『「清退令」規定年齢超えで失業した中国出稼ぎ労働者4000万人の悲しい現実 年金は雀の涙、急速に社会問題化』(4/28現代ビジネス 北村豊)について

4/29The Gateway Pundit<REPORT: Newsmax Offers Tucker Carlson Colossal Deal=報道:Newsmax が Tucker Carlson の巨額取引をオファー>

TGPの同日の別の記事によると、Foxは「午後 8 時の視聴者数が 1 週間で 300 万人から 133 万人に急落!」と。マードックは顧客を見ず、グローバリストのチャックシューマー上院民主党リーダーや共和党エスタブリッシュメントを見ている。顧客から報復を受けるのは当たり前。保守層はOANやNewsmaxに流れるのでは。

月曜日、FOX News は、トップクラスのゴールデンタイム ホストである Tucker Carlson と別れたことを発表しました。

これは、ポピュリスト運動の熱心なファンの多くに衝撃を与えました。

月曜日の夕方までに、Tucker Carlson には少なくとも 1 つのオファーがありました。One America News の創設者兼 CEO である Robert Herring は、Tucker Carlson を招待して、OAN チームの一員になるための交渉を行いました。

土曜日に TMZ は、Newsmax が最高評価のケーブル ニュース ホストに求愛していると報じました。

TMZによると、Newsmaxは契約をさらに甘くし、Newsmaxのラインナップ全体を彼にコントロールできるようにしています.

https://www.thegatewaypundit.com/2023/04/report-newsmax-offers-tucker-carlson-colossal-deal/

4/28The Gateway Pundit<Ron DeSantis Set to Sign New Bill into Law that Will Allow Him to Run For President in 2024 While Remaining Governor=ロン・デサンティスは、2024年に大統領に立候補しても、知事職を維持することを可能にする新しい法案に署名する予定です>

デサンティスは共和党予備選に出るということでしょうか?

ロン・デサンティス知事 (共和党-フロリダ州) は、金曜日にフロリダ州議会を通過した州の選挙法を改革する法案のおかげで、知事としての職を放棄することなく、2024 年に大統領に立候補することができます。

この法案は、フロリダ州上院を 28 対 12 の票決で通過させた数日後、76 対 34 の票決でフロリダ州下院を通過した、と Politico は報じた

両院で承認された新しい法律は、「米国の大統領または副大統領の職を求めている人」を「出馬したら現職を辞任する」ことから免除しています。

フロリダ州の「Resign to Run」は、現在の役職者が別の役職に就く前に、その役職を辞任することを要求する法律です。

法案は、署名のためにデサンティスのオフィスに送られています。

民主党のアンジェラ・ニクソン下院議員は、「この機関で私たちは知事の入札を行っています。「彼が大統領に立候補したいのであれば、辞任する必要があります。前回調べたところ、知事はフルタイムの仕事です。大統領に立候補するには多くの努力が必要です。」

https://www.thegatewaypundit.com/2023/04/florida-lawmakers-passes-new-law-allowing-desantis-to-run-for-president-in-2024-without-resigning/

4/30希望之声<习近平抛弃普京?传中共罕见对俄侵乌投赞成票 微博急删文=習近平、プーチンを見捨てる? 中共は珍しくロシアのウクライナ侵略に賛成票を投じたと伝わる、微博は記事を緊急に削除した>中共は最近、ロシアのウクライナ侵略を非難する国連決議に珍しく賛成票を投じた。 関連情報は微博で総て削除された。 中共の最近の一連の行動は、習近平がプーチンを見捨てる可能性があることを示していると考える人もいる。

4 /29に投稿された網易アカウント「張家棟観世界」は、中共が「国連と地域機関、その他の機関と協力: 国連とEUとの協力」という決議案に賛成票を投じたことを投稿した。 その中には「ロシア連邦は、グルジアを侵略した後、ウクライナを侵略した」と言う内容が含まれていた。

別のツイッターアカウント「@LPX2019」は、4/26に決議案が採決されたとツイートした。

「張家棟観世界」は投稿で詳細に説明しており、決議には2回の投票があって、中共は第1回投票で棄権し、第2回投票で賛成票を投じたと。

この決議は、ロシアとウクライナの衝突に言及し、ロシアがグルジアに侵攻した後、ウクライナに侵攻したことを明確に指摘している。 これに対し、ロシア側の代表は、この表現は「非常に政治的」であるとして不満を募らせ、表現に対する別の投票を要求した。反対票が過半数を占めた場合、その条項は削除されるとした。 それが第一回の投票である。

第一回投票では、賛成 81 票、反対 10 票、棄権 48 票となった。 したがって、ロシアの抗議は無効になり、ロシアのウクライナ侵攻を非難する条項は保持された。第一回投票では、中国、南アフリカ、インド、ブラジルが棄権した。(BRICSメンバー)

次の 2 回目の投票は、決議案全体に関するもので、合計 122 の賛成票が投じられたが、その中には 中共からの 1 票が含まれ、インドとブラジルも賛成票を投じた。棄権票は 18 票しかなかった。反対票は 5 票であった。ロシア以外の他の 4 国はベラルーシ、シリア、北朝鮮、ニカラグアである。

「張家棟観世界」は次のように考えている:これは、「国際社会から見て、欧州はロシアよりもはるかに重要であることを示している。この決議に反対すれば、欧州と対立することになる。これが中国、インド、ブラジルが賛成票を投じた主な理由である」と説明できる。

ツイッターでは、「完全に予想されたことだ。裏切る時が来た」と考える人もいれば、「これは偶然ではない。欧州は6月に中国との関係について話し合うだろう。何もしないで通用するか?」と言う人もいる。「国防部長がロシアに行ってロシアの先進兵器の核心技術を求めたが、ロシアはそれを拒否したため、ロシアの侵略に賛成票を投じた」と考える人もいる。 中共駐仏大使の盧沙野は先日、「旧ソビエト連邦諸国には主権がない」と述べたのが影響を与えたと考える人もいる。「おそらく、撒野(=粗暴)大使はその中で予期しない役割を果たした.」と。

4/ 21、中共駐仏大使の盧沙野は、クリミアがウクライナに属しているかどうかについてのインタビューで、「クリミアは最初からロシアに属していた。 ソ連時代、フルシチョフはクリミアをウクライナに与えた。 さらに一歩進んで、旧ソ連の国々は主権国家ではない」と述べた。 この発言は国際的な騒動を引き起こした。

その後、習近平は約束してから1か月以上経って、すぐにゼレンスキーと電話連絡を取り、「火に油を注がない」と保証した。

歴史家であり、米国の Feitian 大学の教授である章天亮は、彼のチャンネル「Dawn Time」で次のように述べている。ウクライナの反撃は差し迫っており、ロシアの敗北はそう遠くないかもしれない。 中共はプーチン政権の終焉を望んでいないが、ロシアが崩壊した後、中共は国際的にさらに孤独になり、状況が取り返しのつかなくなれば、中共はプーチンを見捨てるだろう。

数日前、NATO事務総長は、西側がウクライナに当初約束した武器援助の 98% が提供されたと述べた。 ウクライナ軍の国防相は 28 日、ウクライナはロシアに対する大規模な春の反撃の準備ができていると述べ、気象条件が合えば、司令官はいつでも反撃命令を出すと述べた。

本報道は中国語圏メデイアでは数多く報道されているが、英米系メデイア(それを翻訳している日本メデイアも)報道していない。中国語報道だけでは事実確認に不安がある。

https://www.soundofhope.org/post/717500

4/30阿波羅新聞網<习近平没想到,一通电话让他骑虎难下=習近平は、電話の途中で降りるのが難しいとは思わなかった>中共の習近平国家主席とウクライナのゼレンスキー大統領がついに電話で話した。14か月の戦争の後、ウクライナが春の大規模反撃を開始しようとしているとき、ロシアとウクライナの戦争当事者はついに仲介者を持ち、和平に一筋の光明を見出した。しかし、北京は常にロシアを支持しており、盧沙野事件により、中国とウクライナの指導者が電話で話しているのを見て、より多くの人々が喜んでいるが、彼らは北京の「平和の説得と促進」の推進について楽観的ではない。

なぜ今、習近平が電話をしたのか? 外界は、習近平がこの電話をかけた理由として、中国の盧沙野駐仏大使の発言の騒動が収まっていないことと、欧米の軍事援助が整い、春以降、ウクライナ軍は大規模な反撃を開始しようとしており、ロシア軍は再び戦うことができないことの2つだと推測している。

中共の公式メディアは、ロシアとウクライナの紛争(領土主権の占領)の具体的な問題は、交渉を通じて解決する必要があり、この段階での目標は、双方の間で停戦するため、交渉のテーブルにつくこととコメントした。しかし、一部の公式コメントは、「停戦には、米国がまずウクライナへの武器供給を停止することを要求する」と露骨に言うものもある。中共のロジックでは、ロシアには侵略の問題はなく、西側諸国はウクライナを支援する必要はないと。

現時点では、各方面は習・ゼレンスキーの電話に肯定的な見方をしており、習近平の動きは「責任ある世界の大国」のイメージを確立する可能性があると指摘している。しかし意識すべきは、中国がロシア・ウクライナ戦争を将来の新しい世界秩序の闘争の一部と見なし、中国の停戦に関する調整を受け入れるならば、中国とロシアが設定したウクライナ戦争後の世界の地政学的な変化を受け入れる雛型になる。

この電話の後、習近平はロシアとウクライナの確立された立場を変えなかった。彼は双方が対話できるように最善を尽くさなければならない。しかし、盧沙野事件は欧州全体に習近平の欧州への歴史認識を垣間見せた。彼は「平和を説得し、対話を促進したい」と望んでおり、双方を喜ばせるためだけでなく、国際秩序を変えるためにも、この電話は彼にとって虎から下りることを困難にした。

https://www.aboluowang.com/2023/0430/1895793.html

4/29阿波羅新聞網<俄国经济凄惨 普丁要靠中共救?他戳破背后真相=ロシア経済は悲惨、プーチンは中共依存? 彼は背後にある真実を明らかにした>2022年のウクライナ侵攻以降、ロシアは国際社会から制裁を受け、経済は益々中国に頼ることになった。表面的には両国間の貿易関係が大幅に拡大したように見えるが、専門家が貿易データを見ると、ロシアの中国経済への貢献度は非常に低く、中共は依然としてロシアとの貿易に慎重である。

ロシアよりEUを取ったということ。

https://www.aboluowang.com/2023/0429/1895766.html

北村氏の記事では、斎藤淳子著『シン・中国人 激変する社会と悩める若者たち』によると、今の中国で男性が結婚時に女性側に払う結納金は年々上昇してきたので、2019年の年初重要政策文書の「1号文件」で年収の2倍までに制限するよう定めたと。2014年まで続いた一人っ子政策で、農村の男女の産み分け(宗族維持のため)が大きく作用していると思いますが。数が少ない女性が強い。

戸籍の問題こそが中国の大きな人権問題と言える(一番大きな人権侵害は档案でしょう)。農村戸籍と都市戸籍では受ける福利待遇が全然違います。子供の教育で、都市戸籍がなければ大学受験は親の出身の省で受験することになり、各省ごとに人口の多さと受験問題が違うので、都市戸籍保持者が有利になる。要は都市の人間は農村からの農民工を使い捨て出来ればよいと思っている。

中共は豊かになれば農民工の問題も解決すると思ったのかもしれませんが、これから中国経済は悪くなっていくだけ。習は韜光養晦を止めて、野心をぎらつかせた為に、西側の警戒を招いた。元に戻ることはないでしょう。

記事

2019年の建設業界の「定年制」

中国で「中央1号文件(文書)」とは、中国共産党と中央政府が毎年年初に発表する最初(第1号)の重要指針を意味する。中央1号文件は2004年から2022年まで19年間連続で農業、農村、農民を包含する「三農問題」をテーマにしてきた。2月13日に発表された2023年1月2日付の『2023年中央1号文件』も従来通り三農問題に重点を置いた内容で、表題は「農村振興を全面的に推進するための重点作業に関する中国共産党と中央政府の意見」であった。

by Gettyimages

2023年中央1号文件は6条33項で構成された長文であったが、その第6条「農民が収入を増やして金持ちになるチャンネルを広げる」の第21項「農民の就業・増収を促進する」には『農民工』に言及した箇所があり、そこには「農民工の就業を安定させると同時に、『超齢農民工』の就業権益をしっかり擁護する」と明記されていた。

「農民工」とは農民出身で居住する農村から都市部へ出て就労する出稼ぎ労働者を意味し、「超齢農民工」とはオーバーエイジ(規定年齢を超えた)の農民工を指す。現行の中国における定年規定は、男性:60歳、女性:50歳(ただし、女性管理職は55歳)なので、ここで言うオーバーエイジとは男60歳、女50歳の定年年齢を超えた農民工を意味する。

2023年中央1号文件が特に「超齢農民工」に言及して、その就業する権利とそれに伴う利益を擁護すると述べたのには理由があった。それは2019年から中国各地の建築業界で「清退令」が公布されたことによるのだが、建築業界の清退令とは一体何だったのか。

狙いは高齢労働者の災害回避だったが

清退令の起源は2019年に上海市の「住宅・都市建設委員会(略称:住建委)」、「人力資源・社会保障局(略称:人社局)」、「総工会(労働組合)」の3者が共同で制定した次のような規定を含む条例であった。

(1) 60歳以上の男性、50歳以上の女性および18歳以下の労働者は施工現場に入って建築作業に従事することを禁じる。
(2) 55歳以上の男性、45歳以上の女性は施工現場に入り地下、高所、高温、特に重労働あるいは体の健康への影響や危険性が高い特殊作業に従事することを禁じる。

上記の(1)は当然ながら定年年齢に到達した男女や18歳以下の労働者を危険な職場から遠ざけることを目的としたものであり、(2)は55歳以上の男と45歳以上の女の労働者を危険な職種から遠ざけることを目的としたものであるが、こうした清退令を制定せざるを得ない程に当該労働者の事故が多発したのであったろう。

2019年に上海で制定された清退令は、天津市、広東省深圳市、江蘇省泰州市、江西省南昌市、湖北省荊州市等で順次制定が進み、遂には全国各地で地域の特殊性を加味する形で制定されたのだった。

上海市の建設業界では2018年に比較的大きな事故が2件発生し、それぞれ6人が死亡したが、その6人中の3人は60歳を上回っていた。上海市の建設当局によれば、2018年通年の上海市建設業界で発生した事故による死亡者に占める60歳以上の比率は15パーセントに達していたが、当時上海市の建築従業者中に占める60歳以上の比率はわずか1パーセントであったから、60歳以上の死亡者比率は異常に高いものであった。

こうした背景の下で、高所作業、野外作業、手作業、重労働などの高リスクの特性を考慮し、「超齢(定年年齢超過)」がもたらす体力不足の問題は建設現場の生活条件の劣悪さに加えて、重労働が必要とする高塩分・高油分な食事は彼らの健康に不利な影響を与えることも加味して、上海市の住建局、人社局、労働組合の三者は共同で清退令を制定したのだった。

50歳以上の農民工、約8000万人

2022年5月に中国政府「国家統計局」が発表した『2021年農民工観測調査報告』には以下の記述があった。

(1) 2021年における全国の農民工は2億9251万人で、前年比691万人の増加(増加率:2.4パーセント)であった。このうち、「外出農民工(外地で就労する出稼ぎ労働者)」は1億7172万人で、前年比213万人の増加(増加率:1.3パーセント)であった。また、「本地農民工(地元で就労する出稼ぎ労働者)」は1億2079万人で、前年比478万人の増加(増加率:4.1パーセント)であった。2021年末の時点で都市部に居住する農民工は1億3309万人で、前年に比べ208万人増え、その増加率は1.6パーセントであった。
(2) 農民工の性別は男性:64.1パーセントに対して女性:35.9パーセントであったが、女性が占める割合は、外出農民工:30.2パーセント対して本地農民工:41.0パーセントであった。農民工全体に占める婚姻関係の割合は未婚:16.8パーセント、既婚:80.2パーセント、離婚・死別:3.0パーセントであった。
(3) 農民工の平均年齢は41.7歳であり、外出農民工は36.8歳、本地農民工は46.0歳であった。農民工の年齢構成を見ると、50歳以上の割合は、2017年:21.3パーセント、2018年:22.4パーセント、2019年:24.6パーセント、2020年:26.4パーセントと年々増加し、2021年には27.3パーセントまで上昇した。

要するに、農民工2億9251万人に占める50歳以上(27.3パーセント)の総数は約8000万人となるが、その8000万人もの人々が2019年に上海市で最初に制定され、その後,全国各地へ波及して次々と制定された清退令の影響を受けているということなのである。

ニュースサイト「騰訊新聞」は3月28日付で「清退令の背後に8000万人の超齢農民。彼らは働きたくとも職がなく、寄る辺となるべき人もなく、引退したくとも休めない」と題する記事を掲載し、超齢農民工の困難な現実を報じた。

ただし、この8000万人という数字には疑義がある。清退令は建設業界に対する規定であり、全業種に波及する規定ではないのである。8000万人いる超齢農民工の全員が建設業界で就労している訳ではなく、彼らは工場や商店、運送業、フードデリバリー、家政婦などの各種業界で職を得ている人も多数いるので、純粋に建設業界で働いていた人は恐らく全体の半数あるいは60パーセント程度かと思われる。たとえ半数の4000万人だとしても、14億人の総人口に対する割合は約3パーセントになるし、日本の人口の3分の1に相当する数字なのである。

行き場を失った超齢農民工

2月13日に発表された「2023年中央第一号文件」が超齢農民工に言及したのを受けて、今年最初に清退令と超齢農民工の問題を取り上げて報じたのは浙江省のニュースサイト「潮新聞」であった。潮新聞の記事に触発された他のメディアもその後次々と超齢農民工関連の記事を報じたのだが、それはさておき、潮新聞が3月25日付で掲載したのは「清退令下の超齢農民工 彼らに活路を与えよ」と題する記事であった。その要点は以下の通り。

3月17日、浙江省杭州市は小雨が降り、気温は急降下した。その中で傅(ふ)さんは自分の電動バイクに座って暇そうにスマホを操作していた。その電動バイクには電気ドリルや各種工具、電線、ヘルメットなどが積まれていたが、それらは全て彼の商売道具だった。

今年64歳の彼は江西省の東北部に位置する鷹潭市(ようたんし)の出身である。彼の外見は清潔で上品な感じで、スマホを操作する時にだけ老眼鏡を取り出すが、そうした様子からは実際の年齢は見て取れない。実家の子供はすでに家庭を持って独立しているが、彼は少しでもカネを稼いで、子供の世話にならないようにしたいと考えているのだと言う。

「1978年に兵隊に行き、除隊後の大部分は実家で農業に従事して暮らしていたが、子供の結婚や住宅購入などでカネを必要とすることが多くなり、故郷を離れて出稼ぎに出て、全国各地の工事現場で長年働いた。しかし、60歳になった時に、清退令により工事現場から追い出されてしまい、今では臨時の仕事で稼ぐしかないのだ」と傅さんはスマホを操作しながら自分の経歴を記者に語った。

工事現場の雇用主が傅さんの身分証を調べたならば、すぐさま「超齢」を理由に仕事場からの退去を命じられるので、傅さんは基本的に仕事がない日が続いているのだという。

傅さんのような年齢で依然として臨時工として働いている人は少なくなく、記者は杭州市内の交差点付近で臨時の仕事を待つ人達をたびたび見かけたが、彼らの多くは住宅の改修や水・電気の修理を生業(なりわい)としていた。

安徽省出身の陳さんは上海市の工事現場で長年にわたった外壁塗りに従事し、ゴンドラに乗って上下する日々を送っていたので、高所作業はお手の物だった。しかし、2021年、すでに60歳になっていた陳さんを見つけた施工業者は、彼に現場で働き続けることはできない旨を通告したのだった。働かなければ収入が無くなるので、陳さんは知り合いの親方に労働期間の延長を懇願した結果、最終的に1年間だけ延長が認められた。

ただし、最近は管理が厳しくなり、現場へ入場するには身分証の検査だけでなく、顔認識システムも導入されているので、彼のような超齢者が現場へ入場することは困難になっているのだという。陳さんは記者に、故郷の実家へ戻る準備を始めているが、故郷へ帰ったら農業をしながら、家の付近で仕事を探すと述べていた。

社会保障などほとんど意味はない

一部の超齢農民工は「もし自分が実家にいたとすれば収入源は極めて限定される」と記者に語った。上述の傅さんによれば、彼が受け取れる「養老金(年金)」は毎年1000元(約2万円)程度であり、老後の保障には到底足り得ないのだという。

農村には「新型農村社会養老保険(略称:新農保)」があるが、江西省を例に挙げると、新農保の保険料は年間で最低ランクの300元(約6000円)から最高ランクの6000元(約12万円)まであるが、大多数の人は最低ランクを選ぶ。但し、最低ランクでは60歳以降に受け取れる養老金(年金)は100元(約2000円)に過ぎないのである。

中国で月額100元の年金では生活できないことは火を見るより明らかであり、超齢農民工は生計を維持するために臨時のアルバイトをしてカネを稼がざるを得ないのが実情である。

その中でも人生の大部分を建設業界に身を置いていた超齢農民工は、清退令によって職場を失ったのである。建設関連の専門領域しか知らない彼らが生きる術は、年齢を詐称して建設現場で働くか、自己の専門領域に関連する臨時仕事で声がかかるのを待つしかない。前者は収入が多いかもしれないが、実年齢がばれて追い出される可能性は高い。後者は声がかからなければ一銭にもならないが、「待てば海路の日和あり」の言葉通りで運次第と言える。

中国では昔から各種の「修理屋さん」が自転車に乗って住宅地区を回り、住民からの依頼を受けて様々な物品を修理する伝統がある。超齢農民工の人々も自身の専門分野を活かして収入を得るべく、街中で待機して住民からの声掛けを待っているのであるが、灼熱の夏も極寒の冬もひたすら路傍で客待ちする彼らの生活がいかに過酷なものか。

それでも子供のために働き続けなければならない事情

中国では推定4000万人もの超齢農民工が、実家に帰っても地獄、都市に残っても地獄という生活を送ること甘受しているのが実態である。超齢農民工の子供は出稼ぎに出ているか学生であり、まだ結婚もしていないから、親に必要なのは働き続けて蓄財することである。

その目的は子供のための住宅や「彩礼(結納金)」などの支出に備えたものである。中国の農村では若者の男女比率がいびつで、顕著な女ひでりの状況にある。このために男側が納める結納金の金額は年々増大傾向にあり、男側の親には重い負担になっている。そればかりか、家族に病人が出るような事態となれば、その出費がいくらになるかは予想できない。

文頭に述べたように「2023年中央1号文件」は敢えて「超齢農民工」に言及し、彼らの就業権益をしっかり擁護する旨を言明した。経済の減速に直面している中国が公約通りに超齢農民工の就業権益を擁護し、彼らの生活を改善できるかは分からない。

2019年に上海市から始まった清退令によって、中国全土で推定4000万人もの超齢農民工が失業して苦しい生活を送っているのである。果たして、彼らは中国共産党と中国政府が策定した指針に生活改善の希望を託して良いのだろうか。

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