいい発言が失敗に終わると、両手で頭を覆い、顔を覆う姿が見られた。
大統領補佐官兼WH副首席補佐官のダン・スカヴィーノ氏はXに「ウクライナ大使はゼレンスキー氏が完全な大失敗だと理解している…」と書いた。
フォックス・ニュースのWH上級記者ジャッキー・ハインリッヒによると、WHは「ウクライナ側は対話の再開を懇願していた」と述べたが、マルコ・ルビオ氏とマイケル・ウォルツ氏は、ゼレンスキー氏はWHの敷地を離れ、平和について真剣に話し合う準備ができてから戻ってくる必要があると伝えた。トランプ大統領を含む米国当局者は、ゼレンスキー氏が対話中ずっと「肩をすくめ、目を回していた」と述べ、同氏のレトリックと態度に敬意を欠いていると感じたと報じられている。
https://rumble.com/v6px2vs-here-is-the-reaction-of-ukraines-ambassador-oksana-markarova.html
2/28Rasmussen Reports<Election Integrity: 60% Favor Requiring Paper Ballots=選挙の公正性:60%が紙投票の義務化に賛成>
有権者の大多数は、ドナルド・トランプ大統領が最近提唱した選挙の公正性確保策を支持している。
ゼレンスキーはやはり信用できない。
https://x.com/i/status/1895474207653564455
3/1阿波羅新聞網<王赫:浅析川普对台湾政策的设想=王赫:トランプの台湾政策ビジョンを簡潔に分析>国務省報道官は「国務長官はフィリピンと台湾への防衛援助の免除を承認した。これは、中国を抑止するという米国の固い決意をこの地域に強く伝えるものだ」と述べた。要するに、トランプ政権は台湾政策について明確なビジョンを持っているということだ。バイデン前大統領は任期中、少なくとも5回、台湾防衛のために軍隊を派遣する意向を表明した。トランプはバイデンと同じ発言はしないが、「上兵は謀を伐つ、 其の次は交を伐つ、 其の次は兵を伐つ」などの観点からして、中共は極めて受け身に置かれ、簡単に台湾に対して「攻城」を仕掛けるべきではない。
https://www.aboluowang.com/2025/0301/2182751.html
3/1阿波羅新聞網<川普反对北约东扩 为什么?=なぜトランプ大統領はNATOの東方拡大に反対するのか?>3年前に書かれた私の文は何が書いてあったか?トランプが、NATOの東方拡大は米国の利益にならず、むしろ米国の負担とリスクを増大させると考え、さまざまな機会に「NATOは東方への拡大をすべきではないし、その必要もない」と繰り返し述べた理由を説明したい。
理由は何か?この文を読めば、この戦略はロシアの利益のためではなく、米国の利益のために採用されていることがわかるだろう。
まず、私は、NATOの東方拡大は間違いだったという、米国のトップ政治戦略家ジョージ・ケナンの意見に同意する。
しかし、私が言っているこの間違いは、NATO に道義上の責任があるという意味ではなく、戦略的な過ちを犯したという意味であることに注意してください。なぜなら、この「不必要な挑発」はロシアを怒らせ、逆効果をもたらすからである。
軍事組織としてのNATOの本来の意図と性質は、実は防衛的なもので、もともと、当時非常に強大だったソ連からの攻撃をいつでも阻止し、防衛するために設立された。NATOは防衛的な軍事組織である。
ソ連崩壊後、ワルシャワ条約機構とソ連の侵略の可能性を封じ込め、防衛するという目標はもはや存在しない。特に、継続的な実質的な東方拡張は、ロシアを刺激し、不要な連想を生み、無謀な行動の口実を見つけるだけである。ロシア・ウクライナ戦争はその典型的な例である。
NATO の東方拡大を擁護する友人たちには、もっともな理由があることはわかっている。たとえば、NATO は自らの意志で東方拡大したわけではなく、むしろ、中央・東ヨーロッパ諸国と旧ソ連諸国がロシアの脅威に備えるために 主体的にNATO への加盟を申請した。これらの国々が自発的に NATO に「保護の傘」として行動するよう要請した。NATO の東方拡大がロシアにとって脅威だと言って、NATO を責めることができるだろうか。
道義上から言って、これは真実だが、戦略的には、ロシアの文化と政治に対する深い理解が欠けていることを示すものだ。
ジョージ・ケナンはソ連の封じ込めを提唱し、「封じ込めの父」や「冷戦の父」として知られていたが、ソ連との果てしない軍拡競争や核戦争を抑止手段として使うことには賛成していなかった。
つまり、ケナンはソ連の政治的封じ込めを断固として支持したが、「熱い戦争」や偶発的な銃撃の可能性を高める極端な手段の使用には断固として反対した。
「ソ連専門家」ジョージ・ケナンの見解では、NATOをロシア国境まで拡大したことは「冷戦後の全期間における米国の外交政策における最も致命的な誤り」だった。
米国はロシア人の民族の自尊心と民族主義的感情を無視した。「この決定はロシアの世論に民族主義的、反西側的、好戦的な感情を煽り、ロシアの民主主義の発展に悪影響を及ぼし、東西関係に冷戦の雰囲気を復活させ、ロシアの外交政策を我々の希望に反する方向に導くだろう。」
1998年5月2日、米国上院がNATOの拡大を正式に承認した後、94歳のケナンは直ちに次のようにコメントした。
「これは新たな冷戦の始まりだと思う。ロシアはゆっくりとかなり不利益な反応を示し、それが自国の政策に影響を及ぼすだろうと思う。」
残念ながら、ジョージ・ケナンの予測は現実となった。激怒したプーチン大統領は軽率に戦争ボタンを押してウクライナを攻撃したが、ケナンの見解では、この戦争は正しい戦略的決定によって避けられたはずの戦争だった。
欧米の白人左派政権は戦略的に誤った決定を下したが、道義上から言えば、戦争の責任を負うべきなのは間違いなく戦争の発起者、つまりロシアである。
https://www.aboluowang.com/2025/0301/2182882.html
何清漣 @HeQinglian 10 時間
EUと米国の関係、中国と米国の関係など、外界が期待する筋書き通りには進まない事態が次々と起きている。中国は最近比較的静かだったが、EUはウクライナ戦争の交渉のテーブルに着けず、もはや黙っていられなかった。EUはようやくウクライナとの重要な資源協定に署名することで怒りをおさめることができた。しかし今、再び嵐が吹き荒れている。2/26、トランプ大統領は閣議でEUが「米国を利用している」と非難し、米国車の受け入れを拒否し、
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何清漣が再投稿
Bob Fu 傅希秋 @BobFu4China 33 分
記者会見でトランプはゼレンスキーに核心的な質問をした。
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何清漣 @HeQinglian 2 時間
ウクライナの鉱物資源協定は本日署名されず、ゼレンスキーは強硬な姿勢をとった。どれも意外ではなく、ロウ戦争は米国(もちろんトランプ政権ではない)が扇動したという事実に焦点を当てた演説や記事がここ数日でいくつか出てきたので。それで私は次のようにツイートした。「次から次へと物事が起こっているが、もはや外界が期待していた筋書き通りには進んでいない」。昨日、私はもう一つのヒントを紹介した。英国のジョンソン首相は4か月前にウクライナからのデータ移転の手配をしていた。
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引用
何清漣 @HeQinglian 12 時間
EUと米国の関係、中国と米国の関係など、外界が期待する筋書き通りには進まない事態が次々と起きている。中国は最近比較的静かだったが、EUはウクライナ戦争の交渉のテーブルに着けず、もはや黙っていられなかった。EUはようやくウクライナとの重要な資源協定に署名することで怒りをおさめることができた。しかし今、再び嵐が吹き荒れている。2/26、トランプ大統領は閣議でEUが「米国を利用している」と非難し、米国車の受け入れを拒否し、
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何清漣 @HeQinglian 1 時間
昨日送ったもう一つのツイートである。これらを一緒に見れば、私が何を言いたいのか完全に理解できる。
引用
何清漣 @HeQinglian 2月28日
最近、ロウ戦争における米国と英国の役割について書かれた記事が増えている。まず、Foreign Affairsの記事「最前線の民間セクター:ビッグテックと商業と安全保障の利害が曖昧になるリスク」を紹介する。1. 戦争勃発の数か月前、アマゾンウェブサービス(AWS)で政府機関のデジタル変革を担当する部門リーダーのリアムは、
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何清漣 @HeQinglian 2 時間
すべてを関連づけて分析する必要がある。国家間の交渉では、署名プロセスのみが一般に公開される。交渉プロセスは公開されることはなく、生放送されることもない。ロシアと米国の2度の会談も非公開だったが、ゼレンスキーとの会談は生中継されており、注目に値する。その後の国際的な反応と米国の動きを見れば、生放送の目的が誰の目にも理解されるかもしれない。
何清漣 @HeQinglian 3 時間
【なぜこのような交渉を生中継する必要があるのか?違う意見が出るとは思っていなかったのか? 】
この点を考え付くのは、あなたには観察力があることがわかる。その他は何も言わない。
何清漣 @HeQinglian 3 時間
【なぜこのような交渉を生中継する必要があるのか?違う意見が出るとは思っていなかったのか? 】
この点を考え付くのは、あなたには観察力があることがわかる。その他は何も言わない。 x.com/YongenWu/statu…
引用
ヨンゲン・ウー @YongenWu 3 時間
返信先:@HeQinglian 、 @linen1180
なぜこのような交渉を生放送する必要があるのか? 違う意見が出るとは思っていなかったのか?これはトランプ政権による陰謀だと思う。
彼らは安全保障の約束なしにウクライナの資源だけを欲しがっており、それは誰かの不幸と裏切りに乗じている。
何清漣 @HeQinglian 3 時間
私はもう一つ大胆な予測をする:米国は大西洋パートナーシップを解消するには大義名分を必要とする。自分では戦争を背負う能力もなく、敵の軍資金となるロシアの石油とガスを今も購入しているヨーロッパ諸国の指導者たちは、戦争を止めるつもりはなく、米国に軍事費の支払いを続けさせようとしているだけだ。この状態があと数回続くと、NATOは最後の旅をホスピスで終えることしかできなくなる。
引用
聯合早報 Lianhe Zaobao @zaobaosg 3 時間
ワシントン訪問中のウクライナのゼレンスキー大統領と米国のトランプ大統領のWHでの激しい口論は、世界の多くの国々に衝撃を与えた。人々はウクライナでの戦争を終わらせるための努力に疑問を抱き、欧州の指導者たちはゼレンスキー大統領への支持を表明した。
https://zaobao.com.sg/realtime/world/story20250301-5949488?utm_medium=Social&utm_source=Twitter#Echobox=1740798512
篠田氏の記事では、トランプ・ヴァンスVSゼレンスキー会談はご破算になった。ゼレンスキーが約束した協定への署名を拒んだから。これで米国はウクライナから手を引く大義名分ができた。欧州がウクライナ支援と停戦交渉をしてみたらよい。ウクライナ全土が焦土となり、ロシアも痛手を被るが、被害はウクライナ程ではない。
米国はウクライナと関係なく、ロシアと関係改善に走るのでは。米国の最大の敵は中共なので。ウクライナと欧州だけが置いてきぼりを食らうのでは。
篠田氏の説明は、如何に識者やメデイアの説明が偏っているかを教えてくれる。彼らは左翼・グローバリズムに染まっているから、正しい判断ができない。
記事
交渉者としてのトランプ大統領を考える
トランプ大統領がアメリカの大統領に就任して1カ月がたった。その間に非常に多くのことが起こった。外交面で大きな注目を集めているのは、選挙戦中から確約していたロシア・ウクライナ戦争の終結に向けた努力である。
トランプ大統領は、日本の「識者」層から猛烈な反発と侮蔑を受けている。もともと「ウクライナは勝たなければならない」といった「主張」をしていた「識者」の方々が多いのだ。本気で停戦調停を進めようとしているトランプ大統領の存在にいら立っているのだろう。
気になるのは、「識者」の方々が、トランプ大統領を馬鹿にして侮蔑することを、普通の常識的態度であるかのようにみなしていることだ。トランプ大統領の知的レベルが低く、また性格が異常なので、このような奇妙な行動と発言をとっているのだ、といったことを延々と語り合い続けている。
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これは危険な現象である。
自分が気に入らない事態が進行しているのを見て、「要するに自分以外の誰かが無能で特異だからこんなことになっているのだ」、と考えて納得してしまうのでは、現実の分析の放棄に等しい。
ましてトランプ大統領は、アメリカの選挙民の信任を受けて、二度までも大統領選挙を勝ち抜いた人物だ。第一期政権時と比して、知識・経験、そして人脈も、際立って豊かだ。客観的に見れば、トランプ大統領は、類まれな実力者であり、安易に見下すことなど許されないはずである。
本稿では、このような観点から、ロシア・ウクライナ戦争の調停に焦点をあてて、トランプ大統領の行動と発言の分析を試みる。その際、比類なき取引好きとして知られるトランプ大統領の性格にも着目し、徹底的に「交渉」の観点から、分析をしてみる。
「トランプがプーチンになった」は本当か
トランプ政権が発足し、「識者」の間で語られていた「ポンペオが重用されてトランプ大統領を説得してくれる」といった根拠のない伝説は、消え去った。就任後の行動から、トランプ大統領が、戦争の終結に本気で取り組むことに、疑いの余地がないようになった。
そこで噴き出してきたのは、「トランプがプーチンになった」という伝説である。無知なトランプ大統領が、邪悪で老獪なプーチン大統領に騙されてしまった、という物語である。
2月18日、ルビオ国務長官がラブロフ外相と会い、米露外相会談が成立した。その後、事務官同士の折衝をへて、首脳会談が開催される予定とみなされている。これまでハンガリーのオルバン首相のように、プーチン大統領と会った首脳は、ことごとく裏切者の扱いを受け、欧州諸国の政治指導者からの激しい糾弾を浴びてきた。多国間会合であっても、ラブロフ外相が演説し始めると、欧州各国の外相は退室したりするのが通例であった。ところが「西側」のリーダーであるはずのアメリカの国務長官がラブロフ外相と会い、次に大統領同士の会談にも進む。今までロシアを孤立させることに必死だった欧州諸国は、いわば梯子を外された形だ。
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トランプ大統領は、追い打ちをかけるように、大きなニュースになる発言を行った。戦争を招いたのはウクライナのNATO(北大西洋条約機構)加入を支持したバイデン政権だ、と主張した。さらにはウクライナのゼレンスキー大統領を、「選挙のない独裁者」と呼び、任期切れ後も戒厳令を根拠にして選挙を延期し続けている同大統領を揶揄した。そして仕事ぶりを低評価する発言をした。
こうした事態の展開を見て、感情的な反発をしたのは、欧州の指導者層だけではない。各国の「ウクライナ応援団」の方々が、メディアやSNSなどを通じて、感情的な反発をした。そこで語られたのは、「トランプがプーチンに篭絡された」という陰謀論的な物語であった。本当だろうか。
交渉者としての「第三者性」を獲得するトランプ大統領
トランプ大統領は、一連の行動と発言を通じて、ロシア政府の好感を獲得することに成功している。プーチン大統領をはじめとするロシア政府高官たちは、「トランプ大統領の発言を評価する」、といった発言を繰り返している。これに対してゼレンスキー大統領は、必死にアメリカの翻意を期待する発言を行いながらも、「アメリカの大統領がロシアに篭絡された」といった調子で、トランプ大統領を非難する趣旨の発言を繰り返してしまっている。
だがトランプ大統領は全くひるむ様子を見せていない。それどころかロシアとの協議を進展させつつ、ウクライナ領内のレアアースの資源権益をアメリカに渡すことに合意するように圧力もかけた。
トランプ大統領が、アメリカの立ち位置を大きくウクライナ支援者の立場から移動させようとしていることは、明らかである。この行動そのものを、「ウクライナは勝たなければならない」主義者の方々は、非難している。しかし、そうした論争からは距離を置き、「交渉」の観点からだけ見てみるならば、トランプ大統領の行動は、論理的には、決して破綻していない。
トランプ大統領は、「欧州の指導者たちは何もしていない」と愚痴りながら、アメリカが主導する形での調停を目指している。それを成功させるためには、まずアメリカが調停者として紛争当事者から認められなければならない。トランプ大統領は、それを目指した行動をとっていると言える。つまり「第三者性」を獲得しようとしているのだ。
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アメリカはこれまで、ロシアに厳しく敵対し、ウクライナを強く支援してきた。その立ち位置のままでは、第三者としての調停者にはなれない。立ち位置の修正が必要である。
そこでロシアに近づいて、一定の信頼を得て、調停者として振る舞う基盤にしようとしている。ウクライナには、アメリカは今や単なる一方的な支援者ではなく、第三者的な調停者である、ことを知らせるためのシグナルを、送り続けている。
ロシアは、アメリカを強く警戒していた。そこでロシアに近づく姿勢を見せて、調停者としても認めてもらおうとしている。他方、ウクライナには、厳しい態度で現実を覚知させつつ、巨額の支援の実績も参照して、アメリカを調停者として認めるように圧力をかけている。
この行動は、少なくともアメリカが第三者調停者としてロシア・ウクライナ戦争の停戦調停を進める目標を持つのであれば、合理的である。
ロシアに対する交渉材料
それではトランプ大統領は、それぞれの紛争当事者に、どのような態度で交渉を迫っていくのだろうか。まずはロシアに対する態度を分析してみよう。
トランプ大統領は、ウクライナをNATOに加入させようとしたことが戦争の温床になったとの理解を披露し、ウクライナのNATO加盟を認めない立場をとっている。これはロシアに歓迎された。これは「交渉」の観点から見て、どのように評価できるだろうか。
現在、戦場では、ロシア軍が前進し続け、支配地を広げ続けている。2023年の反転攻勢後に、「膠着状態」が生まれていたが、それは2024年に変化した。現在は、ロシア軍優位で戦況が進んでいる。
ちなみにトランプ大統領が、選挙戦中に、「自分が大統領に就任したら一日で戦争を止める」と発言したのは、「膠着状態」の時期であった。紛争解決論の理論においても、「膠着状態」は調停の機運が高まる「成熟」の時期とみなされる。トランプ大統領の発言は、そうした状況把握をふまえたものだっただろう。
しかしこれに抵抗したのがゼレンスキー大統領だ。しばしば大統領とも対立したザルジニー・ウクライナ軍最高司令官を罷免したうえで、ロシア領クルスク州に侵攻するといった冒険的な行動をとった。「膠着状態」に抵抗し、戦争を継続させるためである。結果は、確かに「膠着状態」の溶解だった。しかし、ウクライナに不利な形での「膠着状態」の溶解であった。
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このような経緯があって、支配地を広げ続けているロシアには、一年前と比べても、現状維持での停戦案にはのりにくい。時間を引き延ばせば引き延ばすほど、ロシアに有利な状況が広がることを知っているからだ。ロシアは、現状維持の停戦に、追加的な「利益」がない。
そこで調停者となるトランプ大統領は、戦場における支配地の確保とは別のロシアの「利益」の確保の可能性を見せて、ロシアを調停交渉に引き込んでこなければならない。
そのような高次のロシアの「利益」が、ウクライナのNATO加盟可能性の放棄である。トランプ大統領は、これを誘因材料にして、戦況で有利な立場にあるために交渉にのってきにくいロシアを、現在、強力に交渉に引き寄せている。
ウクライナに対する交渉材料
ウクライナは戦場で劣勢に立たされている。本来であれば、現状での停戦は、ウクライナ側の利益である。
しかしゼレンスキー大統領は、そのように考えない。「ウクライナは勝たなければならない」を基準にして、そのために形勢を一気にひっくり返すさらなる大規模なアメリカなどの支援諸国からの追加的な支援を求めている。あるいは「ロシアが崩壊することを恐れてはいけない」などと言ったレトリックで、事実上のアメリカなどの軍事強国の直接軍事介入の要請をしている。
「トランプ大統領さえ豹変してくれれば、いつかウクライナはロシアを駆逐して完全勝利を収めることができる!」、といった現実から乖離した夢を見続けている限り、ウクライナは停戦交渉にのってこない。そこでトランプ大統領は、そのような豹変の可能性はない、ということをゼレンスキー大統領に覚知させるために、あえて厳しい態度と言葉を投げかけ続けている。
さらには支援諸国が支援を増強させてくれれば、ウクライナは戦争を継続させることができる、という考えも捨てさせるために、アメリカからの支援を止めた。レアアースの使用権をアメリカに譲れと強く迫った。戦争の継続が「利益の損失」であることを、覚知させようとしている。
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加えて、ゼレンスキー大統領が、利益の得失計算を行うことを怠り、あるいは無視し続けるのであれば、戒厳令下の戦時大統領としての強権を疑問視して、選挙の実施を迫る、という道筋まで作っている。どうしてもゼレンスキー大統領が利益の損得計算を行わないのであれば、別の人物にウクライナを代表してもらいたい、という意思表示である。
ゼレンスキー大統領が頑な態度を取り続けるならば、「ウクライナに選挙を行わせるための一時停戦」が提案されることになるだろう。ロシアも、ウクライナ大統領の交代に強い関心を持っているからだ。
「選挙の実施を目的にした停戦には応じられない、戦い続ける」という立場を取り続けながら、総動員体制で疲弊しているウクライナ国民を納得させ続けられるかは、大きな疑問符がつくところだ。国民の側にも、大きな負荷がかかり、様々な意見や運動が誘発されてくるだろう。ゼレンスキー大統領が、その政治的圧力に、戒厳令下の強権で対抗しきれるかは、わからない。大統領選挙を想定した世論調査では、ザルジニー氏の人気は、ゼレンスキー大統領を圧倒的に上回っている。
もし選挙が実施されれば、アメリカの支援がなくてもなお戦争を継続する主張と、停戦を受け入れて国を整備すべきだという主張がぶつかり合うようになるだろう。後者を「親露派」と断定して弾圧禁止することは、戒厳令下のウクライナ政府には、制度的には可能である。しかしアメリカなどは猛烈な圧力をかけ、選挙の正当性も問う事態に至るだろう。強烈な負荷がウクライナ社会にかかる。
冷徹な交渉人としてのトランプ大統領
これらの強い負荷をともなう各種の圧力を通じて、トランプ大統領としては、停戦がウクライナの「利益」である、という判断を、ゼレンスキー大統領、あるいはその後任の人物に、行わせようとしている。
なおウクライナに対する積極的な誘因材料としては、欧州軍のウクライナへの展開がある。これが実現すれば、ロシアの再侵攻を防ぐために、大きな意味を持つことになる。ただし、欧州軍の展開は、あくまでも停戦が実現した後の話である。停戦受け入れとセットの形で用いられる誘因材料である。また国境線をはさんでNATO構成諸国の軍隊とロシア軍がにらみ合うような事態は、欧州諸国側も避けたいため、地域限定の措置などにはなっていくだろう。
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なおウクライナは占領地を放棄する宣言は公式には出せない。また国際法の原則にしたがっても、そのような宣言の効果には問題が残る。一部で誤解が見られるが、実はトランプ大統領も公式に領土を放棄するようにウクライナに迫ったことはない。実際には、ウクライナに領土放棄を公式宣言させることを避けながら、なおロシアが受け入れることができる調停案の可能性が模索されるだろう。その運用のために、人類の歴史上最大規模の非武装中立地地域などが、導入される可能性がある。
トランプ大統領の態度を、冷徹なものだと考えるのは、当然だろう。トランプ大統領の政策に反対したり、嫌ったりすることもあるだろう。だがそれは、トランプ大統領を無能で気まぐれな破綻した人物として侮蔑することとは、違う。トランプ大統領が自ら掲げた目標においても、その目標に向かうための手段の行使においても、むしろ一貫している。
トランプ大統領は全く支離滅裂だ、と断定して侮蔑するのは、単に現実と乖離しているだけでなく、極めて危険な態度である。そのようにトランプ大統領をみなし続けていると、やがて現実の分析ができなくなり、酷いしっぺ返しを食らうことになるだろう。
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